ときどき日記 04/01(後)

2004年1月31日 土曜日

『マリア様がみてる』04.「黄薔薇革命」

 分かり易くキャラクターの魅力を描き始めたようで(作品に体が慣れただけ?)、今回は実に楽しく見られた。
 メインで描かれたのは、体育会系サッパリした性格に見える お姉様と、いかにも線が細い文学少女然とした妹の2人。
…実は外見と正反対の内面を持っているようだが。
 従姉妹であり幼なじみであって、ロザリオを渡される際にも「ドキドキとは無縁」だったと言う妹・由乃。
あー、コレは「小さい頃から余りにも近くに居すぎて、その『幸せ』も『恋』も認識する事が出来ていない」パターンか。
 こういう関係には、まず波乱が必要。

 お姉様の危機(笑)をグゥ〜と お腹を鳴らす事でサポートする祐巳。
こんな事ぐらいで大笑いする お姉様方は、やっぱりお上品なお嬢様なのか、単に箸が転げても可笑しい年頃なのか。
 「私の妹を甘やかさないで下さい」と言いながら、祐巳の口を拭くハンカチを差し出し、彼女の掌に飴玉を置く(持ち歩いてるのか?)祥子は やたら甘く、言動不一致ぶりに笑ってしまう。

 今回は、他にも新聞部の、のんきな お姉様とシャキシャキした妹という相対した組み合わせのスール関係も見られた。

 この作品は、キャラクターを単体ではなく「疑似姉妹・スール」という関係で結ばれた2人で1単位にして扱い、2人の間での性格・外見・行動などの相似や相違を描きつつ、その関係性自体もまた、他の姉妹のそれと対比させる事で彫り込んでいく(更に、1年生にとって2年生の「お姉様」には、まだ上に3年生の「元?お姉様」が付いているという事情もあり)、実に多層的な構造になっている。
 長期連載であって初めて生きてくる設定。
短い内容では、ゴチャゴチャしていると取られるだけで、狙った独自の面白さを読者に受け取ってもらうのは難しいだろう。
 この特殊構造と、キャラクターの魅力が回を重ねて表に出てくる事で、作品がグッと面白くなってきたのだと思う。

 で…由乃と令がスール関係を解消?
うわ、基本設定にメスを入れるのが早いなあ。
4話目に「怪獣使いと少年」を入れてしまう『帰ってきたウルトラマン』という感じ(分かり辛い例え)。
 それが格好良くスキャンダラスであったため、取りあえず外見的なマネをしてしまう生徒が出現。
あー、まあ女子高生のメンタリティーなんてこんなモノだよね(笑)。
 その程度であった表面的繋がりのスールと、深い所で結びついた魂の姉妹との差が、これから出てくるのかな?


2004年1月30日 金曜日

『R.O.D -THE TV-』11.「さよならにっぽん」

 サブタイトルは大友克洋の作品からだと思う(さだまさしの曲でも同名のがあるみたいだけど)。懐かしいなあ。

 ねねねの周辺が平和になった事で、ボディーガード任務の終了を通知される三姉妹。
 …いままで、出版社から どのくらいのギャラが支払われていた?
会社にとってドル箱の作家、とはいえ、認められる経費なんてたかが知れている訳で、生活費と書籍購入費のほとんどはイレギュラーな「仕事」で得ていたんじゃないだろうか。
 だったら、「日本に残りたい!」という意思を表明すれば、ねねねが無理矢理追い出さない限り居続けられたのでは…
 ミシェールとマギーにとっては、日本(神保町?)を去るのに残念な気持ちが無くはないだろうが、「それならそれで構わない」ぐらいのモノだったのかな。
 一緒に暮らす対外的な理由付けが無くなってしまった以上、「それでも残って欲しい」何故なら「居なくなると寂しいから、何より、三人が好きだから」という正直な心情を告白できない ねねねに取っては、帰る事を必然と捉えて諦観する以外に方法は無かったのかも。
 日本で友達が出来てしまったアニタだけが、この帰郷による別離に はっきりと辛さを感じる。

 学校で。
 屈託のない気の良さを見せる西園妹。イイ奴じゃん。好きだなあ。
 アニタが去っていく事にショックを受ける久美が、自分の気持ちを『赤毛のアン』に託す所。
アニタが赤毛、久美が黒髪で内気気味の女の子である設定が…最初からこういう計算があったのかどうか、見事に生かされている巧さには驚く。
 別れを悲しむ久美に、本来それをチャンスと受け取ってつけ込む隙を伺えば良いようなモノなのに、必死で自転車を漕いでまでアニタの元へと送り届ける男の子は、馬鹿で素直で、泣けてくる程イイ奴だ。
 アニタと久美の別れがイイし、アニタが指を傷だらけにして縫い上げ久美に渡した、大好きなカエルと、赤毛のアンと、自分たち2人の姿を全て兼ね合わせた(色々兼ねすぎ)マスコットがまた、ジンと来るね。

 …という日常感動話が、ラストシーンで一転!
あああ〜…まさかこの人がぁ……



『プラネテス』15.「彼女の場合」

 前回に引き続き、ハチマキとタナベの恋が育っていく話。
 微笑ましい恋愛模様を見せる2人に対して、余りにも不幸な過去を秘めたエーデルの男関係が語られる。

 エーデルの昔話は、子供が見る時間帯で表される内容としては限界ギリギリな程リアルで生々しく(チェンシンの「一度寝たぐらいで」という嘘のセリフも かなり)、悲惨。
 タナベがピアスをしようとするのに彼女が否定的な態度を示した理由は、強制的に全身ピアスを入れられた心の傷による。
ピアスとかリングとか、「身体に直接、穴を開けて付ける」というのが個人的に苦手なため、聞いているだけでも顔が歪んでしまう。

 それに比べ、「八郎太さん」と呼ばれた事に大慌てのハチマキや、初めて(だろうな)入ったホテルの内部に大喜びのタナベは、中学生のようで実年齢に比して幼く、だからこそ愛おしい。

 しかし…うーん、ホテルのルームナンバーを書き間違えたから、という理由でハチマキ・タナベの部屋に潜んでいるエーデルの男…この辺りは かなり強引な展開。
一堂に会させたかった意図は分かるし、それによってドラマティックな効果を上げてもいるが……
 男の辿る結末が、これまた強引な理由での「逮捕」というのも、どうだろ。

 無理無理な展開だったけど、最後にエーデルが示す無防備な笑顔と、「エーデルでいいよ」という言葉の嬉しさで、大部分 帳消し。
 このセリフは、ユーリが初めてタメ口をきいた、以前の話のラストと相対しているのかな。


2004年1月28日 水曜日

 最近、とても沢山メールを頂く。
……といっても、10通のうち9通までは(全部の事も多い)ウィルスメール(;´д⊂)
何型だか知らないけど、感染が拡大しているらしい。
 ウチはノートン先生を入れているから、大丈夫…だよね?
もしかウチのアドレスから迷惑なメールが届いた方は、お知らせ下さい。


 追記・掲示板で鶴丸 さんから、今回のウィルスは差出人のアドレスを詐称するタイプだという ご指摘を頂きました。
 また、余りにもタイミング良く、飛龍 乱宛に差出人・飛龍 乱からウィルスメール(意味不明な文章付属)が届きまして…ああ、こういう事か、と納得した次第。
 ですから、皆様の所にも差出人・飛龍 乱からイヤなメールが届く恐れが十分にあります。ぼくも実に不愉快なのですが…どうしようもなく。
 皆様も気を付けましょう。と言っても対策を取っている人にはそれ以上 気の付けようがないか…
 早く流行が終わらないですかね。ホントに。



 日本映画専門チャンネルで、映画『日本沈没』を見る。
 1973年の映画。
 ええと、割と最近、同じくスカパー!のチャンネルで見て、感想も書いたような書かないような。まあいいや、もう一度書いちゃえ。

 公開当時、映画館で見ていて、その時には日本が沈む!壮大なスケールの特撮や、スペクタクル描写ばかりに目が行っていたと思うが、今見ると…
依って立つべき「日本」が無くなってしまう不安、そこに一番引き付けられる。
 土地・財産など、所有する ほとんどの物が無価値となって消え去り、それどころか恐ろしい数の難民の一人になって世界中に散る事で、下手すると「生存権」すら剥奪されてしまう。
この恐ろしさ。足元が崩れていくような不安感。
 子供の頃よりも遙かに余計な物が身に付き、「失う物」が出来たからこそ味わえる感覚かも知れない。

 これから日本人はどうすれば良いのか、政界の影の支配者たる老人は総理に対し、賢人を集めた会議での結論の一つが、「このまま、何もせん方がイイ」というものだと告げる。
国土と運命を共にするのが幸せだと。
 沈没を予見した博士は、総理に向かい、「日本人は、民族としては若い。四つの島でぬくぬくと育てられてきた…まだ子供だ。外へ出て行って、ケンカをして酷い目にあっても、四つの島に逃げ込み、母親の懐に鼻を突っ込みさえすれば良かった。しかしこれからは、その帰るべき国が無く、海千山千の世界の人間の中で…」と辛そうに語る。

 実際、そうなったら生きていくのは大変だろうなあ。
 プログラマー・設計技師など技術職は、すぐに仕事が見つからないでもないか。
危険な肉体労働に耐えられる人は、その方向で働けよう。
アニメーターやら漫画家も、一級の人なら求人があるかもね。
 オレはどれも無理だけど(;´д⊂)

 自分が、どれだけ現状に甘えて生きているか、身に染みるほど分からせてくれる映画。
無くして分かる日常の有り難さ。
 特撮はさすがに時代を感じてしまうが、テーマは古びていない。

 博士が語る「わしゃ、わしゃあ日本が好きだった。これからも日本人を、日本人を信じたい」という言葉。
 公開から時を経た今になって、より胸に刺さってくる。

 『日本沈没2』という企画が考えられていたそうだけど、膨大なデータを読み解いて再構成し、散り散りになった日本人がどうなっていくのか、小松左京によるシミュレートを是非 見せて欲しかったな(いや、まだ過去形にしちゃイカンか…でも書きそうにないでしょ)。
 関係ないけど、筒井康隆が『日本以外全部沈没』っていうパロディーを書いていたっけ。
 『さよならジュピター』に対して『ジュピター以外全部さよなら』ってギャグもあった(笑)。


2004年1月28日 水曜日

 レンタルで映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード』を見る。
 監督を原 恵一から、『ハレのちグゥ』の水島 努に変えての第一作。

 前作までのシリアスさが勝っている作風からガラッと変わり、本来の持ち味っぽい、ギャグを連続する事で構成された内容に。
 アクションを絡めたギャグの出来は、相当に高いレベル。
映画史上初ではないかと思われるセグウェイ・チェイスや、ジェットコースター上で展開する笑いと勇気と友情満載のアクション、しんのすけが「成長」を見せる胸がすくような自転車バトルと、野原一家の団結力が驚くべき やりすぎの勝利(笑)を呼ぶ海岸での大激闘。
どれも、本当に面白い。
 アイディアのかかったコミカルなアクションでは、『トイ・ストーリー』『モンスターズ・インク』を製作したピクサー社が第一人者だと思うけど、それに負けない完成度。

 ただ、ギャグ・アクションの連続にしたい意図が強すぎ、「何故、ここで、そのアクション?」という意味が取り辛くなっているのは残念。
ストーリー上のしっかりした意味付けがあれば、もっともっと胸に響く、熱いシーンになっていただろうに。
 また、物語が弱いため、ギャグが無い場面は「中だるみ」にも感じられてしまう。

 『しんちゃん』の悪役帝国は、大抵 不条理な存在だけど、今回のはシリーズ最大級に理解が難しい。
『地獄の黙示録』がモチーフになっているようなので、特にボスが出てきて以降が意味不明になるのは、予定通り?

 露骨に『地獄の黙示録』している堂ヶ島や、どうやらその娘らしいクールな女性幹部、そして、のんきな太めの中年幹部…このキャラはここでのチョイ役だけで終わらせるのは勿体ないくらいだなあ…など、組織を構成する各人員は、キャラクター性の片鱗だけしか見せてくれないが、それでも十分に魅力的。
 女装した父ちゃんに本気で(実は男と知りつつ)惚れたらしい妙なオッサンも、印象深い。
事件が解決した後、自分を必死で探し続けている彼を見て、もちろん「嬉しい」ではないが、「迷惑だ、イヤだ」でもなく、何とも言えない表情を見せる父ちゃんが不思議な余韻を残している。

 文句を言おうと思えばもっと言えるけど、お時間いっぱい、十分に楽しんで見たのは事実。
 高い完成度を誇った前2作が与える「シリアスな物語への期待」という重責から、スタッフは、この作品を経る事で自由になれたのだと思う。
 この次は何を見せてくれるのか、楽しみ。


2004年1月27日 火曜日

『爆竜戦隊アバレンジャー』48.「ファイナルアバレゲーム」

 アバレキラー・仲代の最期。
 自分の中にあるデズモゾーリャを、人間 誰しもが持つ悪意という「化け物」に例え、受け入れつつも戦う事を決意する仲代、そして「俺達は、人間は負けない!」という言葉でそれを力強く肯定してみせる凌駕。
 作品のテーマが具現化した熱い熱いシーンで、もう泣ける泣ける。

 仲代は良いキャラだったね。最大の儲け役。
 その死に付き合うトップゲイラーの忠誠心?友情?感謝の気持ち?と共に、最期の姿は長く人の心に残るだろう。
 しかし、舞の事まで考えてやるなら、リジュエルも思い出してやって欲しかったなあ。
割に良い子だったんじゃなかろうか、と思うので( ^_^ )。



『光と水のダフネ』02.「マイアのいちばん長い日(後編)」

 半裸のねーちゃん達は、警官ではなくバウンティー・ハンターのような私的な賞金稼ぎだった様子。
 舞台はカムチャッカ?何でそんな場所にしたんだ?
 住宅が国家で厳しく管理されているような割に、広い庭付きですぐには隣家のない一戸建てや、広めの墓地など、土地自体には余裕があるように見えるのも謎。

 ストーリーは…微妙。
賞金稼ぎのお姉ちゃんの内、強引で無茶な方のキャラを立て、ヒロインをその「被害者」として扱っていく事で、対比によるキャラ立てを行うつもりなのだろうと思うが…
 扱われる事件がショボく、失敗が、イレギュラーによる物というより お姉ちゃん達の考え無しな行動に寄っている事で、「無能」にさえ見えがちなのが辛い。

 とはいえ、酷くつまらない内容だという訳ではなく、キャラの扱いによっては面白くなっていく要素も十分にあると思うので、しばらく様子見。


2004年1月26日 月曜日

『明日のナージャ』最終話.「新たなる運命の扉」

 実質上のクライマックスは、前回のローズマリーとの戦いだったと思う。
…それにしては彼女もナージャもアッサリし過ぎていて見応えには欠けてしまったが。
 もっと もがいてもがいて、悪鬼のような表情でナージャを罵る・我が物にならぬならと家に火を放つ・ナージャ母を人質にもう一交渉ある、など、オモシロな反応が見たかった気がするので。
 でも、「ナージャの真心に心を開き、悔恨の涙にくれる彼女が許される事で、また2人は親友に戻る」などという名作物にアリガチな(しかし、この作品には全くふさわしくない)オタメゴカシに堕ちなかっただけでも、良かったとすべきか。
 最早ここまでと覚悟を決めてジタバタせず運命を受け入れ、自分の力で生きて行くべく颯爽と(当然あるべき非難の言葉や詐欺行為に荷担した責任への追求を、その風格で圧倒して受け付けず)立ち去っていくローズマリー、ってのも悪役の終わり方としては格好良かったから、それはそれで良いかな。

 で、今回は主役退場後の残務整理(笑)。
 ジジイの横暴に、カーテンで作ったロープを用いて脱走する事で抵抗しようとするナージャが、逞しくて素敵。
 それにしても、ぶら下がって左右に揺れながら「お母ーさーん」と呼びかけ、窓ガラスを突き破って母親の元に転がり込んでくるアクション映画ばりの乱暴さ加減は、確かに貴族の檻に収まらない感じ。

 結局ジジイは、「家」を継ぐにふさわしい人材を求めていたのであって それ以外の要件は重視していなかったのだから、跡継ぎとしての娘はローズマリーであって問題なかったような。
 自分の要求を実現するためには相手を踏みつけにする事など何とも思わない2人。
「魂の血縁者」だよね。
 ローズマリー、カムバーック。お前の居場所はココで良かったのに。
 そりゃまあ、彼女が家の支配権を手に入れた途端、ジジイは養老院に放り込まれるか座敷牢に死ぬまで監禁だろうけど、何より大事な家の体面は守られる訳だから、そのぐらいの犠牲は どーって事ないだろ。

 ナージャ母…ローズマリーの演技にすっかり騙されていた訳で、別にナージャが現れなくても 彼女と幸せには暮らせていたんじゃないの?と思うと、実の母子再開の感動は薄い。
 この辺、「母親 故の直感で、見事な演技を見せるローズマリーに ただ一人、違和感を感じる」という当然期待される展開に「しなかった」所が、この作品らしいシニカルな現実認識でもあるかな。

 ナージャ。
 貴族社会に嫌気がさし、旅芸人一座で生きる事を選んだ訳だけど…
旅をしながら芸人の一座で生きるというのは、言う程 楽でも自由でもないと思うけどな。
「この世界での」芸人は、違うのか。
 また、「イヤだから、貴族の立場を捨てた」のでは、単にナージャの気持ちが満たされただけ。
どうせなら家督を継ぐまで自分を殺し、権力を得た後は、家が崩壊するまで貧者に施してやれば良いような。
 ああ、そういえばナージャには、貴族社会への反発はあっても、貧民階級を どうにかしたいというような志(こころざ)しは無いんだっけ?

 全体に。
 シリーズ開幕時には、何を描きたいのか焦点がぼやけている感じがあり、つまらない作品になってしまうのかと思ったが…
 キャラクターやドラマに仮託して語られる、ジュブナイルとしてはヒネくれた、シビアな現実の捉え方に面白味を感じ、ただの電波娘だったローズマリーが「最強の敵」になってからは、その極悪非道ぶりに圧倒されて目が離せなくなり、見終わってみれば「面白かった」と言える気持ちにさせられていた。
 お行儀の良い、いい子いい子なだけの物語にしなかったスタッフの思いきりには拍手。

 で、後番組が終わったらで良いから、自分の体一つと口先三寸で男共を手玉に取り、のし上がっていく、ローズマリーのサクセス・ストーリーを一本見せてくれないものか。
 子供が見られないよう(笑)深夜枠にでも移して、凄絶な彼女の生き様を、是非。



『MEZZO』04.「嘘の殻」

 あー、この世界って、ごく当たり前のように人間と見分けが付かないアンドロイドが存在してるんだ。
幽霊も宇宙人も何となく居るんだから不思議はないのかな。

 特に何も感じる事のないストーリーと、モタモタした演出で、ちょっと最後まで見るのはシンドイ内容だった。
 前回から盛り返すことなく作画が宜しくない。1、2話の凄さなど嘘のよう。
予告を見る限り、次回も期待は出来ないな。

 広川太一郎の喋り以外には主要キャラを面白く見せる努力が取り立てて行われておらず、加えて物語の完成度がこうも低くては…
 何かしら盛り返してくるまで、もう感想は書かないでおこう。


2004年1月25日 日曜日

『仮面ライダーブレイド(剣)』01.

 ホストクラブのトップ・ホストさん大集合、という感じでイケメンのお兄ちゃん達がステージでライトを浴びてるオープニングに、笑ってしまう。
想定視聴対象層がハッキリしてるなあ。

 内容。
 もうねえ、強烈な特徴には欠ける格好イイ今風お兄ちゃん達を一度にこんなに出されちゃ、誰が誰だか見分けが付かないよ。
 第一話から全員(?)登場させる必要はなかったのでは。
研究所のライダー2人だけに絞った方が良かったと思うが。

 詰め込みすぎた第一話であり、描かなければならないと制作側が決めた事を ただ必死で消化するだけに終わった感がある。
しかも、その詰め込んだ内容は、特にオリジナリティーに溢れている訳ではなく、アリガチな どこかで見たような物ばかりというのも…
 イキナリ安アパートを追い出される後輩ライダー、突然 姉が経営する喫茶店にいるライターのお兄ちゃん、脈絡無く旦那が死んでいる事を説明ゼリフで語る姉、その地下に下宿していて やっぱりライダー関係らしい 兄ちゃん、無理矢理のように火事の夢を見ている後輩ライダー…余裕のない箇条書きの設定を見せられている気分。

 今回のクライマックスであったろう、先輩に裏切られ衝撃を受ける後輩ライダー、という場面でのインパクトが、上記情報の羅列と、価値が分からない内に崩壊したらしい研究所という背景と、何者かも分からない先輩の設定のため、台無しになっている。
これも「裏切られた」という箇条書きの設定を見せられたに等しい。
 冒頭から何となくライダーが出ているため、「登場!」のインパクトも無いし…何が描きたい、いや何を「描いた」第一話だったんだろう?

 脚本は、今井 詔二
 初めて聞くお名前だが、多数の仕事をこなしたベテラン……だろうけど……正直、あんまり完成度を云々される作品には関わっていないような。

 どう…なんだろう。面白くなるのかどうか。
 何であろうとも見続ける気持ちではあるが。


2004年1月24日 土曜日

『まぶらほ』13.「もどっちゃった…」

 前回は、主人公の魔法使用可能カウントがゼロになり、肉体が消滅する瞬間をクライマックスに据えて盛り上がったが、今回は、「霊体になった」事で生じる現象のバリエーションも、本人・周囲の危機感も物足らず。
 新登場した謎のコレクターお姉さんが、今後のストーリーを引っ張っていくキーマンになって行くのだろうが…キャラとして弱いなあ。

 これまで、魔法のカウンターが減っていく事で視聴者の興味を喚起し(ようとし)ていたのだから、続けて、現世に留まれる時間に制限を付けて減らすとか、逆に 肉体復活のためには何人か以上に心からそれを望まれる事、といった条件を付け、愛情を得てカウントを増やしていく話にするとか、でも良かったかと。
 まあ、「ゆる〜い」話なのがこの作品の持ち味だとも言えるので、あんまりゴチャゴチャ考えずに流れのまま流されつつ見るのが良いんだろうな。



『超重神グラヴィオン・ツヴァイ』03.「熱闘!愚裸美温泉!」

 前回のピクニック話に続き、慰安温泉話。
似た印象の娯楽話を重ねるのは、シリーズ構成としては宜しくないと思うんだけど…そんな理性など吹き飛ばすパワーに満ちていて、大変に楽しく見られた。

 温泉の仕切りを突き破ってエイジが崖を滑り落ちていく所までは予想できたが、それを「遊び」と誤解した斗牙までも付き合ってしまう意外性には、爆笑。
 サンドマンによる超人ワザ連発の卓球も面白い。
 クライマックスのロボット・バトルは、火口内に飛び込んで敵と対決…というシチュエイションこそドコかで見た覚えがあったものの、サンドマンの「合唱せよ!」という掛け声の下、心を一つに いつもの合体時ソングを歌うメイド達に励まされ、敵を撃破するグラヴィオン、といった図式には単純に熱くなってしまう。
この辺りは、「馬鹿話」の範疇を超えた構成の妙。
合体の歌を第一シーズンと変えなかった事にも、意味があった訳かな。
 温泉のVIP券を、皆に代わって留守番を務めたレイヴンへの お土産にする終わり方も、後味が良くて結構。

 次回からは、ようやく正しい( ^_^ )ロボット物に なって行きそう。



『エリア88』03.「蒼空のファインダー」

 第2話のエピソードが、原作でも前OVAでも非常に心に染みるものであったのに今回のアニメでは魅力を活かし切れておらず、不満な出来だったが…今回はまあ、普通。
 全12話の予定だと書いてある割には、ずいぶんゆったりとした構成。
カメラマンの狙いについて僅かに疑問を持たせる、それだけのために1話を消費してしまった。
 原作の通りに進める気は無い?ブツ切れのエピソードを並べ、真が戦場にいる理由を明らかにし、ちょっとばかり大きな戦闘イベントを組んだら お終い?
 んー、それはそれでも構わないけど…にしても今回は、面白いと言えるような内容ではなかったなあ。

 3Dによる空戦シーンは、相変わらず。
『頭文字D』でも、最初は車の挙動など酷い物だったが見る見る内にスタッフのレベルが上がっていったので、これもそうなってくれる事を期待したけれども…



『マリア様がみてる』03.「月とロザリオ」

 うーん、何というか、入れない。
第一話は、設定もキャラクターも よく掴めずに何となく眺めてしまったのだが、その状態が今回まで続いている感じ。

 祥子に未だ、祐巳の憧憬の対象になるだけ、魅力を感じられなくて…
毎度 予告で見せる「貴方の脳味噌にも革命が必要なようね、祐巳」というような強烈な物言い、これが本編でもあれば、好き・嫌い どちらかの感情を持って彼女を見る事が出来るんだけど。
 祐巳の胸に顔を埋めて泣きじゃくる祥子、この辺りでドキドキ出来るはずだったんだろうな。
でも、まだ彼女が対外的に被っている「仮面」もよく見えてきていない内に、それが崩れる瞬間を見せられても、特に感慨が無いし、普段との落差から好意を抱くにも到らない。

 ドラマ自体で言うと、ごく普通の学園物よりもイベント密度は薄いぐらいなので、面白く見るためには登場キャラに対する好意や理解、憧れや「萌え」の感情が必須だと思うんだけど、最初のボタンの掛け違いが まだ個人的に修正できない。
 つまらなくはないんだけど、もう一押し欲しい。


2004年1月23日 金曜日

『SDガンダムフォース』03.「天駆ける騎士(ナイト) ゼロ」

 当初違和感があったフル3Dの画面も、かなり見慣れてきた。
 メカの挙動などは、かなり良くなって来ているのではないだろうか。
…そりゃあ、贅沢を言うなら、パースや形状が余りにも(当然ながら)カッチリしているため、かえってダイナミックさや「味」に欠けてしまうとも思うけど、宜しくない手描き作画よりは ずっと見応えがある。

 人間キャラは まだやはり不自然さが目立つ。
 が、いやあ、セーラは破壊力あるねえ(笑)。
木村 貴宏のキャラクターデザインに基づき、なかなか可愛くモデリング出来ていて、スレンダーな脚線美も目に心地良い。
 それより何より、「脳内での情報処理に時間がかかる」トボケた性格付けが素晴らしい。
タイムラグ発生(衛星回線で会話しているみたい)のため、噛み合わないシュウトとのやり取りを聞いていたキャプテン・ガンダムが「君とセーラの会話には、2.35秒のズレがあるようだが」と鋭く突っ込むのに対し、「セーラちゃんは特別だから、それでイイの!」と恋は盲目で取り合わないシュウト。
…それはしかし、「ありのままの彼女を受け容れている」と言えるかも知れないけど、「諦めてる」とも言えるな(笑)。
 モーションキャプチャーによるのだろう、女の子らしい細かな動作が新鮮。

 ストーリー自体は、やっぱり純粋に子供向けなので まだ強力に引き付けられている訳ではないが、セーラが面白かったから もうちょっと見続けるかな。



『GUNGRAVE』16.「LETTER」

 地味な地味なクライム・ドラマを積み重ね、シリーズ開幕で見せた荒唐無稽なガン・アクションのシーンへと、ついに(今回で、という訳ではないが)物語を到達させてしまった。
この構成の周到さとドラマ運び、何よりも「辛抱強さ」には驚かされてしまう。

 ブランドンもビッグダディも悪くないんだけど、やっぱりハリーが面白いなあ。
 親友を手に掛けた彼は、それによる心の痛みのために より一層 凶暴化して「狂って」いく。
その恐ろしさ、そして、もうこれからは彼が何を得ても(全てを手に入れた彼に待つのは、失う事だけ?)渇きが癒されはしないだろう様子が見て取れる、哀しさと。
 彼が表す、「悪役」という記号だけに頼らない説得力のある狂い方は、前半の地味な部分を経る事でしか描き出せないものだろう。
 もしかして、この地味さに耐えられずに脱落した人も居るかも知れない(実際、数人の友人は そう)が…ここまで見続けてきた者には、「ご褒美」としてズシリとした手応えを作品が与えてくれるようになっている。

 今、第一話目を見返したら、全然 印象が違うんだろうな。


2004年1月22日 木曜日

『BURN-UP SCRAMBLE』02.「倒せ!! 強奪車両 マッドガンダー!!」

 わざと…なのかな?全体にセンスが古いのは。
 生活苦のヒロインが、悪党の犯罪に巻き込まれ、なけなしの生活費(1万円?)を風に飛ばされてしまう。
 警察での仕事は、穴に落ちたネコを助ける事。依頼主は牛乳瓶の底のようなメガネをかけたオバサン。助けようとしたのにネコには顔をバリバリ引っ掻かれる。
 生活費の怨みを賭けて悪党をやっつけた所で、舞い散る盗品紙幣を掻き集めるヒロインだが、相棒の冷静な制止の前に、渋々諦める。
 オチは、最後に残ったのであろう生活費(千円?)を再び風に飛ばされる事。

 古い。古いよ( ^_^ )。
大昔のOVAのようで、登場キャラに「人間」としての複雑な心理とか、世界観のリアリティーとか、皆無。
 ATM強盗 程度を相手にするのに、権限が無制限に見える特殊部隊を出動させちゃイカンだろ。
ビル屋上からの正確な狙撃で犯人の車を誘導し、ヒロインが待つ戦いの舞台・駐車場に誘い出すんだけど…それなら直接 車を狙撃して、動きを止めてしまえばそれで済んだのでは?
 いや、見る者 誰しも、それらは「見せ場を作るための都合」だと分かってるんだよね。
ただ最近、こんなにも露骨に「見せ場のためなんだから、多少の無理なんか気にしないでネ」とお願いする制作者の姿が透けて見えてしまうアニメは、珍しい気がして。
 いっそ、清々しい(笑)。

 それは そーゆーものと納得すれば、つまらない内容では、ない。
何だか懐かしい気分に浸れるし。
 新しい古いはともかく、もうちょっとシナリオ・演出・作画に頑張りが欲しいとは思うけれども。



『MEZZO』03.「恐の殻」

 テレビのレベルを大きく上回る作画クオリティーを見せてくれていた この作品も、3話目にして息切れ。
カーチェイスが今回の売りであるはずなのに、もたもたとした車の挙動ばかり見せられては、辛い。
 今回から吉岡たかをが脚本に入っているのだが…特に引き付けられる所の無いストーリーで残念。
 加えて、車内でヒロインが歌うカラオケを工夫もなく長々と聞かせるようなダルい演出が目に付き、後半になると集中力が途切れてしまった。

 こんな感じの内容が あと数回続いたら…作品の魅力は広川太一郎氏の喋りだけになってしまうので、厳しい。


2004年1月21日 水曜日

『R.O.D -THE TV-』10.「クリスマス・キャロル」

 前半の、小説賞受賞パーティー。
…何だか、実に身に染みるセリフが多く見られた。

 スタッフを雇って更に強力に自分をアピールし、深夜枠とはいえテレビ出演まで果たそうという西園はるひ は、ねねねの「スゲー」という溜息混じりの感嘆通り、凄いし、偉いと思うな。
 何でも やって自分の作品(自分自身?)を売り込んでやるぞ!というパワフルさは、多くの創作家に欠けている資質だから。

 年かさの女性作家から ねねねに向けて発せられた、「プロはね、コンスタントに作品を仕上げるべきだと、私は信じてる。こだわるのも いいと思うわ。でも、それを盾にして逃げる事は許されない」という言葉。
厳しいけれども、相手の才能を信じるからこそ出て来たものだろう。
 オレなどより遙かに才能のある作家さんが、こだわる余り 自分が満足するレベルに達するまで作品を発表できなくなり、収入が途絶える事で現実に負け、漫画の世界から消えていくのを何度も見てきた身としては、相手から嫌われるのを承知で、恐らくは相手自身も心の内では分かっているのだろうと思いながら、なお、口に出してイヤな事を言って上げた この女性作家は、十分に優しいと思える。
 リーも、話を途中で止めちゃイカン( ^_^ )。
アンタが言わなければならなかったかも知れない事を、代わって言ってくれてるんだから。

 でもまた、ねねねを深く知るリーとしては、せっかく新作を作る方向に向かい始めた彼女のデリケートな気持ちを守って上げたい(ねねね個人に対する好意の方が上?)気持ちがあったのだろうから、その行動は必ずしも咎められるべき物ではないか。
 彼の必死さに、「カッコ良かったよ」というアニタのセリフで報いてあげるスタッフの優しさが嬉しい。

 「正直、書くのが辛い時もあります。それでも自分が…それを やめないで、諦めないでいたのは……私には、これしか無いからです」
この ねねねのスピーチには、ただ滂沱。

 後半は、3人娘の誕生会に乗せた、出会いの物語。
 「紙使い」って、この世界では どういう設定になってるんだろう?
余人には真似できない天賦の才能?努力によっては習得できる技術?
 ある任務について、ミシェールとマギー、2人の紙使いが出逢うのは偶然としても、たまたま仕事先の建物に紛れ込んでいた浮浪児・アニタまでもが同様の能力を持っている、となると…
「紙使い同士は引き合う」という法則でもあるのだろうか?
それとも、元々は普通の子供であったアニタに、一人でも生きていけるよう、紙を使う技術を2人で教え込んだのか。
 「クリスマスなら大抵の『奇蹟』を許して貰える」という、創作者の不文律を使った物と理解するのが正しいのかな?( ^_^ )

 凍えて空腹で孤独なままだったアニタが救われる話、でもあるけど…
 危険で刹那的な仕事をこなし、一人で生きてきたミシェール、そしてマギー。
彼女達は自身が辿って行く未来について自覚していただろうから、「泥棒はまだ出来ないけど、きっと覚えます」と言われようとも、誰も寄せ付けるつもりはなかったろうが、頼る者の無いアニタを前に、「今のまま居させるよりは、まだマシ」という選択肢として、一緒に暮らす事を提案する。
 その代償として、自分たちの命に代えてもアニタを守る事を決心して。
 自分よりも大切な、守るべき対象を得た彼女達もまた、いや彼女達の方がより大きく、クリスマスの奇蹟に救われたのだと思う。

 その時、アニタが泣いていたかどうかでモメる三姉妹。
 話を聞きながら涙を流していた事に照れ、妙な笑い声を上げる ねねね。
 クリスマス・エピソードにふさわしい、心に染みる内容だった。
…これが現実のクリスマスに合わせて放送されていれば、完璧だったんだけどなあ。



『超変身コス∞プレイヤー』02.「PURPLE BEAM&THE CLEAR-HEADED GREEN」

 一話目を見逃してしまった。
…ので、公式ホームページのあらすじをチェックしてみたが…なんか入り組んでいて よく分からない(笑)。コレを15分でやったの?
 第二話のストーリーが把握しきれないのは そのせいだとしても、テニスボールをばしばし ぶつけた後は、車で跳ね飛ばそうと追い回す事でコス∞プレイヤーとして覚醒させようとする、って、ギャグ?
「今から私をご主人様とお呼びなさい」「ゴミ以下の自分には無理でした、と仰いなさい」というセリフも唐突で、笑わせようとしているのか どうか。

 うーん、女の子は可愛いし作画も悪くないと思うけど、ずっと見続けるかどうかは…



『超重神グラヴィオン・ツヴァイ』02.「麗しき再会」

 エイジを尋ね、城に友人達がやってくる構成で、基本設定などを紹介する内容。
…にしてはちょっと中途半端かな。もっと初見の人にも優しい説明に出来たと思うけど。
 それでも、第二部開幕の話にするなら、先週の物より こちらの方が良かったんじゃ無かろうか。

 城はどういう扱いになっているんだろう。
サンダーバード基地ぐらいには存在を秘匿している物と思っていたが、訪れた客人を疑うことなく大歓迎。マシンのコクピットにさえ入らせてしまうぐらいで。
 帰り際に記憶を消す、などというシビアな対応も無さそうだし、意外にフレンドリーでオープンな城なのかな。

 後半は、ピクニックに出掛けての大馬鹿展開で、実に楽しかった。
この作品に期待している物って、基本的にコレだよね。
 バンクで済ませられる合体シーンまで、わざわざアチコチ描き直している。
斗牙の頭に乗ったまま お揃いのアクションを見せるピンクのフェレット、飲酒の名残でミヅキの頬にさす紅、コクピット内に積み込まれた酒肴を目にして微笑むサンドマン…バカな話にこそ、「バカ話なのに どうしてここまで?」と思わせる熱意が必要。
手を抜かず、「もっとバカだと思わせてやる!」方向に頑張るスタッフの こだわりには、笑って、感動。

 来週は慰安旅行で温泉へ。
うん、実によく分かってるなあ( ^_^ )。
 シリアスな方向に進むのも必要だと思うけれど、こういう馬鹿話で お客様を大いに楽しませられたシリーズである事は、忘れないで欲しい。



『光と水のダフネ』01.「マイアのいちばん長い日(前編)」

 ヒロインの海洋庁受験を描く事から始まり、優秀な成績で合格後、研修を受け実際の職場に配置されていく中で、少女の成長を描いていく…
話かと思えば、受験は不合格。
 海洋庁の寮に入れる事をアテにして、借り受けている住居を明け渡す転居手続き(陸地が国有化されており、大半の住居は国家が管理する世界らしい)を行ってしまった事から、ヒロインは窮地に追い込まれる。
 …しかしなあ、かなり特殊な世界観なんだろうけど、合格がハッキリするまで転居手続きなんてする必要はないんじゃないの?また、事情の変化を訴えれば お役所も無理矢理に追い出したりしなさそうなもの。
サイフを スリ取られ、脱走犯人に人質にされ…という、彼女を襲う不幸の連鎖を描きたかったんだろうけど、強引さを感じてしまい、かえって気持ちが離れてしまう。

 これら悲惨な展開をタメとして、次回、それらが報われる内容に繋げていく構成だろうか。
 半裸の女性警官達とやたら絡む所を見ると、そのチームに参加する事になる?
 受験は飛び抜けて優秀な成績に終わり、彼女よりも劣る友達さえ合格したにも関わらず不合格、というのにも意味がある…んだろうね。

 ツカミとしては ちょっと弱い気がするけど、しばらく様子見。


2004年1月20日 火曜日

『仮面ライダー555』最終話.

 予想した以上に、ウダウダでグダグダでフニャフニャな最終回だった。

 この作品って、「オルフェノクの王を倒す」というイベントを最終目的にして良い構成だっけ?
 その王は、元は子供だった訳だけど、一緒に暮らしてさえ居た元・子供を倒そうとする事について、巧は どう考えていたんだろう?
 王を生死不明(復活の可能性を秘めた死亡状態?)にした事の意味は?
 巧は どうなった最後だと受け取って欲しいのだろうか?
 スマートブレインとは、オルフェノクとは結局何だったのか、とか、オルフェノク発生の状態から見ると「王が生まれる」確信はどこから得られたのか疑問とか、結局は世界の何が変わった訳でもないのでは?とか、分からない、納得のいかない事が一杯。

 正直な所、最終回としての出来は、決して良くないと思う。
物語を閉じる方向へと向かわせるため、キャラクターが生きて「いない」状態にされ、提示されたのも辛い。
 これをもって、『555』全体を否定する事さえ出来るかも知れないが…

 でも、面白かったよね、この作品。
 1年間見続けてきた事に後悔など全く無い。

 全体に。
 ちょっと懐かしい言葉で言うと、「ライブ感覚」で作られたドラマだったのだと思う。
ガッチリと固まった構成の無い、風の向くまま気の向くままな展開が連続する。
 そのツケは、最終回間近の初代(?)社長による怒濤の説明ゼリフや、必ずしも有機的に結びつかない様々な要素として、物語中に現れてきてしまった。
 しかし、もしかしたら制作者にさえ読み切れていない、パターンを極力排した「次の展開」への不安や期待は、視聴者の興味をグイグイと引っ張って離さず、早く次週の内容を見たくさせる状態を1年間継続させてくれた。

 だから…うーん、なんて言うんだろうな、上手く言葉に出来ないけども。
 学校で習うような標準的な作劇法、それには沿わない内容だったと思う。
お行儀の良い評価基準からすると、無礼な態度を取り続ける話にならない乱暴者、と見えるかも知れない。
 が、それでもなお目を離せなくさせるパワフルさ、見る者を魅了するエネルギー、そういう、誰かから教わって身に付けられる物ではない輝きこそが、「才能」と呼ばれるものなのだろう。
その「才能の輝き」がアチコチに見られた作品。
 それを目に出来る興奮は…凄い腕力を持つ人間に抱え上げられ、いいように振り回される喜び、と言えば分かるかなあ…分からないか(笑)。

 ダメな点を語ろうとすれば一日中でも続けられそうだが、そんなマイナス要素を圧倒する、明文化できない魅力を放って見せてくれた『555』。
 オレは、好きだ。



『BURN-UP SCRAMBLE』01.「ウォーリアーズ 暁に出撃す!!」

 『BURN-UP』って懐かしいタイトルだけど、このブランドは、形を変えつつ今の時代まで生き残るほど商業的価値を認められているのだろうか?

 主人公2人のキャラを紹介し、多少なりと印象づけ、割と単純な事件を解決する過程を通して更に性格付けを行う。
内容としては、教科書通りに出来ていると思う。
 ただ…
ワルの集団に容赦なく銃撃を加える方はともかく、男にふられブチ切れて暴れさせるのは、女の子を魅力のある存在として描き出すに適当なエピソード?
 また、その暴れるシーンに挟まれる、ギャグやら意味のないスローモーションやらのセンスが、黎明期のOVAを思い起こさせる古さ。
 作画は、崩れも目立つが及第点という所。
女の子達の、極悪な中身と、見た目の可愛さから生じるギャップが大きな売りだろうから、「見目麗しさ」は もっとアピールして欲しいけど。

 うーん、取り立てて悪い部分は無いステレオタイプな作りだと思いつつ、第一話を見終わった時点で既に、年寄りのオタクからは「だいたい分かった」と言われかねない、パターンで流した内容だとも言える。
 もうちょっと見続けようかと思うけど、最後まで見るかどうかは微妙。


2004年1月16日 金曜日

 うわあああ、スケジュールはいつも以上に厳しいのに、人手はまるっきり無いときた。
またイスと床で寝る生活か。いやもう寝られないのか。
 どうしてもっと余裕を持って仕事が出来ないかなあ、自分。

 …という訳で、次回のマトモな更新は19日頃になりそうです。

 あ、でもちょっとだけ。

『マリア様が見てる』02.「胸騒ぎの連弾」

 悪い所はないんだけど、古〜い物語文法で作品を見てしまう年寄りにとっては、ちょっと食い足りない。
 主人公の気持ちが2話目に来てまだハンパにしか描かれていないのと、祥子に「他者から憧れられるだけの魅力」がどうにも感じられない事の相乗効果、じゃなくて相殺効果。
主人公にもっと感情移入させてさえくれれば、祥子は「そんな彼女が憧れる対象」という記号であっても構わない。
逆に祥子に視聴者の目から見ても圧倒的なカリスマ性があれば、主人公の描き方が多少足りなくても「憧れてしまう主人公の気持ち、分かるなあ」と思わせられる。
どちらも出来ていないと…
 しかしまあ、2話見ただけだけど、「ピテカントロプス・ペキネンシス」 「ロサ・キネンシス」だの「スール」だのいう専門用語が、何となく「そんなもんかな」と思えて(理解しきってる訳じゃないが)気にならなくなった。
 物足りないとは言え、キャラクターの魅力が次第に出始めているのも確かで(銀杏拾って帰るとか言うお嬢様だか何だかな女の子など、面白い)、見続けていく事では、原作がファンを大勢獲得できた理由を納得できるのかな、と思えてきた。
 次回予告での、「ブツブツ言ってないで!さっさとスールに おなりと言ったら おなり!」という無茶な強引さを発揮する祥子の方が、初見の視聴者にはキャラとして分かりやすいモノで食いつきも良かったかなあ、とか思ってもみたり(笑)。


 実写版『エースをねらえ!』
 んんんー、お蝶夫人役の女の子、可愛い子だとは思うが、圧倒的な存在感や他者を容易に寄せ付けない気品のような物は感じられず、それだと「彼女に憧れてテニスを始めた」ひろみの動機付けが弱くなってしまう。
ひろみや宗方は、悪くないと思うけど。
 一種ファンタジーのようであった漫画・アニメ版と違い、ドラマが「日常」に降りてしまってるなあ。
 それを単純に悪いとは言えないだろうけど、アニメ版を愛した人間としては、「ココが違うアソコも違う」という欠点探しに終始してしまいそうなので、ここまでに。


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