ときどき日記 03/04(後)

2003年4月30日 水曜日

『獣兵衛忍風帖・龍宝玉篇』03.「邪恋慟哭」

 獣兵衛と しぐれ一行が合流した事で、ストーリーが一本化され随分と見易かった。
合流に至るには、もうちょっとドラマがあっても良かった気はするが…

 「忍者」と言っておけば何をやってもオッケー、と考えているような(笑)時代考証もヘッタクレもあったモンじゃない化け物軍団の造形・特殊能力は、見せ物的で単純に楽しい。
 幻覚を見せる男を獣兵衛が打ち破った方法が、ちょっとよく分からなかったのは残念。
「北斗神拳に同じ技は二度と通用しない」って事かな?
獣兵衛が敵を打ち破るプロセスこそ この作品一番のキモだと思うので、『HUNTER×HUNTER』富樫 義博先生のように、意表を突く戦法で勝利を収めるカタルシスが欲しかった所。
 テレビアニメの製作状況では、無理な注文なんだけど。

 助けを求める つぶてに対し、「テメエを助ける義理はない」という事で、本当に見捨てて行こうとする獣兵衛が楽しい。
そうだよね、別に彼は正義の味方じゃないからねえ。

 ラストでは、また獣兵衛と一行が別れてしまった。
くっついて離れて、を繰り返すのかな?
 獣兵衛は必ずしも しぐれ達の味方という訳ではないので、場合によっては敵側に付く事もアリ?



『エアマスター』05.「唄え!坂本ジュリエッタ」

 人の話を全く聞かず、恐ろしいほどのマイペースで押していく坂本ジュリエッタが愉快。
この作品のキャラは皆そうなんだけど、それにしてもコレは凄まじく強烈なキャラクターで…今回は1話丸ごと使って彼のキャラを立たせたようなモノ。
 面白いなあ。



『LAST EXILE』04.「Zugzwang」

 謎のロボットに追われる少女・アルヴィス。
彼女を運ぶ任務を受け継いだクラウスとラヴィは、住み慣れた家を破壊されてしまう。
 大損害を被った訳だけど、その怒りを取りあえずの元凶…である少女にぶつけない辺り、人が良いのか大人なのか。

 なかなかに緊張感のあるチェイスシーンだった。
 今回に限った事ではないが、村田 蓮爾先生の繊細でオリジナリティーに溢れたキャラ絵を、しかも週間ペースでよくここまで再現できるなあ、という事にも感心。

 しかしアレだね。
毎回安定してレベルが高く、ストーリーも完全連続モノなため、各話それぞれの感想って書き辛いなあ。
 いつも内容がヘタレていたなら、今回なんか「目が覚めるような出来!」とか何とか絶賛しただろうが。
勝手で、かつ贅沢な話(笑)。



『明日のナージャ』13.「朝陽の中のフランシス」

 一生懸命見ている、とは既に言えない作品になっているのでナニだけど…
 今回のラストでキスに至る心理的・ドラマ的な積み重ねって、十分にあったんだっけ?

 男性視聴者に向けた作品だと、大した理由無しでも、登場する限りの美少女キャラ達が主人公男子を好きになり、パンツ見せる裸を見せる胸を触らせるなど、主人公=視聴者に対する「サービス」を行う。
男は何しろバカだから、その辺 実に簡単(笑)。
 が、女の子視聴者に対する「サービス」は、単純に立場を入れ替えて美少年の裸を見せたりすれば良い、という訳にもいかないだろう(『ナージャ』は年長者に色目を使わず、全く少女向けに作られているという事情もアリ)。
 そういった訳で、女の子の憧れである麗しい王子様的男の子との、夢のように美しいキス、というシチュエイションを「サービス」の位置付けで使っているのかな、とか思ってみたり。



 結局昨日、初めて有明で行われたレヴォには参加できず。
次回はまた池袋に帰るんだって?

 セブンイレブンでムービックの『プリンプリン物語』フィギュアを買う。
食玩…かと思ったが、お菓子は入っていないので、本当にフィギュアのみの箱売り。
 5箱ほど買ってみた所、目当てのルチ将軍は出ず、ガックリ。
いや、他のキャラフィギュアも悪い出来じゃないんだけど、今の部屋の状態で なおキープしておきたい程でもなくて。
 もう1箱、一番重いモノを買ってみたら大当たりだった。
そりゃそうか、頭がデカくて重いんだから(笑)、重い箱で間違いない訳だ。
 ずっしりとした重量感といい、細かい所まで作り込まれた造形といい、ルチ将軍ファンには非常に満足がいく出来。
 なんかますます、彼の出て来る話が見たくなってきたなあ。


2003年4月28日 月曜日

 深夜に放送されていた『機動戦士ガンダムSEED』の(?)特番『ガンダムうぉ〜か〜』
 関西方面では関東より先に放送されており、掲示板で見た方からの感想を聞かせて頂いていたが…
 うーん、言われていた通り、どうだろ こりゃあ。

 『ガンダム』の大ファンであり主題歌・声優出演も果たした西川 貴教氏はともかく、シリーズを知らない、だけならまだしも「全く興味がない」事がありありと見て取れるお姉ちゃんを出すのは…どういう意図?
 『ガンダム』好きな視聴者にとってはバカにされているようにしか思えず、不愉快な印象を与えるだけでは。

 逆に、元々シリーズに興味がなかった層、特に女性客には良い番組だったのかというと、そんな事はなく。
基本的に「大好き!」と表明する人間を「奇異・奇矯な人達」として扱っており、コレを見て「ああ、私も『あちら側』に行きたい」と思う女性など居ないだろう。
 わずかに、Gacktがファンだと表明した所がプラスのポイントかなあ、とは思うが…
「Gacktが大好きな作品を私も見るようにしよう」と考える人も、まあ出てこないなあ。
「彼ったらアニメなんかも見ちゃうんだ、そういう所も素敵」程度に留まるのでは。
Gacktのプロモーション番組じゃないんだから、そんな反応をいくら引き出しても無意味。

 女性客を引き込むのなら、彼女達に人気がある同性、例えば浜崎あゆみ(いやゴメン、芸能界に疎いもんで本当に同性に人気かどうか知らない)にでも、ガンダムに出てくる男の子達の格好良さ可愛さについて語ってもらう、とかすれば、偏見がだいぶ薄らぐのでは。
 もっとも、大物アイドルの事務所としては、大事な商品にオタ臭い匂いが付く事を決して良しとしないだろうが(笑)。

 西川 貴教氏の言動は面白かった。
あるモノをコケにして笑いを取るバラエティー番組としては、それなりな出来。
 でもなあ、『ガンダム』ってのは不況続きで物が全然売れない今日、貴重な、強いブランドだから。
 ヴィトンとかプラダにハマっている女性芸能人を出して その趣味嗜好を笑い、店に入った男性レポーターに「こんなバッグとか、全然興味ない」と語らせては、ブランドを後押ししようという番組としてはマズいだろう。
もちろん、対象となった企業は、番組スポンサーになど付いてくれないはず。
 絶賛・バンザイばかりにしろって訳じゃないが、それにしても もうちょっと、考えて番組を作ってもいいんじゃないか。



『爆竜戦隊アバレンジャー』11.「アバレサイキック。ブヒっ。」

 『ねらわれた学園』など眉村 卓の作品を思わせる、天才を作り出す学習塾で子供達(といっても高校生)を洗脳・強化し、世界の変革を目論む陰謀のお話。

 不正をせず真面目にやり続けても報われるとは限らない、というシビアな現実をきっちり見据えて描いた、意欲的な内容。
 確かにねえ、オレも学校の成績やら受験で苦しんでいた頃なら、侵略の片棒を担がされようが何だろうが頭を良くして欲しかっただろうな。
 でも、いいトコの大学を卒業したといっても、それで一生楽に暮らせる世の中では、既に無い訳だけど。
学歴がどうあろうがポンとリストラされちゃう危険性は、誰にでもあるから。

 番組中では、世の不合理について明確な「答え」を出す事はしなかった。
「確かに今って正直者が馬鹿を見る時代かもね。ズルして上手くやってるヤツも、たくさん居ると思う。…でも止めようよ、だって、キレイなはずの君の魂に悪いもん!
という、何というか無茶苦茶な、理屈になってない言葉があっただけ( ^_^ )。
 でも、それで女の子は納得してしまう。
 この辺が「戦隊シリーズ」の世界なんだなあ。
馬鹿馬鹿しいけど、気持ちイイや。

 メガネ少女による逆転劇。
「飲み込み遅いから まだ効いてなかった」と、成績が悪い=飲み込みが悪い、というのを、肉体的に飲み込んだ超能力発生ダイコンの効果にまで適用してしまう「違うだろ!」な開き直りが楽しい。
 ピンクとピッグを間違えて…まで行くと、悪ノリ過ぎ、って気もしてくるが(笑)。



『仮面ライダー555』14.

 久しぶりに、オルフェノクが近づくとクシャミが出る、という啓太郎の特性(?)が見られた。
今後、これが意味を持つのかどうか、疑問ではあるが。

 さわやかないいヤツであるかに見えるカイザ・雅人がレギュラー入り。
やたらウェットティッシュで手を拭くのは、単なるクセか過去に由来する反応か。
 『あしたのジョー』金竜飛のように、誰かを殺めた経験から「いくら洗っても手に着いた血が落ちない」ように思えているとか?
 井上脚本のキャラである限り、普通に良いヤツにはならないと思うが、果たしてその実体は?

 オルフェノクの裏切り者として処刑されようとする勇治達。
しかし、優しさ・真っ直ぐさ故に非道な者達を殺してきた結花は、意図せず処刑対象から外されてしまう。
 ああ、うん、イイねえ。

 番組開始時の設定からすると普通、巧と勇治達は運命に操られるように対立を深めていく、って感じになるはずだが、仲間にもならないけど憎しみ合う事もなく、いずれ大きな構成の中ではもっと密接に結びつくのだろうが、今はそれぞれ違った話を展開中。
 凄いなあ。
本当、よくこれだけ複雑な内容を維持できる。
天才的だ。
 ここでこれだけ面白がらせてくれているのだから、最終的に全てがキレイに収まるかどうか、なんてのは別に、イイや(笑)。

 川に落とされ流れていく巧と勇治。
『アギト』でも、よく川流れシーンがあったような。
 着ぐるみのまま、かなり高い所から川に落ちてみせるスタントの根性にも感心。

 絶対に面白い。


2003年4月27日 日曜日

『成恵の世界』03.「二人の秘密基地」

 ほのぼのラブコメとして、実にイイ感じの上がりだった。
 個人的なポイント。

1.パソコンのマウスを手に、音声でコマンドを出そうとする成恵。
 カルチャー・ギャップ。映画『スタートレック4 故郷への長い道』で、20世紀の地球にやってきたスコットが同じような事をやってたなあ。
もうしばらく経つと、音声認識コマンドは普通に出来るようになるかも知れないが、今はまだ笑いのネタ。

2.息子(弟)が初めて連れ込んだ女の子が気になり、やたら部屋に顔を出す母と姉。
 よく見るシチュエイションだけど、ふと気が付くと、「そういう親を迷惑に思う主人公」よりも年齢的には「顔を出したがるウザイ親」の立場になっている(涙)。

3.彼女に、自分が大好きな、でも一般受けしそうもないアニメ作品を、折々解説付きで見せてしまう主人公。
 イタタタタタ
やりかねなかったなあ、高校生か大学生の頃、同じような状況に置かれ、部屋にビデオなど見せられる環境があったなら、オレもこーやって相手の気持ちを斟酌する前に「自分が最高だと思うモノを見せたい、彼女にも同じように感じて欲しい(感じるに決まっている)」という困った思いこみで、同じ事をやってしまった可能性が高い。
 でもまあ、こりゃ引かれるよなあ、普通。
 実際には無い、心の古傷がズキズキ痛んでしまう(笑)。

4.そして、見せた彼女の反応。
 アニメの途中を飛ばして個人的にツボな所だけを見せ(ダルい所を略してあげようという好意からだろうが、初見の彼女にはストーリーが分からなくなるだろう)「何度見てもイイなあ」とつい口に出してしまう和人に、
こんなの何度も見てるの?」
と、言うちゃあ ならん事をサラリと口にしてしまう成恵。
 屈折する事なく奇跡的に純粋なまま育った和人だから「エヘヘヘ」と照れ笑いをするだけで済んだが、多少なりとコンプレックスを持つ人間なら、
「ぬゎんだとこのアマぁ!今 何言うたんじゃコラァ!『こんなの』とは どぉゆう事じゃ!もういっぺん抜かしてみぃ!ヘソの穴から手ェ突っ込んで、奥歯(以下略)
というような涙目での逆ギレ状態になってしまう恐れが(笑)。
(注・掲示板情報によると、「ヘソの穴から手を突っ込んで奥歯ガ〜タガタゆわす」という言い回しは記憶違いによるモノで、「耳の穴」「ケツの穴」、あるいは直接「口から」手を突っ込む説が有力なようです)

 自分が一番好きな・大切なモノ、というのは、同時に自分の心の一番内側にまで入り込んでいるモノでもあり、それを否定されると自分の全てを否定されたように感じてしまう。
それは、趣味が「ゲーム」でも「鉄道」でも「オモチャ収集」でも、いや、より一般的な「サッカー観戦」や「自転車」…「スポーツ全般」でも同じ事だろう。
 まあ、成恵の場合、「本当に好きなんだね」という言葉でフォローを入れており、イヤな女、には なっていない訳だが。

 アニメは色々描き方が優しくなっている。
原作では、好きなモノを語る和人を、容赦なく「オタク」呼ばわりだもんなあ(泣)。
部屋にヌードのグラビアなどがある事で、彼を「フケツ!」と感じてしまった成恵の、復讐(?)の意味もある言葉だったのかな。

 SFとかギャグ風味を押さえ、ラブコメ要素を強くした事で、原作とは違うアニメ独自の良さが出せているように思う。
 次回以降、年下のお姉ちゃんとかゲストキャラが増えていく事になると思うが、良さを無くさないまま行って欲しいなあ。


2003年4月26日 土曜日

『機動戦士ガンダムSEED』29.「さだめの楔」

 むー。
先週からの引きで個人的に一番見たかったのは、キラとフレイのその後がどうなったか、なんだけど。
キラはまあ、心が無いから(笑)特に何も感じていない、という事でもイイけど、フレイは色々あるべきだろう。
 思い直して懸命にキラの心をつなぎ止めようとするとか、以前に増してキラを憎むようになるとか。
拠り所を失ってフラフラしている所でサイと顔を合わせ…や、別れ際 キラに抱きつくカガリを見て複雑なモノがよぎる、という描写で更にドラマを予感させる事も出来たかと。
 なのに、何事か思う顔をして立ちつくしていただけかあ。
 時々、フレイをないがしろにするよね。
彼女に何らかの思い入れがある人と、本気でウゼエと思っている人が制作者に居る( ^_^ )?
 まあ、影が薄すぎるサイとか、チョイとシミュレーターで訓練しただけで大活躍できるようになるお兄ちゃんなんかも、相当に ないがしろか。

 戦争に対する甘いカガリの認識を正すお父ちゃんのセリフは、割に良かったと思う。
この程度の事さえ考えずに戦ってきた彼女の単純さは、どうかという気もするが。
 キラと抱き合うカガリ、それを見守る親たちの間に広がる動揺、ってシーンには笑った。
「もしかしてあの子達、兄妹(姉弟?)だと知らないまま、既に…」と不安になってしまったのでは。

 戦闘シーン。
 もう、ひたすらにキラが強くて、緊張感ゼロ。
 この前も、モビルスーツを乗せて飛ぶ足場メカをやられて負けたというのに、そこから何の学習もせず、同じようにやられてしまう鳥頭なザフトパイロット達が愉快。
 一人死んだけど、特に思い入れもないヤツだから、まあいいや。
 キラ…アスランの目の前であっても、ザフト軍のザコパイロットなら これまでもさんざ惨殺していると思うが、ガンダム乗りを殺した時だけは感慨が違っているようなのはどうして?
パイロットとは一度も顔を合わせていないと思うが。
アスランの仲間だったから、彼に嫌われる事を恐れて?
どうも、「制作者が、ガンダムのパイロットを多少なりと特別扱いしているため、それをそのままキラに反映させてしまった」ように見えてしまう。

 キラ、「今は両親に会いたくない」ってのは勝手だけど、何故 自分はザフトのエースパイロット達を遙かに凌駕する戦闘能力を持っているのか何故 技術者達の数年がかりであろう成果をゴミみたいに役立たずにしてしまうプログラムを一晩かそこらで書けるのか、親に聞いてみたいと思わないのかなあ?
 一体どれほどの遺伝子強化が成されたのか、恐ろしく思いそうなもんだけど。


2003年4月24日 木曜日

『ガンパレード・マーチ〜新たなる行軍歌〜』12.「さよならを言う度に」

 ああ、もう終わりなのか。
まだ続くものと思い込んでいた…これじゃ、せっかく紹介を終えた大勢のキャラクター達や、背景となっている特異な設定、伏線めいた様々な物事などがかなり「無駄」な印象になってしまい、勿体ないなあ。

 こうして見終わってみると、このアニメ版で描いたものは「速水と舞の、恋の推移」であった事が分かる。
印象的な出会いから、エピソードを消化していく事で少しずつ絆を深め、最大のクライマックスは「人類を脅かす幻獣との死を賭けた決戦」にせず、「好きだ」の一言を長い逡巡の末に口に出す ラブコメとしての「告白」という「決戦」を終える姿に変えて、描いたのだから。

 戦闘や幻獣の正体なんて、ここでは重要じゃなかった訳だ。
戦死者の描写にしても、「交通事故で亡くなった」あるいはもっと軽く「遠くに転校していった」で置き換えがききそうだったし。
 それはそれで構わないけど…
一応は そういう状況もある世界、という事を踏まえたドラマ作りがもっと成されていると良かったかなあ。
 ラストの告白辺りなんか、ごく普通の学園ラブコメでも同じ作りに出来そうで。
『ガンパレード・マーチ』の世界ならではの特別さが薄いような。

 とは言っても、ラブコメとして後半、良く出来ていたのは確か。
 原作であるゲームが、過剰に突っ込まれた要素の内、プレイした人の好きな部分を中心に楽しむ事を許しているので、こういう切り口のアニメがあっても構わないだろう。

 通常のEDは、歩道の上で待ち続ける舞というシチュエイションであり、ようやくやってきた「誰か」を前に極上の笑顔を見せる彼女でいつも終わっていたが、最終回のみ、その「誰か」が速水であり、舞に応えるように彼もまた、最高の笑顔を見せた所で作品を終えた。
 ここに至るまでの物語だったのだ、という事を示し、キャラクターへの優しい視線も感じさせる、良い終わり方だったと思う。
 面白かった。
欠けた所が無い、と言うと嘘になるが…オレは好きだ、このアニメ。



『宇宙のステルヴィア』04.「がんばります」

 むー…のんきそうな雰囲気、志麻のドジさ加減と、油断すると大ケガもあり得るシビアさ、太陽系に迫る危機の間に、まだちょっと距離があるような。
この先、キャラのパワーで状況をねじ伏せる、あるいはシリアスさの度合いを増した物語になって行く事で、違和感は気にならなくなっていくだろうと思うが。

 『トップをねらえ』を思い起こさせる、外壁に出てのレンズ磨きが懐かしい。
 アリサを始め、志麻の友達のキャラが少しずつ彫り込まれて、当初「その他大勢」だったのに気が付けば見分けられるようになっており、作りが巧いなあと感心。

 公式ページでは、ストーリー紹介の枠が13話までしか表示されないんだけど、まさかそれで終わり?
このペースで あと9回では…どうやって物語を終わらせるつもりなんだろうか?



『ガドガード』02.「欠片(かけら)繋ぎ合わせ」

 ようやく色々と腑に落ちてきた。
 水上の高架を移動する列車の上でのバトルは、絵的に非常に栄えて楽しい。
 相当にマッドな敵役のお兄ちゃん、色気過剰のお姉ちゃん、もちろんヒロインの可愛らしさも含め、キャラの関係は面白く いじれそうだなあ。



『TEXHNOLYZE』02.

 何かの強い意図があって、意味不明であったり、神経にヤスリをかけてくるような「気に障る」描写を続けているんだと思う。
 「萌え」などを免罪符にしない、視聴者に対して挑発的な、悪い言い方をすると「ケンカを売っている」作りで、何らかの勝算が立っているからこそ今は故意に こうしているんだろう、とも思うんだけど…

 オレはもうダメ、挫折。
 小中 千昭氏脚本による、若干路線が似た『serial experiments lain』は、独特なビジュアルが感性に合った事もあり、最後まで見ていられたんだけどなあ。



 わああ、野球延長を忘れていて『エアマスター』が前半しか録れてない!
 更に、VAIOに何が起きたのか、夕方の『マシンロボレスキュー』『ボンバーマンジェッターズ』『カスミン』の録画データが音だけしか無く、映像は真っ暗。
 トホホホホ、泣きたい。
一応、音だけ聞いてみたけど、話の筋だけは何とか分からない事もない、程度にしか楽しめなかったので(そりゃそうだ)感想など書けやしねえ。


2003年4月23日 水曜日

『獣兵衛忍風帖<龍宝玉編>』02.「旅立ち」

 もう一つ、燃え上がるモノがないなあ。決して悪くはないにせよ。
テレビシリーズに、劇場版ほどの演出・作画のレベルを期待する方が無理、とは分かっているんだけども。
 脚本・井上 敏樹氏が同時に手掛けている『555』と似て、開幕当初は強烈な「引き」を見せず、しかも二分化したドラマを展開しているので、ちょっと入り込み辛い部分が。
後々、ここでの蓄積が大きな意味を持ってくるのだろうと信じているが。

 何でもアリの奇抜なデザイン見本市になっている敵忍者(?)のバリエーションは楽しいし(口から連絡カラクリ鳥を飛ばす、モノアイモビルスーツ風巨大忍者には笑った)、獣兵衛が放つトドメの一太刀を表すのに、まず相手の後ろの樽が切れている所から見せるなど、面白くしよう、という意志は強く感じるので、贅沢な注文かね。



『ガンパレード・マーチ〜新たなる行軍歌〜』11.「言い出しかねて」

 最近の、短期で終わってしまうシリーズでは珍しくなく、仕方がない事だとも思うんだけど、今頃クリスマスのネタかあ…

 「仕事上のパートナー」という言葉を中心に、キャラクターの心情変化を丁寧に、コミカルに、そしてシリアスに描いており、大変に面白く見られた。
速水の「忘れられないんだね…」には、画面見ながらつい「ああああ〜バカ」と声が出てしまうほど、入り込まされてしまう。
 ラスト、インタビューに答える舞の表情の巧さ。
「大切なパートナーだ!」と決然と言い放ち、自身の言葉に照れ、そう口に出して言えた事を誇るような表情から、心の殻が取れた恋する少女の顔へと、次第に変わりゆく様を捉える演出と作画には驚く。

 「戦死での退場があり得る学園もの」というムチャな設定の元、手を抜かず真面目にエピソードを積み重ねる事で、重み(説得力)を生じさせる事に成功していると思う。
描きたいドラマにとって障害となる、あるいは関係ない原作ゲームの設定は、何気なくスルーしてしまうしたたかさを含め、実に巧い。
 イイねえ。



『キノの旅』03.「予言の国」

 人身売買・食人と、強烈なインパクトがあった前回と比べると大人し目だったが、地味にブラックな印象を残す話。
 それぞれの国のエピソードは原作に寄っているんだろうけど、よく考えるなあ、と感心させられる。
現代のおとぎばなし、という感じだろうか。

 今回のお話を見て思った事。
 悪い方向への予言をしておくと、当たった時には勿論 問題ない訳だし、外れた場合にも「本当にならなくて良かったじゃないか」と言い張れる。
外したらガッカリされる良い方向への予言より、お得かも。
 天気予報で、「雨」の予報が外れてもさして苦情が出ないけど、「晴れ」を外すと、信じて傘を持って行かなかった人が居た場合には文句を言われてしまうようなもの(「雨」ハズレで、傘を持って行ってたのに降らなかったじゃねーか!と怒る人も居るだろうが、比較的少ないはずだから)。
 さすがに「世界が滅びる」レベルの悪い予言を外すと、人騒がせな!と怒られるかな。
だいたい、そういう予言をしても、外れたら怒られ、当たって実際に滅びてしまったら賞賛してくれる人が残っていない、という訳で、ただ損なだけ(笑)。


2003年4月21日 月曜日

『明日のナージャ』12.「宝探しはロマンチック !?」

 ギャグのタイミングがえらく巧くて何度も笑わせられるなあ、と思えば細田 守氏の演出回だったか。

 ナージャとケンノスケが宝探しに挑む動機は、「優しさ」と「欲望」という相反する心からではあったが、希求する気持ちがエスカレートしていくウチにどちらも見る幻が暴走してしまい、当初の目的を見失って訳の分からないものになっていく。
 そういう二人の心が浄化されていくように、一面の美しいユリ畑で物語を締める、お話の作り方も大変に巧妙で結構。

 この話単体としては問題なく面白かったけども、「身分違いの恋」というようなメインのシリアスなお話への、物語全体が持つ説得力は減ってしまったような気が。
 まあ、今回は番外編という位置付けだったのだろうし、そもそも「旅芸人一座」と聞いて思い浮かべる辛さ・厳しさ・苦しさみたいなシビアなモノは全てスポイルされ、ライトで楽しいばかりの一団にされている事からも、本気で小難しいテーマに取り組もうという事ではないんだろうけど。
 「好きになった彼氏には、そのとき既に彼女が居た」というのと変わらない扱いの障害かな。



『ASTRO BOY 鉄腕アトム』03.「アトム宇宙へ行く」

 成長物、としてアトムを描いており、それはそれで面白い。

 前回の、落下してきたスタジアムの設備から少年を守るスポーツ選手・ロボット、今回、緊急事態に陥った施設を懸命に救おうとしていた採掘ロボット達。
ロボット工学三原則の「ロボットは人間に危害を加えてはならない。また何も手を下さずに人間が危害を受けるのを黙視していてはならない」をきちんと守っているようで、古いSFファンとしてはジンと来る部分が。



『成恵の世界』02.「はじめてのデート」

 原作の、SF方向にもかなり重きを置いた作りと比べ、ラブコメ方面に大きく振れている印象のアニメ化。
 キャラクターの細かな芝居で心情を表す辺りなどなかなか巧く、初デートにかける気負いと、思ったようにいかない焦りと、全てを乗り越える嬉しさが良く出せていて、見ていて楽しい。

 ただ、何というか、ここで描かれる少々のぎこちなさが微笑ましい青春のあり方は、映画『耳をすませば』と近いように思えてしまう。
 ええと…原作はもうちょっと「リアルタイムに青春を送っている人の視線」寄りだが、アニメは「莫迦だった青春時代を回想する視点」になっているような。
説明が難しいな。
ノスタルジー的気持ち良さ風味の加味が多目、って感じか。



『ガンパレード・マーチ〜新たなる行軍歌〜』10.「悲しみよこんにちわ−Once Upon A Dime」

 「不幸の遺伝子」を持つ少女・田辺真紀が、ラッキーになってしまう話。
サブタイトルと、「わずかばかりの幸運と引き替えにビッグサイズの不幸が襲う」という伏線めいたセリフを用い、次の戦死者は彼女か…?とミスリーディングさせる持って行きようが なかなか。

 速水を悪く言う田辺に対し、好意を押し隠している事を忘れ、ムキになって彼の良さを並べてしまう舞。
性格の彫り込みとドラマの積み重ねがあるため、とても気持ちよく見られた。
 いやあ、パターンだろうが何だろうが、こーゆーのはイイね。

 劇中劇『悪い魔法使いと最後の王国』に託して、悲惨な戦況の中、不条理な戦いを強いられている この作品自体を語る、これまたこーゆーのが好きなもんで、楽しい。
 「不幸な身の上を嘆かず、滅び行くものに涙するとは、何と優しい娘だろう。あのような者こそ地上の宝だ」という劇中のセリフ、恐らくは物語全体へ何かの意味を持ってくる言葉だろうが、「不幸な身の上を嘆かず」が、ラストで実家が全焼してしまう不幸に見舞われながらも全くめげない(慣れているため)田辺への伏線としても機能している辺り、巧い。

 出撃のため本番舞台に立つ事は出来ず、お姫様をその場で演じる事は出来なかった田辺に対し、気絶したその身を憧れる男の子に「お姫様だっこ」してもらう、という「救い」を設けて上げる優しい作りも心地良い。
 いやあ、面白かった。



 映画『ネメシス S.T.X』を見る。

 関東地方では特に、冷遇された時間帯に しかも不定期にしか放送していなかった事もあり、『スタートレック・ネクストジェネレーション』の知名度が低いため、その劇場版ではなく、独立した一本の映画であるかのようなTVスポットが打たれているのが切ない、劇場シリーズの10作目。
 監督は、前作『スター・トレック 叛乱』前々作『ファーストコンタクト』と続けてきたジョナサン・フレイクス(ライカーの役者さん)から替わり、『エグゼクティブ・デシジョン(大変面白かった)』『追跡者(割と好き)』のスチュアート・ベアードに。
 脚本は『グラディエーター(うーむ)』『タイム・マシン(未見)』のジョン・ローガン。

 『スタトレ』TVシリーズは、キャラクターの面白さと、「時折」驚くほど優秀なエピソードが見られる事で、好きな作品。
 が、これが劇場版となると途端にレベルが落ちてしまい、ダラダラとした演出・バラけてしまったプロット・無理矢理入れる事でかえってマイナスの印象さえ残す派手な特撮、などなどアラばかりが見え、面白いと思えた作品は少ない。
 という訳で、過剰な期待を抱かず見たが…

 うん、悪くない。
メインのプロットを見失わず、細かなエピソードはその周りに流れに沿って並べ、それなりの緊張感を持たせたまま最後まで見せる、といった、「普通」の映画に求められる条件をクリア出来ているから。
 前々作『ファーストコンタクト』なんかだと、せっかくの題材の面白さを、宇宙と地上のエピソードが完全に乖離してしまっている事で物語への求心力を壮絶に低下させてしまい台無しにする、初歩的だが致命的なミスを犯しており、それと比べると雲泥の差。
 とは言っても、「傑作!」とまでは言えないんだけど。
前後編2時間で放送するテレビシリーズの一本、と考えるなら、まずまずぐらいな出来ではある。

 物語は…非常に簡単にまとめると、ピカード艦長が自らの「影」である若かりし頃の姿をしたクローン・シンゾンと対決する、というもの。
 もうちょっと、相手が普通の敵ではなく自分のクローンである、今回の特殊性を活かしたドラマが見られると良かったかなあ。
 ほぼ同じ思考形態を持っている事で(実際には成長時の条件が全然違ったため、同じではなかったみたいだけど)互いの戦略が読めてしまい、ギリギリの駆け引きが生まれるとか。
若さ故の傲慢さ残虐性を見せるシンゾンと、数多くの修羅場を踏んできた事で老練・老獪さを身につけたピカード。
その差が勝敗を分けていく…という所が見られると、好みだった。
 全体として、シンゾンに魅力が足りなかったのは残念。

 ロミュラン帝国。
あんなに簡単に支配階級が替わってしまって良いのだろうか?
まあ、内紛の多い所みたいではあるが。
 どうにも、『スタトレ』世界でのクーデターは簡単に達成可能な傾向にあるようで、少々安っぽくもある。
 この映画は、帝国の後ろ盾を得なくても展開出来た話のような…

 ここから、終盤のネタに触れるので黒文字。

 とにかくラスト、データの最期が、ねえ。
何というか、「ドラマの必然としてここで死ななければならない」というより、
「最後に死なせたい、という制作側の都合に合わせて殺した」ように見えてしまい、醒める。
 『カーンの逆襲』におけるスポックの最期にしても、「無理に殺してるなあ」と思ったヒネた客だから(笑)。
 思えば『ネクスト・ジェネレーション』なら、ターシャ・ヤーが殉職するシーンもビックリするぐらい無意味な死だった。
アレは俳優さんの都合による降板のため作ったエピソードらしいが…
何となく、「死」で盛り上げるのが巧くない、もしくは日本人の感性と違う盛り上げ方をしてしまうのか、とも思う。
 今回のシナリオには連名でデータ役のブレント・スパイナーもクレジットされているので、ご自身は納得している…んだろう、多分。
 データは好きなキャラだった事もあり、オレはとてもじゃないが納得出来ないけど。
 まあ、データの持つ情報をコピーした同型機が残った訳で、もしかシリーズが続く場合には、人間的になりすぎたデータに替わって、彼が再び「成長」の面白さを見せていく事になるのだろうか。

 全体に、『スタートレック』好きなら見ても損はないと思う。
歴代の映画の中では、確かに出来の良い部類だし。
 そういう事に何の思い入れも持たない人は…無理してまで見る必要はないかな。

 とりあえず、これで『ネクスト・ジェネレーション』ピカード達のお話は終わり、という事になっているそうだけど、そーすると次は『ディープ・スペース・ナイン』を映画に?
あの、納得がいかないラストのその後を描く?
もしくは『ヴォイジャー』かな。
一気に『エンタープライズ』って手も?
 どちらにしても、『ネクスト・ジェネレーション』より更にマイナーだから、少なくとも日本での観客動員数はもっと落ち込みそう。


2003年4月20日 日曜日

『機動戦士ガンダムSEED』28.「キラ」

 2回も総集編を放送した後だというのに、またも回想シーンが長〜いお話だった。
 見えている限りの作画クオリティーは落ちていないと思うが…逼迫しているのは作画スケジュールではないのだろうか?
脚本段階で やたら時間がかかっているとか?それにしてはムニャムニャ…

 仲間達が家族との対面を果たす中、迎えに来る人もないフレイと、自ら再会を拒否したキラ。
 「利用価値」でキラを計り、「愛している」フリをし続けてきたフレイと、自分を受け容れてくれる人間に飢える余り、「愛されている」と思い込んだ(思い込もうとした)キラ。
感情を揺さぶられる事で互いの本心を再認識してしまった彼らは、もうこれ以上 関係を続けられない事を悟る。
 二人のやりとりは、こういう事だったんだと思う。
ここ、上手く行けば非常に面白いし深いシーンになったと思うが…
それには大変に高度な作劇技術が必要であり、ここまでのシリーズ中でのキャラ的彫り込みが不足している事もあって、もう一つ満足のいく出来にはなっていないような。

 チョイチョイとプログラムを組み直しただけで、オーブ技術陣が長い努力の末に組み上げた(のであろう)OSを遙かに超える、高機能でしかもナチュラルでも操作可能なOSを作り上げるキラ。
どれだけ超人なんだよ?
そんなに簡単に書き換え出来るのなら、ストライクのプログラムも直して誰でも乗れるようにし、フラガに替わって操縦してもらえば、イヤな戦いから逃げられるのでは?
 何というか、ツッコミ所一杯。

 ガンダムの性能からすると、オーブの方がザフトよりもモビルスーツ本体の開発技術的には先を行っている、少なくとも同程度ではあると思われる。
と、すると、コーディネーターの優位性って「プログラム技術」に限られるのか?
 砂漠での戦いで、ザフト・ガンダムパイロット達は状況に応じるプログラム変更が即時には出来なかった。
超・プログラマー能力を発揮出来るのは、キラの個人的特性?
 分からない事が多いなあ。
それは、「謎」として故意に伏せられている事ではない…んじゃないかと思うんだが。

 ニュートロン・ジャマーがあるはずなのに、オーブはいかなる動力源を用いて文明的な生活を維持しているのか。(掲示板より・地熱発電だそうです)
太陽発電衛星からのエネルギー供与?普通には水力・火力の併用かなあ。風力や潮汐発電もアリかも。
 そもそもザフト側にニュートロン・ジャマー技術の基礎を提供したのはオーブ。
従って、その稼働を疎外する技術も既に所有している、とか。
 ザフトのモビルスーツや戦艦の技術も元々はオーブからもたらされたモノ。
 先進のテクノロジーとコーディネーターの戦闘能力が噛み合い、当初のオーブ側の目論見よりもコーディネーター側が「勝ちすぎて」しまったため、急遽ナチュラル側に提供する事にしたのがガンダムとアークエンジェル。
 オーブは、経済的・勢力的なメリットを求め、両陣営の戦いを出来るだけ長引かせる狙い。
『銀河英雄伝説』における極悪商人勢力・フェザーンのごとく。
 …というのはどうか(笑)。



『ガドガード』01.「同じ空をみていた」

 作画は良好。雰囲気も悪くない。
 でも…第1話は、もっとスッキリさせられる内容を、殊更に時間がかかる形式にしている気がして余り感心しなかった。
 もうちょっと見てみないと何とも。



『TEXHNOLYZE』01.「STRANGER」

 何というか、逆に絶賛してみたくなる(笑)ほどに、意味不明で退屈なアニメ。
途中で飽きて、画面すら見なくなってしまった。
 どの辺を勝算として始めた作品なのだろうか?
大量に始まった新作の中では確かに異彩を放っているが…マイナス方向に放っても、商売にはなり辛いような。

 一応、第2話も見てみようかと思うけど、冒頭5分ぐらいが同じような調子だったら…そこまでかな。
 「電波」方向に振れた小中 千昭氏 構成作品は、シリーズを最後まで追い続けても、第1話を見た時の感想以上のナニモノも与えてくれない事が多いから。



『獣兵衛忍風帖・龍宝玉編』01.「かくれ里無惨」

 大変に面白かった川尻 善昭 監督作品、『獣兵衛忍風帖』を元にするシリーズ。
 川尻監督は監修となり、佐藤 竜雄氏が『ステルヴィア』と並行して監督を務める。

 内容は…うーん、石川 賢。
離れた相手を切り裂く太刀筋には『虚無戦史MIROKU』の主人公を思い出してしまうし、体内に子供を溶け込ませている女はまるっきり『魔獣戦線』のシャフト博士。
 石川先生のルーツを更に辿ると山田 風太郎辺りに行き着くのかも知れないが、そちらは未読なので。

 クオリティーが低い訳でもなく、そこそこ楽しく見られたけど…佐藤監督作品だけに、「もうちょっと」を期待してしまうなあ。
 とりあえず見続けよう。


2003年4月18日 金曜日

『ボンバーマンジェッターズ』29.「大きな星のメロディ」

 ラーメンの食材を求めて訪れた巨人の惑星でのドタバタ。

 シロボンの想像中に現れ、色々と提案をするルーイ。
最初は、心の中の良心と悪意を象徴する天使と悪魔、みたいな存在だったが、次第にその枠を超えた提案を行い、物語に積極的に絡んでくる。
このエスカレートぶりが自然で楽しく、笑う。
 お話としては、本物のルーイを連れてきていても別段構わない内容だったと思うが、想像を表すモワモワの枠でシロボンのホッペを引っ張る、というような馬鹿馬鹿しいノリはそれじゃ活かせないからね。

 巨人女の子の飼っている猫が、非常に巧く使えているのに感心。
 シャウトに興味を持って女の子の家まで連れて帰る きっかけから始まり、好奇心の旺盛さ故にムジョーを飲み込んでいた、という事で途中から敵が現れる展開をギャグとして消化、猫そのものをモンスターに変身させてのバトル、二階から落ちた猫を男の子が助けるラストまで、完璧な使いこなし方。
 バーディを助けてくれていた男の子。
何のために出したのか?と思っていたが、引っ越してきたばかりで友達が居ない少女への「救い」を設ける目的か。
 よく考えてあるなあ。

 子供が見て喜ぶだろうコミカルな お話だったけど、カッチリした構成と演出のテンション、微妙なヒネり方によって、いい歳の人間が見ても十分面白い内容になっている。
 スゲエ。



『妄想科学シリーズ ワンダバスタイル』02.「H2CO3にカンパイ!」

 下着と靴下のみで大気圏突入を果たしてしまう美少女アンドロイド・キク8号のインパクトが素晴らしく、それだけで今回はもうオッケーかな、という気分。
 彼女、軌道上に浮かぶ人工衛星群に「お姉様達」と呼びかけており、この世界では衛星に一々 彼女のようなアンドロイドが乗せられているのかと思ったが、キク8号自身が「技術試験衛星」というメンタリティーを持たされている様子。
分かったような分からんような設定だけど、「売れない」という事で全てを否定されてしまった元アイドル達が開き直って何でもやって(やらされて)しまう、ってえ設定だって なかなかのモノだから、別にイイや。

 ペットボトルロケット打ち上げの加圧促進剤としてラムネの錠剤と梅干しを積み込むのは…科学的に笑えるネタなんだろうかどうだろうか?
 大気圏突入の際に高熱が生じるのは大気との摩擦による、と、何の疑いもなく信じていたぐらい科学に弱いオレには、よく分からない。
『アバレンジャー』で「断熱圧縮」(こちらのF8が詳しい。オタキングも5/27の記述で触れておられる)という言葉が出ていたという掲示板での宇津見さんの書き込みを読み、調べてみなければ、ヘタすると生涯 勘違いしたままだったろう。
 人生、死ぬまで勉強。
(追記・掲示板で、高熱を発する要因としては やはり摩擦熱もある、断熱圧縮だけではない、と教えて頂きました。本当に、人生って勉強だなあ)

 自分にしか見えない、筋肉質でかわいげのカケラもない妖精にこだわる あやめ。
彼女を追ってロケットまで飛んできた妖精達が、三段ロケット的に次々と下の妖精を切り離しながら飛翔を続ける辺り、馬鹿馬鹿しくて笑ってしまう。

 毎回、常識的ではない方法で月を目指す話を展開するのかね。
ワンクールだとしても、そんなに方法、あるかなあ?


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