ときどき日記 02/07(前)

02/07/14(日)

『ウルトラマンネオス』02.「謎のダークマター」

 団地の向こう側に奇怪な形の塔が出現。
しかし、それに気が付いたのは子供達だけで、日常に鈍感になっているオトナ達は、塔が昨日はそこに存在したのかどうかさえ覚えていない(興味がない)。
 『ウルトラQ』的なテイストを感じる、ちょっと不思議な導入部で なかなかいいなあ、と思ったのもつかの間…

 ええ?
塔は、ザム星人がダークマター・エネルギーを集めるために作ったモノ?
そのエネルギーで進化(何の進化?)しようと思った?
塔に近づくモノを拘束しておいて、意外にも好戦的な宇宙人ではなかったと言われても…
 で、オレが進化に失敗したら悪いけどカタ付けてくれるかネオス、などと身勝手な事を言い残し、実験に望むが余りにも予想通りに失敗、巨大・凶暴化し、団地をバッカンバッカン破壊し始めるザム星人。
 しゃあないわ、始末してくれ言うてたんやから、そら望みも最期に叶えたらんとな、という訳で、何ら平和的解決への努力もせずパワーでブチのめし惨殺するネオス。
 仲間が片づいたのを見届けて(??)、宇宙船で逃げ去ろうとする その他のザム星人。
戦闘機で追いすがるHEARTだが、それはやり過ぎだろう、というネオスの制止にあう。
 自分の行動が既にやり過ぎなんじゃないか?という疑問は持たないのかオイ?
 何と言うかネオス、好戦的なのか平和的なのか、なーんも考えていないキャラなのか、サッパリ分からない。

 特撮の安っぽさ、最悪な隊員服のデザインなどはおいといても、戦闘機で発進してきた隊長と女隊員の会話。
 隊長「援護射撃だ、大丈夫か?」
 女隊員「軽い軽いゲームとおんなじ、いや、了解」
 …イキナリ隊長にタメ口を叩く神経が分からないし(女隊員が、パートで戦うゲームの達人とか、実は隊長の娘とかいう設定があるならともかく)、恐らくは初の実戦で、しかもネオスの危機を救うという緊迫した状況下にあるというのに、こんなセリフ喋らせるか普通?
このままシナリオに書いてあったのだとしたら…脚本家の頭を疑う。

 お話としても、「子供達だけが不思議な塔の存在に気が付いた」という事をベースにするなら、子供達のウルサイ要請に応えて塔を調べに行った両親の様子がすっかり変わってしまう、それは塔を基地にして、まず団地の侵略を狙う宇宙人の仕業だった、とするとか。
 「ダークマターによる自己改造に失敗した宇宙人の悲劇」をメインに据えるなら、別段その基地をカムフラージュをする必要はない訳で…衛星軌道に出現した宇宙船は、地球に対して一切の敵意も侵略の意図もなく、実験する間だけ滞在させて欲しい、という要請を発信してくる。
次第に明らかになる その無謀とも思える実験内容、その動機付けとなった彼らの母星が辿った哀しい運命、彼らと僅かに心を通わせた主人公だが、実験の失敗により凶暴化した宇宙人の1人を、「戦力」というものを持たないその仲間達から「楽」にしてあげて欲しいと依頼される、とか。

 物語って、思い付いた事を全部入れれば良いってもんじゃなくて、不必要な部分を削り落とす作業が必要。
それを怠ると、何が言いたいのかよく分からない作品、という感想のみ、見てくれた人に持たせて終わってしまうから。

 まあもう他は全部置いても、ラストでガキが言う「オレ、大人になりたくない症候群だな」という最悪にしても酷すぎるセリフだけで、来週以降 放送が継続されていたとしても見る気力を失っていただろうが(笑)。


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 で、来週からは『コスモス』が放送再開。

 ううーーん、賛否両論あるが、オレは主演俳優が逮捕された途端に放送を中断したのは「やむを得ない」判断だったと思う。
 拙速に過ぎたのではないか、みたいな批判が出ているけど、そのまま放送を継続して、最悪 主演俳優の余罪が次々明らかになるような事があれば、『コスモス』単体に留まらず『ウルトラマン』ブランドそのものに深刻なダメージを受ける恐れがあった訳だから。
その場合には、無責任なマスコミは「犯罪者主演のヒーローものを放送し続けるとは何事か!」「子供の事よりも自社の損失を優先する、呆れた企業論理」などと叩いたに違いないのだし。

 主演俳優を訴えた男の子が その訴えを取り下げた(元々無かった?)事と、多分 警察の調べで立証できなかった事により、こうして放免された訳だが…
 そしたら途端に放送を再開する、という判断は、どうだろうか?

 男の子が再度訴えを出し、「やっぱり殴られてました、と言うかそいつ、実はクスリもやってますぜ」などと無茶な事を言い始めたら どーするの?
警察が事情聴取に引っ張ったら、また慌てて放送中止?
そんでコスモスがまたも冒頭で、
「いつもウルトラマンコスモスを応援してくれてありがとう。ムサシが、また急に番組に出られなくなった。彼が次はいつ、みんなの前に姿を見せる事が出来るようになるのか、私にも分からない。分からないったら分からない。そこで、今週から2回に渡って私とカオスヘッダーとの最後の戦いを見てもらおうかと思ったけどそれはもうやっちゃったし(泣)。穴埋めにまたも『ネオス』を流すしかないと思う。放送回数が凄く中途半端になっちゃうけど。っていうかオレに詫びさすのは勘弁してくれよ、オレの責任かよ?知らねーっちゅーのよ。すみません、取り乱しました。まあそんな訳で」
などと語るのか?
 そうなると、ブランドダメージは致命的だと思うが。

 なんかねえ、「そうはならない」確信が会社側にあるのかなあ?それは、主演俳優が役員の前で涙ながらに「無実」の真実を語ってくれたのを人として信用した、なんていう情緒的な理由ではあるまいなあ、などと、ふと考えてしまう。


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『忍風戦隊ハリケンジャー』21.「仮面とナゾナゾ 」

 六の槍、サタラクラ登場。
ふざけているようでありながら、その裏側に驚異的な戦力と残忍さを隠しているようで、楽しい。
 でも、登場エピソードが終わったら、その他大勢に混じってしまうんだろうなあ。


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『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』24.「愛よ正義よ!私たちマジョレンジャー!」

 とにかく作画がキレイで よく動き、ぼーっと眺めているだけでも楽しいお話だった。

 ガングロ女子高生をナチュラルに戻したのは個人的にオッケーだとしても(笑)、テスト用紙を紙飛行機にして飛ばしてしまうのは正義かなあ?
まあ、先生の笑顔と、紙飛行機の折り方を子供達に教えようとするフォローが巧かったので悪くないけど。

 魔法の使用に制限が無さ過ぎとか、これでみんなシアワセになれ、何らのマイナス要素も生じなかったのなら、毎回マジョレンジャーになって人助けすればいい、とか思わないでもないけど、楽しい内容に見ている子供達は大喜びだったのだろうから、まあイイか(^ ^)。


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 掲示板で、通りすがりの好々爺 さんと、くれよん◎ さんから、「円盤皇女ワるきゅーレ」の設定の元ネタは「まじかる☆アンティーク」という18禁ソフトではないか、というご指摘を頂きました。
ありがとうございます。
 うーむ、その方面は特に、100%無知でして(^_^;)。
生きてる限りは勉強だなあ。



02/07/13(土)

『円盤皇女ワるきゅーレ』02.「変身皇女ワルキューレ」

 普通ならコレが1話目になると思うのだが…何故2話目?
今回のお話だって まあまあ派手な事をやっており、最初に据えても視聴者に見放される危険性はさほど高くなかったと思うが。
 いかなる戦略の元にこういう構成を選んだのか知らないが、イロイロ分かり辛かった放送第1話目を思い返すと、あれで見限る客が出る事さえ危惧され、余り有効な手法ではなかったような…

 で。
 ワルキューレと主人公は、ははあ、ワルキューレが地球に降下してきた際に主人公に衝突し、恐らくはその命を奪ってしまった事に責任を感じて、自らの命の半分を分け与える事で生き返らせた、という『ウルトラマン』を思わせる関係にあった訳だ。
 なるほど、その手があったか!
 オレもずっと、漫画用に男女を結びつける絆の設定を考えていたんだけど、これは思い付かなかった。
こういうアイディアがポコッと出てくるかどうかで、その作品の正否が決まってしまうんだよね。
こうして作品化されたモノを見ると「誰でも思い付くネタ」と思えるかも知れないが、ゼロの状態から これを捻り出すのは至難の技。
 ちょっと、悔しい(^_^;)。

 今回のお話は…うーん、とにかく展開を急いでいる印象があり、キャラの内面を描くのは後回しにされているため、面白いと思えるまでは行かない。
なるほど巫女さんかあ、とか、『うる星』弁天ライクな女の子が出てきたなあ、とかぼんやりと思うだけ。


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『わがまま☆フェアリー ミルモでポン!』15.「わるいぞ!ワルモ団」

 もの凄くセコイ悪事しか働けないワルモ団がおかしい。
一応は悪い団体である事になっている彼らが震え上がる計画を、スラっと口にする安純も(^ ^)。
 あちこち笑わされてしまった。


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『ドラゴンドライブ』02.「約束のダイブ!」

 キャラとか設定の地道な足場固めは後回しにし、とりあえず電脳バトルロイヤルに突入してしまう辺りは、原作に準拠しているのかどうか知らないが いかにも「ジャンプ」という感じ!
 天才的同級生、嫌味なライバルを出し、幼なじみの女の子との間にあった果たせなかった約束をバトルに絡めて、視聴者も感情移入しやすい「怒り」で敵を打ち倒していく、なかなか巧い作りのお話。
 さすが「ジャンプ」ブランド作品だなあ(^ ^)。



02/07/12(金)

 20日から、『ウルトラマンコスモス』再開決定、だそうな。
 そうなると当然、『ネオス』は第2話で打ち切り、となる。
 『コスモス』、メチャメチャなダイジェストではあったけども最終エピソードを放送してしまったから…もう新鮮な気持ちでは見られないだろうなあ。
 …どっちの方を、より先まで見たいかは難しい所(笑)。

 主演俳優抜きで再編集を行っていた(代役は立っていなかった?)劇場版も、オリジナルのままでの公開を検討中とか。
こうなると、その再編集版を見たくなるのがヒネた人間の性(^ ^)。
DVD発売の際には両バージョンを収録する、とかして欲しい。
 …とはいっても、『コスモス』の劇場第一作すら まだ見てないんだけど。


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 うわぁ、信じられない…
土曜の朝、テレビ東京などで放送されていたアニメ『ガイスターズ』が劇場公開されるそうな。

 ううううーん…もちろん視聴率が良かったはずはなく、劇場公開をリクエストするファンもそんなに大勢いたとは思えないが…
 これより商品価値があった劇場版『∀ガンダム』だって、恐らくは劇場段階での利益は、出たとしても非常に薄いモノであったはず。
ソフト化した際、熱烈なファンに買ってもらえる事までを期待しての公開だろう。

 『ガイスターズ』にそういう商売のやり方が通じるかどうかは…
まあ、宣伝費をかけず、安易な再編集のみで制作費も安く済ませば、赤字が出る事もない…のかな?
 これよりは、『電童』とか『コメットさん』『スクライド』『ナジカ電撃作戦(^_^;)』辺りを、適当に再編集して劇場にかけた方が まだしも客の入りを期待できそうに思うが。
世の中、不思議不思議。



02/07/11(木)

 テレビで放送された劇場版『ポケットモンスター セレビィ 時を超えた遭遇(であい)』を見る。
 毎度、そんなには高いレベルのモノを見せてくれていない劇場シリーズなので、期待せずに見たが…やっぱり。

 問題は、大きく2つ程。
 今回メインに据えられているポケモン・セレビィが「時を越える能力」をもっている意味がない
 普通、こういう能力を設定したなら、映画全体が「時間テーマ」方向に展開するものだが…
 ロケット団幹部であるポケモンハンターが執拗にセレビィを狙うのは、その純粋なパワー、つまり破壊力が目的のようで。
それなら「不思議の森深くに棲む、怒らせると怖〜いレア・ポケモン」という設定だけで十分だったはず。
 その強さの見せ方も、森の木ぎれなどを体の回りに集めて巨大な姿を形作り、破壊光線を発射するだけで…分かり易いと言えば言えるが、オリジナリティーには欠けるのだが。
 要は、強いだけのポケモンならこれまでの映画で既に出ているので、何らかの特色付けが欲しかった、というためだけの航時能力、って事か。

 2つ目。
 40年過去からやって来た、ゲストキャラ・ユキナリの扱い。
はっきり言うと、このキャラ、出ている意味が無い
 セレビィと分かり合えるのは彼だけ…例えば、親をポケモンハンターに殺されたセレビィに対し、両親を知らないままに育ったユキナリの心がシンクロする、として存在意義を主張するとか。
 でも実際は、正当な主人公であるサトシが、十分にセレビィと交流しているからなあ。
傷付いたセレビィを癒したのなんか、彼らとは何の関係もない、イキナリ出してきた安易な方法で、だし。
彼が居なくてもドラマに影響はない。
 ゲスト…実はオーキド博士の少年時代だった、という事?なのだろうか(^_^;)?
無理ありすぎだが、それがオチ…のつもりなんだろうなあ。
 かつてセレビィを失った悲しい記憶がその心をねじ曲げ、40年後、彼自身がセレビィを狙うポケモンハンターになってしまっていた、とする手もあったかと。
サトシとの友情で、哀しい時の連鎖を断ち切る訳だ。

 まあ、大きな仕掛けが無い分、物語に破綻も無かったのは確か。
ポケモンもそれなりには活躍するし、お子様向けイベント映画、としては、悪いとする程ではない出来なのかも。
 『ドラえもん』では、もうちょっと凝った時間テーマを扱っているのに…とは思うけど。
 いい歳した大人が観るものじゃないな。


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『WITCH HUNTER ROBIN』02.「Addicted to power」

 つまらない訳ではなく、結構面白げな事をやっているのだが、とにかく地味
米TVシリーズの如く、毎回起こる事件に、色々な過去や対魔法使い動機を持つチームが立ち向かっていく、というフォーマットになっていくのだろうか。

 もうちょっと「何か話を見た」感を増量するには、欲望のままに行動する男が欲求に素直な女と結婚しようとしていたが直前で捕まった、とせず、男は全て女のために魔法を使い殺人さえ犯してきたのだが、結局女は男の事をまるで愛してなどいなかった、という虚しい気味のラインにする方法もあったかと。


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『陸上防衛隊まおちゃん』02.「初出動のまおちゃん!」

 えーと、何と言うか、第1話で想像した、大体こんな いい加減な理由で自衛官になったんだろうなあ、という想像そのまんまな、エピソード・1。

 企画のスタートは、「自衛隊」という非常に硬派な存在と、「8歳児」という あやふやでふにゃふにゃな、全く異質な存在を組み合わせて新しいモノを生み出そうとした、って事だろうか。
 しかし、とにかくその世界観自体が「8歳児」の視点のみで語られており、せっかくの「自衛隊」という設定が、『クレヨンしんちゃん』での「春日部防衛隊」程度の硬派さ(^ ^)しか持ち合わせていないため、両者のギャップが生み出す面白さは、これまで感じられていない。
 2話まで見た限りでは、可愛い絵でカムフラージュしているけれど底の方には悪意が、という あさりよしとお先生的世界ではなく、可愛い絵で可愛い世界を展開しているだけなため、何と言うか深夜枠でなく夜6時からでも『どれみ』枠で放送してもオッケーな気が。

 うーん、オレはもうちょっと見るけど、ここまでで「見る価値なし」と判断する人が出て不思議ない。
せめて3話目では何か起こさないと…


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『朝霧の巫女』02.「入学式異変」

 もう、原作にあった「荒れ狂うオヤジ、家族に邪険に扱われる」の爆笑ギャグがまるっきりカットされていた時点で、一気に見るテンションが下がってしまった
 原作の面白い所をことごとく切り捨て、お話は無理矢理なダイジェスト。
何のためのアニメ化なのか分からない。
 これ以上、付き合う意味はないかも。



02/07/09(火)

『G-onらいだーす』02.「メガネとはなんだ」

 メガネの秘密が明らかに、というからどんなもんかと思えば、変身の契機となる『ウルトラセブン』のウルトラ・アイだって訳ね。
 しかし特殊メガネの適合者はともかく、女生徒が全員メガネだという事の説明にはなってないような…まあ、細かい事か(笑)。

 身体検査で胸囲を測る際、メジャーを巻き付ける事で出る胸の質感がなかなか。
ちょいちょいと入るサービスが上手いなあ。
 積極的にノゾキを謀る男の子の姿は、この監督作品には珍しい感じ。
もちろん、不快感を感じさせないサジ加減に止めているのだが。

 ただ、『メイ』では あった「主人公とメイがどうなっていくのかを見守りたい」という、視聴者に見続けさせる動機、みたいなものが弱いので、「敵との戦い激化」「萌え要素増量」「ラブコメ要素添付」「色気サービス当社比2倍に」など、何らかの対策は早急に必要かと。


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『十二国記』13.「月の影 影の海 終章」

 うーん、色々と大きな決心をした陽子よりも、現実世界に帰る事を決めた杉本の方が主人公っぽく見えてしまったのが何とも。
陽子のまっとうな葛藤では、異常から正常への精神的変遷を遂げた杉本にかなわなかった、という事か。
 そうなると、少々シリーズ構成的な問題が…
 いや、つまらない訳ではないんだけど。
極端なサブキャラの方が、優等生的な主人公よりも面白くなってしまうのは、良くある事ではある。



02/07/08(月)

『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』23.「七夕なんてやーめた!」

 ババの友達らしい所を見ると、この世界では、織姫は分類上「妖精」に属するのかね?

 マンネリなデート場所しか提案しない、ダサイ彦星に切れる織姫。
まあ、勝手というかワガママというか。
 しかし考えるに、何千年も前から一年に一度しか逢えず、しかも仲を進展させる事も許されない(のだろう)定めを課せられていては、イライラしてしまうのは仕方ないか。

 星占いで教えられた「ラッキーカラー」と「ラッキーアイテム」が後にちゃんと生きてくる辺り、なかなか考えられた脚本。
特にラッキーアイテムの糸巻きは、それを所持していた訳ではなかったけれども、どれみ自身が糸巻きと化す事で 事件すべてが丸く収まる契機になる、という風に巧くストーリーとして活かしており、感心。

 苦労して織った羽衣と、「みんなと一緒にいたい」という純粋なハナの願いが、織姫の心を動かしていく。
 天界に帰って その後、全てが巧く行ったのか またケンカしたのかまでは描かない、ちょっとオトナな後味を残す、出来の良いお話だった。


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『サイボーグ009』37.「星祭りの夜」

 「こ〜んなちっちゃい頃から」009・ジョーの事を知っているという謎の女の子。
 黒ずくめの悪い男達に追われている、というパターンでは、「少女は資産家の娘。男達はその父親がよこした迎えの者。家に帰るのがイヤでウソを付いていた」と なる事が多いが、さすがにここでそれはせず(^_^;)、少女をタイム・トラベラーに設定。

 蚊に喰われたのか、ペチッと足を叩く少女。
平然と立ち尽くすジョー。
 人間である少女と、今回はサイボーグとしての超能力を取り立てて使わなかった(黒服の男を突き飛ばした力はあるが)ジョーの差異を、このちょっとした動作の違いで感じさせる演出が巧い。

 流星雨の夜の願い。
 少女の力を借り、時を越えて辿り着いた七夕の夜。
 そこで出会った小さな女の子を、「母親」だと分かるジョー。
 いや、圧巻の盛り上げ方!
巧い巧い。
 どうせなら、自分を産んでくれた時点以降の母親に会いたかっただろうが…時間をつなぐのにも条件がある、という事なので仕方ないか。

 作画が全体に原作イメージに近く、ジョーに向かってカメラを構える女の子、のショットは特に、「時を越え続けるウチに、精神年齢が実年齢を遙かに越えてしまった少女」の実体を感じさせる、妙に大人っぽい表情に見えてドキッとしてしまった(^ ^)。

 タイムトラベラーの少女、そして「お母さん」とジョーに言われた時に「えー、なにそれ?」などと台無しのリアクションを起こさず 不思議な表情を見せる少女期のジョー母。
 原作では居なかったトラベラー少女を加えた事で、「少女が内包する母性」を より感じられる話になっていたように思う。

 しかし、クライマックスの短冊に「スケジュールをもう少し(下さい?)」と書いてあったのは…スタッフの悲鳴か(笑)?


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『円盤皇女ワるきゅーレ』01.「天女のいる銭湯」

 うーーん、さほど込み入っている訳でもない設定を、どう見せれば最も分かり辛くなるか一生懸命 研究した、という感じ。
 実際、余りにも唐突な始まり方なので、第1話を見逃してしまったのかと思ってしまった。

 比較的アリガチな世界を見せるのに、まず視聴者に大量の「?」を感じさせ、シリーズの展開と共にそれらを解消していく、というやり方もアリと言えばアリだが…
 その場合、強烈なキャラクターの魅力で まず視聴者の興味を引き付ける事が絶対条件で、そこが弱いと、見続ける価値に疑問を生じさせてしまう恐れが。

 銭湯に宇宙人が同居、という設定は、椎名高志 先生が「サンデー」で連載されている『一番湯のカナタ』っぽいなあ。
町中に宇宙人、は『NieA_7』か。

 皇女が行方不明になったため、ネコ耳宇宙人全員集合で町中を探し回る辺り、「皇女の大切さ」が描けていればコメディーシーンになり得たのだろうが…重要性も明らかにならないウチに騒がれても、疎外感を感じてしまうばかり。
しかも、演出的にも面白い事はやって見せてくれないし。

 特に大きく悪い部分は見当たらないが、凄く良い所も無く。
大量にアニメ作品が放送されている中では、少々弱い印象。
 第1話には、銭湯という舞台を活かした思いっきりなサービスシーンがあった。
これを毎回用意できるなら、それはそれなりな商品価値が発生するかも知れない(^ ^)。



02/07/06(土)

『オーバーマン・キングゲイナー』01.

 WOWOW無料放送日に先行放送された。
 富野 由悠季 御大、期待の新作。

 うーん、サッパリ分からん(^_^;)。
 不明な世界観、不明な用語の羅列、行動動機が不明なキャラクター達。
『∀ガンダム』では分かり易い第1話を作ってくれたので、監督のリハビリはかなり進んだものかと思ったが…『ブレンパワード』辺りに戻ってしまった印象。

 主人公が物語に隷属、というか、監督の考えに隷従しているのが不満。
怒濤の展開に押し流されるばかりで。
 富野節と言ってしまえばそれまでだけど…
オマエはどういう環境で暮らしていたんだ?
それをまるっきり捨ててしまう行動を取った事についてどう思っている?
取り立てて動機も見つからないのに戦えるのは何故?
 分からない分からない。

 でも。
とにかく作画・背景・演出も含む画面クオリティーの高さには驚かされた。
 ビザール姿のようなシベリア鉄道武闘派女性の服装が与えるインパクト(^ ^)、戦闘シーンの迫力、歌い踊る巨大ホログラム歌姫が感じさせてくれる祭りの高揚感、どれも素晴らしい出来。

 賞品を売るための30分の広告枠ではないし、「萌え」勝負のキャラクター商売でもなく、過去に大ヒットした作品の焼き直しでもない。
 「何か」を作り出そうとする、最近では珍しくなってしまったアニメ。
 それが巧く行っているか空回りかはともかく。

 もうちょっと分かり易ければなあ。
濃い富野者でもなければ、この第1話で挫折しかねない。
 本編放送前に、監督と脚本家を呼んで特番を放送していたが、相変わらずというか何と言うか、監督の発言は半分ぐらい意味が分からなかった(笑)。
スタッフとちゃんと意志の疎通が出来ているのだろうか?
オレが脚本家なら、泣きたくなると思う。

 とりあえず、9月からの正式放送を待ちたい。


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『ウルトラマンネオス』01.「ネオス誕生」

 不遇な終わり方をしてしまった『コスモス』の穴を埋めるべく、急遽放送が決まった、元々はセルソフトのシリーズとして展開されていた作品。

 うーーーん、まあ、ウルトラマン。
 「ウルトラマンの第1話を書いてくれ」と言われて、シナリオライターが真っ先に思い浮かべるのは こういった内容のモノだろう。
 余りにもオリジナル『ウルトラマン』と同じで、現代に甦らせる意味など付加されておらず、この第1話単体では別段 見る必要がない。
これを、元々はビデオ・DVDベースで、1話単位のレンタルやセールス展開をしていた、というのが驚き(レンタルは1本に2話収録だったらしいが)。

 嶋田久作が演じる隊長は個人的に なかなか良かったけど(悪役にしても良かったなあ)、それ以外には主人公も含み魅力的な隊員がいる訳でなく、セットは安っぽい、特撮もさして出来が良くない、ドラマは何の引っかかりもない、では…
 この先もお金を払って見て下さい、と言える「売り」は、「懐かしいなあウルトラマン」というノスタルジーに訴えること以外 何も無く、それならDVDで画質もキレイになったオリジナルシリーズを購入すれば十分。

 もうちょっとこう、何らか特色付けるべきでは。
 平成『セブン』がオトナ向けを意識した展開だった…らしいので、『ウルトラマン』は子供にアピールする事を第一義に考え、いっそ主人公を小学生にしてしまうとか。
元気一杯少年がネオスになり、友達の天才少年がセブン21になる事にして、学校生活をメインに友情とか お受験とかを絡めつつドラマを作れば。
全12話ぐらい、十分もたせられたと。
 『ゼアス』が成長途中のウルトラマンだった事から、「神」ではない存在として、物静かな防衛隊員と同一化した、乱暴でケンカっ早いウルトラマンとか。
逆に、頭より行動が先に立つ隊員に、臆病で平和主義のウルトラマン、という組み合わせでも。

 いや、まあいいけど。
一応、来週も見てみるかな。



02/07/05(金)

『SAMURAI DEEPER KYO』01.

 関ヶ原の戦いが終わった、数年後の時代が舞台。
 原作を読んでいないので分からないが…真田十勇士を全員美形キャラにして、ソレ系が好きな女の子をターゲットにするアニメになるのだろうか?

 時代劇とはいっても、現代風のキャラクターが着物を着て刀で戦う、少年漫画リアリティーのもの。
 とにかく頭から色々な事を詰め込んである。
それぞれの情報について理解出来る前に先に進んでしまうため、ストーリーが分からない訳ではないが、面白いとは思えず…

 そして、出てきた狂気じみてる侍が、唐突にモンスターへと変身。
ああ、ああ何だ、こういうアニメか
 夢枕獏『大帝の剣』ぐらいな世界観で、超絶の剣術を使う「人間の」男達と、真田十勇士、及び主人公が壮絶な戦いを繰り広げる話にしてくれた方が良かったなあ。
こんなに素直にモンスターが出てくる作品には少々、食傷気味で。

 うーん、後はもう、キャラクターの面白さをどこまで出せるか、それが勝負。


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『ドラゴンドライブ』01.「眠れる龍」

 月刊の「ジャンプ」で連載されている漫画が原作らしい。
 『ポケモン』『デジモン』の良い所を抜き出し、手際よくまとめた感じ。

 余りにも素直な、別の言い方にすると「パターン通り」なお話で、見ていて驚いた所は、人の家に勝手に入り込んで押し入れを開けるとエレベーター(?)があり、それで地下まで降りた所にデジタル闘技場がありました、という、無駄にすっ飛んだシーンぐらい(^ ^)。
 後発の作品なのだから、ナニガシか もっと大きな「売り」を付加しなければならないと思うのだが…
第1話を見終えた時点では、特に何も感じられないなあ。

 決してつまらない訳ではないし、汎用の設定なので その上にこれから何でも乗せていけるのだろうとは思うけれども。
 まあ…良くも悪くも子供向けかな。


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 レンタルで映画『仄暗い水の底から』を見る。
 監督は『女優霊』『リング』の中田秀夫。

 この監督らしい、気になる映像…閉まったエレベータードアの窓越しに 誰も居ないはずの部屋のドアが開いているのが見えるシーン、給水塔の向こうにチラリと見える小さな影、マンションの天井に次第に広がっていく水漏れの染み…不気味なイメージ作りが実に巧い。

 が。
今回メインであるはずの心霊ネタ、行方不明になった女の子よりも、現実の方が怖く感じられる構成になっているのは問題。
 異常性を発揮する離婚調停中の夫、不愉快なマンション管理人、園児を虐待しかねない幼稚園園長と保母……リアリティーに溢れ実に「イヤ」なこれら人間と比較すると、女の子が行う心霊現象なんか、可愛いもんで(笑)。

 霊がなかなか成仏してくれないのは『リング』と同じ。
現世へ執着させている要因を ある程度 満足させてやれば大抵の物語では、諦めて消えてくれるのだが…なかなか、そうはならない。
 ラストは…うーん、アレで良かったのかどうか。
最後の最後にも、いくらでもショッキングなシーンを挿入出来たと思うが、そうしなかったのは「ちょっと泣かせ」にしたかったからかな?
 涙腺の弱い観客には それはそれで価値があったかも知れないが、ホラーを期待していた向きには少々食い足りない内容になってしまったのではないだろうか。
実際、オレはちょっと物足りない。



02/07/03(水)

『G-onらいだーす』01.「飛び出せ!イチゴ」

 「おお……おお神よ、ココはダメ人間のまち…… !!」(田丸浩史・作『ラブやん』1巻目130Pより)
 って感じ。
 もちろん良い意味で!

 転校してきた元気一杯天然風味な女の子。
 監督が自作『HAND MAID メイ』で使用したキャラ・イカリヤそっくりな侵略ロボットの耳アンテナに、彼女のイチゴ模様ぱんつがひっかかってしまい、学園防衛隊2人が見守る中、その機体をよじのぼる!
 風に吹かれてスカートがヒラッ!
 モニターを注視していた学園理事長の鼻血がブハーッ!
 頭悪い!
 もちろん良い意味で!

 木村真一郎 監督作品は、『HAND MAID メイ』でも『ちっちゃな雪使いシュガー』でもそうだったけど、見ていてあらゆる意味で客に気分の悪さを感じさせる事がない。
キャラクターも皆 心底の悪意を持たず可愛らしいし、作画は一定のレベルをキープ、演出のテンポも良く、とにかく居心地の良い世界を見せてくれる。
 妙なテーマ性や、悪い意味での作家性を主張せず(作家性が無い、という事じゃないよ)、まずその作品を「楽しい」「面白い」「キャラクターに好感が持てる」「商品価値が高い」ものにする事を優先。
これ、なかなか出来ない事で。
 正しくプロの仕事!と思わせられる。

 何故か女子はメガネっ子ばかりの学園、零細下請け侵略宇宙人グループも何故か全員 可愛い女の子ばかり(無表情なロボット少女は人気出るかも)、「こんな事もあろうかと」が口癖の学園科学主任の名前は真田ミオ(『ヤマトよ永遠に』で不遇の死を遂げたサーシャが名乗っていた仮名と同じ)、と、これまた頭の悪さ全開!
 当然、良い意味だ!

 お話の全体像はまだよく分からないけど…まあ、学園生活を展開しつつ、間抜けな侵略者と戦う構成になるのかな。
 今後に期待。


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『陸上防衛隊まおちゃん』01.「日本は自分が守ります!」

 『熱血電波倶楽部』という名前で括られた、30分枠を2分割した番組内の前半15分で放送されるアニメ。
 『ラブひな』で一世を風靡した赤松 健が原作。
 監督も、アニメ『ラブひな』の岩崎 良明。
 シリーズ構成は『スクライド』の黒田 洋介、という、なかなかに豪華な布陣。

 で、内容は…
 「おお……おお神よ、ココはダメ人間のまち…… !!」(田丸浩史・作『ラブやん』)

 8歳児の小学生3人組が、それぞれ陸海空の自衛隊に属し、やたら可愛い姿(今回はネコ)をした侵略者から国土を守る、という、煮詰まりきった徹夜の企画会議で夜明け前に誰かが熱にうなされるように語り出した企画に対して狂躁状態の参加者全員が転げ回るほどに笑い出し「それサイコー」とか言ってしまったイキオイでアニメにしたような お話。

 どぉーかなー、狙いすぎというか何と言うか。
面白くなるかは、企画に注ぎ込まれるスタッフの情熱の総量による。

 泣き虫でどーしよーもない お子様達が、強力無比な自衛隊戦力を使用してご無体な暴走をやらかす内容にする手もあったかと。
 有事に対する法律が過剰に整備された世界にして、迎撃に赴く際には、車も人家も戦車で挽き潰しながら進むとか。
可愛い侵略者を、戦車・戦闘機・潜水艦から発せられる、現用兵器の血も涙もない一斉射撃で仕留めるとか。
 その辺りのギャップが笑いになりそうなもんだけど、魔法みたいなパワーで戦うのなら、『魔法少女まおちゃん』で構わない気が

 そういえばこれ、『おジャ魔女どれみ』の裏返しというかアンチテーゼというか、ある意味そのままな内容になってるね。
 メインは3人組、小学生の女の子で、主人公がドジ、1人は真面目で、1人は大阪弁、ファンタジックな「魔女」に対して「自衛隊」というリアル過ぎな組織を舞台に、上に立つのが『どれみ』のマジョリカ(ババア)に対してジジイ、みんな揃って必殺の「マジカル・ステージ」を使い、ふわふわとした「魔法」に代わる攻撃には国民の血税による国家予算を必要とする。
 意図的にか無意識にか、たまたまかは知らないが。

 スタッフは切れ者揃いだと思うので、この後、何らかの仕掛けがある事を信じて見続けよう。
仕掛けなど何も無いままに続けるのが「仕掛け」、って可能性もあるか(笑)。


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『朝霧の巫女』01.「巫女三姉妹見参」

 その『熱血電波倶楽部』の、後半15分で放送されるのが、これ。
 原作は宇河 弘樹による傑作漫画。

 うーーん、とにかく抜群に絵が上手く、絶妙なコマ運びを見せる原作を、まあまあ無難にアニメ化したと思うけど…
 シリアスかと思えばギャグ、ギャグかと思えばシリアスな変幻自在さが原作の大きな魅力だが、その辺りが巧く消化出来ていない気が。
 原作の、天狗面の男がイキナリ車にはねられる所は、是非欲しかったなあ。
意味ありげな事を呟きながら地中に消えていこうとするその頭を、女の子にグリグリと踏みつけられてしまう所も。

 恐らくは、「そこまでギャグを入れては、アニメスタッフの考えるこの作品のカラーが維持出来なくなる」って事なんだと思うけど、そういう部分があって初めて「巫女委員会」、という普通考えるとあり得ない組織の設立なんかにも、繋げられるのに。

 「原作を素材として使う事で、別の面白さを見せる」なんて考えがあるならいいけど…
単にカドを削って丸くするだけでは、「見ても見なくてもどうでもいいアニメ」になってしまう恐れがある。


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『ラーゼフォン』20.「綾なす人の戦い」

 …TERRAは、そんないい加減な事で綾人を許しちゃうの?
 そして、また玲香の洗脳工作かあ。
っていうか、所属も明らかでない女の子を司令官の一言だけでポンと司令部に置いてしまう防衛組織って、一体?
 久遠の心配は、もう誰もしないの?
彼にその身を託した樹は、綾人を責めていい(責めるべき)と思うが。

 突然 家を訪れた鳥飼 守に対し、さほどの疑問も持たずに受け入れてしまう綾人。
本当に、三歩 歩くと全てを忘れる鳥頭
 彼とシンクロ(?)するドーレムの出現。
 朝比奈を殺してしまったショックから抜け出せないまま、「もう誰も失いたくない!」とラーゼフォンで発進していく綾人。
 その目の前で、TERRAのパイロットを惨殺するドーレム。

 衝撃、そして怒りを感じる綾人。
このままでは被害が広がるばかり。
しかし、朝比奈と同じ事になってしまいそうな恐れから、手出しが出来ない。
 そこに、エルフィの乗機が飛来。
怒りに任せ、ドーレムの機体を引き裂かんとする彼女。
それを、体を張って止める綾人。
 2人の心の亀裂は、広がっていくばかりだった。

 …という話になるモノだと思ったのに。
 なんと、綾人はTERRA・パイロットが死んだ途端に鳥飼の身の危険などサッパリ忘れてドーレムをブチ殺そうとするのだ!
 さすが鳥頭!
 まさかまさか、自分が朝比奈を殺した事に気が付いてない?
それとも、それを今回のドーレムと結びつける知能が不足してる?
 とにかく、バカに描くにも限度があるだろうよ!

 鳥飼、綾人をワナに掛けたつもりだったのだろうが、彼の馬鹿さ加減は計算に入れてなかったらしく、策士、策に はまる、で危うくあえない最期を遂げてしまう所だった。
 ある意味、無敵だぞ綾人(笑)。

 ドコに行きたいアニメなんだか、ますます分からなくなってきた。
少なくても、パイプ椅子に座って苦悩する姿を主人公が晒す事だけは無さそうだ。
…悩める程には、記憶能力を設定してないみたいだから(^ ^)。

 真面目に言うと、監督はもっときちんとシナリオを読んで、全体の構成をするべき。
今のままでは、「監督」という立場の人が居る意味が薄すぎ。



02/07/02(火)

『最終兵器彼女』01.「ぼくたちは、恋していく」

 漫画、『最終兵器彼女』は、凄い作品だった。
 『いいひと』の連載で培ったキャラクター描写の技術を縦横に活かし、戦争…というのでもないな、とにかく街が破壊され、人が死んでいく状況下での彼ら彼女らの行動を、恋愛の推移を核として描いてみせてくれた。

 「兵器」であるヒロイン・ちせの描き方が、実に面白い。
 要は彼女が「兵器」である事は、昔からある「恋愛成就へのハードル」の変形。
「不治の病」であったり「格式張った名家の一人娘」であったりするのと、同じ事じゃないだろうか。
 だから、その改造の理屈は分からないし、彼女が投入される戦線の本当の姿も、最後まで明らかにされない。
そういう事を描く作品ではないから。

 背景となっている戦況。
 自分の街以外の場所は既に戦場になっており、膨大な死傷者が出ている。
でも、その事実は隠蔽され続け、何が起きているのか、何と戦っており、何から逃げればよいのか、主人公達には何一つ知らされない…という状況は、何だか凄くリアルに感じられた。
 現代人の抱いている漠とした「不安」の具体化、だよね。

 気持ちの良い、可愛いとも言える絵柄で、描き出す戦況は絶望的に悲惨。
 悲惨なだけだと読み進むのが苦しくなっていきそうだけれども、とにかくキャラクターがギャグを演じてみせる事が心を軽くしてくれる。
 ギャグを演じたキャラは、次のシーンで死んでいるかも知れないのだが。

 シリアス要素が多すぎても、ギャグ要素が強すぎても、この作品は全く違う姿になってしまう。
この両者のバランスが絶妙というか神業というか、もしかして作者にも二度とは描けないレベルではないかと思うほどに巧く行っていた。

 うーん、この漫画について語りたい事は山程あるのに、言葉に出来ない(^_^;)。
 とにかく、これが第一線漫画家の才能の輝き、というものなんだなあ、と、読んでいる間 ただただ感心し、感動し続けたもんだ。

 その漫画の、アニメ化。
 正直、無理だと思った。
 前述したように奇跡的なバランスで成り立っている作品なので、作者本人がいつかリメイクを考えても巧く行くとは限らず、ましてや第三者の手が入っては…と。

 アニメ本編を見て。
 うん、頑張ってる。
全体に作画が拙いが、崩した顔は かなりイメージに近いし、泣き出した ちせが その涙を両袖でぐしゅぐしゅにふき取る所の動きなんか非常によく描けていた。
 演出も、手際が良い。

 でも…そこまで。
それ以上のものには、まだ成り得ていない。
 …というのは原作ファンの視点であって、アニメで初めてこの作品に接する人は、問題なく楽しめるであろうレベルには達しているんだけど。
 とりあえずもうちょっと見続けてみよう。


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『Witch Hunter ロビン』01.「Replacement」

 『ガンダムW』『ガサラキ』などのキャラクターデザイナーとして有名な、村瀬 修功の初監督作品。

 さすがに絵作りは大したモノで、ビジュアル的には感心させられたシーンが多い。
 ただ、お話が…
ハードボイルドといえばこういう感じなのかも知れないが、イマイチ地味で、爽快感にも欠けているため、結構な数のアニメ作品が放送されている現状で「来週も見よう」という気持ちにさせるには、弱い、という気が。

 独自の世界観とか設定が数多くありそうだが、その紹介は上手くこなして欲しい所。
 続けて見よう。



02/07/01(月)

『ウルトラマンコスモス』最終話.

 やっぱり、「ダイジェスト」としか言い様が無い内容で…
地球を襲ってきていた相手が、悪でも正義でもない存在だった、という『ザンボット3』を思わせるようなラストは、ドラマの流れによっては かなり面白くなったかも知れないだけに残念。
 見た限りでは、展開に疑問符が浮かんで来るばかり。

 ケガの功名として。
最後にムサシに語りかけたコスモスのシーン。
それが、ムサシの姿を映さないままだったために、まるで視聴者に直接語りかけているような格好になっていた。
子供達は嬉しかったかも。

 いずれ、主演役者の問題に何らかの形で決着が付いたなら、本来の姿で全部の話を公開できるとイイね。
 その姿が「傑作」であるか「駄作」であるかは知らないが、とにかく これじゃ製作陣も作品そのものも、可哀想すぎる。


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『サイボーグ009』36.「凍る大地」

 シリーズの流れとは何の関係もないのはいいとしても、一本のバラエティー話として考えたって面白くなく…
何のために作ったんだかよく分からない話。
 キャラクター内面の彫り込みもまだ足りないのだから、事件とサイボーグの誰かを、強く結びつけるぐらいはした方が良いかと。
 本当、シリーズ構成が弱いなあこのアニメ。


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『満月をさがして』13.「ちっちゃなコンサート」

 孤児院でミニコンサートを開くお話。
 仲良しの女の子が引き取られていくのが寂しくて、コンサートを邪魔し続ける男の子。
そこに、自分と英知の過去を重ねる満月。
 切なくて、なかなか良い感じのお話だったけど…

 今、孤児ってこういう形で引き取れるんだっけ?
 昔 よく見たように、引き取り希望の親が孤児院にやってきて、直接 子供を見ながら「あの子がいい」と選ぶ事はできなくなったと聞いたような。
 誰、という指定など勿論ナシに「引き取りたい」という申請を出し、資格の審査をされ、委員会だか何だか、が決めた子供を引き取るのみ、じゃなかったかな?

 そこからすると、ラストで、元々引き取りを強く望んでいた訳でもない夫婦が イキナリ男の子を連れて帰れるとは…
 リアルな話を抜きにしても、2人とも引き取られて今後もずっと一緒に居られるから良かったね、というのは ずいぶんと唐突なハッピーエンドって気がして、どうにも。
 まあ、作品の対象年齢を考えれば間違った終わり方ではないんだが。


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『HAPPY☆LESSON』13.「ウルウル☆秘密見ちゃった !?」

 メガネ委員長をメインに据えた前後編が、5人の先生ママをヒロインと設定する作品の最終エピソードにふさわしいかどうかはともかく。
メガネ喫茶・委員長(田丸浩史・作『ラブやん』に出てきた、メガネの委員長からお叱りの言葉を頂けたりする喫茶店)」の常連になりたいオレ個人としてはオッケー(^ ^)。

 ただ、終わり方が…
 主人公宅の秘密を知り、苦悩した挙げ句に自分の恋心を告白までした委員長の、そしてそれを聞いた主人公の記憶が、電流投網の一撃による記憶リセットにより全て「無かった事」に、ってのは どーだろ。
 元々は最終回に持ってくる予定の話ではなかったそうだが、それにしても。

 最後がこうだとなあ、あちこち面白い部分があったアニメなのに、最終的には「気楽に見られるが、それ以上のモノは何も無い作品」という感想に留まってしまう。



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