ときどき日記 02/04(後)


02/04/30(火)

 レンタルで『パールハーバー』を見る。
 監督は、プロモーションビデオから転身後、初監督作品『バッドボーイズ』で既に格好良い映像で 割に下らないお話を誤魔化しきる手法を確立し、『ザ・ロック』ではショーン・コネリーの渋いジジイぶりを徹底して描き、超大作『アルマゲドン』は賛否両論分かれたみたいだけどオレはこの無駄なテンションの高さと、デタラメなストーリーを覆い隠す完成の域に達した映像美、に見とれてしまったもんで大好き、のマイケル・ベイ。
 主演はベン・アフレックとジョシュ・ハートネット。

 ええと、まずねえ、とにかく『パールハーバー』は評判が悪くて、「面白くない!」という話を山程聞いてから見たモノで すっかり心の準備が出来ており、そのせいか…そこそこ楽しく見られてしまった。

 日本人的な逆鱗に触れる大日本帝国軍人の描き方。
コレ、確かに何も知らない状態で見たらオレも怒ったかも知れないが…
情報をかなり仕入れてから見たため、ショックとか怒りは無く。
 マイケル・ベイは、なによりもまず映像が先に来る監督だから。
「ココは空が欲しい!」と思ってしまったが最後、真珠湾奇襲の超・機密会議を、風が吹き抜け向こうの方ではガキが凧揚げをやっているような野っぱらで、平気で行わせてしまう。
 「悪気」とか「日本人をバカにしている気」などまるで無い。
多分、そんなに難しい事を考えている監督ではない(^ ^)。
ただ、そういう絵が格好良いとその時は思ったから、そのまま撮ってしまった、それだけだと思う。

 「貴様ら帝国軍人を愚弄するかァ!」という観点から離れられれば、その絵は確かに格好良い。
 はちまきをキリリと締め、ゼロ戦に乗り込んで発進して行く日本兵達の勇姿は、これまでのどの日本映画に登場したモノよりもイカしていたのではあるまいか。
野球に興じる少年達に、「逃げろ!」と叫ぶゼロ戦乗りも良かったし(このシーンは日本公開版のみという噂も)。

 メインのお話を見ると…これ、恋愛映画だったんだねえ。
それにしちゃ作りが全然なってなくて、突然ベン・アフレックとの間に愛が芽生えたお姉ちゃんが、彼が死んだと聞かされたもんで やむなくジョシュ・ハートネットに乗り換えてみたが、どっこい生きてたベンが帰って来ちゃったから さあ大変、っていう悪いけど本気でどうでも良いようなシロモノ。
 ベン・アフレックはまあ彼女に一目惚れ、という事で納得するとしても、ジョシュ・ハートネットはベンが死んだと聞かされるまで彼女に何の興味も抱いていなかったというのに、突然好き好きになってしまっており、付いていけない。

 恋愛モノとして全然ダメだっていうのは、生きて帰ってくるベン・アフレックの部分だけでも分かる。
 真面目に考えるなら、心をジョシュに移してしまった彼女の苦悩、友情と愛情の間で引き裂かれるジョシュ、と、ココが心理描写のキモになるべきだろうに。
 「生きてるよー」という手紙が届いた、次の瞬間には帰って来ており、葛藤などゼロ。
その「間」の無いカット運びが余りにも馬鹿馬鹿しいもんで、笑ってしまった(^ ^)。
 まあねえ、どう描いたってコレ、下らない色恋沙汰でさ。
どうせならチャキチャキ進めてくれた方がいいんだけど。
 …の割には ここ以外はモタモタしてる場面が多いが。

 日本人だからなのか、見ていると、「早く日本軍がやって来て、このクダラナイ三角関係を構成している誰か1人、または2人、いっそ3人共(笑)をあの世まで吹き飛ばしてやる事で親切に解決してやっちゃあどうだい?」という気分になるばかり。
 アメリカ人観客にしたって、「仲良く楽しく暮らしていた主人公達ヤンキーを、卑怯千万な奇襲攻撃で失意のどん底に突き落とすなんて、ジャップ許すまじ!」って気分にさせてくれないと困ると思うんだけど。
 3人のツマラナイ睨み合いでドラマが停滞しているため、飛来する日本軍機が「物語の救世主」「危なく寝ちゃう所だった、ありがとう日本軍」という位置にあり…
どうしたいねん、お前?という気が。

 パールハーバー襲撃シーンの迫力は凄い!
さすが映像だけは大したもんだマイケル・ベイ。
 ゼロ戦が変だとか、何で民間人ばっかり機銃掃射で追いかけ回してんだとか、不満はあるが。
 これはまあ、地上版『インデペンデンス・デイ』って事で。
宇宙からやって来た謎のニホングン星人が、えらく簡単に撃ち落とされる宇宙テクノロジーの飛行機で襲撃をかけてきたシーンだ、と思えば、愛国精神に溢れる方々も平気では(^ ^)。

 メイキング・オブを見ると、CGだとばかり思っていたシーンで、結構本物の飛行機を飛ばしていたり戦艦を爆発させていたりして、さすが金を湯水のように使えるアメ公は何をやるやら分からないと感心(誉め言葉)。

 この、面白かった真珠湾シーンで終わればいいモノを、映画はこの後も結構長く続いてしまう。
それがまた、どう見たって「蛇足」なお話なもんで、見ててアクビが止まらない。
 オレにハサミを入れさせてくれれば、無駄なシーンを全部切ってスッキリした見やすい映画に仕立て上げてやるのに。
…そうすると、襲撃シーンのみ、1時間ぐらいの映画になっちゃうか(笑)。

 とにかく、実時間よりも感覚的に「長い!」と感じてしまう映画なので素直にお勧めは出来ないが…
お金を掛けた戦闘シーンだけは一見の価値アリ。
 DVDを借りて、チャプター選択でそこだけ見ればいいかも。
 どのショットも「絵」になっているので、そういう部分を評価出来る人は全編見ても可。
眠くはなってくると思うけど。


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 えーと、もう本屋で見られましたでしょうか?
今月号の『ペンギンクラブ』の表紙はアレです。
 何で今更、と思われるかも知れませんが…
それは実は本人も思っております(汗)。
 上手くすると会社から広告料としてハード一台ぐらいもらえないもんかなあ、とか。
本誌に広告載せてくれないかなあ、とか(一作家の分を越える愚考)。

 本当はねえ、本当は右手上のディスクの周辺を欠けさせようかと思った訳ですよ。
でも…それはオトナの事情もあって、ペケ。
ちっ、旬は逃したものの、それなら一部に笑ってもらえたのに。
 …などという悪辣な事を考えている人間に、ハードをくれる訳がないか(笑)。


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『あずまんが大王』04.「楽しい職業」ほか

 今週は、『R.O.D』『ココロ図書館』で監督を務めた舛成 孝二が演出を手掛けた。
豪華だよねえ。

 ちよちゃんタオルのネコ模様と 自分のタオルの絵柄位置を合わせる榊の姿を繰り返し見せるとか、思いっきりハラ打ち飛び込みをしてしまった ゆかり先生の体前面分が 水から上がってもまだ赤く、バタ足の練習をする ちよちゃんの 水を跳ね上げる足の処理が大変に上手かったりなど(コレは作画の手柄?)と、細か〜い演出が生きる。
 『R.O.D』でも、1巻目の冒頭で、すごーくロングで撮られたショットにまで「水たまりに足を取られて転びかける主人公」という演技を入れる細やかさがあったんだけど、テレビでまでこだわるか(^ ^)。
それも、作画の手間、というより演出が背負い込む手間だからスゴイなあ。

 ギャグは、それを見る個人個人の体内タイミングに合うかどうかが重要なので、100発100中は不可能。
 そういう意味では、そこそこのヒット率を見せ、気負って飛び込む一瞬に足をつらせてしまう ゆかり先生に大笑いさせてくれ、「詰めが甘い」とバカにされた事を引いて、それを助けに行かない にゃも先生のフォローで更に おかしさを押し込んでくる今回のギャグの作り方は、「さすが」だと思う。
 毎回のキャラクター描写の積み重ねで、大阪のボケた言動がすっかり心地よくなってしまった個人的事情もあろうが(^ ^)。



02/04/29(月)

『りぜるまいん』04.「大胆!抱かれてハッピー!?」

 頭が悪すぎる りぜるの変装に、脳がやられそう(^_^;)。
 4話目まで来ても、彼女の基本設定とか主人公を好きな理由とかが全く描かれない。
本当にその辺はどーでもイイと思って作っているアニメなんだなあ。
 まあ確かに、それよりか りぜるのぱんつがカボチャ様なんで ちーとも色気が感じられない、って方が気になる(笑)。


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『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』13.「むつみの引退宣言!」

 あー、そういえばこんなキャラも居たっけ、と思えてしまうプロレス少女・むつみ。
彼女の苦悩、そして それを優しく支える幼なじみの少年との交流を、かなりヒット率の高いギャグを交えてキレイに描き出した話。

 そうねえ、小学校も高学年ぐらいになってくると、男女の差を意識しない付き合い、ってのは難しくなってくるよね。
男の子はあんまり変わらなかったりするんだけど、女の子は はっきりと「女の子」な姿になってくるもんで。
体をくっつけてプロレスごっこをするなんて、もってのほかだろう。
 個人的には、「男女間の性的分化」を、「小学生日記」調に もうちょっと細やかに描いても良かったような気がする。
 でもまあ、日曜日に家族揃って見るアニメとしては、「ひたすら強くなりたい女の子」を明るく描いていく、その裏側にチラッと見せる程度の匙加減で丁度イイのかもね。


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『ぴたテン』04.「楽しい温泉の入り方」

 原作から変更した所に必然性が感じられないし、変更に伴い影響を受けるはずの原作の展開はそのまま、という訳で、違和感を感じる話だった。
 うーん、これも脚本・小林靖子かあ。
どうもアニメは巧くないなあ。


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 久々に映画館に出掛け、『ロード・オブ・ザ・リング』を見る。
 ファンタジー小説の原典とも言えるJ.R.R.トールキンの原作を映画化したもの。
ったって読んだ事無いが(^_^;)。
いや、何度も読もうとは思ったんだけど、冒頭からしばらく読んだ所でいつも挫折していた。

 監督は、仲間と休日に趣味で撮り上げた『バッド・テイスト』で鮮烈な、と言うには余りにも「おいこらオッサン!なんちゅう映画を撮っとんねん!」なデビューを飾り(山羊だかヒツジだかが爆散するシーンが好き)、悪趣味なパペット映画『ミート・ザ・フィーブルズ』で寒い気分にさせてくれ、『ブレインデッド』で最高潮に達した悪趣味悪ノリを見せ、『乙女の祈り』は…うーん世間的な評判は良いみたいだけどオレは退屈した…、『さまよう魂たち』では意外にも正統派なエンターテインメントが撮れる事も実証してくれた、ピーター・ジャクソン。
 主演は、超大作駄作『ディープ・インパクト』のイライジャ・ウッド。

 字幕版が余りにも評判が悪かったので、新宿では土日と休日、それも朝イチ上映のみの吹き替え版を見る。
画面に集中して見られたし、声優さんも俳優のイメージに合っており、上手い人ばかりなので良かったかな、と。
 字幕翻訳家の手腕を別にしても、長大な原作のダイジェスト的な側面があるこの映画、そのセリフ内容を更に要約して字幕のみで伝えるのは、そりゃ難しいだろう。

 内容の感想。
いや、面白い。
原作、こんなに面白い話だったとは(っても、かなり変えてあるようだが)。
 RPGゲームやファンタジー漫画・アニメが一般に浸透した今、下手な監督が映像化すると ありふれた映画にもなりかねなかったと思うが、それを圧倒的な映像の迫力でねじ伏せて見せる。
 魔の軍勢と、対立する連合軍の壮絶なぶつかり合い。
黒衣の騎士達の恐怖。
冥王サウロンの居城が放つ禍々しさ。
魔法使い同士の激闘。
パーティーを追い詰める無数の敵や暗闇の魔物。
ホビットの小ささ、エルフの華麗さ、ドワーフの無骨さ。
そして、ニュージーランドの風景の心うたれる美しさ。
 求めてもなかなか得られない、納得出来るファンタジー世界の手触りがここにある。

 キャラクターそれぞれの描き分けも巧いもんだし、物語のキモである指輪、それが放つ恐ろしいパワーを何度と無く繰り返して描き 説得力を増しているのもイイ。
 上映時間は ほぼ3時間と長く、そろそろ終わりか、と思ってもまだまだ続く、という繰り返しだが、後半に行くほどアクションの密度も、緊迫感も上がっており、飽きさせない。
 ちょっとパーティーの仲間達が強すぎるのでは…?って気もしないでもないが、弱くてナサケナイよりは全然イイや。

 この映画は三部作の一作目で、物語の途中でプチッと終わっているため、続きが見たいというフラストレーションも。
しかし…あの人はああなるし(;_;)、こいつらとこいつらはこうなるし、この後 まだ2作もあるのにどうなるんだろう?
 原作は読まず(^ ^)、続編を楽しみに待とう。



02/04/27(土)

 おお、気が付けば来訪者数1800000を越えている!
凄いなあ。
気のせいか、170万から早かったような。

 確か前も書いたけど、ココはこんなに大勢の方に見て頂けるようなHPじゃないと思う。
それは、単行本の売れ行きからしても(笑)(泣)(ああ、これまでに出した単行本の総売上が来訪者数の半分でもあれば!)。
 うーん、どこかエライ所からリンクでもされているのだろうか?

 とにかく、毎度のごヒイキ、ありがとうございます!
 オッサンがグダグダした文句を垂れ流しているだけのページですが、よろしければ末永い お付き合いを。


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『あたしンち』02.「帰ってきなさいっ」

 第1話は見逃してしまったもんで、第2話にして初めて見た。
 はあ、この物語のメインである一家が住んでいるのは、西武新宿線沿線にある田無駅近辺か(オープニングに駅名が出てくる)。
これは原作もそうなのか、アニメだけの設定か。
もしかして原作者も その辺りに…?
 いやまあ、どうでもいいけども(^ ^)。

 けらえいこ先生のタッチを見事に動画化。
長女の みかんなど、かなり可愛く描けている。
 お話も原作通り、のんびりまったりとした日常を、とても人類とは思えない容姿をした お母ちゃんを中心に据えて描く。
 悪くないし、そこココで笑ってしまったけれども、大地 丙太郎監督の手掛ける『おじゃる丸』と同じく、内容について どうこう細かく言うタイプのアニメではないと思うな。
 ご飯でも食べながら、ぼんやり眺めるのに最適(^ ^)。


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『アベノ橋魔法☆商店街』04.「燃えよ!アベノ橋☆香港格闘商店街」

 3話までと比べると、お話内容はともかく、演出的に かなりテンションが落ちてしまっており、そうなると物語は何も無いこのアニメのような作品は…あんまり見る価値が無くなってしまうなあ。
狂躁状態な大はしゃぎをテレビベースでどこまで続けられるか、がテーマのアニメな訳で(断定)、笑えなくなったらそこまで。
 「オタクな知識の多さが戦力の決定的な差ではないという事を、教えてやる!」ってセリフは、何だか色々な意味で笑ったが(^ ^)。

 次回は恐竜モノか。
 あと考えられるのは…
「呪われた湖の湖畔に建つ呪われた屋敷で夢の中に殺人鬼が現れ…といったホラー世界」
「学園で男の子がやたら個性のくっきりした女の子達にモテまくる恋愛シミュレーション世界(女の子がモテる『アンジェリーク』世界も)」
「二次大戦中の日本軍に手を貸して、アメリカに勝利して行く様を描く架空戦記世界」
「2人組でデビューして芸能界を上り詰めていくアイドルサクセス世界」
「野球だのサッカーだので甲子園とかを目指してみるスポ根世界」
「悪代官を日本刀で一閃、時代劇世界」

こんなトコかな。


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『満月をさがして』04.「詞にこめた思い」

 ヒットメーカーが書いてくれた歌詞を納得出来ないと言い、それならと自分が書かされる事になってしまった満月。
 現実ではあり得ない、というか やったらエライ目に遭わされそうな行動で、またそれが容認されていく辺りも含め「小学校中学年ぐらいまでの女の子向けなリアリティーの世界」なんだなあ、と再認識(^ ^)。

 でもまあ、そんな芸能界的にはトンデモナイ満月の行いを肯定してくれる事で、まだキャラが薄かったマネージャーの女性を「味方」と印象づけるなど、お話の作り方は かなり上手い。
 満月がこだわってきた好きな男の子、その子にも負けない程 歌が好き、という持って行きようもなかなか。
 意外にも面白くなってきた。


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『HAPPY☆LESSON』04.「フラフラ☆お兄ちゃんはどっち?」

 一応は、主人公と一緒に暮らしている5人の先生兼ママ達がヒロインの位置に居る作品なんだと思う。
だから、各ヒロインの過去とか細かいキャラクター性とかを彫り込んで行く前に、更に他の女の子を加えるのはどうか、と思ったんだけども…

 お兄ちゃん(はぁと)で、主人公にブラコン・ラブラブ気味な妹、かあ。
なるほどコレならポジション的にママ達とは重ならないし、分かり易い(姉・妹との人間関係設定は全然 分からないんだけど、この作品についてはそれは大した問題じゃないんだろう)。
 2人きりで迎えた朝、自分が作った朝食を食べている兄に向かって「これってなんか新婚さんみたいだね」と言う妹。
壮絶に萌え〜な作り(^ ^)。
 『シスプリ』とは違う方向を目指して始めた…んじゃないかと思うこの作品企画の根本を危うくするキャラではないか、とは思うが。
 しかし、うーむ、巧いなあ汚ねえなあ(笑)、と、商品の価値(キャラ人気)を高めるためには手段を選ばないプロ根性に感心。
 見習いたい。

 イイ目ばっかり見ている羨ましい主人公だけど、表面的にはママ達に虐待(?)され続けている、というバランスも巧いし。
 主人公が好きなのに素直になれない、メガネで潔癖性な委員長も萌え。



02/04/26(金)

 ビックカメラに出掛け、色々見ている内、発作的にVAIOを購入してしまう。
かなり大きな買い物。
 とにかくオレは買い物度胸が無く、散々迷ってアチコチ歩き回った挙げ句に「どうしても必要なモノではない」という結論に達して取りあえずその日は帰る、というナサケナイ行動を繰り返す事が多いのだが、思い切ったもんだ。
 とにかく「ComicStudio」(以下、「CS」と略)を使ってみたかったのと、VAIOの一部の機種に搭載されているテレビ番組録画機能が欲しかったから。

 家に届いたVAIOを早速セッティング。
 「CS」試用版をダウンロードし、起動。
 使い方も何もロクに読まないまま、ペンツールでお絵描き。
ははあ、なるほど。
確かに、タブレットで引いたヨレヨレの線がキレイに補正されていく。
面白い感じだなあ。
 それでも…やっぱりタブレットのみで下書き、ペン入れまでこなすには、結構な慣れが必要なんだろう。
半日かけてやっと描けたのがコレ。



 モデルはセリフとは関係ありません(笑)。なんかちょっと、間の抜けたセリフが入れたかったので。
試しに効果の集中線を入れたら、うっとおしくなってしまった。
 紙に直接描くのとは全然違うため、顔の輪郭線とか なかなか上手く引けなかったりしたのだけれど、プリントアウトして見てみると「飛龍 乱の絵なんてこんなモンだよなあ」という程度のシロモノには なっているので不思議。
髪の毛ベタの白くかすれたような所は、ブラシによる効果。

 この絵には無いけど、トーンを貼ったような効果を使うのも非常に簡単。
 ファースト・インプレッションとしては、うーーん、使いようによっては使える、というレベルではあると思う。
 どんなソフトでもそうだけど、使いこなすには そのソフトに特化した「慣れ」が必要で、これもアナログで描くのとは違う、「CS」スキル、を習得する事が肝要。
そうすると反比例して、他のスキルを無くして行く事があって…実際、オレはMacでカラー原稿を仕上げるようになってからカラーインクだの絵の具だのは使えなくなってしまった。
 まあ、何もかも「CS」で仕上げる必要はなく、ペン入れまではアナログで、トーンや効果のみデジタルで、と分けて行えばいいのかな。

 とにかく、選択肢が増えるのは良い事。
 理想としては、お手伝いの人が在宅のまま ウチの手伝いを出来るようにならないかなあ、と思ってるんだけど。
そうすると、その人はともかく、オレの緊張感が途切れてしまい、真面目に仕事をしなくなってしまう恐れがあるか(^_^;)。

 製品版を買ってみよう。


 もう一つ、購入動機であったテレビ録画機能。
 ビデオテープと違って粒子の荒れがなく、画質は大変に良好。
「iEPG」というシステムを使う、インターネット経由で番組表を見ながらの留守録セットも、不安になるほどに簡単。
 大量のデータをハードディスクに入れたり出したり、を繰り返す、という事に伴い、システムが不安定になったりしないか?って心配はあるんだけど…
増設ディスクにバックアップを取っておけばいいのかな。
 コレは使える!


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 レンタルで映画『トゥームレイダー』を見る。
 日本ではそうでもないと思うけど、アメリカ辺りでは結構な人気を博しているらしいアクション・アドベンチャーゲームを原作にしたもの。
 ゲーム版では、主人公ララ・クロフトさんのグラフィックは、米らしく容赦のないギスギスした怖い顔をしていて、一度見たら忘れられない。
 監督は、全然つまらない訳ではなかったけども何だか釈然としないものが残った映画、『コン・エアー』のサイモン・ウエスト。
 主演は、『ボーン・コレクター』とは全然違う顔を見せる女優、アンジェリーナ・ジョリー。

 予告であった、大勢で攻め込んできた敵を前に ちょっと小首を傾げてみせる余裕のアンジェリーナ・ジョリーがとにかく格好良く、ここだけでも見る価値のある映画かなあ、と思っていたが、割とマジで そこだけしかない映画(^ ^)。

 5千年に一度の惑星直列の時にだけ、遺跡から姿を現すホーリー・トライアングルを巡り、秘密結社とララが壮絶な争奪戦を繰り広げる、というのが物語の骨子。
アクションが主題の映画だから、お話に多少の不都合はあっても構わないと思うけど…
 それにしても、敵が頑張って障害を突破し 入ろうとしている遺跡の中に、ララは偶然 苦労も無しに入り込めたり、たまたま正しい お宝の出現方法を見つけてしまったりと、シナリオが楽しているのは明らか。

 それから…
秘宝探索モノだから、『レイダース』に似てしまうのは容認。
 でも、あの映画でインディアナ・ジョーンズが危険な目に遭うのは、宝を狙う不埒モノを撃退するための古代人の仕掛けに引っかかっているから。
知らないから(もしくは手順を間違えたから)、落とし穴に落とされかけ、転がって来た大岩に追い掛けられる。
そこには必ず正しいルートがあって、それを知るものに危険はないのだが。
 この映画では、ララは正しい謎の解き方をして秘宝を手に入れる。
にも関わらず彼女は、その後出現してきた守護モンスター達によって殺されかけてしまう。
???どこか間違ってたか?
 この古代人は、遺跡に入って来たモノは、盗掘人だろうが正しい後継者だろうが構わず皆殺しにしようとしてるのか?
 むーー。

 また古代人は、生きている水、とでもいうような超テクノロジーを使って石像を動かす。
そんな技術がありながら、巨大瓶から水を抜くのには単なる木製の振り子を用い、しかもそれは どういう計算違いなのかララの体重を足さなければ瓶までは届かなかった不出来ぶりを見せてしまう。
石像に水を抜かせれば良かったんじゃないの?
 古代人って、不思議。
 しかしココの、巨大石像が動き出す際、足の上に乗せてあった瓶が割れてはイケナイという訳でか よっこいしょっと手で横にどける動作が、何だか変に貧乏根性剥き出しというか所帯臭くて、ちょっと笑ってしまったが(^ ^)。

 他にも、太陽系を模した仕掛けは正しくはどうすれば安全に上まで行けたのかとか、時を司ると言われる石版のパワーがよく分からないとか、ララは石版の組み立て方を含み何でも良く知りすぎているとか、一度重傷を負ったはずの敵ボスが その後全く元気一杯でアクションを繰り広げる理不尽さとか、納得がいかない部分は多々ある。
 でもま、細かい事を どうこう言う映画じゃないからなあ(笑)。

 暇つぶしには良い映画。
それ以上のモノではない。
 ゲームの『1』は、大変楽しんでクリアしているため(『2』は途中で飽きたが)、二丁拳銃で敵の中に突っ込んでいくララの勇姿、それがアンジェリーナ・ジョリーによりゲーム本編デザインのキャラよりは遙かに美しい容姿となって拝めた、というだけでも、見た価値はあったかな。



02/04/24(水)

『藍より青し』03.「別離」

 相変わらず居心地の良い関係性を見せる2人。
 今回はそこからお話を展開させるべく、葵の お世話係を勤める女性が部屋に乱入してくる。
 こんな所には置いておけない、と葵を連れ戻そうとするお姉ちゃん。
大変にきちんとしたパターンを踏んでいて、堅実な作り。

 が…
お話は動いたのに、主人公・薫の心情が動かないままなのには若干、不満を感じる。
 薫が風呂に入っている所に自主的に入ってくるのは葵。
 家に連れ戻そうとする女性の登場に、何とか一緒に帰ってくれるよう薫に懇願する葵。
それを頑なに拒む薫。
 辛い過去を語り、母親に甘えるごとく葵の胸に頭をもたせかける薫。
 結局、「行くな!」などの言葉もなく、葵と別れてしまう。
 葵、車から自主的に脱走。
思い出の駅に居ると連絡し、薫を待つ。
 …最終的に薫が葵のために払った努力は、「雨に濡れながら駅まで迎えに行った」事だけ。

 むーん、ちょっと、こう、物足りないというか、一途で一生懸命で行動的な葵に対し、お前は釣り合う男なのか?という疑問が(お話に入り込みすぎ)。
 そういうフラストレーションを感じさせるのが狙いのストーリーなら 成功しているのだし(過去に「家」により付けられた心の傷は、それほどまでに深刻なのだ、という事も表しているのだろう)、何と言うかイノセントな男の子に対して積極的に迫って来る女の子、という図式の方が楽に見てもらえやすいってのは確かだけど。

 次回、「2人でおふとんイン(『りぜるまいん』)」の際には、もうちょっと能動的に動く男の子を見たい気分。
 でもま、そういうシーンで やたら張り切る男の子、ってのを好感持って見てもらうのは また大変に難しいんだよなあ。


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『.hack//SIGN』04.「Wanted」

 うう、挫折。



02/04/23(火)

『ラーゼフォン』11.「虚邪回路」

 おー、のぉぉぉ!
ナイター延長か!タイマーは無効に。
すっかり寝過ごして、最後の数分間しか見られなかった。
 ぬわあああ!野球もサッカーも、この世から無くなってしまえばいいのに(極端)

 司令室に主人公生還は絶望の空気が流れ、その主人公は母ちゃんの腹を殴って倒し(?)、東京ジュピターに残してきたはずの女の子が主人公の口の中に手を突っ込んで長い棒を引きずり出す、悪夢みたいなシーンから見始めてしまった。
 よく分からんが、今週は精神攻撃が行われた感じ?
もしかして、また「ディラックの海」使徒話やってたの?
うーむ、そいつは見られなくて、残念なのか重畳なのか。
 メインのストーリーに関わる描写が行われていないなら、まあ、イイや。
「ちょっとエッチなシーンがあった」って話を聞くと、やっぱり残念、と思うが(笑)。


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 OVAの『R.O.D』、2、3話を ようやく鑑賞(私信・ありがとうございましたぁぁぁ!)。
 1話の出来の良さに感心し、是非続きを見たいと思っていたもの。
 ええと、ストーリーを全部バラしてしまうから、この先は個人の判断でお読み下さい。

 敵である「偉人」。
2話では玄奘三蔵法師、3話では一休、マタハリなどが登場。

 強力な戦闘力を発揮して、読子達を追い詰める三蔵。
 確かにね、現実の彼は、よく物語に登場するような理想主義でナヨナヨして情けない優男ではなく、厳しい旅に耐えうる力を持ったゴツイおじさんだったって話だけど。
しかし…悟空の如意棒と八戒の火炎放射、水を操る沙悟浄の力までも持たされ…ファーブルの昆虫操作能力などと比べても更に関係が無いというか、悟空ってフィクションだからね(^_^;)。
三蔵の力をどこまで人為的に引き延ばしても発生する能力ではなく、要はクローン三蔵を作り上げた機関のテクノロジーに寄ってる訳だ。
 それなら、ファーブルだって怪力とか火炎能力とかを ついでに付け加えておけば良いようなもんだけど…クローン製造者の美意識に反するのだろうか(笑)?

 一休さんが悪の指揮官役で出てくるとは思わなかった。
ヒットラーとかナポレオンとかスターリンとか、もっとそれらしい偉人(?)が居そうなもんだけど。
まあ、そういう方々はこれまでに他作品で何度も使われているからね。
多分、「とんち」という言葉を使いたかったんだろうなあ。

 1話目に比べると、読子が全体に苦戦気味というか、紙使いの能力を遺憾なく発揮、と言える所までは活躍していないのが残念。
 紙を使ってのアクションも、最初の衝撃を越えず。
 3話目で、ドレイクの懐の札束を抜き取って武器に使う際も、折角「絶対返せよ!」というネタ振りがあったのだから、戦いで欠けていくお札の枚数を気にし続けるなどのフォローがあっても。
 「この非常時に、金なんかどうでもいい」だったら、抜き取るのはお札じゃなくて、彼女(奥さん?)の写真とか手紙にして良かったはず。
戦い方に変化が付けられないなら、戦いに使う道具を変えてみるとか、その使用に制限を付けるとかすれば。

 マタハリ同士の決着も釈然としない。
 既に体にいくらかのダメージを受けたモノと思われる白マタハリ(笑)が、ノーダメージの黒マタハリに勝つには何らかの理由付けが欲しい。
 クローンが作られたのは第1話以前だったため、ニューヨークでの戦いを経験していず、その経験値の差が勝敗を分けたとか。
読子を信用して背中を任せられる「白」の方が、友情を知らない「黒」よりも強い、という所を見せるとか。
 ラストも…妹をよろしく、って何?
療養所にいたのは酸素欠乏症になった本人では?
自分がこうなる事を事前に予想していた?

 「偉人」ばかりしか出てこず、存在しているはずの黒幕が結局チラとも現れないのだって不満。
自ら生み出した「偉人」達に滅ぼされてしまった、という事ならイイけども…
 その戦いは、続編シリーズのお楽しみかな(^ ^)?

 文句ばっかり言ってるようだが、アクションはとにかく面白かったし、作画も良好。
危機感を煽り、マタハリとの別れでは ちょっとジーンとさせてくれる演出も素晴らしい。
 もっさりした格好でモタモタと走り回りながら、紙を使う時だけは鋭さを見せる読子・リードマンは、眺めているだけで楽しいキャラ。
 「偉人」という反則気味のオモシロ設定は、もうちょっとキャラクターを増やして見せて欲しかった所。
ファーブルの使い回しなど勿体ない!
アインシュタインや宮本武蔵、安部清明にニュートン、粘菌使いの南方熊楠、いかなる攻撃もその体には通じないガンジー、神をも恐れぬならば釈迦・キリスト・マホメットの連合戦隊とか(^_^;)、仕掛けだらけの凶悪な武装車椅子を使うホーキング(まだ生きてるって)など、ネタとして使えそうな偉人など数限りなく居るぞ!
 読子・リードマンも、もしかして「偉人」だったりして。
小野小町とか紫式部、与謝野晶子なんかのクローン、ってのはどうか。

 とにかくも、グダグダ言わずに見ている分には十分楽しめる、OVAの職責を正しく全うした作品だった。
 テレビシリーズであと13本ぐらい制作、って事にならないかねえ。
戦っている所もいいけど、彼女が神保町をウロウロして青空市とかで同嗜好のライバルと古本の確保を争う「だけ」、なんてえ話も見てみたいような(^ ^)。



02/04/22(月)

『あずまんが大王』03.「にゃも」他

 前回の、ぼんやり癒し系(?)大阪と違って、ゆかり先生は かなりアクの強いキャラなので、こうしてそのエピソードを連続させて流すのは得策だったかどうか。
 キャラ毎のエピソードを適度にバラして配置している原作の構成を、変えたいなら変えても良かろうが、その組み立て方によってはキャラの印象がかなり変わってしまう事を考慮しなければ。

 うーーん、頂き物の木彫りのクマが手足バラバラの悲惨な姿になったシーン、ここで、元々余り高くなかった今回のテンションが一気に最低まで下がってしまったような。
まあ、現実問題としては こんなクマなんて要らないと思うけど(^ ^)、それにしても…何と言うか、見せなくても良いカットを見せているのでは?
 事実、オレはこの後、内容にまるで乗れなくなってしまった。

 ゆかり先生のようなキャラは、「バカだなー」「困ったもんだ」「こんな先生が本当に居たらヤだけど笑うね」という程度に図々しさや非常識さを止めるサジ加減が必要で、そこを僅かでも乗り越えてしまうと、「ムカつく」「イライラする」という悪印象を客に持たれてしまう恐れも。


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 前から気になってはいたけども、雑誌やネット上などでの使用感を読んで、「ComicStudio」というソフトを使いたい気分に、最近は結構強く、なっている。
 現在、部屋が湿気ているのかどうか すぐ原稿用紙がヘナってしまい、ペンで描くと表面がケバ立ったり、インクが滲んで細い線が描けなくなってしまうので、その辺が改善されるのならイイかなあ、と思って。

 一番の障害は、ウチにはMacしかなく、このソフトにはWindows版しかない、という冷たい現実
試用版も使えやしない。
 ずーっとMac版が出るのを待ってたんだけど、何だかどうも…少なくとも近日中には間違いなく出ない雰囲気になってきた。
 そりゃあね、Mac野郎なんて少数派だもんね(;_;)。

 このためにWindows機を導入して大丈夫なもんか。
まあ、いずれ嫌でもWin環境に移行しなければならなくなるのだろうから、ぼちぼち慣れていく事も必要なのは間違いあるまいが。
 現在のMacは、『銀河英雄伝説』完結直前のイゼルローン共和国みたいなもんで、圧倒的なシェアを誇りカイザー・ビル・ゲイツが率いるWin帝国に比べ、ホンの僅かな領土しか持っていないからなあ。
このカイザーにはあんまりカリスマ性が無いような気はするけど(笑)。
 いや、でもいつかWin帝国を腐敗が蝕み、人々が他のOSを求めるようになった時のため、宇宙の片隅にMacOSの芽を生き延びさせておくのがアップルとその支持者の使命…って何の話だっけ(^_^;)?

 うーん。
とにかく、ちょっと量販店に行ってみようかな。



02/04/21(日)

 レンタルで映画『FINAL FANTASY』を見る。
 知らない者のない有名RPGのタイトルを冠し、ゲームの制作会社が制作、ゲームの監督・坂口 博信がそのまま監督をした、全編フル3DCG映画。

 切り口が色々とある映画だと思う。
人間を主人公に リアルな造形で作られた初めてのフル3DCG映画という意義とか、日本人が真正面からハリウッドに挑んだ えーと初めてではないにせよ珍しい制作意図を持っているという事とか、巨額の制作費を注ぎ込んだ挙げ句にスクウェアの屋台骨を傾かせる程 客が入らなかったというオチとかね(笑)。
 まあボチボチぼやいてみるかな。

 もうレンタルも新作期間は終わっており、問題ないと思うのでラストにまで触れます。
読まれる方は個人の責任で。
 長いよ。


 内容。
 まず、出だしがマズイ。
 謎な風景の夢を見ている女性主人公。
あれから35年、というナニからなのか分からないモノローグ。
シャトルで地上に降下し、何かを探す主人公。
現れる謎の光モンスター。
救出に来る謎の兵士達。
主人公が探しに来たのは一本の雑草?
彼女は、その雑草のために、救出部隊の兵士達の生命を危険に晒しても平気。
その行動の責任を問うと、どう考えても放っておかれたなら死んでいたはずなのに礼を言うどころか「誰も助けに来てなんて言ってない!」とヒステリックに言い放つ。
都市に帰った所で受ける謎のスキャン。
それで部隊隊長に見つかってしまう謎の浸食現象。
主人公が行う謎の治療…
 分からない事ばかりで、段々疑問が飽和状態になって行き、観客は、自分はこの映画に「選ばれていない」のではないかと思わされてしまう。
 これら疑問の答は、映画を見進めていくと分かってはいくのだが…
もうちょっと整理した情報の出し方を考えて欲しかったもんだ。

 この映画、余りにも制作者の自己満足、自分1人が分かっていればそれで良いという考えで作られている部分が多いんだよね。
少しぐらいの事なら許容してもいいんだけど…
 何しろ全編に渡ってなので、疲れる。


 地球にやってきて人類のほとんどを滅ぼしてしまったのは、侵略を企むエイリアン(ファントム)の兵士、かと思いきや、絶滅・崩壊した惑星から隕石に乗って偶然 流れ着いた哀れな さまよう魂達だった。
と、そういう夢を見た主人公は主張。
 …それにしちゃあ敵は はっきり殺人の意志を持って人類を襲っているようにしか見えなかったが。
話し合いも通じそうにないのに、どうしろと言うのか?
抜き取った人の魂をバクバク食べてる奴ら相手に。
 しかしファントムは、ゾンビのように、自分が死んだ事が「痛い」から、人を食う事で少しでもその痛みを癒そうとしていたのかね(この理解は『バタリアン』だったかな)?

 肉親を殺され、その憎しみからか おかしくなってしまった将軍。
彼を悪役にしたいんだろうけど、衛星ビーム砲・ゼウス砲を隕石墜落地点に撃ち込みファントムを絶滅させようと強硬に主張する彼に、主人公側博士が行う反論は、「地球のガイア(魂の根元…?)が傷付くからダメ」という、「誰か、この博士を鉄格子の付いたお部屋にお連れしなさい」と言いたくなる内容のモノ。
 トンデモ理論が「アリ」な世界にしたいなら まあそれでもいいんだけど、もっと周到に客を納得させる(「ふーん、そういうモノなんだ」程度でイイから)構造を取ってくれないと、とてもじゃないが付いて行けない。

 悪役将軍。
 ゼウス砲を使わせてくれない評議会に業を煮やし、都市にファントムを侵入させてチョイと脅かしてやれば震え上がって許可を出すだろう、とバリアーを解放。
ところが思ったより大量のファントムが侵入してきたもんでビックリ、都市はワヤクチャに。
 部下を見捨てて自分だけは ちゃっかり脱出する無責任さを見せておいて、その後 急に責任感に目覚め脱出宇宙船内では自殺を図り、思い直して衛星基地にドッキング、そこからゼウス砲を撃ちまくってファントムを皆殺しにしようとするも、「もう無理」との警告など構わず連発してしまったために、衛星までワヤ。
無能すぎ(笑)。
 また、そうまでして拘ったゼウス砲が、どう見たって大した威力を持っていないのも情けない。

 ガイア理論に乗っ取り、地球上にある8つのスピリットを集めようとしている主人公と博士。
これがまたよく分からなくて…
 何故「8つ」と分かるの?その存在する場所はどうやって確定しているの?そんなもん無くてもデータ解析によりファントムの波動と逆の波動を発生させれば良いのでは?
謎だらけ。

 集めようとする8つ目は、何と敵の総本山、隕石落下地点に居るファントムの一体だった。
??地球のスピリットで対抗する、って話じゃなかったの?
 その一体がゼウス砲で粉砕され、もう全てを集めるのは絶望かというシチュエイションで、とーとつに見つかるもう一つのスピリット。
…スピリットって何個アルの?
 それは、たまたま主人公の体内に存在したのだった!(寄生したスピリットの事か、体に宿る新しい生命…コドモの事かは はっきりしない)
って、これまで一度もスキャンしていなかったのか?
灯台もと暗しか?
にしても、いくら何でも都合良すぎ!
御都合主義ヒド過ぎ!

 それを使ってファントムを滅ぼす波動をチョチョイとお手軽に作り上げた、その過程がよく分からないし、お兄ちゃんが体を張って その波動をファントムの本体に流した行動も、客には説明もなくイキナリなんでどーにも「はあ?」。
 何となくそれで滅んでしまったらしいファントム達への手向けの言葉もなく、凄く消化不良な印象を残したままでチャンチャンとエンディング。
 むむむむむ〜〜〜〜。


 何と言うか、どうして157億円(スクウェアの負担分は139億という話)もかけて こんな寝言みたいな物語を映画にしようと思ったのか?
 どうして こんなシロモノに対して「当たるかも」などという幻想を抱けたのか?
 どうして、誰か 巨額の損失を出す前に坂口監督を羽交い締めにして当て身を一発喰らわせ、座敷牢にでも幽閉しなかったのか?
 果てしなく、疑問。

 まあ、でも思えば、このままの内容でも、メディアがゲームであれば、かなりな所まで許してもらえたんじゃないか、とは思う。
 8つ集めるスピリットは、「クリスタル」と同じようなもんで、理屈関係なく とにかく集めるべし、という使命を受け、プレイヤーが火山のただ中や崩壊した海底都市を探索して自らが見つけ出す形式にしてあったなら、何となく納得してもらえただろう。
 ファントム、という不可解な存在だって、とにかく「敵キャラ」として画面に強引に登場し、倒して経験値とお金を手に入れているウチに「まあ、そんなもんだ」と受け入れてもらえるはず。
 ガイア理論にしても、既に『9』『10』辺りで、魂がらみの意味不明なストーリーの洗礼を受けたプレイヤーには、「また始まったよ」ぐらいには許してもらえるかと。

 ゲームは、とにかく自分が能動的に動き、映画等と比べるとかなりな長時間をかけて「体験」するメディアなので、少々の穴・不都合はプレイヤーの方が想像で補完して、許してくれる事がある(その方が楽しかったりも)。
逆に言うと、かけた時間に余りにも見合わない内容だった場合には、「許容」から一気に「激怒」に感情が変化してしまうケースもあるだろうが。
 とにかく、そういう特殊な表現ジャンルであるゲームと同じ考え方で映画を作ってしまうのは危険。
 事実、出来た映画はエンターテインメントなどには成り得ず、監督の個人的嗜好に基づく「ガイア理論」を押しつけてくるだけの、「宗教団体・ガイアの光」プロモーション映画、みたいになってしまった。

 ガイアを否定する者達は皆 死に、残されたのは正しい「信者」である主人公とジジイの2人だけ(世界にはまだ生き残りもいるようだが)、ってえ徹底ぶり。
 内容が、部外者を引き込む役に立っていず、完全にビリーバー向けで、一般客はポカーン、ヒネたオレのような客は爆笑、という所まで、「幸福の科学」「オウム」最近では「ジー・オーグループ、大神会長」のプロモーション映像と変わらない出来。


 頑張って、とにかくこだわったCG表現が可哀想。
 皮膚に血管までマッピングしてあり、ライティングによっては本物と見間違うリアルな人間。
…個人的には、せっかくCGなんだから リアルはある程度あきらめ ウソでもイイから全員美形にしてキャラ萌えを狙ってみれば、とか、黒人だのジジイだのは いっそ実写俳優を取り込んで合成した方が早いよなあ、とか思ってしまったが。
 歴代SF映画に登場した幾多の機械群の中でも、特筆すべき格好良さと細かなギミックへのこだわりが見えるメカニックは良い。
 壊滅したニューヨーク、人類最後の砦であるドーム都市などの、驚く程 美しい風景も素晴らしい。
 莫大な予算をかけただけの成果が、映像には ちゃんと現れているのに。

 問題があったのは、企画とストーリー。
監督の力だ。
 「フルCG映画というコンセプト」も「ゲームを映画化する企画」も、「ハリウッドに挑む心意気」も、決して間違ってはいない。
 もの凄く悪い先例が出来てしまったので今後は相当に難しくなるだろうが、同様企画を考えている人達には頑張って欲しい。

 あ、坂口監督も、ゲーム『F.F.7』なんかは結構面白かったのだから、また映画を作る事があるなら(……)、あちこちで自ら語っている「母親の死」が もたらしたショックを乗り越えてからにして、魂だの精神だのに悪い意味で拘泥せず、純粋に「面白い物」を作って欲しい。


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『アベノ橋魔法☆商店街』03.「合体!アベノ橋☆大銀河商店街」

 エロ・グロ・ナンセンス・シモネタにパロディーも一杯、という盛り沢山なお話。
餌食にした作品は、『2001年』から『ガンダム』『ガイキング』『マクロス』にセルフパロディーの『エヴァンゲリオン』と、数え上げたらキリがない程。
 ええと、正味の話で言えば、ネタ自体は『ギャラクシーエンジェル』の合体ロボット物パロの方が洗練されていたと思うが、こちらはとにかくコンテと作画を担当した才人・今石洋之による、ぶっ飛んだハイテンポな画面のイキオイに押し切られ、ついうっかりと爆笑に継ぐ爆笑な状態に(^ ^)。

 吾妻ひでおの「三蔵」ってキャラが出てくるんだもんなあ。
同キャラが『ウルトラマン』の怪獣ゴモラを模した姿で出てくる、懐かしいSF大会の『DAICON3・0Pアニメ』を思い出してしまった(笑)。
 良い意味で、ガイナックスらしいアマチュアリズム爆発。
いや、余りにも視聴者層を選んでしまう(30代以上のアニメオタ厳選?)ネタが連続するため「良い意味」とか言ってイイのかどうかは分からないが、オレがその狭いターゲット層に完璧にマッチしているため、冷静な判断など無理無理無理無理
 30分間、堪能させて頂きました。
DVD出たら買っちゃうかも(^ ^)。

 次回は香港に舞台を移し、格闘物ネタで行くのかな?
『死亡遊戯』とか『らんま』『ドラゴンボール』『スト2』なんかを元ネタに?

 この3話目までは文句なく面白かったけども、とにかくお話が無く、テンションの高さだけでもたしているアニメなので、僅かでも演出・作画のボルテージが落ちた瞬間に存在意義が危うくなってしまいそう。
『フリクリ』と同じように。
 さて、どこまで行けるのか。野次馬的に、楽しみ(^ ^)。



02/04/20(土)

『満月をさがして』03.「マネージャーさんが来た」

 色々隠し事をしているため、ものすごくややこしい事態に陥ってしまう満月。
実家のババアもうるさいし、余命一年だし、死神達は本来デビューを応援するために存在している訳ではないしで、『クリィミーマミ』を始めとする魔法ヒロイン物の中で、もしかすると最も活動に対する障害が多い作品かも。
 隠し事については、マミの場合は全てが謎のスターであって、プロダクションは実家・連絡先その他何も知らない、という手際の良い処理をしてあったのだが。

 何だかこうこのアニメ、「いつ秘密がばれるのかドキドキ」というより、「どうしてコレで秘密がばれないでいられるのか不思議」って感じになりそう(笑)。
 今回は、どんどん剥がれていく嘘を その場限りの言葉で取り繕う様子が なかなか面白く描けていたから良いけども。
これをずーーーっと続けるのは大変じゃないか?
 いや、別にシリアスなお話じゃなし、普段は ややこしい部分をスルーして物語を作れば済む事なんだけど。 


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『東京ミュウミュウ』03.「学校の怪談 おばけの正体見つけ出すにゃん」

 んー?
れたすは、「ただ友達が欲しい」んじゃなくて、「自分を虐めるクラスメート達とも本当の友達になりたい」という考えだったんじゃないの?
いちご達と友達になったから全て解決、とはいかないような…
いずれクラスメート関係にもフォローは入れるつもりなんだと思うけど。
 綺麗事を述べていたその舌の根も乾かないウチに、深夜の学校ではストレス解消のため変身して大暴れ、というんじゃあ性格が破綻しているようにさえ見えてしまう。

 「良い子だと思っていた彼女が幽霊騒ぎの犯人だったなんて!」と「彼女が3人目の仲間!」というのがゴッチャになってしまい、ナニをメインで描きたい話なのか ぼんやりしてしまってるし。
 うーん。


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『わがまま☆フェアリー ミルモでポン!』03.「忍者 ヤシチ参上!」

 顔で笑わせるヒキョーなギャグに、まんまと引っかかり続ける(^ ^)。
基本的に可愛いデザインの妖精達が、みんな白目剥いた怖い顔をするのがヤケにおかしくて。

 少々困った所もあった主人公が、まるっきりマトモな性格になってしまった事、笑いの観点からはちょっと残念。
 苦労して作り上げたケーキ、それをヤシチ(黒幕は安純)に台無しにされたのだから、暴れたって構わなかったはず。
 イイ子だから、被害者の立場に甘んじ続ける主人公、ってんじゃあ「普通」過ぎて物足りない。

 酷いライバル、それに対して負けずにヒドイ所のある主人公、という構図ではなくなったのなら、一方的に悪さを仕掛けたライバルの方が多少は罪の意識を持ってくれないと、まるで好かれないタダ嫌なキャラになってしまうぞ。
 憧れの対象である結木摂も、無愛想ながら性格の良い男の子、にしたいなら、落ちて崩れたケーキに対して何らかのフォローをするべき。
後になってプレゼントを渡すのもいいけど、その前にキレイな所だけでも選んで、ケーキを食べてやる誠実さが欲しかった所。
 彼に負けず猛然と食べ始めるミルモと、慌てながらも感動の楓、「どうしてそんな汚いケーキを食べるの?折角ヤシチに落とさせたのに!」と自らの罪をつい白状してしまう安純(「罪」に対するペナルティーとして、摂に怒られ、一時的に嫌われるとか)、ぐらいの図式に持っていくのが正道では。
 うーん…


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『HAPPY☆LESSON』03.「バイバイ☆さらば不幸神」

 保健室に押し寄せる美人教師目当ての仮病学生達に、「お腹が痛いのなら傷跡も残さずキレイに私が…」と言いつつスラリと日本刀を抜き放つ 三世院やよい。
 彼女が主人公宅に押し掛けたのは、『うる星』サクラさんコンパチなキャラとして、その体に憑いた悪運を払うためだった。
 ははあ、全員、主人公に寄せる好意は同じでも その内容とか質(^ ^)は違う訳ね。

 悪運払いの虐待(笑)にあって漬け物にされ、「いつものようにただひたすらママ達のオモチャにされ翻弄されるパターンで終わっちまってイイのかぁ?いいや、いい訳ねェー!」と、なかなかに自分の立場を理解した発言を見せ、対応策を考える主人公。
 不幸でない所を見せれば やよいも納得して自分には構わなくなるだろうと、無理矢理幸せそうな表情を見せる。
この辺りがヤケにおかしくて、笑ってしまった(^ ^)。

 不幸を払えば、赤い色が無くなるはずの木彫りの人形。
ひたすらな祈祷で体を悪くした やよいを心配し、白く色を塗ってしまう きさらぎ。
 お払いに失敗した事を理解しながら、「みんなの色で染めちゃえば、不幸神なんかどっかに行っちゃうわ」と思い至る やよい。
 なかなかキレイなまとめ方(^ ^)。

 それぞれの先生が個性を発揮する キャラ物としての完成度が高いシナリオ、テンポの良いギャグを詰め込んだコンテ、壮絶に崩したギャグ顔を多用するレベルの高い作画、どれを取っても出来の良いOVA並み。
 フジ深夜枠ぐらいで放送すれば、もっと人気が出る内容だと思うな。



02/04/19(金)

『あずまんが大王』02.「今日も大阪」ほか

 大阪こと春日歩、ってキャラクターは、漫画登場当初は「少々ぼんやり気味」程度だった気がするが、巻を重ねる毎に加速度的に天然度合いが上がって「取り返しがつかない程 ぼーーっとしたキャラ」になってしまった。
配置キャラの性格的住み分けとして そうしたんだろうなあ。
 原作の、誰か時間を戻してー、という ちよちゃんの叫びに、教室の時計の針だけでも戻そうと無駄な努力を見せるボケ加減が好きで(^ ^)。
椅子をガコガコ揺すっているウチに後ろ向きに倒れる、普通考えつかないようなギャグも好き。

 アニメ版。
 トイレでの、手からすり抜ける石鹸との激闘模様(笑)は原作でもあったんだっけ?オリジナル?
何となく、つるつる滑るウナギと格闘しつつ若旦那が外に出て行ってしまう落語のお話と、くわえていたハンカチを落としてしまうオチには、イソップ童話の「よくばりな犬(犬が橋の上から川面に映った自分の姿に向かって吠えて、骨を落としてしまうってヤツ)」を思い出した。

 さすがに監督・錦織博のコンテは巧く、1話よりも2話目の方が確かに「世界」を掴んでいるような気がする。
見ている側の慣れもあるんだろうけども。
 アニメ誌を見ると、かなり才能のあるスタッフを演出に確保している様子なので、今後も期待が出来そうかな。
ワタナベシンイチとか、佐藤 順一にも是非一度コンテを手掛けて頂きたい気分。


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『十二国記』02.「月の影 影の海 二章」

 異世界に到達後、いきなり衣食住の心配など全く無い、テーマパークのアトラクション並みに整備された危機感皆無のツアーを見せてくれた『レイアース』は論外としても(^ ^)、異世界からの案内役が存在するお話として 開幕以降ココまで悲惨な展開を見せ続けるパターンってのも珍しいのでは?

 異世界の事情が全く分からない段階で村人に包囲され、理不尽な理由でオバハンに殴りかかられた主人公が、体内に寄生されている召喚獣(?)の働きにより反射的に刀で斬り返そうとした時、「斬っちゃえ!」とオレがつい思ってしまったのも、鬱屈としたストーリーにその場限りでも爽快感(マイナスの爽快であっても)が欲しかったからだ。
…というフラストレーションを感じさせるのは、このアニメの狙いなんだと思う。
まんまと乗せられてるなあ(^ ^)。
 でもコレ、あんまり長く続けていると客に逃げられやすい手法ではあるんだけど。

 3人での再会を、状況も考えず単純に喜んでみせる男の子、この期に及んでもまだ 異世界に連れて来られた「主」は自分ではないかと考えているイジメられっ子、など、「そんな場合かよ?」な自覚の無さにはリアリティーを感じる。
 惜しむらくは、姿形がかなり劇的に変わったらしい主人公だが、第2話目で変えてしまっては元々のキャラクターデザインにさえ馴染んでいない事もあって、せいぜい「髪の色が赤くなった?」ぐらいの事しか感じ取れない。
ここは、重要な変化なんだったら、もう少し元の姿との差異をきっちり分からせる演出を加えるべきだったろう。

 とにかくパターンに逃げていないため、先が気になるのは確か。
悲惨気味な話の連続に、視聴者の感情的負担がかなり大きいのも確かだが。


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『藍より青し』02.「夕餉」

 素晴らしく基本に忠実で、見ていて心地よく、問題ゼロな第2話。

 主人公の置かれている現状と、過去における葵との関係説明、そして現在、お互いがお互いをどの程度の心理的位置に置いているか、を、現段階として過不足無く描いた。
 第2話目では、コレをやるのが基本。
 でも、それだけやったのでは「設定の説明を見せられただけかよ!」と思われ飽きられてしまう恐れがあるため、眠ると何かに抱きつくというやたら嬉しいクセ(笑)のある葵との一夜や、朝は駅改札まで見送って「いってらっしゃいませ」の言葉を投げかけてくれ 家に帰れば主人公の好きな料理を作って待っていてくれる葵の中に「独身モノの夢」を投影する事で、見てくれる人に、嬉しさ・居心地の良さを きっちり提示。
巧い。

 そうなると、第三話目は そこそこ固まってきた2人の関係に波乱があるべきだろうなあ、と思えば、やっぱり葵びいきで主人公には批判的な少女が介入して来るみたい(^ ^)。

 「基本に忠実」というのは、全然悪い事じゃない。
「基本」を完璧にマスターした人だけに、パターンを外した物語作りや、裏技・アクロバットを行う事が出来る訳で、基礎体力も無いのに無理して「オレはお前らとは違うんだ!凄ェんだ!見た事のないモノを見せてやる!」と張り切ると…まあそこいらの駄作アニメみたいなシロモノが出来てしまう。
 そういう意味で、この作品は大変に好感を持って見ていられる。

 原作者、元々は えっちな漫画も描いていたと記憶。
それが今はフジテレビでアニメ化…
ああ、オレも頑張らなきゃなあ(^_^;)。
 頑張ってどうにかなるモノかどうかは知らないし、考えたくもないが(笑)(泣)。



02/04/18(木)

 くわあああ。疲れた。
 ワニマガジンから、新雑誌「ラブラプ」発売中!
巻頭カラーを描かせて頂いておりますので、店頭でパラパラと、だけでも見て頂ければ幸い。


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『りぜるまいん』02.「独占!大人の時間 !?」

 萌え「だけ、アニメの暴走は続く。
 主人公母が折角りぜるに「何故息子の事を好きなのか?」と尋ねたのに、マトモに応えさせなかったのは、そこに物語の根幹に関わる重要事項が隠されているからなのか、そこは実にどーでもイイからなのか(^ ^)。

 まあ、今回は、主人公父の秘匿してあった あだるとな写真を見た りぜるが、主人公の好みとはコレかと誤解してセーラー服上着ブルマを着用した上 体には亀甲縛り(運命の赤いナワで縛られている、という彼女のセリフと呼応してる)を施すという、視聴者はコレで「萌え」るのか その段階を通り越して拒絶反応を出してしまうのか、きわどいラインの綱渡りをやってくれた所が見所なんだろうな。
 どうでもいいが、この格好、コンビニ売りを主眼とする えっち雑誌の漫画で描く事は絶対にNGだぞ(笑)。
『ペンギンクラブ』だったら100%描き直しだ。

 主人公母の、男なんてみんなバカだけど、バカな所しかない男を掴まされるか、それだけじゃない男を捕まえるかは 女の裁量次第、といったセリフがなかなか深くて結構(^ ^)。


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『ラーゼフォン』10.「追憶のソナタ」

 むうう。
 今回は基地司令官の素性を ちらほらと明かしたので、ハッキリしていない所は各自 想像で補完しておくように。
いずれ出るであろうムック本の解説にて疑問を解消するも可。
…という意向を示してくれているらしい、という事だけは分かった。
 でもねえ、オレはこの司令官に何の興味も抱いてないのよ。

 初登場時こそ主人公との接し方で僅かばかりのキャラクター性を提示してくれたが、その後は実に影が薄く、居ても居なくてもどっちでも良い存在に成り下がっていたような。
 実際、主人公自身も司令官には特に興味を持っていないと思う。
『エヴァ』のゲンドウとは違うのだ(^ ^)。
 その彼の娘がどーしたとかバイオリン演奏がこーしたとか言われても…

 これなら、まずは遙とか久遠、恵でもイイや、をきっちり彫り込んだ方が良かった。
司令官は、当面その「添え物」的存在で十分だろうに。


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『.hack//SIGN』03.「Folklore」

 もう挫けそう(^_^;)
 なるべく現実世界は出さず、ゲーム世界のみの視点で物語を描いていく方向のようだが、それは物語の輪郭を無用にぼやけさせる役にしか立ってないような。
ゲームの世界自体も、よくある設定の割には実感的に感じられず、何をどうしたらどうなるかが分かり辛いし。
 興味を持てない世界で、興味を引かないキャラクター達が、興味を感じない事件に直面しているらしい
うーむ。



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