ときどき日記 2007/11

2007年11月30日 金曜日

『げんしけん2』08.「こすけん」

 前回、斑目、田中らが卒業。
 主要なキャラクターだったので、出来ることなら残したかったろうが、時間の流れが存在する作品なので仕方ないか。
 今時、同じ時間を延々と繰り返している お笑い主体でない作品なんて、『名探偵コナン』ぐらい?

 特に構えず、回想シーンを多用して盛り上げようとか考えない(盛り上がるようなシーンなかった?)、ごく普通の日常に乗せて卒業していく描写が、この作品らしい。
 それでも、職場が近くにある斑目なんかは、ちょくちょく部室に顔を出すことになるのかな。
押しが弱く常識的ではあるけど、『究極超人あ〜る』鳥坂先輩みたいな存在と化す?
 大野と付き合っている田中は、今後も姿を見せることになろうし、後輩らの記憶に薄くなっていきそうなのは久我山ぐらいか。
いや、彼には、夢を捨てきれず専業漫画家を目指す、という強烈な道が残っているけど。

 今回は、在校部員達のキャラクターと関係を再確認した話。
 うざったい朽木だけど、自分が過ごした高校・大学時代、こういう傍迷惑な男が身近にリアルに居たもので、何だか親しみを感じてしまったり。
「何でそういう、周りを引かせてしまうような事ばかりするのか」と聞いても、本人にさえ「そういう性分だから」ぐらいしか分からないみたいで。
 でも、本当は自分自身こそ、周囲から朽木のようなヤツだと思われていたのかも…


2007年11月29日 木曜日

 ご心配をおかけしました。
 もう、すっかり…かどうかは分かりませんが、とりあえず大丈夫です。

 考えてみれば、こういう場合 男は…と一括りにしてはいけないと思いますので…ぼくの痛みなんて、「もらえるはずだったプレゼントをお預けにされちゃった、悲しいよう辛いよう」程度のモノに過ぎず、心と体に深い傷を残すヨメを思えば、甘えたことを言ってる場合じゃありません。
 どこか遊びに行こうか、とか、何か美味しいもの食べようか、という話を、ボチボチとしております。

 たくさんのお心遣い、ありがとうございました。
凹んだ時ほど、人の優しさが身に染みます。
 頂いたお気持ちに応え、いくらかでも成長しまして、今度は他の誰かが辛い時に優しさをお返しできる自分達であるよう、努力したいと思います。
 …ダメ人間なぼくにとっては、そうなるまでに遠い道のりがありますけど。
あせらず、一歩ずつ。

 では、そろそろ通常営業に戻ります。


2007年11月27日 火曜日

 余り楽しい話ではないので、アニメ感想にのみ興味をお持ちの方は、是非ここを飛ばしていただければ、と思います。
 まだ全然、心の整理が付いておりませんが、ヨメが自分のブログで書いていますから、告知をした以上、こちらでも。


 昨日、ヨメを連れて産婦人科に行ってきました。
 以前の診察から、成長具合が良くない、とは言われておりましたが…

 子供、だめでした。

 診察を行った医師の、このままでも流れてしまうけれど時期が特定できないので、日にちを決めて手術を行うか自然に任せるかは、お二人で落ち着いてよく考えて、決めて下さい、というような言葉を、ああ、ドラマとかでよく見るシチュエイションだなあ、旦那とか泣き崩れるものじゃないの?と、妙に客観的な、他人事のような気持ちで聞いていました。
 まるで悲しい気持ちが湧いてこず、意外と冷静な…薄情なものだ、と我ながら思いつつ、医師といくらか言葉を交わした後、ヨメを連れて帰宅。

 部屋に入り、留守番をさせていた犬が喜んで飛びついてくるのを撫でながら、上着も脱がず二人で床に座り込んで、顔を見合わせた後…
 ようやく、泣くことが出来ました。
 もう何十年も覚えがないぐらい、声を出して泣いて、泣いて、泣きました。

 今はもう、ヨメも自分も、ずいぶん落ち着いています。
 こういう風に喪われてしまうこと、決して珍しくないそうで。
子供が命を持って無事この世に産まれて来るのは、それだけでたくさんの運と愛情に守られた、奇跡なんだなあ、と今更ながら思います。

 もう少し、せめて安定期に入るまでこの話は伏せておけば良かった、うっかりはしゃいでお話をしてしまった結果、たくさんの方からお祝いのお言葉を頂きながら、その返礼にシンドイ気持ちを分けてしまっただけ。
 ごめんなさい。

 「愛してその人を得るのは最上である、愛してその人を失うのはその次に良い」
 とても、幸せな時間でした。
 お祝いのお言葉とお気持ち、本当にありがとうございました。


 すぐ元に戻りますので、少々お待ち下さい。


2007年11月25日 日曜日

『電脳コイル』25.「金沢市はざま交差点」

 最終回を目前に、色々なことがドッと起こり始め、めまぐるしい。
 4423が何かとか、実はイサコ兄ではなくイサコ自身のことでとか、正直その辺りには余り興味を感じていないので、大きく盛り上がっているらしいが、乗り切れず。

 それよりか…ヤサコとイサコの繋がりが深くなるのと反対に出番が少なくなっていくフミエや大黒黒客が気になり、以前もチラッと語られていた、ヤサコが心の弱さにより虐める形になっていた(自分が虐められていた、と記憶を改竄する弱さが凄い!)女の子が軽い扱いに終わってしまいそうな事の方が、気になる。
 ダイチが格好良いところを見せていたから、停滞していたフミエとの仲は進展するのかな。
 ヤサコと旧友の関係については、非常に深いモノになりそうなので数話かけて しっかり描くか、「ヤサコは見たまんまの良い子ですよ」としてダークな部分に触れない方が良かったかと。
ヤサコにとって、現実の出来事より、電脳ペットの方が遙かに「本物」ではなかったか、等々、作品の根幹に関わるエピソードだったんじゃないかなあ。
 次回、上手いフォローが入るのかも知れないが。

 前回の「眼鏡を使えなくした子供に相対するヤサコ母の態度」は、親として実に正しいと思えたり、飛行形態に変形しヤサコを守って敵もろとも自滅までしてみせるサッチーにはホロリ(サッチーの自意識ではなく外部操縦による?)。
 面白いところは多々ありつつ、どうも詰め込みすぎで、消化不良を感じてしまう。
キャラも設定もイベントも、全部 価値あるモノだし制作者の思い入れが強いのも分かるけど、思い切って整理し、一つ一つをもっと大事に、分かり易く描いた方が良かったような…
 いや、最終回まで見てから。


2007年11月24日 土曜日

『機動戦士ガンダム00』08.「無差別報復」

 テロ行為への武力介入を開始するソレスタルビーイング。
 しかし…世界中でエージェントが捜査をしているらしいのに、モビルスーツの操縦に関してはともかく、極秘行動や体術に優れているかどうか分からないマイスター達まで、生身で最前線に送り込む判断は、どうだろ。

 「マイスター達は何をやらせても凄い」方向で演出を統一してくれるなら良いけど、刹那は、テロリスト車が防弾仕様になっていることさえ予想しておらず、だったらタイヤを撃つという判断力もなく、相手が猛スピードで逃走しているのだろうに自分はわざわざバイクから降り狙撃しようとして取り逃がし、駆けつけた警察車両から逃げようともせず不審尋問され…
どう見ても、無能。
 その後、エージェント達がテロリスト車(刹那が追っていたのとは別人?)を確保している映像により、一層 刹那の無能さが強調されてしまう。

 テロリスト車両が特定されているのだから、ガンダムで飛んできて そのまま捕らえれば良かったのでは?
 モビルスーツの絡まない局面にはガンダムを使えない…という訳では、後のテロリスト拠点壊滅戦を見ていると無いようだし、ガンダムが善行を成してはならない、というには、ステーション事故救出行動が既にあるし。

 「お姫様と刹那を対面させたかった」都合、なのかな。
 それにしても、高速ですれ違いざまに刹那を同郷人と見抜き、それだけの理由で後を付けてきて事情も分からず警官から救い出す姫様の行動は……もう無茶苦茶だとしか。

 彼女に対し、本名とコードネームと所属を明らかにする刹那に、絶句。
極秘事項じゃなかったの?
 これでは、「刹那ってバカか」「このアニメってシリアスを気取りながら馬鹿アニメか」「批判が多かった前作のキャラ行動と変わらない」と視聴者に思われてしまう事ぐらい、制作者は織り込み済み……なんだろう、じゃなかろうか、だといいなあ。
 いずれにせよ時期が来ればマイスター達の正体を世界に明かす計画だった、刹那の行動は僅かにそれを早めただけで、酷く叱責されるに当たらない…とか(でも前回 姿を晒したの怒られてたな)。
 強烈なトラウマから参戦している刹那は、復讐の対象発見を切っ掛けに組織から抜け、戦争根絶と関わりのない個人的戦いを始めるつもり、だから自分の正体を隠す必要をもう感じていない…とか。
 きっと、何か理由が…「えらく子供っぽい話だ」以外の納得できる理由が…あるといいなあ。

 姫様、これで自国への援助を求めるため非常に有利な情報、「謎に満ちたソレスタルビーイングの構成員に関する事実」を入手できた訳で、自国データベースにより刹那の出自や現状に到る精神状態まで把握したなら、組織の概要さえ掴めそう。
交渉次第では、物凄く高く売れるだろうな。
 まあ、姫様はアホみたいだから、せっかくの情報を当分は腐らせておくんだろうが。

 分かり易い国家相手ではなく、根絶が難しく泥沼の戦いにならざるを得ないテロリストとの戦いを、主人公達がどう展開してくれるのか、ちょっと楽しみにしてたんだけど…簡単に拠点が発見され、どうも壊滅させられたっぽい…もしかしてこれで一段落なのだとしたら、拍子抜け。
 テロとか戦争とかいうものに対する、この作品なりの理解がどうも良く分からない。
現実に即している、という意味での「リアル」は目指していない?
 極端に言えば、「全ての軍事力を排除し、ガンダムマイスター達が永続的に監視を続けることで、世界に真の平和がやってきました」というエンディングさえも あり得る世界なの?

 付記
 考えてみれば、姫様は、刹那の情報を売ろうにも、迂闊な行動は取れなくなっているのか。
 二人は同じ人種であり(敵対していた立場?とはいえ)、街中で銃をブッ放す危険行動を取っていた刹那を自らが持つ特権で無条件に救い出し、SPも付けず二人きりで会談の後、テロ船舶を破壊した刹那ガンダムは、見送りか護衛のためか姫の乗る飛行機に近接してしばらく飛んでみせる。
 …どう見ても、お姫様は、あるいはその国は、ソレスタルビーイングと協力関係。
 姫の助けた刹那がガンダムマイスターだと世間に知られては、彼女の国が他国からの援助を得るのは難しい、どころか、ヘタすると「テロ支援国家」に指定されかねず。
 と、いうような事を、次回、お姫様にキツい事を言う姉ちゃん辺りが指摘してみせれば。
 逆に姫様を脅迫して協力を引き出す材料を手に入れたとも言える、恐るべしガンダムマイスター…って、どう見ても刹那の行動は発作的なもので、計画性など皆無だろうけど。


2007年11月23日 金曜日

『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ』01.「渡河作戦」02.「ガレアデ」

 OVAで開始された、『ボトムズ』の最新シリーズ。
 作品内年代で言うと、『野望のルーツ』に続く話になるだろうか。
だから、フィアナや、ゴウト、ココナらテレビシリーズで お馴染みのキャラクターは当然 登場しない。
『野望のルーツ』で行動を共にした(いたぶられた?)レッドショルダーの仲間達も、第2話までは出てこず。
 唯一、ロッチナだけが顔を見せる程度。

 うーん…見終わった印象は、少々不満。
 ただ、『ボトムズ』として必要な要素は不足無く全て入っている作品だと思えるので、休止期間に膨らんでしまった こちらの要求ハードルが、高くなりすぎていたのが原因かも。
 作品への思い入れが強いため、自分の中にあるイメージと少しでもズレがあると、「違う!」と言いたくなってしまう。
 そういうファンが多いお陰で、これだけ長くシリーズを続けてこられた、という意味で有り難くはあろうが、思い切った新しいことが やり辛い、という意味では制作者も大変だろうな。

 OPの歌、これまでとかなり変わったタッチのモノになっている。
最初は拒否反応が出てしまったが、何回か聞く内に「これはこれで」と思えるようになってきた。
 今回は「漢」を歌い上げる、というより、「戦場で戦う兵士達の悲哀」を表す歌?

 CGで表されたATの挙動は、良くもなく悪くもなし。
今なら、もっと高いレベルで造形したり演技を付けたり出来るはず(お金さえ掛ければ)だけど、ヘナヘナの作画で見せられるよりはマシか。
 CGの利点を活かして こういう演出をしよう、という事が考えられてあり、回を重ねるほど制作側も慣れてくるだろうから、この後に期待は持てるんだけど、少しぐらい不細工になっても構わないから手描きで見せて欲しかった、というのが個人的感想。

 キャラクター作画は、意図的にかどうなのか、かなり雰囲気が変わっており、善し悪し。
 アメリカのアニメ『バットマン』や『スーパーマン』風の絵が、時折混じったりして。
 キリコの顔で、「誰?」と思えるカットがあるのはテレビシリーズからの伝統だけど、全体に精彩に欠けているのが残念。

 ストーリー。
 ATが大挙して押し寄せる渡河作戦の描写が、まるっきり『プライベート・ライアン』なのは、どうだろう。
崖を駆け上がるためのAT用レールとか、面白い仕掛けもあるんだけど…どう頑張っても「要はロボット版『プライベート・ライアン』でしょ」と言われて終わってしまいそう。
 後追いとしては良く出来ていると思いつつ、どうせならハリウッドがパクりたくなるぐらいオリジナルな、「巨大ロボットを使った戦争とはこういうものだ!」を期待したい。
出来ないスタッフではないと思うから。

 戦場のキリコと、軍内部で苦境に立たされるペールゼンを、対比しつつ描いていくのかな。
 こうして見ると、二人の関係は『巨人の星』星飛雄馬と一徹 親子に似ている…かも。
ペールゼンは本気でキリコを殺そうとするし、キリコが彼にホンの僅かでも愛情を抱くことはあり得まいが。
 キリコは出自不明なのだし、「ペールゼンの遺伝子から作られた『息子』」という設定でも構わないような。
なかなかしぶといペールゼン自身が、「異能生存体」の遺伝子を持っていた、とか。

 物語はまだ始まったばかり。
 期待しつつ、見続けたい。


2007年11月20日 火曜日

『機動戦士ガンダム00』07.「報われぬ魂」

 ガンダムによる攻略戦は、まあ相変わらずという所。
 大口径火力を持つヴァーチェの使いようと、それに有利なポジションを占めさせるべく他のガンダムで どう敵陣を切り開き、攻撃に移るまでの時間をどうやって守りきるか、辺りが戦術のポイントになりそうなものだけど。
ヴァーチェが、個体としてもバリヤーに近いモノを張る防御力を持ち、捨て身の覚悟で距離を詰めて突っ込んでくる敵が居ないことにより、そんな細かな作戦を立てる必要に迫られない。
 もっと強敵だと思われた、刹那に因縁のある男が、割にアッサリ退場してしまうのも、物足りない理由。

 刹那に、人間らしい(人間味が欠如した過去を起点とする)行動動機が示し始められ、葛藤が生まれることで、主人公…までは到らずとも、キャラクターとして認識できるようになってきた。
 少年時代、宗教的教義に従い、関わりのある人間を自らの手で殺害し、しがらみを断ち切る事で聖戦への参加資格を得た…とか、そういうような重い記憶があるのかな。
そこまで子供を思想的に偏らせてしまう行為に、日本人は余り馴染みが無く、これから刹那がどうしてそういう子供に育っていき、どうして そこから脱却したかを、説得力を持って描けるかどうか、見物。

 戦いの最中にコックピットを開け生身を晒す、なんてのは自殺行為で、作戦全てを壊滅に追い込みかねない愚挙だと思うけど、刹那の行動動機が「ソレスタルビーイングの理想」より「己のトラウマ」に根ざしているとすれば、やむなし。
 敵側も、フェアに体を晒す必要はなく、ガンダムに一撃喰らわして刹那を捉えてから話を聞けば良かったようなものだけど…合理性よりは「面白いから」戦っている、というキャラなら仕方ないのかな。
 他のガンダムマイスター達にも、それぞれソレスタルビーイングに参加した理由がありそうで、食い違う動機と目的による不協和音と和解が、これからの見せ場になりそう。

 ガンダム達は、モビルスーツによる戦争行為には介入できても、生身の人間が起こすテロには対処しようがないはず、と思っていたが、そのテロが「ソレスタルビーイングを追い込む」目的で起こされたのは、意外で、面白い。
 首謀者は どこかのテロリスト達なのか、国家単位の謀略か。
 宇宙ステーションでの救助行動により、「人間性が弱味」と取られてしまったのか、一番悪い方向での対処方法が採られてしまった。
 ここでひるむと次は「ガンダム各機を渡せ」という所にエスカレートしかねず、無視すると市民の怒りがテロリストと同等かそれ以上ソレスタルビーイングに向かう、分のない状況。
 テロへの介入を開始する彼らの、「人間的な」能力値の高さを見せてくれれば、キャラクター的魅力に結びつけやすくなるかなあ。


2007年11月15日 木曜日

 という訳で、締め切り前スケジュールに入ります。
 Wiiの『バイオハザード』ゲーム買ったのですが、当然ながら仕事終了までは封も開けられず。
 月曜日ぐらいまで、更新は難しくなるかと。
『機動戦士ガンダム00』については、フツーに面白い内容だった場合を除き、何か書きたい気分になりそうですけど…そんな時間が取れるかどうかは、そこまでの進行次第。


2007年11月13日 火曜日

『GR -GIANT ROBO-』06.「雷撃」

 ロボット同士のバトルが展開するところは、今川監督版よりも「ジャイアントロボ」っぽく感じる。
ただ…どうもこう、演出のテンションが低く、血を沸き立たせてはくれないのが残念。
 考えられた構成だと思うけれど、地味な印象は拭えず。
 「砕け!ジャイアントロボ!」「!!(ロボの唸り声)」というような分かり易い、熱いフレーズが無いのも弱い。

 未だに大作は、ロボを「GR-1」とコードネーム(これが正しい呼称か)で呼んでるし。
 まあ、このロボにはまだ感情移入できる要因が無く、いずれ「命令するんじゃなくて、一緒に戦う」ような気持ちに大作がなってきたら、変わる可能性も。
 やたら熱く、ケレン味に溢れ、怒濤の迫力で細かいことは押し切っていく今川監督版と比べられるのは、この作品にとって不本意なんだろうな。
 まだしも、原作や実写版の方が近いのに。



『おねがいマイメロディ すっきり♪』33.「ヘロヘロですっきり!?」

 風邪を引いて熱を出し、ヘロヘロになってしまうマイメロ。
 しかし、歌が苦労して作った刺繍入りハンカチで鼻をかんでしまったり、洗ったそれを風に飛ばしてしまうのは、「熱があるから」というより「いつも通り、絶好調」な気がしないでもない。
本人には全く悪意がないが、やってる事は最悪…というのがマイメロの個性なので。

 描く絵がヘロヘロになると、呼び出される お助けキャラまでヘロヘロに。
普通は似顔絵を元に、描かれた本人が召還されるんだけど、ヘロヘロ絵を使った場合には、「宇宙のどこかに居たヘロヘロした姿の生物」が呼び出されているのか、「架空の存在を作り上げて出現させている」のか。
 前者の場合、召還は出来ても帰還させることは出来ない無責任魔法なので、帰りが大変そう。
 後者の場合、『クレヨンしんちゃん』カンタムロボのように、そもそも架空の存在だが強力な戦力を持つ相手を描いて呼び出す戦法もあるかと。
まあ、強いキャラを使って戦いを有利に展開しようとか、そういう作品じゃないし、「身近な人を、相手の迷惑も顧みず召還して無理矢理 戦わせる」のが面白いんだけど。

 暴走するダメ召還が素晴らしく、せっかく取り戻したハンカチも、よく考えると もらって「ありがた迷惑」なシロモノなのが楽しい、大笑いの話だった。


2007年11月12日 月曜日

『みなみけ』06.「マコちゃん誕生」

 何故だか、三姉妹のクラスに一人はいるバカ(次女の場合は自身がそう)。
三女のクラスメート、顔立ちは可愛いのだろうがオツムが弱いマコトによる、女装話。
 美味しいシチュエイションだったと思うのに、珍しく作画が冴えず、せっかくの女装が可愛さも可笑しさも弱いモノになっていたのは残念。

 マコト、憧れのお姉さんと狭い更衣室で二人きりになり、上半身脱いだ自分の体に彼女が後ろから手を回して抱きつく格好となるなど、鼻血を出してブッ倒れても不思議無いぐらい えっちな状況だろうに、割合とその場での反応が鈍い。
男だとバレる不安が勝ってしまったのか、脳内で現状を整理して興奮することも出来ないぐらい性的に未分化だったのか。
 目の前で服を脱ぎ出す長女を見てしまった事といい、この辺りの経験を元ネタとして構成された夢により、近々精通を迎える事だろう。
 ああ、これで一本漫画が描けそうだなあ(職業病)。

 三女、賢くて色々と世情に通じているようであり、時折 驚くぐらい世間知らずでもあり。
 「バカ野郎度」の高い人間には、その度合いに応じて黒いフィルターを掛け、自らの視界から閉め出している効率性?が凄い。
しかし、それにより ちょっとバカの姿が変わっていると、もう本人か別人か分からなくなってしまう、というのでは、非効率的すぎか。
 彼女が世界をそうして見ている、と正確に看破した次女は、意外に鋭く賢いのかも。
 うーん、そう考えると誰が賢くて誰がバカなのか。


2007年11月11日 日曜日

『電脳コイル』23.「かなえられた願い」

 謎解きがゴチャゴチャしてきて、一度見たぐらいでは理解しきれない部分アリ。
 スッキリと整理すれば、そんなに難しい設定ではないと思うんだけど、故意に…なのかどうなのか、入り組んだ語り口を選んでいるような印象さえ。
 コイルス、コイルスノード、コイルタグ、イリーガル、ヌル、イマーゴ、浅い空間。
独自の用語が多く、語られる内容について、分からない、という事ではないものの、実感的理解が難しい。

 それでも、緊張感に満ちた演出や、初めて出来た友達を上手く認識できないイサコ、ボロボロになった体を張って なおヤサコを守ろうとするデンスケの忠犬ぶり等々、見応えのある所は多く、面白さは揺るがないが。
 物語の残りは あと僅か。
ここまでの積み重ねが十分に活かされた、素晴らしいクライマックスを期待したい。



『機動戦士ガンダム00』06.「セブンソード」

 ヤヤコシイ国際政治が絡む話…かと思ったが、劇中で実に分かり易く、しかも繰り返して説明してくれるので、理解は容易。
 しかし、これほどの説明が必要な設定、という所が既に問題と言えば問題。
世界情勢をもうちょっと単純に、誰でもすぐ分かる程度にして構築できなかったのかなあ。
 余り単純化すると、「世界から戦争を無くす」という主義主張が意味を失いかねない、という所はあるが。

 大勢の敵が待ち受ける戦場に…予報による戦術を立ててあったとはいえ、ほぼ真正面から乗り込み、四機のガンダムで圧倒してしまうのは、緊張感が無さ過ぎ、面白味に欠ける。
そろそろ苦戦しても良い頃なので、エクシアと対峙するモビルスーツに期待。
 強固な楯が装備されたみたいだから、狙撃型のデュナメスを前線に持って行くなんて…という不満はもう言うまいか。
万能にしてしまうと、かえって魅力を削ぐ気もするけど。

 ガンダム各機の装甲は恐ろしく頑丈なようだし、『0083』GP02のように、核武装、とまで行かずとも広範囲を破壊できる爆弾を装備し、敵の真ん中に放り込んで逃げれば、苦労なく今回のようなミッションは完遂できるような。
別段、一対一の戦いを重んじている訳でも無さそうだし。
 南極条約より厳しい条約で、大規模破壊爆発物の所持は禁止されている?
 それ以前に、そういう戦い方を許しては、作中でのモビルスーツの存在意義が薄れてしまうか。

 エクシアに新しい剣が届く。
…ビームサーベルがあれば実体剣は別に要らないんじゃ?短時間しか使えないとか、制限があったっけ?
 コーティング処理により光攻撃を跳ね返す剣、振るえば衝撃波を発生させ離れた敵も両断する剣、投げると敵を切り裂き戻ってくるブーメランのような剣、といった絵的に派手な特色でも持たせれば良いけど、まあ、漫画っぽくなるな。

 影が薄かった刹那に、その隠された過去と絡む強敵が出現したことで、次回以降キャラクター性が掘り下げられ魅力を強く感じさせてくれるようになる…と、良いなあ。
 どうも、敵側にばかりアクの強いキャラを配置してあり、ガンダムマイスター四人組が沈み込んでいるように思え。


2007年11月10日 土曜日

『ULTRASEVEN X』06.「TRAVELER」

 うーん…社会生活に馴染めず不満を抱えた人間が、宇宙人の到来を好機として地球を脱出していく、というプロットは既に第2話で使っており、そう長いシリーズではないのだろう この作品中、似た印象の話を二本も作るのは構成が拙い。
 一応、こちらは「宇宙に行くのが夢だった」という変化を設けてあるが。

 非人間性を強調したいのだろう男の職場の描き方は古く、面白味に欠け、行きつけの酒場で それなりに受け入れられて酒を飲んでいる様子を見せては、疎外感が薄れる。
 「確かに、コイツは地上のドコにも行き場がない」か「例えこの先どうなろうと、焼け付くほど憧れた宇宙に出られただけで幸せだろう」と、強烈に感じさせてくれなければ、そこいらの男が よく分からない宇宙人と一緒に旅立ちました、だけの話で終わってしまう。

 宇宙を旅できる、と喜んでいた男に対し、事情を知らないセブンが強制的に合体状態を解除させ、宇宙人を船もろとも破壊して男を「救出」、「平和な日常」に戻してあげる…というようなブラックな終わり方でも良かったかと。



 映画『仮面ライダー THE NEXT』を見る。
 監督は、平成ライダー劇場版や『小さき勇者たち〜GAMERA〜』を手掛けてきた田崎竜太。
脚本は引き続き、井上敏樹。

 前作について、ライダーの造形が格好良い事とアクションが優れている事を除き、余り感心できずに見たため、今作には期待せず、ゼロからスタートする加点法で鑑賞。
 それが良かったのか、割合に楽しく見られた。
 特に、出来る限り生身に拘ったアクションの仕上がりが素晴らしく、「よくこんなシーン撮ったなあ」と感心させられる所が多々。
 サービスの変身ポーズ、ここ!というシーンでライダーの目を光らせるセンス、ダブルライダーキックもパワフルだし、ワンカットで見せるのは不可能と思われていたV3の必殺キックを見事再現してくれたのには、胸が熱くなる。

 「仮面」という部分をかなり割り切ってあり、人間からライダーの変身が僅か1秒程度で終わってしまうのは、善し悪しか。
続編なのだし、同じ見せ方に拘る必要も無く(初登場のV3は少し拘っている)、映える撮り方を選んで正解だと思うため、個人的には この格好良い方向への割り切りが嬉しい。

 前作で大きく不満に感じたのは、薄っぺらく面白味のない恋愛の描き方。
また そういうモノを見せられたら…と不安だったが…
 男女の恋愛関係要素は、全くと言って良いぐらい出てこない。
 前作ヒロインを登場させず、不在についてセリフでさえ触れられないのは あんまりだと思いつつ、まあ、上手く扱えない要素を切り捨てる判断は正しいだろう。

 代わって入っているのが、「ホラー」のテイスト。
 これが…怖くはないけど頑張って撮っているとは思うし、イライラさせられるようなマイナスポイントでも無いけれど…やっぱり、余計。
 風見志郎の変心を大きく動機付ける要因だろうに、最近の日本ホラーでは お約束になっている「理不尽な死がもたらす恐怖」を描きすぎているため、上手く機能しなくなっている。

 彼女の凶行暴走は、誰もが仮面を付けて別の存在に変わるこの世界で、「決して取れない仮面」を被らされてしまったが故、正と邪、普通の少女と殺人衝動に駆り立てられる醜悪な怪人を同時に内在する、二分化した狂気がもたらしたもの…だったのかな。
 解釈不可能ではなくとも、分かり辛いのは確か。
エンドクレジット後のオマケなど、観客に どう思って帰って欲しいのか、意図を疑う。
 オリジナル『ライダー』にも「怪奇」の要素はあった訳で、ホラーっぽくするのも間違ったアプローチではないと思うけど、もっと物語の中で有機的に機能し、消化しきれるよう考えるべきだったかと。

 それは…大事な実験だろうに正面玄関から堂々と出ていく人間を見逃すショッカーの間抜けさとか、脳にまで改造が及んでいるのかどうか判断しかねる風見志郎の(葛藤が弱くカタルシスも無い)行動、本郷があの職場を選んだ事への疑問、いくら何でも多少は感情の動きがあるべきじゃないかV3とチェーンソーリザードの決戦、等も同じで、「第一稿」としてはこれで良いけど、「決定稿」に到るまでには まだまだ熟考を重ねる必要がある、と思える穴の開き方。
 別に完璧なストーリーは求めないが、物語への没入を妨害せず、アクションを より楽しく見せてくれる筋立てではあって欲しい。

 難点を言えばいくらでもあるけど、一作目より ずっと楽しく見られたのは確か。
 三作目があり得るなら、なるべく余計な要素を入れず、整理された、より面白い作品に仕上げて欲しい。


2007年11月9日 金曜日

 まだデリケートな段階なんだし、もうちょっと書かない方が良くないか?と思ったのですが、ヨメが自分のブログで書いてしまったので、こちらでも。

 ええと、来年の夏頃、子供が出来ることになりました。

 いや、いや、いや、いい歳して何だとか、子供に言えるような仕事してんのかとか、皆様が仰りたいことは重々承知しておりますが、意外とコレが嬉しいものでして。
 あと二十年ぐらい、成人を見届けるまでは生きてなきゃいけないし、何かやって働いて せめて金銭的な面だけでも余り苦労を掛けないようにしなきゃいけないですね。
 ロクデナシでも親になる身として、出来る限り頑張りたいと思います。

 ぼちぼち、諦める時期かと考えていたんですけどね。
思いも掛けないことで、人生ってホントに不思議です。


2007年11月8日 木曜日

 ウダウダとやっていたために、仕事が何もかも押し詰まってきてアタフタ。
 そんな中、思いもかけず嬉しいことがあり、人生って本当、不思議。


2007年11月6日 火曜日

『CLANNAD』05.「彫刻のある風景」

 不可思議な設定を持つ少女が登場…ずっと出てはいたので、風子が抱えるファンタジックな事情が明らかになった、と言うべきか。
 誰にでも見える上、手彫りのヒトデをプレゼントできる物質性も備えている少女が、まだ「実在でない」事がありうる世界なのかなあ。
 一本のアニメとして よく均してはあるが、原作ゲームがそうだったと思われる「攻略する少女キャラ毎に世界観は僅かずつ異なる」事由により、こういう現実離れした事態が起こる作品なのかどうか、まだ分からない。

 言われている通りに風子が生き霊のようなものではなく、例えば姉により、「存在しない(意識不明の無害な状態にある)」事を望まれ、姉がもう登校してくるはずのない学校で隠れるように生活している、とも思えるし。
 その場合、ドコで寝ている、食事をどうしている、等々、また不思議な事は出てくるが。
病院から登校してるのかな…まあ、いずれ明らかになるか。

 見分けが付き辛かった少女達も、個性が強く出始めるにつれ、それぞれ魅力がハッキリしてきた。
 主人公の抱える暗い家庭事情だけが、ほのぼのとした物語の中で、違和感。
ヒロイン誰かとの関わりを通じて、彼の心の傷が癒され解決される構成になってる?


2007年11月5日 月曜日

 映画『バイオハザードIII』を見る。
 今作は、『ハイランダー』で印象的な映像とアクションの面白さを見せてくれた、ラッセル・マルケイが監督。

 世界の環境が激変しており、『バイオ』というより『マッドマックス』のごとく、荒涼とした大地が広がっている。
 「湿った・陰気な」ゾンビの雰囲気を、「カラッと乾いた」世界で描くのは、無理が。
 またゾンビは、文明崩壊の境界線ギリギリに存在させるのが面白いと思え、完全に壊れた無法の荒野に うろつかれても…単に「人を襲うモンスター」とは認識できるけれど、その特異性である「何かが欠けた人間だけが醸し出す不安」や「悲劇性」を感じ取れない。

 こういう状況になってまで、アンブレラと敵対しているのも、どうだろ。
 商業行為が成り立たなくなっているのだろう世界では、企業としてのアンブレラは既に崩壊しているはず。
この恐るべき巨大企業も、まっとうな人類社会があって初めて意味を持つもので、世界の設定をここまで壊したのなら、新たな存在の意義付けが必要だったろうに。

 『2』との繋がりが悪いのも、気になる。
前作のキャラが登場しないのに誰も言及しないし。
 アリスが強かったり弱かったり、前作でも描かれた超能力が使えたり使えなかったり、「話の都合」としか言いようのないモノでコロコロ変わっており、乗れない。
まあ超能力については、前作で扱いづらい設定が出されてしまったのが問題なんだけど、せめて使用に際しては厳しく条件付けするとか、使用毎にアリスへとダメージを与えるとか(若干の頭痛ぐらいじゃなく)、やりようはあったかと。

 アクションはそれなりに楽しく、ゾンビも「人型モンスター」と割り切れば抵抗無く見られる。
 映画『バイオ』の完結編として、妥当と思える舞台(風景)でクライマックスを迎えるのは、嬉しい。
 見所が無くはないんだけど…
『エイリアン3』『ロボコップ3』『ターミネーター3』と、大体三作目では期待値を大きく下回る内容になっている、それらに比べればマシな方…かな。
 さすがに、もう続編は作らないつもりだからこその思い切ったエンディングなんだろう。
もし作るとしても、タイトルを少々変え、登場キャラクターを一新して、この三部作とは繋がりのない小さな舞台から始めた方が良い。



 ありがたい事に、冬コミケ、当選いたしました。
 月曜日・ハ-01b・白昼書房です。
 今度こそ、何か出したいと……


2007年11月4日 日曜日

『ハヤテのごとく!』32.「魔物ハンターようこそ伊澄、とナベシン」

 前情報 何も無しで見たため、冒頭からワタナベシンイチが出張っているのに驚く。
 一発ネタだけの登場かと思えば、半分ぐらいの放送時間を占拠して番組の私物化を行い、旧自作の紹介から奥さん子供まで出してしまう悪ノリに、呆然。
 今回は、コンテがナベシン自身、脚本・浦沢義雄という豪華メンバーだったのね。
この布陣からして、『ハヤテ』監督の「一話、好きなようにしてもらって結構」という意思・指示を表したものだろう。
 それにしては、後半、一応 原作っぽいことをやっていたのが意外なぐらい。
もっと暴走して、収拾が付かなくなっても不思議ないので。

 しかし…これは、ナベシンファンではない、普通に作品を楽しんでいた視聴者から、怒られそうだなあ。
ナベシン監督が最初から手掛けている(彼のカラーで統一した)作品じゃないし、これから何話か続く「有名演出家に好き放題やらせる企画」の始まりでもなかろうから。
 個性が出てしまう演出家、というより、自分自身を出したがってしまう芸風の演出家だ、という所も、反発を受けそう。

 笑い、という面でのヒット率が割合に低く思えたのは、残念。
 『ハヤテ』は、「濃い、マニアックなネタを、サラッと流す」のが持ち味。
「しつこくしつこく、やり過ぎぐらいにやる」ワタナベシンイチとは、食い合わせが悪いのかも。
 それなのに無理矢理 自分を突っ込んで、とにかく一話でっち上げてしまうパワーと図々しさと根性は、メタ的に とても面白かったけれど。



『ULTRASEVEN X』05.「PEACE MAKER」

 平和を求める宇宙人、というのは、長いシリーズ中で何度か登場していると思うが、こんなにも虚弱体質で、「真面目・一生懸命だけれど凄く使えるとは言えないバイト」として地球の生活に溶け込み、暮らしているケースは初見。
 その地球社会への適応ぶりと、凶悪な外見をした敵対宇宙人に抵抗も出来ず次々惨殺されていく悲惨さから、逆に「恐ろしい真意を隠しているのでは」と疑いたくなってしまう。
 邪悪に見える宇宙人が善良で、人畜無害としか思えない方が極悪、というのは、割とあるパターンだから。

 実際、敵への対抗手段を発見したことで、彼らは破滅的な戦争へと突き進んでいく訳で、心底平和を愛する種族ではなかったのだろうが…ちょっと物足りない描き方かな。
 「他者の戦争に、一時の感情で手を貸してしまう恐ろしさ」でも もっと強調してくれれば、大人向けのブラックな内容になったろう。
 「求められるまま他惑星に援助を与えているうち、その力を利用した地球への攻撃が仕掛けられる」とか。
 現在の世界情勢を色濃く・皮肉に反映する手もあったろうし…色々と遊べるネタだったと思うが。

 それでも、だいぶ見られる内容になってきた。
今回だって、セブンっぽいと言えばセブンっぽいストーリーだし。


2007年11月3日 土曜日

『機動戦士ガンダム00』05.「限界離脱領域」

 『逆襲のシャア』風に、落下する巨大質量物質をモビルスーツのパワーで救おうとするシチュエイションを、中心に据えた話。
 強化人間の暴走、走る閃光と共に何か分かり合う(心に侵入し合う)キャラクターの描写など、ああガンダムだなあ、と感じさせられる描写があり、楽しい。

 アレルヤの過去に、何があったんだろう。
幼い頃、漂流する宇宙船内で、不足する酸素を温存するため、同乗する兄弟か親友の命が失われた経験から、相手の命を自分の中に受け入れるようにして、もう一つの人格が出来てしまった?
 パニックから破壊行動に走る強化人間と逆で、アレルヤは冷徹な人格から、他者の命を何としても救おうとする人道的な面が顕わになっているのは、面白い。
 この二人だけが互いを感じ合った、という事は、肉親?
アレルヤも、彼女と同じ施設で作られた強化人間だとか。
あるいは、彼女にDNAを提供したのが彼の親で…いや、まだ考えても分からないな。

 地上から狙撃して連結部を破壊するロックオン、邪魔な雲を切り裂く刹那、と、チーム単位での連携行動が描かれているのは嬉しい。
ティエリア機は活躍していないが…彼は、この発作的行動そのものに否定的見解を示すのが「チームの一員としての」役割か。

 前回の、弱小国機を破壊する無情なガンダムマイスター、と丁度対になるように、人々を救うため あらゆるリスクを無視して行動するパイロット達の姿を見せられ、彼らへの評価が激変。
 それも、アレルヤは個人的トラウマ?から動き始めており、彼を(ガンダムを)見捨てる訳にはいかない事情もあり援護を決めるプトレマイオス側と、緊急の作戦について どういう説明を受けたのか分からない…「計画外の人道的救助」とは聞かされていないかも…地上のマイスター達、という訳で、見た通りの「良い話」と取るべきかどうか、考えさせる描き方をしているヒネくれ方が、なかなか。

 一話から見てきて、今回が一番面白い話だった。
 キャラクターの関係やガンダムの機体性能、世界の状況など、これまでに描いてきたことを下敷きにしてこそ成り立つ内容、ではあったろうけど、もうちょっと早くこういう「単純に・あざとく面白がらせる話」を入れてくれれば、視聴意欲の減退を感じさせる隙は無かったろうに。



 書き損ねていたけど、かなり前、映画『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』を見た。
 監督からキャストまで、前作と ほぼ変わらない顔ぶれ。

 アメコミ原作映画としては、とにかく悩みと無縁で、やたら脳天気なのが印象に残った前作。
 今作では、「結婚を前にすれ違うリードとスーザンの気持ち」「二人の結婚を契機とするユニット解散を知り、戸惑う他メンバー」という心理的不安定要素を抱え、さすがに人間関係が深く描かれるかと思えば…やっぱり脳天気。
上記不安定要素など、出されただけで葛藤も解決も特に無いまま、何となく物語は進む。
 物足りないけど、負担無く気楽に見られる、という意味では良いのかな。
 ただ、タメが無いので、当然ながらそれを解決するカタルシスも無いが。

 再登場ドクター・ドゥームのダメさ加減が哀しい。
こういう「敵対していた相手と一時的に手を結ぶ」状況は燃えるんだけど、味方に加えて心強いキャラではなく。
 『スパイダーマン』ハリーとか、『X-メン』マグニートーは、かなりの戦力になってくれたのに。

 シルバー・サーファーのCGに取り立てて驚かされる部分が無く、16年も昔の『ターミネーター2』T-1000以上の物でないのは、残念。
T-1000がシルバー・サーファーを元にしている、という話もあるけど、技術の進歩分、見せ方に工夫して欲しかったところ。
 日本では余り馴染みが無いせいもあり、彼にキャラクターとしての魅力を感じられないのが痛い。
変心の理由付けが弱く、最後に事態を解決する展開も、「話の都合」以上ではなく思える。

 まあ、細かいことさえ言わなければ、パワーを集結したウルトラ・スーパーヒーローの活躍は楽しいし、CGにもそれなりの見せ場があり、気楽な見せ物としては悪くない。
 アメリカでは当たったみたいだから、更に続編が作られるんだろうな。


2007年11月2日 金曜日

『げんしけん2』04.「デキテンデスカ?」

 大野に、「キャラクターを汚す」という理由で、コスプレをしたままでの不埒な行為を忌避するポリシーがあるのは面白い。
そういうカタクナなところも一因として、迫力ある体を持ちながら男性経験ナシ、になってしまったのか。
 可愛い顔立ちをしている上(この世界では、美人、という訳ではない?)、ないすばでーをして、注目されるコスプレイヤーなので男性達とも接触が多い女の子が、キスの経験もないまま、冴えない男にひたすら好意を寄せてくれ最終決断を迫る、って、もう力一杯オタクドリームだなあ。
 でも、エロゲーの画面を二人で見つめながら、なし崩しで えっちに突入してしまう、というのには、妙なリアリティーがあったり。

 前々回「会議はモメル」での、同人誌製作過程もリアル。
 「みんなで楽しく本を作れれば良い」ぐらいの気持ちでスタートした本作りが、その緩さ故に各個人のエゴを混入させ始め、終いには罵り合いにまで発展してしまう。
「この内容だと、オレが描く意味あるのかなあ?」とか「分かりましたよ、プロとしてデビューできない理由が」とか、不思議と聞いたことあるような言ったことあるような気分にさせるキツいセリフで、辛い。
 友人に聞いても、「あれはリアリティーがあった」「怖かった」「泣きそうになった」と好評(?)。
 作者の経験に寄ってるんだろうな。

 それに比べると、コスプレ美女美男の援護があったとはいえ、初参加で同人誌を見事完売してしまう次の話は、ゆるい。
 まるで売れず部員一同 凹んで欲しかったけど、そういうのは『こみっくパーティー』でトラウマになるぐらい厳しいのをやっていたから、いいか。
 稼ぎ出した同人益を、利益を確保したいと考える個人が存在しなかったためか、打ち上げで景気よく使ってしまいました、という辺りこそ、この話のリアリティーなのかも。


2007年11月1日 木曜日

『オーバン・スターレーサーズ』04.「人気者フリント」

 うーん…肝心のレースに見所がないのは、痛い。
 ルールらしいルールを設けなかったのが、拙いような。
競争相手への武装を用いた攻撃なら、コッソリとやる必要がなく、公衆の面前で堂々と やって構わない。
同族宇宙人が、自分の種族が出たレースについて、コース上の仕掛けを操作し協力・敵対車(飛行ポッド)を妨害するのにも、一切のお咎めナシ。

 こういうのは、卑怯なレーサーが他者に気付かれずやるから意味があるので、公に認められているなら、例えば波動砲のような超強力な武装を備えたメカで出場し、コース上のライバルを一掃してしまえば良いと思える。
 ルールの裏を掻く面白さが無く、「正々堂々と戦う地球人への賛辞」も(「汚いマネ」という概念が無いので)見られない。

 宇宙人ばかりの異境に、大した戸惑いもなく馴染んでいる地球人達。
 海外アニメらしい「パターンへの開き直り」だとは思うけど、地球メカ用のオイルがそこら辺でフツーに売っていたり(通貨はどうしたんだろう)、異形の王子に抵抗なく憧れのようなモノを抱くヒロイン、など、「地球を遠く離れ孤立無援で戦うチーム」というシチュエイションを活かす気がないような。

 細かいことを言わず眺めていれば、画面は賑やかだしレースシーンに それなりの迫力があり、退屈せず見られるが、それ以上を求めるのは難しそう。



『ドラゴノーツ -ザ・レゾナンス-』05.「交錯 -降り出した雨-」

 実のところ、そんなに難しい設定を持つ作品ではないと思うんだけど、どうも情報の提示が未整理で理解しがたい、というか納得し辛い。
 ドラゴンが初登場する話でも、「ドラゴンその物が希有」なのか「人が変身するドラゴンは珍しい」のか「コックピットが備えてあり人間が乗り込めるドラゴンが居るなんて」という事か、分かりづらい。
 ここまで見てくれば、この世界でのドラゴン設定について、こういう事かなあ、と捉えられるんだけど、隠したい意図も無いようだし、情報を多少なりと整理して画面に出していければ、別段 混乱させず済んだかと。

 前回、主人公が月面へと飛んだ事で、舞台も状況も大きく変わるかと思われたが…地球上と特に変わらない。
 ??何のために月へ行かせたんだろう?
主人公の友達を含むドラゴン部隊と一時的に絡ませず済む、という都合以外。
 これも、「ドラゴン部隊に出撃禁止令が」とか何とか、地球上であっても彼らを絡ませずトアを探す物語運びはあり得たはず。
現状、「目先を変える(変わってないが)」より「既出のキャラや設定を彫り込んで安定させる」方が優先だろうに。

 難点は多々あるけど、今回は、とにかく女性キャラの豊満さを表す描写が徹底しており、目に楽しかった。
ウダウダ言わず、これだけを楽しみに見ていくべきか、と思うぐらい。


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