ときどき日記 2007/10

2007年10月27日 土曜日

『機動戦士ガンダム00』04.「対外折衝」

 「ガンダムに乗る少年達によって世界が変わる」のではなく、「変わる(変わらない)世界によってガンダム側が利用される」という、物語の持って行きようは、シニカルで面白い。
…前回の、ザコ敵相手に弱い者イジメ戦を仕掛けるガンダム、みたいなもので、まだ物語が始まったばかりの この時点で描くストーリーかどうかは分からないけど。
 主人公達が思い描く夢に向けての前進と、理想の姿に近づいているかに思える世界をしばらく見せ、その実、まるで変わっておらずヘタをすると より悪くなっている世界への失望を示し、その後、そういう状況を踏まえて どうすれば良いのか、というのがパターン。
 ガンダムマイスター関係者の根底に、「夢」よりは最初から「諦念」があるように感じられるのは、時代だろうか。

 今回は、物事の裏とその裏まで描いてあり、フクザツになりそうな話を、少々過剰なぐらいのセリフによるフォローで理解しやすくするのに成功。
「画面で示す」所がもっと多くあって欲しかったけど、そうするとこの倍ぐらいは尺が必要になるかな。
 大国の圧政への反抗、という理由付けがあっても、戦争は許さないソレスタルビーイング。
だとすると、彼らの行いは、大国による支配・現世界秩序維持に有利なばかりのような。
 タリビアには、裏の目的があったから特別?
でも、こうしてガンダムから攻撃を受けることが、アメリカ・タリビアの利益に適う行動だったようだし…

 主人公達が、どこまで事態を読み、どこまで利用されることを「良し」と考えているか、それが分からない限り何とも。
そもそも、彼らの本当の目的、それと必ずしも合致しない可能性がある「上」の目的さえ、明かされてない訳だけど。
 巨大兵器に寄らない自爆テロや生物テロには どう対応するのか、住民を死に追いやるほど酷い圧政にも武力蜂起してはいけないのか、等々、分からないことは多々あるが、今の時点では、疑問を持ってもらうのも狙いなんだろうな。

 長距離狙撃型ガンダムが、単身突っ込んでいって敵を掃討するのに、ガッカリ。
役割分担・チームでの作戦行動は、もう終了?
今回は、敵戦力が余りにも貧弱だったので、闇雲に戦ってオッケーだと判断したのか。
 歳のせいか大量に出ているキャラ…特にキレイ方向キャラの見分けが付かず、あれ?この人誰だっけ?と、時折 思わせられてしまう。
いっそ、『銀河英雄伝説』に倣い、キャラが画面に出る度「人類革新連盟 中佐 セルゲイ・スミルノフ」「経済特区・日本 高校生 沙慈・クロスロード」というようなテロップを出した方が親切かも。
 主人公達にまでキャラクターとしての魅力が弱い(画面への登場時間さえ少ない)のは、そろそろ どうにかして欲しい所。


2007年10月24日 水曜日

 自業自得の悲惨なスケジュールで仕事中。
ううう、眠い。
 来週、火曜日ぐらいまでは、更新がなかなか難しくなるかと思われます。
悪しからずご了承下さい。


2007年10月22日 月曜日

『神霊狩/GHOST HOUND』01.「Lucid Dream 明晰夢」

 Production I.Gの二十周年記念作品だそうで。
 画面は、大変に高品質。
牧歌的な田舎の風景と、間に挟まれるゾッとするようなイメージを、実に的確な絵に出来ている。
 方言を使ったセリフも、独特の雰囲気を出せていて、良い感じ。

 しかし…褒められるのは それぐらいで、とにかく退屈な第一話。
 雰囲気はあるんだけど、本当、それだけに留まっており、明確には事件の予兆さえ与えてくれない。
 間延びした演出(意図的なものだろうが)を少しずつ詰めれば、もっと話を進められたかと。
せめて、「次回はどうなるんだろう」と思わせる引きぐらいは、設けて欲しかった。
 この第一話のどこに面白味を見出して、視聴者は次回以降も付き合ってくれるはず、と考えたのだろう。

 「サービスするから見ていってよ」と懸命に客引きをしている作品でも、全ては見ていられない今期、「我が道を行く」「感性が合う人だけ見てくれれば結構」という姿勢をハッキリ示してくれた この作品については、ちょっと早いけど、ここまでで視聴を終えて構わないだろう。



 迷惑メール。

> Subject: アニメ声優を目指している旦那(44歳)と別れてしまいました。。
>
> 近藤礼子と申します。29歳、IT関係の会社を経営しています。
> 実は、メールのタイトルに書いた通り、
> アニメ声優を目指している主人と先月別れました。
> 主人は二ヶ月に一回ぐらいのペースでオーディションに行き、
> ハタチ前後の人たちと一緒に受けていました。
> 会場では、よくスタッフと間違われていたようです。
> 44歳の主人はアニメ声優になるために努力は惜しまず、
> 「さすが京アニ」とつぶやきながら
> 涼宮ハルヒやらき☆すたのDVDを毎日のように見ていました。
> 主人はヤフーBBのモデム配りのバイトを最後に
> 働くのをやめていました。
>
> 別れてほんの一ヶ月しか経ってないのに、
> どうしても性的に満たされない日々にガマンができなくなって。
> それで、どうかそのお相手になって欲しくてメールしたんです。
> 体だけの関係を希望したいんです。
>
> もちろん、29歳の腐れババアを性的に相手にするのは
> 苦痛も伴うでしょうから、タダでとは言いません。
> 先に述べましたように、会社経営をしているので
> 十分な謝礼もできますので。
> 一回につき、最低でも25万は出せます。
>
(以下略)

 44歳で、アニメ声優デビューを目指すダンナさんは、凄い!
夢があるなあ。
 まあ、そればっかりでバイトもしない男なら、奥さんが別れたくなっても仕方ない。
 アニメ声優になるための努力って、DVDを見ること…より、発声練習とか演技の勉強をする事じゃなかろうか。

 しかし、「「さすが京アニ」とつぶやきながら涼宮ハルヒやらき☆すたのDVDを毎日のように見ていました」の下りには、笑ってしまう。
 狙ってる?
業者、もう、面白いこと・変なことを書いてブログとかで取り上げてもらうのが、楽しくなってきてるような。
目的と手段を取り違えている、というか(笑)。

 「京アニ」という普通の人はまず知らないブランド(ジブリならともかく)のセレクションと、「らき☆すた」の真ん中にちゃんと☆を入れる細かさ、そんなモノ見てブツブツ言ってる旦那を「気持ち悪い」と表現「しない」変な優しさ。
 やっぱりアニオタ狙いのオモシロメールだとしか。
 いや、フツーの迷惑メールにはもう うんざりなので、ちょっとでも変わったこと仕掛けてくれる方がまだマシだけど。


2007年10月21日 日曜日

『ULTRASEVEN X』03.「HOPELESS」

 セブンに限らず、ウルトラシリーズには、時折ギョッとするほどダークな話が入るけれど、ここまでブラックなのは珍しい。
 深夜枠だからこそ、放送可能になった内容だろうか。

 「宇宙人の侵略に協力する地球人」という図式その物は、割と良くある。
しかしそれは大抵「悪辣な宇宙人に騙された」からで、たまに「絶望や怒りから同じ地球人を憎むようになっている」キャラも居たが、さすがに「お金のために地球を(自分の寿命も)売り渡して何か問題でも?」とまで開き直った、虚無的な人間は出てこなかったような。
 長いシリーズ中には、不況の時期もあったし、生活に困窮した人間も出て来たと思うけど、こんなにアッケラカンと何も無い自分を見せてしまう登場キャラや、それに「罰したり希望を持たせて終わる」事をしない(出来ない)制作スタッフには、覚えがない。

 確かに、生きることに汲汲としている状況下で、何もしてくれない国や星に対し愛情・忠誠心を持て、といっても難しい。
リストラされる寸前の会社に対し、無償の愛社精神を持つべし、と要求するようなもので。
 今日一日の暮らしを無事送れない人間に、明日のことなど考えられるはず無く。
 しかも、「武器を渡すから地球人に対するテロ行動を起こせ」というようなハードルの高い要請でなく、余り実感できない形で地球侵略(武器製作)に協力するのだから、抵抗も少ない。
 「寿命を1年削る換わり、一千万円渡す」という条件提示があった場合、自分も考えてしまいそう。
「その寿命分のエネルギーは侵略に使う」なんて説明は、その際、どーでもいい些細なことだろう。

 悪いコトしにやってきた(仕事として請け負った)宇宙人と、仕事として それに協力した地球人の裏切り者、どう違い、どちらが重罪か。
 宇宙人なら断罪できるが、裏切った地球人は勿論、そもそもの依頼をしたという地球人について追求さえ出来ないのだろうセブンは、果たして公平な存在か。
宇宙人がクライアントの秘密を守ったから良いようなモノの、黒幕の地球人について喋っていたら、セブンはどうしたのだろう?(聞きたくなかったから、喋る前に殺したようにも見える)

 ひどく重いところに斬り込んだ、問題作だった。
 この一話があり得ただけでも、『ULTRASEVEN X』は存在する価値がある、と思う。


2007年10月20日 土曜日

『機動戦士ガンダム00』03.「変わる世界」

 ガンダムの製造者が天才科学者で、巨額のパテント収入を元に、自らが開発した先進の技術を詰め込んで作り上げた機体だとすると、『マジンガーZ』っぽいなあ、と思ったり。
 理念とか行動は、ちょっとでも独善方向へ流れると、兜十蔵というよりドクターヘルに近いかも。

 色々なことが、少しずつ分かってきた。
 「ガンダムを宇宙へ上げる方法」とか「残留物からテクノロジーを推測される恐れはないのか」なんていう細かいところに、きっちり設定付けしてある様子なのは、好印象。
 いや、辻褄を合わせられるなら、「ガンダムは単体で宇宙への打ち上げが可能」「機体から離れたパーツについては、数十分で自動的に分解・消滅する」とかいう、もっとフィクション寄りの設定でも構わないんだけど。

 物語は、動いてはいるが、やっぱり地味。
「ザコ敵相手の弱い者イジメ戦」なんてのを見せてしまうのが、「作業」としての戦いを感じさせ、また地味な印象を強める。
 各キャラが平均して描かれているため、誰かに感情移入しようという気にさせないのも、弱い。
 ここまで「『状況』こそ主人公」にして、意図的に作ってあるんだろう、とは思うが。
 やっぱり、個性ある・先を見届けたいという気持ちにさせるキャラクターは、大事。
刹那が彫り込まれそう…?な次回以降に期待。



『CLANNAD』03.「涙のあとにもう一度」

 渚をメインヒロインの位置に据え、少しずつ描きながら、その他 女性キャラ達について、大まかに個性をアピールし魅力を見せていく過程。
 「妹偏愛の乱暴者少女」や「格闘無敵少女」「図書館のヌシ」辺りは、まあ妥当なキャラクター性だけど、「手に傷を負っていてハイタッチすると痛がる女の子」なんて、かなり些細な個性付けだなあ。
演出で見せているし、ボケたリアクションは可愛いく、今を切っ掛けとして いずれもっと大きな「何か」を引き出せそうな予兆はあるけども。

 エンディングの団子大家族の歌。
最初は「なんじゃこりゃ」と思ったが、聞いていると不思議に染みてくる。
 口べたな渚が、この大家族についてのみ やたら饒舌になる、という設定から、彼女の内面に関わってくる小道具なんだろう。
 しかし、渚の家は三人構成とはいえ賑やかだし、愛情が無いとも思えず、「大家族」への憧れ、というのが現時点ではよく分からない。
「一家は、実の親子ではない」という可能性もあるけど、親子で顔が似ているしなあ(顔の類似については禁句?)。
 失われた・持ち得なかった家族構成員への追慕、とか。


2007年10月16日 火曜日

 湿気の多い天候なせいか、数日間、ブタクサ花粉症の症状は ほぼ出ず。
最悪の秋を予想していただけに、これは嬉しいが、油断せず、外出時はマスクとかした方が良いんだろうな。

 という訳で、お仕事の繁忙期に入ります。
 金曜…土曜日かな、ぐらいまで更新は難しくなるかと。
悪しからずご了承下さい。


2007年10月14日 日曜日

『機動戦士ガンダム00』02.「ガンダムマイスター」

 ガンダムに乗る少年達だけで四人おり、そこに戦艦の乗員やらスポンサー(?)やらが絡む事で とにかくキャラが多く、彼らが所属する組織の全貌もまだ明らかにならず、三つに分かれた世界の状況もまだ曖昧模糊として、なかなかに掴みづらい第二話。
 計画も無しに始めた訳ではなく、この段階での苦戦は覚悟の上、と思え、僅かずつ状況やキャラクターを浸透させようという努力が見える。
 それでもなお…うーん、「強力に内容へと引き付けられた」とは、まだ言えない。

 思えば、オリジナル『ガンダム』は、一コロニーへの奇襲と、それに巻き込まれたアムロら少年達の動向、という出来るだけ限定された状況からスタートし、旅をすることで作品世界全体を理解させる、良く出来た構成になっていたんだなあ。
 『00』に若干似ている『ガンダムW』なら、世界より何よりまず強烈な個性を持つ少年少女に狂ったセリフを言わせ、その妙な迫力で視聴者を引き付けることに成功していた。
 この作品は、狂った内容にするには制作者が冷静だと思え、考え抜いたストーリー運びと言うには作りに甘さが見える。
勿論、「他の作品と同じにしていない」という事は、上手く行けば「独自の輝きを放つ可能性」にも繋がる訳だけど。

 「世界状況の説明」は絶対に必要だが、大抵は余り面白いものでないため、そこだけで手一杯になりキャラの彫り込みが遅れると、キツい。
 ガンダムマイスター四人が、余り変わらない性格をしているのも、画面が大人しくなってしまう要因。
「馬鹿みたいに陽気なヤツ」とか「戦闘に異常な歓びを感じているヤツ」、分かり易くは「特定の口癖を持ったヤツ」でも設定してあれば、また違ったかと。

 ガンダム四機に、接近戦・長距離狙撃・可変爆撃・重火器による殲滅戦用といった役割付けが見られ、それぞれの分担を きっちり果たしているのは、非常に良い所。
 強敵に当たり、見事なチームワークや攻略作戦で切り抜ける、といった展開も期待したい。


2007年10月13日 土曜日

 朝から、鼻水とクシャミが止まらず、風邪ひいたかなあ、と思っていれば目が痒くなり鈍い頭痛もして、コレはまるで春のアレだ、でも秋だし まさか…
と、信じていたかったんだけど、どうも「ブタクサ花粉」による花粉症らしい。
 くわー、杉花粉のみならずブタクサまで発症?
 もう、春も秋も心が安まる時はないのか……。・゚・(ノД`)・゚・。



『ULTRASEVEN X』02.「CODE NAME "R"」

 おー、ようやく昼間のシーンが。
しかし明るくなると、夜景のイメージで誤魔化せない分、異世界感・違和感が無い普通の風景になってるなあ。

 今回の物語は、『セブン』「円盤が来た」とか『ウルトラQ』「あけてくれ」のバリエーション。
 「現実とは違う世界」を舞台にしているはずなのだから、それに即した「ここには居られない理由」を、出来る限りの説得力で描いてくれないと、そもそも物語が成り立たない。
 この世界の常識が分からないので、「ほとんどの人間は、自分の位置についてまずまず満足し、幸福に生きている」のか「大多数の人間が地球を離れたいと思っている」のか分からず、それどころか「地球人拉致誘拐事件」が珍しいのか日常なのかも不明。
 だから、今回の話を理解するには、見ている自分に引き付けるしか無い。
そうすると、これまでに何度も見たストーリーのバリエーションとしては余り出来が良いと思えず、評価することは難しい。

 主人公は、もう特殊な任務に就いている自分を、当たり前に受け容れているのね。
 せめて組織側は、宇宙人の侵略が頻繁に起きているらしい世情に照らしても、ジンは人間なのか、信用に足る相手か、ぐらい調べるものだろうに。
 前も書いたけど、この違和感…拙いと感じる語り口が、制作者側の意図によるものかどうか疑問。
いずれ…例えば ありふれたパターンとして、「全ては不完全な電脳世界での出来事でした」というような謎解き(?)がなされ、視聴者を納得させてくれるなら良いんだけど。


2007年10月12日 金曜日

『もやしもん』01.「農大菌物語」

 美大とか医大や獣医大とか、色々な大学を舞台にした作品があるけど、農大は ちょっと珍しいかな。
 大学内の風景が かなり異様なモノだったけど、これは実際の農大生にとって「あるある」なのか「ねーよ!」なのか、どっちだろ。
一様には言えない?

 「菌が見える主人公」という設定。
霊が見える霊能力者、蟲が見える『蟲師』なら転がしようもあるが、「菌が見える」なんて設定、そういう方向に元々詳しいか猛勉強する漫画家さんでもなければ、使いようがないだろう。
 実際、自分がこれで漫画を描けと言われたなら、途方に暮れるばかり。

 菌を可愛くキャラクター化する、この特異な能力を持つ主人公を越える個性を持った教授らと絡ませる、というアイディアを加え、「漂う菌をつかみ取りする」なんて無茶な演出もする事で、面白く仕上げるのに成功。
 しかし…「学習マンガ」にせず、このネタで ずっと続けられるモノなのかどうか、先行きに非常な興味が。

 作画はクオリティーが高く、3Dで作られた菌達は、妙に可愛い。
 フジテレビのこの枠は、安定して出来が良いなあ。
 視聴継続。



『Myself;Yourself』01.「なつかしい場所」02.「大切なメロディー」

 うわ、もう第二話まで放送されてた。
新番組の本数が多すぎて、モタモタ感想を書いていたら、とても間に合わない。

 幼い頃、引っ越した日、数人のお友達が送別会を開いてくれた、その暖かな思い出を胸に街に帰ってきた主人公は…
というのが、物語のスタート。
 幼少期と現在のギャップがキモだと思うので、「ゾッとするような、絶望的成長を遂げた かつての友人達との再会」を想像したけど、実に妥当な、希望に満ちた柔らかな成長。

 昔、主人公に好意を抱いていた菜々香が、外見の変化により すぐそれと分からなかった、というのを切っ掛けとして、主人公に冷たく当たる。
まだ他にも、語られていない過去に何か、性格をダウン気味にする原因があったらしい。
 ここいらが、時間経過によるキャラ変化の最大ポイント、だろうか。
 しかし…
主人公もまあ口べたなんだろうけど、「凄くキレイになってたから、最初そうと分からなかった」と言えば、それで大半は済む話のような。

 もっと、すぐには友好的な関係の復旧を不可能にするようなイベントを組めば…そうなると作品の雰囲気が変わってしまうけど。
 大昔の漫画では、朝方パンくわえて走ってきた女の子とぶつかった転校生が、コケた どさくさにパンツ見ちゃったとか何とか(『エヴァンゲリオン』最終話参照)、その程度の切っ掛けで、女の子から「失礼なヤツ!サイテー、大嫌い」と延々言われ続けたモノだから、王道復古を目指す作品なら、これで良いのかな。

 小さかった頃、金田朋子声だった女の子が、声はそのまま、胸だけやたら成長していました、という事の方が、遙かに大きなギャップでショッキング。
二話まで見ても、まるで違和感が薄れない。
 キャラ設定としては、割にありふれていると思うんだけど、声が違うだけで…声優の力とは かくも偉大なモノなのか。

 菜々香との関係も、思い出の曲を仲立ちとして改善していきそうな予感があり、「ほのぼの、気持ち良く見られる学園恋愛物」としては悪くないけど、シリーズを見せていく強い動機付けに欠ける。
 予告で言われていた通り、次回が「視聴継続か、視聴中止かの分かれ道」になるのだろう。
水着サービスあり、という事だが、作画は全体に、まあ普通という所なので…どうかなあ。



『げんしけん2』01.「新会長のココロザシ」

 第二期のスタート。
 前作の内容を しっかり覚えているとは言えないけど、新キャラが当たり前のような顔をして加わっているし、キャラクターの関係も少し進んでいるような。
 この『2』放送までの期間に、OVAがあったそうなので、そこで描かれたから?
 それにしても、回想とか、「荻上さんて変わらないよね、ウチに初めて来た時も…」というような説明を入れるとか、多少はテレビのみの視聴者に易しい作り方があったかと。
 原作を読んでない、OVAも見ていない、しかし『2』は見る、なんていう視聴者は少ないのかな。

 内容としては、相変わらずで。
そういえば、コミケ(コミフェス)には、客として以外参加していなかったんだっけ。
 漫研ベースでの参加で、アニパロえっち系同人誌を作ろう、という提案が普通に受け入れられるのが、時代かなあ。
自分の頃だと、「漫画を描く以上、当然持つべきクリエイターのプライドに反する」とか何とか、激しい抵抗を示す人間が必ず居たろう。

 プロデューサー気取りで、自分自身の持つ何かではなく、「有名な人達とごく親しい俺様」を自慢する人間は、いつの時代も居るものか。
 彼の言うとおり本を作れば何百万だかの儲けが出る、という話に、今の若い衆なら乗ってしまいそうな気もするんだけど…それはさすがに断るのが「クリエイターのプライド」かな。
そのまま従うと、自分達の努力が価値の無い物になってしまうことと、儲けは取られた上 延々と恩に着せられる負担を考えれば、受け入れないのが賢明だけど。
 それにしても、有名で優秀な人材と無理矢理にも渡りを付け、どうにかこうにか本を出し儲ける寸前まで持って行ってしまう、という意味では、彼は将来、実に有能なプロデューサーか、同人誌ゴロになれる事だろう。

 視聴継続。


2007年10月11日 木曜日

『しゅごキャラ!』01.「しゅごキャラ誕生!」

 原作未読。
 「なかよし」連載という事で、それなり程度にしか期待を持たずに見始めたが…
いや、割合と面白い。
 ちょっとヒネったヒロインのキャラクターを、まずガツーンと立てる、実に正しい第一話。
それがあるから、彼女の内面を引きずり出してくれる しゅごキャラの存在も生きる。
 原作は誰が描いているのかと見れば、『ローゼンメイデン』のPEACH−PIT先生なのね。
何だか、納得。

 陽気で元気一杯な演出と作画が気持ち良く、出てくるキャラクターは女の子も男の子も しゅごキャラも、みんな可愛く描けている。
 派手なバトルがあった訳ではないが、跳んだり撥ねたり落っこちたりのアクションは、良く動いていて楽しい。

 ここからは…『セーラームーン』、いや『東京ミュウミュウ』?みたいになるのかな。
この流れなら、『少女革命ウテナ』にも出来ようし、バトルに重きを置かない学園コメディーで通すことも可能。
どうするのかなあ。
 当分、視聴継続。



『獣神演武 -HERO TALES-』01.「破軍吼ゆる刻」

 原作は、単行本で既読。
 いや、「原作」じゃないのかな?
『パトレイバー』の漫画版に近い位置?

 まずバトルから始めたい、という意図はよく分かるんだけど、突然の襲撃で失われた「日常」が見え辛いため(後のフォローにより感じ取れはするが)、「咎められながら夜遊びに出掛けて行く主人公」辺りから始めた方が良かったような。
 無理にストーリーを進めず、第一話は、慶狼により敗戦する所で次回に続いても良かったろうし。

 漫画版とはかなり違っているが、それはそれなりに まとまった内容。
 ただ…特に不足はないけれど、引き付けられるような独自の魅力も感じ取れず、無難な、よくある第一話、という印象に留まる。
作画やアクションも、頑張ってはいるが、「凄い!」と思わせられる程でなく。
 漫画でもあったことだが、「天に七星在り。其は……」というような、長い上 分かりづらくもあって聞く気になれない伝承のナレーションを、工夫もなくダラダラ見せるのに、失望。
長々としたナレーションで何かを説明しようとする、というのは、「第一話で絶対にやってはいけない事」ベスト3に入る事項だと思うが。

 取りあえず もう少し見てみるけど、この作品については、漫画版を読み続ければ十分かも。


2007年10月10日 水曜日

『PRISM ARK』01.「騎士たちの戦場」

 非常に分かり辛い第一話で、時系列がどうなって、誰が誰なのか、確信を持っての理解は出来ない。
 一つ一つのシーンで語っている内容は、そんなに難しくない、というか、実は分かり易すぎるぐらいのものじゃないかと思うんだけど、わざわざ並べ替えて、スッと理解できないように作ってある。

 一般的には、余り感心しない作劇法なんだけど、「監督・大張 正己」というクレジットを見た途端、「まあいいか」という気分にさせられてしまう不思議。
 この監督さんに最も期待する要素は、闇雲なバトルの迫力と、過剰な色気、そんな所だから。
 それにしてはキャラクターがスッキリし過ぎていて、「濃さ」が感じられないのは不満。
キャラが今作より薄い上、作画も崩れがちだった前作『獣装機攻ダンクーガ ノヴァ』に比べれば、ずっとマシだとはいえ。

 とにかく、まだ何も始まってないと言って良い第一話なので、次回を見ないと何も判断できない。
 おバカさん要素の暴走が感じられる内容になるなら、喜んで視聴継続するけど、「まあまあ」「悪くはない」ぐらいの出来だと厳しいな。



『キミキス pure rouge』01.「meet again」

 原作ゲーム未プレイ。
 主人公だとばかり思っていた男の子を差し置いて、その友達が、よく知らない女の子と唐突なキスをして第一話が終わり、ちょっと驚く。
 男の子達と女性陣の関係を、順に、あるいは織り交ぜて描く…主人公が複数居るような形式のアニメなのかな。

 それにしても、第一話ぐらいは最初に出て来た男の子・光一を中心に据えて物語った方が、親切だったような。
複数男子キャラの精神状態や恋愛模様を絡ませることで、より効果的に各人を彫り込んでいく構成の取り方もあるとは思うけど、それは少々高度なやり方であり、この作品では(少なくとも一話目では)実現できておらず。
 どのキャラにもまだ十分な吸引力を感じられないうちに、脇役かと思っていた男の子による突然のキスで次回へと引かれても、興味や期待を抱き辛い。

 女性キャラクターは、回を重ねていけば個性や魅力を感じられそうな造形。
 肩の力を抜いて、女の子達の可愛さと、キスを巡る緩やかな物語を楽しめば良いのかな。
 もう少し見て、どこか強く引き付けられる部分があれば視聴継続で。



『ef - a tale of memories.』01.「eve」

 エキセントリックな女の子達を、特異な演出で描くアニメ。
 この手の作品で、少女達の性格パターンは ほとんど出尽くしているため、新しいキャラクターを作ろうとすると、どうしても、より変わった、他の作品で手を付けられていない方向へと踏み込まざるを得ない。
 それは分かるんだけど、誰も彼も重い障害を抱えているように見え(実際、抱えているキャラもいるようだが)、若干 個人的な好みのラインから外れる。
 今回は、「強烈な部分」だけを紹介しているため、余計に。

 ワンカットずつ、非常に考えられた演出は確かに面白く、時折ハッとさせられたりもするが、複数の物語が同時進行しているため、お話として取っつきづらい第一話から全開で来られると、余計内容に入りにくくしてしまうという意味で、マイナスの効果も大きい。
 演出だけを楽しめば良い単純な物語なら、問題なかったんだけど。

 普通に作っても、説明事項の多い第一話ではストーリーの発端部しか描けないことが多いが、視点が三つに分かれている この作品では、その一つずつについて、更に僅かしか描けていない。
 だから、まだ面白いもつまらないも判断できず。
もう少し見てみないと。


2007年10月9日 火曜日

『レンタルマギカ』01.「魔法使い、貸します」

 様々なタイプの魔法使いや陰陽師を、事件に応じて貸し出そうという会社の、学生社長が主人公。
 発想は非常に面白いと思うけど…それを物語として活かせているかどうかは、疑問。

 アクションから作品を始めるなら、各人の個性や能力をもっと有効に見せられる状況や敵を配置しないと。
ここでの画面が、「多数の能力者による戦闘の面白さ」を出せておらず、「よくある化け物退治」を見せられているようにしか思えないため、ツカミが弱い。
 …それは、後に主人公が社員を効果的に(?)使った戦闘を繰り広げる、その前段階に当たるため、わざとダメダメに描いているのだとしても。
 「強い個性がぶつかり合ったため、上手く行かなかった」という訳でもなかったし。

 魔法や陰陽道の力が普通に認められている世界…なのかな?
 依頼人少女の視点を通し、この世界の常識や、怪しげな主人公会社に対する不安(魔法が普通にあっても、会社として信用できるかはまた別)、依頼事件に対して主人公らが見せる有能さと頼りなさ、等々、基本情報を示していく手堅い作り方もあったかと。

 バケモノと化した祖父に頼り、一人は嫌だと言っていた依頼人少女が、主人公の さして重さのない言葉で態度を一変させ、祖父を成仏させようとする唐突さに、戸惑う。
こうなるのが全く正しくお約束通りなんだけど、過程を省略されすぎると、パターン以上の物に思えなくなる。
 冒頭のアクションを削ってでも(あるいは、こちらの人情話を今回は思いきって無くし)、この作品ならではの「何か」を演出して欲しかったところ。

 作画は良く、主人公を囲んで火花を散らすのだろう女の子達も、可愛く描けている。
 三話ぐらいまでは、見てみよう。



『もっけ』01.「ミコシ」

 これはまた、地味な妖怪モノ。
 姉妹には、妖怪を一撃で退治するような強力な力は無さそうだし、世のため人のため怪異を解決していくような強い意志とも無縁そう。
 妹や身近な人々の危機にのみ、対応していくのだろうか。
いや、危機的状況が毎回用意される作品かどうかも、分からないな。

 派手さはないが、緊張感のあるミコシとの対峙シーンは、なかなか。
スーパーパワーで問題を解決するより、事態や相手に応じた対処方法を模索する方が、物語としては面白くなるかも。
米ドラマ『スーパーナチュラル』は好きだけど、怪物でも心霊現象でも、何にでも銃弾(特殊な)を叩き込んで解決する乱暴さがあるからなあ。
 第一話から怪しい作画で、キャラが崩れて見えるのは残念。

 強力に引き付けられる部分は無いけれど、物語がパターン処理されなさそうな所には、期待が持てる。
 取りあえず、もう少し見ての判断で。



『オーバン・スターレーサーズ』01.「新たな出発 / A FRESH START」

 異星人との戦争状態にあった地球。
苦戦が続く地球を救い(?)、停戦状態へと導いたのはアバターと名乗る異星人で、彼の要請により地球人は、運命を賭けた宇宙レースへと参戦することになる。
 予告の画面から、『スター・ウォーズ Episode1』の多種異星人ポッドレースを描くばかりの作品、と思っていたが、意外とSFな手触りが面白い。
 アバターは、ミニ四駆販促アニメなら「地球の命運を賭けたミニ四駆レース」を強要し、カードゲームがテーマなら「カードバトルで勝ち続けなければ地球に明日はない」と言うんだろうな。

 日仏合作、という、今では珍しい形式でのアニメ制作。
一時は、『ルパン8世』や『ユリシーズ31』など、日仏合作作品も結構あったものだけど。
 そのため…なのかどうか、非常に特異なキャラクターデザイン。
鼻が無く、つるんとした顔のキャラクターで、レゴのキャラかと思ってしまうぐらい。
 ヒロインは元気で良いんだけど、「可愛い」要素がまるで感じられない容姿。
 「父親の側に居ながら、娘だと名乗れない苦悩」という彼女が背負う設定…今時、日本ではなかなか流行らないモノかと。
これが有効に使われるかどうかは、先を見ないと分からない。

 一話目からカーチェイスを見せてくれるサービス精神は、結構。
 ただ、演出的には そう優れていると言えず、ハラハラしないし、カットの繋がりが不自然な部分もあり、先行きに若干の不安。
 まだ導入部に過ぎず、本格的に物語が動き出すのは次回以降だと思えるので、もうしばらく様子見。


2007年10月8日 月曜日

『みなみけ』01.「南さんちの三姉妹」

 原作未読、何の情報も持っていなかったので公式サイトなどを見ると、『みなみけ〜おかわり〜』というタイトルも一緒に示されていて、戸惑う。
 OVA展開でもするのかと思えば、一度のテレビアニメ化で、前半と後半の制作会社・スタッフを取り替えてしまう、かなり変則的な作り方をするのね。
 一粒で二度美味しい…かなあ?
ナンセンスギャグが連続する原作ならともかく、この内容なら、世界観に即した日常性やキャラクターの個性に対するスタッフの「慣れ」が重要と思え、じっくり作った方が良いような…
 特に、比べられる後半の制作陣が大変そう。
 変わった企画を考えてみました、なんて話ではなく、スケジュールや制作状況的に、ここまでの本数が限界だという事情による?(邪推)

 会社間で張り合う気持ちがあったのか無かったのか、作画的クオリティーはかなり高い第一話。
 演出としても、ご家庭内高速度チェイスや、ちゃぶ台の上にスライディングしてくる次女を『マトリックス』ばりの回転カメラワークで捉えてみせるなど、無駄とも思えるぐらいの頑張りが おかしく、笑ってしまう。

 三姉妹は それぞれ個性的で、楽しい。
『ARIA』の見習い三人娘に似ている…ような似てないような。
 穏やかに過ぎる日常の風景を描く、癒し系アニメ。
かと思えば、長女・三女はともかく、次女がやたら元気に物語を引っかき回してくれ、印象としては『苺ましまろ』辺りに近くなる。
 玄関でさりげなく次女の?靴を揃えたり、テレビのキスシーンを三女に見せるのを忌避する長女。
しっかり者の長女に「キスしてもいい」ぐらい強い憧れを抱く三女、なんてのは、素直に癒しなんだけどな。
 しかし、ラブレターにアクロバティックな解釈を加えて伝える三女、その場に同席しながらフォローを入れてあげない長女、お陰で泡と消えてしまうラブレター主の恋(消えてない?)、なんてのを見ていると、似通った三姉妹なのかと思わないでもない。
どのみち、このアホ次女への恋など普通に実る訳もなく、早いウチに幻想を壊して上げる選択こそ、男の子に対する優しさであり肉親の責任感だ、とも言えようが。

 難しいことを考えず、楽しく見続けられそう。



『CLANNAD』01.「桜舞い散る坂道で」

 さすがにタイトルはよく目に・耳にしているけれど、ゲームは未プレイで、内容についても『Kanon』や『AIR』の制作会社が作っている、という事ぐらいしか知らない。
 という訳で、ゼロの状態からの鑑賞。

 京都アニメーションは、既にアニオタ達から絶大な信頼を得ているブランドだと思うが、それを裏切らない、クオリティーの高い第一話。
 例えば、ブン投げられた本が教室の窓から外へと飛び出し、木に突っ込んで、そこに留まっていた鳥たちを飛び立たせる、というアクションをワンカットで見せるところ。
自宅で、ちゃぶ台の前に座った渚が、両側に上げた手を支点にするように立ち上がるところ。
どちらも そんなに派手な部分ではないが、動きに対する考え方や表し方が、実に上手い。
 ワルのバイクを退治する立ち回りを、アクション映画風のスローモーションを駆使した派手な演出と、客観・冷静な視点から映した あっけない演出、2パターンで見せるセンスも、楽しい。

 井上喜久子の毎度お馴染みイメージ通りな、せいぜい娘の姉にしか見えない外見をした大ボケ母ちゃんが、好きだなあ。
 ガサツで乱暴だが人は悪く無さそうな お父ちゃんも、好感が持てる。
 渚の一家は陽気で親しみやすく、いいねえ。
…『AIR』辺りの作劇からすると、その明るさの裏側に何か潜んでいそうで、不安でもあるけど。
 「食事中は喋らない(食べるのに集中したい?)」という渚。
しかし、一家での食事はワイワイと賑やかそうで、どうしてそういう習慣が出来てしまったのか、不思議。
 食べていたのが母親手作りのパンだったとすると(家での食事は渚が一人で作っていたような)、それだけは真剣に食べてあげたかったから?

 全体に明るい作風で、ほのぼの学園コメディー、という体裁を取っていながら、主人公の家庭環境だけが いきなり真っ暗なのに、面食らう。
 酒や賭け事に溺れた父親と二人暮らしで、よく生活が成り立つなあ。
 「辛い内心を押し隠して」というには、余りにも主人公が元気で真っ直ぐすぎ、違和感。
 この辺りは、作中でも重要な要素になってくると思うので、話が進めばもっと色々なことが明らかになってくるんだろう。

 渚以外の女の子達は、まだ顔見せをしただけなので、魅力の一端しか理解できない。
 主人公にケンカを売ってくる杏については、その行動が突然すぎて、「この手の作品に、非常に良くいるキャラ」という印象。
 これから、ゆっくり個性を彫り込んでくれるよう、期待。
 最後まで見続けるつもり。



『メイプルストーリー』01.「アルとすてきな仲間たち!」

 タイトルから、『メイプルタウン物語』の世界観を引き継ぐメルヘン作品かと思ってた。
それとは無関係の、オンライン・RPGが原作なのね。

 オタクっぽさが無い、純粋子供向けのキャラクターデザイン。
 エゴを剥き出しにした種族間の争いなど、やりようによってはかなりハードになりそうだけど…世界観や語り口が まったく子供向けなため、特に引き付けられず。
 シリーズ構成が井上 敏樹だから、どこかで暴走を始めるかも、とは思いつつ、これはまあ ここまでに。



『はたらキッズ マイハム組』01.「大工(でえく)の星!仕事人ハムスター誕生!!」

 ネズミ…ではないがハムスターで、主人公の声が野沢 雅子と来ては、どうしても『ガンバの冒険』を連想せずには居られない。
が、こちらは『ハム太郎』路線。
 『ハム太郎』でも、人間達が直面する困難な事態を、「(一応は)ハムスターとしての限界内で」応援したり助けたりしていたが、この作品では そこを遙かに乗り越え、ハムスターマイスターというモノに変身して、人間をも超越した行動力・能力を見せる。

 もう一歩踏み込めば、馬鹿馬鹿しいギャグヒーロー物として大人の鑑賞にも耐えられそうだけど、ギリギリ抑制が効いていて、そこまでは到達せず。
 「ちょっと個性的すぎるタッチの人間」ぐらいに描かれたハムスター達は、可愛いと言えるかどうか、微妙なライン。
可愛い・格好いい、どちらかに路線を絞ってアピールした方が良かったような。

 子供向け…というか幼児向けのアニメだと思うので、いい歳の人間がウダウダ言う必要はないか。
視聴対象のお子様達が喜んで見ているなら、それで良し。
 視聴終了。


2007年10月7日 日曜日

『ご愁傷さま二ノ宮くん』01.「キスしちゃえよ」

 うーん、まあ「萌え」の「ハーレム物」…かな。
 主人公である男の子に、美少女・月村真由から好かれる理由を きっちり設定し、真由が持つプラスとマイナスの面を示した上、超越キャラである主人公姉・真由兄の介入(お節介)もあって、なかなか一線を越えられない状況を用意。
 真由が それなりに可愛く演出できており、第一話としては別段悪くない出来。

 ただ、個人的にボチボチこういうパターンのアニメには食傷気味、という事情がアリ。
 特にオリジナリティーがあったり暴走している部分が見当たらず、割合と理性的に、計算して組み立てている作品だと思えるのも、「だいたい先の予想が付いて(付くような気分になって)しまう」という意味では、視聴継続の意欲を弱める。

 次回、もう一人のヒロインが登場するみたいだから、取りあえずそこまで見て、視聴を継続するかどうか考えよう。



『GR -GIANT ROBO-』01.「契約」

 新番組…かと思えば、OVAとしてリリースされ(掲示板で、有料の放送や配信が先という ご指摘を頂きました)、既に完結した作品をテレビ放送するもの。
道理で作画的クオリティーが高いはず。
 どうも今川監督版のイメージが強烈すぎ、違えられた設定に違和感を持ってしまう。
ジャイアントロボが遺跡から現れる神秘系ロボットであること、主人公・大作が車の運転も出来る年齢(18歳)に達していること、等々、前アニメ版のみならず原作ともかなり違う作品に。
 それら変更が有効なものであるか、元のままの方が良かったのに何で変えたんだよ!と思わせられるものになるかは、今後を見ていかないと分からない。

 第一話。
 丁寧…とも言えるけど、かなり物語の進み方が遅い。
 アレックスが赴任地のすぐ側でダイビングを行うことに余り意味が見出せないし、大作が二度も同じ海域で潜るのは、モタモタした印象に繋がりやすい。
 「こういう理由でそれらは必然だった」と考えているのかと推測は出来るが、前提から見直せば、もっとスッキリした物語に出来たはず。

 そこいらをゆっくり進めている割に、今回のキモであるはずの、大作による「契約する」という決断につき、心理的背景を語っていないため説得力が無く、随分と発作的なキャラに思えてしまう。
 死ぬか契約するか、の二者択一を迫る状況は用意できたはずだし、大作を「退屈な日々への倦怠によりとにかく変革を求めている男」に描いておけば、行動も理解できたんだけど。

 登場した軍用兵器について、無駄に細かく説明してくれる変な予告編は、可笑しかった。
 テレビ放送だから次回も見るけど、レンタルや、ましてDVD購入で、次巻以降も お金を払って見る気にさせる第一話かどうかは、疑問。



『BLUE DROP〜天使達の戯曲〜』01.「Hydrangea」

 寮内で、皆が憧れる お姉さまに反抗的な態度を取るヒロイン、それを怒り襲いかかってくる女生徒達。
 気は強いようだが所詮は少女ヒロイン、複数女生徒に敵うはずもなく酷い目に遭わされ…という予測を裏切り、三人を敵に回して単身 大立ち回りの末、圧勝。
お玉を握りしめ、トドメに凶器攻撃まで加えようとする傍若無人ぶりに、笑ってしまう。

 見ている内、オープニングで示されたシャトル内での会話を忘れており、「よくある女学院百合物。ちょっとファンタジー要素あり」ぐらいに思っていた。
 そのため、ラストで登場する巨大メカに、驚く。
えーっ、メカ物?SF?
ここまでの流れから、さすがにこれは予想も付かず。

 少女達の百合な関係を楽しませる物、だったら、特に見続ける理由はなかったが、これは…作品の全体像がどうなっているのか、次回どうなるのか、先がまるで読めない。
 大化けして凄い作品になる、あるいは奇を衒ったトンデモ作品になる、どちらともまだ判断できず、取りあえずしばらく見続けたい。



『ドラゴノーツ -ザ・レゾナンス-』01.「共鳴 -つないだ手-」

 墜落した(衝突・撃墜された)シャトル、唯一の生き残り少年・ジンが、主人公。
シャトルパイロットが父親だったことと、奇跡的な生存により、ジンは好奇と非難の視線に晒される。
 …隕石?と衝突した、という事実は認識されてない?
それが分かって・公表されているなら、人為的な力で どうこう出来る事件ではないと分かりそうなものだけど。
 何かしらの陰謀を彼にこじつけるにしても、かなりアクロバットな物語が必要になるはず。
 その記事を書いた男の行動から、「真相」を彼らは知っていて、人々の目からそれを隠すため記事をでっち上げている、というのが本当?

 うのまことデザインによる、肉感的なオネーさんが多数出て来ており、目に楽しい。
内容が少々どうであろうと、これだけで見続けていられそう。
 謎の女の子が見せる驚異的な体術に、きちんとパワーが乗っているのも、見応えあった。
 ただ…その作画イメージが強烈すぎて、前作『ウィッチブレイド』と似通った作品に思えてしまうのは、痛し痒し。

 物語は、まだ本当に始まったばかりで、何とも判断できず。
 面白くなると良いなあ。


2007年10月6日 土曜日

『機動戦士ガンダム00』01.「ソレスタルビーイング」

 サブタイトル、「それ廃るビーイング」と変換されてしまった。
それは廃るのか…
 という訳で、期待と不安が入り交じるガンダムシリーズ最新作。

 監督・水島 精二は、『鋼の錬金術師』で有名だが、99年には異色のロボット物『地球防衛企業ダイ・ガード』を手掛けている。
 シリーズ構成の黒田 洋介は多作だけど、ロボット物では、個人的に途中で見なくなってしまった『機神咆吼デモンベイン』ぐらい…いや、問題作『無限のリヴァイアス』に巨大ロボットが出ていたし、同時期の『デュアル!ぱられルンルン物語』も、そういえばロボット物か。
どちらも、キャラクターに関する記憶ばかり残っているが。

 第一話は、ガンダム数機がバトルを繰り広げた…割には、「活躍した」印象の薄い話。
 ぼーっと見ていると、主人公が誰かさえ分からない。
最初に現れたガンダムのパイロット・刹那がそうなんだろうけど、登場シーンでは、「彼が何かを成そうとしている」というより、襲撃された機体のパイロットや戦いを見守る観客の視点により、「襲撃してきた正体不明の何者か」として描かれている。
 続けての空中戦で…と思えば、こちらは支援攻撃を行った機体の乗員の方が目立っているし。

 「襲撃者」を主人公達側として見れば良いのか、と考えていると、宇宙で施設を攻撃してきたのは また別の勢力で、防衛に協力した方がガンダム。
 状況は次々変わり、キャラクターが平行して描かれるため、「物語」としては把握し辛い。
 ラストの演説で、ようやく彼らが属する組織の目的が明らかになった。
そこから、ガンダム乗り達の行動は一貫していたことが理解できる…んだろうけど、世界その物がまだよく見えてこないので、やっぱり不明確。

 似たパターンで言うなら、「テロリスト」として登場時の主人公達を描いた『ガンダムW』。
 世界平和を目指して武力介入を行う組織は、『獣装機攻ダンクーガ ノヴァ 』に既出。
 そういう理解からすればストーリーは難しくないし、見返すことでグッと分かり易くなる。
話数が進んでから更に見直せば、「ああ、それであんな事を言って・やっていたのか」と納得できる内容なのだろう…とは思いつつ、まあツカミとして弱く、取りあえず顔見せだけされたようなキャラは把握できない、不親切な第一話ではある。
 この段階では「混乱した状況」をこそ「主人公」に据えているのだ、としても。

 長距離支援型だろうガンダムが、無闇に突っ込んで行かず、狙撃任務に徹していたのが好印象。
当たり前の事だが…設定を守り(崩す時には崩す意味を持たせ)、チームとしての役割分担を見せてくれると、戦略が面白くなりそう。
 立派なことを言っているようで、しかし無茶な理屈のソレスタルビーイングのボスは、どう見ても悪役顔。
だから、「実はボスは少年ガンダム乗り達の意志に反し、悪事を企んでいた」とすると「見た目通り」になってしまうため、意外と「ヒューマニスト、かつ高邁なる理想主義者」であって欲しいところ。
現実を無視して理想へと進もうとする行為その物が、もう「悪」か。

 二話以降、本当に物語が動き始めてからに、期待。



『ULTRASEVEN X』01.「DREAM」

 『ウルトラセブン』は、数あるウルトラシリーズの中でも、思い入れのあるファンが多いからか、オリジナルビデオ企画が かなり長く続けられるなど、幾度もの復活を遂げている作品。
 今回は、テレビシリーズとして作られ、モロボシ・ダンが主人公ではなく、セブンのデザインを見直すなど、様々な変更が成されている。
 …そんなに変えるなら、何も『セブン』じゃなくて良いようなものだけど……
ネームバリュー故に企画が通りやすいことと、オリジナル作品との関係が、今回のシリーズを貫く「謎」になって行くようなので、必要なのかな。

 ダークな印象がある大都会、記憶を失っているらしい主人公・ジンの視点から、物語は始まる。
 「記憶喪失」というのは何をするにも便利な設定だが、ジンはどの程度、自己を認識できているのか分かり辛い。
 何も覚えていない、にしては、女に促されるやビルの高層階から躊躇いもなく飛び降りるし、無傷で着地した自分に驚く風もない。
属する組織について、ほとんど情報がなくても指令に従うし、善・悪どちらかまだ不明確な(街は壊していたけど)宇宙人を、逃げる宇宙船まで破壊して皆殺し。

 これらを、「意図された通りの、いずれ全てに納得がいく説明のある違和感」と捉えるべきか、「単に抜けた作品」と考えれば良いのか、どうも分からない。
 後者でないことを祈りたいが…全体に語り口は巧くないと思え…
 セブンは、「地球人と合体する・地球人がベース」というパターンが多いウルトラ族の中で、珍しく「地球人の姿を借りているだけで、全くの宇宙人」だから、セブンとして記憶喪失になっている、と考えると、無茶に思える行動や「宇宙人皆殺し」行動も理解できるかな。

 『ウルトラセブン』の魅力は、「どうやっても子供っぽくしかならない話」を、才能ある大人達が、その絶頂期に、よってたかって「大真面目なSF作品」として作り上げようとし、結果としてダークでハードな部分まで含む物語になった事、だと思う。
 ダークさを気取り、無闇にハードっぽい雰囲気で物語れば『セブン』になる、と思うのは間違いなんだけど。

 まあ、『メビウス』も第一話から絶賛できる内容だった訳で無し、話数の進行と共に面白くなってくれれば、文句ない。
 公式ページ予告ムービーの、敵の手に取られたアイスラッガーを、キックで相手の体へと蹴り込んで倒すセブン、といった「おお!」と思わされるアクションも、まだ出て来ていないし。
 『メビウス』『マックス』と、ハズレのない作品を続けざまに放っている(問題作『ネクサス』にも好きなところは多い)円谷プロを信用して、先の展開に期待。



『灼眼のシャナU』01.「再びの刻」

 UHFで放送された第一期の続編。
 地上波で再開するにあたり、何となくこれまでを振り返らせる能力を発動する徒が現れたのは、親切。
 どうせなら、主人公とシャナの出会いから見せると、より分かり易くなったような。
三角関係より、シャナの基本設定を理解してもらうことの方が大事なはず。
…いや、そうでもないのかな。
 キャラの魅力の方が、ヤヤコシイ設定に勝る?

 前作を見ていないヨメが、主人公とシャナは何か特別な関係にあることとか、「妖怪退治」みたいな行為をしているらしいことを理解できており、それだけ分かれば作品を楽しむに支障ない気も。
 もっと極端に言うと、「シャナがツンデレ」という、ここさえ抑えていれば、他のモロモロは全部切り捨てても、まあ さしたる問題は(笑)。
 そうなると、難しい特殊設定ワードが頻出する第一期冒頭で、取っつきづらいなーと思いながら、苦労して見ていた自分って一体何だったのか、と思わないでもない。

 作画レベルは高く、女の子が可愛く描けている。
 今期はどういう物語が展開されるのか、ボチボチと見ていきたい。



『ナイトウィザード The ANIMATION』01.「月匣 〜紅き月、碧き瞳〜」

 「わたくしのお願いに“はい”か“イエス”でお返事してください」
という、美少女の無茶苦茶なセリフから始まる、無茶な作品。
 この一言で、女の子の性格や相手との関係を表し、コミカルでもあって作品全体のイメージを決定づけ、ツカミとしては なかなか上手いと思う。

 宇宙?から落とされ、大気圏突入して地表のモンスター軍団上に落下し、そのまま大剣を振り回し敵を殲滅する男の子…
 スーパーマン並の無敵超人ぶりで楽しくはあるんだけど、これで今後、「強敵に ぶつかり苦戦」なんて事があっても、納得できるかどうか。

 そういう彼について、掘り下げる間もなく、転校生少女・エリスが登場。
 強引に彼女を天文部に入れてしまう、曰くありげな上級生。
 エリスに起こる異常事態、モンスターとのバトル…
 新しい事件が急ぎ足で起き、設定に納得したり面白く感じる暇が無いため、ただ画面が流れていくのを眺めるだけ、になってしまう。
 正直なところ、どれも見たことがある(男の子のデタラメ過ぎる能力以外)、この手の作品では お馴染みの物ばかりなので、視聴者を「当事者」として物語に引き込む努力無しでは、「よくある話」以上になり辛い。

 第一話が、詰め込んだ内容にナリガチなのは仕方ない。
次回以降、腰を落ち着けて、あるいは より「無茶」を暴走させて、物語やキャラクターの魅力を紡いでくれるよう、期待。
 しばらく様子見。


2007年10月5日 金曜日

『逮捕しちゃうぞフルスロットル!』01.「激走のプロローグ」

 これも、息が長い作品だなあ。
テレビシリーズとしては三度目のアニメ化?
短編シリーズもあるから、ええと…まあいいや。

 ヒロイン二人組が、それぞれ、一時的に離れていた警察署に帰ってくる展開を冒頭に持ってきて、初見の視聴者にも設定等が分かり易くしたのは親切。
 もう、きっちりとキャラクターが固まっているため、不安無く見られる。
 少し食い足りない印象ではあるが、テレビシリーズとしては十分だろうカーアクションが見られたのも、楽しい。

 それにしても、ストーリーのバリエーションは出尽くしているように思え、今作では何を語ろうというのか…と思えば、大金持ちのお子様がレギュラーに加わる?
 ヒロイン二人を、その姉であり母親、といった位置に据え、新しい魅力を見せていくのかな。
 いや、少年は次回で退場するのかも知れないが。

 今作も、安定して面白いのだろうとは思いつつ、もうこの作品で見たい物は大体見せてもらえたと感じているので、「時間があれば見る」というぐらいの視聴態度に留めたい。



『魔人探偵脳噛ネウロ』01.「食」

 原作既読。
 連載開始当初、「『コナン』『金田一』のヒットにあやかろうと、また探偵物か」「しかも、名探偵とされる人物が実は無能で、横にいる人間が隠れて推理しているって、『コナン』そのまま」「その推理も、『魔人』とかいう設定を使ってはアンフェア」等々、文句ばかり言っていた。
絵が雑に見えたこともあり。
 しかし、絵は、マイナスポイントも含めて「個性」でまとめ上げ、すぐに描き慣れ上手くなったせいか非常に魅力的となり、それ以上に、漫画の内容への吸引力が増していった。

 この作品で描いているのは、「狂気」。
 大抵の推理物で、殺人まで犯すに到る狂気を描いているが、そんなものではなく、「狂気」が先に立って、「犯罪」とか「推理」は それを補強する要素として扱われるばかり。
『ネウロ』に比べると、『コナン』『金田一』が いかに理性的・論理的な作品か、よく分かる。
 作中で時に(いつも?)ギャグの域まで達する、犯人らが示す狂気。
それが、驚かせたり笑わせたり、ばかりではなく、人間心理の非常に深いところまで抉り出しており、ズシリとした手応えを残すことも。

 なので、この作品を「推理物」だと思うと、拍子抜けする。
動機もトリックも狂っているため、なかなかに読者の想像が及ばないから。
 眺めて、笑って、惹き付けられて、たまに何か…普段気が付かないようなことに思い至らせてもらえれば、良いんじゃないだろうか。

 アニメ。
 原作の導入部を思い切って飛ばし、関係が安定して後の事件から始めた。
詰め込めば、一話でもネウロの基本設定や最初の事件解決までは描けたかと思うが、駆け足になってしまうし、「ネウロって何者?」という興味で引く構成もアリだから、オッケー。
 作画レベルは高く、「変」な演出も悪くない。
「狂気」…というには、まだちょっと大人しすぎる気はするけど。
 アニメのスタッフが、乗って、暴走し始めるのに期待。

 見続けるつもりだが、原作を読んでいることもあり、感想は書かないと思う。



『魔法先生ネギま!』01.

 驚きの実写ドラマ化。
 登場キャラが多く、新人俳優やアイドルなど、可愛い女の子を大量に出してプロモーションできるので、商売の題材としては好まれて当然か。
 ただ…原作は、とにかく赤松先生の驚異的なバランス感覚で成り立っている作品なので、「要するに髪型とかをそのままに、女の子達をアイドルに置き換えてドラマ化すれば、それで良いんでしょ?」と思ったら、大間違いなんだけど。
 ……などという高度な問題まで達しておらず、一本のドラマとして見ても、出来が良いとはとても言えない第一話。

 教師になった子供のネギを、生徒達がイキナリ普通に受け入れている。
描かれないところで時間の経過があったみたいだけど、「えーっ!こんな子供が先生?」というサプライズとリアクションを抜いてしまうと、一気に設定の面白さが低下。
 凄まじく短絡的に惚れ薬を作り始めるネギ、その影響下にあったとはいえ、かなり乱暴な色情狂女のようになってしまう のどか、大騒ぎの割に薬の効果は何となく切れたらしい、等々、話を急ぎすぎて付いていけないし、キャラクターのイメージとも違う。
 ここいらを急展開させた割には、所々妙に間延びした演出が見受けられ、見る気力を削がれてしまう。
 漫画とアニメのような親和性が、実写ドラマには無いからこそ、もっとデリケートな作り方が必要だったのに。

 女の子達は、可愛い子もいればそうでない子も、イメージに合う子も合わない子も、居る。
多くを望まず、美少女鑑賞番組だと割り切れば、それはそれなりに楽しめるのかな。
 視聴終了。


2007年10月4日 木曜日

『逆境無頼カイジ』01.「出航」

 原作は、『BSマンガ夜話』で紹介されたのを切っ掛けに、そこまでの単行本を全部買って読み、現在も連載を追いかけている。
 とにかく独特の…どちらかというと個人的に苦手な絵で、番組での もの凄く面白そうな紹介がなければ、今でも読んでいなかったかも知れない。
この傑作を読み逃さずに済んだことに、感謝したい気持ち。

 『アカギ』のスタッフが手掛けているので、レベルが高く、安心して見られる内容。
 特徴的な擬音?である「ざわ…ざわ…」に、セリフを当ててしまう変さ加減には、笑ってしまう。
木立が揺れる音を入れても違うだろうし、文字だけ表示しても寂しいかも知れず、良い判断なのかも。

 原作で毎度出てくる妙なゲームは、全部面白いんだけど、一番最初の勝負だったからか、この限定ジャンケンが最高傑作だったように思う。
 足元がグラリと揺らぎ、暗い穴の底に落ちていくような恐ろしい気分にさせてくれ、珍しく、漫画を読みながら掌に嫌な汗をかいてしまった覚えが。
 その辺り、どう緊張感を保って演出するのか、楽しみに見続けたい。



『素敵探偵ラビリンス』01.「旧都な名探偵」

 大地震があったにしては(三十年前にしても)、別段それらしい所は見受けられず。
 妙な犯罪が横行している剣呑な旧都、という割には、生徒達の考え方や行動がノンビリし過ぎ。

 いきなり、刑事コンビと小学生(中学生ぐらいかと思った)三人組の視点が示されるのも、分かりづらい。
一話で基本キャラを全部出す必要はないのだし、刑事・小学生のどちらか一方だけで良かったのでは。
 加えて、謎の襲撃者と謎の守護女性二人、ドジなメイドまで登場させ、キャラの顔見せで手一杯になったためか、「事件」に関わる物語がまるで進展せず、探偵少年についても「可愛い顔立ちをしている」ぐらいしか分からない。
 …それぐらいの理解で問題ない、それこそがテーマとなる作品なのかも知れないが。

 わたなべひろし監督作品は、前作『シャイニング・ティアーズ・クロス・ウィンド』を数話で視聴終了しており、今作も同様の匂いを感じてしまうため、ここまでにしておきたい。



『キューティーハニー THE LIVE』01.「ハニーフラッシュ!」

 永井豪先生の数ある作品の中でも、息が長く、愛されている作品が、初の実写テレビシリーズ化。
映画でなら、庵野秀明監督版があるけども。
 深夜枠だし、予算も限られており、更に「絵」だから気にならなくなっている部分が多い作品を、規制の厳しいテレビ東京系で放送、なんてのは相当に無茶だなあ、と思いつつ見た。

 ああ、意外と面白い。
 『ライダー』シリーズでお馴染み井上 敏樹による、ヒネたキャラの捉え方や世界観が、上手く実写化による違和感を消している。
 井上脚本のお約束「戦いの現場にワープしたかのように一瞬で現れる主人公」が見られたのには、笑ってしまう。
もう、セルフパロディーとしてやってないかなあ。
 パンサークローを、「不可思議な能力と単純な動機を持ち、襲ってくる悪役」とせず、何らかのルールに沿って行動するゲームメーカー…『カイジ』の悪役に近いか…とする事で、今日的な色合いを加えることに成功。
 楽しんだりせず、実に事務的に人を殺すシーンが、「仕事」を感じさせ、なかなか。

 ハニーは、庵野版に倣い、「陽気なおバカさん」として描かれる。
…原作では、そんなに馬鹿っぽくないんだけど。
 心配されたアクションが、ハニー役者の女性は格闘技でもやっている?と思わせられるぐらい機敏で、力の入った、結構ハードなものだったのに驚く。
別段、役者さんは そういう素養のある女性ではないようなのに、不思議。
訓練と、アクションの演出・組み立て方と、カメラワークの巧さ故か。

 最初っから、最強の戦闘モードでボロ負けしてしまうハニーに、ビックリ。
この姿で負けては、もう勝つ方法が無いような。
 怒りがパワーを開放する必要条件になっている、とか、まだ自身の戦闘機能を使いこなせていない(特訓と経験が必要)、という持って行き方になる?
 今作では、ハニーが複数存在するようなので、如月ハニー一人で勝たなくても良いのか。

 結構なお色気シーンがあり、女性の胸まで露出する思い切りが、テレビ東京としては驚異的。
 アニメ以外には、規制が緩い?


2007年10月3日 水曜日

『スケッチブック 〜full color's〜』01.「スケッチブックの少女」

 ぼんやり、ほのぼの、癒し系アニメ。
 『ARIA』の「コミックブレイド」掲載作品だし、監修を同作の佐藤 順一が手掛けている事からも、そういう路線を狙った作品なのだろうと思われる。
 第一話は、「今、一番興味があるもの」を描くよう言われた美術部員達の、ほわほわとした行動と思考を見せるだけで終わった。

 『らきすた』は勿論、『ひだまりスケッチ』と比べても、垢抜けない、少々古いイメージのあるキャラクターデザイン。
崩し顔の感覚も、少し前のものだと思う。
 それが「レトロ」な良さに繋がってくれば、癒し効果を強化する役にも立つだろう。
今回は、まだそこまで上手く行っていなかったけれど。

 無口なヒロインは、これから「一番興味があるもの」を見つけ、心のキャンバスに描いていく事になるのかな。
 構えず、ぼーっと眺めて楽しむアニメ。



『バンブーブレード』01.「竹ぼうきと正義の味方」

 原作未読。
 剣道部を舞台とする学園物…バトル物?

 魅力的なキャラクターが一杯、という事なのかも知れないけど、第一話は出来るだけ視点をスッキリと まとめるのが常道。
 道場で一人頑張る少女が主人公かと思えば、無感情気味な剣道場娘がヒロイン?
クラブ顧問の教師も個性を主張しているし、「萌え」物であれば普通モテ主人公に据えられそうな男の子も顔を見せており、混乱させられる…という程ではないが、余り上手くは感じず。

 憎々しい男性剣道部員を出して、義憤に燃える?珠姫が勝負を挑もうとするところで引いており、「彼女の戦いぶりはどういうものになるのか」という興味で次回を見せようとする流れだが、今回途中、落下してきた人間を二階の窓まで竹刀で弾き飛ばすパワーが示され、剣道場の娘設定によりストレートに実力が推し量れる構成となっているため、緊張感は薄い。

 作画は良好、崩し顔も可愛い。
 少女達の魅力が強く出てくれば、面白くなる可能性は十分ある。
 取りあえず、もうしばらく見ての判断で。


2007年10月2日 火曜日

『風の少女エミリー』最終26話.「春のおとずれ」

 名作劇場路線のアニメ、最終話。
 シンドイ事がありながらも、強い意志の力で どうにか自分を貫き、良い方向へと持って行くエミリーの日々を描く少女時代に対し、大人になってからは、厳しい現実に打ちのめされるシビアな展開が続く。
 好きだった男の子・テディは遠く離れた都会で、絵の道を成功させ、新しい恋人も。
 引き替えてエミリーは、田舎で、いくら投降しても小説が採用されることはなく、人生に大きな影響を与えてくれた恩師とも死に別れ、失意の日々を送る。
 ここから、どういう終わり方に繋げるのかと思えば…

 もうとにかく、力業のハッピーエンド。
余りにも「何もかも上手く行きました」なので、脱力してしまうぐらい。
 特にテディについては、こういう終わり方が決まっていたのなら、都会での生活と、他に何が得られても埋められない心境を描き、エミリーの元に帰ってきて勢いで結婚までしてしまう展開に、いくらか説得力を与えるべきだったろう。
 「かなり古いタイプの少女漫画」としてなら、理不尽なほどハッピーな終幕も良いかと思うけど、そうなると途中の重さに、それを「タメ」と考えても意味を持たせすぎているような。

 それでも、シリーズとしての積み重ねは しっかりと出来ており、伯母エリザベスとエミリーが抱き合って涙を流す開放のシーンには、ホロリ。
 エミリーは、「可愛い」というより「強い」女の子で、簡単に状況には負けず、自分の夢に忠実であろうとし、最後の最後には「幼い夢」を現実にしてみせる。
特に子供に向けての名作物としては、正しいストーリーだったと思う。



『D.C.II 〜ダ・カーポII〜』01.「小さな恋の季節」

 アニメ誌などによる新番組のチェックを怠っているため、このタイトルをテレビ欄で見ても、「『ダ・カーポ』なら二作目まで見てる。再放送(あるいはリアルタイムで放送されなかったUHF局の初放送)なのかな」と思い、危うく見逃すところだった。
 アニメの二作目は『D.C.S.S. ダ・カーポ セカンドシーズン』というタイトル。
 今回始まったのは、それとは違う(その後の世界を描いた?)、新作。

 シリーズの伝統なのか、この手の作品のお約束なのか、寝坊する主人公と、起こしにやってくる美少女、というシチュエイションからの開始。
女の子が半裸だったり、いきなりキスしようとしてたり、気が付くとベッドに潜り込んで抱きついてきてたり、といった、妄想サービス過多な始まり方にしない辺り、割と冷静。
 第一話は、取りあえず少女達の顔見せに終始…
かと思えば、ラストで突然、「片思い」を演出してきた女の子の方から主人公への告白。
 少々の戸惑いを感じつつも、特に断る理由が無く受け入れてしまう主人公…という、これで最終回だと言われても、そんなものかな、というような流れに。

 校長室に開いていた地下への穴とか、主人公を囲む姉と妹とか、波乱の要素は示されているので、これからまだ色々とイベントが起きてくるんだろう。
 『ダ・カーポ』という作品については、アニメで既に二作見ていることと、前作に余り感心しなかったことにより、視聴継続の意欲は低め。
 取りあえず、もう少し見てからの判断で。



『ゼロの使い魔〜双月の騎士〜』最終12話.「さよならの結婚式」

 溜まっていた録画分を、連続鑑賞でようやく見終える。
 今期は、ルイズのツンデレ…というか、「デレ」の部分が多く、「ツン」は もうかなりムリして付け加えているような案配。
無理矢理でも何でも、そうして「見ていても呆れるだけの幸せ絶頂バカップル」関係から引き戻すバランスがあるから、猫コスプレでお出迎えするルイズの恥ずかしさが生きてくる訳で、これは あり続けるべきなんだろうけど。
 これぐらい強引な「ツン」の設け方なら、「最後の一線を越えてしまったけど、アンタなんか好きでも何でもないのよ!」「子供も出来ちゃったけど勘違いしないで!」とか、死ぬまでやっていられるなあ。

 物語として…
 貴族の義務や戦争、殺し合いの中で生じる人の心の傷など、かなり重いモノを扱っており、せいぜいが『うる星やつら』バリエーションぐらいの骨格しか持たない作品としては、加重限界ギリギリ…というか、越えていると思う。
 が、それは「テーマとして、それらを扱う場合」の話であり、最終回のデウス・エクス・マキナぶりからしても、「そんなの、二人の関係を変化させるためにだけ用意された単なる障害」と捉えられているのは、明らか。
 しかし、今後は、どれだけのピンチが襲ってきても、「また妖精さんに何とかしてもらえば良いでしょ」と思われ、緊張感を維持するのは難しくなるだろうな。
緊張感は、「主人公二人、ついに最後まで行ってしまうのかどうか!」という部分にのみ、感じていれば良いんだろうが。

 ルイズは可愛く描けていたが…臣下に迷惑を及ぼす王女や、才人を酷い立場に追いやるシエスタなど、他の少女達に歪みが生じているように見えたのは、残念。
 どちらも、「その身勝手さまで含めて魅力」と考えれば、問題ないぐらいのレベルではあろうか。

 作画は高水準をキープしており、ドタバタのギャグは毎度楽しかった。
 国の戦況は…まあどうでも良いとして、まだ主人公二人の関係で引っ張れる魅力があると思え、これなら第三期も作れる終わり方。


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