2003年7月14日 月曜日 |
『グリーングリーン』01.「山奥でどっきどき」
一生懸命パンツを見せたり胸を揺らしたりと、視聴者の煩悩を刺激して商品価値を高める努力をしてるのは立派。
主人公の男の子に、「お人好しらしい」ぐらいしかキャラクター付けが成されないのも、余計な色を付けて感情移入の妨げになる事を避ける意味では、アリだと思う。
しかし…主人公の友達である野郎共に、変な風にキャラ付けをして第1話からバリバリ表に出してしまうのは…どうか?
正直、この手の作品で「男友達」なんていうのは添え物以下の存在価値しかない。
居ない方がスッキリするぐらいなモノで。
そんな彼らを、不細工で暑苦しくて図々しく設定し、主人公よりも力を入れて描くのは
どういう狙い?
青春群像劇にして、主人公 対 女の子多数、という よくある図式ではなく、男友達それぞれの心境を表しドラマに織り込んで、「そういう彼らと友達である主人公」といった形で見せていくのかな?
…難しいと思うし、上手く行っても、それが視聴者の望む方向と合致するかどうか分からないが。
回を重ねる事で、「見た目と違ってイイ奴等だ」と思わせるのに成功して行けば、単なるギャルゲーアニメ化作品を超えられる…可能性もある?
今回は、女の子達の取りあえずの紹介と、謎をばらまいただけで終わってしまった。
もうちょっと見てみないと、何とも。
『ダ・カーポ』02.「裏音夢、爆裂です」
義理の妹との えっちな夢、主人公を待ちかねて家の前で眠ってしまう女の子、肩をもまれた義妹が口走る誤解を招きそうな(
^_^ )セリフ。
義兄への気持ちを隠し切れない義妹、それに気が付いており、自分も「妹」に対するモノではない好意を示す主人公。
やっぱり、何とも言えず居心地が良く 都合も良いアニメ。
主人公の男友達。
『グリーングリーン』の三人組と違って こちらはズレた性格の美少年であり、むさ苦しさ、うざったさは最低限に留められ、不快感を与えない。
2話まで見て、ドラマが未だ薄いような気がするけども…
まあ、見ていて気持ちよい作品に出来ている事で十分「価値」があるので、無理に物語を進める必要はないか。
それで…ああ、これが噂のプロモーションビデオ。
HD録画で見ているため、前回放送の分はまるごと飛ばしてしまい、全然気にならなかったのだが(笑)、今回は見た。
長いなあ。フルコーラス入れるとはねえ。
声優さんのファンには嬉しいモノなのかな?
エンディング・次回予告が終わった後に流し、「ファンの人だけ見て下さい」という風にした方が気が利いてると思う。
このために本編の放送時間が圧迫され、それで更に物語が進まなくなっている部分も。
んー、まあいいや。次回からはまた飛ばす方向で。
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2003年7月13日 日曜日 |
『機動戦士ガンダムSEED』40.「暁の宇宙へ」
やっぱり色々と気になる事はあるけども…
ディアッカがオーブにいる事に、今まで気が付かなかったのかアスラン。それはいくら何でもディアッカに失礼じゃないか(笑)?
アスランが、ザフトを捨てて(?)までオーブのために戦う程、キラ、おまけとしてカガリに入れ込むなら、もうちょっとザフトへの絶望とか厭戦感を見せ、更に葛藤を深く加えてからじゃないと、感情に動かされるだけの
お調子者に見えてしまう危険が。
フリーダム、強すぎ。
空一面の敵を炎に包む火力には、呆然。確かに、これだけ無敵に描いておけば、子供は喜んでオモチャ買うかも( ^_^ )。
コレで補給も要らないというのだから、頑張れば一機で十分に連合を殲滅できるかと。
連合ガンダムが引いた間隙を突いて、空母や戦艦をガンガン沈めてしまえば楽に勝てたのでは?
連合の「圧倒的な物量」とは、どの程度だったのか。
モビルスーツ数百機単位?
フリーダムが無敵であっても、なお どうしようもない戦力の差を見せて欲しかった所。
アニメの戦略・戦術に突っ込んでも仕方ないが…
連合、どうしてオーブの施設を無傷で入手できると思ったかなあ?
連合側が話し合いを拒否し、殲滅戦を挑んでくるのだから、オーブは、「施設を委譲し、連合への協力を誓う事で有利な講和条件を引き出す事」を「無理」と判断せざるを得ない。
余りオーブを追いつめては、ムカツクからタダでやるより全部 壊してから逃げちまえ!という選択肢を取らせる恐れもあると予想しなくては。
ただ、現実には、短時間に国民全てを国土から脱出させる事など不可能なため、求められている施設を破壊して敵を逆上させ、非戦闘員まで虐殺される危険を回避するためにも、爆破は出来なかろうが。
ところで、オーブの国民って総数何人?
前回から行っていたとしても、こんな簡単に避難できるモノかなあ?
オーブ脅威の技術力?
クライマックス、離陸しようとする宇宙船に飛び乗る2体のガンダムが見られたが…
大気圏突入は出来ても、さすがに脱出まで出来ないのね。
キラ・アスラン連携による、キチガイ3人組ガンダムとの戦いが、なかなか。
エネルギー切れを起こす連合側を見せる事で、フリーダム等の優位性も示せたし。
やっぱりロボット戦闘の時間が長く取ってあると、充実感が違うなあ。
国のために全てを捧げてきたのであろうカガリ父を含むジイサン連中が、国土と運命を共にする辺り、コンテの米たにヨシトモ、力業の盛り上げ。
以前も使われたBGMの歌が好きな事もあり、ちょっとジーン。
国民や軍人が残るのであれば、戦争の責任を取って処断される要員という役割が残っているため、責任者の自決は許されないけども…
「とにかくみんな逃げて、多分無事」という事なら、「船長は、沈む船と最後を共に」みたいな選択もアリかな。
基本的にファーストをなぞってきた物語だが、アラスカ基地自爆から独自の方向を取り始め、オーブに身を寄せた事で、今後はここを拠点に連合・ブルーコスモスと、ザフト・ザラ一派に反抗していくのだろうと予想していた…
しかしそのオーブは壊滅。
そして、宇宙へ。
…先が読めなくなってきた。
彼らはどこに行くのだろうか?ラクス率いる戦争へのレジスタンス勢力と手を組むのかな?などと考えつつ見るのは、単純に楽しい。
『HAPPY★LESSON ADVANCE』02.「バレバレ★ながつきの秘密」
新シーズンに入っての新キャラである ながつきの過去が早くも語られた。
もうちょっと引くかと思ったが…
狙いとしては、彼(実は彼女)の登場によりドラマ的な波乱を起こす事ではなく、異常ながらも穏やかな生活を当たり前としてきた主人公の心の中に、葛藤を生み出す事か。
「ママ」と呼び・呼ばれてきた疑似家族関係の中で、特に むつきとの関係を問い直す流れになっていくのだろうか。
なるほど、と感心する方向性だけども…
『シスタープリンセス』などと同じく、「キャラクターが、ややこしい事は何も考えない」のを前提として成り立っている基本設定だからなあ。
前シリーズでは5人のママとの間に出来るだけ恋愛感情を挟まない事で、微妙な同居関係の距離をキープしてきた。
主人公にとり、誰が本当に好き(大切)な人なのか、という問いかけに答えを出してしまったら、シリーズが終わってしまわないだろうか。
「オレにとっては、誰が一番大事とかいう事じゃなくて、5人とも大切なママだ!」とでも言わせ、逃げ切る手もあるけど(笑)。
第2話にして、作画レベルがちょっとダウン。
萌え中心で、気持ちよく内容を見せる事が重要なこの手の作品において、作画の乱れは命取り。
頑張って欲しい。
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2003年7月12日 土曜日 |
『住めば都のコスモス荘・すっとこ大戦ドッコイダー』01.「ドッコイダー登場でドッコイ」
原作は未読。
うぅ〜ん…
巻き込まれ型 変身ヒーローギャグ物で、設定もキャラクター配置もパターンながら決まっており、お話も第1話としては悪くないんだけど…
残念ながら、笑えは、しなかった。
この題材で、演出がワタナベシンイチや桜井 弘明や大地 丙太郎や佐藤 順一だったら、もっと笑わせてくれる内容に十分出来ていたと思う。
いい加減さとか、視聴者に先の展開を予想されてしまう前にガンガン話を進めていく疾走感、要は現代的な笑いが不足している、という感じだろうか。
ちょっと丁寧に、誰が見ても分かるよう親切に第1話を作りすぎてしまった事で、スピードに乗せた笑いが生み出せなかったのか。
ギャグについて言葉で語っても無効だな(笑)。
演出する人によっては爆笑エピソードも作り得る題材だと思うので、それを期待して見続けよう。
センスの良いエンディングは、監督さんの手によるモノなのだし。
『ダイバージェンス・イヴ』02.「量子障壁」
やはり、さっぱり分からない第1話から過去に遡る お話になった。
勢い込んで、一生懸命作ったのであろう設定を披露してくれたが…
特に「SF設定」は、作る事が非常に楽しかったり、他のいい加減に作られたシロモノとはこだわり方が違うぞ!という気持ちを込めて劇中で紹介する事により、製作者のプライドを満足させてくれるモノかも知れない。
しかし、多くの視聴者にとってそれは、単に「理解するための負担を強いられるもの」でしかない。
このアニメでも、一般的になった「ワープ」という単語を使えば済む設定に独自性を加えるべく、なされた説明が、
「我々の宇宙以外にも、並行宇宙と呼ばれる無数の宇宙が存在します。これらは、素粒子よりも小さい回廊、ベイビー・ユニバースによって繋がっています。また並行宇宙はそれぞれ異なる性質を持ち、中には、宇宙創生時のインフレーション状態のものもあります。インフレーション状態の宇宙では、時間と空間の関係が確立されていないため、あらゆる物質・波動が無限の速度を持ち得ます。ベイビー・ユニバースの回廊の出入り口がある空間に、極度に高いエネルギー順位を与える事で宇宙船サイズの物体を通す事が可能な、インフレーション・ホールが形成されます……」
という、これ。
どうだろうか?こうして文字に直したモノを、読む気になるだろうか?
めんどくさいから飛ばしてしまわないだろうか(笑)。
皆が皆、ホーキングやら宇宙論に興味がある訳も無し、これで分かってくれという方が無理。
客船でもない輸送船で、しかも乗り込んでいるのは宇宙作業従事の候補生らしいのに(民間人も乗ってる?)、艦内に上記のような説明放送を流しているのは不自然なんだけど…まあそれは良いとして。
キャラの見分けを付けさせるようなイベントもロクに起こしていないというのに、独自の設定を語る時間だけは長々と取る。
しかも、そのセリフ回しがまた…
「8、プラスマイナス5時間です」というセリフがあったが、これは「3時間から13時間の間です」と言えばスラッと分からせられるのでは?(いや、別に重要なセリフじゃないんだけど)
専門的で格好良さげな言葉遣いをしたい気持ちは理解できる。
しかし、ただでさえ分かり辛い設定を羅列しているのだから、僅かでも視聴者の負担を少なくする努力をすべき。
いずれ物語に重要な意味を持ってくる設定なのかも知れないが、とにかく今回のような紹介の仕方は宜しくない。
「よく分からないし、もういいや」と見ている人に言わせてしまったら、そこで
その人にとって この作品は「終わり」になるのだから。
モンスターのCGと、アニメキャラクターを同一画面に入れた際の違和感は、CG導入
最初期の作品レベル。
もしや、第1話本編とかけ離れてスカーンと明るかったエンディングのような内容へと、第2話で無理矢理持って行くのでは?という予想も外れ、だいたい製作姿勢も分かった所で、ここまでかな。
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2003年7月11日 金曜日 |
『宇宙のステルヴィア』15.「わかりません」
迫り来る戦火の足音。
それとは無関係に見えながら、やはりどこかに影響を受けてしまう志麻達。
光太との、来るべき「勝負の日」に備えてブラを新調する志麻。
アリサに冷やかされ、思わずしゃべり方が敬語調になってしまうのが おかしい。
キスについて問いただし、いち早く経験してしまった光太の言葉に、見栄を張ってしまう馬鹿な男性陣。
この辺は、実に日常だが。
ロボットのシステムにかかりきりになり、志麻とのデートを断ってしまう光太。
戦闘用であるロボットの存在に、光太は最初 嫌悪感を持っていたと思ったけども…
志麻という「守るべきもの」が出来た事で、戦いを否定するばかりでは居られない気持ちになったとか?
うーん、相変わらず気持ちが見え辛いキャラだなあ。
女先生とデート(?)している所を目撃され、ふくれっ面の志麻を目の前にしながらも、まるで感情の動きを示さないし。
これが続くと、光太は「天才的な能力を持つ、志麻の彼氏」という「記号」が人間の姿をしているだけ、にしか見えなくなってしまう。
せっかく姉を登場させたのだから、志麻の喫茶店での態度を相談し、姉から「アンタは無神経すぎる!」と罵倒されるなどして光太の感情部分を代替してもらう事で、自身は無感情なままでも姉弟合わせて一つのキャラとして、魅力的に見せる事は出来ると思う。
実際、『ムリョウ』の姉弟が そんな感じだったのだから。
「好きになるほどいい男かなあ?」としか見えない程度に光太を描くという事は、彼を大好きである志麻の価値までも同時に下げてしまう事になるのだが。
戦闘艦の勇ましい姿に、単純なジョジョは大喜び。
すっかり気分が盛り上がってしまった彼は、勢いで「安心しな、イザとなったらこの命に代えても、オレが守ってやる!」と晶に宣言する。
ああ、気持ちはよく分かるなあ。
男はこのぐらい莫迦なんだよね( ^_^ )。
多くの「戦う」作品では、この考え方は賞賛されるべき、少なくともマイナス評価を受ける謂われは無いもの。
が、晶は、「戦って命を落とす事が、そんなに格好いい事なの?」と問いかける。
ちょっと、ドキッとさせられるセリフ。
望まない戦いだが仕方ない、として、敵をバカバカやっつけ命がけで仲間を守る、そういう作品に対するアンチテーゼ?
学徒動員の気配。
軍からは生徒にも実戦訓練をするよう、要請が来ていたようだ。
しかし…ステルヴィアって、巨大「学園」宇宙ステーションなんだと思ってたけど、違うのね。
軍隊が駐留している様子で、防衛の必要もあるって事は、スペースコロニーみたいな物?
ファウンデーション間で争いが起きそうらしいが、そんなに大規模な…数万、数十万単位で人間が居住できるスペースを持ってるのかなあ?
ステルヴィアが特殊なだけ?
内部に広大な学園スペースを擁しているのも、規模が小さめであるのも実はここだけ。
他のファウンデーション、ウルティマなどは遙かに巨大であり、「サイド3・ジオン公国」のように
いくつかのステーションで構成されており、国家クラスだとか?
グレート・ミッションに備えて一つだった人類の心が、疑心暗鬼で満たされていく。
何となく『パトレイバー2』の未確認機相手のスクランブルを思い出してしまう。
あれも、それらをきっかけに自衛隊各基地や警察の間に軋轢が生まれたんだった(関係ないけど『ウルティマ』は『パト』監督の押井 守が一時期、職業・ウルティマと書くほど好きだったゲームだな)。
ファウンデーションに飛来する飛行物体は、他ファウンデーションからの敵対行為の表れなのか。
それとも「宇宙ひも」(笑)から来た侵略者?はたまた、悪意を持たない宇宙人の乗機が意図せず争いの引き金になろうとしているだけ?
エイリアンだった場合、そしてグレート・ミッションの際、バリアーを突き破って多数の隕石が飛来した事が、計算外であり本来ならあり得ない事態だったのであれば、人類に好意的な存在ではあり得ないか。
映画『デッドコースター』を見る。
タイトルが全然変わってしまっているが、『ファイナル・デスティネーション』の続編。
前作は、『トワイライトゾーン』とか『世にも奇妙な物語』の一エピソードのようなストーリーに、見せ物的なショッキング・シーンを詰め込んだ物だった。
監督が替わってしまった2作目の出来はどんなモンだろうか…と若干の不安を感じつつ見たが…
いやー、面白い。
面白いというか、楽しいというか。
一応はホラーに分類される映画かと思うのだが、サッパリ恐くないのは善し悪しかな。
一作目同様、具体的な殺人鬼が存在しない殺人物。
画面には見えない死神というか、「偶然」というか、有り体に言えば「そのまま映画の脚本家」に殺されてしまうのだ。
この殺し方に、色々と工夫をしてくるのが楽しい。
「次はどんな面白い方法で殺すのか」にワクワクさせられてしまう。
ここで殺すのだろう、というポイントからワンテンポずらして殺す やり方が後半、だいぶ読めてしまうのだが、それでも「コレは今まで見た事がない殺し方だ」と感心させられるモノもあり、スタッフ内で「殺しの方法コンペ」でも開いて決定していったのではないか、と思えるほどのバリエーションを見せてくれる。
『マトリックス・リローデッド』のアクション監督が監督をしているだけあって、カースタントの見せ方は非常に迫力があった。
恐らく、一作目制作時に続編の事は余り考えられていなかったのだろうが、何とかキレイに繋げるべくストーリー上の工夫が凝らされており、もっと馬鹿な映画を予想していたので嬉しい驚き(だから、この映画を見るなら、先に一作目を見ておいた方が良い)。
「死」から逃げ出そうとする努力の方法も、笑ってしまうラストも含め、この手の惨殺悪趣味系映画が好きな人間なら、十分に楽しめると思う。
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2003年7月10日 木曜日 |
『ボンバーマンジェッターズ』41.「新生!闇のヒゲヒゲ団」
本当、強い確信…キャラやドラマへの深い理解に基づいている作品。
これだけシリアスな展開で、その最大の黒幕であるメカードに酒場で情けないギャグを演じさせ、それでもなお「馬鹿馬鹿しい話」に堕とさないバランス感覚は驚異的。
シロボンとMAX(MA-10)、更にMA-0を加えたバトルの緊張感には、ハラハラしてしまう。
戦いの組み立て方も、非常に巧妙。
MA-0がマイティなのだろうか?
それでは素直すぎる気がするので…
MAシリーズはマイティの特性・記憶等をベースに開発されたアンドロイドであり、0は不必要な部分の記憶が強く残った試作の失敗作。
1〜9まで試行錯誤を繰り返したが上手く行かず、結局はオリジナルのマイティから記憶を消去し、サイボーグ改造を施したものを「10」とナンバリングして、完成型とした、とか。
でも0には特殊なボムが作れたようだし…うーん、分からない。
次回はそういった謎が解かれるのか?と思ったが、もっと過去に戻って そもそもの戦いの切っ掛けが描かれていくのかな。
『エアマスター』15.「征服せよ!女帝ゴキ」
戦隊ショーでの悪ノリ話。
メタメタになった舞台で最後に崎山が叫ぶ、
「い〜いかぁガキ共!人生は弱肉強食だぁ!神様もヒーローも居ない!やられたら必ず自分でやり返せぇ!どんな事をしても、どんな手を使っても自力でやり返せぇ!前を見ろ!振り返るな!そして、悔いるな!全力で人生を駆け抜けろぉ!!!」
という言葉が とにかく素晴らしくて( ^_^ )。
特に「悔いるな」ってのがね。
個人的に、もうちょっと前には、「反省のない所に前進はない」とか考えていたけれども、最近は「同じ失敗をしない、という事だけ出来ていれば、それ以上
悔いるのは時間の無駄」と思い始めているので、非常に共感。
崎山はホントに良いキャラになった。
コイツが居れば、引っかき回させて大騒動にするのも可能だが、無理矢理 締めさせて終わらせる事もまた可能。
欲しいなあ、こんなキャラ。
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2003年7月9日 水曜日 |
『スクラップド・プリンセス』13.「遙かなる追想曲」
世界の、かなりの部分まで謎解きが成された。
なるほどなるほど、これはそういう話だったのか。
ただ、怒濤の長ゼリフのみで解説、という形だったので、理解を深めるべく
もう少し過去を表す「絵」を入れて欲しかった所。
何か意図がある?ここで語られた内容は、真相とはまだ異なっているとか。
いくら説明されても よく理解できない様子のパシフィカが おかしい。
中世的世界の一少女(悲惨な境遇であるとはいえ)として過ごしてきた彼女に、こんな壮大でややこしいSF的設定を、一発で理解できる方が不自然だからね。
『キノの旅』13.「優しい国」
何とも言えない終わり方。
そう来たかあ…
このアニメはどの話もそうだけど、特にこれは物語を知らないで本編を見るのがベストだと思うので、本放送は見られなかったが
いずれソフト化されたら見ようと思っている、という方は、以下を読まない方が良いと思う。
今回キノがやってきたのは、旅人に非常に評判が悪い国。
だが、警戒して訪れたその国は、予想に反して過剰なほどキノに優しく、親切な人ばかりだった。
何かオチが付くんだろうとは思っていた。
もっと単純な、「無理をして3日だけ体裁を取り繕っているんじゃないか」「もしかして出国の際に代償を払わせようというのでは」「キノを何かの儀式で生け贄にしようとしていて、それを見越した優しさとか」などと考えていたが、どれも全然違う。
滞在期間を3日間にする事に こだわる国民。
何故かその期間中は仕事をしない、という拳銃職人の老人。
適齢期前だというのに、急ぐようにして挙式する若い男女。
労苦の末に辿り着いた、自分たちの国に対する思い。
娘に「いつか」の旅立ちを促す宿屋の夫婦。
…なるほど、全部 伏線だったのか。
それがキレイに収束していくラストは、「ああ!」と声が出てしまうほど見事だった。
ただ…ここで示される考え方が好きかというと、「嫌い」なので複雑。
物語は決して この国民達の選択を、肯定している訳ではないけれども。
大人は思い出に殉じようと自由だが、子供は思い出をこれから作っていく存在なのだから、それに付き合う必要はない。
実の両親であろうとも、付き合わせる権利は、無いのだ。
子供は、生きるべき。
という所は ひとまず置いて。
映画『日本沈没』で、丹波哲郎 総理大臣に対し、指示を与える「鎌倉の老人」の言葉を思い出した。
国土が沈む前に出来るだけ多くの国民を脱出させて…というような対処法をいくつも示した後で、もう一つ、最後の方法として老人は、
「このまま、何もせん方がええ」
と言う。
日本人は国際社会ではまだ子供だ。海外で虐められ、泣きながら帰ってくる国民を暖かく迎えてくれる母親のような「日本」は、海に消えてしまう。バラバラになり、辛い思いをして生きていくぐらいなら、いっそこのまま国土と運命を共にする方が幸せではないのか?と(かなりうろ覚え)。
キノの世界は相当に「狂った」国が多く、そういう中を彷徨って新しい国土を探す事は、想像以上に厳しいのかも知れない。
歴史博物館で、「旅を始めた時は数万人規模だったが、今の場所にたどり着いた時には数百人にまで国民が減っていた」というようなセリフでも入れると、彼らの、旅を再び選ばない「覚悟」に
より説得力が出たかと。
幸せなままで死ぬ、というのは、厳しい苦難に耐えて生きるより、勇気が要らないのかも知れないな。
最期にあたり、せめて旅人に、自分たちの国の良い記憶を抱いて行って欲しい、と願い、精一杯優しく接する人々の気持ちが切ない。
『スタートレック・ネクストジェネレーション』の名作「超時空惑星カターン」を思い出してしまった。
キノの本名って、今回出た少女と同じサクラだっけ?
だとすると…
自分と同じ名前を持ち、同じく宿屋の娘でありながら、「両親を愛し、愛されて生きる少女」を見て、「両親に殺される寸前に国を脱出したキノ」は、「説明できるような物じゃない」気持ちになって当然。
キノにはあり得なかった、別世界での幸せな姿の自分、として少女を見ていたのだとすれば、滞在期間を伸ばしたいという言葉も、最後の取り乱しようも理解できる。
それだけに、より残酷な結末だった訳だけど。
少女が、何も知らないまま死を迎えたのではなく、自らの意志で両親と共に逝く決意を残した事は、キノにとって「救い」だったのかどうか。
いや、面白い作品だった。
毎回毎回、見終わって こんなに色々考えさせられたアニメは久しぶり。
視聴率や評判がどうだったか分からないし、DVDなども大きく売れる事はないかも知れないが…
在るべき価値を持つアニメだったと思う。
可能であれば、いつか続編を見せてくれると嬉しいな。
『LAST EXILE』14.「Etude Lavie」
どこか懐かしい気分にさせる、クラウスとラヴィの子供時代の回想。
2人の強い結びつきの理由や、ヴァンシップに対する思い入れなど、物足りないと思っていた所に
きっちりフォローが入れられ、キャラに親しみを感じる事が出来た。
…どうせならシリーズ中で、もっと早くに見せてくれても良かったかな。
前2話ぐらいを きちんとした形で見られていないため、現状、置かれている状況が
よく理解できない。
誰と戦って、艦はあんな状態に?
2人の故郷へと攻め込んだのは、何者?
うーん…その辺の説明を入れて一回 総集編でも挟んでくれれば(勝手な事言うな)。
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2003年7月8日 火曜日 |
『ASTRO BOY 鉄腕アトム』13.「ウラン誕生」
何となく完成しているウラン。
アトムには膨大な予算がつぎ込まれたはずだし、天才・天馬博士の技術力をもって初めて完成させられたモノだと思うが…既に技術が確立されたので、2体目は
さほど大変でもなかったのかな?
全体には無難な出来で、悪くなかった。
が、普段からレベルが高いシリーズなので、つい もう少し、を望んでしまう。
アトムに「兄妹が欲しいな」という気持ちがあれば、この誕生をもっと受け容れやすかったのだが。
「妹」という立場に戸惑うウランに比べ、いきなり「兄」に成り切ってしまうアトムは、ちょっと段取りっぽくさえ感じてしまう。
ウランが助けた鳥が、ラストでもっと活躍すると良かったかなあ。
怪鳥ロボットの どこに捕まっているかを、外を飛び回ってアトムに教えるとか。
親鳥、兄鳥の存在を示し、ウランに「肉親」「家族」というものを意識させる役割を振ってもいい。
ロボット排斥主義者の お兄ちゃん、久々の登場。
相変わらず、派手なだけで頭の悪い、イメージダウンの策略を見せる(笑)。
でもまあ、現実にもこういう人達の行動は「なんだそりゃ?」な事が多いので、リアルといえばリアルか。
お茶の水博士、本当に「特別に作られたアトム・ウラン以外のロボットには心がない」と思ってるみたいだなあ。
視聴者からすると、どう見ても ほとんどのロボットには「心がある」としか考えられないんだけど。
学校に行ったり、眠ったりという無駄な機能が付いている2人は確かに人間っぽいが。
この作品で言ってる「心」って、何だろう?
映画『ソラリス』を見る。
有名なアンドレイ・タルコフスキー監督の睡眠導入映画( ^_^ )のリメイク…というより、スタニスラフ・レム原作を新たな脚色で映画化したものらしい。
…とは言っても、以前の映画を見てないし、小説も読んでいないのだが。
えーと、お手上げ。
サッパリ分からない。
いや、色々と考え合わせれば内容的に分からない事はないんだけど、「ドコを面白いと感じれば良いのか」は分からないや。
オリジナル発表時と違い、今日では そう珍しい題材でもないのに、「分かり辛さ」を除くと独自の面白味が薄く感じられて。
あちこち感想を見ると、大変な好評かボロカスの両極端。
オレは、受け付けなかった方だなあ。
狭義の「ハリウッド・エンターテイメント」に、脳の髄まで毒されている人間だから。
画面は美しいし、ハッとさせられるシーンもいくつかあった。
でも、それだけ。
これよりかは『ザ・コア』の方が ずっと面白かった、と思う観客の感想だという事で。
買い物に出た帰り、コンビニの前で小学生の男の子2人が話している内容を、ふと耳にする。
「フリーダムってチョー格好いいよなー」
「いやー、ジャスティスの方が格好いいって、背中のトコがすっげえ格好いいの」
「バ〜カ、だってフリーダムにキラで最強じゃん」
…というような。
当然、『機動戦士ガンダムSEED』の、ニュートロンジャマー・キャンセラー搭載2機体の話をしていたんだろう。
ああ、ウケてるんだ。
ゴメン、オレはまだ、両機体の白黒設定画を見せられたら どっちがどっちだか見分ける自信が無い。
子供達にとって、取っつきづらいしバトルも少ないしで、魅力あるシリーズであり得ているのかどうか疑問だったけど、少なくとも
この2人にとっては価値があった様子。
背中が…とか言っていた所を見ると、アニメそのものよりプラモなどでの造形に触れる事で、格好良さを見出していたのかも知れないが。
いや、キラが乗って最強だとか言ってるから、本編も把握はしているんだろうな。
思えば、今、『ベイブレード』や『クラッシュギア』は卒業し、『マシンロボレスキュー』を「出てくるのが子供ばかりで物足りない」と捉える、ちょっと背伸びをしたい若年視聴者層を受け止めてくれる、メカニックなアニメってこれだけ?
ああ、『ガドガード』があるか。
でも深夜だし、あの丸っこいメカデザインは かえって大人向けのような。
そういえば『FIRE STORM』も一応…
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2003年7月7日 月曜日 |
『仮面ライダー555』23.
「真理はなあ、俺の母親になってくれるかも知れない女なんだ!」
今回はもう、このセリフにコケた事に尽きる(笑)。
お前はシャアか?(「ララアは私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!」)
草加の行動が、もう一つ理解できない。
スマートブレインのラッキー・クローバーに入ったとして、そういう自分を真理が受け容れてくれると思ったのだろうか?
また、オルフェノクでもない人間を、会社も迎え入れてくれるはずが無く(まあ実際にはライダーに変身できる者=オルフェノクなのかも知れないが)。
もうちょっと賢く立ち回って乾と木場を戦わせるとか、知能犯な所を見せるかと思ったのにな。
そういえば草加、大学のクラブをいくつも掛け持ちして、それぞれから非常に頼られていたようだが、最近は顔出しも出来ていないのでは?
ストーリーが停滞しているので、色々と不都合な所が見えるようになってしまった。
木場達を処刑しようと考えるようになっても、彼らが住むマンションの家賃を、恐らくはずっと負担し続けている(賃貸ではなく会社所有?でも、合法的に追い出す事は出来るだろう)人の良いスマートブレインとか。
結局555ベルトを手に入れたラッキー・クローバーと、どのような決着を付けたのか不明なままの草加とか。
真理が木場を好きになる、というのも、どこにそれほど惹かれたのか分からないもので、ストーリーを転がす方便っぽい。
これはどのシリーズもそうだけど…オルフェノクにより多数の死者が出ている事を、社会はどう受け止めているのだろうか?
そもそも「オルフェノク」という呼び名は一般的なもの?
警察は使っていなかったように思うけど…
勿論、疑問があっても、つまらない訳ではないが…
そろそろ怒濤の展開を見せる事によって、細かな疑問を忘れさせて欲しい。
『高橋留美子劇場』01.「Pの悲劇」
不勉強な事に原作未読なため、アニメと比較する事は出来ない。
これは、こういう作品として見た。
短編は特に、ストーリーを知らない方が楽しめると思うし。
いやあ、面白い。
団地内で、ペット禁止の規則に厳しい女性の、真上の部屋に住む主婦が主人公。
そこに、旦那が取引先から預かってきたペンギンが入り込んだ事から、物語が始まる。
ペンギンの事を無邪気に喋りまくる息子、次々にペンギン見物にやってくる子供達、事態を把握しないまま預かり期間を延長してしまう旦那、無表情で主人公に迫るペット取り締まり主婦…
ストレスを強いる展開のクライマックスを前半部に設ける事で、団地内の閉塞状況をしっかりと印象づける。
後半は、少し緊張の輪が切れ、また緊急事態で締め、厳しい主婦の意外な実像が明らかになる等で飽きさせず、溜めて来た鬱屈を、狭い部屋から夜空の下へとペンギンを連れ出すシーンで一気に解放していく事により、カタルシスにつなげる。
うわ、巧い。
この構成の巧さには唸らされるばかり。
残念だったのは、「解放」を表すアニメ演出が、宇宙に出て、そこから地上に戻り、ペンギンの故郷までカメラを走らせる事だったのは良いとしても…体感的にちょっと長すぎた
きらいがあった事。
ここをどれだけ気持ちよく描いて見せられるかが、非常に重要な所だったと思うので、「何でこんなに長いんだ?」と感じさせてしまうのは拙い。
「動物好きな人は善人で、嫌いな人は悪人なんですか?」
というセリフには、ドキッとさせられてしまった。
こういうセリフが一言あると、短編はギュッと締まるんだよね。
でも、なかなか思いつかなかったり、構成上入れられなかったりする事が多い。
さすが第一線のベテランで、この辺 本当に上手いや。
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2003年7月6日 日曜日 |
『機動戦士ガンダムSEED』39.「アスラン」
キラとアスランが、何度目かの、しかもこれまでのどれとも違う複雑な感情を抱えて対面する所が、当然ながら今回のキモだったのだと思う。
うーん、それにしては物足りなかったかな。
じゃあどうすれば良かったのか、は難しい所なんだけど、逆に言うと どれほど極端な形にしても視聴者は納得してくれたシチュエイションだと考えられ、ライター・演出の腕の見せ所だったと思うが…
感情面の整理が上手くできなくて、カガリという第三者に抱きつかせ、互いに何となく笑みを浮かべさせる事で誤魔化してしまったようにしか見えない。
もっと、叫び合うだの殴り合うだの、男の子同士なんだから未熟で馬鹿で一途な所を見せた方が、魅力に繋がったと思うが。
単純には仲直りをしたかろうけど、死者の影や互いの立場も引きずっている訳で、ゴチャゴチャになった感情が爆発する所が見たかった。
あー、でも女性視聴者はそういう汗くさくて みっともないの、苦手かな。
「不幸な過去を背負いながらも、互いを許し合い認め合う友情」みたいな、男から見ると「絵空事じゃん!」というぐらいに綺麗事の方が美しくて良いのかもね。
キラ・アスラン個別の写真(イラスト)集も出すほど、女性客層へのアピールを考えている作りなのだろうから、男性が納得するかどうかは二の次?
薬物依存症な醜態を見せる、連合の3人組。
そういうマイナスポイントがあるなら、薬効が出ている間だけはキラ・アスランを超える操縦能力を発揮させておいた方が面白いかと。
連合。
オーブから思わぬ抵抗を受けた事だし、コリャまずいから全軍撤退、って事も考えて良いような。
上層部からの命令が「オーブ攻略」である以上、全滅しても任務を遂行しようというのか?
戦線にアークエンジェルが投入されている事は分かっただろうから、連合が
その返却を求めるとか、それを拒否された場合「拉致・監禁された乗員の救出」もしくは「連合への反乱分子をかくまう事で反抗意志表明をした事」が連合のオーブ攻めをする大義になっていくとかにすれば、より乗員達を感情的・ドラマ的に追いつめる事が出来ると思うが…
キラとアスランの再会を描くのに手一杯で、ディアッカが置き去りになっている(ミリアリアとの関係のフォローはあったが)現状では、入り組んだ物語作りは避けるのが無難かな。
『ダ・カーポ』01.「好きになっちゃダメですか?」
『To Heart』『Kanon』などと同じく、恋愛シミュレーションゲームをアニメ化したもの。
毎度感心する事だけど、よく考えるなあ。
学校が舞台で、基本的なフォーマットを他のゲームと同じくしながら、オリジナリティーを出すべく細かな設定やキャラクター、ドラマの運び方に工夫を凝らす
その懸命な努力は、凄いやプロだ、としか言い様がない。
作画は安定しているし、キャラの紹介も手際よく、悪くない第1話。
この作品では、主人公である男の子は 、ごくプレーンな性格をしており感情移入を容易にするタイプ。
他人の夢を見る事が出来る、という特殊能力を持っている。
彼には、両親不在の家で一緒に暮らす、可愛い妹がいる。
妹と言っても、義理で、ちょっと遠慮がちに「お兄さん」と呼ぶ。
彼女は、結構はっきりと義兄への思慕の情を示しており、主人公もまた、それに気が付いているらしい様子を見せる。
微熱が続いている妹に、額と額をくっつけて、「今日の病状」を計るのが兄妹の朝の日課。
学校に行ってみると、数年前に海外に転校したはずの、従姉妹の少女が帰ってきている。
主人公への呼びかけは、「お兄ちゃん」。
どうやら最後に見た時からほとんど成長していない、幼い容姿で現れたらしい。
何事か主人公と交わした約束があるらしく、その成就を目論むのが今後の行動動機となる?
いきなり主人公の部屋に忍び込み、義妹の目の前で ちゅーをする積極性を見せる。
他にも、ぼーーーっと通学路を歩いていく女生徒、義妹が好き好き!な後輩、学校の屋上で何故か鍋をつついている2人組、などなど、取りあえず今後の絡みを予想させる登場フラグを立ててみせた。
ああ、都合が良い( ^_^ )。
「何でこんな取り立てて魅力も無いような主人公がモテモテになるんだよ?」「こんなのあり得ねえ」という常識的な疑問を抱く人は、見てはイケナイ作品だと思う。
主人公は視聴者(本来のゲームではプレイヤー)である 冴えないあなた(うう…)自身の投影なのだから、せめてバーチャルだけでもモテた方が楽しいでしょ?という事なんだけど、納得できない人には
これがどうしても納得できないようで。
ただ…この作り方だと、主人公が視聴者には違和感のある行動を取り、「オレなら
こんな事しねえよ!」と思われ始めると、途端に大前提となる「主人公を自分とする感情移入」が崩れてしまい、作品そのものが成り立たなくなってしまう危険性を孕んでいる。
多数の女性キャラを登場させるタイプのゲームをアニメ化すると、ゲームの場合には一プレイで一人を攻略していく訳だが、アニメで連続モノの形態を取るケースでは主人公がどうしても八方美人にならざるを得ず、扱いを間違えると「不実な浮気者」に見えてしまう。
更には、各女性キャラを魅力的に描こうとし、それが成功した場合、逆に、「最終的に誰を選ぶのか」の選択が難しくなってしまう事も。
この辺を、説得力を持たせて描ききるには相当に構成力と腕力が必要だと思う。
前述『Kanon』アニメ版では、終盤、主人公の行動が「鬼」に見えて、オレはすっかり気持ちが入れられなくなってしまったので。
『ダ・カーポ』は、どうだろうか?
『星のカービィ』89.「オタアニメ!星のフームたん」
…という、上記の『ダ・カーポ』などに冷や水を浴びせるような、イジワルな
お話がこちら(笑)。
以前にもこの作品中で、アニメ製作の話があったらしいが、未見。
染みるセリフが多かった。
「オタクは卒業してプロになれ!」
あイタタタ、一応プロなんだけど本質的にオタクな ままだからな。
「契約では、(アニメが)放送できなかった場合、賠償金9億デデを」
『ガドガード』、賠償金までは話が行かなかったと聞くが…っても、今回のシナリオは事件発生前に書かれたモノだろうから、「昨今の製作状況ではいつか放送事故が起こりかねない」という警鐘の意味を込めたモノか。
「制作の仕事は、(アニメーターを)絶対に眠らせん事ゾイ!」
シビアすぎ。
「(アニメ机の形状について)描いている絵を人に見られず、他人と目を合わせないための工夫と思ワレ」
「引きこもりの仕事でチュー」
き…キツイなあ。漫画家にもキツイ言われ方(;´д⊂)。
「(少ない製作期間でアニメを完成させろと言われ)じゃ、CGで作るしかない」
戦闘シーン等を安易なCGで済ませようという風潮への皮肉かな?
でも、カービィそのものがCGをかなり…上手い使い方だけども…導入しているのだが。
CGをトゥーンレンダリングした画面上のキャラから、モーションキャプチャーをしようという、何か色々と複雑な事になっている辺りが楽しかった。
そして、オタキングと呼ばれるキャラ達が最終的に完成させたアニメが…
もう毒の塊。
子供向けの、ムーミンみたいな体型をした少女キャラを、お目々キラキラ無駄に巨乳で煽るようなセリフを喋る「萌え」キャラに換えてしまう醜悪さ。
何というか、我が身の趣味や仕事を省みると、何とも言い様が無くキツイ。
「そんな見せ方しなくても…」と泣きそうになってしまうほど。
子供にとっては ただの変な話だったろうが、オタクの当事者にとっては笑うやら落ち込むやらで他人事では済まない内容だった。
油断できないアニメだなあ。
『シンプソンズ』か『サウスパーク』を思わせる。
村人がパクリっぽいアニメ企画を次々に出す所、どうせならディズニーの もじりキャラであるオワルト・デゼニーが『ジャングル大帝』的企画を出す形にすれば、もっと悪意を感じられたのにな、というのだけが惜しい所(笑)。
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2003年7月5日 土曜日 |
『HAPPY★LESSON ADVANCE』01.「ピカピカ★制服まつり」
前シーズンと同じく、何も考えず気軽に、楽しく見られる内容。
ここから見始める人のための、本当ならどうしても長くなってしまう説明を、小型メカ「ユーザーフレンドリー・解説くん」のセリフによる「解説」で
ごく短く済ませてしまう ぬけぬけとした製作姿勢が愉快。
「女生徒の新制服コンテスト」のため、学校の先生であるママ達が、何故か女子高生の代わりに制服を着込んで、体育館で発表して見せる。
なんかもー、こういうパターンが個人的にツボなため、今回の内容はオールオッケー(笑)。
あー、視床下部に来る来る来る(馬鹿)。
「ママ」といっても、絵的には女生徒達と変わらない姿なんだけど、まあ このシチュエイションだけでも。
制服を嫌がるママ、はしゃいで皆に見せて回ろうとするママなど、個別のリアクションもよく描けていたと思う。
新シーズンに伴い新キャラが出たようだが、波乱の予感は、さほど しない。
だいたいこの辺で収まるんだろう、というのが見えるから。
でもこの作品に期待されているのは、「ドラマ性」よりも「毎回の気持ち良さ」なので、全然
オッケー。
エンディングアニメのノリが前シーズンに負けているように思えるのだけが、残念。
『ダイバージェンス・イヴ』01.「Mission 2」
んー、さっぱり訳が分からない。
何の説明も無しに、入り組んだ SFやキャラの背景設定がありそうな物語を、途中から見せる意味が理解できん。
全体に地味な物語の場合、冒頭でドカンと派手なシーンを見せて客の心を引きつけておいて、実はそこに到るにはこんなドラマが…という風に持って行くやり方は、勿論ある。
ただ、映画などの形式で最後まで否応なく一気に見せてしまう場合はともかく、シリーズの開幕でこの方式を使うなら、余程 強烈に印象に残る場面から始めるのでなければ、何週間も後になって「ここで第1話に繋がるのです」と言われても、その第1話が視聴者の記憶から消え去っている恐れがある。
「主人公が、笑いながら味方を殺していく」とか「主人公達の健闘むなしく、目の前で地球が破壊され、敗北する」というぐらいに「なんだそりゃ?」を分かり易く見せない事には。
週に何十本もアニメが放送されている現状、意味が分からない所から始めた第1話を、ドコが分からなかったかを含めて覚えておいてくれ、などと望める訳がない。
そうなると、この第1話を放送した事そのものが「無駄」になってしまう。
アニメで時々、こうして「いきなり、途中の段階から物語を開幕する」形式を取るモノがあるが、成功した…というか、効果があったと思えた例は少ない(冒頭をエンディングにして歴史を語った『ダグラム』ぐらい?)。
大抵は、普通に最初から始めればいいのに、と思うばかり。
この形式は、とにかく訳が分からない事から 視聴者をおいてきぼりにし易いので、それを乗り越えて
見る人の心をわし掴みに出来るほどの魅力的なシーンを、どれだけ並べられるかが勝負。
そういう意味でも、この『イヴ』は余り成功しておらず、興味を感じた部分が特に、ない。
昨今のレベルからすると余り高いとは言えないCGで戦闘シーンを構成していて、迫力が感じられない事もあり、この先も最後まで付き合って行こう、と思う気持ちを萎えさせる。
シリーズ構成は、『ガサラキ(シリーズ構成)』『ガオガイガー』『ベターマン(以上2本スペシャルコンセプター)』などの野崎
透氏。
この方の作品とは、相性が良くなくて。
細かく作ったのであろう設定に振り回される余り、ドラマやキャラクターを犠牲にする傾向があるから。
うーん、2話以降も見続けるかどうかは微妙。
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2003年7月4日 金曜日 |
『宇宙のステルヴィア』14.「ゆめとげんじつ」
ウルティマ・ステーション襲撃さるの報に、急遽ステルヴィアに呼び戻される志麻と光太。
当然、ここからは一気に緊張感を増したストーリーに…
と思いきや、拍子抜けするほど、普通。
セカンド・ウエーブの時といい、このアニメは「肩すかし」をして見せる事がテーマ…メイン手法の一つになっているのか、と思ってしまうほど。
平穏に見える志麻達の様子とは裏腹に、大人達の間ではかなり緊迫した話し合いが行われてはいたようだが、それもまた、ウルティマが何に襲われたのかすら明らかにならない事で、どう捉えれば良いのか混乱させられてしまう。
ファミレスのメニューを見て「代わり映えしない、食べ飽きた」と叫ぶアリサ。
生徒の一部だけを特別扱いは出来ないと、おごる事を拒む教官。
おみやげを介して、初佳と何となく仲直り…仲良くなってしまう志麻(現実はこんなモノなんだけど、ドラマティックさには欠けるな)。
それをきっかけにして、なのか、初佳は やよいに心を開き、受け容れられる。
身近なイベントはそれなりに起こっているのだが、やっぱりこう、大きなストーリーが未整理なせいもあって乗り切れない。
「緊急事態→肩すかし」の連続が、視聴者の集中力を奪ってはいないだろうか?
視聴者を油断させた所で、ドカンと大きく盛り上げるつもり?
…なら、いいが。
ただそれは、ここまで、意図してかどうか築き上げてきた「持ち味」を失わせる事に繋がる危険性も。
監督の前作、地上波放送されている『学園戦記ムリョウ』をずっと見ている(現在13話)。
やっぱりコレは面白い。
超然としたムリョウ姉や、真面目一方の堅物だった女の子が崩れて可愛くなっていく過程の魅力を全開にした那由多など、楽しいキャラクター達に強く惹き付けられるから。
佐藤監督の、「キャラクターの行動が物語を作っていく」方法の完成型が見られた…かと思ったが、終盤、「物語」性が強くなってしまうけれど。
その次作である『ステルヴィア』では、更に「物語」というか「製作者の『気分』」のようなものが優先され、キャラクターはずっとそれに振り回されっぱなしで輝きを放つ所まで行けてないように思う。
素材は良いのに、不完全燃焼。
勿体ない。
衛星、アニマックスで放送された『スーパークマさん』を見る。
第1回アニマックス大賞受賞作のシナリオをアニメにしたもの。
脚色は『おジャ魔女どれみ』シリーズ構成の山田 隆司、演出を『デジモンテイマーズ』などの貝澤
幸男が手掛けている。
いやあ、面白い。
30分弱、画面に釘付けになる「凄み」がある。
可愛いクマのぬいぐるみが主人公、という事で、「大体こんなモンだろうな」と事前に立てた予想は見事に裏切られていく。
ちょっと気持ち悪い部分があるんだよね、このクマ。
狂気を感じさせる、というか。
サム・ライミとかピーター・ジャクソン(そういえばこの人は、極悪ぬいぐるみ映画『ミート・ザ・フィーブルズ』を撮っていた)の若い頃の、パワーに溢れていた作品を、ずいぶん上品にまとめたような。
クマの内面が描かれて行くにつれ、気持ち悪さは消えて、可愛く・格好良く、正しい「ヒーロー」に見えてくる不思議。
クマだけではなく、短い中に様々なキャラクター達のドラマを、少しずつ、想像の余地を残しながら見せていくのが実に巧い。
物語のヒロイン(?)であるゼンマイ仕掛けの少女ドールがまた、不気味でありながら美しく、魅力的で。
まぶたを痙攣させる印象的なギミックと、秘められた悲しい過去によるキャラクター造形が素晴らしい。
ファンになってしまいそう( ^_^ )。
『ボンバーマンジェッターズ』40.「クーデター勃発!」
シリアスなお話。
メカードは、昔のごく個人的な怨みでヒゲヒゲ団乗っ取りを目論んでいたのか。
なら、こんなにも回りくどい事をしてないで、地味〜に総統バグラーの食事に毒でも盛れば良かったのに(笑)。
もう少しで研究発表が出来、科学史に名を残す事が出来た、という所で栄誉を奪われた(実際は研究成果に問題があったみたいだけど)ので、バグラーの野望遂行中にその全てを奪い取る事で同じ気持ちを味あわせ、復讐してやるんだ!という気持ちがあったのかな。
元々は「復讐」だけが目的だったんだろうに、いつの間にか「宇宙征服」を企み始めているメカード。
本質的にそういうヤツだったのか、怨みと憎しみが人格をゆがめてしまったのか。
それにしても、昔は同期であったらしいメカードの顔を すっかり忘れていたバグラーはヒドいな(
^_^ )。
『エアマスター』14.「突き抜けろ!カイと摩季」
プロレス編、終了。
どーだこーだではなく、単純に面白かった。
避けられたら自爆するワザを、そう宣告した上、「避けてもいい」と挑戦的に言い放って
かける女プロレスラーと、それを真っ正面から受け、同じ技を返す摩季のやり取りが素晴らしく楽しい。
これを、どっちかが立ち上がれなくなるまで交互に繰り返して決着、でも良かったな。
ここまで全くテンションを落とさずに来ているスタッフの力量は(原作に寄る所が大きいとしても)驚異的。
次回が待ち遠しいアニメ。
この前、電話がかかってきて、「現在使用していないNTTの電話加入権を売ってくれ」と言われた。
確かに今、ウチの電話はケーブルテレビ提供のモノとなっており、NTT回線は休止状態になっている。
しばらく回線を換える予定も無し、また、後になってやっぱりNTTに戻したいと思った場合、現在は昔よりも安く回線加入が出来るようになっている、との事で、「1万円で買い取る」と言われた事からも、売って構わないかな〜と思ったが…
調べると、新設のライトプランと呼ばれる利用形態にすると、回線使用料の負担額が一月で640円高くなってしまうそうで、9年4ヶ月以上使用するつもりがあるなら、通常の、施設設置負担金72000円を最初に払う方が安上がりになる計算らしい。
なるほどね。
でも、とにかく自分では使わない回線なのだから現金化しても良いのではないか、とは思いながらも、結局売らない事にしたのだが、その大きな要因として…
電話をかけてきた業者からは、加入権委譲に伴う書類として、電話加入権の休止票と もう一つ、印鑑証明書を用意してくれ、と言われた。
印鑑証明書って…ナニモノだか分からない会社に渡せるもの?
これがあれば、実印の偽造だって可能じゃないか?
住所・氏名・年齢・電話番号等の個人情報、それから印鑑証明書と偽造した実印、これだけあれば
かなり悪い事が出来るような。
考えすぎ?そうかも知れないけど、とにかく不安感が拭えなかったもので。
あいも変わらないマルチ商法や、「オレオレ詐欺」など、被害者は気の毒だと思いながらも「何でちょっと考えれば分かる、こんなアホな手に引っかかるかなあ?」という犯罪が世の中には沢山、ある。
オレは、それら被害者の誰にも負けないほどアホで迂闊で騙されやすい事を自覚しているので、神経過敏なぐらい警戒しておいて、丁度良いのだろうと思う。
「電話加入権買い取り会社が実印偽造して詐欺をするなんて、あり得ない」と笑われるかも知れないが、「1万円に目がくらんで、何十万、何百万の損害を受けた馬鹿」になるよりはマシかなあ、と。
これが買い取り価格、50万円ぐらいだったら、警戒心を超えてググッと心が動いたんだけどな。
でも、その金額だと100パーセント、何かの詐欺だよね(笑)。
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2003年7月2日 水曜日 |
『キノの旅』12.「平和な国」
平和に満ちた国に立ち寄るキノ。
大量殺戮兵器を廃棄し、しかし兵士達は携帯銃器の訓練を怠っていない。
根深く対立している国が存在し、戦争が続いていると言うが、国民が死ぬ事はなくなったという。
その理由は…
この作品らしい、皮肉と問題提起を多く含んだお話。
「戦争による死者が居ない」という事で、『スタートレック』の「コンピューター戦争」…両国のコンピューター同士でシミュレーション戦争を行うことにより実戦での死者を無くしたが、データ上の死者は後に自国政府により本当に分解され、殺されてしまう…というエピソードを思い出した。
が、『キノ』の方が より凶悪。
戦争は、対立する両国間の土地に存在する無関係の少数民族を両軍隊が襲い、より効率的にそこの人間達を殺した国の「勝ち」とする取り決めになっていた。
少数民族は軍隊に抵抗するほどの力を持たないため、一方的な虐殺となる。
相互の国の兵士が殺し合っていた時には、果てしなく軍備の拡大が行われ、戦死者も膨大な数に上った。
が、このルールを取り入れてからは、少数民族を絶滅させない程度の「節度ある」戦争が可能となったのだ。
戦争がスポーツと違うのは、大切な物や愛する者を、奪われ・傷つけられ・殺される事による「憎しみ」の感情が根深く存在する事。
自国民に死者を出さないで済むとすれば、確かに「憎しみ」は、ほとんど無視しても良い程度に小さくできるだろう。
…何一つ納得できる事が無いまま、ただ殺されるだけの当事者である少数民族の気持ちを除けば。
この方法を思いついたのは、両国とも女性、しかも恐らくは戦争により夫や子供達を奪われた「母親」同士であったろう事が興味深い。
母性って、こういうモノかも知れないな。
男はひたすら前進して相手を負かす事しか考えないが、女はもっと賢い、って事か。
いや、女性の方がズルいというか、より狭い範囲…家庭内とか…だけの平和を願うのだ、という意味にも取れるな。
殺される民族の立場を慮(おもんぱか)るキノに、ルールを提案した女性は、
「他に代替案がありますか?あるなら教えて下さい」
と答える。
確かに、「馬鹿馬鹿しいから戦争による殺し合いなんか全部止めましょう」という提案が、余りにも理想的でクリーン過ぎるため、受け容れられないとすれば、「誰か他の人を殺す事で戦争に換えましょう」という案は、強烈で、血なまぐさく、狂っている点において「戦争」を代替するにふさわしいのかも知れない。
「平和には犠牲が必要なのですよ。そしてそれは、絶対に私たちの子供であってはならないのです」
という その女性の言葉は、現実の世界のアチコチで本気で語られている、もしくは実践されている考え方だろう。
ここまででも十分 満腹な内容だったが、今回はもう一つヒネリがある。
その国を離れたキノの前に、手に手にカマだのクワだのを持った人間達が立ち塞がる。
彼らは、殺されていた立場の少数民族。
キノを、憎悪しても余りある「国」の人間ではない、ただの旅人だと知りながら、村に連れ帰って八つ裂きにして殺そうというのだ。
「我々は戦っても勝てない。そこで誰でもいいから、この場合はたまたま通りがかったあなたを
いたぶりながら殺して、復讐心をほんの少しだけでも満足させなければならないのです」
強い者は弱い者を犠牲に平和を得、虐げられた弱い者は より弱い者を生け贄にして心の平穏を得ようとする。
最悪な形での「業」の連鎖。
民族も、せめて死を覚悟の反撃で大国に一矢報いれば良いのに。
易い方に流れ、キノが「弱い」旅人ではないと知るや蜘蛛の子を散らすように逃げ去っていく彼らは、虐げられるに足る資質を備えてしまっている、とも考えられる。
でも、大国に刃向かっては絶滅させられる恐れがあるというなら、この愚行も、
「他に代替案がありますか?あるなら教えて下さい」
と言われて、同じほど狂った案は思いつけないかな。
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