ときどき日記 2020/01-12

2020年12月31日 木曜日
『アーヤと魔女』

 スタジオジブリ、宮崎吾朗監督によるTVスペシャル。
事前番組も見ていなかったので、この企画は、てっきりシリーズとして制作されているものと思っていた。
 冒頭のカーチェイス?に面白味がない。
 捨てられたアーヤを見つけた孤児院のメガネ女性、手紙にあった「魔女」という記述をそのまま受け入れているので、この世界では普通に魔女が存在するのかと思ったら、院長は即座に否定、しかし少しだけ考え込む様子を見せるという、実に分かりにくい導入。
母親がここを選んでアーヤを捨てに来たのだから、何か魔女と関わりがある孤児院で、そこから不可解な会話になっているのかもしれないが、とりあえず単発スペシャルなのだし、無用な「意味ありげ」は削ったほうが。

 母親は、娘が成長しても孤児院に居続けることを望んだのに、アッサリ引き取られて院を離れる。
なので、そこから逃げ出すか追い返されてすぐ孤児院に帰るんだろう、と思えば、最後まで居残り。
引き取り手は母親のかつての仲間だったようで、これは計算通り?イレギュラー?
 「早くその家から脱出して」なのか「そこで頑張れ」なのか望ましい方向が分からず、気持ちを乗せづらい。
 善い悪いが不明確な男女と、良い子ではないが悪い子としての強烈さも薄いアーヤが、ほぼ家の中だけで繰り広げる勝利条件がよく分からないバタバタには、途中ちょっと集中力を欠いてしまう。

 CGのクオリティは、まあ普通。
 映画並みの画面を作れている訳でもないのに声優でなく俳優をキャスティングするのは、悪手。
作品としての表現力を落としていくばかり……「俺はプロの声優を使うよ」とキッパリ言ってくれれば、吾朗監督を少し見直すのに。
 ラストシーンから、続編あるいはTVシリーズ化の予定がある?
『ローニャ』も途中までしか見ていないし、続きがあったとして付き合う気持ちになれるかは難しいところだけど。

2020年12月29日 火曜日
『くまクマ熊ベアー』最終12話.「クマさんとフィナ」

 無敵ボーナス付き異世界転生ストーリーとして、悪くない出来。
 漫画版で読んだ時には、ユナが関わらずとも生計を立てられるよう、困窮者へのシステムを作ることに拘っていると感じられたが、アニメではさほどでもなく。
既に知っている筋立てなので、そこいらへの印象が弱くなってしまったものか。
 ユナが超絶に強く、便利な能力を持ちすぎているため、困っている人たちは全員養ってやればいいじゃないか、という気に。

 ついでに『神達に拾われた男』の感想。
 こちらも『くま…』同様、ボーナスパワーを全開にせずとも解決できる事件ばかりのゆるい内容(ユナはクラーケンに苦戦してたか)で、わずかに「経営」といった概念が入ってくるのも似ている。
 「公衆トイレ清掃をする転生者」ってのは目新しいイメージだったかな、ほぼスライムと魔法で簡単に片付けてたけど。

 どちらも、この回は冴えた作画だった!というのが無い代わり、崩壊するようなこともなく、安定。
 主人公周りに善い人々が集まり、ちょっと力を披露するだけで過剰なほど驚き、称賛してくれる、ストレスゼロの物語。
 もう少し負荷をかけた方が停滞とカタルシスの波を作れて盛り上がるんじゃ……と思わないでもないけど、それは『Re:ゼロ』『本好きの下剋上』辺りがやっているのか。

2020年12月27日 日曜日
『神様になった日』最終12話.「きみが選ぶ日」

 どんでん返しというか、「なるほど、こう来たか!」と感じられる最終回を期待したけれど、特にそんな仕掛けは無く。
 難病患者と共に生きていくラストに着地するなら、量子コンピュータとか巨大企業・国家組織による非人道的な行い、なんていう扱いづらい要素は不要。
中二病少女が事故か罹患によりこれまで通りの人生を歩めなくなってしまう、ぐらいの筋立てで、ほぼ同じ内容は描けそう。

 ひなの父、大企業CEOなど、子供に無理解で「酷い」と言っても良いキャラクターが登場するが、内面の真意に触れたり、因果応報な末路をたどる、ということもなく。
 ひな父については、死に向かう娘を捨てて新しい家庭を作った非道な親父、ではないのかも、と思っていた。
しつこいほど繰り返される、陽太によるひなへの愛ゆえの執着・過度な期待・それに応えないことへ苛立ちをぶつけることで更に彼女を追い込む悪循環の描写。
父親も彼と全く同じタイプの人間で、妻から?「このままでは、ひなを精神的に殺してしまう」と言われ、苦しんだ末、離れて一切関わらず生きることを決めたものかと。
 実際には、それを示す具体的描写などなく、悪手ばかり取り続けた陽太がそれを反省してひな父と別ルートを辿る契機もない。

 CEO、入手した量子コンピュータを自社利益のため、あるいは人類社会のため使うが、大方の予想通り暴走して世界壊滅の危機、ぐらいあっても。
その状況を制御できるのはひなだけ、とすれば、「神様になった日」というタイトルとも繋がりそう。
 ところで、天才ハッカー少年ってエラく中途半端に描いて退場したような。
ひなに付いた介護士も、イキナリ興味もない悲しい過去を語って無駄なキャラを立てた上、フェードアウト。
 大多数の途中エピソードからしてそうなんだけど、余計な寄り道が多すぎる作品。

 ひな、もっと壮絶な難病を予想していたのに、意思疎通は出来るし自分の意志で行動可能。
遠からず死ぬって話もあったような……量子コンピュータにより、病状はかなり改善された?
 それでも、介護が必要な「他人」を家族に迎え入れるのは大変、実の家族であってさえ「愛があれば大丈夫」なんて簡単な話じゃない。
手厚く看護されている施設から、無理矢理連れ帰ろうとする陽太の無責任さには、ついリアルを考えるジジイとして怒りさえ。
 強引にでもラストで泣かせに成功していたなら、まだ評価できたろうが、個人的に全く乗れず、他人事としてエピローグを眺めてしまった。
心がキレイな人、あるいはこの手のパターンに触れた回数がまだ少ない人なら、感動できたのだろうか。

2020年12月25日 金曜日
『ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN』最終12話.「それでも私は守りたい」

 ウィッチ達だけでなく、常人の軍人達も総力を上げてのベルリン奪還作戦、クライマックス。
 ネウロイの攻撃に、ある程度耐える装甲を持った巨大戦車が楽しい。
この世界の軍人は、決してウィッチを軽んじることなく、しかし頼り切って楽をしようと考えることもない。
ウィッチに敬意を払って可能な限り協力し、自分たちの責務は命懸けで果たそうとする、いかにも有能な軍人然としていて、気持ちがいい。
 それでも勝敗を決定付けるのは芳佳。
もう『ドラゴンボール』悟空のように、凄すぎる力を持っているが故、「どうやってクライマックスまで全力を発揮できないシチュエイションを設定するか」考えなければならないキャラに。
 静夏の危機から、全開パワーでネウロイを蹴散らしていく、圧倒的カタルシス。
 トドメ、は他のウィッチに譲る、ストーリーの抑制もまた良し。

 全体に、毎シリーズそうなんだけど、各話で部隊のキャラクターを取り上げ、抱えたドラマやウィッチ同士の葛藤を彫り込んだ上、きっちり昇華するクライマックスにまで持っていく、とても考えられた構成。
 お馴染みの少女たちが変わらず可愛く、それを描き出す作画レベルは安定して高い。
 今期も面白かった!
 大きな戦いが一つ終わったけれど、まだまだ先は長そう。
次のシーズンもある、かな。

2020年12月21日 月曜日
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIII』最終12話.「英雄回帰」

 全てのモンスターを脅威と考え殺そうとする大多数の者達と、敵対を避け庇護しようとするヘスティア・ファミリアの対立は、相当厳しくなるだろうと思っていたけれど、意外とそうでもなく。
 かなり高い立場の存在がベル達に理解を示しており(ベルをバックアップすることで目的を成し遂げようとしている?)、絶望的な孤軍奮闘、という訳でもなかったのがその理由か。
 最後、「男同士の戦い」があったことで、何となくベルらは許されてしまうし……モンスターに味方するヘスティア・ファミリアの問題行動は、ほとんどの人達にそうと認識されてないから?
 ファミリアに犠牲を出すほどの激しい戦いがなかった代わり、世の人々にモンスターへの理解が進むこともなく。
それはまだ、長い時間を掛けなければ無理だろうか。
現実の人間同士だって、住む国や肌の色が違えば、分かり合うことはそりゃもう困難を極めたりする訳で。

 とにかくウィーネが可愛く、守ってあげたくなる造形にできており、彼女のため茨の道を歩む主人公たちの選択にも説得力があった。
 アイズと真っ向から斬り合えるほど腕を上げているベルに驚き。
彼女との、そしてミノタウロスとのバトルは、作画的にも気合が入っており、見応え十分。
 これはまだ、四期もあるんじゃないかな。

2020年12月19日 土曜日
『魔女の旅々』最終12話.「ありとあらゆるありふれた灰の魔女の物語」

 最後は、『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』的な自分内会議?
 旅で出会った事件で、現在のイレイナとは違う体験をしたことにより、生じたパラレルワールドのイレイナ、なのかな。
 巨乳イレイナは遺伝子から違うため、あるいは魔法力による肉体変容?と思ったけど、単に詰め物。
 凹んで他者とコミュニケーションを取りたがらないタイプ、三人もいるのが可笑しい。
自信に満ち溢れたイレイナも、こうなってしまう恐れは多々あった、ということか。
しかし、自分に危害を加える粗暴イレイナとは戦うのにわずかな躊躇いもなく、イレイナの本性は失われていない模様。

 ラスト、街で日記を取り違えた相手は、別バージョンが全員消えた後も残ったイレイナで、同じ世界を別の角度から旅していくのだろう、と普通に思っていた。
 いや、全然別人なのね、アムネシア。
髪型も似ているし、ちょっと分かり辛くないかなあ……分からなかったの自分だけ?

 全体として、バラエティーに飛んだ構成で、楽しく見られた作品。
 『キノの旅』と比べてしまうと、一話ずつの哲学性というか寓意性というか、見終わって考え込ませる深度はさほどでもなかったように思うが、その分、気軽に鑑賞できた。
いや、ズシリと重い話もあったんだけど。
 『キノ』が出会う事件を主題にしているのに対し、こちらはヒロイン・イレイナを中心に物語を描いており、まさに「そう、私です」ストーリー。
 終わり方は、第二期に続くと感じさせるもの。
商業的成績が良ければ……エロではないし萌えとしても少し弱い作品だけれども、商売としてはどんなもんなんだろ。

2020年11月30日 月曜日
『ルパン三世 THE FIRST』

 見ようと思いながらも未見だったため、テレビ放送で鑑賞。
 19年、山崎貴監督による、CGアニメーション映画。
 予告等でキャラクターがオモチャのように見えてしまい、画面の出来に危惧を覚えていたけれど、見始めてしまえばすぐ慣れる。
キャラの造形やアクションには結構な手間がかかっており、厳しい目にも耐えるだろう。
劇中、不二子がちょっとだけ頬を膨らませて不満げな表情を見せる、この細かくて色っぽい表現には感心してしまう。

 ルパンの捉え方もかなり的確で、違和感を持たせない。
序盤の、よくあるベタベタ優しい人情家ルパン「ではない」描き方、好みだなあ。
それ以降は、まあまあアリガチな(好感を持たれやすい)イメージに落ち着いてしまうが。
 次元・五ヱ門らレギュラー陣も悪くない。
全体に「『カリオストロの城』がベース」と感じられるけれど、それはスペシャルなんかでも全部そうだし。

 ルパン奪還のカーアクション、しっかりアイディアを注ぎ込み、面白く撮れている。
 しかし、遺跡の仕掛けを突破……辺りから、超常的なパワーにルパンたちのキャラクターが負けている、いや都合に合わさせられているように感じられ、不思議パワーと一体になった航空機が出現する頃には、もう作品として扱いきれなくなっている。
SF・ファンタジーな設定・お宝に説得力をもたせるのが難しいのは、TVスペシャル版の壊滅状態で証明済み。
 次元らの強敵になるんだろうと思った軍人が無為な死を遂げ、ただの学者ジイサンが突然に世界の支配者たらんとし、自分を殺すだけの戦闘力を持った狂信者の前でヒトラーを見下すなど、設定に振り回されたが故「なんで?」の連続。
 ナチスが再興のため残した金銀財宝、ってことじゃダメだったのかなあ。

 実写版では使えなかった大野雄二の劇伴を大いに活用してあったのは、素直に嬉しい。
 テレビシリーズ『2』で何度もネタにした(親和性の高い?)ヒトラーを持ち出し、その生存をリアルにするため時代設定を少々過去にしてあり、おかげでスマホや電子装置の取り扱いに苦慮せず「ダイヤル式ロックを華麗に解錠するルパン」なんて落涙モノのシーンも見られた。
ルパンが抱く祖父・一世への想いや、銭形を表する「昭和一桁」の言葉も、この時代ならでは。
どうせなら東京を訪れ、当時の風景で暴れて欲しかったが、『三丁目の夕日』っぽくなる?
 山崎貴作品らしい、傑作とは言い難い、とはいえ駄作でもなく、TVスペシャルなどより遥かに出来の良い映画。

2020年11月09日 月曜日
『D4DJ First Mix』02.「Next Step」

 メディアミックス・プロジェクト。
 タイトルからもDJを扱う作品であり、全然詳しくない自分としては、その魅力や難しさ、そこに掛ける少女たちの夢なんかを楽しく描いてくれるものと期待して視聴。
 うーん、DJ独自だろう活動もある、けれど、2話目にして、お披露目の際のメインはヒロインの舞台アピールと歌唱に移っており、それならアイドルユニットをテーマにする方が適していたのでは。
いや、ホントに無知なもので、「歌とダンス?こそDJの本質だ」ということならこれで正しいのだろうが。

 そこを除けば、ネジが緩んで感じられるほどのヒロインの明るさは強烈であり、それに振り回されるDJ少女の生真面目さが対比として可笑しく、悪くない内容。
 3Dのキャラクター造形は可愛いし、知ってる曲が劇中流れるのも楽しげ。
 とはいえ、アイドル活動的な内容のアニメは数多く、その中で特別な作品足り得るかどうかは不明確。
 もう少し見ての判断で。

2020年10月24日 土曜日
『ウルトラマンZ』18.「2020年の再挑戦」

 冒頭の、駐車場が陥没するパゴス出現のシーンは以前のバンクなような……
 などということはすぐどうでも良くなる、ケムール人登場回。
 設定として、2020年の未来人(地球人)だとばかり思っていたけど、定かではないのね。
ケムール「星人」だとすると、母星の2020年から、『ウルトラQ』1960年に時間移動して人間をさらう理由が無いような。
宇宙人への対抗手段が未発達な時代の地球を狙ったのか、とも思うけど、今回は現代設定でも平気で誘拐を強行しているし。
母星から地球に至る経路に時間断層でもあって、50数年移動してしまうのか。

 ウルトラマンと正邪対立した存在の、人間・カオリとケムール人合成体。
最後に、カオリがケムール人を抑え込むシーンは人間の尊厳を掛けた神々しさすらあり、感動的。
 浦島太郎状態の彼女が失ったろう、家族や本来あるべきだった普通の生活が描けていたら、より深みが増したかな、とは思うけど長くなるから、観覧車に絡めた思い出語りで十分といえば十分。
 ほぼ「神」に近い力を(ストーリーにより便利に)使うウルトラマンだけど、融合したカオリ・ケムール人を切り離すのが、Zにさえ超常存在のベリアロクだったのは、納得しやすい描き方。
 オリジナルから「ない、ないー!」を踏襲したダークなエンディングになるのでは?と心配したが、消えたのはカオリの記憶一晩分だけ、しかもそれは優しいハルキを思う彼女の嘘だった。
「ありがとう、ウルトラマン」の言葉が素晴らしい、記憶に残るエンディング。

 『Z』本当に面白い。
 敵か味方か、容易に窺わせない隊長はウルトラシリーズ屈指のキャラクター。
OPで歌われている「最後に立ちはだかる相手は誰だ?」とは、隊長のこと?
本作中では、ベリアロクも完全な味方ではないし、キングジョーは異星人の兵器を改造したもの、セレブロに寄生されれば地球人も敵対する上、ベリアルメダルは変身利用に激しい抵抗を示す。
安心できるのは、ハルキ・Zの関係ぐらいか。

 以前、地下に潜った怪獣を見失った原因として、「傷を治す、エネルギーを回復させるため、一時的に冬眠のような仮死状態となっており、生命反応も追えない」としたのに感心。
歴代防衛隊も、そんな理由で見つけられなかったのかも。
 ハルキが怪獣を殺せなかったトラウマは、父親との対面により乗り越えた……?
結構拗らせていた様子だけど、まあ良かった。
ブルトンやグリーザなど、可哀想だと感じられる対象たりえない相手との戦いを組んでいるのは、シリーズの流れとして上手い。

2020年10月23日 金曜日
『アサルトリリィ BOUQUET』04.「キンモクセイ」

 CHARMの原理、戦闘の様式など、細かいところをかなり詰めて作られているアニメ。
その説明が長い、という部分もあるけれど、「不思議なパワーで敵を倒す」に留めたくない意思は伝わる。
 キャラクターもそれぞれ魅力的……ただし、まだ見分けられない少女も存在。
自分の弱った脳でさえ、話の中心に据えて語られたキャラは覚えられており、話数を分けて紹介するつもりがあるようだから、待ち。

 前回の能力暴走から梨璃捨て身の制御、二人なら出来るフィニッシュ、今回の遠距離狙撃弾き返しバトルと、作画的な見どころが毎回設けられていて、楽しい。
どちらも「少女たちの心が近づいていく」戦いなのね、それがテーマの作品か。
 郭 神琳はてっきり韓国籍だと思い、「攻めた」キャラ設定だなあと思ったけれど、実際は台北出身。
いっそ韓国映画で見るパターンのように、北朝鮮から来た少女、実は多数の同期の屍を超えて養成された超人的エージェント・リリィ、当初は祖国のため汚い行動も取るが、仲間たちとの関係を経て次第に変化し……というキャラ立てもできそう。
「拉致被害者も帰らない現状、北朝鮮のエージェントを美化して描く事は許されるのか」は正論だから、難しいかな。

2020年10月17日 土曜日
『禍つヴァールハイト -ZUERST-』01.「THE GETAWAY -Part One-」

 原作ゲームアプリ未プレイ。
 モンスター(変異体)が出没する世界。
それら対人類軍の激闘を描くのかと思えば、第一話は人対人。
 変異体と戦うためには各地方に武装が必要、しかし、議会で求められているのは「その武器による反乱行為が起き、治安が乱れているため、所持の厳罰化を」ということ。
まず軍隊派遣による安全確保、更に可能な限り国民不満を解消するのが順番じゃないかなあ。
そんなこと、現実のお上でもなかなか出来てないけど。

 配送の仕事をしているお兄ちゃんは、どう見ても「悲惨な死に方をするモブ」みたいな顔をしているのに、意外、冒頭から出ている新人兵士の少年と並んで、ダブル主役?
敵味方に分かれてしまった二人の物語になっていくのか……いや、配送員がこんな悲劇に見舞われたのは少年のうっかりミスが原因だよね。
成り行きから配送員が兵士を殺してしまったため、もうそんな発端をどうこう言ってる状況ではないが。
 逃走中のテロリスト?一行。
山間の細い道を車で逃げていたのだから、せっかく所持している武器を用い、崖など崩して道を塞げば追跡を食い止められたような。
ここは、野原の一本道とか、そういう手段では相手を止められない設定にすべきでは?脚本とコンテの意思疎通が出来てない?と思えば監督が一人で兼任してた。

 ずっと人間同士の闘いが続くのか、モンスターの猛攻にそれどころじゃなくなるのか。
 もうちょっと見ての判断で。


『おそ松さん(第三期)』01.「降板」

 二期から二年半の休止と映画をはさみ、三期開幕。
 人気はまだ相当ある様子で、商業的には三期どころか四期もその先もアリだろうけど、もうネタ的に厳しいところがあって、スカスカの悲惨なアニメになって続けるよりは終わらせたほうが良いのでは、と余計なことながら思っていた。

 一話目。
 偽物というか普段と違う姿で六つ子が現れるのは、既に何度もやっている(今回、声優の世代交代までがネタみたいだけど、そこはよく分からない)。
しかし女性形態から国籍人種をまたいだ六人まで現れ、「ポリコレに配慮しています」の姿勢を笑いにする攻めた態度は、凄い。
 あとは巨乳になってしまったトト子がその胸故に公的イメージキャラクターに選ばれポスターになるとか……本気で怒られそうか。
 グローバル松に韓国籍を加えるというチャレンジもあったろうが、これもまた「おいおい」とかいう反応では済まさない視聴者を生み出しそうで、さすがに危険。

 楽屋オチの声優から監督登場、『ヱヴァ』『鬼滅』パロディ(『ジャイアントロボ』ヒィッツカラルドの指パッチン懐かしい)、定番と言える六つ子逆上・暴走爆発まで、渾身の一話。
 爆笑までいかないが、笑えたところあり。
声優ネタ、特に女性ファンにはたまらないシーンだったろう、これだけで一本作っても「神回」と言われそう(男性視聴者は置いてきぼり)。
 三期も期待できそう……かはまだ判断できないけれど、やる気は十分に感じられ、息切れするならその様子も含めて楽しみつつ、最後まで付き合いたい。

 ついでに『えいがのおそ松さん』。
 ギャグは所々笑える、ぐらいだが、「最悪」に描かれる六つ子の学生時代でも、他の誰かからすれば価値のある、羨ましいぐらいの時間だったかもしれない、というテーマが、ロクでもないこと以外何もない学生だった自分には染みて染みて、ちょっと泣けるほど。
 無理矢理盛り上げるクライマックスは好きだし、エンディングはじめ歌もすごく良くて、お気に入りの一本。

2020年10月16日 金曜日
『おちこぼれフルーツタルト』01.「いってきますヒガコ!」

 『ハナヤマタ』浜弓場双による原作漫画、未読。
 パッとしない所属タレントばかり集めた寮に、新しくヒロインが加わることから始まる、崖っぷちアイドルストーリー。
といっても、アイドルとしてのし上がっていく過程なんかはメインでなく、日常系コメディーが本筋かな。
 彼女らが暮らす街を、東京の小金井市に設定。
取材に基づくのだろう風景がアチコチ見られ、ちょっと行ってみたい気分に。

 目立った芸能活躍を出来ていないヒロイン達だけど、駅前では一糸乱れぬダンスを見せるなど、有能……いつ練習したんだろう?と思ったら、寮の歌として前半で披露されてたものなのね。
 背景美術を含み、画面はとてもキレイ。
ヒロイン達の可愛らしさは、それだけで視聴継続の動機になる。
巨乳表現とか、サービス重視のエンディング絵とか、男性視聴者の心をつかむ方策もバッチリ。
 最後まで見てしまいそう。


『まえせつ!』01.「おわらい!」

 キャラクター原案は『らき☆すた』美水かがみなのね、アニメだと「そう…なの?」ぐらいにしか分からない。
 漫才師を目指す女性たちの話。
企画協力に吉本興業の名前があるのは、期待のポイントか不安要因か。
 てっきり高校在学中に活動しているんだと思ったけど、卒業済み19歳の設定。
フィクションだから構わないが、学業や仕事の片手間ではなく、お笑いに人生を賭けてしまうのはリスキー過ぎ。
「学校で一番面白い」ぐらいじゃ商売にならない。
 youtubeにでも漫才動画を上げて、どのぐらい評価されるかを見てみるべきじゃないかなあ。

 主人公コンビは、まだまだ駆け出しで笑いのヒット率も低く、これから、なんだろうけど、一話から作品として笑いが少なすぎるような。
まあまあ、『けいおん!』だって一話から見事な演奏を披露した訳ではなく、同様に「穏やかな日常」をこそテーマにしているのか。
 作画は良い方、しかし『けいおん!』『らき☆すた』の京アニクオリティーからは遠い。
 もう少し見ようかとは思うが、新作ラッシュが物凄い今期、何かしらインパクトを与えてくれないと厳しい。

2020年10月15日 木曜日
『憂国のモリアーティ』01.「伯爵の犯罪」

 原作漫画未読。
 「シャーロック・ホームズ」最強の宿敵・モリアーティ教授を主人公に据える、このアイディアが素晴らしい。
 二次創作的な作品でも、大抵は極悪だったり異常者としてしか描かれないが、なるほど、階級社会であり、警察による犯罪解決能力も低かったろうこの時代、 「被害者の復讐を助け、義のある犯罪を知的にサポートする、コンサルタントとしてのモリアーティ」として見せていく方法があったか。
 よくあるビジュアルに引っ張られず、圧倒的美青年として絵にしているのも、女性人気を取れそうで結構。

 モリアーティ本人が手を下さないため、少々物足りない気はするが、それこそ作品の肝なのだろう。
 「犯人を殺したところで息子は喜ばない」とかいったヒューマンな解決にせず、きっちり殺した上、笑顔を見せる被害者(犯人に対しては加害者)が爽やかですらあり、そこがまた怖い。
 アクションで誤魔化さない、知的なゲームの組み立てをどこまで出来るのか、期待して視聴継続。


『体操ザムライ』01.「引退ザムライ」

 オリジナル企画アニメ。
 タイトルから内容の想像ができなかったけれど、無理矢理というか、そのまんま。
引退を迫られている体操選手が、ニンジャの扮装をした驚異的に身軽な青年と出会う。
 崖っぷちの選手を扱う作品として、『ユーリ!!! on ICE』を連想。
そういう感じで行くのか、「サムライの時代にタイムスリップし、体操の技能を生かして出世する」SF路線か、なんて考えていたが、どちらでもなく。

 素っ頓狂なニンジャ青年からして、シリアスな再起の物語になるとは思えず。
彼の動きから、新しい体操のイメージを得ていくのか。
 作画は水準をキープしているけれど、所々緩みも。
体操競技を華麗に表現するには、もうちょっとレベルアップを望みたい。
 三話ぐらいまで見ての判断で。

2020年10月14日 水曜日
『神様になった日』01.「降臨の日」

 『CLANNAD』『Angel Beats!』の麻枝准が原作・脚本・音楽の、オリジナルアニメ。
 突然、主人公の前に神だと名乗る少女が現れ、あと30日で世界が終わると告げる。
 「宇宙人です」「魔族です」「あなた専用のメイドです」と言って不可思議なヒロインが登場する作品は、昨今別に珍しくない。
その発言へ周囲が的確なリアクションを示し、本物であることを証明する事象を積み重ね、興味喚起して次回以降につなげる、その構成が大事。
 この作品では、非常に上手く出来ている。

 彼女・ひなの言葉を全く信じない主人公が、次第にそのペースに巻き込まれ、片思いの相手に告白までさせられてしまう。
この流れをテンポよく、笑いを多々混ぜながら描くのに感心。
 天気予報、渋滞情報、競馬予想に野球の投球コース予測と、凄い能力のようでありながら、スマホ等から得られる情報を元に驚異的知力を持って分析すれば、人間でも「絶対不可能」ではないギリギリのライン。
 彼女はホントに神なのか、終末はどういう形で来るのか、主人公はそれに対し何か出来るのか……気になる。

 「その前に世界が、終・わ・る!」の叫びに合わせて、ひなが足を踏み鳴らすシーン、気持ちの良い動きで笑ってしまった。
 作画はカッチリ整っており、ひなも杏子も可愛く描けている。
 これは楽しみな新作。


『ご注文はうさぎですか? BLOOM』01.「にっこりカフェの魔法使い」

 2014年から続くシリーズ、かなり間をおいて第三期。
 一期はほぼ見ていたと思うが、二期は飛び飛び、それでも鑑賞には支障がないぐらい分かりやすい再開第一話。
まあ、基本的に「みんな可愛いなあ」を楽しめば良い作品だし。
 「ラビットハウス閉店の危機を救うべく、少女たちの集客を目指す戦いが始まる」なんていう引きはなく、どころか「十年後もこのまま変わらず居たい」気持ちを表現して今回は終わり。
実に癒やし系。
 可愛さを堪能するのに十分な画面。
 余裕があれば見ていきたい。


『安達としまむら』01.「制服ピンポン」

 原作はライトノベルなのね、百合専門誌の漫画かと思った。
 第一話から、何といって事件が起こる訳でもなく。
 少女二人の心情を、繊細に描いていく物語。
友達を紹介し、皆で楽しく過ごしたよう思えたが、相手はそういう関係を求めておらず、いつもの場所に来なくなってしまう……実に細やか。
 その割に、宇宙服の宇宙人?が非日常的。
必要かなあコレ、上手く扱えるなら良いけど。

 内容から必須の作画レベルは、キレイな顔立ちに描けているものの、体とかちょっと怪しいところが。
総作画監督5人、一話作画監督4人、原画等に国外発注が多い辺り、先行きに少々の不安。
 ここから、重い話もできるしコミカルさをキープする路線も選べる。
 どうなっていくのか、もう少し見ての判断で。

2020年10月13日 火曜日
『最響カミズモード!』01.「響け神音!!!」

 トレーディングカードアーケードゲームを元にした、テレビアニメ。
 「響」「紙相撲」といったタイトルから何となく予想される通り、紙相撲の要領で「神」と言われるキャラクターたちを対戦させる、その際、紙相撲ならトン トンとテーブルを叩いていたものが、この作品では音響・音楽に乗ってリズムゲームのごとく打楽器を叩くことで実行される。
 ドラムに挫折した少年が、未知の相手と出会い、戦いに巻き込まれることによってドラムに向ける気持ちを取り戻す、年少者向けらしく分かりやすい第一話。
 「神」だけでなく、一般人間キャラまで目にキンキン来るような配色。
このぐらい遠慮のない色使いの方が、子供にはアピールしやすい?
 ジジイとしては順当に視聴対象外。


『アクダマドライブ』01.「SE7EN」

 『ダンガンロンパ』小高和剛が原案の、オリジナル企画。
 新旧の文明・科学が混在するパワーに溢れた街としては、東京より大阪の方が似合う気がする。
 細かく作り込まれた背景設定に感心。
 物語としては、まだまだ伏せている部分が多く、全貌が掴めないので何とも。
ただ、悪党揃いらしいキャラクター陣の特技・特性を短く見せ、僅かに魅力まで感じさせる手腕は大したもの。
彼ら彼女らと、真っ当な一般人であるヒロインの関わりが、これから軸になるのだろう。

 とにかく作画を頑張っており、アクション演出も上手い。
 当分、見続けよう。

2020年10月12日 月曜日
『ぐらぶるっ!』01.「グランブルーの空で」

 人気ゲームの、短編ギャグアニメバージョン。
『ぐらんぶる』もアニメ化されているため、タイトルが紛らわしい。
 あれ?通常アニメ版で主人公だった少年がいないような。
プレイヤーキャラだから「自分」という位置づけで、画面には登場させないのか。
 こういう作品としては、変身シーンとか頑張った作画。
 ゲームあるいはアニメ本編が大好きなファン向けの、サービス企画。


『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦』01.「邂逅 -2つの国の最終兵器-」

 原作ライトノベル未読。
 冒頭から設定説明ナレーション、事情を明かさないまま主人公による拘禁された少女の解放、次いで彼への問責や投獄を省略し(冒頭のバックで少しあるが)釈放と、目まぐるしくて全然話に乗れない。

 その後も、屈託なく集まってくる昔のチームメイトたち……彼ら彼女らにも反乱の疑いは掛けられるはず。
主人公のために相当な面倒があったはずだけど、いや、反乱行為の当事者にさえ自由を与えている様子からすると、ひどく緩い世界なのかな。
 今回、見せ場となるバトルでも、さっきまで戦っていた相手を抱きとめ、その女性も普通に礼を言うの、コミカルというより気が抜けすぎていて、うーん。
 そこから間を置かず、観劇の場で二人が再会するに至っては、「運命」というより「都合の良さ」だけを感じてしまう。

 実は……ということで、納得できる設定があるのかもしれないが、一話を見る限り、このふわふわな世界観で何を語られても。
 演出には少しクセがあり、「カメラに映らないところでの動き」を表現しようとしているのは意欲。
主人公らの車がひっくり返るシーンなど、分かり辛くなっているところもあるが。
 キャラ描画はキレイ。
 今期、新作が少なければ、様子見したいところだけど……


『ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN』01.「アルプスの魔法少女」

 テレビシリーズ第三期開幕。
 おなじみのキャラクター、安定のクオリティで、文句は何もなく、今期も楽しみ。
 坂本はやっぱりもう魔法が使えなくなってしまったのか……ちょっと寂しい。
今後は指揮官として活躍、更には少女たちの精神的支柱ともなるのかな。

 ボロボロ飛行ユニットを装備、墜落しかけながらも、無理矢理パイプ詰まりを吹き飛ばす驚異の魔法力を見せた芳佳、さすが。
 ネウロイって水が苦手だったのね。
それを進化により克服したのか、今回登場した個体が特別だったのか。
 潜水艦ネウロイとか出てきたら、飛行部隊では対応が難しい。
新たに伊号やUボート、ガトー級潜水艦ユニットを装着して海に乗り出すとか。
芳佳たちと潜水艦ウィッチが前後で合体し、『謎の円盤UFO』スカイダイバー形態に……(古すぎる)

2020年10月11日 日曜日
『NOBLESSE -ノブレス-』01.「守るべきもの/Ordinary」

 レギュラー放送、第一回。
 先週のOVA『NOBLESSE:Awakening』は、0話というナンバリングであり物語の前日譚とされ、なので「見ておけば、より本編が楽しめ る」位置づけのものかと……いやいや、ストーリーはそのまんま続いており、0話を見てないと今回は何が何だか分からないはず。
だったら、前回を1話、今回は2話としてシリーズに編入して良いような。
まあ、興味がある人は最初から見るか。
 作画的に、OVA版よりは落ちた気がするけれど、TVシリーズとしては十分。
 前回で、敵から主人公側に編入したキャラの立ち位置を確定する話として、堅実な作り。


『くまクマ熊ベアー』01.「クマさん、登場」

 原作は漫画版で三巻まで既読。
 異世界転生(移行)物として、まずまず基本的なストーリー。
ファンシーなクマ服を着ることで凶悪な戦闘能力を発揮するギャップと、ヒロインが現世では株投資を行うなど経済的観念が発達しており、そのためか困った人を単に助けるに留まらず「その後、自立して生活するには」まで考えるところが、特色。

 アニメ。
 漫画単行本三巻目のエピソードを、いきなり映像化。
書いたように大体はスタンダードな設定のため、ここから始めても意味不明になったりはしないが、これ以前の見せ場からでも良かったろうと思え、選択の基準がよく分からない。
 少年を村の外に出すためオトリとなり命を落とした村人の存在、それを受けてユナを逃がすために自らモンスターに「食われる覚悟」の少年、といった物語に厚みを出す描写が削られており、残念。
まずヒロイン・ユナだけを印象づけるため、その他キャラの「いいシーン」を消したものと思われるが、だったら順番通りもっと後に回したほうが良かったような。
 時系列を意図的に混ぜてあり、アニメだけ見た場合、クマ装備はユナがプレイしているゲーム世界のものだと受け取られそう。
ゲーム中キャラとは姿がまるで違うと描かれてはいるが、何となく見ていたら気づかないだろう。
ここ、「実は…」と明かすような設定じゃないのに、無用な混乱。

 クマ装備は可愛く描けており、アクションにも気合が入っている。
対ブラックバイパー戦での戦術は、アニメの方が見ごたえあるぐらい。
 ここから作画レベルなど落ちないことを期待。


『24 JAPAN』01.「00:00 - 01:00」

 『24』全シーズン見ているファンとして、日本で作ると、どうしてもドラマやアクションがダサくなってしまい、まるで本家に敵わない出来になりはしないか、危惧しつつ視聴。
 前情報無しで見たため驚いたが、オリジナルのシーズン1を、そのまま日本に舞台を移してやろうってのね。
……シーズン1は、最初だったせいもあり、元々面白味に欠ける・モタモタした部分が多々あり、コレをそのままは、やらない方が良いのに。
といっても「核攻撃」は日本ドラマとして難しかろうし、「殺人ウィルス」もタイムリーに過ぎるか。
 向こう版も、スタート時点はセットが安っぽく、予算もさして潤沢ではない気がしたけれど、日本版はもうブッちぎりで安っぽい。
 うっかり冒頭で見せてしまうアクションシーンの、一昔前の刑事モノを思わせる下手な撮り方には、絶句。
『ライダー』や『戦隊』スタッフの方が上手いんじゃないかなあ。

 20分ぐらい見て、あとは一回目の見せ場となる飛行機爆破シーンを確認、やっぱり安っぽかったので、視聴終了。
 日本でやるなら……例えば『半沢直樹』を24時間リアルタイムでドラマ展開したほうが、『24』の雰囲気に近いと思うな。

2020年10月10日 土曜日
『池袋ウエストゲートパーク』01.「北口スモークタワー」

 原作は小説だったのか、未読。
実写テレビドラマ版も、面白いという評判を聞きながら未視聴。
 グレた連中が「池袋の覇権はワシらが取ったるんじゃー」みたいなこと言ってドタバタしてるドラマかと思ってたけど、街の掃除屋というか、まあ正義側のお話なのね。

 第一話で扱う事件は、ないこともないかな、ぐらいのリアリティー(違法ドラッグ・脱法ハーブってもう昔のイメージだけど)。
 派手さに欠ける犯罪を、意外性のない捜査で追い掛け、爽快感の薄い罠で片付ける、地味〜な内容。
 組み立ては堅実で問題ないレベル、しかし面白い!ってことはない。
 最後まで中性的に描かれた少女が珍しい(ラストでヒラヒラのワンピースとか着て来そう)。
主人公を「彼氏」ではなく「父親」として好意を抱く彼女の思考、ジジイとしては心地良い。
 画面づくりも悪くないが、心を掴まれるスタートだったかというと……


『魔王城でおやすみ』01.「眠れぬ城の姫」

 「少年サンデー」の原作漫画は、連載で既読。
娘が大好きな漫画の一つで、自分が寝る時にも「すやぁ…」と言うほど。
 タイトル通り、攫われた先の魔王城で、安らかにおやすみすることを目的に、姫が孤軍奮闘・傍若無人に暗躍する話。
 連載開始当初、こんな限定的ネタでは連載とか絶対無理!と思っていたものだけど、眠りに関わる事項のバリエーションを増やし、城のキャラクターたちを彫 り込み、テーマから外れそうなストーリーまでも「強烈な姫のイメージ」で包み込むことにより自然に消化してしまい、気がつけば長期連載。

 アニメ。
 華やかな、可愛らしい絵柄が大きな魅力となっている原作。
それを映像化するなら、良好な作画であることが絶対条件!
一話を見る限り、求められる水準は問題なくクリアしている。
特に、姫が歌い踊る楽しげミュージカルなOP、好きだなあ。
 漫画では出せないテンポの良さが演出できており、牢屋の鉄格子をヘアブラシで叩くや、牢の鍵を持ってでびあくまが飛んでくる繰り返しギャグのタイミングに、笑ってしまった。
 声もイメージと違う!ってキャラはなく。
はりとげマジロ、小山力也なのね、豪華ー。
 可能な限り視聴。


『秘密結社鷹の爪 〜ゴールデン・スペル〜』01.「ゴールデン・スペル」

 もう数え切れないぐらい作られている『鷹の爪』シリーズの、テレビ最新作。
作品の開始当初は映画も含み出来る限り見ていたけれど、さすがに追い掛けきれず。
 いつ見ても、相変わらずの面々が、相変わらずのドタバタを繰り広げている、驚異的に安定した内容。
 作画クオリティについては、基本的にずーっと同じ絵を使い回しているので、落ちようがない(笑)。
 一話も見逃せない!なんてことはないが、余裕のある限り楽しんでいきたい。
島根自虐ネタが好きだなあ、でも昨今、そういうシャレが通じづらい?

2020年10月09日 金曜日
『大人にゃ恋の仕方がわからねぇ!』01.「マグロ君かどうか、試してみる?」

 アダルトな描写を主眼とする5分アニメ。
 原作漫画未読。
 女性を蔑む男と、男をマグロ呼ばわりする女性が、勢いでホテルに入ってしまう、凄い唐突な展開だけど、何しろ時間が短いから仕方ない。
 これも、肝心のアダルトシーンは有償バージョンでお楽しみください、なので、真価は不明。
 一期に一本はこういう作品があるけれど、商売になってるのかなあ?
作られ続けている、ということは、それなりに儲かってるのか。


『エタニティ 〜深夜の濡恋ちゃんねる 〜』01.「君が好きだから」

 アダルトな描写を主眼とする15分アニメ。
 原作はティーンズラブ小説レーベルらしい。
その12作品を元にアニメ化、ということで、オムニバス形式になるのかな?
 男キャラの鼻筋が長すぎて違和感あるけれど、女性キャラは可愛く、アダルト用途にも不足はないだろう作画。
……肝心のサービスシーンはテレビではカットされているため、判断不能。

 今回の主人公男女をずっと扱うのでなければ、二人の職業設定や前の彼女との確執、その元カノと仲良くなりたいという現ヨメの行動など、必要かなあ?って気はする。
興味が湧いたら、この続きは小説で読んでね、って感じ?


『神達に拾われた男』01.「スライムたちとリョウマ」

 原作小説は一巻を途中までモタモタ読んでいた間に、漫画版単行本が出てしまったのでそちらに切り替え、二巻まで既読。
 魔獣使いという職種はファンタジーにおいてそんなに珍しくないけれど、主人公がスライムに限って使役するのは貴重。
スライムを各種用途により進化させ、それで大抵の事態には対応できる設定。
 とはいえ、転生前から武術の達人であり、魔法を使い、すべての属性に対応できる「俺ツエー」キャラなので、スライム使いはまあオマケみたいな(劇中で上手く使っているが)。
 小説を読んだ際、非常にフランクな神達との対面、タメ口の会話、パターンとして異世界転生を理解しており説明不要の主人公に、「おいおいテキトーだな あ」と突っ込んでしまったものだけど、転生物あふれる現状になってはごくスタンダードな有り様で、むしろ分かりやすく丁寧ですらある。

 アニメ。
 ちょっと構成が違う……?
しかし、時間を追って語るのが正しいというものでもなく、元々分かりやすい話なので、どこから始めても問題ないのか。
主人公の転生前姿は割と夢も希望もないオジサンだから、美少年からスタートする方が受けは良さそうだし。
 まずまず無敵の力を持ち、周辺を良い人たちに(美少女にも)囲まれ、何気ない行動に皆「スゲー」と驚いてくれる、居心地よく都合の良い癒やし系作品。
 肩の力を抜ききって、ポケーと眺めるのが吉。

令和2年10月08日 木曜日
『無能なナナ』01.「無能力」

 原作漫画は単行本で一巻を既読。
 人類社会を脅かす異質な存在と戦うため、超常的能力を持つ少年少女が集められた学校が舞台。
ということで、だいたい何通りかのパターンが予想でき、実際に最初は「能力的に劣り、コンプレックスを抱える少年が、少女との出会いを経て目覚める話」として、そこから外れないストーリーになっている。
……愕然とする展開を迎えるまでは。

 ナナが持つ、シャーロック・ホームズばりの推理力は、十分に超能力の水準。
単純に火とか氷を使えるより、よほど人類にとっての驚異になりえるんじゃなかろうか。
 演出・作画ともに問題のないレベル。
 単行本一巻目以降、どういう話になったのか知らないから、アニメで楽しませていただきたい。


『いわかける!-Sport Climbing Girls-』01.「岩のパズル」

 原作漫画未読。
 スポーツクライミングを主題としている……テレビなんかでチラっとそういう競技があるのは見た事あるけれど、悲しいぐらいの体力しか持たない自分としてはさして興味なく、漫画に使えるものだとも思わなかった。
 ほとんどの視聴者にとって縁遠い、筋肉勝負に見えるスポーツを、「パズルゲーム的解法」という視点を取り入れることによって一気に身近・分かりやすくするアイディアは、秀逸。
とにかく登ればいいんだろ、と思っていたが、なるほどルートの選択や攻略法が重要なのね。

 メインキャラたちは、筋肉質でありながら可愛く描かれている。
ムッキムキな女性をこそ好む人もいるけれど、より多い視聴者にアピールするにはバランスが重要。
 一話目は、理不尽な追い詰め方をするラストまで、なかなか面白く見られた。
 しばらく視聴継続。


『魔法科高校の劣等生 来訪者編』01.「来訪者編 I」

 二期開幕。
 一話目は、謎の転校生・リーナ(彼女の視点から始まるため謎とかほとんどない)が来日し、主人公含むおなじみのキャラクターたちと対面、リーナの能力と世間知らずぶりを示しつつ、達也ツエーを見せつけ、事件の予兆で終わった。
テンポよく、分かりやすい、作画の良さもあってツカミに十分な初回。
 ……と言いながら、実は前期を最初の数話ぐらいしか見ていない。
何が引っかかって視聴終止したものか覚えてないが、主人公の俺様ぶりとか、パターンを感じさせるストーリーとか、かな?
 気難しいねえ六年前の自分。
 いや、六年前は娘が小さかったため、物理的に視聴時間がひどく限られていたのかもしれない。

 しばらく視聴継続。
 どうしても知らない設定が多いため、疎外感が強くなってきたらまた考えることとして。

2020年10月07日 水曜日
『戦翼のシグルドリーヴァ』01.「館山基地へようこそ!」

 アニメオリジナル企画。
 シリーズ構成・脚本が『Re:ゼロから始める異世界生活』の長月達平だ、というのが巨大なセールスポイント。
しかし、ファンにとっては「そんなことしてないで『Re:ゼロ』の続きを早く書いてくれー」かもしれないが。
 通常兵器では歯が立たない異質な侵略者?を相手に、特別な能力を持った少女たちが空を翔け立ち向かう……『ストライクウィッチーズ』とよく似た設定。
プロペラ機への拘り、敵個体に存在するコア?、年端も行かない少女たち(そうは見えないが十代後半も多いのか)だけで構成された部隊なども、共通して感じられる。

 初回一時間で始める辺り、期待されている作品なのだろう。
 女の子たちは可愛く描けており、3DCGを用いた画面にも不足はない。
 機体整備責任者の声が千葉繁だと、凄い安心感があるなあ。
 一話目時点ではまだ何で?何で?が多いけれど、次第に説明されていくんだろう。
「正体不明の敵に対し、神様がくれた旧世代の航空機で戦う少女たち」という設定を受け入れるなら、他のことはもう些細な問題か。

 『Re:ゼロ』も、アニメ初回を見た時に予想した内容を遥かに超えてきたので、その驚き再びを期待。
 視聴継続。


『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』01.「はじまりのトキメキ」

 アイドルを志望する少女たちを描く作品には『アイカツ!』『IDOLM@STER』など息の長いシリーズが多いけれど、これもその代表的な一本。
シリーズタイトルとしては三作目なのか……もっと沢山あるような気がしてた。
 デザインから歩夢がヒロインっぽいなあ、と思っていたけれど、物語を能動的に引っ張っていくのは侑、やっぱり彼女のほうがメインになるのかと考えていれば、ラストの歌唱で歩夢が注目を全部持っていってしまう。
しかし公式サイトのキャラ紹介でも最初に居るのは侑。
この揺すられっぷりがなかなか楽しい。
 まあ『ラブライブ』に限らず集団アイドル物は、誰が絶対的主人公だということでもないのか。

 第一話では、彼女らの通う広大な学園設定が目を引いた。
学校、というか国際展示場。
生徒は何千人居るのかー広すぎる。
 伝統的に、部活存続の危機に見舞われ、ここからメンバーを集結させ再起を図るものと。
 演出・作画面ともに、このシリーズでは言うまでもなく高クオリティ。
 よほどレベルが落ちない限り、最後まで見てしまいそう。

2020年10月06日 火曜日
『半妖の夜叉姫』01.「あれからの犬夜叉」

 原作漫画既読。
 前アニメ『完結編』の終了から、もう10年経ってるのか。
 続編、というか子どもたちの世代を主人公にしたスピンオフ……仕切り直しての新作かな、が作られるという情報を知った時は、驚いた。
原作がないのにどうするのか?と。
 『犬夜叉』は、高橋留美子の卓越したキャラクター造形やストーリーテリングによって面白くしている作品で、「誰が作ってもそれなりの内容になる」ものでは間違ってもなく、その才能を抜きにして上手く仕上げるのは非常に困難。
パワーと人材を出来る限り注ぎ込んで制作するしかあるまいが、それなら全く別の企画を作ったほうが効率的なような。
商業上、看板が大事なのは分かるにせよ。

 一話では、ほとんど前世代の話で終わった。
 前作から違和感なく続けて見せたのは、旧来ファンへのアピールとして結構。
 しかし、そこに時間をかけ過ぎ、新キャラクターたちへの橋渡しが上手く出来ていない。
これだと独立した新作として見ようとするのは、難しい。
メインキャラのしっかりした紹介は、次回以降なのだろうが。
 『犬夜叉』がとにかく大好きで、もう一度その世界に触れられるのが嬉しい!という視聴者向け。


『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』01.「小さな勇者、ダイ」

 原作漫画既読。
 原作完結は96年、前アニメが放送終了したのは92年と、どちらもずいぶん昔。
なので、全体に熱い戦いと友情に彩られ、苦しくも充実した主人公たちの旅を最後まで楽しんだ、という記憶のみ残り、詳細は相当忘れている。

 アニメ第一話。
そういえば物語はこんな舞台から始まったんだっけ。
 残酷にすぎるシーンを避け、安易に殺さない(モンスターは死んだのかもしれないが具体的に見せない)少年漫画の王道的描き方。
 説明ゼリフに頼らず、ダイの行動でキャラクターを見せていく、これも正統な作り。
 原作の雰囲気を伝えるに十分な作画。
 特に不満なく、視聴継続……どこまでアニメにするのかなあ?


『呪術廻戦』01.「両面宿儺」

 原作漫画は、少年ジャンプ連載で既読。
 開始当初、面白く読んでいたけれど、『HUNTER×HUNTER』風に割と多く入ってくる理屈付けバトルがよく理解できず、いま・誰が・何を目的として・何してるんだっけ?という所まで見失いがち。
 アニメ化にあたり、作中の雑多な情報(キャラの見分け含む)を上手く整理しつつ提示してもらえれば、現在の連載への理解を助けてもらえるのではないかと期待しつつ視聴。

 いや、非常に良く出来ている。
 原作で、少々分かり辛かった画面構成やアクションがとても見易くなっており、作画クオリティ高く、ギャグを挟む会話のテンポも良くて、『鬼滅の刃』と並ぶぐらいスタッフに恵まれたアニメ化と思える。
 そんなに美人には描かれていないと思うオカ研女子を、やたら肉感的に見せるサービスが楽しい。
 これは期待できそうで、当然ながら視聴継続。

 30分の放送時間を僅かに分け合う短時間アニメ『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』。
 原作漫画は好きだし、岸誠二監督によるアニメ化は作画も良く賑やかで悪くない、と思いつつ、なんで『呪術廻戦』と同じ枠に入れたのか疑問。
『トニカクカワイイ』と共存するなら、まだ分かるんだけど。

2020年10月05日 月曜日
『キングスレイド 意志を継ぐものたち』01.「月夜に蠢く魔物たち」

 原作ゲームアプリ未プレイ。
 流行りの、というか流行りすぎていて少々食傷気味の異世界転生物ではなく、正統なファンタジーかな。
 原作に沿っているのだろう、世界観やキャラの思考形態、チートな強さを発揮しない戦いなど、悪く言えば地味だが、しっかり作られている。
 しかしそれは良し悪し、真面目な努力家ではあろうが特に秀でた才能を見せない主人公、一話目から時間をかなり取って描かれるダークエルフの事情、ノンキな王宮の対応もあって危機感に欠ける次回への引きなど、ツカミとして弱い立ち上がり。

 アバンやOPで描かれた、光の剣を用いることで戦況は逆転するのかな。
 「ここがドカンと面白くなります」というセールスポイントを早めに打ち出さないと、地味さ故に視聴終了を招きそう。


『トニカクカワイイ』01.「結婚」

 少年サンデーの原作漫画は、連載で既読。
 『ハヤテのごとく!』作者の新作であり、前作通りに多くオタクネタを詰め込んだテンポの早いコメディーを期待されていたと思うが、偶然のボーイミーツガールが少し似ている第一話から後、大きくイメージを変えた作風に戸惑った覚え。
 こちらは展開がスローで、特に事件が起きるわけでなく、アクの強い登場キャラクターも少ない(当初)。
 企画段階での失敗?作品に作者自身が乗ってない?などと思いつつ読み進めていると、この内容・テンポに読者が馴染んできたせいか、上記三つの「問題点」を作者が計画通り?埋めてきたせいか、じわっと面白くなってきた。

 アニメ第一話であった婚姻届トリビア……豆知識みたいなものは、既婚者や多少なりと関心のある人間であれば普通に知っていることだろうが、「結婚」からまだ遠い・別に知る必要を感じない、という人たちには、「へえ」ぐらいに感じられたろうか。
 この作品は、「結婚ってこういうものだよ」それから「結婚っていいよ」とポジティブなイメージを送ってくる。
ネガティブな、シンドイ部分は、連載でも今まで描いてない、かな。
 政府公認で、少子化対策・結婚推進キャンペーンに使ってもいいぐらい。

 漫画の不安要素は、『ハヤテ』でもあった、シリアスな作品中核設定の存在を感じさせるところ。
前作でそれは、個人的に歓迎できない、「早く終わってコメディーに戻らないかなあ」というだけの部分だったので。
逆に、前作でそこにこそ面白さを見出していた方々なら、同様の盛り上がりを期待できそう。
 ウチの娘も、サンデーでは『魔王城』『フリーレン』と並んで最も楽しみに読んでいる漫画。
……小学生には少々アダルトではないか、と思われる描写がなくもないが(といっても過激さなど皆無)。

 アニメ。
 原作の絵や演出をとても忠実に再現した、原作至上主義の読者には満足度が高そうな映像化。
せっかくなのだし「アニメならではの価値を付加して欲しい」自分のような視聴者には、物足りない。
 とはいえ、不満だということではなく、第一話を楽しく見られた人であれば最後まで見続けて良い出来だと思う。

2020年10月04日 日曜日
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIII』01.「竜の少女」

 一年の休止を経て始まった第三期。
 お馴染みのキャラクターたち、安定して高い作画レベル、今期も全く危なげない。
 新規参入したモンスター娘・ウィーネ。
外見に怪物っぽさは余りなく、『…お医者さん』で登場したモンスター娘たちと比べても人間寄り。
 亜人・獣人・神までが普通に共存する世界でも、モンスター人間体だけは差別・恐怖の対象なのね。
ウィーネの特殊性に皆驚いていたように、本来、モンスターは人語を解さず、知性も持たないのだろうから、殺す・殺されるの関係だけでコミニュケーションなど成り立たつはずないのか。

 可愛い女の子然としたウィーネだが、抱きついたベルの腕を、鋭い爪で意図せず切り裂いてしまう。
ここの、抵抗なく肌を切る爪の鋭さ、痛みを堪えるベル、ショックを受けるウィーネの描き方が実に巧くて、「本来、人間とは相容れないモンスターと暮らすこと」のリスクを描き出しており、感心。
今期のテーマともなるだろう重要なシーンだし。
 もっと早く爪を切っとけば良かったのに……動物のように血管が通っていて、下手な切り方すると痛みや出血の恐れも?
 問題なく視聴継続。


『レヱル・ロマネスク』01.「レイルロオドサミット、開幕す」

 元を辿るとアダルトゲームだったのね、未プレイ。
 「人型の鉄道車両制御モジュール」という設定の美少女たちがドッと登場し、何しろ5分アニメなので、ほぼ顔見せに終わった第一話。
 冒頭、世界観がナレーションと画面テロップで語られたけれど、読み終わる前に次の画面に写ってしまう慌ただしさ。
まあ、設定なんか気にする必要なく、『艦これ』少女たちの鉄道版でしょ(『蒼き鋼のアルペジオ』が近い?)ぐらいに理解しとけばいいのか。
 鉄オタへのアピールが弱い気はするし、もう一歩の作画向上を望みたくはなるが、鉄道少女たちは可愛く個性的に描けており、諸兄の愛でたい欲求を満たすに不足ないのでは。


『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』01.「As soon as man is born he begins to die.」

 男性数人が熱唱するOPから、自分の視聴範囲ではないな、と思いつつ見ていたけれど、ラップで戦い始めた辺りで「うわー」と叫び、ドロップアウト。
 ここに乗れるか乗れないか、呆れるか爆笑するか美少年のラップバトルってゴキゲンと捉えられるかで、作品の評価が決まる、というか視聴の可否が大きく決定付けられるだろう。
 このアニメ、「キングレコード内レーベル・EVIL LINE RECORDSが手掛ける男性声優による音楽原作キャラクターラッププロジェクト(Wikipedia)」らしい。
キャラクターラッププロジェクトって何だ?と思うけど、見てみるとそう言うしかない内容なのが凄い。

 一話目で掴まれた人向けのアニメ。

2020年10月03日 土曜日
『魔女の旅々』01.「魔女見習いイレイナ」

 原作ライトノベル未読。
 師匠とヒロインのゆるい関係から、『ARIA』のような癒やし系師弟ストーリーかと油断していれば、二人が繰り広げる魔法バトルはスピーディーであり容赦のないもので驚く。
 そこまでして師匠の教えたかったものは、「嫌なものは嫌だと言いなさい」ということ。
……教えるほどのことかなあ?と思うけども、それは自分がテキトーで努力の圧倒的に不足した人間だからか。
「こうあらねばならない」呪縛を解いて心を楽にするのは、メンタルが重要そうな魔法を使う上で、ランクアップに必要不可欠だったのかも。

 頑張った作画で、ヒロインが可愛く描けている。
師匠が旅立った途端、魔法が解けて彼女の棲家は消え失せ、元通り何もないただの大木に戻ってしまうシーン、地味ながら好きだなあ。
 タイトルから、ヒロインが各地を旅し、出会いと別れを繰り返すお話になる……?
『キノ』のような寓意に満ちた旅が好きなんだけど、基本はハートウォーミングなストーリーになるのかな。
 視聴継続


『100万の命の上に俺は立っている』01.「勇者失格」

 原作漫画未読。
 アバンやOPはごく普通に、特筆するほどでもない作画。
しかし、本編が始まると「いらすとや」がデザインした風なキャラクターと画面処理になり、面食らう。
 異世界へ移行する内容のため、現実世界のみ「いらすとや」で描き、主人公の満たされない思いを表したものかと。
 いいや、異世界へ行っても、今回は最後までこの調子。

 唖然としてしまったが、公式サイトによると、これは「第1話「勇者失格」の本編を“かわいいフリー素材集”でおなじみの 『いらすとや』で制作した【ワケあり版】」であり、「原作でもコミック丸々1冊「いらすとや」の絵に差し替えて無料公開していました」ということで、その ノリを再現したもの、らしい。
 なるほど!いや、へ?分かったような分からんような。
 視聴者全員が公式サイト等で情報を入れている訳ではなし、番組中にしっかり説明を入れない限り、意図した「悪ふざけ」をその通り受け取ってもらえない恐れが。
 ……といっても、アバンやOPを見る限り、通常版の演出や作画に特筆すべき所はなく(OPでただ走る竜車を2カットも使う意味が??)。
どうせなら「いらすとや」で話題性だけでもゲットしたい!制作側の狙いがあったものか。

 実際、バックに関係ないキャラや動物を配することで気が散るマイナスはあったけれど、番組後半では既に慣れてしまい、「こういうもの」として見られるようになっていた。
このまま、シリーズ最後まで通してしまう手もあるんじゃなかろうか……映像ソフトや女性キャラのグッズ等は売れないと思うが。
 通常版の制作状況に余裕がありすぎる、とは思えないアバン・OPのクオリティーなのに、結構な手間がかかっていると思う「いらすとや」バージョンなんか作っている場合だったのかな。
 画面の話ばっかりしてる。
内容は、あんまり入ってこなかったけど異世界移行物として妥当。
戦闘力がまるでない主人公をどう扱うかが、キモとなりそう。
 農民としてのスキルを上げて、瞬時に成長する植物を植えてツタで攻撃するとか、魔力強化の実・戦闘の恐怖を忘れさせる麻薬を育成する、単純に農作業で極度に強化した筋肉で魔物を圧倒する等。
死んでも時間で復活するから、爆薬を抱えて特攻攻撃でも。

 次回は通常の作画になるのね(通常作画版一話の放送も後であるらしいが、ストーリーに変化がないなら見なくていいや)。
 もうちょっと視聴しての判断で。
「結局『いらすとや』のインパクトを超えられず終わってしまった」という評価にならないといいなあ。


『アサルトリリィ BOUQUET』01.「スイレン」

 舞台・漫画・ゲーム・アニメと多岐にわたるメディアミックス作品。
番組の提供が「アサルトリリィ」のみになっている辺り、かなり力の入ったプロジェクトではないかと。
 内容は……人類の脅威となる怪物が存在する世界、それらを討伐する戦士を養成する女学院に入学してきたヒロインを中心に、少女たちの戦いと友情と百合が描かれるものと。

 アバンからのCM明け、「現在」と大きくテロップが打たれるのは何だろうと思ったけど、アバンが数年前のことなのね。
ヒロイン・梨璃が学園進学を志す動機になった事件が描かれていると一話後半で分かる……しかしそれなら、自分たちを助けてくれた少女を見つめる梨璃が「私もあの女性のように、強くなりたい」と呟くとかして、本編冒頭、入学式への繋ぎをハッキリさせた方が。
説明っぽくなっちゃう、と言っても、本編では梨璃によるナレーションが延々と続くのだし。
 バトル中、攻撃しようとした夢結を留め、楓を穴へと突き落とす梨璃。
後で理由説明はあるが、「なるほど!」よりも「下手したら死ぬか大怪我じゃ……」という疑問が湧いてしまう。
梨璃の状況判断・行動の速さを描いているんだけど、もうちょっと巧く出来たような。

 厳しく言えば、割とよくある筋立て。
ただ、バトル自体にはスピード感とパワーが乗っており、作画の頑張りによる少女らの可愛さからも見応えあり。
 いとも簡単にデレてしまう楓が可笑しい。
 ここから、緊迫する状況を設定し、ヒロインズの魅力を引き出す、そのためには作画の水準維持が絶対条件。
 面白くなることを期待しつつ、視聴継続。

2020年10月02日 金曜日
『ひぐらしのなく頃に』01.

 原作ゲーム未プレイ。
 漫画・小説・アニメと、ゲーム以外でも多数展開している作品。
 最初のTVアニメは2006年に放送されており、14年ぶりのリメイク。
 見てみると驚くぐらい旧アニメそのまま(どちらもゲームに忠実なのか)で、作画とクリアになった画面を除けば、再放送?と思ってしまうぐらい。

 途中から分岐を変えてくるのかな……といっても、旧作だっていくつものルートを辿っている訳で。
 昔より放送コードは厳しくなっていると思え、残酷な・グロい・お子様にはお勧めできない描写について、どこまで覚悟を持って取り組むのか。
そこいらは大きく削り、昨今の繊細な視聴者に向けて、ストーリーはともかくショッキングな画面だけはソフトに変える?
 どこに向けて進めるのか、興味を持ってしばらく見続けたい……けども、余りに旧作のまま、あるいは劣化・鈍化を感じてしまったら、そこまでに。


『Re:ゼロから始める異世界生活』最終38話.「泣きたくなる音」

 ええええっ!ここで終わり?と思ってしまうシーズンの幕切れ。
休止をはさみ来年から?続きが見られるらしい、とはいえ。
 結構入り組んで存在する「進行阻害要件」を、全部覚えていられる自信がない……
 スバルはよく、失敗した選択肢について確実に記憶できるなあ。
ノンキにテレビを眺めている自分などと違い、「失敗=死」ということで痛みと共に体へと刻み込んでおり、簡単に忘れられるものではないのか。

 魔女たちがドッと登場。
フレンドリーな(少なくとも表面上)エキドナの他は、そりゃあ恐ろしい奴らなんだろうと思っていたが、意外、みんな普通というか結構可愛らしいぐらい。
 彼女らのほとんどがスバルに対し、好意的なように感じられるのは、何か理由があるんだっけ?
以前……もう失われた選択肢の中ででも、会ったことがあるとか。
 しかし嫉妬の魔女・サテラまで出てくるとは思わなかった。
外見としてはエミリアそっくりに描かれているが、実際にどういう関係にあるのかは、シリーズ最大級の謎だろうな。

 スバル、エキドナにもサテラにも対応が酷すぎるような。
 サテラが与えた死に戻りの力のせいで苦しんでいる、というのは事実だけど、それナシではこの異世界でほぼ何も成し得ず死んでいた訳で、「いっそ誰とも出会わず誰も救わず終わった方が良かった」というのでない限り、怒り憎しみだけぶつけては不公平なような。
死に戻りって便利な力だなあ、なんて思っている傍観者には、死ぬことの物理的痛み、愛する者が非業の死を遂げるさまを何度も見せられる心の痛みは理解できないのか。
 それにしても、もうちょっと優しく好意的に振る舞い、自分の状況や環境を良くする足がかりに利用してやれば……そういう浅知恵を働かせないからこそスバルは魔女たちに気に入られてるのかも。

 八方塞がりで、何をしようとバッドエンドに世界は向かい、どうすれば良いのか分からない。
スーパーパワーのキャラクターが障害をパパッと取り除いてくれる、って訳にもいくまいし。
 オットーの言葉はブレイクスルーへと繋がっていくのか。
 シリーズ再開を楽しみに待ちたい。

2020年09月30日 水曜日
『NOBLESSE:Awakening』

 韓国のWeb漫画が原作らしい、未読。
既に完結済みで544話もあるとか、結構な長期連載。
 テレビシリーズとしては次回から正式に開始で、今回は放送直前スペシャル、声優さんが出演する番組紹介の他、OVAとして制作されたシリーズの前日譚が流された。

 美少年…美青年達が登場し、ダークな世界観ながらコミカルな絡みもあって、いかにも女性向け作品かな、と思ったが……
 アクションの切れ味、超常能力の派手な発現演出は悪くない。
Production I.Gによる高品質なアニメーションがあって、画面的な見応えはなかなか。
 とにかく桁違いの能力を誇るのだろう主人公は、悩み苦しむ等身大の人間として感情移入の対象とはならず、俺様ツエーっぷりの炸裂を楽しませた『魔王学院の不適合者』を予感させる。
 テレビシリーズとして制作される次回以降もこの画面クオリティーが維持できるのか、女性向けの度合いが強くなって来ないか、不安はありつつ、少し見続けてみようかな。

2020年09月28日 月曜日
『モンスター娘のお医者さん』最終12話.「竜の街のお医者さん」

 ハーピー、竜闘女など、まだしも人間に近い足があるタイプはともかく。
ラミア、アラクネのような全く異質の下半身を持つ女性の場合、性的行為に及ぼうとした場合、なかなかの困難に直面しそう。
 主人公に激しく迫るケンタウロスのティサリアとか、上半身こそ美しい女性であるものの、下半身はまるっきりの馬であり、彼女と性的行為をするなら、馬のお尻を抱えて……ということになるのかな。
うーんうーん、「これは美しい彼女の下半身であって単なる馬のお尻ではない」と強力に思い込む精神力か、「問題なく馬にも興奮できる」性癖が必要そう。
 とはいえ、人種・肌の色、肉体的欠損、痩身・肥満・長身・筋肉質といった肉体的特性、入れ墨やピアスなど人工的肉体加工、性的嗜好の不一致なんかにより、人間の女性相手であっても性的行為の相手とするのは「ムリ」と考える人も居るし、オールオッケーな人も居るだろう。
 ヘビだからクモだから馬だから対象にならない、って思うのは勝手だけど、他人様の好みに口出しするべきではない、か。

 彼女ら全員、例えばサーフェを、下半身丸ごとヘビにせず、人間の足を持ちながらシッポのように腰からヘビ部分を出すデザインにすることは可能だったろう。
ある条件下では人間形態に変身できる設定にするとか。
 でも、そうする必要はない、そうでない方がモンスター娘達の魅力は伝わる、というのが作者の考え方。
 ヒロイン達は実際、魅力的に描けていた訳で、信念の勝利。
 最後まで作画は良く、モンスター娘達の可愛さを堪能できる、ストレスのないアニメだった。

2020年09月27日 日曜日
『宇崎ちゃんは遊びたい!』最終12話.「宇崎ちゃんはもっと遊びたい!」

 途中、見逃した部分もあるので確かではないが……
 意外だったのは、ヒロイン・宇崎について、「巨乳」を扱ったネタが少なかったこと。
原作未読のため件のポスター等からの予断で、もっとお色気路線を強力に打ち出してくるものとばかり。
 主人公である桜井が、彼女をそういう目で見ていない(見ないようにしている?)せいもあろうが。
 宇崎のキャラを紹介するならまず、「桜井に対し素直でなくウザい絡みをしたがる女の子」という所だろう。
後は「大学生設定なのに、彼女も桜井も高校生以下の恋愛能力」とか「それでも凄く可愛いのは確かで、こんな後輩が欲しい(これは願望)」など。
その次ぐらいに、やっと「身長に見合わず、やたら大きい胸をしている」が来そう。
 これは、キャラの特徴を十全に活かせておらず勿体ない、と言えるかもだし、そこに拘り過ぎずとも魅力的に描くことに成功しているのは素晴らしい、とも言える。

 作画は崩れず、キャラクターは周辺含み個性が強く(宇崎母いいなー)、ストレスなく見られるアニメだった。
 二期もあるそうなので、また気負わず視聴したい。

2020年09月26日 土曜日
『天晴爛漫!』最終13話.「OVER THE MOON」

 コロナのために放送が変則的になってしまったこのアニメも、無事ゴール。
 高い水準をキープした作画や、元気なキャラクター達、楽しげな雰囲気は良かったと思う。
 ただ、終盤でラスボス然として出てきた男、強すぎるのはまだしも、その行動原理に「?」が多すぎて何とも。
狂ってる、という意味で理解不能なのは構わないが、シリーズを盛り上げるため色々な都合をこのキャラに背負わせているようで、そういう歪みには余り感心しない。
 計画阻止や男自身の倒し方にしても、無理矢理感が強く、もうちょっと作品を通して伏線を敷いたり「そうきたか!」の感動を用意して良さそうな。

 元々主題となっているはずのカーレースに興味薄そうな作り方だったけど、ラスボス登場以降は完全に飛んでしまう。
これなら、ワルモノから街を守るため強い奴らが集まってくる『七人の侍』いや『荒野の七人』的な構成にした方が、ストレート。
 雑多に面白そうな要素を詰め込み、消化不良で雑多な印象のまま終わってしまった作品。
思い切って切り捨てる、あるいは中の一つだけに注力し他は「オマケ」の扱いに留めれば見やすくなったろう。
 それでも、最後まで見続けさせるパワーはあった。
 商業成績が良ければ、飛行機で世界一周レースに挑む(80日間世界一周?)続編も考えられたろうか。

2020年09月25日 金曜日
『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』03.「ホーンテッドアイス」

 原作の児童小説は、子供たちの間で大変な人気があるらしく、娘も図書室の蔵書は全部読み、新刊は買ってまで読む熱心なファンっぷり。
 それほど面白いものなのか、と、さすがに原作に手を出す気にはなれなかったが、有り難いことにアニメ化されたので視聴。
 NHK、Eテレ、10分枠での放送。
バリバリと動くアニメーションではなく、挿絵タッチのキャラに少し動きを付けた内容。
同じEテレ『てれび絵本』風の作り。
OP・EDがそのまんまだけど、『闇芝居』にも似ているだろうか。

 不思議な駄菓子を売っている銭天堂、そこで商品を買った人達が辿る顛末を、毎回変わった切り口で描く。
 第一話がまるっきり、子供向けでライトにした『笑ゥせぇるすまん』。
買った商品について使用上の注意があるのに、守らないことで事件が起こる。
ただし、この作品では「泳げなかった女の子が注意事項を破ったことによって結局泳げるようになり、良かったね」という拍子抜けする筋立てに。
ここはやっぱり「ドーン!」で罰が下らなければ物語は締まらないような(一応、危機が訪れはする)……ただまあ、読者が子供だということを考えると、ダークにせず明るい終わり方の方が好まれるのか。

 第三話も軽〜いストーリーだけど、『スーパーマリオ』テレサのような可愛いオバケ達とヒロインのやり取りは楽しくて、良かった。
罰を受けるのがヒロイン以外の人間(悪人)というのも、後味が良い所。
 毎週忘れずに見なきゃ!というほど大人向けには作られていないけれど、なるほど子供たちはこういう話を好むんだなあ、ということを含めては楽しめる。

2020年09月24日 木曜日
『デカダンス』最終12話.「decadence」

 かなり捻った設定のアニメだった。
 人間達が生きていた地上世界に、同じく人間のように見える機械生命?のアバターが共存する。
「ゲーム世界へとログインした人間が、その世界のキャラクターにとっては命懸けの重大事となる運営が仕組んだイベントを、気楽にクリアしたり(どうせ実際には死なないので)失敗してゲーム体をロストしたりする」という、割合よくある設定の裏返しか。
 デカダンスで生きる人間にとっては、「俺達の生死をゲームの一コマにするんじゃねえ」だろうが。
 その辺、真実を知った人間の戸惑い・怒り、アバターと上層部への反逆が後半のメインテーマになるものとばかり思っていたため、意外。
過剰にシンドイ展開がなかったのは、心の弱っている現状、ありがたいことだけど。

 チョイチョイと理解の追いついていない設定やストーリーはありつつ、それでも見せてしまう制作者の力業は凄い。
少し分からない部分があるだけですぐ視聴を投げ出してしまう自分が、最後まで付き合ってしまうぐらい。
 「謎」で引こうとしない潔さや、強い意思を感じさせるキャラクター達のドラマは、とても良かったと思う。
 ハッピーな終わり方で、視聴後感も爽やか。
 面白かった。

2020年08月08日 土曜日
『Re:ゼロから始める異世界生活』30.「踏み出した一歩」

 前々回、試練の余波?を受けて倒れたスバルが、目を覚ますと現実でベッドの中に居るシーン。
一瞬「えっっっ!セーブポイントここまで戻ったの?」と割に真面目な恐怖を感じてしまった。
 積み重ねてきたアレコレを全部ナシにして、また異世界移行前からスタートはキツすぎる!「記憶があるから今度は簡単にパーフェクトな対応ができる」という事件なんて、余りないのだし。

 現実(に似せて作られた空間)でスバルが受ける試練。
過去に向き合え……というものだったようだが、特に恐ろしい目に遭うではなく。
これは、スバルが両親に寄せる深い信頼があればこそ、なのかな。
 「実は両親共に自分を疎んでおり、居なければ良いと考えているのではないか」という疑念があれば、スバルの脳内データを元に作り上げた両親は、その通りの言葉でスバルの心から血が噴き出すまで抉ってきたのかも。
 スバルの立場になってみて、そこまで親の気持ちを疑わないのは難しいし、スバル親の立場から、引きこもって将来を不安に思わせる我が子に失望や怒りを全く感じないかと言われると、それも自信ない。
 スバル凄いし親も凄い、少々浮き世離れしているとさえ思える親子関係。
……いや、現実にはスバルは親と口もきかずいた訳だし、理想的って訳でもないのか。

 スバル親ってこれまで出てきたんだっけ?
異世界移行後、現実に帰りたがることなく、思い出すことさえない様子を見ていると、余程悲惨な、忘れたい生活を送ってきたのかと。
本人としては凄く辛い状況だったのか……端から見ると、まだ全然やり直せる、恵まれた立場だとさえ思えるが。
それは本人も自覚しつつ、しかし現状を打開できない・しようともしない自分の存在が一番辛かった?
 周囲からの評価が高いスバル父って、何者だろ。
どんな仕事をしていて、何でもって評価されてるのか、試練では分からなかったが。
実は現実界において死に戻りの能力を有しており、その活用で人々からの信頼を勝ち得た、という可能性は、さすがにナイだろうな。

 現実界でスバルは、死んだ扱いだろうか、行方不明でまだ親は生存を信じているのか。
 いずれにせよ、もう現実に戻ることはないのだろう(戻ることを目的とした物語ではない)から、作られた存在だとしても「親」に気持ちを話し、別れを告げられたのは嬉しいことだったろう。
 現実の両親にも気持ちが届いていれば良いけれど……スバルが知らないことも仮想両親の対応に含まれていた、という話なので、人智を越えたエキドナの能力により、実の両親と何かしら繋がっていた、という可能性も?
 しかし、スバルの記憶の中、例えば父親の目線、夕飯の献立、母親の笑顔、買い物の内容、廊下の隅のホコリ等々、スバル本人はぼんやり見ているだけだった ものを、シャーロック・ホームズばりに観察し、情報を統合することによって、本来は見えない両親の裏側像まで構築することは不可能でもないはず。

 エミリアは、酷い過去に責め苛まれたからか、傷ついて怯えて身を縮こまらせていた。
本来、この試練ではこれが正しい反応なんだろう。
 スバルだって、両親ではなく、率いて暴れていたが次第に彼から離れていった友人(友ではない?)達と再会するイベントを組まれていたら、結構キツい目に遭ったはず。
 「最も大事に思っている相手の、真意との対面」がイベントの趣旨?

 特に男性主人公の異世界転生物では、現実を思い出すことさえ少なく、両親、それも都合良く(?)最悪の人間で否定すれば済むだけの存在ではない両親と、しっかり向き合う話なんて記憶にない。
 都合の良いチートな夢だけを描かず、主人公を追い詰めて追い詰めてドラマにしていくこの作品らしい。
それにしては、ここは「ご褒美」と言っても良いぐらい穏やかな時間だったけれど。

2020年08月03日 月曜日
『ウルトラマンZ』07.「陛下のメダル」

 このところずーっと「ウルトラ」シリーズ特撮には過剰なほどの力が入っていて、それが当たり前のようになっており、今更特別に言う事もないか……と思っていたけれど。
 今回、スカルゴモラと戦うZ・ジードのダブルウルトラマンを、その足下、人間大の身長からカメラを構えたようなアングルに拘り、走りを追いかけ怪獣との 組み合いを真下から捉えゴモラのシッポを抱えて一撃喰らわすなど、ワンカットで大迫力バトルをかなり長く見せてくれるのに、驚愕。
どーやって撮ったんだ、こんなの!
着ぐるみ格闘・ミニチュアビル街・土煙などエフェクトを別々に合成し、更にCGを加えたモノか……いや、結構な割合が日本特撮伝統の一発撮りで構成されてるかも。
 予算に余裕がある映画版の、それもクライマックスでようやく実現できる、手間と気迫のこもった極上特撮。
 テレビで見せていいクオリティーの画面じゃない!

 今期シリーズでは、ペギラ相手の空中戦や、吹き飛ばされたミニチュア車のフロントガラス越しに見える風景など、限界に挑戦し、越えていくような凄いシーンが随所に見られ、毎週が驚き。
 ウルトラマンだからってライダーや戦隊より予算があるはずもなく、それでこのビジュアルを実現するのは、血を吐く現場の頑張りに寄っているんだと思う。

 夕日をバックに勇姿を現すZ・ジードが、燃える。
駆けつけたゼロを加え、もう一回夕日バックにして三人が突撃するシーン、もう笑うほど熱い。
 『Z』では、防衛隊の隊長が、敵か味方か分からないジャグラーだというのが大きな特色。
少々不安定な存在ではあるけれど、今回、基地に人間偽装して侵入した敵を瞬間で見抜き、「何気なく」蹴り倒して実体を表させる場面が無闇に格好良かった(そこからの乱戦は部下に任せて基本的に参加しないズルさも可笑しい)。
 Zが人間大に変身するには、ハルキの体を乗っ取る?エネルギー消耗の激しい形を取るしかない模様。
セブンなど、普通に人間大で活動できるウルトラ族も居たけど……まあZはまだ未熟だからか。

2020年08月01日 土曜日
『ウルトラマンG』02.「凍てついた龍」

 オーストラリアで制作され、日本では90年にビデオ等で公開された、異色のウルトラシリーズ。
 当時レンタルで全話見た……と思うんだけど、防衛隊の車がハマーだったとか、女性隊員の一人を平野文が吹き替えていた、なんていう些末なことが印象に残っているぐらい。
 スーパーチャンネルが放送を始めてくれて、久々の鑑賞。
 一応はデジタル修正をしてあるはずだが、画質は酷く荒い。
美しくリマスターされた初代『ウルトラマン』は勿論、元はビデオ画質の『ティガ』『ダイナ』なんかよりも、遙かに荒れた画面。
もう少し何とかならなかったモノか、マスターテープが余り良い状態で残ってないのかな?
YouTubeで配信されている『80』もボンヤリ画質だということから考えると、まだ本格的リマスターの順番が回ってきていないとか。

 内容。
 ウルトラマンと融合した人間が防衛隊隊員となり、襲来する怪獣達から地球を守る、基本に忠実な設定。
ただ、火星から(グレートの力で)生還した主人公に対し、防衛隊UMAが当初、疑いの目を向けるなど、ちょっとハードな部分も。
 全体のテイストは、とにかく地味。
ストーリーは淡々と進むし、音楽で盛り上げようという意識も弱い。
子供向けとしては宜しくない部分、だけど、それが海外の大人向けドラマっぽさを醸し出しているし、「日本のウルトラマンとは違う」と感じさせてくれる要因でもある。
 隊員同士の会話に、アメリカンな(オーストラリア製なのに)ジョークが入ったりするのも情緒。

 自然光を活かした特撮には、かなり良い所と、ビックリするぐらい雑な所がある。
 グレート、頭部はともかく、体を覆うスーツが「色の付いた全身タイツ」っぽく見えるのは、どうかなあ。
動きやすそうではあるが。
 面白い!とはまだ言えないけれど、思っていたよりはずっと楽しく、興味深く見られる。

2020年07月23日 木曜日
『ピーター・グリルと賢者の時間』02.「ピーター・グリルと未来の義父」

 原作漫画未読。
 15分枠と短く、レコーダーの番組表に線のようにしか表示されないため、存在も知らなかった。
Amazon Primeのラインナップを眺めていて、気がついたもの。
 異世界で、人間外の種族をも相手とするエロコメディー。
 可愛く肉感的でさえあれば、異種族でも、更には半身モンスターであっても恋愛・性的対象になる、という考え方、日本以外ではどうなんだろう?
特にキリスト教圏では忌避されそうな……近親愛とどちらがよりダメか、ぐらい。
ほぼ人間と変わらないエルフやバルカン人相手なら、まあまあ許されてるけど。

 アニメ。
 一話目から遠慮なく本番を敢行させる思い切りが、潔い。
「やりそうでやらない」じゃなくて「やっちゃった後」を描く。
 垢抜けないドタバタがオジサン層には見やすく、迂闊に笑ってしまう部分も。
 凄く良い……というものではないが、不足を感じない作画レベル。
 気負わず、見られる時には見るぐらいで。

2020年07月21日 火曜日
『A.I.C.O. Incarnation』02.「標的」

 コロナ禍の影響で新作が間に合わなかったためか、今期凄く多いNetflixアニメ、これもその一本。
 迂闊なことに第一話を見逃してしまった!
そういうミスは大抵Amazon primeで補完しており、非常に助かっていたが、さすがにNetflixの作品までは配信に入っていない。
じゃあNetflixに加入すれば最終話までだって見られるじゃないか、というのはその通りだけど、現在未加入。
 YouTube「6分でわかる」なんてのを見て、一話目がどういう内容だったか概要は分かった。
しかし粗筋は粗筋、キャラや事件に深く入り込む……とまでいかない。

 という状態で見た二話目、なので、長々と説明を聞いたヒロイン・アイコが素直に納得「しないで」、「常人なら大怪我しかねない無茶な脱走を図る」のに驚く。
周囲に流されるキャラではない、強い自我を持っているのか。
 30分、前半が長い解説の後でアイコ脱走、後半はまた追加の解説の後、何者かに奪取されてしまう……この構成にちょっと疑問。
「何者かによる奪取」→「脱走」の方が流れとして良かったのでは。
 次回、ああそういうことなのね、と納得させてくれれば良いが。

 作画は高品質。
 鳴子ハナハルのキャラクターデザインで『翠星のガルガンティア』を思い出す。
 見続けて、凄く面白くなってきたら、Netflixに加入して一話目を補完しようかなあ。

2020年07月20日 月曜日
『モンスター娘のお医者さん』02.「水路街のマーメイド」

 原作ライトノベル未読。
 あれ?以前アニメにもなっていた『モンスター娘のいる日常』とは関係あるの?医療を中心にしたスピンオフ?と誤解してしまうタイトル。
ヘビ娘がメインヒロインの位置に居る所も同じだし。
 こういう作品のアニメ化は、モンスター娘の可愛さが命。
抜群の……とまでは言えないが、十分水準に達する作画。
 ヘビ・馬・人魚、これまで登場した女性キャラは、それぞれ個性的であり魅力的に描けていると思う。

 治療の際、蹄鉄やエラといった、人間には存在しない部位に拘るのも結構。
 しかし、蹄が伸びすぎていてバランスを崩している、なんて、視聴者である自分達は気付かずとも、同じケンタウロス族ならすぐ分かるんじゃなかろうか。
まあ、いくら上半身以外は馬だといっても直腸検診する訳にいくまいが。
 ヤキモチ焼きのヘビ娘・サーフェが可愛い。
この世界では、異種族間結婚や子供を作ること、できるのかなあ?
主人公とヒロインで、作中、そこまでの関係に到るはずないけど。
 しばらく視聴継続。

2020年07月18日 土曜日
『宇崎ちゃんは遊びたい!』02.「マスターは垣間見たい!」

 原作漫画未読。
 ポスターの件で、作者としては不本意だろう形の有名作品になってしまった原作。
胸の大きさばかりを問題視されていたが、実際の内容は……
 巨乳ネタ、多いな(笑)!
可愛い、背が小さい、やたら胸が大きい、ウザ絡みする、というのがヒロインのキャラクターだから当然だが。

 大学生の話なのね。
まるで性的に未分化な所も含み、高校生の設定にして構わないような。
 先輩とほとんど絡まず、一年間観察を続けた宇崎の心情は、どういうものなんだろう?
本人が口にする「かわいそうだから絡んでやってる」ではないはずだが、「大好きで絡まずにいられない」とも違う。
「彼女だけでなく、二人揃って子供だから成り立つ関係」ということになるのかな。
 全体に、爆笑、まで到らずとも、宇崎の可愛さ・無自覚なエロさにより、十分楽しい雰囲気は醸し出せている。
 負担なく見続けられそう。

2020年07月16日 木曜日
『恋とプロデューサー〜EVOL×LOVE〜』01.「はじまりの絆」

 中国のゲームアプリが原作。
アニメのスタッフはほぼ日本人、制作もMAPPA。
 作画的には、ちょっと感心するぐらいクオリティ高い。
ヒロインがとにかく可愛いし、ズラリ出てくる美青年達も、顔の見分けは怪しいにせよ美しく描けている。
「女性を対象とした恋愛シミュレーションゲーム」を映像化するにあたり、求められる最も重要なハードルはクリア。

 内容。
 タイトルとOPから、てっきり美青年アイドルグループを売り出そうとする女性プロデューサーの話かと。
キワモノ番組?を手がける制作会社のプロデューサーだった。
 番組取材のため街中を駆け回るヒロインの前に、次々登場する美青年。
まあ全員、超能力的なモノを使う、取材対象となるべき存在なんだろうな。
 今回のクライマックスは、番組打ち切りの危機。
ヒロインが直談判に行った先の美青年社長もまた、超能力・Evolver関係者か。

 グイグイ引き込む、というには大人しいけれど、分かり易い第一話。
 もう少し見ての判断で。


『ジビエート』01.「神隠し」

 「GIBIATE PROJECT」ということで、様々なコンテンツが作られる予定の、一環らしい。
「世界市場をターゲットにした企画展開が志向されている(Wikipedia)」とか。
 内容としては、人間を怪物に変えるウィルスのため、壊滅状態の現代社会が舞台。
 そこで最後の記録を残そうとしている少女が主人公……
かと思ったら、突然、戦国時代に移り、島流しにされる男二人が描かれる。
 こういう場合、現代と戦国、二つの時代でウィルスの謎に迫っていくか、片方の時代に全員集合するパターン。
今作は後者。

 最初は特に、現代少女・戦国サムライ、どちらかに視点を絞って描いた方が。
漫然とストーリーを進めているため、誰にも感情移入できない。
 出会ってすぐの男達が時を超えたサムライだと、言葉だけでアッサリ納得する少女。
世界の異変により精神に異常を来した人達ではないか、と最初は思うものでしょ。
しかし怪物相手に超絶の剣技を見せられたことで、少なくともタダモノではない、と認識が変わるとか。
 現代建築や怪物に接して、さほど驚かないサムライ達も不思議、というか「そんなこといいから話を進めたい」制作者の気持ちが前に出過ぎ。

 キャラクター原案・天野喜孝らしいけど、アニメでは痕跡もない。
 作画は、まあ並。
怪物との戦いに緊迫感がなく、パターンで流しただけに終わっている。
 一話見て、「これからココが面白くなっていく」ポイントを提示できていないのは厳しい。
 視聴終了。

2020年07月11日 土曜日
『彼女、お借りします』01.「レンタル彼女」

 原作漫画未読。
 30分枠の最後に『GETUP! GETLIVE!』という、『彼女…』とは関係ない短時間の漫才アニメあり。
 タイトル・サブタイトルから分かる通り、「レンタル彼女」というシステムに属する女性と、それを利用した男性の物語。
このシステムは、性的関係を前提としない(禁止されている)状態で、「彼女」を借り出し、デートなど「彼女がいる時間」を擬似的に楽しませるもの。
客をご主人様扱いしてくれる、メイド喫茶なんかに近いのかな。
 それで楽しい?と思うけど、本編を見ると、確かに楽しそう。
 彼氏・彼女でいる間は、できるだけ自分を良く見せようと偽る……盛ったりする訳で、プロフェッショナルとして理想の彼女演技を徹底し、堪能させてくれるなら、そりゃ楽しそうだ。

 借りた・借りられた、から、どう展開するのかと見ていたが、祖母の急な入院イベント、そこで二人の祖母同士が先に結託し関係を切らせない、という流れが上手くて、感心。
そうかあ、こうすればいいのかぁ!
 作画は凄く良好で、彼女・千鶴を、キツい本性が現れてもなお可愛く描いている。
 イケてないキャンパス姿、仕事をやめられない理由など、まだ隠していることが多そうな彼女を楽しみに、視聴継続。

2020年07月10日 金曜日
『デカダンス』01.「Ignition」

 アニメオリジナル企画。
 おおまかな設定は難しくなく、それどころか既知のものであるかのようにさえ感じるぐらいなんだけど、独自要素が非常にサラッと流されているため、見直してようやく理解できた部分あり。
ガドルの体液を貯蔵するデカダンス巨大タンク内に町を築いて(築くことを許されて)、そこが人類最後の?居住地になっている、とか。
 今回描かれた巨大ガドルとの戦い、人間戦士に、今後の部隊維持が難しくなりそうなぐらい大層な被害が出ていると思うのに、リアクション薄い。
組長の部屋で幼生体ガドルを見つけたナツメも、殺そうとした最初はともかく、受け入れ早いし。
清掃組が??な切っ掛けで全員死亡しかける所も、命綱とかないの?が不思議……人間の命なんかむしろ失わせたい上層部の意図が?

 ラストの、余りにもふざけた姿をしたエイリアン?達からして、何かこう、『進撃の巨人』的シリアスではない、愕然とするような謎解きがあったり。
 作画は非常に良好。
 よく動く対ガドル・バトル、そして超巨大ガドル相手にデカダンスが変形して放つロケットパンチ?の迫力は、凄い。
 面白くなりそうかはまだ判断できないけれど、しばらく視聴継続。

2020年07月09日 木曜日
『GREAT PRETENDER』01.「Los Angeles Connection 1」

 アニメオリジナル企画。
これもNetflix先行配信作品……多いなあ。
 「『コンフィデンスマンJP』などで知られる古沢良太が初めて脚本を手掛けるアニメ作品」ということ。
その実写ドラマと、詐欺師を扱っているという意味で共通しており、ドラマのアニメ化かと思った。
といっても、ドラマは少ししか見ていない。

 騙し騙され誰も信用できない、という構成上仕方ないが、キャラには感情移入できず、他者から金を巻き上げて平気な主人公がヒドイ目に遭った?ところを見ても、ショックはないし、ざまあみろ程でもない。
 そうなると、騙しの仕掛けや攻略困難なターゲットの存在で面白味を出すものだろうけど、第一話ではこの辺は弱い。
 時計で、主人公が全貌に気付くシーン。
なんで計画参加者全員が同じ時計をしているのか不思議……組織メンバーを証明するアイテム?主人公の観察眼を試した?
婆さんまで仕込んでおく必要があったのか、を含め、今後明らかにされるんだろうか。

 詐欺師物は「やられた!」の気持ち良さが命。
しかし何しろフィクションなので、「実は主人公は途中から計画に気付いており、騙されたフリも全員を陥れる彼の計画の一端」とか何とか、意表を突くためだけのどんでん返しを何重にも仕掛けるのが可能。
必然性、説得力は必要かなあ。
 五話までで一つのストーリーになっているようだから、最後の「そういうことか!」に期待。


『Re:ゼロから始める異世界生活』26.「それぞれの誓い」

 コロナ禍による放送延期を経て、始まった第二期。
 大きく人気を博した前期の続きということで、ハードルは相当上がっていたと思うが……
問題なく応えられる、再開第一話。
 アッサリ決着が付く絶望的な戦力差バトル、抜け殻となって眠り続けるレム、涙にくれる情けない…いや人間らしい姿を晒しつつも強い決意を口にするスバル、記憶からレムが消えており事情はよく理解できないはずだがスバルを優しく慰撫するエミリア。
「こうじゃない」所がなく(レムの悲劇は望んだものでないにせよ)、ここからの厳しい展開に期待を煽る導入。

 レムが「喰われる」瞬間、幻のように見るのは、スバルとの有り得た未来?
結婚して子供ができる可能性の分岐も存在する、ってことかな。
 今期も最後まで視聴継続したい。

2020年07月08日 水曜日
『ウルトラマンZ』03.「生中継!怪獣輸送大作戦」

 ウルトラマンサーガの、ええと、もう何本目のシリーズか分からない最新作。
 前作『タイガ』には、タロウの息子だったり、一人の人間に三人のウルトラマンが同居するという、特異な設定を全く効果的に使えていない不満があった。
 今作は、ゼロの弟子であるZが主人公。
ゼロ自身は開幕早々に異次元へとブッ飛ばされてしまい、『レオ』のように師弟関係で鍛えられる話ではないが、時折ゼロを思い出すので無意味でもなく。

 第一話のストーリーは、防衛隊に所属する主人公と、怪獣を追って飛来したZが融合する、驚くぐらい基本に忠実なウルトラマンパターン。
 まだまだ人格的に完成されていない主人公とZのやり取りを、コミカルに描くのが今作の基本かな。
Zの妙な日本語(この地球にはこれまでウルトラマンが訪れていないのか、Zが日本語の授業を真面目に受けていなかったのか)、一生懸命だけれどもダメダメな主人公、余り深刻にならない防衛隊・ストレイジの雰囲気もあって、気楽に見られる。
 防衛隊がしっかり描かれるのは『X』以来か。
施設のセット、隊員服、車両や戦闘機を用意しなければならず、全体に特撮シーンが増えてしまうことによる、予算の都合で登場させづらい?
今作も、司令室やセブンガー格納庫にどうしても限界が……いや、よく頑張ってる。

 ストレイジ隊員が隊長含めても4人というのは、ちょっと寂しいような。
でもまあ、科学特捜隊だって5人か。
 戦闘機でなく巨大ロボットを対怪獣兵器として設定し、多数の整備班員が描かれるのは珍しいところ。
整備班長は『パトレイバー』ライク。

 特撮の予算が潤沢な訳などなかろうに、見せ方含め凄い。
毎回、ただただ感心。
 ちょっと不満なのは、新しいウルトラマンが全て、歴代ウルトラ戦士の力を借りているところ。
『仮面ライダー』『戦隊』共に、過去ヒーローを引っ張り出す作品もあったけれど、ほとんどは自力で勝負しているぞ。
 商業上の都合は分かりつつ、『ティガ』『ダイナ』『ガイア』みたいなシリーズも見てみたい。
 今期も最後まで視聴継続。

2020年07月07日 火曜日
『バキ 大擂台賽編』01.「開幕!大擂台賽」

 息の長い原作漫画、そのまたしてものアニメ化。
これもNetflixで配信済み、それを地上波週割り放送に換えたもの。
 原作、大擂台賽は最初の方、読んでいたような……あまり覚えてないけど。
 どこから始めて、どのぐらい読んでも見ても関係なく楽しめる、冒頭ナレーションであるように「地上最強を目指す」男達がひたすら戦って、戦って、戦い抜くお話。
馬鹿馬鹿しいといえば実に馬鹿馬鹿しい内容、しかし男はこういうのが好きなので仕方ない。

 重要なのは、新登場キャラクターをいかにも強そうに描くこと。
長年続いているだけあって、ほとんどハッタリのパターンは出尽くしていると思え、反則ワザ連発だった「最凶死刑囚編」を上回ることができるのかどうか。
 ツッコミ入れたりしながら、最後まで見続けたい。


『GOD OF HIGH SCHOOL ゴッド・オブ・ハイスクール』01.「set up/stand up」

 最初、違和感なく日本あるいはアメリカ辺りが舞台だと思っていたが、キャラの名前と文字表記で、韓国だと判明。
原作漫画とアニメの監督は韓国の方みたいだけど、他スタッフはほぼ日本、制作もMAPPAだし。
 延々続くバイク引ったくり犯とのチェイス、武闘会開始直後の乱戦と、ほとんどアクションで構成された第一話。
寒いギャグやちょっと見づらい部分もありつつ、この作画的カロリーの高さは凄い。
ドツキ合いを繰り返して誰が一番強いか決める内容なのだろうから、動きを頑張っているのは今後への期待要素。
 キャラの鼻が、時折ではなくずっと、ハッキリ赤く処理されているのは、鼻筋の光沢を強調するためなんだろうけど、ちょっと違和感……すぐ慣れるかな。

 冒頭、島を押し潰した巨大な大統領候補の手?については、今後説明があるのだろうか。
彼がラスボスになる?
 半島統一を賭けて韓国VS北朝鮮の武道大会を開き、北側は最終的に、あらゆる打撃を無効化し相手にそのまま跳ね返す無敵・金正恩、更に全てを裏から操る女帝・金与正らが直接乗り出してくる、とかだと面白いんだけど。
ビラをまくよりずっと関係を悪化しそうか。
 面白くなることを期待して視聴継続。
作画が息切れしないとイイなあ。

2020年07月06日 月曜日
『巨人族の花嫁』01.「花嫁の召喚」

 原作漫画未読。
5分枠アニメ。
 バスケのシーンから始まるため、てっきり「彼らは実は身長10メートルぐらいある巨人、女性出生率が異常に低く、ヨメ不足・種族存続の危機に見舞われているため、まるでサイズの違う異種族の花嫁をもらうが……」といったストーリーかと。
 異種族婚は当たっていたけれど、バスケプレーヤーの男性こそ「花嫁」。
 彼が、巨人族(ケタ違いの大きさではなく、『北斗の拳』ザコ敵なら並レベル)に召喚され、否応なく結婚相手にされてしまうまでが一話。

 「種族すら違うのに、性別など些細なこと」と器が大きい????ところを見せる巨人。
精神的結びつきとしての結婚ではなく、具体的な子作りが目的みたいなのに、そこはおおらかで良いのかどうか。
 子宮を持たない男性相手でも、細胞単位でDNA結合、増殖させて作中では実際子供を設けられる?
確か『パタリロ』ではバンコランとマライヒ(男同士)の子供ができていたと思うから、愛があればフィクション世界じゃ可能なのか。
 いや、ホントの妊娠・出産までは描かず、美形男性2人、イチャイチャとエッチなことする様子を見せるのが作品の主題?
 作画はまずまず(バスケシーンに気合いが入っていた)。
 「花嫁」男性が男の娘ほどとは言わずもうちょっと女性っぽかったら見続けられたかも知れないが、意識して「男」に描かれており、自分の守備範囲から外れるため、ここまで。


『八月のシンデレラナイン Re:fine』01.「プレイボール」

 「Re:fine」と付いていたので第二部か、キャラを一新したリスタートかと……「初回放送をブラッシュアップしたコレクターズエディション(Blu-ray収録版)でお届けいたします」ということなのね、既視感があったのも当然。
 崩れていた作画が直されてるのかな?
元を覚えていないため、これでもまだ、悪くないぐらいの絵だとしか。
いや、手が入ってるのはもっと極端にクオリティーが低下した回のみ?

2020年07月05日 日曜日
『魔王学院の不適合者』01.「魔王学院の不適合者」

 原作ライトノベル未読。
 転生物ではあるが、現実世界から移行ではなく、異世界内で完結しているパターン。
 タイトルから、学院的には不適合者・劣等生?扱いされるが、実際は俺ツエーで無双する内容を予想。
まあ、大体その通り。
 最初から、主人公は転生した魔王だと、全く隠さないのが潔い。
「気が弱くて魔力も低い新入生、実は……」とか、「どう見ても転生体の男、しかし本当は彼と関わった少女こそが……」といった裏切りを入れたくなりそうだけど。
 そういう小手先の引っ張りは、制作者、それ以上に読者・視聴者が期待していないのか。

 ザコ敵をいたぶっていたぶって主人公の圧倒的強さをこれでもかと重ねていく、ひたすら気持ちの良い第一話。
敵を殺す、そしてすぐ生き返らせる、という所まで突き抜けてしまえるのは、「魔王」という何でもアリ設定だからこそ。
 しかし「主人公はまだ生まれて一ヶ月」について、頭が飛んでそうな両親はともかく、ヒロインまで僅かの驚きもなく聞くのはちょっと。
ヒロインは感情を余り表さないキャラっぽいが、驚異的能力や行動を示す主人公の横に置くには不向きなような。
常に淡々と、超然としているため、彼女こそ魔王かと思ったぐらい。

 スゲーを実感させるに十分な演出的ハッタリと作画。
 主人公が強すぎて苦戦など有り得そうにないが……最近はそういうの要らないか。
どうしても必要なら、「魔王を倒した勇者の転生体」「魔法体系をより進化させて強くなった現魔王とその軍団」なんかを設定できるし。
 正義側ではない主人公に、冷酷無情で外道な戦い方のアイディアが求められそう。
今のところ、意外にお人好しな様子。
 気楽に視聴継続。


『Lapis Re:LiGHTs』01.「Legendary academy」

 メディアミックスプロジェクト。
 第一話は、魔法学校に転入してきたヒロインを通し、レギュラーになるのだろうキャラクターと基本設定を、ざっくり紹介した。
 友好的でない子も僅かに居るが、ほとんど人の良さそうな可愛い子ばかりの学園で、ストレス無し。
 呑気な内容を楽しませるのに必須の作画は、スタートを切るに相応しいクオリティーで、目に楽しい。
 魔女としての成長物語に、アイドル物の要素をミックスして進行する話、なのかな。

 ちょっと気になったのは、冒頭、馬車に乗り合わせた人間模様、それから町の人との交流が少し描かれる所。
また後で物語に絡んでくるのかと思ったが、少なくとも第一話ではそれっきり。
学園の門をくぐるシーンから始めて良かったような。
 ただ、馬車内、あざとく甘える彼女、恋は盲目の彼氏、イチャイチャを不機嫌に見る男、ニコニコしている老婆など、端的にキャラの個性を描く手腕には感心。
その馬車が襲撃を受け、ヒロインが活躍して撃退する(あるいは何もできない)という流れで、魔法学校の必要性を浮かび上がらせる流れも有り得たろうが……そんな剣呑な世界じゃない、って意図?
 視聴継続。

2020年07月04日 土曜日
『ド級編隊エグゼロス』01.「光満ちるこのセカイで」

 原作漫画未読。
字面だけ見ると「弩級戦艦」的タイトルのようだけど、「ド級ヘンタイ」ってことなのね。
 変身ヒーロー物だとは思わなかったな……いや、一話目では戦闘コスチュームなど纏わず全裸になるだけなので、パワーアップ名目の脱衣バトル物と言うべきか。
 エロ・性欲エネルギーの強い者が、戦いにおいても強い設定。
目新しくはないけれど、シリーズの中核に、ここまでハッキリ照れずに据えた作品は珍しい。

 エロサービス描写含む作画は、第一話として水準以上。
バトルに危機感やカタルシスはないが、導入部だし十分か。
 作品としての狙いが明確で、見やすい。
 「面白い!」って内容になるかどうかは、様子見。


『アラド:逆転の輪』00.「魔界」

 10年以上前、『アラド戦記』ってアニメ、あったなあ、関係ないんだろうが……と思ったけど、同じ韓国製ゲームが原作。
といっても、印象的だったエンディング曲「果てしない世界」以外、ほぼ記憶にない。
 なので、これが続編なのか、全く新しく仕切り直したモノなのかも分からず。
 ここから新たに始めよう、という企画だとすると、戦いの始点や途中経過を「あらすじ」以下ぐらいにしか扱っておらず、見ていて頭に入らないし、理解したい気持ちにもならない。
 特別に設けた「ゼロ話」なので、そこいらは今後、本編で補完していく予定かな……しかし、こんな不慣れな同人漫画未満の導入を見せられては、視聴意欲を減退させるばかりのような。

 作画は、パワー不足を感じつつも並。
 中国国内の配信では「計7話までの公開で総再生数も既に4.6億回突破」だそうな。
 映画なんか相当に出来の良いものがあるのに、アニメとなると中国韓国作品は首を捻る内容になるの、何故?
この作品、スタッフのほとんどが日本人なのだから、国に関係なく宜しくないアニメは一定数(大半?)発生してしまう、ということか。

2020年07月03日 金曜日
『HERO MASK』01.

 Netflixオリジナルアニメ。
2018年末から配信中……ということは既に全話納品・配信済みなのだろうから、クオリティーの低下はなさそう。
 結構な制作費を出す代わり、作品の質も問うというNetflix作品は、それだけでブランド。
 ただ、地上波放送してくれたモノで、出来映えに疑問符が付くアニメもあって、全幅の信頼とはいかないけれど。

 キャラ絵などを全く出さない、CG画像だけのOPは、なかなか硬派な仕上がり。
 ハードなドラマを期待したい所だが……
相棒すら居ない主人公1人だけの現場、しかし通話する本部には余るほど人員、祭りの人混みの中で敵複数を相手に銃撃、危うく民間人に死者を出すカーチェイス、そんなでもさして怒らない上司。
まあその、ジェイソン・ステイサムやセガール辺りが主演する、リアリティーとは無縁の刑事物だと考えて良いのかな。
 シリーズの主軸になるのだろう事件については、ホンの発端を見せただけでよく分からない。
 殺された女性と他キャラクター達は深く関わっているらしいが、ほとんどセリフのみの説明で、制作者が意図しているほどに喪失を実感できず。
そのため怒りも恐怖も湧かないし、どういうこと?これからどうなるの?という興味も弱い。
 次回まで見て判断。

2020年06月30日 火曜日
『波よ聞いてくれ』最終12話.「あなたに届けたい」

 ラジオをテーマに、最初は余り面白くなりそうと思えなかったけれど、見終わってみれば実に楽しかった作品。
 主人公・ミナレのラジオ放送。
「皆さん今晩は、ミナレです。今夜も時間までお付き合い下さい。では早速、リクエストを頂いております……」なんて常識的なモノではまるでなく(それはスタートから明らかだったんだけど)。
パーソナリティというより、即興演劇、アドリブで進める舞台役者に近い感じ。
 漫画という原作の性格上、ブースに座って本当にただ喋っているだけでは絵としてもたない、という理由もあろうか。

 ストーリー進行に伴って明らかになる、ミナレの恐るべきダメさ加減。
 しかし、オモシロ系ラジオでは、パーソナリティが愉快なヤツだというばかりでなく、話す価値のある事件を引き寄せる・巻き起こす、という「才能」も必要。
 彼女は、そういう意味でラジオの……お笑いの神に愛されていると言える。
全て吐き出して昇華する媒体を持たない場合、そのまま「呪われた人生」に思う恐れもあるけれど。

 シリーズクライマックス、地震を起こすのに驚く。
北海道胆振東部地震を元にしてあるのか。
この作品なら、新型コロナによる社会の変化も、ネタとして扱えそう。
 大きな災害に対し、ラジオの強さが発揮され、普段は少々頼りないような人々と共に、在り方の厚み・存在意義を見せてくれるのに感動。
 原作は続いているし、アニメ第二期も可能性としては……だけど、「良い最終回を見た」気分。

2020年06月27日 土曜日
『本好きの下剋上』最終26話.「夢の世界」

 一期の最初で違和感を抱き、このアニメ化はどうだろうとケチを付けながら、しかしずっと見てた。
 引っ掛かったのはその部分ぐらいで、演出・作画とも水準をしっかりキープしており、原作の面白さを損なっていない。
マイン声優さんの巧さや、手足が細くて頼りないマインの描き方は、アニメ化して良かった所。

 この作品でマインは大きな魔力を持っているようだが、それを用いて無双するようなことなく、逆に命を奪われるほどの脅威になっている。
 現実界で異常な本好きだった彼女の知識は膨大なもの。
 しかし、過度に儲けたり、社会形態を変えるような情報を伝播させず。
火薬や銃器、『JIN-仁-』ペニシリンに代表される医薬品、自転車やがては自動車など移動手段、効率的農耕の仕方など、桁違いの富をもたらしてくれる知識も、あるいは持っているだろうに。
 ただ、この作品において現代知識の披露は、単純に賞賛の驚きを持って迎えられるに留まらず、より効率的に稼ごうと考える者、不審を感じる者など、酷く虚弱なマインにとって必ずしも嬉しくない反応をも引き起こしてしまう。
 宗教が大きな力を持つ世界であり、「神の意に背く異端者だ」と捉えられた場合、命の危険さえ。

 非常に賢いマイン(大きく迂闊な所も)としては、考えながら、安全な範囲で知識チートを用いているのだろう。
 これら、作中の各所から強く感じられる「抑制」が、この作品を他の異世界転生物と隔てる。
自分は面白いと思うけれど、爽快感に欠けると感じる人も居るだろう。
 世界観・物語・キャラクターと良く出来ており、年齢に関わりなく楽しめる作品。
特に原作、上手く展開すれば「ハリー・ポッター」的に海外でも受け入れられないかなあ。
 小説がまだ続いているのだから当然だが、アニメは全然途中までで終了。
視聴率や円盤売り上げが好調だったかは分からないけれど、第三期の開幕を楽しみに。

2020年06月25日 木曜日
『BNA ビー・エヌ・エー』最終12話.「Anima-City」

 Netflix先行配信に合わせたスケジュールだったからか、あるいはTRIGGERの意地か。
この厳しい制作状況の中、高い作画クオリティを維持、迫力のあるアクションまで毎回披露しつつ、最終回まで駆け抜けた。
 当たり前のように行われる獣人化、その暴走、クライマックスの巨獣激突ビーム合戦まで、この作画ありきで最初から考えられており、絵的なパワー不足があったなら、もう見ていられないアニメになってしまっただろう。
 そういう意味で、非常に見応えのある作品だった。

 反面、テーマなのだろう「獣人と人間の差異・差別」「属性に寄らず、自分らしく生きること」辺りについては、アプローチが余りにもそのままで、面白味や腹に堪える深みを感じ取るに、少々薄めだったような。
 キャラクターの行動原理についても、見たままのことは分かるが、それ以上に理解が進まず、物足りない。
 とはいえ、つまらなかったかというとそんなことはなく。
TRIGGERに望む面白さ、ラストに向かっての物語・演出的な暴走、といった部分が今回は弱く、そこを少し不満に感じてしまった。

2020年06月23日 火曜日
『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』最終12話.「最終イベントが来てしまった…」

 想定内のイージーモードでラスボス?も攻略してしまうカタリナ。
 彼女自身の魔法力はともかく、相当な能力を持つはずの親衛隊がせっかく周囲を固めているのだから、もうちょっと彼ら彼女らを有効に使う作戦があっても。
 そういう計算高さをまるっきり持たないカタリナだからこそ、傷ついた心からATフィールドを張り巡らせた相手に対し、「ATフィールドって何?」とばかり全く抵抗を感じずスルリと内側に入り込み、頑なな気持ちを溶かすことができるのだろうが。
 シリウスに取り憑いた魔導師も、思えば哀れな存在なので、彼の家族(存命か謀殺済みか分からないが)と再会させ浄霊、という対応をしてあげても。
こんな真相、事前に予測できるはずもないか。

 もうちょっと見続けたいアニメだったなあ、と思ったが、既に二期の予告あり。
 再開を楽しみに。

2020年06月21日 日曜日
『アルテ』最終12話.「弟子」

 ヴェネツィア編に移ることで物語のテンションが落ちないか少し不安だったけれど、超絶可愛らしいカタリーナとの関係が良すぎて、もうフィレンツェに帰らなくていいんじゃないかと思うぐらい。
お母さんも美人で素晴らしいが、カタリーナは娘にしたくて攫いたくなる(通報)。
 この作品は、ほとんどのキャラクターが自らにプライドを持って生きてて、心地よい。
アルテやレオナルドは勿論、幼くして生き方を選ぼうとするカタリーナも、流されているようで現実に即した人生を後悔していないアルテ母も、娼婦のヴェロニカでさえ(いや彼女は特に誇り高い)。

 アルテは、男でなければならない世界に飛び込みながら、女であることを捨てたり諦めたりしない。
強く・逞しく、しかし優しく・しなやかに、自ら変わりつつ、取り巻く世界をも変えていく。
 女性には生きづらいのだろう(男としてしか生きていないのでこの辺を実感するのに限度がある)現実に対応しようとする時、この作品からは、何かしら得られる物がある……のではなかろうか。
 だからやっぱり、NHKで夕方に放送し、できるだけ多くの女の子に、男の子にも、見て欲しかったかな。

2020年06月20日 土曜日
『かくしごと』最終12話.「ひめごと」

 久米田康治が得意とする、くどいほど押し込んでくるネタの洪水、といった形式はあまり取らなかったアニメ。
そのため、笑いは少々弱かったかと思うが、毎回挟まれる「成長した娘(これが現在で、本編は回想になるのか)」エピソードと共に、お話として見やすい内容だったと思う。
 可久士は、下ネタ漫画を描きながらそこから得た収入により妻を探し続けていた。
その真摯な姿をマスコミに暴かれ、読者に知られてしまった後では「もう何を描いても笑ってもらえない」と筆を折ってしまう。
 原作者の漫画は、最終回近くで恐ろしくシリアスになる事があり、そこを読んだ後では本編を読み返しても、以前のように笑えない可能性が……そういう実感から来ているのかな。

 父のために走る姫、心血を注いで描き上げた原稿によって記憶を取り戻してく可久士、といったクライマックスは、感動的。
しかし、長い間、様々な漫画を描いてきたなら、記憶喪失に寄らずとも「これ自分が描いたんだっけ?」と思う原稿があって不思議ない。
大した数、描いてない自分でも、ある。
 久米田康治は、そういうことがない、記憶力に優れたタイプの作家さんっぽい?

 新型コロナのため混乱が収まらないアニメ界。
そんな中、クオリティを落とさず最後まで放送できたのは、お見事。
 エピローグは、大瀧詠一をフルで聞かせて欲しかったかなあ、そこだけ不満。
もう「別れの気配をポケットに隠して」いないから、流さなかったのか。

2020年06月07日 日曜日
『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』10.「破滅の時が訪れてしまった… 前編」

 チート能力無双系ではなく、どちらかというと優位知識系なのだろうが、それを万全に活かして危機を回避する、というほど活用している訳でもないヒロイン。
 ただ生来のお人好しさ加減により、男性キャラのみならず、同性である女性キャラまでもたらし込んでハーレムを築いてしまった。
 もうちょっと思い通りにならず、ピンチに陥ることがあればストーリーとして盛り上がるような……
と思いつつ、過剰なほどモテモテなだけが悩み(ヒロインは無頓着)の状況はストレスゼロで、気持ち良く見られるのも事実。

 このまま最後まで行くのか、という予想を裏切り、シリーズクライマックス的なイベント到来。
 ヒロインが現実界でプレイしていたゲームと同じ状況が無理矢理作り出される辺り、最大の敵となるのは「ゲームシステム、この世界では歴史的必然の強制力」かと思ったが……
生徒会長個人の問題に帰結するのかな?
 それも、既にヒロイン熟練の人たらし手練手管で攻略の糸口が見えており、ハラハラするほどではなく。
後編で「生徒会長も私を囲むハーレムの一員に加えてあげましょう、ホホホ」に到るまでの過程を楽しむのみ。

 考えてみると、カタリナ・クラエスが悪役だったゲームの各ルートでは、不幸もありつつキャラ達は幸せを掴んでいるのだが、彼女が「自分の破滅を避けるた め」悪役を務めないことにより、周辺キャラ達は一人に群がる余り「誰かと結ばれて満たされる」エンディングに向かうのが困難になっており、カタリナは世界 にとって善き存在に変わったと言えるのかどうか。
 新型コロナ禍で制作・放送さえできない作品が多発する中、作画クオリティも落とさずここまで来たのは凄い。
 最後まで頑張って欲しいところ。

2020年04月25日 土曜日
『映像研には手を出すな!』03.

 ドラマ版。
 見続けていて、いや、意外なほど面白くなってきた。
 可愛すぎる主演三人も、次第に役柄に嵌まり、違和感なくなっているし。
 水崎ツバメ役の山下美月は、美人アイドル的なキャラなので最初から(元々の容姿に比して)自然。
 金森さやか・梅澤美波、普段は可愛いのね、いつも金森みたいなシカメッツラなのかと思った。
 そして浅草みどり・齋藤飛鳥。
ドラマ中では、妄想過多だし面倒な性格だし、表情も動作も色気ゼロだし、「カノジョにしたい」気持ちに全然させてくれない女の子に見えるのが、凄い。
実際は超絶キレイな子だというのに、見事な役作りと撮影技術。

 空想に没入した浅草が宇宙遊泳を始めるシーン、実写だと「本当に浮いている」感が強く、余計に可笑しい。
 小型戦車は、ある程度まで(砲塔部分だけとか)ホントに作ったのかなあ。
安っぽいハリボテ風でなく、しっかりできている。
胴体周り回転プロペラの飛行機械も、オモチャっぽくない質感があったけど……こんなに実物を作る予算があるとは思えず、やはりCGと巧く組み合わせているのか。
日本のテレビ番組CGとしては、なかなか例がないほど精緻な使い方。

 映画版は、本来5月15日公開予定だったみたいだから、当然もう撮り終えているんだろうが、テレビドラマ版はどうなんだろ?
全6話なので、これも撮影済みかな。
 最後まで見たい、途中で放送延期になったりすると残念すぎる。

2020年04月24日 金曜日
『プリンセスコネクト!Re:Dive』03.「美食のフロンティア〜隠し味に天上の果実を添えて〜」

 エピソードを重ね、コミカルな中にキャラクターを彫り込んでいく、堅実な作り。
 内容に文句はないが、三話目に来て、作画に少々の緩み。
二話までのクオリティに比べれば、ということであり、これで「悪い」と言われては辛いだろうが。
 今期、放送延期になるアニメが続出している中、頑張って続けてくれているだけでも有り難い話。

 アニメ関係者の待遇の悪さはよく知られている所だけど、制作自体が止まってしまうようなことになっては、その多くはない収入から更に激減してしまう訳で、生活が危ぶまれる。
長期になると、離職……ということも。
 いや、ヒトゴトではなく、ただでさえ斜陽の度合いを増していた(特に自分など底辺の)漫画業界、これから景気が悪くなり、余計な物にお金を使うことができなくなった場合、どうなるか。
 まだ人命がどれだけ喪われるか分からない、それが一番の問題だけれども、とにかく新型コロナ禍が収まってくれるよう、祈るばかり。

2020年04月19日 日曜日
『ハクション大魔王2020』02.「おならのプゥータ、大暴れ!の話」

 第一話では、「現代テクノロジーで逆に驚かされる魔王達」という、『ドラえもん』なんかでは許されない、ギャグだから取れるゲリラ手法に感心したものだけど。
 二話目は、普通。
 中身は違うが、外見だけは可愛らしい子供のプゥータによるイタズラ……悪辣な行為に、キャラクターが振り回されるという筋。
最近、ストレス耐性が酷く弱っているため、途中で視聴脱落。
 今作が云々ではなく、『ハクション大魔王』って基本的にこの内容で正しいんだと思う。
現代に作る意味、なんてものを望んでしまうオールドタイプは、視聴対象外だろう。

2020年04月18日 土曜日
『啄木鳥探偵處』01.「こころよい仕事」

 原作小説未読。
 歴史的文豪を美形化して、本来の文筆業とは異質の世界に放り込み、その活躍を楽しむ、昨今流行のジャンル。
かと思ったら、原作の初出は20年以上前なのか。
 タイトルの通り、歌人の石川啄木が探偵のような活躍を見せる。
なんで啄木?
頭脳は明晰だったのだろうが、観察して推理する能力と直結するかというと……

 第一話の事件、解決には到らず、無茶なハッタリだけ示して終わってしまった。
本当にこれでオシマイじゃあんまりだから、次回以降、また警察や遺族らの依頼を受けて捜査を続ける形に?
 作品の背景となる時代の設定はしっかりできているように思われ、雰囲気が良い。
 作画もキレイで、美形青年達が美しく描けている。
 「推理」という点ではかなり物足りないスタートだったため、心を掴まれるほどではないが、まあもう少し見てから。
 いずれ、「手塚治虫がトキワ荘の仲間達と事件に挑む」「円谷英二が特撮映像トリックで犯人を追い詰める」「感性の宮崎駿と理論の高畑勲、若き二人が推理勝負」なんて作品もできるだろうか。

2020年04月17日 金曜日
『俺の指で乱れろ。〜閉店後二人きりのサロンで...〜』02.「お前は今、誰よりも可愛い。」

 原作漫画未読。
 5分アニメ、これもうっかり第一話を見損ねたので二話目からの鑑賞。
 タイトルからしてエロ枠だろうと思って見たが、うーん……レディースコミック?
二話目には、少々扇情的なシーンはあっても露骨なエロがなく、どちらかといえば「美形の男に迫られる(価値を見いだされる)女性」の視点から描いているような。
成人男性向け作品でも、女性視点から描いているものは珍しくないから、判別難しいけど。
 作画はまずまず。
 何か掴まれる所があったなら、見続けて良いのでは。

2020年04月16日 木曜日
『ULTRAMAN』01.「この地球にあってはならない力」

 原作漫画は、単行本で一巻を読んだ程度。
 アニメ、既にNetflixでシリーズ全話が配信されている。
見たい作品も多いため、いつか短期間でもNetflixに加入しようか、と考えているけれど、気軽に見られる地上波放送は嬉しい。
 3DCGによる制作。
 監督は神山健治×荒牧伸志。
両氏ともCG映像でのアニメ制作には慣れている。

 内容。
 初代『ウルトラマン』直接の続編という形態。
セブンや新マンは地球を訪れておらず、ウルトラマンが地球を去った後は怪獣や宇宙人が大規模に攻めてきてない世界、なのかな。
科特隊は結構有効な武器を開発しているので、それらを用いれば地球人だけでも敵撃退は可能かも知れないが。
 『ウルトラマン』の疑問、何故マンは地球を去る際、ハヤタの記憶を消した(あるいは地球滞在中、彼の人格は封じ込めたままだった)のか。
「超人であった自分」を覚えていては、ハヤタの人生を歪めてしまう恐れがあるから?
今作のように、まだ超人的能力をハヤタに残すのなら、記憶もそのままで良いような。
ゾフィーに命を一つもらうまで、マンの中に包み込まれながらもハヤタは「死んだ」状態だったとか……この辺、作中で語られるのかな。

 ハヤタの息子・進次郎が、ビルからビルへ飛び移り、超パワーを発揮してしまう所、まるで『スパイダーマン』。
「大いなる力には大いなる責任が伴う」という『スパイダーマン』の考え方、ウルトラ族全体にもありそう。
 ウルトラマンといえば巨大化だけど、あまり公にならず戦う設定であれば、等身大ヒーローにした方が扱いやすいか。
ただ、印象として『仮面ライダー』や、スーツを纏うなら『アイアンマン』に近くなってしまう恐れ。
 面白くなることを願って、視聴継続。


『トミカ絆合体 アースグランナー』02.「疾風!アースグランナーイーグルチータ!」

 タカラトミー原作、「トミカの誕生50周年を記念した作品(Wikipedia)」。
 うっかり一話目を見逃してしまったため、二話目からの鑑賞(YouTubeで第一話見られるのね)。
 変な色気を出さず、スッキリした構成の子供向け玩具販促アニメ。
なんで?とか、どうしてそうなるの?等という疑問は差し挟んでも意味が無い。
 敵も味方もおふざけ混じりの戦いだから、年少者でも負担ゼロで見られそう。

 変形・合体・巨大ロボバトルは、しっかり格好良く作られており、商品販促の役割を果たすに問題なく。
 子供たちに喜んで欲しいアニメ、ジジイがどうこう言う筋合いじゃない。

2020年04月15日 水曜日
『かぐや様は告らせたい?〜天才たちの恋愛頭脳戦〜01.「早坂愛は防ぎたい/生徒会は神ってない他」

 一年と少し経過して始まる第二期。
 何かタイトルに付け足してシーズン変わりを感じさせるのはよくあるが(この作品も「?」はプラス)、「〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」を削るってやり方は珍しい。
「打ち消し線を加えた」形だとも言えるか。
 安定した作画と、暴走する馬鹿馬鹿しいネタを盛り上げる演出は、今期も好調。
 驚かせてくれた前期の千花特別エンディングみたいな仕込み、またあるのかなあ?
現在、そんなお遊びを企む余裕はドコの会社にもなさそう、と思いつつ、でもちょっと期待して、視聴継続。


『ハクション大魔王2020』01.「出まして 来まして アクビです!の話」

 原典アニメは69年放送……もう50年以上も前なのか。
なのでリアルタイム視聴だったかは分からないけれど、再放送では見ている。
 何しろ強烈な外見、「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ〜ン」「そうでごじゃる」「オロローン」といった印象的なセリフ回しに、アクビちゃんの可愛らしさもあって、記憶に残る作品。
 といっても、個別のストーリー的な思い出は弱く、タツノコのドタバタギャグアニメ基本パターンを確立した一本だろう、ぐらいしか。

 新作。
 魔王といえば大平透の声!だが既に亡く、では誰を?という困った時にはこの人・山寺宏一。
キャラの外見からオリジナルの声が頭に響いてしまうため、どうしてもまだ「違うなあ」だけど、当然ながら演技は抜群に上手いので、新世代の魔王としてはベストの仕上がり。
スピンオフで様々な人が声を担当しているアクビちゃんや、新キャラ扱いのカン太郎など、声に何の違和感もなく。
 現代において魔法の便利さを用いたギャグ物語はかなり作り辛いだろう、その予想というか限界を逆手に取り、「現代社会の進歩具合に魔王親娘が驚く」真反対からのストーリーにするの、巧い。
『ドラえもん』では、なかなか表に出せない視点。

 魔法効果の多くは、バーチャルリアリティ的な体験で代替できると思う。
「女の子にモテたい」「世界旅行に行きたい」「美人メイドさん一杯の大邸宅に住みたい」……全部、8Kヘッド・マウント・ディスプレイに映し出される映像で「現実」にできそう。
 3Dプリンターも、ドローンも、スマホ(劇中既出)もある今、魔王は、冷め切ったカン太郎相手にどういう活躍を見せてくれるのか。
ちょっと期待して視聴継続。

2020年04月14日 火曜日
『アルゴナビス from BanG Dream!』01.「光あるところへ」

 「BanG Dream!」と付いているで、シリーズ最新作かと思い、これまでの視聴実績から自分が見てもよく分からないだろうな、と予断。
 いや、「ガールズバンドをメインとするメディアミックスプロジェクト『BanG Dream!』の関連企画のひとつであり、ボーイズバンドをメインとする(Wikipedia)」とあるように、キャラを一新し、仕切り直したスピンオフ?だった。

 スタートは、素晴らしい歌唱力を持ちながら心の傷により他者と関わることを避けていた主人公が、仲間達と出会い、心を開いて歌うまでを描く。
 その歌が、そこそこ上手いけれど、聞いた瞬間に惚れ込むほどとは思えない……まあそれは仕方ないかな。
漫画なら、歌そのものは聞かせず周囲のリアクションで「凄いんだろう」と想像させて成り立たせられるが、現実に歌わせてなかなかそうはいかず。
まあ自分なんか、超絶演奏者と素人のピアノ演奏も聞き分けられない訳で、偉そうに言える立場じゃない。
 サンジゲンによるCGキャラクターは、さすがに高品質な仕上がり。
美形お兄さん達でなく、オジサンドラマーに、つい目が向いてしまう。
 当然、女性視聴者向けだが、一話目は男性でも普通に見られるカッチリした内容。


『天晴爛漫!』01.「晴れ、ときどき小雨」

 アニメオリジナル企画。
 明治の初め、アメリカ横断自動車レースに挑むことになった、日本人の物語。
自動車といっても、『チキチキマシン猛レース』みたいな、時代設定とは関係なさそうに見えるムチャメカ揃いであり、長期のレース中に起こる対立や協力、外部からの襲撃などが描かれていく……のかな。

 本編は、日本を出た主人公達が異国に渡るまで。
 天才的頭脳を持つ天晴の、傍若無人な活躍が楽しい。
彼のためにヒドイ目に遭う小雨だけど、逃亡犯・天晴を追って船に乗り込んできたのも暴走させて遭難という事態を引き起こしたのも小雨自身なので、自業自得の面も。
 3DCGを交えた作画は大変に良く、アントンシクのキャラクターデザインをキレイに再現できている(同作者の『リンドバーグ』『恋情デスペラード』もアニメ化して欲しい)
 面白くなるとイイなあ、期待して視聴継続。

2020年04月13日 月曜日
『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』01.「来た、見た、買った」

 筒井康隆による原作小説は、最初の一話だけ読んだことがある。
 主演が深田恭子のドラマ版は未見。
 湯水のように金を使って事件を解決する、という物語コンセプト、発表当時は目新しく面白いモノだったが、現在までに「大金持ちが景気よく金を使って何か(割とつまらないことなど)成し遂げる」お話は珍しくなくなっており、一工夫が求められそう。

 最初にキャラとして登場する刑事のお兄ちゃんが、大富豪なのかと思った。
それで、半端な金持ちでイヤな性格の男を、桁違いの金遣いでプライドから何から(意図せず)ボロボロにしていくのかと。
 原作の金持ち主人公はこんな傲岸不遜じゃなかったような。
 最初の事件だし余り多くを求めては、だけど、膨大な金額をつぎ込んだからこそ解決できた事件、とは感じられない。
車の徴用は、フィクションでは普通の刑事も行っていることだし、街に与えた被害の補償など、始末書で済むところを(現実は済まない?)自前で過剰に支払いました、と言われても。

 クライマックス、運転席から女を逃がした後、刑事がどうやって脱出したのか不明……まあ過程を描かないのはパターンだけど。
 車爆破テロと素人強盗事件を絡める必要はあったのかなあ?
「このドタバタを通じ、強盗バカ女がダメ男の真心を知る」辺りが物語の落とし処じゃないかと思うが、男は危機に陥った女をアッサリ見捨てて逃げており、しかもそれを詫びるでもなく、女も責めるでもなく、二人が抱き合って泣いて何となくまとめた風にしただけ。
 原作であったように、「うっかり儲かっちゃいました」というオチもなく。
 美形ドS青年と、彼に振り回されてヒドイ目に遭う男の関係性を、面白がるべきアニメ?


『BNA ビー・エヌ・エー』01.「Runaway Raccoon」

 TRIGGER制作、オリジナル企画。
6話までNetflixで先行配信済み、らしい。
 今回は、獣人をテーマとする内容。

 期待に違わず、TRIGGERらしい作画の良さ・アクションのキレがあって、目に楽しい。
ヒロインのタヌキ少女は可愛いし、オオカミ男はきっちり格好良く描けている。
 隔離された街で集まって暮らそうという獣人達に、蔑み・憎しみの目を向ける人間達。
似通った多くの所は無視し、差異のみを取り上げて殊更に問題視する、現代にも通じる設定。
まあその、現実に獣人なんてモノが居たなら、自分だって興味を持って面白がることとは思うが。
 クライマックスは、爆破テロ犯人とのバトル。
タヌキ少女、犯人への暴行さえ止めようとする優しさは結構だけど、今、首筋にナイフを当てられた殺されかけたばかり、ということを忘れてないかなあ?
この、度を超したと言えるほどの命偏重は、物語のキーになっていくのか。

 「匂い」を映像化して捉える、『デアデビル』みたいなオオカミの能力が楽しい。
犯獣人の背後に人間の存在まで嗅ぎ取ってしまうのは、凄すぎと言うか、「百鬼夜行シリーズ」探偵・榎木津礼二郎みたい。
 ガッチリ掴まれた、とまではまだ言えないけれど、TRIGGER作品は回を重ねるごとに面白くなることが多いため、期待して視聴継続。

2020年04月12日 日曜日
『無限の住人-IMMORTAL-』01.「遭逢─そうほう─」

 今期二本目の沙村広明作品アニメ化。
 アニメは前にもやってなかったっけ?と思ったが、2008年放送だから、もう12年前か。
 何故今、しかも同時期に重ねて?Netflixで一挙配信された物を地上波に移した?
違う、Amazonprimeだった。
気がつかなかったなあ、全24話、見られたんだ。

 原作絵の雰囲気を非常に良く再現してあり、アオリ顔なんか凄く巧くて、おおっと声が出てしまった。
 両肩に女性の頭を乗せているキチ(放送禁止用語)は印象深くて覚えていたが、その決着を忘却。
こんなアッサリした終わり方だっけ。
 血仙蟲が体を修復する所、もうちょっとしっかり気持ち悪く描いて欲しかったな……今後出てくるか。
 クオリティは高く、視聴を継続したい、も何も、放送を待つまでもないPrimeで見れば。

 しかしPrimeに行けば全部見られる、ってシリーズ、意外と見ない。
世界的に評価の高い『ゲーム・オブ・スローン』も4話目ぐらいで止まっているし(つまらない訳ではなく)。
 ああ、『スター・トレック:ピカード』は見てる。
毎週一話配信、って形式が良いのか。
道路にドンとドア枠のような物が置かれ、そこを通って人々が遙か遠くと行き来する、まるっきり「どこでもドア」なシーンが面白かった。
転送装置の進化形なんだろう、もう人間の転送要員は置かず、ポケットに入れたスマホのようなコミュニケーターに行き先を指示してからドア枠をくぐれば、一瞬でそこに移動できる、というような。
切符を切る駅員さんが居なくなり、自動改札になったみたいで、少々味気ない気はしつつ。

2020年04月11日 土曜日
『映像研には手を出すな!』01.

 実写ドラマ版。
アニメが終わったばかりだというのにドラマ化、そして映画……と、人気だなあ。
 ホントに全然情報を知らなかったため、浅草が齋藤飛鳥だというのに驚く。
えええーっ、コレはどうだろう可愛すぎない?だったけど、小ささ・細さがあり、優れた容姿を頑張って台無しにしようという演技もあって、色気ゼロな後ろ姿とか漫画・アニメのイメージそのままだったり。
 水崎ツバメ・山下美月、ちょっと高い所から本人が水に落ちるアクションに驚く。
水はキレイなプールじゃなくて貯水池水質だと思われ、季節もまだ寒い頃じゃないのかなあ、スゲエ。
何でもできる漫画原作やアニメに対し、実写でインパクトを与えるには、もう体を張る・張らせるしかないって考えか。

 スケッチで見せられる絵、相当に上手い。
 アニメでもあった飛行機械アクション、3DCGを用い、ハリウッド並み……とはいかないが、テレビにしては見応えのある絵作りに。
しかし、手描きのラフスケッチ(正確に動きすぎるからこれもCG?)と実写少女が同一画面に収まっているカットの方が、面白かったかな。
 怖い物見たさで一話視聴して、終わりだろうと思っていたけれど、いや意外と悪くない。
 映画はどうするんだろ?
このドラマの先を描くのか、また最初から語り直すのか。


『放課後ていぼう日誌』01.「ていぼう部」

 原作漫画未読。
ていぼう部って何だろう?と思ったら、要するに釣り部ね。
 釣りをする先輩との出会い、手芸好きで海の生き物は(生物全般?)苦手な主人公の性格付け、幼馴染みとの再会、初めて体感する釣りの楽しさと、しっかりまとまった、不足を感じない第一話。
 カラッと揚げた魚は地味に美味しそうであり、画面作りも確かな仕上がりで、文句を言う隙が無いなあ。
 気楽に見ていきたい。

2020年04月10日 金曜日
『継つぐもも』01.「お悩み相談室」

 原作漫画は、少し見た程度でほぼ未読。
 17年にアニメ化された、その続編なのね、すっかり忘れてた。
 ここまでのストーリー記憶が薄くとも、怪異の存在する世界、主人公宅には美少女付喪神や土地神が同居しており、彼女らとサービスショットの混在するドタバタアクションを繰り広げる作品、だろうことは分かる。
そんなに難しくない設定なのもあるが、説明っぽくならず理解させる構成の巧さもあろう。

 男物・女児物のパンツが見せる感動シーン?は脱力だけど、昇天するフリして宇宙にまで行ってしまう馬鹿馬鹿しさは、ちょっと可笑しい。
 安定、安心して見られる作画。
 どこか「懐かしい」気分にさせてしまう作風は、プラスとマイナス、どちらにも作用しそうだなあ。

2020年04月09日 木曜日
『プリンセスコネクト!Re:Dive』01.「冒険の始まり〜夕焼け空にきのこのソテー〜」

 スマートフォンゲームを原作とするアニメ、未プレイ。
 キャラクターとして、劇中で最初にしっかりと描かれるのは、コッコロ。
時間を取って身だしなみを整える様子を見せ、主人公と出会ってからも、けなげに戦って彼を守り、ご飯を炊いておにぎりを作り食べさせ、クレープの美味しさに感動し(普段が素食だと感じさせる)、ダメダメ主人公に小遣いを渡し自分は働いて生活費を稼ごうとさえする。
恐ろしいほどの献身を演出。
 こんな子が居たらいいなあ、を通り越して、致命的に堕落させられそうで怖いレベル。

 剣を盗まれたことに気付かず(気付いていても)、演技だった盗賊の病気を心配し続けるペコリーヌ、凄い。
人が良いって段階じゃない、今日までどうやって生きてきたのか。
 何だかんだ、最終的には全て良い結果に変えてしまう強運の持ち主?
戦いを有利にしてくれる主人公らと出会えたし、悪党キノコも天然で始末したし、盗賊は近くに倒れてたみたいだけど自分の剣を取り戻したのかな?
 ぼんやりした態度・外見に似ず、発揮されるスーパー戦闘能力が気持ちイイ。

 直接的戦闘力は皆無に等しい主人公、パーティーメンバーのパワーを底上げする能力が?
 個性の強いキャラの魅力により、「勇者一行による冒険の始まり」というアリガチなストーリーが特別な物になる。
 今期にしては特筆すべき作画の良さ……最後まで行けるかなあ。
 テンポの良いコミカルな演出は、さすが『この素晴らしい世界に祝福を!』の金崎貴臣監督。
 期待して、視聴継続。


『シャドウバース』01.「これがシャドバだ!!」

 対戦型オンライントレーディングカードゲームを原作とするアニメ、未プレイ。
 スマホを手に入れた主人公が、ワルを相手に、まるで没入型ゲームのようなカード対戦を挑む。
深夜枠であれば「負ければ現実でも死が待っている」ルールになるところだけど、夕方の年少者向け作品だけあって、そこまでの切迫感はない。
……自分のスマホを賭けた勝負、ってのは、命を失う戦いより体感的にリアルかも知れないが。

 作画は良好。
 未プレイのせいか、ゲームでの戦い方や逆転方法にはピンと来ない部分があるけれど、まあ『遊戯王』『WIXOSS』なんかと同様に捉えれば良さそう。
 手近な相手を倒したが、より強い敵の存在が暗示され、主人公はシャドウバースの世界へと更に踏み込んでいく……サッパリした主人公のゲームバカ的性格付けも含め少年漫画的で、基本に忠実な作り。

2020年04月08日 水曜日
『白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE』01.「光に守られし国」

 原作スマホゲームについては、名前だけ知っている程度の知識。
 白猫というタイトルから、もっとふわっと気軽な内容を想像したのに、アニメは何だか悲惨な話。

 魔獣の襲撃に際し、落ち着いた様子で守りを固める村人からは、こういう事態への慣れが感じられたけれど、実際には瞬殺で蹂躙されてしまう。
有効な武器を作るとか地下室を掘るとか、この世界の人間であればもうちょっと対策を講じてあっても。
「貧乏な村にそんな余裕はない」のか「段違いにレベルの高い魔獣が攻めてきた」のか。
 主人公の連れていた子供三人がいつの間にか二人になっている、と思ったら、ムカデ魔獣に一瞬で一人殺られてた。
生き残った幼女は何故死んだ?というのも見返すと、ムカデの毒を体に浴びてるのね。
訳が分からん、ではないけど、もう少し親切でもいいような。

 主人公が大穴を掘り続けるのは、村人全員を埋めて弔うためだとばかり。
「まっ暗い穴の底まで白い光が差す時がある、それは好きだ」から……?
 そんなボロボロの子供と勝負してしまう老騎士は、「打ちのめして死に近づけることで逆に生きたいという気持ちを蘇らせよう」という意図かも知れないが、 戦いが終わるや倒れてタイミング良く寿命を迎え、しかもムカデ相手には良い所ゼロだった少年を自分の後継者に指名、ってのはさすがにストーリーの都合しか 感じられない。
 主人公に斬りかかってきたかと思ったら、ちょっと言葉を聞いただけで主と認めるメガネ従者も酷い。

 もう少し時間を掛け、視聴者が納得できるように物語を構成すべきだったかなあ。
いっそ闇の王となった主人公と、光の王ヒロインが出会う所から(出会うんだよね?)話を始め、過去は回想で処理してもいい。
 グイグイ面白くなっていく未来が見えず、視聴継続の意欲は弱め。


『社長、バトルの時間です!』01.「社長就任」

 原作はライトノベルだとばかり、スマートフォンゲームなのね、未プレイ。
 最初のカットに出てくる主人公は余りにもフツーの高校生といった服装をしており、現代劇だなと思ったら、空に巨大な不思議装置が浮かんでおり、未来が舞台?というのも違って、オーバーテクノロジーが流入してはいるが基本的に中世のファンタジー世界。
 『ファイナルファンタジー』を始めとするRPGだって、剣と魔法と、飛空挺・ロボットなど超技術が混在してはいるのか。
ただそれらテクノロジーの多くは、ファンタジー世界観との違和感を極力減らすべくデザインに大変気を遣っており、現代の服装や技術的産物をそのまま使っていることは少ない。
 学生服やスーツ、事務机にイスなんかが何気なく出てくる所、「ギルドやパーティー単位ではなく会社の業務として冒険」という中核設定と合わせ「笑ってね」という目配せかも知れないが、全てに詰めが甘い作りのため、気の抜けたアニメにしか見えないのは困りもの。

 唐突な子供の依頼を、その内容も確かめず受けてしまう主人公は社長失格。
 花を取りました、という途端、待っていたように登場する魔物。
 「社長らしく社員の能力を使いこなす」あるいは「社員を思う捨て身の態度が連携を高め」といった勝利ではなく、根拠の薄いシッポ攻撃が都合良く効果あっただけなので、うーん。
 『ブラック企業社畜だった俺だが、異世界では絶対社員を幸せにする社長を目指す!』的な転生物の方が、主人公の動機も明確になるし、作りやすかったんじゃなかろうか。

 作画は悪くないし、女の子達もまずまず可愛いと思う。
 しかし、とにかくお手軽な作りで、気合いを入れて毎週見るほどの動機付けを与えてくれない第一話。


『グレイプニル』01.「僕の中には」

 原作漫画未読。
 獣人になった自分の姿を隠すために着ぐるみを纏っているのかと思ったが、着ぐるみに変身するのね。
変身後、パワーなど身体能力は向上するみたいだけど、前が見づらい様子で(ということはマスクの目が自分の目になっているのではなく、マスク内に目がある状態?)バランスも取りづらくなっており、善し悪し。
 人間から縫いぐるみ形態への変形を、しっかり作画してくれるので、独特な設定も理解しやすい。

 主人公を徹底してイジメる、紅愛。
ツンデレだとか実は好意の裏返し、という可能性を考えるには余りに態度が非道すぎ、屋上から落とすに到っては勘違いか「必ずしも自由に変身できない」体だった場合には殺していたかも知れない訳で、徹底している。
 自分が主人公なら、ごくナチュラルに口封じを行うなあ、元々火事から助けてやらなきゃ死んでたのだし。
 まあしかし主人公、紅愛の体臭をやたら嗅ぎ回ってみたり裸に興奮したりと、イジメられている所を引いても(それも喜び?)失えない対象なのだろうから、幸せなのかな。

 紅愛の部屋に乱入してくる襲撃者を見ると、謎コイン争奪戦の異能バトル物になりそう。
 アニメ冒頭、ノイズが乗った一人称視点は誰の物か、というのと、謎コインを投入した謎自販機から出現した男子の正体は、一話目でまだ明らかになってない……よね。
 興味を引かれる第一話で、次も見ずにはいられない。

2020年04月07日 火曜日
『ミュークルドリーミー』01.「はじまりのストーリー」

 前情報ゼロだったため、かなりの年少視聴者向けアニメか、あるいは実写変身ヒロイン物かも、と思って見た。
実際は「サンリオが開発した子供向けキャラクター群(Wikipedia)」を主軸とするアニメ。
 ヒロインの相方となるネコ風キャラ・みゅーは、サンリオ既存のモノではなく新たに設定されたのかな?

 今期作品としては、という前提なしでも作画が素晴らしい。
J.C.STAFF、面目躍如!
 冒頭から忙しく家事をこなし、一人で喋りまくるヒロイン母が可愛い。
仕事に出かけるスーツ姿も美しく、ヒロインはこの母親にして良かったぐらい(個人的趣味)。
 停滞する部分なく、ポンポンと進む第一話。
しかし、生きてる縫いぐるみ・みゅーを初めて見るヒロインの驚きリアクションはしっかり描く、パターンに甘えない堅実な作り。
監督は桜井弘明なのか、道理で。

 マイナスな感情の暴走から人間(母親)がブラック化しており、その事態を解決すべく、みゅーと共に変身したヒロインが夢の中に入るため、てっきり「魔物的なマイナス感情モンスターと、ヒロインが戦う」ものとばかり。
バトルにはならず、変身後のアイテムを使ってアッサリ解決。
「プリキュア」風の展開を期待していると拍子抜けだけど、基本は女児向けアニメなのだし、派手な戦いを見せ場にする必要はないのか。
 OPは手描き、EDでは3DCGによるダンスを披露しており、どちらも楽しい仕上がり。
 見続けて損はなさそう。


『デジモンアドベンチャー:』01.「東京デジタルクライシス」

 1999年から展開されているアニメシリーズ、最新作。
近年『デジモンアドベンチャー tri.』として、オリジナルシリーズのキャラクターを成長させた続編が公開されたのは知っており、これは更にその後の時代を描くものかと。
 リメイクというか、現代に合わせたリブート企画だった。

 元の始まりはどんな話だっけ?映画版は覚えているけれど、テレビの方は記憶に薄い。
 描く事も説明も多い第一話だから仕方ないが、全体的にかなり駆け足。
今初めて、危機に遭遇しデジモンと出会う少年達の驚きなど心の動きを、もうちょっと描いて欲しかった……まだ次回以降か。
 声まで一緒のアグモンは懐かしく、次回は映画『ぼくらのウォーゲーム』をなぞるストーリーになりそうで、それもちょっと楽しみ。
映画の劣化バージョンになるようだと、ガッカリになってしまうが。
 しばらく視聴継続。


『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』01.「前世の記憶を思い出してしまった…」

 原作ライトノベル未読。
『八男』に続く、今期二本目の異世界転生モノ。
 転生のパターンとして、「現実の年齢や容姿そのままで転生する」「生まれた瞬間、遅くとも物心ついてからは現世の記憶を所有」「その世界の人間として生きていたが何かの切っ掛けで転生前の記憶を取り戻す」といったものがある。
この作品は、少女期に頭を強打することにより、記憶が蘇ったパターン。

 異世界、とは言えない?
現実でプレイしていた乙女ゲームの悪役キャラクターになった、ということだから。
ヒロインは現実で頭を打ち、それから昏睡状態で、大好きだったゲームの一員となって活躍する夢を見続けている、の方がリアルだけどあんまりなストーリーか。
 高飛車・ツンデレな女性キャラを好む自分からすると、記憶復活後は普通、というより相当に良い子になっており、ちょっと不満。
これじゃ、さしたる困難もなくデッドエンドを回避できそう。
 自分が(誰かを庇うためとか)悪役を演じなければ収まらないシチュエイションや、周到な(運命の)計画により抗えず憎まれ者の立場に追いやられていく、なんてことになるのだろうか。

 それでも、気楽に気持ち良く見られる転生モノとしては、悪くない出来。
 何となく最後まで見続けてしまいそうな予感。

2020年04月06日 月曜日
『イエスタデイをうたって』01.「社会のはみ出し者は自己変革を目指す」

 原作漫画未読。
 新たに創設された『NUMAnimation』枠、一本目のアニメ。
しかし、ヌマニメーションは言葉の響きとしてどうなんだろ……すぐ慣れるのかな。

 冒頭から、コンビニでバイトする男のダラッとした日常が描かれるため、ドコで死んで異世界転生するのかと割に本気で思ってしまった。
カラスに親切にしていたから、異世界でその恩返し的なカラス美少女が登場して、とかいう安易な。
 原作は冬目景なのね、それじゃあんまりそういった方向に流れそうにない。
 今期崩れがちな中、作画クオリティは相当に高い。
大事件が起こる訳でもない日常を描写する演出も、確かなモノ。

 こういう作品で多くの主人公は、大学同級生だった女性に告白などできる性格をしていないけれど、今作の彼は頑張ったなあ。
 そして、気を持たせずハッキリ振る(仔細ありげではあったが)女性も、好感を持てる。
 ハルも可愛く魅力的だが、主人公に助けられたでもなく助けたに近いそんな切っ掛けで好意を持つかなあ?という点を含め、最もファンタジーな存在。
 ここから彼らが面白いドラマを繰り広げてくれるのかどうか……あんまり重いと最近はメンタル弱いものでキツイが……見続けたい。


『ギャルと恐竜』01.「はじめまして!/猫がいたよ」

 原作漫画未読。
 放送前CMで線数の少ないキャラクターを見ており、OLさん等に向けたゆる〜いコメディかなあ、と思っていて、その予想は原作については当たり。
ギャルの部屋に恐竜が居る、そこに何故?とかコミュニケーションをどう取る?なんていう理詰めの部分は「ギャルだから悩まない」の一言ですっ飛ばす。
 人間の男女が同居した場合にはどうしてもいくらか面倒な関係性が生じてしまうため、恐竜にした、ということなのだろう。
犬や猫でも構わないはずだけど、まあちょっと不思議な生き物の方がインパクトあり、それ故のネタにもなる。

 アニメ。
 クレイ?アニメを挟むのはまだしも、後半で人間が出てくる実写パートを始めるのに面食らう。
加えてタイトルにもなっている「ギャル」を男性・オジサン・見栄晴に変更してある意図が不明。
男性視聴者は勿論、女性も喜ばないと思う。
 今回ラストの大きな変更点を除き、基本的にアニメでやった話を実写でもう一回なぞっており、元もそんなに面白い話ではないのですぐ飽きる。
 これは、反則ワザ連発だった『ポプテピピック』を狙ってみたモノなのかなあ?
原作は「アニメで何をやってもオッケーなぐらいムチャクチャなネタ満載」って訳でもなさそうなのに、いいの?
 『ポプテピピック』後追いであれば、ギャル役の声優さんを毎回変え、後半実写パートでその声優さんを役者として登場させるとか。
女性向けとしては、実写恐竜を男性声優に(全身着ぐるみではなく顔を出して)演じさせ、でもセリフなしにすれば無駄遣いでいいかも。
 大家さんの役者がシンガーの高橋洋子だ、というのは確かに無駄遣いだが。

 普通に5分アニメで良かったんじゃなかろうか、30分を長ーく感じてしまった。


『アルテ』01.「弟子入り志願」

 原作漫画は単行本で二巻まで既読。
 ルネッサンス期のイタリアはこういう状態だったのか、というのを非常に良く調べてあり、初めて知ることも多くて興味深い。
完成された天才として描かれることの多いレオナルド・ダ・ビンチを、若く扱いづらく発展途上の青年として描く視点も素晴らしい。
 何より、生命力に溢れ、逆境にめげない力強いヒロインに、現代の特に女性読者は力づけられる所が大きいんじゃなかろうか。

 アニメ。
 原作を読んでいると、チョイ省略されている部分が気になるけれど、このアニメから見る分には情報が整理されているとも思えて見やすいのでは。
 堅実な、不足の無い作画。
 娼婦の女性が好きなので、登場が楽しみ。
そういう職業が描かれる時点で相応しくないのかも知れないが、NHKとかで、広い層に向けて放送して欲しい内容でもある。
 視聴継続。

2020年04月05日 日曜日
『波よ聞いてくれ』01.「お前を許さない」

 『無限の住人』が有名な沙村広明の原作漫画は、単行本で一巻を既読。
 ラジオをテーマにしており、それもFM音楽番組トークみたいな洒落た内容じゃなく無茶なマシンガントークが繰り広げられたりするため、セリフを読ませる漫画より、声優さんが血管切れるまで熱演してくれるアニメの方が、面白さを感じやすい。
 対クマバトルを始め、無用に頑張った作画も嬉しい。
眼球の丸さを表そうとする影の入れ方が独特で、見慣れるまで違和感ありそうだけど。

 頑張っても、ローカルなラジオのパーソナリティでは儲かると思えず、本職はキープし続けるのかな。
ビジュアルがそこそこ良く、語りが面白いなら、現在だとYouTuberにでもなって自ら発信した方が経済的にマシかも知れない。
他にスタッフが居るし、何でも発言して許される訳ではないラジオ、という媒体だから笑いに繋げやすい、という所はあるが。
 視聴継続。


『LISTENERS リスナーズ』01.「リヴ・フォーエヴァー」

 アニメオリジナル企画。
 ゴミの山脈を漁る少年が、その中から不思議な少女を掘り出すのが物語の発端。
空から落ちてきた少女を受け止める『ラピュタ』の、逆。
ゴミ山から少女では、先頃ハリウッド実写化もされた『銃夢』が近いか。
キャラクターデザインや物語の流れからは、『エウレカセブン』を思い出してしまう(脚本家は一緒)。

 記憶の無いヒロイン、自分を助けてくれた(恩に着てはいない様子だが)に対し、ある時点から急に好意を抱いているようで、自分を襲おうと迫ってくること(誤解)を喜んでいるフシが。
 持ち運べる程度のアンプ(イクイップメント)が巨大ロボットに変形するのは、不思議に思って良い所なのか、「この世界じゃ常識なんだよ」で飲み込むべきか。
 怪物の襲撃、巨大ロボット化とその凄いパワーによる撃退に、誰の目線からも「驚き」が乗っておらず、置いて行かれた気分で淡々と見てしまう。
これは、深い穴に落下する途中で死すら覚悟した主人公が、特に説明なく、当たり前のように助かって次の作業に移っている(異常に長い穴底への落下時間で作業を終わらせた?)、どうにも雑な演出と同様。

 肩の上に人間を乗せ、機械っぽい動きで戦うロボットは、ちょっと良い感じ。
 音楽が重要な要素となる作品にしては、バトルに音楽的高揚感が演出できておらず、そこは物足りない。
 全体に、どういうシーンや表情にしたいのか意図は伝わるんだけど、絵が追いついていない印象。
かなり上手い作画でなければ映えないキャラデにしてあるのも裏目に……まあ今期は。
 敵に追われてやむなく、ではなく、ギャグのような顛末で街を逃げ出す主人公達。
怪物の襲撃も有り得る場所に姉を残して行こうというのに、こんな成り行きでいいのかなあ?
 もう少し見ての判断で。


『文豪とアルケミスト 〜審判ノ歯車〜』01.「走れメロス」

 DMMのゲームが原作、未プレイ。
 前にやってたアニメの二期だよね?と普通に思っていた、あれは『文豪ストレイドッグス』か。
実在の文豪を無用に美形キャラクター化したバトル物、といった構成は同じだけど。

 第一話の題材は『走れメロス』。
 「名作をしっかりアニメ化する」というものではなくダイジェストだし、「邪悪存在により壊されかかるストーリーを守る戦い」という要素も薄く、「現実の文豪が持つキャラクター性と名作内容をチョイと絡めながら、美男子萌えを楽しませる」のが狙い?
 作品世界の基本設定について、後半で猫と会話しつつ、えらく丁寧に説明してくれた。
訳が分からん、も困るけど、ただ説明ゼリフを重ねるだけの会話シーンを工夫なく見せてしまうのも、同様に頂けない。
 男性キャラを美しく描く作画は結構。
 ゲームに登場した文豪には、どう描くのか興味深い名前もあるが……スタートで掴まれた、とは言い難い。

2020年04月04日 土曜日
『新サクラ大戦 the Animation』01.「堂々開幕!新生華撃団」

 最初のゲーム『サクラ大戦』は最後まで遊んだんだったか、アニメもTVシリーズは見ていたと思うけど、劇場版やOVAになるとゴッチャになってよく覚えていない。
 キャラクターを一新し、デザイナーも変えて、新たなゲームが作られたというのは知っていたが、そのアニメ化作品。
 最初のTVシリーズからは実に20年ぶりの新作。

 どうしてもこの作品のキャラクターは藤島康介で考えてしまうため、マンガのファンではあるが久保帯人の女性陣に違和感。
しかも3DCGだし……下手な作画よりデザインの雰囲気を伝えているにせよ。
 物語としては、前作の10年程度後の時代を描く、直接の続編。
それにしても視聴者の世代は入れ替わっており、「華撃団」をゼロから説明した方が。
宝塚のような舞台で歌い踊る少女達、しかし事あらば人型兵器に乗り込み帝都の平和を守る、というのはかなり特異な(面白い)設定のはずで、「みなさんご存知ですよね」とばかりスラッと通り過ぎるのは、あんまり。
 せっかく記憶喪失状態の少女が登場するのだから、劇場に連れて来られた彼女の目線を通し、華やかな舞台と、戦いに臨む凜々しい少女達の姿の変化を、驚きをもって描けばいいのに。
 それはまだ、これからか。

 ブランクは考えず続編として語りたいなら、前作のキャラクターを出せばいいのに誰も残っていない……と本気で思っていた、司令官が神崎すみれなのね!
デザインも性格も相当に変わっており、気がつかなかった。
これから懐かしいメンバーが登場してくるなら、古参ファンは嬉しかろう。
 バトルシーンはサンジゲン手慣れたモノで、迫力がある。
大量の魔物が湧いてきている様子があったにしては、短時間で片付いたけど。
 しばらく様子見。
 


『かくしごと』01.「かくしごと/ねがいごと」

 原作漫画は単行本で二巻ぐらいまで既読。
『さよなら絶望先生』『じょしらく』なんかと比べると、過剰なほどのネタ連発が落ち着いた感じで、物足りないとも言えるがマンガとしては読みやすくもある。
 アニメとしてはクオリティ高く、原作のテイストを再現した作画も、美しい背景(原作の雰囲気を良く伝える)も見応えあり。

 お下品ネタであろうと売れて有名な作品を描いたのなら、娘に誇っていいんじゃないかなあ。
……と、成人マンガの上に商業的にも厳しすぎる自分などは思ってみたり。
 「漫画家に描きたいモノを描かせないのが編集者の仕事」という逆説的な言い方に、納得。
まあ実際、これは編集者が止めるべきだろう、って作品は結構あるから……恐ろしくて例示できないけど。
 エンディングにかかる大滝詠一「君は天然色」に、心を持って行かれる。
なんでこの曲?「ペパーミント・ブルー」大好きなので使って欲しかったーと思ったが、歌詞に「別れの気配をポケットに かくしていたから」という部分があるからなのね。
「想い出はモノクローム、色を点けてくれ」という所、成長した娘が父親の過去を知る構成に重なるし(モノクロ原稿をカラーにしたこのアニメ自体にも)。

 爆笑!ということではないけれど、その分、肩の力を抜いて見られる作品。

2020年04月03日 金曜日
『球詠』01.「運命の再会」

 原作漫画未読。
「きゅうえい」かと思ったら「たまよみ」と読むのか、ヒロイン・詠深(よみ)から来てるタイトルなのね。
 女子高生による野球物。
 ピッチャーであるヒロインは、「魔球」と表現できるような必殺球を持っており、最近のリアル寄りなスポーツ物というより一昔前のジャンルを彷彿とさせる。

 一話で集まった四人の少女達は、馴れ合いを拒否したり相手を否定するような性根の曲がり方をしておらず、ほわっと仲良しで気持ちイイ。
 小さい頃に捕っていた(捕れてなかった?)とはいえ、恐ろしく変化する魔球を最初からキャッチできる捕手少女は凄すぎ。
一球ぐらいは捕り切れずに落とした方が……これは「野球にかける熱い思いが空回りしていたヒロインの気持ちを受け止めた」表現かな。
 女子高生野球なのだし、少女達の可愛さは作品の主軸。
それを支える作画、一話目から少々厳しい。
とはいえ、演出意図を表現するに不足なく、今期はそこいら鷹揚に見るべきだろう。
 しばらく視聴継続。


『八男って、それはないでしょう!』01.「八男って、それはないでしょう!」

 元は「小説家になろう」サイト発表作品が原作、未読。
 ウェブ上や書店でこの印象的なタイトルは目にした事があり、「八男に転生した主人公の成り上がりストーリーかな」と思っていたけれど、大体はその通り?

 現実の自分は疲労による脳溢血や心臓麻痺で終わった?全然気にしてないみたいだけど。
 貧乏な上に子沢山の貴族家に転生してしまった主人公。
ボーナスで強大な魔法力を持つ様子だから、それを用いて成功していくのか。
 せっかく現代知識を持つのだし、一応は領主家の人間でもあり、それを活かして領地の改革や武装強化を行う、ってことでも良いような。
 と言っても、農産物品種や農地の改良、武器製造に関する知識など、普通の生活をしていてそうそう持っているはずはないのか。
自分だって知らない。
必要な情報を検索できるスマホでもあればなあ……

 八男、ということは上に七人兄が居る訳で、それぞれに「剣の達人」「狩りの名手」「人心掌握に長ける」「情報収集が得意」といった特性を付加し、彼らを活用して家を立て直す、という物語でも良かったかな。
早々に兄弟を放逐してしまったが。
いや、まだ必要に応じて呼び戻したり、都で成功した彼らと連携する展開は有り得る。
 文句言いながらも異世界転生モノは好きなので、気楽に視聴継続。


『GARO-VERSUS ROAD-』01.「NEW GAME」

 ええと、外伝・映画・アニメを入れると、もう何作続いているのか数えるのも大変な『牙狼〈GARO〉』の最新作。
 魔戒騎士やホラーといった、これまでのシリーズで中核を成した存在が、少なくとも第一話では脇の小道具然としてしか登場せず、スピンオフというか、設定の一部だけを借りたデスゲーム深夜ドラマの新作と感じられる。
 そう真面目にこれまでのシリーズを追いかけていない……最後まで見た作品のほうが少ない自分としては、これぐらい独立して鑑賞できる内容のほうが有り難い。
正しい『牙狼〈GARO〉』ファンにはどう思われるか、分からないけれど。

 100人の参加者を半数にするのが、第1ゲームの通過条件。
人間を狩る魔界の住人・ホラーが追いかけてくる、しかし襲撃方法のよく分からないそれらより、異常に強いDV男や、凶器を手にムチャクチャしてくるヤクザ三人組の方が怖い。
 どんなバケモノより人間の方が恐ろしい、ってのは仕方ないとしても、行きすぎると「これなら人間のみ参加の『バトルロワイヤル』でいいじゃん」になってしまうので、ホラーも頑張って欲しい所。

 アクションの演出に冴え。
 自分を殴りつけてきたロクデナシのDV男がボコられ、関係を断つ良いチャンスかと思うのに、情けなく敗走していくその背中を追いかける女が、イヤな感じにリアル。
 面白くなっていくかはまだ不明確だけど、しばらく見続けたい気持ちにはさせる第一話。

2020年04月02日 木曜日
『虚構推理』最終12話.「秩序を守る者」

 無理矢理な推理バリエーションを延々と繰り広げる辺り、確かに面白い所はあったけれど、少々長すぎて「まだ鋼人七瀬やるのか」とも思ってしまった。
青年と少女が様々な事件に遭遇し推理する物語、というより、この第一期に限っては、鋼人七瀬と対決し負かしていく過程を描く作品だったと言える。
 作画は全体に良かったんだけど、もうちょっと演出にケレン味を加えるなどして、長いセリフでも飽きさせない工夫が必要だったろうか。

 琴子と九郎のラブコメ的な要素を期待していたため、そこが意外に薄かったのも残念。
どちらも「弱みを晒す」「自分を理解してくれる相手に対し好意のステップを登っていく」といったフツーのキャラクターではなく、超然としているため、安易な恋愛展開を描けないのは当然か。
 それでも琴子は可愛らしく、常人と違う部分も含めて魅力的なキャラだった。


『神之塔 -Tower of God-』01.「BALL」

 タイトルから中国系アニメかと思ったが、韓国マンガを原作とする。
アニメスタッフはほとんど日本人。
 独特な、少しかすれた線で描かれるキャラクター作画は、悪くないクオリティ。
 しかし、よく分からない言葉を連ね、意味の取れないイメージを見せられるアバンで、テンションはすっかり降下。

 願いを叶えるため、同じ参加者と殺し合い、試練を越えて、塔の頂上を目指す物語……なのかな。
割とある設定で、理解しづらいはずはないのに、ワザと(力不足?)意味不明なシーンやセリフを多くしている印象。
 「これ以上手助けすれば失格となります」と少女が管理者に言われたすぐ後、堂々と自分の武器を主人公に貸し与え、それに管理者が何も言わないのは、笑う所?
借りた刀がたまたま美少年好きだったから発動して助かりました、というのは、唐突だし余りに都合良すぎ。
 今期の新アニメ一本目、ここまで。

 新型コロナの影響があり、前期も大変だったけれど、今期は更に過酷な制作状況だろう。
 無事にスタートし、最終回まで放送を全うできる作品がどれくらいあるのか、心配。


『映像研には手を出すな!』最終12話.「芝浜UFO大戦!」

 これまで二本放送された劇中アニメは、コンセプトがハッキリして分かり易く、「自主制作アニメとして非常に出来の良い内容」だった。
 しかし、最終話で見せられたUFOアニメは、「自主制作アニメとしてアリガチな、分かりづらい、面白味の薄い内容」。
突貫工事のストーリー変更がもたらしたものだろうし、それはそれで、前二本よりもリアリティーのあるアマチュアアニメだと言う事も出来ようか。
 お金を払ってまでこのアニメを見た人々が、どういう反応を示すのか……絶賛の嵐はウソだろう、「意味分からねー」と「分かる分かる」半々くらいが限度。
そこは描かれずに終わってしまったが。

 シリーズとして、スタートは作画の良さもあって熱中度高く、絵的には若干息切れしながらも文化祭の盛り上がりは素晴らしかったけれど、終盤で失速気味、というところか。
素晴らしい才能を持った商業アニメ監督が多く辿る、作品傾向の変遷と重なるような。
 主人公三人のキャラクターは、最後まで魅力的。
すぐ妄想(作品構想)の世界に入ってしまう浅草も、描く事への執念が凄まじい水崎も、あくまで合理主義でありだからこそ夢想家達の作品を現実の物に出来る金森も、つい感情移入してしまう点があり、もっと見ていたい気分に。

 実写ドラマ・映画化となるみたいだけど、アニメの第二期はあるのかな?

2020年02月19日 水曜日
『映像研には手を出すな!』07.「私は私を救うんだ!」

 うーむむむ、作画的に大分厳しいお話。
崩壊とかいう程ではないけれど、圧倒的クオリティでアホな(褒め言葉)妄想を形にし、少々の無茶を乗り越えてきた作品だけに、ここが躓くと、全体の吸引力がガックリ落ちてしまう。
 妄想上のウォータースライダーから飛び出したボートの方向が、スライダー出口と不自然にズレているのなんか、みどりやツバメならスケジュールがどれほど厳しかろうと修正したがる所じゃなかろうか。
 銭湯シーンが全く色っぽくないのは、抜群の作画であろうと意図的にこう描いただろう。
「美少女キャラの萌えで売りたい」なら、メインキャラ三人のデザインも違っていたはず。

 モデルのレッスンで、自らが練習するよりも他者を観察してスケッチし、動きのコアを捉えていく少女期のツバメ。
 この頃からアニメーターを志していたのか、と思ったけれど、それが祖母のリハビリに繋がる流れに感心。
 彼女が動画に徹底して拘るのは、一切をおろそかにせず描く事で「絵が上手くなる」「褒めてもらえる」といった直接的なモノだけでなく、何か・誰かに対して大きな意味を持たせられる、この成功体験?から来ているのかな。

 背景美術のチェックでモメるシーン、胃がキリキリする。
 気心が知れている訳でもない人間同士で、イメージを共有するのは至難。
そして、相手が苦労して描いてくれた絵について「違う、直して」と言うのは、自分が余程エライ先生か過剰なほどの報酬を払っていない限り、難しい……
 つい「まあ、いいかぁ」あるいは「自分で直そう」になりがち。
 みどり、対人スキルに問題を抱えながら、今回よく抵抗した、エライ!
 また、腹を立てて「じゃあ知らねーよ」と投げ出さず、ブツブツ言いつつ付き合ってくれる美術部?も良い奴らだなあ。

2020年02月10日 月曜日
『洋上の楽園クルーズ』160.「芸術の都ロシア・バレエ歴史堪能クルーズ」

 MXテレビで放送されている船旅紹介番組。
 ゆったりとした船の旅だから、なのか、老齢の乗客が目立ち、珍しい新婚旅行の若い男女なんか面白がられてしまいそう。
寄港地・ウラジオストクの大都会ぶりが興味深く、それはそれなりに楽しく見た番組。
 現在は、コロナウィルスで留め置かれているクルーズ船の話題もあり、こういう閉鎖環境で長く時間を過ごす船旅についてはキャンセルが出てないかなあ、大変だろうな。

 ……なんでこの番組録画してあるの?と思ったら、『異種族レビュアーズ』を毎週録画に入れてあったからか。
4話以降が放送中止になった、代替番組なのね。
 何かのアニメでネタにされそうだな。

 4話まで。
 性転換は極めつけの飛び道具!ではなく、早い内にネタ消化。
こういうパターンだと「美女になった元男性が、よく知っている男友達に、あるいは見知らぬゴツイ男に……」といった展開になりそうだけど、さすがにパー ティーメンバー同士で行為があってはその後に引いてしまいそうであり、相手は「男」でさえなく両性具有的なハイエナ(知らない知識だった、調べて補完)娘 と、しかも本人も両性具有であるクリムヴェールだけがしちゃう、ということで、非常に気を遣った処理。
 この雰囲気だと、いくら可愛くても「男の娘」を相手にはしない?
そこまで守備範囲なら、クリムヴェールが襲われてるか。
 大量の低級サキュバスとバトルロイヤル、サラマンダー娘に女体盛りで焼き肉、アイディアのバラエティーが素晴らしい。

 なので、気軽にテレビで見られなくなるのは残念。
といっても東京以外では普通に放送続くし、niconicoやAmazonprimeでは見られるようだが。

2020年02月06日 木曜日
『映像研には手を出すな!』05.「鉄巨人あらわる!」

 フィクションとしての巨大ロボットに付与される必然性と、現実から考える不合理さの論争が楽しい。
このアニメを見て度々あることだけど、「こんな会話、自分でもやったことがある」既視感がスゴイ。
 ちょっと押井 守風な理屈っぽさ、『ミニパト』ではロボットアニメ考察を猛スピードで展開していたなあ。
 ただ、このアニメでは押井節よりはもうちょっと優しく、否定されるモノへの共感からスタートしているのが嬉しいところ。

 現実的思考では巨大ロボットなど不可能だと知りながら、それでも乗りたいと号泣するロボ研部長に対し、「宇宙が広すぎて毎日お風呂で泣いている」「寝る前に毎日、波動拳出す練習してる」と共感の涙を流す映像研二人。
馬鹿馬鹿しくて笑いつつ、でもアホみたいな夢を追い続ける気持ち、分かるなあ。
 仮想現実で良いなら、リアルな巨大ロボット搭乗・操縦の感覚は味わえると思うし、自身の手から波動拳が出ていくビジョンも見られそう。
宇宙の果てだけは難しいかなあ……何を見せたら「宇宙の果てだ」と納得してもらえるか分からないので。
 しかし、より簡単に実現出来そうな代替物でいいじゃん、なんて考える人間は彼ら彼女らの仲間にはなれず、金森と同類かも。

 互いの弱さ(バカさ)をさらけ出したことで和解し、手を握り合う三人に、「問題が感情で解決する人間が一番嫌いだ」と客観視してツッコミ、笑いにする金森。
全くその通りながら、物事は感情主導で動くこと、多いんですよ。
 前回、厳しく制作進行かプロデューサーの役割を務める金森を見ながら、自分もかつて試みたけれど当然のように完成しなかった同人的アニメに最も必要だったのは彼女だなあ、と。
良いモノを作りたい気持ちがある、拘る、クオリティを下げる妥協はしたくない、そういう人間なら沢山居るが、直言して非現実的な理想を蹴散らし、完成に近 づけるためには周囲の憎しみを買うことすら意に介さない……絶対に損な役割を引き受けてくれる者は少ない、まあ誰もやりたがらない(自分も)。
金森、欲しかったなあ、あの頃。

 前回の自主アニメ、劇中で「何とか形にすればそれでいい」扱いになっていたので、そういう完成形なのだろうと思ったら、スゴイ完成度のよく動く面白いアニメだったので驚く。
ここは「ま、こんなもんでしょ」程度の中身にすべきじゃないの?いや凄い良かった、最高だけど、最高だけど。
 『なつぞら』で見せられたアニメ。
劇中では拘りまくった作画として語られながら、実際に完成品が画面になったのを見ると、????というモノに。
それの真反対だなあ。

2020年01月26日 日曜日
『22/7(ナナブンノニジュウニ)』03.「こんにちは、新しい世界」

 最初に少女達が集められてから、どれぐらいの時間が経過したのか分からないが、ファーストライブが決定し、思い出したように歌や踊りのレッスンが始められた。
基礎練習なら、これまでも出来たんじゃないかなあ……アイドルユニットなんでしょ?

 お披露目で200人規模の会場が、フツーに満席。
AKBだってもっと苦労したんじゃなかったっけ?
『推しが武道館…』でも、屋外でまばらな客に向かいアピールしている様子があったし。
 このアニメスタッフは、アイドル物というジャンルをテキトーに捉えている、あるいはアイドル物として作っていない、ということか。
 予算度外視なら、TVスポットを多数打つなど大々的キャンペーンを張る、国家的事業であれば国立大学の学徒動員(会場入りすれば単位を与えるなど)を行ったとか。
超常的「壁」設定があるのだから、確率操作により来場する人数の増減も可能かな。

 本来、多々あるべきファーストライブの困難は「壁」が都合良く取り除いてくれるため、物語の焦点は「みうが自分の殻を破れるか」という一点だけになる。
開幕前に解決法が提示され済みのステージトラブル、だけでなく、もしかしてユニットの人員配置から全て彼女のためかと思え、ヒイキが過ぎる「壁」って、みう父親の転生体?
 これだと、武道館超満員ライブも、新人賞総ナメも簡単だろう。
現代らしいストレスフリーなアイドル物語。
 いや、「壁」が突然「メンバーの誰かを脱退させよ」と言い出す障害は設けられるか。
絶対、指示には従う決まりらしいから、「アイドルとして絶頂を極めたみうを『壁』前の祭壇に生け贄として捧げよ」と命令されたらどうするのかな。
そういう興味で見るアニメ?

2020年01月24日 金曜日
『空挺ドラゴンズ』03.「光る龍と」

 このアニメ、最終12話まで、サブタイトルとスタッフが発表されてる?と思ったら、Netflixで既に全話配信済みなのか。
そういうことであれば、クオリティーの極端な低下はなさそう、3DCGだから作画崩壊なんてのは元から無いけれど。
 メインキャラクターの中で、ジローという青年だけが妙に宮崎アニメっぽく、『千と千尋』ハクが成長したみたいな雰囲気。
彼らが乗り込む飛行船も『ラピュタ』タイガーモス号との類似が感じられていた(飛行船なのだから似るのは仕方ないにせよ)。

 今回、ジローが同じ龍捕りだった父親から聞いた、嵐の中に出現する光る龍の思い出が語られる。
そして彼らの飛行船もまた嵐に見舞われ、上空では空中都市を擁していそうな巨大雷雲が渦を巻いており、飛行船上部に付いた二人用の観測場所からジローが見つめる先に光る龍が現れ、嵐の抜け道へと飛行船を導くように飛んで行く……
 よくココまで!スゴイなあ。
リスペクトと言うよりオマージュと言うよりパロディと言うより……そのまま。
 もうちょっと前から伏線として引いておくべきだったかなあ。
 あと「嵐で危機に見舞われる飛行船」というのが表現できておらず、割と安全な飛行状態かのごとく見えるため、光る龍の先導に有り難みがない。
 宮崎駿を超えろ!なんてムチャは言わないが、完成したお手本があるのだから、もうちょっとアプローチを考えられたかと。

 ジローは『ラピュタ』パズーとシータの息子、という裏設定があれば、納得しやすい話かも知れない。
 その場合、最後に彼が食べるのはトーストに目玉焼きを乗せたもので、「父さんの味だ」と言うべきだけど。

2020年01月20日 月曜日
『22/7(ナナブンノニジュウニ)』02.「めまいの真ん中」

 謎めかして引っぱった、このアイドルプロジェクトの全てを決定する「壁」だけども。
割とポンポン、メッセージを出してきて、それも人智を越えた意思を感じるとかそういう高尚なモノでなく、手練手管とか逆張りで人気を取ることに長けた「秋元 康かなあ」って感じ。
 ポジション決めの審査会。
ヒロイン・みうがダメなのはストーリーから当然として、審査員が驚きの声を上げるほどの才能を示すニコルの歌が「お友だちとのカラオケならまあまあ上手い方」ぐらいなのは、どうでしょう。
メンバーに、もっと歌える子は居ないのか?
 また、その歌パワーの演出を「バックライトが彼女の時だけ強く光る」ことで表すの、あんまりだ。

 レッスンに出てこなくなったみうの家を、桜が訪ねるのはまあ良いけれど、その二人の会話を、押しかけた(ニコル除く)他メンバー全員が見ており、それが バレて……という流れ、単によくあるパターンに乗せただけで、感情的交流が全く無い他の子達にそんな行動を取らせるのは都合良すぎ。
むしろ、ニコルだけみうを訪ねる方が、まだ納得できそう。
 うーん、素材となるアイドル声優さん達は変えようがないのだから、アニメを作る時、それをどう組み合わせて、どう見せれば魅力を増すことができるか、考え抜くべき。
現実の彼女達がまだ圧倒的人気を博していないなら、アニメの失敗は、グループの存続にも影響する恐れがあるのに。

2020年01月19日 日曜日
『7SEEDS』01.「立春」

 原作漫画未読。
 新作アニメ……という訳ではなく、19年にNetflixで全話配信された作品の地上波放送。
 Netflixといえば、潤沢な資金で高品質な映像作品を提供する、というのが売りなので期待したが、一話目から作画は怪しげ。

 何が何だか分からない状況から物語を始める、米テレビシリーズに向いた題材ではあろうか。
しかし、中CM明けで説明もなくキャラも舞台も切り替えてしまうのは、どうだろ。
同じく不可解な島でのサバイバル劇なので、前半のストーリーと繋がりがあるのかどうか、混乱してしまうし。
 嵐の中、海に落ちた仲間を救出する下りから突然カットが飛び始め、総集編なの?ぐらいのダイジェスト加減。
急展開と言うにも酷すぎて、意図を疑う。
 更に、ラスト一分ほどでまた新しいキャラ・状況のお話を開始する驚き。
 オムニバス的に、いくつかの物語を切り替えつつ描いていく形式なのか、とは思うけど、三十分に三つものお話をブツ切れで詰め込んだ結果、「どうなるんだろう?という期待感が三倍に」とはならず「どれも、どうでもいい」にしてしまった。

2020年01月18日 土曜日
『ドロヘドロ』01.「カイマン」

 原作漫画未読。
 ドロヘドロ……なんてタイトルなんだ!
ここからでは内容が何も予想できないけれど、本編を見始めてもよく分からない。
 トカゲのような頭の男、その口の奥には人間男性の頭部があり、敵対した相手の頭を口内にくわえ込み、その男性頭部と対面させてトカゲは「中のヤツになんて言われたか」尋ねている。
喉に?男性頭部を内蔵しつつ、それでもトカゲ・カイマンはフツーに食事を取れるらしい。
うーん、自分がこの設定だけ語られても「お前、大丈夫か?」みたいな反応しかしないだろうな、意味不明。
 それが、見ているウチに段々馴染んでくる不思議。

 キャラクターは3DCG、と、手描きを併用?
異常な世界観を支える背景の描き込みがスゴイ!
 正直なところ、一話を見終わっても、???ばっかりなんだけど(誰も親切に説明してくれないから)、画面クオリティの高さだけで引きつけ、次回も見ようという気にさせてくれる。
……どのキャラも感情移入の対象にならず、まだ強烈な画面と把握しきれないお話を眺めるに留まっているため、このままずっと進むようなら厳しいかも知れないが。

2020年01月17日 金曜日
『ぼくのとなりに暗黒破壊神がいます。』01.「Darlin' from hell」

 原作漫画未読。
 男子ばっかり版『中二病でも恋がしたい!』。
しかし、圧倒的な絵のクオリティと、センスを感じさせる演出、痛さを可愛さに転換させつつ的確に突っ込みを入れて笑いを生んでいた『中二病…』に対し、こちらは全て水準に足りない印象。
 中二病男子、ツッコミ要因男子、二人を引っかき回し喜ぶ男子、この辺りに何かしら魅力を感じられるかどうか、それが命。
そこに乗れない視聴者は、「今になってこのネタで中央突破を図られても…」。


『A3!』01.「満開の未来へ」

 原作アプリゲーム未プレイ。
 タイムリミットを設けられた廃部から部活を救うため頑張る部員達、というパターンの、街中劇団版。
 ヒロインは居るけれど、基本的に取り揃えられた美少年を楽しむ作品。
元ゲームについて「イケメン役者育成ゲーム(Wikipedia)」と書かれている通り。
 時折緩んでいるが、不足の無い作画。
 少し、先は気になるものの、視聴対象外。


『ARP Backstage Pass』01.「The Show Must Go On」

 3DCGでステージを展開する複数美形男子ユニットのアニメ。
キレイ所男子に見分けが付かず、これまで放送された同種作品をロクに見ていないため、てっきり何かの続編かと……初アニメ化なのね。
 「AR performersは、ユークスによるアーティストプロジェクト」らしい。
 CGは頑張った造形だと思うけれど、本編に入ると手描きアニメに変わり、そのクオリティーが必ずしも高くないため違和感。
キャラ絵が精気に欠けて見えるのはCGに合わせるため、無機質に描いている?

 ストーリーが余りに淡々と始まっており、視聴意欲を削がれる。
インタビューから回想の形でユニットが組まれるまでを説明するのは親切、しかし見る側が「彼らはどんな経緯を経てこのユニットに加わったのか」積極的に興味を持ってないと、さして面白くない導入で脱落してしまいそう。
 視聴対象外。

2020年01月16日 木曜日
『異種族レビュアーズ』01.「エルフの熟女と人間の熟女についての議論が沸騰し、天使はニャンニャン天国で昇天し、有翼人は総排泄孔で感度も抜群!」

 原作漫画未読。
 剣と魔法の異世界、生きるか死ぬかのクエストから解放された街中では、男達に(女達にも?)癒やしを与える産業があって当然。
『ダンジョンに出会いを求めるのは…』で取り扱われていたし、他の作品でも「商売女性に手を引っぱられて困る」ぐらいの描写なら大抵ある。
 小説では『JKハルは異世界で娼婦になった』というそのまんま題材のモノがあり、成人向け漫画なら「巨乳エルフと」「人外と人間形態にならないまま」とかいう題材も珍しくないけど。
 深夜とはいえ一般向けのアニメで、ここまで踏み込んだ内容の作品が放送できるのか。

 長寿の種族にとって、人間の熟女は(老女でも)自分より遙かな年下で、問題なく性愛の対象。
対して、外見を重視する向きには、実年齢数百歳であろうとも年若く見えるエルフが嬉しい。
価値観をドコに置くか、それによって対象への魅力の感じ方はまるで変わってくる。
 考えてみれば当たり前のことで、現実にも「アレはないだろう」という相手に全てを貢いでしまう事例なんかよくあるし、老若・体躯豊貧・美醜まで、人の数だけ好みのバリエーションは有り得る。
 より極端な姿や設定を描けるファンタジーで、いかなる相手でも区別差別すべきではないし、彼女ら彼らを愛する自分を恥じる必要もない……そういうことを訴えるのがテーマの作品なのかな。
 「男って心底バカ」「女だったら誰でも何でもいいのか」が描かれているだけにも思えるけど(笑)。

 作画クオリティーは高く、題材から当然重視される女性のボディーラインを肉感的に見せられている。
 キワモノに到るまで、性対象とする種族をぐるりと一周、ネタには出来るけど、それが尽きたらどうなるんだろう。
ああ、「魔女王とやってみたい」という動機で勇者と同様の行動をするって手はあるのか。
 楽しみに、視聴継続。


『虚構推理』01.「一眼一足」

 原作小説未読。
「マガジン」系での漫画が原作じゃないの?と思ったが、こちらはコミカライズだったのね(それも知ってるだけで未読)。
 タイトルから推理物だとばかり、そういう要素もありつつ、メインはアクションと会話かな。
 ヒネた少女いや17歳ヒロインとの、気が利いたというか、聞いている分にはともかく自分が巻き込まれると疲れそうな言葉の応酬が楽しい。
何となく『物語』シリーズを連想してしまったり。
「怪異と繋がりのある男女」というカップリングも同様だし。

 しかし琴子、片目・片足を奪われて(渡して)、代わりに「知恵の神」というものになれたとしても、怒りや恨みがないものだろうか。
恋愛や人間関係に一切興味がない超然とした性格ならともかく、男性を好きになるし、「いやらしいこと」にも言及するのだから、身体的欠損はデメリットになりかねないと理解できるだろうに。
怪異と交流する能力も、普通に日常生活を送ろうとするなら、必要ないというか恐ろしいほどの障害。
 だから、九郎が好意対象なのかな。
同じ匂いがする彼ならば、彼女の状況は逆に、唯一無二の絆にもなり得る。

 悪い怪異の退治には、『物語』と違って言いがかりのような理屈を用いず、実力行使。
 気合いの入った作画でアクションが良く描けているし、琴子も可愛い。
小さな体、細い手足の「色気」を感じさせる作画に感心。
 二人の関係を育てつつ、毎回妖怪ハンターみたいなことをしていくのか、大きな本筋があるのか、興味を持って視聴継続。


『22/7(ナナブンノニジュウニ)』01.「さよなら、私のささやかな世界」

 「22/7(ナナブンノニジュウニ)は、日本のデジタル声優アイドルグループである。秋元康のプロデュース(Wikipedia)」ということで、グループ名に数字を使う所とか、いかにも秋元。
そのアイドルグループのイメージを元にしたアニメ、なのかな。
 てっきりイラスト・アニメのキャラクターを正面に立て、声優アイドル自身の顔は公開してないのかと思ったけど、普通に出してる。

 人付き合いが苦手な少女を中心に、ユニットメンバーが集められ、いよいよ動き出す、までが第一話。
 アイドルになろうったって、研究生なんか給料が出るどころか研修費を納めるぐらいの立場だろうに、一家の生活を支える少女がそんなことしてる余裕あるのかなあ?などと思えば、通常のアイドル物とは違うのね。
 オーディションすらなく、集められた全員が確定メンバーで、動物園の地下に彼女らを養成する目的だけで巨費を投じたのだろう施設が構えられている。
 有り得ない、AKBだってこんなにも資金投下されているか分からないだろ、という疑問は、SF?方向へ振ることで解消される。
彼女らをアイドルとして活動させることが、何か巨大な意味を持つのかな。
 これだけのプロジェクトであれば、要求されるなら給料ぐらい払ったってどうという事はなさそう。

 作画は、チョイ不安定な部分もありつつ良好。
CMで見られる曲のプロモやOPの一部では3DCGを用いているが、本編ではどうなるのかな?
 気になるのは、「声優」アイドルグループとして売り出そうとしているんだろうに、特にヒロインの演技が、声優学校の一年生より上手くない所。
他の子も危なげだけど、ヒロインに比べれば、まだマシで通りそう。
彼女たちの、声優としての成長を視聴者が見守るシリーズになるのか……深夜アニメの視聴者ってそんなに優しい?
 様子見。

2020年01月15日 水曜日
『ランウェイで笑って』01.「これは君の物語」

 原作漫画未読。
 身長が条件に足りないハンデを抱えつつ、パリコレクションを目指す少女の根性物。
かと思ったけど、どれほど頑張ってもオーディションに通らなかった彼女のため、ハッとするぐらい輝かせる服装をデザインした少年のサクセスストーリーと、二本柱。
 一人ではムリなことも、二人なら突破できる、乗り越えていくカタルシスが気持ち良い第一話。

 作画は良好。
 少年がデザインした服は、凄く優れていた、ってことなのかな。
画面だけでは、もうちょっと説得力が足りてない気もするけど。
 ショップに問い合わせが殺到したのは、デザイン自体の優位性もあろうけど、インフルエンサーが勧めたって所、大きそう。
「ピコ太郎ブレイク」みたいなものか。
 だから、この後、デザイナーとして順調にいくかと思ったら……とする厳しい展開にもできる。
あんまりキツい話になるとシンドイが。
 しばらく視聴継続。


『はてな☆イリュージョン』01.

 原作ライトノベル未読。
『迷い猫オーバーラン!』『パパのいうことを聞きなさい!』の松 智洋原作……この方、16年に亡くなられてたのか、知らなかった。
 久しぶりの再会を果たした幼馴染み、ヒロインの家に同居することになる二人だが、ああ勘違い、ボーイッシュな女の子とばかり思っていた相手はしっかり男の子だった!
原作イラスト・アニメキャラクター原案が矢吹健太朗のせいか、凄く矢吹漫画っぽく感じられる、設定やストーリーの持って行きよう。
 単にラブコメではなく、魔術、魔法?を用いた変身怪盗をヒロイン一家で営んでいる、というのが特色。

 作画が良好でキャラは(男の子も含み)実に可愛らしいし、異常性格のメイドが楽しくて、好感触。
 実は男と分かっての拒絶、思い出を辿り抱いていた好意の確認、しかしお風呂で裸を見られ関係最悪に、それでも昔と変わらず優しい彼に心は乱れ……という、パターンながらも堅実な第一話。
 あっと驚く意外なストーリー、には、なりそうにないが、奇をてらって破綻することもなく、見続けられそう。


『織田シナモン信長』01.「時空を越えて蘇った漢 ワシが織田シナモン信長である!?」

 原作漫画未読。
 現代、柴犬に転生してしまった織田信長と、同じく犬になってしまった戦国武将達が繰り広げるギャグ。
 面白いか?と聞かれると、少し考えてしまいそうな一発ネタ作品だけれども、チョイチョイ笑ってしまったのは事実。

 悪くはないが、過剰なぐらいが可笑しさに繋がったかなあ、作画。
 歴史好き・ある程度知識のある人、だけでなく、可愛い犬が好きなだけで武将に何の興味もない、という女性にアピールし、多少は史実を知ってもらう役に立つ内容かも。

2020年01月14日 火曜日
『とある科学の超電磁砲T』01.「超能力者」

 原作漫画未読。
 第一期は09年放送、なので、このスピンオフアニメだけでも十年以上に渡りシリーズ展開されている。
 お馴染みのキャラクター達、特に黒子・新井里美が楽しそうに演じていて嬉しい。
 冒頭、歩道橋の上で子供たちのオモチャを美琴が屈み込んで直すシーン。
横を通り過ぎるカップル……かなりロングで後ろ姿しか描かれないが、その男子生徒の方、チラッと美琴達を見て、すぐ一緒に歩いている少女を見る。
「何やってんだろうね?」とか少女に話しかけているのか、もうほとんど視聴者に気付かれないような細かい所に演技を付けてあって、驚く。
3DCGじゃない……と思うが。

 二期を真面目に見ていなかったのか老化で記憶から抜け落ちたのか、説明もなく出てくるキャラクターに「誰?」が何人か居る。
そのままで物語は追えるし、会話の掛け合いなどやっぱり楽しく、今回見せ場となるクライマックスアクションの盛り上げも巧い、シリーズのファンからはまず文句など出ないだろう開幕だけれど。
 しばらく視聴継続。


『理系が恋に落ちたので証明してみた。』01.「理系が恋に落ちたので解析してみた。」

 原作漫画未読。
 ジャンルを成すのではないかと思われる「理系物」。
理系の人はこういう考え方をして、こんな行動を取る、といったネタは割とあるけど、文系の人あるあるって余り聞かないような。
「何でも万葉集を引用する」「白樺派の冗談を言う」なんてこと、まあない……ああ「孫子の言葉を使いたがる経営者」「『いいか?蛍雪の功と言ってな、勉強というものは…』などと四文字熟語で語るオヤジ」なら、珍しくないか。
知らない言葉ばかりの流行語大賞や、やたら略する女子学生言語も、そう?

 アニメ内容としては、頭の良い人間が、あるテーマについて鋭いような見当違いのような考察を積み重ね、キテレツな結論に到る、『かぐや様は…』タイプの話。
 「帰無仮説」なんていう聞いたことのない統計学用語が説明され、ちょっと感心。
なるほどー、勉強になる。
 ただ、この一話目だけでお腹一杯になるぐらい恋愛テーマにアプローチがされており、広がりには欠けると思うため、うーん、「もう大体分かった」と「次回はまた何か知らない理数的思考法を披露してくれるのか、という興味」で半々。
 もう少し見ての判断で。

2020年01月13日 月曜日
『地縛少年花子くん』01.「トイレの花子さん」

 原作漫画未読。
 アニメを見始めて、『トイレの花子さん』『学校の怪談』辺りを思い出すのは元ネタだから当然として、『HAUNTEDじゃんくしょん』を何となく連想。
 第一話は、怪異である花子くんとヒロインの出会い、キャラを紹介するドタバタがあって、花子くん・ヒロインの間に因縁が結ばれ、これから二人を中心とした物語が展開されると示して終わった。

 キャラ・背景の色やタッチに統一感があり、ドコをとっても一枚のイラストになっているのはスゴイ。
 笑いについては、勢い任せのモノが多く、年少者はともかく、ジジイにはヒット率低い。
 クライマックスとなる…のかな?妖異とのアクションは数秒で終わっており、バトルで見せようという作品じゃないのがよく分かる。
本当の盛り上がりは、二人が呪いを分け合い、縁が結ばれるシーンかな。
 つまらない!ということはないけれど、これもNHK夕方枠が相当。
深夜アニメとしては、少々インパクトに欠ける。


『推しが武道館いってくれたら死ぬ』01.「そんな舞菜を愛してる」

 原作漫画未読。
 印象的なこのタイトルは聞いたことがあって、「推し」って二次元キャラや声優さんに使われるのをよく聞くもので(凄く偏った知識)、てっきりそういうオタク物かと。
 マイナーアイドルオタク、しかも美少女アイドルを推しまくる主人公は、成人女性なのね、意外。
 テレビ番組で、実際にアイドルオタをやっているオジサンのドキュメンタリーを見、最初「何やってんだか、いい歳して」ぐらい冷めた視点だったのが、見終 わる頃「こんなに一生懸命追いかける対象があるって、幸せだろうなあ」「青春の相当な部分を費やして運動部活に励む若者達、そのほとんどは満足出来るほど の成果を上げられず部活を終える、しかしそれを『無駄な事』と笑う権利は第三者にあるのか?自分はそれより価値のある人生を歩んできたのか?」と考えるよ うに。
 まあ、アニメ見てゴチャゴチャ文句言ってるオタジジイも相当痛い存在だし(笑)。

 とにかく作画に気合いが入っており、憧れられる美少女はじめアイドルグループは全員可愛く描けている。
こんな一人残らずレベルが高いアイドル集団居たら、自分もファンになるわ(問題発言)。
 3DCGを用いず手描きで頑張るステージ歌唱シーンに、感心。
 主人公のえりも、勿論美人に描かれているのだけれど、服装や動作の隅々から「残念」が感じ取れる、これもまた素晴らしい。

 猛暑の中、熱気が篭もる階段でひたすら待ち続ける情熱!
こんな気迫を持って何かに挑んだこと、ないなあ、挫けかけた兄ちゃんみたいに「こんなの意味ない」とかすぐ言い出すダメなタイプで。
 これは変形百合物なのかな?別に相思相愛となってイチャイチャするのは目的でないみたいだけど(それどころか近づきもしない)。
 ライブの最中、興奮しすぎて鼻血吹き上げるぐらいだから、武道館ライブなんてあったら確かに「死ぬ」かも知れない。
 楽しく視聴継続。


『宝石商リチャード氏の謎鑑定』01.「ピンク・サファイアの正義」

 原作未読、Wikipediaだと「ライト文芸作品」という表記。
 タイトルから内容は想像できず、ファンタジー転生職業物か、宝石知識を事件に活かす探偵物かと。
 実際は、意外なほど硬派に描かれた、人生の機微を感じさせるストーリー。
そうか、「宝石」って婚約・結婚に留まらず、何か契機があり記念する物として購入したり譲り受ける、気軽には入手できない高価な品で、そこに必ず何かのドラマが絡むのか。
シャツや雑誌など日用品みたいな「いつ買ったのか覚えてない」事態は、なかなか有り得ない。
 逆に、宝石を特に考えなく(まとめて)購入したから記憶にないぐらいの大富豪、というキャラクターを設定するなら、それはそれで特異なドラマを孕むし。

 第一話は、生活苦からスリに手を染めた祖母と、彼女に宝石を盗まれた女性の、ちょっとヒネった物語。
被害女性が「今でもスリを憎んでいる」「もう遠い昔だから許す」といった常識的内面を吐露するのではなく、「自分を縛るはずだった宝石を盗まれたことで、結果的に満足な別の人生が歩めた」と語る、この深みに感心。
 アニメより、実写ドラマ向けの題材じゃないかなあ……もっと上の視聴者層に受けそうなイメージ。
 美形の鑑定人と、まだ人生経験の少ない大学生男子がバディとなっており、女性向けアピールはできそうだが。

 キレイ所を美しく描く作画、老齢の婦人を麗しく見せる上品さは嬉しい(スリ老女の苦難が染みた顔も)。
 まあまあ、ぐらいのストーリーだったら視聴を終えたかも知れないが、これはしばらくチェックせざるを得ない。

2020年01月12日 日曜日
『インフィニット・デンドログラム』01.「可能性の始まり」

 原作ライトノベル未読。
 頭部を覆うヘルメットを装着し、ベッドに横になり目をつぶって仮想世界に入っていく、これは分かり易い完全没入型ゲーム。
アバター作成などゲーム開始時の登録プロセスや、NPCによるクエスト発生、今回救った少女らが(それどころか国王が)死んでも主人公に何ら影響はないけれど「後味が悪い」という考え方など、とても詳しい人間による設定で、ハア?と思わせる隙がない。
 ゲーム内死亡に伴う、時間制限ログイン不可のペナルティー設定も、納得できるなあ。

 主人公により出現するスーパー少女は、パーティーメンバー兼武装アイテムなのか。
彼女は、作中で主人公が好意を寄せるヒロインの位置に就く?
それは騎士団の少女の方かも知れないが……思えばどっちもNPCであり、現実に帰れば存在しない娘達。
 ゲーム中で旅を共にするエルフ少女の中の人、実は現実では高嶺の花クラスメートだった、なんて設定は古い?

 しっかり描けた作画。
 バカ陽気なクマお兄ちゃんが楽しい。
 楽しみに視聴継続。


『SHOW BY ROCK!! ましゅまいれっしゅ!!』01.「まっしろスタートライン」

 キャラクタープロジェクト『SHOW BY ROCK!!』の、新規設定によるアニメ最新作。
一期を最初少し見たことがある程度で、人外含むキャラ達がバンド活動をする、演奏シーンではデフォルメキャラになる、といった概要以外ほとんど記憶が無い状態での鑑賞。
 ああ、今期ケモノ耳三本目。

 オシャレな、しかもかなりの薄着で、雪の中、大根を掘っているヒロインが可笑しい。
郷里で垢抜けない服装をしていた少女が、上京に際して精一杯可愛い服を着る、という落差を演出してもいいように思うけど、まあそんな細かいコト気にするアニメじゃない。
 人間ベースのヒロインに対し、両親・祖父母はケモノベースで二頭身に描かれている。
してみるとヒロインも、年を取るに従って頭身が縮み、ケモノ成分多めの外見に変わっていく?
いや、演奏時に限りヒロインも親たちと変わらない姿になってるから……どうでもいいか。
 ヒロインと仲間になるのだろうバンドとの出会い、一緒に演奏をする切っ掛けには、もうちょっと拘って欲しかった。
全部「たまたま」で進んでおり、物語としては物足りないような。

 などとゴチャゴチャ言うジジイは視聴対象外、素直にヒロインらの可愛さや、バンド活動を楽しんでくれる人に向けて作られた作品。
 十分な作画、楽曲も感じ良く、ファンは今期も楽しめそう。


『ネコぱら』01.「ようこそ、ラ・ソレイユヘ!」

 美少女アドベンチャーゲームが原作らしい、未プレイ。
 『シートン学園』に続く、今期ケモノ耳枠二本目。
 登場する猫耳少女達は一応「猫」という扱いになっているが、『綿の国星』のように「少女に描きつつも人間の目にはただの猫に見えている」訳でなく、二本 足で歩く、人間と喋ってコミュニケーションを取れる、ケーキ(食べ物)の店を手伝う、人間メニューの食事を採るなど、耳とシッポが付いているだけで実際は 人間少女と変わらない。
しかし、捨てられていた所を拾ってきて育てる、ということに問題ないらしく、社会的にはどういうポジションなんだろ……
 とか何とか、細かいコトを気にするアニメじゃない。

 第一話では、猫少女達の日常が語られるだけで事件らしい事件はなく(ラストで少し)、ストーリーとしてのツカミは無いも同然。
 そういうことにも期待すべきではなく、視聴者は、猫カフェの客のように、猫の中からお気に入りを見つけ、その姿や行動を眺め、可愛さを堪能する、それが正しい楽しみ方だろう。
 少女らの魅力を支える作画は、必要十分。
可愛い容姿が崩れたら、ほとんど価値のなくなる作品なので、頑張って欲しい。
 気楽に見続けたい……視聴本数的にムリが来ない限り。

2020年01月11日 土曜日
『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』01.「防御特化と初戦闘。」

 原作小説未読。
 タイトルから、「現実で死亡・異世界転生して、その際に受け取った過剰なボーナスを用い無双する」ジャンル作品だとばかり。
形としてはほぼ同様、なんだけど、ヒロインが戦うファンタジーワールドはあくまで「ゲーム」であり、ログアウトすればごく普通の日常生活が待っている。
『ソードアート・オンライン』『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは…』の方に近いかな、どちらも必ずしも「ゲームと日常を自由に行き来」できてはいないが。

 戦闘や行動選択によって順次、経験値を得たりスキルポイントを上げていくタイプの物語。
タイトル通り、痛いのはイヤだからと、全て防御に割り振ってしまうのが可笑しい。
しかし、さすがに歩くスピードにぐらいはポイント加算しないかなあ、何をするにも無駄に時間を浪費しそう。
 ぼんやり雑魚モンスターと戦うだけで、防御能力が増加していく。
このゲーム世界で死亡は、経験値が残り金銭などが失われる「ドラクエ」タイプ、あるいは直近のセーブポイントまで戻される「FF」タイプ、どっちだろう?
「ドラクエ」方式であれば、ヒロインのように防御力をある程度上げてあれば、モンスターの居るフィールドにキャラクターを寝かし、プレイヤーはログアウトして一晩放置、でもスキル等は稼げそう。
いや、初心者ならともかく、結構な資産を持つプレイヤーの場合、それを半減されるダメージの方が大きいか。

 毒竜にためらわず噛みつくヒロインは、なかなか普通じゃないな(笑)。
「噛みつく」って動作は、どういう指示でゲームキャラにさせられるんだろう?
竜肉を食べながら、余り美味しくないと感想を述べていたが、「味」まで感じ取れるゲーム?脳と直結?
 防御に特化し、運良く激レアアイテムなど入手することで、ゲーム中、唯一の存在へと成長していくヒロインが気持ちイイ。
しかし、廃ゲーマー・廃課金勢には所詮、太刀打ちできないのでは……そういう運営じゃない?
 崩れはないが、作画で勝負できそうな画面でもなく、標準的仕上がり。
 ゆるーい世界観に癒やされるものがあり、視聴継続。


『プランダラ』01.「伝説の撃墜王」

 原作漫画未読。
 脈絡もなく出てきてヒロイン含む女性達への痴漢行為をしまくる白仮面(普通に表情があるから白メイクかと)の男。
彼によるドタバタが面白くない、どころか無駄に尺を取りストーリー進行を阻害するばかりで、視聴意欲が大きく削がれてしまう。
 ヒロインは「伝説の撃墜王」を探し求めている、その相手が実はエロバカの仮面男であると、登場時間の長さや「撃墜王」イメージとの乖離で、誰にでもすぐ分かるだろう。
 格好良く正体を明かすラストはパターンながら結構だけど、普段のダメさ加減には何か理由があるのか、『シティーハンター』『銀魂』のように「そういう人なんです」か。

 ヒロイン、相手の自己申告だけで探し求めた人だとすぐ信じ、嬉しくて泣き出すのは余りに……
よく無事で長距離の一人旅、できたなあ。
余程、平和な世界なのか。
 人により異なる種目?で、体にカウントが刻まれており、それで立場の優劣が決まってしまう謎の世界観は、面白い。
 次回、主人公無双が見られるのかな、ギャグを全部外せば一話でアクションまで持って行けたような。
 作画は、ツカミの第一話としては少々弱い所あり。
 もう少し見ての判断。


『空挺ドラゴンズ』01.「クィン・ザザ号」

 原作漫画未読。
 龍と呼ばれる異形の空棲生物を狩り、売りさばくことを生業とする船の、乗員達の物語。
 捨てる所なくバラして龍を売りさばく所とか、クジラ漁をイメージしているっぽい。
船での生活、街の住人相手の商売模様、船に反感を持つ人々への対応など、細かく世界が設定されているようで楽しい。
美食物のように美味しそうに描かれた龍肉料理も、結構。
 漁の方法が割合と力任せだったのは、ちょっと物足りない。
龍の飛行器官に銛を打ち込んで行動を制限し、船の舳先を突っ込ませて地上への落下を防ぎ、肺を切って呼吸を阻害し弱るのを待つとか何とか、熟練の猟師らしい慣れた手順が欲しかったかな。
元ネタは捕鯨なので、あんまり変な設定を入れたくない?

 全編、3DCGで描かれるアニメ。
 グッと掴まれた、という程ではないが、しっかり作り込まれているらしいこの世界の有り様は気になる。
 しばらく視聴継続。

2020年01月10日 金曜日
『number24』01.「スーパールーキーnumber24です★」

 アニメオリジナル企画。
多少遅れてしまったが、まだまだタイムリーと言えるラグビー物。
 題材からも当然のように、登場キャラはほとんど男性。
ただし、むさ苦しい筋肉ダルマみたいな男は少なく、アイドルグループ並みの容姿。
ちょっと見たところ美少女かな?という外見の者も居るが、それだって男。

 次回予告で自らネタにしていたけれど、ラグビーそのものは余り描かれない。
第一話だけで言うなら、活動目的は野球でもバスケでもほとんど変わりないだろう。
 冒頭の事故や、もうラグビーを自分ではできずマネージャーに転向するなど、悲劇的な要素を含みつつ、それはそれとしてキレイどころ男子のキャッキャウフフが繰り広げられる三十分。
女性向け、しかし、可愛い顔に似ず内面は黒い主人公?とか、クラブ内のコミカルな人間模様で、男性視聴者も楽しむことはできそう。
 美形男子をしっかりと描くに不足無い作画。
 今期、チェックする本数が少なければ見続けても良いんだけど……


『魔術士オーフェンはぐれ旅』01.「追憶の呼び声」

 原作ライトノベル未読。
 アニメ無印、『Revenge』から二十年近く経って作られた、シリーズ三作目。
何しろそんな昔の作品であり、しかも余り見ていなかったようで、作画は凄く頑張っていたかな、ぐらいの記憶しかない。
 そういう人間でも分かり易い第一話。
過去に何が起きたため主人公の現状が形作られたのか、と、再びその因縁に巡り会って物語が動き出すまでを描く。

 金貸し屋となり糊口を凌いでいるオーフェン、子供二人とのドタバタ、オーフェンだけでなく見ている側もポカーンとする唐突な結婚詐欺……確かに悲劇を連続してはシンドイけど、冒頭と余りにテイストの違う(しかも面白味の薄い)コメディー展開に戸惑う。
 ドラゴンになってしまった女性を庇ったため本来の居場所を追われた、のだろう彼が、街ですっかりお馴染みになるぐらいの間、取り立てをやっている様子なのが不思議。
ドラゴンの情報を求め、アチコチさすらうものじゃないの?
いつかここに現れるはず、ということで長期張り込んでいたのか?
 詐欺を働こうとした豪邸に、たまたま貴重な剣があり、タイミング良くドラゴンが飛来する(剣を外に出したことで所在を察知されたから?)、都合良い流れ。
結婚詐欺の下り、居らないような。

 昔と同じく、ドラゴンを庇うため魔法を放つ主人公。
違うのは、討伐隊に対し殴る蹴るの暴力まで振るうこと。
ゴメンじゃ済まないよね……
 気持ちをサッパリ理解できない、という訳ではないが、第一話でオーフェンは物語・事態解決への方向を「止める」役割しか果たしておらず、魅力的には捉えられない。
次回以降のフォローで、解消できるのか。
 もう少し見ての判断で。


『なつなぐ!』01.

 アニメオリジナル企画、五分間ショート。
 キャラ線から背景、彩色まで、独特のタッチで統一された画面。
短編アニメならではの試み、かな。
 露骨な熊本押しだが、「2016年に発生した熊本地震の復興プロモーションとして熊本県が制作(Wikipedia)」しているそうな。
自治体の協力があったり、スポンサーに加わってくれるぐらいならともかく、自らテレビアニメを制作するのは珍しいパターン。

 ネット上だけの知人女性を探して、熊本に乗り込むヒロインの物語。
 しかし、相手が人の良さそうな年配女性とはいえ、初対面の人から食べ物をもらったり、一人旅の女性が車に乗せてもらうなど、今日的には危険であり、ちょっと迂闊とさえ。
まあ、困っている?女性を、見ないフリして通り過ぎる人々なんて描いて、県のイメージアップに繋がるとも思えないけど。
 熊本県ってパッと浮かぶのは、中学校の修学旅行で行った阿蘇山と、くまモンと、悲しい切っ掛けでテレビ知名度が急上昇した熊本城と、熊本ラーメンぐらい。
 これから、どう魅力的に熊本を紹介してくれるのか、興味深く見たい……けど、五分アニメは忘れがち。

2020年01月09日 木曜日
『群れなせ!シートン学園』01.「おおかみ親分 ランカ−ランカとジンとヒトミの話−」

 原作漫画未読。
 男子は服を着ただけの動物だが、女子に限りケモノ耳とシッポなどを付けた人間ベースの美少女として描かれる、方向性が実に分かり易い学園コメディー。
 ボケは多々あるけれど、的確なツッコミが不足している印象で、笑いの面では個人的に弱い。
シマウマ少女のパンツを丸出しにし、無遠慮にシッポまで掴む主人公……これはさすがにルール違反の行動じゃないかと思うが、特に咎められることもなく、「コラコラ!」程度のツッコミさえない。
相手は動物なのだから、服を着ている状態の方が普通ではなく、スカートをめくっても問題ない?
この世界の常識がよく分からない。

 などという細かなことはどうでも良く、可愛いケモノ少女達がバタバタする様子を愛でる作品か。
作画は十分に水準を超えており、萌えを楽しむに問題ない。
 見続けて負担になることはなさそうだけれど……まだ保留。


『pet』01.「潰し屋」

 原作漫画未読。
 脳内に干渉する能力を持つ者達の物語……かな?
 このキャラクターの視点で見れば良い、という分かり易い主人公がハッキリ示されず、感情移入が少々難しい導入。
冒頭で、いかにもメインキャラらしく登場した少年は、成長後、ちょっとしか出てこないし。
 ヤクザと下請けの話であり、どっちが記憶改ざんを受けていようが死のうが、見る側にはダメージゼロ。
どこまで現実で、どこから脳内干渉によるものなのか、一話をそのまま見ただけではかなり難しいが、彼らの運命にさほど興味が湧かないせいもあって、見返そうとまで思わず。

 ヤクザな男達を、しっかりイヤな感じに描く作画。
そういえば女性キャラって、冒頭の母親と看護師ぐらい?
バイトの若い男二人を相手に見る同性愛妄想からも、「男性ヒロイン」さえ居れば女性の存在は重視されないとか……?
 つまらないということはないけれど、掴まれたとも言えない第一話。
 取りあえず、もう少し見てから。


『映像研には手を出すな!』01.「最強の世界!」

 原作漫画は、単行本で一巻のみ既読。
 女子のみで構成された弱小部活物、だけれど、必ずしも「美少女揃い」ではなく。
 アニメ第一話を見てから単行本を見直してみたが、基本的にストーリーは忠実。
目立つ変更は、引っ越して来た時点のみどり追加、大きく影響を受けたアニメ『残され島のコナン』設定、妄想世界で空中チェイスを展開するためツバメの追っ手が参入、といった所。

 原作者からそうだけれど、アニメは、ハッキリ「宮崎駿」の影響を感じさせる……ように演出されている。
 車で引っ越してくるみどりは『千と千尋』冒頭シーンを連想させるし、劇中で『コナン』について熱く語る言葉は由緒正しき宮崎オタクの言説そのまんま。
 トンボ型飛行メカのデザイン、便利なスーパーメカ扱いせず人力が加わることでキャラクターとして認識させるアクションも、それらしい。
つい『カリ城』チェイスのパロディーなんかやりたくなりそうだけど、安易に走らず、「コピーをやりたい訳じゃない」プライドを見せてくれるのも嬉しい。
 しかし、ハッキリ『未来少年コナン』なのに『残され島のコナン』という微妙なタイトル変更を行っているのは何故?
NHKは当然、関係各所にも筋は通しているのだろうに……原作者アレグサンダー=ケイの権利関係?

 みどりとツバメが互いの絵を見せ合い、触発されて、一人だけだった世界がワッと広がっていく高揚感、素晴らしい。
高校時代、自分などより遙かに絵の上手い友人達とワーワー言いながら絵を描き、巨大ロボット物の企画なんか考えていた時の気持ちを思い出し、ちょっと泣ける。
同じ方向の夢を見る友達との出会いは、アニメ・漫画関係に留まらず文化系、体育会系にさえ通じる喜びじゃなかろうか。
 アニメを仕事として目指すならその先はホントに厳しくて、無責任に賞賛できるモノではなく、劇中言われるように「モラトリアムに守られている」期間に力一杯楽しむべきなのかも知れない。
それはまあ、野球部員は全員プロ野球選手になるものでなく、吹奏楽部員も音楽で生きていくとは限らない、それが当たり前かな。

 湯浅 政明監督作品だから言うまでもなく、作画はとても高いクオリティー。
舞台上でツバメを追いかける男と見せるドタバタ、特に階段を滑り落ちて奈落に吸い込まれる動きに笑ってしまった。
 ちょっと流れに分かり辛いところのある原作を、噛み砕いて付け加えて誰でも楽しめる内容にする、最善のアニメ化。
 楽しみに、視聴継続。

2020年01月08日 水曜日
『へやキャン△』01.「ツナ缶のなぞ」

 人気を博したアニメ『ゆるキャン△』からの、5分ショート・スピンオフ。
 野外活動サークルの様子がメインで、リンは登場しないのかな。
 本編もゆるかったが、こちらは輪を掛けてノンビリした雰囲気。
タイトルから、キャンプにさえ出かけない?
 ゆるゆるの内容を僅かな時間でチラッとだけ見せて終わるため、どんな話だったのかすぐ忘れてしまいそう。
本編ファンに向けたオマケみたいなアニメなので、キャラが可愛い、雰囲気が楽しい、それだけ覚えていればオッケーか。
 忘れない限り視聴継続。


『おーばーふろぉ』01.「やわらか姉妹と入浴中」

 原作成人向け漫画未読。
元のタイトルは『実は今入ってます…。お風呂でお兄ちゃんの硬いアレが…っ』らしい、さすがにこれじゃテレビアニメに付けられないのかな。
 5分枠アニメ。
 時間が短いせいもあり、キャラや状況説明は必要最低限で、男性入浴中のお風呂に美少女二人がギリギリの水着姿で入ってくるシチュエイションを目いっぱい見せる、よく分かった作り。
 ニーズに応えられるレベルの作画で、狭いお風呂で密着する肉感的な少女の感触を、視聴者に想像させてくれる。
 よくある……いや無駄に捻らない設定のため、サービスシーンに自分を重ねやすいと思う。

 元のタイトルからしても、最後は本番行為に突入した、ってことなのかな?
続きは課金コースでご覧下さい?
 冒頭で、登場する男女は実の兄妹ではないと断りを入れるが、原作だと血縁者なのか。
どちらか明示しない、って描き方でも良いようなモノだが、放送局がウルサイのか、より広い視聴者層にアピールしたかったのか、あるいは近親愛だと海外への売り込みが困難になることを恐れてたり。

2020年01月07日 火曜日
『ID:INVADED イド:インヴェイデッド』01.「JIGSAWED バラバラの世界」02.「JIGSAWED II そして鍵を握るのは」

 アニメオリジナル企画。
原作小説がありそうな内容だったけど……と思えば、シリーズ構成・脚本が小説家の舞城王太郎。
この人、日本アニメ(ーター)見本市版『龍の歯医者』では絵コンテや監督まで務めてるのか、多才だなあ。
 一挙に二話まで放送する形式。
今期はこういうスペシャルな始まり方が多いのかな?

 自分のことも分からない体バラバラの主人公が、夢の中のようにシュールな世界で、殺された?女性の捜査を進めていく、とにかく敷居の高い導入。
なんじゃコリャ?で投げ出されそうな所を、「名探偵」主人公の行動により、僅かずつ世界の理が解き明かされ、視聴者の理解も深めていく、構成の巧さに唸る。
 バラバラになった体や建造物を繋ぎ合わせる、途切れた腕を伸ばして(!)遠く離れた物を掴む、といった無茶な動きに、それでも画面上は説得力を与えてしまうアニメーションとしての凄味も、素晴らしい。
欠けた顔の向こうに耳が浮いている犯人、彼が顔を動かすと、耳は少しだけ遅れて連動する、この説得力はスゲー!
 名探偵が潜入したのは殺人鬼の精神世界、なのか。
殺人鬼を捕らえて機械に接続し……という訳ではなく、現状どこに居るかも不明みたいなのに、どうやって?
所謂「集合的無意識」を通じて発見したものか、思念粒子という殺人現場に残されるらしい思考のカケラから侵入できるのか。

 探求を進める名探偵、彼の動きを追って精神世界からデータを読み取る分析官達、その情報を元に犯人逮捕に動く捜査官、この三重の構造で語られる物語。
そして名探偵は、現実に戻れば殺人犯?
 シリーズで設定される最強の敵は、ジョンウォーカーという顔の見えない男?
 「カエルちゃん(かな?)」 とは何者で、捜査官が自ら頭に穴を開けた瞬間、イドに潜入できる領域が発生するのは何故?とか、まだ色々疑問が。
 ざっと語ってはいるが駆け足に過ぎ、設定の多くに視聴者は理解が及んでいないと思われ(自分だけ?)、ここから丁寧な説明が望まれる。
 二話まで見終えて、「なんかスゴそうなアニメが始まった」という気持ち。
 視聴継続。


『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』01.「やぁやぁ、知ってる?魔法少女のその噂」

 「『魔法少女まどか☆マギカ』を原作としたスマートフォン向けRPG(Wikipedia)」からのアニメ化。
ゲームはCM等で何となく名前を知っている程度、未プレイ。
 『まどか…』で魔女や異空間の設定を描いた劇団イヌカレーが、総監督・シリーズ構成を手がける。
だからなのか、作品テイストは本家と少々違うような。
といっても、鮮烈なレイアウト、ハッとさせる演出など相変わらず溢れており、画面から目を離させないのは同様。

 本家の少女達は登場するのか、そもそも地続きの世界なのか……見ていけば分かるのだろう。
 魔法少女になる報償として「好きな男子と付き合いたい」を望み、叶えられたが、もう別れてしまった、あの時はそれ以上に大事なことはなかった、という黒江の言葉は、分かるなあ。
自分も中学生ぐらいならそう考えたかも知れない。
「すぐ冷める乙女チックな恋なんて望んでバカだね」とも思われるが、もっと汚れた「美少女ハーレムを作りたい」「世界一の大金持ちになりたい」「嫌いなヤ ツを殺したい」なんて願望、そのどれにしても、代償として延々と続く魔女との恐怖に満ちた戦いがあると考えれば、途端に全て色あせ、「そうまでして叶えた い願いじゃない」になりそう。
 本家であった、自分のためではなく誰かのために報償を使う、というのが美しい形ではあるのかな。
それで満たされるためには、美しい心が必要ではあろうが。

 作画は、シャフトらしい高クオリティー。
 外伝とはいえ『まどか…』の名前を冠している以上、内容に求められるレベルは非常に高く、応え続けられるか見物。
 視聴継続。

2020年01月05日 日曜日
『ダーウィンズゲーム』01.「ファーストゲーム 初陣」

 原作漫画は単行本で、二巻までかな、既読。
 理不尽な切っ掛けで殺し合いに巻き込まれる、デスゲーム物。
主人公が、異世界転生物のような超絶無敵の力を持っている訳ではなく、限られた特殊能力を、思考速度や反射神経も合わせて駆使し、ギリギリ勝利を収めていくのが面白い。
 第一話でも、手に持って相手を撃つ拳銃本来の使い方に拘らず、「そうくるか」の閃きを見せる。
 って言うのは簡単だけど、アイディアを絞り出すのは毎回、大変な苦労だろうなあ。

 二話連続放送ではなく、最初から一時間の尺で構成される第一話。
やる気だし、それだけの期待を集めるアニメ化なのだろう。
 作画に少々不安定さがあり、特にキャラの容姿が「古い」イメージに思えてしまうのは残念。
アクションを頑張っていたし、酷く不満だという事ではないが。
 視聴継続。
 ここを頂点に作画クオリティが低下していく……そんな事態にならないよう、願いたい。


『恋する小惑星』01.「二人の約束」

 原作四コマ漫画未読。
 美少女ばかりが揃った弱小部活物。
 レギュラーキャラに男子が居ないことから、必然的に恋愛を絡める場合、百合ということになるかな。
幼い頃に交わした約束、人生を動機づける大きな出来事のその相手は、男子でなく同性だった。
男女の差は、そりゃ大きな違いではあるけれど、お互いに思い合うなら、それだけで気持ちを諦める必要はないのかな、などと感じさせてくれるぐらい丁寧に経緯や心情が描かれた第一話で、好印象。

 イヤなキャラは居ず、廃部までの厳しいタイムリミットもない、居心地の良い内容。
 整った作画で、少女達がみんな可愛く描けている。
 丁寧な分、ストーリーの進行は遅く、ツカミとしては弱め。
しかし、少女達に好感を持って見てもらうことがこの作品の真価、と考えれば、大変良い導入。
 視聴継続。

2020年01月04日 土曜日
 衛星で、映画『The Witch/魔女』を見る。
 韓国の作品。
評価が高かったので見たが、なるほど、これは面白い。

 お話の基本はスティーブン・キング『ファイアスターター(映画『炎の少女チャーリー』)』。
研究施設から逃げ出した少女に追っ手が迫る……という、割とアリガチなもの。
 最初一時間ぐらい、田舎で暮らす女子高生ヒロインの日常が、何か起こりそうで起きないまま描かれるため、気が短い人は耐えられるかどうか。
可愛い!と、普通……の間を行き来する不安定なヒロイン容姿も含め、韓国女子の生態がなかなか興味深く、自分としては割合楽しく見てしまった。

 まあ『ファイアスターター』なのだから、映画後半に見せ場が集中するのは当然。
CGとかアクションを頑張ってる訳でしょ?というのはその通りだけど、ありふれたパターンからちょっと捻る物語の仕掛けが面白く、感心。
 あんまり書くとネタバレになってしまうな……
韓国がとにかく大嫌い!という程でもない人なら(自分は特に好きでも嫌いでもない)、見て損がないだろう映画。

2020年01月01日 水曜日
『慎重勇者〜この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる〜』最終12話.「この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる」

 前話のラストが「俺達の戦いはこれからだ」風だったため、てっきりもう終わったものと勘違いしてしまった。
 原作小説はまだ刊行中であり、どうせ全てに決着は付かないのだから、もう11話で終わって良かったのでは……などと思っていたら、ラスボス撃破、聖哉の死(消滅)、仲間達との別れと、物語としては完全決着の流れ。
 二期を予定していないため、しっかり終わらせてしまおうとアニメ独自のストーリーを作ったのかな?
まあ、悲しすぎるラストじゃあんまりだから、聖哉の復活ぐらいは匂わせて終わるんだろう、という予想を越える展開。
なるほど、転生前の世界を救う「罰」が科せられるのか。
 カンストしたレベルや技能がなくなり、また最初から(前世の強烈な記憶は何となく残るようだからゼロではない?)、しかも今回より強いのだろう敵・劣悪な環境下でのスタート。
 しかしそこは自分達が生きた元の世界であり、全てを奪った憎むべき相手への雪辱戦でもある。
考えようによっては、希望への旅立ち。

 今期ラスボスとの戦いは、聖哉としては無謀な、勝算の薄いモノだった。
彼は「慎重」なのであって「臆病」ではなく、勝利するためにあらゆる準備を整えようとはするが、「自分が生きて帰る」ことは必ずしも勝利条件としていない。
その辺、前世の無謀な性格と真逆の人間になった「訳ではない」のかも。
 ヴァルハラ・ゲートはご意見無用の無茶な必殺技だけれども、それでさえ通用しないボスキャラを、ゲート二重掛けで葬り去る限界突破ぶりは楽しかった。
 更に強くなるのだろうこの先の敵に、対応できるワザは存在するのかなあ?
正面からの攻撃ではなく、眠らせる・歯を痛くさせる・空腹にさせるなどの搦め手魔法で敵戦闘力を削ぎ、倒すとか。
敵の嗜好が分かればそれを利用する、苦手なモノの幻覚を見せる、子供や愛する対象を人質にするなど……「卑怯勇者」になっちゃうか。

 作画レベルは安定して高く、個性が強いキャラクター達による掛け合いも良かった。
 先が気になることもあり、二期放送に期待。

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