ときどき日記 05/10

2005年10月31日 月曜日

 WOWOWで映画『ヒューマン・キャッチャー』を見る。
 ええと、いつだったか感想を書いたと思う、前半はなかなか怖いんだけど後半に到って底抜け馬鹿ホラーと化してしまった、『ジーパーズ・クリーパーズ』の続編。

 今作は、第一作の前半部分が無くなったような構成。
つまり、冒頭から馬鹿ホラーとして飛ばしてくる。
 モンスターって、多少は勿体を付けてから登場してくるモノじゃないか?
タメもヘッタクレもなく、ファーストシーンから ばんばん出てくるとは、さすがに思わなかったんで意表を突かれてしまう。

 モンスターに子供を掠われたオッサンの対応がまたマッド。
嘆くとか途方に暮れるとか無し、警察に通報さえせず、イキナリ自分の車を武装改造してモンスターを追う。
西部の男(だっけ?)は他人の力なんてアテにしない、って?
 しかも、息子は掠われただけで生死も不明なのに(まあ、モンスターは人間をすぐ殺すのだが、オヤジは その習性を知らないはず)、返せトカそういう交渉を略して 出会い頭にブチ殺そうとする気っ風の良さ。
凄い!男らしい!汗くさい!馬鹿!

 物語は、中盤まで学生達が乗ったスクール・バスをモンスターが襲う、シチュエイション・コメディー(いや、一応ホラーか)になっているんだけど、このオヤジがあんまり強烈なんで、学生達なんて どーでも良くなってしまう。
 オヤジの改造車からモンスターに打ち込んだモリを使い、引っ張ったり引っ張られたりを繰り返すのは、『ジョーズ』を意識して?

 モンスターの行動がまた、よく分からない。
 鉄棒で顔を貫かれても何ということ無く抜き取って見せ、余裕で夜空高く飛び去った…かと思えば、真っ逆さまにバスの屋根に落ちてきて気を失う、ってのは凄いのかアホなのか。
 害虫駆除業者の車に やられたモンスターが、害虫そのもののような格好でピョンピョン飛び跳ね始めるのには爆笑。
こんな緊張感のないクライマックスも、珍しいなあ。

 米ではコレもヒットしたみたいだし、露骨に続編を匂わせる終わらせ方なので、まだ続きが作られるのか…
 また、これぐらい笑える内容になるのなら、バカ映画好きとしては見てもイイかな。
いや、映画館にまでは行かないけど。レンタルで。



『Canvas2〜虹色のスケッチ〜』05.「溜息のムーングレイ」

 とにかく地味な内容で、そう特別なイベントが起こる訳でもないストーリーを積み重ねているため、印象として随分損をしているようだが…
 主人公とヒロイン?エリスにはキャラクター性が感じられ、嫌味が無く、関わる女生徒のエピソードにしても、薄味ながらしっかり作られている。

 今回メインだった病弱ヒネくれ少女・朋子は、まず野良猫への対応で登場を印象づけ、「暗い」と揶揄されクラスメートと上手く関われない孤独を見せた上で、主人公の特性である「絵を描く」事を通して閉じた心を解放させていく。
 ここに、教育実習に対して気負う主人公の気持ちと、朋子が描いた絵をクラスメートとして最初に邪気無く認め、喜んで上げる事で開放への一歩を踏み出させるエリス、といった、主役キャラが「主役」たり得る理由を挟むのも上手い。

 作画の派手さや、お色気サービスの量だけで勝負しない、正統派(こちらが異端?)「萌え」アニメ。


2005年10月30日 日曜日

『交響詩篇エウレカセブン』28.「メメントモリ」

 前回に引き続き、ストーリー内容はファースト『ガンダム』の「激闘は憎しみ深く」に準拠。
 愛する男を喪った女性の、狂気を感じさせる特攻攻撃。
「本当、好きだったよ、坊や」に近いセリフがあり、対して、自らの身の危険を顧みぬホランドの防衛もある。
 『ガンダム』ハモンは内縁の妻だったが、レイは成婚済みだった、という辺りぐらいの違い。
 こんなに似せなくても良いと思うんだけどなあ。
いくらか印象を変える事ぐらい、そんなに難しくないだろうに。故意に似せた?

 エウレカへの異様な執着が薄れ、レントンとの仲を認めるようになったホランドの心境変化は、ナニユエ?
もう彼女の気持ちが自分に傾く事はないと知って、せめてその大事なモノ…レントンを守ってやりたい、と思うようになった?
 エウレカへの執着理由が まだ明かされていない事もあり(想像はできるけど)、この変わりようは……歓迎すべき方向なので苛立ちを感じはしないが、十分 納得できる、とはいかず。

 でもまあ、戦いに緊張感があり、通信で必死に呼びかけるレントンへの共感や、ホランドに輸血されたレントン(というか その影にある人物?)の血液に対抗しようと、血を滲ませた唇でキスをするタルホの、レイにも負けない狂気など、キャラの描き方はなかなか上手く、見る価値を感じられる話だった。
 次回はようやく、エウレカの過去に迫るのかな。
もうシリーズも半ばを過ぎてしまって、ようやく、という印象。
 ここまで、余計な部分を切り捨て、せめてこの半分の話数で進めていれば…
と、今更言っても仕方なく。
 ここからは、視聴者の関心を逃さない構成になっている事を願いたい。



 レンタルで映画『The RING2』を見る。
 日本ホラー映画の流れを変えた傑作の、ハリウッド・リメイク第二弾。
監督が、日本版と同じ中田秀夫なのが異色な所。
 主演、ナオミ・ワッツ。

 ハリウッド・オリジナルのストーリーみたいだけど、基本的には日本の『2』と同じような内容。
 う〜〜〜ん、正直、まるで怖くなかった。
かといって、日本人・中田監督の生真面目さが出てしまったのか、弾けた馬鹿ホラーに化けている訳でもなく…中盤以降は少々退屈さを感じてしまう。

 米ショウビズで、一作目を下回る成績に終わってしまったのに対し、「監督の日本人的感性に基づいた恐怖演出は、アメリカ人に受け入れられなかったのか」と思っていたが、違った。
監督の優れた特性を大幅に殺して、米の余り宜しくないタイプのホラー映画に合わせた内容になっているから。
 監督は、派手にドンと見せる恐怖への下準備として、「ゾッとする、見えないイメージ」を積み重ねていくのが上手いと思う。
 それがこの映画では、とにかく分かり易いビジュアルを目指したものか、想像させる怖さは ほとんど無く、CGなど用いてハッキリ恐怖の対象を見せてしまう。
貞子(サマラ)も、姿が確認できてしまうと、『13日の金曜日』ジェイソンなんかと余り変わらない。
 『リング』は、ラストに到っても、気味の悪い瞳のアップだけを画面に表示し何が起きたのか観客に分からせない、その描写の空白こそが怖かったんだけど。

 特殊技術を用いて恐怖シーンを作り出すのは、余程 上手く持って行かない限り、特に昨今の目が肥えた観客には「視覚効果の出来はどうか」という視点のみで見られてしまいがちで、肝心の怖さが薄れてしまい、逆効果に。
ハリウッド的「見せ物」としての面白さを優先しすぎたためか、この映画は まるでそのパターンに嵌り込んでおり、監督の巧さが生かせず、残念。
 ストーリー的にも、母親を愛し・愛されたがる貞子、なんてのは恐怖から遠く、興味を薄れさせる。
『仄暗い水の底から』っぽいし。
 しかもラストは感動でさえ締めず、ママンの極悪さを見せつけてエンド、となると…何を感じ取れば良いのだか困惑させられるばかり。

 面白いシーンや、ハッとさせられる鮮烈なイメージも見られたので、見て損した映画だとは思わないけど…
 監督、次回は日本に帰るか、ハリウッドで撮るなら その要望に振り回されず、あくまで自分の演出を貫いてもらいたいな。


2005年10月29日 土曜日

『ドラえもん』「あやうし!ライオン仮面」「のび太のなが〜い家出」

 前半。
 ただ純粋に次号の漫画を楽しみにしている読者と、七転八倒 生みの苦しみを毎回 味わっている漫画家の視差をシビアに描いた一編。
 自分も、読者の立場「だけ」だった頃には、「漫画家ってシンドそうだなあ」程度の感想しか持てなかったが、現在は他人事と思えず。
こんな場末の、アイディアなんかロクに要らない えっち漫画家でさえ、何を描けば良いのか苦しんだりするんだから、知識量・キャラクター造形力・発想の柔らかさに秀で…頭の構造その物からケタ違いに優れた藤子先生であっても、その苦悩たるや いかばかりであったろうか。
 先生は一話完結の作品が多かったので、「引き」で続けられる無責任な漫画に対する皮肉の意味も込められている?

 読者の興味を引き付けようと無理な展開を続け、構成が破綻して不出来な内容へと堕ちていってしまう作品、割と多くある。
例えば……いや、怖くて例えが挙げられねー(^_^;)。
 余程 良い編集者と組めれば別かも知れないけど…「アンケート成績(単行本売り上げ)が落ちる」と「連載打ち切りの危険性が出てくる」ので、長く単調な展開を続けて盛り上げへの「タメ」にする、なんてのは なかなか難しく。
 全体を俯瞰してみたらガチャガチャになる、と分かっていても、今、この話のテンションを上げ、気になる引きなど設けて読者を離さないようにしない限り、「計算通り盛り上がる予定の未来」になど辿り着けず、数回後の連載枠でさえ確保が難しくなる。
 破綻した物語を前に途方に暮れた漫画家が、オシシ仮面にでもオカメ仮面にでも その場限りの助けを求めたくなるのは、実にリアルな感覚ではあるまいか。

 しかし、「次号の発売日から買ってきてもらった次回作を読み、その通り描いて原稿を載せる」ってのは、強く漫画家としての意識を持ち「何としても原稿を間に合わさなければならない」と考えていた、藤子先生世代であってこその発想だなあ。
 今の作家なら、「次号の発売日に行ったけど、『作者取材のため』掲載されてなかったので読めず、原稿 落ちちゃった」という辺りが実感的のような(笑)。



『舞ー乙HiME』04.「炎の転入生!!」

 アリカ、ようやく学園に編入。
 しかしオトメになるには、男性との肉体的接触禁止、主との生死の共有、といった厳しい条件が付くんだなあ。
処女性を厳守せよ、という条件は確かに「オトメ」って名称に合っているのか。
 まあ、接触によって特別な力を失っても それで死ぬ訳ではないみたいだし、契約を解除して普通の女の子に戻れば済む?
契約の解除は不可能、オトメでなくなった者の生死でも主に影響は出続ける、という事だと、難しい話になりそう。

 前作で、戦う「気持ち」はあっても「力」を持たなかった珠洲城 遥が、ハルカとして、驚異的なパワーを持つオトメになり登場。
倒れかかる船を支えたアリカに皆 驚嘆していたのに、その機体を片腕で持ち上げ空の彼方まで放り投げるとは…作品世界でも馬鹿力だけならナンバー・ワン?
 相変わらず言葉を誤用し、シズルをライバル視するなど、面白いキャラだと思うけど、どうも登場の機会は少なそうだなあ。

 上級生のお姉さま達を甲斐甲斐しく世話する下級生少女。
『マリア様が──』?
 登場キャラクター達は、名前も覚えられないようなクラスメートでさえ可愛く、転がしようによっては十分に魅力を付加できそうで、期待が膨らむ…けど、メインキャラの数だけ数えても相当 居るから、端役は背景に留め、無駄なく時間配分するべきだろうな。

 アリカの入学金はどうなる?ランドリーに置き忘れた彼女の制服は……
何か、イキナリ所帯じみた話になってきたような(笑)。


2005年10月28日 金曜日

『魔法戦隊マジレンジャー』34.「勇気の絆 〜ゴール・ゴル・ゴルド〜」

 仕事しながらチラチラ見ようと思ったのに、すっかり見入ってしまった物語のターニング・ポイント。
 ウルザードが兄妹の父親である、という真相は、子供でも気が付いていたろう。
最初から、特に隠そうともしていなかったし。
 正統派のドラマを、兄姉達の哀惜の情と、一人だけ父親の記憶を持たないが故に激しい拒否反応を示しながら、強い思慕の念も示す魁を通して、熱く感動的に描いてくれた。
父親との記憶が戦った事だけなんて…と叫ぶ魁の気持ちが切ない。

 『スター・ウォーズ』ダース・ベイダーの顛末を見て物足りなかった、純和風「浪花節」成分が満載されたストーリー。
日本人に生まれたシアワセ。

 ウルザードとの決着は、当然シリーズクライマックスに設定されていると考えていたが…
ここで決着?
 ママンが生きている、という真相と、更に強力な敵の出現など、引きのイベントは組んであるけど…
父親の退場は、物語を物足りなくしてしまいそう。
 まだ父に関し、ひとヒネリ仕掛けがある?



 すっかりと不義理を致しておりました間に、カウンターが500万を回っておりました。
 この いい加減なHPに対し、皆様 毎度のご贔屓を頂けまして、真にありがとうございます!
 今後も、より一層 頑張りまして充実したHPにして参りたいと思います、というのを建前に、本当のところマイペースで無理なく、ダラダラと長く続けられるよう余り気負わないで行きたいなあ、などと甘えた事を考えております( ^_^ )。
 宜しければ、皆様の愛想が尽きるまで今しばしの間、お付き合いを。


2005年10月24日 月曜日

 今月二本目の〆切前スケジュールが やって参りました。
 ふと見れば、もうちょっとでカウンターが500万という有り難い区切りを迎える所なのですが、何をする時間も無く、お仕事だけで一杯一杯。
 真に申し訳ありません、金曜…もしかして土曜までは、更新が難しくなるものと思われます。
悪しからず、ご了承下さい。


2005年10月23日 日曜日

『蟲師』01.「緑の座」

 原作は未読。
 実に静かなシリーズの開幕。
こういうパターンだと、最後は蟲とのバトルになったりするモノだけど、そこは避けつつ、不可思議なドラマとして成立させてしまう構成能力に、感心。
 婆ちゃんの半身が蟲になって家にいて…という部分など、余りにもファンタジックで実感に欠け、最初、?と思ったものだけど、見ているウチに絵として納得させられてしまう。

 てっきり少年が主人公なのかと思えば、尋ねてきた青年の方が主人公…狂言回し?なのね。
 それでも、少年の「描いた絵に命を与えられる」という凄すぎな特殊能力から、青年と共に旅立って これから様々な事件に関わっていくんだろうと…一話限りのゲストキャラ?
蟲だという、少女姿で少年の側に付いている婆ちゃんキャラといい、これきりというのは余りに勿体ないような。
 いや、エピローグの雰囲気には反するけど、まだ出てくるかも知れないか。

 人里離れた山奥で、他者には関わらず婆ちゃんと共に生きていく少年。
いつまでもそんな生活に甘んじていられるモノだろうか、成長と共に逃げ出したくはならないだろうか。
 何とも言えない視聴後感を残す お話だった。

 第一話の元になったのは、原作でも読み切りエピソードなんだろうが、きっちりと完結しすぎていて、すっかり「一本、作品を見終わった」気分になってしまう。
 次週への引きは、ちょっと弱いかな。
 「凄くクオリティーの高い第一話を見せてくれた」というのが、十分すぎるぐらい「引き」だろうと言われれば、全くその通りなんだけど。
 当然のように視聴継続。



『灼眼のシャナ』03.「トーチとフレイムヘイズ」

 主人公を、近いうちに命の火が消える「トーチ」だとしてモノ扱いするシャナ。
…しかし、名無しの自分に命名してくれた事はちょっと嬉しい様子。
 教師にもクラスメートにもつれない彼女。
でもメロンパンを食べる時のやたらに幸せそうな表情は、可愛い。
 破損した教室を修復するために、まだ息のあるクラスメートの命を使ってしまおうとする、非道なシャナ。主人公を試すかのように、彼らの代わりに命の火を差し出すか、と問いかけるが…
まるで抵抗無くその申し出に応じる主人公の意外な勇気…純真さ?利害を考えない莫迦さ?に、心を揺すられてしまう。

 今が丁度、いわゆる「ツンデレ」キャラクターとしてのシャナの、冷たすぎず柔らかすぎず、一番美味しい時期なのではあるまいか。
 主人公を、そういう彼女の心を動かせるだけ内容のある男の子として、きちんと描いてあるのも好印象。

 まだ、独特の用語で混乱したりするが、そのヤヤコシイ世界観を用いるからこそ生み出せる「面白さ」が、ぼんやりと見えてきた。
 主人公の内に秘められた「宝具」は、命の火にエネルギーを供給する力がある?
そうすると主人公は不死?
 人の命エネルギーを使う事で超能力(復元能力のみ?)を使うらしいシャナに、その特性を利用して無限にパワーを与える事ができる…とかだと、自身としては戦闘能力を持たない主人公が戦場に居続ける事に、理由付けができるなあ。

 敵ボスと主人公達が対面し、次回からは剣呑な新キャラクターが加わるようで、結構 面白くなってきた。



『交響詩篇エウレカセブン』27.「ヘルタースケルター」

 うーむ、夫妻、キャラの立ち位置としてランバ・ラルに似ている、とは思っていたけど、今回の話の基本はまるっきり「死闘!ホワイト・ベース」だなあ。
自爆の最期まで、まんま。

 厳重な警戒を取るゲッコー号、そこに策略を用いて強襲をかけ、機内に潜入する夫妻。
ここいらの持って行きようは なかなかに緊張感があって、楽しかった。
 いくら何でも生身の人間二人だけで巨大機体の制圧は困難に決まっており、無謀過ぎる作戦だとは思うけど…ホランドとの過去に因縁を抱えているらしいから、プロとして作戦を完遂するよりもガチンコ勝負を優先させた、という事で納得すべきか。
 標的であるエウレカに対しても、何か重く含む感情…憎しみ?があるみたいだし。

 ヘタレなホランドが、対人戦闘に関しては凄まじい能力を発揮。
珍しく格好良い見せ場がアリ、評価を上げられたんじゃなかろうか。
 ダンナの遺体が爆発したのは、ヨメが自分の体内に飲んでいた爆弾を口内へ戻して起動させ、キスと共にダンナへと移したから?
単に、隠し持っていたダンナ分の起爆スイッチを入れただけかも知れないが。

 シリーズも半ばを過ぎて、ようやく物語が大きく動き出した感じ。
 世界が不穏な空気に包まれているとか、これまで余り触れてこなかった事を急に、しかも こんなエピソードの中で語り出す辺り…シリーズ構成が上手く行っていないツケが回ってきているようにも。
 前回、今回と、見応えのある内容が続いた。
停滞期を抜け、ここからはグングン面白くなっていくのだ…と期待したいけど…
 夫妻が姿を消したら、「次」へと興味を引いていく仕掛けは一気に弱くなってしまう訳で、不安。
その後はドミニクやアネモネの頑張りに掛かってくる?


2005年10月22日 土曜日

『BLOOD+』03.「はじまりの場所」

 基本設定は丁寧に説明しているし、オヤジの過去が明らかにされる事で娘・小夜に寄せる気持ちも理解できた。
 …うーん、でも、どうにもこうにも、易しく書かれた「ジュブナイル」「ライトノベル」を読んでいるような気持ちにさせられてしまい…

 魔物と戦う宿命を帯びた主人公が織りなすストーリー、というのは非常に良くあるパターンで、相当数のバリエーションがこれまでに作品化されており、余程独特の感性やキャラクター、アクションの見せ方などがない限り、「どこかで見た話」に思えてしまう。
劇場版では、とにかくアクの強い作画と、スッキリ「しない」ストーリー展開が独自の味になっていたのだが…
 テレビシリーズには(良くも悪くも)そういう引っ掛かりが無く、上品に、常識的に作られているため、どうしても感想が「普通」という所に留まる。

 怒濤の運命の変転、何者かも分からない自分自身…こういう事態を前にして、ヒロインに当然生じると思われる混乱や葛藤が、非常に弱い形でしか表されないのは不満。
 わざと飛ばしているのかなあ?
代わりに派手なバトルの連続で押してきている訳でもなく。
 複雑な設定を背負ったヒロインなので、「描かない方が作るのに楽」だから?とさえ感じられてしまう。

 今回はまた、アクションにも気合いが抜けており、見せ場に欠ける。
 日米地位協定をタテに、遺体を引き渡さない米軍、というような、「物語に深く米軍が関わってくる」所が僅かな独自性。
ここを強調する事で、オリジナリティーを主張するしか。



『ノエイン もうひとりの君へ』01.「アオイユキ」02.「イエデ」

 遅ればせながら、二話連続で見る。
続けて見て良かった、と思える…一話目だけだとホント電波っぽく何も分からないので。
いや、二話まで見ても未来の異世界からやってきたらしいキャラクター達の事情は不明なんだけど、とりあえず子供達の状況や作品の方向性は分かったから。

 一話目、かなりアクの強い作画だが、動きのタイミングも迫力も凄まじい!
クライマックス、異質なモノが迫ってくる恐怖感が実に上手く描き出されていて(演出の力もあろうが)、圧倒されてしまう。
 二話目。
別の作品かと思うぐらい画の雰囲気が変わっている。
こちらはこちらでレベルが高く、とにかく女の子達が可愛く描かれていて嬉しい( ^_^ )。

 精神のバランスを失ったように、息子・ユウに勝手な理想を押し付け、人生を歪めてしまう母親。
ドコにも逃げ場がない、子供時代特有の、親が絡んだ閉塞感が非常に良く表されていて(暴力を振るわずに、子供を追いつめる親がリアル)、異界の戦士達との、危険を孕んでいそうな出逢いさえ、「救い」に感じられてしまう。
 対して、自分の事だけで精一杯になり、娘を放任している(娘に面倒を見てもらっている?)ハルカの母親。
 子供達二人の性格の違いは、こういう育成環境の差によるモノか。

 説明が足りず、よく分からない異未来の戦士達の事情は…
公式HPを見ると、事も無げに説明してある。
 別段、謎にしようってつもりは無い訳ね。
いずれ、本編中でもしっかり語られるのだろうか。

 ストーリーの先行きも、キャラクター達の運命も気になり、問題なく視聴継続。
 鬱な話ばかりにならず、SF的にも子供らのドラマ的にも、面白くなってくれると良いなあ。



『SoltyRei』03.「青の少女」

 養女として登録するため、ソルティを病院に連れて行き、健康診断を受けさせる事になる。
 しかし…銃弾を素手で受け止め、巨大なロボットに生身のパワーで勝つ少女の体データを取らせて、全く無事で帰されるはずがないと警戒しそうなモノだけど…
ロイはまあ、そういう事に余り関心が無いから、と理解しても、ハンターズオフィスの所長ぐらいは気を回し、データを偽造して診断済みにするとか、オフィスの息が掛かった人間を検査に当たらせるとか、対策を講じても良さそうな。
 巨大ロボットや超凶悪犯罪が普通に横行する街だから、多少の事は問題にされないのかな?
それなら、健康診断が必要という設定その物に疑問符。
 結局登録は完了したみたいだけど、診断はどうなった?

 病院の警護にあたりながら、電気室で撃たれた上、ゾクを取り逃がしてしまうロイ。
…本当に有能なハンター?
 まあ、犯人の中に子供が居たという事で、「ロイは過去の経緯から、子供に対して弱い」って設定なのかも知れないが。
 結果的に依頼者の犯罪行為が暴かれたから良かったようなモノの、仕事自体は失敗している、というのも どうか。

 すぐコケるドジなメガネっ子は、登場当初から義賊組織の一員による変装だった?
ドジなのは彼女の地?それとも、メガネっ子のドジさを無理して真似ていた?
どうもよく分からないなあ。
 義賊少女のキャラを立てたいんだったら、変装を解いた後でも一度ぐらいはコケさせないと、上手く繋がらない。
 今回の描きようだと、義賊少女ではなく、今後また出るかどうかも分からない「メガネの病院関係者」をキャラ立てしただけのような。

 などと、ハードボイルドや、シリアスな部分のあるSFドラマとして見ると不満が出るが、クライマックスやオチで示された事により「お気楽コメディー」だと理解するなら、別にウルサイ事を言う必要などないかな。
 義賊少女にロイが、「親の顔が見たい」などと伏線っぽくイキナリ言い出した所を見ると、彼女は探し求めていた彼の娘?
そうだとすると、エラく簡単に再会した事になるけど…



『魔法少女リリカルなのはA’s』03.「再会、そしてお引っ越しなの!」

 今回は、ストーリー上の進展は特になく、これからドラマを進めていく上で必須になる設定の説明と、状況の整理が行われた。
 なので、大きく どうこうと言う事はない…
フェイトが なのは達に向ける、無防備な笑顔は可愛いなあ、とか そのぐらい。

 ご主人様を守るべく、より強い力を発揮できるようになるため、自分達に負担を掛ける改造を要請するレイジングハートとバルディッシュが愛しい。
 無機物が示す無償・無私の愛情は、心を打つ。
 この二つを、一時的に人間体にして見せる演出法もあろう(『ブリーチ』斬月のように)けど、なのはを理解する人間キャラクターは十分足りている事もあり、ここは擬人化せずに進めてくれる方が「独自性」かも。


2005年10月21日 金曜日

『To Heart2』03.「小さなお茶会」

 学級委員長キャラ・愛佳が登場。
 『1』での、メガネ、関西弁、排他的、巨乳と色々キャラクター性が付加された保科智子に比べると、新キャラは薄味。
 人が好くて、つい面倒な事を引き受けてしまう性格付けは、リアルな彼女にするには悪くないと思うけど、アニメのキャラとしては影が薄い。

 書庫のバーコード整理に関し、自発的な作業の継続を主張する所だけは、僅かに印象に残る所だが…
勝手にお茶を入れてくつろげる、書庫の奥スペースを自分の領域として確保していたいための私利私欲に基づいた行動ではないか、と思わせる描き方なのが、何とも。
 図書委員会内の確執も、図書委員長の実利に基づいた言動が宜しくないのは勿論だけど、他の委員が愛佳の強力を認める動機にしたって、「自分達が面倒を引き受けたくないから」に見えてしまい、感心しない。
 要は、全員 勝手な事を言っている・しているだけ、って事?

 突然 教室でピンク髪のキャラと主人公が絡んでいたり、前回と話が上手く繋がっていないように思え、一話飛ばしたのかと思ってしまう。
特に意味無く、ゲストヒロインの視点から物語を始めるのも、どうだろ?
 キャラクターの基本設定は魅力的なのだろうと思うが、それをドラマに織り込む手腕には疑問が。



『フルメタル・パニック! The Second Raid』最終13話.「つづく日々」

 前回まで、重いモノを引き摺りすぎていて、とてもじゃないがこの最終一話だけでまとめきれるとは思えず…実際、今回アタマの部分で虚無的になり、戦いを拒否する宗介を見せてはもう、キレイに終わらせるのは無理だと諦めたが…
 急転直下。
まさか、そして、なるほど。
 そういえばこの作品は、その内側に『ふもっふ』も包み込んでいるんだった( ^_^ )。

 シビアで、シリアスで、ズシリとした物語を積み重ねてきたからこそ、一気にそれらを覆す爽快感が生じる。
 朝日と共に、そして「鉄拳制裁」を持って、宗介に人間らしさを取り戻させていく、感動的で馬鹿馬鹿しい展開が素晴らしい。
 …という感想と矛盾するようだが、これまでのシリアスな雰囲気も凄く良かったので、この ちゃぶ台返しは勿体ないようにも思うけど…そこは、苦労して世界を作り上げてきた製作者だけに許される、自由。

 連れ去られた双子の片割れが、あんな悲惨な形で再登場するとは思わなかった。
 かなめに張り付いていた監視役オッサンの正体は、実は美人のお姉さん…だった訳ね。
外見以上に性格が変わったようだけど、一度死にかけたせいで劇的な転換を起こした?
 恐ろしく強い敵を五機もまとめて、怒濤の勢いで撃破するのは、物語に勢いが付いているので問題なく楽しんで見られはしたけど、ちょっと強さのインフレっぽいかな。
そのケタ違いの戦闘力を背景に、ミスリルでの強気な交渉が行われるのだから、意味ある描写ではあろうが。

 気持ちの良いエンディングからは、途中もう無理だと思われた『ふもっふ』の世界へと再び繋げる事さえ、可能なように感じられる。
 全体に、非常にレベルの高い、見る価値がある、出来の良い作品だった。
感じる不満は ほとんど、製作者の能力への疑問ではなく、こちら側の好みの問題へと集約できるだろう。
 また続編が作られる時も、この出来を維持してくれるよう望みたい。


2005年10月20日 木曜日

『ガンパレードオーケストラ』03.「遠すぎた橋」

 サブタイトルが、クライマックスのネタバレになっているのは如何なもんか…いやまあ、些細な問題だな。

 登場する勢力は大きく三つ…中隊長と それに従う人員側、中隊長に反感を抱く女子二人、あと幻獣達、に分けられると思う。
 これらが複雑に絡まりつつ丁々発止の戦いを繰り広げる…のが理想。
次点としては、誰かが正しく頭良く、他の勢力は間が抜けているように描き、分かり易さを追求する事。
 ところが、実際にはこう出来ていなくて…

 三者三様に問題を抱えており、誰も正しくはなく、間が抜けていて、全員に対し苛立ちを感じさせられてしまう。
 幻獣も、飛行できる個体が居るのなら、他を全部 陽動に使い、その一体だけで空中から一気に橋を攻めさせた方が効率的。
幻獣軍は どこから現れている?もっと橋寄りのポイントから作戦を始める訳にはいかなかったのかなあ?
 このアニメ単体では、主人公達が置かれた状況や部隊の規律、世界の様子から幻獣の設定まで、まるっきり説明が足りていないため、中隊長と女子二人の どちらが間違っているのかも判断し辛い。

 部隊内の不協和音、中隊の危なげな戦いぶり。
それらは既に、第一話でおおむね示された事であり、三話まで繰り返して見せられて楽しい内容ではなく、ストレスを感じてしまう。
 「いずれ、見事なチームワークにより強敵を打ち破っていくようになる」展開でカタルシスを生み出す「タメ」なんだろうと思うけど…
 事件・戦略戦術・キャラクターの個性など、どこかでストレスに見合うだけの「面白さ」を感じさせてくれないと、そこまで見てくれない視聴者を生み出す恐れが。



『仮面ライダー響鬼』36.「飢える朱鬼」

 桐矢の無遠慮な物言いに傷付き、また、今まで自分で気が付かなかった「弱さ」を感じさせられてしまう あきら。
 憎しみで鬼になっては自分を滅ぼす、という辺り、なかなか、あきらの基本設定に沿った鬱屈と成長が描けそうで上手い。

 そういう彼女の心理と重なるように、ザンキの師匠・朱鬼が登場。
鬼を辞めさせられた、というその原因は、魔化魍への…いや、ひったくり犯にも徹底した態度で臨む所からすると、「悪行全般への怒り」が強すぎ、ダークサイドへと進みかけたからか。
 彼女が、怒りのために周囲を巻き込んだ上で、我が身を焼き尽くしてしまう様子を見る事により、あきらの精神状態がまた変わっていく事になるのかな。

 しかし鬼の鎧は、せっかく作ったのにコレ一回限り?
勿体ない気がするなあ。
体力に難がある桐矢に着せてみるとか、使い道はあったと思うんだけど。
 朱鬼も盗むなら、吉野を襲って変身アイテムを、って事でも良かったような…警備が厳重過ぎて無理?

 道を誤った鬼に(あるいは魔化魍に)なる役割は、桐矢のものと考えていたが、違った?
彼は口だけのヘタレな役で終わってしまうのか。



『交響詩篇エウレカセブン』26.「モーニング・グローリー」

 ゲッコー号に帰ってきたレントン。
 ここで、ホランドが何となく受け入れてしまったらキャラクターの不徹底になってしまう所だが、幼児性を剥き出してレントンを認めないという、一貫して矛盾のない困った人格を見せてくれた。
スゲエ( ^_^ )。
 レントンも、「そういうホランドに、なお認めて欲しい」気持ちなど既に無く、船への帰還理由は ただ「エウレカに逢いたかったから」。
むう、実に見事な成長。
 その気持ちを貫いて、殺人や違法行為に対する禁忌の気持ちを持たないゲッコー号から、エウレカ・ニルヴァーシュ(チビ三人も?)連れで出てはどうか。

 レントンの不在をエウレカのフラストレーションとして積み重ね、旅を通じてレントンの心理変化が描かれているので、二人の再会をクライマックスとする今回の話には、カタルシスが演出できている。
 危機一髪の空中アクロバット・ラブシーンは、スピードもハラハラドキドキも感じられ、それ単体としても見所たり得ただろう。

 ただ…戦いにおけるレントンの変化を、「不殺」という形で表すのは善し悪し。
つい最近までそういうロボットアニメが放送されていたので、「またか」と思わされるし。
 殺さず、事態を切り抜けるための、便利な、全くレントンの意図に沿ったニルヴァーシュの「発動」は…今回だけならカタルシスある再会の余波に乗せて許せようが、これ以上繰り返すと危機感を削ぎ、ご都合主義感だけが突出してしまう恐れアリ。

 人と人とが武器を取って戦い、殺し殺される有様を「何となく、足りない思慮で」描いてしまうのは確かに良くないだろうが、その悲劇を回避する手立てを「何となく、足りない思慮で」描くのは、同じぐらいか、あるいはもっと歓迎できない。
 この作品にとって一番大切なのは、レントンとエウレカの関係なのだろう。
なら、それ以外の要素については、取りあえず問題のない範囲までで描き込みを留めた方が良いような。
敵のロボットなんて、全部無人機にして何か支障があったのかなあ?

 やっぱり前回一話は必要なかったように思う。
 決戦の場所・七色雲海は、『ヤマト』の七色星団か。OP・EDにまでドラマが割り込んでしまう、ってのも『ヤマト』で(アニメとして初めて?)やってた。

 これを最終回にして良い内容。
 まだ続ける訳だけど…そうなると、今回もバカバカと軍の船を撃墜し、多数の死者を出したゲッコー号の戦いぶりに、レントンはどうやって折り合いを付けるのだろうか?



『銀盤カレイドスコープ』02.「キーワードはトマト」

 良い子ヒロインなら、ボチボチ取り憑いた男の子の事情に理解を示し、お互いの弱い所や美点を認め合った上で、「これから仲良くしましょうね」状態になっているはずだろうが…
 なかなか、我の強いヒロイン。
体の感覚を共有する霊に対し、どうしても譲れない最後の砦は…という「シモネタ」を、余り下品にならずコミカルに描いて見せてくれ、楽しかった。
 トマトが苦手な男の子への嫌がらせのために、ひたすら食べ続け、結果、トイレに行けない自分を更に追いつめてしまう、ヒロインの お馬鹿さんさ加減には笑ってしまう。

 感覚の共有という設定は、すぐ同人誌ネタになりそうだなあ。
…もう少し本編の作画レベルが高ければ。
あと、ヒロインが「萌え」とは縁遠い性格をしているのも、コミケ受けという観点からは厳しいか。
 強烈なキャラクターを追いつめて、突き詰めて描くだけで、他の何が物足りなくても面白く見られてしまう。
なるほど、そういう作り方もあったのだ、と感心させてくれるアニメ。


2005年10月19日 水曜日

『クラスターエッジ』03.「冷たい銃弾」

 セリフ回しが、良く言えば親切、悪く言えば過剰に説明的すぎ、上手くドラマにして視聴者に理解してもらわなければならない部分まで、言葉だけの説明に終わらせ、それで良しとしているようで、乗れない。
 大量の資料を運ぶ少年が呟く、「全く、アゲートも廊下を走ったのにボクだけ見つかっちゃった。最上階まで全部運んでおけって、罰もまさに〜」という独り言など、いくら何でも上手くなさ過ぎ。
その場で必要としていない情報は、説明しなくて良いと思うんだけど。

 主人公の超能力がよく分からないし、その思考形態も分からない。
 ヘリ二機を撃墜し、恐らくはパイロット数人を死傷させておいて、ヒトサマの殺人を責め立てる気持ちなんて、サッパリ。

 どこにも冴えた部分(楽しく狂った部分)が見られなかった今回も、池田監督がコンテかあ…
 世界設定は面白くなりそうな要素を孕んでいるし、キャラクター達の魅力だって これから引き出されていくのかも知れないが…
 好みに合わない作品を無理してまで見続ける余裕は現在無く、ここで脱落。



『牙狼〈GARO〉』02.「陰我」

 すっかり第一話を見逃してしまった、雨宮 慶太監督の新作テレビ特撮シリーズ。
 とにかくビジュアル面の才能が優れている監督のセンスが全編に展開。
一般層も意識して、少し暴走は抑え気味かな。
 CGと実写の合成、アクションのスピーディーさ、小道具の楽しさ(喋る指輪がイイねえ)、お得意の書き文字など、見る者を引き込む画面へのこだわりは、相変わらずお見事。

 ストーリー…
第一話を見逃したので、分からない所は既存のヒーロー・パターンに当て嵌めて理解してしまったためか、まあ普通。
平成ライダーの新作だと言われても、納得してしまいそう。
 しかし惹かれる要素も多く、ヒロインの個性、ヒーローの人間性と非人間性、出現する怪物のバリエーションなんかが上手く絡まり合い始めると、グッと面白くなるかも。

 取りあえず、画面的な魅力だけで見続けて良いかと思わせる出来。
 後は、やっぱりストーリーの盛り上げに期待したい所。
雨宮監督作品は、その辺に大きな難を抱えている事が多いんだけど…



 すいません、仕事、火曜日に終わりませんでした。
ダメだー!最近 作業ペースが落ちすぎ。


2005年10月16日 日曜日

 色々と番組を見ているけれども、感想を書く時間が取れない〆切前スケジュールに突入。
 次のマトモな更新は、火曜日ぐらいになると思われます。


2005年10月15日 土曜日

『SoltyRei』02.

 狙撃されていて危険な所長ママが、子連れで堂々と買い物したりテラスでお茶したりするのは、まあネジが一本抜けているからだと理解しても、そのボディーガードに付いていながら特に意見したりしないロイは、よく分からない。
超絶の能力…『シティーハンター』並みに撃鉄が起きた気配さえ感じ取れるとか、そういったモノを用いて、どんな状況下でも対象を必ず守れる自信があるからか、と思えば、そうでもなく。
 「不思議な女の子・ソルティの力を見せなければならない場面」なので、「彼女が居なければ危なかった」流れにするのは当然だけど、そこから逆算した態度(指示に従わないなら命の保証は出来ない、という宣言とか)をロイに取らせないと、単にガードとしての能力に欠けた男なのか、それとも所長母子の命をさほど重要に考えていないのか、と捉えるしか。

 凄い力を持つ少女を、ハンター・オフィスが まるで興味無く、施設に引き渡そうとするのも分からないな。
即戦力になりそうだと思うけど。
 未成年者を個人で行動させる訳には…というなら、誰か、捜査能力は優れているが戦闘力に欠ける者の助手(見習い?)にでも付けるとか。
 引き取る審査が厳しいのかと思えば、実にアッサリしたものだし…
ロイが嫌がるなら、所長が引き取ってやれば良いのに。
命の恩人でもあるのだから。
 これまた、「頑なに少女を拒むロイ」「ようやく受け入れを決める事で生まれるドラマティックさ」を演出したかった、その意図は理解できるが、周辺の整備が出来ていないので、話に無理が見えてしまう。

 全体的には、別に悪くない、普通に見られる出来なんだけど、良くも悪くも その「普通」さ故に、放映本数過多の現状では、見続けなければ!と思わせる動機付けが弱い。
 所長母子は好みなんだけどなあ。



『ウルトラマンマックス』16.「わたしはだあれ?」

 冒頭、「記憶」を奪う宇宙怪獣の攻撃で、母親が自分の娘の名前すら忘れている所。
親子の愛情関係を崩壊させてしまう恐ろしさで、ここを突き詰めていくと『ススムちゃん大ショック』みたいな、子供の心に深刻なトラウマを残す、もの凄い話に出来たかも。

 しかし、本編は すっ飛んだ馬鹿話。
ネタ満載で、30分間笑いっぱなし。
 変身の方法を忘れてしまうカイト。
まあ、人間だから仕方ない。
 マックスに変身さえすれば、『ウルトラマン』「地上破壊工作」で洗脳されたハヤタとウルトラマンが別人格だったように、支障なく戦えるのだろう…と思えば、変身後もやっぱり記憶薄弱状態(カイト人格が優勢だから?)。

 ウルトラシリーズで、幾度となくヒーローの危機は描かれてきたが、「戦い方を忘れてしまって、戦力としては恐らく大した事のない怪獣相手に大苦戦」というのは、史上初だろう(人類の気力的危機なら、ヤメタランスとかギジェラがあったけど)。
 うっかり出したマクシウムソードが海に落ちてしまい、トホホな格好で探し、見つけても今度は頭に戻せなくなってしまうマックス。
マクシウムカノン発射のポーズが分からず、次々変な格好をとり試行錯誤する所。
 「修行中の情けなさ」は『ウルトラマンゼアス』でも描かれていたが、既に一人前のウルトラ戦士がこんなにダメダメな姿を晒すと、落差が凄くて、とにかく大笑い。

 どんどんアホになっていくDASH隊員達。
 カレー皿とスプーンを手に現れる長官には、「あっ!」(笑)。
てっきりスプーンを手に変身ポーズを取ってくれるかと思えば、掲げたのはカレー皿の方、という肩すかしが可笑しい。
 そんな彼らを冷たい目で見ているエリーとの、ギャップも愉快。
 戦いの最後も笑いで落として欲しかった気はするな。
意外とマトモ。

 三池 崇史監督は、手掛けたこの二本だけで、ウルトラシリーズに その名前を大きく刻む事になったと思う。
 脚本・NAKA雅MURAによる、シリーズのお約束に縛られないストーリー作りも素晴らしい。
 この面白さが維持できたなら、『マックス』は大傑作!と評価できるだろうけど…
監督の担当はここまでか。
 せっかく上げたテンション、次回以降なるべく落とさないように頑張って欲しい。



『ラムネ』01.「ヤドカリと麦わら帽子」

 ぼんやり、あわあわとした、海辺の街で過ごす高校生 幼なじみカップルの日常。
 二人の関係はすっかり安定しており、そこに波乱など起きる兆候さえ無く。
少女・七海の行動・言動が楽しく、見ているだけで癒されるような気持ちになれるが…
 彼女のキャラクター以外に、次回を楽しみに思わせる仕掛けが無く、ちょっと弱い。
「このまま満ち潮になったら溺れてしまうぅ〜」というセリフには、確かに、脳に刺さるような攻撃力があったけれども( ^_^ )。

 菜園に収穫に行く際、さりげなく主人公を労働力としてアテにしている所。
運搬にはリヤカーを使えば良い、と提案し、気を遣っているように見せながら、実は より多くの収穫物を運ばせようとしている七海母子の、にこやかな笑顔の裏に隠れた「悪女」っぷり。
 日常的なレベルでのコミカルな演出は、なかなか上手い。

 …思えば、七海の行動には、単純な天然ボケと思えない部分がある。
ごく当然のように、収穫の重労働を主人公に押し付け、自分は楽な水まきだけやっているし。
さんざ働かせたのに それは「借り」と言わず、彼女専用のスイカを食べた主人公に対し拗ねる事で、「貸し」さえ作ってみせる策士ぶり(実は専用スイカはいくつもある様子。うっかり食べさせ後で責めんとする罠?)。
 全ては主人公をたぶらかしつつ上手く利用するための、計算に基づいている…?

 まだ、ドコに向かっていく作品なのかも分からないけど、とりあえず母子のキャラクターと、リードしているつもりで いいように操縦されている主人公の今後に期待して、視聴継続。


2005年10月14日 金曜日

『フルメタル・パニック! The Second Raid』12.「燃える香港」

 凹んで任務放棄してしまった宗介。
そういう彼らしくない、珍しい姿が見られるのも興味深かったけれど、ボチボチ復活して欲しいタイミングで、メッセージを送ってきた相手、死んだはずのガウルンが再登場。
 サイボーグ化され より強力になって…とかいう王道の展開も考えられたろうが、ベッドに横たわり(四肢はもう無い?)ボロボロな姿になっても、まだ狂った力強さを見せる彼の不気味さには、圧倒されてしまう。

 副長と対立しても宗介を信じるテッサ、死を目前にして宗介に執着するガウルン。
一方は宗介を信じ活かそうとし、もう一方は全てを奪って殺そうとする(「宗介」を殺し、「カシムとして」生かそうとした?)。
 行動に表れるベクトルは真逆でも、「愛」が介在している関係なのは同じ。

 ガウルンの挑発に負け、彼の体に銃弾を撃ち込む宗介。
はっきりと「殺す」姿を見せるとは…凄い覚悟だなあ、スタッフ。
 てっきり まだ折り返し地点かと思えば、次が最終回?
描き残している事、もの凄く多いような。
上手く まとめられるんだろうか?
 とりあえずバトルに決着を付け、諸々の取りこぼしは次のクールまで引く?



『パラダイス キス』01.「アトリエ」

 フジテレビが深夜枠で、『ハチミツとクローバー』に続いて試行する、「子供向けでもオタク向けでもない、一般(女性?)向けアニメ」第二弾。
原作は未読。
 絵柄からすると苦手な内容っぽいなあ…と危惧していたが、見てみれば普通に楽しめる、きちんと作られた第一話。
作画の雰囲気や世界の捉え方など、小林 治監督の前作『BECK』とよく似ている。
 キャラの崩し顔が、オタ向けに、いかにも可愛く描かれている「訳ではない」のが、新鮮。

 最終回まで見ると思うんだけど、良い出来だった『ハチミツとクローバー』の感想も書かなかったように、これもオタ視点からは どうこう言い辛い作品になりそうなので、見るだけに留める公算が高い。



『SHUFFLE!』13.「斜陽の家」

 キャラクター各個人を彫り込むエピソードが重ねられ、開幕当初 不満が残る内容だったこの作品も、楽しく見られるようになってきた。
 無表情低血圧少女・プリムラが、魔界に連れ戻される、というのが現在進行中のイベント。
これでクライマックスになるのかと思えば、どうも全2クールらしく、「中盤の山場」という事になるみたい。

 プリムラが「家族」としてどれだけ大事だったのか、実感させてくれる部分が弱く、彼女の不在と深刻な病状に対し、取り乱してしまう主人公達の行動に もう一つ重みが足りず。
まるで無い訳ではないので、ドラマを展開するのに致命的、という程ではないのだが。

 そういう不満を除けば、キャラのリアクションなどは よく考えられており、真面目なストーリーを支える事が出来ている。
 プリムラの病状を知らされていなかった主人公が、その理不尽な運命への怒りを、先に知っていた異種族娘二人に八つ当たりで ぶつけてしまう所。
典型的ダメキャラの行動だなあ、と思ったが…すぐに主人公は自分の愚に気づき、謝る。
おお、マトモだ( ^_^ )。
 どうも「話をドラマティックにする」方法を、「キャラクターが感情にだけ任せた馬鹿な行動を取る」事に求める作品が多くて辟易していたので、このマトモさには感心。

 主人公がついたウソを瞬間に見破る楓、という辺りも、絆の深さ(付き合いの長さ?)を伺わせて上手い。
 鬱な展開なんだろうけど、余り重く感じられないのは、事態がスッキリ解決する先行きが ほの見えるから。
 次回、ネリネとプリムラの過去が明かされる辺りで、結構ダークな話になる?
チラリと、主人公が抱える暗部に触れられているけど…これもいずれ しっかり明かされるのかな?


2005年10月13日 木曜日

『灼眼のシャナ』02.「灯る炎」

 独特な世界観を、何も知らぬままそれに巻き込まれた主人公の視点…というか延々と続く疑問ゼリフと、シャナによるこれまた長い返答を通して、説明した。
 こういう基本設定を、無用な「謎」にしないで、早い段階で視聴者に理解してもらおうとする姿勢は正しいと思うんだけど、とにかく長くて。
 「凝った設定」を作ると、どうしても作中でこうして長い説明をしなければならなくなる。
説明部分は、キャラやアクションを見せるより お客様を退屈にさせやすく、そこを演出で面白く見せる、という芸当を実現するには非常に高度な作劇能力が必要。
 そういう所が、一昔前まで(今はそうでもないと思う)、新人漫画家が持ち込むSF作品に編集者が渋い顔をした理由だろう。

 主人公だけが特別な「ミステス」である、という部分にはまだ説明が足りないが、「トーチ」と呼ばれる特殊な概念については、今回後半をまるまるかけ、ドラマを急がずアクションも控え、「トーチ」の少女が消え去るまでの様子を細かく見せていく事で、見ている側に納得させた。
 まあ親切な作りだと言えるけど、このぐらい凝った・大きな設定がまだ いくつもあるようだと、全13話なら、説明に追われるばかりでストーリーが進展せず終わってしまいそう。
用語解説を見ていると、ちょっと不安になってしまったり。
 次回はドラマがメインみたいなので、大丈夫かな。



『ARIA The ANIMATION』02.「その 特別な日に・・・」

 灯里達に勝負をけしかける晃。
コレはさすがに盛り上がる、親友同士 全力でのゴンドラ・チェイスが見られるんじゃないか…などと思ってしまった自分は、まだこのアニメの見方がまるで分かっていなかった。
 勝負は途中で放棄……というかそもそも勝敗を決する事を、誰一人求めていないレースだったからなあ。

 猫を「社長」呼ばわりしているのはこういうSF的設定があるんじゃないか、とか書こうと思えば説明され、アクア・アルタというイベントはつまりキャラクターの心情とこのようにリンクを…などと読み取ろうとすれば、これも劇中で分かり易くセリフにして語ってくれる。
 あらゆる意味で、構えて見る必要が全くない、ゆったり、のんびり、作品から醸し出される居心地の良い「空気」を ただただ楽しめば良いアニメ。
 …何かエラソーな事を書いてみたい感想サイト(ウチ)にとっては、扱いに困ってしまう内容( ^_^ )。
 もう言える事は…アリシアいいなあ、とか、灯里の崩し顔が何とも、とか、そのぐらい。

 高い作画品質と美しい背景、退屈させず しかしせっかちにならない絶妙な演出の「間」。
各パートに優れた才能が集まって、初めて面白く見せる事が出来る作品。
 このまま、どこかが破綻せずに最後まで見せきってしまえたなら、それは「奇跡」と言って良いだろう。
いや、「信じられないぐらいスタッフが頑張った」と表現すべきだな。



『魔法少女リリカルなのはA’s』02.「戦いの嵐、ふたたびなの」

 前回ラストで、なのはを守るべく劇的に現れたフェイトだが、敵の猛攻の前に、苦戦。
 30分目一杯 続けられる空中戦、集団乱戦ならではの魔法を使ったバトルの組み立てなど、実に見応えのあるお話。

 今回一番の見せ場は、やはり傷だらけのレイジングハートが、自分を用いて結界を壊せと なのはに訴えかける所。
身の危険を顧みず、マスター・なのはを信じ、そのために全てを賭けようという けなげさには、泣ける。
『ナイトライダー』ナイト2000に通じる魅力。
 こういう、人と姿形から違う無機物に思い入れられるのは、男の子の特質かも。
車やバイク、鉄道に過剰な愛情を持つ割合は、男の方がずっと多いのでは。
 女の子が思い入れるのは、人形や縫いぐるみ。
少女向け魔法アニメでヒロインの相方に付くのも、動物や妖精であり、無機質な「物」と友情を結ぶ作品は、余り無いような。
 男の子の方が、より不合理なロマンチストである、って事なのかな。
そして、やっぱりこのアニメは「男性向け」なのか。

 まだ体調が戻らない なのはが、砕けかけたレイジングハートと共に放とうとする渾身の一撃へのカウントダウン。
それだけでドキドキだけど、遮って なのはの胸から空間を歪めて繋げた敵の腕が伸び、更に危機感を盛り上げつつ、そんな状態で なお結界を破るべく魔力を集中し…
 サービスしすぎだなあ( ^_^ )。

 まだ、今期の敵の設定など色々と分からないが、とにかく開幕二話のパワフルなアクションにより、視聴者の心は掴めたと思う。
 次回はちょっと落ち着いた話になりそう。


2005年10月12日 水曜日

『ガンパレード・オーケストラ』02.「アウトブレイク」

 う〜ん、このアニメは、前作『ガンパレード・マーチ』のゲームともアニメとも違う世界観…切り口で進めようとしているのかなあ?
主人公である中隊長の所属している部隊が、せいぜいで お気楽なクラブ活動の仲間達、といったレベルで捉えられているんだけど。
 『極上生徒会』でも、もうちょっと各員に、自分は会を構成する一員であって円滑な運営のため努力・協力しなければならない、という自覚があったような。

 このアニメで描かれているのは、あくまで「平和な世界での部活動」なのだ、と考えれば、だらけたクラブに活を入れようと教師が送り込んできた厳しい新部長に対し、部員が猛反発を感じる、といった図式であり、別に不都合はない。
 ただ…そうなると、破壊された町や墜落したヘリ、幻獣の脅威など、シリアス気味に思える仕掛けとの間に、齟齬が。

 中隊長の指揮ぶりも、「彼女の言う通り全員が動いていれば戦果を上げられたろうに」と思わせてくれるようなものではなく、感情的、発作的な思考に感じられる。
指揮官がダメ、部下もダメ、では、ちょっとストレスがキツい。
 全員揃って使えない部隊が、次第に息を合わせ、成長して強くなっていく…そういう作品もアリだけど、その場合は、キャラの個性とドラマの強力な面白さで視聴者を引き付けなければ。
 次回、行われるのだろう幻獣戦に期待…するしか。



『クラスターエッジ』02.「ベリルの剣」

 主人公アゲートの、奇跡みたいなのを起こす力が見られたけど…先週は脆くも撃墜されていたよね。力の発動は不安定?
 その奇跡の表現も、居眠り運転で崖に突っ込もうという車の前に立ちはだかり、声を掛けて止めようとするが止まらず、車は崖から飛び出してしまったものの無傷で着地しました…という、どの辺に力が働いたのかよく分からない見せ方。
結局事故を防ぐ事は出来なかったのに、主人公に感謝している車の運転手の気持ちも、分かり辛い。
 池田監督がコンテを担当しているにしては、驚くぐらい演出が下手だなあ。

 同じく監督が書いている脚本も、キャラのセリフが異様に説明っぽかったり、その割にはシーンに応じた心情を表せていなかったりで、どうにも上手くない。

 今回の見せ場はやはり、ベリルが「不思議な力」によって右腕の感覚を取り戻し、試合に勝利していく所にあったのだと思う。
しかしこの驚異的な復活に対し、ベリル自身も、相手の生徒達にも全くリアクションが足らず、見ていると、彼が甘えて勝手に右手が動かないと思い込んでいただけ、なんじゃないかと思えるぐらい。
 勝利の試合模様が止め絵だけで瞬間に終わってしまうのも(製作事情は厳しいのかも知れないが)、大きくカタルシスに欠ける原因。

 二話目にして作画も冴えず。
 ココまで来て女性キャラは「お母様」一人しか出ない・出さない、徹底した「ホモくせェ〜!」姿勢はそれはそれで良いとしても、とにかく男の子達に魅力が足りず、同人誌でネタに使ってくれそうな格好良い、あるいは狂ったセリフを吐く訳でもないので、ネタ元としても余り出来が良いとは思えない。
 キレイな男の子を並べておけば、女性アニメファンはそれだけで喜ぶだろう、って甘い考えは感心しないな。

 一応、来週まで見ようかと思うが、次もこの調子だったら そこまでに。


2005年10月11日 火曜日

『Canvas2〜虹色のスケッチ〜 』02.「マンダリンオレンジの再会」

 主人公の幼なじみである霧が登場。
 …一話目で妹みたいなキャラを紹介し、二話目でもうちょっとアネゴ肌な女性を出す、という意味では、『To Heart2』と同じ構成だなあ。
アネゴの方が どうしてもキャラとして強くなってしまうので、せめて妹の方は登場順位だけでも先にしてやらないと、影が薄くなりすぎてしまう、って事情?

 エリスと霧が主人公を巡って起こす、火花を散らすにらみ合いが楽しい。
他者には迷惑を掛けず、主人公の昼ご飯を互いに競い合って横取りし、全部食べてしまう、というような形で、彼の精神状態だけを追いつめていくのは真に結構( ^_^ )。
 エリスは、陽気な現在の姿から想像も付かないような、重い過去を持っている様子。
病室の彼女にいつも主人公が描いてきてくれた絵、それが今のエリスに絵を描かせる動機付けになっている…なるほどねえ、それでタイトルも『Canvas』と。
 霧との学生時代の関わりも ささっと紹介され、女性二人と主人公の位置関係が大体分かった。
 地味だけど、真面目にドラマを積み重ねようという姿勢が見え、好感の持てる作り。

 眠る主人公にキスをしようとして寝返りでかわされ、諦めて隣で眠るエリス、実は眠ったフリで意図的に唇を避けていた主人公。
 安定せず、波乱の可能性を孕んだ関係である事を示し、変化への期待を感じさせるのは、上手い。

 しかし、毎回感心するのは予告のコメント( ^_^ )。
 天然不思議系少女の事を、「予測不能な女の子はね、長〜く付き合ってると、疲れるよ」と切って捨てるエリス。
 鋭くて、笑ってしまう。
恋愛は「イベント」だから、そういう女の子相手でも楽しく過ごせると思うけど、長い付き合いになり「生活」が関わってくると、安定しない関係はウザったくなるだろう。
 でもまあ、そう語るエリスのキャラクターも、「予測可能」かどうかは疑問だが。



『To Heart2』01.「新しい制服」02.「おさななじみ」

 大ヒットした『To Heart』の続編ゲームをアニメ化。
『2』は未プレイだが、伝え聞く限りゲーム内容の評判は良いようだったので、期待して見た。

 第一話。
うーん、普通。
 主人公が妹属性 全開の近隣少女と過ごす日常を淡々と追っており、特に事件と呼べるものは無し。
事件といっても殺伐としたモノを起こす必要はないが、兄妹の関係を続けていく事に「主人公が不満を持っている」「妹が不満を持っている」、または「迫る引っ越しや、妹かその家族の病状悪化など、制限時間を区切ったイベントの提示」「ライバル乱入の可能性を匂わせる」等々、何かしら変化の可能性を示し、先を気にさせる物では?
 二人だけで一夜を過ごし、一緒のベッドに寝てさえ お互い何も意識しない健全さを見せられては、どうも先行きへの期待感が薄くなってしまう。
この一本だけで、もう完結した話のよう。
 作画的には、悪くはないけど良くもないレベル。

 第二話。
 知力・体力・精神力ともに主人公達より遙かに秀でた「お姉さんキャラ」・環が登場。
弟を使って主人公に仕掛ける奸計、強引な行動力とアプローチ。
今後、物語を動かしていくのは主人公ではなく彼女になるのではないか、と予感させる強烈さ。
 所々に見せる主人公への気持ちが絡んだ「弱さ」みたいなのも良いし、彼女が出た事で作品がグッと面白くなった。
…代わりに、妹少女・このみの影はすっかり薄くなってしまったけれど。

 作画は、一話に続いて冴えない。
大きなタイトルなのだから、もうちょっと気合いを入れてくれても…
 とりあえず、環への期待感で視聴継続。
でも、しばらくは一話ずつ一人のヒロインをメインに据え、紹介していく構成になるのかな?


2005年10月10日 月曜日

 最近見た、途中で挫折した映画。
 WOWOW録画の『スターシップ・トゥルーパーズ2』
 前作の派手さを期待していると、冒頭の使い回しCGや、バグと人間を全く別の画面に映し続ける手抜きぶりに、思い切り拍子抜けしてしまう。
 「アホな話を、もの凄い予算を注ぎ込んで本気で撮る」のが魅力だった前作から、「もの凄い予算、本気で撮る」の部分を削り取った映画。
 20分ぐらいは見たと思うけど、ストーリーがB級どころかC級映画のパターンに入ってきたので、挫折。

 同じくWOWOWの『感染』
 とにかく、ホラーとしては全く怖くないのが致命的。
悪趣味な映像はあるけど、それにしたってパワー不足。
 じゃあ笑えるような馬鹿馬鹿しさがあるかというと、それも中途半端。
経営に困っていて医者も看護婦もボロボロで医療品だってロクに無い病院に、患者がガンガンやって来る、というシチュエイションそのものがギャグといえばギャグなんだろうけど。
 これも20分ぐらいは見たと思うが、そこまで。

 CSで放送していた『悪魔の毒々モンスター 毒々あにめいしょん』
 『毒々モンスター』は、その壮絶な下らなさが好きな映画。
 アニメになっていたとは知らなかったな…と思い見てみたが…
これ、テレビシリーズなのね。
いかにも米アニメシリーズだなあと思わせる、安っぽい悪役キャラが一杯設定されていて、そうなると毒々モンスターもアメコミ・ヒーローの一人に見えてくるから不思議。
 気合いの抜けた作画、毒が無い内容で、5分ぐらい見て「一応アニメがあると確認した」所で終了。



『D.C.S.S.〜ダ・カーポセカンドシーズン〜』15.「歌声を届けに」

 ことりが主人公を思い切る話、続き。
 苦しむ彼女に対し、ウソをついてまで連れて来、楽しかった「音夢が居ない」状態の我が家を(ことりの精神状態を)再現しようとするアイシア。
…悪意から出た物ではないと分かるけど、結果的には傷口に塩をすり込むだけの酷い行いに。
 まあ、アイシアの気持ちは視聴者と非常に近く、このシーズンでの登場以来まるで好意を持てず、主人公とバカップルぶりを発揮するばかりの音夢よりか、ことりを応援したくなるのは、十分 理解できる。

 家庭的な ことりの方が、結婚相手に向いていると思うけどなあ。
逆に言えば、音夢ぐらい厄介な方が、恋愛するには向いているって事か。

 しかしアイシアも、ことりが告白したとして、想いが成就する可能性はゼロだと分かりそうなモノだけど。
 やはり気持ちを言葉に出来ない自分の弱さまで含め、彼女に託してしまった?

 物語の作りとして、ことりは けなげであり哀れを誘い、イメージを上げられたと思うが、代わりに主人公と音夢のペアが大きく評価を落としてしまった(音夢さえ居なければみんな幸せだったのに…と感じさせる持って行きようで)。
それは、製作者の意図に沿った成果なのだろうか?
 この後、クライマックスに向けて大きな障害を設定し、主人公がそれに「音夢と一緒に居るからこそ」立ち向かえ、乗り越えていける様子を見せる事で、ことりにも、視聴者にも、これがベストカップルなのだ、と納得させてくれる展開になる…のかな?


2005年10月9日 日曜日

『仮面ライダー響鬼』35.「惑わす天使」

 うわー、ザンキさんがー!ザンキさんがアホなオッサンにぃぃぃー!
ヒビキじゃないけど、「え────」と声が漏れっぱなし。
 やっぱり積み重ねがある分 崩すと面白いキャラだったのは確かで、笑ったんだけど、凄い笑ったんだけど、笑ったオノレも含めて複雑な気持ちに。
 まあ、まあコレが新たなザンキのキャラクターとして定着するようなテイタラクにさえならなければ、「明日夢のミュージカル」と同じように捉える事にして、許すべきか。

 トドロキに続き、イブキまで、割と しょーもない恋愛関係の行き違いから戦えなくなってしまう。
 むー…心理面が異様に弱いのは、まだ新人だから、と思えるトドロキだけに留めて欲しかったなあ。
マトモに鳴らないイブキの音撃武器、そのおかげで海に放り込まれてしまうヒビキ達(よく撮ったなあ こんなシーン)、とか、ギャグ話としての流れは面白かったんだけど。
 子供にとっては、「私生活で何があろうと、仕事は仕事できっちりやり遂げる」より「好きな子にはとにかく弱い、すぐダメダメになっちゃう」という見せ方の方が、分かり易いのかな。

 どうせやるなら、ヒビキの弱さまで晒して欲しかった。
彼も恋愛関係には疎いと思うのに、トドロキの相談に的確な応えをするのは、ちょっと違和感。
ヒビキとザンキのアドバイスを入れ替えても良かったぐらい。
 いや、ヒビキもそんなに鋭い事を言っている訳ではなく、ごく常識的な内容を喋っているだけなのだが、中学生(小学生?)並みのメンタリティーしか持たない人間が揃った鬼の中では、浮いてしまう。
 明日夢には「少年」相手だという事で優しく接するが、同じ鬼にはプロフェッショナルとして強くある事を当然のように求めてしまう、そういう自分の「強さ」が、「鈍さ」「無神経さ」「弱さ」に繋がっていると、ヒビキは自覚できたのかな。

 文句はあるけど、手打ちうどんで誠意を見せるトドロキの無骨さと、日菜佳の涙。
二人とも、お互いを実物より遙かに高く評価している所、「光り物」という言葉への理解が実はあんまり変わらない所で、「お似合い」な微笑ましさを感じさせてくれる持って行きよう。
悪くはない。
 イブキと明日夢のエピソードについては、「誤解」っていうそれだけで簡単に済ませており、ナニだけど。
明日夢は特に、せめて自分で事実確認する意志の強さが欲しかった。
全部ひとみのお陰で誤解が解けました、では弱い…まあ、彼はそういうキャラか。
 ヒビキは、何でも分かる(これもフツーの女性レベルだと思うが)みどりに対し、何か新たな気持ちを抱いたのかな?

 取りあえず、長く引かずにグダグダが終わったのは良かった。
 しかし…みんな収まるべき所に収まったのだから、ザンキにもイメージを戻す、締めのエピソードが欲しかった!
投げっぱなしかぁ!(;´д⊂)
 次回、彼メインの話になるみたいなので、それが面白くさえあれば、まあ…
 予告に変身忍者嵐が出てたような…どーゆー役割なのかな?



『銀盤カレイドスコープ』01.「100億ドルの女」

 『カレイドスター』の続編かと思えば、全く関係ない新作。
 第一話にしては作画が冴えず、演出にも飛び抜けて優れた所は見当たらないが…
大きく原作の力に寄るのだろう、ヒロインの、傲慢で反抗的でバイタリティーに溢れた性格付けが面白く、それだけで見入らされる。
自分に取り憑いた霊を追い出すのに、「感覚を共有している」所を突き、徹底して自分の体をイジメ抜き嫌がらせをする所など、呆気にとられ、笑ってしまう。
 やっぱり何より、キャラクターが大事なんだなあ。

 彼女の魅力に賭けて、しばらく視聴継続。
しかし、本当にそれだけ…の状態が続くと、厳しくなってしまいそう。



『交響詩篇エウレカセブン』25.「ワールズ・エンド・ガーデン」

 う〜〜ん、今回の話の存在意義って、何?
他者の愛情関係を見て、レントンがエウレカへの気持ちを再確認する事?
 でも、前回 既に彼の動機付けは十分に出来ているからなあ…
 これは余談、もっと言えば、せっかく前回付けられた物語の勢いを殺す役にしか立っていないような。
 この作品は、当初の予定よりも話数を増やされてしまった、と聞くが、その弊害?
水増ししたいなら、前回の夫妻の元で もう一エピソード重ねて良かったはずだし、どうしても今回の話を入れたいなら、せめて夫妻と順番を入れ替え、ゲッコー号を飛び出したレントンが最初に出逢うイベントにすれば、勢いを落とさず済んだような。

 世界の説明をまるでしていない悪影響が、アチコチに。
 絶望病って何が原因で起こるどんな病気?
パイルバンカーって何だっけ?地殻を安定させてる?
それが無い方が良いって、今回の兄ちゃんの思想は「なるほど」という物?それともかなり異端な考え?例えばアーミッシュみたいなもの?
 そういう下敷き無しに、兄ちゃんのテツガクを語られても、はあそうですか、としか。
 今回の二人は意味ありげだと思うので、また出てくるのかな。



『BLOOD+』01.「ファーストキス」

 劇場用作品として作られた『BLOOD THE LAST VAMPIRE』の…続編?同一世界のその後?アナザーワールド?という作品。
 映画は…クオリティーの高い作品だったのは確かだし、ハッとさせられる鮮烈な演出も多々見られたけれど、個人的に「面白いアニメ」とは言い切れず。

 で、このテレビシリーズ。
 映画での寺田 克也先生の強烈なキャラクターデザインから、無難な、今風のキャラに変えられ、それだけで全体の雰囲気が まるで違ってしまう。
初見の印象が薄くなったとも思えるけど、一本で完結する映画ではなく、毎週放送するテレビ作品、という事を考えると、このぐらい見やすいキャラの方が良いのかな。
 イキナリ、少女が女子供に斬りつける血だらけのシーンから始まり、TBSは『機動戦士ガンダムSEED』でもそうだったけど、夕方の時間帯であって深夜枠じゃないから…とかいう規制は緩いんだなあ、と変に感心。
 妙に百合っぽく艶めかしい少女達の絡みにドキドキ。

 「大切な日常」「ヒロインと、彼女に繋がるキャラクター達」を手早く見せ、学校で、それらを脅かす魔物と遭遇するまで、この第一話で描いて見せた。
作画レベルの高さもあり、発端としてはまず不満のない出来。
 …だけれども、吸血鬼物や、超常の能力を持つ少女が悪しきモノ達と戦う作品は、これまでにも様々なジャンルで、かなりな量ある。
この作品ならでは、という味をどうやって出していくつもりなのか、興味深い所。

 問題なく視聴継続。
面白くなってくれる事を期待したい。


2005年10月8日 土曜日

『ウルトラマンマックス』15.「第三番惑星の奇跡」

 先週の予告からして これまでと異質で、期待していた三池 崇史監督作。
 宇宙から落下してきた謎の物質に対し、DASHがいきなりナパーム攻撃を行い、焼き払おうとする所あたりまでは普通で、こんなモノなのかな、と思っていると…

 怪獣が出現してから展開するバトルの迫力とスピーディーさ。
 どんな攻撃も模倣して反撃してくる怪獣、という設定を駆使して、マックスの苦戦が描かれる。
コナゴナに破壊してもより強力になって蘇る、設定的な強さに加え、続けざまに放ってくる攻撃の凄まじさで、視覚的にも「恐ろしく強い怪獣」だということを証明。
…この強さ、ゼットンの時に見たかった…!

 目が見えず、楽器を演奏する事だけが生き甲斐となった少女。
彼女は、その演奏会が開かれるはずだった公会堂を怪獣に壊されて、なおその側に近寄り、ピッコロの音を聞かせる。
 殺すか殺されるか…憎しみだけで形作られた怪獣の心と体を、少女の美しい音楽が溶かし、変えていく。
どうにもならない理不尽な運命を、怒り嘆き否定するだけで終わらず、受け入れ、共にあろうとする者だけが掴める「奇跡」。
 ほろほろと泣ける泣ける。

 いつもアホみたいに扱われているDASH隊長なのに、今回に限っては含蓄のある言葉を連発しているのが、何とも。
最終的に、「DASHの攻撃が、この悲劇の引き金になった」事を反省して欲しかったな。
各話バラエティー形式とはいえ、問答無用の攻撃を反省し、怪獣や宇宙人との共生を目指すようなコメントを付けさせると、今後の話が作りにくくなる、って事情もアリ?
 旧ウルトラシリーズだったら、防衛軍上層部が人類最後の望みを賭け、最強で過剰な破壊力を持つ兵器を怪獣に向け発射する、そのカウントダウンがドラマに重なったんじゃなかろうか。

 醜く恐ろしい怪獣の第二形態、業火に沈む街、その中をさ迷う少女。
「しーっ」というジェスチャーが妙に可笑しいマックスも含め、ビジュアル演出面でも強烈な印象を残す、価値ある一本だった。
 来週も同監督の手によるモノで、今度はコミカルな内容っぽいので、楽しみ( ^_^ )。



『地獄少女』01.「夕闇の彼方より」

 タイトルから、『撲殺天使ドクロちゃん!』みたいな悪ノリギャグアニメの可能性もあるなあ、と思っていたが、到って真面目、シリアスな内容。
 怨みを持つ人間が、インターネットのサイト「地獄通信」から、憎い相手を地獄に堕としてくれと依頼すると、地獄少女がやってくる。

 『鬼太郎』への通信方法は妖怪ポストだったが、郵政民営化のご時世(関係ない)、新世代の復讐依頼はインターネットを通じて割とお手軽に行われる。
それだけで いつの間にか地獄送りを遂行してくれるのかと思えば、依頼者と直接顔を合わせてデメリットの説明と意志の最終確認を行う事になっているようで、そこは やっぱりアナログ。
 悪役女の子が見せるイジメのテクニックが、周到で憎々しく、面白かった。
それに比べると、地獄少女らが復讐のため彼女に味合わせるホラー風味の恐怖は、手法が古く(振り返るとのっぺらぼうで…なんて古典怪談の世界)、こんなので怖いかなあ?と疑問になってしまう。
 想定視聴年齢層が低い?だから本気で怖い描写は出来ないのかな?
 最終的には地獄に送られるみたいだから、そこでもっと絵にも描けないような苦痛を与えられるんだろう、と考えるべきか。

 ストーリーは各話バラエティー形式で、面白くなるかどうかは今後、追いつめられた人間の事情と悪役の造形、復讐の見せ方にどれぐらいアイディアを詰め込めるか、に寄る。
 ボソボソと喋る地獄少女のイメージは、好み。
「イッペン、死ンデミル?」という、決めになるのだろうセリフの言い方にはゾクゾク。
彼女のキャラクターで押していく手だろうな。


2005年10月7日 金曜日

『SoltyRei』01.「オーロラの降る街」

 凶悪な事件が続発し、巨大なロボットが横行する街で、行方不明の娘を捜しつつ賞金稼ぎをする中年男。
彼の前に、驚異的な戦闘能力を持つ不思議少女・ソルティが現れ…
 というストーリーは、どのパートを取っても「よくある話」で、新鮮味が感じられない。
 男のキャラ、それに対する少女の性格付け、事件の内容、世界の切り取り方、アクションの演出…何でもいいんだけど少しは独自性がないと、全体的な出来は悪くなくとも、アニメ本数過多の現状では「次回も必ず見なければ!」と思わせる動機付けが弱くなってしまう。

 中年男の設定から、「ソルティの中に娘の記憶やDNAデータが使われている」あるいは「洗脳・改造された娘がいずれ敵として出てくる」というような展開が考えられるかな。
 ソルティが妙な髪型をしているのは、まあ お約束と理解しても、耳にあたる部分の髪の毛が感情変化と共にピコピコ動くのが、ちょっと安っぽいような。
 ハンター・オフィスを経営する ぼんやりママと、しっかり者の娘が、個人的に期待できそうな要素( ^_^ )。

 あと数話見て、どれだけ面白さを感じさせてくれるかにより、最後まで見続けるかどうかを決めたい。



『こてんこてんこ』01.「こてんこがまてんこ?」02.「こてんこは未来の王様!」

 このキャラクターデザインはどうか…と思ったけど、女王様は美人見えるし、動いてみると それはそれで特に抵抗ない。
 問題はストーリーの方。
いや、これもファンタジックな内容で、貶すような物ではないと思うが、「子供向け」というより「幼児向け」の雰囲気。
 いい歳の人間が喜べるようなヒネくれた所も、異様なクオリティーの高さも無いため、取り立てて見続ける理由を感じられず、ここまでに。



『舞-乙HiME』01.「ユメノ☆アリカ」

 魅力的なキャラクター、ギャグやアクションで見られる切れ味鋭い演出と、最後まで崩れない凝った作画で、鬱すぎる終盤とブン投げてしまった最終回以外…いや、そこまで含めても満足度が非常に高かった『舞-HiME』の続編。
設定やキャラの一部のみ共通したアナザー・ワールドの物語か?
 前作で見覚えのあるキャラが出てくるのは素直に嬉しいけれど、役割や性格付けにまでイメージを重ねて良いのかどうか分からず、無用に混乱させられた部分も。
 どちらかというと前作を忘れ、ゼロの状態から見た方が入りやすい第一話だろう。

 ヒロイン・アリカのキャラクターは…
早計だが悪気無く、アリンコ扱いされるのが嫌い、という程度しか まだ分からない(十分?)。
 エリートっぽく、つれないニナと絡ませる事で、性格の違いを際立たせられている。

 隣のビルに飛び移り損ねて落下する姫を救出してからのアクションが楽しい。
 絶対服従を求める高圧的お姫様に対し、素直に従いつつ内面では相当な反感があったらしく、モンスターに攻撃された際ニナは、自分一人だけで逃げ出している。
姫の手を引いて助けたのは、アリカ。
こういう細かい所で個性を出すの、上手いなあ。
 ニナ、空中落下時には姫とアリカの手を取っているし、心底 人命軽視な子ではあるまいが。
 巨大なモンスターに対し、変身したニナが喰らわすキック一閃で上体を傾かせる所、体重差を考えると普通はウソっぽくなるだけだが、説得力あるよう見せてしまう作画が素晴らしい。

 今作もまた、キャラの魅力を全開した楽しい作品になってくれると嬉しい。
陽気なエンディングテーマも気持ち良く、今期最も期待する一本!



『ブラックキャット』01.「孤独な猫」

 「少年ジャンプ」の原作漫画は、連載中盤以降のみ既読。
どうせアニメ化するのなら、連載中にすれば良いのに。

 アニメは、展開もキャラクターも分かり易く、ハッタリの効いた演出があって、悪くない出来。
作画だって良好。
コミカルなエンディングには笑ってしまった。
 無理なく見られる限り見続けようかと思うが、原作既読でもあり、余程 変わった事でも無ければ感想は書かないつもり。



『灼眼のシャナ』01.「全ての終わり、一つの始まり」

 いかにもライトノベルなキャラの絵柄。
その通り、電撃文庫の小説が原作らしい。

 いきなりモノローグで、主人公少年が自身の「死」を語ってしまう衝撃的な導入。
変容した周辺の世界、訳も分からぬまま分解され化け物に吸収されていく街の人々、突然出現した戦う少女、彼女に刀で斬りつけられ体を二つに割られる主人公…といった展開をババン!と連続して見せる事で、視聴者の興味を引き付けようとする戦略は理解できるけど…

 そこから、段取りを踏んでドラマを展開すべく その日の朝まで時間を遡るのだが、冒頭のシーンに追いついても、化け物は何で、少女はナニモノか、というのはやっぱり分からない。
どうせ今回前半で化け物を出現させられ、派手な見せ場には入るのだから、「最初にババン!」をやる必然性はどのくらいあったのかなあ?
 これは、しばらく退屈な描写が続いてしまう作品について、最初に「この作品はいずれこんなに派手な展開を迎えますよ」という事をアピールするための手法では?
迂闊に使うと、本来ドラマの流れに沿って感じてもらえるはずだった、化け物や戦闘少女出現の衝撃を弱めてしまうだけなのだが。
 「ただ主人公を斬りつけている」と見えた(?)謎の少女は、実は「その後ろに居た化け物を斬っていた」という真相が後半で明らかになる、それを「意外性」として面白さに設定してあるのかな。

 第一話、かなり説明不足だけれども、異様な迫力、独特の世界観が醸し出す魅力は感じられる。
主人公を人間とも思わぬような言動・行動を見せる(実際、もう人間じゃなくなってる?)ヒロインは、所謂「ツンデレ」キャラになっていくのか。
 視聴継続。


2005年10月6日 木曜日

『IGPX -Immortal Grand Prix-』01.「輝きの時」

 タイトルと、先週の予告だけ見て、勝手に『新世紀GPXサイバーフォーミュラー』の、車がロボットに変わった続編(パラレルワールド)なのかと思ってた。
全然関係ないのね。
 …でもまあ、そう捉えていても特に問題ない内容。
 冒頭の3Dによるレーシングシーンが余り面白くなかったため、不安になってしまったが、トボけた主人公と彼が所属するチーム、敵対するキャラクター達の個性を表していく作り方は、さすがに本郷みつる監督、上手いもの。

 道場のシーンで、女チームメイトに話しかけられた主人公が、凶悪な(敵チームの人間の?)顔と声に「変身」する所。
「彼は他者に成り切れる能力者」というような意味を持たせているのか、単にスベったギャグなのかも分からず…第一話としては若干 不親切な演出。

 3Dの迫力不足が不安要素だけど…レース物は盛り上げやすい題材だと思うので、面白くなる事を期待して、視聴継続。



『ARIA The ANIMATION』01.「その 素敵な奇跡を・・・」

 オリジナル企画かと思えば、「コミックブレイド」連載漫画が原作。
 少年(オタク向け?)誌の漫画、という事で、のほほんとして牧歌的な前半の雰囲気から後半は一転し、謎の少女を追う悪党達とヒロインが、狭い水路を縫って繰り広げるハイスピードなゴンドラ・チェイスが見所に…
ってのはウソで、最後までノンビリ穏やかなまま終わってしまった。
 あー癒し系、『ヨコハマ買い出し紀行』
ヴェネツィア風の地形だから、でもあろうが、地上の多くが水に覆われている世界の様子も、何だかそれっぽい。

 この内容だと、アニメ化に当たり容易に「退屈でつまらない作品」へと堕ちてしまいそうだが、さすがに監督・佐藤 順一は隙が無く、周到な演出により良い気分で見終えさせてくれる。
 アニメの放映本数が多すぎる現状、本当のところストーリーだけを取り出せば、視聴対象から外れるはずの作品傾向なのだが……
うかうかしていると、監督の手腕に惹かれ、最後まで付き合ってしまいそうな予感。



『魔法少女リリカルなのはA’s』01.「はじまりは突然になの」

 前シリーズは、開幕当初の「要するに『カードキャプターさくら』の劣化版か」、という予測が恥ずかしくなる程、内容のあるドラマ、血の通ったキャラクターを、迫力ある演出と渾身の作画で描き出して見せてくれた。
 今作は、前エピソード終結から半年後の世界が舞台。
なのはは魔法の修練を続け、フェイトの結審が近づいている…
って事だけど、実際の所 前シリーズのラストから立ち位置は変わっていないので、見る者が世界から疎外されず、スイッと物語に入り込める。
 …前作の知識が前提になっているとも言え、ここから見る人はよく分からないだろうけど。
DVDが出ているから、それを見れば済む事か。
という自分も、なのはの家族についてのエピソードとか、結構 細かい所を忘れていると思え、見返したいが…レンタル屋には置いてなくて(買え)。

 足が不自由な女の子・はやてが、新しくヒロインに加わる。
何というか、ドラマとして使い出がありそうな子だなあ( ^_^ )。

 謎の強敵、ヴィータが登場。
彼女と なのはが繰り広げるバトルが今回の山場。
 この第一話、前半までは「オタク向け」ではなく「少女向けアニメ」として夕方に放送しても良いんじゃないかと思ったが、この戦いようで納得。
 魔法を用いたファンタジックな戦い、というより、メカニカルでパワフルで迫力があり、オタが喜ぶ…いや「男の子が喜ぶ」、レベルの高いバトル。
 バーニアをゴウゴウと噴かした、「視覚的にパワーを納得しやすい」形になって迫る、ヴィータの魔法ハンマー。
それが なのはのマジック・シールドをブチ抜いていくシーンには、思わず力が入ってしまう。
 ロボット物でも、こんなにパワーを感じられる演出は、滅多に見られない。

 ユーノとフェイトが格好良く登場して、次回に続く。
 今作も最後まで、期待を持って見続けたい。


2005年10月5日 水曜日

『エンジェルハート』01.「ガラスの心臓 グラス・ハート」

 北条 司先生による、『シティーハンター』の続編(アナザー・ワールド?)が原作。
 原作漫画は、雑誌連載を読んでいただけなので しっかり記憶している訳ではないが、忠実なアニメ化ではないだろうか。
内容も、特に問題の無いレベル。

 神谷 明による「もっこり〜」を、また新録音で聞けるとは思わなかった。
 しかし息が長いなあ『シティーハンター』
アニメとして1987年以来、テレビシリーズ4本、映画3本、テレビスペシャル3本が作られている。
 今作も見られる限り見続けようかと思うが、放送作品過多の水曜日でもあり、感想は書かないつもり。



『闘牌伝説アカギ―闇に舞い降りた天才』01.「闇に舞い降りた天才」

 福本 伸行先生原作。
 あの、壮絶に独特なキャラクター絵を、文句ないレベルで動かして見せてくれるのに驚嘆。
大変だったろうなあ…これまでアニメーターさんが持って生きてきた絵に対する常識や「べからず」みたいな法則性を、一度 全部捨てきらないと描けない絵。
 長く描いていると、強烈さに引き摺られて自分の絵を破壊されてしまうかも知れないよ…と、余計な心配。

 原作の、息が詰まるような緊張感、異様な迫力など、上手く再現できていると思う。
 演出力がちょっとでも低下したら…単純にストーリーや勝負の内容だけを取り出すと「そんなアホな」という部分が多々ある作品なので、見る者の心を離してしまうかも知れない。
 そこはまあ、『MONSTER』を完結まで崩さず制作できたマッドハウスのアニメ、という事で、高いクオリティーの内容をキープ出来るよう、期待。

 視聴継続。
最後まで見ると思うんだけど、何かアニメとして変わった事でも始めない限り、感想は書かないと思う。



『クラスターエッジ』01「アゲートという名の少年」

 前知識が無かったので、池田 成監督の作品だという事をオープニングで初めて知り、期待半分不安半分。
 内容は…監督のイメージに引っ張られているせいもあってか、『サムライトルーパー』やら『ガンダムW』っぽく感じられる。
というかそれより、「ホモくせぇ〜」というのが第一。
 レギュラーになりそうな女性キャラが一人も出ない徹底ぶり。

 お話は…う〜ん、ドコに行きたいのか まだよく分からない。
 少年が乗って列車から飛び立つのが「ロボット」ででもあれば、売りが分かり易くなるんだけど、妙な格好の飛行機で、しかもそれを使って行われた空戦シーンが余り面白くなく…
主人公?が「見事な操縦能力」を披露するならまだしも、「不思議な超能力で攻撃を回避」するのなら、飛行機に乗らせる必然性があったのかどうか。
その能力も、結局は撃墜されてしまう中途半端なモノだし。

 登場 美少年達の個性が際立っていれば、他に何が足りなくても構わないが、それもパワー不足で大人しい。
『ガンダムW』の凄まじいツカミ方に比べると、余りにも弱い。
 「お前を殺す」ぐらい、狂ったセリフを言わせてみれば良かったのに。

 戦うためだけに作り出された人造兵士達、迎えた休戦、しかし まだ不穏な世の中。
…世界の設定は考えられているのだろうし、面白くできそうな要素は色々あると思うんだけど、またも山のように新番組が始まる今期、第一話で「ココが面白くなります!」という指針を強力に打ち出せなかったのは、辛い所。

 監督の手腕に期待を込め、視聴継続。



『ガンパレード・オーケストラ』01.「初陣」

 ゲームの『ガンパレード・マーチ』をプレイし、以前のアニメ版も見ているので問題なく世界について行けたが、これで初めてガンパレード世界に触れる人には、少し分かり辛い第一話だったかも知れない。
…いや、「ほとんど全員が学生で運営されているネルフ『エヴァンゲリオン』」だとでも思えば、分からないでもないか。

 前半の駆け足キャラクター紹介は、まあフツーといった所だが、後半、戦闘シーンでの不細工な戦いぶり、不慣れな人間ばかりで構成された中隊がいかに実戦で役に立たないか、を描く辺りはなかなか楽しかった。
 辛勝した部隊構成員達を、今後 隊長がどうやって鍛えていくのか。
次第にチームワークが取れ強くなっていく様子…を面白さとして設定しているのかな。

 脚本・演出・作画のどれにもズバ抜けて優れた所は無く、第一話なのだから もうちょっと頑張っても良かったかと。
 相当に非情な原作の世界観は、どこまでこの作品で活かされるのだろう。
 視聴継続。



 あー、「ジャンプ」の『切法師』が終わってしまったー!
 とにかく抜群に絵が上手く、キャラは魅力的で、アクションにも迫力があり、ストーリーに感動を含ませながら まとめる手腕にしても見事だったのに、何でー?
 同系統の作品とぶつかった事がアンケート的に悪い影響を与えてしまった?
「萌え」方向への媚びが弱かった?

 「ジャンプ」打ち切り漫画には、ギリギリまとまった形にするモノと、無念さを全面に滲ませた「まだ描きたい事が沢山あるんだ!」という形のモノとあるが、これは後者。
主人公の能力、敵の設定、味方になるのであろう集団の登場など、これからもっと面白くなりそうなのに…と思え、ひたすら残念。

 次回作に期待したい。
その発表の舞台は、大きなお世話だろうけど、必ずしも同誌でなくて良いのかも。


2005年10月4日 火曜日

『アニマル横町』01.「どき☆どき 新しいお友達の巻」02.「どき☆どき 扉を開くの巻」

 ぬる〜〜いテンポのギャグアニメ。
 第一話で、動く縫いぐるみ、といった風体のキャラクター達と女の子が出逢うシーンに驚きや笑いを演出したいなら、ファーストシーンで普通に縫いぐるみと話させ、そこから回想して出逢いに…という持って行きようは間違っている。
…とか細かい事を言っても、全編その調子だからなあ。

 子供向けで、強烈な刺激による笑いを作り出そうという意図が最初から無い、ギャグと言うよりはキャラ主導の ほのぼの不条理アニメ…ぐらいの位置付けなのかと思ったが…
 後半、変な縫いぐるみが居る変な状況に混乱した女の子が説明を求めたのにクマが応えた、「実はな、この世界は現実ではなく、大人になった あみが残業でクタクタに疲れ果てて、乗った通勤電車の中で居眠りしながら見ている夢なんだ」というセリフに ひっくり返る。
うわー、『ドラえもん』のウソ最終回みたいにブラックな概念を、こんな のほほんアニメで出してくるとは思わなかった!
 ちょっと笑ってしまったけど…逆にコレは、子供が笑えるネタだったかなあ?

 トンデモないネタが出てくる、反則・凶器攻撃 何でもありの作品のまま突っ走ってくれるなら、毎回見ても良いが、大半を占めるフツーに子供向けのギャグは大人が見るにはキツく…
 どういう方向に行くのか、あと数話 試しに見てから、視聴を継続するか脱落するか決めたいと思う。



『カペタ』01.「リミッターをはずせ!」

 『シャカリキ!』『め組の大吾』など、面白く熱い作品を描かれる曽田 正人先生原作。
この作品については、未読。

 原作に沿っているのであろう、ゆっくりしっかりした開幕は、ドラマを予感させて悪くはないけど…
子供が見るには、ちょっと地味過ぎかなあ、という気はしないでもない。
 イジメられている主人公が見せる今回一番の見せ場は、悪ガキに追われての駆けっこチェイスシーンだったと思うのだが、もう一つ迫力に欠け、上手くない。
丸太の横腹を走り抜ける所など、演出と動きに「遠心力」が乗ってないから、嘘っぽく、説得力無く見せてしまったのでは?
 ここのアクションで視聴者を「ハッ!」とさせるカットが少ないため、全体の印象がとにかく地味に、主人公の活躍を楽しみに思わせる部分も弱くなってしまう。

 まだ誰とも知らないレーサーが乗っているのを客観的に見ている段階だから、かも知れないが、出て来たカートの走りようは余り良くない意味で3D色がキツく、軽く、オモチャっぽくさえある。
 ツカミとして、「カートの魅力」を多少はアピールしないと、題材そのものに興味を持ってくれない恐れが。
 エイベックスが噛んでいる所からすると、レースシーンは『頭文字D』調に、チャカチャカした音楽に乗せる事で盛り上げるのかな?

 キャラクターデザインや、まるっきり子供声の主人公声優にも、好き嫌いが出そう。
 ドラマが面白くなってくるのを楽しみに しばらく見続けようかと思うけれど、「アニメとして」の面白さが出てこない限り、感想は書かないと思う。



『D.C.S.S.〜ダ・カーポセカンドシーズン〜』14.「心の扉」

 音夢が帰ってきた事で、純一との関係性から弾き出されてしまった ことり。
献身的に身の回りの世話をしてくれた彼女に、「君に対しては最初から恋愛感情とか皆無だから」というような最悪の態度で臨み、ひたすら音夢とベタベタして見せる純一。
 物語の中核に置きたいのであろうカップルに対し、苛立ちを感じさせられてしまう宜しくない描き方。
 その後は、ことりが画面に大きく出る事が少なくなり、おバカさんアイシアが色々なキャラと絡みながらコミカルに頑張る姿をメインにする事で、嫌な感情無く見られるようになっていたが…

 今回は、またも ことりをクローズアップ。
いい加減に扱うなら、いっそもう触れない方が良いキャラなのに…としか思えなかったけれども、「純一・音夢が付き合う事の正当さをアピールする」のではなく、「傷付いた ことりが、自分の感情に整理を付けていく」方向からのアプローチ。

 これは、作り方として ちょっとだけズルい。
どんな酷い「事件」を主人公側が起こしても、被害者キャラに「私はもう大丈夫、気にしてません、許します」と言わせる事で、罪を「無かった事」に出来る。
 創造世界において神である製作者にだけ可能な、万能解決法。
 三角関係は、構築するのは そんなに難しくないけど、お客様にも納得してもらえる形で解消するのは、至難。
楽で、しかも割と効果的な解消法は、やっぱり当人に自発的な考えで身を引いてもらう事。
 でも…そんな風に上手く行かないのが、現実。

 このままだと ことりが、「凄く良い子」というより、「都合が良いキャラクター」になってしまう…(「けなげ」って事で、魅力がプラスされる側面はあると思うけど)
 次回、少しは暴れて盛り上げてくれる?


2005年10月3日 月曜日

『はっぴぃセブン〜ざ・テレビまんが〜』01.「七人の福娘」

 七福神をモチーフにした…らしい七人の女の子、プラス犬娘とメガネっ子、それから王子様っぽい男の子一人が、ツイてないヒロインの女の子と出会う。
 …最初からキャラクター出し過ぎ。
 冒頭、古語調のナレーションが なんら注釈を入れられずに続くのも、どうだろ。
まず作品に興味を持ってもらわなければならない第一話目のファーストシーンで、視聴者に不親切なマネをして、得な事など何も無いと思うが。

 内容は…どうして深夜枠で放送しているのか不思議になる、お色気要素も無く、健全な、少々古いタイプの子供向け作品。
『ハム太郎』の後番組として流されても、別に違和感ないだろう。

 女の子達は可愛く描けており、オリジナリティーは無いが だからこそ見易いとも言える、分かり易い内容。
しかし、取り立てて引き付けられるモノが無いのも事実で…
 取りあえず3話目ぐらいまで見ようかと思うけど、『ハム太郎』を現在見ていないように、このアニメも、良い悪い以前に「自分が見る作品ではない」という気持ちから、途中脱落してしまいそうな気がする。



『Canvas2〜虹色のスケッチ〜』01.「禁断のクラシックレッド」

 「朝起きたら、ベッドの隣に裸の女が寝ていた」という所から物語を始めろ、と言ったのは小池一夫先生らしいけども、何故かこういう「萌え」作品の冒頭は、「寝ている主人公を、『お兄ちゃん』と呼ぶ美少女が起こす」シーンから始まる事が、やたら多いような。
 このアニメは、複合技。
「主人公を『お兄ちゃん』と呼ぶ美少女が、朝起きたらベッドの隣に半裸で寝ている」のがファースト・シーン。

 学園の理事長代理が若すぎる美人だったりして、イロモノ全開路線で行くのかと思えば、主人公が顧問を務める美術部で起きた小さな事件を巡り、地味ながらマトモなストーリーが展開される。
 基本的に良い子で、交通事故に関わる傷を心に負った、妹キャラをまず紹介するのに成功。
 悪くないとは思うけど…見る者を強く引き付ける仕掛けが弱く、地味な印象。

 美術部で、生徒達に主人公が行うアドバイスが、割に適当だなあ。
アレで「なるほど」と納得できる生徒達なら、そもそもアドバイスなど必要ないだろう。
 予告の締めで言われていた、「恋は、半径50メートル以内で」という言葉に笑う。
 ドラマを見せて行く作品になるモノと思われるが、まだ発端だけなので、どういう構成になっていくのか見えてこない。

 面白くなる事を願い、視聴継続。



『仮面ライダー響鬼』34.「恋する鰹」

 トドロキを中核にしての、ベースはギャグ話。
彼が日菜佳とのデートで見せた失敗の酷さは、笑うより痛々しくて…
 懐から鰹を出す辺りになると、ちょっと悪ノリし過ぎかも。

 確かに彼は、一生懸命さが現実と噛み合わない部分もある、まだ未熟な若者だったけど、ここまでダメダメでは無かった。
メンタルな部分の乱れで上手く戦えなくなってしまうのはとにかく、弦を切ってしまうのは…既にプロとして失格、というレベルの話で(弦が切れた瞬間、トドロキと一緒に魔化魍まで驚いているのには笑ったが)。
 私生活では役立たずでも良いんだけど、『ER』のように、こと仕事に関しては有能さをキープして欲しかった所(いや『ER』も別に完璧じゃないが)。

 イブキに対し、強くなりたいという焦りを語る あきら。
 桐矢にラブレターを渡す ひとみ(これは…「女友達から仲を取り持ってくれと頼まれただけ」というオチが読めすぎるな)に、ショックを受ける明日夢。
 迷いが無く、強いままで来た事が、もしかしたら「弱さ」に繋がっていくのかも知れないヒビキ。
 キャラクターの弱い所を描き、波乱を起こそうという意図は分かる。

 全て、「恋」という感情が切っ掛けになっているのだと思う。
 トドロキは、日菜佳への気持ち。
 あきらは、イブキへの…ハッキリ恋愛感情があるのかどうか、兄を慕う妹、ぐらいかも知れないが…強い好意と、翻って役に立てない自分への苛立ち。
 ひとみから好意を寄せられる関係を、普通に受け止めていた明日夢は、それが決して永遠に継続すると約束されてはいないものだと知る。
 ヒビキ。んー、何となく恋愛関係には弱そう、経験が薄そうな気はしていた( ^_^ )。

 皆、決して「大人」な態度ではなく、子供っぽい、見ている子供にも分かり易い形での、恋愛感情の揺らぎ。
 シリーズが切り替わって以降は、『仮面ライダー響鬼ダブルゼータ(仮題)』になっているのだ、とでも割り切れば、そんなに抵抗無く、先行きどうするのか興味を持って見られなくもない。

 ただっ!ザンキさんだけはっ!あの渋く格好良かったザンキさんだけはアホな笑いに巻き込まないでもらえないモンだろうか?
次回予告を見ていると、イメージが木っ端微塵にされそうで、凄く不安。
 いや、あーゆーキャラクターだからこそ崩すと笑える、ってのは分かるが。
 あんまり酷い扱いだと、泣いてしまうかも(;´д⊂)。


2005年10月2日 日曜日

『交響詩篇エウレカセブン』24.「パラダイス・ロスト」

 ここしばらく、作品自体から気持ちを遠ざけられてしまう不満な内容が続いたが、今回は そのほとんどに上手くフォローが入った、思わず見入ってしまう話。

 ホランドにケガをさせ、思索に沈み込ませ、タルホからも厳しく責め立てさせる事で「毒」を抜き、随分と見やすいキャラに変容させた。
 …もう少し早く こうすべきだったような…
これまでの彼の嫌さ加減は、「タメ」というにはキツ過ぎ、視聴意欲をも削ぎかねないものだったので。

 レントンのトレーナーを着込み、「喪失の辛さ」を果てしなく分かり易く体現するエウレカ。
「気持ちを表すのが下手・表せない」キャラクターは、「だから心の動きを表現しない」じゃなくて、こういう工夫を凝らした、「その不器用さ故に見ている方が辛い」形で見せるべき。
 ニルヴァーシュのコックピットで、レントンを探しに出ようと必死な表情になる辺り、気持ちを揺さぶられる演出に出来ていた。

 レントン。
 夫妻の元で、生まれて初めてと言って良いだろう(爺ちゃんからは得られなかった)父性に包み込まれる安らぎを知る。
 前回 馬鹿をやったレントンに対して、夫妻、「被害者」にしてしまった子供の両親が居る場でだけは叱りつけてでも謝らせるバランスがあって欲しかったが、今回、三人だけになってからは、もう責めず、傷付いたレントンに愛情を実感させ立ち直らせようとする対応で、正しい。

 ダンナ。
レントンを最初「子供」として扱いながら、彼に辛い未来が待っている事を知り…
 誤魔化し、ゲッコー号やニルヴァーシュ絡みの全てが終わるまでレントンの耳を塞いで、「子供」のまま居させる事も出来たろう。
しかし一緒に空へと出て、操縦桿を任せてみる事により、彼が自分の判断で未来を選び取れる・選び取らなければならない「男」なのだと理解し、判断を委ねる。
 促成の親子関係から、巣立つ息子を見送る夫妻。
子供はもう、親より大事な繋がりを得ているのだ、と知らされるのは、親として とても寂しく、しかし誇らしい気持ちで一杯にさせてくれる出来事ではなかろうか。
 ここいらの描き方は、とてもとても良くて、涙腺に来る。

 今回、LFOに追いつめられ、相手を殺すかも知れない自分に身がすくむレントン。
敵パイロットを残虐に殺した話とリンクする描写だが、ダンナのLFOに最初に乗り込んだ際、敵機をバカバカ撃墜する様子に大喜びしていたのとはつながらない。
 「レントンの現在の精神状態」は、この作品で非情に重要なポイントだと思うのに…
今回だけ見れば文句なく良く出来た話だが、シリーズの構成が上手く取れていない弊害はアチコチに。

 次回、レントンのゲッコー号への帰還は、もうちょっと引く?
これ以上、船の外で何を体験させるのか?
 せっかく盛り上がったのに、また水を差すような内容でない事を祈りたい。



『格闘美神 武龍(ウーロン)』01.「無敵の看板、背負ってます!」

 原作未読。
 超絶の格闘技術を駆使し、少女が強敵に勝利していく、『エアマスター』や『ホーリーランド』系統のお話。

 やたらに展開が早いのは、原作を省略しているからだろうか?
急いで派手な見せ場に移りたい、その気持ちは分かるけど、アバンと本編とで急に視点となるキャラを変えたり、ヒロインの長いモノローグだけで使う拳法の説明を済ませようとしたり、物語への没入を疎外されるぐらい話が飛んだりで、見辛い事おびただしい。
 こういう格闘モノとしては演出・作画共に弱く、力強さや格好良さに欠け、今 何がどうなって勝敗が付いたのか分からない所さえある。
作画面は、次第に持ち直してくる可能性もあるだろうが、最初に印象を悪くしたのは大きなマイナス。

 あと少し見続けようかと思うけど、余程 内容に変化が無い限り、感想は書かないと思う。



『超星艦隊セイザーX』01.「拓人は燃えているか!」

 第一話だけあって予算を掛けたらしく、特撮的な見せ場が一杯。
 レーサー志望、子供達の命を大事に考える事で「らしさ」を分かり易くアピールした主人公。
他の主役側キャラクターも性格付けが考えられている様子だし、すぐ「面倒クセ〜」と切れてしまう宇宙海賊も楽しい。
 崖にぶら下がって危機一髪の状況下なのに、ヒネくれた事を言うガキ共には、笑ってしまう。

 子供が素直に楽しめそうな内容。
 特に悪い所は無いが、いい歳したオタクとしては、心に引っ掛かるモノが弱いとも感じてしまう。
 とりあえず様子見。


2005年10月1日 土曜日

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』最終話.「最後の力」

 ええと、議長は次にオーブを撃つ、というのは いつ確定事項になったんだっけ?
 そりゃあ、オーブ軍所属兵士であるキラ達の攻撃に報復するにも、攻撃そのものを止めるにも、それは有効な手段だろうけど。
 こんな大量破壊兵器を連続射撃「しなければならない」状況に議長を追い込んだのは、アークエンジェル一党では?

 分かったような分からないようなレイの過去、メイリンと敵味方に分かれた設定を活かしきってもらえなかったルナマリア…
何より不憫なのは、葛藤も成長もさせてもらえず、「あんたって人はーっ!」と叫ぶだけのキャラで終わらせられてしまったシン。
 戦いに巻き込まれて妹と両親を喪い、妹と換わるキャラとして登場したステラも喪い、そこまでは「彼は被害者」と言えなくもなかったがアスラン・メイリン機撃墜では「加害者」に回る…
 お膳立てはされている。
どこででも、もっと苦しみ、悩んで、成長させられるキャラだったろうに。
 「自分と同じ苦しみを持つ人間を大量に作り出す立場に、自分自身が立っている」事をドラマ中で何度も示しながら、それをいつまでも自覚せず、何も変わらない・変われないまま終わらせられてしまった。
最終的な決着の場には、居合わす事すら許されず。

 分からない…
イベントを組む能力さえ製作者に無い、というなら、もうどうしようもないモノとして理解できるんだけど、葛藤させるために組んだとしか思えない構成なのに、そのどれもシンにスルーさせてしまう意図は、理解不能。
 シンは戦いに疑問を持ち始めていた…と言えば言えるだろうが、1年間かけて描いてきたキャラクターの成長度合いとしては余りにも僅かなもので、共感を得辛い。

 ディスティニー・プランとは、実は「この作品自体に対して製作者が施行した政策」で、多くの登場キャラクターはそれに反抗しようとした…ってのはどうだろ?
 その非人道性に、先頭に立って命を賭けた戦いを挑んだのは、デュランダル。
 このプランは、「人の役割を決定づけてしまう事」。
シンは「アスランを逆恨みし続ける子」という役割(設定)を担わされている。
議長は、「非道な計画を強行する悪い人」。
 デュランダルの戦いは、自分を単なる「倒されるべき悪役」に しない事。
有能さを発揮し、必要以上に非情なマネはせず、「つまらない悪役」という役割から脱しようと精一杯もがいて見せてくれた。

 しかし…プランを実行する製作者は、神の力を持っている。
本来その神の力は、使用にあたって厳しい制限を付けられており、決して何をしても良いという性格のモノではないのだが…この作品を支配する「荒ぶる神」は、そんな配慮も調整もせず、やりたい放題。

 終盤に到り、議長は驚くぐらいに思考能力を鈍らされ、愚挙を行うよう追い込まれてしまう。
 シン、ミーアなどの例で、確かに適材適所配置の能力を持っている事は証明されているのに(ザフトの中で彼ら自身が望んだ方向に沿っては、最大限報われ、力を活かせるポジションに着けられたと言って良いだろう)、必要以上にプランを危険視され、「議長は悪だから、倒さなければならない」とアークエンジェル側に糾弾・攻撃されてしまった。
 イザークとディアッカも「神の手」により葛藤無く裏切り、無数に存在するはずのザフト軍機は都合により(いつも通り)無いも同然の扱いをされ、「神」に洗脳されたレイによって意味も分からず非業の最期を遂げさせられる議長。

 所詮、人(キャラ)が神(製作者)の呪縛(ディスティニー・プラン)から自由になる事は叶わない。
デュランダルの反抗も、神の掌から外に出られるモノではなかった。
 神に最もエコ贔屓されたキャラクター・キラ(及びアスラン)の前では、蟷螂の斧に過ぎない。
 レイの射撃にしても、キラにその手を汚させたくないがためにした、神の采配だろう。

 デュランダルによる戦いの僅かな成果は、議長を倒すべき相手と叫び続けるアークエンジェル側の論に説得力を失わせ、彼を糾弾する神の寵児・キラをも「プランに操られ裏付けのない戯れ言を喋る人形」に見せて、クライマックスから高揚感を奪い、物語を完膚無きまでに破綻させた事、だろうか。

 話を戻して。
 キャラクター配置も、世界・メカニック設定も、大まかなストーリーの展開にしても、振り返って考えれば決して魅力の無い作品ではなかった…魅力の無い作品に「なるはずではなかった」と思う。
 しかし、どのキャラも生長する事を許されず、見る者の心を動かせないまま、事務的に進められるドラマの上で「言わされている」感の強いセリフを喋るばかりでは…魅力を発揮するのは難しく。

 シリーズ開始当初は、議長の有能さや、バトル組み立てが考えられた話(小惑星帯でのミネルバ戦など)もあり、前シリーズの雪辱を果たす面白い作品になってくれるかと期待したが…終わってみれば変わらない、不満ばかりが強く残る内容。
 特に終盤に到って構成上の破綻が次々と表面化していたので、このスタッフでの次回作(ガンダムに限らず)があるなら、もっと時間を掛け、どういうストーリーを語り、その中で何をテーマとして視聴者に手渡したいのか、よく考え練り込んでから作り始めて欲しい。



『韋駄天翔』01.「これがMTBバトルだ!」

 前知識ゼロで見たため、MTBを主題に、子供達が熱血レースを展開するバトル物なんだろうと思っていたけど…
 唐突に、無法な荒野が広がる異世界へと飛ばされ、現実界へ帰るために必要だという互いが持つエンブレムを賭け、妙なスタートダッシュメカなど用いて戦うストーリーに変容。
 コレは どうなんだろう?
純粋にMTBが好きな人にとって、「違う」展開では?
 でもまあミニ四駆のアニメだって、現実に行われるレースとは似ても似つかない無理無理な描写が連続してたけど、子供達には人気あったのだろうから、別に気にしないのかな。

 キャラにもバトルにもドラマにも、特に引き込まれる所は無く、ここまでに。



『ウルトラマンマックス』14.「恋するキングジョー」

 『マックス』のスタッフは、ゼットンにもキングジョーにも特に思い入れは無いし、オールドファンの期待に応える気持ちも無く、オリジナル怪獣と同等、あるいはそれ以下の扱いで構わないと考えていた…って事だろうか。
この二大人気怪獣を、二週連続の話で使った理由が、見ていても全く分からない。
 せめて、ゼットン戦で得られたマックスの情報がキングジョーにインプットされており、これまでの攻撃はまるで通じない…というような繋がりでもあれば…

 子供達の人気者になっている等身大キングジョー。
でも、放送された内容だと、「地中や海中からイキナリ出現する」設定でも問題ない。
 これも もう少し…
子供らと一緒に遊んだ楽しい記憶により、侵略プログラムを越え、僅かに自意識が目覚めるキングジョー。
その葛藤を、地球や人々を守る方向でプログラムされたエリーと、対比しつつ描くとか。
 勿論、時間が足りなくなるのでゼットン遺伝子なんかとは関係ない話にして。

 子供にも分かり易い形で、カイトに寄せるミズキと夏美の気持ち、嫉妬などを描いたのは、それはそれで意味のない事だとは思わないけど…
 この話でやる理由があったのか、恋(?)の顛末と「ゼットン遺伝子、ゼットンの娘」といった特殊な設定が余り上手く絡んでいない、等、疑問符が多く付く仕上がり。

 CGによるキングジョーの合体シーンは なかなか面白く見られたし(乱暴な体の合体に対し、頭部だけ そっと乗せているのは、電子頭脳がデリケートだから?)、「昭和」を感じさせるミニチュアセットも見応えがあった。
キングジョーの爆発もパワフル…映像的には かなり頑張っていると思う。
 それだけに、これからでも良いので、ストーリー面であと一歩の努力を期待したい所。

 次回予告が異様にハードそう、と思えば、監督が三池 崇史なのか。
ちょっと期待。


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