ときどき日記 2008/02

2008年2月28日 木曜日

『シゴフミ』08.「ハジマリ」

 二話連続で語られる、フミカの家庭事情。
 …だけど、フミカと病室で眠る少女が見た目 余り似ていると思えず、なのにシゴフミ配達人姿から すぐ正体を察知する少年に不自然さを感じてしまう。
物語としても、フミカの内的動機としても、ここで過去と向き合わなければ先に進めない、という段階じゃないのに、構成の都合で語られる事情には、関心が薄目。

 親の虐待による二重人格の形成。
その一方は自らを閉ざして病室で眠り、一方は死んで(?)配達人になった、という事なのか。
 まだ、配達人になった経緯が示されないので判断は迂闊だけど…うーん、彼女については「不思議な配達人」で終わらせて良かったかも。
背景事情を語ることにより、彼女の魅力は増しただろうか?
 二重人格の「二人」が一つになって目を覚ます、あるいは それぞれ別の道を歩く決断を下し目覚めた実体と別にフミカは配達人を続ける(フミカからのシゴフミが実体に届くとか)…といった辺りをクライマックスの展開に考えているのかな。

 という事とは別に、エキセントリックな作家お父ちゃんの造形は、なかなか面白かった。
 人として異常なんだろうけど、作家は、特に素晴らしく才能のある作家は、「普通の人」と比較すれば何かしら欠けていたり飛び出していたりするモノで(偏見)、迷惑を掛ける対象が主に家族に限られるという意味では、割合タチが良いとさえ言える(酷い偏見)。
 娘の体にペンで書き込むことで、文章がまとめられる…というのも妙な個性だけど、活動開始のスイッチを入れるのに変わった儀式を必要とする作家さんなら珍しくなく、あり得なくもないかと感じられるのが怖い話。

 自分しか愛せないお父ちゃんで、己の分身として娘を溺愛しているのに、娘の体に痛みを与えつつ文章を刻んでいる矛盾とか業の深さが何とも。
 自己愛と自己嫌悪は紙一重?
いや、娘が成長して離婚した嫁さんの面影を宿し始めたので、「自分ではない」と分かった上、「自分を否定した相手に似てきた」理不尽な怒りにより成し得た所業か。
もしかして、嫁さんにも こんなことしてたのかな?


2008年2月26日 火曜日

 追い詰められて仕事中。
 明日一杯、悲惨なスケジュールが続き、更新は難しくなるかと思われます。
ご了承下さい。


2008年2月24日 日曜日

『炎神戦隊ゴーオンジャー』02.「無茶ナヤツラ」

 何の説明もなくバトルを連続させてスピード感を演出した第一話に対し、そのツケを払うように、説明ゼリフが連続する第二話。
 もうちょっと構成に工夫は出来たかと思うけど、まあ この辺りは段取りみたいなもので、大きなお友達の視聴者は勿論、戦隊をいくつか見た子供に取ってさえ「新しい」と感じる部分は少ないだろうから、事務的に終わらせるのが正しいかな。

 今回、黒服のお兄ちゃんが取った行動は「車上荒らし」「窃盗」「誘拐(ロボットだけど)」というもので、犯罪行為かと思うんだけど、『ライダー』シリーズで同様の事が起きた時のような引っ掛かりが無いのは不思議。
現在は未入隊だ、というだけで、キャラクターは全て実質上「仲間」として扱われている(見える)ため、「身内の犯行」に感じられ、違和感を少なくしているからか。

 新たに二人がゴーオンジャーに加わるについて、動機や切っ掛けとなる事件は色々考えられたろうに、かなりアッサリした扱い(入隊動機については今後更に補完があるだろうけど)。
 話数が進めば、シリーズを盛り上げる仕掛けが見えてくるかも知れないが、取りあえず、しばらくは難しい事を考えずに見ていった方が良さそう。


2008年2月23日 土曜日

『機動戦士ガンダム00』20.「変革の刃」

 トリニティ三兄妹を当座「最強・最悪の敵」として、旧マイスターズとの対立、打倒ソレスタルビーイングに向けた大国の同盟と新兵器開発…といった展開が成されるものと思っていたので、いきなり三十機ものGNドライヴ・モビルスーツが三大陣営にもたらされ、戦力バランスが大きく崩れたのは意外。
 一体ソレスタルビーイング全体の保有戦力はどれだけなんだろ?
後から後から出てくるなあ。

 また、新戦力が「大国必死の開発に寄るもの」ではなく、「ポンともらったもの」なので、「物語を面白くしたいという作り手側の都合」がハッキリと見えてしまう。
 ただ、その都合は、「世界の動きをコントロールしようとする存在」の思惑と合致しているのだろうし、「作品を面白くして欲しい」視聴者の希望にも沿っているので、この後、諸事上手く処理できるなら、問題なしとして構わないと思うが。

 GNモビルスーツは量産機っぽいから、カスタムタイプのマイスターズ・ガンダムより機能は劣るのかも知れないけれど、何しろ数が多いのと、パイロット達の戦闘意欲の高さ、マイスターズが体に溜め込んだ「驕り」により、有利な状況を生み出しそう。
 煮え湯を飲まされ続けてきた人革連パイロット・セルゲイの顔に、初めて勝利の高揚感が伺え、オジサン好きとしては楽しい。
あのまま追撃してトリニティ・ガンダムを全滅させても良かったろうが、まだ自機は慣らし運転の状態である事と、旧マイスターズが出て来ては7対10と さほど有利ではない戦いになってしまう事、加えて「突然与えられたモビルスーツへの不信」もあったなら、慎重な行動を取って正解か。

 戦況の混乱と共に、表に浮かび上がってくる各個人の思惑。
 腹の底にどれだけ現実への絶望を抱え込んでいるのか、世界の変化(破滅?)を望みトリニティ三兄妹に接触を図る王 留美。
 策動するアレハンドロ。
彼に「拾われた」と、ララァのような事を言うアムロ…じゃなくてリボンズも含みがありそう。

 逆に、アホとして分かり易すぎるコーラサワーが愉快。
確かに、この単純さと一途な可愛さは、難しい世界での諸々に疲れた大人の女性にアピールするかも。

 取材への熱意から、アリーの車に乗り、酷い目にあってしまう絹江。
 アリーが、部外者に話してはイケナイ事をベラベラと喋り、ああ生かして帰す気などないんだ、と視聴者に感じ取らせて危機感を高めていく演出が、素晴らしい。
 彼女まで死亡しては、沙慈が余りにも憐れ。
「絶望の底から立ち上がり物語に絡み始める」押し込みとしては、有効だけど。
瀕死の状態で発見され、誰かの庇護を受ける?

 ルイス腕についての、再生治療は出来ない、ガンダムの攻撃が原因かも…という話は、もしかしてかなり重要な伏線になるのだろうか。
 GNドライヴって、人体に凄く有害?

 先が読み辛くなり、面白くなってきた。
 次回は、旧マイスターズがGNドライヴMSに敗れるのかな。
ただ、彼らは既に通常戦力しか持たない状態の連合陣営からボコボコにされているので、「勝つ」方が意外で楽しそう。
 危機一髪でティエリアが敵機をコントロール下に置いて反撃、とか…


2008年2月22日 金曜日

『墓場鬼太郎』07.「人狼と幽霊列車」

 先週、養父…というか生活について頼り切っている水木を、鬼太郎がアッサリと見捨て、ギャグで済ますのかと思えば そのまま彼が死んでしまうのに驚く。
 今回も、そもそも何者で、何のために出て来て、何のために死んだのか分からないまま、ニセ鬼太郎が退場。
 寝子だって呆気なく片付き、てっきり生き返るのが込みのイベントだと思っていれば、よく分からない地点に家を建てて(廃墟に住んで?)復活を拒否するし…この作品の死生観は、飛びすぎていて なかなか付いていけない…

 こんなに毎回、「わああぁぁ、死んだ、死んだよぉぉ!」とか叫ばされるアニメも珍しい、というか、無い。
 原作者の、戦争体験に根ざした虚無的な命の捉え方なのか、元々こういう特別な個性の持ち主だったのか。
考えて描ける話じゃないなあ。

 物語も、突っ込もうと思えばツッコミ所だらけ。
 水妖怪は、屋根の上に追い詰めた鬼太郎を、どうして溶かさなかったんだろう?
洪水を起こして体力を消耗していたから…にしても、ちょっと水しぶきを浴びせるだけで溶かすことが出来たみたいだし、うーん。
 目玉オヤジを人質に取られた鬼太郎も、日曜朝バージョンなら「弱みに付け込まれて結んだものでも約束は約束」と守りそうだけど、裏切り騙し討ち何でもアリの『墓場』鬼太郎なら、ねずみ男が寝ているスキに取り戻しそう。
まあ、もの凄く間が抜けている部分があるから、「そういう方法には気が付かなかった」のかも知れないが。

 幽霊列車のエピソードは日曜朝でも見たが、ターゲットとする乗客がねずみ男とドラキュラでは、周囲でどれほど不気味なことが起こっても、「お前らだって妖怪だろうが!」という訳で、怖くなどなりようがない。

 「良く出来たストーリーの作品」では無いと思う。
 しかし、とにかく一瞬の先も読ませない、パターンを裏切る展開の連続で、意外性、という意味ではドキドキする刺激がある。
 人間の味方ではない、どころか、「人間とは絶対に分かり合えない種族」として描かれる、シニカルでダークな鬼太郎も、親しみを持つのは無理だけど強い魅力アリ。
 「強烈な個性」によって、歪んだ…常識が通用しない世界を眺める面白さ。
 何というか、こう、「凄い」作品だなあ。


2008年2月20日 水曜日

 地上波で放送された映画『9デイズ』を、今頃見る。
 監督は、どんなジャンルでも そつなくこなすジョエル・シューマカー。
クリス・ロックとアンソニー・ホプキンス主演。

 ハリソン・フォードの『6デイズ/7ナイツ』や、キューバ危機を描いた『13デイズ』、80日間世界一周の『80デイズ』等、「デイズ」の付いた似たようなタイトルがあるため既視感があり、危うく見逃すところ。
この内容なら、『替え玉大作戦』とか何とか、もっと全然違うタイトルで良かったんじゃなかろうか。

 クリス・ロックの、ヘタレでダメダメなダフ屋ながら時折鋭さと根性を見せるキャラクター造形が、実に面白い。
 彼が、スパイ訓練中 寝ていた所を叩き起こされ、マスクをした人間達に攫われてきて、待っていたアンソニー・ホプキンスに「さあ、お前を連れてきたのは誰だったか答えろ」という無茶なテストをされる。
分かる訳ないのだが…一人は胸の感触があったから女性捜査官の何々、口が臭いヤツが居たからそいつは誰々、後は、どさくさ紛れにスリ取った財布からするとナントカだな、と次々当てていく、ココは実に愉快。
 見せられた「土壇場での肝の据わり方」が、ラストでの頑張りに繋がっており、構成も上手い。

 カタブツで仕事一筋・アンソニー・ホプキンスも、面白いキャラ。
任務への情熱と、豊かな人間味(仕事からすれば人間的すぎる気も…)と、割合いい加減な性格が同居し、複雑な魅力を描き出している。
 彼が出てくるだけで画面がギュッと締まるのは、さすがだなあ。

 物語そのものは、こういうパターンの作品として驚くような所は無く、悪役にも魅力が無いけれど、とにかく対立して和解し、友情を育む二人のキャラクターの吸引力とアクション演出が良くて、時間いっぱい、引き付けられて見てしまった。
 爽快なラストシーンも気持ち良い。


2008年2月19日 火曜日

『仮面ライダーキバ』04.「夢想・ワイルドブルー」

 第一話から、視聴者の混乱を置いて無理矢理、既に出来上がったパターンを提示し続けて来たからか、前後編だったからか、制作側が大分手慣れてきたからなのか、特に分かり辛い所も無く、「平成ライダー」の基本パターンに乗っ取り普通に見られる出来。

 現代のオジサン達が音也に向ける怒りを、物語として「正当」「不当」どう考えているのか疑問だったけど、オジサン方が父親の罪を償おうと懸命な渡の姿を見、よく考えてみれば「自分達も悪かった」と思い至ることで、見ているこちらも納得。
 羽振りの良かった昔に比べれば、「落ちぶれた」と言われて仕方ない現在の有様ではあるが、それはそれで楽しさも誇りも持てる生き方だと肯定するオジサン方の格好良さ。
それは「こうなって初めて気付けた人生の姿」かも知れず、「音也のお陰」とさえ言える、単純でない捉え方が面白い。

 女性弁護士の言い分も、無茶苦茶だなあ、と思えば、実際 私怨からスタートした復讐目的の言い掛かりだった訳ね。
 過去編で、お父ちゃんに襲いかかるよう突然現れたのは、「話の都合」じゃなくて「怒りに任せた行動」だったのか。
 なるほど、と腑に落ちる部分もあり。
 しかし、ずっと昔からお父ちゃんに激しい愛と憎しみを抱いてきたのなら、今後も過去編に姿を現すはずで、そうでないとなると不自然。
「音也は、この後すぐ行方不明になる。最近まで彼に子供が居たとは知らなかった」か「ファンガイアは皆、一時の行動の後、20年ほどの眠りにつく習性だ」とか、「音也が『ファンガイアを統べる者』として覚醒したため、彼の死、あるいは力を失うまで、ファンガイアは自由な行動を厳しく封じられていた」…といった理由でもなければ。
 時間の連続と断絶に、何か仕掛けがあるんだろう…と思いたいところ。

 ザンキさんこと松田賢二さんが、出撃シーンは格好良かったけど、その後アイテム扱いされていて、残念。
生身でも主人公と絡みそうなので、魅力的なキャラクターに描いてくれるよう期待。
 刀の姿になり、吠え声で相手を吹き飛ばすパワフルさは楽しかったし、フォームを変えたキバが刀を「口に咥えて」斬りつける凄いビジュアルにも驚かされた。
バトルの描写は、実に面白いなあ。


2008年2月18日 月曜日

『炎神戦隊ゴーオンジャー』01.「正義ノミカタ」

 今年度の戦隊コンセプトは車?(空を飛んだし、乗り物全般かも)
それなら、『カーレンジャー』以来かな。

 とにかくスピード感で押しまくる第一話。
前半だけで、巨大メカチェイスがあり、ゴーオンジャーが怪人と戦って撃退し、怪人のパワーアップと再出撃があって、ヒーロー側必殺技での撃破まで行ってしまう。
 15分に、30分の見せ場を凝縮する密度の濃さ。
 その代わり、「敵はどういう悪いヤツらなの?」「ゴーオンジャーって何者?」とかいう、戦隊では普通 第一話で説明される基本設定が、ほとんど飛ばされている。

 「黒服とピザ配達人が追いかけてきて、仲間になりたそうにこちらを見ている」という訳で、お兄ちゃん二人が戦隊への新入隊を希望するのだが…黒服の方はまだ「俺が未熟なお前らを導いてやる」とでも言いたげな過剰自信があるから良いけど、ピザ青年は何で入りたいと思ったのか、よく分からない。
 そういう所も含め、良く言えば「これまでに無い展開のスピーディーさに ただ圧倒される」話だけど、悪く言うと「視聴者の理解を待たず疾走するストーリーに置いてきぼり」という感想を持たれる恐れも。
 まあ、大体の話は「戦隊のパターン」で理解できるのだし、特に年少の視聴者にとっては、アクション・バトルが途切れることなく続く目が離せない第一話に出来ていたのだから、楽しかったろう。

 「意志を持った喋る車」と聞くと、つい『ナイトライダー』…近く映画では『トランスフォーマー』を連想してしまうが、人間側との関係は『アバレンジャー』爆竜に近い印象。
 何しろ登場車両が一般道を走らせられるデザインしていないし、「普段は一般車に偽装している」という設定も使えないのでは、ドラマに絡ませるのが難しいからなあ。
 余り悩みのない、明るく楽しくツッコミ所満載のシリーズになりそう。
メインライターが同じ事もあり、『ガオレンジャー』路線?


2008年2月17日 日曜日

『CLANNAD』18.「逆転の秘策」

 各運動部への入部を賭け、勝負を始める智代。
超人的運動能力を発揮し、全ての試合に勝ち続けるが…得意不得意とか無いのかなあ。
無理があるとは思うけど、スーパー・ガールなのだから仕方ないか。

 彼女が生徒会長を目指す動機は、失いかけた家族関係を元にする、失いたくない思い出の風景だった。
 「崩壊寸前の家庭環境を持つ」という意味では、彼女と主人公はお似合い。
シンドイ心の傷を埋め合うのに、互いの存在は最適だったかも知れない(主人公家が修復可能な状態にあるのも見抜いていた?)。

 不在による存在感の主張が限界に来たところで、渚 登校。
作戦は想定以上の戦果を上げ、鈍い主人公に、彼女へのハッキリとした好意を認識させるに到る。
 まだ勝ちが有り得た「お弁当バトル」と違って、渚を相手にしては自分の入る隙が無いことを一瞬で悟り、笑顔で諦める智代がイイねえ。
鋭く賢くサッパリしているのは美徳だけど、こと恋愛においては、余り有利な素養と言えないが。

 姉に背中を押され、頼ってばかりだった椋、最後の頑張りを見せる。
 今回は、妹を応援しているつもりで自身の好意が抑えきれなくなっている杏、姉の気持ちを知りながら人生で最初かも知れない「ワガママ」を貫こうとする椋…二人の関係が、非常に細やかな演出で描かれており、見応えがあった。

 ケガをした渚を保健室へ連れて行こうとする主人公から、誰の目にも明確な「渚への想い」を感じ取り、恋が叶わぬ事を知る姉妹。
 これまでの協力への感謝より先に、見ないフリをしてきた姉の恋心への、そして そうまでしても勝ち取れなかった恋への謝罪、「ごめんね」を口にする椋。
 何とかいつも通り「私は別に…」とばかり平静を装おうとするが、一杯一杯だった気持ちが限界点を越えてしまい、顔を歪めて泣き始める杏。そして椋。
 この表情の変化が実に素晴らしく、決して「不細工」にはしていないが、「綺麗な顔に涙さえ描き足しておけば良い」などというものではなく、「見る者の心を打つ泣き顔」に出来ていて、凄い。
もらい泣きホロリ。
 泣き顔だけで、これまでの苦しい気持ちと、とても大事に思ってきたものを諦める痛みが、伝わってくる。
 姉妹の恋の終わりに相応しい、魂が籠もった作画だった。
 こういう絵を描けるようになりたいもんだ…いや、遙か遠すぎる目標だけど。



『H2O 〜FOOTPRINTS IN THE SAND〜』07.「ほたる」

 はやみが村で忌み嫌われている理由に続き、ひなたの隠された内面に迫るエピソード。
 割とよく見るネタではあるけれど、個人を圧殺するのに「自分を自分と認めてくれない」周囲の対応は有効。
 音羽について、もっと分かり易い伏線があっても良かったかと思うが、そうすると意外性は設け辛くなりそうで、難しいところ。

 はやみ実家の事情。
傲慢な嫌われモノ一家であったのはともかく、立ち上がった村の人達により追放される、というのは、現代劇としてアリなのかどうか。
一昔前なら、イメージとしてリアリティーを感じなくもないけど。
 まあ、閉鎖的であり理不尽な固有の事情がまかり通る村ならフィクションで珍しくなく、その流れからすると「あり得ない」とは言えないのか。
 酷い差別からの復帰が、かなりサッパリしたものだったのは物足りず。
周囲の皆も好きで はやみを虐めていた訳じゃなかったろうし、こんなにスッキリ気持ちを切り替えられる事自体、恐ろしいと言えば恐ろしいが。

 主人公の目が突然見えるようになりました、という辺りで視聴を挫けかけたけど、見続けていると それなりに面白くなって来た。
目の事についても、はやみ・音羽が絡んで いずれ納得できる説明が成される?


2008年2月16日 土曜日

『機動戦士ガンダム00』19.「絆」

 テメエら許せねえ!とばかりにトリニティ三兄妹へと襲いかかる刹那。
割と良い勝負をするのには、驚く。
てっきり瞬殺されるかと。
 アレだけ戦えるなら、三大国の罠に引っ掛かった時も、もうちょっと善戦できそうな…「怒り」で大きく戦闘力が跳ね上がるみたいだから、仕方ないが。

 トリニティ三兄妹に、戸惑いがあったのも刹那側の利。
長男はともかく、他二人は血に飢えたマッドな手合いなので、旧マイスターズを容赦なく潰しに掛かるかと思われたけど。
 ソレスタルビーイングという組織への帰属意識は、好き勝ってやっているように見える三兄妹の方が高い?
 旧マイスターズとしては「あんな奴ら仲間でも何でもねえ、目的達成の障害にもなりかねない、敵だ」と考えているが、新側は「はあ?上層部の命令に従ってるだけですが?お前らとやってることドコか違ってる?同じ嫌われ者同士、仲間だろ」という、視聴者側の疑問にも近い認識なのか。
ヘタすると「お前ら以上の汚れ仕事を片付けてやってんだろうが、感謝して欲しいぐらいだ」かも。

 旧ソレスタルビーイング一行様は、ごくナチュラルに三兄妹との武力対立を選んでしまう。
全員、それが自らの命を危険に晒す選択だと自覚できていたかどうか。
 ロックオンはともかく、ティエリアが真っ先に飛び出してきて加勢するとは思わなかったな(久々の「万死に値する」に笑ってしまう。やっぱり決めゼリフ扱い)。
彼の「ガンダムマイスター」への思いは、こういう反抗行動も許せるものだっけ。
何より大事に考えているらしいヴェーダをハッキングされてしまった事への、「嫉妬」もある?
 こうして全員一丸となって行動できる者ばかりをプトレマイオスに乗せている、という事もヴェーダの計画に含まれているのか、物語の都合なのか。

 長い回想を経て、心身共に傷ついたルイスのため、ソレスタルビーイングへの怒りを見せる沙慈。
 これで、ストーリーは一気に「極悪三兄妹許すまじ」方向に固まるかと思わせて、「実は刹那こそロックオンが仇とする組織の一員だった」という異物を挟み込んで掻き回すのが、この作品らしい。
 しかし、それが割合とアッサリ片付いてしまうのは残念。
ロックオンの行動動機になっている重要な要素なのだし、旧マイスターズが分解してしまうぐらい揉めて良かったような。
 これで許せてしまうなら、三兄妹についても、「ああなってしまうに到る辛く悲しくどうしようもない事情(あるなら)」を聞くことで、単純な退治が出来なくなりそう。
まあ、既に好意を持っている相手と そうでない三兄妹では、扱いが違うか。


2008年2月13日 水曜日

 締め切り前作業中。
 イジメとか、また難しいところに斬り込んできた『シゴフミ』について何か書きたい気持ちは有りつつ、そんな余裕は無し。
 土曜日までにカタを付け、『ガンダム』は ゆっくり見たいものですが、どうなるか…


2008年2月11日 月曜日

『みなみけ〜おかわり〜』06.「冷めてもあったか、ウチゴハン」

 登場するたび作品内の空気を変えてしまうアニメオリジナルキャラ・フユキを、かなり大きく取り上げた話。
 今回もまた、彼が出ている場面では他と雰囲気が変わっているし、この内容が、特にこの作品の『無印』を好んでいた視聴者に喜ばれるものであったかどうかは疑問だけど、これはこれと割り切ってしまえば、面白く見られる出来ではあった。

 『おかわり』では、千秋の成長…変化、かな?を描こうとしているのだろうか。
 初恋とか そういう段階には容易に変わっていきそうにないが、彼女にとり気になる、若干 苛立つ相手であるフユキを絡めることで、「終わりなき日常」から「いつか終着点に辿り着くドラマ」へと内容を変貌させようとしているかに見える。

 素直に心を開けない、あくまで模範的良い子であり続けようとするフユキが、「魅力的」と言えるかどうかはともかく、キャラとして なかなかよく描けている。
 誰でも吸い込んで同化し、「南家」の一員にしてしまう恐るべき一家と接触(一緒の毛布にくるまる所まで)しながら、なお「良い子」を保ち続けるフユキは、驚異的な存在。
…それがまあ、前シーズンからのファンとしては問題にも感じるんだけど。
 何か「これを見せたい!」意図をもって、彼を物語中に放り込んだのだろうから、その仕掛けが上手く成果を上げてくれるよう祈りたい。



 あああああ、俳優のロイ・シャイダーが亡くなってしまった
多くの傑作に出演して強い印象を残した、渋い俳優さんだったのに。
 特に『ジョーズ』と『ブルーサンダー』は、何度見ても見飽きない。
 ご冥福を。



『獣拳戦隊ゲキレンジャー』最終49話.「ズンズン!獣拳は、ずっと…」

 前回、格好良く退場した理央とメレが再登場。
惜しいキャラクターだったので、また顔が見られたのを喜びつつ、ちょっと蛇足かな…と思ったが、記憶イメージとしての登場に抑えて要らない事を喋らせない、非常に上手い扱いで感心。

 敵性拳法の極意を学んで吸収し、強さの限界を乗り越えていく三人。
…ゴウとケンの影がどうも薄いなあ、とは感じていたけど、クライマックスに来てまで「主人公三人と仲間達」ぐらいに留まり、可哀想な気も。
 ジャンらが強くなっていく所、『ドラゴンボール』の修行風景なら少なくとも3、4週もたせるだろう。
これまで作中で描かれてきた他の修行と比べても、ちょっと短すぎて段取りっぽくなっており、残念。

 それでも、最強パワーでロンを圧倒するバトルは気持ち良く、巨大戦抜きで(もうやっているから)封印する倒し方にも意表を突かれ、ボール状になった「恐ろしい敵」をオモチャにして遊んでしまう悪ノリに笑ってしまう、スピード感溢れる物語の片付け方が楽しい。
 この作品の本当のクライマックスは先週で終わっており、今回は「物語をきっちり収めるため、やるべき事をやった」という程度のウェイトだから、少々軽く感じるぐらいのボスの最後で丁度良い。

 理央と似た少年(傍らに、メレ似の少女も居て欲しかった)に出会い、心の内側を語るジャン。
一年間を締めるに相応しいエピローグで、ジーンと来る。
 「拳法を通じて成長する主人公達」の物語を、描ききった終わり方。
 シリーズの中盤、少し中だるんだ印象があるけれど、特に後半の盛り上がりは大したモノ。
面白い作品だった。


2008年2月10日 日曜日

『仮面ライダーキバ』03.「英雄・パーフェクトハンター」

 お父ちゃん・音也の行状をメインに描く話。
 女癖が悪い、というか、ここまで極端に移り気では、女性を傷つけるところまで行けず、人畜無害な珍獣で終わりそう。
まあ、さすがに日曜朝から、本気で非道な女性の扱いを見せる訳にはいくまいが。
 周囲の人々を酷い目に遭わせた、というのも、ほとんどは「被害者の自業自得」で終わるモノ。
この辺りも、やっぱり「日曜朝から本当に酷い話は出来ない」ためのソフト化なのか、「音也に責任は無く、被害者の能力や努力が足りなくて失敗した」と捉えて欲しい意図があるのか。

 今回は新キャラ、バウンティーハンターの名護が登場。
 寿司とフランクフルトとコーヒーで食事を取る「ヤッチマイナー」外人には笑ったけど、賞金稼ぎの実体を見せるため時間を取ってしまい、音也と彼とでちょっと散漫な印象に。
名護は次回まわしでも良かったかと。
 「ダメダメな父親」と「憧れの対象たる格好良い(?)名護」を対照的に描きたいのかな。

 彼らの描写のため、今回はファンガイア方面にしわ寄せが行き、過去でも現在でも、唐突に現れて理由も分からず人を襲う「余計物」扱い。
いずれそうなるのは仕方ないけど、三話目では早いんじゃないかな…
 前後編のようだから、次回、ファンガイアのエピソードが入る?
 ライダーが怪人を取り逃がしてしまうのは お約束だが、この作品では「過去編で一度逃がす」場面を見ているため、サクッと片付けて欲しい欲求も。
ここいらは予算との兼ね合いか。

 強風が吹き荒れる横断歩道でのコントとか、余りにも無茶苦茶な女弁護士(財産狙い?)とか、今回は全体に、ライダーではシリーズ中盤ぐらいに よく入る「番外馬鹿話編」を見たような気分。
 下らなくて笑ったし、面白くもあったんだけど、まだツカミであろう三話目に こういう空気を入れて大丈夫なのかどうか。


2008年2月9日 土曜日

『機動戦士ガンダム00』18.「悪意の矛先」

 物語中で、誰が「悪者」なのかハッキリさせたので、見易くなってきた。
 極悪なトリニティ三兄妹に比べれば、ある程度の(戦争の?)ルールを守ってテロを起こしていた旧マイスターズは、遙かに理解しやすく感情移入も出来るキャラクターだ、という価値提示か。

 何のために出ているのか よく分からなかった沙慈とルイスのコンビだけど、トリニティ末妹の気まぐれ奇襲攻撃により、本人含むルイス一家は地獄を見せられる。
 怒った沙慈が何か行動を起こすのか。
世界観として、フツーの学生が一念発起したからといって即日軍人になりモビルスーツのエースパイロットになれるとは思えない…しないよね?…なので、無理矢理な設定だった「隣の部屋に刹那が住んでいる」事を使い、日常方面から復讐の気持ちを消化させるのかな。
 左腕を失ったルイスは、悲惨。
細胞再生技術か機械技術により、不自由のない手がいずれ付けられるんだろうと思うが。

 しかし、トリニティ末妹の民間人虐殺は余りにも唐突…これを「何の道理もない非道な行い」と取るか、「『シナリオの都合』が見えてしまう作られた『凶行』」と取るかで、物語に乗れるかどうかは決まってくる。
 劇中で疑惑として語られていたように、軍需産業関係者が多数出席した結婚式だった、ぐらいの理由付けは しても良かったかな。
まあそれだと、旧マイスターズでもやりかねない行動、と思われそうだけど。

 お前らなんかガンダムじゃねえ!という訳で、単身三兄妹に斬り込む刹那の姿を見せ、今回は終わり。
旧マイスターズでも一番弱いぐらいなのに、強力な新ガンダム三機を相手に、無茶するなあ。
 普通負けるはずだけど、今回は、怒りに燃えることでグラハムが機体能力差を消し飛ばす大活躍を見せており、そういうパワーアップが可能なのなら、刹那も結構良い勝負に持ち込めそう。


2008年2月8日 金曜日

『CLANNAD』17.「不在の空間」

 熱を出して、渚が学校休みに入る。
そういえば、体が弱くて学校を休みがちであったため、留年してたんだっけ。
いつもは特にそれらしいそぶりを見せないから、忘れてた。
 …別段、「実はもう長く生きられない」事を示すフラグだ、という訳じゃないよね?
そういうキャラクター設定は、同社の作品で以前も使っていたと思うし。

 メインヒロインがピットインした隙を突き、ヒロインズが主人公を賭けた壮絶なデッドヒートを繰り広げる。
 主人公を想いつつも押しが弱く、特技であったはずの占いは最近影を潜め、「致命的料理下手」というマイナス要因ぐらいでしか自分をアピールできない椋は、先行きがちょっと厳しい。
 業を煮やしてか、椋のピットクルーに専念するはずだった杏が自ら走り出し、「体育倉庫に二人きりで閉じこめられる」といった大技を繰り出して、一気に首位へと肉迫。
 攻略対象としてはアピール度が薄かった智代も、「毎朝家に上がり込んで主人公を起こし、一緒に登校する」…萌え作品においてメインヒロインだけに許される必殺技を駆使し、強靱な体に潜む傷つきやすい心で意外性を設けることにもよって、居並ぶライバルをゴボウ抜き。

 白熱した戦い。
 その中で、自分のエピソードはもう終わったから、というのか、背景に徹して主人公に声を掛けることさえしない ことみが、可哀想(次回は何かしそうだけど)。
主人公も、資料室で お茶なんか飲んでないで、図書館の ことみと話してやれよ。
 「おまじない」という、フィクション中では異常なほどのパワーを持つ事が多い「呪術」を駆使して、ヒロインズに参入しようとする資料室のヌシ・有紀寧(原作ゲームでは普通にヒロインの一人?)にも油断できない。
 しかし、押すばかりではなく、大きく引いて「不在」を演出することにより、逆に存在感を主張する高等技に出た渚が、もしかして一番したたかなのかも。

 まだ、ドロドロとか悲惨な人間関係に発展しない、この辺りが、恋愛モノの最も楽しい所。



 レンタルで映画『ゾディアック』を見る。
 『セブン』のデビッド・フィンチャー監督作品。
 現実に起きた未解決事件を題材に、それに関わり、人生を歪められていく男達を描く。
聞いたことぐらいはある事件だけど詳細は知らず、『ダーティーハリー』の犯人像が ここから発想を得て形作られていたことも、初めて知った。

 何しろ未解決の事件なので、尻切れな印象に終わるんだろうな、と思えば、かなりハッキリと犯人を特定してみせる。
いいのかなあ…と心配にはなるけれど、映画としてはこの方が鑑賞後感が良い。
 残された細切れの証拠から全体像を想像し、間違いながらも真犯人に迫っていく、捜査物としてなかなか しっかりとした出来。
 これが事件のカギだな、と思われた暗号文に、実はさほどの意味がなかったり、フィクションなら「絶対的」な物にしそうな筆跡鑑定が意外にあやふやだったり、容易には先を読ませない。
 事実が元だけに、フィンチャーらしい仕掛けや意表を突くラストとは無縁だけど、捜査の展開にハラハラ、破滅に瀕していく男達にドキドキさせる演出の上手さは、フィンチャーならでは、かな。

 主人公の漫画家に、「漫画家ならでは」の視点を用いた発想があると、更に好み。
全てを絵にして、一つの漫画形式にまとめ上げることで、新たに見えてくる物があった、とか。
 いや、事実がそうでなかった以上、ウソをついて盛り上げる訳にもいかないのだろうが。


2008年2月6日 水曜日

『シゴフミ』05.「タダイマ」

 猫に、シュレディンガーと名付ける老夫婦(だろう)というのも、なかなか居ないような。
とにかく呼びづらいし。
 部屋にムツカシそうな本が並んでいたところから、どちらかが、あるいは両方がそういう素養を持つ人間で、ちなんで名付けたのだろうが。

 今回は、前回よりも更に真っ直ぐな、悪意の無い話。
 しかし、取り壊されると分かっていただろう部屋に猫を帰して、果たして良い結果が得られるのかどうか。
誰かに「猫を頼む」というメッセージを託した方が良かったのではないか…とも思うけど、そういう知人は居なかったのかな。
 主夫婦を失った部屋で、寝床に潜り込んで満足げな顔をしている猫に、犬を飼っている身として、ホロリ。

 本編の脇で、フミカの正体にジワジワと迫る。
ここまでに示された事実からは、どうも「まあ、そんなところでしょう」という辺りに落ち着きそうな気がするんだけど、物凄くロクでもない お父ちゃんを絡め、何か大きく仕掛けて驚かせてくれる?

 街で声を掛けてきたお兄ちゃん二人組をフミカが叩きのめした際、彼らが土下座で許しを請うのはともかく、お詫びにとサイフ丸ごとを差し出すのは、さすがに不自然。
「有り金全部」というのを分かり易く絵にしたものだろうが、サイフにはカードとか身分証明書とか、容易に諦められないモノも入ってないか?
 彼らは普段から非合法な行いをしており、もしもの際に備えて、大事なモノは一切持ち歩かないことにしていた、というなら分かるけど。
 「か、金やるから許してくれ〜!」とでも言わせ、後ろ向きに逃げ出す背中に、宙を舞う数枚の紙幣を重ねれば、それで済んだような。
 いや、細かいことだけど。



 映画『テラビシアにかける橋』を見る。
 主演した子供二人に見覚えが…と思えば、男の子は『ザスーラ』のお兄ちゃん、女の子は『チャーリーとチョコレート工場』の生意気な子かあ。

 子供の頃、秘密基地を造り、ごっこ遊びに興じ、ガキ同士が似た程度のアホな頭を持ち寄り、何も無い現実の上に瞬間でも共通の「夢(あるいは妄想)」を上書きする、そんな楽しかった記憶を持っていれば、もう問題なく映画内に入り込めるはず。
 父親との関係が上手く行かず(そう思え)、学校では嬉しくない目に遭わされ続け、逃げ場のない男の子が、気の合う友達…少女と作り上げるのが、ファンタジーの王国。
やたら敵に襲われる、息が抜けない王国で、楽しいのかなあ?とも思うけど、「全力で敵を倒せばそれで済む」とはいかないシンドイ現実よりは遙かに満たされる場であり、現状を乗り越える心理作用としては こういう場が必要なんだろう。

 少女・レスリーがとにかく可愛く、こんな美少女と二人で楽しく過ごした記憶だけは、自分の少年期と重ね合わせることが出来ないところ。
羨ましいなあ。
 「友情」と「初恋」のギリギリ境界にあるような二人の関係が、微笑ましい。

 大きな出来事を経て、主人公は、自分を拒絶しているようでさえあった現実が、決して冷たく酷いばかりのモノではない事に気が付く。
 あざとく盛り上げようとはせず、淡々と描く作風が、少年の成長を鮮やかに伝えてくれる。
 「こうしないで欲しかった」「こうであれば、もっと自分の好みだった」という所はあるけれど、どこか爽やかに見終えられる、心に残る映画。


2008年2月5日 火曜日

『ARIA The ORIGINATION』05.「その おもいでのクローバーは…」

 藍華が、他二人との才能の差に打ちのめされつつ、立ち直っていく話。
 しかし…三大妖精はともかく、見習い三人組には実際の所、大した差がないような。
アリスについては、年若くして藍華達と同じ段階にあるのが、既に才能の発現、なのかな。
灯里は…うーん、「誰とでもすぐ友達になれる」のは確かに凄い事で、自分など この才能はカケラも持っていないんだけど、羨んだり、才能差に絶望したりする類のモノでは無いだろう。
藍華の内面に、灯里のようになりたい前向きな気持ちがあるから、か。

 素晴らしい才能を持つ者へ感じる、羨望と絶望。
ああ、よく分かるなあ。
 他人を羨む前に、なりふり構わぬ必死の努力をしたのか、と問われると、怪しいものだけど。
 努力するには、努力する「才能」が要る。
根気、根性、挫けぬ心、そういうモノが無いと、努力を続けることは出来ない。
 天賦の特殊な才能にのみ寄って高みにある者は、挫折した時に立ち直る術を知らない。
絶望と努力を知る者は、何度折れても立ち上がり、また高みを目指すことが出来る。
 藍華と晃は、誰を羨む必要も無い、優れた資質を持っているんだと思うな。

 晃を立ち直らせた、幼い自分の言葉をすっかり忘れている藍華。
藍華自身は何の気無しに言っただけなのだろうから、憶えてなくても仕方ないか。
 「あの時、私のお陰で晃さんは立ち直ったんですよね」なんて言い出すと、もうこの作品じゃなくなってしまうし。
 年月を経て、曇り無い目で世界を見ていた頃の「自分」に教えられる藍華。
面白い構成で、感心。

 ジーンと胸に染みる、良い話だった。
 本当、今シーズンは、少女達の確かな成長を描き、やがて踏み出す人生の大きな一歩…穏やかな現在からの変化…を予感させるエピソードが多いなあ。


2008年2月4日 月曜日

『みなみけ〜おかわり〜』05.「出した茶碗は引っ込められない」

 長女が仕舞い込んでいたウサギのアクセサリーを壊してしまったことから、次女・三女が周囲を巻き込んで展開するドタバタ。
 アイディアの取っ掛かりは良いし、他キャラクターが見せる「役に立たない」方向への暴走も楽しく、割に面白い回だと思ったが…

 ラスト、まあ「長女を怒らせてしまう」のは妥当だとして、その怒り方が、視聴者を引かせてしまうようなものであるのは、どうか。
 ワンエピソードで三十分をもたせようとしたせいか、後半は、ただ怯える三女や、寒い中 代替品を求めて街をさまよい歩く次女など、「可哀想」という所まで描写が到達してしまい、「馬鹿な事したから怒られて当然だよ、あっはっは」と単純に見終えられない。
 玄関に正座で泣いている三女、怒り心頭の長女を前に、素晴らしく不細工な(作画入魂の)泣き顔を見せる次女など、「悲惨」な印象さえ。
 長女のキャラクターなら、例え間違った方向にであっても頑張ったことを認め、許してくれそうなものだけど。
これじゃ、番長の伝説も笑い話にならない。

 ドタバタを短めに切り上げ、前半十五分ぐらいにまとめ、家に帰ってきた長女に「ごめんなさ〜い」の声が被さって終わり、ぐらいにしておけば、軽く仕上げられたかと。
 メイン・エピソードと無関係に進む 縫いぐるみクマの話に特別の意味はないのだろうが、悲壮な物語終わりに続けられては、何のつもりか問い質したくなってしまう。

 この作品なら、「全部コタツの中で次女が見ていた夢でした」という終わり方にしても、特に問題はないと思う。
ゆるさ、コミカルさが命なのだから、「悪い事をしたのできちんと叱られ、泣いて詫びました」という道徳性?よりも、優先すべき事があるのでは。
 まるで笑いが通じない、登場すると作品の空気を冷え込ませてしまう お隣のメガネ男子といい、無印『みなみけ』とは随分 雰囲気が変わってしまったなあ。



『獣拳戦隊ゲキレンジャー』48.「サバサバ!いざ拳断」

 先週放送分で、主役側を喰う存在感を見せた理央とメレだが、今回見ると、この二人こそ主人公であったことが分かってしまう(とうに分かっていた?)。
抱えたドラマも、葛藤も、愛も、彼ら側の方が遙かに深い。
 特に…ゲキレンジャー側で後半登場した2人とは比べようがなく、改心した理央メレコンビを普通に正義側へと組み込み、5人にした方が盛り上がったかと。

 理央と両思いだったことに喜びを隠せず、はしゃぎ回るメレが可愛い。
こんな一途で可愛らしい特撮ヒロインも、珍しいなあ。
 試練を経て正義に転向し、最終回まで行くのか…と思えば、自分達の背負った業や運命を、こんなに重く捉えていたとは思わなかった。
腹に堪える、覚悟して迎えた悲劇の幕切れ。
 でも、死出の旅路も二人ならば…とばかり、手を繋ぎ笑顔で歩き去る姿は幸せそうでさえあり、ホロリ。

 もうすっかりドラマは終わってしまったような気分だけど、まだ最終決戦が残っている。
 ここを越えるのは なかなか無理じゃないかなあ、と素直に思いつつ、更なる盛り上がりを期待。


2008年2月3日 日曜日

『Yes!プリキュア5GOGO!』01.「復活!プリキュア5」

 新シーズンの開幕。
 特にヒネりは無く、新しい敵や新規キャラが登場し、先週去っていったココやナッツと あっさり再会して、また5人、欠けることなく変身する。
…こんなにすぐ帰ってくるなら、ココ達も一度去る必要はない気がするけど、まあ区切りは必要か。

 仕切り直しての第一話なのに、作画に怪しい部分があったのは残念。
「悪い」という程ではないのだけれど、せめて最初ぐらいは華麗な作画で圧倒して欲しいところ。
 バトルが次回に廻されたこともあり、凄い画面は来週見せてくれる?

 のぞみが「素直」というよりアホの子すぎたり、新マスコットキャラが巨大化すると背中に「人を乗せるため」の窪みが出来たりと、物語に都合の良いライトな流れだけど…説明することが多く、新商品も見せなければならない制約が多い第一話の中では、テンポ良く構成できている方。

 前シーズンでは、「会社組織に組み込まれ自由が効かない大人達VS学生」の戦いを見せてくれた…ような気がしていた…この作品。
 今回は どういう敵を設定してあるのか。
無理なく見られる限り、見続けていきたい。



『仮面ライダーキバ』02.「組曲・親子のバイオリン」

 前回の引きが、冒頭で何気なく片付けられてしまうのは平成ライダーのお約束として予想通りだけど、そこに被さるナレーションが「前回のあらすじ」でも何でもないのに笑ってしまう。
今作は「視聴者に不親切な作り」を徹底しようというのか、と思ったが…
 内容は、第一話と比べると遙かに分かり易くなっていた。
過去と現在を切り替えるアイキャッチ?の表示時間が、心持ち長くなったような。
過去編に入る際、ちょっとだけ画面を白黒にするのも、難度を落とそうという努力。
 「分かりづらい」という意見が多かったのか、対策を講じてきた?

 ストーリー面でも、イキナリかなり進んだパターンを見せた第一話を経て、慣れたせいか、特に難しく感じる所は無く。
この変則的な構成に混乱するような視聴者には見てもらわなくて結構!という意図があるならともかく、そうでないなら、やっぱり段階を追って…一話目ぐらいは現在のみで話を完結させ、二話目から少しずつ過去を絡めていくとか、やりようがあったかと。

 毎度、過去でファンガイアを取り逃がし、20年以上経った現在で ようやく倒す、という形式を使うのかな。
「20年もバケモノに(その素性も明らかなのに)好き勝手させてるんじゃないよ!」と思ってしまうんだけど、その間は人間を襲わない理由付けがあるとか、時間の繋がり方に何か物語的な仕掛けが施されているとか、いずれ納得できるようになってる?

 「犯罪になってしまう行為」を必ずしも否定的に「描かない」のが、この脚本家氏の個性。
無断で店の看板を盗んでいこうとするのは、さすがに無茶苦茶。
 バイオリン造りへの情熱が動機、とはいえ、ご近所に悪臭を撒き散らすのも、どうか。
 浮世離れした主人公はともかく、保護者を気取るお姉ちゃんまで迷惑行為への自覚が無く、我が子を偏愛する馬鹿母みたいになっていて、うーん。
どちらかは、多少なりと常識を備えていて欲しいところ。

 アクションは、第一話に続き非常に頑張っていて、見応えがある。
 倒したファンガイアから出る光(魂?)を食べるキャッスルドラン。
中に棲む連中の食料になってる、とか?
食・住を保証することで、中の者達を使役できる契約になっていたり…『龍騎』がそんなだっけ。
 ファンガイア出現場所に一瞬で移動するライダーは、毎度のお約束。
「ファンガイア固有の波長に共振するバイオリンの響きに乗り、主人公は一瞬で敵の元へと移動することが出来るのだ」とか何とか、理由付けも出来たと思うが。
 この世アレルギー、という特殊設定は、結局気のせいだったという事で終わり?
転がしようによっては面白くなったかも知れないので、余り意味を持たせないままの回復(完全ではないにせよ)が物足りない。

 不満もあるけど、どうなる事かと思われた第一話から、急速に浮上してきた印象。
 今はまだ余計とさえ感じる「過去編」を、上手く使いこなせるようになれば、更に良くなるかな。


2008年2月2日 土曜日

『機動戦士ガンダム00』17.「スローネ強襲」

 新旧ガンダムマイスターの顔合わせ。
 三兄弟を、冷静な指揮官の長兄・残忍で好戦的な次兄・萌えキャラを演じているようで腹の底を覗かせない末妹…というキャラクターに描いて見せてくれたが…
 やはり、旧マイスターズや、既出のキャラクター達に似た部分が見受けられ、「新しい個性が登場するドキドキ」に欠ける。

 長兄については、元々ハッとさせる性格付けを狙っていないのだろうから良いとして。
 次兄。
「ピンチかと見せて実は余裕があり、嘲笑いつつ敵パイロットを殺す」同じようなシーンが、ダーク・アレルヤであったような。
アレルヤの方が、二重人格の分、興味を引く造形。
 末妹。
いきなり強引なキスで印象づけようという狙いは分かるけど、少々パターン気味。
その絡みで今後 彫り込んでいくしかあるまいが、刹那はリアクションの薄いキャラだからなあ。
「リアクションの薄さ」まで織り込んで、末妹が遊んでみせるとか、やり方はあるか。

 ガンダムに乗った彼らの行動もまた、旧マイスターズと余り変わって見えず。
 これまで、モビルスーツはともかく、施設自体を壊滅させたことは無かったんだっけ?
 一番違うのは作戦目的が、「戦争の根絶」ではなく、「ソレスタルビーイングの真相に迫る邪魔者の排除」という、組織の都合によるものだ、という事。
ただ、今までだって視聴者の理解を得られるような戦いばかりを繰り広げてきた訳ではなく、「戦争を根絶したいので沢山の人間を殺しました」と「戦争を根絶しようという組織(その大義?)が危ないので沢山の人間を殺しました」との間に、どれほどの差があるかは疑問。

 新旧マイスターズは いずれ敵対する事となり、旧側は、まだしも理解し合える者同士である大国軍人達と手を結ぶ…とかいう展開だと、余りにもアリガチか。



『狼と香辛料』04.「狼と無力な相棒」

 商売に関する駆け引き…相手の裏を読む頭脳戦が、弛緩した頭には少々難しかったりもするけれど面白く、見応えがある。
 それと、かなり年を経ているはずなのに少女のような、時によると幼女のような弱さを見せるホロの魅力が、作品の二本柱。

 いくら可愛く見えても、ホロは獣(神)なので、迂闊に手を出すと面倒なことになりそうな気がするぞ主人公。
いや、「人ではない」という意味では、女神様やロボットと恋に落ちてしまうことと変わらない訳で、実体が巨大ケモノだというだけで差別しちゃイケナイか。


2008年2月1日 金曜日

『CLANNAD』16.「3 on 3」

 春原の妹・芽衣が登場。
兄のため、汚れた部屋を手際よく掃除してあげる(いつもなので慣れてる?)献身性を持ち、簡単に騙されて土偶をお土産に買ってくる ぼんやりぶりで、適度に兄と距離を取り、しかし離れすぎず兄を好きな様子も見せる…
なかなかに良い萌え妹っぷり。
 岡崎ならずとも、こういう妹なら欲しいなあ、と思うだろう。

 レギュラーにすれば、「庇護欲をかき立てる子犬のようなキャラクター」として主人公争奪戦にも参戦できそう。
ただ、他の女性陣と色々なパーツが被っており、「武器」になるような特徴としては「妹属性へのアピール度」ぐらいしか無いため、ちょっと弱いのかな。
 丁寧な口調のキャラが居すぎるのも、問題になりそうだし。

 今回は、バスケットボールの場面に力が入っており、面白く見られた。
時間いっぱいで、主人公が、肩より上に上がらない腕を使いシュートを決めるため、仰向けになるような状態から手を前に突き出す変則シュートを打ち出すアイディア、お約束ながら入るか入らないかのハラハラ、等、盛り上げてみせる演出も巧い。


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