ときどき日記 02/02(前)


02/02/14(木)

 画集の作家献本分が届きました。
ああ、本当に出来たんだ(笑)。
 あのスケジュールでよく刷り上がったもんで、本当、これならもうちょっと遅れても大丈夫だった 編集様・印刷所様にお掛けした ご苦労ご迷惑を考えると申し訳ない気分で一杯。
 ええと、正確な発売日は分かりませんが、ウチに届いてるという事は もうそろそろ書店の店頭だか店奥だか店棚の下敷きだかにも並ぶのではないかと思われます(奥付の初版日は3月15日、だから一月早いとすると金曜日?)。

 まあ、まあまあ良いのではないかと。
色の出はなかなかキレイですし。
 1冊 税抜き1500円。
作家に多少なりと価値を認めてくださるのなら、(だからシリーズの第一弾であるOKAMA先生の画集なんかは文句なく)お買い得かと。
 どこかで見かけました折は、不況のご時世 誠に申し訳ありませんが お財布の中身に余裕が御座います場合に限り、是非一つ、よろしくお願い致します!



02/02/13(水)

『ちっちゃな雪使いシュガー』18.「おまつり、ワッホー!」

 いつもお世話になっている人々にクッキーを渡すという 村の祭りを描く、ほのぼのとしたお話だった。

 サガとシュガーも良かったんだけど、いや今回はもう、広場に大量のクッキーを持ち込んで、誰かが来るのをひたすら待ち続けているグレタが可愛くて可哀想で
趣旨として、「自主的に配る(バレンタインのチョコと同じ)」祭りらしいのに、ただ広場で待ってる辺りが莫迦だけど。
ただぼんやり待ち続けているだけではなく、観光客だの子供達だのに構われてオモチャにされていた訳で、「悲惨」な印象はないが。
 夕暮れが迫る頃、やって来たサガから ようやく一袋クッキーを渡され、驚きと嬉しさに頬を赤らめるグレタが激ラブリー(^ ^)。

 誰からもクッキーをもらえて(あげられて)ない、という事実を隠すため、大量のクッキー在庫を抱え込んで そそくさとサガの前から姿を消すグレタ。
かかかっ可哀想すぎる!
 結局、失意の内に自分のクッキーは自宅に持って帰ったのだろうかとか 余ったのを親に知られるのも格好悪くて全部自室に持ち込んで途方に暮れているのではとか その中でもサガのクッキーは「嬉しくてすぐ食べてしまう」「勿体なくて食べられないでいるウチに湿気てしまう」どちらにしても切ないなあとか、勝手な妄想が拡大。
 グレタって転校生だったんだねえ。初めて聞いた。
サガを「ライバル」と一方的に決めつけて突っかかっているのも、孤独なクラスで誰かに構って欲しくて、なのではないかと思うと また愛しい。
 誰かクッキーもらって(交換して)やれよ、イイ子じゃないか!



02/02/12(火)

 コミケ申し込み、締め切り。
忘れず出しました?
 ウチも何とか、ギリギリで郵便局に駆け込み、セーフ。
あとは天と準備会に祈るのみ。
 …しかしなんでこう締め切り一杯にならないと作業 出来ないのかなあ。


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『だぁ!だぁ!だぁ!』76.「ルゥくん主役で文化祭」

 このアニメ、もう76話も放送されていたのか。
継続は力。
 シリーズを締めようという時には、その放送期間の長さそのものが、感動へ至らしめるための大きな力になる。

 星からの救助隊が、ルゥとワンニャーを連れ戻すため、地球に近づきつつある。
未夢の両親は、日程が決定したスペースシャトル打ち上げが終われば日本に帰って来る。そうなれば、また家族一緒に暮らすため寺と学校を後に、かなり離れた自宅へと移り住む事になるだろう。
彷徨の父親である住職も、寺に帰る事になった。
 擬似的に構成された「家族」それぞれが、本当の家族の元に還っていこうとする。
 決して自ら選んで訪れた訳ではない この街に、今では別れを辛くさせる沢山の繋がりが出来てしまっている。
それは、本当の家族の元に還る 当たり前の事を悲しく感じさせてしまう程。
 この辺、『コメットさん』にも通じる所で、こういうパターンに弱いオレは既に泣きそうだ(;´д⊂)。

 別れの悲しさ切なさを、狂躁的に盛り上がる文化祭で未夢がつぶやく「楽しいね」という言葉で逆に浮き出させるシナリオと演出が見事。
 ちなみに絵コンテは、久しぶりに(失礼)才能の冴えを見せてくれた佐藤 順一。


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『フルメタル・パニック』06.「STILL ALIVE」

 敵陣中を、ロクな装備もなしに、しかも負傷さえ抱えた2人(途中で1人プラス)の逃避行が続く。
 非常に緊張感のあるドラマ運び。
映画などではともかく、アニメでこれほどハラハラさせる逃走劇を描いた物は そうは無いだろう。
 監視衛星を用いて、自分達の生存と現在位置を伝えるアイディアも秀逸。

 絶体絶命の状況で、よりにもよって映画『明日に向かって撃て』を思い出す かなめ。
状況的には確かに重なるんだけど…(^_^;)。
映画のラストシーンを聞かれ、「よく分からなかった。飛び出していった所で終わるんだもん」と、ぼかした(本当に映画の内容を覚えていなかったのか、ワザと言わなかったのか)かなめのセリフで答えさせる やり方が巧い。
 原作は漫画版1巻目以外 未読なんで、この出来の良さが原作・アニメどちらの功績によるモノかは分からないが。

 番組開始当初、ドタバタ学園モノと見せて実は…という部分を削ぎ落としてしまった作り方は勿体ないのではないか?と書いたけども、これだけ面白い展開が先に控えているのなら、そんなの トロトロやってる場合じゃないやな。
ココを時間かけて描かなきゃ。



02/02/11(月)

『百獣戦隊ガオレンジャー』最終話.「百獣、吼える!!」

 多少の盛り上がりはあったものの…基本的には、ヘタレだった一年間の放送内容にふさわしいヘタレな最終回。

 死の世界から復活してきたツエツエ。
彼女がドラマのキーを握っているのではないか、一度死んだハイネス3人を影で操っているのではないか、最後には自らの野望のためヤバイバさえ犠牲にしようとするのではないか…とかイロイロ考えたんだけども、全部空振り(笑)。
 ツエツエ・ヤバイバ2人でガレキの下敷きになる最期は…
うーん、凄く いい加減で物足りない。
せっかく、特にヤバイバがかなり面白いキャラに育っていたというのに、これで台無し。

 死んだはずじゃなかったのか?な神様の何気ない復活、今生の別れを告げたはずのテトムとエンディングでピクニック、投げ飛ばした卵焼き(?)に焼き印で刻まれた「終わり」の文字。
本当、どこまでもヘタレ(^ ^)。

 何となくヘタレ路線を継承してしまいそうな、来週からの『ハリケンジャー』に期待しておくか。


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『仮面ライダー龍騎』02.

 どう見てもメカ仕掛けな(『ギャバン』の電子星獣ドルみたい)龍と「契約」を結ぶ、ってのが腑に落ちないなあ。
そういうものなんだ、と言われれば、納得するしか仕方ないが。

 物語は…まだ全体が見えてこないので よく分からない。
 ライダーキックの瞬間に、背後に現れた龍の吐き出す火炎の勢いに乗って更に加速し、蹴り込むと敵怪人は爆炎を上げて吹き飛ばされていく、この必殺技のパワフルさ加減は素晴らしい。
 2話目だからかも知れないが、まだ頑張っている3D怪人(怪獣?)、ミラーワールドではきちんと裏返り続けているビルの看板など、ビジュアル面にかけた努力は大したモノ。
 取りあえず見続けて損はない。


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『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』02.「ハナちゃん6年生になる!」

 お話としてはまあ、設定の紹介、という所だが、今回はうざったくなる程入り組んだ設定が無い様子なのと、演出のテンポの良さで、とにかく楽しく見られた。
 しかし、先々代女王に孫が居た、とはビックリ。
どう見ても息子、生涯独身で通した(ベッタリだった母親のため、独身で通させられた)ようにしか思えなかったが。
 …本当の話、後付け、今シリーズのため急遽作られた設定なのだろうけどもね。

 ハナは、どれみ達よりも ぽっぷと絡ませる事で「見習い魔女」としてのキャラを立てていくつもりなのだろうか?


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『ギャラクシーエンジェル』03.「太古と伝承と原始と幻と村長とお土産と祭りと窓と湖と銃口とお星様とマイクと笑顔とカミングスーンとグラビア写真集とホテルと失踪と森とため息のパロディーヌ」04.「びっくり点心」

 前半。
 通信音声の不調、という事で、途中で宇宙船に乗せてあげた老人に対して罵倒の限りを尽くしている(多分)ミントのセリフを、カットの切り替えを用いて聞こえなくしてみせるアイディアには感心。
笑顔で罵り続けるミントがまたラブリー(^ ^)。
 着ぐるみ大好き、というミントのキャラクターは、衛星シリーズを見ていない視聴者には「イキナリだなあ」と思われてしまったのではないだろうか…今回で覚えてもらえればいい事だが。
 ウカツに着込んで脱げなくなった、という所から始まる悪ノリギャグが今回のメイン。
マスコミに大騒ぎされ、最初は誤解を解こうとしていたミントだが 人気者になるに従って悪い気がしなくなり、TVや映画に出、悩ましい着ぐるみポーズ(笑)での写真集撮影にまで応じる勢い。
 だが、余りにもタイトなスケジュールは彼女を芯から疲れさせ、置き手紙を残して1人、山へと帰る決心をさせてしまうのだった。
 …という所まで、発見されてから僅か1日(^ ^)。
オイオイ今の、1日の話かよ!という視聴者からのツッコミを「待っている構成が素晴らしい。
 予想していたのに、オチにも笑わされてしまった。

 後半。
これがホントに良い出来。
 食べた者を巨大化させる、ロスト・テクノロジーの甘栗をうっかりつまみ食いしてしまったミルフィーユ。
食堂の天井につっかえるまでに大きくなってしまった彼女を何とかしよう、と周囲で大騒ぎをするシチュエイション・コメディー。
 下らない打開策と失敗、狭苦しい室内に苛立って(天井を)バーンってやっちゃいますバーンって!」と騒ぎ始めるミルフィーユ。
所詮他人事と思っていたのに見事 巻き込まれ 当事者にされてしまう他メンバー。
そして基本的には何も解決していないオチまで、問題をエスカレートさせていくコメディーのお手本にもなりそうな程に出来が良い。
終始、笑わされっぱなし。
 …しかしミルフィーユ、「幸運の遺伝子」を持っているキャラクターじゃなかったのかなあ?
今回はヒドイ目に遭ってるんだけど。
 地上波版ではこの設定、無し?


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『サイボーグ009』17.「決戦」

 スカール役の若本規夫 大暴走の話。
巻き舌でとか言う所では、爆笑。

 …という所を除き、冷静に言うと、一応のブラック・ゴースト編最終回としては まるで食い足りない内容。
 ロクな警備もしていない本部基地、せめて前・後編にぐらい してくれればイイのに割にアッサリ倒されてしまうスカールなど。
まあ確かに原作の時代には「連載で何週間もかけて、強敵と死力を尽くして戦う」というやり方は一般的ではなかったのかも知れないが、「今」の視聴者に面白がってもらえる工夫をしなければ 今日アニメ化する意味がないだろう(しかも、以前に00ナンバーの敵とは2週に渡って戦った事があるのに)。



02/02/09(土)

 そういえば、夏コミケの申し込みが火曜日、12日締め切り。
参加予定の皆様、応募忘れなど なさいません様に。

 って、自分もな(汗)。


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『ガイスターズ』19.「ドビアス奪回」

 後半、激しい作画の崩れ。
…というより作画がまるで間に合っておらず、何度も(流れに合わない)同じシーンを使い回したり、意味不明な止めカットを挟んだり、どこから持って来たのか多分 全然関係ないバンクを突っ込んだりと阿鼻叫喚。
 笑ってはしまったものの、真面目に言えば、とてもじゃないが「一本の作品として見られる」レベルではない
戦闘がメインだったのに 何をやっているのかまるで分からないのでは…


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『おねがい☆ティーチャー』05.「そんな先生に、ぼくは」

 萌え」的要素 全開の話。
 新婚旅行、という事で海にやってきた主人公と宇宙人みずほ先生。
背中に先生のバストをぺったりくっつけられて思わず前屈みの主人公、誘っているようでありながら ベッドに主人公(…ではなかったけど)が入ってくると「まだ心の準備がー!」と拒否する先生(心の準備が出来たらオッケーにしよう、という気はあるんだな)、思いを主人公に告げ 迫るクラスメートの女の子などなど、居心地の良いシーンがギッシリ。

 宇宙からやって来た先生の、地球人とのメンタリティーの差とか、真の目的とか、それに向けての行動とか、そーいったしち面倒な事は全部 飛ばして、「初夜」を迎えてのやりそでやらない寸止めラブコメにして見せ、客を嬉しがらせた手腕は見事!
 「SF」「ドラマ」としては間違っているような気がしないでもないけど、「萌え」としてはオールオッケー(^ ^)。

 今回は、チビな同級生・苺が、スカートの中を主人公に覗かれ「大胆なノゾキね、いやーん」と言った時の、全く抑揚のない無感情な声に大笑い。
脇のキャラ扱いも巧いや。

 そーかあ、こういう商品展開の仕方があったんだよなあ。
宇宙人先生かあ、同級生も絡めてドキドキかあ、ありそうで意外にも最近は見なかったパターン。
ちぃぃぃぃ悔しい。
 このネタくれないものか(アホ)。


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『カスミン』18.「霞家、呪われる」

 呪いのワラ人形主催、しりとり合戦の話。
 なんちゅーか、冨樫義博 先生が得意とするテリトリー内での限定条件戦みたいで面白かった。
テンポ良く次々に脱落していく参加者達。
特に、喋れない電子レンジヘナモンが、「チーン」と音を立てた途端に石にされる所では大笑い。

 笑いの中に、次第に人数が減らされて行き、このまま参加人数ゼロになってしまったら石にされた体はどうなってしまうのか、という緊迫感も。
 ワラ人形まで しりとり戦に巻き込んでしまう、という逆転のアイディアも なかなか。
 うーん、好調だなあ このアニメ。


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『フィギュア17』05.「勇気を出してみませんか(後)」

 地道に地道に、主人公・つばさの成長を追っているアニメ。
積極性にも行動力にも欠け、戦う事を最初から諦め「負け」てしまう彼女が、分身である ひかるとのふれあいを通じ、ポートボールの試合で自らシュートを決める所までが、素晴らしい説得力を持って描かれた。

 すっかり つばさヒイキの視点で見ているもので、ディフェンスをかわしてシュートしたシーンでは「やったぁ!」とか叫ぶ騒ぎ。
ダメな親バカオヤジみたいだなあ(笑)。
 総合的にレベルが高く、客の乗せ方、喜ばせ方が上手い!作品だからこそ、なんだけど。



02/02/08(金)

 ええと、誕生日でした。
いくつになったのかは、ナ・イ・ショ(聞きたくもねえ)。

 って訳で、事前に購入してあったチケットを手に、宇佐木 恵と三鷹の森ジブリ美術館へ行く。
 結構、駅から遠いなあ。
吉祥寺駅から行ったのだが、入場の時間が迫っていたのでタクシーで移動。
5、6分の乗車、料金で820円分走り、美術館前に到着。

 ローソンで買ってあったチケットを、入口で映画のフィルムをカットした入場券に変え、場内に。
前売りチケットで入場者数の制限が成されているのだろうが、それでも結構な客の入り。
 ああ、確かに「こう回ってください」という順路は無いなあ。
一応は、どこからどう見てくれても良いという状態になっている。

 入口すぐの、アニメーションの成り立ち、といったような展示室から見る。
立体物で、少しずつポーズを変えたネコバスなどを作り、それに点滅する照明を当てる事で見事、アニメーションしているように見せている。
単純な事なんだけど、実際に見ると結構楽しい。
 子供によっては、他の部屋を回らないで、ここでずーーっとネコバスを眺めていても不思議無い感じ。

 次に、この美術館でしか見られない、ジブリ製の短編映画を見に映像展示室へ。
 上映作品は数ヶ月おきに変わる様子。
…といっても現在までの所、2本しか完成していないが(10月にネコバスアニメが完成予定らしい)。
 見られたアニメは、『コロの大さんぽ』という15分程の短編だった。
 感想は…んーー、んーーーーー、んーーーーーーーーーーー。
子供向けアニメ。
 内容は何も無く、迷子になった子犬が飼い主の女の子の元に還ってくるまでを ほのぼのと描いている。
特にワクワクもハラハラも無いもんで、本当に淡々とした印象。
 子犬の行動や、周囲の人間のリアクションなどで、もうちょっとオトナの観客でも楽しめる内容に出来たと思うが、そういうヒネリはゼロ。
 冴えた演出もなく(宮崎 駿が手掛けているのだが)、感心する作画でもないもんで、イイ歳した人間としては見終わって「こんなもんかな」という気持ちが残るのみ。
 ただ、横で見ていた子供が「すっごく面白かった」と言って喜んでいたから、子供向けに作ったのであれば このままで目的は果たせているのだろう、多分。

 更に館内を回り、『千と千尋』で使われた背景美術などが展示されている部屋に入る。
一応絵を描く者として、打ちのめされるような美術のレベルの高さ。
泣きたくなってくる。
 これ、「背景美術素材集」としてCD-ROMに入れ、使用権フリーで売ってくれないかなあ。

 屋上の朽ち果てたロボット兵の像も見る。
思ったより大きい。
 すっかり記念撮影のスポットと化していた。

 全体に。
子供は凄く喜ぶだろう建物。
 迷ってしまいそうな構造、意味のないドア、マンホールに描かれた顔、大人は背をかがめないと入れないような壁の穴の奥に小さなイスが置いてあったりなど、子供達にとっては「発見!」の連続な美術館だろう。

 ジジイの繰り言だけど、オレは小学生の頃、近所にあった市営の図書館に入り浸っていた。
かなり朽ち果てた建物で、壁も床もボロボロ。
 二階に上がる階段の下側に 小さな隙間(小部屋)があったため、目に付いた本や写真集などをそこに持ち込んで籠もり、日がな一日眺めていたもんだ。
 元々利用者の少ない図書館な上に、そんな「隠れ家」になど誰も入って来なかったので、何時間も人に会わずに過ごせ、とにかくお気に入りの場所だった。

 このジブリ美術館も、あと20年ぐらい経ち訪れる人もまばらになった頃、たまたま親に連れられて入った子供は、人気のない廊下を歩き、道に迷って不安になり、小さな穴の奥にある椅子に腰掛け そこを「自分だけの隠れ家」としたりして、生涯忘れられないような思い出をいくつも作って帰る事が出来るかも知れない。

 そうなれた時 初めて、この美術館に本当の価値が生まれたと言えるのかも知れないなあ、などと思う誕生日でありましたよ。



02/02/07(木)

 ずぅっと、駅から駅までの最短ルートを検索してくれるソフトを愛用してきた。
例えば「新横浜駅」まで行こうとする時、自宅最寄りの駅から どの路線に乗って、どこで乗り換えれば良いか、総時間や乗車料金はどのくらいかかるのか、を教えてくれる このソフトは、大変に重宝なモノだったから。
 ただ、当然ながら購入して時間が経つと、ダイヤが変わり料金が上がり新しい路線も出来る。
次第にソフトとして価値が低いモノになっていってしまうのだ。
 ある程度はデータを更新してくれるし、なんなら買い直せばいい事ではあるんだけど…

 それも面倒だなあ、と思っていた所に、検索でこういうサイトを見つけた。

 http://ekitan.com/

 「駅前探検倶楽部」というHP。

 HPの強みで、ダイヤなどが変更になった場合は すぐに対応出来る…はず。サボってなければ。
 全国の駅の時刻表が見られるし、空港バスの運行時刻表も調べられる。
「おでかけ道案内」として、大きな施設などなら駅から目的地までの地図も表示してくれる。
出掛ける日時の、到着地の天気予報さえ見られるのだ。
 もちろん、全て無料
 いやあ、とても便利。
市販のソフトで出来る事は、ここでほとんど全部出来る。

 これでは、いずれ市販ソフトの立場が無くなってしまわないだろうか?
いやまあ、鉄道路線図が表示出来るなどソフトのみの特色もあるし、気軽にインターネットに繋げる環境下にないと利用し辛い部分もあろうから、そんな心配は無用かな?

 ネットは便利だよねえ。
国語辞典も英和辞典も、今やネット上のモノで十分。
 広告を入れる事で無料のサービスを提供してくれるサイトは、貧乏人には本当、ありがたい存在。

 ついでに…フォトショップなんかも無料使用させてくれないかなあ(笑)。
 Web上からダウンロードして使う形式にして。
使用の際には、開始時にアドビのサーバーに自動的にアクセスし、そこで最新版の広告をダウンロードして、画面の何処かに必ず表示する事にするとか。
それも、素材集やプラグイン、入門書の類であったりしてくれると実用的。
 素材集・プラグインも、使用毎に料金を払うダウンロード制にしてくれるとありがたいかなあ。

 広告収入だけではやって行けない、という事なら、一週間当たり1000円…か、理想的には500円ぐらいで使わしてくれるとか。
そうすると、一ヶ月ずーっと使うと2千円。
一年間休みなく使って2万6千円ぐらいかな。
 広告がうざったい人は、あといくらか払えばそのウィンドウを消せる事にしても。

 製品版が9万6千円程なので元が取れるかどうかが問題だけど…パッケージ・流通の手間が要らない事と、ダウンロードし 毎回アクセスもするユーザーの負担を考えて、このぐらいで手を打ってくれると嬉しい(^ ^)。
 何しろ…ええと、口にし辛いんだけどコピーのユーザーが多いソフトだと思うので、「500円ぐらいなら払ってもイイや」と考えて皆が利用してくれれば、今より利益が上がったりするかも……

 何となくどこかから怒られそうな気がしてきたから、シロウト考えはこの辺で(^_^;)。


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『七人のナナ』05.「決定!神近君の志望校?」

 結構楽しく見られた。
 ドタバタにかけたアイディアが楽しいし、「好きな相手の志望校が知りたい」という切ない気持ちもよく分かる。
 イジワル3人組の1人が、催眠状態時に見せた超絶体術の動きも良い。
 ナナが黒板の文字を消す時、すーーっと黒板消しで なでただけだと文字がハッキリとは消えず、薄く残ってしまうという こだわりの処理も、非常にリアルで素晴らしい。

 ここまで(中抜けがあるけど)見てきて不満なのは、やっぱり6人の分身に明確なキャラ付けが感じられない事。
 もっと…例えば朝食シーンにしても、お行儀良く静かに食べる者、ボロボロこぼしながら食べる者、やたらおかわりする者、自分の分を他の子に食べられて泣いている者、素早く食べ終わって走り回っている者、「イギリス王室御用達のジャムが無いと、パンは食べられませんわ」などと不満を口にする者、などなど、キャラ毎のリアクションがあってもいいように思うけど。

 存在がまるっきり、主人公の背景、でしか無い。
今回なんか、本人と、暴走してしまう1人を除いた5人の扱いは、「邪魔にならないように家で掃除でもしてて」というモノだったと思う。
 やっぱり7人も、は、出し過ぎだった気が。
3人ぐらいにした方が、それぞれのキャラは彫り込みやすかったろう。
 まあ、まだ5話なのだし、ここからどうとでも展開出来る訳で、「人数が多いからこそ出来た話」が今後入ってくるなら全然問題ないんだけど。



02/02/06(水)

『Kanon』02.「日溜りの街」

 多少の抵抗を感じていたキャラクターデザインも、見慣れてみれば問題ない(^ ^)。
 名雪とか、描き方が可愛いよねえ。
目覚ましに自分が吹き込んだメッセージの、「あさ〜あさだよ〜あさご飯食べてぇ〜学校行くよぉ〜」といった、朝から気合いが抜けきり布団の中で膝を抱えて丸まり二度寝してそのまま引きこもり状態まで移行してしまいたくなるような大ボケセリフが何とも言えずラブリー。
 可愛いとはいえ、恋人までならともかく、生涯一緒に生活出来るかどうかは分からないけど(笑)。

 ヒロイン…なのだろう、あゆの描き方も斬新、というか、かなりの賭に出ている。
 「イキナリ何かに追われている」事で強くキャラクター性を印象づけるまでは まあ定番なんだけど、その原因は通常、「ワガママなお嬢様を教育係の爺やが追い掛けている」とか「学生アイドルな彼女をファンの群れが追い回している」などにして「お金持ち」「皆に愛されているスター」という価値を付けていく方向を向くモノだけど…
この作品においては、原因は「たい焼きを食い逃げ(万引き)したため、店主に追い掛けられている」という激しいマイナス要素
 しかもその動機は、『螢の墓』的にどうしようもない貧窮生活の中で生きるため やむを得ず犯罪に手を染めた、というようなものではなく、「たい焼き買おうとしてぇ、お金を持ってないのに気が付いたけどぉ、とっても食べたかったので持って逃げちゃったあ」っちゅーあのなあなシロモノ。

 賭けだ。
スゲエ賭けだ。
下手したらココで脱落する視聴者が居ても不思議無い。
 そこまでして食べたい たい焼きが、主人公との大切な思い出を辿るためのアイテムになっている、という事で、「そんなにオレの事を…可愛いヤツ」であり「ダメな子ほど愛しい」といった気持ちを視聴者(ゲーム時はユーザー)に喚起していく狙いなんだと思う。

 オレは危ない綱渡りのストーリーにハラハラしながら見入ってしまったが、ごく普通の視聴者にとっては…
「万引き」という行為を救済(緩和・相殺)するイベントが少ないもんで、辛いかも。
 特に、ゲームの場合なら「オレとの思い出をそんなに大事にしてくれてたんだ」という気持ちで乗り切れても、アニメだと「主人公との思い出を大事にしてたらしいねえ」という所までしか行けないので、厳しい所。
 しかも、1、2話連続で万引きしていては、「ついうっかり」というより「常習犯」な印象が強くなってしまう。
 今後描かれるであろう彼女と店主との関係(もしくはそれ以外の何か大きな動機付け)で、きっと何か救済策を講じてあるのだろうとは思うが。

 まだキャラが全員は登場していないのでナニだけど、この作品においては(他のギャルゲーも?)「何かしら欠けた所を持つ、1人では不安定な女の子」に対し、「主人公(自分)が介入していく」事で「ドラマが完結(問題が解決)」する。
主人公など居ようが居まいが関係なく生きていく強い女の子は、「萌え」の対象になり辛いのかも。
 そりゃそうか。
最初っから最後まで「ウゼエよ馬鹿あっち行け」ばっかり言っている女の子に惚れられるのは、特殊な趣味を持つ人だけだろうから(笑)。

 ところで、ダンボール被って隠密行動(^_^;)な女の子は、『メタルギアソリッド』ごっこをしてたのかね?
ダンボールをガバッとひっくり返された時は、真面目に情けないんだよなあ、アレ。



02/02/04(月)

『ラーゼフォン』03.「二人の街」

 夜、廃船の中でのゆったりしたシーンでは…煎れたコーヒーの手渡し、一口飲んだ主人公が吹き出しかける動き、その向こうで姉ちゃんが自分用のコーヒーを煎れている所などを懇切丁寧に見せ、完全にキャラの動きを分からせる演出をする。
 昼間、主人公母からの電波な電話を受け(四角い何も無い土地の真ん中に公衆電話だけがポツンと置かれている不自然なレイアウトが素晴らしい。押井 守っぽいかな)、走り出すシーンでは「走り始める」シーンを見せず 主人公アップの次は電話機から垂れ下がった受話器と走り去る効果音で表す。
その後の、スピードが付いてきた所での針金が服に引っかかって行動の自由が奪われる所でも、それを力任せに取り去るシーンを見せない。
普通なら必要なカットを省略して、あれっ?と思う間もなく先へ先へ進んでいかせる事でスピード感を演出している。
 緩急自在の巧いコンテだなあ、と思って担当を見れば…あああ、『メダロット』『キカイダー』の岡村 天斎か。
なーるほど。納得(^ ^)。

 まだ完全ではないが、ようやく物語の全体像が見えてきた。
「東京ジュピター」と外の世界、どっちが「敵」なのかはまだ分からないけども(『エヴァ』のミサトコンパチなお姉ちゃんの存在からして、外の世界の方が「味方」側か?)。
 ジュピター内部の世界が2015年。
外の世界は2027年。
この12年の時間の差は、何を意味していくのだろうか?
ムウ来襲から、人類が対抗組織と装備を作り上げるための猶予期間か。
実はお姉ちゃんと主人公は幼なじみだったが、隔てる時の壁により姉ちゃんが年上になってしまった、という事だと面白いかも。実際、主人公17歳で姉ちゃん29歳らしいし。

 『首都消失』と『さよならジュピター』の映画ポスターが貼ってあったのは、そういう時代からその町の時間が止まってしまっているという表現と、設定に絡めた「シャレ」かな。
ドームが破壊される辺りでは是非、『復活の日』のポスターをチラッと見せて欲しい(^ ^)。

 キャラクターの行動に理解・共感不可能な部分が散見出来るものの、まあまあ面白くなってきたような。


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『ガイスターズ』18.「アイン峡谷の悲劇」

 むー、順調に余り面白くない。
 この前まで周囲の状況にほとんど何の関心も持っていなかったのに、突然色々な事に疑問を感じ始めるディーン。
生きた人間の反応とはとても思えない。

 ディーンが、指導者であるイナムナに怒りを感じる原因になる両親の死の真相。
 しかしイナムナ、お母ちゃんに「死んでこい」と命令した訳でも自らの手にかけた訳でもなく、ただ調査に出る事を要請しただけで、その行く先で死んでしまったのは「危ない」と輸送機のパイロットに忠告されたのに「私が責任を持つから」と言い放って、どう見ても怪しい光の中に突っ込んでいったお母ちゃんの馬鹿さ加減による物で、自業自得
と言うか、巻き込まれたパイロット達こそ被害者(笑)。

 妻の死を聞かされ、驚きと怒りと哀しみの余りデビル形態に変身してしまうディーン父も…
不穏な時代背景の中、都市の外に調査に赴く妻に対しては、「生きて帰っては来られないかも」と考えるのが普通だろうに、その覚悟の薄っぺらさにはビックリ。

 クリーチャー(モンスター)全てを生み出すという全能獣の姿は、まるっきり『ナウシカ』の王蟲。
金色の触手が一杯伸びてきた時には、本当にどうしようかと思ってしまった。
 その全能獣の体の中から出てきた嫁さんに何の疑問も持つことなく親父が抱きついた所で、いきなり回想から現在のカットに移り、娘であるピーラがアップで「そして私が生まれた」と言ったのには、思わず「その異常な状況下で やって、子供作ったのかよ親父!」と突っ込んでしまう(笑)。

 少なくても父親だけは現在も生きているっぽいのに、生死とか行方には興味を示さず、部屋を出て行ってしまうディーン。
???
理解不能な行動。
 何というかこう、馬鹿みたい、と感じられてしまうキャラの行動がこんなに連続しては、真面目に見る気力を失ってしまうなあ。
 ディーンの両親の身に起こった事でも、ディーンは怒りを感じても仕方ないが、イナムナの身になって考えればやむを得ない決断だった、とする事情を考えるのは さほど難しくないように思うが。

 今回、僅かに感心したのは、ガイスターズ隊員のビクトルが、クリスに勧められて酒を飲む際、それが「天然」だという事を聞かされる所。
 これは、以前に「天然物のコーヒーを飲めるのがガイスターズに居るメリット」と語っていた事を引いてのキャラクター性の彫り込みと、酒の表面に愛していた彼女の姿を重ねてみせる事により、「敵」の作り出したホムンクルス=「人工物」であり「天然」の人間ではなかった彼女(ために、自らの手に掛けた)による心の傷をも浮き彫りにする、二重の意味を持つシーン。
 なるほどねえ、と思ったが…
シナリオには、彼女の姿が重なって見える、という部分は、無い。
演出のアドリブ。
 今回だけでも、シナリオを演出が変更して悪くしている部分がいくつもあるのだが、こういう良くしている部分もまた、ある。
 シナリオをHPで読めるから、こうして検証出来る訳だけど、普通のアニメではこれは不可能。
ただ完成した作品を見るだけではシナリオの善し悪しを語るのは難しいなあ、と実感。



02/02/03(日)

『仮面ライダー龍騎』01.「誕生秘話」

 うーん、決して悪い出来ではないと思う。
 ライダーのデザインも、動いている所を見てみれば、写真で見た時よりは格好良く見えるし(角度によってはかなりイケル)。
 状況説明が若干もたつき気味で主人公のキャラを立てる所まで行けなかったため、「次回が凄く楽しみ」という程ではないが、先に進めば面白くなっていくかも、という期待は持てる。

 カードバトルは…
これもまた今後の描き方次第だけど、やっぱり「仮面ライダー」っぽくは無いねえ。
モンスターと契約を結んで、その力が使えるようになる、という設定も今のところ違和感アリ。
腕に付けたカードリーダーが、マズイぐらいに『遊戯王』してる(笑)。
 でもまあ、先輩ライダーが乗る特殊バイクはなかなか格好良かったし(座席が持ち上がる無駄なギミックが何とも)、コウモリ・モンスターを自らのマントと化し それをまたドリルのように変形させて放つ必殺のアタック(『スポーン』のマントそのまんまだが)もパワフル、全ての文字が裏返っている鏡面世界だって良く作ってあるモンだ(長丁場のシリーズを考えると、首を絞めていきそうな気はするが)。
 後はひたすら、『未来戦隊タイムレンジャー』小林 靖子のシナリオの妙に期待したい(『ストロベリー・エッグ』は見なかった事にして)


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『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』01.「どれみびっくり!新しいおジャ魔女」

 高いレベルの作画とアップテンポな演出で、何か突っ込む暇もなくアッという間に終わった30分だった。
 体が成長したからといって、頭はまだ幼児に過ぎないハナが きちんと意味を成した言葉を連発するのはどんなもんか、という気も。
まあ、体が幼児の頃から既に3〜4歳程度な発言を繰り返していた訳だけど。

 もうちょっと、どれみ達が高校生かせめて中学生であったなら、ハナは「幼児の頭にナイスばでー」なキャラに出来たはずで、大きなお友達は大喜びだっただろうなあ、とか。
いやいや、あのぐらい つるぺたな方がかえってクックック、と思うのかもなあ、とかイロイロ(笑)。

 今回のシリーズは外から新キャラを迎えずに乗り切った訳だけど、次回はどうするのか、と考えるに。

 1・既登場のクラスメートを加える。玉木とか、引きこもり気味だった子とか。
 2・マジョリカが人間に戻って、若返る(でも、あんまり「可愛い」って外見じゃなかったか)。
 3・妖精達が全員人間の少女大になって参戦。おお、一気に大人数に出来るぞ。
 4・どれみ達の母親が全員若返って魔女見習いに。あいこ母の過去(もう描かれた気もするけど)、おんぷ母が娘のライバルとして登場など、色々考えられる。

 …というのってどうだろう?
いや、どうって言われても困るか(笑)。


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『ギャラクシーエンジェル』01・02.「天使のチャレンジゼリートライアル」「筋肉隆々担々麺」

 ありゃりゃ、衛星でやっていた既放送分を地上波で先に全部放送してから新作部分に入るモノと思っていたけども、いきなりの新作第1話。
しかし…こりゃあどう見てもシリーズの途中の話、だなあ。

 第1話として考えると、「全然失格なダメダメの第1話」なのか「斬新で思い切った第1話」なのか評価に困る所。

 第1話であり、キャラクターの顔と名前を一致させるのが急務だというのに、主人公・ミルフィーユ以外のメンバーを透明にしてしまうのは…
混乱に拍車。
 分かんねーよ!と思われてしまうのでは。

 逆に考えると。
 第1話ったって15分しかないのだ。
5人ものメンバーを全員一気に出したって、どーせ見分けなんか付くはずがない。
 それならいっそ、主人公以外を見えなくしてしまい、「キャラの見分けがつかねーよ」という予想される客の不満に「付かなくてイイんですよ、何故なら、努力したって見分けが付けられないように作ってあるんですから。個別の認識は諦めて、脳天気な主人公のキャラだけを楽しんで下さい。それでこのアニメの基本テイストは全て理解出来ますという解答を示した、と考えると、天才的な割り切り方でスゲエ、とも思える。
 どーせならもっと切り捨て、第1話はオープニングも無しで始め、最初っから主人公の他4人の姿を一度も見せないまま進め、エンディングの記者会見で初めて全員の顔を晒した方が、より強く印象に残ったのではないか、という気も。
 でもまあ、このままでも十分キャラクター勝負のアニメである事をブン投げた第1話なのに、最後まで顔を見せない、という事にしては「ネオ・キャラクター・エンターテイメント」(なるほどねえ)のブロッコリーがさすがに黙っていまいから、やむを得ないか(笑)。

 主人公・ミルフィーユの のんきで能天気で無責任な性格を示すセリフが秀逸。
ちょっと前に自分がやった事をすっかり忘れてしまっているようで、何とも。
「笑ってるじゃないですか」「アンタが(透明な姿にラクガキのような笑い顔を)描いたんでしょ!」
「もう、2人ともそんなニコニコ顔でケンカしないでください」「誰のせいだ !?」
「透明になったぐらいで人生投げないで下さいね」「…アンタが投げ飛ばしたようなモンだけどね」
 『アギト』の井上 敏樹による さすが、なシナリオを、『カードキャプターさくら』監督・浅香守生の絶妙なコンテで映像化。大笑いしてしまった。

 後半、2話目も面白かったんだけど、抜群な出来の1話目に比べるとまだまだ、「普通」な感じ。


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『カスミン』17.「ヘナモン、けんかする」

 ヘナモン屋敷内の砂漠で遭難するカスミ達。
極限状態に陥ったヘナモン達のエゴが剥き出しとなり、「面白い」を通り越して、映画『CUBE』を思わせる「怖い」のエリアに突入してしまいそうな話だった。

 流砂に飲まれて命の危機に瀕したカスミに対し、助けるのはさっさと諦め、カメラとしての本能が命じるままにその最期の姿を残そうとシャッターを切り続けるデジガメには、狂気すら感じ、ちょっとゾッとしてしまった。
 まあ直後の、電子レンジヘナモンのシッポ(コンセント)に噛み付いて「コンジョだ、コンジョ」で流砂を抜け出すカスミの生命力に笑ってしまったので、決して悲惨な印象にはなってないんだけど。

 いやあ、よくこんな話やるわ。
侮れない。


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 そういえば、ずいぶん前に終わったPS2の『ファイナルファンタジー10』の感想を書いてなかった気がするので、今更だけど。

 えーと、まあまあ面白かったと思う。
イロイロと問題があった『8』のスタッフがメインになって作ったにしては、上出来ではないだろうか。

 良かったのは、とにかくパーティーのメンバーと会話をするシーンが多く、しかもそれぞれのキャラクターが深く考えられているため、「自分以外の人々と旅を共にしている」気分が非常にリアルに感じられた事。

 それと、いつもながら一作毎のCG技術の進化は凄まじく、微妙な表情を見せるキャラクターや、手抜きの見られない美麗な背景、恐ろしげな存在感を示すシンの迫力など、ひたすらにスゴイ。
 特に、どこだったかで主人公がふと振り返ってみると、背後に陽光を遮るように巨大なシンがそびえ立って居た、あのシーンはその夜、夢に出て来たほどの強烈さ(^ ^)。

 悪かったのは…
 これまたいつもの事なんだけど、今回はまた特に自動イベントが多く、「勝手に進行していく物語をぼんやり見ているだけ」という気持ちに、強くさせられてしまった。
 町から町への移動の順番は完全にシナリオ通りにしか出来ず、戦闘が出来る場所も限られ、プレイヤーが自分の意志で行動している、とは全然思えない。
 それならそれで、もう完全に自動進行してくれればいいのだが、中途半端にボタンを押さなければならない場所があるせいで、「面倒臭い」とさえ感じられてしまうのが何とも。

 そして、そのシナリオ。
 色々な事を詰め込みすぎ、それが未整理なまま出されているようで、よく分からない。
「シン」とは結局何で、主人公はナニモノで、この世界にとって「死」「生」はどういう意味を持ち、ヤバイかも知れないからって今まで助けてくれた召喚獣を大虐待してしまうその態度はどーなの?とか、イロイロ不明点が。
いや…まあ全然分からない訳じゃないんだけど…実感出来ないと言うか。
 極端な例、何かのゲームで最大の敵である魔王の正体は実は「捨てられて5年が経ち、意志を持って魔力が使えるようになったコカコーラの空き缶」だとして。弱点は「酸っぱいイチゴジャムだ」と劇中で語られたって、設定そのものは理解出来ても納得は不可能だよね。
 なんかこう『F.F.』って、客の生理を無視してメチャメチャ強引に話を進めよう、設定を語ろう、と し過ぎる部分があるなあ。

 でもま、次回作も買ってイイや、と思うに十分な程には、楽しめた。
「ドラマ」をきっちりまとめ上げられる人間がスタッフに居れば、もっとずっと面白くなったんじゃないかと思うが。



02/02/01(金)

 …という訳で、ようやくお仕事に一区切り。
もうデタラメにスケジュールが遅れまくり、編集さんにも迷惑を掛けっぱなし。
ううううう。
 ココまで締め切りを引っ張った以上、何の仕事をしていたのか、他の作家さんの手前もあって書く訳にはいかない。
いかないけども、まあ予定から遅れつつも何とか画集は出そうかな(笑)。

 あああ、ここ3日間、1日平均で2時間程しか寝てない。
これまでのどんなお仕事よりも悲惨な作業状況だったなあ。
もちろん、自分の作業速度を読み違えていたのが悪いんだけど。
 こんなに長い間、日記更新を休んだのは初めての事じゃないだろうか。


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 しばらく、商業誌での「サービス」度合いは押さえ気味にしてくれ、という編集部からの要請。
色々締め付けが来ているみたいだ。
 ワールドカップサッカーもあるしねえ(関係無いようなもんだけど、国際的な催しとか選挙などがあると、「上」からの規制が厳しくなる傾向にあるらしい)。

 まあ、いち漫画家(それも下っ端)にどうこう出来る話じゃなし、取りあえず様子を見ながら、隙を窺うのみ。


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 CSで放送していた『宇宙戦艦ヤマト・新たなる旅立ち』を見る。
TVシリーズ『宇宙戦艦ヤマト』、劇場版『さらば宇宙戦艦ヤマト』、TVシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2』に続き、1979年に放送された、2時間弱のテレビスペシャル。

 本放送当時、このスペシャルを見た感想は、「要らんもん作るなぁ!」だった。
何しろ作品中で、ガミラス星は吹き飛ぶ、イスカンダル星は暴走してワープまでする、星と最期を共にしてスターシアは死ぬと、オリジナルテレビシリーズか『さらば…』までを『ヤマト』と思い愛する人間にとっては、本編中何度も情けない姿で絶叫を上げるデスラーと一緒に「あああああああ!」と叫びたくなってしまうようなシーンが連続するのだから。
 コレさえ無ければ、ファンにとって、宇宙の彼方イスカンダルでは今でも守とスターシアが幸せに暮らしており、もしかするとポコポコ子供などこさえ、遺伝学上の問題さえ科学力で克服すれば星の再興も夢じゃないかも、などと勝手な妄想をしていられたのに。
 こんな悲惨なその後の運命までも見せる必要はないだろ、という気分で。

 でも、ねえ。
歳月は人を大人にするというか無駄にヒネくれた人間にするというか、今ではもうちょっと違った見方が出来るようになった。

 最初の『ヤマト』は、素晴らしく良く出来たテレビシリーズだった。
 賢人たる老人(父親)に率いられて、旅をする未熟な若者達(子供=見ている自分)。
その旅は遙かに果てなく、その目的は本当にあるのか無いのかさえ定かではない放射能除去装置(希望)。
 互いにぶつかり合い、逆境に打ちのめされ、ただ従ってさえいれば間違いなかった指導者を病魔が蝕み、望みを失いかけながら、それでも最後の最後に「希望」を手にする事を信じて苦難を乗り越え旅を続けるその道程こそは、まさに「青春」そのもの。

 作品に込められた、現在でもまだ輝きを失わない鮮烈なアイディアの数々…真っ赤に染まった変わり果てた姿の地球、宇宙を飛ぶ第二次大戦中の戦艦、オトコノコなら不思議と体感的に分かってしまう(笑)波動砲破壊力のカタルシス。
反射衛星砲・デスラー機雷・マグネット衛星・物質転送機などガミラスが繰り出す奇想天外な超兵器、アステロイドリング・シームレス宇宙艇・デスラー砲も跳ね返す空間磁力メッキなど「こんな事もあろうかと」でお馴染み四肢に強力爆薬を仕込んだまま日常生活を送る正しいマッド・サイエンティストな真田さん発明による更に奇天烈な超兵器。
そして、辿り着いたイスカンダルが実はガミラスと二重連星であったという余りにも皮肉で素晴らしい特別賞与モノの設定…などと並び、古代達の航海に、見ている自分達の「青春」を重ね合わせられた事が、作品に強く引きつけられた大きな要因だったのだと思う。

 そして…「青春」って、いつかは終わっちゃうんだよね。
 その後には、ほろ苦いだけの「青春」などとは比べモノにならない程 苦い、「人生」という旅が待っている。

 尊敬していた年長者は、ボケてしまうかも知れない。
 猛勉強をして大学に合格・卒業、一流会社に就職出来たのに、自分の責任でもない業績悪化によりリストラされてしまうかも知れない。
 反対をはね除けて結婚した相手とは、ツマラナイ理由でケンカが絶えず離婚してしまうかも知れない。
 それが、「人生」。
 見たくなくても、聞きたくなくても、知りたくなくても、常に最悪の事態が起こり得るのが「人生」。
 …という意味では、この『新たなる』もアリかな、と(^ ^)。
素晴らしい「青春」を描ききって終わった作品が、無駄に延命されたばっかりにグダグダな「人生」を描き始めてしまった。
 恐らくはそんなもん制作者の狙いでも何でもなかったんだろうけど、結果的にそうなった事で、また別の意味で興味深いシリーズになったと言える。

 このスペシャル、次の劇場作品『ヤマトよ永遠に』へのプロローグ的なモノであったはずなのに、ココで登場した新キャラ、北野や坂本は映画に登場せず、現在何かの勢力と戦争中だと繰り返し言っている暗黒星団帝国だが、映画中ではそんな様子はない。
 橋渡しスペシャルとしてもグダグダ。

 でもま、それはそれで、猪突猛進のお馬鹿さんぶりを発揮しながら イイ人な部分をも見せるデスラーがイイ味を出しているし、危機一髪の状況で現れるヒーロー・ヤマト、全武装を使っての攻撃(ロケットアンカーも使って欲しかったなあ)など、それなりに面白く見せてくれ(絵コンテは『さらば』から引き続き安彦良和)、今見ると、嫌いじゃないな。



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