ときどき日記 2007/04

2007年4月30日 月曜日

『天元突破グレンラガン』05.「俺にはさっぱり判らねえ!」

 作画のアクが抜け、これまで通りに。
 地下住人達の悲惨な暮らしぶりが、何とも。
せっかく地上に通じる穴も開いたことだし、出ていけば…と思ったけど、外もまた、暮らしよい世界とは言えないからなあ。
太陽があるだけ地下よりマシ?
でも人間を狙うガンメンがウロウロしてるし。
 どうして人間達が地下に住み、地上に よく分からない敵が徘徊するようになったのか、シリーズを通して解かれていくのかな。
 守護神扱いのガンメンが移動した、その跡に口を開けた、更に遙かな地下に続く穴は何だったんだろう。

 描かれた、地下世界の閉塞的な状況は容易に改善できそうもなく、無責任な口出しなど出来ない…と思うんだけど、全く無責任に煽って焚き付けてしまうカミナ。
若いというか、お馬鹿さんというか。
 でも、理屈を通そうとして身動き取れないお利口さんより、感情と根性を先に立て、闇雲に行動する彼のような人間が、希望の無い世界には必要なんだろう、とも思う。



『DARKER THAN BLACK 黒の契約者』04.「新星は東雲の空に煌く…後編」

 作り込まれたヤヤコシイ設定を、ナレーションや博士みたいなキャラ頼りで説明してしまわず、出来るだけストーリーの中で消化しようとしている制作姿勢は、凄い。
またそれが、かなりの所まで実現できているのも素晴らしいけれど…
 設定を分かってもらうために、ストーリーの自由な展開が犠牲になっているような。
 それだけしても、複雑な、しかし物語を素直に楽しむに必要だろう背景知識の説明が、まだ足りていないし。
 難しいもので。

 糸?を使う契約者の攻撃が、ザンコクで楽しい。
血の出る画面を見ると、「大丈夫なの?」と反射的に思ってしまうのは、テレ東規制による条件付け。
 主人公を、良い奴にも悪い奴にも徹底させないバランスも面白いけど、まだキャラクターが確立していない事もあり、作品全体を中途半端に見せている部分も。

 しっかり作られているし、見応えがある作品なのは確かなので、波に乗ってくるのをボチボチ待ちたい。



『魔法少女リリカルなのはStrikerS』04.「ファースト・アラート」

 ようやく物語が動き始めた。
 状況説明も、新登場キャラの紹介をするのも、そりゃあ大事だと思うけれど、事件らしい事件も無しで訓練ばかり見せられては、盛り上がりに欠けてしまう。
 これで崩れている、と言っては気の毒だが、作画がイマイチ冴えない事もあり。

 新人達を鍛え上げる、というのは良いんだけど、その「鬼教官」役を務めるのが なのはだ、ってのは違和感。
「使えるようになってきた新人達」の上に、「彼女達を圧倒する力を持つ なのは」という描き方で、ヒロインの凄さを演出したいんだと思うが、長く続けると、教官・リーダー自身は特別な訓練を重ねている風でもないのに地位に胡座をかいて随分エラそうだなあ、などと「反感」すら視聴者に持たせかねない。
 なのはが味わう「上司としての苦労」をもっと前面に出すとか、早い時点でチームを実戦投入しなければならなくなり、統制が取れない部下をカバーして頑張る姿を見せるとか、やりようはあったかと。
 今作はスバルが主人公だから、構わない?

 シリーズも三作目だから仕方ないけど、キャラクターが多すぎる、というのも難点。
大多数のキャラをチョイ役に留める事で、何とか捌いているけれど…
 「新キャラのフレッシュな魅力で見せていきたい」製作者側の気持ちと、「お馴染み、愛着のあるキャラクター達を見たいのであって、思い入れの無い新キャラなんてどうでも良い」視聴者側の思いがすれ違う可能性もあり、ここいらは難しい所。
 これから立ち向かう事件が凄く面白いもので、不満を吹き飛ばし目が離せない内容になってくれれば、良いなあ。


2007年4月29日 日曜日

『BLUE DRAGON』04.「切り札はパンツ」

 「ギャルのパンティーおくれ!(『ドラゴンボール』)」というようなキャラが出てくる所は、キャラクターデザインの鳥山明 的世界観に合わせたものか。
 スケベな相手を捕まえるのに、ちょっとエッチな餌を用意して おびき寄せる作戦って、もう何度となく見たような。
ここに新鮮さを感じない視聴者は、客としてカウントされてないんだろうが。

 『ジョジョ』スタンドか、個別の意志を持ち必要な時だけ呼び出す事では『ポケモン』に近くもある、影の描き方。
 バトルはそこそこ頑張っていると思うけれど、能力同志の相性があるとか、敵の特殊能力を受けて どう反撃するか、といったアイディアの掛かった組み立て方ではないため、ちと単調。
 主人公と、サッパリ言うことを聞いてくれないブルードラゴンとの信頼関係 構築・友情の成立が、シリーズを通して描かれるのかな。

 超然としたゾラは良いキャラだし、全体としても悪くないんだけど、まだこういう作品に多く触れていない年少の視聴者を対象に作られているため、いい歳したオッサンとしてはアチコチ食い足りず。
 戦いの激化や子供達の成長によっては、グッと面白くなる可能性があるか…と思いつつ、ここまでに。



『キスダム -ENGAGE planet-』04.「炎幻」

 うわー、4話目にして もう総集編なんだ。
確かに、ここまで怒濤の展開だったとは思うけど、いくら何でもこれは早いでしょ。
 制作状況の悲惨さが伝わってくる。
大丈夫なのかなあ…

 前回、チーム全員が非業の死を遂げたかに見えたが、みんな「魔物に飲み込まれた」だけなので、「死んだ」とは限らないのかな。
 魔物だけを消滅させる形で倒す、あるいは本拠地に主人公が乗り込んで生き残った仲間を奪還してくる、というやり方によっては、無事で済ませられる可能性も(公式サイトの次回あらすじを読む限り、それは無理そうだけど)。
 魔物に取り込まれ、敵側の戦力として再登場してくるとか。
 …別に、死を惜しみたくなるキャラ達でもないから、どうでも良いが。

 やっぱり、色々な意味でスリリングなアニメ。
次回どうなるのか、全く予断を許さない。
 凄い力を手に入れたらしいが、まだ成長を始めたばかりだからか、大して戦いの役に立たない主人公が異色。
これで、無限のパワーを発揮し魔物をバンバン倒し始めるとパターンに嵌り、かえって面白くなくなる可能性もアリ。


2007年4月28日 土曜日

『風のスティグマ』03.「神凪宗家」

 綾乃・和麻を取り巻く環境や、敵のおおまかな設定説明が終了。
 斬新さは無いが、理解の難しいような所も無く、普通に見られるけれども…
 キャラクターの描写や、見せ場であろうアクションの組み立てまで「普通」であり、面白味に欠けるのが難点。
 和麻と父親との戦いなど、序盤の見せ場にならなければならない所だと思うのに、どうもパワー不足。
ケレン味が足りない、というか。
もっと遠慮無く、恥ずかしげも無く、迫力をグイグイ伝えてきて欲しい。

 綾乃より、登場シーンその物は少ない和麻の弟・煉がヒロイン然としており、可笑しい。
素直で儚げ、すぐ敵に攫われ…うん、やっぱりこれはヒロインの役割。
 やたら感情を剥き出しにする綾乃と、醒めた風を装う和麻のやり取りが、この作品の魅力になっていくのかな。
 そこに期待を掛けて、もう少し見続けるけれども、とにかく演出的なテンションを上げてくれないと、辛い。



『風の少女エミリー』04.「四人のスケッチ」

 劣化「世界名作劇場」なんだろう、というぐらいの、好意的とは言えない目で見始めたシリーズだが…
いや、割と面白い。
 新しい事は何もやっていないし、キャラの顔立ちが妙に濃い以外、強い特色も無いが、手堅く、丁寧に作ってある。

 父親が亡くなり、厳格な親類家庭に引き取られ、学校ではヒロインを敵対視する少女も存在…と、辛くなりそうな状況設定とは裏腹に、ライトな内容。
 厳しいのだろう叔母の中に、優しさ…というか「付け込みやすさ」のようなモノが、最初から見えるし。
エミリーを庇ったり理解してくれる人間が居るのも、楽。
 学校での誤解やイジメは もうちょっと引くかと思ったが、すぐに友達を作り、イジメっ子に逆襲。
ほぼ問題を解決してしまった。

 シンドイばかりの陰気な話を延々とされるのに耐えられなくなっているため、気楽に見られるストーリーは有り難いが、反面、葛藤やドラマティックさが かなり薄くなっていると思え、善し悪し。
 淡々とした日常から感動を生み出すのは、相当に難しい事なので。


2007年4月27日 金曜日

『ロケットガール』10.「オービター -orbiter-」

 「ロケットに乗りたい気持ちを大して持っていない」ゆかりに対し、厳しすぎたり技術先行で精神面のケアを軽視する姿勢を見せる宇宙協会に、ストレスを感じていたが…
 「ロケットに乗りたい!」茜が登場したことで、歯車が上手く噛み合い始めたと思え、楽に見られるようになってきた。
 いっそ、最初から茜を主人公に話を作れば良かったんじゃないかなあ。
体力面で不安がありながら、知力と根性で補いつつ、宇宙を目指す少女の物語として。
せめて、早い時点でパイロットを三人娘として構成し、動機が弱い ゆかりを茜が牽引していく話にすれば、転がりやすくなったろう。

 原作をそこまで改変する訳にはいかなかったのだろうし、茜が主人公になると「良くある宇宙飛行士物」になって、作品個性や葛藤、コミカルな要素まで弱くなってしまう都合があるか。
 まあ、前半への感情移入が弱かった人間の、勝手な考え。

 打ち上げを前に、家族と電話で話す茜。
…考えてみれば、こんなに普通の家族を持っているのは、三人娘で彼女だけだな。
陽気な弟との通話だけに留め、ウェットにし過ぎないバランス感覚が良い。
 大事に飼っていた熱帯魚を海に放す事で、緊張と覚悟と、開放感まで表す演出も、なかなか。
 向かうミッションそのものは「狭い所に入り込んだ部品の回収」という単純な(宇宙では困難な)物だが、何か大きなアクシデントが起きて、彼女に施された「根性試し」が活きてくるのだろう。



『機神大戦ギガンティック・フォーミュラ』04.「眩惑」

 ロシアのギガンティックが攻めてくる。
 主兵装を使っての精神汚染攻撃…は、いいけど、その見せ方が、
ロシア「……(クジャクのような羽が光る)」
真名「きゃあーっ!」
ロシア「……(光る)」
真名「きゃあああーーっ!」
これだけでは、何をどう受け取れば良いのだか。

 ここいら、演出家としての腕の見せ所で、恐怖を具体的イメージにして絵で表すものじゃなかろうか。
彼女が最も恐れている物は何なのか…「肉親の死の記憶」「孤立」「肉体的ダメージ」、何なら「犬が大嫌い」でも構わない…それを見せれば彼女の心の根幹を示せる訳で、とてもとても簡単にキャラクターを理解してもらえたろう。
 「実はクローンで、同じ姿をした複製が基地の地下に一杯泳いでいる」といった、謎解きに近い正体(設定されているなら)は最後まで伏せて構わないけど、今 何を考え、何を求め、何を恐れて行動しているのか、は、折に触れて彫り込んでいった方が良いかと。
ドラマからキャラを自然に感じ取らせる力は弱いと思うので、なお。

 今、苦しんでいる真名は置いておいて、数値を語るためだけに女性司令官の過去を、長く見せる意図が不明。
司令の内面など、まだ後で良いはず。
 中国兵二人もそうだったけど…周辺人物を先に描かなければ、主人公達の特異性、あるいは親和性を明らかに出来ない構成、という訳ではないと思うので、もうちょっと工夫が欲しい所。
 次回?に活かすため、シンクロ率を上げすぎて精神を食われたパイロットがいた実例を、とにかく見せておきたかったのかな。

 ロシアが、恐怖だけ与えて物理的攻撃を仕掛けてこないのも、不思議。
兵装は、それだけ?
 戦いが間延びしすぎていて、緊張感などまるで感じられず。
 「矛盾」のように、ロシアの作戦にも お国柄が関わって来る?
『イワンのばか』とか。


2007年4月23日 月曜日

 『スカルマン』が なかなか格好良く、映画『キャシャーン』並ぐらいには面白い画面に出来ていたため、もうテレビベースでも凝ったこと出来るんだ、このレベルの物が毎週見られるのは凄いなあ、と思えば、アニメ版の放送を開始する前祝いというか前夜祭というか、そういう感じのスペシャルなのか。
ちょっと残念。
 本編となる、アニメの出来も良いといいなあ。

 『グレンラガン』は、もの凄くアクの強い作画回。
小林治らしい、というか。
 表情やアクションに良い部分もあったんだけど、女の子が可愛く描けていなかったり、せっかくの合体メカ対決なのに その特異性を活かし切れていたとは言えなかったりと、勿体ない。
 しかし、グレンラガンの「頭部を無理矢理ドリルで本体にメリ込ませて合体」というシステムは、乱暴というかデタラメというか無茶で、理屈も何も吹き飛ばすパワーがあるなあ。
オモチャを出すなら、どういう形態になるんだろ。

 という所で、地獄のゴールデンウィーク進行、2本目の〆切前スケジュール入り。
 木曜ぐらいまで、更新は難しくなるかと思われます。
悪しからず、ご了承ください。


2007年4月21日 土曜日

『鋼鉄神ジーグ』03.「じゃじゃ馬ならし! 炸裂! 地獄ビンタ」

 相変わらず、細かい事は すっ飛ばして激走していく、「スーパーロボット物」の強引なパワーに満ち溢れた内容で、楽しい。
 今回は、かなり時間を取ってオリジナル・ジーグの最終決戦模様が描かれており、オールドファンとしては嬉しい限り。
…実際のアニメでは、覚えてないけど、こんなじゃなかったろうと思うが。
漫画版の続編として企画されているみたいだから、良いのか。

 旧ジーグの頭部に浮かび上がっていた銅鐸のような物は、何?
確か新ジーグでも、そんな描写はあったような。
 この辺りが、『ゲッターロボ』ゲッター線のように、戦いを決定づける力(不思議無限力)になっていくのか。
 サブタイトルになっている「地獄ビンタ」は、ジーグの掌に無数のトゲトゲを生やし、手の甲のバーニアを全開にして敵に叩き付ける壮絶なモノで、余りの馬鹿馬鹿しさに笑ってしまう。
出来れば、数十回にわたる往復ビンタの形で、「やり過ぎ」ぶりを見せて欲しかった。

 陽気で悩まず、驚異的な体力を持ち、戦闘本能のまま突き進む、パワフルな主人公が気持ち良い。
 最後まで失速せず、「スーパーロボット、かくあるべし」を見せつけて欲しい。



『機神大戦 ギガンティック・フォーミュラ』03.「摩擦」

 負けた中国…中央国?が、全面的に日本のバックアップに回ってくれる、過剰なぐらい爽やかな展開。
そういう基本ルールを示しておけば、諦め悪く最終手段に訴えてくる国とか、差別化が図れるのかな。
 爽やか、といっても、責任絡みでダークな事態は起きていたみたいだが。
 敵側パイロットの過去や、現在の心情について彫り込まれていたけど、今 視聴者が知りたいのは、主人公側チームの事情だと思うな。
真名は、どういう過去を背負い、どういう気持ちで戦っているのか、というような。

 ロボットの内部に神像の頭が入っており、それがエネルギーの源…どころか国同士の戦いを強制する原因になっている。
この設定は、「ガンダム・ファイト」に強引ながら理由付けするものとして面白いけど、これも視聴者が「知りたい」と思った事に答えてくれる形ではなく、製作者が「この辺で説明しておきたい」と考えた事を一方的に語っている形なのが、残念。
 ギガンティックとは何なのか、どうして不可思議な力を発揮できるのか、という疑問を、主人公と視聴者に強く感じさせた所で、解説を入れるのが理想的。
でないと、「説明ゼリフを延々聞かされて、苦痛」とさえ思われてしまう。
 破壊されたスサノヲの頭部から覗く、奇怪な神像の顔にパニックを起こした主人公が、ギガンティックの正体を知りたいと考え始めるとか…コレだと またそのまんま『エヴァ』な絵になりそうか(笑)。



『キスダム -ENGAGE planet-』03.「友輩(キズナ)」

 かなり壮大で、よくあるパターンに嵌らない話をやろうとしているようだけど、残念な事に演出と作画が付いて来られなくなってしまった。
 崩壊ぶりは痛々しいほどで、単に崩れた絵が入っているに留まらず、「間に合わなかった」所をどうにか誤魔化そうとして関係ない絵まで挟み込み、日常描写も戦闘もカット毎にまるで繋がらず、見ているのが辛いレベルに落ちている。
これで放送しなければならないのは、スタッフも辛かったろうな。

 画面がよく分からない物になってしまっているせいか、急展開を迎えているからなのか、理解できない部分が。
 ここまでに出て来たキャラクターを ほとんど殺してしまう思い切りも、どうなんだろ。
この作品での命の価値は分からないから、平然と生き返ってくるかも知れないが。

 良い意味で「凄い作品」に化ける可能性があるけど、「作画と共に崩壊したダメアニメ」になってしまう可能性は、もっと大きくある。
 その危うさまで含み、スリリングで面白いと言えるかな。


2007年4月20日 金曜日

『エル・カザド』03.「降られた女」

 オカマコンビは、もしかして ずーっとヒロイン達を追いかけてくるレギュラーキャラになる?
すぐ片付くと思ってたんだけど。
 どうせなら内面を少しばかり彫り込んでやって、間抜けだし気持ち悪い(^ ^)けれど愛嬌のある二人、に育ててやると面白いかも。

 これまでの所、特に躓く事なく見続けられている。
最近の真下耕一 監督作品を、すぐ視聴終了してしまう自分としては、珍しい。
まだ導入部に過ぎず、本筋が始まっていないから…かも知れないが。
 ナディを、「賞金稼ぎにしては致命的なぐらいお人好し」と捉えていたが、実は そう見せることまで含めて?請け負った仕事だ、という引っ繰り返し方には驚かされたし。
 ガンアクション主体の作品だろうに、緊張感の薄い物語を続けているのも、それはそれで。
 ガスで眠らされたナディが、虚を突かれて抵抗できなかったのはともかくとして、目覚めた時「眠らされていた」こと自体にさえ気付いていない(その瞬間の記憶を奪う作用が?)呑気さを見せるのにも、「それでプロなのか」と思うより笑ってしまう。

 キビシい制作状況下だろうに、女の子達が可愛いく見える作画をキープできているのは、嬉しい。
 久々に、最後まで付き合う真下作品になるのかな。


2007年4月18日 水曜日

『風のスティグマ』01.「風の帰還」

 原作未読。
 炎術師と風術師の能力紹介、両者の階層関係、風術師少年が置かれている立場と、炎術師少女の性格付けを ざっと見せる、第一話として手際の良い内容。
作画も安定していて良いし、見続けるのに支障のない出来だと思うが…

 こういう手の作品を多く見てきた身としては、売りであろう炎・風の能力表現が、「通り一遍」という所に留まっているのを物足りなく感じる。
 先輩作品群により かなり極められた、オリジナリティーを発揮しづらい能力設定だとは思うけど、ここを よくあるアニメ的演出のみで終わらせてしまうと、バトル展開に余り期待が持てなくなってしまう。

 取りあえず視聴継続。
 キャラクターの面白さ、バトルの工夫で引き付けてくれる事を、期待。


2007年4月17日 火曜日

『ロミオ×ジュリエット』01.「ふたり〜出会わなければ〜」

 そういえば『巌窟王』を大幅に改変したアニメを作ったのも、GONZOだった。
あれはあれで、キャラクターの描き方や独特の雰囲気作りを面白く見られた覚えが。
 今作は、それよりもメジャーな『ロミオとジュリエット』を題材に。
どのぐらい すっ飛んだ世界観を見せてくれるのか、と思えば、割合 普通のファンタジー。
 設定も物語導入部も原作とはまるで違うし、そもそも天馬なんて出てくる訳がないんだけど…
宇宙物にしてロボットまで出した『巌窟王』に比べれば、まだしも自然で違和感が薄い。

 お話自体は、ほんの発端なので どうこう言えず。
 これだけ違えてあるなら、原作無しのオリジナル企画だと言って構わないようなものだが、せっかくの、誰でも知っている題名を使わない手は無いか。
地味な第一話でも、先行きに興味を持ってもらいやすくなる…かも知れないし。

 作画は好調。
ただ、GONZOは「画面クオリティーについて信用できる会社」とは既に言えなくなっており、今後については不安も。
 視聴継続。
良くも悪くも、感想を書きたい気持ちが激しく湧き上がってくる作品には ならないかも…という予感は、する。


2007年4月14日 土曜日

 まだ新番組で感想を書いていないものも あるのですが、悪夢のゴールデンウィーク進行が控えており、〆切前スケジュールに突入。
 月曜…火曜日かな?までは更新が難しくなると思われます。
 悪しからず、ご了承下さい。


2007年4月13日 金曜日

『怪物王女』01.「蘇生王女」

 原作は、一巻だけ既読。
 タイトルからも分かる通り、元ネタとしては『怪物くん』なのだろう。
フランケンやオオカミ女、いずれはドラキュラも眷属で出てくるみたいだし。
 主人公だけフォーマットから はみ出して、ヒロシ(怪物くんの、人間の友達)というより『3×3 EYES』の无(ウー)っぽいけど。
 『怪物くん』は、確かに現代リメイクするのに良い素材で、「萌え」を混ぜて、「気の弱い怪物王子に、個性的な美少女怪物(メイド?)三人組」あるいは「美少女王女に、忠実な美青年怪物(執事?)三人組」で形になる。
今なら、王子も三人も美少年にしてボーイズラブ物とか、全員美少女の『マリア様…』路線もアリか。

 アニメの話に戻って…
 血が絡むエピソードは変えてしまうつもり?という以外、原作からそう大きくは変えていない。
 ただ、止め絵を多用した迫力に欠けるアクションシーンを始めとして、「アニメはここがセールスポイントなので見て下さい」という優位点が見当たらず、原作にある、独特の雰囲気まで薄くなっているため、特に見続ける理由が無い。
 原作未読であれば、先行きへの興味で視聴継続したろうが、いずれ単行本で続きを読む事にして、アニメの方は ここまでに。



『おおきく振りかぶって』01.「ホントのエース」

 原作未読。
 高校野球物には色々なパターンがあるけど、こんなに緩く、フレンドリーな物は珍しいような。
厳しかったり根性悪だったりする先輩や、無闇に突っかかってくるライバルの不在が、大きいのか。

 自分を投手として無能だと思い、やたらに凹んでいる主人公が、「使いようによっては強力な武器になる腕を持っている」と認められるまで、が第一話。
それに、個性的監督や有能な捕手、その他選手達のキャラをざっと見せる、非常に安定した作り方。
 安定しすぎていて、次回への引きが若干弱いとも感じるけど、まあそれは無い物ねだり。

 打者のクセや思考形態を見抜き、投球の種類を組み立てていく、投手の「才能」とか「根性」だけに頼らない捕手の考え方が、面白い。
 昔の野球物だと、「魔球を編み出したりして、とにかく凄い投手」と、「どうにか、その球を受ける捕手」という風に役割分担(?)されていたと思うけど、そうか、こういうパターンもアリか。
 いや『ドカベン』が、捕手の山田を中心に据えて描かれた、これの原型と言える漫画になるかも(と、掲示板で情報を頂きました)。

 好感の持てるキャラクター達が どうなっていくのか、興味あるので、視聴継続。


2007年4月12日 木曜日

『ながされて藍蘭島』02.「追いかけられて、婿殿」

 むー、なんて動きの良さだ。
こんだけチャカチャカ元気に動き回られたら、もう見入るしかない。
 ギャグも、非常に間が良く、ツボを押さえていて、かなり笑わされてしまった。
特に、ナス形の主人公身代わり人形を繰り返しギャグのアイテムとして使う巧さと、「駝鳥(飛べない)」には、大笑い。
きちんと笑いを成立させているギャグアニメって、とても貴重。

 テレビ東京系の厳しい規制が掛かっている お色気シーンにしたって、精一杯の演出的工夫と執念の作画のお陰で、十分、目に楽しく感じられる。
胸にサラシを巻いており露出などほぼ無い女の子に、「服を着て」と取り乱す主人公は、さすがに ちょっと不自然だけど。
 …しかし、このクオリティーのままで規制がウルサくない放送形態だったら、サービスシーンのえっちさ加減だけで、DVDの売り上げをグンと伸ばせたかも。



『機神大戦 ギガンティック・フォーミュラ』02.「戦闘」

 もう、何というか、何とも言い様がないぐらい「似ている」。
 さすがに似てしまった事ぐらいはスタッフも分かったはずだから、一部削る、デザインや名称をもっと大きく雰囲気の違うモノに変える、せめて見せ方を工夫する、という努力があれば、もう少し誤魔化せたと思うんだけど。

 似るのは まあ良いとしても、お手本がある分、オリジナルを乗り越える完成度は期待したかった所。
 戦いから逃げた主人公が、同年代の男の子と話したり女の子の事を思い出したりしている内に戦う決心をする所なんて、「段取り」であり「こういうのがやってみたかった」ぐらいの気持ちでしか作っていないのが明白で、盛り上げたい気持ちは分かるんだけど、醒めてしまう。
死の恐怖もあって戦いを拒否していたはずの主人公が、普通なら死ぬようなダイビングを見せるのも、不徹底。

 3Dによるロボット戦は、つまらないとまで言わないが、やはり手描きの迫力に負ける。
 巨大ロボット同士の戦いに限定する事で、なるべく「平和的」に勝敗を決しよう、という事になっているのだろうに、ヘリの横槍攻撃が入ったりするのが不思議。
何か、それを許す設定があるにせよ…最初はロボットだけで見せた方が分かり易い。

 悪い所ばかりではなく。
 敵国が中国(そうは言ってないが)だけに、「矛盾」に引っ掛けたような戦いぶりは面白かった。
 相手から分捕った腕を元の姿に変え、相手の武器を使う…というアイディアも、なかなか。
 敵から次々にパーツを奪っていく事で、最強の機体を作り上げる、って流れにしても良いような。
「一度戦った相手の技は、全て自分の物に出来る」格闘物のパターンみたいに。
それなら、今回の敵からは盾をもらうべきか。

 ここまでは似ていても、構わない。
戦略として拙く、脱落する視聴者を出してしまったかと思うけれど。
 ここから、「その先」を見せてくれる事に期待したい。


2007年4月11日 水曜日

『ぼくらの』01.「ゲーム」

 原作未読。
 これも巨大ロボット物か。
今期は多いなあ。

 ストーリーは、まだほんの発端なので、どうこう言えず。
 うっかり巨大ロボットの搭乗者として登録したことで、後々ひどい目に遭う、という内容か。
…ロボットを動かすとどうなるかは、原作未読でも、公式HPを見ると否応なく分かってしまうが。
 よく分からないユーザー登録を、一人を除く子供達全員が疑問もなく、してしまうのには、「段取り」を感じる。
ヒネた子とか、弱虫な子も居たのだから、もうちょっと迷ったり(一人迷ったけど)詳しい説明を求めたりしても良いような。
いっそ、敵ロボットの襲撃に遭い、街の人々や自分達の命まで危なくなったため否応なく乗り込むことになる、という持って行きようでも。
 そんな所に時間を掛けるより、第一話で取りあえずロボット戦闘を見せたかったのかな。
それは、別に間違っていないと思うけれど。

 ロボットの姿は、登録者以外には見えない?
子供達だけの、酷く孤独な戦いになっていくのか。
 巨大ロボット戦の演出は、暗くてよく見えず、対比物がないため巨大感が薄く、敵が弱すぎて面白味も少なかったが、これから盛り上がっていくんだろう、きっと。
 取りあえず視聴継続。


2007年4月10日 火曜日

『sola』01.「ソライロノカサ」

 ゲーム未プレイ…と書こうとしたが、これはゲームが原作じゃない、メディアミックス企画なんだ。
 原案が『Kanon』の久弥直樹、キャラクター原案が『D.C. 〜ダ・カーポ〜』の七尾奈留、という事で、ゲームっぽいと感じるのも無理ない所。

 第一話として、抜群の作画とは言えないが、話に入るのに支障がある程ではない。
 よくある、男一人 対 多人数の少女の恋愛物かと思えば、最後にバトル展開を迎え、驚く。
間を繋ぐ重要なシーンを見逃してしまったかと、もう一度見直すぐらい。
 少女・茉莉を襲う謎の男は、幕間にチラチラと出ており、ダンボールに入ったゴスロリ?な感じの少女を拾っていた。
でも、彼女を襲撃した理由は不明。

 茉莉の正体は、吸血鬼?
夜明け前に居なくなるし、青空や雲など日中でなければ見られない天の表情に憧れを持つ様子があり(傘の内側にも青空を描いてある)、変なトマトジュースを飲んでいたけど。
…血の換わりに、赤いしドロリとしている所が似ていると言えなくもないトマトジュース(トマトしるこ)を飲む、というのは、日本オリジナルの吸血鬼設定?
 彼女への攻撃に使われた光は、太陽光ライトなのかな。
 ただ、教会に住んでいる様子なのが、謎。
十字架さえ無ければ平気?
 吸血鬼が苦手とするモノの設定は、作品ごとに違うから分からない。
 主人公の、入院している姉も、窓の外を見たがらない様子から同族だったり。

 空の写真を撮るのが大好きな主人公と、青空を見ることが出来ない茉莉の物語になる?
 先が気になるので、しばらく視聴継続。
「よくある吸血鬼モノ」みたいになってきたら、そこまでに。



『らき☆すた』01.「つっぱしる女」

 原作未読。
 オープニングの踊りが楽しくて、三回ぐらい見直す。
OP・EDで踊らせるの流行り?と思えば、『ハルヒ』と同じ会社が作ってるのね。

 シリーズ開幕、という大事なところで、かなり最初に交わされる会話が「チョココロネの頭はどっち側か」なんてモノで良いのかどうか(笑)。
 『ひだまりスケッチ』か『あずまんが大王』、実写なら『やっぱり猫が好き』みたいな雰囲気の、ダラダラ〜とした日常っぽい会話で構成されるアニメ。
それらより、イベントやストーリー性が薄いぐらい。
 爆笑するようなネタは無いけれど、各キャラの個性が出たセリフは なかなか楽しく、ポケーと見ている内に放送が終わる。

 特筆してどうこうという内容の作品ではないのに、見逃せない気持ちにさせられてしまう要因は、画面を作っていくクオリティーの高さ。
女の子達が見せる表情や仕草の可愛さは、凄い。
 しかし、『ぱにぽに』ぐらい やりたい放題の弾けたアニメ版になるのでなければ、頑張って作っても「割と楽しかった」ぐらいの感想しか出てこない作品だろうに、戦力の使い方としてはどうなのかな。
 先に行くと、何か仕掛けが見えてくるシリーズ構成になっているなら、良いが。

 エンディングの歌に『宇宙鉄人キョーダイン』とは!渋い。
 毎回、昔のアニメや特撮のテーマを、キャラが歌う形のエンディングになる?
それはそれで、楽しみ。
 力を抜き、ポケーと見ていきたい。



『陸上防衛隊まおちゃん』01.「日本は自分が守ります!」02.「初出動のまおちゃん!」

 新番組、じゃなくて、再放送。
これももう、5年ぐらい前の作品になるんだ。

 初放送時、内容の無さにビックリしたものだけど、今見てもやっぱり内容は皆無。
 ただ、あの頃もそうだったが、日本を防衛したい防衛したい言う幼児達には、製作者の何らかの「意図」が感じられる。
国際的情勢が色々と変わってきた今日だと、更にいっそう。
 まだ早すぎた、今でこそ時代に即応する・「意図」が達成できるアニメなのかも知れない…いや、そうでもないか(^ ^)。
 すっかり忘れているので、多分 昔笑ったのと同じ場面の脱力ギャグに、また笑ってしまったり。


2007年4月9日 月曜日

『セイント・ビースト〜光陰叙事詩天使譚〜』01.「起源」

 最初の方で、設定を説明するだけの会話が かなり長く続き、めげる。
焦る気持ちは分かるんだけど、まだ物語が始まったばかりで世界の状況になど興味がない視聴者に、しかもセリフだけで設定を長々と語っても頭に入るはずが無く、ただ視聴意欲を削ぐ役にしか立たないのに。
 メインの男性キャラが、横並びでドッと出てくるのも、ちと負担。
『天使のしっぽ』の男性キャラが出ているようであり、各人そこそこは個性的に描かれていることで、見分けが付かない、という事でもないのだが。

 第一話は、これから起こると予想される問題を、ほぼ会話のみで表し、終わった。
 とにかく引きが弱く、登場男性キャラに魅力を感じられなかった視聴者にとって、次回も続けて見る理由は特に無いような…
まあ、これが「抜群の作画」で「凄い美少女キャラが一杯出て来た」作品だったら、それだけで自分は見続けると思うので、ターゲット層にはアピールする内容だった…のかも知れない。
 視聴終了。



『ウェルベールの物語』01.「始まりの章」

 城に潜入した盗賊の女が、殺人現場を目撃してしまう。
殺されたのは政治的決断による婚姻が行われるはずだった他国の王子、殺したのは国の王女。
そこに駆けつける両国の兵士達は、侵入者と、死体になった王子と、血だらけの剣を構えた王女を目にする。
 もの凄く混乱した状況の設定。
シリアスなシーンのはずだが、軽くユーモアまで含ませてしまうシチュエイションの作り方が面白い。
 そこから逃げ出す際、盗賊一人ならチビ妖精が運べるけれど、飛びついてきた王女の重量までは支えきれず、落ちてしまう。
ここいらの妙なリアリティーも、ユカイ。

 まだ本当に始まったばかりで、殺人が行われた理由や、その「犯人」である姫が、自分の殺人を原因とする開戦回避のため中立国に向かう事情など、飲み込めない所は多い。
視聴者の興味を引く第一話に出来ている、という事か。
 世界の設定からは浮いて思える、人工知能搭載の戦車が不思議。
追っ手から逃げながらの旅になるのだろうに、こんな戦車が一緒では目立ってしょうがないような。
 『ファイナル・ファンタジー』的に、こういう失われた?オーバーテクノロジーが点在する世界?

 ファンタジー物は、もう割合お腹一杯、という気分なので、そこそこ面白いぐらいでは不満足。
パターンで流さない独自の面白さを期待したいところ。
盗賊女と姫、戦車の掛け合いによるキャラクターの確立、辺りが見所になっていく?
 取りあえず、しばらく視聴継続。


2007年4月8日 日曜日

『シャイニング・ティアーズ・クロス・ウィンド』01.「現代×異世界」

 いかん、かなり笑わされてしまった。
「製作者が意図して作ったギャグ」では「ない」部分で。
 ストーリーの、思いつきをただ並べた度合いが、凄いなあ。

 今回のクライマックス。
胸に剣を突き刺された瀕死の少女から「受け取って、私の心」と渡された(彼女の胸から生えてきた?)剣を、直後に その少女自身が見て「その剣は?」と聞くのに、笑う。
お前が受け取れと言ったんだろうが!
 服越しでも胸の谷間がしっかり描かれているのに、実はそこに鏡がありました、とか。
 ゴブリンの群れ?から逃げるシーンで、画面を真横から捉えているのも、間抜けすぎ。
 そもそも、獣人を見たり異世界に飛ばされた時点で、もうちょっと何かリアクションがあっても良いんじゃないか主人公達。

 いちいち突っ込んでいると果てがないぐらい、とにかく愉快なところだらけ。
 予告も…
謎の狐面「隣国フィリアスが、あろうことか邪悪な仙女と手を組んで戦争を仕掛けてきたのです」
主人公「ゆ、許せねえ」
という短絡的なやり取りに、笑う。
 予告だから、無理に短くまとめてこうなったのだろうと思うが、今回の内容を見ていると、次回の本編でもこれぐらい短絡的な会話になるんじゃないかと。

 ある意味、非常に面白くエキサイティングなアニメだけれど、現状では不出来な物まで楽しんでいる余裕は無く、視聴終了。



『この青空に約束を― 〜ようこそつぐみ寮へ〜』01.「沢城凜奈(前編)」

 朝、主人公を起こしに来る、おっとりした喋り方の女の子。
部屋の中では、目覚めてみたら半裸の少女と一緒に寝ていたことに動転し、更に、昨夜の記憶が無いと戸惑っている主人公。
 …ギャルゲーのお約束的な導入部だけど、二段重ねになっているのは珍しいかな?
 第一話を見る限り、少女・凜奈を転校生として扱うなら、「イキナリ半裸で主人公と寝ている」スタートにする意味は余り無いような。
その出会いの直後、転校してきた女生徒は、てっきり凜奈かと思ったのに別人だった、という肩透かしギャグを成立させるための前振り?

 数人の生徒達が、閉寮になるまで一年間というタイムリミットの中、繰り広げる恋愛劇。
この設定は、面白い。
 反抗的な(凄い寂しがり?)少女に対し、熱血で妙な宣言をしてしまう主人公にも、笑ってしまう。
 その他の女生徒達も、若干パターンで流している部分は見受けられるが、彫り込めば個性を主張できそう。

 良い部分もあるんだけど…とにかく第一話から作画が酷く乱れているのは、見目麗しい美少女キャラが魅力の大きな部分を占める こういう作品では、致命的。
 「今、この画面では何を訴えたいのか」意図がハッキリしない、ぼんやりした演出も、嬉しくない。
 サブタイトルが「沢城凜奈(前編)」となっている事からすると、次回、後編で、この子のエピソードは完結する?
うーん、放送本数過多の現状、この絵ではずっと見続けたいという気持ちに なれないが…せめて次回まで視聴してみるかな。



『地球へ…』01.「目覚めの日」

 原作既読。
 もう30年も昔に描かれた作品を、現代に甦らせようというのだから、あれこれと手を入れたくなる気持ちは分かるけど…

 都市を走る「動く道路」が印象的だった原作から、アニメでは普通の道路に変更してある。
 そりゃ、ベルトコンベアーのように人が運ばれていく道路なんて、現在でも ほんの一部にしか採用されていないし効率的とも言えない。
古い未来観に基づいた設備だとは思いつつ…
 これが「機械に管理され、運ばれていく非人間的な社会」を象徴しており、規則を破って?その道を無理に横断し、疑問もなく流されていく人の群れに混乱を生じさせるジョミー、というシーンが、彼のその後の運命を表してもいたのだが(考えすぎ?)。
 この設定を無くして代わりに入れた移動手段は、ローラースケートのような特に面白味の無いもので、それを使い、意図が感じられる演出も成されていない事は、不満。

 短い原作の描写を膨らませなければならない事情は分かるが、ジョミーの両親が余りにも普通に優しく、人間的でありすぎるのも気になる。
もう少し感情を抑え、育児を義務と感じている様子を見せても。
 そんな両親との記憶でも手放したくないジョミー、という事で、切なさを感じさせてくれたのに。
 ただ、冒頭から冷たい描写が続くと、視聴者に「シンドイ」と感じさせてしまうかも知れず、難しいところ。

 …というのが、オールドファンの、年寄りのウルサイ文句。
 ちょっと微妙なところもあったけど作画は頑張っていたし、今後を踏まえた学校でのエピソードの膨らませ方は、上手い。
 ここから、作品が乗ってくるかどうかは、見てみないと分からない。
「原作を読んでいるから、もういいや」と思わせないよう、アニメならではの面白さを打ち出してくれると、いいなあ。



『ラブ★コン』01.「高1の夏!絶対カレシ、つくったるわ!」

 『ウルトラマンメビウス』の後番組なのに、少女漫画原作?
という偏見バリバリでの鑑賞だったが…
 いや、面白い。
キャラクターが元気一杯で、好感を持てる性格付けになっており、コミカルな演出も快調。
アチコチで笑わされてしまった。

 登場キャラ全員が関西弁を喋るアニメ、って珍しいような。
それにより、会話での掛け合いのテンポが良くなり、シンドイ場面を軽く、笑いのシーンをより楽しくできている。
 この第一話だけで物語として完結しており、主人公二人の幸せを祈りつつ視聴終了しても良いような気分にさせられてしまうのは、善し悪し。
本当、綺麗な幕切れに思えるからなー。
 次回をもう見なければ、先が気になることもなく、視聴本数を減らせる…と思いつつ、やっぱりもうちょっと見続けるつもり。



『BLUE DRAGON』01.「影、発動」

 ゲーム未プレイ。
 「少年ジャンプ」の漫画の方を読んでいるため、オリジナルゲームに忠実なのだろう このアニメの方に違和感があるという、本末転倒な有様。

 鳥山 明先生の絵を、なかなか上手く再現できており、作画的には不満無い。
 主人公の少年は、仲間達の中で抜群の身体能力を持っている。
しかし女剣士は勿論、その弟子である少年にも敵わない(体を使う勝負なら主人公に勝ち目が?)、という描き方で、強さの程度を見せていくのが工夫。
 悪辣な軍隊の襲撃を受け、危機一髪の所で主人公の秘められた能力が発動し…で、次回に引く、まずまずセオリー通りの作り方。

 抜群に面白い、とは言えないが、堅実に組み立てられた、特に文句が付けられない第一話であり、もう少し付き合わない訳にはいかない。
視聴継続。
 ただ…放送本数過多の現状では、「普通にきちんと作ってある」というのは、視聴を終わらせる理由にもなってしまう。
早い内に、独自の魅力が出てくれば良いけど。



『アイドルマスター XENOGLOSSIA』01.「上京ペンギン」

 ゲーム自体はプレイした事がないし、周辺情報もほとんど仕入れていないが、『アイドルマスター』というゲームが好評を博しており、ファンも多い事ぐらいは知っていた。
 タイトルから、てっきりアイドルを育成する作品かと思っていたが、ふぇー、巨大ロボットが出るような内容だったんだ。
ロボット格闘ゲーム?
反射神経が求められるシステムだと、鈍い自分には向かないなあ。
 …というのはさすがに冗談で、アニメ化に当たり、ゲーム版から大幅に内容が変えられた、という情報は耳にしている。

 主人公が上京してきて、巨大ロボットに乗り込む事になる…とする筋立ては『ギガンテックフォーミュラ』と類似。
別段、珍しいパターンでもないから、似てどうだという話でもないが。
 今期はロボット物がヤケに多いような印象。
これなら、もっと思いっきりネタが被る作品が出ても不思議無いぐらい。

 キャラの雰囲気、コミカルな演出の中で個性を見せていく手法などが、『舞-乙HiME』を思い起こさせる。
このアニメの監督・長井龍雪も、『舞-乙HiME』で演出を手掛けていたようだから、当然か。
 ほのぼのとした空気を一転させる緊迫した場面の作り方、巨大ロボット登場の迫力、上手いもので。
 携帯電話の通話障害、という身近な現象に絡め、月が破砕されて岩片となっている世界設定を納得させる「嘘」の付き方も、見事。
 ノリが良く、作画も高品質で、女の子達は可愛い。
 当然のように視聴継続。



『精霊の守り人』01.「女用心棒バルサ」

 『攻殻機動隊』シリーズの、神山 健治監督作品。
 キャラクターデザインが麻生 我等先生だという事もあり、注目していた新番組。
 期待に違わず、もの凄いクオリティーの第一話だった。

 画面に情報をギッシリと詰め込んだ『攻殻』に比べ、見易く、整理された内容になっている。
といっても薄くなっている訳ではなく、キャラのセリフから、動作から、読み取れることは多い。
登場時から世間知らずと分かる王妃、眠そうな顔でその母に寄り添うことで頼りなさと幼さを感じさせる皇子、等々。
 夕暮れの空の色、湯浴み場から見える絶景、居心地の悪そうな客間の寝具…背景も大変に美しい。
 『攻殻』の時は、SF的な描写に紛れて分からなかったが、こうしてみると、神山監督の画面の作り方は宮崎 駿に近いのかな。
いや、良く出来ているもの=宮崎 駿、というのも頭が固い考え方か(笑)。

 差し出される金品に対し、「金など要らん!」とは言わず、受け取るヒロインが、良い。
 槍の腕は十分に立つが、「鬼神の如き強さ」まで行かず、現実的な範疇に留まるヒロインの抑制ぶり・リアリティーに、足手まといな子供を連れての旅の先行きはどうなるのか、興味が喚起される。
 地味だけど、面白い。
 最後まで見続けたい。


2007年4月7日 土曜日

『風の少女エミリー』01.「風の少女」

 『赤毛のアン』の作者・モンゴメリの作品を原作とする、「世界名作劇場」風アニメ。
 原作は、読んだこと無い。
 植物に勝手な名前を付けるような夢見がちな所があり、大人相手でも意見をハッキリ言う芯の強さを持つエミリーは、アンとよく似ている。
この作品は、原作者の日記を題材とする自伝的作品、という事なので、アンもエミリーも作者のストレートな分身だったのかな。

 エミリーと父親の生活が、開幕後すぐ、死別により終わってしまうのに驚く。
彼女の基礎を成す部分なのだし、もうちょっと描いておいても良かった気はするが…
 それは『赤毛のアン』で、グリーンゲイブルズに引き取られる前のアンを もっと見せておくべき、というぐらい的外れか?
 今後、辛いことなどある度に父親は回想やイメージで登場するだろうから、物語の展開を優先させて構わないのかな。

 親類一同が、割合に物分かり良さそうな所は、物足りないような、でも酷くダークな話にならなそうで良いような。
酷い親類に、イジメられてイジメられて、耐えて耐えて、という内容だと、もう見てるのがキツいもので。
 ちょっと濃い感じのキャラクターデザインは どうかと思ったが、見ている内にすぐ気にならなくなった。
 OPで堀江 美都子、EDのEPOが、美しい歌声を聞かせてくれ、心地良い。
 取りあえず視聴継続。



『DARKER THAN BLACK 黒の契約者』01.「契約の星は流れた…前編」

 「重力を遮断する能力」は、「重力を自在に操って移動」という所まで いかないのか。
空に舞い上がった能力者を追う捜査員が、風向きでその到着地点を予測、という糸の切れた凧でも追い掛けているような考え方をするのが、面白い。
 風を受け、不安定に揺れながら、ようやくビルの屋上に着地する能力者を見せることで、その力の凄さと扱いづらさを納得させてしまう、岡村 天斎のコンテと作画が素晴らしい。
 窓から身を乗り出した黒人が、窓を閉める際、外側から手を回して半分、体を引っ込めて内側から完全に閉め切る。
ここなんか、「無駄」かと思うような作画の使い方なんだけど、こういう細かなコダワリが、画面にリアリティーと独特の雰囲気を加えていく。

 今回、何気なく見るシーンにも かなり大量の情報が入れられており、ぼんやりしていると置いて行かれてそう。
 重力遮断能力を使った男が、その後 指の骨を折っている(折れた骨を戻している?)所なんて、「契約による能力の駆使には、代償として妙なもの(行為)が求められる」という特殊な設定を理解してからでないと、意味が分からず。
 ヘルズ・ゲートの出現により、巨大な遮断壁が作られた…というのも、言葉通りには理解したが、そこに留まる。
 重要な設定は、いずれ しっかりと説明されるだろうから、今 焦って全部分かろうとしなくても良いんだろうが。

 まだ、ほんの発端を描いたに過ぎないので、面白くなるもならないも判断できないけれど、期待できそうな要素は多く持っていると思う。
 良い作品になってくれる事を祈って、視聴継続。



『鋼鉄神ジーグ』01.「ビルドアップ!鋼鉄ジーグ !!」

 リメイクかと思えば、ジーグと邪魔大王国の戦いが史実として出て来たところを見ると、続編としての新作らしい。
 高校生でバイクレーサーの主人公が、突然 街を襲撃してきた巨大ロボットに対し、用意されていた特殊バイクに乗り込み、そのまま変形・合体してジーグになり戦う…
細かいことを言うと おかしい所ばっかりなんだけど、スーパーロボットとはこういうものだ!という確信と情熱に満ちた作り方で、すっかり乗せられてしまう。

 オリジナル『鋼鉄ジーグ』は、どうなって終わったんだっけ?
多分、邪魔大王国との戦いには きっちり決着が付いていたと思うが、この続編では、まだ継続中になっている。
 「邪魔大王国・女王ヒミカ」という作品設定の方を覚えてしまい、「邪馬台国・卑弥呼」という歴史上の名称と間違えて書いて、テストでペケをもらったような古い記憶が。
 磁石付きのジーグ人形も、持ってたなあ。
砂場に持って行って、砂鉄だらけにしたもの。

 整合性を取るより勢い優先で、力任せに突っ走る、スーパーロボット物としての楽しさ・熱さを満喫させてくれる作品になると、嬉しい。



『魔法少女リリカルなのはStrikerS』01.「空への翼」

 シリーズ三作目。
 前作のラストで、少女達が成長した姿を見せた事を きっちり踏まえ、大人…19歳だけど…になった なのはが描かれる。
デザインと、数年前の出来事が冒頭で描かれる所からして、もう二十歳過ぎかと思った。
 成長、とは言っても、なのはは元々大人びた所があり、試練を経た事によって前作の時点でもかなり完成された人格を持っていたので、内面的なものを描くのは難しいかも。
ちょっと重い恋愛でもさせればいいんだけど…それは『なのは』に期待されているものと違うか。

 代わって、新しく登場した少女・スバルが、未完成さと成長を見せるのかな。
 しかし、魔法少女ファミリーもすっかり大所帯となり、仲間内からダークサイドに転ぶ奴でも出さないと、全員を活かすのは難しくなりそう。
割り切って、顔見せ程度に留めるキャラを何人も作れば済む話だけど。
 新人が受けるテストの様子は なかなか面白く、危機的状況の挽回方法も楽しい。
 固く張られた試験メカのバリアーを、スバルが気合いでブチ抜いていくシーンは、思わずこちらまで力が入ってしまう。
パワフルなアクションを演出するの、上手いなあ。

 次回予告で、若干 作画が弱くなっているように見えるのが、心配。
「崩れている」という程ではないが。
 『なのは』は、やっぱり作画で圧倒して欲しい、と無責任かつ贅沢な要請。
 楽しみに、見続けたい。



『鋼鉄三国志』01.「在野の孔明、深紅の陸遜を江東に放つ」

 「三国志物」というのも、「西遊記」等に並び、既に一ジャンルとして確立した感が。
 女の子がやたらパンツを見せるタイプ、男同士の妖しい愛を描いたタイプ、どっちかなと思いつつ見たが、孔明と陸遜の間が少々妖しくはあったものの、割合まともなドラマを展開。
 マトモと言っても原作とは相当に違い、超パワーを生み出す玉璽を用いて一人で大軍を蹴散らしていく様子など、『ロード・オブ・ザ・リング』の魔王出陣か、ゲーム『三国無双』のよう。

 どういう作品になっていくのか、先が気になるので、視聴継続。


2007年4月6日 金曜日

『かみちゃま かりん』01.「花鈴ちゃんのふしぎな指輪だしー」

 原作未読。
 冒頭、5分ぐらいは真面目に見たと思うが、もうそこまでで気力が尽きてしまう。
 事情説明を一切抜きにしてバトルから始める、という方法が有効なことも確かにあるんだけど、それは、戦いそのものに迫力があったり作画だけでも視聴者をグッと引き付けられたり等、何かしら大きく優れた部分がなければならず。
全体に低調な上、そこから日常への繋ぎも分かりづらい物にしては、誉めようが無い。
 後半は、マトモにストーリーを語っていた…んじゃないかと思うが、ながら見でしかなかったので分からず。

 こんな作り方じゃ、子供も、ヒネたお友達も引き付けられないだろうに、誰に向けて作ったアニメなのかなあ?
 全く迷わず、視聴終了。



『爆丸 バトルブローラーズ』01.「龍の戦士」

 正しく男児向け玩具販促アニメ。
 そういうものとして見れば、特に悪い部分は無いのだろうが、いい歳したオッサンにとって特に引き付けられる所も無く。
 順当に、ここまで。



『機神大戦ギガンティック・フォーミュラ』01.「覚醒」

 誰しも思うことだろうが、各国代表のロボットが戦う物語フォーマットは『機動武闘伝Gガンダム』そのまま。
勝手に動き出し、腕で囲い込むように主人公を護る巨大ロボットのイメージは、『エヴァンゲリオン』。
 しかし、ロボット搭乗者の選定基準となった?ゲーム大会の操作方法がキーボード式で、しかもゲームバトルの様子も見せられない事により、どうしてロボットがそこまで主人公に入れ込み、運営組織側もそれを是としているのか、ピンと来ない。
その辺りは、やはり『エヴァ』に倣い、シリーズを通しての謎になっていくのかな。

 ちょっと垢抜けない感じで、頬が赤らんだのを丸い紅円で表す、後藤圭二 監督にしては珍しいタイプのキャラクターデザイン。
エンディングで見られるような、監督の絵に近いラインのデザインを、これまでの作品では用いてきたが…イメージを変えてみたかった?
 これはこれで、馴染めば良くなってきそうだが。
作画のクオリティー低下があると、誤魔化しようがないデザイン、とも言える。

 「主人公の搭乗を待つ忠実な巨大ロボット」シーンは、パターンとはいえ、ロボット好きの胸を熱くしてくれる。
 奪い取った敵の腕を自分の腕に変化させて使う、というところまで『エヴァ』じゃなくても良いかと思うが。
そういう生物的な理解をせず、ロボットはロボットとして描くことでも十分 面白くできるような。
 まあ その辺りは、次回以降、順次明らかになっていくのだろう設定の開示待ち。

 ツカミとしては、まずまず、悪くなかった。
 ただ…後藤圭二 監督・きむらひでふみシリーズ構成、という事では、『キディ・グレイド』『うた∽かた』と、回が進むに従って感情移入を難しく感じさせられる傾向があり、不安も。
 面白い作品になってくれると、いいなあ。



『MOONLIGHT MILE』05.「星の街から」

 原作を少し読んだ。
 アニメで疑問に思った部分の多くは、原作の大事なところを削ったり、逆に原作で余り触れずに済ませた(悪い言い方だと「誤魔化した」)所を膨らませて描き、しかし整合性を取ったりドラマとして成立させたりするのに失敗した箇所なのだと気付く。
 作画レベルも酷く低下しており、これ以上は見続ける意味を感じず。
 機会があれば原作を追い掛ける事にして、アニメの方は視聴終了。


『獣装機攻ダンクーガ ノヴァ』08.「過去からの脱出」

 8話まで来て、このロボット戦の面白く無さ、キャラクターの薄さは、どうだろう。
 今回も…遅ればせながらキャラの内面を描こうというのかも知れないが、意外性のない会話を、緊張感もないシーンに乗せてやっているばかりでは、飽きてしまう。
 全何話のシリーズ?
ストーリーを目一杯引き延ばして、どうにか その週の放映時間を埋めているように見えるけど。
 さすがにそろそろ、視聴終了。



 アニメ日記なんか書いて遊んでいるのを大目に見てるんだから、代わりに広告のバナー貼ってくれない?という編集部からの要請に従い、上に雑誌「コミックシグマプラスVOL.2」(茜新社)特設サイトへのリンクバナーを設置しました(リンク先で音声が再生されます、ご注意下さい)
 少々ちらちらするかと思いますが、うるし原智志 先生の美麗な絵が使われている事ですし、まあ賑やかで良いやというぐらいの鷹揚な気持ちで、ご勘弁を。
 お時間の許す方、ご興味がお有りの方は、リンク先を辿って頂けますと、大変有り難いところです。

 ちなみに、「コミックシグマプラスVOL.2」には、ぼくの作品は掲載されておりません。
 「コミックシグマ」本誌の方で、連載中です。

 あと、こちらで、飛龍 乱作品のダウンロード販売を行っております。
 こういう形で漫画が読めるというのも、時代ですねえ。



『桃華月憚』01.「桜」

 サブタイトル画面で、「桜」の他に「サブタイトル」という文字が横に出て、しかもナレーターが読み上げまでしてくれるのに、笑う。
CM前後のアイキャッチ時にも「アイキャッチ」と出るし。
 異様な親切さ?と思えば、本編は のけぞるぐらいの不親切さに満ちている。

 考え無しに訳の分からない話をやっているのではなく、何らかの戦略を持って、非常に難解な第一話を作ったのだと思う。
二話以降を見ていけば様々な事が分かってくるようになり、その後で、改めてこの第一話を見れば、「なるほど」と感じられる作りなのかも知れない。
 『涼宮ハルヒの…』も、第一話から劇中劇を見せ、「何だコリャ?」と思わされたけれど、あちらの方が意図は遙かに分かりやすい。
この作品の難易度の高さ、分かり辛さ、視聴者の拒絶ぶりに比べれば。

 恐ろしいぐらいの数、新作アニメが開始されている現状、視聴者は「作品の良いところを探し出してまで見続ける」余裕はなく、「選別のため、作品を見切る理由を探している」ぐらいだろうに、思い切った作り方をしたもんだ。
 女の子達は非常に可愛らしいし、エロさを感じさせてくれるシーン作りも上手い。
 化ける可能性だって、あると思う。

 でも、残念ながら そこまで付き合う気力を持てず。
視聴終了。



『ながされて藍蘭島』01.「ながされて、天国 !?」

 原作未読。
 「可愛い女の子ばっかりの孤島に、ただ一人きりの男として流れ着いたなら、こんな自分でも モテモテだろうなあ」
などという、女性に聞かれたら間違いなく「馬鹿じゃないの」といった軽蔑の視線を浴びせかけられる妄想を、作品化。
 そのまま「夢」一杯に描くと、さすがに引かれてしまいそうな所を、「凶暴だったり強引だったりと何かしら問題のある美少女達に無理矢理迫られ、逃げ出したい」というような気持ちに主人公を追い込むことで、ギャグとして成り立つ内容に仕立て上げている。

 速いテンポで展開するコミカルなシーンに、結構 笑ってしまった。
ベタなギャグでも、詰め込めば十分楽しく見られる。
 ヒロイン一人が心の救い、という描き方になっているが、段々と他少女達の内面も描き、「実はみんな良い子」として正しくハーレムアニメに持って行くんだろうな。
 元気いっぱいの作画は、何とか維持して欲しいもの。
 視聴継続。
何も考えず、気楽に見ていられそう。


2007年4月5日 木曜日

『ひとひら』01.「む、無理です…」

 原作未読。
 ヒロイン・麦が、先輩である野乃と初めて対面した時の「綺麗…」は、言葉だけに終わっており、演出がそれに応える形になっていない。
野乃のキャラクターデザインが他の女の子達と さほど変わらないため、そう言われても…と感じさせられてしまうから。
 酷く安直に言うなら、野乃の周りをキラキラした光で囲むとか、とにかく何らかの工夫は必要。

 衆目から逃れるために、衆目に晒される演劇研究会に入ってしまう麦。
ここはかなり無理があるところで、その無理を何とか納得させる演出のパワーか、ストーリーを原作から変えても ここが自然に流れるよう持って行く周到さが、要るかと。
 こう、何となく見せられても、説得力に欠けるばかり。

 この学校には、演劇のクラブが二つある、という事なのか。
それにしても、一話目から両方を見せる必要はないような。
 最初は「極度の上がり症の麦が、こともあろうに演劇研究会に入ってしまった」事だけを強く印象付けられれば良いはずで、情報をもっと整理しなければ。

 全体の雰囲気は、のんびりしていて悪くない。
 『ガラスの仮面』みたいに、命懸け、というほどは演劇にウエイトを置かず、学園で送る青春の一部として扱うのかな?
 取りあえずもう少し見るが、「面白い!」と思える部分が薄いままなら、いずれ視聴を終えてしまいそう。



『大江戸ロケット』01.「大江戸に咲く紅い花火」

 いきなり、みなもと太郎のキャラクターが出て来たのに、驚く。
あれ?吉松孝博がキャラクターデザインじゃなかったの?と思えば、多人数によるデザイン制を取っているのかな。
 頭身が低い みなもとキャラと、ぐっと高い主人公クラスキャラが同じ画面にいるのに、最初は違和感を感じたが、まあアニメだし、すぐ慣れてしまった。
 まだ、このキャラの差が大きな効果を上げている、とは思えないけど、いずれ何か意味が出てくるのだろうか。
 どうせ みなもと太郎にキャラを描かせるなら、いっそ『風雲児たち』を(も)アニメにすれば良いのに…

 モンスターによるバトルには迫力があったし、超絶の体術を使う男達の「超絶」ぶりを、手を抜かず画面にする作画パワーは嬉しい。
貧乏長屋での、同心と住人達の よく考えられたやり取りも楽しく、退屈せず見られたが…
 ちょっと散漫な気がして、何が面白くなっていく作品なのか定かに把握できず、過剰に新作が放送される中では弱さを感じてしまう。
 ラストで言われていた通り、月まで届く花火…ロケットを打ち上げることになるんだろうけど。
江戸時代版『ロケットガール』という要素もあり?

 しっかり作られている作品のようなので、回を重ねるほど味が出てくるかと思う。
 視聴継続。



『怪奇大作戦 セカンドファイル』01.「ゼウスの銃爪」

 38年も昔の作品である『怪奇大作戦』を、現代の俳優さん達でリメイク…というか、舞台を現代に置き換えつつ新しいエピソードを追加するもの。
 オリジナルシリーズは かなり見ており、古い作品とは思えない発想や画面効果の面白さがあったけれども、思い入れ自体はそう強くないため、「俳優が違う」とか「作品イメージが…」という所は気にせず、この番組を「新作ドラマ」として鑑賞。

 路上で女性が謎の焼死を遂げる、主題とされた事件その物の真相は、誰でも すぐ分かるだろう。
 どちらかと言えば、科学捜査で怪奇事件の謎を解くより、かつて起きた凶悪事件で犠牲になった人の家族が感じ続ける怒り、法制度は本当に必要な捌きを下せているのか、といった問題提起がテーマ。
 次第に核心に近づいていく捜査、その過程で主人公達に生じる社会への怒りと疑問…
アプローチの仕方は なかなか面白いし、良く出来ている。

 が、人間を焼死させる機構が乱発されるようになると、途端に画面が軽くなってしまう。
「狙撃してる」訳じゃないんだから、ああいう事にはならないような…
 真犯人も、予想通り弱い動機しか持ち合わせず。
こういう、「そんな理由で殺人までするか?」と思わせる心の有り様こそ「現代的」、と言えばその通りではあるが。
 作り物の話としては、やはりイマイチ。

 『生物彗星WoO』で、特に後半、不満な仕上がりを見せたNHKドラマにしては、随分 頑張っている。
 全三話、というミニシリーズなので、最後まで見てみたい。



『神曲奏界ポリフォニカ』01.「プレリュード 紅の精霊」

 うわー、ツカミから画面クオリティーが低いなあ。
 ストーリーも、負けず劣らず。

 第一話だというのに、主人公らが、バイクの修理が終わるまで暇を持て余している、という登場の仕方をするのは、如何なものか。
『ARIA』みたいな作品ならともかく…
 その『ARIA』アニメ版でも、最初は、まだ主人公が見習いの身であること、でも少女を乗せて「仕事」さながらの行動を見せることで、ヒロインの性格や仕事内容を上手く紹介していた。
 このアニメだと、主人公らが具体的には どういう仕事をしているのか、定かに分からないまま終わってしまう。
 普通に、「日常的業務をこなす」第一話にする事は出来なかったのかなあ?

 公園で座り込んでいた少女に わざわざ話しかけ、勝手に事件(事故)に首を突っ込む…という物語の持って行きようも、必然性が酷く弱い。
 この少女が、何事か依頼しようと主人公らの事務所を訪れる所から始まる話に書き換えて、問題ないと思うが。
 その上でも、主人公のお人好し加減、相方との関係性は、十分 出せたろう。
 バイクが変形してロボットに…というネタは数多くあるが、楽器になるとは思わなかったので、驚く。
 ただ、バイク楽器を奏でることで力を得た相方少女の活躍が、酷くアッサリしており、物足りない。
アクションやバトルを主眼とする作品ではないから、そこには力が入っていなくても構わないのかな?

 次回予告を見ると、今回より更に作画が崩れていそう。
 取りあえず次回は見るけど、余り変わらないようだったら、そこまでにしたい。


2007年4月4日 水曜日

『OverDrive』01.「Boy meets bicycle.(Part.1)」

 原作未読。
 エラくサバサバしたヒロインが、良い。
 彼女が主人公に対する時の、「余り興味がない男子への、飾る必要を感じていない喋り方」にリアリティーあり。
…とか分かってしまう自分もどうなんだろ(;´д⊂)。
 彼女を絵に描いている最中、突然 飛び上がる主人公に、驚く。
今回は大きな見せ場がないから、ここでハッタリを効かせて…という事かも知れないけど、全体の まったりした雰囲気を壊していたような…

 ダメダメな主人公が成長していくのだろう基本路線は悪くないし、見続けても良いレベルの内容だと思うが、自転車レースそのものに興味が薄いため(漫画『シャカリキ』は読んだ)、余程 面白く料理してくれるのでなければ、適当なところで視聴を切り上げる可能性も。



『クレイモア』01.「大剣−クレイモア−」

 原作未読。
 『ベルセルク』や『吸血鬼ハンターD』なんかと相通じる…というか、ほとんど同じ世界、見覚えのあるキャラ、お馴染みの展開。
 どこを取っても特に新味はないが、その分 安心して見られる構成で、無口な剣士のヒロインを、彼女を追い掛ける少年の視点から きっちり描いてある。

 作画レベルが非常に高いのは、嬉しいところ。
 アニメになるぐらいだから、今後、この作品ならではの面白さが出てくるんだろう。
 視聴継続…だけど、「安定していて悪くない」内容で回を重ねるようなら、放送本数過多の火曜深夜でもあり、視聴を終えてしまう可能性あり。



『キスダム -ENGAGE planet-』01.「終焉」

 タイトルから、『つよきす』『キミキス』みたいな恋愛萌え作品かと誤解。
 ああ、これが掲示板で教えて頂いた、監督が逃げちゃったとかいう噂のあるアニメか。
 それにしては作画も3Dアニメも頑張っており(一部崩れかけてるけど)、悪くなかった。
残りのスタッフによる努力のタマモノ?

 「死者の書」と言われてまず思い出すのは、『死霊のはらわた 2』
この作品では剣のような形だが、どういう扱いになるのか。
 第一話で大事だったのだろう事は、「死者の書」の重要性と、科学主任・由乃が恋人・シュウと愛し合っていること。
これに、世界を取り巻く環境の異常性を絡め、周辺のキャラを顔見せしながら、シュウの死に臨み、大事な「死者の書」を使ってしまう由乃の気持ちに説得力を与えられる所まで描ければ、上出来。

 しかし、残念ながらキャラクターは非常に横並びで描写されており、誰が主人公なのかも よく分からない。
 シュウが画面に出てくるのも、かなり後のことだし。
それも、独房?に閉じこめられて暴れる男・亜久里の方が先行して登場し、印象づけられるので、せっかく拘束具というギミックを纏っていても、シュウのウェイトは軽く思えてしまう。
 「シュウの拘束を解き、戦力として投入する」所を、前半のクライマックスに設定するぐらいじゃないと。
 仮にこの作品が「一団全員 主人公」という扱いのモノだとしても、漫然とキャラを揃えて見せてしまう構成は、「誰も主人公ではない」と感じさせる役にしか立たない。

 由乃は機関に信用されていない?司令に「死者の書」を渡すことに危惧を感じている?
ここいらも、事情がまるで分からず。
 彼女が正しい・司令が正しい・単に二人のコミュニケーション不足が原因の誤解…
詳細は後で良いとして、何となくでも描いてくれないと、ただでさえゴチャゴチャしている状況を余計 分かり辛くしてしまうばかりで。

 主人公?哀羽シュウと七生愁というキャラを、同名に設定した理由が不明。
余程の意図…実は二人ともクローン体とか…でもなければ、視聴者を混乱させるばかりで「やらない方が良いこと」だけど。

 物語の語り口を、上手い、と言えるかどうかは疑問があるが、異変の描き方、危機感の演出、とにかく先へ先へと視聴者を引っ張っていくパワーは、大したもの。
 次回以降、このテンションを維持できるかどうかが勝負。
早くも作画が怪しくなっているようで、心配だな…



『エル・カザド』01.「逃げる女」

 メキシコを舞台に、パンパン拳銃を撃ちまくってOKな現代劇?…という事で、『エル・マリアッチ』とか『デスペラード』辺りが基礎にある作品なのかな。

 身長より高い塀を ひょいと飛び越す跳躍力、離れた所から拳銃を熱して暴発させる(跳弾を男に当てるまで意図的?)不思議能力で、一応の存在感を見せるエリスに対し、凄腕ガンマンなのだろうナディが展開する銃撃戦に、まるで迫力が無いのは困りもの。
ダンダーンという銃声が轟いて、相手がバッタリ倒れる、というシーンだけ描けば それで済み、じゃないんだけど。
 第一話では、何よりこの二人の個性を強烈に見せ、視聴者を引き付けなければならないはず。
音楽だけで盛り上げようとしても、それは難しく。
 ナディの個性は、賞金稼ぎとしては呆れるほどの お人好し、という部分で立てられている?

 作画がキレイで女の子達は可愛く、ストーリーとしても先を見たくさせる伏線を一杯にばらまいてある。
 見続けることに問題を感じる内容ではないが…
最も心配なのは監督が真下耕一という事で、個人的に、『NOIR』以降シリーズの最後までマトモに見通せた作品がないほど、相性が悪い(総監督だった『.hack//黄昏の腕輪伝説』だけ終わりまで見た)。
 出来るだけ先入観を抜いて、取りあえず視聴継続。


2007年4月3日 火曜日

『美少女戦麗舞パンシャーヌ』01.「ママはスーパーヒロイン!」

 AVによくある誰も必要としていないドラマ並みに、適当な演出、「造形」とか言うのも憚られる安いモンスター、思い付くままに書かれている暴走シナリオ、脱力と爆笑の瀬戸際にあるギャグ…
どこを取っても浦沢義雄 脚本作品。
 実写作品を手掛けるのは、随分と久しぶりのような。
やっぱり氏の破壊力は、キレイに描かれた絵とかで どうにか逃げられるアニメより、実写ドラマ…しかも大して予算が無い…で活きる。

 元美少女戦士が、引退して結婚しセレブになって子供まで出来た頃、再び恥ずかしい格好に変身して悪?と戦うことを強要される……なんて基本設定、もうパロディーとして えっち漫画かAVでしか使う人は居ないと思う。
こんなモノを照れも無く堂々と、想像を絶するセコさ下らなさ しょーもなさでテレビ向け作品に仕立て上げてしまう、その心臓が素晴らしい。
 ……凄い馬鹿にしてるみたいな文。
いや、浦沢作品が好きなんだけど。
それを語ろうとすると、何故か罵倒文みたくなってしまう不思議(笑)。

 セレブ奥様は、もうちょっと人妻っぽい感じが好み。
設定年齢が28で、女優さんの実年齢は23歳だからなあ。
それにしては成熟した雰囲気があるにせよ。
「いい歳して何やってんだ!」という突っ込みを激しくするには、まだ可愛らしいので不足を感じる(自分が遙か年上のオッサンだからそう思うだけ?)。
 その辺は、夕方という放送時間を考えると、徹底できなくて仕方ないか。
 というか、人妻戦士という段階で、既に お子様の視聴など切り捨てている気はするが。
でもお父さん達は まだ家に帰っていない時間帯だろうし…誰をターゲットにしてる?
 「お約束」が逆手に取られることを喜ぶヒネた大きなお友達、オタク層?

 90パーセントの ゆる〜い脱力展開に埋もれる、10パーセント(以下?)の爆笑ギャグを楽しみに、視聴継続。
でも、体調が悪い時に見るのはキツそう。



『一騎当千 Dragon Destiny』01.「龍魂胎動」

 原作未読。
 前作アニメを最初の方だけしか見ていないので、世界やキャラの設定などはよく分からないが、そう難しいことを語っている作品でもないだろうから構わないかな。
 今回前半は、女の子の脚のラインやパンツなど頑張って描いており、アクションその物はともかく、色っぽくて目に楽しい。
しかし、後半に入るともう崩れが目立ち、美少女キャラの美しさこそ命の作品と思うが、第一話からこれで大丈夫なのかどうか不安に。

 見続ける事に大きな問題を感じるほど悪い出来ではないけれど、前作も見ていない事で そもそもの視聴継続意欲が低いため、ここまでに。



『ミュータント タートルズ』01.「衝撃!カメニンジャ登場」

 アメコミのアニメ化。
 人間のように変化したカメが忍者になって戦う、というお馴染みの設定は かなり無茶なものだが、今作は、どうせバカ話だと いい加減にせず、随分 真面目に作ってある。
 その代わり、以前のアニメ化であったコミカルな味わい(これは吹き替えで付けられたもの?)が薄くなっており、善し悪し。
 コテコテの米アニメであり、今期ここまでは手が回らないので、視聴終了。



『護くんに女神の祝福を!』最終24話.「護くんに女神の祝福を!」

 ラストの方、シリアスなストーリー展開が始まってからは、どうも内容に興味が持てなくなり、真面目に視聴していたとは言い難い。
 重い話に耐えられる骨格の作品ではなかったと思うし、そういうものをこの作品に期待していなかった個人的事情もあり。

 絢子は可愛いキャラだった。
護も、純粋で好感が持てる男の子。
 …という所に製作者の理解が留まってしまい、ラブコメ的波乱や試練なら「良くあるパターン」を並べるだけでも もっと考えられたと思うのに、そういう追い詰め方が足りず、キャラが危機から立ち上がってくる際に生じさせられる視聴者との共感・同一感が弱い作品になってしまった。
 結果、ベタベタしているカップルを外から眺めているだけ、というような状態が続く事に。
 護がエメレンツィアに変な風に迫られドキドキ、…ぐらいのコミカルな話を続けてくれるなら、それでも問題なく見ていられたのだが。

 全体としては、酷く悪くはなかったけれど特別良くもない、普通のよくあるアニメ、という感想。



『瀬戸の花嫁』01.「極道の妻」

 原作未読。
 タイトルからして、地味な、大人向け恋愛物を予想したけれど、「ガンガンウイング」連載作品だという事を考えれば、そんなはずもなく。
 「人魚姫」を和風訳して萌えを加えたものか。
 確かに、人魚姫にある、助けた王子にその恩を押し付けられず、愛を受けられなければ消えてしまう己の運命も黙ったまま、相手の死よりも自分の死を選び、一人 海の泡と消える悲恋加減は、どちらかというと和風の、演歌やら人情劇の世界に近いかも。
義理人情を描こうとするなら、ヤクザを設定に選んでも不思議無い。
 ……でも もしかすると、「任侠」と「人魚」という駄洒落を思い付いた時点で、一気に固まった設定なのかも知れない…

 溺れた主人公が人魚に助けられ、しきたりによって彼女と結婚することを求められる、ここまではテンポ良く進み、気持ち良い物語を求める客のニーズに応えられていると思う。
 が、娘を溺愛するヤクザ親父が出て来て、主人公が「結婚はちょっと」と言おうが「結婚します」と言おうが関わりなく ぎゃあぎゃあ騒いで殺そうとする、というギャグを延々繰り返すのに、疲れる。
 結論はもう分かりきっている訳で、親父は、物語を先に進める事を疎外しているだけ。
 繰り返しギャグ、というのは あって良いけれど、どうせシリーズを通じて何度も、形を変えつつ「主人公を殺す」と叫ぶ事になるのだろうから、ここでもう お腹一杯になるほど親父の狂態を見せてしまうのは、どうだろう。
 この辺は、好みの問題が大きいかな。

 作画は良好で、ヒロイン・瀬戸燦は可愛く描けている。
 何気なく旦那を忘れて、不倫願望を顕わにするヒデエ主人公母が、面白い。
 ここから、ドタバタのボルテージを、上げていけるのか下がるのか。
 とりあえず、しばらく視聴継続。


2007年4月2日 月曜日

『おねがいマイメロディすっきり♪』01.「お花畑ですっきり!?」

 「アニメロビー」という30分番組中の一コーナーになってしまった『マイメロ』。
時間内に もう一本アニメが入っているし、タレントによるバラエティー?もあるので、実質10分も無いだろう。
 それでも、特にテイストは変わらず、「テンポアップしてより見易くなった」とも言える内容に出来ているのは、放送三年目に入り、この作品のキモを知り尽くした製作者が手を抜かず作っているから。
 今作では、前作と逆に、人間を召還してダークパワーと戦わせる形になるのかな。
イキナリ召還され、さあ戦えと言われる人間は迷惑そうだけど…
歌だって、巨大化するわ口から炎を吐くわで怪獣じみたパワーを付加されていたようだから、困ることなんて無いか。
 負担無く見られそうで、今期も楽しみ。

『ロビー&ケロビー』01.「ナベ王子登場!」

 その、もう一本のアニメ。
 頭が鍋みたいになっているロボット王子、という無茶な設定。
 王子が焚き火をしていたら、その下にいた妙なロボットが突然 悪の帝王になって暴れ出す…なかなか強引なストーリー展開。
熱によって?ロボットの歯車が一つ破損し、それによって機能が狂い悪人になってしまった、という事なのね。
全て王子の責任だぁ!(笑)
 テンポ良く進むし、つまらない訳ではないが、ヒネた部分を持つ『マイメロ』に比べると素直に子供向け、と感じられる。
 もうちょっと続けて見るけど、この雰囲気のままで進むなら、早々に視聴終了するかも。



『ヒロイックエイジ』01.「滅びの星」

 SFっ!というのをやろうとしているのは、よく分かる。
 巨大な宇宙船、「姫様」を始め超能力のようなものを持つ女性達、宇宙船の残骸で暮らす野生児の男の子、攻め寄せる昆虫型生命体…
細かい設定の裏付けを感じさせる画面は、なかなか面白い。
 ただ…
詰め込んだアイディアを何とか消化しようというのか、冒頭のナレーションに始まり、特殊な用語や描写が続くため、視聴者に優しくない部分は、ある。

 主人公少年は、野生児っぷりと宇宙船での生活から、『未来少年コナン』にイメージが重なる。
これは、「そこいらと勝手に重ねてもらえれば、理解が早いだろう」という意図もあり?
 お姫様を押し頂き、まとまっているらしい巨大宇宙船、というのも、分かりづらいモノでなく。
 後は、謎の巨大昆虫の襲撃に際し、主人公が乗る?謎の巨大凶暴メカ(英雄の種族?)が超絶の力を発揮し撃退した、とだけ覚えておけば、十分なんだろう。
多分。
 細かい事は、次回以降の説明待ち。

 『機動戦士ガンダムSEED』の平井久司によるキャラクターデザインだが、顔の理解や描線に、これまでに無いアクがある。
デザイン段階から変えているのか、作画の個性なのかは分からないが。
 作画は良好。
 演出的にも、詰め込んだ内容の割には、今、誰が何をどういう意図でやっているのか、という大事な所は きっちり伝えられるものに出来ており、頑張っていると思う。

 『蒼穹のファフナー』の冲方 丁が、原案・シリーズ構成。
 小道具・大道具・背景としてのみSFを用いるのでなく、テーマとしてSFを語る作品になってくれれば、面白そう。
 期待を込めて、視聴継続。

 追記
 種族名が、他は全部金属関係なのに、「英雄の種族」だけ異質なのは何故?と思っていたけど、ヨメが「Auの種族」って事で「金」じゃないの?と言うのに、ああ!と驚く。
 それは面白いなあ。
なんでそれだけ元素記号なの?とは、やっぱり思うけど(笑)。
 …って、これは普通に気が付く事?



『ハヤテのごとく!』01.「運命は、英語で言うとデスティニー」

 原作既読。
「少年サンデー」の連載漫画をアニメ化。

 一話目から、作画が微妙なのは残念。
原作に忠実に描こうとして、動画に向かないデザインになってしまったものか。
いや…やっぱり作画クオリティーの問題だな。
 演出は、まだ低調だけど、原作でも波に乗り始めるのは もう少し先の事だったので、やむを得ない部分あり。

 地上波の放送コードって、もう血を見せるだけでダメなの?(まさか、頭蓋が割れて脳が見えているほどグロなシーンではなかったろうし)
そうすると『ひぐらしのなく頃に』なんて、地上波では放送できないどころか、テレビ局の担当者が倒れる騒ぎだろうな。
(掲示板でご指摘を頂きました。録画で見ていたので放送時間もテレビ局も勘違いしてましたが、これ、テレビ東京系の放送でした。テレ東なら、納得。)
 マズい部分を隠すには、単にモザイクか黒い塗りつぶしの方が好み。
「見せられないよ」とかいうカードを持っている変なキャラ(原作にも居た?)を出すのは、うざったさを増すばかりで、笑いにも繋がらず逆効果。

 若本ナレーションに いつも通り強烈なアクがあり、普通の事を喋っていても笑わされてしまう。
ヒキョーだなあ(^ ^)。
 全体としては まずまず、悪くないアニメ化。
 ただ…もう原作で十分楽しませてもらっているため、作画が暴走するとか演出が妙な事をやり始めるとか、そういうアニメならではの見所でも無いと、いずれチェック対象から外れるかも知れない。


2007年4月1日 日曜日

『ゲゲゲの鬼太郎』01.「妖怪の棲む街」

 これで五度目のアニメ化?
息の長い作品で、正しく「お化け」。
 携帯ゲームをしたり、コンビニの裏にたむろする小学生、など、現代的な風俗を取り入れてある。
雰囲気としては、『学校の怪談』。
…でもまあ、以前の作品でも、その時代の風景を取り込んではあったが。

 ネコ娘デザインが「萌え」方向に大きく振れ、やたら可愛くなっているのは見所。
 鬼太郎についても、チャンチャンコではなく祖先の霊毛で作られたジャケットを着せ、リモコンスニーカーを履かせるなどリニューアルする方法はあったろうけど、インパクトが無くなり かえって魅力を失う恐れがあるばかりなので、堅持するのが正解か。

 鬼太郎や仲間達の能力をざっと紹介する第一話で、アクションも頑張っており、楽しく見られた。
 ただ…もう何度もこの作品を見てきた身としては、まるっきり別物になっているようなシリーズでないと、視聴する意味をさほど感じられず。
 そういうオタク相手ではなく、初めて鬼太郎という作品に触れる子供や、久々の再会を純粋に懐かしむお父さん・お母さん向けに作られたアニメだろう。
 日曜日は視聴対象作品が多いこともあり、これはここまでに。



『天元突破グレンラガン』01.「お前のドリルで天を突け!」

 ドリルは男(特に自分のように馬鹿な男)の魂だよね!
という訳でなのかどうなのか、ドリル萌えアニメ?の開幕。
 とにかく作画に元気があり、驚かされるようなレイアウトや「無茶苦茶」を無理矢理 絵にする画力に、引き付けられっぱなし。
監督であり、第一話のコンテを担当した今石洋之のパワーが横溢したものだろう。
 ああ、アニメって動いてこそアニメなんだ、という基本的なことを、久々に思い出す。

 地下に張り巡らされた穴の中で暮らし、地上世界を知らない人間達が、主人公。
思い切った、特異な設定で、最近の「ほぼ現実に近い世界に異物が入り込んでおり、それが物語の『謎』になっている」という流行りの(GAINAXが流行らせた)作りとは全く違う、一昔前のアニメを思わせる、異世界にポーンと視聴者を放り込む作り。
 こんな設定、活かせるのか?と危惧する間もなく、穴掘りが上手いらしい主人公、地上に憧れるその兄貴分、地中で暮らす事のみを是とする住民達、地中に埋まっていた謎の巨大顔、いつか落盤するのでは…と恐れられていた天井をブチ抜いて現れる巨大メカ、窮屈な坑道を用いての逃走と闘い…
この設定が無ければ成り立たないエピソードを連続させている事に、感心。
 ラスト、敵メカを倒すシーンに重ねて、制約だらけで不自由だった地中から解放され、自由な地上に解き放たれる主人公達のカタルシスを産み出す、この構成も実に見事。

 次回への引きも含め、細かい疑問など吹き飛ばすパワーがある、文句のない第一話。
 「元気さ」が大きな魅力だと思うので、作画の息切れが心配。
OVAならともかく、テレビシリーズだからなあ。
 失速せず、余り辛気くさい話に陥らず、楽しいアニメになってくれる事を期待。



 4月1日なので何かウソをつかなければならないかと思ったのですが、新番組ラッシュが始まっている上、どうにも、後で すっごく怒られそうなネタしか考えつかないので、自粛。



『ウルトラマンメビウス』最終50話.「心からの言葉」

 最後の強敵・エンペラ星人を相手に、「ウルトラマンに頼り切る」戦いではなく、「地球人の手だけで守り切る」のでもない、文字通り「ウルトラマンと地球人チームが一体化して倒す」クライマックスは、ずっとそういうものとしてシリーズを続けてきた この作品に相応しい。
 いきなりのミライ+5人変身には驚いてしまったが。
考えてみると、元々ウルトラ族は人間と命を共有することにより、地球で戦う力を得ていた(セブンやこのメビウスなど例外もあるが)のだし、地球人二人に別れたAの例もあり、気持ちを同じくする仲間達となら、何人とでも同一化できる…のかな。

 勢いに乗り、サコミズまでゾフィーと合体。
既知の仲なのに加え、管理職であり、皆の兄のような存在、という所で、両者に共通点が多かったから?
 それなら、こちらもサコミズばかりでなく、トリヤマやミサキも一体化すれば良かった…いや、ミサキぐらいはともかく、トリヤマとかマルが加わると絵として間抜けになってしまいそうだけど。
上官達の漢っぷりは、既に描いてあげてるし、必要ないか。
 ウルトラマンと同じ変身パターンで出現するゾフィーに、トリハダ。
格好イイよゾフィー。

 光の存在であるウルトラ族を憎悪しながら、しかし闇に包まれた体の切れ目から「光」を溢れ出させるエンペラ星人
光と影は表裏一体、という劇中の言葉を体現したものなのか。
 しかし、ウルトラ族の傷から闇がのぞいていたら、嫌だなあ。
 「誰しもが光になれる」という概念で、この宇宙は出来ているのかな。

 難を言うと…
 最終決戦はあの形で良かったと思うけれど、結局はメビウス、更にゾフィーの力まで借りて敵を倒してしまったため、「地球人の手で地球を守る」これからに不安が。
 マケット怪獣造成と同じ理屈で、サコミズを核として周囲にウルトラマンの姿を形成し、戦う、という展開でも見せれば大丈夫そうに見えたろうが…それは地球人が踏み込んではイケナイ領域のような気がする。

 ヒルカワはともかく、アヤの出番も無いまま終わり?
いや、ふざけている部分もあるにせよミライを自分のものみたいに言う彼女が出ると、物語の和を乱す恐れはあるだろうが、せっかく意味ありげに劇場版から再登場させていたのになあ、とは思ってしまう。
 ヒルカワのキャラも勿体なくはあるので、世界を同じくする物語が続けられるなら、エンペラ星人のカケラを体内に取り込み、内に秘める強い闇の力で大きく育て、やがてウルトラ族・地球人両者にとっての最悪の敵として再臨する、とか。

 不満を言えば無くはないんだけど、考え得る限り、最も上手く・綺麗に収めた最終回だったと思う。
 毎週楽しく見ていた作品なので、一度シリーズの放送が途切れることもあり、「来週はもう見られない」のが寂しい。
 子供から、かつて『ウルトラマン』を見ていた世代の大人まで誰でも楽しめる、優れた、面白い作品だった。
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