ときどき日記 05/01

2005年1月31日 月曜日

『まほらば』04.「ぬくぬく」

 いやもう、本当に「ぬくぬく」な作品。
 僅かに「毒」を感じるのは、珠実ぐらいかなあ。
こちらも、彼女を一番 特徴づけていた、大家さん・梢に対する態度が違う(薄い)モノで、少々食い足りなく感じてしまったり。
可愛い顔して腹黒く、愛する者のためなら何でも出来てしまう超人性など非常に面白く、好きなキャラだけに余計。

 専門学校の先生が登場。
和服姿で常に にこやか、しかし不真面目な授業態度を取る者には容赦せず、謎のお仕置きを加えてしまう恐ろしさ(?)も兼ね備える。
 原作は、余り重要でない位置のキャラにまで、強烈な個性を加えるのが実に上手い。
珠実が所属するクラブの部長とか、沙夜子の妹、朝美のクラスメートなど、鳴滝荘から離れて彼女らをメインに一本 物語が作れそうなほど。
 原作者の この才能は、一応コレでも同業者としては、羨ましいの一語。


2005年1月30日 日曜日

『仮面ライダー響鬼』01.「響く鬼」

 一話目だけあって気合いが入っており、自転車で登校途中の男の子を捉えるカメラワークなんて、結構な手間が掛かっている。
 しかし、突然ミュージカルになるのにはコケた(笑)。
「音楽」が重要な意味を持つ作品になるようだけど、さすがにコレは冒険だなあ。
ここから どシリアスな話に持っていくのは無理かも…と思ったが、真面目なのか不真面目なのか分からないタッチが全編貫かれていたので、見終わってみれば取り立てて違和感なく。

 やたらクシャミする主人公は、何?
カゼを引いているのか、花粉症なのか。
『555』で啓太郎が、オルフェノクの接近をクシャミをする事で感じ取っていたように、敵(脅威)を示すサインかも。
 何にせよ、まずまず、キャラクターを親しみやすくするのに役立っていたと思う。
 主人公…というか、ヒビキは「ヒーロー」であり、本編の主人公役は子供である明日夢が務めるのかな。
 彼の目を通して、ヒビキを「凄い能力を秘めていそうだが、どこか頼りなくも思える不思議なお兄さん(オジサン?)」に見せるのに成功している。

 ラストで、怪人に対して口から炎を吹き付ける響鬼にはビックリ。
こ…これ、「仮面ライダー」かなあ……反則技だらけの平成シリーズに今更そんな事 言うのも何だけど。
 ライダーというより、和風な所とか忍者的で、『変身忍者嵐』の方が近いんじゃないかと思ったり。
 取りあえず、期待を持てそうな滑り出し。
面白くなってくれるとイイなあ。



 ANIMAXで放送されていたアニメ『永久家族』を見る。
 STUDIO 4゜C製作、森本晃司監督。

 元々CMとして短時間のブツ切れで作られていたアニメらしいから仕方ないが…
30分、続けて見るのはキツイ内容。
「様々なアニメのアイキャッチだけを30分見せられる」ようで。
 高品質な作画で形作られた動きやらギャグには面白い所もあるけれど、ストーリー性がひどく薄い(事実上、無い)モノで、段々と集中力は落ちてしまう。
 後半、家族が街に出る辺りは いかにも盛り上がりそうに思わせたが…実際は何だかよく分からないラストに繋がるのみ。
 「全く他人同士で形成された家族」「ただ一人秘密を知る父親」「彼らを監視し、テレビ中継を行うスタッフ(『トゥルーマン・ショー』だね)」という構図は、きちんと描けばドラマとして面白くなりそうに思えるので、特に何の感慨も抱けず見終える内容だった事は、残念。



 年末のプレステ2版まで待とうと思いながら、店頭で見かけてつい、『バイオハザード4』ゲームキューブ版を買ってしまう。
後発になるPS2には、何か特典が付くに決まってるのに…待ちきれなくて。
 早速プレイして、いや楽しいんだけど、ただ、酔う。
これまでの固定視点ではなく、画面内を自由に見渡して動き回れるよう変わったため、緊張感があり面白くもなった代わり、3Dに弱い身には辛いゲームにもなってしまった。
 1時間ぐらい遊んだ所で、ダウン。ううう〜。
 仕方ない、ボチボチと進めるしか。


2005年1月29日 土曜日

『トランスフォーマーギャラクシーフォース』04.「地球での暮らし方教えます」

 サブタイトル通り、地球人の中で暮らそうとするトランスフォーマー達により意図せず引き起こされる事件を、ちょっとだけ描いた。
当然 起こりえる事態だが、この辺はスルーするかと思っていたので、丁寧さに感心。
 しかしコンボイ車なんか街中を走っていたら、交通ルールを守るとか何とか言う以前に大騒ぎだと思うが。
 …いや、現実に、車体の上に大きな虎の作り物を何体も乗せた異様な普通車(遊園地や何かの店の業務用車ではなく、個人所有らしい)を見かけた事あるけど、別段 人だかりが出来るでもなくみんな普通に横を通り過ぎていたから、意外と世間の人は 取りあえず「車」というカテゴリー内に収まる姿さえしていれば、それ以上の関心を持たないのかも。

 トランスフォーマーを調べているらしい軍関係者が、ラストにシルエットで登場。
いずれ地球軍との対立や共闘もあり得る?



 ANIMAX放送を録画しておいたアニメ『きまぐれロボット』を見る。
 星新一のショートショートが原作。『魔法少女隊アルス』のSTUDIO4℃制作。
2分ほどの短編アニメを連ねたオムニバス形式。それぞれ演出家も違う。

 んー…小説とアニメとでは何もかも違うんで一緒くたに考えてはイケナイと分かってはいるんだけど…ファンとしては、原作に よく出てくる「エヌ氏」という記述を「N氏」に(字幕で)変えてしまうのは、どうだろ、と思い、引っかかってしまう。
星新一氏によるカタカナの記述には、確固たる理由がある。
アニメスタッフは、どれだけ考えて、必要と判断し、変えたのか?
 作品全体にも そういう不満が漂い、どういう理由による原作からの変更なのか、何を「キモ」としてアニメ化した話なのか、見ていても分からないパートが多い。

 STUDIO4℃作品だけあって、作画は高品質。
一本ずつが短い事で見ていて退屈はしないが、特筆するほど面白いシーンも無く。
 お金を払ってまで見たいような内容では、ないなあ。


2005年1月28日 金曜日

『GIRLSブラボー second season』01.「プールでブラボー!」

 地上波放送版で不満だったのは、主にストーリーやキャラクターに面白味が足りない事であり、「入浴シーンで湯気が多すぎる」に代表される色気分の不足なんてのは どーでもいい事。
 だから、河岸をWOWOWに変え、「R-15指定」を受け、えっちな描写を自由に出来るようになったからといって、作品自体への評価が変わる事はあるまい……と思っていたけども。

 わあ、ビックリ、最初(オープニング)から最後までエロ描写ばっかり。
お話なんて言い訳 程度にも入ってない。
純粋混じりっけ無しの「馬鹿エロ話」。
 ウネウネ触手がスクール水着の中に突っ込まれて女の子が悶える、なんてシーンを、今時のアニメで見られるとは思わなかった。
 中途半端な物語が無くなった分、かえって見易くなっており、いっそ清々しいとさえ言えるような作品に変質している。

 予告で見る限り次回も似たようなテイストのようで、とにかく えっちなシーンが見たければ、見続ける価値がありそう。
 取りあえず、しばらく付き合ってみるかな。
 エロ描写のテンションと作画レベル、どちらかが落ちたら致命傷。



『舞-HiME』17.「うそつきな、唇」

 やっぱりバトルロイヤル展開に入るのだろうか。
あんまり好みな方向でない事もあり、唐突で強引な持って行きようだと感じてしまうんだけど。
 互いに戦わせてみる事で、キャラクターを より彫り込む事が出来る、って理屈は分かる。
 鬱さ加減を上手く調整して、見る方の負担にならないように盛り上げてくれれば…
でも、廃人のようになった あかねの描き方を見てると、不安。


2005年1月27日 木曜日

『Xenosaga』04.「死地」

 うろ覚え、程度だけどゲームの内容を覚えており、そこから状況やらキャラクター配置やらを把握できるから ついて行けてるが、このアニメで初めてキャラを見、世界に触れる視聴者は大丈夫だろうか?
とにかく、次々に新キャラが出て新しい世界設定が現れ、シオン達の置かれたポジションも変わっていくからなあ。
 それは、「飽きず見られて楽しい」のか「ロクな説明も無しに進めていくから分からなくて つまらない」のか。

 一人強引に物語を引っ張っていくKOS-MOS。
『2001年』のHALであり、『エイリアン』ではアンドロイド・アッシュなどのような、人間キャラを翻弄する機械的存在。
 ただ、姿が綺麗な姉ちゃんであるだけで、印象は全然違ってしまうなあ(笑)。
 その真の目的は何なのか、分かる所までゲームを進められなかったモノで、謎解きが楽しみ。



『スターシップ・オペレーターズ』04.「ファイナル・アンサー」

 「一対一で、特殊能力を備えた戦艦同士による戦いを面白く見せる」のが この作品の骨子なのだろうから、初めて それを画面として納得できる描写で見せる事に成功した話だったのではないか。

 見えない潜宙艦を捉えるため、手を尽くすアマテラス。
人海戦術を使っていたが…観測宙域の変動を探知するぐらい、現地球のテクノロジーでも可能な気がするし、人に頼らずプログラムを組んだ方が まだ確実なような。
それじゃ絵的に面白くならない、ってのは分かるけど。
 魚雷を照明弾代わりに、という手法も、特に目新しくはないものの納得できる。

 前回 告白した少女へのフォローも忘れず成されており、今回ぐらいの内容で推移するなら、これからも見続けられそう。
 欲を言えば…やっぱりもうちょっと、斬新であったり科学的に凝っていたりする戦闘アイディアが見たいなあ。
勿論それをオリジナルでやるには困難を極めるけど、そういう面白さを実現できているからこそ、この小説を原作に選んだんだよね?



『JINKI:エクステンド』04.「対面」

 ヒロインは、何でそんなにロボットに乗りたいのか?
格好イイから?モデラーであった少女にとり、「巨大なフィギュアとも言えるロボットを乗りこなすのは憧れであった」から?
反発しているようだが、同じ基地内にいる母親に自分を認めて欲しい気持ちもあるのだろうか?
 ともかく、それがハッキリせず、戦っている対象の正体も、勝つ事で何が得られているのか(何が守れているのか)も分からない状況下で、ただただ「ロボットに乗りたい」という事に一生懸命になられても……
 ヒロインは、訳も分からず連れて来られた所が例えば「野生動物をハンティングする業者団体」だったとしても、「私も上手くライフルを使い、野生動物を仕留められるようになりたい」と頑張るのだろうか?
動物を狩る目的も、それが合法かどうか、客観的に見てどういう行為なのかも、まるで疑問に思わないで?

 それでも視聴者がこの作品を見続けられるのは、「ロボットに乗って上手く戦えるよう努力する」のがアニメ内常識として「正しい」と分かっているから。
 それを認識している人間のみを視聴対象としており、何のためにロボットに乗る?などと考えるような人は対象外、って事かな。

 アニメ制作内部の人間全てがそうだとは思わないが、驚く事に、「アニメだけを見ても、作品内のあらましは分かるように作らなければならない」とは、考えてない人が多い。
 分からなければ原作を読めばいい、公式HPに説明が書いてあるなら それは当然読んでおくべき、その程度が面倒だという視聴者は、そもそも「積極的に作品を楽しもう」としてない手合いだから、無視してしまって構わない。
無理して自分たちの作品を見てもらわなくて結構。
 特に深夜枠のアニメは、マニア・オタクに向けて作っているので、客は自ら動いて情報を仕入れ理解できるよう努力する、それが当たり前であり「楽しみ」でもあるだろう、とすら思っている様子。
 ……製作者側が、説明する・分かってもらう努力、普通に見て楽しめる作品を作る努力を放棄してるのに?
 …と、いうのはもう、古い世代の考え方なのか。


2005年1月26日 水曜日

『UG☆アルティメットガール』03.「UGが死ぬとき!東京は壊滅する!」

 おお、オープニングが新作画に。
やっぱり無理無理の本編再編集OPではテンション上がらないので、嬉しい。
 出来れば もうちょっと手が入った見せ場のあるOPだと、更に嬉しかったかなあ。
歌は胸にジンと来るほど良い内容だと思うので、余計。

 本編、バカさ加減が ちょっと落ち気味だった2話よりグッと盛り返した内容。
 羞恥心がアルティメットガールのエネルギー源、という設定は面白い。
ウルトラマンは どうして変身時間ギリギリにならないとスペシウム光線を放たないのか、ってえ長年の疑問に、初めて合理的な(下らない)解釈が。
コスチュームの残りが少なくならないと羞恥心レベルが上がらず、強力な技も繰り出せない訳ね。
 股間にコアを持つ怪獣を退治するには、エネルギーを込めた手の平で屹立したモノをギュッと握りしめ小刻みに動かす事…なのかな?
どこのエロアニメだよ(笑)。
放送コードギリギリ、テレ東なら納品拒否の騒ぎだろう。

 恥ずかしいと思う心を持たない つぼみは、恋するか憧れの人(コスプレの偉い人?)を前にする事で羞恥心を身に付ける?
 色々遊べそうなバカ設定が一杯。
どう転がして見せてくれるのか。


2005年1月25日 火曜日

 映画『カンフー・ハッスル』を見る。
 監督・主演が『少林サッカー』のチャウ・シンチー。

 よく言われる意味での「漫画」であり、特に深く何かを訴える事のない馬鹿馬鹿しい娯楽映画。
 何かを訴えない、というのも徹底していて、少なくともヒーロー物では「勇気を持つ事の大切さ」とか「他者への無条件の愛」なんかが、どうしても「テーマと言えばテーマ」ぐらいには出てきてしまうものだが、この映画については それさえ無い。
無くはない、上手く描けてないだけ?

 映画としてのテーマを強いて言えば、「ムチャクチャ強い奴等がデタラメな戦いを繰り広げる楽しさ」なのだろう。
それは、ワイヤーアクションやCGを駆使し、テンポ良く、イマジネーション豊かなシーンを連続して見せる事で、十二分に実現できている。
 余り達人然としていない、そこいら辺のオッチャンオバチャンにしか見えない連中が(実は凄い役者さんらしいけど)、いざ戦うと超人的な体術を駆使し始めるのは確かに面白い。
 ただ、超人技を繰り出すシーンにいくらかストーリー上の必然性が上乗せされてカタルシスを乗算していた『少林サッカー』に比べると、今作はスーパー・バトルファイトをずらりと並べた見本市、という扱いであり、全てのシーンが「軽い」。
 その軽さを、愛すべき物と捉えるか、安っぽさと捉えるかで、映画への評価は大きく違ってくるだろう。

 以下、内容に触れます。




 いいかな?

 とにかく主人公が、もしかして弱いまま終わってしまうんじゃないか、と不安になるほど長く活躍しないのに驚く。
普通、中盤ぐらいからは強さを増していくものだろうに、ラストバトルに到る直前まで街のバカなチンピラで居続ける。
 それにより、ちょっとやり過ぎなぐらいに「タメ」が出来ているんだけど、ドッと開放してカタルシスを生じさせる切っ掛けが…「?」という物であったのは非常に残念。
やっぱり、口のきけない女の子のため もう一度勇気をふるって立ち上がる、というのが決まるパターンだと思うんだけど。

 デブの相棒が、笑いを生み出す以外、特に存在価値を持たなかったのも惜しい。
彼の勇気や友情もドラマに織り込むと、ぐっと映画に厚みが出てきたと思うのに。
あるいは逆に、登場させない事で、主人公の孤独感をより彫り込む構成にしても良い。
 映画の途中で、「悪」を体現する対象がアッサリと変わってしまうのも、全体を貫く芯の不足に感じられてしまう。
確かに、意表は突かれたけど。

 でもまあ、細かい事をゴチャゴチャ言う映画ではなく、予告編の通り「ありえねー」とか「くだらねー」などと笑いながら見て、映画館を出た途端にストーリーなんかはスッキリ忘れてしまうのが、正しい鑑賞態度だろう。
 何は無くとも、このアクションの面白さには、入場料以上の価値がある。
馬鹿馬鹿しさも下らなさも含め、好きな作品。
 面白かった。



 あれ?もう『ゴジラ』終わってるんだ。
ようやく時間できたから、見に行こうかと思ってたのにぃ。



『まほらば』03.「たいせつな場所」

 3話目まで来て、梢が変身(多重人格出現)する以外は特にイベントも引っ掛かりもなく、のんびりまったり癒し系の雰囲気は原作を見事に再現できてはいるけれども、ここいらで「もういいや」と切ってしまう視聴者が出始めないか、不安。
 穏やかで嫌味は無いが、退屈させない、という作りは木村真一郎 監督が得意とするモノで、今回はそれがかなり高いレベルで実現できていると思うのだが。

 主人公の「絵本作家を目指している」特殊性が、原作より丁寧に扱われてるなあ。
上手くこの辺を使って行ければ、アニメオリジナルのエンディングに持って行けるのかも知れない。



 迷惑業者メール。

> Subject: 白姫女子校保健室からのおしらせ
> この前の妊娠検査について
> 県立白姫女子高校保健室からのお知らせです。
>
> 間違って受け取った方は、
> お手数ですが、破棄してください。
> お詫び致します。
>
> 該当する人は
> 下記リンクより入ってお知らせを確認して下さい。
> http://just-feed.net/shirahi〜


 何の間違いメール装ってるんだよ?(笑)
 ドコの女子高校保健室が、どんな目的で妊娠検査なんかやってくれるんだか。
またその結果を、どれほどのバカならメールで伝えるんだか。
送信間違いが発生する事を前提として、文章が書かれているのも不可解。
 無理がありすぎて、笑うしか。
 まあ、この意味不明ぶりがかえって好奇心を刺激するって可能性もある…のかな?


2005年1月23日 日曜日

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』15.「戦場への帰還」

 不穏な情勢下でオーブへ戻ろうというのだから、多少なりと情報を入れてから行動してはどうか、アスラン。
 連合との同盟、ザフトへの敵対、という事情が無くても、ザフトの新兵器に乗り込んでのオーブ入りは、警戒心を呼び起こし威嚇射撃ぐらいは喰らって当然だと思うが。
 入港中の○景○号と合流したいから ちょっと領空に入らせてくれ、と北○鮮の戦闘機が日本に向かってきたら、相手国と交戦状態に無い上にナニな政府・自衛隊でも「どうぞ」とは言わないだろ。
 カガリと話したいだけなら、モビルスーツは置いて民間人に混じり、飛行機か船で入国する、というのが最も穏当な行動ではなかったか。

 自分をさらったキラ達の行動に対し、怒りを持って応えるカガリには、安心。
当然の反応だろう。
 それに対し、「駄々っ子をなだめる」よう接するキラの凄さに、笑ってしまう。

 カガリは、どうせ役には立つまいがオーブに居てこそ存在を主張できるキャラであり、アークエンジェルに乗せてしまっては「乗員の一人」でありヘタすると「お荷物」にしかならないだろうに。
世界に対し自らが占める立ち位置で見せるキャラの精一杯の行動、よりも、キャラクター単体を優先する作り、という事か。
 「キラは人を殺さない、相手が勝手に自爆しただけ」「カガリは頑張った、しかし去った後のオーブの行く末までは責任持てない」と、キャラを重責から開放してばかり行ってるような。
前シリーズでも書いたような気がするが、それは「盲目的なまでに子を溺愛するバカ親の選択」であり、「試練を与え、それを乗り越えさせる事で成長を願い、キャラを高いステージに昇らせようとする作り手の愛情」とは違うんだけど。

 ちゃっかりとアスランに接近を計るルナマリアが おかしい。
でもまあ、この世界のキャラが決められたカップリングから外れて浮気する、ってのは考え難いな。
 行くアテを失ったアークエンジェルは、ドコへ?
他の中立国に身を寄せるのか、各地で上がっているという連合への反抗の火の手に協力する形になるのか。
 キラが居てフリーダムがあり、アスラン、シンも巻き込めるなら、独立第三勢力としてザフト・連合に対する事で「天下三分の計」を取る事も可能?


2005年1月22日 土曜日

『舞-HiME-』16.「Parade♪」

 学園が武装集団に占拠されるシリアス展開も、今回のカラオケコスプレ馬鹿話も同じように楽しく見られるのは、何よりもキャラが立っているから。
物語・アクション等見せ場の演出・ギャグ・キャラクター、どれかが際立って良い出来であれば、他が少々ダメ気味でも特に問題と(個人的には)感じない。
 「強引な行動力で皆を引き摺っていく超越的お姉さん・碧」と「生真面目で固い分、崩せば崩すだけ笑えてしまう・なつき」、この二人を創造し得たのが、キャラ部門で成功した大きな要因だと思う。

 深優とアリッサは、彫り込めば まだまだ良くなったキャラだと思うのに、意外なほど早々に退場してしまい、残念。
それでも、「どちらが欠けても成り立たない深い相互信頼(依存?)関係」だけは きっちり描けており、それを活かした最期のシーンではホロリと来させさえするのだから、上手いもんだ。
 深優のみ残してHiME戦隊に編入させ、アリッサを裏切った組織への憎しみを胸に生き続ける様を見せる…という展開でも面白かったような。
何しろ彼女は未だ負け知らずのキャラな訳だから、戦力として使わないのは勿体ない。
 最終的に、何か超常的な力に頼る事で、あかねの彼氏と共にアリッサの失われた命も蘇る、って終わり方もアリ?

 で、今後はHiME同士のバトルロイヤルに突入する…のかな?
外の敵が取りあえず片づいてしまったので、戦う相手は内部に求めるしかないのか。
 普通、「仲間割れしていた者達が、強大な敵を前に、最終的に共闘する」のがパターン。
「共闘していた者達が、バトルロイヤル状態へ移行」というのは珍しい形式だろう。
…珍しいのは、それだと構成が非常に難しくなるからだと思うが、このスタッフには勝算が立ってるんだろうな…と期待。
 あるいは、「互いに戦うなんて、冗談じゃない!」と、キャラクター達がドラマの要請を はね除ける展開になるのも、この作品らしい。


2005年1月21日 金曜日

『スターシップ・オペレーターズ』03.「コール・フロム・ホーム」

 有り体に言って、問題点 山積み、としか。
 今回、艦外で修理を行っていた男女のうち、男の方が推進剤が切れるまで派手に噴射して艦内へ通じるハッチへ向かい、ギリギリで彼女を中へと放り投げ、自分は宇宙空間に漂い出す所。
「英雄的行動」と「バカの愚挙」、どちらを描いたつもりなのか。
 男の方が、その後 少しばかり宇宙を漂っていていても大丈夫だった様子から残り時間はあったようで、なら両者とも助かる選択があり得たのでは?と思わせる所から考えるに、「愚挙」の方かね。

 この、凄い事をやっているようで実は無意味な行動、というのは、作品全体を貫いている。
 自分を連れ戻しに来た父親に対して、「ここには好きな男の子も居るんで、帰らない」と宇宙放送で述べた娘の行動は、何?
 感動的でも何でもなく手前勝手な言い分で、命が危険だから船を下りたい、と考えていた他クルーの気持ちを動かすいかなる要因も含まれていないように思えるのだが。
なのに、「あんな事まで言われちゃ、下りる訳にはいかない」という反応をクルー達が示すのは、「そうなるようシナリオに書いてあるから」であり、人間として意味(意志)のある決断ではない。
 「戦死した」女の子が残した、特定個人ではなく「一緒に頑張った仲間のみんなが大好き」という言葉の記録を発表したのなら、戦い続けようという気持ちになるのも分かるけど。

 未読だけど想像するに原作は、宇宙空間での戦いを、『ヤマト』のような無敵艦の戦いでも、『銀英伝』のような艦隊戦でもなく、「戦艦同士の一騎打ち」で見せるために、当然 現れてくる科学的・政治的な矛盾・問題点を、理屈を積み上げて何とか筋の通ったモノにしてしまった、その論理のアクロバットも面白い要素の一つなのだろうと思う。
 それをまるごと すっ飛ばしてしまっては、台無し。
 作品世界観の概要を知りたければ、ファンによる比較説明サイト(通りすがり さん、掲示板での情報、ありがとうございました)に頼るしかない この現状を、スタッフはどう考えているのだろう。



『JINKI:エクステンド』02.「涙のあと」03.「質と量」

 んー…第一話時点では、あちこち視聴者に分からない部分を設ける事も「織り込み済み」ではないかと思え、それを先行きへの期待感に変えさせて次回へと引っ張る力とする作りなんだと思っていたが…
 3話まで来ても相変わらず分からない事は分からないまま ほったらかしで、「とにかくそういうモノだから仕方ない」と言わんばかりに無理矢理 進めているため、見続ける気力が萎えかけてしまう。

 なんで、ベネズエラが戦場なの?敵って何?どうしてロボット同士でバトルを?基地にいるキャラクター達の立ち位置も目的もよく分からない。
 ヒロイン・青葉にしてから、危険なロボットなのに進んで乗り込む お気楽さで深みが無く、基地で資料整理をしていた間も、視聴者がまず知りたい この世界の真実を追求するのではなく、ロボットの操縦法を(ちょっと本を読んだだけで、完璧に)マスターしてしまう不思議さ。
 それでも、天才的ロボット操縦能力を見せつけてくれれば…と思ったのだが、発揮したのは予知能力(野生のカン?)。
 競争していたロボットを追い抜いた猛ダッシュぶり、アレは何?
登場するロボットに、エヴァみたく「シンクロ率」というような特殊要因が設定されているのでなければ、格闘ゲームで「右・右・左・AボタンBボタン同時押し」みたいなコマンド入力のタイミングが、たまたま合致したお陰で発動したとしか。
それは、皆が おおっ!と驚くようなテクニックだったのだろうか?
 もっと、燃料の配合やパーツ編成をこれまでと変えて(プラモ作りが好きなのだし)状況に応じたロボットのベスト・コンディションを引き出して勝つとか、障害物を逆に利用する事で相手を出し抜く頭脳プレイを見せるとか、「凄い!」を理性的に表現する方法はあったような。
 「女の子が、嫌ーっ!と叫ぶと、理由はともかく相手がボーンと爆発する」という、何も考えてない やり方でもってロボットの魅力を見せていきたいと考えているなら、あれで良いのだろうが。

 敵ロボットとの戦いの駆け引きも さほど面白くなく…
 コロコロ変わるヒロインの表情とか、新登場の綾波(『ナデシコ』ルリ?)コンパチなキャラクターは、やっぱりそれなりに楽しかったりするんだけど…そればかりでは、ちょっと辛い。



『UG☆アルティメットガール』02.「輝け!アルティメット三姉妹」

 面白くは見られたものの、ギャグのテンションから作画まで、素晴らしい出来だった第一話と比べると どうしても物足りなく感じてしまう。
 そりゃ、第一話の勢いのままで突っ走れったって、無理に決まっているけれど。

 今回の笑い所は、ヒロイン以外二人の変身シーンを、やたらに引いて街全体を見せるアングルで誤魔化し、割と長い間 変身度合いカウンターの進行だけにしてしまった所かな。
アレは、狙った駄目シーンだったのか、本当に変身バンクが間に合わなかったのか。
 ギャグにしては2回とも同じくらいの時間を取っているし(二度目は少しぐらい短くしそうなモノ)、本編再構成のみで作られたオープニングや、余裕は無さそうな作画状況を見ていると、案外 本当に苦肉の策だったのではないかと思えてしまう。
 まあ、色々ひっくるめて笑ったけども。

 あと、タイムリミットが近づいて全裸になる事に何の抵抗も無いらしい つぼみが可笑しい。
なるほど、恥じらいの心さえ忘れてしまえば、時間制限など気にしないで良いんだなあ。
 ただ、時間経過と共にエネルギーの総量も減っていくようなので、遅くなってくると必殺技が使えず、本当に「巨大な姿で居るだけ」の存在になってしまうようだが。


2005年1月20日 木曜日

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』14.「明日への出航」

 カガリが国内において負わされる重責について、ハードなドラマを予想…いや希望していたので、強引で お気楽な展開は余り嬉しくない。
 彼女を「可哀想なお姫様」と捉え、「政略結婚を強いられている嫌な婚約者から、愛しのダーリン(肉親だったけど、それはそれで)が格好良く助け出してくれてハッピー」な展開と考えれば、年若い、特に女性視聴者には喜ばれる内容だったのだろうか。

 カガリを救出するキラ達側の気持ちは、分からないでもない。
 いずこの国家組織にも所属しない(したくない・出来ない)彼らが、オーブで色々と便宜を図ってくれた(のだろう)恩義をカガリ「個人」に対してのみ感じていたとしたら、この派手なパフォーマンスで兵士がケガを負おうと国が混乱しようと、「彼女を救うためには仕方ない」という割り切り方が可能だろうから。
「救ったどころか、カガリのオーブ内での立場を危うくしてしまう事で多大な迷惑を掛けた」とも考えられるけど、そこまで気が回るようなキャラクター達じゃないし(笑)。

 僅かでも政治を描こうとしていたり、シリアスなドラマを目指そうとしているなら、今回の展開には大きく疑問を感じる。
 でも、映画『卒業』を、巨大ロボットを交え、華麗な弟キャラクターの救出劇により再現した、それが許される作品と思えば、まあ いいのかな。
そういや『卒業』も、主人公達の手前勝手さに苛立つ映画だった。

 カガリが、自分の気持ちを殺してユウナと結婚しようとしたのは、父親が命をかけてまで守ろうとしたオーブという国(の魂?)への想いを、受け継いで守っていきたい、しかし実質自分には何の権限も与えられていないのは理解している、それでも いずれオーブのリーダーになっていくのであろうユウナと共にある事で、僅かでも国を善導できる立場に居続けたい、という浅慮ながら純粋な気持ちに基づくモノだと思う。
 ならば、次回はキラ達の行動に激怒を持って応えるべきだろうな。
 「誘拐された」形になっているためギリギリ国への言い訳が立つ事に納得し、とりあえずアスランに会ってから今後の事を考えたい、とかだと……このアニメで精神的成長を描くのは無理っぽい。

 いや、まだまだ逆境のハードルは いくらでも設けられるし、ここから成長のドラマにしていく事も全然可能だが…問題は、製作者が「そうしたい」と思っているのかどうか。
 思いがけずキラ達に救ってもらった今回の「お姫様」シチュエイションは、何の到達点でもなく、それどころか彼女に重い影を落とすイベントであったと考えてもらわないと。


2005年1月19日 水曜日

 入稿した単行本の表紙に致命的なミスが見つかり、大至急の直し。
 漫画を描き始めて相当長くになるのに、まだこんなアホみたいなミスをするとは…
少し休めると思ったのになあ。自分が悪いんだけど。
 どういう失敗だったのかは…発売日がもっと近くなってきたらココで晒しモノにしようかと考えてます。



 一段落、まだ明後日までの細かい締め切りとかあるけど、取りあえず一段落。
 うう、さすがに3日ほど連続で寝てられない生活すると、体に堪える。
もうちょっと余裕のあるスケジュールでお仕事するべき年齢なんだろうと思うが、コレがなかなか実現できない自己管理能力の欠如ぶりに大笑い。
 少し休んでから、ボチボチ更新していきたいと。


2005年1月17日 月曜日

 すいません、仕事が遅れ気味のため、更新も遅れております。
もう少々お待ち下さい。

 あ、単行本が出ます。
2月の8〜10日ぐらい予定。
 久々のワニマガジン社様からで、タイトルは「天国にいちばん遠い家」。
 また、発売が近づき詳細が分かりましたら、嫌ほど告知を打たせて頂きたいと思っております。


2005年1月13日 木曜日

 書きたい事は色々ありつつも、お仕事に集中しなければイケナイ時期に突入。
 次回更新は、日曜日ぐらいになる予定。


2005年1月12日 水曜日

『焼きたて !! ジャぱん』13.「ヘイお待ちィ !! メロンパンでメロンメロン!」

 内容は、いつも通りの大笑い お馬鹿さんパンアニメだったが、エンディング。
サタデーナイトでフィーバーかスティン・アライブなトラボルタ、って感じなのかも知れないけど(名前に引っ掛けたマツケンでもある)、3Dの人間キャラクターがノリノリで踊っているのを見ると、どうもPSの『バスト ア ムーブ』を思い出してしまう。
 あのゲームも、「街に迫る巨大ロボットと人間(プレーヤー)が、ダンスで勝負する」なんてムチャクチャをやっていて、何の決着でもパンで付けてしまう この作品と共通項があるのかも( ^_^ )。



 今更ながらアニメ『げんしけん』。
放送終わってたんだ!全然気が付かなかった。
 というか、コミケ…コミフェス?に参加するとか最後に言っていたので、そのエピソードが最終話になるものだとばかり思って ずっと「次週」を待っていた間抜けさ。
 イキナリな幕切れだなあ…原作の連載が続いているので仕方ないとは言え。
終わりなきオタクな日常、がテーマでもあるのだろうから、「ここで終わり」というポイントを設けない方が理に適っている?

 実に「身近」で面白い作品だった。原作未読者としては、特に。
斑目とか、かなり気に入っていたキャラだから、終わってしまったのは寂しい。
 続きは原作で、あるいは好評を得られていたなら続編アニメで、かな。


2005年1月11日 火曜日

『B-伝説!バトルビーダマン 炎魂』01.「星に願いを」

 子供向け作品として、(子供に向けた)ギャグあり熱いバトルありの、楽しい内容。
冒頭は大人受けを狙った、松本 零士雰囲気パロディーかな?
 前作を見ていず、余りにも まっとうな子供向けの作品までチェックしている余裕がない事もあり、順当に ここまでで。



『まほらば』01.「ようこそ鳴滝荘」

 公式HPを探そうとして、Googleに素で「まぶらほ」と打ち込んでしまった。
原作ファンなのになあ…でもちょっと紛らわしいタイトル。

 原作は、どう考えても『めぞん一刻』という所から始まり、崩し絵は抜群に上手いものの絵全体としては(大変失礼ながら)まあまあ…と思っていれば、絵は回を増す毎に こなれてレベルと好感度が上がり、何よりも内容が面白くなっていった。
 この作品の主題、というか「主題にしたかった」のは、「管理人さんが多重人格」という所だと思う。
しかし、住人達ほか、登場するキャラクター全てが「お約束」は踏まえつつ「パターン」を僅かに外した造形で、またその彼ら彼女らを組み合わせたリアクションの楽しさ、イベント設定のバリエーションにより、ハラハラドキドキ、という内容ではまるで無く のんびりゆったりしているのに、読者を捉えて離さない独自の輝きを放っていく。

 その中で…管理人・梢の中から現れてくる他の人格は、「時々出てくる住人」と思えば十分に面白く見られるが、「梢にメリット・デメリットを付加する設定」には成り得ていないような…
これ無しでも問題なく成り立つ内容だからなあ。
 本当に主題として描くなら、『くるくるクリン』(とり・みき先生著)のように、「人格の入れ替わり」を作品の中央に置かないと。
 連載を成り立たせる要素として最初に出来るだけ沢山の設定を作ったが、普通にコメディーやドラマとして漫画を描けてしまう作者だったので そこに頼らなくても良くなり、現在は、「初期設定だから無視する訳にも行かず、配慮しつつストーリーを進めている」状態では?

 アニメ。
 原作ファンとしては細かな所に引っ掛かりを感じないでもないが、居心地の良い世界を作るのが上手い木村真一郎が監督であり、変な風に気負わない のんびりゆったりした雰囲気は再現できているので、満足。
崩し絵で展開する ちょっとズレた笑い、がきちんと演出できていく事を期待。
 本当にこの作品が面白くなるのは、住人キャラの個性が完全に発揮できるようになって以降なので、焦らず慌てず見ていきたい。
ホロリと来る話も、上手く料理してくれるといいなあ。


2005年1月10日 月曜日

『まじかるカナン』01.「魔法戦士カーマイン登場!」

 世界に迫る脅威。
それと戦うため、異世界から来た可愛げな生物がヒロイン宅に同居、不思議な力を与えて彼女を魔法戦士に変身させる。
 ……有り体に言って、現在では非常に ありふれた設定。
ありふれているのは、そのパターンに確かに魅力があるから、でもあるが。

 あとは、ヒロインや脇キャラの個性、物語のテンポと作画の頑張り、変身や決め技の面白い見せ方、などで精一杯工夫して差別化を図り、「見続けてもらう価値」を創出するしかないのだが…
 全てにおいて、弱い。
前シーズンに、似た傾向のものとして良作『リリカルなのは』、問題作『うた∞かた』など、特異な印象を残す作品があったせいで、余計にそう感じてしまう。

 特にヒロイン・ちはやが…
モンスターに追われ絶体絶命の所を、可愛い生物チュウが必死で敵に飛びかかり、引っ掻いて助けてくれようとするのだが、それを見た ちはやは、ビルの壁面にあった非常階段を いきなり登り始める。
 ……まず危険な事をしたチュウの身を心配しないか?
 いや、心配したって彼女に何が出来た訳でもないだろうし、チュウとは 出逢って間がない、しかも彼が命がけで作ってくれた脱出のチャンスを無駄にする事こそ愚挙、それはそうなんだけど(階段を上りだしてから、一応 名を呼んでは見せるし)。
 ただ合理的に、ではなく、心情的に、こういう行動を取る女の子を魅力的に感じさせられるかどうか。
 物語進行の都合を一時犠牲にしても、ちはやに石でも投げつけさせて助けるか、チュウ自身が危機を脱して彼女の元に帰って来てから逃げるようにすれば良かったような。
 第一話は、「この主人公に最後までつき合う価値があるかどうか」視聴者に判断して頂く重要な部分。
「何となく」の行動など、決して取らせてはいけない。
なのに、そういう甘さがアチコチ見えて……

 作画は、特に悪くないが、取り立てて良くもなく。
妙に間延びした演出と、繋がりが時々変なシナリオは宜しくない。
 とにかく全体に「普通」「まあまあ」。
 …あと1、2話見て、独自の面白さが強く打ち出されなければ そこまでになりそう。



『UG☆アルティメットガール』01.「アルティメット作戦第一号!」

 30分枠内で2本放送する形態。後半は『ヒットをねらえ』の再放送。
 映画『ULTRAMAN』が、テレビシリーズ『ウルトラマン』を真面目に現代に蘇らせようとした作品なら、こちらは大馬鹿 萌えモノにして笑っちゃおうとしたアニメ。
 一々挙げていたらキリがない、作中に散りばめられたパロディー馬鹿シーンに大笑い。
中途半端な形だと「もう、こういうのは飽きた」と感じたかも知れないのだが、ここまで徹底してやられると爽やかな気分にさえなってくるから不思議。

 巨大ヒロイン誕生のいきさつや、変身の時間制限を どう見せるか、など、「下らないアイディア」を「下らなく、しかし面白く見せる」ために、大の大人が一生懸命考えた形跡あり。
こういうの、好きだなあ。
 キレイで可愛い作画により、シモネタが下品になっていないのも結構。
白濁液…じゃなくて白光に少女の体が覆われていく所なんて、もうエロアニメなんだけど( ^_^ )。

 同じようなパロディーばかり何回も並べていては飽きられる恐れがあるが、回避策は講じてあるのかどうか。
第一話で見せた演出・作画のテンションをどこまで維持できるか、辺りが、成否の分かれ目。
 熱い情熱で作り上げた「下らない大馬鹿アニメ」の大傑作!になってくれる事を希望。



『ウィッチ ビレッジ ストーリー』01.「黄色いエンブレム」前編

 5分枠のアニメで、何だろこれ、と思って見た。
 実質1分強 程度の内容、しかも週一回放送みたいなのに第一話から前・後編の編成。
 内容としては、わたせせいぞう先生のように「雰囲気」を重視しようとしているのかも知れないが、肝心の絵がヘタウマなので、何とも。
しかも、このアニメは時間が短いせいもあり、ストーリーを抜き過ぎていて…
 デジタル処理により ちょこっと動きを付けただけなので、「アニメ」という表現すらナニ。
 「世界の車窓から」とか「英国紀行」(好き)、アニメなら「親子クラブ」のような、何となく番組の繋ぎで流すための作品。
 感想を書く類のモノじゃないとは思うんだけど、せっかく見たので、一応。



『好きなものは好きだからしょうがない !!』01.「キライなものはキライ!」

 事前情報ゼロでの鑑賞。
 もの凄いストレートなタイトルだなあ、どう考えても萌え系アニメか、と思って見れば、萌えは萌えでも「やおい系萌え」。
 登場キャラ全員、髪が長かろうが外見が可愛かろうが「男」。
あくまでホモ。ちゅーかボーイズラブ?
 まあ、「男」と言っても皆 徹底して美少年に描かれている訳で、「ハスキーな声で喋るナイ乳の美少女だ」と自分に言い聞かせる事さえ出来れば、そう拒否反応も出ないのでは。

 どうもこう、自分が男であるせいか、「男同士の愛」っていう異形のモノを成り立たせるには、前提条件として そこに至らしめる必然性とか葛藤とか心の傷とか前世の因縁、そういうモノが必要なように思ってしまうが、仕事でボーイズラブ小説を書いている友人によると、「女性読者は別にそういうものは求めていない」のだそうで。
キレイな男が2人居る、そしたらもう その間に愛(性愛)が存在して普通、というのが基本。
 それだと、段取りを無視しているとか何とか言うより、せっかくの「男同士」という設定に意味や面白味が無くなってしまうんじゃないかと考えるけど、とにかく それが約束事らしいから仕方ない。
 …男性視聴者にとっては、「麗しい美少女キャラ二人の百合関係」であれば唐突でも(目に楽しいので)受け入れやすい、それと同じなのか。

 作画は良いし、記憶を失っている主人公に絡んでのドラマに興味がない訳でもないのだが…
公式ページにも書いてある通り、「貴女」に向けて作られているアニメなので、チェック本数を減らしたい現状としては、ココまでにしておきたい。


2005年1月9日 日曜日

『トランスフォーマー ギャラクシーフォース』01.「聖なる故郷 セイバートロン星崩壊!?」
 
 トランスフォーマー作品は、最初のシリーズをちょっとだけ、後は『ビーストウォーズ』などのお笑い系しか見ていないので、世界を体系づけて理解できず、そのため ある程度の知識を必要とする作品群についてはスルーしがちだった。
 しかし、これはコンボイだのメガトロンだの お馴染みの名前こそ出てくるが、基本的にはゼロから始めてくれるシリーズのようだから、ちょっと追いかけてみようかな、という気に。

 お話としては、まだ本当に発端だけで、今のところ特に思う事無し。
 3Dで滑らかに動くトランスフォーマー達なのに、口だけ手描きアニメのように数パターンの繰り返しで動かしているのは違和感。
人間キャラクター達に合わせようというのかも知れないが、あんまり効果無いのでは?



『ギャラリーフェイク』01.「贋作画廊の男」

 原作は、全部ではないが既読。
 うーーーーん、全然面白くないな このアニメ。
原作の順列を無視して、キャラクターの紹介も何もすっ飛ばし、いきなりオークション話から始めなければならない理由が理解不能。
 しかも、競り落とそうという絵の価値も、競争相手との間の背景事情も説明不足で、「オークション」という場そのものの面白さや緊張感など皆無。
 予定以上に金が出せた理由を (゚Д゚)ハァ? なモノに変えるに到っては、唖然とするしか。

 作画は、まあこんな所だろう、というレベルではあると思うけど、内容に見るべきモノがなさ過ぎ。
凡庸なスタッフが、「何だよ、こんな原作そのままやるより、俺様がチョイといじった こっちの方がホラ全然面白いじゃん」と思って作ったような愚かさと傲慢さが溢れている駄作。
 言っても詮無いが、この作品は『MONSTER』の後番組として、そのスタッフでアニメにして欲しかったなあ……


2005年1月8日 土曜日

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』13.「よみがえる翼」

 キラ・ラクス邸 襲撃さる。
…しかし、相手は多数のコーディネーターで、しかも訓練を受けているらしいのに、虎とマリューだけで割に難なく撃退…というか逃走に成功してしまうのは、どうか。
 今日があるのを予想して、対人用警備(攻撃)装置を付けてあった、とか不自然さを軽減する努力があっても。
いや、単体で侵入者の接近を察知する、恐るべき高機能性を備えたハロが常備されているんで、他の装置は要らないのか?(笑)

 せっかくキラとカガリは肉親なのだから、カガリの窮状に際し、顔を合わせて苦しい胸の内を語らせる、など しても良かったのでは?
 国内の情勢が不穏であり、いつまでキラ達の安全が確保できるのか自信が無くなった、というカガリに、虎あたりが「迷惑を掛けるようなら出ていくぜ。随分とワガママを聞いてもらったこの家は、勿体ないがな」とでも言っておけば、対人設備とフリーダム格納庫登場への伏線が引けたろうし。
 カガリに迫るユウナも、彼女個人の裁量でキラ一派を優遇して国内に留めている、という所を弱味として突けば良いような。
「余り勝手を言われると、弟さん(?)の処遇を会議で問題にせねばならない…かも知れませんよ?」とか。
 キラを弟、という事にしたのは、正直に「兄」と言う事で「アスハ家の跡継ぎ」として、周囲からカガリに代えて彼を政治の場に担ぎ出そうとする動きが起こるのを恐れて?
考えすぎ?

 バカみたいに強いフリーダム・キラは、まあ前作からの お約束なので仕方ない。
襲撃者リーダーのモビルスーツをチビチビと破壊していく様には、「不殺の優しさ」より「なぶり殺し」という雰囲気があったけど。
 これでまたシンの影が薄くなるな…

 ラクスを殺したいのは、デュランダル議長?
もしか そうなら、彼の方に付く形になってしまうアスランと、ラクスを守るべく対立するしかないキラ、というのが主軸になってしまうだろうから、更にシンの必要性は薄く。
 次回でアークエンジェルが登場すると、ミネルバの存在価値まで怪しくなりそう。
 もっと言えば、「三機のガンダムが盗まれた!」っていう今期冒頭の事件など、現在の世界状況に僅かの影響も無くない?

 既に「やってもらわない方が客にとっては嬉しい」効果になってしまっている「マトリックス銃弾」と、虎が左腕にサイコガンを仕込んだコブラになっていたのが、今回の笑い所。
 あと、フリーダムの登場に、「えぇぇー」という「来月からお小遣い減らすよ」と お母ちゃんに言われた子供みたいな、世にも情けない声を上げる襲撃者リーダーも。
お前、死して虜囚の辱めを受けずの覚悟で来ておきながら、その声は何だ(笑)。



『ピーチガール』01.「ラブ・ハリケーン!」

 原作未読。
少女漫画が原作である事と、キャラクターの見た目への抵抗感で、取りあえず ちょっとだけ見て「視聴対象外」で終わりになりそう…と思っていたのだが。
 さすが、アニメになるほど人気のある原作が付いているだけあって内容は なかなか面白く、最後まで飽きずに見られた。

 ヒロインの外見が、地黒の肌に染めたような髪で いかにも遊んでます風、って所で多少の抵抗を持ってしまう視聴者(読者)に対し、親しみやすく意外に可愛い彼女の内面を すかさず見せていきギャップの魅力さえ生じさせる事により、かえって引き付ける、非常に上手い作り。
 好きな男の子からプリクラもらって大喜びする辺りは、ちょっと可愛く純朴に描きすぎているかな、と思ってしまうが。

 対して友達の女の子、色白で可愛い外見に似合わず腹黒でロクでもない性格をして、ヒロインのマネをしつつ彼女が欲しがるモノを先に奪取する事で歓びを感じているらしい、というのが面白い。
コレが「ライバル」であったり「敵」だったなら、それなりに良くあるキャラクター造形だったろうが、「基本的にはヒロインの友達である」って立ち位置なのは珍しいなあ。
 『宇宙家族ロビンソン』のドクター・スミス的キャラ?

 男の子2人は、まあそれなり(笑)。
 初回から作画が余り好調でないのは、不安要素。

 片思いの男の子にヒロインの気持ちが通じ、両思いとなり、ドラマとしては この第一話だけで、かなり まとまった形になってしまった。
次回以降は何で引っ張る?
 やっぱり、「ドクター・スミス」の悪だくみで面白くしてもらうしかないのか?
 展開が気になるので、視聴継続。




『ウルトラマンネクサス』14.

 新年一発目から、なかなかにハードな内容。
 両親をビーストに殺され、死体と共にさらわれた幼い兄妹。
別荘に連れ込まれた子供達は、ビーストが変態した(一度ビーストに吸収され、支配を受けた状態で分離した?)両親により、恐ろしい目に遭わされる。
 うずくまって ひたすら薪を囓り続ける両親、なんてのは、いい歳をした視聴者だと笑いかねないが、子供達にとっては不条理であり不気味、割と本気で怖いシーンなのでは。
ただでさえ少ない(だろう)年少の視聴者を、更に突き放さなくても…

 巨大ビーストの体内に閉じこめられた妹。
そういう事情を知らず、搭乗機の巨大砲で倒すべく狙いを付ける主人公。
 その横でネクサスとダークメフィストが戦っているのだから、間一髪でネクサスが女の子を助け(あるいは主人公に真実を知らせ)事なきを得る ぬるいパターンになる…のかな?と思っていれば…
見事!誰からも何の救済措置も取られず、主人公の砲撃がビーストを直撃、大爆発を起こして体内の子供ごと四散する。

 いや、面白いよ。
「そこまでやるか」という負のカタルシスが発生しているので。
いっそ、女の子は重傷ながら奇跡的に一命を取り留めた、なんてフォローも無くし、順当に、死んだ、としても良かったように思うぐらい。
 ただ…
子供は、こういうウルトラマンを喜ぶだろうか。
年長の視聴者にとっても、これを、望んでいたウルトラマン作品だと思ってもらえるのかどうか、危ない所。
 スタッフが相当な覚悟を持って作っている事は、よく分かるんだけど…

 しかし、ビーストが子供達をわざわざ誘拐した目的は何だったのだろう?
両親はとっとと殺して(吸収して?)しまったようなのに。
 孤門をダークサイドに引き込むための、罠として?
それなら、子供に薪を食べさせようなどと しなくても(笑)。ビーストは頭が悪いから仕方ないのかな。


2005年1月7日 金曜日

『ああっ女神さまっ』01.「キミは女神さまっ?」

 OVAも映画もありSDキャラバージョンのアニメまであって、なお今、再度アニメになってしまうのだから、恐るべき原作の継続パワー!
 『うる星やつら』なんか、今はもう どのメディアでも取り立てて動きはないと思うが。
 アニメにし易いラインの原作である、って要因が大きい?
 『うる星』だと、とにかく無理矢理にもテンションを上げてギャグアニメとして突っ走らなければならない訳で、スタッフへの負担が大きく、ネタを外した時のダメージもデカイ。
 『女神さまっ』は、タイトでない作りのコメディーであり、基本的に「いい話」にして行けばオッケーな構造だから、楽なのかも。

 で、第一話の内容は…
とにかく大量の、さしたる事件も起きない日常描写を入れ、「ベルダンディーが出てくるまで」の、原作では数ページで終わらせていた部分を膨らませて見せた。
 んーーーー……これは視聴者が期待していた、膨らませてくれて嬉しい部分だったかなあ?
主人公の お人好しな性格や、女性に縁がなく先輩にコキ使われる鬱屈した生活を見せておく事で、女神さま登場までの「タメ」にする、ってのはアリだと思うけど…それは前半15分もやれば十分だったような。
 これだけ緩やかなテンポなのだから、原作で かなり唐突だったベルダンディー登場シーンを自然に見せてくれるのかと思えば、そこは余り変わらず。

 出来としては悪くないし、丁寧に作ってある。
 見続ける事に問題は感じないが、「次も絶対見よう!」と思わせてくれるほどのモノも無く。
 取りあえず視聴継続。
どこか…出来るだけ早い内に、「見続けてきて良かった!」と喜べるポイントを設けて欲しい。

 内容には直接関係ないけど、主人公の通っている大学は中央大学をモデルにしていた(原作は違ったような)。
最近では『げんしけん』もそうだったし…理由があるのだろうか。大学が取材に協力的とか。
 ちょっと郊外で自然が多いし、キャンパスも広く、舞台として使いやすい?



『らいむいろ流奇譚 X CROSS』01.「漢の名は強志朗!」

 前作『らいむいろ戦奇譚』からのマイナーチェンジ・アニメ。
 当たったのかなあ前作。
大いに当たっていたのであれば、『サクラ大戦』の如くに同キャラでの続編を作るか(いや、あれにもパリ編があったけど)。
 でも続編が出来るという事は このシリーズに商品価値を感じる視聴者が それなりに多く居たという事で、そういう人達には嬉しい企画なのだろう。
 個人的には、1話目で特に引っ掛かりを感じず、前作で見た以上のモノは見せてもらえないような予感がしてしまうため、ここまでに。



 メールで、「ピアノ・ファイア」いずみの さんから、先日の『ネギま!』感想へのリンクのお知らせを頂く。
 なのでこちらからも訪問をさせて頂き、当該文 辺りを つらつらと読ませて頂いたが…
驚くほど的確で詳細な、原作者・赤松 健先生全般の評論がある。
 『陸上防衛隊まおちゃん』失敗の理由含め、ああ、なるほどと思わされた所、多々。

 アニメ『ネギま!』スタッフにも秀才が居なければ成功しない、というのは、全く同意。
 それが居ないのであれば…せっかく形になった原作があるのだから、愚直なまでに忠実にアニメ化し、出来うる限り削らず、僅かに素材を(アクションなどの形で)膨らませる事を「オリジナリティー」として制作する手もあったろう、と。
「少年ジャンプ」作品アニメ化の基本路線のように(これも改悪あるか)。
 それなら、彼我の才能差が致命傷にならないで済む。

 …「自分の才能の限界を正しく見極めて、的確な対応が取れる」のは、既に「秀才」の域に近い才能存在の証拠でもあるんだけど。


2005年1月6日 木曜日

『Xenosaga THE ANIMATION』01.「覚醒」

 原作ゲームは、『1』を、途中までプレイ。
お話その物は面白かったんだけど、戦闘が うざったく、あっち回って向こうまで行って またそっち回って帰って来い、みたいな無用な時間稼ぎが我慢できなくなって中断。

 で、アニメはと言うと…
どうなんだろ?ゲーム未プレイの人には分かったのかなあ、この話。
 設定がドカドカ、キャラがバカバカ出てくるので、ゲームで既に世界を見知っている人間でないと、整理して受け取り辛かったかも。
…と言いつつ、既に自分だって細かい所の記憶は怪しくなってきてるのだが。

 ちょっと詰め込み気味であり、巨大宇宙船での生活やキャラクター配置を「よくあるパターンだから分かるでしょ?」で流し過ぎている気はするものの、演出・作画とも まずまずで、先行きに興味を繋げる第一話だったのではないか。
 視聴継続。
結局見られなかったエンディングまで、アニメで見せて欲しい。
 って、ゲームは『2』に続いたんだっけ。
そこで完結した?まだゲーム続編も製作予定?アニメはドコまで見せるのか。



『ジンキ・エクステンド』01.「少女が見た戦場」

 原作未読。
 「説明抜きで、まず派手なバトルから始める」パターンではあるけど、事態の急激な展開に戸惑うヒロインの視点を通す事で分かり易くなっており、しかもきちんとセリフで「分からない事が沢山あると思うけど、それらは追々 説明していくので心配いらない」とまでフォローしてある。
こういうパターンの第一話として、教科書的な仕上がり。
 さすがベテラン、シリーズ構成・荒川 稔久の仕事はソツがない。

 作画が良いせいか、ヒロインの仕草やスカートを脱がされた後のリアクションに そこはかとない色気があり、見た目にも心地良い。
 ……言う意味は無いが、『ネギま!』に この作画陣とセンスが欲しかったな…

 整備員達、命がけの戦場にパイロットを送り出そうというのに、燃料入れ忘れるわ弾丸込め忘れるわ新装備の説明忘れるわ、「ミスに見せかけて殺したい」意図があるのでは?と疑いたくなるぐらい。
 この無能さにも、意味があるのかどうか。

 ドラマがこの先 面白くなるのか、は、まだまるで分からない。
しかし、丁寧に作られているようなので、次回以降も見続ける事に問題なく。
 この脚本・演出・作画のレベルを保ち、ガンガン盛り上がってくれる事を期待。



『魔法先生ネギま!』01.「Asinus in cathedra」

 原作の赤松 健先生は、非常に優れた「秀才」タイプなのだと思う。
閃きのままに、凄まじい作品を作ってしまう「天才」タイプではなく。

 多くの人の嗜好に合いそうな物語を、「ありふれた話」にせず「奇矯な話」と呆れられもしない程度にヒネってオリジナリティーを加え、とにかく考えつく限りの手練手管(そのバリエーションが実に多い)を駆使して、客に面白いと思ってもらったり、如何なる意味でも関心を持ってもらうためのフック(引っ掛かり)を無数に挙げた作品を作り上げる。
 様々に個性を持たせた女生徒31人のキャラ設定を最初に決め、声優を決定し、しかも全員のCDデビューまでプロジェクトに含めてしまう、という凄さで、今は亡き『かってに改造』に おいて「そこまでやられたら もう何も言いますまい」と言わしめる事も、俯瞰すればフックの一つだろう。

 だから、アニメ化にあたり、適当な考えで内容を変えてしまうと、その計算ずくで突き出されたフックのいくつかがダメになってしまう。
 「ぱんつ が見えない」というのも、ダメにされたフックの一つ。
可愛い女の子の えっちな姿が見られて、不快な男も居ない訳で。
 放送局の都合で表現に制約があり、どうしようもないというなら、ネギがクシャミをする事で女子のスカートを巻き上げてしまう、という設定その物から、熟考の後に改変する必要があったろう。
あるいは、『舞-HiME』で やってみせたように、「スカートの下は何もはいていない」というシチュエイションを、キャラのリアクションだけで実際に中を晒す(無理だけど)よりも えっちに見せてしまうだけの演出をするとか…しようと思って出来るモノでもないか。

 「都合で下着は見せられませんけどアニメ製作者のせいじゃありませんので、見えない部分はクマのプリントに換えますから各自勝手に妄想の補完で満足して下さい」というのでは、製作者に何の努力もなく、アニメにする価値が無い。
 ココだけの話ではなく、他にも作画含め多くの部分で そういう甘えの姿勢が見え…

 原作にプラスする何かを見せてくれる可能性が低そうなので、もう少し見続けるかも知れないけれど、感想は書かないと思う。



 ヨメが、元旦から駄犬連れで帰っていた実家から、戻る。
いや別に こちらの浮気がばれてケンカしてたとかそんな面白い事情の帰省じゃなく、長いこと帰ってなかったので この機会に、という事で。
 だから5日ぐらいぶりに駄犬に会った訳だけど、これっぱかしの期間で飼い主の顔を忘れていたらビックリだよなあ……などと思っていたら本当に忘れていたので驚いた。

 お前、いくらミニチュアダッキーで脳ミソが小さいからって、限度があるだろ!
何だその よく知らない人を見る目は!
 意外に精神的ダメージがデカい。 
ニュースで、自分に懐かない子供に手を上げてしまう親、ってのが報道され、そこまでしなくてもーと思っていたけど、ちょっとだけ気持ちが分かったような。
凹むもんだね 。・゚・(ノД`)・゚・。

 まあ、一時間ほど経つ内に、「あれ、よく見るとこの部屋 覚えがある」「このオヤジも どことなく…」「あっ、この加齢臭は知ってるぞ!」「よく怒る人だ、エサ食べる前に長いこと『待て』させるウザイ人だ」「クソオヤジだクソオヤジだ、舐めとけ舐めとけ(顔ベロベロベロ)」というように態度が軟化、二時間も経つと すっかりいつも通りになったけど。
 油断できないな このバカ犬は。
……人の顔を覚えられないのは、飼い主に似ているとも言えるか。


2005年1月5日 水曜日

『スターシップ・オペレーターズ』01.「カウント・ダウン」

 新造宇宙艦に乗った、新人候補生達のテスト飛行から物語は始まる。
キャラ配置など全然分からないけど、まあまあ、スタートとしては無難な所かな、と思って見ていたが…

 そこから怒濤の展開、母星への王国の宣戦布告、母星の降伏、正規乗組員達が下船してしまった艦を援助を得て買い取り、自分たちで運行して強大な(…んだろう)王国と戦う事に決め、スポンサーである宇宙放送局の取材を受けつつ宇宙砲台(?)を撃破する、と、ここまでで一話。
 詰め込みすぎ!
特に、学級会みたいな研修生同士のチョチョイとした話し合いだけで戦争行為に突入してしまう、主人公達の無思考さ加減には、ポカーン。

 要は、富野 由悠季お得意のパターンである「大きな船に多くの男女が乗り込み、戦いながらあっちへ行ったりこっちへ行ったり」ってのをやりたいのかと思うけど、それならもう少し時間を掛けて、自然な導入に出来なかったモノか。
あるいは逆に、まず面白いバトルと こなれたキャラクターのやり取りを見せておいて、次回以降その発端に戻るとか。
 これでも乗り込む戦艦に特別なステイタスがあれば…新鋭艦であり それ自体の保護も航海の目的になっているホワイトベースや、遺跡から掘り出したばかりで未知数の部分が多いソロシップであるなら、賭けてみる選択も納得できるんだけど。

 現実に置き換えると、乗っているのが高性能新鋭イージス艦であろうとも、実戦経験もない学生ばかりが、CNN(アルジャジーラ?)の資金提供を受け、二次大戦中でもない現在のアメリカ相手に一艦だけで戦おうと決心するには、余程の動機や勝機を提示しないと説得力が生まれない。
 『沈黙の艦隊』やまと的に、艦の性能よりも乗員の作戦立案・実行能力によって勝利を収めていく物語にしたいのかな。
でも…それなら誰かが他のキャラをグイグイ引っ張ってくれないと。
艦長を務める男の子に圧倒的なカリスマ性があるとか。

 期待される作戦行動…
砲台の攻撃が少しも恐ろしく見えず、命中してもさほどの被害が無い事で緊張感無く。
作戦アイディアは弱いし逆転のカタルシスもない。
 キャラにも輝く瞬間が無く、第一話としてのツカミは かなり失敗しているとしか。

 「戦艦の医療班は酒飲み、ってのが伝統じゃない?」というセリフには笑う。
『ヤマト』佐渡酒造か、『ハーロック』のドクター・ゼロをイメージ?
 やりようによっては まだまだ面白くできると思うから、視聴継続。
ただ…この調子で3話4話と進んでいくと、シンドくなるだろう。



 メール。

> Sent: Tuesday, January 04, 2005 8:01 PM
> Subject: 年末年始のお知らせ
>
> いつもお世話になります。
> 年末年始は休まず営業しております。以下でチェックお願い致します。
>
> ↓アドレス
> http://ohmy-g.c〜


 思わずリンクをクリックしてしまいそうになる、上手い具合に油断を突いた引っかけだと思うけど、送ってくるのが4日じゃ年末年始の営業がどうだの言う時期を過ぎてないか?
台無し。



 映画『ターミナル』を見る。
 スティーブン・スピルバーグ監督。
 主演は『プライベート・ライアン』でも監督と組んだトム・ハンクス。
共演、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ。
 クラコウジアという架空の小国から、ある目的を持ってニューヨークにやってきた主人公が、自国に起こった事件のため入国も出国も許されなくなり、大空港ターミナルでの生活を強いられる。

 小さな話。
スタッフもキャストも撮影方法も知らなければ、どこかの空港の協力下に撮られた、割と安上がりな映画だと思ったかも知れない。
 この内容で、空港を全部セットにして建ててしまう贅沢さは、凄いなあ。

 中盤ぐらいまで、とにかく楽しい。
突発的な事態のため、まるで考えもしなかった空港でのサバイバル生活をしなければならなくなった主人公。
 食事はどうする?ドコで寝る?一日何をしている?
無茶な状況に対する観客の疑問に、ああ そうか、とか、そんなアホな、という絵作りで応えてくれ、先行きに興味を湧かせられて。

 が…後半に入ると少々失速気味。
 何よりも、ゼタ=ジョーンズとの間に生まれる関係。
これが無駄に思える。
 言わば、大量の人間と物品に囲まれた上での、同じくトム・ハンクス主演映画『キャスト・アウェイ』なのだから、「ただ一人での無人島生活を描くばかりじゃ彩りに欠ける、美人も一緒に出しちゃえ」というような事をすると、話の根幹が揺らいでしまう。
 「友情」はまだしも、「愛(まで行ってない?)」は必要なかったな。
しかも、時間をかけた割には、彼女との関係によって特に何も生み出さない訳で…
彩りなら、ビザ申請窓口の女性だけでも。
 いや、ゼタ=ジョーンズは美人だし好きなんだけど。

 主人公がNYにやってきた目的というのも、うーーーん、というモノ。
 そりゃあ「かつての親友に復讐に来た」なんて映画全体を壊す目的には出来まいが。
もう少し腑に落ちる設定にしても良かったのでは。
 気になる部分が散見され始めると、見ないフリしておこうかなあ…と思っていた「英語」の問題も気になってしまう。
まるで英語が出来なかった主人公なのに、必要に応じて短期間でマスターしてしまうのは、余りに不自然。
こう しなければならない映画の都合は分かるんだけど。

 ただ、ゴチャゴチャ要らない事さえ考えなければ、クライマックスなど上手い具合に作っている、とは思う。
涙腺の弱い人なら、それなりに「来る」のでは。
 個人的には、映画のテーマが結実して盛り上がった、というより、ベテランらしくテクニックを駆使して盛り上げた気がしてしまったが……

 脇役、特に、嫌な奴で主人公の前では調子を狂わされっぱなしだけれど実は有能な空港責任者が、実にイイ味。
最後に見せる表情など、何とも言えない。
 難しい事を考えず、気楽に見られる大人のファンタジー。
 巨大セットと大量エキストラの凄みを堪能したいなら劇場だが、正直、レンタルまで待って家で見ても問題ない内容だとは思う。
 スピルバーグ作品でも、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』が楽しめた人向け。


2005年1月4日 火曜日

 映画『ULTRAMAN』を見る。
 監督は、『ウルトラ』に関わる事の多い小中 和哉。
脚本は、現在放送中の『ネクサス』も手掛ける長谷川圭一。
 コンセプトとして、『ウルトラマン』第一話「ウルトラ作戦第一号」をベースに、舞台を現代にし、ウルトラ警備隊などの空想的要素を極力排して、現実的な視点から新たなウルトラマン像を作り上げようというもの。

 うーーーん、悪くはない。
必ずやらなければならない事は全て消化していると思うし、キャラクターもそれなりに描けている。
主人公を自衛隊の戦闘機乗りに変更したのも、元が科特隊である事を思えば、実に納得がいく。
『ウルトラQ』に引っ掛けたネタは、(楽屋オチ気味ながら)懐かしい。
 アクションでは特にクライマックス、怪獣対ウルトラマンによる空戦のスピード感・迫力が素晴らしいの一言で、これだけで劇場まで足を運んだ価値があると思えるぐらい。
板野一郎の手柄?

 が…見終わって何かもう一つ満足が いかず。
 何だろうなあ。
怪獣ザ・ワンと、ウルトラマンの間に どういう関係があったのか、が描かれない事?
それはそのまま、主人公とザ・ワン(それに浸食された人間)の関係の薄さにも結びついてしまう。
 主人公の最大の心配事である子供の病気と、戦いの決着が余り関係ないのも、ドラマとしては弱い。
 ザ・ワンが地球上から生命エネルギーを吸い取って子供を衰弱させているとか何とか、ストレートに主人公の気持ちが「怪獣排撃」に向かう仕掛けにしても良かったのでは。
 オリジナルの『ウルトラマン』でも、ベムラーを倒す理由は「それがウルトラマンの使命らしいから」という事だったが、何しろ主人公が科特隊隊員なので(彼自身の意志はなかったにせよ)怪獣を倒す行動ベクトルには問題がなかった。
しかし今作の主人公は自衛官を辞めており、「子供のために生きたい」という目的からすると、怪獣と戦うのはストレートに繋がらない。
…人類の危機であり、放置すれば必ず子供にも危害が及ぶ事にはなろうが。

 リアル気味にドラマを描こうとしていたのであろう割には、『ガメラ』等と比べると、社会的な動きのシミュレートが足りないような。
 自衛隊の動きも、無用に強引すぎたり間が抜けすぎていたりして、リアル…というよりは「やっぱりウルトラマン世界の話だな」と感じさせられてしまう。

 主人公が戦闘機パイロットという格好良い職業で、子供から無条件に尊敬される立派な人なのも、どうだろう。
「リアル」はともかく、「身近」で考えると、どうせ長期シリーズにはならないのだろうから、普通のサラリーマンを主人公に据える選択もあり得たのでは。
 それなら、より、選ばれた不合理さが際立ち、変身する前後でのギャップが生き、勇気を振り絞って戦う感動も深くなった…かも。
 ただ、ギャップが大きすぎて戦いに持っていくまでに時間を食ってしまいそうな事と、サラリーマンが変身では『スーパーマン』っぽいとか、『ゼアス』で格好悪い系のウルトラマンは既に描いているとか、それはそれで問題が多々。

 んー、難しいな。
映画が「それなりに組み上がっている内容」なので、チョイとココをいじっただけで良くなる、というような簡単な話にはならず。
 悪くは、ない。
ただ、興奮して他の人達に、早く見に行け!と勧めたくなるような内容でもなく。
 同監督の『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』では、ジュブナイル視点で、リアル世界に現れたウルトラマンを上手く捉えられていたと思うんだけど。

 内容とは余り関係なく。
 隕石と衝突した主人公が、死の淵で(?)イメージのウルトラマンと出逢う所。
「凄いや、ウルトラマンは本当にいたんだ」などと勝手なナレーションを入れてしまった(笑)。
 そこで ふと。
いずれこの命を終え、どうも無いみたいだけど仮に「死後の世界」なんてものがあったとして そこに到った時。
「人間を超越した大きな存在(神、には限らず)」と向き合う機会を得られ、相手には元々姿が無く、こちら側で姿を規定すれば そのように見える、としたなら。
 「彼」を、キリストや仏像に見るほど信心が無く、人に見るほど尊敬する対象もなく、仮面ライダーやガンダムでは超越存在とは認識できないから。
 「彼」は、自分にはきっと、「ウルトラマン」に見えるんだろうなあ。
いや、貧しい死生観とか言わないように。本人は割と真面目なんだから。


2005年1月3日 月曜日

 録画してあった映画『ウェディング・シンガー』を見る。
 監督は『80デイズ』『ウォーターボーイ』(どちらも未見)のフランク・コラチ。
 アダム・サンドラーとドリュー・バリモア主演、「結婚」をストーリーの中心に置いたラブコメディー。

 ストーリーとしては食い足りない所が多々。
特に、肝心要であろうクライマックスが余りにも勢いに任せた御都合主義的なモノで、それはハッピーエンドが好きな自分としてさえ、ポカーンとしてしまう程。
あと少しぐらいは理性的な決着であってくれても、良かったと思うんだけど…
 でも、とにかく可愛い、罪のない映画で、主演二人(特にドリュー・バリモア!)のキュートな表情や演技を見ていると、大抵の事は許せる気分になってくるから不思議。
 80年代に大ヒットした、懐かしい楽曲が多く映画中で使われているのも、気持ち良く見られた要因。
カルチャー・クラブ…懐かしすぎ。
聞かされる式場の客、そんな嫌な顔しなくても。まあ、何度も聞かされちゃナニだけどね。

 悪役が もうちょっと憎々しげだと良かったかな。
 あの程度、女性に対して無理解な事を口にしたり、適当に女遊びをしていたり、というのは、確かにラブコメでは最低の行動になるのだろうけど、現実にある野郎の行動としては さほど珍しいモノでなく。
女性に暴力も振るわない訳で、これでも結婚して、数年、数十年の熟成期間を経れば、割に良い夫婦になれる可能性があったのではないかと。
 …そういう現実的思考は、ラブコメでは あんまり歓迎されないか。
 いや、飛行機で男が窓側の席を占めて女性と替わらない事ぐらいで人格の善し悪しを決められちゃかなわないよな、と。
自分もヨメと席を替わらない事あるからなあ……反省。

 恋とか結婚ってイイものかもね、と感じさせてくれる「お伽噺」。
理屈抜きに楽しい気分になりたい時は、お勧め。


2005年1月2日 日曜日

 初夢…かなあ?を見る。
他人の夢の話を聞くほど面白くない事はない、と言うけども、まあまあ新年だし、イイでしょう。

 お寺。
自分はそこで少年修行僧になっている。
 ったって正確な知識がある訳も無く、イメージは『一休さん』と『ファンシイダンス』が実にいい加減にミックスされた世界。
 8人ほどいる修行僧に、和尚様が課題を出された。
8つの玉を広い境内のアチコチに投げつけるから、時間内に探してきなさい、というもの。
 他の修行僧は すぐに探し当てたらしいが、自分だけはどうしても見つけられない。
仕方ないので、何故か、墓に供えてあった饅頭を一個、和尚様の所へ持って帰る。

 和尚様「皆、良く探してきたね。しかし一休 飛っ休(ひっきゅう)、お前だけは どうして玉でなく、饅頭など持ち帰ってきたのだ?」
 和尚様、課題を誤魔化したと お怒りの様子。

 さて、ここで頓智の飛っ休さんとしては、巧い事 言って「ほっほっほ、こりゃまた飛っ休に してやられたわい」などと和尚様に言わせ、課題完了に持って行きたい所。
 しかし その頓智がカケラも湧いてこないから不思議だ。
 いやそりゃそうで、キャラクター設定として飛っ休は「頭の回転が速いトンチ者」なのかもしれないけど、実際中に入っているのは回転が鈍い自分なんだから、シナリオも無いのに そうそう上手い言い訳が浮かんでくる訳が無い。

 和尚様、お苛立ちの様子。
 あああ何か言わなければナニか何かえーとえーーーとえーーーーーーと ああああああああああああ……
 …ここで、アホみたいに汗をかいて目が覚めた。
 どうでしょうか今年は良い年になりそうでしょうか割と無理っぽいですかそうですか。


 目が覚めてからも言い訳を考えてみたけど、あんまり上手いのは思いつかないなあ。
 せいぜい、
「どうしても課題の玉が見つかりませんので、お詫びに、和尚様が『毒入りだから決して食べてはならない』ときつく仰っていたお供えの饅頭を食べまして死んでしまいたいと思います。もぐもぐもぐ、うーん、今度は毒入りのお茶が一杯怖い」
というような、パクリのネタをミックスしたモノぐらい。
 これ、和尚様に言ったらきっと、側頭部に有り難い飛び膝蹴りとかカマしてくれた事だろう。



『ToHeart〜Remembermy memories』最終話.「それぞれの未来へ」

 完成度の高いゲームがあり、一度はアニメ化もされている作品を、時間をおいて再度アニメにするのだから、何か余程 強烈に「描きたい事」があったり、メッセージが込められているのかと思ったが…
見終わってみると、そういうモノの印象は弱い。

 一度去っていったマルチの帰還と、彼女の存在が起こす、特に あかりとの間の葛藤、をメインに描いてきた今シリーズ。
 が、あかりがマルチを認めるに到る心情は余り納得できるものではなく、結局は「マルチちゃん可哀想」という見下ろす視点で終わってしまったような。
 マルチを追い求める間に ちゃっかりと主人公との隙間を詰め、自分の必要性を(長く眠ってしまうマルチよりも遙かに高いものとして)再認識させ、いつ恋敵が目覚めようとも既にそのウエイトを自分より軽い「大切な友達」に留める算段が終わっているので安心、という、あかりの恐るべき計算高さは「女」としてリアルには思えたが。
 驚くぐらい繊細なバランスで描かれ、魅力をアピールしていた原作の あかりイメージを壊してまで、何を訴えたかったのかは不明なまま。

 主人公が成長して研究者となって、過去 彼にとって大事だった機械的存在を目覚めさせる、というのは『ドラえもん』都市伝説の最終回であり、それを元にした映画『ジュブナイル』でも もう見てしまったパターン。
 処理プログラムを変えようとも それでこの後 幸せになれるとは限らず、いっそ目覚めさせない方が、マルチ自身にとり、そして見ている者にとっても「幸せ」だったんじゃないかと思ってしまう。

 懐かしいキャラクター達がイメージと違わない行動様式で出てきた、という事だけでも確かに嬉しかったし、胸に迫るシーンも途中には あり、ゲームのファンとしては見て損だったとは思わない。
 作画の崩れがアチコチ目立ったのは、浸っていた思い出から引き戻されるようで嬉しくなかったけど。


2005年1月1日 土曜日

 年明け早々から、映画『エイリアン vs プレデター』を見に行く。
 監督・脚本は、『イベント・ホライゾン』『バイオハザード』のポール・W・S・アンダーソン

 vs映画は基本的に「お祭り」であれば良く、中身は期待していなかったが…
中盤くらいまでは、本当に中身がない。
 登場する人間達は、主役のお姉ちゃんと、お懐かしや「ビショップ」ランス・ヘンリクセン以外は、ほとんど見分けさえ付かない内に実にアッサリと死んでしまう。
 無理してまで急いで遺跡探検に行く主目的も、「社長、最後のワガママ」ってんじゃあ弱いような。そりゃ、ランス・ヘンリクセンの言う事なら聞いて上げたい気はするけど。
 誰だか分からないキャラクター達が、どうでもいい目的のためにエイリアンに殺されたって、「ふーん」以上の感想にはならず。

 でも、プレデターが登場し、余裕たっぷりかと思えば、遺跡奥の銃を人間に取られ「オイオイ、勝手な事するなよ!」という様子で全力疾走を始める辺りから、映画は「お祭り」として面白くなり始める。
 新人プレデターを圧倒するエイリアンの勇姿、そのエイリアンを幾多の武器で倒していく勇者プレデターの格好良さ。
これまでの映画で その切れ味をよく知っている回転手裏剣が、エイリアンの体をスパスパッと切り刻む所など、実に気持ちがいい( ^_^ )。

 人間キャラが発揮する映画設定への驚くほど鋭い洞察力とか(両敵とも言葉を喋らないので、人間が勝手に理解するしかないのだが)、プレデターに対する選択の根拠とか、プレデターに負けない体力と戦闘力を見せつけるヒロインとか、無理あり過ぎな部分も多々あるが、まあ「お祭り」だからね。
「笑って許す」姿勢で。実際、爆笑してしまうようなシーンも多い。

 せっかくの両巨頭の激突!もっと色々遊べたんじゃないかとは思うけど…
怪獣映画のようなクライマックスは盛り上がったし、まずまず、良いんじゃなかろうか。




 2005年、あけましておめでとうございます!

 昨年中は色々とお世話になりました。
 今年もさぞや お世話になり、ご迷惑もかける事と思いますが、まあまあまあ、そんな嫌な顔しないで楽しくやりましょうよ。

 また一年、沢山のアニメや特撮や映画や漫画、小説やテレビ番組を見て、笑ったり泣いたり、怒ったり呆れたり突っ込んだりする事と思います。
生きて、作品を楽しめる、それだけでも十分に幸せ。
欲を言えば…良い作品の多からん事を。

 その感想を、ここでまたもボチボチ書いていきたいと。
 宜しければ、皆様が飽きるまで、お付き合いを お願い致します。


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