ときどき日記 03/05(前)

2003年5月15日 木曜日

『カスミン』58.「カスミ、合体する」

 古いモノ達がヘナモンになる、という考え方からすると、当然こういう展開もあってイイ、オモチャヘナモンが大挙して出てくる話。
 …というかまあ、監督・本郷みつる氏が『クレヨンしんちゃん』監督当時に展開していた、ヘタな本格ロボットアニメよりも面白く迫力がある劇中劇『カンタムロボ』に相通じる内容。

 『トイ・ストーリー』バズ・ライトイヤーのように、「ヒーローだ」という自覚のみあって、実際は悲しい程に「ただのオモチャ」である自分に気が付き、それでも強くあろうとするような「イイ話系」かと思いきや、「番外編的扱いって事で好き放題やってみました」話(笑)。
 葛藤とか諦念とか新たなる希望とか、そんな しち面倒な事は放り投げておいて、ドコに居たのか仲間のロボット達がピンチに駆けつけ、自分たちをよく知らないカスミン相手に、
「よい子のみんなは(自分たちの活躍を)見てたはずだ!」
「もしかして、その少女はよい子じゃなかったのか?
などと、非難がましく語る悪ノリを演出。
危機一髪の場面でも、カスミンに「超絶合体!ノリモノダー」と叫ぶ事を強要。
叫ばないと合体「出来ない」のではなく、合体「しない」という妙なこだわりを見せる。

 最後に宇宙へと旅立ったノリモノダー達は…
まあ、そこいらあたりに落っこちてスクラップになったんだろうなあ。
 いや、根性があればオモチャだって第1宇宙速度ぐらいは出せるか?
頑張れば、そのまま第3ぐらいまで加速して、太陽系外へ行く事すら可能かもね。
 人生、気の持ちようだ!



『キノの旅』05.「レールの上の三人の男」

 レールを磨き上げる男、取り外す男、再度敷設する男と、彼らに語った「仕事をしなくてもいい国」のエピソードは、「労働(あるいは人生)の意味」という事でくくれるのかな。
 多数決で何でも決めてしまう国は…うーん、まあ「意味」を問う内容ではあるけど、それを言ったら この作品のほとんどのエピソードは「意味」を問いかけている訳で、30分、どういうテーマで並べたかったのかよく分からない。
 「意味は無い」って事なのかな?
 「やりすぎは美徳とは言えない」?
 「やりすぎてもイイけど、やりすぎている事に気が付いてはイケナイ」とか?

 この作品は、「作品単体の面白い・つまらないという価値」よりも、「作品を見終わった時点で、どれだけの事を自分が感じ、考えたか」が「価値」になる作り。
 だから、「下らん」と思い そこで思考をストップしてしまう人、あるいは 「このアニメ程度」を契機として思考を巡らす事に抵抗を感じる人には、酷く価値が薄い。
 オレはこれ、見終わって色々な事を考えさせたり思い出させたりしてくれるんで、結構好き。

 労働の意味。
 人間に、一日がかりで大きな穴を掘らせ、次の日 一日がかりでそれを埋めさせ、また次の日は同じ場所に同じ大きさの穴を掘らせる。
こういう労働を強いていると、人間は割にあっけなく気が狂う、という話を昔 聞いた事がある。どんな実験結果に基づいているのかとか、どのくらい事実が含まれているのかとか全然分からないけども。
 ただ、「ああ、そうかもなあ」とは思う。
 「全く無意味な労働」には、人は耐えられない。
穴を掘るのでも、「山を堀り抜いてトンネルを通せ」とか「穴から鉱石を見つけ出せ」というように、いくらかでも目的が与えられるなら、その達成を目指す事が出来る。
が、何の意味もなく ただ穴を掘り、埋めるだけで人生を費やしていく事には、少なくともオレは耐えられないな。
 そこで、レールの上の男達のように、「会社の命令」であり「国に残してきた家族に労働の報酬を与えるため」という「支え」が必要になる訳だ。
 意味を感じない労働には耐えられないが、意味を持たせた労働なら、死ぬまでだって続けられる。
その「意味」は、必ずしも真実の「意味」でなくて構わない。
 会社が実は既に命令を撤回していても、家族に給料など渡されていなくても、いや家族が既に死に絶え会社や国が滅びていても、全然オッケー。
それに気が付いて、「意味」を見失わない限りは。

 そういえば、オレは何のためにマンガ描いてるんだっけなあ、というような根っこの所に疑問を感じさせてくれる、珍しいアニメ。
 熱狂的に指示される事も、DVDが記録的に売れる事もないだろうが、「在る」意味はあるし、見る価値もあると思う。

 あー、オレは「好きだから」マンガ描いてるんだし、日記も書いてるんだった。
シアワセな話だなー(笑)。


2003年5月13日 火曜日

 遅ればせながら…
 ぼくも協力させて頂いた、光希桃さんの「アニメ感想系サイトの感想率調査結果」が発表になってます。
 調査に答えたサイトの中で、最も感想が書かれているアニメは『カレイドスター』であるなど、なかなか興味深い結果が出ております。
ちょっと覗いてみてはいかがでしょうか?



『爆竜戦隊アバレンジャー』13.「アバれてチョンマゲ!」

 何時代だか知らないが、サムライが町中を闊歩する時代に、エヴォリアンの計略によって飛ばされてしまったアバレンジャー達。
 どうやって帰るのか、と思って見ていたら…
 意外!
「彼らが現代に居ない事によって世界が危機に陥る」のではなく、「彼らが過去で大アバレし、歴史を良い方向に変えてしまう事で、侵略者であるエヴォリアンが存在の危機に陥ってしまう」のだ!
 エヴォリアン幹部達は、歴史改変による現代の不安定さを、『バック・トゥー・ザ・フューチャー』でお馴染み写真に写った自分たちの像が次第に薄らいでいく事で認識し(写真を見る意味はないような気も…)、「このままでは我々は、侵略最初期段階でアナザーアースに敗れ、消えてしまう!」という訳で、強引にアバレンジャーを現代へと呼び戻す。

 災い転じて図々しくも福と成す、マイナスを力ずくでプラスへと変えてしまうアバレンジャーのバイタリティーが実に楽しい、娯楽特撮作品のパワフルさに溢れたお話だった。
 どうせなら、もうちょっと放送時間を取って、平安時代に飛ばされたり原始時代に行ったり、地球誕生状態まで遡り最後には遙かな未来までも見て、エヴォリアンに「さすがにココなら何も出来まい!」と言われるが、そこでベストを尽くすアバレンジャーのために、やはり現代に「良い」影響が出てしまう、という所まで勢いを付け、見ている子供達に「どんな状態でも、諦めなければ何とかなるんだ」ってメッセージを強力に伝える手もあったかと。
 いや、放送された内容でも十分に感じ取れるか( ^_^ )。



『ASTRO BOY 鉄腕アトム』06.「アトラス誕生」

 今回のアトラスの設定。
既に亡くなった大企業社長の息子を、記憶込みでロボットに移植して蘇らせたモノ。
 これは…良い点と悪い点が出てくると思う。

 良い点。
 アトム・アトラス共に、死から蘇ったのは「父親に強くそう望まれたから」ではあるが、その先は、「過去を忘れ(いずれは思い出す?)、人間を愛する」アトムと、「過去に縛られ、人間への復讐を始める」アトラス、という正反対の行動を取ってしまう。
 この二人の対立により、父と子の相克とか、異質な姿になっても人間と共にあろうとするものと、異質になってしまったからこそ人間の罪を断罪する(出来る)ものに立場が別れ、対比で様々なテーマを彫り込んでいく事が出来ると思う。

 悪い点。
悪い…というか、個人的に気になるだけだけど。
 特に、「アトムにトビオ時代の記憶がある」とした事で、二人の関係はあくまで「人間、あるいは人間の延長上にあるもの同士の対立」になり、『ロボット』として最初からあるもの同士が、人間では『ない』自分の目を通して、同じロボットや、違う存在である人間との関わりを考え、描き出していく」作品では無くなってしまう。

 この改変によって、深く描けるテーマが出てくると思うけど、逆に手が届かなくなってしまうテーマも、ある。
 いやまあ実際問題、これまでに描かれてきたアトラスが、そういうテーマを本当に深く彫り込んでいたかというとナニだけど。
 善し悪し。
 面白くなるなら、それでいいかな。


2003年5月12日 月曜日

『妄想科学シリーズ・ワンダバスタイル』06.「スランプからのワープ !?」

 うーん…
ここまでこのアニメが示してきた方向からすると、九十九少年が化石燃料等を用いないやり方で月到着を目指す、その動機・理由付け、なんてのには視聴者、余り興味がないような…少なくともオレは、別に無かった。
「マッドサイエンティストだから」で済んでしまいそうなもんだ。
 今回の、ハムスターとかが中に入ってグルグル回す車、アレの巨大化したマシンで時間を超える理屈は、全く不明(聞いた所では、フランク・ティプラーが提唱した回転円筒のタイムマシン理論に沿っているのではないか、と)。
 ここに来てのテンションの低下は、「月へ行くメチャメチャな(でも身近に理解できる)方法」が尽きてきたから…ラストに向けて最も良いアイディアは温存しておかねばならないので出し惜しんでいるから…じゃないかとか邪推してしまう。

 九十九少年の家庭環境。
潔癖性で独自の科学の信奉者であり他者の命など何とも思わない母親、自分の命を危険に晒す実験に臨む事を特にどうとも考えていない様子の父親。
そして、現在よりもマトモな状態かと思えた幼少時の九十九少年もまた、みっくすJUICEの面々を無茶な実験の材料として扱う事に、この当時から何の抵抗も感じていない。
 「寂しい家庭で育った可哀想な九十九少年」を描くには余りにも感情移入できない編成だが、「理解できないマッド・サイエンティストの狂った家庭」としては、大変よく描けていたと思う( ^_^ )。

 自分を作り上げてくれた九十九博士の境遇に、同情を示すキク8号。
 彼女だけは まっとうかなあ、と思ったのだが、倉庫でキク1号(釘の電磁石?)や5号(地球ゴマ?)、7号(タダの図面)を見つけて「お姉さん」「みんな、私の中にある、ありがとう博士」と抱きしめ、感動の涙を流すあたり、相当にマッド。
 いや、もしかしてこの辺りも科学に詳しい人間からすると、ニヤリとするネタになっているのかも知れないが…文化系には荷が重いー!

 シリーズも折り返し地点。
 ここからはラストまで、テンションを上げて突っ走ってくれる事を期待したい。



『デ・ジ・キャラットにょ』11.「あやとり名人戦にょ」12.「あまえん坊だにょ」

 ついつい見逃してしまうため、久しぶりに見た。
 ああ、のほほ〜んとしていて、思ったより面白いや。

 「ギャグ」というジャンルは、どれだけ破壊的な「笑い」を入れられるか、が勝負なので、制作者にも登場キャラクターにも、かかる負担が激しくなってしまう。
正直、『デ・ジ・キャラット』という作品は、「ギャグ」的に もう消化が終わりかけており、どこを削っても斬り込んでも、大きな笑いを取るのは困難。
 だから、「間の抜けた不条理気味のお話」を展開していく周りで、細々とした くすぐり…
デタラメな あやとり勝負での造形物とか、その意味不明な決着、ぷちこが放り投げる ぷちこ焼きを でじことあまえん坊がキャッチする勝負のヘタレさ、コケた ぷちこが「女の子は身だしなみが大事にゅ」と髪を両側に引っ張ると 顔が元通りになる所(「女の子はエレガントに」のリュミエールを思い出す)、などを設ける事で、「笑う」…という程ではないにせよ、「愉快な雰囲気」は十分醸し出せていたと思う。

 「あまえん坊」の話なんか、同時間枠の『ギャラクシー・エンジェル』の流れから、もうちょっと「可愛く見えていたけど、実は…」的な毒のキツいオチを期待してしまったが、別にそんなモノも無く。
肩すかしではあるけど……

 まあ、コレでいいんだよね。
「面白くしすぎると、客を不安にさせてしまう」というのは、名作『サルでも描ける漫画教室』で、面白味の足りない四コマの方が良いのは何故か、を語る時のセリフだったと思う。
 でじこを広く一般層にアピールするキャラにして行くためには、正しい作り方。
あ、いや、それにしては不条理風味がキツ過ぎか?


2003年5月10日 土曜日

『機動戦士ガンダムSEED』31.「慟哭の空」

 MIA(戦闘中行方不明、未確認ではあるが ほぼ死亡)と認定されてしまうキラ。
 この「MIA」という用語がいかにも、らしく、個人の感情など介在しない冷たい現実を突きつけてくる。

 キラとトールを捜索すべく島に留まろうとするマリューだが、冷静なナタルの提言の前に、断念し離れて行かざるを得なくなる。
ザフトもまた、島に戻る事を要請するイザークに、艦長は有能な軍人らしく撤退を決断し、捜索は別部隊に任せる事とする。
 この二つの陣営の描き方が、ナチュラル、コーディネーターという立場の差こそあれ、全く同じである辺り、巧いねえ。
二度、同じようなシチュエイションを繰り返す事で、「悲劇性」とか「非常事態の度合い」を彫り込んでいくのも巧妙。
 ただ、ザフト、こんなに冷静な職業軍人(?)が居たのなら、どう考えても感情に任せた愚行である前回の出撃そのものを止めてやれば良かったのに、とは思う。

 なるほどオーブに残った意味はココで生きるのかあ、と思わせる、島に捜索のため赴いてきたカガリ。
 かつて今回と同じく島で、遭難状態の中 初めて出逢ったアスランとカガリが、再会する。
 以前は「キラと戦わなければならない」責務を背負っていたアスランと、「アークエンジェルを守り戦う」立場にあったカガリ。
しかし、今回は二人とも「戦い」の宿命からは解き放たれた立場にある。
その事による心境の変化が非常に興味深く…なる、はずなんだけど、以前のエピソードは心理的掘り下げ方がもう一つ喰い足りず、対比するにはちょっと弱い。
 でもまあ、今回だけでも、「キラを殺す!」という目的のために自らの命も構わず(つい脱出してしまったようだが)ガンダムを自爆させ、目的を果たした途端、「どうしてそんなに殺したかったのか」「何故こんな事になってしまったのか」を見失い(元々そんなモノは見つけられてなかった、その状態に戻ったとも)、慟哭するアスラン。
 その姿。
 その苦しい心情は、非常に良く描けており、伝わってきた。

 ここまで…キラの戦いへの巻き込まれ方が、「なるほど、コレでは他にどうしようもなかった」という程 厳しいものに描けていれば、この悲劇への感情移入度は遙かに高くなっただろうに…
実際には、「キラは何で戦ってるんだろう?」「どうしてザフト側に行かないんだろう?」という疑問が浮かんでくるような描写が多かったからなあ。
 キャラが、観客の同意を得ないまま勝手に悲劇方向に突き進んでしまうと、その結果として訪れた事態のドラマティックさ、それに対する感情移入度は、ガックリ下がってしまうので。

 カガリがキラを評して語る、「危なっかしくて、訳わかんなくて、すぐ泣いて、でも優しい、いいヤツだったんだぞ!」というセリフ、前半はいいんだけど、「優しい、いいヤツ」は、なあ…サイへの仕打ちを見ていると、素直に同意は出来ないモノが。

 うん、でも、なかなか面白く、見応えがあった。
 熱いフラガの行動とか(性格的には分かるし気持ちが良いシーンだが、軍人であれば こんな経験 珍しくないだろうにとも思う)、遺品を整理するよう事務的に言い放つナタル、コーディネーター憎しの余り第二のフレイとなるのかミリアリア(次回はフレイが「女」を上げる?)、アスランを罵倒しながらも無事な帰投にふと笑顔を見せるイザーク等々、心に残るシーンが多かったし。

 ラストの、いきなりラクスの元に居るキラには呆気にとられてしまったけど。
どーなってんだろ?
短期間で宇宙に運ばれたとは思えないから…地上のどこかにラクスの別荘が(笑)?
 あと、前回 ちょっとだけだけど意味ありげに出てきた、島に子供達と住むオジサンは何の意味があったんだろうか?
 あ、オジサンはエスパーで、キラの心から「最も安らぐ風景と安らぐ人物」を取り出し、その幻を見せたとか?それかテレポートで宇宙へ送り(無理がありすぎ)。
 疑問は、次回で解いてくれる…かな?


2003年5月9日 金曜日

『宇宙のステルヴィア』06.「まけません」

 競技会に出場する志麻。
ヒイキ目で見ている身としては、彼女が大活躍したのは嬉しいが…

 障害物接触で志麻がイキナリ退場させられてしまう所。
のんびりした彼女の性格からすると、まあ理解できなくもないが、選手に選ばれて責任もあった訳で、ルールブックぐらいは熟読しておいて欲しかった。
しかも、野球で言うなら「エンタイトルツーベース」のような滅多に使われないルールではなく、打ったら一塁に走るとかボールを持った選手にタッチされたらアウト、というようなごく基本的なモノを知らなかったのでは?
 この辺は、本試合じゃなくて練習試合中の出来事として消化しても良かった気が。

 お好み焼き屋のシーンは、好み(ヘタなシャレみたいだな)。
落ち込んで、励まされて、ライバルチームが登場し、侮辱された志麻が俄然やる気になる、という基本に忠実なパターンではあるんだけど。
 どうせだったらもう一つパターンを加えて。
巨大お好み焼きを器用にひっくり返す やよいが、感心する志麻に「こういうのは全体を隙間なく見て、気を抜かずに一気にやっちゃうのがコツよ」とか何とか言い、それが逆転へのサジェスチョンになるとか、ベタベタな手もあったかな。
 直接 方法を口にする本編のセリフでは、色気に欠けてしまって(まさか実際にやる・出来るとは思わなかったんだろうけど)。

 店内で、志麻の凄さを知らされて青ざめるライバルチーム、という絵を作ったのに、試合の最中 相手は彼女を「脅威」とはまるで捉えていない様子に描いたのが不思議。
 警戒し、マークしていたのだが志麻の行動はそれ以上で…とするか、いっそ志麻の名誉を一時的に回復するのはやめ、愚図で役立たずと思われている所から逆転に突入させた方が、カタルシスは増したんじゃないだろうか。

 逆転の方法。
 とにかくルールが分かり辛い試合で…要はサッカーに近い競技だったのかな?
 志麻が発揮するのが、「超高速で飛来するボールを、宇宙船下部に取り付けたポールで正確にキャッチする空間把握・操船の能力(お好み焼き屋で誉められたのはこっち)」「わずかの時間に競技スペース内のあらゆる物体の動きをシミュレートできるようにしたプログラム能力(試合中の逆転で生かされた才能はこちらの方が大きい)」の2つに別れており、どちらか一方に特化しているよりも分かり辛く、カタルシスが感じ辛い作りになっていた。
 短時間に、完璧にプログラムを終える姿を見せたのは、シリーズのクライマックスとなるのであろう太陽系の危機に際して、発生した想定外の事態に対し、太陽系内の惑星・小惑星・エーテル気流(笑)などなど全ての動きをシミュレート出来る志麻のプログラム能力が大きな役割を果たす事になる展開への、伏線かな?

 サッカーで言うなら、障害物を用いてボールを好きな角度に飛ばせる力は他の選手にパスを渡すために使われるはずで、一人で攻め込むシチュエイションでは…志麻の機体が囲まれてしまえば、どうせボールは帰ってくるのだから無意味にされてしまいそう。
 ドリブルの手間を省き、自ゴールから敵ゴールまでの全てを計算して、たった一発のキックでゴールを決める、という見せ方の方が、プログラム能力の優秀さは伝わったのでは。
 審判機だけでなく、相手チームの機体をも、跳ね返すための障害物として計算に入れてある、悪意の全く無い図々しさもあって良かったかな(悔しがる相手チーム「俺を『踏み台』にしたぁ〜!」)。

 ただ…
以上述べた事柄は全て、テイストを「熱血系」にするなら、という事。
 このアニメは、テンションを上げ強烈なカタルシスを与えていく方向を「目指してない」から。
 そういう緩やかさが、肌に合う人間にはとても心地良く、合わない人間には「なまぬるい!」「面白味が足りない」と思われてしまう原因だろうか。



 ああ、プロ野球延長だったのか。
『ガドガード』見逃したぁ!


2003年5月8日 木曜日

『キノの旅』04.「大人の国」

 何がビックリしたって、キノが女の子だった事には本当にビックリした。
そりゃあ前田愛が声を担当している事もあり、普通ならどう聞いても「女の子」な訳だけど、劇中では いかにも男の子っぽく描かれていたモノで。

 大人の国は、みんな楽しそうに働いており、理想的な社会に見えた。
が、それは「シンドイ」「辛い」「嫌だからやりたくない」と感じる、人の頭の中の「子供」部分を取り出す事で、初めて成り立たっている社会だった。
 …ロボトミー手術?
 喜びと悲しみは表裏一体なもので、悲しみを取り除いては喜びもまた、無いと思うな。

 「嫌だとは感じないため、やらねばならないとされる事を事務的に遂行する」この国の大人達は、「失敗作」と見なされた娘を、その親が、顔に笑いを浮かべながら自ら手にかけて殺そうとする。
 ちょっと永井豪先生の『ススムちゃん大ショック』を思わせる、親子の愛情が断ち切れた世界で、怖い。
子供は見ていないタイプのアニメだと思うが…もし見ていたら、トラウマになってしまった恐れも。
 でもまあ、それはそれで、イイんだよね。
無条件に信じていた物事を疑う事で、人は成長する(成長してしまう)モノだから。
 そうして、みんな「大人」になる。
お、キレイにまとまったかな、どうですかそうでもないですか(笑)。



『エアマスター』06.「ノってけ!摩季」

 子供と同じく格闘をやっているオヤジ、という設定だとつい、『刃牙』での地上最強の生物・範馬 勇次郎を連想してしまう。
が…こちらのオヤジはそこまで異様な強さを誇っては居なかった様子。
 摩季が強くなりたかったのは、父親を乗り越えたかったから、という訳では無いんだね。

 オヤジの声を古川 登志夫氏があてているのが何とも。
軽いノリで子供(摩季)を作ってしまったらしい所は、『うる星』諸星あたるのようだが、性格がある程度の実力に裏打ちされている所は『銀英伝』の撃墜王・オリビエ・ポプランを思わせる。
そういえば、『ルパン三世 風魔一族の陰謀』では、ルパンの声をこれ一度きり やった事があったっけ。



『ボンバーマンジェッターズ』32.「憧れのシロボン」

 ネタ本体は、割と普通の出来で取り立てて言う事もないけど…
 シロボン登場時の「ちょほいと待ちなは」が、ゆうきまさみ先生『究極超人あ〜る』を思い出させて懐かしかった。
 元々は日活映画・渡り鳥シリーズでの小林旭のセリフを真似たものだけど。
もう、『あ〜る』のセリフ、だよね。
いや、既に『あ〜る』とか言っても知らない人が多いかな。



『LAST EXILE』05.「Positional play」

 空戦のアクションも面白く見せられており、取り立てて悪い所はない。
 欲を言うなら、命がけでアルを追おうとするクラウスの心理に もう一歩踏み込んで欲しかった、とは思う。
シリーズ最初の話でも、伝言を伝えるために危険も省みず戦艦に着艦して見せたりして、「そういう性格」である事は理解できるんだけど。
 アルとの絆が物語の渦にクラウス達を巻き込んでいくキーになるのだろうから、そこまで固く結ばれるに足る説得力が欲しい。
 パターンで流して良いなら、「アルは、幼くして亡くなったクラウスの妹によく似ている」って感じになるだろうか。



『金色のガッシュベル』05.「黒い刺客 ブラゴとシェリー」

 昨今のアニメなら、飛ばされてしまいがちな部分。
ドラマが展開していく、スタート時点に臨むキャラクターの基本的な心理をじっくりと描いた。
 例えば「ロボットに乗って戦う事になった」主人公の場合、「何故 自分には乗れてしまうのか、という疑問」「乗って、戦う事は、嬉しい事か嫌な事か」「自らの乗るロボットを、どう(格好良い・恐ろしい・力を信じ切っている・無ければ良い等々)考えているのか」といった心理の事。
ここは、本当によく略されてしまう。
そんな地味な所よりも、派手な見せ場を優先しがちだから。
 実際、強引にでも物語を先に進めてしまえば、ここが描けていない事は不問にされるケースが多い。
もっと大きな事件と対面させながら、後フォローの形でそこを描き込んでいく事も可能なのだし。
 今回は、その基本心理をじっくり実直に、悪い言い方だと「愚直」と言える程 真っ正直に描いた話だった。

 オレは、好きだなあ、こういう話。
キャラの気持ちをここでしっかり押さえておけば、後のドラマを視聴者(読者)の胸の中に、要らない疑問を起こさせずに すいっと入れて行く事が出来るから。
 イイねえ。

 このアニメにおいて、ガッシュの声をあてる大谷 育江氏の存在は大きい。
「私は…私は化け物なりに前を向こうとしたのではないか。化け物なりに頑張ろうとしたのではないか。それのどこが悪い」
「もう私には友達は居ないのだ、一人も…いなくなったから…もう悲しい事など無いから」
といった切ないセリフを彼女の泣き声演技で聞かされると、問答無用でこちらまで泣かされてしまう(;´д⊂)。
 上手い、巧い、凄い。
 新人声優の素っ頓狂な声にも最近はすぐに慣れてしまうようになったが、やはり高いレベルの「プロ」の仕事は、作品そのものを何ランクも上に押し上げるだけのパワーがあるんだなあと、感心。


2003年5月6日 火曜日

『爆竜戦隊アバレンジャー』12.「アバレノコギリ、京都を斬る!」

 何がビックリしたって、前回ブタになってしまった女の子が そのまんま、今回もブタだったのには スッたまげた。
単なる「オチ」のギャグだと思っていたのになあ…引くか、普通(笑)?
 暴れ回るノコギリの特撮には感心。
本当、技術の進歩って凄い。これまではこんな画面、泣く程 安っぽくナリガチだったモノだけど。

 過去に飛ばされた主人公達は、どうやって現代に帰ってくるのか。
次回に続くとは思わなかった。
上手いパターンの外し方をするなあ。



『仮面ライダー555』15.

 なんでこう結花の周りには、殺されても仕方ないみたいなロクデナシしか集まってこないのか(笑)。

 いやあ、面白い。
 ライダー側、勇治達オルフェノク側、スマートブレイン側と、画面上の陣営を3つに分け、そのそれぞれを対立させたり交流させたり、というだけでも構成は大変だが、各陣営の中身も決して意思の統一が図れておらず、バラバラな行動を取ったりするからなあ。
勇治達オルフェノク側3人の、全く違う方向を向いているキャラの描き分けの巧さには、ただ溜息。
 カイザである雅人の、徹底した冷たさもイイねえ。
『アギト』では、酷いヤツに見えても最終的には折れてきたモノだが、今回は?
サイテーなままで行って欲しい気もしたり( ^_^ )。



『明日のナージャ』14.「アルプス花祭りのウソ」

 男の子のフリをした女の子の正体をバラすのに、服が水に濡れて…というのは確かに定番過ぎだけども…
だからといって、故意にかどうか そこを外して、その後に彼女の家を訪れた際、母親から何気なく真相を聞かされるなんて形にしては、ドラマとしての面白さが酷く失われてはしまわないか?
 この作品のメインターゲットは小学生ぐらいの女児だろうから、より効果的な代案も無しに、パターンを外そうなんて色気を出す必要はないと思うな。

 それにしても、何を言わんとする話だったのかイマイチ分かり辛い内容。
ケンノスケ、ザビー、どちらの視点にも物語を絞りきれなかったのが難点。
 「男だと信じてたのに騙された!」と思いザビーに悪い感情を抱くケンノスケが、性別など関係なく友達にはなれる、という心境に至るまでを、可愛らしく変身(?)した彼女の姿を見る場面をクライマックスに据えて描く。
あるいは、「男の子」と「女の子」の間で揺れ動き、そのどちらにも誇りとコンプレックスを抱くザビーの心境を細やかに描き、「どっちでも友達だ」というケンノスケの言葉を最終的な救いに設定するとか。
 …どうにも、「見た」気が残らない話。



『ASTRO BOY 鉄腕アトム』05.「ロボット農場を救え!」

 前回の、「電光」の話には、ちょっとホロリと来てしまった。
変にヒネった所の無い、素直な内容だったが、丁寧な演出と作画がしっかりと物語を支え、見応えのある作品に仕上がっていたと思う。

 今回。
作画的なクオリティーは変わらずに高かったと思うが…
 農場のお兄さんの行動とか、今回一回だけで見ると少々消化不良かなあとも思う。
女の子はヘタすると死んでたかも知れないけど、ジイサンの方は生きてるに決まっている訳で、のんきに自説を演説していられる状況ではなかったろうに。
 ここまで、「純粋に人間を思うロボット達」と「ロボットに悪意を向ける事もある人間達」が描かれてきた、その一環として位置づけられるお話か。

 次回、アトラスの登場で、「ロボット側の怒り」が現れてくるのだろうか。



『妄想科学シリーズ・ワンダバスタイル』05.「磁力の力だ、リニアガンだ!」

 リニアガンにしては、ジェットコースター状の乗り物は後部からロケットを噴射していたような気もする。
 うーん…奇想天外な方法で月を目指す、というのがこのアニメの、見せかけにせよテーマだと思うのに、今回は余り面白味のないアイディア。
これじゃカタパルトで加速してロケット打ち上げるのと変わらない。「妄想科学」というには弱いだろう。

 危機的状態に陥ったリニアコースターを救うべく九十九少年が激走する辺りも、何かオチがあるのかと思えば、全くまっとうにヒロイン達を救うのが目的。
救出方法も含め、このアニメがこれまでに示してきた方向性からすると、弱い。
 せめて色物アイドルグループ同士の対立だけでも、異常な程エスカレートするなどして盛り上げてくれれば良かったが、これまた取り立てて面白い描き方ではなく。
 息切れ?


2003年5月4日 日曜日

『機動戦士ガンダムSEED』30.「閃光の刻」

 少々浅めで、食い足りない部分が多く残るとはいえ、今回の展開そのものは酷く納得がいかないモノではなかったと思う。
ただ…これまでの「悪い」積み重ねが大きく足を引っ張り、どうしても「以前の話からすると、ここがおかしい」「この辺りに矛盾を感じる」と思えてしまい、純粋に楽しめない。
 キラが強くても弱くても、良い奴でも悪い奴でも、アークエンジェルを無敵戦艦扱いでも装甲を弱くしても、「矛盾」と感じられる。
 …どうしたらいいんだろうなあ、これは。
仮に、途中から全く新しい制作陣に変わったって、矛盾点は払拭できない。
 もっと面白くなってきたなら、昔の話は忘れてあげる事、かなあ。

 ガンダム撃破を、よくやった、と整備員達に誉められ大きく歓迎されるキラだが、彼はそれをかえって うっとおしく感じる。
反発するキラに、整備員の誰かが放つ「今までだってさんざんやってきたクセに」というセリフ。
 メタ的視点では…このセリフを、今回の連名シナリオである野村祐一(途中参入組)、両澤千晶(シリーズ構成)のどちらが書いたか、が面白さの分かれ目。
 野村氏であった場合、「魂の叫び」というべきか、「いままでだってシリーズ中にさんざんやってきた敵の破壊・人殺しじゃないですか。『人を殺した』事実に怯えるキラ、を描きたいなら、もっと早く、13話までにでもやるべきだった。十分出来たはずなのに。今更、構成の都合で『鬱に入るキラを描いてくれ』と言われても、キャラ心理に説得力なんか持たせられませんよ!」という悲鳴と取れる。
 シリーズ構成氏のセリフであった場合…
ありゃ、りゃ(笑)。

 やっぱり、キラがここで落ち込む意味が薄い。
彼は、アスランとニコルの関係を知るはず無いのだから。
 分かり易くは、ニコルが殺された瞬間、アスランが無線を開いてキラに「人殺しめっ!彼は、ニコルは俺の親友だった。それをよくも殺したな!もう俺はお前を友達だなどとは思わない!お前は親友の仇だ!」と叫び聞かせるとか。

 ニコルの仇討ちをすべく、アークエンジェルに迫るガンダム隊。
 …はいいけど、何の作戦もない。
この前の出撃と比べて、ガンダムが一機減っている、という不利な要素以外何も変わっていないというのに、アスランは何を考えて出撃したのか。
 逆上して…かなあ。
他二人はもっと頭に血が昇っているだろうから(でも、彼らニコルを好きじゃなかったように見えたが…)、止める役割は担えないだろう。
 なら、こういう時こそ、「大人」の出番。
彼らの母艦にも大人の士官が大勢乗り込んでいるはずなのだから、「感情に任せての戦いは決して良い結果を生み出しません、出撃は、今しばらく控えた方が宜しいかと」などと言って止めようとし、それを振り切って出て行くアスラン達を見送りながら、「子供だ…私たちよりも進んだ遺伝子改造を施され、知能・戦闘力共に素晴らしいものを有しているとはいえ、彼らがまだほんの子供である事実には何の変わりもないのだ…」と、『幻魔大戦』歴戦の勇者ベガのように呟かせるとか。
 僅かにでも厚みを出すチャンスだったろうに。

 ガンダム部隊、やっぱりもうちょっとだけでも「変えて」出て行って欲しい所。
 怒りに任せた捨て身の作戦…ガンダム機体に付けられるだけのミサイルポッドを付け、しゃにむに突っ込んでアークエンジェルに取り付き、ガンダムを破壊したら母艦ごと吹き飛ぶ状態にするとか。
逆に、武装どころか装甲すら最低限にし、変わりに上がった機動力でストライクの攻撃を間一髪かいくぐるとか。
 これまでは意図的に使わなかったのであろう…アークエンジェルに対し殺傷能力のあるガス弾を打ち込み、艦内にガスを送り込んで…などというような「汚い」方法を採らせてもいい。
イザークの独断専行にすれば、アスランは汚さないで済むし(笑)。

 前回と今回で違ったのは、アスランが「本気」と書いて「マジ」と読むモードに入った事ぐらい。
 ここが大きな違いなのかな、キラとアスランは、恐らくは設定上同程度の能力を持っているのだろうから、本気でやれば種割れキラと互角の戦いが出来る訳だ。
 あー、でも思い出してみればアスラン、第1話でストライクを強奪するはずだった同僚を、キラにではないが殺されていたなあ。
割に親しげだった西川声のジンパイロットはキラに殺されている。
彼らの時は怒らなかったのか?
 これも、忘れてあげる事、かな。

 導師(?)様、と呼ばれる、子供達と共に島で暮らすらしい男がチラリと登場。
ククルス・ドアン?
 怒りに我を忘れ、あるいは戦いに大いなる疑問を抱くようになったキラ、もしくはアスランを導く役割を担うのかな?
爆発のショックで記憶喪失になった(幼児退行化現象でも)キラを拾い、世話するとか。

 キラと別れ、しかし今更サイ達の中にも入っていけないフレイ。
 彼女は、もう「利用価値」ではなく、自分には彼しか残っていないから、加えて恐らくは心の内側に僅かに芽生えた「キラへの純粋な気持ち」により、関係を修復しよう…と自覚していたかどうかはともかく、勇気を振り絞ってキラに話しかける。
 でも、出撃だからと言葉を交わさずに出て行ってしまうキラ。
このパターンだと、元の鞘に収まるのは無理そうだなあ。
 フレイは、やっぱりなかなか面白く描けていると思う。
 が、キラは…今回、かなり辛い心理状態にあったと思うのに、「フレイが居てくれれば」と感じた様子は無さそう。
本当にもう、心を感じ取れないキャラで。



『成恵の世界』04.「年下のお姉ちゃん」

 んー、原作にあった香奈花の、ワガママな子供らしさを除くプラスの魅力、電柱の上に立つ自分を心配してくれた和人にギュッと抱きつく素直さ可愛らしさ、が省略されていたのは残念。
 そんな香奈花と呼応するように、すぐ自分を抱きしめるクセのあった母親を思い出す成恵、そして自分に勇気をくれる和人を彼女が抱きしめるシーンへと繋がっていき、「血のつながり」と「不思議な心の相似形」を感じさせていたのだが。

 ウラシマ効果なんかは、原作より一生懸命分かり易く説明しようとしていたと思う。
…やっぱり分かり辛かったとは思うけど、成恵に「よく分からない」と言わせて「分からなくても良いんだな」と感じ取らせる救済策を講じていたし。
 機族の少女・鈴と、出す順番を変えて姉のエピソードを先に持ってきたのも、「家族」をまず単位としてから他のゲストを加えていく、という分かり易さの提示法としては正しいと思うな。

 ところで、「バチスカーフ」と「バスカチーフ」、どちらが正しいんだっけ?というのを時々忘れてしまう。
Googleで検索してみると、「バスカチーフ」と間違えて書いているHPが5件。
良かった、オレだけじゃなかった(笑)。
「バス」という周知の単語に、耳慣れない全体の言葉が引っ張られて変わってしまったんだろう。
 「ジュラシック・パーク」を「ジェラシック・パーク」(こっちは検索、1340件もある)と間違えるのも、「ジェラシー」という単語に全体が引っ張られるから。
 「シミュレーションゲーム」を「シュミレーションゲーム」(ATOKでは警告が出るな。ちなみにこちらは47100件も!)と言い違える有名な誤りは、やっぱり「趣味」って馴染んだ言葉からか。


2003年5月3日 土曜日

 「光希桃AnimeStation」様よりメールを頂く。
 「アニメ感想系サイトにおける、番組取り扱い確率−感想率−を調べてみよう」という企画を行われているそうで…というか、HPはずっと拝見しているため、企画そのものは知ってたんだけど…それに協力を要請するもの。
 うちに連絡を頂けるとは思わなかったなあ。
ほら、ここは偏屈な主の偏屈なHPだから(笑)。

 どのアニメにどのくらいの頻度で感想を書いているか、という事をレポートして欲しい、って事。
 で、頂いたリストにあった、現在放送中のアニメ作品一覧。

●本放送●
クラッシュギアNitro
明日のナージャ
ソニックX
金色のガッシュベル!!
FIRE STORM
ASTRO BOY鉄腕アトム
デ・ジ・キャラットにょ
魔獣戦線THE APOCAL YPSE
ちびまる子ちゃん
サザエさん
こちら葛飾区亀有公園前派出所
ONE PIECE
妄想科学シリーズ ワンダバスタイル
親子クラブ
しましまとらのしまじろう
爆転シュートベイブレードGレボリューション
コロッケ!
犬夜叉
名探偵コナン
獣兵衛忍風帖龍宝玉篇
DEAR BOYS
LAST EXILE
WOLF'S RAIN
E'S OTHERWISE
スクラップド・プリンセス
アソボット戦記五九
キノの旅
探偵学園Q
週刊ポケモン放送局
遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
エアマスター
出撃!マシンロボレスキュー
ボンバーマンジェッターズ
カスミン
テニスの王子様
NARUTO
ハングリーハート−WILD STRIKER−(CS)
宇宙のステルヴィア
ハングリーハート−WILD STRIKER−(フジ)
ガドガード
TEXHONOLYZE
SUBMARINE SUPER 99
カレイドスター
冒険遊記プラスターワールド
D・N・ANGEL
ポケットモンスターアドバンスジェネレーション
それいけ!アンパンマン
ワンダーベビルくん
超ロボット生命体トランスフォーマーマイクロン伝説
とっとこハム太郎
ドラえもん
あたしンち
奇鋼仙女ロウラン
プリンセスチュチュ
星のカービィ
無限戦記ポトリス
マーメイドメロディーぴちぴちピッチ
時空冒険記ゼントリックス
わがまま☆フェアリーミルモでポン!
真・女神転生Dチルドレンライト&ダーク
魔探偵ロキRAGNAROK
ゲットバッカーズ−奪還屋−
機動戦士ガンダムSEED
クレヨンしんちゃん
釣りバカ日誌
人間交差点−ヒューマンスクランブル−
成恵の世界
攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX
おじゃる丸
忍たま乱太郎
デュエルマスターズ
かっぱまき
バブーファクトリー

●再放送●
モンタナジョーンズ
十二国記
学園戦記ムリョウ
最終兵器彼女

 わあ、こんなにやってたんだ!
 とてもじゃないが、全てを見る事は不可能。
というか、全然興味がないモノ、既に視聴スケジュールから落としたモノもかなり、ある。
 見ている作品は…
クラッシュギアNitro
明日のナージャ
金色のガッシュベル!!
ASTRO BOY鉄腕アトム
デ・ジ・キャラットにょ
妄想科学シリーズ ワンダバスタイル
獣兵衛忍風帖龍宝玉篇
LAST EXILE
WOLF'S RAIN
スクラップド・プリンセス
キノの旅
探偵学園Q
エアマスター
出撃!マシンロボレスキュー
ボンバーマンジェッターズ
カスミン
宇宙のステルヴィア
ガドガード
カレイドスター
プリンセスチュチュ
魔探偵ロキRAGNAROK
機動戦士ガンダムSEED
成恵の世界
BSで既に見ているのに、また見始めた学園戦記ムリョウ

 …という所か。
 全77本(くわー!)放送されている中で、24本。
三分の一以下。
 他にも見てるモノはあるけど、たまたまテレビの前にいたら、程度であり積極視聴とは言えないので外した。
 24本は、多いのか少ないのか。
まあ、いい歳したオッサンとしては異常な量である事に間違いないな(笑)。

 この内、当サイトお勧め、これは見ておいた方が良い!という作品は、
『LAST EXILE』『エアマスター』『ボンバーマンジェッターズ』『宇宙のステルヴィア』
かな。
 次点、見て損無しが
『ASTRO BOY鉄腕アトム』『WOLF'S RAIN』『出撃!マシンロボレスキュー』『カスミン』『成恵の世界』『学園戦記ムリョウ』
 問題作が、
『妄想科学シリーズ ワンダバスタイル』『キノの旅』
 あとは、個人の好きずきで。

 以前も書いたけど、『LAST EXILE』は非常にクオリティーが高いと思いながら、出来にバラ付きがなく、完全連続ものという事で、毎度の感想は書き辛い。
『WOLF'S RAIN』も同じく。
 見てると色々言いたくなる『妄想科学シリーズ ワンダバスタイル』や『キノの旅』の方が、感想を書く頻度は上になるかも。


2003年5月1日 木曜日
 
『ボンバーマンジェッターズ』31.「ミスティ大作戦」

 回想の形で、盗賊ミスティと、シロボンの兄・マイティの関係を描いた。

 とにかく純粋で真正直、相手の毒気を抜いてしまう恐るべきマイティの精神攻撃(笑)。
 ミスティを見たのはこれで2回目なので、キャラ的積み重ねがあったのかどうか知らないが…それだけでも心の内は伺える。
「盗賊」たる事に誇りと自負心と、そして大きな引け目を感じているような彼女。
 その心をも、マイティのキレイな心は癒し、明るく軽くしていく。
 この辺りの描き方が実に絶妙で、彼の言葉一つ一つに頬を赤らめてしまうミスティの可愛らしさにドキドキし、マイティの真っ直ぐではあるが同時に少々コドモでもある感覚のため「好き」とか「愛してる」とか致命的( ^_^ )な一撃を口に出来ない(考えも付かない?)態度にハラハラさせられてしまう。 

 その彼と、彼女をつなぐジェッターズの隊員バッジ。
それは、「盗賊」という暗闇の世界に居る彼女を、マイティの居る明るい世界に掬い上げる蜘蛛の糸だったのかも知れない。
 命がけでバッチを守ろうとしたが、しかし間一髪間に合わず壊れてしまった破片を前に、ギリギリ心のせめぎ合いがあったのだろう。
結果、元居たダークサイド方向へと、彼女の心はほんの少しだけ傾いて・諦めてしまい、マイティ達と袂を分かつ。
 ここの心理芝居の細やかさには、ただただ唸らされるばかり。
ミスティがマイティを最後に見つめた時の、悲しくて優しい笑顔にはポロポロ泣かされてしまう。

 十二分に、いい歳した大人の鑑賞に耐えうる作品。



『宇宙のステルヴィア』05.「きっかけ」

 ぽえ〜っとした志麻のキャラクターを、好感を持って眺めているので、何がどうであろうが楽しく見られる。
キャラの作りや配置は、さすが佐藤監督、巧いと思う。

 もうじきに太陽系を恐るべき災厄が襲う、という事が明らかになっているのに、危機感が生徒達に見られないのは…
「環境破壊」だ「生態系異常」だで人類の生存が脅かされている、とは分かっていても、現代に生きる我々が「そう言われてもなあ」程度にしか危機意識を持てない事と似た感覚なのかね。
 リアルといえばリアル。

 体育祭に向けての模擬戦が行われる。
志麻が大活躍したので、彼女ビイキの身としては基本的に嬉しいんだけど…
 そもそも どういうルールの試合なのかよく分からず、加えて志麻の何の才能が、何の理由で目覚め、どうなって勝利したのか分かり辛かったのは大きなマイナス。
 『ハリー・ポッター』の架空球技・クィディッチみたいなモノとして設定されたのかな?
アレもサッパリ分からない試合運びだったが。 
 操縦能力ではなく、プログラミング能力が優れている志麻なのだから、それを活かした活躍ぶりを見せられると良かったかな。
一人だけではなくチームの行動をサポートし、強制的に介入して全員の乗機プログラムを書き換え、機動性を上げ考えられないような作戦行動を取らせて、「常識」で軌道を予測する先輩チームを出し抜く、とか。
 オースン・スコット・カードのSF小説『エンダーのゲーム』のように、チーム全体を統制していく意外な才能を志麻が発揮してくれれば、この先の物語をそういう期待感で引っ張って見せていく事さえ出来たかと。

 ただ、のほほんとした志麻が好きなので、鋭さが表面化したキャラになってしまうと若干寂しい、というワガママな要求もアリ(笑)。


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