ときどき日記 02/02(後)


02/02/25(月)

『ラーゼフォン』05.「ニライカナイ」

 …まあね、確かにね、某アニメに似ている事は似ているんだけども、脚本が両方で書いている榎戸 洋司だったりするので、仕方ない部分もあるかな。

 主人公、向こうの世界に置いてきた美嶋 玲香が気になっているモノと思っていたが、一緒に脱出してサバイバル生活を送った(しかも、年齢的に何らかの仕掛けがあるっぽい)紫東 遙にも関心はあるはずで、だからといって電波キャラで「らら?」なんて決めセリフ(?)を持つ如月 久遠も無視出来まいし、そこに今回はラブコメ定番的に登場した紫東 恵が絡む。
ダレが本命なの?
 女の子の数をやたら増やしているのは、このアニメを題材に恋愛シミュレーションゲームでも作ろうって魂胆があるのか どうか(^ ^)。
 しかしまあ、コレだけ女性キャラを出してもゴチャゴチャせず、描き分けが出来ている辺り、かなり時間を掛けて準備されたシリーズである事が見て取れる。

 恵、いきなり主人公への反発からスタートするのは…よく分からないと言うか、好意的である必要はないけど、嫌う理由もないのでは?
主人公の心を繋ぎ止める楔(くさび)の役割を割り振られた事への反発か?
 作り方として、「何とも思ってない」→「まあまあ好き」よりも、「嫌い!」→「まあまあ好き」というように まずマイナス評価から始めた方が、後の評価への落差を感じさせやすく、「変わって行ってる」という事でキャラ(恵)への興味を持ってもらいやすい、って所はあるけども。


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『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』04.「MAHO堂がつぶれちゃう?」

 基本的には、演出も作画も良くて楽しく見られた話だった。
 が…
みんな忙しくてハナに構ってられない、というのは仕方ないかも知れないけども、外観はともかく内面的には幼児に過ぎないハナを1人でフラフラ出歩かせるのはどうかとか、「お母さん忙しいのよ、お小遣い欲しいだけ上げるから外に行って遊びなさい!」的に 何に使っているのかの確認も無しに無制限に魔法力を分け与えてるのは感心しないなあ。

 でもまあ、店をパニックに陥れたハナをただ頭ごなしに叱らず、純粋に役に立ちたかった という その想いには感謝を示した上で、今後は気を付けるように導いていく どれみの態度は、「母親」として正しいと思う。
ただ叱るだけでは子供の気持ちが しぼむからね。


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『サイボーグ009』19.「悪の化石」

 むー、何とも言えないほどレベルの低い作画。
内容的にも さほど見るべきモノが見当たらない様子であり、途中からピクチャーサーチ。



02/02/24(日)

『ギャラクシーエンジェル』07.「恋の煮こごり純情包み揚げ」08.「ウェディングケーキ合体スペシャル」

 前半は、前世代のエンジェル隊の話、という事なんだろうなあ。
みっともない歳の取り方をしてしまった元メンバーの女性達の姿が情け容赦なく描かれ、哀しくもおかしい。

 後半の、『コンバトラーV』を彷彿とさせる5体メカ合体ロボット物のパロディーには大笑い。
 発進ワンダバが とにかく無駄のカタマリなのが楽しい。
 盛り上がるロボット・テーマソング、カラオケになっているため自主的に歌い出す中佐、キメのセリフの発声を強要されるミルフィーユ。
イイねえ。
 シューターを滑り降り、下に止めてあったスクーターに乗り込み、走り出した勢いのまま崖からダイビング、変形・巨大化したスクーターが飛行マシンに変わり、Vの字飛行体制から合体へ。
いやあ どこもかしこも無駄無駄無駄無駄
シューターで途中まで降下しながら、結局 最後はテレポートでコックピットに乗り込んでしまう『超合体魔術ロボ・ギンガイザー』ぐらい無駄。
 ついでに言えば、無情な合体失敗の後、ただ「ケガをした」という記号表現のために、髪の毛に貼り付けただけの絆創膏が はがれかけるのを張り直すバニラの行動も無駄(笑)。

 結婚で幸せを掴もうとする麗花(花嫁候補の抽選に当たっただけで、愛ナシ、完全お金目当てみたいだけど)。
それを振り捨てて、仲間のために彼女は戦場に戻って来た!
 ウエディングドレスでスクーターに搭乗しての格好イイ登場に、ただのカラオケだった演奏にも、宮内タカユキの血管が沸騰するような熱い歌声が被さる!
 完全に一つになった仲間達の心が、幸せを奪い去る銀河獣への怒りが、減給への抵抗が、遂にグランドクロスを成功…
させない(笑)。
 まあなんちゅーか、予想通りというか。
でも、ドカーン、のタイミングには笑ってしまった。

 結局最後まで歌ってもらえず「その名は その名は その名は…」で 切れてしまうテーマソングに 「ロボットの名前 気になるぅー」と漏らすミルフィーユに同感。
て言うか、この歌 欲しい!CDにはきっと入るんだろうが。

 エンジェル隊の頭上を、最初から合体した姿で飛んでいく巨大ロボ。
ああ、ああ、オレも幼少時、「5人の心が一つにならなければ合体出来ない」という、何を考えて付けたのか理解に苦しむ機構のため、毎度 苦労するコンバトラーVを見ながら、「基地内で組み立ててから出て行けよ!」と突っ込んでいたもんだけど、あなたもでしたかシナリオライター氏(^ ^)。
 あと、ライディーンの、ベルボトム状に広がった裾みたいな足を見て、これでイイのならコンバトラーだって5号機ナシでも無理矢理合体さえしてしまえば何とか戦えるのでは?とか思わなかったですかね?

 ロボットには自動で戦いまでこなしてしまう機能があり、実はまるっきりの人間 要らずだった、という落とし方にも笑う。
 合体ロボットへの意地悪さが溢れた、出来の良い話だった。



02/02/23(土)

 レンタルでOVA『R.O.D』第一巻を見る。
 いや、面白い。
このアニメ、文化系アクション、とか言われていて、よく意味が分からないなあと思っていたんだけども…なるほど、なるほど、こんな作り方もあったか。

 主人公である読子・リードマンの、「本の虫」「読書キチガイ」なキャラクターが、個人的にとても親しみが持てて、良い(^ ^)。
 彼女がさまよう神田神保町の風景が懐かしい。
最近はまるで行ってないなあ。ああ、あのエレベーターで地下に降りるとこんな店があったのかあ(無い無い、嘘ウソ)、とか思いつつ見た。

 「ザ・ペーパー」と呼ばれる彼女の特殊能力は、「紙使い」。
この力の見せ方がなかなかに鮮烈で、おお!と思わせられる。
 チラシのような紙切れで護身用シールドを作成、強化した紙テープで敵の動きを封じ、無数の紙片を用いて作った紙飛行機で空を飛び、ただのカードで弾丸をはじく。
 ちょっと地味になりそうな「紙使い」という能力を、主人公に付加すると決めた段階で 考え抜いたモノと見え、実に面白く表現出来ている。

 彼女が追う敵組織は…
いや、組織そのものはよく分からないんだけども、「怪人」として表面に現れてくるのが「世界の偉人」だという、このアイディアがまた素晴らしい。
と言うか、こんな事やって良かったんだ、てっきりダメだって怒られるとばかり思ってた…と思ってしまうほど、すっ飛んだ発想の転換。
 エレキテルを武器として使う平賀源内は まあともかく、ファーブルを「昆虫使い」として敵に設定するとは…絶句
彼は「昆虫を手足の如く操れた」訳じゃないだろうに(⌒▽⌒)。
 オットー・リリエンタールって偉人は知らなかったなあ。
「航空工学の父」だそうだけども。いやあ勉強になる。

 これらアイディアを絵にしていく演出と作画もまた素晴らしい。
本当、細かい所までこだわって作ってあって…これが お金を出して客に見てもらうOVAに求められるレベル、ってモノだろう。

 続きも見たいんだけど、近所のレンタル屋では、この1巻目だけでも入っていたのが奇跡ってもので、続巻は入れてくれなかった模様。
ちいいいい、買うしかないか。


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 レンタルで『ハムナプトラ2/黄金のピラミッド』を見る。
 監督は前作から引き続きスティーヴン・ソマーズ。
出演者もほぼ同じだけど、今回は子供が誕生している。

 まあ、何も無い話。
見終わっても、「お話」としての印象はほとんど残らない。
 段々情けなくなっていって最後は哀れさ すら漂わせる悪役・イムホテップ
 昔は人間だったのに、復活した時には何気なく下半身がサソリになっているスコーピオン・キング。
 結局何がしたかったんだか?な英国博物館館長。
 基本的な所でも、せっかく子供を出したのに子供中心の話になっていず、夫婦の添え物にしかしなかったのは勿体ない。
子供を活かせば、「泣き」の話にも十分持って行けたと思うが。
…というか、この話なら、子供の替わりに犬を出してもほとんど同じ事(笑)。

 ツッコミ放題な物語なのに、映画として見終わった感想は「結構面白かった」になる。
それはもう、過剰なまでのサービス精神によるモノ。
 ちょっと話がダレ始めた頃に必ず突っ込まれるアクション、またアクション。
二階建てバスを四体のミイラが追い掛けてくる所が特に、楽しく撮れている。
また、砂漠を埋め尽くす大量のアヌビスの軍勢が、全速力で走ってくるシーンも迫力があるし。
 それらを「見世物」として楽しむだけでも、この映画には価値がある。
と言うか、「見世物」として楽しむ以外にはあんまり価値がない、と言った方が正直かも知れないが(^ ^)。

 次回作は、スコーピオン・キングで一本撮るって?
うーん、下半身がサソリなだけで、特にキャラクター的魅力は感じなかったが…
まあ、役者が有名なプロレスラーらしいから、そういう意味で、かな?



02/02/21(木)

 友人が試写券を当てたので、ふらふらと映画『モンスターズ・インク』を見に行く。
 米で大ヒットしたディズニー映画。
 『トイ・ストーリー』『バグズ・ライフ』のピクサー社制作。

 面白い。
基本的にコメディーなストーリーに、笑って笑って、アクションにハラハラし、結構そこココで泣かされる、エンターテインメント映画のお手本のような作品

 サリーとマイク コンビのキャラクターが愉快。
 『トイ・ストーリー』当時はかなり気持ち悪くしか表現出来なかった「人間」しかも「女の子」を、抱き締めたくなる程に可愛らしく描けるようになったCG技術の進化には感嘆。
 こんなお話で、クライマックスの盛り上げはどうするのかなあ?と思って見ていれば…
ああ、なるほど。
アレを使ってあーやって こーやってアクションかぁ。
ピクサー社の映画は全部そうだけど、本当、アクションにアイディアが掛かっている。
相当にハードなブレーンストーミングを行い、出たネタをまた取捨選択しながら組み立てて作っているのではないかと想像されるけども、凄い。

 ただ…
正直、この映画、ピクサー社の作品としては最も「?」な仕上がりになっているよう感じられた。
 元々の世界設定が かなり強引な所から出発しているせいか、途中の展開には(許容範囲ではあるモノの)都合の良すぎる部分があり、主役級はともかく 脇の方のキャラになると行動の目的が理解出来ない者が居るし、ラストがまた…うーん。

 …と思ったけど、映画のテーマとして「世界中に武力による示威行動を繰り返し続けているアメリカに対する警鐘」が含まれている、と考えると、イロイロ納得がいく部分も。
 テロへの報復攻撃に批判的行動を取ったとして女子高生が退学にされる米の御時世、映画界も『ブラックホーク・ダウン』なんか作ったりしている最中に(まだ日本未公開な映画だから、思ってるような内容じゃなかったらゴメン)、こういう内容の作品を公開した勇気は評価されてしかるべきかも。
 っても、制作の時期的に、テロの事はこの映画に何の関係もなかったとは思うけど。

 色々言ってしまったが、「泣かされた」度合いでは『トイ・ストーリー』『バグズ・ライフ』を遙かに越える。
 上記2本が面白かった人は、いや、面白くなかった人でも、見て損はない映画だと思う。


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 テレビで放送されたものを録画しておいた『ドラえもん・がんばれ!ジャイアン !!』を見る。
 いやあぁぁ、油断。
まさかジャイアンとジャイ子で泣かされるとは思わなかった(笑)。
 ええと、前提として、テレビ放送版ではカットされた場面があったりするかも知れない。
かなり緻密に組み立てられている話なので、僅かなカットが大きな影響を与えている可能性があるが…まあ構わず進める。

 まず、「?」と思ったのは、冒頭、町中をジャイ子のマンガ原稿を奪い取って逃げ回るジャイアン、それを追うジャイ子、というシーン。
 ここで、逃げるジャイアンの目前で交差点の信号が赤になる。
 信号に従い、歩道で足踏みをするジャイアン。
すると、何と追ってきたジャイ子までもが、ジャイアンが立ち止まった途端にそれ以上距離を詰めようとせず、その場で足踏みを始めてしまう。
 ?????
不思議。
この隙に駆け寄れば、十分兄を捕まえられるのに。
 それは、「じゃれ合いの追いかけっこなので、本気で捕まえるつもりはない」もしくは「単なるギャグ」とも考えられたけれども…
 凄く想像するに、これは、兄弟間に暗黙の、あるいは明文化されたルールが存在しているが故の行動かと。

 信号が赤になった所で、追い掛けている方が止まらずに追いつこうとするなら、逃げている方は追いつかれたくないと思う場合、危険な交差点内に飛び出して行くしかない。
更に、それを追い掛けて、追う方までも交差点に出て行ってしまう恐れさえ。
実に危険。
 そこで、自主的にか母親に強制されてか、「町中での追いかけっこの場合、信号が赤で相手が立ち止まった時、それ以上追う方は距離を詰めてはならない」というルールが出来たんじゃないかと。
 そこから後、このシーンの意味を詳しく説明されるような事はなかったので あくまで想像にしかならないけど、この想像が当たっているとして。
 …普通、考えつかないよなあ、こんなシーン。
シナリオ、又はコンテの人間の体験に基づいているのか、余程ジャイアン兄妹の関係について考え抜いたのか。
とにかく、深い
 ここからもう画面に釘付けで(^ ^)。

 漫画を愛する穏やかな、優しい男の子・茂手もて夫は、きっと藤子不二雄 先生自身の姿なんだろうなあ。
 もて夫の外見は「もう1人の のび太」と言える程 のび太に似ており、両者の母親の姿まで相似。
 このキャラクターが原作に存在してるのかどうか知らないが、元々「のび太とジャイ子が結婚する」はずだった未来を改変した、そのフォローとしての意味もあるだろうか。
 アニメのスタッフとしては、原作者への追悼の気持ちもあったかも。

 男気に溢れた、イイ奴なジャイアンが心地よい。
 何かあった時つい のび太に話をしに行ってしまうジャイアンには、『のび太の結婚前夜』『おばあちゃんの思い出』と続く世界観の、「親友」である二人の関係がきちんと押さえられていて嬉しい。

 降りしきる雪の中、粗暴な自分の性格のため とばっちりを受け続け、それでも自分を「兄」と慕ってくれる妹との関係が、物置に閉じ込められたジャイアンにジャイ子が差し入れてくれた おにぎりを思い出すシーンで、簡潔に語られる。
セーターの裏側についた おにぎりのご飯粒を「雪みたいだった」と表現する巧みさには鳥肌。

 オレはねえ、色々あって つい、もうお兄ちゃんも漫画も嫌い!と叫ぶジャイ子に、ジャイアンが答える、
「兄ちゃんを嫌いになっても構わない!でも、漫画は嫌いになるな!
ってセリフでボロボロ泣いてしまった。
 映画『耳をすませば』を見た時 以来、久しぶりに「何故、漫画を描いているのか」という初心に帰してもらった気がして。
 ゴメン、最近 締め切りがキツイ時、よく漫画 辞めたい辞めたい言ってる(汗)。
反省。

 それはともかく、いやもう、良かった所を上げていくなら「全部」としか言い様がない、考え抜かれた、完成度の高い作品。
 未見の人は絶対に見た方がいいと思うな。



02/02/20(水)

 よろよろと映画を見に行く。
『ハリー・ポッターと賢者の石』
実に、今更(笑)。
 監督は『ホーム・アローン』『アンドリューNDR114』のクリス・コロンバス。
 主演とかはもちろん無名の新人。
そらぁ今更マコーレー・カルキンくんにハリーやらせる訳にもイカンし。
脇に、『ダイ・ハード 』の悪ボス『ギャラクシークエスト』のドクター・ラザラス役などを演じたアラン・リックマンが出ていた。

 原作本を、前半だけ読んで出掛けたのだが、映画は本当にそれに忠実な出来上がり。
まあ、世界で一億冊だっけ?も売れているお話の内容を、その辺のライターが いい加減に書き直す事も出来まいが。

 とにかく、面白く出来てるんだよね、原作。
 冒頭に出てくる、ハリー・ポッターが育てられた家庭。
笑ってしまう程 典型的なイジワル一家
「世界名作劇場」的に、逆境に耐え、清く正しく美しく生きる主人公を見せていくため、客にストレスを強いるのかと思えば、すぐに天性の魔法的素養でそこのクソガキをハリーがやりこめてしまう。
早い、早いよ!
 その後も、家に舞い込むハリーへの 無数の招待状に荒れ狂うオヤジの醜態とか、逃げ込んだ小屋にやって来た大男に一括され震え上がるイジワル一家のみっともなさとかで、必要以上と思える程にカタルシスを与えてくれる。
 いきなりの気持ちよさ。
これなら(多分、もっと楽しい事が待っているのだろうから)先へ読み進んでもイイや、と客に思わせる構成の巧さ。
なーるほどぉ。

 正味の話、この原作、「ファンタジー作品」としては非常に薄味だと思う。
独自の世界観も、作者ならではの魔法解釈もなく、設定も何も どこかで見たようなモノばかり。
 いや、これはクサしている訳ではなく(汗)。
 本格ファンタジーは、読んでいて難しい。
よく分からない用語とか、設定とか概念が沢山出てくる。
恐らくは「オレ・ファンタジー」として、作者が新しい、見た事もない世界を創設しようとするためには仕方ない事だと思うけど、読んでると結構疲れちゃうんだよねえ。
 だから、もっと分かり易く。
「物語の基本は、学校」という訳で、舞台は魔法学校。
善悪をハッキリと。主人公達が属する良い学生寮に対抗し、憎々しげな悪役としての学生寮(その代表の生徒)を設定。
何故、魔法が使えるのか、なんてぇ小難しい話は置いておこう。「血筋が使わせる」「杖を振るえば使える」でイイじゃないか。
主人公の凄さも「血」で説明すればいい(次第に「努力」を絡めて行くにせよ)。
 とっても分かり易い(^ ^)。
読み進むのに、頭を使わなくてもオッケー。

 もちろん、ただ薄い、分かり易いだけのファンタジーがイイってんじゃなくて、アチコチに挟み込まれる楽しく鮮烈なイマジネーション(レンガの壁を叩くと現れる魔法グッズ大通り、9と3/4番線など、子供にはたまらないだろうなあ)があり、何よりストーリー・テリングが一級でなければ こんなに売れる事はあり得なかったはず。

 このお話、もしかすると魔法抜きで、「少年の成長モノ」としても成り立ったのかも。
「正統派・少年の成長物語に魔法のエッセンスまでも加えた話」なのか、「成長オンリーの物語としては若干弱かったであろう所に、魔法を2本目の柱として入れる事で大きく成功した話」なのかは見る人により解釈の分かれる所ではあろうが。

 いやいや、理屈はともかく(笑)。
映画もなかなか面白かった。
 女性客に人気が出そうなハリー役の男の子、男性客に人気が出そうなハーマイオニー役の女の子など、イメージにピッタリな配役も素晴らしい。
 CGは、かなり多用されているので仕方ないとも言えるが、出来の良い所と悪い所の差が明確。
 詰め込まれた内容をテンポ良く消化していくため、見ていて退屈しない。
 「良く出来たジュブナイル映画」としては、見て損のない出来。
 ……ただ、「それでも、こんなにも大ヒットする程の映画だったのか?」という疑問は無いでも無い。
やっぱり原作人気にあやかっている部分が大きいと思うな。


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『フルメタル・パニック』07.「ボーイ・ミーツ・ガール」

 前回に引き続き、緊張感のある戦いが続く。
絶望的な生身の戦いから、ロボットに乗り込んで一時的に無敵状態となり敵をバタバタ倒し、最大の敵の出現にまたも危機を迎える、という運びが上手い。

 ロボットには、イメージが物理的な力になる装置が積み込まれているらしい。
えらいオーバーテクノロジーで、最初、具体的にはよく分からなかったのだが…
 それを、主人公である宗介にも「理解出来ない」ものにすることで彼を視聴者と同じレベルに置き、その混乱を見ている人間にも同時に感じさせ、かなめの とても分かり易い「陵辱イメージ想起作戦(^ ^)によりパワーを発揮するシーンもまた 視聴者の納得しやすいモノとする 持って行き方には感心。

 かなめを宙に放り上げ、落ちてくるまでの間に武器を構えて敵を倒し、また受け止めた所が彼女は気を失っていた。
「後が怖いな」とクルツに言われ、激戦の最中でも一度も無かった程に怯えた表情を見せる宗介に大笑い。

 うーん、面白かった。
何となくコレで最終回っぽい、と思ったのだが、まだ続くみたいだなあ。



02/02/18(月)

 いい加減な審判方式がポコポコ明らかになってきているオリンピック。
そも、国際オリンピック委員会会長サマランチ一派にも、委員会を私しているとか黒い噂があるんじゃなかったっけ?
 愛国心が無く、オリンピックにもまるで興味が無いオレとしては、怒りなど湧かずに ますます関心を失っていくばかり。
 どーでもイイや。


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 『千と千尋』が第52回ベルリン国際映画祭において、最高賞である金熊賞を受賞したらしい。
 正直言うと、「ベルリン国際映画祭」っていうの、「ああ、そう言えばそんな賞もあったっけ」程度にしか認識してなかったので、スゴイ、って気は「日本アカデミー賞受賞」と同程度にしかしないのだが、まあ、目出度いのは間違いないんだろう。

 マスコミへの会見で宮崎 駿が、この受賞が今後のアニメ製作への励みになるか、と尋ねられたのに答えて「そんなことはありません」と言っていたのには大笑い。
もうちょっと柔らかい言い方が出来ないか?
一応、歓びの会見、って事だったのだろうに…
普通の人々、「何だこのオッサン」と思ったのでは?
 鈴木プロデューサー、暴言は止めなきゃイカン。
いっこく堂みたいに、宮崎 駿の背中から手を突っ込んで操り人形扱いにし、本人には喋らさず口だけパクパクさせて、「受賞は大いに励みになりました、今後も自分が生きている限り作品を作り続けジブリを儲けさせたい。あと20本ぐらいは作っちゃうぞー」とか勝手に答えれば(笑)。

 とにかく日本一 金が稼げる監督だし、国際的な評価も得ちゃったしで、誰も止められる人間が居なくなっちゃったんだろうなあ。
 いや、オレはそういう困った人間な所も含めて、興味深いなあ面白いなあと思うんだけど(^ ^)。


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『ラーゼフォン』04.「自分の時計」

 なかなか巧いねえ、と思ったのは、主人公に与えられる不愉快な境遇と、その果てに訪れる力の解放によるカタルシス、を、今回のメインに据えた事。

 外の世界の状況とか、新キャラクターの説明、主人公の心境、画面的には地味続きな物語の目先を変える「敵」の登場、操縦システムも何故主人公が搭乗出来るのかも不明な主役メカ・ラーゼフォンの活躍などなど、今回 マトモに展開していたなら描くべき事・描かなければならない事が大量にあり過ぎ、下手すると設定の自家中毒に陥っていた恐れさえ。

 「外の世界の状況、新キャラクターの説明」は、とにかく主人公にストレスを強いる存在、という事にして取りあえず一まとめに提示。
 その理不尽さに怒りを感じる主人公、として、本来なら環境の激変に混乱が続いていてとりとめが無くなっているはずの心境を統一し、視聴者の感情移入も容易にする。
 普通なら「何だコリャ?」な敵の登場も、物語構造的には「主人公の境遇を一気に打開するための事件」、として現れたのだと理解すれば、視聴者から歓迎さえしてもらえるかも。
 危機的状況に対して動き始め、無敵の力を振るう主人公機。
自軍側の隠し球であろう無人機までアッサリ破壊された状況下での出撃なので、その強さが引き立つ。
ロボットアニメの王道的展開(^ ^)。
更に、その活躍が主人公の逆境を打開する契機にもなっている訳で、カタルシスは倍増。
 基地側の司令官を冷酷非情で苛つくようなキャラに描いておいて、実は主人公を心理的に追い詰め 力の発動を誘う事が目的だった、とするひっくり返し方も見事。
 巧いねえ。

 ちょっと電波な言動がイカス女の子は、人気が出そうだなあ(^ ^)。


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『サイボーグ009』18.「張々湖飯店奮闘記」

 息抜きのどーでもいい話、だと思って見てみれば、下手すると各人1話使って彫り込もうとしていた時よりも今回の方がキャラ心情を理解出来たのでは?と思う程に、手際よく、凝った構成で作られたお話だった。

 006・張々湖から、ブラックゴーストとの激戦の最中に教わった、もしくは教わらなかった「料理」のスキルが、各地に散っていった仲間達を結んでいく。
それぞれのエピソードが大変に良く考えられており、感心。

 メインのお話の舞台である006のお店。
加速装置を使ってあちこち食材集めに飛び回らせられる009がおかしい(^ ^)。
連続使用は負担が大きかったのでは?とは思うが。
 チャイナドレスに恥じらいの表情を浮かべる003がラブリー。
 最後、「教え子」であったはずの009達に、本当の料理の心を思い出させてもらう006、というまとめ方も上手い。

 子供のラクガキみたいな作画が見られたのは残念だったが、見終わってとても気持ちが良くなった一本。
 …こういう番外編もいいけれど、本編中、特に前半クライマックスであったろう先週の話とかに このレベルの高さを望みたかった所では ある。


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『Kanon』03.「たった一つの小さな記憶」04.「夜へ」

 一晩に、一挙連続2話放送。

 むー、各 女の子に対して彫り込みが不足したまま、更にレギュラーを増やすのはどうだろうか。
 ギャルゲーなどで、一気に大量の女の子が出てくる事に対して「そんなモンだ」という免疫を持っている人間はともかく、一本独立したアニメとしては多少の問題を感じるなあ。

 それも、
「月宮あゆ」 町中で何かを探し続けている謎な女の子。
「沢渡真琴」 主人公に理不尽な憎しみを抱く謎な女の子。
「川澄舞」  夜の学校で魔物を退治する謎な女の子。
…と、謎な部分を持つ女の子が多すぎ。
 主人公が軽く記憶喪失気味なのに、「沢渡真琴」も記憶を失っている、という被り方もどうか。

 更には、
「月宮あゆ」 天然ボケ。
「沢渡真琴」 天然ボケ。
「水瀬名雪」 天然大ボケ。
…と、ボケな女の子がやたら多いのも気になる。
 いやまあ確かに可愛いのだし、構わないと言えば構わないが…
シャキシャキした体育会系女の子を出すとか、生意気なお嬢様を出すとか、性格付けに もうちょっとバリエーションがあっても良かったような…

 ええと、ゲーム版はやってないし この先の物語も知らない(まだ知りたくない)ので、ご存知の人は読んで笑うように。
 「月宮あゆ」って子は、もしかすると物語登場時点で死んでるのかね。
そう考えると、たい焼き食い逃げも「死んでいるのでお金を持っていず、払えないから」と理解出来るし(死んだ人間が食い逃げはおかしい気がするけど、まあ「死」の概念は作品毎に違うから)、背中のバッグから覗く「羽」にも意味がある事になる。
ずっと何かを探し続けていて家にも帰ってない様子なのも、その理由なら納得。
 どうなのかなあ。


2002/02/17(日)

『忍風戦隊ハリケンジャー』01.「風とニンジャ」

 シリアスとコミカルの中間ぐらいな話。
 忍者が名乗って見得切った時点で既に「忍者」じゃないだろう、とか思いはするモノの そんな基本的なツッコミはこの番組には不要。
強引にアップテンポで進んでいくお話はなかなかに楽しく見られた。
 敵である宇宙忍軍の幹部に、結構露出度が高いお姉ちゃんが2人も居るのが見所(^ ^)。

 忍者、を扱うのなら、『赤影』と同じ時代か江戸時代あたりに時代設定を移して、戦隊物初の「時代劇」として展開する手もあったんじゃないかなあ。
太秦村かどっかで適当に撮れば背景はオッケー。
時代考証もいい加減でイイからさあ。
 『忍者部隊月光』『赤影』『ライオン丸』『ミツルギ』など、昔はあった「子供向け時代劇的ヒーロー物」が最近無いのが ちと寂しい。
 いや、このままの『ハリケンジャー』でも、シリーズ中盤でしばらく戦国時代に、タイムスリップだか意図的にタイムトラベルだかをする、って展開には出来るか。

 純和風戦隊物なんだから、アクションシーンの際、ゾクのような当て字の漢字を画面に表すのは、『ガオレンジャー』よりかコチラの方がふさわしかったのでは?という気も。



『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』03.「ハナちゃんには負けられない!」

 久しぶりにチラッと ぽっぷにスポットが当たった話で、今回もまた気楽に楽しく見られた。
 キャラがいちいち取る愉快なリアクションが素晴らしい。
表情の崩し方の巧さには感心。

 「天才」であるハナを前に、焦りと気負いの余りに自分の美点を見失いかける ぽっぷ。
それを、嫌味無く子供らしく指摘し、元通りの ぽっぷに戻すハナ。
 シリーズの基本に戻ったような、子供達の小さな触れあいを丁寧に描いていて好感触(^ ^)。
このままで、イイのでは。

 ところで新オープニングテーマ。
どうにもあちこち、ピンクレディーの「モンスター」っちゅー歌に似て聞こえて仕方ないんだけど、皆様はどうかな?
 「おジャ魔女登場〜ドカーン」の辺り、ちょっと遅れて歌い出すとそのまま「モンスタ〜この私の可愛いひと」というサビの部分が歌えてしまう。
 いや別にパクリだとか言うんじゃなくてね(^_^;)。



『ギャラクシーエンジェル』05.「思い出激走八宝菜」06.「立ちこめる霧のソルベ」

 前半。
 うーむ、『風雲たけし城』とはまた懐かしい。
でもこれ、番組終了から相当に時間が経っているから、今の中・高校生ぐらいには元ネタが分からない恐れも。
そうすると、城のお殿様を倒す というのが最終目的だという構成も、どれが固定されていてどれがただ浮いているだけの飛び石かを瞬間に判断しながら渡っていく人気アトラクション(?)「龍神池」のシステムも、完全には理解出来なかったろうなあ。
 ま、「変な番組」とだけ理解していても支障はないんだけど。
 やっぱりミルフィーユって「幸運の遺伝子を持つ」という設定があるのね。
それにしては先週…まあイイか(笑)。
 頭のボンボリが受話器になっていた少女時代の麗花。
頭の花飾りをプロペラのように回すと空を飛べるミルフィーユ。
……絶対、今回だけの設定(というか、コンテ段階の思いつきギャグ)だろう。
 麗花を慕ってるんだかどうなんだかのロボット・ステビアの登場は、これだけだとちょいと消化不良気味。
今回はゲームを苦労しながらクリアしていくだけのお話にした方がスッキリ見られたような…
この後、まだフォローが入るなら良いけど。

 後半。
 むー、不条理系 怖い話?
問答無用でカニの着ぐるみを着込んでしまうミントはラブリーだったが、全体的には少々テンションが低く、地上波放送初の「?」な話になってしまった。



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