2005年6月30日 木曜日 |
レンタルで映画『スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー』を見る。
監督は新人のケリー・コンラン。
主演、ジュード・ロウ。グウィネス・パルトロウ。アンジェリーナ・ジョリー。
うぅ〜ん、漫画だ。漫画漫画。
それもオッサンオバサンにより「漫画みたいな話だねえ」といった言葉で表現される内容、そのまんま。
アメリカだから、「パルプSF」とでも言うべきか。
荒唐無稽、無茶苦茶、考えたら負け。
スカイキャプテンの存在から、あんなに沢山のロボット群団を作った意味、街の地下に発電所?
飛べるのに そこまで無駄な行進をするロボット達、余るぐらいロボットを作ったのにロケットは一台しか作らなかったらしく替わりに乗せるモノを小さくしようという計画、ロケット内の無益な空間…
どれも、ムチャ。
でもどれも、「古き良き時代のSFヒーロー物は、これで良いのだ!」で納得させられる。
キャプテン乗機だけの特殊装備と思われた潜水機能が、後半に到ると何気なく米空軍の全機に渡り搭載されている暴走ぶりとか、ワザとなんだろうな。
この映画一番の難点は、「ヒロインに魅力がない事」。
「古き良き時代のSFヒーロー物に出てくるヒロインは、これで良いのだ!」という考え方なんだろうけど、今時ここまで馬鹿で役立たずで足を引っ張るばかりのヒロインじゃ、とても感情移入の対象にはならない。
アホで通すなら、ロボット群団に掠われてキャーキャー悲鳴を上げ続けるだけの役にしてやれば良いのに、内面は古いまま、「男性と肩を並べて頑張るヒロイン」として扱ってしまったため、イライラさせられるばかり。
いや、強烈に役立つ事もあったし、徹底した馬鹿女ぶりは時に楽しくも感じられたのだが。
魅力は、無いなあ。
そういうヒロインと ずっと共にあり、ピシッと格好良さを見せられない事で、スカイキャプテンの価値まで減じてしまっている。
アンジェリーナ・ジョリーと、あるいは部下である男とペアで事件に当たっていれば、もっとヒーロー然とさせられたと思う。
いや、「女性に振り回される情けないヒーロー」ってのが現代的では、あるのか。
ほとんど全てのカットに何らかの手を加えてあり、レトロなデザイン・色調で統一された世界が美しい。
CGを使えば何でも描き出せる。
そこに「リベットをビシビシ打ち込んだダセえロボット」「羽で羽ばたく飛行メカ」「のっぺりロケット」なんてぇ
ど古いデザインをわざわざ持ち込み、映像化して見せた、確固たる美意識が勝利の鍵。
キャプテンが使う光線銃なんて、余りのコトに笑ってしまう程。
空中基地も格好良かったなあ。ここでスペクトラム基地を見られるとは思わなかった。
これらが醸し出す雰囲気は非常に心地良く、趣味に合い、見たかったシーン、想像しなかったビジュアルをいくつも現実にしてくれた事で、高く評価できる。
この映像を堪能するためだけに、劇場へ行くべきだったか、と思う映画。
基本的にはパルプSFで構わないんだけど、画面効果以外にも「今、こういう映画を作る意味」をもっとよく考えて製作に当たれば、評価をずっと上げられた作品だと思う。
惜しいなあ。
まだ監督の第一作目なので、次回作に期待。
『魔法先生ネギま!』最終話.「]]Y時間目」
ダメダメな所と、頑張ったかな、と思える所がある終わり方。
ダメなのは、とにかく展開が唐突で、無理がありまくりな所。
イキナリの明日菜の死、悪魔と契約していたという面食らってしまう真相、何でもアリの世界観とはいえさすがに…のタイムマシン、三下悪魔と差し違えるネギ父の情けなさ、拍子抜けするぐらい楽に倒せるラスボス、思いの外
簡単に帰れる現代、「クラスメートに助けを求めてさえいれば、契約解除の方法は(未来の?テクノロジーで)存在しました」という「何じゃそりゃあ?」な終わり方……
魔力を遠ざけてもらう契約をしたはずで、ネギ父は それ故に やられてしまったのに、側で平気で魔法を使うネギに、??
シリーズ中でも、魔法なんか近くで何度も使ってたような。というか、明日菜はネギと魔法パートナーの仮契約をしてたはずだし。
原作に無い設定を作るなら、矛盾を生じないように…
「魔族の王との間で、自分の側に10年間は眷属を近付けない約束をしていた」で良かったのでは?
もう少し考えて、工夫をすれば、もっと無理を(無くせはしなくとも)減らす事ぐらい出来たと思う。
キャラクターが、ややもすると「苦難に面して意外な表情を見せる」というより、「このキャラがこんな事するかなあ?」と感じてしまう反応を示すのも、難点。
頑張ったと思えるのは、とにかく盛り上げようと してくれた努力の方面。
「原作のファンに対して」より、「アニメで初めてこの作品を知った人へのサービス」。
ネギ父との対面、明日菜のため命も賭けるクラスメート、のどかと夕映の葛藤の末に訪れる和解、ネギとの連続契約と大盤振る舞いの特殊攻撃によるバトル…クライマックスらしい内容であり、構成や演出がもっと良ければ、更に感動的なイベントに出来たろう。
過去で、明日菜が契約した悪魔を全員の力で倒し終わったのに、現代に帰り、また全員の力で残された契約を無効にする…というのは無用な繰り返しのような。
悪魔が倒れて この辺はお仕舞い、で問題ないはず。
エピローグは、文化祭本番や普段通りの日常で良かったと思うし、時間があるのなら、魔法バトルの時間配分を増やしてくれた方が嬉しい。
シリーズ全体として。
開幕からしばらくの作画レベルの低さは、見続ける気力を失わせるに十分だったろう。
後半に入り、マトモな絵を見せてくれた事もあるが、安定せず。
構成や演出どれを取っても、ほとんど全編、原作イメージに及ばない内容しか見せてくれなかった事で、「アニメとして存在する価値」には、残念ながら疑問符が付く。
人気のある原作のアニメ化なのだから、もしも第二期があるのなら、もっと体制を整えてから臨んで欲しい。
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2005年6月29日 水曜日 |
『かみちゅ!』01.「青春のいじわる」
監督・舛成 孝二、脚本・倉田 英之の『R.O.D』スタッフによる新作。
驚く作画クオリティーの高さ。
へなへなヒロイン・ゆりえの、へなへなした動きを実感的に描き出す手腕には、感心。
食事の仕草、屋上階段から落ちそうになる危うさ、疲れて自宅でグッタリと横たわる
しどけなさ。
体を浮き上がらせる程の風の強さと、プールに落ちた際の水表現の巧さなど、エフェクトも見事。
「あたし神様になっちゃった」という ゆりえの素っ頓狂な告白に、動じた風もなく「何の?」と聞き返し、お弁当の上にパセリ?クレソン?を「お供え」する事で、女子中学生の日常に視点を引き戻す光恵のリアクションが素晴らしい。
ゆりえを神様だと認める…というか、「神様にしちゃえ」方向にグイグイ後押ししていく祀と、現実的な光恵で、これからのバランスを取っていくのだろう。
……イベントとしては面白かったんだけど、第一話から台風を起こす程のパワーを発揮してしまう所と、今回ラストで既に町中に
ゆりえが「神様」だという事が周知されている所は、日常を描こうとするなら早過ぎ、行き過ぎな気も、する。
これで良かったかどうかは、ここからの物語構成がどうなっているかに寄る。
キャラクター配置の巧さ、瀬戸内海に面した麗らかな田舎町という舞台設定の良さ、「神様」の力による台風に引き摺られるようにして姿を現す妖精?精霊?神様?達、という事で無茶なモノを強引に見せきってしまう腕力。
どれも、非常に高いレベル。
どうして ゆりえは自分が「神様」になったと思ったのか、その力を引き出すパスワードが「かみちゅ」だと祀が的確にアドバイスできたのは何故か(たまたま、ゆりえの感性に合う言葉だっただけ?)、などなど、故意に飛ばされている部分がある。
設定は出来ていて、いずれ説明してくれるんだろう…と信じるけど……
ただ…このスタッフ、前半は圧倒される程 面白かったテレビシリーズ『R.O.D』を、後半に到り見るも無惨に崩壊させてしまった「前科」があるので、不安。
短期集中、1クールぐらいで終わらせる方が良いのかも。
最後まで面白い、傑作になってくれる事を期待。
『創聖のアクエリオン』13.「一万二千年のラブレター」
不動の、「友を思わぬ者はディーバには要らん!即刻立ち去れ!」というセリフが熱い。
ただ一人の友達を救おうと必死な余り基地を危険に晒してしまうアポロに対し、他の者達のように普通に非難はするまいと思っていたが、意外な程まっとうな、熱血ロボット物っぽい言葉が飛び出してきたのに驚く。
こういうのは、イイねえ。
刺し貫かれたアクエリオンの腕を自ら引きちぎり、生身で捕縛されればその一端を食い千切っても自由を得る、野生の力強さを見せつけるアポロが、楽しい。
友の命を復活させてやるから、堕天翅?アリシア兄妹を生け贄に捧げよと誘惑する敵。
それを、彼らは仲間だ、と跳ね除けるアポロ。
この辺も胸に しっくり来る、キャラの魅力を引き出す展開で、気持ち良い。
ダメダメだった麗花も、皆の力を結集して敵を倒す事に成功。
いやあ、面白くなってきたなあ このアニメ。
『交響詩篇 エウレカセブン』11.「イントゥー・ザ・ネイチャー」
雲が集まって『ラピュタ』のようになっている現象・コーラリアンとは、何なのか。
ゲッコー号乗員それぞれのイメージを語って聞かせるなどして、恐らくは きちんと「説明する」のと同じぐらいの時間をかけ、「説明しない」で済ませる事に情熱を傾け、今回は終わった。
…どれほど意外でショッキングな真相が隠されているのか知らないけど、設定は
すっと説明して、あとはアクションを楽しんで下さい、という構成でも良かったんじゃなかろうか。
どうもこのアニメは、こうやって説明を後回し後回しにする事が多いなあ。
これまでだと、こういう見せ方によって作品への集中力を一気に落とされていたが、今回は、強力なライバル少女・アネモネとの戦いが見せ場として機能していたので、問題なく見続ける事が出来た。
やっぱり強敵の存在は、エンターテイメントの基本。
顔をベチャベチャにしてジャムだけを食べ続けるアネモネの姿が、鮮烈。
鼻血とか、妙にエロさを感じさせるイメージを狙っているんだろう。
高慢な所、まるでやる気を見せない所、薬物投与によってイキナリ人格が変わってしまう所など、見せ方も(強化人間っぽいが)面白い。
いっそ、彼女をゲッコー号に乗せエウレカの位置に据えて作品をスタートさせた方が、ウダウダした物語を強力に引っ張ってくれ、良かったのでは。
行動力に欠けているレントンとは、強引な性格のアネモネを絡ませた方が、互いに動かし易くなるだろうし。
いずれは、彼女もレントンに興味を持ち始め(自分の乗機も、彼を乗せる事でパワーアップするとか)、エウレカと張り合って「萌え」展開を迎えそうな予感。
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2005年6月28日 火曜日 |
『雪の女王 The Snow Queen』06.「えんどう豆と少女」
偶然に助けられてばかりで、ゲルダの旅の描き方としてはやっぱり「ぬるい」と思うんだけど…
今回は、上の娘を失い、下の娘の命も長くない、という事を知りつつ、自分の身を削って働き、高価な、しかし効き目は医者にも疑問視されている薬を与え続ける母親が、ひたすら切ない。
娘は、それと知らず ただ愛情を受けているのかと思えば…
死期が近いのも、そのために母親が無理をして働いている事も、知っていた。
自分の死が母親を解放し、幸せにするのだと考え、天国に行く事を もう恐れすらしない娘。
自分という重荷を降ろした後、植えた(茹でており、芽を出すはずのない)えんどう豆の種が育つ事で、更に母親の暮らしが楽になるだろうと、嬉しそうに語る娘。
いや もう、泣けて泣けて。
光と影の対比、余りにも厳しい真実に衝撃を受けるゲルダの心情表現。
どうにもならない現実を乗り越えさせるのは、誰かを思う人間の真心だけが呼び起こす事の出来る「奇蹟」。
「クサイ」とも言える内容を演出パワーで押し切ってしまう、出崎作品の魅力全開な内容で、実に見応えがあった。
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』36.「アスラン脱走」
説得力あるなあ、議長の話は。
声かな、声が良いからかな。
あの声を選挙カーで流して「○○党に一票を」と訴えられたら、つい入れてしまいそう。
説得力と裏腹に、いくらかの胡散臭さも感じさせてしまう声だから、使い方は
難しいか(笑)。
アスラン拘束に動くデュランダル。
唐突ではあるけど、考えてみれば、現ザフトには居場所のない彼を優遇して大きな職権を与え、自由行動を許し、モビルスーツまで供与した(しかも壊された)のに、アスランはまだ
まるで自分に恭順の姿勢を示さず、反抗の意志をありありと見せている訳で、さすがに我慢の限界を超えても仕方ないか。
そうなれば、強い戦闘能力を備えているアスランのこと。
アークエンジェルは破壊したから帰る可能性はない(と議長は思っている)にしても、親の威光を借りて独自の反抗勢力を立ち上げる、あるいは
お馬鹿さんだから説得されて連合のパイロットとして使われる可能性もゼロではなく、厄介。
ザフト・ラクスが偽物だと知っているのも、拙い。
これをマスコミにでもブチまけられたら、議長の信用は大きく失墜する。
とりあえず、危険因子は終戦まで拘束しておくのが無難。
議長の言説に大きな説得力を付加できているのが、この作品の「理性」だろうか。
他のキャラは、言ってる事とやってる事が大きく乖離していたり、余りにも
お馬鹿さんだったりで、どんな理屈を唱えようと聞いていられなかったから。
そういう正しい彼を、どうやって「倒すべき対象」にまで持って行くかが、構成の腕の見せ所。
今のところは、議長は相手に「自分が望む役割を果たす事」だけを求めている、という部分。
ここを拡大して、議長命令に疑問を覚えたミネルバの切り捨て、シンと議長の狗であるレイの対決、という展開に持って行く事かなあ。
議長は最終的に、世界に厳しい階級制を施行して、「ナチュラルはコーディネーターの下」「職業の自由な変更は認められない」「議長に批判的なマスコミに対しての弾圧」「デモ隊への攻撃」など、次第に極端な独裁政治を行っていく、とか。
それも全て、世界の秩序を守るのが目的であり、そのためのやむを得ない犠牲である、と。
そうなった時 初めて、自由勢力であるアークエンジェルに価値が出てくるのだろう。
オーブに帰り、体制を変えて そこを民主政治最後の砦にするとか(『銀英伝』)。
脱出しようとするアスランに対し、嘘があっても利用価値で見られていても今の自分の方が幸せだと、ザフトに残るラクス・ミーアが象徴的。
しかしアスラン、だからといってメイリンを連れて逃げる必要はないんじゃないか?
レイの銃撃にあったので とっさに…なんだろうけど、人質として利用しただけだと強く言えば、レイも悪くは扱うまいに。
まあこれで、姉妹の対立が描けるようになった訳だから、ドラマの幅は広げられたのだろうが。
次回の、グフとガンダム二機の戦いに期待したい。
アスランがエースパイロットの貫禄を見せて、機体性能の差をモノともせず、『第08MS小隊』グフ戦のように相手を翻弄する所が、見たいねえ。
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2005年6月27日 月曜日 |
『ウルトラマンネクサス』最終話.
明かされる敵の正体、遂に変身する孤門、決死の戦いを繰り広げるネクサス、人間としての「力」で記憶の封印を打ち破りウルトラマンに声援を送る人々…
怒濤の展開に圧倒され感動させられ、満足をもってシリーズを見終える事が出来た……はずだったのだろう。
実際は、余りにも壮絶なダイジェストぶりにドラマを楽しむ余裕など無く。
状況の説明も、キャラクター感情の描き方も足りていないため、意外であり熱いはずの展開が、視聴者の理解を無視して勝手に突っ走っているようにさえ見えてしまう。
時間をかけて見せる事を前提にしたストーリー。
構成の変更が間に合っていたなら、もっとイベントを思い切って削除し、「最強の敵と、孤門ウルトラマンが死闘を繰り広げる」所にのみドラマを絞り込む事も出来たろうか。
ただ…
発進用エレベーターに乗り込んだ隊長が、周りの、様々な事情によって乗る人が居なくなったエレベーターを見渡し、何とも言えない表情を見せる所が
とても良くて。
ここに限らず、恐らくは作り手にも深く思い入れのあったシーン、本来もっとずっと良くなるはずだったシーンを、カットするに忍びなかった……という気持ちは、分かる。
「今までとは まるで違うウルトラマン」を創造しようとし、苦闘し、迷い、上手く行ってない所も大量に生み出しながら、ようやくドラマが結実するクライマックスを迎えようとした所で、打ち切り。
この最終展開をこそ、じっくりと見せたい・見て欲しかったのだろうに。
惜しい。
でも作品としては、出来た物が全て。
ここから得られた反省点を踏まえ、また新しい「ウルトラマン」を作り出してくれる日を待ちたい。
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2005年6月25日 土曜日 |
悲惨な締め切りが進行中。
月曜まで更新できません。すいません。
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2005年6月24日 金曜日 |
『フタコイ オルタナティブ』12.「光ある場所へ」
ああ、本当に量産型イカファイヤー出しちゃった(笑)。
量産型やら再生怪人は弱い、のセオリー通り、一匹で街を炎に包んだ最初の奴とは大違い、小娘にさえ束になって負けてしまう弱さ。
物足りないなあ。
沙羅が自分たちの元を去っていった「現実」に打ちのめされていた恋太郎。
この辺は、単なる「タメ」。
鬱々とした光明の見えないドラマを、「量産型イカファイヤー」「イカと人間を融合させる邪悪な計画」なんていう馬鹿展開で吹き飛ばし、開放のカタルシスを感じさせ、一気に笑いに変えてしまおうとする構成。
ただ……
それにしては鬱展開が長く、シンドかったため、真面目に そこに付き合った視聴者からは「馬鹿だなー(爆笑)」より「なめてんのか(怒)」という反応を起こされそう。
見せ物小屋で「大イタチ」を見せる、って時、中身は大きな板に血が付いているだけ、ってのでも構わないが、その際
客が笑って帰ってくれる入場料は100円ぐらいまで。
その内容で入場料2000円とか取るなら、小屋の主人は怒った客に頭をポカリと
やられる覚悟をしてもらわないと。
このアニメの鬱展開は、「この程度のネタにしては入場料取りすぎ」に相当すると思う(ここで言う入場料とは、「消費される時間」とか「展開から当然生じる先行きへの期待」というもので、金銭の事ではありません)。
裏の裏まで言うと、実のところ この作品は、ダサイ、クサい、今時 流行らない青春モノ、失われた「自分」を探し求める若い衆のドラマをこそ、語っていきたいものかと。
さすがに真正面から そこには挑めない「照れ」が、こういうふざけたシリーズ構成にさせた、とも思える。
その ふざけ方の度が過ぎていて…
「何も持たないダラけた男が、お金持ちで何でも持っているイイ男から、好きな女の子を取り戻せるのか、また取り戻す事は彼女のためになるのか、自分はそんなに価値のある人間なのか」
という厳しい「現実」の認識に、「結婚は悪いイカ集団が企んだモノだったので、メチャメチャにしてやって彼女を無事奪回しました」という「都合の良すぎる嘘話」で挑み、勝手な勝利を収めさせられては、とても感情移入など出来ない。
この世界の創造主である神(スタッフ)の、横暴が過ぎる。
それはつまり、「逃げた」って事。
いや、もしかしてスタッフに まだ考えがあるのかも知れないし、最終回を見てから、また。
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2005年6月22日 水曜日 |
『創聖のアクエリオン』12.「琥珀の時」
野生児アポロと、エリートでありブラコンのシルヴィア。
落差のある二人が次第に距離を詰めていく様子は、学園ラブコメ並みに基本に忠実。
そういえばディーバはまるっきり「学校」として描かれているし、その中でのアポロの扱いは「型破りな転校生」。
機械的ロックを外してしまうシルヴィアの能力。
イオン臭から赤外線の軌跡を読み取る、恐るべきアポロの能力。
目的のため、互いに相手の能力を認め合っていく見せ方が、楽しい。
ああ、そういえば前世の因縁がどうこうって設定があったんだっけ。
それは、かなりブッ飛んだ要素だと思うんだけど…
毎回出る不動の分かったような分からんようなアドバイス、合体時に口走るエロ台詞、アクエリオンのデタラメな必殺技、等々、普段から弾けた内容になっているため、「前世」なんて
あっても無くても良いぐらいの構成要因に感じられてしまう。
「今、アクエリオンを操縦しているのは、アポロだけの実力なのか、前世アポロニアスの力が混じった(完全に乗っ取られた)状態なのか」という事に、最初はこだわって見ていたけど、すぐに
どーでも良いように思えて。
……考えてみれば、大変なアニメだなあ(笑)。
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2005年6月21日 火曜日 |
『雪の女王 The Snow Queen』05.「はじめての道」
ゲルダは、旅に出て早速、持ち金を全て失ってしまう。
街で暮らしている時の生活の厳しさからすると、「その夜 凍死」ぐらいが相応の運命かと思ってしまうが、予想を遙かに超える
ぬるい展開。
そりゃまあ、最初から旅の厳しさばかりを強調しては、特に「今」の視聴者は付いてこないかも知れないが……
親切な宿の人に泊めてもらい、随分と多く(元々持って出たより多い?)給金まで貰えました、というのでは世界観が甘くなりすぎないか?
次第に厳しさを増していく旅、なのだろうから、最初はこんなモンで、という事?
怪しげな商人のオッサンが改心する下りも、余りに唐突……
こんな小娘の言う事に素直に従ってしまう理由は、「自分の娘の名前もゲルダ」という弱いモノ以外に無いのでは?(実は気の良い小悪党だったから、でもあろうか)
商人キャラクターの掘り下げが浅いため、これなら、「ゲルダの機転で商人を隠し小部屋に閉じこめてしまう」「宿の夫婦を起こして
みんなで商人をとっちめる」という展開でも(最後に逃がしてさえやれば)、大して印象は変わらなかったように思える。
ココで別れさせず、このオッサンとゲルダ、二人で旅をさせれば良かったかも。
何の特技もない子供一人で行くよりは、いくらか話の無理が減るだろうし。
『家なき子』ビタリス老人のように、頼り甲斐があって人生を教えてくれるような相手と旅をしては、この作品の方向性が変わってくる恐れがあるけど、商人オヤジぐらい
いい加減で信用できない人間なら、トラブルメーカーとして、ごくたまには「大人」として、共に旅をさせる対象に良かったかも知れない。
最後に見られた海…
CGの悪い使い方見本、というようなモノで、色合いも動きも余り趣味が良くない。
もっと爽やかな海を見られれば、この話自体の印象も変わっていた……いや、そうでもないな(
^_^ )。
『フタコイ オルタナティブ』11.「燃える二子魂川」
うぅーーん、感想を書くのが難しい作品。
双子の片割れが大財閥に帰り、消えた、その喪失感を鬱々と描いていたのに、突然
イカ男が現れ、街を炎に包んで否応なく主人公を戦いの場に引きずり出す、という展開では、飛びすぎていて話が上手く繋がらない。
意味を取っていくなら、クマの縫いぐるみに逃げ籠もってしまっていた主人公が、素顔を晒し、ゾクに所属していた過去から双子と過ごした日々まで受け入れ肯定する事で、自由を得て、無敵のイカ男さえ蹴散らして行く、という事になるのかな。
イカ男が、「(走り)負けたら鼻でピーナッツ食ってやる」という妙な「約束」に縛られ、自由と力を失うのと、対称にもしてある?
意味ありげなギミックが色々と出てくるので、どうとでも解釈は出来るだろう。
その解釈の幅が、安易に感想を書くのを躊躇わせる。
ただ、そのまま見れば、残された双子の片割れだけでも守らなければならないのに
その方策を持たず、「実力」ではなくゾク仲間から借り受けた(元は自分の?)バイクのマシンパワーで走り勝った事により、たまたまイカ男が引き上げてくれて助かった、という何とも力が入らない決着。
暴走気味の作画以外に見るモノ無し、と取られても仕方ない。
自分の力だけで双子を幸せに出来るのか、といった現実の地平上に存在する苦悩を解決するのに、SF(ヒーロー物)まで話を広げると、とっ散らかった印象を残してしまう。
いっそ双子は、世界征服を狙う悪の改造人間組織に掠われた事にした方が、「奇想天外」という方向で
まとまって良かったかも。
この後、対イカ男戦 以上の盛り上がりを設定してあるのだろうか?
普通のドラマ展開にしてしまっては、「盛り下がった」ようにしか見えないと思うが。
向かった結婚式場は無数の量産型イカ男が周囲を固めており、結婚相手の御曹司の正体は数十メートルの身長を持つ大王イカ男だった……というように、見ている方が呆気にとられるぐらい暴走した「馬鹿」を見せるしか。
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2005年6月20日 月曜日 |
『ゾイド ジェネシス』11.「旅の仲間」
特に何という事もない旅の経緯を描き、キャラクター相互の関係を彫り込んで見せる話。
ムラサメライガーの背中に乗っかるソウルタイガー・セイジュウロウは、「自分を落とさないように走れ」という事で、ルージのバランス感覚を鍛えていたのだろうか。
しかし…生身で、背中に何か重いモノを背負って山道を走る、とかいう訓練なら意義を理解しやすいけど、ロボットだからなあ……
背中に掛かる重量込みでの操作ぐらい、そんなには難しくないような。
まだ、こんな基礎的な事さえ(基本的すぎる事だからこそ)出来ていない操縦レベルだった、という事か。
何となく、旧『トップをねらえ!』で、ロボットに搭乗したままランニングしたり腕立て伏せする特訓を思い出してしまう。
野営地で、見張りの組み合わせを変えながら交わされる会話。
意外と、このアニメはルージを中心とする「ハーレムアニメ」だったのね( ^_^
)。
純真で一生懸命で鈍い、ルージに寄せる それぞれの思いが、短く的確に描き出され、気持ち良い。
レ・ミィのため、ごく当たり前のように命を賭けられるルージは、確かに それだけの価値がある男の子。
地上波で放送していた映画『ダウン』を見る。
とても良い映画だった。
ほとんど画面を気にしないで済む内容なので、悲惨なスケジュールの中で流しておくには適当、って意味で。
意志を持った殺人エレベーター、というアイディアは、斬新ではないが、料理次第で
もっと遙かに面白く出来たと思う。
そのエレベーターの価値、人々が乗らなければならない理由、事故を隠そうとする側・真相を暴こうとする側の対立、殺し方のエスカレート、クライマックスを作り出すアイディア、等々、面白く見せるために必要であろう要素を熟考して練り上げてあれば。
実際には、面倒だから そこまで考えなかったのか、「エレベーターが人を殺してたら凄いよね」という所で思考は停止してしまっている。
発展させたのは、「何故 機械が意志を持ったのか」というような、掘り下げても余り意味が無さそうな所で、明かされる真相がまた、ビックリする程どーでもいいシロモノ。
『CUBE』の監督ヴィンチェンゾ・ナタリが撮っていたエレベーターが舞台の短編『ELEVATED』の方が、不条理で映像的な緊張感も高く、ずっと面白い。
エレベーターの底が抜け、乗客がバラバラ落ちていく所は、ちょっと楽しかったかな。
それだけ。
久々に見たC級からD級ぐらいの映画。
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2005年6月19日 日曜日 |
『交響詩篇 エウレカセブン』10.「ハイアー・ザン・ザ・サン」
レントン。
お前は「リフのスーパー集団であるゲッコーステイトへの憧れ」が あって、船に乗り込んだのではなかったか。
今回、初めて、生身でリフを やる事に積極性を見せたホランドらに対し、リアクションが余りにも薄いのは、何故?
「凄い波が来るらしいが、現在地から遠くて…」と渋い表情を見せるホランドに、どうあっても行くべきだとレントンが強硬に主張、巨大な無駄遣いである弾道飛行まで要請。
その情熱に押し切られる形でメンバーは嫌々(本心は嬉しく)目的地へ向かう…ぐらいで良かったのでは?
もう、レントンは「リフ」に興味がない?
それは、主人公が視聴者と同じ目線・感情で世界を見ている、って意味では、結構な事だけど。
今、船に残っている目的は、「エウレカ好き好き」だけかな。
ゲッコーステイトの反応も変。
彼らは、リフが大好きな人達じゃないの?
リフが大好きな人「も含まれる」集団?
それにしても、波が来ない事に対して特に騒ぐ事はなかったみたいで。
嘆く、怒る、八つ当たりする、無理にもリフをしようとする、等々、ここは子供みたいなリアクションを取って良い所。
「それほどリフが好きなんだ」と思わせて欲しい所。
なのに……
「リフが大好きだから金儲けの道具には絶対しないぜ」
「リフを汚さないで生きていくためなら臓器密輸にだって手を染めてやるぜ」
「そんなリフだけど やらなくたって別にどうってコトないぜ」
……何なんだ?
魅力が無いなあ。
今回。
「ホランドには何かあったみたいですよ」「タルホにも秘密がありそう」「この地で一体何が行われていたんでしょうねえ」といった、伏線を引くばっかりで一話終わってるのは、どうなんだろう?
見せ場となるべきリフも行われなかったので、軍内部の描写と「伏線が引かれた」以外の印象は弱く、「この一話を楽しんで欲しい」というより「この先の話を面白く見るために必要な伏線が詰め込んであるので、決して見逃さないように」とスタッフに言われているような気分になってしまう。
既に波に乗っている作品で こういうエピソードがあっても どうという事は無いが、序盤で無駄とも思える話を続けてしまい、とにかく早く視聴者に「見続けて良いと思える面白さ」を感じさせなければならない所で、この話は、ちょっと上手くない。
やっぱり、放送期間が一年間もある弊害では?
1クール、いや2クールのアニメでも、こういう話を入れている余裕は無いと思うから。
まだまだ残り時間が膨大にある以上、本筋を急いで語っては「ならない」、と思ってるんじゃなかろうか。
とはいえ、見ていて不愉快な所は無く、キャラクターの関係が僅かずつでも彫り込まれた事で、「見た意味」を感じ取れる話では、あった。
イキナリ鼻血ダラダラで登場した軍の少女キャラクターが、最高に鮮烈な見た目通り、物語まで面白い方向へ引っ張ってくれる事を期待。
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2005年6月18日 土曜日 |
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』35.「混沌の先に」
乗員共々 撃破されたと見えたフリーダムとアークエンジェルだが、実は そんなに大したダメージでなく。
フリーダムは、機体こそ大きく破損したものの、パイロットのダメージは ほとんど無い?
アークエンジェルに到っては、かなり壊れたらしいんだけど、資材も艦内環境も逼迫している様子が無い、ごく普通の生活ぶり。
予測された事とはいえ、拍子抜けだなあ。
拍子抜けといえば、連合や戦争その物を影で操るぐらい強大な権力を有しているはずのロゴス・メンバーが、たかだか一般市民が発作的に蜂起したぐらいで追いつめられ、既に死んだ者も?というの…あんまりでは。
自分の周りを軍などに守らせる事、十分に可能だったはず。
抗議の声を上げる市民に向け、躊躇いなく鎮圧のためモビルスーツ隊による砲撃を命令する。
ザフトに対するカウンターのイメージダウン情報を流し、泥沼の非難合戦に持ち込む。
などなど、一人では死なない、精一杯の見苦しい あがきを見せて欲しかったなあ。
まだ、ジブリールなど逃げた奴も居るみたいだから、逆襲に期待するか。
デュランダル議長を前に、全く正反対の態度で臨むシンとアスラン。
しかしアスラン、今のところ議長のやっている事は、本物ラクスを始末しようとした事、アークエンジェル撃沈命令
含めても、そう間違ってないと思うんだが、なんであんなに反抗的なんだろう?
「ボクの大事なキラを殺したから、許せない」って?
それじゃシンのワガママと変わらない。
シンとアスランを同じレベルにしてしまわないためには、「結果的に、アスランの反感は正しかった」とする方向に持っていくしかないだろう。
でも、その方策が まだ見えてこない。
ロゴスの無理無理な窮状を見ていると、かなりムチャな展開が待っていそうな気もするなあ…
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2005年6月15日 水曜日 |
『雪の女王 The Snow Queen』04.「旅立ち」
息子が氷結した湖に落ちた、と思い込んだカイ父が見せる、父性愛を通り越して「狂」にまで到ってしまいそうな感情の暴走が、凄い。
ゲルダ含み、「悲しさ」を表情と全身で表す、渾身のリアクションが強烈。
こうした積み重ねがあって初めて、ゲルダの決心に説得力が生まれる……それにしても、旅立ちに到る過程は
ちょっと、唐突だったような…
ふわふわとしたファンタジーではなく、厳しい、硬質な手触りのある世界観を構築できていたので余計に、「死」すら容易に訪れるであろう少女の旅立ちには、説得力よりも「ドラマ上の必要」が感じられてしまい、残念。
それから……
演技、でキャラクターを見せていく出崎監督の作品にしては、作画が弱い。
重要な泣き顔などの表情アップにさえ乱れが見られるようでは、監督の意図を正しく伝える事は困難だろう。
という訳で、お馴染み、締め切り前 進行に突入。
来週水曜日ぐらいまで、更新は非常に不安定になります。
悪しからず ご了承を。
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2005年6月14日 火曜日 |
CSで放送された『きらめき☆プロジェクト』第一話「きらめきの眼差し、あの娘の名は…(前編)」を見る。
テレビコマーシャルで流されている映像を見る限りでは余り思わなかったが、本編を見ると、ああ確かに『AIKa』『ナジカ電撃作戦』の西島 克彦監督作品。
具体的に言うと、とにかく女の子のパンツがやたら画面に出てくる。
ただ…以前の作品のように、全てのカットでパンツを出そうとまではしておらず、ヒロインは今回 一度も見せないし、オヤジばかりしか映らないシーンも多い。
……ここは徹底した方が良くはなかったか?
替わって本作の売りにしたいのであろうロボットバトルが、3Dのレベルは低くないけれども、見応えがあって面白い、とは言えない内容の物なので、余計にそう思う。
侵攻してくるロボットの乗員達が、ごく普通の会社員然としていて、予算不足なのか食費にも事欠く有様である所。
脱力設定が面白い…とも言えるけど、同時に、ロボット物としての緊張感や危機感が
まるで無くなってしまう、マイナスの効果も生み出している。
それと戦う王女達にも、悲壮感などカケラもなく、遊んでいるとしか。
監督の作品で言えば、『プロジェクトA子』に最も近いだろうか。
30分に出来る限りの物を詰め込んであり、別に悪い内容ではない。
が、テレビで毎週放送されるならともかく、購入して・レンタルしてまで続きが見たくなる作品かどうかは……
『ゾイド ジェネシス』10.「迷い」
ルージの危機を救ってくれたのは、伝説的に強い侍・セイジュウロウだった。
主人公が余り強くなく、数機のゾイドで囲まれたら負けてしまう、という見せ方は、「誠実」であり、数十数百の敵でも全方位ビーム連発でイチコロ!の『ガンダムSEED』フリーダムより遙かに戦っている実感が出せていて、良いとは思うんだけど…
やっぱりロボット物としては、ぼちぼち「強いぞルージ!」を見たい所だから、セイジュウロウへの弟子入りは丁度良いタイミング。
レベルアップを期待。
この世界のゾイドは、「機械生命体」よりはずっと「機械」寄りで、しかし
まれに自律行動を起こすという意味では「生命体」と言えない事はない、微妙な位置合い。
野良ゾイドが誕生する様子や、エネルギーをどうしているかの説明など、必要な事を手際よく説明してくれるのが嬉しい。
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2005年6月13日 月曜日 |
DVDレコーダー、東芝RD-Z1が修理から帰ってきた。
出したのは土曜だというのに、早いなあ。
それで……驚いた事に、消えたはずの録画データが全部戻っている!
はー、戻してくれるとは。
消えている、と見えた時も、HDの残量は録画番組分 減って表示されており、「本当はまだ存在しているはず、ただ認識できないだけ」とは思っていたけど、フォーマットによる全消しかHD交換で帰ってくるものと諦めていた。
ああ、これで録り溜めていたアレやコレが見られる。実に嬉しい。
ただ…不安なのは、「交換されてないとすると、今後また このHDで同じ障害が出る可能性は無いのか?」という事。
修理の人に尋ねてみたが、「とにかく早くファームウェアをアップデートして下さい(工場では出来ないらしい)。それでも何かあったら電話を」と、不安なお答え。
アップデートは、デジタル放送から以外に、インターネットを通じても出来ますか?と聞いた所。
「電話で受付にCD-ROMの送付を申し込んで下さい」
いや、インターネットで出来れば そうしたいんですが?
「電話で受付にCD-ROMの送付を申し込んで下さい」
……分かりました。
よく分からないけど、インターネットを通じる方法は勧められず。
「お客様そういうのに弱そうですから やめといた方が」という意味かな?
まあその通りだけど。
急ぎ送付を申し込む。一週間程かかるとか。
これで安定して使えるようになるなら、有り難いんだけど。
『おねがいマイメロディ』11.「お料理上手になれたらイイナ!」
うわ、こんなに家事をやってたのかマイメロ。
だからあ、「かわいい事」だけを価値とするファンシーキャラクターのはずなのに、「実用」で存在理由を示そうとしている、っていう所が
もう皮肉だと思うんだけど。
しかも今回、労働にいそしむマイメロを、タダの縫いぐるみとしか思っていない一家のオヤジが、虐待する虐待する。
風呂場で、体を洗うスポンジと間違えられて使われたのなんか、具体的な描写は無かったけど想像するに…オヤジの……に押し付けられ洗わされたのでは……
うわわわわわ。
ともかく、ファンシーキャラの扱いじゃないって( ^_^ )。
『デ・ジ・キャラット』が、どう見ても「萌え」な外見に、相反する毒々しいキャラクター性を付加した事で壮絶な魅力を獲得したように、マイメロも「(視聴者が・スポンサーが)期待した内容と違うモノを見せられる」事によって、特別な面白さを発揮できている。
スゲエ。
このHPを置いてある忍者ツールズに色々と障害が出て来始めているようで、しばしば更新不可能になるし、ページの読み込みに失敗する事が珍しくなく、表示自体も重くなっている。
う〜〜ん……安く使えて良いんだけど、この状態がいつまでも続くようだと……困るなあ。
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2005年6月12日 日曜日 |
『交響詩篇エウレカセブン』09.「ペーパームーン・シャイン」
やっと出て来た、という感じの軍の悪行。
そしてエウレカ、ホランドの過去を描く話。
こういうのはもっと早くやって欲しかったなあ。
遅くとも、5、6話目ぐらいで。
宗教を弾圧する軍。
その理由は、自爆テロを推奨するなど危険な教義を含む宗教だからなのか、単に為政者にとって
その信仰が邪魔なだけか。
軍人が全て、あるいは上層部だけでも違う宗教を信仰しており、この弾圧は宗教戦争である…とかにすると凄いけど、扱いきれなくなりそうだなあ。
選択の門を、レントンの強引な主導によりニルヴァーシュでくぐり抜け、何事かを選び取るエウレカ。
そこで、長い間 胸に内に抱え込んでいた葛藤が、ほんの僅かだけ楽になる……というドラマの作り方は、上手い。
意味も意義も分からず、一般市民を殺していった地獄の記憶に苦しめられる、という意味では、『ボトムズ』のサンサ編で描かれたモノと似ている(キリコは、その虐殺任務に加わっていなかったが)。
この、キャラに背負わせた重い「穢れ」を払い落とすのは、かなり難しいだろう。
その困難な道行きは、イノセントな存在であるレントンのリアクションなどで表すべき。
…なのに、ペラペラとよく喋ってエウレカへのフォローを入れまくる、というのでは、レントンのキャラクターにそぐわなく思えるし、ドラマその物を軽くしてしまう効果しかもたらさないような。
エウレカはまだしも、虐殺を指揮したホランドには、これまでの経緯を含めて多少の警戒心を抱いて
しかるべきだろうと思うし、そうした重い過去を引き摺るゲッコーステイトの正式メンバーに加えられたのをメチャメチャ嬉しそうに受け入れるのも、「薄い」印象を残す。
正式な仲間として、エウレカの業を共に背負える事を喜んだ…というなら、もう少し重い反応になるはず。
「子供だから仕方ない」とも思えるけど、それならエウレカへの適切なフォローが変になってしまう。
虐殺の記憶に苦しむエウレカが、軍のロボット(どうも有人らしい)は平気で撃墜していくの?
しかもその戦いは、「必要に迫られてやむを得ず」ではなく、「好んでケンカ売ってる」としか見えないモノ。
軍の命令で市民を殺させられたエウレカを、今はホランド達が、金銭を得るために出動させて無関係な軍人を殺させている。
軍とホランドと、どう違うの?
「子供に酷い事をした」という以外の感情は、現在でもエウレカに芽生えていないのかな?
人を殺す(殺しかねない)戦いをする事 自体は、相手が子供でない限り何とも思っていない?
それでも今回は、ここ数回のダレた話と比べれば飛躍的に面白く見られる内容。
こういう話を先にして、「そんな重さを引き摺りながらも馬鹿をやるゲッコーステイト」を後で見せた方が良かったのでは。
かなり印象が変わったと思う。
ダメ集団かと思えば実は…という並べ方も当然あっていいんだけど、そのダメさ加減の見せ方が上手くなく、キャラの魅力と視聴意欲を削るばかりだったからなあ。
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』34.「悪夢」
ミネルバ対アークエンジェルの激戦。
シン相手の時はともかく、地上部隊やザコモビルスーツ戦ぐらいなら、フリーダムで圧倒出来そうに思うけど…苦戦。
キラの能力に限界(種割れのタイムリミットなど)を設けず、フリーダムも起動時間・攻撃能力共に制限が無い、使いづらい設定なので、厳しい戦いを見せるには
もう演出の強引さで押しまくるしかない。
ザフト現地指揮官が珍しくオッサンであり、部下の突出を抑え、アークエンジェルへの止めをミネルバに刺させようとするなど冷静さと老練さを伺わせ、「この部隊なら、まあ強くても納得できるかな」と思わせてくれた。
シン。
うーん、見事に逆恨みかあ。
「心の底ではキラの行動を認めている」とかいうような深みは、無い訳ね。
しかしキラ。
対アスラン戦でさえ容赦なく機体をバラバラにしていたのに、シンには押されてしまう。
キラ、アスラン、シンで強さの順位付けはどうなっているのかハッキリしていない事により、「シンの方が勝つ」のを視聴者に納得してもらうには、細工が必要。
「ステラを殺された怒り」「機体損耗をモノともしない壮絶な戦いぶり(相打ち以上にシンの機体も壊れている。『特攻』は、アニメ等において、敵と自分の損害を等価交換できる…視聴者に納得してもらえる戦法)」「コクピットを狙えないキラの弱さを突いた戦術」といった物を戦いに乗せていく事で、その強さに説得力を生み出していた。
ただ、「逆恨み」が戦う理由になっているシン、戦いにビジョンが見えないキラ、双方共に応援も、敗北を願う事もない、どちらがどうなろうと「ああそうですか」以上の感慨を生み出し辛いキャラなのが難点。
ここまでのドラマが、もっと感情移入を誘うものなら……
とはいえ、緊迫感があり、パワーでグイグイ押してくるバトルの迫力は、前シリーズと合わせても屈指の出来。
これが10話…せめて20話ぐらいの時点であれば……
破壊され、全滅したように見えるアークエンジェル・フリーダム。
でも みんな生きてるんでしょ?
セーフティーシャッターだっけ?もう慣れたよ(笑)。
死の描写の軽さは、一時期の「少年ジャンプ」バトル漫画並み。
アスラン。
シンの戦いぶりに言いたい事があるなら、せめてブリッジで言え。
待機室のモニターに向かってどんな意見をしようとも、お茶の間でテレビに声を出して突っ込んでいる間の抜けた人(自分)と変わらないぞ。
せっかく かなりの権限をもらっているのだから、やっぱりどこか寄港地で、自分用のモビルスーツを積み込んでもらうべきだったのでは?
…まあ、権限を上手く使える性格じゃないし、先の事を考えられる周到なタイプでもないけど。
戦争の黒幕を暴くデュランダルの演説に、戸惑う人々。
ロゴスと利害関係にある連中は分かるが、アークエンジェル・カガリとかまで、非難に近い言葉を口にするのには驚いた。
「オーブと深い関わりを持つ人も居る」のに、それをどうしようというのか?と。
…深い関わりのある者がロゴスメンバーである事にショックを受けるのが先じゃないの?とっくに知ってた?それとも、あの名簿はデタラメ?
ともかく、現実的に考えれば、日本やアメリカで、政財界の重鎮を十数人始末したからといって戦争を止められる訳ではあるまいが、この『SEED
DESTINY』に限れば、「そういう世界観」だからなあ。
『マジンガーZ』で、「ドクター・ヘルを倒せば戦いが終わる」と言うのは、ごく
まっとう。
それに対し、「いや、ヘルに機械獣の部品を納入している業者がいるかも知れないし、色々と迷惑になってしまう事まで考えなければ」と言われても、(゚Д゚)ハァ??
確かに、悪の総本山をピンポイントで叩く事は出来まいが、「多少の犠牲はやむを得ない」という考え方はナシなの?
自分達は、「カガリが泣いてるから」、ザフト兵に犠牲者を出しておいて?
結局は、デュランダルがラスボスになっていくんだろうな。
今は、全く(アークエンジェルを討たせる事も含め)正しい彼を、どうやって「悪」にしていくのかが、今後の見所。
かなりのアクロバットが必要になってきそうな……
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2005年6月11日 土曜日 |
『フタコイ オルタナティブ』07.「双葉恋太郎 最初の事件」08.「サはさよならのサ」09.「ふたこい」
7話。
自分が依って立つ根拠を探し求めていた恋太郎と、自分たちが自分たちである事を認め「見つけて」くれる人を待ち望んでいた双子。
図式的に綺麗に決まりすぎている気はするけど、全ての発端になる話として、面白く見られた。
しかし、こんなに「青い」話を真正面から真顔で語るアニメも、今時珍しいなあ。
8、9話。
双子が抱える葛藤と、それによって変わり行く三人の運命。
金持ちの遺言による拘束…という設定紹介が成された。
どうもねえ、このアニメの演出ベースにある「自由闊達ムチャし放題」を ずっと見せられてきた者としては、この程度の障害が何?という気分にしかなれず。
クライマックスに向け、現在はタメに入っている状態だと思う。
だから、正直言うと「あの時 抱いていれば抱いていれば」ばっかり言う主人公にも、解答は決まっているだろうになかなか
そちらに動き出さない物語にも、ストレスを感じているんだけど、それが報われる展開が待っていると信じて、見続けよう。
『ドラえもん』09.「ドラえもんだらけ 」「ココロコロン 」
前半。
藤子先生が得意とされる、時間ネタ。
異なった時間…現在・過去・未来の自分を集めて何かを成す、という内容では、もっとシニカルな結末になる読み切り作品もあった。
『ドラえもん』のこの話からは強い印象を受けており、ストーリーを全て覚えているつもりだったが……記憶と
かなり違うなあ。
何人もの自分が集まる、というアイディアだけに留まらず、一つの物語を四つの視点からの時間の流れ…「無責任に寝てしまうのび太」「他の時間の自分にも手伝わせようと思い付いた意気軒昂なドラえもん」「過去の自分からの強制招集に苦しめられるヨレヨレのドラえもん」「隠れて見ている事で全ての事情を知るのび太」…に分けて描く、その手法その物が素晴らしい。
まさに、「すこし、ふしぎ」。
ドラえもんも、もっと時間をおいて、数日間に渡って昼間 無為に過ごしている時の自分を集めれば、そんなにシンドくなかったのでは?
でもまあ、もう終わった宿題のために何日間も拘束され続ける、って憂鬱かな。
そもそも、「宿題を完全に終えた時点の自分」を一人だけ呼べば、その記憶に基づいて書き写すだけで済んだような。
あ、いや、例えば「算数を担当したドラえもん」「社会科を担当したドラえもん」というように、分担した それぞれが宿題を終わらせたからこそ、それぞれの作業は短時間で終わった訳で、結局は各時間のドラえもんの労働が必要になるのか。
「今の自分の努力」が無ければ、「宿題が出来た未来」は存在しない(それをヒネって「不思議」にした話もあったけど)。
眠さの余り凶暴になったドラえもんの声は、大山のぶ代だと想像が付かないな。
新しい声優さんだからチャレンジ出来た事かも。
ボロボロになっていくドラえもんに対し申し訳ない気持ちを抱きながら、しかし「宿題を完成させてもらう事」を優先し、かくまっていたドラえもんを売り渡す
のび太の非情さが、酷い(笑)。
笑ったけど…人によっては、ちょっとキツく受け取る描き方だったかな。
逡巡無く売り渡した方が、軽くできたかも。
後半。
捨てられた人形の哀しみ、という事で、『トイ・ストーリー』を思わせる話。
酷い扱いをして捨てたスネ夫に対する人形達の復讐、を具体的に描かなかったのは、バランス感覚。
新生ドラえもん、今のところ非常に面白いと思うんだけど、ちょっと重かったりMADだったり悲しかったりするので、子供達(親達?)が
この作品に望んでいると思われる要素に応え切れているのかどうかは、不明。
自分のようなヒネたオタクが喜んで見ている、というのは、「子供からオヤジオタにまで好評」なのか、「オタ受け」という余り正しくない方向に進みつつあるのか。
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2005年6月10日 金曜日 |
久しぶりに、迷惑メール。
> Subject: ドS奥様達がお小遣い5万〜で、M男を探してますよ!?
>
> 今奥様の間で人気沸騰中!!結婚してるからこそ、ストレス溜まってしたくなる。けど、結婚してるからこそSMなんて出来ない…。夫にはそんなお願い出来ない…。そんな訳ありの奥様達がM男を求めて日々増加、S嬢奥様専用に出来たこのサイト。
>
> http://members.lycos.c〜
>
> 運営資金は奥様の登録料で補われており、男性への登録料は頂いておりません。尚参加男性に対しては、もれなく女性からお小遣い☆と言う見返り付きのルールとなっています。最低金額5万!それ以下はありません。そして二つの内容により金額変動、以下の二つの構成となっています。
>
> @ソフト・ノーマルSM⇒奥様からのお小遣い50,000円〜
>
> Aハード・激恥SM⇒奥様からのお小遣い80,000円〜
>
> 奥様に人妻にちょこっとイジメテもらいたい?それとも激しくイジメられたい?
> そんな思いが少しでもあれば、奥様を満足させて、さらに自分も満足と言った。お互いが満たされる最高の形になると思いませんか?
>
> http://members.lycos.c〜
>
> M男性限定となってしまいますが、興味をお持ちになった方は上記アクセスにてご入場下さい。
「ドS奥様達がお小遣い5万〜で、M男を探してますよ!?」というタイトルが何だか変にツボにはまり、笑ってしまったので転載。
最近は、アホみたいに美味しい条件を ずらりと並べ立てるメールばかりで食傷気味だったから、「SM行為に耐えればお小遣いが」という限定条件を設けたコレは、まだしも工夫かなあ、と。
いや、真性M男性なら「耐えれば」どころではなく、お金払ってでも虐めて欲しいぐらいだろうが。
ソフト・ノーマルSMで5万円かあ…相場なの?
こうして書かれる所を見ると、かなり好条件か。
その金額では、「豚!」だの「汚らしい○○」だの言われるだけでも、分不相応に肥大化した自分のプライドが耐えられそうにない。
また こういうの、相手が誰でも良い訳ではなく、そのドS奥様が自分の好みかどうか、というのも大きいんじゃなかろうか。
「うわ、気持ち悪い顔!」などと思う相手から虐められるのって、快感を伴わず
ただ苦痛なような。
いや、その不本意さが更なる心地良さに繋がるモノなのか……
ううむ、分からん(分からんで よろしい)。
うわ〜〜〜〜!
東芝RD-Z1のハードディスクに録画してあった番組が、全部消えた〜っ!
朝 起きて、電源を入れてみたら、「HDDが取り外されたことを検出しました」という謎のメッセージが表示され、内部に録画してあった番組のリストが真っ白に。
そんなアホな〜〜っ!!!!
確かに不具合が多いハードだけど…ここまで……
ファームウェア・アップデートが始まっていて、それを済ませれば かなり使いやすくなる、こういう不測の事態も減る、という話。
しかし、現在のところアップデータはデジタル放送に乗せての配信のみで、ネットからのダウンロードや実費でのCD-ROM郵送は
していない様子。
ケーブルテレビを通してデジタルを見ているウチでは、対応出来ず。
※実際はダウンロードもROM郵送も行っているそうです。バカな自分の誤解。東芝ごめん。
だから どうしようもなく…
というのを友人に話した所、「保証期間中であれば出張費もかからないのだし、修理の人間を呼びつけ、CDかDVDで新ファームウェアを持ってこさせて、アップデートさせれば良い」と言われる。
いや、そんな恐ろしく手間の掛かるサービス、やってないんじゃない?と聞くと、「やっていようがやっていまいが、不具合があり、それを解消する方法に自分でアクセス出来ないのだから、メーカーに相談すべき。例えダメといわれてもゴネるべき。そういう努力を怠った君が悪い」と。
う〜ん…うん、そういう事になるのか。
確かに、黙っていて誰かが事態を解決してくれるのを ただ待つなんて、愚策。
何か手を打つべきだったな。
『トリニティ・ブラッド』『ビーストウォーズ・リターンズ』など、まとめて見ようと思って録り溜めておいた色々なアニメ作品や、結構な数の映画データが、全部パア。
映画は、またいずれ放送されるかも知れないし、レンタルもあるけど、放送から
ちょっと遅れてついて行っていたアニメについては、どうしようもなく。
ああ、でもアニメも最近は そう遅れずにソフト化されるのか。
衛星含めチャンネルが増えた分、再放送の機会も増えたろうし。
と、思って諦めよう。嘆いてどうなる訳でも無し(;´д⊂)
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2005年6月9日 木曜日 |
レンタルで映画『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』を見る。
前二作は劇場で見たのに、ソフト化されても つい見そびれていたシリーズ三作目。
内容はまあ、お馴染みの通り。
見た人の評判は大変に良かったので、どんなもんかと思っていたが、何だ、大して変わらないじゃないか…
という印象は、後半で書き換えられる。
ええと、もうレンタルになってさえ時間が経っているので、ネタバレは気にせず。
囚人の正体が実は…という所から始まり、優しい先生の裏側、嫌な先生の予想を裏切る(いや、そうでもないなあ)行動、そして死んだはずの……
と、畳み掛けるように見せてきて、「よくあるネタ」も「これは意外」も とにかく幾重にもして突っ込み、息つく暇さえ与えない事により、感想を「面白い」にまで上げる事に成功。
スネイプ先生が、実にイイねえ。
冷たく怖いように見えながら、いざとなると子供達を庇って戦う勇姿を見せてくれ、アラン・リックマンの
どこか人が良さそうな相貌も含め、ツボ。
ハリーも、せっかく来てくれた先生相手に、そんな酷い扱いしなくても(笑)。
もう終わりかな、と思わせて、もう一捻り、二捻りと重ねてくるサービス精神が凄い。
少々アンハッピーな部分はあったが、よく頑張った映画だった。
……で終わりかと思わせて、そこから更に、「アンハッピー」を解消すべくルール違反とも思える展開が。
何というか、『ドラクエ』でプレイヤーキャラが死んだ後、王様の前に連れ戻されて「おお○○、死んでしまうとは何事じゃ!」と言われ、再度 冒険を やり直すよう求められる、アレを思い出した。
気になっていた それもこれも伏線だった、という構成は見事。
…少し考えれば、もっとベストな解決法もあり得たのではないかと思うが、まあ相手は子供だしねえ。
しかし、「魔法ファンタジー物」から「サスペンス・推理物」になり、オマケに「『バック・トゥー・ザ・フューチャー』風物語」まで混ぜてみせるとは。
サービス出し惜しみ無し。スゲエ。
ただ、本当にルール違反の展開であり、これから どんな事件が起きても「例のアレで解決すればいいじゃん」と見る人に思われそうな気がして、リスクの高いネタを使っちゃったなあ、とも思うんだけど……
評価の高い原作では、そう思わせない方法を考慮済みなんだろうな。
この映画はとにかく面白かった。
でもそれは、サービスを詰め込んだ原作による部分が大きいと思え、次回作以降がどうなるかは、原作者のアイディア引き出しの数
次第かと。
ところで、ハリーの強力なライバルになっていくものと思われたマルフォイが、泣き虫の情けないキャラになってしまったのは、おかしいやら哀しいやら。
『ドラゴンボール』で言えばピッコロ、ベジータみたいな存在かと思えば、『ドラえもん』スネ夫だった、という感じ。
「勘違いするなハリー!助けたのではないぞ!お前をこのマルフォイ以外の奴に殺らせたくはない、それだけだ!」っていうような燃える展開を期待したのに(
^_^ )。
うわわわわ、『極上生徒会』録画失敗。
テレビ東京で、野球延長っていうの考えなかった。迂闊。
だからぁ、中継するなとか延長するなとは、好きな人がいる限り言わないから、逆に野球枠は余裕を持って必ず11時ぐらいまで取っとけって。
それなら、滅多に延長による時間変更は起こらないだろう。
試合が終わって時間が余ったら、選手インタビューか名場面珍場面でも ずーーっと流しておけば良かろう。
放送時間が変わったり変わらなかったり、というのが一番困る。
…今更こんな、長年アニオタ達の血の涙を絞り続けてきた話をしても、仕方ないか。
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2005年6月8日 水曜日 |
『甲虫王者ムシキング 〜森の民の伝説〜』10.「少女と魔女」
お話は、正統派で盛り上がりもあり、普通に面白かった。
ただ、我が子可愛さの余り他の子の命を犠牲にしようという母親の行動を、力一杯
肯定してみせる主人公、ってのは、ちょっと珍しいような。
主人公は許しても仲間が許さず責め立てる、自責の念の余り母親が非業の最期を遂げる、などなど、何か因果応報にしそうなモノだけど。
ポポ個人だけで言うなら、変容した姿のまま故郷の森に残してきた母親への思慕が強いはずで、娘を強く愛する今回登場した母親を
そのイメージに重ね合わせ、非難する気になれないのも、分かる。
しかし、「良い子のアニメ」としては、一応 社会的道徳である「他人に迷惑かけちゃいけません」とか「我が子可愛さばかりが暴走してしまうのはバカ親」といった概念に沿った
お話を作るモノかと。
えらく短絡的な「愛」の話にしちゃったなあ。
別に、道徳アニメでなきゃダメだとは言わないし、いい歳の視聴者としては
こういう「歪み」も楽しかったりするが。
親子の愛情が希薄になっていると言われる現在、正しい愛情を持つべき、などという事を描くより以前に、間違っていても良いから
とにかく自分の子供だけでも愛して!と訴える事が必要に…なってるのかなあ?
元祖「仮面ライダー」映画で復活
へええ、こんなの作ってたんだ。(公式サイト)
『ティガ』から『ネクサス』まで新たなウルトラシリーズを展開しながら、オリジナルの現代風リメイクである『ULTRAMAN』を作り上げていた円谷みたいなモノか(こちらは、最新作の『ネクサス』に繋がる映画だったが)。
一本の映画にダブルライダーを登場させる、という所が若干不安。
1号だけに絞った方が良くはなかったろうか?
詰め込みすぎて消化不良になるのが心配で。
脚本は、『アギト』『555』の井上 敏樹。
それならまあ、大きく外している事はないだろう。
面白い映画になってくれる事を期待…といっても、もう撮り終わっているそうだけど。
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2005年6月7日 火曜日 |
映画『フォーガットン』を見る。
監督は、眠かった『マネートレイン』のジョセフ・ルーベン。
主演、ジュリアン・ムーア。
ショウビズで紹介された際の あらすじ、普通の主婦が、事故死した息子の記憶を否定される事から、虚実入り乱れる非現実的な世界に巻き込まれていく…というのが面白そうで、見たいと思っていた。
サスペンスかと思っており、日本で作られた、??というシーンを含む予告編には、危惧を抱いていたが…
何というか、評価が難しい映画。
普通に見れば、ドコもかしこも緩みっぱなしで締まりが無く、危機感は盛り上がらないしヒロイン達はバカ行動を連発するし、最後には見事なブン投げぶりまで見せられ、誉められる所は少ない。
でも、とりあえず真顔で語って来たストーリーを台無しにしてまで成立させている「ネタ」に、凄まじいインパクトがあるため、全部ダメ、というのも、バカ映画・ダメ映画好きとしては憚られる。
以下、大した事はないんだけど内容に触れてしまうため、御注意。
これから見ようと思っている方は、なるべく情報ゼロの状態で鑑賞する事を お勧めします。
全然違うんだけど、怪談話。
トイレに入ると、不気味な手が伸びてきて、「かみをくれ〜かみをくれ〜」と言う声が聞こえる。
仕方なく、その手に紙を渡すと、「違う〜その紙じゃなくて……お前の髪だ!」と言われた、ってアレ。
「お前の髪」の下りで、話を聞いている相手の髪の毛を実際に ひっ掴んで「ひゃあ」と驚かせるのがコツ。
実はトイレがどーだのなんて話の部分は何でも良くて、ここで髪を掴んでビックリさせる、それだけがやりたい「ネタ」なんだよね。
それと似た心意気(?)を感じる映画。
驚いて、大笑い出来る人は良いが、「こんなやり方で怖がらせるのはルール違反。もっと『お話』だけでゾクゾクさせる工夫をすべき」と感じる人は、髪を掴まれた分だけ余計に腹立たしいだろう。
だから…とにかく見る人を選ぶ。
高い入場料を払って、一時間半ぐらい暗い場内でスクリーンを眺めて、持って帰れる「お土産」って
このネタだけ?と感じて不思議無い。
もう少し しっかりポイントを押さえれば、ネタ「も」楽しめる映画、に出来たと思うんだけどな。
ネタのインパクトは映画館で見るのとテレビとで大違いだろうが、正直、レンタルを待った方が安全。
バカ映画、ダメ映画好きだけは、これ以上ネタが世間に露出する前に映画館へ走れ!(笑)
『創聖のアクエリオン』10.「空に星、地に花」
空と足元を同時に見ろ、という、一人では到底 実現不可能な指導でも、合体し心を合わせて戦う事で可能になる。
なるほどねえ。
アポロ側が戦い方(?)を掴んだからといって、敵がソレを受けてやらなきゃならない理由など無い気はするが。
同時攻撃でも、ヒョイと避けられたら最後では?
敵は、どれだけ強かろうと一人。
一人だけで出来る事には限界がある、という表現かね。
機械的にパイロットをサポートして、敵に自動的に照準を合わせてくれるようにしておけば、二人の視点が無くても勝てたような。
ガンダムフリーダムの自動照準装置なんて、アレを一人一機ずつ追っかけてたらパイロットが何人必要なんだ?って話だし。
いや、便利な装置を付けたらオッケー、とか、そういうアニメじゃないのは分かってるけど( ^_^ )。
前にも書いたが、『アクエリオン』には理屈の過程を すっ飛ばしたウルトラCを期待しており、今回のような、きちんと筋を通した内容だと
かえって不満が出てしまう。
アポロとシリウスの、もうちょっとで肩を組んで大笑いしマブダチになってしまいそうな所を、ギリギリ馴れ合わない関係に留め、しかも面白く見せるシナリオの組み立てとか、上手いんだけど。
『パタリロ西遊記!』01.「悟空参上!天竺への旅立ち」
CSキッズステーションで放送が始まった。
『パタリロ』…懐かしいなあ。
原作漫画は1979年開始、そのアニメ化は1982年だということで。
パタリロ役・白石 冬美の声が良く、バンコラン・曽我部 和行との掛け合いや、歌にして聞かせてくれた「クックロビン音頭」が楽しかったように記憶している。
…今、もう一度見てどう思うかは分からないけど、その時代としては そんなに悪いアニメではなかったろう。
で、『西遊記』。
大変失礼ながら…漫画が こういうパラレルな展開をしていると知らなかったし、それよりも驚いたのは、まだ無印『パタリロ』の連載が継続中だという事。
なんと息の長い!
単行本78巻?凄いなあ。
そのアニメ化。
一話の放送時間が15分、しかもその内 5分間を、主題歌を歌うグループのプロモーション・ビデオに費やしており、OP・ED除くと実質8分間ぐらい?
なので、話は本当に取っ掛かりだけであり、どうこう言える段階ではないが……
ギャグのテンポは、悪い。
元のアニメだって、こんなモノといえばこんなモノだったかも知れないけど、さすがにそのまま現代に持ってきては、「突っ込みが遅い」「ギャグがぬるい」「たった8分なのに
だるい」としか感じようが無く。
笑えないギャグを淡々と見せられるのは、辛い。
このアニメから見始めた人には気にならないかと思うが、オールドファンにとっては、声優の変更も気になる。
パタリロの声、「変」さ や人を喰ったような調子が無く、普通に元気な子供っぽいなあ。余り面白味を感じられない。
演技が下手な訳ではないので、聞いているウチには慣れてくるんだろうけど。
派手には動かないが、作画は原作イメージを再現出来ていると思う。
特別、視聴を継続しなければならない理由は無いな。
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2005年6月6日 月曜日 |
『仮面ライダー響鬼』19.「かき鳴らす戦士」
今回も、絶好調で面白い。
何か偉そうに感想を書こうという時、本当に困ってしまう作品。
ヒビキもバイク乗れるようになったんだ、とか、イブキの片思いは実るのだろうか、とか、トドロキ真面目すぎ丁寧すぎ なんちゅうイイ奴やねん、ああザンキさん渋いなあ再登場してくれて ひたすら嬉しい、とか、もうそんなぐらいしか書く事がないから。
こんな楽しい番組が、毎週テレビで見られるシアワセ。
片思いで言えば、ヒビキは、みどりと香須実、どっちが好きなのかなあ。
パートナーとしてよく一緒に行動する香須実か、学生時代からの付き合いの長さで
みどりか。
意外と、いい歳して そういう事に無頓着、って気はするけど。
二人からは好かれてるんじゃなかろうか、ヒビキ。
ただ、香須実に対してはイブキが想いを寄せている様子で、彼女の態度表明次第では関係がフクザツになるかも。
明日夢には特に感心がない風な あきらは、イブキへの憧れ、強い好意を感じていそう。
イブキが香須実とくっつくと、寂しい あきらは明日夢へと気持ちを移すのだろうか?
でも、明日夢には ひとみが居るしなあ。
そういえば片思いの関係が多い作品。
トドロキと日菜佳だけは両思い?
彼女の積極性にトドロキが押されっぱなしに見え、気持ちが通じているかどうかは不明。
これら恋愛関係が動き出す事で、ドラマも大きく展開するかも知れないが……
この番組ではそういう事、やらないような予感も。
トドロキの演奏に合わせ、自分も演奏のマネをしてみせる緑大猿がプリティー。
オモチャには余り感心無いんだけど、ディスクアニマルは ちょっと欲しくなる。
番組内での使い方、見せ方が上手いから。
轟鬼の変身アイテムにしても、小さな弦を引き出してビヨヨーンと弾く所だけ見ると別に格好良くはないが、変身の流れとして、弾くと同時に雷が落ち、そのパワーで童子程度は圧倒!という所まで見せられると、途端に「格好イイじゃん」に評価が変わってしまう。
作品内で きちんと魅力をアピールし、商品の販促をしてスポンサー様にも配慮。
上手い、実に上手い。
制作費もっと上げてやって良いと思うよ、バンダイ( ^_^ )。
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2005年6月5日 日曜日 |
『ドラえもん』08.「入れかえロープ物語 」「まんが家ジャイ子 」
前半。
男女入れ替わりでドキドキの楽しい話、だけども、ちょっと男女間の性差にまで斬り込むジェンダーな
お話でもあり、深い。
しずかちゃん、可愛くて優等生で優しい両親に育てられており、不自由を感じる事などあるまいと思っていたが、「女の子」である
というそれだけで、意外な程 他者からの・自分からの制約が多い生活を送っていた。
現実の世の中でも女性は、そうらしいねえ。
「そうらしい」と言うのは、性差など何の関係もない、実力だけが全ての仕事をしているので、どうも実感に欠けてしまうから。
この世界は、男だろうと女だろうと、売れる作品を作れるヤツが偉くて、売れないヤツはダメ、それだけ。嫌になるぐらい単純。
他の仕事でも それで良いんじゃないの、と思うけど、そうはいかないモノらしい。
男の子になった しずかは、木に登り野球で大活躍し、自由を謳歌するが、女の子になった
のび太の方は思ったより楽しくない窮屈な生活に辟易する。
普通は、「女の子になった楽しさ」も描くモノだろうけど…この辺は現実のシビアさの反映か。
もっとも、のび太は、木に登れず野球もイヤイヤやらされていて、男の子の時でさえ自由に楽しく暮らせているとは言えないから、例外かも。
のび太の不満は、「男だから」「女だから」という所に原因があるのではなく、「人としてどうか」に関わる話。
しずかが入った のび太の体はアチコチで大活躍…という事は、のび太は体からダメなのではなく、体を使う魂…OSがダメ、って事なのかな?(
^_^ )
後半は、まあ普通。
ジャイ子の漫画について、つまらないモノはつまらないと正直に言え、とドラえもんは主張していたが、子供が、お金も取らず趣味でやっているモノを、余り厳しく評価するのは、将来の芽を摘んでしまうばかりで良い事は無いかと。
「作品を、何のメリットもなく嫌々読まされている読者」に、作者の事を気遣ってやる義務は無い、ってのも確かだけど。
のび太とジャイ子が結婚する未来がある、って話は、この新シリーズでは最初から無いのね。
夏コミケ、ありがたい事に受かりました。
日曜日・ハ-10a 白昼書房です。
さて、何をしようかな。
『交響詩篇エウレカセブン』08.「グロリアス・ブリリアンス」
レントン達が関わり合った優しい老婦人、しかしホランドらは彼女を捉えて軍に引き渡し、賞金で稼ごうとしていた。
ゲッコー号乗員達とレントンとの深い溝を明らかにし、少年らしい正義感(?)から生じる不服と反感、ホランドらへの初めての実行を伴う反抗、そうまでしなければならないゲッコー号の目的を知る事に寄る和解、そういったものが描かれる話なんだと思い、期待したが…
不満を感じつつも、レントンは老婦人捕獲に協力。いや、「妨害はしていない」止まりか。
臓器密輸から感じていたはずのモヤモヤは、今回も形にならなかった。
流されるままの主人公。
自分の感じる違和感よりも、「だってエウレカと一緒に居たいから」「ホランド達はリフのスーパースターだし」という、どちらかというと見ている方には
どーでもいい事情を優先。
魅力が無いなあ。
それはそれで、「恐らくは処刑されるのであろう老婦人を軍に平然と渡し、金が儲かったと大喜びで、沈むレントンには一顧だにしない乗員達」というシビアな展開を迎えさせれば、両者の決定的な齟齬、という事でドラマに寄与したろうけど…
軍と対峙し、金だけ受け取り、老婦人は掠い返して逃走。
?????
ドコからこういう計画だったの?
金だけが欲しくて、老婦人を渡すつもりなど無かった?
依頼された物は何であろうと輸送する、引き渡すと言った人間は相手が誰で
どんな事情があろうと引き渡す、無法者でもそういう「商売の信義」だけは重んじているのかと思ったんだけど。
だったら、異様に強いゲッコー号なんだから、直接 軍の資材庫か輸送機を襲い、金や物資を手に入れた方が話は早いような。
どうせ老婦人を渡さないのなら、実際に捕まえる必要も無く、「捕まえた」と嘘を言ってノコノコ出て来た軍から金を取り上げて逃げる、って行動でも良かったはずだし。
騙したかったのは、軍でもレントンでもなく、「視聴者」。
「意表を突くホランドらの行動」に焦点を合わせ、もうちょっと上手く伏線など引いていてくれれば、それでも納得できた可能性はあるが……
老婦人と直接対面し、ご飯まで食べさせてもらってみれば、意外に善い人だったので計画を変更した、というのが妥当か。
「予定通り渡すべき」と、「あんな ご婦人を非道な軍になんて渡せない」と言い張る方に別れ、僅かでも言い争いがあれば分かり易くなったんだけど。
しかし、さんざん軍とやりあい、死者すら出しているかも知れない極悪な犯罪者・ゲッコー号一行の事を、今回の軍人達が知らなかったらしい、というのは余りに不自然。
各所の基地に多大な被害を与えては逃走を繰り返している訳で、軍にとって最悪の危険分子は彼らのはず。
それで指名手配も回ってないって、どれほど無能な軍なんだ。
結局、レントンの頭の中では、「やっぱりホランド達はイイ奴等だ」という認識で終わったのだろう。
これが、「自分たちを信じ切っているレントンの無垢な眼差しにより、次第にロクデナシ状況から脱していくゲッコー号メンバー」を描こうとしているのなら、意味はあるのかな。
そうなのか、違うのかがハッキリ分からないのは不満だけど。
宗教に傾倒しているのであろう老婦人が語るテツガクは、なかなか興味深かった。
子供達の表情、捕獲作戦でのアクションなどなど、作画は本当に高品質。
どんな事でも描ける・語れる条件は整っていると思うので、もう一押し二押し、頑張って欲しい所。
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2005年6月4日 土曜日 |
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』33.「示される世界」
ステラを湖に沈めるシーンは、『タイタニック』ディカプリオにサヨナラする所みたいだったなあ。
もしかしてまだ生きているのでは…と恐れていたけど、幸いにも水中で もがき始める事もなく、ステラ終了。
シン、ここで生じた感情を、「非道な行いをした連合への憤り」から「戦争その物への怒り」に変えて行き、正しい主人公として目覚める切っ掛けにする可能性もあった訳だけど、予想通りキラへの逆恨み状態へ移行したみたいで、良かった良かった。
いや、もうココまで来ると、シンには成長せず、史上最悪のダメ主人公のままラストまで突っ走って欲しいと。
それで、キラかアスランかザコオーブ勢力に討たれて、見事 無念の最期を迎えてもらいたいとか、割と本気で希望していたり。
シンは分かるんだけど、レイまで打倒フリーダムという考え方に賛同している様子なのが、不思議。
「ステラを直接攻撃したキラを憎みたくなる気持ちは分かるが、彼の助け無しでは君が彼女に殺されていた。自分を失ったまま君を殺す事こそ、ステラにとり最も大きな悲劇だったと思わないか?」
というような事でも言って、シンをなだめるのがレイの役割かと。
次回、議長命令による対アークエンジェル戦が控えているみたいだから、もしかして議長からシンを焚き付けておけなどと言われているのか、レイ。
デュランダル議長による、連合・ブルーコスモス・ロゴスの悪行の暴露。
ロゴスの面々は大変に驚いていたみたいだけど、マスコミを通じて情報操作(これは単に事実報道だけど)を行うなんて、戦略の基礎の基礎では?
自分たちも、ちょっと前、ザフトに対してやっていた事だろうに。
現在より報道やら通信の整備が進んでいるはずの未来、「問答無用で地上の都市を焼き払う」なんて事をやらかしちゃ、その映像や人々の声をもって非難されるのが当たり前。
大義名分は付けてなかったの?大量虐殺兵器を開発していたとか。
でも、カウンターで自分たちに有利な情報を流せば、まだ逆転可能かも。
人々を虐殺したモビルスーツは、実はザフト軍のもの。自作自演。
連合は同胞を救うべく懸命に悲劇を食い止めようとしたのだが、間に合わなかった。
連合を糾弾する生き残りの人々の声など、捏造だと言い張る。
「本当はザフトが家族を殺した」とする嘘の声を、対抗して流しまくれば良い。
デジタル技術で いくらでも自軍に有利な映像は作れようし、御用学者に「戦争を影で支配する集団・ロゴスなんて、実在する訳がない。マジェスティック12なんかと同じ、無知な人間が唱える陰謀論」と笑い飛ばさせれば、説得力あるだろう(つまり…このアニメの設定に説得力がない、って事でもある)。
全然 挽回可能だと思うぞ、ロゴス。
俺様を広報のトップに据えてくれ(笑)。
ところで、前作で同じナチュラルの兵士ごとアラスカ基地を爆破してみせた連合の悪行は、既に暴かれてるんだっけ?
まだなのなら、これを晒すだけでも連合兵士の士気は相当に落ちたかと。
ロゴスが驚いていたのは、意味が違うのかな。
「戦争を盛り上げて大儲けしようとする同胞」であるデュランダルが突然に裏切ったため、動揺した?
その辺の事情は、また後で、だろうか。
しかし、アークエンジェル一行まで もの凄くビックリしていたのは、何故?
この暴露により終戦に到る道筋が僅かに見えた訳で、議長の思惑は置いても、歓迎して良い事態では?
議長の演説は、まるっきりの正論。
彼にある瑕疵は今のところ、「やたらシンに甘い事」と「偽ラクス関係」ぐらい。
偽ラクスに関しては、国をまとめるのにアイドルが必要だったとか何とかで、今後とも要らん事して国政を混乱させる役にしか立ちそうにない本物を暗殺しようとした過去を含み、許容範囲(
^_^ )。
これから彼をどう扱っていくかが、ストーリーの鍵になるだろう。
「正義の人でした」だけでは、ちょっと物足りないんだけど…
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2005年6月3日 金曜日 |
お仕事で七転八倒中。
どうも脳の機能が低下していて思考が停滞している状態ではないか、という言い訳で自分を誤魔化し、逃げ場を求めてニンテンドーDSの『脳を鍛える 大人のDSトレーニング』を購入。
早速 脳年齢チェックを行ってみたところ、「41才」という哀しい結果。
あー、でも もうオッサンだしなあ、こんなモンかあ。
トレーニングで、単純な加減乗除の計算20題ぐらいをやってみても、驚くほど時間が掛かる。
その上 不正確。
「16−7=」程度の計算をするのに、「えっと、えっと、ろくからなな引くといち足りないからじゅうのくらいからいち借りてきて、ええと、えーと……」と、すっかりパニックになってしまう騒ぎ。
かけ算も、7の段以上になると途端に怪しい。
こりゃあダメだなあ、と思ったけど…
トレーニング・メニューを始めて僅か二日目で、計算の速さが急激に上がっている事に驚く。
へー、こんなに効果が出るモノなんだ。
脳年齢も30才代に上昇。
「じっくり考えて、正しい答えを出す」タイプのトレーニングが無いため、鍛えられるのは反射的な脳の働きのみ。
しかも、それを繰り返す事で、本当に脳の状態が良くなっているのかどうか分からない。
実効性には疑問の残るソフトだけど、まあ、やってて楽しいからいいんじゃなかろうか。
さっきテストしてみたら、脳年齢は28才にまで上がっていた。
あと これには、バラエティー番組でよくやっている企画みたいに、「カンガルーを描け」みたいなお題が出て、タッチパネルに絵を描き、後で出される正解の絵と見比べる、というオマケみたいな企画が付いている。
さすがに腐ってもプロのまんが描き、プライドに賭けて見事な絵に仕上げねばならん、と思いながら、カンガルーにすっかり耳を付け忘れてしまう。
「腹に袋がある化け物」にしか見えない。
見たヨメが爆笑するようなポンチ絵。
ああ、バラエティーに出てくる絵が下手なタレントを笑えない…
だってさあ、カンガルーが出てくる漫画なんて描いた事無いもん!(逆ギレ)
というような訳で、ダラダラとテレビを眺め続けているよりはよっぽど、脳に刺激を与えられているんだと思う。
飽きるまでしばらく、トレーニングを続けようかな。
ただ、脳年齢が若返ったのと関係なく、仕事関係のネタは何も出てこない……
『極上生徒会』09.「好きはとまらない」
アップ時はともかく、全体に作画が崩れ気味で、哀しくなるようなカットも。
作画に大きく依存する作品だという訳ではないが、それでも こう絵が悪いと、物語への没入度は低くなってしまう。
生徒会メンバーのキャラを立てるべく、そのベースとなるエピソードを披露。
可もなく不可もなく。
小百合を仇と狙う少女が、ただ憎しみに駆られていると見せて実は…というのが工夫で、話の後味は良くなっている。
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2005年6月1日 水曜日 |
『甲虫王者ムシキング 〜森の民の伝説〜』09.「なまけ者の森」
ポポ達が入った森は、怠け者の森の民のため、虫も住めない環境になっていた。
『キノの旅』みたいな導入部。
生えたキノコをもぎ取って食べれば取りあえず飢え死にはしない環境で、すっかり働く気力を失ってしまった人々。
ただ、『キノ』と違うのは、民がそうなってしまった原因(キノコが生えたのが先か、だらけた態度のためにキノコが生えてしまったのかさえ分からない)も、怠けていたがために彼らに訪れる結末も、描かないで終わってしまっている事。
特に、民が辿るべき運命については、「いずれ滅びる」というような事をポポが言うだけに留まっており、不満。
「教育的」作品にするのなら、「アリとキリギリス」キリギリスのような、民が支払わされるツケについて、見せるべき。
もしくは、
「今は ぐうたらに見えるが、働く周期が何年に一度、と決まっているだけ」
「働く事により襲ってくる危険があり、それを回避し続けている」
「この森が『穢れ』を引き受けてくれるお陰で、近隣の森は清浄に保たれている」
など、理由らしきモノを作り、ポポ達のためにそのバランスが壊れかけ、大きな迷惑を民が被る、という意外な話にするか。
単に昆虫バトルを見せる背景にするのなら、こんな森の設定は不要だったような。
「住む人も、虫も居なくなり、菌類だけが繁殖した森」で十分。
要らない部分を削ぎ落とせば、もっと丁々発止のバトル構成を見せられたろう。
何か描きたそうに見えるのに、結果として何も描かないで終わるのは、肩すかしとしか。
レンタルで映画『スチームボーイ』を見る。
大友 克洋監督作品。
これは、劇場で見る映画だったなあ。
といっても「劇場で見る価値のある映画」という意味ではなく、「劇場で見ないと価値の大半が失われてしまう映画」。
特に後半、スチーム城での擦った揉んだが延々繰り返される所など、とにかく劇場大スクリーンと音楽の迫力で押されて初めて見ていられる内容であり、ご家庭で、テレビで見ていると、途中から
すっかり飽きてしまう。
父と祖父、両者に「科学に対する姿勢」を違えて付加し、対立する設定にしてあるのだが…
どちらを正しく描いてある訳でもないのは、意図的なんだろうか。
単に、マッドサイエンティスト二人が暴れて皆様にご迷惑を掛けているだけで、どちらも傍迷惑な存在に変わりない。
「マッド」という意味では、再会した際 孫の身の事よりスチームボールばかりを心配するジジイと、自分の腕を操作装置の一部にしてしまう(実用性は疑問だけど)オヤジ、って所は面白かった。
両者「この巨大な悲劇の責任を取って城と命を共にする」潔さが「無い」、図々しい生き残りぶりを見せるのにも、笑う。…しかしコレは、続編を作る気満々と感じさせるばかりで、作品としての完結性を弱めてるなあ。
とにかくセリフとして対立を強調する爺さんと親父に挟まれ、主人公が自分を主張するチャンスが
ほとんど無くなっているのは困りもの。
この映画は、強烈な二人に振り回される、心の弱い少年の話。
オヤジに言われてアッチに行って、ジジイに言われてソッチに行く、その繰り返し。
…そういや大友先生は、こういう「いかにも主人公でござい」キャラより、ロクデナシのオヤジやジジイの方が好きな人なんだよね。
飛行装置を使って展開する、空中戦と巨大ハンド相手のチェイス・アクションを、主人公らしい見せ場にしたかったのだろうが、そもそも戦う理由が希薄。
あの敵達は、緊急事態になってまで彼を襲い、何をしたかったのか?「シナリオの都合」としか。
崩れる城から危機一髪 脱出する見せ場にしても、少年の機転で何とかした訳ではなく親が備えていたスーツに頼っており、不満が残ってしまう。
三つのスチームボールを回収し、全てを備え付けた圧倒的パワーのスチーム・スーツを作り上げ、「僕は必ず、正しい事のために科学を使います」と決心して終わるとかでも良かったのでは。
「この映画を通して、主人公は一つ大人になった」…ってストーリーを語りたい訳じゃない?
それはそれで構わないけど、替わりに何か興味深い事を語れているとも思えず。
スカーレットのワガママさと時折見せる可愛さが、救いかなあ。
といっても、主人公に好意を抱いた理由は何か、とかいう詰めは全然弱いんだけど。
夜の万博会場で主人公とデートをするシーンは、なかなか印象的に描けていたと思う。
色々と出てくる蒸気メカ、「出てくるだけ」のものが多く、活躍ぶりを堪能させてくれないのが残念。
階段でコケるのを唯一の見せ場とする水中蒸気兵ぐらい徹底してくれると、それはそれで笑えるが。
最大のメカであるスチーム城がまた、大きいだけで面白味に欠けている。
『メトロポリス』の超高層ビル・ジグラット並み。
大友監督はメカに、「ドラマ上 負わされた役割を果たす事」だけ求めており、キャラの思い入れや不便さ、意外な使い方などで角度を変えて魅力を彫り込もう、とする意志を持っていない様子。
ところで、万博を台無しにし都市を破壊する大騒ぎ(死者も多数?)を起こしては、いかにオハラ財団が巨大な権益を持っていようと、さすがに後の営業に差し支えそうな……
こういうデモンストレーションは、責任を追及されないよう、もっと上手く偽装してやらなきゃ。
作画も背景美術も非常に高品質であり、手を抜いたような所はドコにも見受けられない。
面白いアクションシーンも、ある事は、ある。
これで お話がもう少し面白く、キャラをあとちょっと魅力的に描けていればなあ……
っていうのは、大友監督が関わった作品でいつも思う事か。
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