ときどき日記 2008/08

2008年8月30日 土曜日

『魔法遣いに大切なこと 夏のソラ』08.「魔法遣い」

 浜辺に打ち上げられたイルカを救う依頼行動を通し、前回、魔法遣いへの道を挫折しかけていた少年が皆の前に顔を出す切っ掛けを作り、豪太も内在する力を解放する事に成功する、大筋では問題のない話。
 ただ…ちょっと荒い印象。

 イルカを救う、失敗したら海外から怒られそうなミッションを、未熟な学生達に任せて良いのかどうか。
学生の数や、日常的に割り振られている どうでもいい依頼からして、魔法遣いの数は相当数いるのでは?
 学校へと要請が行ったはずなのに、現地へ向かうのはレギュラーキャラのみ、というのも、「都合」は勿論分かるんだけど、段取りを飛ばしすぎ。
先生が選択して指名するとか、希望者を募るとか、あと僅か時間を掛けてくれれば。

 ツンデレっぽい女の子の危機に、前回助けられた形の黒田が、今度は力を貸す…この構成は正しい。
 「イルカがもう体力的に限界だ」とか、エラいさんから「なんで研修生なんかを寄越したんだ?」とか言われ、彼らが更に追い詰められていると、仲間が添えてくれる手の温かさと安心感、困難を乗り越えるドラマティックさが増したろうか。
 豪太、魔法を使えたのは良かったんだけど、それを「凄いパワーでイルカをまとめて搬送」という形で見せる意味は、疑問。
実は内在する力は強力だ、とする伏線も特に無かったと思うので、「一頭ずつ、確実に、優しく包み込み安定して搬送する」方が、腑に落ちやすい。
それじゃ絵として地味、ではあるか。



『セキレイ』09.「比礼ト風」

 セキレイたちの出自が、割合とアッサリ明らかに。
 ハッカーとしての松の能力が超絶優秀であったから掴めた情報だろうが…あんまり苦労がないので、セキュリティーの緩さを感じてしまう。
遺跡(墜落宇宙船?)のテクノロジーを用いた防壁を張り巡らせれば、凄腕ハッカーでも侵入は難しいかと。
 ここまでの情報については、作品として伏せる意味を感じていない、早めに公開しておきたい、という事か。
 嘘が混じっているかも知れないし、主題となっている、バトルロイヤル状態を何故作り出しているのか、という所はまだ伏せられているが。

 街一つを閉鎖して、誰も逃げられない状況を設定する。
物語が、空間を限定し、その厳しさと閉塞感を演出するための存在である「脱出を図る二人」を示す事で、キュッと締まった印象に。
 いずれは主人公のセキレイたちとも命懸けで戦う宿命を背負うのか、病に冒された葦牙を抱えるセキレイの描き方も、ドラマを感じさせて良い。
 もっと ふわふわ〜っとした「萌え」主題の内容を予想していたため、こういう物語では どういう要素を詰め込めば面白くなるかを、相当 考えて作ってあると感じられるのは、嬉しい驚き。


2008年8月29日 金曜日

『コードギアス 反逆のルルーシュR2』20.「皇帝 失格」

 仕事をしながら、意識は集中して一度見たんだけど内容がよく頭に入ってこず、やっぱりちゃんと画面に相対して見ないとダメだなあ、と思いつつ見直してみれば…
それでも混乱させられてしまうぐらい、怒濤の展開を迎えるストーリー。

 ロリキャラっぽいアーニャがルルーシュ母だった、というのは、どういう事?
・周囲には少女の外観を見せているが、眩惑の衣を取り去れば、そこに居るのは最初からルルーシュ母だった。
・死んだ母が彼女に転生(アーニャはナナリーと同年代だから、ちょっと無理?)。母クローン。あるいは母の意識を、他人である幼いアーニャに同化させた存在。
・普通にアーニャという少女なのだが、ギアス能力等により ある程度の記憶と共に、「自分はルルーシュの母である」と考えるよう、意識の一部をコントロールされている。

 …どれにも無理があるけど、「ギアス」という超常能力を設定した世界では、割と何でも許されそうな気が。

 アーニャ驚愕の正体に紛れ、C.C.が記憶を取り戻すシーンがアッサリ処理されてしまったのは、不満。
彼女が我に返る所を大きなターニングポイントとして、物語は一気に終局へ向けて流れ始めると思っていたので。
 随分 長く引いてきたイベントの結末なのになあ。
 いや、確かに大きなポイントを形作ってはいたが、ルルーシュ母登場のインパクトに比べ、「C.C.の記憶復活」が占めるウェイトは軽い。
 まだルルーシュとも対面していない訳で、これからまた重く扱うことは出来ようが。

 ルルーシュ母が(不思議な形でも)生きていた、となると、ルルーシュが皇帝と対立する理由は、ほぼ無くなってしまう?
 彼が母と対面したら、そこからはどうなってしまうんだろ?
 もう父親を憎まなくて済む訳で、楽になる?…と思ったけれど、復讐のため他者を犠牲にし、手を血で染めてきた彼にとって、「その行為に意味はなかった」と知るのは、精神が壊れかねないぐらい辛いことか。
強大で無慈悲で憎むべき敵、として在り続けるのが、皇帝が父親として取るべき正しい道、かな?

 すっかり壊れてしまったスザクは、どうなる?
 目的のため、他者の心を操って利用し、邪魔者は容赦なく排除する…というのでは、彼が忌み嫌っていたルルーシュと同じ行動様式だろうに。
 スザクの気持ちが、まるで分からない訳ではないが納得し辛いことで、ルルーシュと共闘するような形になる展開を無心に楽しめないのは残念。
別段、ダブルライダーキックを披露するような戦いを繰り広げる訳でなし、素直に「燃える」流れにする意図は無いのかもしれないけど。



 どういうミスをしたんだか、ここ二ヶ月ばかりに頂いたメールが消えてしまいました。
すみません、そういえばその間にメールを出したなあ、という心当たりがお有りの方は、再度送信して頂けますと助かります。

 中に、「もう絶版になっているアナタの単行本を入手したいのですが、どうすれば良いでしょう?」という質問のメールがあったか…と思います。
 ええと、自分の手元にも各一冊ぐらいしか保存していないので、お譲りするのは難しく。
 ネット上の古書店や、オークションなどを見回って頂く、ぐらいしか思い浮かびません。
 いずれ、ダウンロード販売社様が より規模を広げていって下さったなら、更に古い自分の単行本もデータ化される…かも。
 お役に立たない事で申し訳ありません。
ここで、返信に代えさせて頂きました。


2008年8月26日 火曜日

 迷惑メール。

> Subject: 助けてください!伝説の男、会釈山本が来日します!

> はじめまして。いきなりですが、助けて欲しいんです。
> 私は原野恵理子、31歳のOLです。
> 他に頼れる人がいなくて。。
>
> 実は、伝説の男、会釈山本が3年ぶりに
> 来日するという件で困っています。
>
> いきなり会釈山本と言っても何のことやら分からないと思うので説明します。
> 私が以前勤めていた会社の同僚で、全く空気を読まない男性でした。
> 3年前のある日突然海外に行ったのですが、
> その会釈山本が来月来日するんです。何故この期に及んで。。
> 当時私に猛モーションを仕掛けてきていたのですが、
> 今でも忘れずに、連絡を入れてきたんです。
> 何度断っても空気を読まないので諦めずにアタックしてくるんです。
> 私に彼氏がいれば、あの会釈山本も諦めると言ってるので、
> どうか偽装でいいので彼氏のフリをしていただけないでしょうか?
> お願いします。
>
> 会釈山本の伝説について、ほんの少しですが述べておきます。
>
> ・44歳独身、以前の職場ではアルバイト。
> ・もちろん、社員と思われていた。
> ・本人も社員のふりをしていた。
> ・松屋でトロロ単品だけで8時間ねばった。
> ・トロロの器をベロベロ舐めていた。
> ・松屋に出禁にされた。
> ・ラムネが好きでいつもビンを手にしてる。
> ・ラムネのビーダマを取り出そうと3時間頑張る。
> ・結局割った。
> ・過去駅前で配っていたヤフーのモデムを20個ぐらい所有。
> ・本人曰く「断らない俺のダンディズム」
> ・昼食をどれにするか長時間悩む。
> ・悩んだ果てに日替わり定食。
> ・本人曰く「ボヘミアンな俺のセンチメンタリズム」
> ・アフロを禁止されて翌日にはスキンヘッドに変更する等やることが極端。
> ・海外に行った理由は、自分探し。
> ・カラオケでは宇宙刑事ギャバンだけを40回選曲。
> ・「若さ若さって何だ!?」で凄い感情と力を込める。
> ・でも店員が入ってくると歌声が小さくなる。
> ・持ってるカードは楽天カードのみ。
> ・タクシードライバー限定のオフ会に、身分を偽って出席した。
> ・全体的にきこりっぽい、山が似合う雰囲気。でも登山経験は無かった。
> ・雰囲気を買われて登山に誘われ、初登山がサンダルで富士山。
> ・二合目でリタイア。筋肉痛で三週間欠勤。
> ・会釈はあまりしない。
>
> これは、伝説の会釈山本に関する情報のほんの一部に過ぎません。
> もしかしたら、第三者のそちらとしては
> 上記会釈山本情報を読んでも特にどうとも思わないかも知れませんが、
> 一方的に好意を持たれている私としては、非常に苦しい立場にあります。
>
> お願いします。
> 彼氏のフリをしてください。
> 彼氏のフリと言っても、会釈山本本人の前に貴方が登場する等という
> ことはありませんので。そんなハイリスクをおかす必要はない方法があります。
> 詳しい方法は、返信をいただけたら
> 伝えますので、少しでも何かを感じたら
> メールを下さい。協力をお願いします。
> 心から、待っています。
> 私としては、死活問題なんです。


 ネタとして狙いすぎてるなあ、とは思いつつ、下らなさに ちょっと笑わされてしまったのが悔しい。
ラムネの瓶からビー玉を取り出そうとして3時間頑張ったのに、最後は割ってしまった、とかいう辺りの しょーもなさが何だかツボ。
 どこかからパクったネタなのかも知れない。
鉄拳?
 しかし、この文面を読んでナニガシかのメールを返す人間が居るとは思えないんだけど…


2008年8月25日 月曜日

 『マクロスFRONTIER』、ランカ兄が のうのうと生き残ったことで、これから あんまり人死には出さないようにするのかと思っていれば、驚くほど呆気なくレギュラーキャラが死んでしまうのに驚く。
 ハードな方向へ向かいつつある物語の中で、「歌」を通して自ら立ち直り、恐怖に怯える周囲の人々に その力を分け与えるシェリルが、大きな救い。
 ちょっと子供っぽいぐらい、だからこそ強く胸を打つ「歌」が持つパワーの信じ方・描き方で、これこそ『マクロス』だなあ、と感動してみたり。

 という所で、どうしようもないぐらい詰まってきたお仕事スケジュールに入ります。
 木曜日…ぐらいにはまた更新できるといいなあ。


2008年8月23日 土曜日

『ひだまりスケッチ×365』08.「お山の大将」

 運動会のお話。
 内容としては、相変わらず取り立てて事件が起きる訳でない日常を描いているので、構えた感想は書き辛い。
好きな作品だから何か言いたいなあ、と思いつつ、「楽しい」「可愛い」「癒される」とか、どの話でも共通してしまう そんな事ぐらいしか。

 自ら進んでチアガールやブルマ姿を披露する、サービス過剰、というより暴走し過ぎの吉野屋先生がイイ。
 この作品世界においても、恐らくは外見的にキレイな部類に入るのではないかと思われながら、コスプレを誰も喜ばず、ヌードのモデルを務めてくれようとするのに歓迎の意を示されないのは、不思議。
クラスには、男の子もいるんだよね?
 「色っぽい女教師」なら男子は好きだと思うし、「真面目でお堅い美人教師」にも引き付けられるだろうけど、「積極的に脱ごうとする、攻撃的なまでに無防備(露出好き・目立ちたがり?)な女教師」相手だと、動物的本能が警鐘を鳴らして敬遠してしまうのかも。
 まあ、とても「萌え」の対象にはならず、深入りすると(相手には悪意が無いまま)破滅させられそうな危険は、感じるかな。



 迷惑メール。

> Subject: 突然のメールごめんなさい。。

> 23歳渦巻凛子といいます。
> 今年から大学の教師として働き始めました。
> 実は相談がありましてメールしました。
>
> 当時田舎から出てきたんでお金が無かったので、
> 大学には内緒であるお店でアルバイトをしていたんです。
> 後ほどわかったのですがその店のオーナーが教え子の父親だったんです。
> その教え子がかなりの問題児で私が働いてる事を知ってしまってから
> 私の言う事を何も聞かなくなってしまって…。
>
> 私も若い頃は問題を起こしてばかりいたのですが、
> 学生時代に担任の山口先生に助けてもらい更正できて
> 今ではそれがきっかけで教師の道を歩むようになったのです。
> だからこの生徒をどうしても助けてあげたいのですが、
> アルバイトしてた事がバレてしまうと学校にも
> 居られなくなってしまうので何も言えないんです!
>
> …どうしていいのかわからないんです!
>
> ご迷惑でなければアドバイス頂けませんか?
>
> 凛子


 なんで「渦巻」なんていう、かなり珍しい姓に設定したんだろう?
 23歳で大学教授になるのは、相当難しいような。
凄く頭が良い設定なのか…
 教え子の話みたいだが、相手は大学生なんだし、「問題児」とか言われても。
大学生は、「先生の言うことを素直に聞く」とかそういう年齢でもないような。
 生徒を助けたいなら、もっと悩める年代である中・高校の教師になるべき。
いや、大学生だって悩むんだけど、ある程度は自分で自分の人生を考えられる・決められる年齢だからなあ。
 バラされたら困る内容のバイトをしていたけど、それを脅してきている生徒に口止めをした上、教師らしく助けてあげたい、ってのがまた、凄まじく身勝手。

 という事で、スパムとしても適当すぎ。
「適当すぎて逆に気になる」部分はあるから、アリガチな「逆援助交際であなたに月100万円差し上げます」とかいう文面よりは、印象に残るけど。


2008年8月22日 金曜日

『魔法遣いに大切なこと 夏のソラ』07.「岐路」

 「魔法はただの方便で、描きたいのは青春群像劇」というのがこの作品の目指す、本来の方向性なのだと思う。
前回、今回と、悩んでみたり挫折したりというドラマを描き、「いや、それ以前に問題が山積みで…」というレベルから、「描かれた内容の善し悪し・浅い深い」を語れるようになってきた。

 …それでも、何のデータも与えられないまま消し炭から元の形を復元して見せたソラ(しかもそれが驚異的だと周囲から評価される訳でもない)を見ていると、手書き文字ぐらい再度の魔法で復元できるんじゃないの?と思え、次の現場での失敗も「精神的動揺が続いており集中できない」のか「そもそも彼には大した魔法力がない」のか、分からない。
 ソラと豪太の力の差なら分かるんだけど、彼女と その他キャラの違いは分かり辛く、ソラが内在するパワーについても、新人のレベルを超えて凄いのか、これぐらいは他キャラも出来て当たり前なのか分からないため、依頼に対して使える魔法力の限界ラインと同じく、どの辺りを基準と考えれば良いのか理解が難しい。

 依頼者の理不尽な言い様に対し、ひたすら低姿勢な魔法遣い。
公務員や、普通に仕事を請け負う業者でも、こんなにペコペコする人は珍しいような。
 研修中だ、という事もあり、殊更イヤな目に遭わせている?
 物理法則さえ軽くねじ曲げてしまう魔法遣いが、怒りに任せてその力を振るえば、依頼人を消し去ったり街一つ壊滅させたり、あるいは人類社会に巨大な損害を与える事態を引き起こすことも考えられる(何が起きようが、また魔法で回復可能な世界には思えるけど)。
そのため、理不尽な言い掛かりに対しても「怒りを抑える」「ひたすら謝る」「悪いのは全て、依頼に的確に応えられない私ども魔法遣いで御座います」の精神を体に叩き込み、それに耐えられない人間は「魔法遣い失格」として生涯魔法から遠ざける(力を剥奪する?)ことで、世界の秩序を守っている、とか。

 挫折しかけた同級生が、周囲からの、主にツンデレっぽい女子からの言葉をもって立ち直る(…んだろう)、青春の話としては別段 悪くない。
 熱を出して倒れるソラ、という部分が何故入っているのか謎だけど、これは次のドラマに繋がっていくのかな。
豪太へ、クラスメート女子が抱く気持ちにフラグを立てるのに邪魔だった、って部分も?


2008年8月21日 木曜日

『コードギアス 反逆のルルーシュR2』19.「裏切り」

 ゼロの正体がルルーシュだという事が公にされ、それでも彼の味方をしてくれそうな勢力は…ごく僅かに。
 激昂したルルーシュから酷い言葉を投げ掛けられたことで、てっきり逆上して敵に回り、「兄さんを殺してボクも死ぬ」ぐらいは言い出すかと思われたロロが、命を賭けて「兄」を助け出すのに驚く。
 親子・兄弟など、血の繋がった人間の関係がドラマの大きなテーマになっている この作品だけど、その多くは必ずしも幸福な形を維持できているとは言えず、その中では、「嘘」の兄弟であっても その信頼に殉じたロロは、純粋であり一途、幸福でさえあったのかも知れない。

 ここからルルーシュが逆転する方法は、カレンやジェレミアを駆使することか。
C.C.の回復を待って戦力に加えることも重要。
 皇帝が、ルルーシュ母の件で怨みを向けられるべきでない理由を持っており、「悪」でもないとすると、彼と共闘する手も?
こうなっては、日本の状況などルルーシュにとって余り価値の無いものだろうし。
本性を剥き出しにしたシュナイゼルと、ルルーシュ・皇帝軍の戦いが…うーん、そんなアホみたいに単純な話にする訳がないな。

 何か吹っ切れたか壊れたように笑い始めたスザクは、どうなる?
ダークサイドに転ぶのか、「全てルルーシュが悪い」というような責任転嫁(とも言えないけど)により、復讐の鬼となるのか。

 それにしても、このアニメは「失っていく」物語だなあ。
 公式サイトでナナリーが「死亡」扱いになってるんだけど、まさか?
いくら何でもアレで退場じゃ、寂しすぎる。
 ユーフェミアを奪ったルルーシュと、ナナリーを殺したスザク…失った大きなモノが対になっていて丁度いい、とは言えるけど。

 展開が更に読めなくなってきて、次週が楽しみ。



 HDDを換えたので(正確には、桂騎先生に換えて頂いたので)、現在VAIOは好調に動作中。
ここが原因なら、今後はずっと…次にどこかが故障するまで、普通に動くはず。


2008年8月20日 水曜日

『仮面ライダーキバ』28.「リクエストD.C. 時を変える戦い」

 過去へと旅立った名護の暴れっぷりに、大笑い。
未来から来たことをペラペラ喋るなんて、時間旅行者の風上にも置けない(笑)。
 この後に起こることを予言するか、青空の会の秘密を暴露することで、未来から来た事実は ある程度 証明できそう。
会としても、ファンガイアなんて摩訶不思議な怪物に対し、イクサなどオーバーテクノロジーを用いて戦っている訳で、「時間旅行」だけは信じられない、という理由が無かろうし。

 音也からイクサを取り上げるため、とはいえ、女性を人質に取る名護のヒキョーさが情けなくて、笑う。
いい歳して初恋もまだだった、という寂しさ。
元の時間に戻っても、音也に言われたことを根に持って(?)、キメのセリフに混ぜてくる執念の強さが、楽しい。
 こういう どーしよーもないキャラを描くのが上手いなあ、脚本氏。

 しかし、「時間物」としては食い足りない終わり方。
 会に怨念を抱くはずだった芸術家を助けたんだから、現在では逆に「最大の理解者・財源になっている」とか、時間改変の結果を分かり易く見せて欲しかったところ(彼は、怒りの原動力が無くなったので、芸術家としてフツーに生きている?)。
 名護をイジる方に注力しすぎて、時間テーマの旨味である小ネタや大ネタの仕込みに気が回らなかったのかな。



 VAIOが壊れちゃった話、その続き。
 こんな話、読んでて面白いかどうか分からないけども、まあまあ、個人的覚え書きとして。

 どうやっても画面に「VAIO」と表示された所から動かなくなったため、内部のHDD(二台を一台として扱うRAIDという形式)を取り出し、ヨメが使っていたPCに突っ込んで、掲示板で教えて頂いた「knoppix」というモノで立ち上げ、どうにか一部のデータを掬い上げる事に成功。
 HDDの中身が読める事から、マザーボードの故障ではないか、と素人判断。

 それ以上は手の打ちようが無いため、先週火曜日、SONYサポートに電話。
サポートへの電話は繋がり辛いと聞いていたけど、特に問題なく掛かり、症状を説明したところ、木曜日にPC梱包の箱を持った宅急便業者を差し向けて預かる、という事。
 急いで直して欲しいんだから、翌日の水曜日にでも取りに来てくれれば良いのに…と思ったが、お盆でもあり仕方ないかと思い直す。
預けるだけで二日後になるのでは、故障箇所を確認してくれるのは早くて土曜日?いや、土日は休みかも知れないから、最短でも月曜かなあ、などと考えていると、次の日の金曜日にもうサポートから電話。
 また、素早く見てくれたモノで。

 サポートの意見。
「HDDを、テストのため備えてあるモノに取り替えたところ、問題なく起動します。だからマザーボード等の故障ではないと思われます。元から積まれているHDDを見たところ、電源部分が破損しており、これを故障原因と考えるのが妥当。電源部分が壊れている以上、このHDDで起動テストを行うと、中身が全消去される危険性が高いですが、それでも起動を行ってみて構いませんか?」

 …構いませんか?と聞かれれば、そんなの嫌!としか答えようがなく。

「修理としては、現HDDは直しようがないので、新しいHDDにWindowsXPやVAIO購入時に入れられているソフトを全部入れて積み替え、使える状態にして返送する、という方法が考えられます。旧HDDも、勿論 同梱して お返しします」

 ああ…それは良いかも。ところで、その場合の修理費はいくらですか?

「72500円になります」

 ……高い!新しいPCが買える!
それで、これまで使っていた環境がそのまま帰ってくるなら考えるけど、要するに72500円出して4年前のVAIOを買った、というような事になってしまう。
ヤフオクで、同型中古が 遙かに安く売っているのを見ても、無駄。
 また、市販のHDDとXPを購入して自分で新しい環境を作っても、コレよりはずっと安く済むし。
 取りあえず無修理での返送を希望。

 VAIOは、行きと同じ宅急便を使い、一昨日、月曜日にウチへと届いた。
ちなみに、HDD交換を行う場合には、到着は火曜日を予定している、との事だった。
 お盆の時期でもあったのに、電話を掛けてから一週間ぐらいで修理を終えて返送してくるのは、まずまず頑張ってるんじゃなかろうか。
電話の応対も丁寧だったし。
 いや、「SONYのサポートは最悪だ最悪だ」と聞いていたので、そんなに悪くないなあ、と。
 「修理費72500円」が最悪と言われれば、確かにそうだけど。

 何もしてもらわなかったので、修理費は無料。
「直さなかったのはお客様の都合なんだから、技術料としていくらか頂きたい」とか言われるかと思っていたため、嬉しい。
 更に…ええと、事務的なミスじゃないよね?驚いたのは、専用のダンボールを構えた宅急便業者を通じてサポートとの間を往復させた送料、これが全部 無料だった事。
それぐらいは当然こちらの負担になると思っていたので、ビックリ。
 修理代金に上乗せするのが普通のため、修理無しで返却の場合は こうなるのかな?


 帰ってきたVAIOに、取りあえず通電。
コミケのため上京中の桂騎魔夜先生(PCに詳しい)がウチに居たため、症状を見てもらい、善後策を教えてもらおうと思って。
 電源スイッチを入れると、「VAIO」の文字が表示され…そこまででやはり画面は止まり…





 あれ?Windowsが起動するよ!?
 全く問題なく起動完了、HDD内容を普通に認識するし、ソフトも使える。
異常なし。
 えーーーーーーー?????

 いや、いや、いや、分かります、分かりますよ。
クドクド読まされてきたこの文章はなんだったんだ?とか、「パソコンのコンセントはちゃんと刺さっていましたか?」「モニターの電源は入れてましたか?」「義務教育は終えてますか?」「さっきから探しているメガネって、その頭の上にチョイと上げているヤツじゃありませんか お爺ちゃん?」とか言って飛龍 乱のボケ具合を確認したくなる気持ちは、よく分かりますよ。
 違いますって、何やっても立ち上がらなかったんだから。
内蔵HDDを一度取り出して、元に戻しても変化なかったし。
SONYもHDDの破損を確認してる訳で。

 じゃあ何故 直ったかというと、それは謎。
本当にHDDの電源部分に損傷があるとすれば、宅急便で送ったりイロイロやっているウチに、たまたま今、接触状態が良くなっているとかそういう。
 まあ何であろうと起動したのは目出度く、慌てて内部データ全てのバックアップを取る。
ふうううう、一安心。

 それから、何度も終了・起動を繰り返しているけど、無問題。
 対応に困るなあ…取りあえず、PCに強い桂騎先生が居る内に、新しいHDDを入れて中身を全部 移し替えてしまおうか。


2008年8月17日 日曜日

 コミケ三日目、終了。
 お陰様で本は売り切れ、仕事に戻るべく、早めに会場を出ることが出来ました。
 今日は比較的 涼しかったので(二日目も参加された方は、皆、口を揃えて「昨日に比べたら天国だ」と仰ってました)、体力の消耗が酷くなくて済み、知る限りコミケの次回開催に影響を与えるような事件も起きなかったようで、何よりです。

 ウチの同人誌、「入稿ミス」なのか「印刷ミス」なのか、まだ確認が取れておりませんが、裏表紙が真っ白の状態で刷り上がっておりまして、どうにも不細工なことで、申し訳ありません。
 次回は、もっと気を付けて本作りに当たりたいと思います。

 ヨメが欲しがっていた同人誌について、ですが、開場後スグぐらいで、親切な友人が「所用があって、館の間を往復することになるから、ついでに買ってもイイですよ」と言って下さり、ご好意に甘えて、無事 入手できております。
 スペースを訪れて下さいました何人もの方から、ご心配・ご配慮のお言葉を頂きました。
誠にありがとうございます。
人の情けが身に染みます。

 帰宅してすぐ、さすがに疲れていたのか倒れるようにして眠ってしまいましたが、いくらか体調が回復した形で目覚めましたので、商業誌仕事に戻りたいと思います。
 水曜日には、また更新が出来ると…いいなあ。


2008年8月16日 土曜日

 明けて日曜日が、自分達の参加するコミケとなります。
 昨日も書きました通り、既刊コピー本の再録が大部分ではありますが、新刊…出ているはずですので、何かのついでにでも是非お立ち寄りください。



 終戦記念日にテレビ朝日が毎年放送している、野坂昭如原作・戦争童話アニメ、今年は『キクちゃんとオオカミ』
 ソ連軍参戦、日本軍の撤退を受け、必死に満州から抜け出そうとする日本の民間人達。
その中に、事情があり、一人置き去られる幼女の姿が。
 彼女と、年老いた狼が出逢い、そして……

 「置き去られていった事実の認識も出来ないほど幼い、命を守る手段を何一つ持たない幼女」と「飢え、老いた狼」という取り合わせがツボで、所々ホロリ。
 とても助かるとは思えない絶望的な状況で、描かれる一人と一匹の関係が、胸を打つ。
 最後の最後に、かつての力強い勇姿を取り戻したかのような狼に、またホロリ。
 狼役の野沢 雅子が、さすがの演技力で物語を盛り上げる。

 ラストは、うーん、「良かった」とも「不幸だ」とも単純には言えない、現実に多くこういう子供達を出している事からも複雑な気持ちを残す終わり方。
 このアニメを見ていた子供が、「女の子は、あの後お母さんに会えたの?」とか聞けば、親子の間で「戦争」を話し合う切っ掛けになったかな。
そういう意味でも意義のある作品だろうか。


2008年8月15日 金曜日

 コミケ。
 今回は、珍しく ちゃんと印刷屋さんに刷ってもらった形で、いつものようなコピーでなく、本が出ております。
…多分、印刷屋さんが投げ出してさえいなければ。
 といっても、内容は ほぼ、これまで出しましたコピー誌と余所様の本に描いた原稿の再録、ですが。

 気が向かれましたら、8月17日(日)・東地区 プ-25b・白昼書房までお越し頂けますと、大変に嬉しいです。
 商業誌の締め切り進行が重なっておりますので、午後の遅い時間になると、引き上げている可能性が高く、申し訳ありませんが大手サークル様を回る途中にでも、お立ち寄り頂けますと助かります。


2008年8月14日 木曜日

『ストライクウィッチーズ』06.「いっしょだよ」

 今回は、電波少女…といっても電波受信の能力を持つ少女・サーニャと、タロット占いを得意とするエイラを紹介。
 能力と、ひどく大人しい性格付けが印象的なサーニャに比べると、エイラはまだキャラの立て方が弱いように感じてしまうが。
エイラは、「サーニャに対して女の子同士以上の気持ち」を持っているように感じられ、そこいらを「おっぱい大好き」な芳佳と、いずれ深く理解し合うようになるのか競争相手になるのか…で、また性格付けていくのだろうか。

 サーニャの電波受信能力、得意な歌、その要因となった父親のピアノ…設定が上手く混ざり合い、「誕生日」というイベントも絡めて、キレイに戦いを終えてみせる手腕が見事。
 「居るのか居ないのか分からない」と言われるサーニャに訪れる「奇跡」、ではなく、彼女を大事に思う人から寄せられる「気持ち」。
重ねて、父親を失った芳佳も既に誕生日を祝ってくれる仲間を持つ、と示す、重ね方がイイなあ。
 バトルシーンに どこか『トップをねらえ!』を思い出してしまうのは、個人が抱える事情と、戦いの内容と、掴む勝利に関連性を持たせていく作り方が似ているから、でもあろうか。

 女の子達が持ち寄る、「夜間飛行」に向けての飲食物へのリアクションに、各個人の違いが見えて楽しい。
 物語の進行とは直接関係ないエピソードを加えてくる辺り、余裕あるなあ。

2008年8月13日 水曜日

 更新の間が空いてしまいました。
 掲示板には泣き言を書いたのですが、メインで使っていたVAIOが壊れて、立ち上がらなくなってしまい、呆然としつつ、無くした進行中の原稿データを諦めきれずに、何とか取り出せないか あがき続けておりました。
 数日の苦闘の末、VAIO自体はBIOSから反応しないので お手上げですが、データは一部のみ吸い出すことに成功し(掲示板で対処情報を教えて頂いたお陰です。ありがとうございました)、一安心…しかし、そこまでに費やした時間により、全てのスケジュールが悲惨なことに。
とほほほほほ。

 まめにバックアップを取っておかなかった自分の迂闊さを悔いるのみ。
皆様は、どうぞ気を付けて。
 VAIOの修理は、「最低でも」四万五千円かかるとサポートに言われ、また、とほほほほ。
新型のPCに買い直すべきかどうか、迷う値段。
でも、救いきれなかったデータや、各種設定が惜しいので、仕方ない…のかな。


2008年8月9日 土曜日

『マクロスFRONTIER』18.「フォールド・フェーム」

 歌姫としての人気をランカに奪われ、体調は悪化して、ただ歌うだけの事も出来ず人々から忘れ去られていく不安に怯える、失意のシェリルに対し、止めを刺そうというのか冷たい真実を突きつけるグレイス。
 しかしグレイス、「大丈夫、誰もあなたの事を忘れたりしないわ。今は体を治す事だけ考えなさい」とか何とか、差し障りのない言葉で なだめ、誤魔化す事も出来たのでは?
それで納得してくれる大人しいシェリルではなく、用済みの相手にこれ以上 時間を取られる必要を感じなかったので、立ち直れないぐらい力一杯突き放したものか。
 そうなると、あの惑星壊滅の際、シェリルも一緒に殺そうとしていたのは、「真実を知らせず、歌姫のまま逝かせてやろう」という「優しさ」だったのかも。

 歌姫と一般庶民、だったシェリルとランカが、その立場を全く入れ替えてしまう。
自分が「作られた偶像」だったと言われ、歌への自信を否定された上、死への不安まで近づいているシェリルの方が、ずっと悲惨か。
 まあ、ランカだって自身の存在への不安があり、戦いに「利用されている」ような扱いで、何もかも満たされて幸せだとは言えまいが。

 シェリルの「大丈夫、私はシェリル、シェリル・ノームなんだから」というセリフが、これまでと全く違った意味に聞こえてくる、構成の妙。
 ここから、復活に向けて昇り始めるのだろうが…「死」はどうやって回避するんだろう?
バジュラが持つ「ダメージを学習し無効化する」能力を彼女に移植し、体を無理矢理 正常に戻すとか。


2008年8月8日 金曜日

 迷惑メール。
 出オチというか、タイトルが全て。

> Subject: 子宮温暖化って?

 中身はフツーに迷惑な内容。
せっかく馬鹿タイトルを考えたんだから、そこに関連づけて何かしら面白い文章を考えて欲しかったな。
 しかし…「子宮」温暖化は…
冷やすのはあんまり良くないと思うので、暖かくしておいて正解じゃなかろうか。



『セキレイ』06.「出雲荘花軍」

 次々、自分のセキレイを増やしていく皆人。
優れた戦闘能力と意志の強さを持つ月海が、今回は毒牙に。
 彼のセキレイは、これまで、自らの意志で進んで皆人の側に居たがったが、月海は最初 強烈に拒絶した事でツンデレ…というか攻略の面白さアリ。
 主人公が示す誠に触れ、恭順の意思を表す月海。
瀬尾が自らを「悪役」とした事で ようやく成し遂げた事だし、大きく工夫のあるイベントを組んだ訳でもないが、その代わり分かり易く、月海の心情変化を理解・納得しやすい。
 途端に「正妻」だとか言い始め、デレデレの おバカさん状態になる月海が、可愛くて可笑しい。

 彼女を加えた事で、これまで何となく調和を保ってきた「皆人争奪戦」にターボが掛かり、結・草野ともに かつて見せなかったような表情を出し始める。
「新キャラをレギュラーに加える」事のメリットは、「既存の人間関係に波乱を起こす」事なので、実に有益な参入だったと言えよう。
 このまま、皆人が果てもなくセキレイを自らの軍門に下し続け、下宿荘を梁山泊として一大勢力を作り上げる…というのでも楽しそう。
ただ、これ以上キャラが増えると、各個人への描写濃度が大幅に下がってしまい、魅力も薄くなりかねないか。


2008年8月7日 木曜日

『魔法遣いに大切なこと 夏のソラ』05.「下北沢」

 消し炭になったモノを、元の形も知らずに復元できる…というのは相変わらず凄い魔法力だけど、まあそういう世界だと割り切り。
 自分の力だけでは失敗しかけた魔法のため、自信を失いそうになるソラに、指導教官らしく砕けたアドバイスを与え、気持ちを上向きにする誠一郎。
前回のエピソードを受けてか、随分機嫌が良くなっている豪太と、いつの間にか仲良く会話できるようになっていたりして、今回は特別問題なく、心地良く見られるなあ、と思っていた。

 えー、意識不明が一年とか続いている状態の患者を起こす魔法、なんての、使って構わないんだ。
こんな事が、しかも魔法遣いへの負担は他の軽い魔法と変わらない程度で出来るなら、失せ物探しなんてやってる場合じゃなく、現代医学で治療不可能な患者を救うことを、彼らの最優先業務にするべきでは?
 家族は、魔法依頼をいつの時点で出した?
奥さんが、一ヶ月も寝たきりの状態が続いたら、もう「超絶便利な」魔法に頼るのを考えるべき。
依頼を審査して受諾するまで、タイムラグが相当ある?

 今回の主題は、恐らく「超絶便利に見える魔法にも、限界はある」という事だと思うんだけど、前半で「元の形も知らない消し炭を本来の姿に復元」という事をやっているので、患者の脳内に異常が生じているとしても、「異常が生じる前の状態に復元」して上げれば済むような。
「依頼内容に無い」事ではあるが、前回も厳密に言えば依頼から外れる(のだろう、教官も抗議していたし)部屋の片付けを行っており、その延長線上には、「奥さんを起こして欲しい」→「奥さんを『昏睡状態に陥る前の状態で』起こして欲しい」ぐらいの拡大解釈は問題視されないかと。
 まあ、この辺は制作者の胸三寸であり、「神である私がダメって言ったらダメ」なので、不合理だの何だの言っても意味はないが。

 目を覚ました奥さんに、旦那も子供も、駆け寄るでも手を握るでも「大丈夫か?気分は?」とか心配して声を掛けるでもなく、彼女が眠っている間に起きたことを てんでに喋っている所から、家族は元々「個性を持つ存在としての奥さん」に余り興味が無く(既に「換え」が存在しているとか)、ソラの魔法は その要請に的確に応えたもの、というようなブラックな話だった?
 そう考えると、前半の消し炭も実は櫛などではなかったのだが、「依頼人が心の奥底で望む最も良い形」を作り上げた、とも考えられるなあ。
 いや、これは単に妄想。


2008年8月6日 水曜日

『ストライクウィッチーズ』05.「はやい、おっきい、やわらかい」

 前回の予告から、水着満載のコミカル話になると思い込んでいたが、まあ水着は出てくるしコメディー優先の雰囲気はありつつも、基本的にはシリーズ前半として堅実な、隊のメンバーを紹介していくエピソードの一本。
 今回は、スピードに焦がれるシャーロット・E・イェーガーと、昼寝好きで いい加減なフランチェスカにスポットが当てられた。
音速の壁を破る飛行士の名前は、やっぱりイェーガーだよね。

 フランチェスカの適当な飛行メカ修理が描かれたため、それを原因としてシャーリーが戦闘中危機に陥り、そこを芳佳が助けて勝利を掴む…というパターンで来るものと予想していた。
「何が良かったのか、飛行メカは絶好調になり、音速を突破」「勢いに乗ってシャーリーが(うっかり)敵メカを貫通、そのまま破壊」「芳佳らの活躍は、戦闘終了後、気を失ったシャーリーを助け上げるというそれだけ」の展開は意外。
 少々緊張感には欠けてしまったが、「そんなバカな」と思わせられ笑わせられるコミカルな流れが非常にスピーディーで、気持ち良く見終えられた。

 芳佳は、百合趣味に目覚めたのかな?
自分には無い「巨乳」に対し、憧れているだけ?
 男の子が出てこない作品なので、一人ぐらい「女の子大好き」なキャラが居た方が、ストーリーを転がしやすく、色っぽいシーンも作りやすいか。

 陽光を受けてきらめく海面の作画が美しく、海水浴(水泳訓練)の気分を盛り上げる。
CGで処理している部分もあったけど、やっぱり上手い人が、気合いを入れて描いた水の表現は、絶品だなあ。
 それぞれ走り方が違う少女達の描写。
塀を一挙動で乗り越え、重心を低く沈み込ませた着地体勢から、強靱な足のバネを用いて起き上がりざま、加速を付けて駆け出すシャーリーの動きの捉え方、超音速を体感させるスピード表現など、演出・作画ともに充実した話だった。



『ワールド・デストラクション 世界撲滅の六人』05.「漢には二通りある」

 旧友と再会するトッピー。
 妙に可愛らしい姿のクマ二人に、アムロとシャアの声で喋らせてしまう、狙ったキャスティングによる強烈な違和感が可笑しい。
 ネタ部分に走りすぎ、二人の友情話がきちんと終わっていないのは残念だったけど、まあ今回は それだけでも良し。


2008年8月5日 火曜日

『コードギアス 反逆のルルーシュR2』17.「土 の 味」

 全てを投げ打ち、スザクにナナリーの事を頼むルルーシュ。
 ひたすら低姿勢に、一切の言い訳をせず、逆に自分の非とばかりは言えないモノまで背負い込むルルーシュの態度が、意外。
相手は、かなり屈折して扱いづらくなっているとはいえスザクなのだし、せめて「アレとアレはコレコレこういう事情だ」と説明して、理解を求めても構わないような。
 しくじる事が出来ない相手との折衝では、真を貫く事こそ最上の策…か。
 父親とスザクの関係も知る(知ってたよね?)ルルーシュとしては、「全ての責任を抱え込んで死のうとしている」自分の姿を晒す事で、彼の譲歩を効率的に引き出せる、と考えての行動じゃないか、とか、ルルーシュに裏の裏を予想・期待するヒネた視聴者としては愚考してしまう。
 「裏切られた」時の傷つきようからして、本当に何の駆け引きも考えていなかったんだろうな。

 それにしても、ルルーシュを信じる・ゼロを頼りにする人々の心を、彼がこれまで裏切って来なかった訳でなく、自分の時は「魔王になる」とか言い出すのは勝手。
…ルルーシュってそういう奴、ではあるけど。
 他の誰から罠を仕掛けられようとも、彼がここまで荒れる事は考えられず。
スザクが彼にとって、どれほど特別な存在であるかを物語る。

 しかし、スザクが、ナナリー保護の条件として、「ルルーシュの拘束と正体がゼロである事の発表」を求めたら、どうしてたんだろ?
「それが出来るなら直接シュナイゼルにでも投降している。そうしないで済まないかと思い、こうしてスザクに頭を下げてるんじゃないか」という事か。
頭を踏んづけられたぐらいでは まだ足りない、勝手な要求ではある。

 スザク、土下座する相手の頭をグイグイ踏みつけるのは、「悪役」の所業だよ。
捕まったルルーシュについて何かしようともせず、ただ流されるままに、ギアスの秘密まで暴露……元々個人的に好感を持てないキャラではあったけど、更に男を下げちゃったなあ。
 せめてその逃走に手を貸せば良かったが、ルルーシュは自らの計略を用いて さっさと脱出しちゃうし(という事は、スザクを信じ切っては居なかった?いや「非常事態に備えて」か)。
 ここから、イメージを挽回するのは大変そう。

 それと、今更ながらこの作品は、ルルーシュが単独ぶっちぎりの主役、他のキャラは二番手にすらなれず三番手以下の扱い、なんだなあと感じる。
 それでも各キャラに魅力を付加できている構成の巧さは、ただもう凄い。


2008年8月4日 月曜日

『仮面ライダーキバ』27.「80`s・怒れるライジングブルー」

 身に覚えのない犯罪容疑で、次々逮捕されていく「素晴らしき青空の会」メンバー。
彼らは、超法規的国家機関…じゃ、無かったんだ。
普通に人間としか見えない姿で暮らしているファンガイアについて、逮捕も裁判も無しに命を奪う仕事な訳で、何らかの強力な後ろ盾がない限り、とても続けられないはずだけど。
 イクサや巨大メカの開発にしても、巨額の費用が必要。
ヒマそうな喫茶店業では、とてもそんな予算は出せない…どころか、赤字経営にも見えるぐらい(掲示板でご指摘を頂きました。喫茶店は会と無関係です)。
 嶋が資産家、あるいはどこかの組織から援助を受けて活動している?(資産家、という設定のようです
 今回、彼らを逮捕した捜査員が、「素晴らしき青空の会」の内実について、知識を持っているようにも感じられた。

 会のメンバーを売ったのは、名護じゃないかと思い、ドキドキ。
前回ラストで、嫌な笑いを見せていたし。
 「私からイクサを取り上げようなどと考える間違った会は、消滅してしまえば良い」とか考えそうで。

 犯人は別にいたけど…ただの画家が、政財界を動かせるほどの力を、20年ばかりで身に付けられるモノなんだろうか?
怒りを原動力とする「凄い芸術」を用いて、地位の高い人間達の間に食い込んで行ったとしたら、逆に「最高のモデルを逃してしまった」事が彼の芸術的才能を開花させた、とも言え、感謝して良いぐらいでは。
 元々巨大な資産家が、余暇に絵も描いていた、ぐらいだった?
その程度なら、こんなに長く復讐を考えなくても。
 まあ、とばっちりで大ケガもさせられたみたいだし(クイーンに惚れてもいた?)、笑っては許せないだろうが。

 過去へと飛ぶ名護。
その方法がしかし、突然現れた次狼(自由に外へ出られたんだ)の導きで、ドラン内部の部屋(キバと和解したんだっけ?)に入れられて、気が付けば過去でした…という、ツッコミ所の多いもの。
 現在の渡の中に、親父の精神だけがタイムスリップ(?)して来たこともあるし、「時間を超える」事は今後、必要となり多用されるイベント(劇場版もそういう内容?)かも知れないが…
 こんな簡単に時を越えられるなら、渡も86年に飛んで、その時点でファンガイアを全滅させておけば、余計な犠牲を出さずに済むような。
ああ、そうするとファンガイアの血を引いているっぽい渡の存在も不安定になり、タイムパラドックスが起きてしまうのか?

 事件の起点となった、画家のアトリエに飛び込んできて御無体な事をしたイクサを待ち伏せる名護だが、どう考えても名護イクサが犯人かと。
 もしそうなら、次狼がやったのは、「会を助けた」のではなく「壊滅の原因を生み出した」事になり、全てを知っていたとすると悪意からの行動に?
 その辺は、次回以降、明らかになっていくのかな。
 疑問は多いが、「時間」テーマを「個人が時を越える」形で活かす物語には、引き付けられるものがある。
 せっかくのイクサ新フォーム初登場が敵のパワーアップや絶体絶命の危機に対応するものでなかったり、渡が幼少時の親友についての話を(伏線なのだろうが)本当に唐突に始めるなど、ストーリー的アラを上げるとキリが無いので、上手く事態を解決してくれるのか不安だけど。

 本編終了後の映画宣伝『電王』ショートコントが楽しい。
 新ライダーを前に、「僕達の方が怪人っぽい」と言い、それらしい唸り声を上げるイマジンズに大笑い。
ゴーオンジャーを真似た名乗りを上げるシーンも愉快。
 攫われたリュウタロスを救い出すべくイマジンズが敵地に乗り込んでいくストーリーで、劇場版が見たいなあ。


2008年8月3日 日曜日

 映画『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』を見る。
 監督は、『ショーン・オブ・ザ・デッド』のエドガー・ライト。
脚本も書いているサイモン・ペグが、『ショーン…』に続いて主演。
相棒のニック・フロストもまた出ているし、実に「気の合うスタッフで作った」雰囲気。

 融通は利かないが、警官としての能力はズバ抜けているニコラス・エンジェル刑事が、平和で穏やかな田舎町に飛ばされて来るところから始まる、ポリス・コメディー。
 ギャグのヒット率は、まずまず。
イギリスの作品らしく、ごく普通にシニカルでブラックな笑いが入ってくるので、日本人としては「ココは笑って良いところなのかどうか…」と思わせられたりする。
 『モンティ・パイソン』の、「バナナで攻撃してくる相手と戦う訓練」を連想する、馬鹿馬鹿しいシーンも。
 監督は、怪獣映画も好きなのかな…?ちょっと中途半端に終わっているが。

 ハリウッドの刑事アクション物に憧れる、デブ相棒の喋るセリフが、そのままパロディーにもなっているんだけど、実は多く伏線になっていて、後半意味を持ってくる作り方など、上手い。
 住民の奇行、ちょっとした会話、探していた白鳥まで、物語に織り込んである作り。
 フツーの住民達の中に、一人、ティモシー・ダルトンが混じっていて、そりゃもうどう考えたって怪しいが、素直な映画ではないので、疑うべきか罠なのか迷わされてしまう。
 物語は、意表を突かれる…ちょっと唖然とする展開を迎えるし、映画自体のジャンルさえ変わってしまうような仕掛けがあり、楽しい。

 馬鹿で役立たずのデブ相棒が、次第に主人公の「友達」になっていく過程の描き方は、感動的。
 この映画から主題を読み取るとしたら、「やり過ぎは何事についても良くないよね、でも、やりすぎるぐらいから楽しくなってくるんだよね」だろうか(^ ^)。
 なかなか面白かった。


2008年8月2日 土曜日

 赤塚 不二夫先生、逝く。
 現在の日本漫画界の…特にギャグ漫画部門において基礎を(現在の作家でも追いつけないほど進んだ発展型まで)築き上げた、巨大な才能を持つ作家の一人。
 『天才バカボン』も『おそ松くん』も好きだったけど、笑いと狂気が紙一重だという事を かなり狂気寄りの立ち位置から描いた『レッツラ☆ゴン』は、凄かった。

 伝説のトキワ荘に暮らした先生方で、ご存命の方が次第に少なくなっていくのは、寂しい。
 心より、ご冥福をお祈りいたします。



『マクロスFRONTIER』17.「グッバイ・シスター」

 やり過ぎぐらいに死亡フラグを立てまくるオズマ。
 攻撃が通じない進化型バジュラの登場、母艦艦橋を守っての被弾、傷ついた機体を用いて行う敵への無謀な接近攻撃…
もう、どの時点で死んでいても不思議ないイベントの連続。
 戦闘終了後、ランカのコンサートをキャサリンと訪れるオズマ。
自分を必要としないまでに成長したランカ、それと重なる幼い頃の面影、途切れていた関係の修復と未来を感じさせるキャサリン、その頃 オズマ機コックピットで見つかる大量の出血痕……
これまた過剰な「もう死にます」予兆で、しかもオリジナルシリーズのフォッカー死亡時と似たシチュエイションのため、さすがに助からないだろう、と思えば………

 ありゃ、アッサリと生き残ってしまった(笑)。
「死亡フラグ」というような作劇パターンをひっくり返す、パロディーみたいな描き方で、笑ってしまう。
 頑張るなあ、お兄ちゃん。
 意外と、この先は誰も死なない?
…と思わせて、悲惨な展開が待ち受けているかも知れず、油断は出来ないけど。

 心を閉ざした幼少時のランカを、懸命に世話するオズマが健気。
 別段オズマは不細工な顔をしている訳でも無し、多少は「お兄ちゃんが一番好き」的ブラコンに育ってやっても良かったんじゃないか、ランカ。
 兄というより「親父」のような外見や思考形態をしていることが、敗因?
 ランカも、女性のような容姿をした所謂「男性的魅力」に乏しいアルトに引かれていることから、まだ性的に未分化であり、「汗臭い・荒々しい」男性に価値を認める段階に達していないのかな。
…一生、そういう男性が苦手な女性も多いけど。



『ゴルゴ13』17.「残光」

 大体の話の内容は いつも通りだったんだけど、ラストが…
 あの元捜査官をゴルゴが殺したのは、「脅威になる可能性を取り除いた」という事なのかな。
鋭い眼光を残しつつ、本気で一線を退いた愛妻家オヤジになろうとしていたように見えたため、可哀想にも思うけど。

 ゴルゴは、自分の過去に僅かでも関心を抱いた人間を容赦なく殺したりと、異常・不必要なまでに用心深いので、有能すぎる捜査官に危険を感じたのか。
 元捜査官が、車内で、拳銃を抜きかけた姿勢を取って死んでいた事からすると、例えばゴルゴが車の前に立ちはだかって見せ、それに対し元捜査官が「ゴルゴを避けて走り去る」完全に闘争本能を失った姿を晒すようなら見逃したけれど、「拳銃を抜こうとする」敵対姿勢を見せたので殺した…という事なのかも。

 まあ、ゴルゴは別に正義の味方じゃないし。
 これまで、「ゴルゴなりの殺しの美学」があるものと思い込んでいたけど、彼に対して殺意を抱いていない、ターゲットの乗るヘリのパイロットや同乗者まで、撃墜する事で躊躇いなく巻き添えにして殺してしまう様子から、割にコダワリは無いモノと。
 手持ち銃器による狙撃にも拘らず、戦闘機のミサイル攻撃によって相手の命を奪うケースさえあるそうだし。
 本当に、どうしようもなく必要なら、核を使用して都市ごとターゲットを抹消する事も辞さない?(^_^;)
いや、そこまで実行が難しい依頼なら、そもそも引き受けないか。


2008年8月1日 金曜日

『RD 潜脳調査室』17.「ホーム@ホーム」

 ミナモの祖母が やってきたことを切っ掛けに、珍しく一家が勢揃いする。
 クッキーやカレー(掲示板でご指摘を頂きました。ビーフストロガノフの間違いです)といった、別段 変わったこともないメニューの中に、特別な意味や料理法を混ぜることで「ウチの家族ならでは」のモノに変えていく、「ソウルフード」の物語とも言えるだろうか。

 祖母の特殊な力をミナモが受け継いでいる、と、割に くどいぐらい確認していたのは、シリーズの後半、それが大きな役割を果たす事になるから…?
 そこいらを除くと、淡々と穏やかな日常を描くストーリー。
一工夫するなら、「家族それぞれの業務が大きな一つの事件の一部となっており、祖母の登場(何気ない一言とか)でそれが大きく進展する事により、一家集結が可能になる」とか「ミナモが求める食材を、家族それぞれが(たまたま?探して?)エピソードを絡めて持ち寄る」とかいった仕掛けも考えられたろうが、変に凝らない分 自然で見易かったとも言え、必要ないかな。

 祖母と久島、波留の再開は、「時間」というこの作品の中核を成す要素にアプローチするチャンス…だと思うんだけど、これも実に穏やかに終わる。
 「時間」に最も関わる波留が、失われた自分の人生時間について、悔やんだり取り戻したいと願ったりしている訳ではなく、現在は(シリーズ開始前には苦悩があったように思えるが)静かに受け入れているようなので、波乱を起こし辛いのだろうか。
「オレの人生を返せ返せ」ばかり言ってる往生際の悪い・カッコ悪いジイサンに、ミナモが好意を持つとも思えないけど。


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