ときどき日記 02/05(前)


02/05/15(水)

『わがまま☆フェアリー ミルモでポン』06.「恋心、うばわれた?」

 唇に塗ると本心を語ってしまうリップ。
これだけで結構、1話分のネタとして十分な気がするなあ。

 楓は結木が心から好きに決まっている訳で、その間にリップを介在させても無意味…どころか逆効果だろうに、安純。
 楓が 安純に持っているライバル意識とかを結木の目の前で喋らせ、その醜さ、みっともなさを明らかにする事で大きくポイントダウンを狙う戦略を立てれば良かったんだよね(キャラにアドバイスしても無意味)。
 楓が悪意を全て吐き出した後、最後に「でも、確かに安純さんは可愛いしスタイルだって私より全然いい。だから…負けないわ!って思う事で、私ももっと良い女の子になろうと努力するから…もし居なくなったら寂しいだろうな」といったキレイなホンネが残る、ってお話の持って行き方も、あったかも。

 いやまあメインのネタである、恋心を吸い取るアイテム。
これが確かに面白いんで、その前段階に時間を掛ける必要はなかったんだけど。
 好きな気持ちをすっかり無くしてしまう楓、単なるクラスメートとして彼女に扱われる結木、この辺がなかなか切なくて。

 来週、解決編は…恋心を壊されてさえいなければ、「好きな気持ちを更に強くしようと恋心を自らの体内に吸収する安純。だが1人の人間が持てる許容限界を超える恋心に、すっかり行動が変(ストーカーとか)になってしまう」とする展開もアリだったな。
 「古い恋心なんか無くなっても、新しい気持ちが(アイテムによる感情規制すら乗り越えて)溢れる程 湧いてくるから平気」ってのでも。


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『サイボーグ009』29.「青いけもの」

 わあ、うっかりと先週放送分を見ない内に消してしまったらしい。
大失敗。
 VAIO、ハードディスク録画も、便利なようで不便、っていうかオレが勘違いしてデータを消しただけだが。

 それはともかく、今回は「ちょっと前の作品」である原作の009を「今」にアニメ化する、という事の意味が現れた話だったような。
 こうも大上段に、人間を越えた「意志」が地球に害をなすばかりの人間に対して鉄槌を下す、といった物語を描く事、最近ではなかなか無いからね。
あんまり今日的で無いというか、みんな気恥ずかしくて出来なくなってしまったというか(^_^;)。
 もちろん、特に子供達に対しては、語っておくべき、語り継ぐべきテーマだと思うのだが。

 オレは描かないし、描けない…出来る事なら逃げ回りたいと思うテーマだけど、もしかこういったモノを背負った敵と、物語の主人公を対峙させた時には どういう会話を交わさせれば良いのだろうか?
 今回の005のように、「もう少し時間を…」とは言わせられないなあ。
時間なんか、少々あったってダメだろう、と思っているから。
今ある「人間」という概念が揺らぐ程、文化・文明が進化するぐらいまで猶予時間をくれる、というなら分からないけどさ。

 やっぱり…以前も書いたけど、正論を語る敵に対し、後ろ暗い所のある者としては露悪趣味で立ち向かうしかない。
「あーそーだよ、どーせオレ達 人類はどーしようも無い奴らなのさ、ご立派なアンタ達から見ればヘドが出そうだろうよ。悪うございましたねえ。これ以上『善きもの』になんかなれるもんか!これら愚かさを全て含めたモノを『人間』って言うんだよ!気に入らないってのなら仕方ない。グダグダ言うとらんと隙があったらかかって来んかい!お前らの方が強かったら人類は絶滅。でもなあ、もしかオレ達の方が強かったなら、貴様らを絶滅させた上で地球の外にまで乗り出し、宇宙全域をムタクタにしたるわ!わはははは!
こう応えさせるかなあ。
 子供には見せられない、最悪の開き直り方だが(笑)。



02/05/13(月)

『満月をさがして』06.「スタジオの長い日」

 うーん。
コンビニが忙しい両親、店内では子供に声を掛けない、そのために孤独ですっかりヒネてしまう娘、かあ。
 確かに、大手コンビニチェーンなんかだと、店内態度など規則にウルサイ事もあるみたいだけど…
それにしたってこんなに厳格に規則を適用している店は見た事無く、何だかちょっと無理気味。
 両親を家にも帰らない学者バカにするとか、満月と絡めるなら芸能マネージャーにし、仕事が忙しくて…にでもするとか。
 まあコンビニは、題材とするには確かに身近で分かり易くはあるが。
身近であるため余計に「?」と思われる危険性も。

 自分の、亡き両親への想いも込めて、女の子の両親に対し感情を爆発させる満月。
悪いシーンではないけど、ワガママで困った女の子のエピソードをあと一回ぐらい続けてからの方が効果的だったろうし、シリーズ中でもっとはっきり 満月が両親に寄せる思慕の念を描いてからなら、「泣かせ」にさえ出来たろうに。

 女の子のキャラクターがなかなか可愛く描けていただけに、少々もったいない印象。


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 みんな、『F.F.11』は遊ぶのだろうか?
オレはどうも敷居が高くて二の足。

 ずっと、自分が加入しているケーブルのブロードバンドでは参加出来ないモノかと思っていた。
 『F.F.』に関しては、どういう形態でインターネットに繋がっていようと関係ないんだねえ。
確か、「対応会社一覧」みたいなのが雑誌に載っていたもんで、混乱していた。
これは、その他のサービスを受ける際にのみ関係してくるのか。
 常識?
でも、周囲数人に聞いてみても、皆 この事実を把握出来ていなかったぞ。

 PS2に追加するハードディスクが必要、しかもそれは「対応会社」からの通販でしか買えない、というのも面倒臭い。
ゲーム屋で直販もする事になったんだっけ?

 ハードに元々モデムが組み込まれていた事もあり、ドリキャスの『ファンタシースター・オンライン』の方がまだ参加しやすかった気が。
 どうなんだろうなあ『F.F.』。
とりあえず様子見。



02/05/12(日)

 大学生の頃。
もしかしたら人生で最もアニメが好きで、アニメについて色々な事を考えていた時期。
 その多くは愚にも付かない事。
要らない事を考えている間に勉強せえ!というようなしょーもない内容だった。
 それらの中に…
アニメが不得意とするモノは何だろう?ってのがあって、勝手な順位付けで第一位だと思っていたのが「空気」を表現する事、だった。

 「空気」といっても物理的な空気ではなく…
 例えば、木造アパートの一室で、ぼんやり窓の外を見ている時に不意に降り始める雨。
その瞬間に部屋に満ちる「雨」の「空気」。
 単純に「湿気」という事ではなく、降りしきる雨粒によって晴れの時とは違った表情を見せる窓外の風景や、屋根に当たるバタバタという音、それら全てから感じる「雨が降っている時の部屋の空気」を表現する事が、抽象化された映像のみで表現されるアニメでは難しいのではないか、と。
 それはもちろん、アニメに限らず実写であっても表現し辛いモノではあろうが。

 「空気」、そして「気分」。
どうすれば醸し出せるのか、困難な課題に、ほとんど全ての作業を1人で手掛ける事で挑んだ作品…じゃないのかなあ。

 話題作、新海誠 作品『ほしのこえ』をようやく見る。

 思っていたよりもセンチメンタルなお話だったし、思っていたよりも真面目に戦闘シーンを描いた作品だった。
では元々どういう内容になっていると思ったのか、と聞かれると困るんだけど(^_^;)。

 きっと壮絶に絞り込んだのであろうテーマ、それでも25分のアニメでは入りきらず溢れてしまっている。
OVA4本ぐらい、全2時間程度あれば、もっと完璧に色々なモノを消化出来たんじゃないかなあ、と思う。
個人制作では、大変すぎて死んでしまうか。
 もちろん同時に、長編作品(同人的ベースのアニメとしては、とても長編)をほとんど作った事がない人の手によるとは見えない、奇跡的な程 高い完成度を達成した作品だとも思うから、もう少し長ければ、と考える訳だが。

 何よりも「空気」。
 溜息が出る程 美しい背景美術と、レイアウト・画面表現方法選択の正しさにより、難しいと思っていた「雨」の「空気」が見事に醸し出されている事に感動。
 雨に降り込められた思い出のバス停。
そこで、日が差してきながらも雨は降り止まない、「キツネの嫁入り」になるシーンには、はっとさせられた。
そういえばこんな気象現象もあったんだ。
コドモの頃、やたら外に出ていた時はよく目にしていたのに、最近はすっかり忘れていた。
 対比して強調される、宇宙空間の無機質さも上手い。

 なんで宇宙と地球とで携帯電話メール交換やねん?という疑問は無効。
これまた「空気」なんだよね。
リアリティーと言ってもイイ。
メールの交換が、今の時代にとっては皮膚感覚で分かるリアルだから選んだのだろう。
 異星生物(?)との戦争状態が何故必要か、も同じ。
我々(少なくても、オレと同類の人々)にとってそれは、好きなモノ同士を分かれさせる理由付けとして、「親の都合による転校」と同じぐらい身近(^ ^)。

 予告で耳に残った歌声が本編で流れはじめた時…何と言うか、理屈ではなく、ほろりと泣けてしまった。
見ている側の気持ちが、作品とシンクロした…作り手の努力により物語に入り込まされた…ためかと思う。

 とにかく、どの画面にも満ちている不思議に清浄な「空気」がとても気持ち良く、いつまでも見ていたい気持ちにさせられる。
作家性がとても強いアニメ。
 そういう意味でも、DVDによる販売は正しい、何度とない見返しが効くだろう作品。

 アーティストによる歌と同じく、嬉しい時・悲しい時・苦しい時・切ない時、特に好きな女の子と別れていく時にもう一度見ると、感情がフラットな時とは全く違う様相を呈するアニメかも知れない。


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 池袋でレヴォでした。
 いやもう会場は大変な混雑で。
年々人出がひどくなってる気がします。

 ウチのサークルにお立ち寄り下さいました皆様、ありがとうございました。
ヤクザなコピー誌が出ていただけでしたけども。
お陰様で開場早々に売り切れてしまったようです(ようです、ってのは、自分は入場券が足りなくて11時過ぎに入ったため)。
 こんな事なら、もっと作れば良かったかなあ。



02/05/11(土)

 うわーん。
 VAIO、繋げたタブレットを認識しなくなってしまったり、テレビを録画・再生するソフト「ギガポケット」の動作が不安定だったりと色々不都合が発生していたんだけど、今日立ち上げてみたら、いきなり黒い画面に「Windowsのナントカファイルが壊れているので起動出来ません」とか言い始め…
やむを得ずCドライブを全消去してOS入れ直し。
 くわー。
VAIOのせいなのか、WindowsXPが悪いのか。

 おかげで、インストゥールしていた「ComicStudio」も、その他様々なソフトも、消えて無くなってしまった。
 何よりも、レヴォ用に「コミスタ(略称)」で描いていたデータが全部パーになってしまったのが痛い!
くわぁぁぁ!まだプリントアウトしてなかったのに……(;_;)

 泣こうが喚こうが、こうなったら取り返しなど付かないのがデジタルの宿命。
諦めてまた一からだなあ。



02/05/09(木)

 色々締め切りも迫り、レヴォも日曜日に迫っているのでせめてコピー誌でもでっち上げたいとか考えてもいるんだけど…
 申請が通って、メーカーから貸してもらったソフト「ComicStudio」の試験使用。
とにかくコレに時間がかかって、他に何もする暇がない。

 いやあ、面白いねえこれ。
紙の上に描くのには かなりの熟練を要する「集中線」が、誰にでもスイスイ引けてしまうのに感動。
 「紙にペンで絵を描く」、という慣れ親しんだ形式とは、発想を変えて使う必要があるが。

 うーん、まだまだ改良点は沢山あると思う。
何しろ動作が重くて、レイヤーを重ねると何をするにも非常に時間がかかるし。
スクロールさせると画面が消えてしまうのも何とかして欲しい所。
 でも…
昔のフォトショップもかなり使い辛かった。
重くて、データをセーブするだけでも数十分かかったりしたモノだ(それは当時のマシンスペックによる所も大きかったが)。
 このまま進化していけば、漫画を描くツールの、スタンダードな一種として定着するかも。
 いや、まだ全然使いこなせていないオレが何か言うのも僭越か。

 取りあえず、引き続き試用。


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『アベノ橋魔法☆商店街』06.「夜霧の!アベノ橋☆ハードボイルド商店街」

 うーん、普通
弾丸に当たると、ハードボイルド調のキャラクター達から空気が抜けて頭身の縮んだナサケナイ姿になってしまい、この世界の空気からすると「死んだ」も同じになってしまう、というアイディアは大変に面白かったが。

 様々な世界を渡り歩く2人。
その原因が語られたけども…んーー、それはこの際、どうでもいいなあ。
流れ着いた世界のすっ飛び加減で、驚かせ・笑わせるのがこのアニメの主眼だと思うので。



02/05/07(火)

『十二国記』05.「月の影 影の海・五章」

 5話目に至るも明るくならず、嫌展開を続けられる作り手の体力は大したモノ。
 前回も、気のよさそうなオバサンに売春宿へ売り飛ばされそうになり、二次大戦中に異世界に流れてきたジイサンには憎まれ妬まれて役所に通報されと、悲惨な目に遭い続ける陽子。
 そのためにすっかり人間不信となり、優しげな親子がせっかく食事に招いてくれたのにも背を向ける。
 うーん、そりゃそうだろうな。
納得のいく反応。

 逆に、一緒に落ちてきたイジメられっ子・優香は、自分が現実世界からの巻き込まれ型ヒロイックファンタジーの主人公になった気分で、いかにも怪しい誘いにホイホイ乗ってしまう。
 ドラマの流れに沿って見てれば確かに迂闊でアホな女だけど、同じ状況下に置かれ、キレイなお姉ちゃんに「あなたをお待ち致しておりました」というような事を言われたら…自分だって「ああやっぱり」「オレは特別な男だった」「勇者だった」「世界はオレ様が救ってやるぜなどとRPGゲーム・アニメにすっかり毒され切った(そして現実での生活が さえない)人間独特の思考を展開し、喜んでついて行ってヒデエ目に遭う事だろう。
そういう意味ではリアリティーを感じる。

 三人の中で黒一点、というか唯一の男性、浅野郁也。
 陽子に頼りにされ、男としての自覚に目覚めていくか、と思えば…
 そんな情緒不安定の陽子を見捨てて優香に縋り付いて行こうとするが「来んな!」と突き放され、やむを得ず陽子の側に帰って来るも「腹が減った腹が減った」と文句の言い通し。
空腹を満たすためなら、罪もない親子連れに追い剥ぎを働く事さえも肯定。
死ぬ程ナサケナイ。
 ……でもまたコレがリアリティーがあるというか、多分オレはこのタイプだなあと思いつつ見て、身につまされてしまう(;_;)。

 キャラクター的には非常に興味深く見ているのだが、物語の方に、急に主人公達と関係ない勢力の描写が、しかも説明不足気味に出てきて面食らってしまった。
 主人公達とその勢力との関係、それらがドラマにどういう影響を与えていくのか、を自然に理解出来るように見せて欲しかったなあ。


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『ラーゼフォン』13.「人間標本第一号」

 某アニメからのイタダキをあげつらうと切りがないので止めるけども、それでも今回は あのシーンについて日本中から一斉に突っ込まれたであろう。
ゴッドゴーガン(『勇者ライディーン』の弓形必殺武器)じゃん!」
と(笑)。

 まあね、武器のバリエーションはロボットアニメについては ほとんど出尽くしていると思うので、ネタが被るのは仕方ないと思うけども。
 その出現の仕方が、「気が付くと手から出てたので、何となく撃った」というようなモノで、全然力が入らなかったのは面白くない。
 敵の出現、その位置が あらゆる攻撃手段の届かない高々度だという事による歯がゆさ、そこから放たれる精神攻撃、迫る基地壊滅(仲間の危機)のタイムリミットを前にギリギリで反撃する、という構成にすればカタルシスが……いかん、これじゃまるっきりアレだ(^_^;)。
 アレだけど、考えてみれば一応 今回はこういう構成だったんだよね。
面白くないから気が付かなかったが。

 色々な謎について、ほのかに正解が見えてきた気がする…でも、それら全て「ふーん」という程度の感慨しかもたらさず。
「語りたい事」のためにドラマに編み込まれた「謎」ではなく、無理にドラマのアチコチを伏せて「謎」に仕立て上げた、というようなモノだからか。



02/05/06(月)

『あずまんが大王』05.「なつやすみ」ほか

 今回のコンテは、アニメ『シスタープリンセス』の前半(12話まで)で監督を務めた大畑 清隆。

 コピーを使って同じコマを続ける事で独特のリズムを生み出している原作のノリを、バンクを使う事によって再現しようという意図があったものと思われる。
 狙いは…一部成功、ほとんどは それなり、という所か。
でもまあ、原作だって10割 打つ事はさすがに不可能な訳だし、そこそこ面白ければそれで良し。
 手を差し出すといつもネコに指を咬まれてしまう榊。
その後で、何故かちょっと頬を赤らめてその指を舐める仕草を入れ、パターン三度目で、今度は咬まずにネコが逃げ去ってしまい、同じ表情で手に持っていたアイスを舐める、この辺の僅かなヒネリ方が上手い。

 逆に、原作でもオレは一番好きな、ゆかり先生の車に乗った事がすっかりトラウマになってしまった ちよちゃんのリアクション、ここがいまいちインパクトに欠けてしまい、笑えなかったのは残念。
 連続殺人の話をして、「犯人はわたし!」と大阪が言うタイミングも、個人的には馴染まなかった。
 何気ないおかしさを醸し出すのは上手かったけど、「ココで爆笑!」と気負って作ったギャグは滑り気味だったような気が。


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 WOWOWで『パーフェクト・ストーム』を見る。

 監督は、ピントがぼけた映画『ネバーエンディング・ストーリー』や、傑作『エアフォース・ワン』『ザ・シークレット・サービス』などのウォルフガング・ペーターゼン。
 主演は、『ER』『スリー・キングス』のジョージ・クルーニー。

 とにかく、売りである嵐のシーンは凄い!
風が轟音を上げて吹きすさび、巨大な波に船が木の葉のように弄ばれる。
ここいらはさすが『U・ボート』で海の恐怖を描ききった監督だけの事はある。

 が…
物語が実話を元にしている以上仕方がないんだろうけど、とにかく虚しい終わり方をしてしまうのが残念。
頑張って頑張って、努力して努力したんだけども、最終的にはダメでした、って話を見せられてもなあ。
そこまで手に汗握って画面を見ている分だけ、脱力感がヒドイ。
 結局 海は人間の命を飲み込んでいくんだ!板子一枚下は地獄よ!海を甘く見るなぁ!っていうのが『U・ボート』からウォルフガング・ペーターゼンが一貫して描いているテーマだけども(いや、『U・ボート』は人間が人間に負けた映画かな)。

 正直言えば、この映画、大したストーリーがある訳じゃないので、実話を元にする必要なんか無かったと思う。
嘘八百描けばオッケー。
 『アポロ13』でも思ったけど、「事実」の中にドラマティックさに欠ける部分があるなら、「虚構」を混ぜても面白くするのが制作者の義務だろう。
 実際、船の最後の様子なんか、証言者が残っていないのに どういう「事実」に基づいて描いたのか疑問(^ ^)なんだし。
 頑張って、せめて1人ぐらいは生きて帰って来る終わり方にしても良かったと思うな。

 まあ、この映画はディズニーランドの「スター・ツアーズ」や、ユニバーサル・スタジオの『バック・トゥー・ザ・フューチャー・ライド』みたいなもんで、出来れば襲い来る波に合わせてガクガク振動するイスに客を腰掛けさせ、たまに場内横から水しぶきを噴きかけなどして嵐を体感するアトラクションにしていればもっとウケただろう、ってシロモノなんだから、お話についてどうこう言っても仕方ないか。


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 同じくWOWOWの『ダブルジョパディー』を見る。
 監督は知らない人。
主演がトミー・リー・ジョーンズとアシュレイ・ジャッド。

 「誰もが同一の犯罪で二度有罪にはならない」−合衆国憲法修正第5条−
映画タイトルにもなっている、この条文を題材にした映画。
 前半はかなり調子よく進み、夫殺しの罪を着せられて有罪の判決を受け、受刑者となってしまうアシュレイ・ジャッド。
その絶望と、明らかになる事件の全貌を前に、怒りと復讐の念に身を焦がす辺りは「面白い!」と思ったのだが…

 その後、物語は急速に失速
 6年間も刑務所で暮らしながら、仮釈放を受けられたら どうしようかとかいうシミュレーションをまるっきりしていなかったらしい頭の悪い主人公にガッカリ。
せっかく獄中で、元弁護士とか、実際に夫を殺した黒人女性とかと親しくなったというのに、もっと経験談を聞き、法的な知識を身に付けておくべきだったのでは?
 真犯人を前にするクライマックスでも…この状況下で言いたい事はそれだけか?と思わせられるバカみたいな言動を彼女が見せるのに唖然。

 とにかく、シナリオが楽をし過ぎ
 「二重処罰の禁止」を用いてお話を作る、というアイディア段階で全てが止まってしまっており、そこからキャラクターを膨らませたり更にアイディアを詰め込んだり、といった努力が一切見られない。
 上手くすれば、『夏への扉』みたいな復讐モノ(?)の傑作にもなったと思うのに。

 『逃亡者』『追跡者』『依頼人』で、冷静に知的に相手を追い詰めていく やり手のオジサンを演じたトミー・リー・ジョーンズがとても好きで、『ダブルジョパディー』で仮釈放中に逃亡した女性を追う保護観察官を演じてる、と知って そういうイメージを期待した訳だが…ナサケナイ、失敗ばっかりの、しかも無意味にベタベタ甘いダメオジサンなキャラクターになっていて、ガッカリ。
 時間の無駄をした。



02/05/05(日)

『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』14.「油断大敵!7級試験」

 ハナの魔法バンクをフルで何度も何度も見せられ、ちょっと飽きる。
これもテコ入れの一種なのか…?
ただ無駄に時間を費やしているように思えたが。
 お話自体も、あっても無くてもシリーズ全体に影響無いような内容。

 無意味な魔女試験は…まあいつも通りとしても、実験魔女に ひたすら虐待(?)される どれみ達に意味がないし、久しぶりに登場したオヤジーデは声だけではなく人格そのものが変わってしまっており(その場に存在しただけ)、子供達を助けるためとはいえ意志がありそうな食肉植物を消滅させる対応は正しかったのかどうかなど、見応えの無さが炸裂。

 せっかく幼稚園の仲間達と再会するのだから、ハナの外見が成長してしまったため 昔通り仲良く遊ぶ事に抵抗が生じる他の子供達、でも心の中はまだ自分達と同じコドモだと分かりうち解ける、そこからもう一つひねって、そんなハナの中にも確実に成長の跡が見える、といった部分に辿り着くまでを中心に据えると、良かったのではないかと。

 このアニメは、新シリーズになってから あらゆる意味で「子供向け」になっているので、どうこう言う事はないか。


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『ブレンパワード』01.「深海を発して」02.「運命の再会」03.「勇の戦い」04.「故郷の炎」

 チャンネルNEKOで放送が始まった。
本来は、98年にWOWOW有料枠で放送されたもの。
 富野 由悠季監督作品は、「俺にマッチョになれっていうのか?」「(異世界でも)コンビニがあったら(生きて行けるけど)…」など余りにも奇天烈なキャラクターの言動に、1巻目で挫折したOVA『ガーゼイの翼』以外はたいてい見ているんだけど、この『ブレンパワード』は知人に見せてもらった最初の数話以外は未見。

 で、久々の鑑賞…
やっぱり、すっ飛んだ話だなあ(^ ^)。

・巨大なブレンパワードを初めて目にしたヒロイン・宇都宮比瑪は、「この子、優しい目をしている」(目なんかほとんど見えないのに?)という頭がやられたとしか思えない発言をする。

・主人公・伊佐未勇は、親しくもない間柄だというのに比瑪にやたらにキスをしたがる。
その行動は「愛情」からではなく、外人のような「挨拶」の意味でもない、らしく意味不明。
それに対する比瑪のリアクションも異常。

・勇が銃を持っているのを知っているのに、その目の前で平然とブレンパワードのコクピットに入って乗っ取り、振り落とされかける彼にも構わず空高くその機体を上昇させる研究員の女。

・足をほぼ180度開いた格好でミニバイクにまたがり、パンツを全開にして その辺を走り回るカナンという女性。

 などなど、出てくるキャラクターがドイツもコイツも異常性格者ばかりで、初見の際には早々にメゲてしまった覚えが。
 殺意を持って自分を追ってくる元仲間達の存在を知りながら、組織を脱出後、周知(自分の両親がその組織のボスなんだから)の実家に帰り、畑の雑草取りをした後、疲れて家の二階で眠り込んでしまう「緊張感」という言葉を知っているのかどうか疑問な主人公など、戦いも真面目にやっているんだか馴れ合っているんだか分からず、面白くはない。

 でもまあ、今、見返してみるとイイ具合に発酵して来たというか「痛さ」を含めて楽しめる年齢にオレが達したというか、ある意味非常に面白いアニメだとも言えるだろう。
 いや、もちろん突っ込むけど(笑)。


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 有明、東京ビッグサイト東6ホールでドールイベント「ドールズパーティー」があった。

 イベントはそこそこ盛況で良かったのではないかと思うが…
 同会場の四分の一程度なスペースを費やして行われた、えっちゲームのファンイベント『ちよれん祭り』。
 その中で、恐らくはゲームの主題歌・挿入歌・声優さんの歌などであろうモノ(やった事無いゲームばかりなので想像)を、ステージ上 生で歌ってくれるという、ファンには大変に嬉しい催しがあった。
 だが、これら歌や演奏の音量がかなり大きく、ステージが最高潮に達するとドール側参加の我々は、目の前の相手とさえ話が出来ない状態に。

 サークル側と客との会話が一般に薄いコミケと違って(いや、同じ事がコミケで行われても大変だろうが)、ドールイベントでは、結構な頻度でコミュニケーションが取られており、それが疎外される事は楽しみの大きな一部を削り落としてしまう事に他ならない。
…と思う。
 ドールイベント側通路で行き会った知人と、「ちょっとウルサイですね」という話をしていたら、横のサークルに居た見知らぬお姉さんから「ちょっとじゃないよ!もの凄く迷惑!」と言い直されてしまった。

 いやもちろん、『ちよれん祭り』が悪い訳じゃない。
主催者は、「最初から、こういう催し物をやるつもり」で会場を借りたのだろうから。
 両主催者の話し合いの不足、互いのイベント趣旨への無理解、そこから この不幸な事態は発生したものだと思う。
参加者が、「うるさいなあ!」と「俺達が盛り上がってるのに不景気な目で見やがって、気分悪い!」という気持ちに分かれて睨み合う状態など、決して良い事ではないはず。

 人と話をするのに喉を嗄らしてしまった。
次回も こういう形で合同開催をするなら、オレは会場に居ないぞ。



02/05/04(土)

『あたしンち』03.「もうっっ」「父、はっは」

 後半、父親の話。
 ご飯を「おかわり」と言う代わりに、ビール瓶の上やポットの上など、ワザと不安定な場所に茶碗を置いて自己主張する父。
 フロの明かりと間違えて、家族が入っているトイレの電気を何度も消してしまい、その度に非難の声が上がるのが楽しかったのか、しまいにはワザと消し始める父。
 道端に止めてある自転車を、「捨ててあるんじゃないか、だったら拾っても構わないんじゃないか」とワザと考え込み、同行していた家族を慌てさせる父。
 ああ、やるやる(笑)。
オレもよくやる、こんな事。

 コレねえ、やっている本人は「相手を凄く楽しませている、オレって何てサービス精神旺盛で愉快な人間なんだろう」と思ってるんだけど、相手からすると「うざってェ、いい加減にしろよジジイ!」と嫌がられてるだけなんだよね。
全部止めて、いっそ何もしない方がずっと良い。
 …でも止められないんだよねえ、何だろうなあ、生まれ持った宿業かなあ。
我が身を省みて、染みる話だった。

 それにしても、オレはこのお父さん程 ハズした事はやってないでしょ?と救いを求めて宇佐木 恵を見ると、大きく首を振った後、無言の口元で「いっ・しょ」と形作って見せた。
トホホホホ。


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『チエちゃん奮戦記 じゃりン子チエ』01.「拾った財布はなおコワイ!」02.「顔が悪いッ!」03.「秋風にいきなりギックリ」

 あああああ、本当だったんだ!
何処かに書かれているのを読んだ事があったんだけど、劇場版、TVシリーズと制作されてきた『じゃりん子チエ』に、関西でだけ放送された続編シリーズがある、って話は!
 放送圏に居住の方は「何を今更」と思われるかも知れないが、関東では一度も流れた事が無く、アニメ雑誌等でも…ほとんど取り上げられていない作品ではないだろうか?
 それが、キッズステーションで放送され始めた。

 監督は、劇場・テレビ第一作目の高畑 勲から、横田 和善という方に代わっている。
検索してみると…『母をたずねて三千里』で高畑監督の下、演出助手を務め、『宇宙船サジタリウス』(おお!)や『私のあしながおじさん』『メーテルレジェンド』『コスモウォーリアー零』(……)で監督をなさっていた模様。

 で、『チエちゃん奮戦記』。
 強力な原作があるせいか、特に破綻無く、高畑版の前シリーズと違和感なく見られる。
ちょっと、ギャグ要素が強くなったような気はするが。
 39話で終わってしまったそうだけども、別段ここまでの内容に問題は感じない。
放送時間が悪かったため、もあるのかね(TBS系で金曜日夜7時に放送された前シリーズに対し、こちらは毎日放送で土曜日の夕方5時に放送)。

 チエとテツのキャラクター、それからアニメでの声優、中山千夏、西川のりおの演技が好きなんで、全話放送してくれる事を望みたい。


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 レンタルで『キャストアウェイ』を見る。
 アカデミー賞受賞の『フォレスト・ガンプ』もあるけれど、やっぱり『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の、と言いたいロバート・ゼメキス監督。
 主演はその『フォレスト・ガンプ』や、『プライベート・ライアン』『グリーンマイル』のトム・ハンクス。

 お話は、現代版『ロビンソン・クルーソー』。
 宅配便会社で時間に追われる生活を送る主人公が、飛行機の墜落により無人島での過酷な生活を強いられる。

 かなり長い映画だけど、前半の日常描写はまあ置くとして、飛行機墜落時の圧倒的なスペクタクル演出、無人島での苦難と、それを乗り越える主人公の逞しさ、そして弱さ。
さすがゼメキス!と感じさせる巧さで目を離させずに見せきる。
 中盤、完全に一人きりで画面をもたせていくトム・ハンクスも…オレは英語が分からないもんで外人の演技力について善し悪し判断出来ないんだけど、それでも こんな特殊なシチュエイションで、不自然さを感じさせず、緊張感を保持し、セリフを発しなくても心の動きを感じさせる彼の演技は、凄いなあ、と感じた。
 映画撮影中に25キロもの減量をしたらしい役者根性も含め(確かに、後半は別人のような顔になっている)、驚かされるばかり。

 映画は、こうなってこうなったからにはボチボチ終わりかな、という所から更に長く続く。
漂流生活と同じ程、もしかするとそれ以上に、その後、がこの映画で描きたい事だったのだろう。
 見終わって、哀しいような寂しいような、それでいてすっきりと晴れ渡った青空のような、不思議な後味が残る映画。



02/05/02(木)

『アベノ橋魔法☆商店街』05.「絶滅!アベノ橋☆古代恐竜商店街」

 佐藤 竜雄によるコンテで、テンポも良くチョコチョコとは笑わせてくれたのだが…
『彼氏彼女』とかと違って、『フリクリ』やこの作品はストーリーで引き付けようとはせず、ノリだけが全てな作りなので、今石 洋之によるブッちぎりの反則気味ギャグ満載なお話を第3話でもう放送してしまったのは失敗だったのでは?
 アレ以上、を求められても、なかなかそれには応えられなかろうと思うから。

 あるみの、
「まーそーやって自分の好きな特殊な知識だけはやたら詳しいのに学校の勉強は全然出来ヘンで恐竜の模型とか女の子の人形とか家にズラーーーっと並べて地道にウジウジ暮らす嫌味な男になって行くンやろうなアンタ、あー気色悪ィ
という長ゼリフが やたら身に応え、何だかうずくまってシクシク泣きたいような気分になる。
 聖志のごとく、
「えェよ、どうせボク、オタクやからなァ」
と開き直って答えるべきか。


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『フィギュア17』「その声が聞こえますか」

 翔と、2人だけで気球大会に行く ひかる。
安易に考えるとすぐにやってしまいそうな、デートを台無しにするD・Dからの呼び出しも、会場に現れ人々を襲うマギュアも無く、ゆったりふんわりとした2人の穏やかな交流だけで退屈させずに画面をもたせてしまう、往年の「世界名作劇場」並みの構成力・演出力には驚かされる。

 つばさのためにホットドッグを買って来、頬に付いたケチャップを拭うために彼女が差し出してくれたハンカチを きちんと「洗ってから返す」と言い、自分とヒカルを比べて落ち込む彼女に「つばさちゃんは、今のつばさちゃんで、いいと思うよ」と言葉をかける翔。
 穏やかで優しく、どちらかというと女性的とさえ言えるかも知れない彼は、引っ込み思案の つばさにとって、荒々しい「男」を意識させない、比較的楽に付き合える男の子であったろう。
実に納得がいく。

 転校して来たばかりの時、自分に最初に声を掛けてくれたのは翔だった事を伝え、ずっと言えなかった「ありがとう」を口にする つばさ。
 彼女の心に負担を掛けないよう、殊更に明るい口調で「いいえ、どういたしまして」と応える翔。
 いい女の子だし、いい男の子だなあ。
 その2人が描き出す淡く優しい「初恋」が、胸に しんしんと染みて来る。

 …という、キャラクターの奥行きを増していく演出、全ての事物への価値付けの巧みさ、それらがあったからこそ…
ラストの展開には、驚いた。
 「転校」ぐらいのイベントはアリかなあ、と思っていたけども…
青空に吸い込まれるように上昇していく気球が、彼の運命を象徴していた訳か?

 どーするんだろう?
これじゃあ、余りと言えばあんまりだろう。
 まだ、どうとでも持って行けるが…このスタッフのオトシマエの付け方は?


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『藍より青し』04.「同棲」

 むーん…
一途でけなげで献身的な葵は確かに可愛いんだけど…
 もしかしたらこの辺で、「葵ちゃん可愛い!最高!DVD揃えちゃう!」というハマリ組と、「すいませんボチボチお暇(いとま)させて頂きます」という脱落組とに分かれてしまうかも。
 それはやっぱり、ひたすら男の子・薫のために尽くす葵に比べ、薫側が支払う代償が余りにも安すぎるから。

 今回も葵は、自ら契りを求め、雨に濡れたせいか高熱を出してしまった薫を自身の体温で暖め、母親に決然と自分の意志を伝える。
 これだけ明け透けに、懸命に好意を表し続ける彼女に比べると、自分の気持ちさえハッキリさせられない薫は随分と「楽」をしているように見えてしまい、そこで
「物語に完全に入り込み、薫=自分、という観点に立っているため、葵の気持ちを嬉しく受け入れる事が出来る人」

「あくまでお話として見ているため、女の子側にばかり能動的に動かせ 男の子は楽しっ放しの願望充足度が強すぎる作品だなあ、と思えてしまう人」
に分かれてしまう可能性が発生するのだ。

 …せめて、熱を出すのを葵にし、献身的に看病をする役割だけでも薫に割り振ってくれれば、感情的負担が減ったのに。

 お金持ちの葵の実家が用意してくれた瀟洒な洋館に住む事を、全く抵抗無く受け入れてしまう薫も、イイ歳の男としてはちょっと、どうか(実際はボロな物置?に住まされ、お世話係のお姉さんにイジメられる、というオマケは付いて来てるけど)。

 あ、いや、強く言っておくけど、この作り方で全然問題ないんだよ。
実際それで、羨ましい程の成功を収めている作品なんだし。
オレもこういう傾向の話、よく描くしね(^ ^)。
 ただ、より多くのお客様に作品を受け入れてもらうには、男女の、恋愛に対して支払うコストは等価(少なくても、等価気味である方が良いのでは、と思うだけ。



2002/05/01(水)

『天地無用!GXP』05.「暗闇と甘い罠」

 8本腕の種族による その特性を活かした時間差4重「エエ加減にしなさい!」ツッコミに笑う。
それを何度か繰り返す所、警備メカとのチェイスシーンで 仲間達を生け贄に自分達だけでも助かろうとするルームメイトの極悪非道さの楽しさで、てっきり今回は監督・ワタナベシンイチのコンテかと思えば川島 宏という方。
うーん、巧いや。
 脱走した生徒にダメ!の烙印を刻みつけるロボットのスタンプ・ガン。
それが体に付けた模様の実体を、ワザとモザイク処理にして見せない所なんか、『ドッとKONIちゃん』で先生が生徒に加える愛の体罰(笑)にチェックが入り、見せられなくなってしまった事へのセルフパロディーかと思ったのだが。
考え過ぎか。

 ライオン顔(?)の先生。
何だか見ているとTRUMP先生の同人漫画を思い出してしまう。
 そのせいもアリ、このアニメでの描き方が巧いせいもアリで、動物顔が苦手気味なオレでも「コレはコレでイイかなあ」と思え、趣味をげられてしまう感じ(^ ^)。


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『ちょびっツ』05.「ちぃ見つける」

 無心に秀樹が取る動作のマネをし続けるちぃが可愛いのは、親の言葉や行動をマネしてみせる幼児期のコドモの可愛さに通じる感じかな。

 お話とは関係ないが…
 模試の前日、一夜漬けで知識を詰め込もうとしている秀樹。
うん、確かに、オレも高校生時代はこんなだった。
 試験が始まる前、僅かな時間に参考書を読んでいたオレに、友人が、
「そういう姿勢は無駄、というよりも愚かだ」
と話しかけてきた。
 何で?いいじゃんか、そりゃちょっとでも良い点を取りたいってのが人情だろ?と応えると、
「僅かでも成績を上げて親に何か買ってもらいたいとか言うなら別だが、『模試』というのは『今現在の自分の学力はどの程度か?志望校にどのぐらい合格する可能性があるのか?あとどれだけ努力が必要か?』を測るためにあるのであって、事前に一時的に詰め込んだだけの知識がたまたま試験内容に合致してしまった場合、正しい結果が出なくなり、試験を受けた意味そのものが無くなってしまう
たまたまでも何でも点数が取れれば良い本試験とは違うのだ。
お金を払ってわざわざ受けた実力判定で、結果をブレさせる行動を自ら取るのは、愚かとしか言い様がない」
と言われた。
 なーるほどねえ。
そりゃそうかも、と いたく感心した覚えが。
 一般に、一夜漬けの知識はなかなか長期記憶に変わっていかない事だし(^ ^)。

 でも、普段はついダラダラとメリハリ無く勉強してしまうため、「模試」という区切りを設け、それに備えてその前だけでも必死で知識を頭に詰め込む、って行動にだって、特に若い頃には脳が柔らかいため、一夜漬けの内容が一部だけでも残り続けるとしたなら、全然意味がないとは言えないのでは?と最近思う。
 最近思っても、しょうがないけど(笑)。


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 VAIOで音声付き倍速再生が出来る事が分かった。
…と言っても、音声の方は甲高いワヤワヤいう声質になっていて、聞き取るのは不可能。
 ビクターのビデオデッキに搭載されていた音声付き早送りの機能は、例えば「あいうえお」と画面で喋っているモノを、早送りにすると「あいう」までで切る事によって(いやもうちょっと複雑な仕組み)、通常の音質での倍速再生を可能にしており、重宝したんだけど。
 ただ、その代わりなのか何なのかビデオデッキ、本体の負担が凄いらしく すぐ故障し、修理を呼んでも一月後にはまた故障、という気むずかしさを発揮してしまってたのが玉に瑕(^_^;)。

 なので、試しにWOWOW等で放送されていた映画を録画し、倍速で見てみる。


 『クリムゾン・リバー』
 フランス映画。
監督は知らない人。主演はジャン・レノと『ドーベルマン』のヴァンサン・カッセル。

 胎児の格好を取らされ、両目をえぐり出された猟奇的な死体が発見される事から始まる、連続殺人事件。
別々の捜査をしていたはずの2人の刑事はやがて出会い、事件の驚くべき全貌と真相が明らかになっていく…

 って話なんだと思うけど、見終わっても納得出来ない所ばかりで どうにも消化不良。
 倍速で見ていたから分からなかったのか、と思ったが、宇佐木 恵に通常速で見せ、後で話を聞いても やっぱりよく分からない、という事だったから、映画自体が分かり辛い不出来な内容なんだという事で決着。
 結局 影で○○○が糸を引いていた、というトンデモ系の設定。
犯人の正体・動機の意味不明さ。
結末の釈然としなさ加減。
 まあ、フランス映画だから仕方ないか(^ ^)。
何となく、雰囲気とかは悪くなかったのになあ。
 倍速で見られて良かった。


 『オースティンパワーズ・デラックス』
 監督は一作目に引き続いてジェイ・ローチ。
主演も同じくマイク・マイヤーズ。

 下らないギャグ満載で、お話そのものをどうこう言うより、何回笑えたか、という事だけが評価を決める作品。
 タイムマシンになっているサイケな車に乗り込んだオースティンが、開発研究員を何度も轢きかける所、余りにもしょーもなくてコレを「ギャグ」と言って良いのかどうかさえ分からないが、個人的にはツボで笑ってしまった(^ ^)。
 世界征服を狙うドクター・イーブルと息子が みのもんたの人生相談番組みたいなのに出演、コメンテーターに言われた一言に切れたイーブルが、相手と放送禁止用語での罵倒合戦を繰り広げる下らなさにも笑う。
 60年代のファッションも目に心地よく、まあ固い事言わずに ぼんやり眺めて「ははは」ぐらい笑うには、十分な出来。


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『ラーゼフォン』12.「黒い卵」

 もう、謎は飽きたよ(溜息)。
今回なんか、謎謎謎謎謎々、謎ばっかりでお話部分なんかスッカスカだ。
納得のいくキャラクター描写もなく、戦闘シーンの見せ場も一瞬で終わらせておいて、あとはひたすら思わせぶりな「謎」の伏線を引くばかり。

 …この作品が過剰な程お手本にしている『エヴァ』では、マトモに面白く見られるお話が8割から9割、「謎」が1、2割という割合であったから、「ココさえ分かれば全体像が明らかになるのに!」という欲求不満を作り出せ、視聴者の注意力・集中力を喚起する事が出来た。
 でもねえ、『ラーゼフォン』のように「謎」が9割位を占めてしまうと、もうお手上げで「どーでもいい」という気分にしかなれないんだよね。

 そもそもみんな、このアニメが提示してきた「謎」を、きちんと整理して記憶しているだろうか?
オレは自信ないなあ(笑)。
 だから、シリーズ後半に入って、「実はアレはああで、ソレはそうだったんですよ、驚きました?」と得意げに謎解きを聞かされても、「はあ」という張り合いのない返事をする事しか出来そうにない。

 今回、ラーゼフォンのコックピット内に突然 久遠が現れた訳だけど、
「あそこってあんなに広かったんだ」

「『エヴァ』のコクピットがLCL液で満たされているのは、パイロットを衝撃から守るためでありシンクロ率を上げるためかも とか色々想像出来るけど…この作品での中途半端な深さじゃあ、揺れるたびに波立ってうっとおしそうだし イスから落ちたパイロットを溺れさせる役にしか立たないんじゃない?」

「コックピット内に出現した事で久遠は、ここからは死んだりケガしたり、といった外傷を負う危険からは保護されているはずで(溺れる可能性はあるが)、今 彼女を助け上げるよりも、目の前で攻撃を仕掛けて来ている敵を倒すのが先決、なのはコドモでも分かるはずだが、主人公って相変わらず阿呆?
(と言うか、『ラーゼフォンは無敵だから戦闘中にこんな のんきな事していても全然大丈夫なんだよ〜ん』という作り手の油断・傲慢が見えるようで、緊張感が全然感じられない)などなど、様々な疑問が。

 ココに限らず、「謎」なのか「不出来な演出」なのか判断に困ってしまうシーンが多く…
何だか見てて、疲れる。



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