ときどき日記 2007/02

2007年2月28日 水曜日

『仮面ライダー電王』05.「僕に釣られてみる?」

 新たにイマジン・ウラタロスが登場。
早速 良太郎に取り憑く。
 他の人間が体を乗っ取られるのは、イマジンにより願いを叶えられ「思い出の時点」にまで時間を遡ってから、なので、彼は かなり特殊な憑依体質を持っているのかな。
いや、この作品で描かれている「現在」は、未来でイマジンにより何らかの願いを叶えられた後の、良太郎にとっての「思い出の時点」だ、という解釈も成り立つ?

 凶暴なモモタロスに比べ、ウラタロスは人の心の隙を突く知性派。
…でもこの二体の対面が、結局ドツキ合いに落ちてしまった所からすると、肉体的パワーに頼る戦い方は変わらないのか。
 そりゃまあ、派手な必殺技を繰り出して戦わなければならないヒーローだし、『おねがいマイメロディ』マイメロ母みたく、言葉攻めばかりで敵を倒す訳にもいくまいが。

 この作品は、良太郎一人を巡り、複数のイマジンが独占を狙って対立する、変則的萌え・ハーレム物語?
イマジンが美少女形態を取れるなら、もっと分かり易くなるんだけど(笑)。


2007年2月27日 火曜日

『獣装機攻ダンクーガ ノヴァ』02.「超獣合神!」

 シャネルの五番に関する会話で、少女二人の考え方の違いや年齢差を表してみせる細かい芸当は、いかにも脚本・首藤 剛志だなあ、と感じさせられる。
 今回、キャラクターの日常設定確認をした他は、転送の機構、基地内での居住環境など、ストーリーを前に進めるものではない説明に ほとんど費やされたが、セリフ回しと発揮されるキャラクター性だけで飽きさせず見せる辺り、さすが。

 ダンクーガの戦いに、今のところ「正義」は無いのか。
紛争の弱い側に味方する、ってのもしかし、場当たり的。
 極端な話、極悪で強力な武装を持つ麻薬組織に対し、政府軍が襲撃を掛け圧倒的な力で押し潰そうとした時も、政府軍の戦力を削る形で介入するんだろうか?
最低限の状況調査は、基本かな。

 後半で出て来た敵、そんな苦戦するほどの強敵とは思えず。
なのに次回に引いてしまうのは、どうだろ。
 時間を取るのなら、「強力な大砲の一撃でドカーン」ではない、ロボット戦の面白さを期待したい。



『ウルトラマンメビウス』45.「デスレムのたくらみ」

 地球人とメビウスの間に深刻な対立が発生する話…だと、予告を見た時には思ったが、実際は「市民対GUYS」という図式になっており、隊の一員としてミライも葛藤するけれど、その深さはさほどでもなく。
てっきり、ヒルカワによるメビウスの正体暴露が重なり、よりミライを追い詰めることになるのかと。
 防衛隊が存在意義を問われるのは、シリーズでそう珍しくない。
GUYSは実際に役立っている組織だ、というのが、これまでとの違いだけど…
 長いシリーズでも唯一、多くの地球人にその正体を知られているウルトラマンだ、という設定をこそ、活かして欲しかったなあ。

 今回、危機を救うのが『帰ってきたウルトラマン』だという事に、余り意味がない。
『レオ』『80』『A』と、深くオリジナルのシリーズと繋がったシナリオを用意してきたスタッフにしては、少々緩さを感じる出来。
 帰マンは、劇中で所属組織「MAT不要論」を唱えられていた、とか、GUYSクルーがみんな無事に「帰ってきた」のと、誤解?から生じた人々の気持ちも「帰ってきた」というのが、今回登板させられた理由?
 「怪獣使いと少年」で、一度 人間に深く失望したウルトラマンだ、という部分があるかも…だけど、こちらが勝手に思い入れるしかなく、劇中で そう示されている訳じゃないからなあ。
 せめて、よく使われる「ウルトラ五つの誓い」について、リュウと話し合うシーンぐらい欲しかったところ。

 これだけのピンチを描き、帰マンも描き出すには、時間が足りないぐらいだろうに、「街の電器屋のオヤジ」の視点なんて物を出してしまうことに意味があったのかどうか。
フェニックスネストからの電波にしても、テレビ局が拾った、で構わないはずだし。

 市民の変心は、唐突すぎて感心せず。
確かに、人間ってこんなモノだけど。
 「誤解さえなければ地球人とは分かり合える」のではなく、突然 声援を送り始める人間を寒々しく描き、「それでも愛し、守り、戦うのがウルトラマンだ」と語っているなら、深いのか。

 今回のエピソードは、せめて前後編に分け、地球人の悪意・ヒルカワと、善意(を代表するにはナニだが)・アヤ…あるいは子供達、巧く描くなら「電器屋のオヤジ」でも良い…との対立にも託しながら物語るとか、方法は あったと思う。
 大きく盛り上げられそうな筋だった割には、残念。
 ミライに、ウルトラマンになりたかった自分の夢を語るジョージ、など、良いシーンもあったんだけど。



『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』08.「たたかえ聖桜生徒会!」

 生徒会が一生懸命 準備を進めてきた学園祭が、中止に。
 大きな障害を設定したことで、ストーリーに しっかり方向性が示された…んだと思うけど、そういうものを期待して見る作品だったのかな?
漫然と、呑気で愉快なキャラクターが織りなす「癒し」ですらある雰囲気を楽しむアニメ、かと思ってきたんだけど。

 愛光学園は お嬢様学校っぽく見えるが、その辺の学校をとにかく吸収して良い事なんてある?
教師陣の充実、生徒達の質の高さ、その信用から来る著名大学への推薦(これも余り意味はない世界?)、一流企業に優先的採用枠を確保する、等々、学校の名前をブランド化する努力が無ければ、経営が維持できないような。
 愛光学園は、そう遠い所にはないようなので、そこに魅力を感じる生徒なら最初から愛光を選んでいるだろうと思え、現在の学校に通っているのは「学費が安い」「家から近い」「ウルサい事を言われない ゆるい校風なので楽」という理由があろうに、そういう子女を無理から自校に併合する事に意味があるのかどうか。
単にブランド力を落とすだけでは?
 生徒の質がどうなろうと、とにかく一定数を確保しなければ、「学校」という体裁さえ維持できない状態…?

 学校存続の危機に際し、学美達は あくまで「学園祭開催」にコダワリ、そもそも そうなる原因である「合併吸収反対」という考えには到らない。
合併吸収されては、例え今回 学園祭が強行できたとしても、来年以降は愛光の校風に合わせる形でしか実行できなくなるだろうから、生徒会としてはそちらに反対すべきかと。
 経営が絡んでいる話だし、生徒が騒いだからといってどう出来るものでもあるまいが。
 学美らは、「『自分達が』頑張って準備してきた学園祭の実行」にのみ興味があり、学園自体の行方や、それに伴って起きるだろう変化には無関心?
まあ、元々は無個性で無気力な学校だったんだし、愛校心なんて持てるはずもないのか。
 それなら、他にも楽しいイベントがあるからといって、学美らの署名運動に関心を示さない他生徒達と、実は あんまり変わらない。

 学美は おバカさんなので、難しいアレコレなど考えられず、目の前の事だけで精一杯…というなら分からないでもないが、今回の大演説により なかなかの知性を見せてしまったからなあ。
「浅薄」「変遷」「加味」「所業」「美辞麗句」……頭の悪いジョシコーセーだと、読む事さえ危うい単語を連ねる演説の構成力には、感心したし笑いもしたけど、「わくわくきらきら」「まっすぐゴー」とかいう普段の言動と余りにかけ離れ過ぎていて。
 学美は、学校の成績も悪くないんだっけ?この前の試験成績はどうだっけ?
 演説は、パロディー風味も含めて「やってみたかった」ネタなんだろうから、真面目に受け取るべきではないのか。

 作品のオリジナリティーとして考えたのであろう世界設定が、逆に作品への没入度を低くしてしまう。
 「学園祭中止」だって、例えば現実に即した世界で「理解ある校長の病気療養中に、その地位を狙う教頭が、進学率を上げるための障害にしかならないものとして中止を宣言」というものに換えて、特に問題ないと思うが。
そうすると、昔からよくある学園ドラマになるのか(笑)。
 学美兄との恋愛を絡めたいなら、新たに就任した聖桜理事長の娘(孫娘)が気まぐれな生徒弾圧を始めた、でも良い。
 特殊な世界設定が、いずれ驚くぐらい大きな意味を持ってくる…のでなければ、舞台はシンプルに徹した方が、キャラのパワーを伝えやすくなったろうに。

 学美をハリセンでブッ飛ばす、芽生のツッコミギャグは楽しかったし、ゴタゴタ考えないで見るなら「設定目標に向かい、生徒会が立ち上がる話」として燃えられた、のかな?
 学美達が提案する学園祭の魅力に引き付けられ、愛光の生徒が大挙して聖桜に転校してきたため、逆に聖桜が愛光を吸収する形になってしまう…っていう馬鹿馬鹿しい解決法はどうか。
いや、あり得ないのは承知。


2007年2月24日 土曜日

 掲示板で教えて頂くまで、自分の単行本が発売になっている事に気が付きませんでした!
 表紙等の入稿が かなり前だった上、発売日を聞いておりませんで…このお陰で生きさせてもらっている身の上としては、迂闊にも迂闊な話。

 単行本「ヒミツのCOMPLEX」発売中です!
 内容は、以前に出版された単行本「RINSE」と同様ですが、3ページの描き足しエピローグを加えておりますので、お持ちでない方は宜しければ。
お持ちの方も、まあ何だか買ってやっても良い気分になるような事がありましたら、是非是非。

 トップの広告も差し替えたい所ですけど、取りあえず今の〆切を越えないことには何とも。


2007年2月22日 木曜日

『ロケットガール』01.「ディスティニー -destiny-」

 原作未読。
 女の子達の可愛らしさから、『ストラトス・フォー』のような内容なのかと思ったが、もっとロケット周辺の事情に思い入れが強い作品っぽい。

 キャラの立ち位置や、基本設定を丁寧に描いた第一話。
 学園生活や、ウルサイ教師など出さず、ヒロインが島に到着したところから物語を始めても、問題なく理解できるストーリーだったと思うが…
それを入れても「ヒロインはロケットの搭乗員にされるんだろう」「父親は誰なのか」という物語の方向性まで示し終わっているし、彼女が どういう子なのかを しっかり描くのが第一話の主目的になるはずなので、これが正解か。
 逃走車に向け、ヘリがミサイルをバカバカ撃ちまくるシーンは愉快だったけど、「こういうリアリティー」だとすると、あんまりシリアス(リアル)な宇宙飛行士物にはならない?
…女子高生が宇宙飛行士、って時点で、まるっきり現実に即した内容をやっても仕方ないかな。

 いきなり心を鷲掴みにされる第一話…ではなかったけれど、面白くなりそうな要素は十分にあるので、視聴を継続したい。


2007年2月21日 水曜日

 今日は花粉症症状が余り出ず、楽でした。
かなり飛んでいたようですし、外出もしたのに(当然、マスク着用)…不思議。

 という所ですが、今月二度目の〆切前スケジュールに突入。
 来週、月曜日まで、更新は不安定になるものと思われます。
すみません、ご了承を。


2007年2月20日 火曜日

『獣装機攻ダンクーガ ノヴァ』01.「謎のダンクーガ」

 昔はよくやっていたけど、「訳も分からぬ内に集められた数人の若者が、イキナリ実戦投入されて敵と戦う」ストーリーは、第一話だけで見ると、まとまりを欠いてしまう部分があるなあ。
 搭乗員達は、本当に顔見せだけしかできないし。
状況もよく分からず。
メカ戦だって満足がいくほどは時間が取れない。
 実に、中途半端。

 OVA版『ゲッターロボ』ぐらい、キャラが皆「狂」一歩手前の強烈な登場を見せてくれれば良いけど、一番印象に残るのが「はみ出し女刑事」で、それにしても手に負えない程の凶暴・凶悪な性格を描き出すには、演出力不足(基地で予告抜きに銃を撃ったり、それらしくしようという努力はあるが)。

 今回のダンクーガの特色は、「弱い者の味方」。
人種・陣営・思想に関わりないようなので、この前助けた敗軍が、戦力を立て直して攻め込もうとしていたら叩き潰す、という気まぐれな事になってしまう。
 これじゃ別に、戦争の早期終結に寄与する、って訳じゃないと思うが、「世界平和」など眼中に無いのか。
 早く、強力な敵とか次の展開を見せてくれないと、この刹那的な戦いぶりには魅力を感じられない。

 久々に脚本として首藤剛志がクレジットされている作品なので、通り一遍の内容にはならないだろうと期待して見るけど…
 特徴が無く、面白味も薄い この第一話では、これで見切る視聴者が出ても不思議無いなあ。



『ブーンドックス』01.「ウェルカム・トゥ・ブーンドックス」

 米アニメ。
 黒人の老人と子供二人を中心に、差別ネタなど織り込みながら、世の中を鋭く斬りつけていく…作品なんだろう。

 原作漫画は人気があるらしいけれども、アニメとしての出来は、よくある米製の出来が悪い物レベルで、ギャグとしてもテンポが悪くダラダラしてばかりのため、ちっとも笑えない。
「nigger」と劇中で やたらに言いさえすれば、刺激的になるって訳じゃあるまいに。
 『サウスパーク』も、ノリに馴染むまでは感心して見なかったので、これも見続けていけば面白くなる可能性があるかも知れないが…
 そこまでは付き合いきれず、終了。


2007年2月19日 月曜日

『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』07.「なつのおしまい(ばいばい)」

 泊まり込みで学園祭の準備を進める学美達が すっかり壊れてしまい、生徒会室で互いへの暴行に到る場面は、イッてしまった学美の表情や、芽生に数発はたかれた所で一発強力に殴り返す むつきの動きが楽しく、笑ってしまったんだけど…
 それを受ける光香に、わあわあ泣かせてしまうと、ギャグとして軽く見られなくなってしまう。
「下らない事をやっている風景」を通り過ぎ、「地獄絵図」になってしまうようで。
 光香のリアクションとしては、「ゲラゲラ笑いながら見ている」「皆を無視して黙々と仕事をこなす」「飛び込んで仲間に加わる」「今の内にと寝てしまう」「逃避している各人の痛い所を突く事で現実に引き戻す」…等々、柔らかく?受け止める方法はあったと思う。
 ただ、上記のどれも、「真面目で友達思いの良い子ではあるが、受け身で、積極的に事態を解決する能力に欠ける」光香の性格にはそぐわなく思え、最適なのはやっぱり「泣き出してしまい、結果的に暴走を止める」行動なのかな(ああ、壊れた学美に殴られるだけの被害者扱いならオッケーかも)。

 楽しい学園祭を開催するために積み重ねられる、学美達の悲惨な努力。
彼女達の努力を無にしないため、影で尽力する(?)多佳子。
 「ユートピア」を成り立たせるには、舞台裏まで いつでもユートピア、という訳にはいかない。
 思ったより重い話になりそうで、ドキドキ。
正直、学美には、これだけの逆境を跳ね返せるだけのキャラとしての超越したパワーは無く思え、これまで通り「周辺事情」の方から折れてきてもらう以外には打開策が無さそう。

 バスの中で、「楽しいよ社会人、毎日がオマツリだし」というような会話が成されていたけど、これがこの世界の常識?
近未来になって便利になりすぎた環境では、仕事に辛い要素が皆無になっており、ただ居るだけで、もしくは「ゲームのような楽しい事」をやっているだけでバンバンお金が入ってくる…という設定でもない限り、そりゃ学生の方が猶予期間として楽しかろう(楽しい部分も多かろう)に。
教師が大した権力を持たず、面倒になったら自ら学校をやめる、という決断を下しても特に何も困らない状況下にあれば、なおのこと。

 バスでの発言は、「本当は学生の方が楽しかった、学生で居たかったが、経済的事情?により社会人にならざるを得なかった」鬱屈した自分の気持ちの、裏返しとして?
 しかし、街中を見ても日本が経済的に困窮している訳じゃ無さそうなのに、多くの学生が学校を離れている、という設定からすると、社会に出た方が楽しい、あるいは大人達から、子供でも早く社会に出てくれる事を(少子化に伴う労働人口の極端な減少により?)望まれているのか。
 普通にクラブ活動も営まれており、「現在よりも学校が酷く居心地が悪くなっている」要因は見当たらないのに、とにかく学校に魅力がない、もしくは社会に出た方が楽しい、というのが分からないなあ。
 少子化で、あらゆる学校の存続が危うくなっている、だけで良いのでは?

 というような事はともかく、夜のプールで花火に興じ、水に飛び込んでしまう一行が実に楽しそうで、「ありそうだけど実際には なかなか無い、青春の一コマ」を演出するのが上手いなあ、と感心。
 今回の光香は、みんなに置いて行かれるような漠然とした不安を感じており、それが静かに解消するラストの持って行きようが、爽やか。
 …ただ、「また光香の内面にスポットか」「この作品のヒロインは本当に光香なんだな」という気持ちが強くなってしまったが(^ ^)。



 今日はどういう日だったかというと、「花粉症が酷かった日」としか言い様が無く。
 毎年毎年、同じような泣き言を書き込んでいて申し訳ないが、ホントに辛いんだから仕方ない(;´д⊂)。
 一日、部屋の中に居て、空気清浄機を働かせているというのに、症状が最悪で、仕事にならなかった。
 こんな甘えた環境にいる自分が弱音を吐いてるぐらいだから、どうしても外に出なければならない学生や会社員で同病の方々は、どれぐらい辛いのか。
 薬を飲めば良かった…
飲むのイヤなんだけど。
今年は受診してないので、市販の薬しかないし。
 早く杉の季節が終わらないかなあ。


2007年2月18日 日曜日

『仮面ライダー電王』04.「鬼は外!僕はマジ」

 気が弱く大人しい良太郎と、モモタロスに憑依された電王モードの傲慢・凶暴な性格に違和感を抱いてきた。
特に、電王に変わった際、まるっきり人格がモモタロスに乗っ取られてしまい、良太郎としての意志を働かせていないのが不満で。
 今回は、そこいらの齟齬を無くし、視聴者の理解を求めるべく設けられた…のだろう、モモタロス憑依を良太郎が断固として拒否し、一人で戦う話。

 プラットフォーム姿では、ほとんど戦闘力が無いのね。
『カブト』のマスクドフォームより弱い。
イマジンの攻撃に、それでもかなり耐えられた所からすると、防御性能は高い?
 イマジンの力を纏うこと前提で作られた、ライダーシステム。
エラく不安定な、不確実なシロモノのような。
 力を借りるイマジンが弱い個体だった場合、どうするつもりだったんだろ?
『デビルマン』のように、強い相手が憑いてくれることを祈るばかり?

 次回、新たなイマジンが良太郎の前に現れるらしい事からすると、複数の契約を結べるので、一体ぐらい弱いのが居ても問題ないのか。
 イマジンが意志を持ってウロウロしているのが違うけど、要するに様々な能力を持った武装カードを収拾するのと、「契約」は、ほぼ同じ扱い?
 プラットフォームって、ここを見ると、「駅のプラットホームにさまざまな人が乗っているように、多くは、一つの下部構造に対して複数の上部構造がある場合に使われる」と書かれていて、何だか納得。
 変身時のギミックからは、「駅に電車が入ってきました」という風だけど。

 電王について、取りあえず根性を見せた良太郎が主導権を握ってくれたので、まあ良いのかな。
 お馴染み「ライダー同士の仲間割れ」展開は、良太郎の占有権を巡り、イマジン同志がいがみ合う描き方になる?

 歴史改変によって、無事オーディションを受けられた山越だが、結果的に「借金が無くなった」以外は大きな変化がない。
でもまあ、心残りが無くなり、前向きな気持ちになれただけでも、彼個人としては救われたはず。

 過去でまたも登場した、時計を見ながら歩いていた男は、何者?
良太郎が時間を改変しすぎるのを防ぐ(マズい所は修正する)べく配置された、タイムパトロールとか。
「時間物」で、アリガチな意外な正体といえば、「未来から来た良太郎本人」とかだけど…顔は違ったよね。
 『バック・トゥー・ザ・フューチャー2』みたいに、現在起こっている事件を、いずれこの男の視点でもう一度裏側から見てみると、また別の事件が見えてくる構成になっているなら凄いなあ。

 良太郎姉の入れる心のこもったコーヒーと、機械的に作るデンライナー・ウェイトレス・ナオミのコーヒー。
年に一度のバカ話回では、二人のコーヒー対決が見られたり?
 姉が作ったチャーハンで、オーナーが初めて最後まで旗を立てたまま食べきるのに成功するとか、ウェイトレスに姉をスカウトし、ナオミはクビにされたりして。



『獣拳戦隊ゲキレンジャー』01.「ニキニキ!激獣拳」

 前作『ボウケンジャー』の、仲間達を引っ張っていくだけの強力なリーダーシップを持ったレッドとは正反対。
野生児で常識知らずで手の掛かる子供のようなレッドが登場。
アマゾンライダーに近いのかな。
 クマと相撲を取って鍛えていたのは金太郎だけど、レッド・漢堂ジャンは、パンダを相手に遊んでいた。
まあ、パンダもクマ科だし、大「熊」猫って書くし。

 伊藤かずえが出演するとは思わなかった。
拳法の達人役にしては掛け声に気合いが入っておらず、無理な配役では…と思ったが、ここを見ると剣道もやっているようだし、意外にスポーツウーマンなんだ。
 悪の側に属する少女(?)メレが、可愛い上、ちょっと えっちな服装で、目に楽しい。
モンスターには変身しない方が良いな。

 ゲキレンジャー姿になると、頭部以外、体全体には凹凸が無くツルリとした造形のため、何だか物足りない。
ベルトでも締めさせれば かなりイメージが変わると思うけど…中国拳法の服が原型なのか。
激しいアクションに入ると、余り気にならなくなるから構わないが。
いずれパワーアップで姿を変えたりするかも知れないし。
 変身途中、ヘルメット部分が一瞬、自転車乗りがよく被っているモノっぽく見えるところ。
ヒーロー達が属する組織が「スポーツメーカー」だという設定を活かしてあり、面白い。
 ヘルメットの猫口は、妙に可愛いくて可笑しい(^ ^)。

 巨大化した敵を留める、巨大マスター・シャーフー。
もう巨大メカなんか呼ばず、毎回マスターに頑張ってもらえば良いんじゃないか。
 ざっと設定を紹介し、次回、メカ戦へと期待を繋ぐ、取りあえず文句のない作り。
 面白くなる事を祈って、視聴継続。


2007年2月17日 土曜日

『ウルトラマンメビウス』44.「エースの願い」

 ヤプールの罠に落ち、分断されたメビウスとGUYS。
 「ウルトラ族と地球人、二つの力を一つに合わせて戦う」のがメビウスの特性。
…勿論 両種族の協力関係は他のシリーズでも築いていたけど、ウルトラマンだけでは戦えない、ぐらい毎回 支え合っている関係なのは、この作品ぐらいだろう。
 分かたれたメビウスらの境遇を理解し、アドバイスできるのは、シリーズで唯一「二人で変身」し、しかも後にその片割れと離れてしまう設定を持つ、ウルトラマンAのみ。

 『80』の、「路線変更により教師パート打ち切り」という裏事情を、「卒業式無しで、突然 生徒達の前から消えた先生」という美しい形に捉え直し、彼らと矢的を再会させる事で改めてシリーズを完結させた この作品。
 『A』に対しても、見事に昇華して見せてくれた。
『A』は、その別れが決して作品の欠陥ではなく、魅力を増している部分もあるが…

 一人で変身する星司に『A』のテーマが被るところで、ちょい泣き。
 南夕子との再会で、大泣き。
ここで泣いてしまうオッサンの気持ち、子供に分かるまいなあ。
それは、本来 子供をターゲットにすべき作品として問題な作り方かも知れないが、いやもう そんなの知ったことか(笑)。
 夕子は もっとストーリーに絡む形で出せたのでは、とか、そういうのも些細な話。
 実に、良かった。

 今回も、ジングウジ・アヤが、非常に自意識過剰なキャラとして活躍。
前回だけなら描写の失敗と思えたろうが、二回続くところを見ると、「こういう女性」に設定されているんだろう。
 「前にメビウスに助けてもらった」経緯があるなら、普通、「今度は自分が助ける」考えに到らないか?
「また今度も助けてくれないと困る、私のナイトなんだから」等と言い切ってしまえる いけ図々しさは、いっそ爽やかでさえある。
 ところが、メビウスを立ち上がらせたのは、Aの声と、離れていても心に浮かぶ仲間達の姿だった。
すぐ側に居て何やら叫んでいるアヤからは、別段 力を与えられていないのだ。
 確かにミライは「ナイト」なのかも知れないが、それは「仲間達、広くは地球人にとって」であり、彼女だけのモノではなく。
更に言えば…彼女はミライにとっての「麗しきプリンセス」たり得ていないのではないか、と思える演出が今回は成されており、何というか、なかなかイジワルだなあ、と。
 そういう扱いで通すなら、それはそれで面白いキャラになりそう。

 ヒルカワ。
 ぼちぼち反省などする頃合いかと思ったが…
彼がミライに向けたヤプールの銃内に、全弾撃ち尽くしたと見せて一発残しておき、起死回生を賭けてヤプールの急所を狙撃する、とか。
 ウルトラシリーズでは滅多に見られない、心底からの極悪人(いや卑怯者、愚者、残念ながら そう少なくはない人類の負の部分代表か)に描かれていく様子。
 彼が無理解で、非道で、悪意に満ちているほど、Aの「優しさを失わないでくれ。弱い者をいたわり、互いに助け合い、どこの国の人達とも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。例えその気持ちが何百回裏切られようと」という言葉が、余計 胸に染みる。
自分がメビウスであったなら、躊躇わずヒルカワを踏み潰し、「地球を守るため、やむを得ない犠牲」「動物保護を訴える人だって、屋根裏に病原菌を撒き散らすネズミが居たら、処分するんじゃない?」(酷い)とか言い放っていただろうと思うと、更に。

 ミライがメビウスだという事実。
仲間達には理解を持って受け入れられたが、果たして多くの地球人にとっては、どうなのか。
 『帰ってきた…』「怪獣使いと少年」みたいになってしまう?



『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』06.「シナモンシュガーレイズド・ハピネス」

 ここ二話ばかり、学美よりも光香を中心にした作品なのか?と思ってしまうような お話が続いている。
 学美は、常人の理解を絶する…という程すっ飛んだキャラではないし、内面を明らかにしない事で魅力を増すタイプだという訳でもなく、普通に描いてやった方が良いような。
 このまま放っておくつもりは勿論ないと思うが、順番としては、ヒロインの事情をまず知りたくなってしまう。
 学美の明るさ、ポジティブさが、実は非常に重い過去の反動として出て来ており、その呪縛から解き放たれる過程をクライマックスに据えている…というなら伏せておく事情も分かるけど、そういう作品じゃない…よね?

 しっかり描かれた事で、光香は分かり易く、感情移入しやすいキャラになった。
元々、分かり易い性格付けではあるが。
 試験期間中なのにも関わらず、夜中に遊び歩いてしまう光香と むつき。
その裏側には、ソフトボール大会でエラーをして負けてしまった親友・むつきを心配する、光香の思いがあった。
 捉えようによっては迷惑な友情だって気もしないではないけど、むつき自身がそう感じていないので(自分を気遣ってくれる光香の気持ちを気遣った?)オッケー。

 試験などより遙かに大事なものと一緒に居られる喜びか、そういう言い訳で試験勉強を投げ出せる嬉しさからか(笑)、遊び歩く二人の様子が実に楽しそうで、見ていても楽しい。
 こういう無償の友情を成立させるのは、学生時代が過ぎるとなかなか難しく…実際には学生時代でさえ得難い…『学園ユートピア』とタイトルで謳うに相応しい、居心地の良い人間関係の捉え方。
癒しだねえ。


2007年2月13日 火曜日

 早くも花粉症の症状が出始める。
今年の冬は寒くないので、過ごしやすいなあ、等と呑気に考えていたけど、そうかぁ、暖かいって事はアレの飛散時期が前倒しになる、って事でもあるのか。
 はああああ、まあ、嘆いても仕方ない。

 という訳で、〆切前スケジュールに入ります。
 週末まで更新は難しくなるかと。
すみません、ご了承を。


2007年2月12日 月曜日

『Yes!プリキュア5』02.「情熱全開キュアルージュ!」

 もう見ないでおくとか先週言っていたのに、『電王』からの流れで、つい見てしまう。
 明確につまらない部分があったり苛立たされたりするような問題ある内容ではなく、見始めると気が付けばエンディングの歌が始まっている、すらすらと流れるような お話だ、という利点がある(問題点でもあるかも知れない)からか。

 プリキュアの正体とか、悪者が居てそれと戦わなければならない現実離れした状況とか、隠さなくて構わないのね。
友達もそうだったように、イキナリこんな話を聞かされて信じる人間は、まず居ないだろうが。
 美形の学校教師であり、可愛いマスコットキャラでもあるココを、ヒロインは どう捉えているんだろう?
ココになった時は外見に合わせるよう性格も変わるため、「二重人格」的に理解でもしなければ、なかなか恋愛対象としては厳しそう。
 カマキリみたいな悪役の男、まだ倒されず残り続けるんだ。
どれだけ出演させても魅力を感じられるようになるとは思えず、「ザコ」としか思えないデザインなので、ぼちぼち片付けても良いような。

 …等々、細かく言えば言えるんだけど、見ている間は ほとんど気にならない。
「こんな事は気にさせないリアリティーで全編が構成されている」から。
 「とにかく気楽に見られる」という点では、特に年少の視聴者向けには これで正解なのか、とも思える。
 自分としても、ついでだからプリキュア五人が揃うまでは見ようかな、などと考え始めているし。

 「友達なめんな!」というセリフが、何だか可笑しいと同時に熱く、上手い。
こういう、感情が爆発するようなシーンを毎回設けられると、些細な事は全部吹き飛ばせそう。


2007年2月11日 日曜日

『仮面ライダー電王』03.「アウトロー・モモタロー」

 このシリーズは、二話で一つのエピソードを終わらせる編成になるのかな。
一話目は、現代人が置かれている状況と持つ願いを説明し、イマジンとの関わりを描く。
二話目で過去へと飛び、イマジンと決着を付け、なおかつ現代まで続く個人の問題の解決を図る、とか。
 ストーリーに割く時間がゆっくり取れるなら、えらくヤヤコシイ基本パターンを作り上げた理由も、分かる。

 今回冒頭、デンライナーに普通に男が乗っていたが…
レギュラーキャラ以外に、こういう乗客も、居るんだ。
 彼は誰で、どの時間に、どういう目的で降りていったのだろうか?
 「お土産用のコーヒー」なんてモノを車内販売しているところを見ると、商業利用しているようなので、乗車チケットもお金で買える?
きちんと領収書を取る、「タイムパトロール・歴史調査員の出張」だったりとか?
 個人利用だとすると、歴史の改変について、デンライナー側では余り神経質な規約を設けてない事が考えられる。
実際、前回は、チケットを持たない乗客を乗せた上、歴史を僅かながら書き換えてしまったし。

 そうすると、自社の利益にならない時間渡航者=イマジンのみを取り締まるのが、この鉄道、及び電王の目的になるのかな。
 時間超越テクノロジーが何者かによってもたらされており、それを与えられる条件として「イマジンを退治せよ、それ以外はデンライナーをどういう目的で使おうと自由」という契約が成されている、とか。
 ああ、デンライナー自体が、オーナーの「時間を改変しようとするイマジンを根絶したい」という願いに基づいて、特殊な?イマジンにより運行されている可能性も、考えられるな。

 ゲスト出演は、『ライオン丸G』の獅子丸こと浪岡 一喜。
こういう冴えないチンピラみたいな役を演じさせると、上手いなあ。



『ウルトラマンメビウス』43.「脅威のメビウスキラー」

 ジングウジ・アヤが登場し、劇場版とストーリーがリンク。
…彼女の基本設定は ざっと説明されただけなので、映画未見の人には「子細ありげに出て来たけどこの人、誰?」と思われたかも。
 映画で、宇宙人連合によって復活させられたヤプールが、今回は謎の「皇帝」に仕える軍団の一員になっている。
同様の構成を繰り返しつつ、一段階上の脅威が迫っているのだ、と伝える狙いなのか。

 ストーリー自体は…
 アヤは重要人物なのかも知れないが、別段リアルタイムで狙われている訳じゃなく、フェニックスネストが飛び立った事、本部と連絡が取れない事が分かった瞬間、ノンビリ構えずミライは駆け出すべきだったろう。
 それと、強敵エース(メビウス)キラーとメビウスの戦いが まさに展開されている最中、「今、伝えなきゃイケナイ事か?」と思うような事柄を語りかけるアヤに、すっかり緊張感を削がれてしまう。
 後者は、人々からの信頼を力に換えていくメビウスの特性から考えると、無駄ではなく必要なステップだったのだろう…と補完できなくはないが。

 エースキラーのデザインは、やっぱり格好良いなあ。
 バトルの構成。
「あらゆる技が瞬時にキラーによりコピーされ、対抗できる攻撃法を失っていく」「なのでメビウスは、これまでに一度も見せた事がない、タロウから学習したメビウムダイナマイトを用いて、イチかバチか、一撃で止めを刺す戦法に賭けた」という事がもっと手に汗握る形で描かれていたなら、更に良かったかと。

 ヤプールの他にも宇宙人が三体おり、その上にまだ「皇帝」が控えている事からすると、このエピソードがシリーズのクライマックスになるのだろう。
 メフィラス星人は、ただ単に悪辣な宇宙人、として扱うには向かないキャラクターかと。
最終的に、他の者達と袂を分かつ事になる?
 いや…『タロウ』登場時の情けないメフィラス星人なら、どんなアホに描かれようと不思議無いが。


2007年2月10日 土曜日

『コードギアス 反逆のルルーシュ』17.「騎 士」

 ゼロ側に、科学者っぽいお姉ちゃんが登場。
エンディングの絵からは、セシルと縁がありそう。
 ロイドの結婚相手が決められようとしていた事から、意外とこの女性とくっ付いてしまったりも?
 そうなると、最強のマッド・サイエンティスト・カップル誕生か。

 ランスロットに乗っているのがスザクだという事は、もうしばらく伏せると思っていたのに、こんな所でバラすとは。
本当、視聴者が予想するより早く、意表を突く展開も取り混ぜながら激走するストーリーで、ただただ面白がるばかり。

 藤堂の処刑が予定通り行われていた場合、スザクはどうしたのか。
さすがに、素直に命令に従って殺したり、目の前で殺されるのを看過する訳にはいかないと思うが。
 なかなか、スザクを追い込まないのが不満。
しかし、マオの指摘により見せた脆い素顔からすると、ちょっと突かれただけでボロボロになるキャラかも知れないので、もっと後まで「お楽しみ」を取っておく判断もアリか。

 対してルルーシュは、ランスロットの搭乗者を知って すっかり動揺し、思考能力が停止してしまう。
彼には、「全てを影から支配するのは自分」という自負があるのだろうが、それ故に困難な状況や辛い選択が彼一人の元に集まってしまい、常に苦悩する事を強いられる。
実に可哀想。
 驚異的な才能を持ちながら、しかし「達観・諦観した人間である」という訳ではない事から来る弱味。
その弱さがルルーシュの魅力にもなっており、良く出来たキャラクター造形にただ感心。


2007年2月9日 金曜日

『ショートDEアニメ魂』07.

 『猫ラーメン』だけを楽しみに見ていたが、今回、番組中で紹介された宇木 敦哉さんによる『センコロール』というアニメのトレーラー(パイロット版)がなかなかに凄いイメージで、驚く(リンク先で見られます)。

 インタビュー部分をとばしてしまったため、てっきりこれだけで完結したショートフィルムなのかと。
ストーリーより強烈なイメージを伝える作品として、これはこれで、高いレベルにあると感じられ。
 非常に良く動き、「あり得ない奇妙なもの」に対して細かいリアリティーを付加してあり、ハッとさせられるレイアウトや感情を込めたキャラの演技も素晴らしく、見る者を引き込むだけのパワーが画面に、ある。
 いずれ完成する本編のストーリーも面白いと、更に嬉しい。



『Project Blue プロジェクトブルー 地球SOS』05.「侵略の魔手!G反応炉作動せず!(前編)」

 前回、要塞島から脱出する過程は、「明朗快活な少年少女向け冒険活劇」としてのリアリティーで構成されている。
どういう理由だか(絵的な面白さ優先?)真っ白な空間に閉じこめられたり、ロボットが割合間抜けだったり、危ない所に都合良く人が駆けつけてくれたりして。
 だから…「捕らわれた人間がみんな殺されていた」というシビアな描写があったにしても、どちらかというと乾いた、過度に重くしない活劇として、話を進めて行くものかと油断していた。

 そこに来た、人間爆弾。
まさか自爆テロ攻撃なんて、『ザンボット3』ガイゾック並に非道なモノを仕掛けてくるとは、思わず。
 宇宙人、圧倒的に進んだ科学力を持っている様子なのに、こんな嫌がらせみたいな からめ手の攻撃を仕掛けなきゃいかないもんかなあ。
確かに、これだと、地球人を心理的には追い詰められるだろうけど。
 真正面から戦いを挑んでくる『インデペンデンス・デイ』タイプに見えたが、意外と『謎の円盤UFO』の方に似た宇宙人なのか。
持たせている爆弾も、科学力には似合わない「どっちのケーブルを切ったら爆発しないか」みたいなシロモノだし。
 彼らの狙いは、地球人絶滅とか食料にしようとか、そんな分かり易いものではない?


2007年2月8日 木曜日

『ネギま!?』19.「童心に返って遊ぶっていいよねー。童心に返んなくても遊ぶけどねー」

 女の子が全員スカカードのチビキャラに変わって繰り広げる、どたばたギャグ話。
 オープニングから作り替えてしまう懲りようが楽しいし、チビ達の可愛さには心和む。
一匹(一人?)欲しくなるぐらい。
 スカキャラになる事で普段と変わってしまう子も居るけど、大部分は余り落差が無いような…

 自主的にバケツ持ちで廊下に立つネカネの調子っぱずれぶりも、可愛い。
「仲間に入れて欲しい」気持ちの表れなのかな。
しかし、廊下に出てしまう行動は、クラスとの交流を断ってるようにしか。

 もう、メインの話…ええと、何だっけ?(笑)…は捨てて、こういった やりたい放題の番外編(こっちが本編?)を最後まで連ねていくのが、良いかも。


2007年2月7日 水曜日

 レンタルで映画『グエムル‐漢江の怪物‐』を見る。
 珍しい、韓国映画の怪獣物。

 冒頭、ちょっとだけ怪物誕生の理由付けらしきものが語られ、その後かなり早い段階で実体が登場する、この勿体ぶらないテンポの良さが嬉しい。
 水中を行動する怪物のイメージは、『ゴジラ対ヘドラ』のヘドラそっくり。
 陸上を暴れ回る凶悪さ、追われる人間達の恐怖が、非常に出来の良いCGモンスターにより、鮮明に伝わってくる。
河原の公園?を襲撃する悪夢のようなシーンだけで、「こういう映像が見たかった!」という部分がいくつもあり、先行きへの期待は膨らむばかり。

 登場キャラクターを一つの家族だけに絞り、警察や軍隊などを「背景」に留めた判断も悪くなかったと思う。
 その家族が、娘を助け出すべく命懸けの行動を起こす辺りは、馬鹿馬鹿しくも熱い展開で、満足しつつ見ていたが…

 以下、完全なネタバレを含む文章なので、未見の方は御注意。


 怪物との戦いで家族が敗戦し、死者を出した辺りから、物語は失速し始める。
 愚かな大人に育ってしまった主人公について、父親が原因と反省の弁を述べていたけれど、それにしても、一度現場から立ち去りかけてまた父親の元に戻り、追っ手に捕まってしまう、この愚鈍さにはガッカリ。
主人公が根本的に頭が悪いのなら納得もしようが、時折 賢かったり勇敢だったりする行動も見せる、この不徹底さで更に、苛立たされてしまう。
 物語として、既に一度体制側に家族は捕まっており、ここでまた全く主人公の責任で再度捕まる事によって、観客の印象は「またか」になり、勢いが鈍る。
こういうのは避けた方が良いと思うんだけど…

 中盤から後半にかけて、最も大きな不満は、怪物に関する事。
この怪物のイメージが、初登場時から退場まで、ほとんど変わらないのだ。
 「人間を殺さず攫っていく理由は何だろう?」と思えば、普通に後で食べるため。
 「弱点は何だろう」と考えても、特に設定されておらず、倒す方法にしたって「なるほど」と思えるようなものではない。
 「最後にはどんな大暴れを見せてくれるんだろう」と期待しても、前半で見たのとさして変わらないシーンばかり。
 こういうオリジナルの怪物は、物語が進んで行くに従って、何かしら新たな面を明らかにしていくのがパターン。
ここまでずっと変わらないと、怪物に対する興味が薄れてしまう。

 では、主人公を含む家族が よく描かれているかというと…微妙。
 主人公は、前述したようにアホだったり極端な行動に走ったりで、シナリオの都合が優先しているように思え、感情移入の対象にならず。
 長女は、「アーチェリーの選手だが、大会で結局 矢を射る事が出来なかった」事が最も大きな性格付けだろうに、本編中では怪物に向け抵抗無くビュンビュン矢を射ているため、キャラクター性が不明確に。
 次男は、酷い目に遭うところも含め割に面白いキャラだったけれど、ラストシーンでは姿も現さない扱いで…

 父親を殺すのはともかく…言ってしまえば「下らない(大好きな)B級モンスタームービーの分際で」一番の保護対象を最後に殺して終わってしまうのは、さすがに後味悪い。
しかも、そのことに物語として、さしたる意味があるとは思えないし。
 「やってみたかった」だけなら、こんな事やらない方が良かったな。

 映画の、本当の悪役は「在韓米軍(権力?)」だとも思える。
怪物誕生の原因となり、終始余計な事ばかりし、主人公達「普通の(?)韓国人家庭」を弾圧しているので。
 反米的・反権力的な思想がテーマになっている映画なのか。
それなら、家族だけで戦う筋立てと、「年寄りと子供が その犠牲になる」ストーリーにも、何かしら言わんとしている事を読み取れるが。
 ただ、こんな「しょーもない(繰り返すけど大好きな)怪物映画」で、そんな事語られてもなあ。

 グダグダとつまらない事(監督の言わんとしている事が詰まっている所かも知れないが)をやっているばかりの部分を削ぎ落とし、上映時間を二十分ほど縮め、「B級映画」の誇りに徹した内容にしてくれれば、「馬鹿で、下らなくて、最高に面白かった!」と素直に言えたろう。
アチコチ凄く良い部分もあるだけに余計、残念。


2007年2月6日 火曜日

『東京魔人學園剣風帖 龍龍』03.「人ならざる力」

 アクションシーンにはハッタリが効いており、作画の切れ味も良いと思うんだけど、ストーリーがシャキッとしない。
 別段難しくもない、言ってしまえば「よくある話」だろうに(だからこそ?)、わざと素直でない構成を取って、分かり辛く、面白味を薄くしているような。
 主人公が、特に意味なくラーメンにむせて咳き込み続ける、なんていう妙な事をやって見せるのはクセがあって良いと思うんだけど…

 勢いに乗ってくれば、ググッと面白くなる可能性を持つ作品かも知れないが、そこまで もつかどうか分からないぐらい視聴意欲は減退気味。


2007年2月5日 月曜日

『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』05.「ふたりっきりの、夜」

 おたふく風邪で学美が学校を休んでいる間、光香と芽生 二人だけになった生徒会の お話。
 そういえば自分、おたふく風邪、まだ やっていないような…
いい歳して感染するとイロイロ危険だという話もあり、無情なようだけれども、対ウィルス完全防備のような格好で病室を訪れてしまう桃葉の気持ちも よく分かる。

 芽生との距離をどう詰めればよいのか分からず、関係をギクシャクさせてしまう光香。
元は一人で生徒会を切り盛りしていたのだし、もうちょっと活発なキャラかと思ったが。
 見ていてつい、話す事が無いなら無理してまで話さなくても構わないんじゃないか、それじゃ友達になれないというなら そういうタイプの友達にはならなければ良いだけの話で…などとヒネくれた事を考えてしまう。
 しかし、諦めず、みっともなく あがき、頑張って近づこうとし続けた光香だからこそ掴めた、躊躇いがちに差し出される芽生の掌。
 対照的な部分を多く持っていそうな二人だが、共に他者のアドバイスを素直に容れて手紙という手段を選ぶし、「頭の中でシミュレーションを重ね、そこで勝手に否定的な結論を導き出すことで、最初の一歩を踏み出しきれない」性格は非常に似通っており、分かり合える素養はあったのか。

 いい加減なように見えながら、生徒達を温かく見守る男性教師が、イイねえ。
光香が、容赦なく後頭部にキックを繰り返していた事からすると、生徒に親しまれやすい…若干舐められやすい先生なのかな。
 それにしても、光香が ここまで無遠慮に対応できる人間も珍しく、もしかして彼女に取ってかなり「特別な男性」なのか、と考えるのは同人誌的発想?

 他者との一時的接触に慣れないのであろう芽生に、子犬のように体を寄せてくる光香。
照れながら、しかし嬉しげに心を開いていく芽生が、実にこう「萌え」のツボを突いてくる。



『古代王者 恐竜キング Dキッズアドベンチャー』01.「ガブは友だち!オレの恐竜」

 恐竜ゲームのアニメ化…なのかな。
ゲーム自体を知らないので、アニメのみの理解。
 恐竜を題材にしてはいるが、カードリーダーを通して姿を変えさせたり強化したりで、『デジモン』なんかと余り変わらない基本形式。
 主人公の使う恐竜がトリケラトプス、ってのは珍しいような。
大抵、パワフルなイメージから、ティラノサウルス辺りに落ち着きそうで。

 特に分かり辛い所は無いし、キャラクターもそれなりには楽しく、子供達が見るに十分な内容だったと思う。
が、いい歳のオッサンとしては特に心引かれる部分が無く、視聴本数を増やしたくない現状、ここまでにしておく。


2007年2月4日 日曜日

『Yes!プリキュア5』01.「希望のプリキュア誕生!」

 『プリキュア』は、元々『セーラームーン』的な要素を持つ作品だったが、今シリーズはまた露骨に そのまま。
 漫画による原作抜き、東映が自社で完全に版権を押さえる形で、第二の『セーラームーン』を作りたいんだろうと思うけど、だったらもう一度 佐藤 順一監督を呼んでくるぐらいの事をしないと。
 また、ヒットを狙うなら「単に同じようなフォーマットで再度作る」だけでは、厳しいかと思う。
その辺、佐藤監督だと、どう変化させれば時代に即させられるか的確に読めそうな…しかしまあ、ヒット作なんて、どんな才能のある人にとっても狙って容易に作り出せるものではないが。

 五人組の内訳は、ヒロイン、活発な親友、上級生のお嬢様、同じく上級生の おっとりとしたお姉さま、下級生の妹タイプ芸能界属性付き、といった所か。
悪くはないけど、学年が違うとキャラ同士、真正面からぶつかり辛くなりそうな。
ドラマのフォローでどうとでも出来るが。
 イケメン男子はタキシード仮面の位置を占めるものと思っていたので、マスコットキャラ化してしまうのに驚く。
両者のギャップをうまく生かせれば、面白いキャラに出来る…?

 変身能力を得る下り、アクション展開は、まずまず普通。
 視聴を継続して構わないレベルの内容だったと思うけれど、日曜は他にも見ている作品が多く、歴代『プリキュア』を見ないで来た経緯から、ここまでに。



『ウルトラマンメビウス』42.「旧友の来訪」

 当初のミステリアスさは かなり薄れたものの、相変わらず不思議な雰囲気を纏っているサコミズ隊長の謎解き、完結編…かな?
 なるほど、ウラシマ効果ね。
この世界にそういう概念があるとは思わなかったため(既出?)、意外。
 サコミズが、科特隊時代から現役の人だったとは!
彼も、『トップをねらえ!』のように、地球に帰ってくる度、年齢を重ねていく仲間達に置いて行かれるような寂しい気持ちを味わっていたのだろうか。

 しかし、「ウラシマ効果」の説明が随分と簡単で、お子様達にはまず分からなかったかと。
多少丁寧に説明しても、やっぱり分かりづらい概念だろうとは思いつつ…うーん、ここが理解できないと今回の話は、かなり「??」な内容になってしまいそう。
 お父さんに尋ねてみることで、親と子のコミュニケーションが一つ図れるから、良いのか。
…小さい子供に分かり易く説明できるかどうか、自分でも自信ないけれど。

 我々の目に触れない所で、ウルトラ族は地球を守ってくれていた。
 地球人からすれば「神」にも等しい力を持つ彼らから、太陽系外周まで到達できたことを誉めてもらえる嬉しさ。
いずれ二つの種族が、肩を並べて宇宙を行けるだろう、と言ってもらえる喜び。
大きな大きな背中を持つ父親に、認められた子供のような気分。
 前も書いたけど、いずれの宗教への信仰心も持たない日本人の、しかもウルトラ世代であれば、実体を持たない高次元の存在に対面した際、その姿を無理に知覚しようとすると、「ウルトラマン」になるんじゃないかと思う。
 他宗教を攻撃せず、お布施を要求せず、罵られようとも怒ることなく、ただ人間の事を思ってくれる。
現実の宗教にはなかなか無い、理想的な神様像じゃなかろうか。

 サコミズのエピソードと、怪獣の特異性は必ずしもリンクしていなかった気がするけど、ゾフィーが格好良かったし、もう出番は無いかも…と考えていたヤプール再登場にゾワゾワさせてもらったから、オッケー。
 次回、複数の宇宙人達がタッグを組んで地球を襲う?
劇場版で既に見たパターンに思えるが、今回はどういう趣向で楽しませてくれるんだろう。



『仮面ライダー電王』02.「ライド・オン・タイム」

 物語の基本フォーマットが明らかに。
 イマジンが、現在の人間の願いを一つ叶え、代償として その人に取り忘れられない記憶の時点まで時を遡り、成り代わって極悪な行いをして個人と世界の 有り様を悪い方向に改変する…という理解で良いのかな?
 ちょっと、ヤヤコシイ設定。
 「願いを叶える」部分は略し、取り憑いて強制的に歴史を改悪してしまっても構わないような。
イマジンに、ランプの魔神、あるいは契約を重んじる悪魔のイメージがあるのだろうが。
 フォーマットを逆手に取るエピソードは設けられるだろうし、いずれ形式は崩れたり、スピード優先で略されたりするだろうから、現時点でどうこう言う事じゃ無いか。

 今回のストーリーその物は、イマジンとの契約で探させている物、青年が大きく道を違える原因になった事件、電王の存在がキレイに絡み合い、「時間物」として面白く見られる内容になっていた。
このクオリティーでずっと進められるなら大したものだけど…なかなか難しそう。
 モモタロスが、ギャグメーカー然として楽しい。
電王に変身すると、主人公から姿も心も入れ替わってしまう、という設定にはやはり疑問を感じるが、モモタロスが「二重人格としての、主人公の凶暴な面」的に扱われるなら、納得できるかな。

 デンライナーでの戦いを見せていたが、それを、乗り込んでいるオーナーなんかはどう思っているんだろう?
今は良くても、いずれイマジンとの戦いで車体が攻撃されるようになると、悠然と構えている訳にはいかなくなったり。



 レンタルで、映画『仮面ライダーカブトGOD SPEED LOVE』を見る。
 余り予算は出ていないのだろうし仕方ないのかも知れないが、大きなスケールのストーリーを語ろうとしている割に画面が安っぽく、真面目に見る気力を失わされてしまう。
地上の覇権を賭けたZECTとNEOZECTの戦い、なのだろうに、弱小勢力同士の小競り合い程度にしか見えず。
 予算以前の問題として…水の配給に長蛇の列を作る市民を尻目に、通常営業している ひよりのレストランなど、「海の水が干上がっている」というのが重要な設定になっている世界の切迫感を伝えようという努力を、放棄しすぎ。

 説明不足のため、キャラクターや設定に「テレビシリーズと同様に捉えてください」という部分と、役割を変えられている部分があるのに、混乱。
独自の設定である「ZECTとNEOZECTの違い」ぐらいは、しっかり説明しなきゃいけなかったと思うんだけど。
 加賀美は割合に描かれている方だと感じるが、その他のキャラは、何となく居ただけ。
裏切った?女、なんてのも、何を考えていたのかサッパリ。

 カブトのバイクに、飛べるんなら最初から飛べ、と思わされたり、金色のライダーも こんなに強いなら最初から出しとけ、と思ったりで、ツッコミ所満載。
 一番酷いのは、唐突に時間を超えてしまう下りかな。
こんな簡単に時を越えられるのなら、カブトにしてもZECTにしても、もうちょっと気の利いた事態解決法が考えられるだろうに。
 アクションに見せ場が少ないのも痛い。
 宇宙ステーションからカブトが放り出された時、クロックアップを使って、同時に放出された大量のステーション片を『バビル二世』のように次々に飛び移る事で、ステーションまで戻っていくんじゃないかと期待したけど、そういうのも無いし。

 出てくるのは文句ばかりで、面白かった、と思える所は ほとんど無い。
キャラの魅力・画面のパワー・物語のスピード感…何か一つでも優れた部分があれば、他の弱点は気にならなくなったかも知れないんだけど。
 テレビシリーズの『カブト』以前に位置するストーリーかも、という辺りで、本編の補完を色々に出来そうなのを面白がるべきなのか。
…余り興味を引かれないが。
 残念ながら、近年のライダー映画の中でも、見る価値を感じられない作品。


2007年2月3日 土曜日

『コードギアス 反逆のルルーシュ』16.「囚われ の ナナリー」

 マオはまだ死んでいないのでは?と予想してみたりはしたけど、こんなに早く再登場するとは思わなかった。
しかも、失敗から学び、より巧妙な罠を仕掛けて、ルルーシュに嫌がらせをすべく立ちはだかる。
 死ななかったのは、進んだブリタニア医療のお陰?
本当は、やっぱりC.C.のごとく半不死身の状態に体がなっていたからでは。
というのは勝手な想像だけど、真相は、再度本編に登場する事があるか無いかで分かるな。
 「執着し続けたC.C.にハッキリと見捨てられた」訳なので、もう死んだも同じだろうが。

 ナナリー誘拐について、迂闊な相手には真相を話せまい、と思ったが、そうか、ルルーシュ達の置かれている立場を理解しているスザクなら、上手く誤解させればマズい事まで勘ぐられないで済むのか。
 ルルーシュの策謀術と、スザクの驚異的な体術(人間離れしてるなあ)が合わされば、ブリタニア打倒も難しくない。
しかし、ブリタニア人であるルルーシュは肉親への憎しみの余り本国を敵に回し、スザクは同族である日本人を押さえつける側に回ってしまう。
 実に皮肉な、相反する性格付けと設定の作りようで、面白い。

 単純正義バカなのか、と思われたスザクに、隠されていた血にまみれた過去。
 父親の真意を継いで、あるいは父への反発心から別のやり方で日本を守らんとしているのだろう、と考えていたが…父殺しの罪を背負っていたとは。
 徹底抗戦を唱えた父親を刺した、という事は、戦いに寄らない平和を目指したのか。
そのため父を刺殺したのでは、目的と手段が矛盾するような。
 なるほど、殺人まで犯した事により、自分の生きる方向をもう曲げられなくなり、随分と硬直化した考えになった、と。
 驚異的な戦闘能力も、「死ぬ事を恐れない、というより死にたい」心の働きによる躊躇いの除去が、元々の身体能力に加わっていれば、理解しやすい。
 マオは、スザクが言われて痛い所を突いただけなのだろうから、まだ隠された真相が潜んでいる可能性はあるな。

 キャラの内面をズバリと言い表してしまうマオは、とても便利なキャラ。
 まだまだ、コーネリアや皇帝と対面させれば、面倒な前置き無しで「お前は本当はこう思っている!」と言わせられ、役に立ちそう(^ ^)。
そんな無茶をしなくても、ドラマ中で心理状態を自然に消化できるスタッフだけど。

 自分に対しギアスの力を使うルルーシュ。
以前、「鏡で反射させても力は通じる」という伏線を引いており、ここのためかと納得。
 ロイドが爵位を持っている、という会話が前に あったのも、ミレイと お見合いをするのに釣り合わせるための伏線だったんだ。
 実に周到。
見返す事で、もっと色々な発見がありそうだなあ。


2007年2月2日 金曜日

 今頃になって映画『硫黄島からの手紙』を見る。
 硫黄島二部作の二部目。
 覚悟はして行ったつもりだけど、ズシリと重い内容。
 『父親たちの星条旗』を見た時には、無責任に「圧倒的兵力の米軍相手に、日本軍もやるなあ」などと思っていた、その裏側にあったのは、こんなにも悲壮な人々の生き様・死に様だった。

 戦争、それも負けていく戦の恐怖が全編に満ちている中、特に恐ろしかったのは、怖い上官に言われて兵達が集団自決を遂げていく場面。
 見分けも付かない仲間達についてはまだしも、西郷と親しかった、気の良い戦友が死んでしまうのに、震える。
生きる事を諦めているようなキャラではなく、西郷と共に逃げ出す事を考えるのだろうと思い込んでいた。
 絶対である上官の命令、どうせ負ける戦いなのだという諦念、戦場ならではの狂気…様々な思いが入り交じっての行動か。
 部下に対し、ヒステリックな厳しさを見せる上官も、てっきり「部下全員の死を見届けてからでなければ死ねない」とか「いざとなると自分は死ねず…」といった往生際の悪さを発揮するものと。
躊躇いなく頭に向けた銃の引き金を引いてしまうのに、衝撃を受け、見ている自分まで取り残されたような気分に。

 あの集団自決の場に、自分が居たら、どうしたろうか。
 手榴弾による一瞬の死なので苦痛を感じる間もあるまいから、場の勢いに流されて死んでしまうか。
とにかく この場だけでも生き延びたく、ジタバタして撃ち殺されるような最期を遂げるか。
 死ぬのは嬉しくないが、ここを逃れても いずれ死しか待っていない負け戦で生き続けるのも また辛く、どちらを選べば良いのか、希望のない強制された選択に、ただ震えるばかり。

 ギリギリまで笑顔を忘れない、親であり人間でもあり続けようとする栗林中将は、非常に魅力的なキャラクター。
 格好良いとは言えないが、卑怯者でもない西郷も、酷く身近で、感情移入を容易にする。
 二度あることは三度ある…結局、西郷は栗林によって三度救われたのだろうか。

 日本軍が、特異でありながらも「軍隊」として機能している様子を適格に描いてあるのが、嬉しいところ。
日本人監督が この作品を撮ったなら、もっと情緒に流された内容になったろう。
 極限状況に置かれた人間の、醜さと美しさ。
自分が撃ち倒した米兵の命を助けようとし、瀕死の彼と談笑すらしてみせる日本軍士官。
戦っての死こそ本懐と部下に強要しながら、自分は のうのうと生き延びてしまう士官。
投降してきた日本兵を、面倒だとばかりに撃ち殺してしまう米兵。
しかし、スコップを振り回して暴れる危険な日本兵を、殺さず捉えるのもまた米兵。
 日本軍・米軍の区別無く、人間の本質が非常に冷静に捉えられており、素晴らしい。

 真実を、美化することなく、蔑みもしない、イーストウッド監督ならではの視点。
 この戦いがあって、今の日本がある事を、日本人は皆 知っておくべきだろう。



『ひだまりスケッチ』04.「歌うショートケーキ」

 ああ、屋外写生って懐かしいなあ。
 校庭に出てしまったら、休むのに、もう保健室に行くよりも帰った方が早い位置にあるアパートって…
もの凄く良い立地条件。
四人しか住んでいず、空き部屋もあるらしいのが、不思議。
 他の生徒達は実家から通えるのかな。

 地蔵は先生が在学時に作った物だった、というのは予想できたけど、原型としては似ても似つかなかった造形物が、年月を経て削られ やがて地蔵の姿に…というのは想像を絶する(笑)。
素材は何なんだ?石膏?粘土?紙粘土?
よっぽど脆くなきゃ、数年で ここまでの形状変化は無いと思うな。
 石を削り出して まず地蔵を作り、それを基本的な骨組みとし、上に脆い素材を貼り付ける事で完成像とした?
それなら、後で加えた素材が剥がれ落ちることで地蔵が顕わになる事はあるだろうが。
 …いや、ギャグを真面目に考えても。

 カラオケで、四人四様の歌いぶりを見せるのが楽しい。
酷い音程の歌を聴いても、「音痴」とか何とか罵倒するような評価を下すことがない、ほのぼのした人間関係なため、笑いにするには少々弱いけど。
 ガチャガチャな ゆのの歌を、一度聴いただけで完璧にコピーしてみせる宮子。
意外な才能。
この記憶力を、本分である美術方向で活かせるなら、ヒトカドの芸術家になれるかも。


2007年2月1日 木曜日

 レンタルで映画『レディ・イン・ザ・ウォーター』を見る。
 問題作を連発する、M.ナイト・シャマラン監督作品。
『アンブレイカブル』は好きだし、『サイン』もテーマの読み取りようによっては悪くないと思え、『ヴィレッジ』は…うーん、及第点ぐらい、という事で、個人的に好きな監督のため、期待して見たが…

 物語をフォーマットに沿って素直に描かず、「作り物ですよ」とでも言うように一回解体してみせるのが監督の手法。
今作でも、いい加減な伝説の解釈や、更にいい加減なメッセージの解読法(シリアルの箱には笑った)など、ヒネくれた作りは健在。
 ただ、一応は伏線らしい物を引いてある一度目の人員選出に比べ、二度目のそれは余りにも唐突で、意外性はあっても説得力が無い。
 ラストも、そりゃこうなるのが正しいんだろうけど、面白味にも余韻にも欠けており、「ああ、そう」というような気分で見終えさせてしまう問題のあるもの。

 ヒロインに、守ってあげたい、と感じさせられるだけの魅力がないのも、痛い。
「アリガチな可愛いプリンセス」にしたくなかったのだろうが…ここだけでもどうにかなれば、「理不尽にも押し付けられた重責に対し、必死で応えようとする人間達」を描く「童話」として、もうちょっとまとまったような。
 「守る価値に疑問がある人を、守らねばならない」理不尽さを、更にプラスするため?
作中に、もっと他に大きな魅力となる部分があれば、それで構わなかったかも知れないけど…

 よくあるパターンから色々な物を「削ぎ落とす」事はしているが、「加える」努力が足りていない。
 興行成績が良くなかったのも、納得してしまう出来。

 作り物モンスターに比較的お金を掛けているのは、珍しいかな。
『サイン』での、大学生の自主映画より酷いUFOの特撮とは比べものにならない(せめて宇宙人と比べろ)。
 この人は、そもそもCGとかに何の興味も無いんじゃないか、と考えていたのに(^ ^)。
 あと、シャマラン本人、本編に出過ぎ(笑)。
顔立ちも悪くないんだし、もう、自分が主人公になって映画撮れば良いのに。



『ネギま!?』18.「秘密だっつーと喜んでバラしたがるやつがいるし!」by千雨「ちうちうも怒っちゃうぞ〜♪ぷんぷ〜ん♪」byちう

 かなりの異常事態下にあると思うのに、登場人物はみんなノンビリとしている不思議。
 今回も、黒薔薇男爵の実体に迫る話…になどならず、関係に波乱を起こそうとする明日菜を取り囲み、ドタバタ展開して終わり。
コミカルに見えて物語もキャラ同士の関係も堅実に進めている原作と比べると、物足りなく感じるが、『ぱにぽに』番外編だと考えれば、もっと話らしい話が無いギャグオンリーで行って欲しいような気もする。
 「原作ファン」「アニメ版の監督(スタッフ)のファン」「単なるアニメ好き」、どの立場から見るかで、評価が様々に変わってしまいそう。

 明日菜、すっかりアホの子に。
「チュパカブラ探求」辺りの設定により、ボケたキャラにはなっていたんだけど…うーん。
 「隠し事をしたままでは、本当の信頼関係は生まれない」とか何とか、自分なりに正しいと信じる理屈に基づいて行動しているんじゃないかと期待したが、服に興味を持っただけか。
 ちょい悪オヤジと化したタカミチにビンタを喰らわすシーンなど、おおっ!と思わされたのに…これも蚊だし。
しかし古いギャグだなあ(笑)。
 いや、これはこれで面白いキャラだけど。

 今更ながら、委員長・あやかと、ネギ姉ちゃん・ネカネが似すぎており、髪の毛の僅かなクセと声以外では見分けが付かなくなりそう。
 どちらも、キャラとしては魅力ある存在だと思うため、この類似はちょいと残念。
 ただ…凄く大勢の可愛いキャラクター(不細工キャラを入れて良いならバリエーションは増やせるだろう)が登場する作品中で、ここまで描き分けが「出来ている」事の方が奇跡的だ、とも思う。


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