ときどき日記 03/06(前)

2003年6月15日 日曜日

『機動戦士ガンダムSEED』36.「正義の名のもとに」

 今回、一番気になったのは、キラの「整備や補給の事を仰っているのなら、今のところは不要でしょう。あれには、ニュートロンジャマー・キャンセラーが搭載されています」というセリフ。
 リアルロボット系と言われる『ガンダム』シリーズは、整備・補給を重視してきた。
そりゃもう、系列からかなり外れる『Gガンダム』であってさえ、相方のレインが整備担当をしていたぐらい。
それを、一言の元に否定かあ…
 しかし…エネルギーには余裕があるとしても、推進剤や弾薬の補給、単独で大気圏突入というムチャをした機体の点検・整備は必要だと思うが。
 これもまた「ザフト脅威の科学力」で説明が付くのかな?
 まあ、スーパーロボット・フリーダムの機能としては、何でもアリかね。
このままで通すなら、それはそれでオッケー。

 サイの、コンプレックス告白。
イキナリで面食らう。
 これは、ファーストにおける、
ハヤト「悔しいよ、僕だけこんなんじゃ…アムロに勝ちたいと思ってもこのザマだ」
フラウ「アムロは違うわ。あの人は、私たちとは違うのよ」
の引き写し?
 違うのは、ファーストではこれをきっかけに、弱い心を認め合ったハヤトとフラウが接近していく事。
サイが、せめてミリアリアに告白するなら、ドラマの予感が生まれただろうが。
 この作品では、キラが「ヒーロー」であると同時に「ヒロイン」でもあるような位置あいなので、サイの言動は「求愛行動」であったと取っても良いだろうか?
 彼に対しキラは、「私は違うわ。私は、あなた達とは違うのよ。でも私に出来なくてあなたには出来る事だってあるんじゃないの?具体的に何かは知らないけど」(意訳)と鷹揚に認めてくれたので、告白は報われたのかな?

 自国民を殺す(殺させる)事さえ平然と行う、狂気の姿を見せたラクス姫に、ゾワゾワと恐怖!
 彼女の目に、アスラン、そしてキラはどのように映っているのだろうか?
「思った通りに動いてくれるコマ」程度のモノじゃないかと思うと、また恐ろしい。
 ラクスの目的とは、何?
「平和」?うーん、今のところそうとは思えないなあ。
騒動を起こして喜んでいるとしか(笑)。
 体を張ってもキラ一人さえ自由に操れなかったフレイに比べ、笑顔で男達を死地に追いやるラクスは、遙かに上手であり悪質でもある。
本当に倒すべき敵は、コイツか?



『宇宙のステルヴィア』11.「ほんとうのあなた」

 前回、人類の生存を賭けた大作戦が行われ、しかもそこで志麻は、崩壊しかけた作戦を成功へと導いた最大の功労者の一人であったというのに、何気ない日常へと物語は戻る。
 これが佐藤監督の持ち味であり強味でもあるとは思うが…
非日常を支える日常の土台がしっかりと あった『イサミ』や『ムリョウ』と比べると、「日常に還った」事に対し、余り嬉しさが感じられないのは残念。

 志麻は今、どういう立場に居るのだろうか?
 ミッション前の弟との会話では、報道され、人々から注目を集めている存在であるかのように言われていた。
しかも、前回の大活躍がある訳で…
 全くの日常に戻るには、少々無理を感じてしまう。
 マスコミの取材攻勢にあい、アイドルに祭り上げられ、増長して…という、パターンであり日常から遠く、愉快でもない展開にはしたくなかったのかな。
 ならやはり、志麻の巨大ロボットでの活躍は無くて良かったと思う。
 作戦に従事した一パイロット。
それだけに留めておけば、今回をもっと自然に見られたかと。

 うーん、この先はどこへ行くんだろうな?
 視聴者は、どのぐらい着いてきてくれてるんだろう。
その遂行をクライマックスにするのだと思わせ、僅かずつ伏線を引いてきたグレート・ミッションが かなりの肩すかしに終わり、しかも「実はそれよりもこっちの方が面白くなるんですよ!」という新たな、魅力的な目標も はっきりとは提示出来ていない。
これでは、この作品を視聴対象から外す人が出てきても、不思議無いだろう。
 志麻の成長が当然テーマになっていくモノと思っていたが、それはある程度終わった(これからは繰り返しにしかならない)ような感があり…
 ヘタすると、志麻と光太よりも、足りない力に悩む晶と、精一杯彼女を励ますジョジョの方が感情移入し易くなってしまう。


2003年6月12日 木曜日

 気まずいスケジュールで仕事中。
もちろん、時間の管理を出来なかった自分自身が悪い事は言うまでもない。
 ああああっ、眠い。

 『キノの旅』での「本の国」エピソード。
非常に面白く興味深く、色々な事を考えさせてくれる内容だった。
 他の、「アニメ感想系」と呼ばれるサイトで、これを見た人の意見を出来るだけ数多く聞きたい気分。
 一杯思った事はあるけど…時間がないから後で。

 『出撃!マシンロボレスキュー』『ボンバーマンジェッターズ』は痛恨の見逃し。

『妄想科学シリーズ ワンダバスタイル』10.「生還」
 「月へ行く」という、メインのテーマだったはずのものを、実にいい加減に消化してしまった。
 九十九と母親の葛藤も、感情移入出来ないままにドラマの中だけの納得で勝手に解消。
 うーん。
 最終回が近いので、そこまでに何かしら「ああ、このアニメはコレがやりたかった(言いたかった)のか!」と思わせてくれる物が出てくれば嬉しいが…


 ああ、いかんダラダラ書いてる場合じゃない。
 仕事に戻ります戻ります頑張ってます遊んでません(業務連絡)。


2003年6月9日 月曜日

『ASTRO BOY 鉄腕アトム』10.「金星ロボット襲来!」

 金星開発のために強力な冷凍能力を備えて作られたが、計画が中止になった事により、その能力を「脅威」と取られ、海底に廃棄されてしまうロボット達。
しかし彼らはそこに都市を築き自らを整備して、いつか訪れる「マスター」からの命令を待ち続けていた。
 いやあ、泣ける泣ける。
オレはもう、「自分の全ては主のために」というのに弱くて、盲導犬の番組とか見ててもすぐ泣いてしまうから。

 作り出した人間達の手により海に投げ落とされて行くロボット達が、事情を知らず、最後に「親愛なるキャプテン、では行ってきます。人間の夢を実現するためにと女性科学者に語りかける所、もうボロボロ泣けて。

 人間・お茶の水博士を救おうと飛んでいったが、ジェット不調により共に落下するアトム。
2人を助けるべく、集団行動により自らの体をネットと化し、受け止めるロボット達。
 彼らから消去されたはずの使命「人間の夢を実現するために」。
 そこを越え、「自分たちの見果てぬ夢」を実現するために…自分たちがなりたくてなりたくて、でも なれなかった「人間のために」頑張る姿を見せるアトムと、せめて友達になれる自分たち、に変わるために。

 盲導犬と目の不自由な方は、主従ではなくて不可分の関係ではないかと思う。
 純粋で忠実なロボット達に対し、人間は彼らと「友達になる資格」さえあるのかどうか、考えさせられてしまった。

 いやあ、『アトム』、ここ数話 本当にクオリティーが高い。
 スケジュールには余裕を持たせて作られている、と聞くが…
このまま、物語としても単に作画面でも、このレベルをキープしたまま最後まで行けたなら、「現代の奇跡」と言い表してイイと思う。
 昨今の情勢下では至難のワザだろうけど、頑張って欲しい。



『機動戦士ガンダムSEED』35.「舞い降りる剣」

 あー、なるほど。
連合アラスカ基地が異様に脆かったのは、計算…というか謀略に基づくものだった訳ね。
 誘い込んでおいて、決戦自決兵器で敵も味方も皆殺し、か。
 これまでのストーリーが基本的にファースト『ガンダム』をなぞったものだったので、アラスカはジャブローに相当すると思われ、「ジャブローごとジオンを殲滅」という展開にファースト者は驚かされてしまう。
 ここから、余りにも非・人間的な連合に対し、ザフト、アークエンジェル、更にはオーブまでも姿勢を変えていく事になるのかな。

 物語としては、非道で冷徹で愚かな連合首脳部の行い、という事で問題ないが…
実際の戦争とすると、末端の兵士達をこんなにもアッサリ見捨てる上層部のサイテーさを見せてしまっては、戦場で兵達が安心して戦えなくなるような気が。
危機状態になったら徹底抗戦は諦めて、各個に降伏・投降を始めそう。
 酷い嫌がらせで自主退社に追い込む事によってリストラを進めていく会社には、残った社員からの忠誠も期待出来ないようなもので。
 ミリアリアの「戦争だから、私たちは軍人だから、そう言われたら そうやって死ななきゃいけないの?」というセリフが何とも。
「軍人」は、「戦って死ぬ」事もお仕事の内だとは思う…自軍・自国が「戦って死ぬ」に値する存在である事を前提に。
しかし、自軍に「殺される」のは、さすがに…
 純粋軍人であるナタルが、降ろされず船に残っていたなら、この事態にどういう反応を示しただろうか?

 今回のお話のキモは、新型ガンダム・フリーダム初の本格的戦闘。
 圧倒的危機状態で登場する格好良さと、そのデタラメな強さがよく描けていたので、他に少しぐらい疑問点があろうと問題ない。
 …結局 一息に地球まで飛んできて、更には大気圏突入まで普通にこなしてしまったのかフリーダム、とか。
複数の標的に対し、正確に「急所を外して」射撃を加えるキラとか。
本当、本来は何のためのシステムだったんだろうねサイクロプス、とか。
 全ては、フリーダム登場のカタルシスを描き出すために、という事で納得してイイや。

 ガンダムを盗まれ、婚約者がザフトの裏切り者となり、もっと言えば彼女は他人に心を奪われていて、その全てを行った相手が 殺したと思い込む事で罪の意識に苦しめられていた親友・キラである、と知らなければならないアスランは、これからどうなるのかな?
復讐に取り憑かれた「鬼」になっても無理ないと思うが。
まーまーまー、大事な妹・カガリをくれてやるから それで勘弁しろよ、という取引かキラ(笑)?
 連合には戻れなくなってしまったろうアークエンジェル勢は、これからどうする?
 今後は捕虜の意味が薄くなってしまいそうだがディアッカの立場は?
ミリアリアのために戦う事になる?
 ザフト側に連れ去られたフレイは?

 ここに来てようやく、次の展開に興味を持たせる事に成功し始めている。
ここから『SEED』の真価が、問われる。
 …「こんなアニメはダメ」という事で、価値付けが終わっている人も多かろうし、それは無理ない事だと思うけど。


2003年6月6日 金曜日

 『笑っていいとも』に「仕込み」があった、という指摘が出ているようだ…

 この前、同番組にミニモニ。のうち2人が出たのを見ていて、会場で答えが1人だけになるよう質問を考える、あのコーナーの直前のコマーシャル前、画面下のテロップに、
「この後、100分の1コーナーでミニモニ。が奇跡を」
というような文章が出されていた。
 余り見ていないんで知らないんだけど、毎回こういうテロップが出るの?
達成率は低いコーナーだという事らしいのに、どうして「当たる」と既に知っているような文を出したの?
 てっきり、最近のテレフォンショッキングは録画に切り替わったのかと思ったのだが、違うらしい。
 単なる偶然?

 かなり前、ウチに、エキストラ事務所で仕事をしている人が手伝いに来てくれた事があって、彼はテレビを見ていた時、「通行人に軽いイタズラをする」「失礼な質問をする」ようなコーナーに出ている人を指し、「ああ、○○さんだ」「××さん、事務所移ったんだ」と、見知ったエキストラが「通行人」として出ている事を指摘していた。
 これも、「仕込み」?

 いや、別に仕込んでもいいんだよね。
報道とかドキュメンタリーじゃないんだし。
バラエティー番組で、面白くするためにつくウソは、全然悪いと思わない。
 ヘタな若手芸人よりも自然に、可笑しい事や「変」な事を、脚本に沿って?喋れる出演者の「芸」を、素直に楽しめばいいんじゃないだろうか。
 でも、「これはヤラセ」「これは本当っぽい」と見分けていく事だって、それはそれで楽しい場合もあるかね。
 そうだなあ、もっと言えば、騙して楽しませるはずの「仕込み」がバレてしまうような不手際が発生した場合には、それにゴウゴウと文句を言う「楽しみ」に移行するのも、客としては間違ってないのかも。
あくまでシャレの範疇で「ツッコミ」を留める常識は、持って欲しいものだけど。


2003年6月5日 木曜日

『宇宙のステルヴィア』10.「おかえりなさい」

 人類の命運を賭けたグレート・ミッション実行の時が来る。
 正当なアクション編としてはクライマックスとなるエピソードだったと思うのだが…正直、盛り上がったとは言い難い。

 バリアー展開によって防げたのは衝撃波のみ?
ある程度大きな隕石に対しては、紙のように脆い防壁でしかなかったようだけど。
 小型隕石に対しては小型艇で対処。
それは良いとしても…
大型隕石まで 小型艇の小口径ビームガン(?)で何とかしようというのは、無理。
 当然、こういう事態も予想出来たはずなのだから、そうだなあ。
ステルヴィアを始めとするステーションに大口径のビーム砲台を設け、そこから砲撃を加える。
巨大ロボットに携帯させる形で、一撃で大型隕石を破壊する砲が実現出来ている所からすると、あそこまで小型化は出来ずとも据え置き型でなら、更に破壊力のある物が作れたかと。
 仮に射程距離に限りがある、という事でも、「宇宙戦艦」クラスの船を用意しておけば移動可能だし、小型艇よりは大出力の兵器を設置出来たはず。

 大型光学兵器に頼らずとも、『メテオ』のように核ミサイルを大量に撃ち込む事で破壊しても良いし、小型ビーム砲で隕石に穴を開け、そこに核弾頭を詰め込んで内部から効率よく(?)破壊する『アルマゲドン』方式を採ってもいい。
 事前にアステロイドから手頃な大きさの小惑星を持ってきておいて、推進機関を取り付け、それを飛来する大型隕石にぶつける事で破壊、もしくは計算通りに軌道を変える事も出来たろう。

 「主人公である志麻の活躍するシチュエイションが必要だった」のはもちろん分かるんだけど、人類が長い長い期間を掛けて用意した、最後の砦となるべき計画、という設定の物が こんなに杜撰では、見ていて気持ちが入れられない。
 『ガンダム』で言えば、戦車・戦闘機 数機にジムがぼちぼち、それとホワイトベースだけの戦力で「オデッサ作戦」を行う様子を見せられているような物で、(゚Д゚)ハァ? 連邦最大の反攻作戦のはずなのに何でこんな程度の戦力準備しかしてないの?と思うばかり。

 ヘタすると「愚か」に見えてしまうから、大人達が。
これまでは子供っぽい所も見せながら しかし確かに「大人」であると思えた彼らが、意外にも考えが足りない ただの「ガキ」だった、というのでは、どう思えば良いのか非常に困ってしまう。

 予期せぬ事態、を起こせば良かったのでは。
 バリアーを突破してくる、飛来して来た内 数パーセントを占める隕石の組成を分析すると、未知の元素が含まれており、それがバリアー破壊という予定外のアクシデントを生んだ。
 巨大隕石は壮絶な磁気嵐を起こしつつ接近しており、それにより小型艇もステーションも、全ての機能を止められてしまう。
現時点で、磁気コーティングが完璧に行われている機体は巨大ロボットだけで…とか。
 人為的原因としては、「ここで人類が滅びる事こそ宇宙の意志である」という狂信団体によるテロ行為で、計画に大きな障害が発生、とする手もあるけど、ここいらを余り突っ込むと、シリーズ全体の雰囲気が台無しになってしまう恐れも。

 志麻がこの計画に参加させられたのは、恐らくは何の問題もなく上手く行き出番など回って来ないはずなので、臆病だが優秀な彼女に「経験」を積ませるため、だった。
 しかしその前提は崩れ、人類存亡の危機に立たされた状況下で、まだ彼女をロボットのパイロットに使うか?
事前の出撃でも、役に立ったとは言い難いのに。
 教官達が乗れば良かったのだし、ステルヴィアに残る 優秀だが選に漏れた生徒達の誰かを乗せても構わなかったはず。
 ここも、説得力が弱い。
「志麻が主人公だから、乗せた」というのが余りにも露骨で、醒めてしまう。

 もうちょっと周到にするなら…
 以前の話で、ステルヴィアのサーバーに不正アクセスするエピソードがあったから、あそこで、データの海をさまよう内にロボットの起動プログラムに行き着き、それが何だかも分からず求められるままに自らのデータを登録した事で、自分以外の人間には動かせなくなってしまった、とするのはどうか。
志麻と光太が声紋を登録してしまい、彼女達以外には起動出来なくなる…という特撮版『レッドバロン』パターンでも( ^_^ )。
 解除にはプログラムの初期化が必要なため、大きな計画を控えて時間がない事情もあり、そのまま放置しておいた事で やむを得ずパイロットに…という持って行き方なら、まずまず、凄く作為的だけど必然性は出たかと。

 ロボットの操縦に、志麻の特性である「プログラム能力」「時折見せる異様な操縦能力」のどちらも生かされていたように見えない事も、不満。
 何度撃っても外れるビーム砲のプログラムを瞬時に修復するとか。
 地球に影響を与えない角度からの砲撃・破壊ポイントに到達する事が時間的に不可能となり、絶体絶命。
その時 志麻が競技会で使った手法の応用を思いつき、小型艇 数隻に指示し 任意のポイント・角度にバリアーを展開、それに向けて砲撃し、バリアーで何度も弾く(設定的に可能かどうかはともかく)事により隕石破壊に成功する、とか。

 傑作OVA『トップをねらえ!』第4話「発進!未完の最終兵器」風に、志麻の発進を格好良く描くなら、上記した程度の浅〜い事項は考慮すべきだったかと。
 初の出撃で何も出来なかった鬱屈、葛藤から到る「もう逃げない」決意、そして発進のカタルシス、全てにおいて『トップ』に負けている。
 脚本の堺 三保氏は、上手い人だしオレの数千倍も「SFに偉い人」だから、ここで並べた思いつき程度の事は当然 考えていたはずだが…

 盛り上げようという意図はなく、志麻が頑張った、という事で「成長」した事だけ伝われば良い、というのなら、ここまでの緊急事態を発生させる必要はなかった。
 最初に乗っていった小型艇で、小さな隕石を一個、破壊するに到るまでの心理を細かく追えば、それだけでも良かったはず。
「人類の大成果の影に、志麻の 見えないぐらい小さな成長があった」で十分。

 上記した事を実現しようとすると、せめて前・後編、出来れば3話ぐらいの時間が欲しい所ではある。
…実際、もっと時間を掛けて描いて良かった、描くべきだった場面だと思うんだけどなあ。
 ここを急いで通過して、最終的にはどこへ行きたいんだろうか?

 体育館に避難している志麻の家族。
未来だというのに、妙に身近な描写で、好き( ^_^ )。
 落ち込んで泣く志麻、ウルティマの無事を聞かされ、うつむいて涙ぐんだ後 満面の笑顔に変わる りんな、表情の変化の捉え方は非常に上手かった。
 次回は、また日常に戻る?
 今回の演出が、とても大事な話だったと思うのに佐藤監督自身で「ない」事からすると、この先に もっと何か描きたい事がある、という理解で良いのだろうか?


2003年6月4日 水曜日

『スクラップド・プリンセス』08.「絆と祈りの夜想曲」

 拾われてきた迷子・スィン。
ゼフィリスは、彼女を殺さなければ兄姉が死ぬ、と言う。
 その言葉通りに、道路に迷い出たスィンを助けようとして馬車にはねられ、大きなケガをしてしまうシャノン。
ここから、てっきり彼女は、「意図せず周囲の人間を不幸に巻き込んでしまう特性を持った娘」なのかと思ったんだが。
 それなら、世界に災厄をもたらす存在と言われているが本人には何の自覚もないパシフィカと、対…というか同様の「迷惑」な娘として、「不幸」スケールが大き過ぎるため もう一つ実感に欠けるパシフィカの置かれた立場を、分かり易く表すのに丁度良いかと。
 パシフィカが、自分を忌み嫌う「世界」の視点に立って、自分自身を見つめ直す。
迷惑に思い、居なくなってしまえば良い、と考えるばかりだった彼女が、スィンを許し認められるようになる事で、大きな成長を示す事が出来るし。
 …実際にはスィンは、ゼフィリスと同種の、敵だった。
悲劇ではあろうが、割とパターンなので、ちょっとガッカリ。

 今回は、「誰でもいいんでしょ!情けをかけて優越感に浸ってれば・・・私でなくても それで満足なんでしょ!」と、シャノンに対し、鬱屈した感情を爆発させて叫ぶパシフィカの姿が、なかなかの見せ場。
のほほんとしているようだけど、やっぱり色々と溜まってたんだなあ。
 ただ…幼い頃のエピソードとかの、兄姉が命と人生をかけてパシフィカを守っていこう、と決断するに到る過程の描写が不足しているため、「何故、こうまで言われてガマン出来るのか」について少々弱くも感じてしまう。
 いやまあ、パシフィカは基本的にイイ子なので、納得出来ねぇ〜!と騒ぐほどではないんだけど。

 シリーズ全体として。
 キモであるはずの「パシフィカの運命」には、余り興味を感じさせる構成になっておらず、単に追っ手と戦う、緊迫感の欠けたバトル物、になっている。
 決してレベルの低い作品ではないのだが、「先を見たい!」と思わせる動機付けが弱いのが気になる所。



『獣兵衛忍風帖・龍宝玉編』08.「煉獄昇天」

 人体改造の「忍者力(にんじゃちから)」を持つ くの一・煉獄がなかなか面白かった。
 他人の腕を自分に移植して四本腕となり、裂かれた顔の皮膚を繋ぐため蛇の生皮を使い、人間のでは力が足りないと思えばクマの腕に取り替え、協力を申し出てきた忍者に譲り渡した自分の両腕・両足を操って その者を水中に沈める。
 「人体改造」というネタについてかなり考えた跡があり、楽しく見られた。
ちーとグロいので、ダメな人にはまるっきり受け容れてもらえないかも知れない内容だが。

 煉獄により、犬の背中に、頭と片腕、片足のみ移植されてしまった、凄く中途半端なゴーゴン大公のような(分かり辛い例え)男の姿が、なかなか強烈。
自分では方向も決定出来ないため、「藪の中とかは歩くんじゃないぞーオレが傷だらけになるからー」と泣き笑いしながら(恐らくは発狂して)犬に懇願していた。
 ヒデエ!けど、いいねえ(笑)。

 「『忍者』、と名乗らせてさえおけば何をしても良い」とばかりに開き直った悪ノリは面白いんだけど、メインのストーリーは余り盛り上がっていないように思う。
 宝玉を巡っての話になっているのだろうが、不明点や、ただ単に「こういう設定です」という紹介に留まっている部分が多くて。
主人公である獣兵衛と しぐれ達のパーティーが別々に行動しているのも、散漫な印象に繋がってしまう。
 残り5話。
クライマックスに向けてのスパートに期待。



 コミケ、受かりました。
日曜日、東地区・ノ-12です。
 ぼちぼち新刊の企画を考えなきゃー。

 しかし今回は通知が来るのが早い!
何が送られてきたのかと思ってしまいました。
 準備会のサークル受付処理が、いかなる要因による物か、効率よく行えるようになった、という事かな?


2003年6月3日 火曜日

『妄想科学シリーズ・ワンダバスタイル』09.「LIVE or LIFE ?!」

 疑問点がボロボロ出て、余り楽しめなかった。
 月にコンサート施設を作ったのは誰?
お母ちゃんにしては、月まで行ったはいいが帰れない、という程度の科学力しか持っていないみたいだし。
 九十九、望遠鏡でコンサートの様子を細かく見て取れるのなら、月に人工物が色々とある事ぐらい分かってただろうに。
なんでアポロ計画は捏造とか言っていたのか。
 コンサートの映像を中継した際、音声だけカットして流したのは何故。
音まではキャッチ出来ないから、かとも思ったが、キクがスイッチ(音声オン?)を押そうとしたのを止めている所を見ると、故意に流さなかったみたいで。
 これらは「謎」として、後に解決されるのかな?

 九十九を裏切った事を申し訳 程度に気にし、しかしコンサートは行う みっくすJUICE。
 彼女らが居なくなった事で月への情熱を失う九十九。
 いかなる理由に寄るのか、自分も地球に帰れない(しかし低い技術力だな…)状態になる事を承知で月へやって来た九十九母。
 ギャグキャラとしてのテンションが大きく落ちたマネージャー。
 どいつもこいつも すっかり魅力が無くなっており、先行きへの興味まで薄れてしまう。

 12話で終了なのだから、勢いのあるギャグだけで最後まで引っ張っていけるかと思ったが…どうやらそれは無理だったみたいで、思い切り失速している。
 残り3話、ラストスパートを期待。



『仮面ライダー555』19.
 物語の流れから浮いている、子供のエピソードは入れなくても良かったような…
「戦隊シリーズ」にふさわしい、パターンで処理したような内容で、さほど面白味を感じなかった。
 スマートブレイン社長が情報を集めている子供の一人みたいだから、また後で、意外な登場でもするのだろうか?
 「戦うことが罪なら、俺が背負ってやる!」という、少し前の巧のセリフは、格好良くはあったが、「正義」っぽい戦いの理由付けはこの番組に似合わないように思う。
 病的にチワワにこだわる、命をいくつも持った黒人オルフェノクは楽しかった。
しかし、死んでも死んでも大丈夫、って以外には 特筆すべき能力が無く、もしかして巧には「よく似たオルフェノクが居るもんだ」程度にしか認識されていなかったのでは(笑)。


『金色のガッシュベル』09.
 熱くて非常に結構。
油断していると泣かされてしまう( ^_^ )。
 この作品は「互いに会話で深いコミュニケーションが取れるようになった『ポケモン』」だなあ、と思っていたが、思えば「電撃」攻撃をする相棒キャラ(オス)の声を大谷 育江が担当、という所まで『ポケモン』。
わざとかな?



『ASTRO BOY 鉄腕アトム』09.「フランケン」

 出崎統の絵コンテ。
 特に悪い出来ではなかったが、もう一つ食い足りない気分は残る。

 異形の怪物となり果てたフランケンの、悲劇性が弱い事も原因だろうか。
 様々なロボット達の機体を利用して体を構成していたのだから、少年の元へあくまで辿り着こうとするばかりのフランケンに圧倒的な主導権を持たせては勿体ない。
 主人との別れを悲しんだり、憎んだり恨んだり怒ったり、と様々な反応をボディーとなっている他のロボット達が示し、それを統括しきれずに周辺に迷惑をかけ…としても良かったかと。

 まあ、余り「人間的」な感情を描いては、心を持つ初のロボットである(と、お茶の水博士は言う)アトムの特殊性が死んでしまうが……本編でもフランケンを非常に人間くさく、確かな心を持つように描いているので、今更か。
 ここまで人に近づけずとも、プログラムの最優先事項として登録されている「主人である少年に仕えよ」という命令。それに従おうと万難を排して行動するその様子が、あたかも心を持っているかのように見えてしまう、という描き方でも良かったと思う。
 不用意に行動・反応を人間に近づけすぎると、かえってロボットとしてのキャラクター性や魅力を殺してしまう事にもなりかねないので。

 ラスト、ハッピーエンドだったんだろうけど、盗賊団は捕まっていないし、体を構成していた他のロボットはどうなったのか分からず、納得のいかない部分が残る。
 フランケンのエピソードが強引にでも「泣かせ」として機能していれば、それほどは気にさせずに済ませられたと思うが。



 わあ。
zetia さんのMedia Generation、05/31の記述において、ウチを文中リンクしてもらってる。
 しかも誉めて頂いてて、ビックリ。
ありがとうございます。精進します。
 zetia さんの、核心に斬り込む理性的な文章を、こちらこそ楽しみに読ませて頂いてます。


2003年6月1日 日曜日

『機動戦士ガンダムSEED』34.「まなざしの先」

 総力戦として、モビルスーツの大群がジャブローに降下、というお話。
 激しい戦いの様子が見られ、単純に楽しかったんだけど…
色々と気になる所が多くて。

 パナマ侵攻作戦。
以前、チラッとセリフで言ってたような気はするが…というぐらいで、全然印象に残っていなかったため、唐突な印象。
パナマには何があるんだっけ?軍事拠点?アラスカが最重要拠点であるのは確かなんだよね?

 どんな情報を元にしてパナマ侵攻を地球軍は確信したのか。
事前協議で知らされていた訳もあるまいから、軌道上に集結しつつあるザフト軍の動きから そう予測したんだろうなあ。
 自軍の兵士達にさえ、「真の目標はアラスカ」だと知らせていなかったみたいだけど、それで瞬間に軌道上の軍を移動させ、艦船を含む地上展開軍までパナマ(!)、あるいは各所の基地から移動させて、しかも全く違う形状であろう基地に整然と侵攻作戦をさせられる物だろうか?
 真珠湾攻撃を取り止め、急遽 ワシントンを直接叩く作戦に切り替えた、というように思え、頭に疑問符が。

 侵攻作戦でザフト側が圧倒的に強い事は、これまで描かれてきた戦力差に根ざしており、結構。
 しかし…こんなに簡単に侵攻がなるなら、もっと早く攻め込んでいれば良かったような。
 ジオンがジャブローに手間取ったのは、広大な南米アマゾン川流域の「どこか」にその本拠がある、その特定が出来なかったからであり、また対空兵力・防衛戦力が さすがに充実しているため、侵攻には大きな犠牲を覚悟せねばならず迂闊な総力戦を避けた、という事だと思うんだけど、ザフトは…
地上に展開させた、砂漠の虎とかも含む全戦力と、無傷のガンダム4機があれば、アラスカの戦力が完全な状態でも落とせたんじゃないかと思う程。

 いや、何だか基地内はカラッポだったみたいだから、引っ越し(退避?)している最中だったのかな。
それと、パナマへの戦力集中とで、アラスカは戦える状態になかった?
 うーん、でも宇宙での地球軍のもろさを見ていると、やっぱりザフトに対抗出来る戦力があったとは…
物量に勝る、という所を有利な点として、連邦は「兵無し」のジオンと戦った訳だが、『SEED』の戦況は謎が多い…
 コーディネーター達の評議会そのものが、「ナチュラルを叩き潰す」事に積極的でなかったから?

 クルーゼ。
フレイのオヤジだった?
 何というか驚愕の真実で、口あんぐり
声優ネタのギャグでなければ、クルーゼはフレイの血縁者(生き別れの兄とか)か、コーディネーター改造された父親のクローン、とでもいう事になる。
 もしもクローンだったら…この作品世界ならアリな設定だけど、使いこなすのは難しいと思うな。
メインテーマに近い所に据えるのでないなら、出さない方が良いかと。

 キラにフリーダムを与えるラクス。
 自軍兵士達が命がけの戦いをしている最中に、こんな物くれてやって敵側のエースを解き放つとは…やっぱり愉快犯なのか?
 「ストライクの4倍以上のパワーがある」というセリフは、懐かしくて笑った。

 ところで、コーディネーターのコロニーってドコにあるの?
 以前も、アークエンジェル追撃中のクルーゼが、一度本国に呼び戻されたのに再度追撃戦に加わっていた所を見ると、ラグランジュ・ポイントなどではなく、地球のごく近く?
近くなければ、ニュートロンジャマーキャンセラーを搭載しているとはいえ、推進剤には限りがあるはずのフリーダムが一気に地球まで飛ぶ事は不可能だろう。
よく言われる、「ザフト脅威の科学力」があれば、何でも可能(笑)?
 大気圏突入はどうするつもりなんだろう?
ザフトに奪われたガンダムには大気圏突入機能が付いていたようなので、それを元に開発した機体なら多分大丈夫だろう、と思って?
突入出来る、と言われていたストライクで死にかけた事は忘れた?

 いや、本当はそれらは どうでもいいんだよね。
 コロニーを飛び立つキラ。
ここが今回のキモであり、地球侵攻作戦も、戦力を削がれて危機状態のアークエンジェルも、全てはこの一瞬のために用意された物なのだから。
ここでキラの気持ちに感情移入させ、カタルシスを感じさせられれば、何もかもオッケーにしてもらえる。
 が…
「何と戦わなきゃならないのか、少し分かった気がする」と言うけど、どう分かったのか、何がしたいのかサッパリ分からないので、「キラを地球に着かせてあげたい」という気持ちになれず、細かい事ばかり気になってしまう。
 飛び立った後の戦い方を見ていると、「何と戦う」かという対象は「相手の武装」
「そうか、コックピットじゃなくて、武装とか駆動系を狙えば敵パイロットは死なないで済むぞ!」という事が、長い間考えて、ようやく「分かった」のかな?

 ダメだ、やっぱりキラの登場シーンが多くなると、どうしてもオレのテンションが落ちる。
嫌いなキャラだという訳でもないんだけど。
好きも嫌いも、各話の都合でキャラクター性をコロコロ変えられているため、判断出来ないので。
 シリーズの矛盾を一身に抱え込まされた形のため、今からその行動に説得力を持たせるのは至難のワザだと思う。

 地球軍の秘密兵器っぽいのは何かな?
アレが全部推進ロケットなら、『妖星ゴラス』なんだけど。
 ああ、ロケット全開で地球を月から離れさせ、ラグランジュ・ポイント(に、居るなら)を変えてしまう事で、ザフト共のコロニーを月に叩き落としてやろうという壮大な計画では!
 いや、そんなの回りくどい!
地球自体を巨大な質量兵器として、コロニーに体当たり、全てを破壊するのだ!
「コロニー落とし」を地球自らの接近により無理矢理 起こす事で相手を倒す、逆転の発想!
肉を切らせて骨を断つ、サムライの戦い。
 地球がボロボロになるけど、まあ細かい事は気にするな(笑)。
薄汚いコーディネーター共を根絶やしに出来るなら、ブルーコスモスは死をも恐れないぞ!多分。


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