ときどき日記 2008/04

2008年4月30日 水曜日

 BSで放送された映画『鉄人28号 白昼の残月』を見る。
 監督は、テレビシリーズと同じく今川 泰宏。

 作り方が同じなので、テレビシリーズが好きだった人は満足できる内容だと思う。
当然ながら、満足できていなかった人は、これにも満足できない。
 個人的に、せっかく劇場版なので、「無茶苦茶強いぞ鉄人!」とか「イカスぞ正太郎!」といったカタルシス方向を期待していたため、気持ちが満たされることはなかった。

 「戦争が残す深い傷痕」は、もう『鉄人』においては、十分描いたんじゃなかろうか、ぼちぼち別の切り口を見せてくれても……
と、本気で思うんだけど、これは、友人が『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序』を見た感想として「もうシンジがウジウジするのには飽きた、いつまで同じ事やってんだよ、もっとスッキリした内容にしろよ」と文句を言って…それに自分は「そこが『エヴァ』のアイデンティティーであって、無くしたら別の作品になっちゃうでしょ」と答えた、そういう事なんだろうな。

 謎の解き方とか、かなり無茶だけど、謎解きが主題の作品でも無いので構わないか。
 テレビと同じキャラクターが、設定を違えて何気なく出てくるため、最初ちょっと混乱。
 鉄人が全開パワーを発揮するシーンは、大変に楽しかった。
懐かしい気持ちにさせられる風景が心地良く、力業の演出にラストは巻き込まれもしたので、見て損な作品だとは思わない。
 ただ…次があるなら、「太陽の使者」の方のコンセプトで『鉄人』を見せてくれないだろうか。



『RD 潜脳調査室』04.「欲望の環礁」

 波留、電脳ダイブを行ったのは、老人になってからが初めてだった?
それにしては非常に慣れた様子で。
 「潜る」という意味では海も電脳空間の中も同じ、という概念ではあろうけど、現実世界と まるで違う部分を見せ、波留に戸惑わせた方が、分かり易かったかな。

 波留とミナモが深い信頼関係で結ばれている、というのも、これまで示されてきたエピソードのみでは不足。
長い時間を経ても、波留と久島は友情や信頼を維持していると思え、それなら彼らだけでバディを組んでも良さそうなもの。
 浦島太郎の気持ちになっている波留の孤独と、そのギャップを飛び越えてイキナリ彼の心へと飛び込んでくるミナモ、そこいらをもう少し時間を掛けて演出して欲しかった。
 まあ、バディになったこれから、描いていく事になるのだろうが。

 前回、深層部まで潜った波留をミナモが呼び戻す、というシーンで、具体的に彼女が どういう役に立ったのか、よく分からず。
「安心・安全」というのがキーワードだったみたいだけど、それもどういう重みがあったのか…
 潜ったまま死んでも良いぐらいの気持ちになっていた波留に、「無事 帰ってくるのを待っている人が居る」と知らせ、任務を果たし生還する事こそがダイバーにとって最重要事項、と思い出させたのかな。
 ミナモの、風と話が出来る超自然的な力が、デジタルな電脳空間を越えて波留に「想い」を届かせても いる?

 ミナモの呼び声が「光」となって波留を導く…というような演出があれば親切なのに、と思えば、今回、そういう絵作りが成されていた。
「ブレインダウン」という用語の意味が次の回で説明されたり、当然のように波留が行っていた電脳ダイブが実は初体験だと後で言われたり…少し先まで見ないと理解が難しい作品。
 いや、何度も言うけど、「士郎正宗作品」と考えれば、こんなもの難しくも何ともないレベルなんだけど。

 波留とミナモを大仰に連れ去った飛行機だが、割とすぐ近くに降りていた。
ミナモが友達と会いにチョイと帰り、駆け足で戻ってこられるぐらいの距離。
 …潜水艇はともかく飛行機は必要ないだろ、エネルギーの無駄遣いだなあ。
機体から人が乗る部分のみ切り離され、そのまま海に潜っていくギミックは楽しかったけども。
 波留の介護用?として、無駄に強力な戦闘力を持つアンドロイド(後々有用になるのは当然として、現状では無駄)を付けていたり…ちょっと過剰な事をしたがるのが久島の個性?(^ ^)


2008年4月29日 火曜日

『ファイアボール』04.「セントエルモの火」

 毎度同じ二体のロボットによる会話劇だけど、混ぜられた情報により、彼らが住む街の外には砂漠が広がっており、そこに人類軍が居て、人類とロボットは敵対状態にある、という事が分かった。
 結構シリアスな世界設定がある?

 内容は それと何の関係もなく、お嬢様ロボットがワガママによって電波メッセージ送信を嫌がり、アナログな方法で手紙を出している事について、執事ロボットが意見する、というもの。
 お嬢様がお友達と目論む「パジャマパーティー(服着てないような…外装を取り替えるのか?)」「芋煮会」という突飛な思いつきに、いちいちリアクションを取る執事ロボが可笑しい。
数分の番組中、何回も笑わされてしまった。
 意外と面白いなあ。


2008年4月28日 月曜日

『紅 kure-nai』04.「才物」

 見ていてずっと抱いてきた疑問…視聴者としてのツッコミの、「主人公は何で、依頼を受けて女の子を預かっておきながら、ボロアパートに置き去りにするような無警戒すぎるマネが出来るんだろう」という事について、登場キャラクターが直接彼にそういった言葉をぶつけてくれたんで、随分スッとした。
 劇中でそれにハッキリした答えが示された訳ではないが(回想から推測できなくもないけど)、「ここは疑問に思うだろうな」という事ぐらい作り手側も理解してやっている、と分かっただけで、見続けるのに気が楽。

 この作品は、「一人暮らしの男の子の元に、少々浮世離れした美少女が現れ、一緒に暮らすことになる」という、萌え物の基本パターンに沿った作り方をしている。
まあ、相手は つるぺたの幼女だけど。
 それにしても、可愛い顔立ちには描かれているのだし、「銭湯で共に男湯に入る」なんてシーンでは、もう少しぐらい「どきどき」「サービス」を感じさせそうなもの。
しかし、コレが皆無。
 幼女・紫の挙動や体のラインから、徹底して、丁寧に色気や媚びを排除してある、その努力による。

 銭湯で、「紫が男湯に入るのを僅かでも嫌がる」「紫を男湯に入れる事について、主人公がホンの少しでも躊躇いを憶える」「頭や体を洗う際に触れる紫の体の、小ささ柔らかさを主人公が実感」「紫を『ウルサイ子供』以外の(性的でなく、可愛い子だなー、だけであっても)目で見る他の客」といった演出が加えられれば、うっかり「萌え」や「ドキドキ」に繋がってしまったと思う。
 それらを一切排し、あくまで「子供」に描き続けるのは、大変。
 媚びた作品にしたくないという、制作者の強い意志があるのか。
この作品では、他のキャラクター達からも「色気」は感じられないので、そういう作風を持ったスタッフの仕事だという事か。
 でも…この監督の代表作は『ローゼンメイデン』なんだけど。
問題作の『RED GARDEN』も作っていて…うーん、極端だなあ。

 紫を主人公に預けた紅香の気持ちや、主人公の謎の一端が見えてくる事で、物語が随分と分かり易くなった。
 まだ先は読めないけれど、面白くなっていくと良いなあ。


2008年4月23日 水曜日

 ううう、ゴールデンウィークが憎い。
 という訳で、今月二度目の締め切り進行に入ります。
土曜日には一息ついていたいものですが…厳しいところ。
 しばらく更新が難しくなります、ご了承を。


2008年4月22日 火曜日

『狂乱家族日記』02.「宴の時間は終わらない」

 一家の中で唯一マトモそうな長女だが、転入した学校でイジメられてしまう。
 その解決法が、一家の狂言芝居で長女をクラスの救世主・スーパーヒロインに仕立て上げる事、というのは凶華が思い付いたデタラメな計画だから良いとしても、それを長女は抵抗無く受け入れ、しかも問題なく成功してクラスに溶け込んでしまう…これで正しいのかどうか。
 せめて主人公ぐらい、「そんな適当なウソの上には本当の友達なんて出来ない」と反発すべきだったような。

 「泣いた赤鬼」パターンなので、構わない?
 しかし…それならイジメられる当事者が、恐ろしげな外見をしている二男・三男であるか、前半で長女がイジメられている様子を見ながらも家族が「自分達の力で介入するとクラスの子供達を殺してしまう」と自制するシリアス気味のシーンが無く、全編 暴走の馬鹿話で終わらせてくれた方が乗りやすかったんだけど。

 一家そのものが全員承知の「ウソ」を前提に成り立っているため、まず「ウソ」をついて友達の形式を整えることにも抵抗がなかった、という事か。
 「ウソの家族が、やがて本当の絆で結ばれていく」作品のテーマ(…だろうと思う)に沿った話だったのか、とは思うけど、タメが少なく解決は呆気ないし、上手く笑いのオブラートに包んで飲み込み易くしてくれた訳でもないため、ギャグ作品としても、ちょっと お手軽に感じられてしまう。


2008年4月21日 月曜日

『ファイアーボール』01.

 ディズニーが、日本のスタッフで制作した、3DCGアニメ。
 ロボットのお嬢様と執事の、二人(執事は全く人間の姿をしていないが)しか出てこない。
 3Dモデルその物は良い出来だと思うけど、動きを付けるのが大変だったのか、手描きアニメと同じように「必要な時以外は止まっている」。
ディズニーの、ずーっと動きまくる劇場版3Dを思っていると違和感があるが、まあ これはこれでメリハリが付いていると言えるのかな。

 何しろ本編が二分間ぐらいしかないので、内容、と言えるほどの物はなく、お嬢様・ドロッセルが頭に付けてみたユニットが、飛行ユニットかと思えばお洒落ユニットかと諦めていればやっぱり飛びました、という、何というか他愛もないもの。
 ドロッセル、お尻の辺りがカクカクしたデザインなのは、個人的に残念。
ここの処理が もうちょっと上手く成されていれば、機械の色っぽさも出せたかと…いや、本当のメカ好きにとってはこのラインこそ たまらない?
 ディズニーアニメにそういう期待をする方が間違いか。

 次回も必ず見たい、というものではないけど、放送時間の短さから気楽〜にチェックできそうなので、しばらく見てみるかな。


2008年4月20日 日曜日

『図書館戦争』02.「図書特殊部隊(ライブラリータスクフォース)」

 男性新人隊員とヒロインが、隊に馴染んでいく過程。
 野外訓練でクマにパンチを食らわす辺りは大笑いで、オモロイなあと平和に思っているばかりだったが…
 うわー、イキナリ図書館を舞台に本気の銃撃戦が繰り広げられるとは。
剣呑な世界だ、という事は分かっていたはずだけど、それでも、ここまで現実と隔絶した状況を見せられると、驚くやらコワイやら違和感やら。

 「こうまでして図書を守らなきゃならんものか」と思うのは、平和ニッポンの暮らしにボケているから、なんだろうな。
同様に「こうまでして図書を奪わなきゃならんのか」とも言える訳で。
 国家による情報の統制が恐ろしいことは、リアルタイムでも、ええとええと、某国を見ていて思うこと。

 しかし規制側。
 問題の書籍が貸し出し可能な物であれば、自分達が身分証を偽装して、あるいはその土地に住む国家機関関係者(または検閲支持者)に要請して本を借りてきてもらい、そのまま処分する地味な方法も有り得るかと。
 貸し出す相手への審査は厳格を極める・本を返さなかった場合には重いペナルティーが課される・いっそ国会図書館のように館外への持ち出しは禁止 等々、防衛策が取られているのだろうか。

 事前に警告が出され、銃撃戦に巻き込まれて民間人の死者が出る、なんて事は滅多に無いんだろうけど…それでも、親なら子供に「図書館なんて危険なところに行っちゃダメ」と注意するかも。
 この後、平和を取り戻した図書館で、銃弾による穴が空いた廊下やドアを前にして、利用者は何を思うのだろう。
「自由な知識を得るための代償の高さ」か、「図書館ってコワい」か。
 これで、図書館から国民の足が遠のけば、国家の意図通り。

 わざわざ屋上から地上に降りるヒロインの行動が、不思議。
高所から接近者を狙い撃った方が有利に思える。
 狙撃に適した銃を持っていなかった?
 「何よりも本が大事」な世界では、本って「物」ではなく例えば「子供(貴重な知識を伝承する老人の方がイメージか)」みたいなもので、流れ弾でも当たっては取り返しが付かないと考え、隊員が体を張って庇うのは当然なのか。
 国会図書館の書庫は、図書館員の命より書籍を守ること優先に作られている…というような事を久世 番子先生が単行本「番線」で(ギャグで)描いていた、あんな感じかなあ。


2008年4月19日 土曜日

『RD 潜脳調査室』02.「少女」

 緊急事態に見舞われた島で、老主人公と少女が頑張る…という引きが先週なされたと思ったのに、あれ?一回見逃した?と思うぐらい、関係ない二話目の導入部。
 ああ、少女…ミナモの幼少時を見せて、彼女の家庭環境と、持つ不思議な感覚と、老主人公との意外な縁を描いたのか。
 風を読む力(感覚が鋭敏?)は、今後、何か意味を持ってくるんだろうか。
電脳的な老主人公と、自然を相手にする少女の能力で、対比になっている?
現実では体が動かない老人・若い体で元気いっぱい走り回るミナモ、という所は、既に対照的。

 真理、長い眠りから目覚めれば老人になっており、体の自由が効かず、世界も激変している、パニックになって不思議無い…なって当然の状況だろうに、すっかり落ち着いている上、言葉遣いまで「老人として不自然ではない物」になっているのは、覚醒から現在までかなり長い時間が経っている、という事だろうか。
言葉遣いについては、電脳空間で若い体になり行動する時には、また年齢に応じた話し方に変わっていると思え、それからすると「驚異的な適応能力の持ち主」と考えるべきか。
 電脳ダイバー能力が相当に高そうなのは、もう何度も任務をこなしているから?
 誰も驚いたり疑問を感じることなく、淡々と電脳ダイブをこなしていくので、示される概念 全てを理解できたとは言えず。
といっても、「士郎正宗作品」と考えると、まだ分かり易すぎるぐらいだけど。

 作画は、これに注文を付けるなど贅沢に過ぎると思いつつ、一話目の過剰なほど柔らかそうなボディーラインの捉え方に比べると、物足りない。
「お肉」の描写に思い入れ無く描くと、女性キャラの一部が「ただ横幅の広い子」になってしまいそうで、ちと不安。


2008年4月14日 月曜日

 とりあえず新番組ラッシュは一段落付いたのかな。

 『仮面のメイドガイ』は、二話目も面白かった。
 「胸の大きい女性は頭が悪い」という根も葉もない悪口をネタ元にして、「だったら胸を小さくすれば頭が良くなるのか」と逆転の発想を見せるのに、感心。
 コガラシが耳にケーブルを繋いでプリンターを動かしてみせる、このネタも単品で終わらせず、「自分とヒロインの耳をケーブルで直結し、数学知識を流し込む」「しかしヒロインの脳容量が少なすぎ、反対の耳から何か溢れ出し始める」と見事 広げるのにも、感心と爆笑。
 今期のギャグ作品としては、ダントツのトップだろう。

 などと言っている場合では既に無く、ゴールデンウィークを控え、前倒し進行の始まり。
 金曜日ぐらいまで、更新は不定期になると思われます、ご了承を。


2008年4月13日 日曜日

『純情ロマンチカ』01.「事実は小説よりも奇なり」

 原作未読。
 作画は素晴らしく良くて、男の子達が美しく描けている。
 ええと…それぐらい。

 実は、一話の半分ぐらいしか見ていないため、内容について どうこう言える立場ではなく。
 ボーイズラブ作品でも、それを色合い程度に留め、何か他に描きたい物がある「ように見せてある」なら、いや、真正面から描いてあっても男性視聴者に いくらか配慮して作ってくれているなら、何とか見られない事はないんだけど、こうまで敷居が高い描き方だと、厳しい。

 年上の男に力ずくで、手で、一本抜かれてしまう少年…という描写、UHFとはいえ やっても構わないんだ。
それなら、男が少女に同様のご無体を働くのもオッケー?
…こちらはどこかから怒られそうなのが不思議。
 この「暴行」の後、男と少年は、何気なくリビングに座って話をしている。
えー?そんな風になる?
少年には、元からそういう素養があった、という事なのか。
ボーイズラブ好きにとって楽しい世界を描いているんだから、つまらない常識を持ち出すな、か。

 前も書いたかと思うけど…友人男性が仕事としてボーイズラブ作品のプロットを考え、男同士が惹かれ合う理由として「年上の男性の方が、もう一人の亡くなった兄に似ていて、そこからまず憧れが生まれ、やがて愛に…」というような理由付けを出したところ、担当者に「あ、こういうのは要らない」と一蹴され、「男が二人居る、そしたらもうお互い好き!それ以上は必要ない。読者も気にしない。それがボーイズラブ」と言われ、絶句したという話があり(単にこの担当者が偏見の塊だった可能性も)。
 いや、他ジャンルの事は言えず、男性向けエロ作品でも、我ながら無茶だと思いつつ余計なリアルや段取りを省き、「夢」を描くのは毎度の事なので。

 自分のような人間に向けて作られた作品ではない。
それは決して「出来が悪い」事を意味しない。
 視聴終了。



『二十面相の娘』01.「扉」

 原作未読。
 現代に甦る怪人二十面相と その娘…とかいう話なのかと思えば、時代も、小説中で二十面相が活躍した頃に合わせてるのね。
 レトロな色合いは魅力になるので、もっと強く打ち出した方が良いかと。
平屋が並ぶ町並みや、パトライトが一本きりのパトカーなど、懐かしい気分にはなったけど、まだ弱い。
 「分かり易くドクロマークが描いてある毒薬」なんてのも、確かに最近は見かけない小道具だが…ギャグとスレスレの表現だなあ。

 二十面相、ヘリで屋根を持ち上げるのは ともかく、空中を歩いたり銃弾に当たらない理由が説明されないんだけど、これから?
『ルパン三世』に倣うなら、空中歩行は、予め仕掛けておいた強化ガラスに乗っている事になるが。
 そういえば、囚われの少女を一番の宝として盗み出すところも、ルパンの『カリオストロの城』っぽい。
 ルパンは、自分が属する闇の世界に少女が巻き込まれることを恐れ、身を引いたけど、二十面相は特に葛藤なく攫っていく。
連れ出したのは、悪辣な叔父夫婦から少女を守るため、であり、落ち着いたら少女と離れるつもり、あるいは「いずれ相続する少女の莫大な財産目当て」というような目標があるなら、良いけど。
少女と二十面相は、まだ説明されない何らかの絆で結ばれている?

 悪くはないにせよ、ピシッとしない作画。
 次回以降を楽しみに待たせるには、ちょっとツカミが弱い。
 三話目ぐらいまで見ての判断で。



『狂乱家族日記』01.「凶華様、君臨す!」

 原作未読。
 「なごやか家族作戦」に基づき、縁もゆかりもない異形の者達を妻・子供として、家族を形成させられることになった青年の苦難とドタバタ。
 まーとにかく無茶苦茶な設定を、パワーとスピードで「納得」まで持っていこうとする強引さが可笑しくて、笑ってしまった。
この設定に、本気でいくらか説得力を持たせようとしたら、家族が集結するだけで何話も費やしてしまう。
 それに、この「何でやねん」感が、作品の根幹を成すギャグなのだろう。

 凶華は、ツンデレというか君臨デレになるのかな。
まだ「デレ」の部分は全く見えないけど。
 状況を楽しんでいる凶華や普通っぽい優歌はともかく、一癖ありそうな他の連中まで、最初から抵抗無く主人公を「父親」と認めているのに、ちょっと拍子抜け。
「子供達」に、許容と反発の極端な温度差があっても、ギャグに出来たかな。
それは、次回以降の展開か。

 作画は良好。
アクのあるキャラが、魅力的に描けている。
 視聴継続。


2008年4月12日 土曜日

『ゴルゴ13』01.「AT PIN-HOLE!」

 原作は、アチコチつまみ読みしているが、全体からすると読んでいる本数は少ないと思う。
 国民的マンガである『ゴルゴ』が、実写版、劇場アニメ、OVAに続き、テレビアニメ化。

 内容は、『ゴルゴ13』だなあ、としか言い様が無く。
 無口なスナイパーが、依頼を受けて、何かしら困難な状況を克服しつつターゲットを仕留める。
それに少々の国際情勢知識を絡めれば、大体 一般的イメージの『ゴルゴ13』になる…だろう。

 今回の狙撃について、「標的が遠くて難しい」と口では言われていたが、ゴルゴが覗くスコープにはターゲットが大きく捉えられており、「コレなら誰でも成功するんじゃないの?」と思えて、彼ならではの凄味が伝わってこない。
 ただ…ゴルゴは完成されたスーパーマンなので、扱いが難しい。
ライフルを構える手がガクガク震えたり、外したらどうしようと考えプレッシャーで冷や汗をかく、なんてシーンを入れては、『こんなのゴルゴじゃねえ』と言われてしまう。

 作画は、劇場版・OVAと比べると、落ちる。
でもまあ悪くはなく、見続けるのに問題ないレベル。
 ゴルゴの声を演じる舘ひろしも、上手くはないが、何しろ喋らないキャラクターなので、「余り気にならない」。
 テレビ東京のアニメで、深夜枠とはいえ、ベッドシーンを まっとうに(といってもほとんどシルエットだけど)描いたのは、驚き。
規制が緩んできている?それなら嬉しい。

 一話も欠かさず見たい!と思わせてくれる完成度ではないから、時間があれば見る、ぐらいの姿勢で。
 ただ、言うことは最後まで「『ゴルゴ13』だなあ」から変わらないと思うので、感想は書かないつもり。



『カイバ』01.「名はワープ」

 『マインド・ゲーム』『ケモノヅメ』の湯浅 政明監督が送る、新作シリーズ。
 この二作も、かなり見る人を選ぶアクの強い作品だったが、これはまた、相当に敷居が高い異色作。
 手塚 治虫っぽくあり、また赤塚 不二夫っぽくもあるマンガチックなキャラクターが登場するけれど、話の内容は海外の芸術的実験アニメのよう。

 夢の中身を思わせる物語で、知りたいことに答えは与えられず、記憶を失い自分を持たない主人公が、ユーモラスでありながら不気味で不可解な世界を流されていく。
 湯浅監督らしく、ハッと目を引く動きの面白さはあるのだけれど、のたのた〜とした演出に、途中ちょっと集中力が途切れがち。

 「恐ろしいほど化けて、見た人の心に深い傷跡(?)を残す傑作」になるかも知れないが、このまま「よく分からない不条理アニメ」で終わるかも知れない。
 よく通ったなあ、この企画。
かなりの数の視聴者が、第一話で脱落してしまったろう。
 監督がこの作品で何を描こうとしているのか、興味はあるけれど…次回見て、心を掴まれるような部分がなければ、脱落者の仲間入りしそう。



『図書館戦争』01.「我ガ王子様ハ図書隊ニアリ」

 原作未読。
 ノイタミナ枠での新番組。
『墓場鬼太郎』から一気に雰囲気が変わり、若干のオタクっぽさ さえ感じる。

 図書に対する国家の規制が強力に行われるようになった世界、ヒロインの所属する武装化した図書館が対抗。
 まあ無茶な話で、国家による表現の自由への過激な規制なんて、そうそう行われる訳がない、戦時下じゃあるまいし。
……とは思えないのが、自分の職業。
常に廃業の危機に晒されながらやっているので、他人事じゃない。

 ここでの規制基準は、どんなモンなんだろ。
ジュブナイルにまで手が及んでいたようだから、「性的に扇情的な内容」に限定されてはいないんだろうな。
 国家が規定する危険思想、及びそういった思想に発展させかねない表現・主張への制限、という所か。
 規制は次第に広がって行くもので、「性」の次は「暴力」だと思え、オマエんちのゲームにどういう傾向の物が多いか一寸でも考えれば他人事じゃないだろマイクロソフト(もうアニメとは全く関係ない話。現実世界では、創作物への規制は見送られた)。

 今回は「厳しい訓練を受けるヒロインが、上官と衝突しつつも認められていく」ぐらいのストーリーで、これならフィクションの世界設定を設けずとも、女性自衛官・警官の話で同じような内容に出来そう。
 「『図書館』戦争」の本領は、次回以降に現れてくるのだろう。
 それに…図書館側が市民寄りの立場を取り、戦う、という所からは、原作者が図書館に思い入れを持ってるんじゃないの?と邪推できてしまう。
いや、図書館好きの子供時代を送った身としては、よく分かって(見当違い?)。

 I.Gらしく作画のクオリティーは高い。
 この特殊な世界設定で何を見せてくれるのか、楽しみに視聴継続。


2008年4月11日 金曜日

 もう何度か書いているけど、自分は3D酔いが酷い。
3Dのゲームをやっていると、大抵酔う。
アクションでなくとも、最近の3D化された『ドラクエ』でさえ気分悪くなるんだから、どうしようもない。
 なので、昨今のゲームハード進化の恩恵には、ほとんど与れない。
一番よく遊ぶゲーム機がニンテンドーDSだ、というのも、酔うようなゲームが余り無いから。

 この体質は、「擬似的な体験をリアルに感じている、という意味で、没入度が高い、『マトリックス』世界に近い人間」なのか、単に「テレビ画面を現実と混同してしまうオールドタイプ」なのか。

 そういう自分が見て大丈夫かどうか…似ていると言われる『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を家のテレビで見て、途中3回ぐらい休憩を挟んだのだが、それでも見終わった時には床に倒れて伸びてしまったし、既にアメリカの観客により「酔う」事は証明されているのに……
 映画『クローバーフィールド』を見る。

 映画を見ての帰り道がある事を考えると、見終わった瞬間に倒れてしまえば良い、という捨て鉢な考えでは行けず、とにかく、いかにダメージを少なく抑えるかに必死。
 画面から目を逸らしている間もストーリーは追いたいので、出来れば吹き替え版が良かったのだけれど、どうも無いみたいなので仕方なく字幕版。
 物語の完全把握は最初から諦め、ソフト化されてから また見直す事にして、見せ場となるのだろう後半に備え、前半は画面を見ない頻度を上げた。

 「そんな悲壮な覚悟するぐらいなら見なきゃいーじゃねーか」というご意見はもっともだが、それでも見たかったんだから仕方ない。・゚・(ノД`)・゚・。

 手持ちビデオカメラで撮った画像を摸した効果は さすがで、作り物っぽさが薄いリアルな映像に、気持ちが画面内へとグイグイ引きずり込まれる。
 「カメラを持つ人間」が行ってない所は映らず(テレビの報道で客観視させるシーンはあるが)、事態を分析する科学者でも軍人でもない「主人公」は、当然ながら事態の最初から最後までを知り得ない。
 大災害や、9.11に代表されるテロ攻撃に晒された普通の人の気持ちは、全くこういうものだろう。
何が起きているのか確かには把握できず、恐怖に追い回され、意味も分からないまま突然に死が訪れる。
 被害を受けたビル街、の描写も、9.11以降のもの。
例えば『インデペンデンス・デイ』で破壊された街の描き方は、あんな風ではなかったので。

 見たい所、知りたい事を、カメラは必ずしも写さない。
「今のは何だったんだろう」「状況を視認していない内に、事態がドンドン悪くなっているのでは」という不安が、恐怖の度合いを上げていく。
 「分からない事」が一番恐ろしいのだが、普通の映画では「まるで分からないまま終わりました」とすると「不親切」「投げっぱなし」「制作者も考えていないのでは」と悪い評価を下されてしまうため、どうしても ある程度 説明せざるを得ない。
 この作品では、通常の映画から、「フィクションの物語」という形式ごと変えて(変えたフリをして)おり、その不親切さも「リアル」の中に落とし込んで、分からない恐怖を解消しないまま終わる。
だから、見終わった後も、腹の中に「実際にエラい経験をした」時のような、重い塊が残る。

 …といっても、結構ギャグも挟んであったような。
 大事件の報道をするテレビが並んでいる中、テレビ東京のように一局だけアニメを放送していたり(ケーブルテレビ?DVD映像を流していた?)。
 遊覧飛行のように、わざわざ異常事態の震源地上空を飛ぶヘリとか、笑ってしまったエンディングテーマ。
 あと…うーん、まだあるんだけど、映画の大事な所に触れてしまうので、自粛。

 それにしても、こういう映画は「ビックリ」が(も?)命。
米公開から余り遅れて日本に入ってきては、ネタが知れ、台無しになってしまう。
 「ジャンル分けするなら、何映画なんだろう」とワクワクしながら見たかった。

 過剰警戒が幸いしてか、3D酔いは酷くならず、ホッとしてイスから立ち上がろうとしたら…
意外なほど、体に堪えていた。
 映画終盤、画面から目を逸らせず見ていた間に、気付かず すっかり酔っていたらしい。
 前半をかなり犠牲にしたお陰で、帰宅するのに問題はなかったが。

 この映画、米で「期待を上回る大ヒット」とまで行かなかったのは、「酔う」という口コミも大きくマイナスに働いたんじゃなかろうか。
 続編があるなら観客を酔わせないよう配慮して欲しいものだけど、かといってカメラを安定させた「普通の映画」形態になってしまったら、この作品固有の魅力が薄れてしまうので、難しいなあ。



『CRYSTAL BLAZE -クリスタル ブレイズ-』01.

 SF探偵物。
 おバカさんで発作的行動を取る暴走少女と、ぼーっとした低血圧少女コンビのキャラクターは上手く立てられており、楽しい。

 演出は少々間延び気味。
第一話は「謎の女と出会う」ぐらいしかストーリーが無いのだから、銃撃戦やカーチェイスなど見せ場を、もっと迫力で押してきて欲しいところ。
 UHF局放送にしては、裸を全く見せないように気を遣っており、そのため「全裸で平然と行動する(普通とは違う)謎の女」という、キャラ立てに必要な要素が ぼやけてしまっている。
これなら、妙なデザインの服を着ているとかの方が見易かったろう。
DVDでは全部見えますよ、という事かも知れないが、それを喜べる作画ではなく。

 現代風にテンポが良いアニメ、とは言えないけれど、見ているうちにそれが「味」にも思えてくるから不思議。
 「この独特の作風が面白い」と感じてもらえるか…そこまで見続けてもらえるかどうかは、キャラの魅力の彫り込みと、ストーリーの引きに掛かっている。
 もうちょっと視聴継続してみよう…



『仮面のメイドガイ』01.「はじめましてだ、ご主人様!」

 原作未読。
 書店で表紙を見たことは何度もあり、凄まじくインパクトのある嫌男メイドキャラクターに、思わずレジに持っていこうとした事もあるが…
 いやあ、考えていた以上に面白い内容。

 この作品からコガラシを除く、あるいは性格設定はそのままでも見目麗しい女性キャラに変えただけで、印象もギャグのインパクトも全く変わって…レベルダウンしてしまうだろう。
 その代わり、自分が興味を持ちつつも購入を躊躇ったように、「ゴツくて凶暴そうな仮面男がメイド服を着ている」というネタは、ヘタをするとイロモノでキワキワなだけのストーリーになりがち。
 これで面白い作品に昇華するには、キャラの詳細から存在の理由付け、周辺キャラや世界観にまで、全部「仮面メイド」が居て不思議無く、しかし居る違和感が際立って笑いに繋がるよう、作っていかなければならない。
とても大変。

 アニメではコガラシの声を、理知的でダンディーで落ち着いたイメージの(個人的には)ある小山 力也が、凶暴にケモノのように でもやっぱり知性を感じさせて演じることで、また一つギャップの面白さを演出。
 コンテのテンポが良く、ギャグのヒット率も高い。
何度も笑わされてしまった。

 今度のコミケでは、コガラシのコスプレが出そうで嫌だなあ(既出?)。
 期待を込めて、視聴継続。


2008年4月10日 木曜日

『ブラスレイター』01.「絶望の始まり」

 突然に3Dでバイクレースが始まったり、死体がバケモノになって人を襲ったり、という事で、ストーリーには入り辛いし訳が分からず、また不親切アニメか…と思いかけていたが、中盤から説明がグイグイと入り、そうなってみると分からない話ではなく。

 しばらく、主人公を誰に設定しているのか分からなかったけど、怪物に襲われた青年(もっと上?)レーサーが そうなのか。
ここまで少年っぽさのない、渋い男性をメインに据えるのは、昨今珍しい…いや今期は、『RD 潜脳調査室』とか、更に年長の主人公も登場しているな。
 公式ページで見ると、主人公は彼でなく、第一話ではチラッと姿を見せただけの青年になる?

 バイクレースシーンはピンと来なかったが、板野監督らしいミサイル弾道やモンスターバトルでは、非常に迫力ある画面が作れている。
 『電王』で魅力あるキャラクターを見せてくれた小林靖子がチーフライター、という事で、面白い作品になってくれる事を期待しつつ、視聴継続。



『我が家のお稲荷さま。』01.「お稲荷さま。封印解かれる」

 原作未読。
 田舎に帰ってきた兄弟が、家の守り神であった お稲荷様…大狐に出会う、という話。
 取りあえず ざっとキャラクターの顔見せをし、敵対する超常存在と狐のバトルで盛り上げて、狐側の能力概略も示す、普通に しっかりと作られた第一話。

 ただ…お行儀が良すぎて、パターンから はみ出したり踏み越えたりする部分が無く、狐耳美少女に化けた大狐も、可愛くはあるものの、視聴者の心をグッと掴むだけの個性には欠けている。
 この作品ならではの面白さが見えてくるのは、もう少し話数が進んでから、なのかな?

 作画は良好。
 敵対する蛇女の表情変化に、エラく枚数を使い力を入れてあり、異様で見応えがあったが…ゲストキャラなのだろうに、何故ここまで?
表情作画は「魅力」として、狐娘に全力注入した方が良かったような。
 狐娘が人の姿のまま顔だけ狐に戻る変化も、作画は巧かったが、「魅力」としてはマイナスに働きかねない。
『狼と香辛料』で、ホロ→大狼へと変化する演出には、魅力を損ねないよう最大限の注意が払われていた。

 婆ちゃんのセリフ「コウ、お前は高上兄弟の側に伺候せい」の「伺候(しこう)」なんて、耳で聞いて漢字変換するのはなかなか難しそう。
五行相克」とか…まだ分からなくて構わないのだろうが、言葉だけでなく漢字やイメージを見せるとかして、少しでも視聴者に伝わり易くする努力は欲しかったところ。
 狐娘と、少々常識に欠ける無表情巫女娘がいずれ可愛く思えてくる事を期待して、しばらく視聴継続。



『秘密(トップ・シークレット)〜The Revelation〜』01.「脳と旅する男」

 原作未読。
 死んだ人の脳から情報を取り出す、というのは、SF作品などで時折、悪役が「どうしても情報を明かさないなら、お前の脳に直接聞いてやる」というような事を言っていたりする、アレをメインアイディアに据えるようなものか。
 発想としては素晴らしく、視聴者の知らない脳の知識を混ぜ、科学的アプローチと、明かされていく被害者の人間的情報を元にした犯罪捜査を見せていくことで、和製『CSI:』シリーズのような物語が作れるだろうか、と期待しつつ見た。

 第一話の内容は…
 警察官からの拳銃強奪・住宅街での主婦射殺と、大きな事件を立て続けに起こしている、しかも十分な計画と警戒の元に行ったとは思えない犯人について、「脳に聞く」という極端な捜査方法は必要かどうか。
警察側としては知らない情報だったが、「次の殺人」は起こらなかったろう状況も考えると、とにかくまず「脳を使った捜査」ありきで、無理矢理に展開される物語だと思えてしまう。

 第一話なのだし、「妻への捜査に抵抗を示し、盗んで逃亡する夫(遺族に脳捜査拒否の権利はないの?)」なんていう所に時間を使うよりは、根幹である「被害者以外の誰も知り得ない情報を元に捜査が展開され、秘められた被害者の人間性までも暴かれていく」部分に全力を投入すべきだったかと。
 夫と子供より、元彼の記憶を重要だと(無意識のうち?)考える妻、という辺りは面白かったけど、まだ薄いし、オチのセリフも…弱い。

 ハイビジョンカメラ並みに画像を鮮明に記憶している脳、って見せ方も、どうなんだろう。
「脳は、一度見た物を全て記憶している。ただ、それを自分で自由に取り出すことは出来ない」という説(トンデモ説?)は聞いた覚えがあるけど、そういう考えに基づいているのか。
 記憶を引き出す装置や、モニター画像、脳に関する知識など、見ていて「よく調べてあるなあ」とは思えず。
第一話なのだし、「なるほど」と感じさせてくれる情報やハッタリが欲しかったところ。

 この第一話は、原作に無いオリジナルなのだとか。
なら、真価が発揮されるのは二話以降、なのかな。
 もうちょっと視聴継続。


2008年4月9日 水曜日

『あまつき』01.「雨夜之月」

 原作未読。
 タイムスリップ妖魔バトル物?
 江戸時代を摸したテーマパーク内を歩いている時、本当の江戸時代(似て非なるものらしいが)に移動してしまうのは、何か理由があってのこと?
妖魔の力で主人公らを過去へと呼び込んだ…のかとも思うけど、主人公らの頭の中が作られた江戸の空気に馴染み、時間移動を受け入れやすくなっていたため、とか。
 そうなら、タイムスリップ能力は主人公らの内側に(にも)ある、という事になるけど…
その辺は、いずれ語られていくかな。

 こういう物語のパターンに割と忠実で、そんなに変わった事をやっている訳ではないが、地道に丁寧に分かり易く「異変」の存在を視聴者に伝えてきており、入りやすい。
 仰天の事態に無感動気味の主人公についても、「性格に寄るものか、スタッフの演出力不足ゆえか」と悩む必要が無く、彼は そういう思考形態をしていること、それが周囲に必ずしも好意を持って受け止められていないこと、まで描いてある。

 地味なスタートであるため、ツカミとしては弱いが、しっかりとしたスタッフが この作品を通して何を見せてくれるのか、興味あり。
 当分、視聴継続。



『RD 潜脳調査室』01.「ウラシマドライブ」

 プロダクションI.Gと士郎正宗が、『攻殻機動隊』『神霊狩(共同原作)』に続き、組んで作るオリジナルアニメ。
…という概略のみしか知らない状況での、鑑賞。

 お兄ちゃんキャラは『攻殻』のラインと余り変わらないなあ、ホロンは、士郎先生の絵とは違う…作監の個性が強く出てるんだろうか、ミナモ…あれ?この女の子の描き方はどこかで…
ここまで来て、ようやくキャラクターデザインが士郎先生ではなく、上山 徹郎先生だと気付く(遅い)。
 鮮烈だった『電人ファウスト』、更にレベルの上がった絵で展開された『LAMPO』、完成の域にある『隻眼獣ミツヨシ』と、抜群のデッサン力、迫力あるアクション作画、美しい画面構成などなど…溜息が出る驚異的なクオリティーで漫画を描き続けている方。
大ファン。
 『ミツヨシ』に、夜明けを迎え、暗闇から明るくなっていく中で繰り広げられるバトルを、流麗な背景描写で時間経過を感じさせつつ描いた話があり、その凄さと手間に圧倒された覚えが。

 女性キャラの顔は分かり易く上山先生だけど、体付き…
確かに肉感的な体を描く方ではあるけど…その、ホロンなど ちょっと崩れる寸前を思わせるボディーラインをしており、先生は ここまで触りたい・摘みたい気持ちにさせる絵ではなかったような…と思えば、作監は金子 拓
 あああ、『クイーンズ・ブレイド』カトレアの。
これまた、大ファン。

 好きな絵描きさん二段重ねで、第一話はもう画面を見ていてずっとシアワセ。
重そうな肉付きをした(^ ^)ホロンの体術など、何度も見返してしまう騒ぎ。
 出来れば…この布陣で、『ミツヨシ』のアニメ化が見たかったなあ。

 第一話のストーリーは、途中ポンと飛んだりしながらも余り動いておらず、まだこれから。
事故に遭い老齢になるまで眠り続けた男が、電脳空間ではイメージとして若い体を取り戻し、元「海のダイバー」だった特性を生かして「電脳ダイバー」になる…という感じ?
 『攻殻』は電脳社会でありながら現実世界でのアクションを重視していたが、この作品は電脳世界バトルを見せてくれるのかな?
 組織のエラいさん まで無駄に肉感的な美女だったり、女の子がパンツを見せてみたりなど、随分と柔らかいサービスあり。
 この先どうなっていくのか、と、次の金子作監を楽しみに、最後まで見続けたい。



『うちの3姉妹』01.「長女・フーおっぺけぺ/次女スー・3歳リベロ/まんま〜な三女」

 原作となっているブログは、初期から読ませて頂いている。
子供達への愛情に満ちた視線と、漫画家として日常から面白さを拾い上げる観察眼が合わさり、それを見事なツッコミ能力でギャグに昇華した、優れたコンテンツ。 
 ただ…アニメにするには向いていないような…と思いつつ、番組を鑑賞。

 うーん、やっぱり厳しい。
 漫画の一コマと、文章と顔文字を駆使して、ボケとツッコミの笑いを生み出している原作。
これをアニメ化するのは、かなり難しい作業。
 相当な演出力を持つ、実力あるスタッフが手掛けないと、面白く作るのは不可能。

 このアニメで、監督は東堂いづみになっている。
東堂いづみは、東映アニメーションがオリジナル作品を原作登録するため、作り出した架空の人名。
 監督に この名前が使われるのは初めてのことで…
これは、制作状況の混乱が現れているのかなあ?

 演出は、酷く悪いとは言わないが、淡々とネタをこなしているだけで面白いとは感じられず、フラッシュアニメーションの画面にも すぐ飽きてしまう。
 子供達のボケた行動を見て、ブログでは「画面外で突っ込んでいる」母親の表情を、多く「怒っている、眉をしかめている」ように描くのは、どうだろう。
笑っていたり無表情だったり苦笑いだったりコケていたり、リアクションはもっと色々考えられると思うんだけど。

 うるさいオタク相手ではなく、母親層に向け、家事の合間に見て欲しいと考えて作られたものだろうから、軽く見られれば良いのかな。
 視聴終了。



『モノクロームファクター』01.「銀色の影」

 原作未読。
 主人公を追い回して怒りまくる風紀委員の女の子が、コミカルで楽しい。
 しかし、物語の主題は、美少年の主人公が道で行き会う、真っ赤な唇をして自分を「影」だと名乗る美青年に「私達は結ばれる運命」とか言われる辺り、なのだろう。

 過度にシリアスな内容ではなく、美青年は ほとんど「美女」としてデザインされているため、主人公と美青年が交わすキス、なんてシーンにも、そんなには抵抗を感じず見られるが…
 主人公自身は、もっと戸惑ったり嫌がったり するモノじゃなかろうか。
普通の生活に飽いている主人公だったし、魔物に襲われる異常事態下の出来事だ、とはいえ。
 「男同士のキス」を「男女間のキス」と等価に考える、原作者の価値観が現れているような。
 まあ、男性視聴者は「美少女同士のキス」なら何の問題もなく受け入れられる事から、女性視聴者がこのシーンを「当たり前」と考えて、不思議ないのか。

 魔物とのアクションは、まあ そこそこ、というレベル。
作品として、そこいらへの興味は薄く、想定対象視聴者としても、男の子を美しく描いてくれる方が嬉しいのかな。
 もう少し見てみるが……


2008年4月8日 火曜日

『ヴァンパイア騎士 〜VAMPIRE KNIGHT〜』01.「ヴァンパイアの夜 〜ナイト〜」

 吸血鬼、というのは、映画・漫画・小説などで やたら使われる設定。
強力な力を持ちながら、明確な弱点もいくつかあり、バリエーションが大きく広がっているため基本設定を無視する事(十字架なんて平気、血を吸わない等)も許容される雰囲気があり、実に使いやすいから、だろう。
 華麗で耽美なイメージがあるのも、好まれやすい要因。

 その吸血鬼を登場させる作品については、もうかなりの数がアニメにもなっており、どう新味を出すのかと思えば…
 吸血鬼と人間が夜と昼に別れて通う学校を設定し、両者の間で問題が起こらないよう警備する役職に、ヒロインを就かせている。
ちょっと、珍しいかな。
 全体に、シリアスとコメディーの中間ぐらいな描き方。
元気なヒロインのキャラクターが気持ち良い。
 物語としては、まだほんの発端で、これからどうとでも展開できそう。

 ヨメが原作の大ファンらしく、単行本を全部揃えていたので、第一話だけ読む。
ああ、実に原作に忠実なアニメ化なんだなあ。
変えている部分が(ざっと見る限り)分からないぐらい。
 アニメの作画は悪くないと思うけど、ヨメは「あんなモンじゃ全然ダメ」と不満。
 そうなると…原作コミックは家にあるんだし、それを読めばアニメを見る必要は無い…かも。
 原作から大幅に変えるアニメには「原作者の意向を無視するな!適当な考えで改悪するな!」と文句を言い、忠実だと「これなら原作を読めば事足りる」と見放す。
勝手な視聴者が興味を持ってくれるように、原作付きアニメを作るのは、とても難しい。

 取りあえず、もう少し見てみよう。



『ネオ アンジェリーク Abyss』01.「奇跡の少女」

 最初のゲーム『アンジェリーク』だけは、少々遊んだことがある、というそれだけの知識。
以前のアニメシリーズも、第一話ぐらいしか見ていない。
 今作。
別段、見続けられない内容ではないと思うが、これは見逃せない!と感じる程でなく、放送本数過多の現在、基本的に女性向けの作品まではチェックできない、と割り切ることにして、順当に視聴終了。



『SOUL EATER ソウルイーター 』01.「魂の共鳴 〜ソウル=イーター、デスサイズになる?〜」

 原作未読。
 空に浮かんだ嫌な顔の月がイカス、固有の「歪んだ」世界で展開される物語。
 弾けた作画が気持ち良く、アクションにも力が入っている。
テレビ東京としては限界表現だろう、魔女の肉感的なボディーラインが目に心地良い。

 作中で「鎌」は単に「武器」ではなく「使い魔」扱いでさえなく、「相棒」「同僚」…ヒロインのお父ちゃんを見ていると、使役する職人とは「結婚」さえ出来る関係なのか。
 なんで99個の魂を狩った後、魔女の魂を手に入れないと鎌がレベルアップできないのか、とか、必要だからって特に悪事をはたらいている様子がない魔女を強襲しても構わないのか、といった疑問が湧いてくるけど、「そういう世界」なんだろうから考えても仕方ない。
 原作者、絵柄からして、『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』や『コープスブライド』等、ティム・バートン監督が好きそう。

 鎌の少年が、ヒロインを裏切って魔女側に付いたかと見せ、その実 ヒロインのため魔女を罠に掛けていた…という下り、もうちょっとキャラクターの内面を描いてからならカタルシスに繋がったかも知れないけど、相互関係もまだよく理解できていない状況下では、「ズルい」としか思えず。
ここではまだ正当に、「二人の心が合わされば、戦闘力は十倍にも二十倍にもなる」という事で、計略無し、正面から打ち破って良かったかと。
 こういうブラックさ、常識の通じなさが、見ている内、魅力に思えてくるのかも知れないため、あくまで「現時点で思うこと」だけど。

 元気の良い作画だけでも、次回を楽しみに思える出来。
 視聴継続。



『隠の王』01.「目醒めるもの」

 原作未読。
 力を秘めた無自覚な少年を中心に、彼を守る勢力と、彼を利用しようと狙う勢力が激しくぶつかり合う。
 異常事態下にあっても、何とか無関係でいようとする主人公のキャラクターは面白いが…全体的に、割合とよく見られるパターン。
 女性層に向けられているのか、若干ボーイズラブ風味アリ。

 主人公が発揮する超絶パワーより、守護者達が見せる体を用いたアクションの方が、アニメとして映えるなあ。
 もう少し続けて見てみるが…「いずれ機会があれば原作を読もう」という事にして、アニメの方は視聴終了してしまいそうな予感。


2008年4月7日 月曜日

『コードギアス 反逆のルルーシュR2』01.「魔神 が 目覚める日」

 大きな話題を集めたアニメ、後期シーズンの開幕。
 かなり期間が開いたもので、その前の話が ぼんやりしてきており、「続き」を語られるのに乗れるだろうか…また上手く内容に入っていけるだろうか…と不安を抱えつつ見た。

 余りにも平和な学園生活の様子に、違和感。
 ルルーシュが普通の学生っぽくなっているけど、再度そう化けているのだとしても、学園側がそれを許せる状況だっけ?
こ…このヴィレッタ先生は何だ?
ルルーシュに弟なんて居なかったぞ?妹は?
 ギアスの力で、自分含む周りの人間全ての記憶を操り、ニセの平和を演出して…
いや、シャーリーは既に一度力を受けているはずで、二度目はないギアスのルールに反する。
 ルルーシュの力が暴走気味になっていたから、相手の精神を更に深くまで操れるようになり、二度目もオッケーになったとか…
 あれ、ルルーシュがブリタニア側からマークされてるなあ、どういう理由で?

 等々、もう凄い数の疑問符が湧いてきて混乱させられ、「誰かが見ている夢じゃないか」「ルルーシュを陥れるため、ブリタニアが企んだスケールのデカい罠かも」「有り得たかも知れないもう一つの世界を示す、ニュービギニング」なんていう裏読みを必死で行いつつ、気が付けば心が作品に鷲掴みされている。
 いやあ、巧い!巧すぎる!
視聴者の関心・興味を煽って煽って、先を見ずにはいられなくする手腕は、鈍るどころかパワーアップ!

 取りあえず、ルルーシュは何らかの枷を嵌められて記憶と能力を封じられていたらしい、という事が分かったけれど、まだまだ そのままにされている謎が多く、次回への興味をグイグイと引っ張られていく。
 また、この作品に引きずり回してもらえそうで、とても楽しみ。



『ネットゴーストPIPOPA』01.「ヨウコソ@ネットセカイヘ」

 正統派キッズ向けアニメ。
 幼児期のトラウマからパソコンが苦手になってしまった男の子を主人公にする事で、デジタル全盛になった世界の便利さと不便さを示し、引き込まれた異世界でも、「ごく普通程度に機械知識がある人間」より過剰に驚いてくれることで、異常な事態下での状況把握がし易い。
大変に親切な作り。

 変な色が付いていない分、視聴者である子供の感情移入を容易にする主人公。
明快なキャラクター付けが成されている、ネット世界の住人・ピポパ。
両者の対立と和解をもって、物語が進んでいく。
 ピポパは、「悪いヤツら」ではないが、「正義の(人間の)味方」という訳でもなく、危機一髪の状況から主人公を置き捨て、自分達だけで逃げだそうとしたりする(結果的にか実は意図的にか、助けていたけど)。
そういう姿勢が、主人公の立場を安定させず、「次」への興味を繋ぎ止めていく。

 ピポパ達、てっきり主人公と融合でもして格好良いヒーローに変身するものかと思っていたが、割と お間抜けな姿のままなのね。
意外。
 ヘンに色っぽく有能な主人公母に、ドキドキ。
 どういう展開になっていくのか、興味があるので視聴継続。



『絶対可憐チルドレン』01.「絶対可憐(ぜったいかれん)!その名はザ・チルドレン」

 原作既読。
 椎名高志先生は、大変に頭の良い方(当然ながら、ご本人は存じ上げない)。
発端のアイディアを四方八方へ発展させ、あらゆる可能性を探りながら、しかし本筋を見失わないよう強い理性と自制心で抑えつつ、物語を進めて行く。
 秀才型の作家さんなのだと思うけれど…ただ、考えた設定や物語に沿ってキャラクターを動かすだけの作品だと、「乗らない(先生が乗ってない、と感じられる)」事が、時々。
 「神が降りてくる」、というのとは違うが、「キャラクターが作者の思惑を越えて動き出す」事は、先生の「大きく人気を博する」作品には、必須条件なのだろう。
 この『チルドレン』は、当初の予定通りに動かないキャラクター達との格闘を、誰よりも作者である先生自身が楽しんでいる気分が伝わってきて、読んでいても楽しい。

 アニメ。
 作画は、原作の雰囲気が良く再現されて、高品質。
 声優さんも、イメージ通りの人を選んでくれていて嬉しい。

 ストーリーは、原作第一話ではなく、ずっと後に描かれた出会いのエピソードを元にしている。
それはともかく…アニメを作るのにスケジュールとして間に合わなかったのか、かなりオリジナル・ストーリーとなっており、しかもそれがどうにも薄いので、不満。
 チルドレンの心を傷つけていく、周囲の酷い扱い、という部分がサラッと流されており、そうなると、彼女達を「人間」「女の子」として扱う皆本との出会いが大きな救いになっていく、というポイントも弱くなり、作品全体の核がぼやけてしまう。
 原作では因縁を語ってからレギュラーに加えたキャラクターが、もう何気なく画面に出ていることも、不安。

 アクションを入れた上、お話を一話で取りあえず完結させるため、駆け足になって色々なところを端折ってしまうぐらいなら、原作第一話を そのままアニメにすれば良かったような。
 出会い編は、作品のテーマを考える上でも重要な部分なので、大事に作って欲しかった。

 その辺への既読者の思い入れを除けば、キャラクター紹介編として悪い出来ではない。
これからシリーズを始めるのに、必要な基本情報は ほとんど盛り込んでいるし。
 第一話で何もかも描け、と言う方が無理なので、今後、足りなかった要素を補完していってくれるよう、期待。
 しばらく見ようと思うが、原作を読んでいることもあり、感想は書かないと思う。


2008年4月6日 日曜日

『ダ・カーポII セカンドシーズン』01.「深雪の如く」

 『ダ・カーポ』に、その後の時代を描いた続編(ストレートな続編ではない?)が出たことに驚いていたけど、更にそのセカンドシーズンが出来るとは…
息が長い、人気の高い作品なんだなあ。
 ファーストシーズンを最初の数話しか見ていないため、当然 物語には付いていけないだろう、と思いつつ見たが、細かい事までは分からないモノの、特に不都合無く内容に入っていける。
「萌え」「ハーレム系」作品のフォーマットは、強固であり偉大。
 お約束に従い、「朝、美少女が主人公を起こす」所からストーリーを始めてくれるのも、分かり易いところ。

 作画は高品質で、女性キャラが実に可愛く描かれている。
 嫌味なところが無く、このシーズンからでも さほど問題を感じず、軽い気持ちで見続けられそうな作品。
 時間があれば視聴を継続したいが……



『トミカヒーロー レスキューフォース』01.「ファイナルレスキュー承認 爆鎮完了!」

 前情報無しで見たため、てっきり『マシンロボレスキュー』のようなアニメだと思っていた。
特撮ヒーロー物だったのに、まずビックリ。
 レスキュー特撮物は、東映でも、『特警ウインスペクター』『特救指令ソルブレイン』『特捜エクシードラフト』のレスキューポリス三部作があるが、今作では「災害を巻き起こす敵」が設定されているため、戦隊シリーズの『救急戦隊ゴーゴーファイブ』に近いだろうか。
 テレビ愛知制作では、『魔弾戦記リュウケンドー』に続く特撮作品。

 とにかく、CGを使った巨大メカの出動・変形や、炎が巨大なモンスターの形になるシーンの出来が良く、迫力ある仕上がりになっている事に、ビックリ。
第一話だから…であり、今後 何度も使い廻すシーンが含まれるとは思うけど、それにしても力が入っている。
 そういえば『リュウケンドー』も、CGはかなり頑張っていた作品だっけ。

 しかし、人間が演じるライブのシーンになると、途端に予算の限界が見えてしまう。
酷く安っぽい、という訳ではなく、東映並みぐらいには ここにもお金を掛けているんだろうけど、「安くてもそれなりに見えるように上げる」センスが、蓄積が少ない分、弱い。

 ドラマとしては、主人公が新入隊する所から始める、妥当な構成。
悪くはないが、純粋に子供向け作品として考えられているようで、危機の設定、キャラ同士の葛藤など、いい歳の人間を引き込むには物足りない。
 敵キャラ三人組は、全員ロボット(?)。
男・男・女という編成だけど、この声を安田大サーカスが演じている。
上手くはないものの、こんなモノかな、と思える程度には声が出ているので構わないかと思う…だけど、女ロボットキャラを甲高い声だからってクロちゃんにやらせるのは、どうだろ(^_^;)。
どうも声を聞くたび あのオッサン顔が浮かんでしまい、フクザツな気分。
 ついでに、レスキューフォースの総司令役は、どういう基準で選んだのか分からないが早見 優。

 画面の迫力に引かれ、しばらく視聴継続。
 物語としても面白くなってくれると、嬉しい。



『おねがい♪マイメロディ きららっ★』01.「ありゃま!美少女が降ってきた 」 「ありゃま!美少年が降ってきた 」

 長期シリーズ、新シーズンの開幕。
今回は、ファーストシリーズで描かれた以前の時代に戻る、エピソード・ゼロ。

 予告で見て危惧していたが、フラッシュアニメーションで作られた画面の違和感は、凄い。
同じ内容でも、きちんとした作画で見せてくれれば印象はまだ…
 大事な所で動かなかったり、かと思えば無用な時に頭がカクカク動いたりと、フラッシュアニメとしても、出来が良いと言えない。
蛙男商会作品ぐらい低予算や変な動きを逆手に取るセンスがあれば、笑って見られた可能性はあるが。

 ストーリーは…割合と素直な低年齢向けアニメそのまま。
 相変わらず、マイメロの可愛い悪質さが感じられる部分はありつつ、全体に、いい歳の人間が見る作品ではないと思えてしまう。

 いずれ悪ノリの楽しさが発揮されてくるかも知れないが、作画的な敷居の高さもあり、鑑賞はここまでに。



『ケータイ捜査官7』01.「ケータイ、歩く!?」

 予告で見て、「ロボット型に変形する携帯電話が捜査官」とかいう内容に、いかにもイロモノっぽい、ダメダメな番組なんだろうと思っていたが…
 ああ、意外、真面目に作ってあるし、普通に面白い。

 変形携帯や土木作業メカのCGを、かなり高いレベルで見せてくれるのも、驚き。
第一話だから…という所もあろうが。
 ドラマ的にも、余り子供っぽくせず、「自意識を持った携帯電話」が人間捜査官の相棒として居る世界を、説得力を持って描いている。
 人間側を、性格的に携帯と被る「コンピューターのエキスパート」にも、「携帯を運搬するだけの役立たず」にもしない、「携帯が敵を制圧するまでの数秒間、体を張って守る」役割を担わせるアイディアが、面白い。
 相棒物は、互いが全く異なった(でもどこか似た)個性や能力を持ち、ぶつかったり理解し合ったりしながら物語を進めていくのが基本。
そういう意味で、かなり変形して見えるが、基本に忠実な作品と言える。

 第一話から死人が出るとは思わず、ビックリ。
そこまで悪くは見えなかったんだけど…意外と体には堪えていた?
 主人公の少年を組織に引っ張り込むためのヤラセ、かとも思ったが、素人の しかも子供を、そんなにしてまで使わなければならない理由は無いかな。

 「携帯は投げるものではな〜い!」と怒る携帯ロボが、可笑しい。
 視聴継続。


2008年4月5日 土曜日

『マクロスFRONTIER』01.「クロース・エンカウンター」

 シリーズとしてのネームバリューと、圧倒的なクオリティーで、今期一番 注目を集めそうな作品。
 感想については、事前のスペシャルで先行放送されたものと ほぼ一緒であり、その時に感想を書いているので、大幅に省略。

 その際、「早すぎて何だか分からない」と文句を言っていたCGだけど、今回見ると、そんなに分かりづらくない。
これは、本放送までに更に処理が加えられたのか、見ているこちら側が、この本放送までに また様々なCGに触れ、目が慣れて楽に判別できるようになったからか。
 謎の襲撃者が高速で宇宙船団に接近していく様子など、CGでなければ なかなか出せないスピード・スケール感と迫力があり、素直に感心。
 手描きキャラクターとの親和性も、高い。

 期待を込めて、最後まで見続けたい。



『ドルアーガの塔 〜the Aegis of URUK〜』01.「ドルアーガの巨塔」

 お約束に満ちた小ネタが連続する、第一話。
 最初から無茶苦茶強い主人公と、展開の異常な速さから、これは「主人公が見ている都合の良い夢」か「オンラインゲームの世界。だから一日中ゲームをやっている主人公は無敵になっているが、後に召還される異世界では役立たず」ぐらいのパターンだと、すぐ分かる。

 アリガチなギャグも、それはそれで笑った部分はあるけれど、OPで見られた「既に甲冑の兵士で鮨詰めの満員電車に、まだ兵士を詰め込もうとする甲冑駅員」が なかなか面白いイメージ。
全編ファンタジー世界ではなく、現実とも重ね合わせて物語を展開させると、楽しいかも。
 作画は良好で、嘘ラストバトルのパース付けすぎアクションも、懐かしい雰囲気に再現できている。

 シリーズ全体が、この調子のギャグ作品になるのかと思えば、目覚めた主人公を囲む状況はシリアス。
うーん…これだけ やりたい放題の第一話を見た後で、「次回から真面目に本筋をやります」というのに乗れるかどうか…
 第一話は、作品の印象を決めてしまう重要な話。
番外編なら、シリーズ途中に挟んでも良かったような。
 テレビとGyao放送版で、第一話の内容を まるで変えているそうだけど、それは面白い試みと同時に、面倒臭い仕掛けでもある(Gyaoの方は見逃してしまった。再放送されるようだが)。

 視聴を継続するかどうかは、本当の物語が開幕する次回を見てから。
今回との落差が、「面白さ」に直結する構成になっていれば良いけど。



『イタズラなkiss』01.「運命のイタズラ」

 深夜枠での放送なので、何かしらアダルトだったりオタクっぽかったりする要素が含まれるのかと思ったが、実に真っ正直な少女漫画。
第一話の内容からして、「ムカつくアイツの家に同居する事になっちゃった、どーしよー」というような、古き良き少女漫画パターン(原作の連載開始は18年前)。
 これなら夕方でも放送できたのでは…というか、この作品がターゲットとしている層は、こんなド深夜にリアルタイムでは見てられないと思うな。
まあ、録画して翌日見れば良い事だけど。

 作画は並。
キャラクターのデザインに、さすがに時代を感じてしまう。
 コミカルな演出も、タイミングの取り方まで、意図的になのかどうか「今風」で「ない」作り。
 いい歳の視聴者に取り、特に意外な事は起こらず、その分 心穏やかに見られる作品
そういう意味で、このアニメ化で本当のターゲットにしているのは、今は大人になっている「かつて読者だった少女達」なのか。

 見る価値がないとは思わないが、アニメ放送本数過多の現状、ここまでは手が回らず。
 視聴終了。


2008年4月4日 金曜日

『To LOVEる』01.「舞い降りた少女」

 原作既読。
登場する女の子達を可愛く、そして えっちに描く事を第一に考えた、学園SFラブコメ。
 SFといったって、『涼宮ハルヒ…』などライトノベルぐらいにもヒネった部分は無く、とても気軽に読める作品。
 大きなドラマの流れは無いため、「その週の内容を どれだけ読者に(えっちなサービス方向で)アピールできるか」が、成否の分かれ目。
 とても絵の上手い作家さんなので、そういった要求に完璧に応えており、「ジャンプ」の中で そこそこの長期連載化。
 作中で嫌味無く、女性キャラクター達の魅力を描けている所も、ポイント。

 アニメ。
 放送局がテレ東じゃなくて、良かった。
サービスを前提に考えられた作品なので、そこを削られると相当に厳しいから。
 作画レベルは高く、頑張って視聴者サービスを しており、演出テンポも悪くないと思うので、まずまずの仕上がりかと。
 「宇宙巨大建造物の溝を高速で飛びながらドッグファイトする小型戦闘機」なんていう、『スター・ウォーズ』エピソード4公開後 死ぬほど真似された画面をまた見せられ、飽き飽き、を通り越し、一回りして嬉しくなってしまったり。
原作も、決して斬新な感覚で作られた作品ではないから、「こういうアニメです」というのを最初にしっかり見せるのも、意味が無い事ではない…かな。

 視聴継続、だけど、原作を全部読んでいるため、余程 変わった事でもなければ感想は書かないと思う。



『紅 kure-nai』01.「極夜」

 前半がゴタゴタしていて分かりづらかったけど、後半が本筋で、要するに何らかの力を持つらしい男子高校生が、依頼を受けて お金持ちの幼女を守る事になりました、という所だけ理解できていれば良いのかな?

 それにしても、頼まれて、普通ではない幼女を預かっておきながら、何の考えもなく翌日 学校に行ってしまう男の子に、驚く。
案の定、幼女は行方不明となり、必死で捜し回り、見つけた幼女が不安で泣き始めるのを抱きかかえて慰めるまでが第一話…だけど、何というか余りにも男の子が無責任。
 ご近所のおばさんに、留守の間 子供の世話を頼まれただけでも、こんないい加減な扱いしない。
 これは、男の子が何らかの心理的要因で常識に欠けている、という事を表している?
それとも、「こういう作品」なのか。

 独特なタッチのキャラクター絵で、作画レベルは高い。
 OPの すっ飛んだセンスには、驚いてしまう。
一瞬、何が始まったのかと。
 フツーではない雰囲気は、あるいは化けるかも知れないと感じさせてくれ…
取りあえず、もう少し見ないと分からない。



『アリソンとリリア』01.「アリソンとヴィル」

 21世紀に作られた新作…とは思えないぐらい、画面の雰囲気が古い(CGも使ってるんだけど)。
20年ぐらい昔の作品だと言われた方が、しっくりくる。
 作画的にも、第一話からピシッとせず、少々厳しい上がり。

 内容的には…
 突然アリソンが学園にやってきて、サイドカーを乗り回していた時、たまたま家に帰れなくなった老人を助け、聞いてみると何だか宝の話をペラペラを喋り始め、その途中で老人はタイミング良く謎の男に連行されて、飛行機で誘拐されていった彼を追うべく そこいらの屋敷に潜入してみれば これまた飛行機が置いてあったので盗んで追跡…
第一話が詰め込みすぎになるのは仕方ないけど、それにしても構成は かなり乱暴。
 「必然」が感じられないため、思いつくまま話を進めているように感じられる。

 サイドカーで車を追跡中、車から銃を向けられ、ヴィルは咄嗟にアリソンを庇ってサイドカーから飛び降りる…んだけど、緊急性を感じさせない演出により、「まずサイドカーのブレーキを掛けさせて距離を取れば、乗機を失わず、ケガもせず済んだのでは」と思えてしまう。
 全体に演出は、ヘタという訳ではなく分かり易いものの、ゆるい。

 次回以降も是非見たい!と思わせるには、弱い第一話。
 何かガツンと来る「面白さ」の提示が無ければ、早々に視聴を終えてしまいそう。


2008年4月3日 木曜日

 WOWOWで映画『守護神』を見る。
 監督は『沈黙の戦艦』『チェーン・リアクション』『コラテラル・ダメージ』と、ヒネり無くストレートな映画を多く手掛けてきたアンドリュー・デイヴィス。『逃亡者』なんてのもあるけど。
 主演、ケビン・コスナーとアシュトン・カッチャー。

 要するに『海猿』であり、『愛と青春の旅立ち』。
ただ、さすがにお金が掛かっているだけあって、海難シーンや救助の様子には迫力と説得力がある。
 お話は…うーん、ケビン・コスナーが新人の養成学校に赴任する辺りで、誰でも先の予想が付く、大体その通りに進む。
王道、と言えるが、意外性がないとかパターンとも言えよう。
『コラテラル・ダメージ』の監督として、妥当な内容。
 鬼教官が ふと見せる笑顔、なんかは、やっぱりイイものだけど。

 「まあまあ、悪くはない」映画…という評価に留まりそうな所を、ラストシーンのイメージの良さで大きく点数プラス。
こういうのは、好きだなあ。



『バンブーブレード』最終26話.「“それから”と“これから”」

 新入部員の顔見せや、先生の部への復帰など、また新しく何かが始まる予感を感じさせる最終回。
 だけども、三年生の二人は部活動の終わりが近く、「いつもの顔ぶれ」は変わってしまうのかと思うと、ちと寂しい。
部活その物は出来なくとも、道場に顔を出すんだろうけど。

 原作がしっかりしているためか(未読)、キャラクター個々が強い個性と魅力を持っており、その掛け合いだけでも毎回楽しく見られた。
特に、無口で低血圧気味に見えながら、剣道にかけては恐ろしい実力を持ち、しかし普段は ぼーっとしたチビの女の子にしか見えない珠姫の造形がとても良く、引き付けられた。
凄まじい裏表を持つ都も、好きだなあ。
 剣道の試合にしたって、ただ漠然と描くのではなく、キャラクターの性格付けに見合った戦い方、敵の設定、勝敗の判断と工夫がされており、巧い。
 ついでに…CMで流されていた『ふぁんふーふふぇーふぉ』も、変なセンスで時々笑ってしまったり。

 原作が継続中であり、アニメも人気があったろうと思えることから、続編は当然のように考えられているんじゃなかろうか。


2008年4月2日 水曜日

『俗・さよなら絶望先生』最終13話.「鎌倉妙本寺解雇」「大導寺信介の音声」「あにいもうと、という前提で」

 最終回だったけど、原作が連載中であり、また「ドラマとしてきちんと決着が付く」内容の作品でもないため(『かってに改蔵』ラストは凄かったから油断できないが)、フツーに終わる。
 もっとカッ飛んだ壮絶なネタがシリーズ中にはあり、比べると穏当な感じ。
 今回だけのためにエンディングを作画ごと新しく作っていたのは、手間だったろうが、妙に気合いの入った劇中劇OPを作ったこともあったからなあ。

 途中、頑張りすぎていると、そこそこ頑張ったぐらいの終わり方では「フツー」とか言われてしまう。
「制作側の苦労も知らず、より強烈な刺激ばかりを求める視聴者」に、スタッフは「絶望」しても無理ない所。

 全体に、アニメで どこまで暴走しても許される…許してもらえそうな原作だったためか、かなり無茶苦茶な演出があり、前シリーズに続き、驚きつつ楽しく見られた。
 画面的には、7話「津軽通信教育」の疾走ぶりが想像を絶しており、テレビアニメの限界点に達しているかと思う。
 無責任に「これ以上」を求められても、スタッフは本当に絶望してしまうだろうが、「いやいや、まだ本気出したらこんなモンじゃないぜ」という事であれば、第三期も期待したい。


2008年4月1日 火曜日

『ARIA The ORIGINATION』最終13話.「その 新しいはじまりに…」

 アリシア、衝撃の引退。
何が衝撃かって、結婚引退であること。
 世間離れして ほわーっとした お姉さんだったのに、一体いつ、誰と、そこまで関係を進めていたんだろう。
そんなのは、下世話な週刊誌並みの興味か。
 確か、グランマは独身を通していたように思うので、同じぐらい世事に疎そうなアリシアの結婚には、驚いてしまう。
まあ、これでアリシアまで独り身で生きていきそうだと、灯里の未来にもウエディング・ベルは聞こえてこないが。

 灯里が とうにプリマ昇格能力を持っていると認めていながら、愛おしい時間を失うのが怖くて、「その日」を引き延ばしていたアリシア。
この心地良い時間に いつまでも浸っていたかったのは、アリシアばかりでなく灯里と、原作者と、もちろん視聴者もそうであったろう。
 …アリシアについては、灯里昇格に合わせ、自分がゴンドラから降り現役プリマを引退すること、結婚という大きな転機を迎えることも重ね合って、「その日」を決めるには更に逡巡があったろうか。

 いつも、当然のように一緒に居たアリシアと別れなければならない、という大事を、時間をおいてようやく実感し、ポロポロ涙をこぼす灯里。
 三大妖精の一人であるアリシアを、最大限の敬意を持って送るプリマ達。
 ずっと(テレビ3期にも渡って)積み重ねてきた「変わらない日常」の果てに訪れる、「変化」。
それが胸に染み、泣けるのは、これまでのシリーズで一話ずつ手を抜かず築き上げてきた「日常の価値」があるから。

 その後も、アリシアは頻繁にカンパニーへと顔を出し、灯里はアイを新社員に迎え、彼女を愛しげに見つめる中に、かつてのアリシアの気持ちを理解する。
過剰なほど幸せな終わり方で、「これでこそARIA」。
 登場キャラクターをすっかり好きになっていたため、次のシーズンは無く、これで完結、というのが本当に寂しい。

 ゼロから修行を積み、友情を育んでいくアイ世代の物語を中心に、灯里をアリシアと同程度の登場頻度にして、続編シリーズを作ることは出来るだろうが…それは原作者が決めることか。


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