ときどき日記 2008/10

2008年10月31日 金曜日

『とらドラ!』05.「かわしまあみ」

 エンディングからして、作品中重要な位置を占める事になるのだろう、川嶋亜美が登場。
 裏表のある性格、だけど、「天使と悪魔」というほど極端な描き方でなく、その分「こんな子が実際近くにいたらシンドイだろうなあ」と感じさせる、リアル気味な問題少女。

 確かに、自分で自分を「天然」と認めるのは、天然でなく偽装モノの特徴。
 それを見抜く実乃梨の、意外な鋭さ。
実は相当に頭が良いのか、今回見られた頭の上の「レーダー状装備」で直感的に本質を看破する才能があるのか。
 懐かしい『ひょうきん族』懺悔室のマネをして(CSの再放送で見た?)、天然疑惑にジャッジを下す実乃梨の動作が、妙に可笑しい。
 実乃梨には不思議な魅力があり、竜児が惚れるのも分からないではないなあ。


2008年10月29日 水曜日

 お仕事スケジュール入り。
金曜日には…何とか復帰したいと思います。


2008年10月27日 月曜日

『機動戦士ガンダム00 2nd season』04.「戦う理由」

 第二シーズン冒頭は、ここまで、世界が置かれている状況と、ソレスタルビーイング再起動の様子が丁寧に描かれており、入り込みやすい。
 スメラギがピチピチの制服姿でブリッジへ正式復帰したのと共に、大体のお膳立ては整ったと思え、これから本筋に入っていくのかな。

 今回、スメラギが示した逆転策は、「ピンチも取りようによってはチャンス」というような精神的なもので、よく考えると余り大した事はやってない…敵側に抜けた部分があった事を見逃さなかっただけ、かも知れないが、「自信ありげに全体の指揮を執る人間」がブリッジに居ると居ないとでは大違い、と感じさせてくれた。
 リーダーに最も求められる資質は、「決断が出来る事」。
その決断が正しいものであれば、なお良い。

 謎の仮面強敵パイロット・ブシドーの正体は?
 いや、トボけるのも難しいぐらいアカラサマなんだけど、仮面を取ったら想像を絶するような人物でした、というサプライズはナシだろうか。
 実は、前世紀のロボットアニメを見てかぶれ、髪を金髪に染め仮面を被った変声期のコーラサワーだった、とか。
アリでもいいな。
 記憶を失って生還し、仮面の変声機能で声を変え、髪の色まで変えて(死の恐怖で「金髪」になって)復活したロックオン兄、アレハンドロ、トリニティ兄二人…大穴で元ブリッジ要員のリヒテンダール・ツエーリだとか。
 クローンで作り上げた若い自分の体を用いて、現世に再臨したイオリア・シュヘンベルグだったり…
 ブシドーの顔だけしか出ていない時点なら もっと勝手に妄想できたんだけど、諸条件考え合わせると全部ムリがあるから、もうグラハムでいいや。


2008年10月25日 土曜日

『あかね色に染まる坂』04.「藍色のマッドパーティ」

 大金持ち・華恋が主催する船上パーティーで巻き起こる、ドタバタ。
 ドレスアップした姿に主人公がドキドキして「女」を意識してしまうのも、厨房のピンチを見事な料理の腕前で救うのも、妹・湊。
 本来のヒロインであろう優姫は、せっかく着替えても主人公から黙殺され(演出的にも「その他大勢」扱い)、厨房に損害を与えてしまい…紅茶の飲み方で上流階級育ちを感じさせるのとアホみたいなタコ(クトゥルー?)の着ぐるみに本気で怯えて大騒ぎする以外、居ても居なくても変わらないぐらい。
 まずは主人公争奪戦最大のライバルになるだろう妹のキャラと優位性をガツンと描いておいて、優姫には後から追い上げさせる心積もりかも知れないが、もう少しぐらいは魅力を描いて上げても…

 パーティー主催者として登場時間が多かった華恋も、「お笑い馬鹿キャラ」としてはともかく、視聴者から好意を得るに足る魅力をアピールできたかどうか疑問。
 彼女は、最初から割に良い子であり、「高慢デレ」の面白さである「取っつきづらい高圧的態度」と「意外な内面の可愛さ」の落差が上手く演出できていたとは、言い難い。
 残りの話数で、また彼女が中心になるエピソードがあるなら、もしくは折に触れての言動や行動で良さを彫り込んでいけるなら、問題ないけれど。

 せっかく湊が用意した料理なのだから、普段から高級料理に慣れている出席者に食べさせ・賞賛の言葉を引き出し、家庭的な能力の高さを実証して欲しかったなあ。
 クライマックスを設ける都合は分かるんだけど、優姫がコケた所で たまたま花火発射スイッチを押してしまい、その火が何故か船内に飛び込んで火事になる下りは、無理がありすぎ。
ショボい戦隊ショーは寒い演出で正しいが、ここは演出パワーを全開にして強引にでも盛り上げ、乗り切って欲しかった。


2008年10月24日 金曜日

『CHAOS;HEAD』03.「接触 contact」

 おっとりとして穏やかな眼鏡っ子少女が、前回、豹変した。
 「萌えキャラかと思って油断していたら…」という描き方は、『ひぐらし…』等でもうすっかり お馴染みであり、それ自体は、何も信用できないこの作品において、意外ではない。
 彼女は、主人公に悪意や殺意を抱いて接近してきた訳ではなく、事件の真相を探ろうとしている…のかな?
背景となっている事情には、興味がある。

 今回、普通の人間には見えないらしい巨大な剣を、少女達が形作ってみせた。
これを使ってのバトル物になっていったりしたら、ちょっとガッカリなんだけど、どうかなあ。

 作品の「視点」となっている主人公が、とにかく妄想がちなため、どこまでが現実で どこからが幻想なのか、判断できず。
部屋でいつも一緒に居る妄想少女のみが「実在」、その他はみんな「幻」という可能性すらあるし。
 何を、どこまで信用して良いのか分からない世界の組み立てようは、視聴者側に想像と妄想の余地を残して面白いけれど、同時に「実はこれこれこういう真相でした」と謎を明かされても「ああ、そう。どうとでも強引に こじつけられるよね」とだけ思われて終わってしまう危険性も、生じさせる。
 取りあえず、主人公がいない場所で起きている事は現実、として、そこを支点に理解していくべきか。



『CLANNAD AFTER STORY』04.「あの日と同じ笑顔で」

 先週のヒロインだったと言って良い渚母・早苗がほとんど出てこず、ガッカリ。
 少女のような外見と、意外に年相応の落ち着きや洞察力を併せ持つ彼女であれば、上手く春原を導いて、今回のような苦労無しでも良い方向へ向かわせられた…かも知れないのに。
それでは、「青春ドラマ」としての骨格がブレるのか。

 サッカー部の扱いが、うーん。
 どうしようもない連中の集まりだ、という事は事前に分かっており、一度の接触で確認までしたろうに、更に春原の部への復帰を強硬に頼むのは、どうだろ。
 主人公側からすると、こういう部に戻ったとしても春原が楽しいはずはなく、すぐまた衝突して部を去る事になるのは容易に想像できるはず。
春原に取り、迷惑・余計なお世話以外のナニモノでもない努力。
 サッカー部からするともっと酷く、暴力を振るって部に迷惑を掛けた男を復帰させろとウルサく言われ、嫌がらせをしても諦めてくれない上、ある所でブチ切れた彼らに部内でまたも暴力沙汰を起こされる、という踏んだり蹴ったり。
腐った部と部員だったのだから自業自得、とも言えるけど、相互に干渉しない事で平和を保っていた関係を壊したのは、主人公の方。
 どうも、このあたりが引っ掛かってしまう。

 物語の勝利条件は、「春原が部に復活する事」ではなく「立ち直らせる事」でもない。
…そもそも主人公達は、そのままの春原で居てもらって何ら問題を感じていないはず。
 「芽衣が記憶する・望む『お兄ちゃん』に一瞬でも春原を戻し、妹に見せる事」これだけが目的。
 どんな時でもアホを貫き、本気にならない春原を追い込むには、合理的手段では不可能で、芽衣による無茶苦茶と言っても良いプランを闇雲に実行してみる事、以外に策を思い付かなかったのかも知れないな。
いや、そういう計算でやってた訳じゃないんだろうが。

 「力一杯殴り合って、それでワダカマリが解け、顔を見合わせて笑う『友情』」を、ずいぶん久しぶりに見たような気がする。
それを、彼ら二人が出会った時の繰り返し、として意味を深め、爽やかに仕上げる手腕が見事。


2008年10月23日 木曜日

『とらドラ!』04.「あのときの顔」

 第二話で行われた、竜児による大河への気持ちの表明は、ほとんど「愛の告白」にも聞こえるものだったと思うけど、意外に大河、そういう勘違いはしないんだなあ。
 仮にそう取っていても、北村への気持ちで一杯一杯なため、竜児を意識するような余裕はあるまいが。

 なんで大河は、そんなに北村が好きなのか。
北村自身は、決死の大河の告白に まるで取り合わないような、人間味や優しさが足りなく見える男なのに…と思っていたけど、なるほど、告白は北村の方が先だったのか。
 断ってから意識をし始め、恋にまで気持ちが発展した、というのも理不尽な話だが、まあ人の心は合理性で割り切れるものじゃナシ。

 大河の心の内側に潜む鬱屈した部分について、北村が力強く肯定してくれた事が「恋」への最初の切っ掛けだった。
という事は、大河が恋し・求めているのは「北村という男性個人」ではなく、「自分が自分であって良いと感じさせてくれた瞬間」の再来なのでは。
 それを、正しい意味で「恋」と言えるのかどうか。
 …といっても、恋愛の初期段階なんか、大体このぐらいの勘違いや思い込みからスタートするものだけど。

 北村の魅力はよく分からないが、超絶元気少女・実乃梨には、確かに惹かれる部分があるなあ。
 断固とした自分を持ち続け(あるいは「生まれてこの方 確固たる自分を持たない」が故の自信かも…)、常に明るく頑張っている彼女は、特に思春期の野郎にとって、眩しく特異な存在だろう。
そこを魅力として恋心が生まれるか、「アイツ何だかウゼエよな」になるかは、受け取る側次第。

 これは、竜児と大河がお互いを意識し始め、存在や気持ちを認め合ったら、終わってしまう作品なのかな。
 そこがゴールだとしても、まだまだ遙か遠くて見えないが。



『ねぎぼうずのあさたろう』02.「出会いの宿場町」

 絶賛するようなタイプの作品ではないと思うが、物語の基本をしっかり押さえた上、キャラの個性に沿ったプラスアルファを乗せていく、とにかく堅実な作りが見易い。

 あさたろうが、ロクデナシの にきちと出会い、裏切られながらも彼を信じ抜く「男気」を見せる。
ここいらは時代劇のパターンに忠実。
 いかにも怪しい にきちを、無条件に信じる お人好し…に思えた あさたろうが、実は寝ている間も警戒心を解かず急な出来事にも的確な対応が取れる鋭さを示し、驚く。
これまで、ネギ畑で呑気に暮らしてきたはずだけど、父親から受け継いだ血なのかな。
 にきちを許すについても、あさたろうのサイフ(母親からの手紙入り)だけには手を付けなかった事から、「まだ良心が残っている」と看破させる事により、単に「お人好しのおバカさん」ではなく、「他者の内面まで見抜く洞察力を持つ」キャラとして描いている。
子供向けアニメとしては、「とにかく闇雲に信じ抜いてやる事で、相手の心を動かした」と描いても特に問題ないだろうが、そこをちょっとヒネる事で、大人の視聴に耐えられる内容に。

 あさたろうを「殺す」気持ちは そう強くないらしい悪役(オトシマエを付ければそれで良いのかな)、対決のコミカルな決着など、ソフトな部分も勿論目立つんだけど、実に、まっとうに、普通に面白い。


2008年10月21日 火曜日

『喰霊-零-』03.「邂逅砌 -かいこうのみぎり-」

 第一話で、主人公…と思われた男の所属するチームが呆気なく全滅。
第二話は何をするのか期待と不安 半々で見たが、「また別のチームが登場してバトルを繰り広げる」という展開に、意表を突かれる。
 新たな隊を構成するキャラクター達より、捨てキャラなのだろう第一話の連中の方が面白そうだったような…
 とにかく、この新チームで本当の物語を始めるのかと思えば、その主役クラスであろう男女がイキナリ死んだっぽい終わり方をして、また意表を突いてくる。
 このアニメは、「一話ごとに新たなチームが登場し、全滅していく、『全滅オムニバス作品』」かと。

 続く第三話では、どんなチームが どういう負け方をしてくれるのかと思いつつ見ると、今回は割合 妥当に「何故こういう事態が起きてしまったのか」を解き明かす、過去話。
 これはこれで別に悪い内容ではないが、一・二話を削り、この第三話をそのままシリーズ開幕に持ってきたら、視聴継続の意欲が現在ほど高かったかどうか、疑問。
妖魔退治物として、取り立てて特徴のない、普通の話だから。
 勿論、この第三話は、衝撃的だった前二話と対照するため意図的に刺激の少ない内容に抑えられているのだし、これを第一話に据えるなら全く違う細工を施したはずだけれど。

 仲良し疑似姉妹に、何があって殺し合う関係になってしまうのか、という興味はあるが…もう、このアニメは、自分にとり「気合いの入ったバトル作画と意外な展開を楽しむ作品」に分類されているので、穏やかな日常は早めに切り上げてくれると嬉しい。
 客は、刺激に貪欲。
 この先、開幕エピソードを越える衝撃を与えてくれるのかどうか、楽しみ。


2008年10月20日 月曜日

『ミチコとハッチン』01.「さらばだ!非情のパラダイス」

 タイトルだけ聞いても、まず内容を正しく推測できないだろう。
自分も、『ちびまる子ちゃん』みたいな作品、あるいは少女向けアニメを想像していた。
 実際は…

 少女・ハナの視点のみで進んでいったなら、名作アニメ路線にも見えたろう。
酷い一家に引き取られた身寄りのない少女が、陰湿に虐められつつ、耐えて耐えて暮らしている様子が描かれるので。
 別視点として、無茶苦茶な行動力を発揮する犯罪者・ミチコを見せられ、そんな素直な作品でない事は すぐ分かるけど。
 また、ハナも、第一話の半ば過ぎではもうブチ切れてロクデナシ一家の長女をボコボコにし、驚異的な忍耐力と それでも曲がらない正しい心根を身上とする名作アニメヒロインとしては失格モノの内面を晒してしまう。
いや、この暴力性が気持ち良かったのは確かだが。

 長女を殴り、アテもなく家出して、帰る場所を失ったはずのハナだけれど、カットが変わると何事もなかったかのようにロクデナシ一家の元に帰り、食事をしている。
 ???一体 何があった?
 暴行を受けた長女としては、「ハナを殺しかねないぐらい酷い逆襲を始める」か「怯えてハナに近づかなくなる」といった反応を示しそう。
リアクション皆無というのは…意図がよく分からない。
 家出したハナを迎えに来た「車の男」のように、この下り全部が夢・妄想であり現実でなかった?

 感情の爆発を経て冷静になってみれば、死ぬほどイヤでも帰る場所は あの家しかなく、帰宅したハナをこれまでに数倍する過酷なイジメが襲い…という過程があってこそ、ステンドグラスを突き破って突入してくる傍若無人の お母ちゃんにカタルシスが生まれる。
 全て妄想の産物だったとしても、それをハッキリさせ「現実には口答えさえ出来ないままのハナ」を見せる事により、お母ちゃん突入を歓迎する舞台を整えられる訳で、ここいらをあやふやにしてしまうのは感心しない。
 実はここで感じた違和感が やがて物語の大きな仕掛けに繋がっていく…という事なら良いけど、単に演出ミスなのかどうか、まだ作品のジャンルも特定できない段階なので、判断できず。

 ちょっと、先が気になる作品。
 視聴継続。



『機動戦士ガンダム00 2nd season』03.「アレルヤ奪還作戦」

 第一シーズンでも大して役に立たなかったと思うのに、飲んだくれで数年間過ごしてきた…と思われるスメラギなんか、連れ帰っても意味があるのかなあ、という疑念に応えたものか、見事な作戦立案でアレルヤ救出に成功。
 これだって、連邦…アロウズが もっと早く、有効に伏兵でも配しておけば、作戦は失敗に追い込まれたかも知れないのだが。
「今期は彼女を有能に描く」というなら、それはそれで結構。

 母艦ごと高速で海に突っ込み、生じさせた津波で警備網を混乱させ、ビーム兵器の効果を分散させる。
エラく頑丈な宇宙船だなあ、GNフィールドがあっても搭乗者への衝撃はどうなってるんだろ、とか思うけど、意外性があるし画面的にも派手で、楽しい。
 年月が成長させたものか、ずいぶん穏やかな性格になったティエリアの、「テコでも動かん!」という叫びも熱い。

 初陣?から狙撃の才能を見せる新ロックオン・ライル。
兄に負けない才能の持ち主だったのか、それだけガンダムの狙撃補助機能が優れているという事か……両方、かな。
 兄の口癖だったセリフを意図して使わせてみたり、当然の反応として初見で きちんと驚くアレルヤに、同様のリアクションを示されすぎて もう苦笑してしまうライル、という描き方により、「よく似た別人が居る」設定をカッチリ固めていく堅実さ。

 襲撃の情報をライルから受け取り、便乗(協力?)して施設を襲うカタロン。
敵陣の混乱に拍車を掛けてくれた訳で、今回は彼我の利害関係が一致。
 ライルをソレスタルビーイングに加えるに当たり、カタロンの存在は「やむを得ないマイナス要因」だったのか「それもまた有効に使えると織り込み済みの背景」か。
 彼の加入がスメラギの考えによるものであれば、「全て私の予報通り(ニヤリ)」も有り得たろうが、刹那では そこまで考えていたとは…

 沙慈の糾弾に応える刹那の、「自分だけ平和なら、それでいいのか」というセリフが、重い。
 かつての、平和に生きてきた沙慈であれば、それ故の反論も考えられたろうが、世界統一政府樹立の「影」により自身が「平和の裏側の被害者」になってしまった現在、少数の犠牲は仕方ない・僕には関係ない事だ、といった言葉は吐き辛いだろうな。
 キャラクターが遠くに散らばりすぎていた第一シーズンに比べ、沙慈、マリナと次々母艦に収容していく事で、ドラマはずっと展開しやすくなったように思える。
両名とも、迂闊に元居た場所へは帰れないはずで、当分はソレスタルビーイングの厄介になるしか。
 マイスター…いやブリッジクルーだったら務まりそうな沙慈はともかく、マリナは どういう役割?
国民から熱狂的に支持されるぐらいカリスマ性があるか、せめて歌でも歌えればなあ(『ガンダムSEED』的な考え方)。


2008年10月17日 金曜日

 お仕事スケジュール入り。
 次に更新できるのは日曜…いや月曜かと思われます。
あしからずご了承ください。


2008年10月15日 水曜日

『ワンナウツ』02.「勝負師」

 今回は、かなり面白かった。
割と何となく やられてしまった一話目のバッター達より、強力な選手が登場し、その強さとプライド故に敗れていくので。
 確かに、これだけの大勝負にしておいて、「フォアボールでした」では、プライドの高い(それだからこそ勝負を挑んできた)プロ野球選手としては納得できる終わり方じゃなかろうな。
勝つためだけに余計なモノを捨てられない人間の弱さ、か。

 第二戦にあたり、選手側の右手首を痛めさせてしまうのは、「第一戦より不利な状況で戦わされている」という事。
 これじゃ普通 負けるだろう、と思われるけれど、こういう勝負物では「不利さを背負っていると事前に描写された方が、勝つ」事になっている。
上に書いた「プロのプライド」で、「当然負けるはずの選手が負けたって面白くない」と、作者は考えるはずだから。
 それを回避するには、投手側も進んで不利を背負う…「三球とも外角高めに放る」と宣言してから投げる、とかしなきゃダメだけど、しなかったからなあ。

 次回、バッターが、どうやって打つのかが見物。
 この際、「根性で、故障などモノともせず打った」でも構わなかろうけど。


2008年10月14日 火曜日

『とある魔術の禁書目録』02.「魔女狩りの王」

 マンションの廊下を舞台に、勃発する魔法(召還モンスター)対 主人公が駆使する無効化能力のバトル。
 炎を操る魔術師と召還モンスターが恐ろしげに描かれており、ギリギリの状況で展開される戦いに非常な迫力や説得力があって、引き込まれる。
 ルーン文字により作られた「場」から外に出られないモンスター、消火用スプリンクラーを用いて逆転を狙うアイディア(コピーのインクでもそう簡単には流れないような)、最終決着を「ゲンコツ」で着けてしまうカタルシスなど、バトルの組み立てが なかなか考えられており、面白い。

 主人公が最後に頼るのは、チビっ子先生なのか。
 何の特殊能力も持っていない人間は、この町じゃ少数?
「こんなに小さいのに(実年齢は分からないけど)、学校教師を問題なく勤め上げている」という事が、既に凄い「特殊能力」だという気はしつつ。



『かんなぎ』02.「玉音アタック」

 第一話は御祝儀作画というか、最初だから特別も特別に張り切った画面なんだろう、と思っていたけど、二話になっても細かく良く動くのが変わらず、嬉しい。
 キャラクターの表情変化や「動き」で見せる演技を割と長いカットで切り取り、実写っぽくさえ感じさせる演出。
 さすがにこのレベルを最終回までキープできるはずは無いだろうが、ドコまで行けるのか、楽しみではある。

 のほほんとしたコミカルな内容は変わらず、だけど、母猫の死と、引き続いて起こる子猫の死が、重い。
これもナギが産土神のポジションから離れ、土地に穢れが溢れた余波なのか。
 「可愛いから飼いたい」という いかにも外見通りの少女っぽい感性と、亡くなった命を体の中に受け容れる「神」としての有り様に幅があり、二重人格は演技でなく本当なのかと。
主人公が、少女像として依代を作った事により、「神」から外れる性格が付与されたものだろうか。

 第一話冒頭で見られた、主人公幼年時代に顕現したナギは、何を依代として実体化したんだろう?
長期でなく一瞬なら元々それを可能とする力があったのか。
 彼女も触れない穢れを無造作に手で掴み、出ていった彼女の行く先を普通に探り当てる主人公こそ、ナギより余程 高位の「神」なのかも。

 穢れにより不幸に見舞われる少年とか、ナギが正しい位置に居ない事により こういう事態が連鎖していくのだとすると、結構 重い話にもなってきそうだが、さすがにそこまではしない…かな。


2008年10月13日 月曜日

『今日の5の2』02.「ネコノテ」「マケナシ」「ボールアライ」「ヌレギヌ」

 「女の子と二人きりで体育倉庫に閉じ込められてしまう」、一般および成年漫画でイヤというほど使われてきた(自分も使った)シチュエイションを、こんな感じで料理するとは思わなかった。
 閉じ込められて「良かった事」を特に描かず、酷い目にだけ遭う主人公が、可哀想。

 この男の子は、性的に未分化…というより、そういう方向に全く関心がないのね。
ブルマドロの意味がさっぱり分からない、ってのは、小学五年生としても遅れすぎのような。
 男子全員を持ち物検査する このエピソードで、最初に「メガネならかけてるぞ」と男の子に言わせ、「お年寄りがメガネを探し回っていたが実はチョイと頭の方に上げたまま忘れていた」というネタを思わせて、「忘れていたけどブルマ履いたままでした」とするオチの伏線としているのが、上手いなあと感心。



『機動戦士ガンダム00 2nd season』02.「ツインドライヴ」

 ロックオン弟を、宇宙まで引っ張って行く刹那。
…しかし、何のために?
 彼自身がソレスタルビーイングへの参加を希望していた訳じゃないようだが。
それにしても、モビルスーツに乗れて、その上 狙撃か、あるいは他のモノでも良いのか、飛び抜けて優れたスキルがないと、連れてきたって仕方がなかろうに。
 理由として考えられるのは、

 ・順当に、弟は特殊な戦闘能力を持っており、新生ソレスタルビーイングに絶対必要な人材だった。
 ・「似た顔の人間が加われば仲間の士気も上がるんじゃねえ?」と刹那が考えた。刹那の気合いで新ガンダムが起動した(単にタイミングが合ったのか)ように、デュナメス後継機の起動には「ロックオンに似た顔とオーラを持つ人間」がアナログな感じで必要かも知れない。
 ・実は、記憶の混乱から自分を「弟」と思い込んでいるだけで、本当は彼こそ すっかり回復した(目も)ロックオン自身。刹那は何故だか一目で見抜いた(実際 弟は居た設定みたいだけど、本物の弟はどこか遠くで何かしているという事で)。

 こんな所だろうか。いや真面目に読まないように。

 失意の内ながら平和に(少なくとも戦いには関わらず)暮らしていたスメラギを、相手の同意も確認せず、正体をバラし、その場には居られなくして連れ出すのも、ヒドい。
大きく戦いを再開するには彼女が必要、と思うからこその行為だろうが、ありがた迷惑のような。
 ところで、組織の情報は今更厳しく管理しても仕方ない?
 刹那は、戦いに他者を巻き込む事を特にどうとも思っていないのかな。
「アナタはこの戦いに関わらない方が良い」と考える素養がない、というか。

 次回は、アレルヤを奪回するのか。
 長い・シンドイ拘禁生活だったかと思うけど、その辺は人格にどういう影響を与えてるんだろ。
第三の人格ができていたり。


2008年10月12日 日曜日

『ケメコデラックス!』02.「小林家の人々」

 今回は、ネタの膨らまし方や暴走加減が良く出来ていて、原作既読者にも面白く見られた。
 イメージとして、「だんご大家族」とか『絶望先生』の一場面が、パロディーと言うには余りにもそのまま使われていて、驚く。
権利関係はオッケーなんだろうか、などと余計な心配をしてしまうぐらい。

 主人公妹が抱える精神的鬱屈を具体的に描き、それを原因としての兄への暴行がある、としたのは分かりやすい。
 延々と続く主人公母と担当編集のネジが外れた会話、ロケット誤作動による危機の描き方、街の上空を華麗に飛ぶケメコの「変」だけれどファンタジックな映像、等々、付け加えた部分が面白さを加速する役割を果たしており、感心。

 今回、脚本・絵コンテ・演出を手掛けたのは山本 寛
 このレベルを保ってくれるなら、シリーズの最後まで視聴を続けたい。
 山本 寛は、同時期に『かんなぎ』の制作へ入っていたと思われ、どのぐらいこちらに関われたのか不明だけど。



『ねぎぼうずのあさたろう』01.「旅立ちのとうげ」

 絵本が原作みたいだけど、当然ながら未読。
 イメージは『アンパンマン』…いや時代劇だし『ぜんまいざむらい』?
ちょっとライトにした任侠モノのフォーマットに、擬人化野菜キャラクターを突っ込んだ内容。
 畑に生えているネギが、「作物」ではなく「一家族」扱いされていたり、同じネギでも意志があるモノと無いモノが居るようだったり、現実に引き付けて考えると「???」だけど、とにかくそういう世界だと納得しないと一歩も先に進めないので、考察停止。

 村娘に非道を働くヤクザな連中を相手に、平和に暮らしていた あさたろうの怒りが爆発し、それを原因として村には居られなくなり、旅立つ。
 「ネギだ」という事を忘れれば(人間らしいキャラも妙な顔をしているし、見ていると後半、忘れそうに)、昔ながらのキッチリした筋立てに則っており、勧善懲悪・男の旅立ち・義理と人情といった安定したストーリーに引き込まれてしまう。
 実写時代劇が苦戦している現状、日本伝統ドラマとしての「任侠物」を、こういう形で子供達に見せるのも、良い事じゃなかろうか。

 作画は安定しているが、女の子は「萌え」とかと程遠く異次元の顔をしており、登場キャラクターは皆 濃すぎて『アンパンマン』のような可愛げに欠けているけれど、そういう事とは関係なく、楽しい作品。
 しばらく見続けてみようかな。



 映画『ウォンテッド』を見る。
 監督は、『ナイト・ウォッチ』(未見)のティムール・ベクマンベトフ。
 運命に導かれ、暗殺組織と関わる事になってしまう青年の物語。

 こういう物語に対してよく抱く不満、「主人公が過ごしてきたはずの日常描写が薄い」「葛藤が弱い」「突然強くなりすぎる」といった所に、割と細かく目が行き届いており、好み。
 特に日常に関しては、ウンザリするような最悪の暮らしを強烈に描き出す事で、短時間のウチに「もう結構」という気持ちにさせてしまうのが上手い。
そうであったからこそ、捨てていく瞬間にカタルシスも設定できる訳だし。

 余計なモノを徹底して排除してある映画、でもある。
 アンジェリーナ・ジョリー演じる女殺し屋など、つい、内面をもっと彫り込んだり、主人公との間に生まれる恋愛感情を描きたくなりそうなものだけど、必要最低限に留めている。
 その他の殺し屋なんか、「殺人技能」だけの存在だし、組織の成り立ちや現状についても見せ方は相当 端折り気味。

 物語自体は、こういう映画としてのパターンに、ある程度 則っている。
大きなヒネりがあり、気楽なハッピーエンドに「しない」作り方には、驚かされたけれど。
 そうして描かれていくのは、ウソや贅肉を全部削ぎ落とした後に残る、一人の男の本質。
 日常を失い、非日常も失い、頼るモノは「本当の自分自身」のみ。
でも…何だか楽しそうですらある。

 そんなデタラメな!が連続するアクションの映像が、鮮烈で面白い。
 『ドラゴンボール』仙豆を思わせる超回復湯とか、超長距離狙撃用銃弾といった無茶な設定も、愉快。
 何故だか爽やかな、ちょっと考えさせられる終わり方が印象に残る、「好き」な映画。


2008年10月11日 土曜日

『CLANNAD AFTER STORY』02.「いつわりの愛をさがして」

 春原がウソの彼女候補を探し回る、気楽な笑い話。
女の子達の反応が、「いかにも」で可笑しい。
 春原も、黙っていれば顔立ちは悪くない訳で、そんなに嫌われるはずないんだけど。
軽い上に「アホ」な性格が、最大の問題か。

 最後に辿り着いた彼女候補が、渚ママ、というのは好みの展開で結構。
 キャラクターデザインとして、もうちょっと年上に見えていれば、より楽しかったかなあ。
どう見ても「姉」程度にしか思えない顔形に描かれているので、ギャップの面白さが出ない。
学校の制服を着て見せても、余りにも自然だし。
 「色っぽい人妻の学校制服姿」というのが、(通常有り得ないシチュエイション、という意味で)個人的に好みだけど、作品の元々のファン層に合わせるなら「少女にしか見えない母親」の「違和感ない制服姿」とした方が、受け入れてくれやすい…のかな。

 しかしこの話、二話にまたがるとは思わなかった。
 妹のリアクションを含めても、もうそんなに描く事ないような。


2008年10月10日 金曜日

 映画『アイアンマン』を見る。
 監督は『ザスーラ』のジョン・ファヴロー。
主演・ロバート・ダウニー・Jr。

 余り日本では馴染みのないヒーロー。
自分も、デザインを何となく知ってる、ぐらいの知識。
 予告等で得た情報により、「兵器を売りさばく会社の社長が、自分がゲリラに掴まってヒドい目に遭ったのを切っ掛けに、『やっぱり兵器は良くない』と思い直してヒーローになり、戦う話」だろうと予想し、それはあんまりに身勝手なストーリーじゃないか?それが何で全米大ヒットになってるんだ?と思いつつの鑑賞。
 ところが実際に映画を見てみると大違い…ではなく、ほぼその通りの内容だったのが、驚き。
 主人公をヒーローにしていくための仕掛けが、もっと幾重にも張り巡らされているのかと思った。
 さすがに、「主人公は発明バカ一代であり、邪気がない」のと「ゲリラ基地からの脱出にあたり、犠牲になった人間の命が人生を変える大きな契機になっている」という、納得できなくもない理由付けはあったが。

 ただ、主人公に邪気がないとは言え、「成金趣味全開、女はべらして楽しそう」であり「戦場にまで出掛けて武器のプレゼンを行い、その効果にご満悦」といった、イノセントなキャラクターにするには引っ掛かる部分も描いているが。
 まあ、汚れ一つない人間でなければヒーローになれないルールがある訳でなし、アメコミキャラがヒーローになるお約束である「ごく親しい人間の死」イベントの洗礼を受けている事で、もう十分か。

 真面目な作りではあるけど、大分コメディー…というかギャグ寄りの部分も。
 やたら大きかったスーパーエネルギー発生器を、設備もロクに無いゲリラ洞窟でチョイと超小型化・製造してみたり、ミサイルに見せかけてパワードスーツをつくっている所なんて「気付かれるだろフツー」というツッコミ待ちとしか。
 胸のエネルギー発生器をお姉ちゃんに交換してもらうのは良いけど、体の中に手を入れるのに、石鹸ですら手を洗ってないだろ!
 アイアンマン制作・失敗風景には、大笑い。
 機械の助けを借りて格好良くスーツを装着する主人公だが、脱ぐ時には(衝撃で歪んでしまったのか)機械に手足を引っ張られながら「痛い痛いソコ痛い」とか大騒ぎ。
 ちょっと間が抜けていながら忠実な機械アーム君達は、もうちょっと押し込んでくれたら泣けるキャラになったかも。

 こうしてコミカルに描かれていくドラマだから無理もないけど、兵器販売…戦争自体の影の部分には、ほとんど踏み込まない。
 主人公の販売した兵器は正しく、米軍も気の良い連中で、悪いのは現地の人間にさえ非道を働くゲリラと その黒幕。
 確かに、ここに斬り込むと、気持ちの良いエンディングなど迎えられるはずもなく、触れないならまるで触れないのが正解なんだけど。

 パワードスーツのアチコチがカチャカチャと細かく動く見せ方、空を飛ぶ楽しさ(急停止は中の人間が死ぬと思うけど)、「スーツを着込めばもう無敵だ」として高揚感を生じさせる演出など、ヒーロー物としては良く出来ている。
 脳天気なラスト、日本人の多くは「?」となってしまいそうな次回作への引きも含め、面白く見られる作品だった。
 同じくアメコミ原作映画でも、ズシリと胸に堪える『ダークナイト』が超ヒットを飛ばしながら、ほぼ同時に こちらも大ヒットさせてしまう辺りが、「アメリカらしさ」かなあ。



『CHAOS;HEAD』01.「起動 boot up」

 原作ゲーム未プレイ。
 猟奇的な殺人事件と関わりつつ、オタクで他者と上手くコミュニケーションが取れない主人公が辿る運命を描く…といった内容なのかな。
第一話では、まだドコへでも発展する事ができそうな余地を残しており、容易には予想できないが。

 「現実とは思えない殺人事件」を描くのに、物語を描いていく視点となっている主人公を「普段から現実と妄想を入り交じらせて区別が付かなくなっている」設定にしているので、境界線は曖昧に。
何しろ主人公は、自室で常に実物大妄想ヒロインを創造し、会話したり接触したりして過ごしているのだから。
 そういう、全体の混沌とした雰囲気も含め、楽しんで欲しい意図を持つ作品なんだろうけど。

 オタク知識をダダダッと羅列する主人公に、一々感心してくれる女の子。
萌え作品であれば、素直に「オタク向けに狙いすぎたキャラクター造形」と思う所だが…この娘には、何か恐ろしげな裏があるのかも。
 「神クリエーター」「あの人の演出はまさに神」とかいう表現は、字面だと特に何とも思わないが、実際言葉として耳にしてみると、う〜〜ん。

 面白くなりそうかどうかも分からないけれど、どう転がる話なのか、もっと先まで見ていきたくなる第一話ではある。
視聴継続。



『タイタニア』01.「ケルベロスの戦い」

 原作は、確か出ている分 既読のはず。
 田中芳樹による、『銀河英雄伝説』に似たイメージのある作品を、アニメ化。
未完も未完、まだまだこれから、という所で執筆が途絶えたまま、このアニメ化を受けても新作が書かれない事からすると、完結…続刊刊行さえも ほとんど絶望的ではないかと。

 貴族的なタイタニアの一族、飄々として奇策を用いる敵軍の将、その奇策が「そんなんで上手く行くのかなあ」と思わせられるモノである事、等々、もうどう見ても『銀英伝』。
 『銀英伝』本シリーズよりは作画が良いのと、宇宙船をCGで処理してあるのが今っぽい、というぐらいが差。
 第一話で、この作品ならではの魅力をアピールできたかというと、疑問。
既存のシリーズと似ている部分に面白さを見出さないと、辛い。
 物語の進行に伴い、キャラクターが深められていき、独自の楽しさが出てくる…はずなので、そこに期待しつつ視聴継続。


2008年10月9日 木曜日

『CASSHERN Sins』01.「終末の世界で」

 原典のアニメ『キャシャーン』は見ていたけど、もうだいぶ記憶に薄い。
最近作られた、割とテキトーな筋の実写映画版ならいくらか憶えているが。
 この新作では、OVA版含め これまで作られた作品群とは直接関係のない、オリジナルな物語が展開されていく…のだろう。

 ロボットにとっても人類にとっても?終末が迫る世界が舞台。
 とにかく鬱っぽい描写が続き、明るさや爽快さは勿論、「このアニメはどこが面白くなっていくのか」その片鱗も感じ取らせてくれないので、次第に画面から興味が離れてしまう。
 「キャシャーンを喰えば永遠の命が手に入る」と信じている人間そっくりのロボット達とか、意志を持つ彼らを無残に破壊し尽くし、フレンダー(他のロボットの飼い犬ロボ)さえ容赦なく殴り飛ばすキャシャーンとか、オリジナルのファンからは拒否反応を引き出しそうな、楽しいとは言えない描写を、意図的に入れてあるんだと思うけど、それが「視聴意欲を起こさせる」方向にどう役立っているのかは、不明。
 ゲストキャラとの陰鬱な関係や、暗い気分になるドラマだって、上手く作れば魅力に転じなくもないけれど…

 普通なら、一話目で視聴を終える内容。
 ただ、小林 靖子脚本作品は、特に第一話では酷く取っつきづらい事がある。
だから…うーん、脚本家への信頼で三話目ぐらいまで見てみようかな。



『ヒャッコ』02.「2コメ 虎穴に入らずんば虎子を得ず」

 作画が…作監が修正を頑張ったのか良い所もあるけど、「原作の雰囲気も残っていない」のは まだしも、「ハッキリ崩れている」カットがかなり多かったのは、残念。
第二話からこれじゃ、先が厳しそうだなあ。

 今回も、短い原作を大幅に水増し…いや膨らませてある。
本当は、野球でデッドボールを喰らわす所までしかないのだから(テニス部のイメージカットは単行本オマケとして一枚あり)。
 話を広げるのに、「様々なクラブを回ってみる」とするのは、妥当。
「歩巳の笑顔で各クラブへの無理が通っているらしい」「その運動分野での有名人を自分達に当て嵌めるテキトーな虎子の言動」「必ず虎子と龍姫の勝負に発展」「龍姫がヒドい目に遭って次のクラブへ」というパターンを繰り返してギャグにしようという構成。
 原作でも、「龍姫が、自分の発言を何度も無視されて次第にイライラしてくる」といった繰り返しギャグを用いているので、それで全体を通してみよう、と考えるのは理解できる。

 ただ…『エースをねらえ!』ネタとか、ちょっと笑ってしまったモノもあるけど、ほとんどが間延びしていて厳しい。
 最後のサッカー部で、悪意をもってか偶然か分からなかった虎子による龍姫への「暴行」が、故意によるモノだとハッキリしてしまった事で、作品カラーにも影響が。
 まあ、彼女は一話目から教師に一撃を加えている訳で、良い子でもなければ「絶対こんな事しない」キャラでもないんだけど。
 虎子のシュートをキーパーの龍姫が止める(逆でも)、といったシチュエイションにすれば、虎子の悪意をぼかし、事故かどうか分からないままで「またまた龍姫がヒドい目に」オチへと持って行けたんじゃなかろうか。
 原作に無い要素を入れるには、細心の注意が必要。

 次回出てくるらしい、異常性格のクラス委員長は好きなんだけど、うーん、これも上手く料理してくれるのかどうか。



『魍魎の匣(もうりょうのはこ)』01.「天人五衰の事」

 京極夏彦による原作小説は、これを含め何冊か既読。
分厚い割にグイグイと読ませる力がある、理屈が長くて説教強盗のような…いやそうじゃなく(^_^;)、他にはないタイプの論理の積み上げで推理を成り立たせる、面白い小説。
 映画版は未見。

 原作をしっかり憶えている訳ではないが、ほぼ忠実にアニメ化できていると思う。
CLAMP絵によりイメージが相当変わっているのを別にすれば。
 しかし、全く情報を知らずにこの一話目を見た人は、全体としてどういう話なのか、次回はどんなストーリーが展開されるのか、分からないだろうな。

 少女同士の「百合」というより「狂気」にも似た関係。
チラチラと挟まれるゾッとするようなイメージが、良い感じ。
 謎と耽美と恐怖で、どのぐらい視聴者の心を掴めたか、その辺が勝負かな。
 特に、クライマックスを どう映像化してくれるのか興味があるため、最後まで視聴継続したい。



『まかでみ・WAっしょい!』01.「なんか女の子出てきちゃったんですけど。」

 原作未読。
 コミカルな、元気いっぱいな内容で、楽しげ。
ただ、飛ばしすぎていてストーリー的には「面白い」という所まで行かず、笑いという点でもヒット率は低め。
 キャラクターの基本設定を、文字にして画面表示するのはどうだろ。
しかも表示時間が短いので、読み取れなかったりするし。
これを、文字ではなく絵で見せるのが第一話の役割なんだけど。

 女の子も男の子も、BLADE先生の原作絵をよく再現していて、可愛く描けている。
 分からない事は色々あるけど、次回以降 説明されていくか、「気にせずノリで見て」という事なんだろう。
 斬新さや、あっと驚く展開を期待するタイプの作品ではない。
だから、勢いと画面的なクオリティーの高さ、そのどちらが欠けても、見続けさせる吸引力を失ってしまいそう。
 取りあえずもうちょっと様子見。


2008年10月8日 水曜日

『伯爵と妖精』01.「あいつは優雅な大悪党」

 原作はコバルト文庫なのか…未読。
 キレイな作画で描かれる、いかにも少女向け作品っぽいファンタジーで、美形お兄ちゃんが格好良くアクションを繰り広げ、ヒロインの前で子供のように無防備な寝顔を晒し、臆面もなく恥ずかしいセリフを語りかける。
 次回はどうなるんだ?という引きは弱いけれど、とにかく お兄ちゃんの魅力で突っ走る構成は正しいと思え、特にターゲットである女性視聴者層の心は掴めたんじゃなかろうか。

 別に悪い所はないが、いい歳のオタクとして強く興味を感じられる部分もなく、順当に視聴はここまで。



『ONE OUTS−ワンナウツ−』01.「謎の男」

 原作未読。
 主役の声が萩原聖人である事、緊迫感を煽ろうとする過剰なナレーションなど、原作者は違うが『カイジ』に似た印象を与えるアニメ。
 それは別に、見ている側の一方的な思い込みばかりではなく、番組終わりの実写コーナーでは、『アカギ』『カイジ』とこの作品を並べて、「熱血系勝負アニメ三部作(熱血かなあ?)」と呼称していた。

 野球を舞台に、様々な駆け引きで見せていく内容なのかな。
 一話で描かれた、お金を掛けての勝負では、心理戦にさほど説得力や魅力を感じなかったけど。
 ここから面白くなっていく事を願いつつ、しばらく視聴継続。
ただ、感想を書きたくなるタイプの作品かは、まだ不明。



『美肌一族』01.「華麗なる美肌家の一族の巻」

 広告アニメ。
 『ガラスの仮面』風のキャラクターで、衝撃の演出時は白目になる所なども、パロディーというより「バカにしてんのか」といった感じで同じ(^ ^)。
 今時、笑いのネタ元としてこれはどうなのかと思わないでもないけど、オタク向けだったり男性向け作品をネタにしても、商品のターゲットとなっている層にはまるで届くまいから仕方ない。

 アニメは前半で終わり。
後半は実写でのコマーシャル。
 期待の持てるストーリーとか、そーゆー内容じゃないが、しばらく見続けてみるかな。


2008年10月7日 火曜日

『スキップ・ビート』01.「そして箱は開けられた」

 原作未読。
 一昔前を思わせる絵、ヒロインのシンドイ境遇、ロクデナシの男…と、視聴意欲を失わせる要素がビッシリで、これは一話限りだな、と思いつつ見ていた。
 が、ラスト、惚れた相手が最悪の男だと知ったヒロインのブチ切れぶり、それでも反省したりせず見下した言葉を投げ掛ける男の徹底した非道さに、ちょっと笑ってしまう。

 変身したヒロインが、これから芸能界で のし上がっていく物語になるのかな。
 ロクデナシ男の真意を知ったヒロインが、また心ほだされて…とかいう展開は、面倒臭い。
言い訳せず、最後まで ひたすら最悪の男であって欲しい所。

 しばらく見続けようかと思うが、感想を書くタイプの作品になるかどうかは不明。



『今日の5の2』01.「グラグラ」「スーパーボール」「ノリノリ」「アメフリ」

 原作未読。
 『みなみけ』原作者の作品で、『おかわり』制作会社がアニメ化してるのか。
(メールで間違いを ご指摘を頂きました。『おかわり』制作会社はアスリードであり、『5の2』制作のジーベックは「各話制作協力」としての参加だったそうです)

 ごく日常的な出来事の中から、楽しげだったり微エロであったりする部分を見つけ出し、ネタにするのが上手いなあ。
 唇にシャープペンを押し当てて ずっとカチカチいわせている女の子、スパッと切った指先を彼女に咥えられてドキドキする男の子…こういう事態が起きた理由に「女の子の乳歯が抜けかけている」という小学生ならではのイベントを据える感性と観察眼が、素晴らしい。
 シャープペンをガリガリ噛み砕くのは やり過ぎだろうけど、笑ってしまったからオッケー。

 一つ傘の下、女の子二人に挟まれた男の子、というのも良いシチュエイション。
もうちょっと男の子の年齢が上だったり マセていたりすると、意識してしまい、あんなに自然な対応は取れないだろう。
 両側から腕を取られ、体を押し付けられる、なんて、ヘタするとその晩 夢に見て精通を迎えるぐらいの大事件。
 小学校五年生…11才ぐらいというのは、まだ性的な事で頭が一杯になるには早く、男女の区別無く遊べるほどには子供でない微妙な年齢設定。

 一話四本立て、ワンアイディアでテンポの良い構成が、見易い。
 脱がしたり、直接的な行動を取らせなくても、十分 煩悩は刺激できるんだなあ。
勉強になります。
 ドキドキしたり、癒されたりしながら、見続けたい。



『喰霊-零-(GA-REI -zero-)』01.「葵上-あおいのうえ-」

 原作未読(原作とは世界観のみ共通とか)。
 火災に対し、消防士達が出動、懸命の消火活動を行っている所に、ヘリで現れる、武装した謎の男達。
仕事の邪魔だと叫ぶ消防士に、その隊長らしき男は、「君達はもう帰っていい」と言い放つ。
 意味の分からない言葉だったが、目の前で燃えさかる車が不可解な潰れ方をし始める事で、異常事態が進行中である事を実証。
 謎の男達の片目を覆う視界補助機器には、裸眼で確認し得ない人外の物の奇怪な姿が映っていた。

 とにかく掴み方が上手くて、内容にグッと引き付けられる。
 消防士、という常識的職業の人間から、機器の補助を受けて怪物を視認し戦う特殊部隊隊員、彼らの全滅を受け登場する、己の目で怪異を直に見る事が出来て更に戦い慣れている様子の(管轄が別らしい)主人公チーム、と、段階をおって現実離れした存在を示していく作り方も、巧妙。
 巨大モンスターを一体倒した所で、基地に戻って事態の整理か、と思えば、続けて次の個体との戦闘に突入。
 最近は映像で何度も紹介され、周知のモノになってきた外郭放水路を、戦いの舞台と怪物を倒すアイディアに使い、勝利する所まで描く、ちょっと詰め込み過ぎぐらいの、アクション主体、説明を後回しにして怒濤の勢いで見せる、面白い第一話だった。
 次回以降、チームを構成するキャラの彫り込みと、戦っている相手がナニモノなのかの説明を、順次行っていくんだろうな。

 …と思えば、まだ終わりでなく、レギュラーになりそうなメガネ兄ちゃんキャラが突然の襲撃を受け、死亡。
小山力也声で喋る、頼りになりそうな、どう考えても一話で片付くはずがないキャラも、呆気なく死亡(?)。
チーム本部は壊滅しており、ヒロインかと思われた少女も倒れ、襲撃少女と因縁があるらしい主人公だけ一人生き残って再起を図るのか、という予想まで裏切り、斬撃を食らわされ血しぶきを上げて崩れ落ちる。
 炎が爆ぜる音だけで音楽がないままの、意図的に視聴者を突き放すエンディングテロップを見つめつつ、呆然。

 これは、凄いなあ。
凄すぎて作品が全て終わったような気分になり、次回以降どうなるのか予想も付かず。
 「どうしてこういう事態になったのか」を過去に遡って描いていくのか、死んだように思わせてチームの面々はまだ生存しており、次回は病院のベッドから始まるのか。
途中から(蝶の羽のようなモノを切っ掛けに)幻覚を見ていた、とする やり方も。

 とにかく、この先を早く知りたい。
余程失速しない限り、最後まで見続けよう。


2008年10月6日 月曜日

『屍姫 赫』01.「死が舞う」

 原作未読。
 下に書いた、男女の出会いに工夫を凝らす意味で、これはかなり究極。
何しろヒロインが呼吸をしておらず、心臓も動いていない状態で、初対面を果たしたのだから。
 死体やゾンビでは、出会ってもなかなか恋愛感情は起こり辛かろうが、このヒロインは、死んだ代わりに超絶の戦闘力と驚異的な回復能力を手に入れ、「戦う少女」としての魅力をアピール。

 空から落ちてきた「屍」のヒロインを、恐れることなく抱きしめる主人公の行動は、こういう作品として正しいけど、バトルが行われている現場まで行っておきながら、特に何もする事なく家に帰ってしまったようなのは不可解。
君子危うきに近寄らず、ではあるが、それじゃ主人公は務まらない。
 ドラマティックな再開は、また時と場所を改めて、かな。

 事件の進行とバトルによる見せ場を優先させ、説明を全て後回しにした第一話。
だから細かい事は全然分からないが、面白くなりそうな要素は感じられる。
 いかにもそれらしいGAINAXの作画が楽しい。
 面白くなる事を祈りつつ、視聴継続。



『とある魔術の禁書目録<インデックス>』01.「学園都市」

 原作未読。
 「裸の女が銀座を走っている。さあここから話を作れ」というように作劇の技術を教えたのは小池一夫先生だっけ。
 今期のアニメに限っても、特にヒロインとの出会いは皆 頭を絞ってあって、あるものは珍妙なパワードスーツ(?)を纏い窓ガラスを突き破って男の子の部屋に転がり込み、あるものは木彫りの像の中から登場、ロッカーの中からコロリと出てくる者も居れば(これが初対面じゃないけど)、この作品のように「朝起きたら男の子のマンションのベランダに引っ掛かっていた」とするボーイミーツガールもある。

 屋上から屋上へ飛び移ろうとして落ちた、というのも大分ムリなような。
衝撃で肋骨折れちゃうでしょ…ああ、無敵の聖骸布コピーを着てるんだっけ。
 それなら、いっそ窓ガラスを割って頭から室内へと突っ込んでくる、アクティブな登場の方が派手だったと思うけど、のほほんとしたキャラクターに相応しくないのと、「ベランダに引っ掛かっていた美少女を拾いました」とする、大人しい男の子の妄想的なモノを絵にしたかったのかな。

 身元不明の女の子に、傷んだ食材とはいえ食事を振る舞い、留守中の部屋への滞在まで許そうとする主人公は、気が良いというか何というか。
ライトノベル的世界で、美少女の好意を勝ち取るための代償としては、安いものか。
 現実世界でも男達は、月々少額ならざるお小遣いを渡したりマンション買って上げたりして、おねーちゃんの歓心を買おうと必死なものみたいだし。

 超能力が普通に実在する世界なのは分かったけど、魔法を実際に見せてくれなかったのは、片手落ち。
服は破れたが、コレは魔法というか何というか、視聴者サービス的だったし。
 コメディータッチで進んできたのに、ラストでイキナリ血だらけのヒロインに倒れられていても、感想に困る。
死んでいる訳はあるまいが、こうなるに到るぐらい緊迫した状況下にヒロインがあったなら、いくらなんでも あそこまで呑気な性格ではいられないかと。
 その辺は、次回以降を見ていくと、しっくりくるのかな。

 作画も美しく、充分にこれからを期待できる内容。
視聴継続。



『機動戦士ガンダム00 2nd season』01.「天使再臨」

 期間をおいて始まった、『00』第二期。
 記憶力が弱っている自分については、休止している間にキャラクターや設定を忘れてしまってるんじゃないかと不安だったが、特に支障なく思い出せたのは、第一期でのキャラの描き方が鮮烈であり明確だったからだろう。
 といっても、多くのキャラクターが第一期とは立ち位置から外見まで(仮面を被ってたり)変わっており、「何が起きて、このキャラは今ここに居るのか」は、次回以降を見ていかないと。

 地球は、強力な体制でまとまったけれど、それは「争いのない平和な時代」の到来を意味しなかった。
いや、戦争を起こせるような大きな敵対勢力が無い分、死傷者の数は減っているのかも知れないし、無実の人間をどれだけ殺そうとも「平和を乱す邪悪なテロリストを処分した、犠牲は最小限で済んだ」という大本営発表で終わるのだろうから、公式には「とても良い世界に変わった」という事になるのか。
 刹那は否定していたが、ソレスタルビーイングの最終目的地点は、ここだったのだろうか。
こうなってもなお、「統一世界国家対ソレスタルビーイング」の図式が保たれていれば、理想通りに行った…?

 酷い目に遭わされる沙慈が、哀れ。
服役中(?)だったのに、施設から逃亡したのだから、もう一般市民としての生活には戻れないかと。
 すぐ側に、変わってしまったルイスが居た事なんて、想像もしないだろうな。
 すれ違いの悲劇が始まったようで、成り行きからソレスタルビーイングに加わる事になる沙慈と、心の傷を克服し凶悪なパイロットへと成長するルイスが、敵味方に分かれて戦うようになる?

 ボロ布のような物を肩に掛けたエクシアが、変に格好良い。
腕一本でも、時代遅れの機体でも、操縦技能と踏んだ場数の多さで戦いに勝利する刹那…というのが見たかったけど、その辺このアニメはシビアだからなあ。
性能アップした新機体を登場させなければならない事情もアリか。
 刹那はこれまで何をしていたんだろう。
ソレスタルビーイングと連絡は取らなかったのか。
それは次回以降明かされるのか、さして重視する事でもないと説明は飛ばされるのか。

 画面のクオリティーは、第一期に劣らず高い。
 この第二期は、何をテーマとし、どういう事を達成したら終わる話なのか、まだまるで分からないけれど…面白くなる事を期待して見続けよう。



『ライブオン カードライバー翔』01.「発動!ライブオン!!」

 タイトルは、英語ではCar Driverと書くレース物かと思ったけど、勘違いでカードバトル物(CARDLIVER)。
 カードからモンスターを実際に呼び出して戦わせる、流行りのタイプの、ゲーム販促を基本目的とするアニメ。
自分自身も変身してモンスターとなり、バトルに直接参戦できるのが新しい所かな。
 弱かった主人公が、戦うべき理由と強くなる切っ掛けを掴み、強敵に立ち向かっていく、安定した作りの内容。

 ゲームの基本ルールぐらいは、本編中で理解できるよう話を持って行っているのが、丁寧で結構。
 ただ…正しく子供向けの作品なので、いい歳のオタクとしては特別の興味を持ち辛いのと、このアニメの責任ではないが「カードバトル物には食傷気味」なため、視聴はここまでに。


2008年10月5日 日曜日

『ケメコデラックス!』01.「鋼鉄の花嫁」

 原作は単行本で既読。
 漫画でもう、個性のありすぎる姿をしたケメコ登場の衝撃と、その内側から美少女が飛び出してくるインパクトを味わってしまっているため、ほぼ原作に忠実な この第一話では、特にアニメならではの面白さを感じられず。
 作画は良かったし、ケメコのバトルシーンも迫力を持たせて演出してあったと思うけれど。

 原作未読者や、原作の魅力を最大限に生かしたアニメを望んでいたファンには、とても良い作品だろう。
 個人的には、このまま原作通り進んでいくなら、特にアニメ版を見続ける必要を感じない。
 監督が水島 努だから、オリジナル・エピソードが入るとか暴走が始まると、こういう自分にとってさえ愕然と面白くなりそうには思うんだけど。
三話目ぐらいまでは見てみようかな。



『天体戦士サンレッド』01.

 原作未読。
 脱力系ヒーローパロディー作品。

 『猫ラーメン』とか、こういったウダウダ〜とした作品が割と好きなので、個人的には それなりに楽しく見られたが…
 うーん、淡々としていて押しが弱く、「爆笑」は まず取れない(取るつもりが無い?)作り。
 悪の組織の面々を正座させて、ヒーローがイライラしつつ説教している様子など、『ごっつええ感じ』で ほぼ同じコントがあったなあ、と思い出す。
ヒーローパロディーは、多数の作家により様々な方向から描かれているため、斬新な切り口で見せるのは難しい。
この作品もやはり、「どこかで見たような」ギャグを集めてある。

 これで30分はキツいかも、と思えば、15分番組なのね。
 前述したように、こういう雰囲気の作品が嫌いではないから、気負わず、見逃したら見逃したでも構わない、程度の視聴意欲を持って、取りあえず見続けよう。



『イナズマイレブン』01.「サッカーやろうぜ!」

 原作ゲームは、買ってあるんだけど、『ドラクエ5』と『ファイアーエムブレム』がまだ終わってないテイタラクなので、未起動。
 『少林サッカー』風味の作品。
というより、「本物のインベーダーと地球の運命を賭けてインベーダーゲームで戦う」「アメリカ大統領とベーゴマ勝負」「ミニ四駆をラジコンより思い通りに動かしてレース」といった、少年向けスポーツ・ゲームバトル物に特有な「ありえない世界の歪み方」を見せていくタイプのアニメ、か。

 ダメダメなサッカー部を、情熱溢れるキャプテンが立て直し、恐ろしく強いチームとの試合に臨む…こういう作品の基本パターンをしっかり抑えた作り。
 子供向けに正しく作ってあって、どこも悪くないが、当然ながら いい歳したオタクへのアピール度は弱い。
 キャラクターの個性が強烈に出始め、パワフルな試合が展開されるようになると、もっと見応えを感じられるだろうか。

 試合開始となる第二話に期待を込め、しばらく様子見。



『かんなぎ』01.「神籬(ひもろぎ)の娘」

 原作未読。
 アバンから、とにかくやたらと細かくキャラクターが動くのに、驚く。
印象的な動きについては、ココが良かったソコが良かったとゴタゴタ書きたい方なんだけど、一々書いていられないぐらい無駄に動かしてある。
 廊下が滑るのか慌てすぎているのか、つんのめりつつ体を壁にぶつけるようにして角を曲がっていく主人公。
木彫りの像を持ち上げようとする時、肩に掛けたバッグが落ちかけたのを一度持ち上げる、普通アニメでは略する動作…ああやっぱりキリがない。
 その動きの演技だけで、30分ずーっと画面に集中していられるぐらい凄い、力の入れよう。

 オープニングでヒロインが見せる、最近のアニメでは一種定番となってきた踊りも、実に細かい。
『ハルヒ』とか『らき☆すた』と違うのは、前二者がミュージカルっぽい演出になっていたのに対し、このアニメは「アイドルのステージ」に多少の「プロモーションビデオ風アイドルの日常」を混ぜた作りになっている事、だろうか。
神様が、世のケガレを「歌」を使って広く浄化するため、アイドルを目指していく話なのか、と思うぐらい「らしい」。
 これら全てを手掛けたのが山本寛で、今作の監督も務めている。

 内容。
 男の子が彫った木彫りの少女像が割れると、中から美少女が現れる…
ポカーンとする不条理な展開で、奇を衒ったのだろうけど意味が分からないな、と思えば、なるほど、ご神木を素材としていたため それを依代として産土神が顕現した、と。
大いに納得、とは言えないけど、事態は理解できた。
 その神様が美少女の外観をしてミニスカートだという事についての疑問もあるけど、「今」は「これこそが常識的衣装」か。

 全く異質な相手とコミュニケーションを取る難しさ・楽しさ、それらギャップを面白く見せる…事にはさして興味がないみたいで、ライトに抑えられ、「不思議美少女と同居するドキドキ」にスポットが当てられている。
 ケガレを退治していく、という目的と、力を持つらしい主人公の協力を得て魔法少女的ステッキ(祓い棒?)により、消滅させる方法が示され、今後の方向が分かり易い。

 ふにふにとしたヒロインが可愛いし、コミカルな雰囲気も楽しく、次回も作画は良好なようなので、当然ながら視聴継続。


2008年10月4日 土曜日

『鉄のラインバレル』01.「クロガネと少年」

 原作未読。
 絵ぐらいは見た事あるけれど、アニメはかなりキャラクターの雰囲気が違う…『ガンダムSEED』なんかでお馴染み平井 久司絵の個性が強すぎ。
原作ファンにとっては、どうなんだろうコレ。

 普通に巨大ロボットが居る世界のようだけど、設定の説明はほとんど無く、今どういう事態が進行しているのかも視聴者に教えないまま、事件を正面に立てて突き進む第一話。
 何が起きているのか分からない主人公と同じ目線で見ていれば良く、入りやすい構成かな…などと油断していると、クライマックスから、主人公の急加速暴走が始まる。
 「逃げちゃダメだ」と自分に言い聞かせて どうにかエヴァンゲリオンに乗り込んだシンジの逆。
危機的状況で、正体が知れない巨大ロボットを目の当たりにしても、臆することなく、「オレの時代が来たぁぁ!」とばかり勇んで喜んで搭乗。

 幼い頃からずっと、ヘタレな男の子として周りから馬鹿にされ、あるいは弱いものとして庇われ、溜めてきたフラストレーションの爆発。
それは、分からないでもないなあ。
 唐突に空から降ってくる巨大ロボットと全裸の美少女、街を脅威が襲う時、叫びに応えて巨大ロボットが側に参上、それに乗るや、普段の弱虫な自分からは想像もできない超絶操縦能力(これこそ体の中に秘められていた「正義」の力)で悪者を排除する!
……馬鹿なロボットアニメ好き少年が見る「夢」として、とても「リアル」。
 第一話だけで完結する話にするなら、オチとしては、「主人公は事故による死の床にあり幸せな夢を見ている」とするしか。
 このままじゃ本当に「妄想」を描いたみたいになってしまうので、最後に「あなたは既に、死んでいるんです」というような気になる一言を入れて、都合の良いばかりの物語をキュッと締めて続く作り方が、上手い。

 とにかく設定が分からないため、この先どうなっていくのか全然分からず。
ただ鬱な内容にせず、ロボットアニメの楽しさが味わえる作品になってくれると、嬉しい。
 視聴継続。



『黒執事』01.「その執事、有能」

 原作は、ヨメがファンなので単行本ならウチにあるんだけど、うっかり未読。
 「執事」「メイド」といった役職は、能力を極端に描く事が多い…「万能であり、料理・掃除といった日常のサポートから単身での近代兵器部隊壊滅まで完璧にやってのける」パターンと、「ドジで無能、ただしそれが人間としての魅力には繋がっている」パターンがある。
 この作品の執事は前者で、徹底して有能。
能力が人間の範疇を超えているみたいだけど、実際そういう設定なのかな。
 そういう彼が、子供ながら賢く当主を務める主人に仕え、驚くぐらい役立たずな屋敷の者達と共に、悪辣な訪問者を酷い目に遭わせるのが第一話。

 次々に襲う おもてなし計画の危機を、機転で切り抜けていく執事。
「そんなんで上手く行くかなあ?」と感じるアイディアもあるけれど、コミカルな雰囲気でカバー。
 訪問者は凄く悪いヤツだ、という部分の彫り込みが弱いので、イジメ倒す所にカタルシスが弱いのは残念。
色々な事を説明しなければならない第一話で、ここまでバランスが取れているのに、文句を言うのは贅沢すぎか。

 今後の展開に期待しつつ、視聴継続。



『あかね色に染まる坂』01.「あかね色のファーストキッス」

 原作ゲーム未プレイ。
 まずアクシデントを交えてのボーイミーツガールを見せ、その相手が転校生として学校にやって来る、「王道」「安定している」「よくある」物語への導入。
ここから始めたお陰で、転校生少女が主人公少年に そこはかとなく好意を抱く理由が納得でき、後の物語も展開しやすくなる…先人達が作り上げたテンプレートはとても良く出来ているなあ。

 なにくれとなく主人公の世話を焼く妹は可愛く、お金持ちだが秘めた事情がありそうなヒロインも悪くない。
 大した事件は起こらないが、ほのぼのと次回へ続く…のかと思えば、クラスメートが見守る中、主人公は教室で突然ヒロインに ちゅー。
「常識人」かと思っていた主人公のトチ狂いぶりに、唖然。
友人によるナレーション(精神支配?)に乗せられた、という事だけど、余りに唐突で納得しかねる。
 これもパターン通り、「転びかけたヒロインを引き起こそうとして自分まで倒れ、事故としてキスしてしまう」ぐらいで良かったのでは。
 女の子を相手にすると暴走して極端な行動を取ってしまう主人公、という設定があると、確かに萌えラブコメは動かしやすくなるだろうが。

 因縁を結んだヒロインは実は婚約者であり、否応なく主人公と同居生活を送る事になってしまう…という辺りは、また安定した路線に戻っている。
 ヒロインのセリフ「死なす〜!」が印象的。
 女の子達の魅力をどのぐらい強く打ち出せるか、が勝負。
しばらく見続けよう。



『北斗の拳 ラオウ外伝 天の覇王』01.「わが拳は天のため!」

 『北斗の拳』からのスピンオフ企画。
大元の漫画は既読、この作品は未読。

 原哲夫先生の絵とは全く違う、いかにもアニメ風なタッチのキャラ絵なので、どうにも違和感。
 ラオウの声も、原典アニメ版の内海賢二ではなく、新作劇場版キャストの宇梶剛士が担当。
これはこれで味、とも言えるんだけど、旧来のファンとしては馴染めない。
 絵も声も違う、聞いた事もない若い頃の活躍を描いている、という事で、「ラオウの話」としての魅力は薄い。

 妙な拳法を使い、我が道を驀進する男の物語、と捉えるべきか。
 「弱い者を助けるため」ではなく、「世の乱れを正すため」などでは有り得ない、おのが覇道を突き進むためにのみ拳を振るう描き方には魅力あり。
 敵ボスを倒すため小細工を弄するのは「漢」らしくないが、その計画を台無しにする「琴など弾けぬわ!」に爆笑しつつ、納得。

 決してつまらなくはないと思うんだけど、「ラオウ エピソード0」を物語ろうとする企画そのものに興味の度合いが低く、視聴継続の意欲は弱目。
 三話目ぐらいまでは見てみるかな。


 アニメとは関係ない話。
 例えば『北斗の拳』という作品が存在せず、誰かがアイディアを思い付いたとして、他者に簡単に説明するには「指一本で相手のツボを突き、凝りを取る針治療の効果と逆に、ダメージを与え、体内から爆発させたりして殺す拳法。そんな『北斗神拳』を使う男の話」という感じになろうかと思うけど、これ、面白そうに聞こえるだろうか?
 そういう企画を聞いても、「えー?指を体にプスプス刺したら、痛い痛い言って相手が死んじゃうの?爆発…何ソレ?」「『ゴルゴ13』みたいな青年誌作品ならともかく…そんな地味な殺し方しなくても、普通に拳で殴って相手を吹き飛ばした方が、派手だし読者にもアピールするって。『ドラゴンボール』読み直せよ」と、自分なら言うと思う。
 原哲夫先生が、まずその圧倒的画力で読み切り作品として実際に描いて見せなければ、通らない企画。

 『ヒカルの碁』だって『セーラームーン』だって、企画を言葉で説明するだけでは、まあ通らないかと。
 いや、時々、ポッと自分のジャンルではない作品のアイディアを思い付く事があるんだけど、他者に言葉で伝えても大抵「ソレのドコが面白いのか」分かってもらえないので。
 試しに作品化して見せるのが、最も良いイメージの伝え方なんだろうな。
そうしてみると、「本当に面白くない」事が分かるだけに終わる可能性も高かろうが。



『TALES OF THE ABYSS テイルズ オブ ジ アビス』01.「預言の世界」

 原作ゲーム未プレイ。
 冒頭から世界観を語るナレーション。
そういうのは視聴意欲を削ぐだけで、内容を憶えてももらえないし、無駄だと思うんだけど、やってるアニメが多いなあ。
漫画の描き方や小説の書き方でも、「ド頭を世界の説明から始める」というのは「避けた方が良い事」に分類されているだろうに、アニメの制作者は読んだことないんだろうか。

 ファンタジーは、ゼロの状態から世界の状況を知ってもらわねばならず、キャラの関係やら価値観やら説明すべき事が やたらに多くなってしまうので、大変だとは思う。
 第一話の前半はほとんど、主人公がお坊ちゃんである事と幼い頃の記憶を失っている事、行方不明になって以来 奇妙な発作が体を襲うようになっている、といった基本設定を示して終わってしまった。
後半では、大人達による世界の説明。
 ナレーションではなく、何とかセリフの形で語らせようとする努力は評価するけれど、こんな一気にまくし立てられても、来週には半分も憶えていないと思う。

 「歌」のように魔法(?)の詠唱を行う謎の女、その襲撃に巻き込まれて諸共に遙か遠くへと飛ばされる主人公…物語の発端としては、悪くない、興味を引く描き方。
ライオン程度の大きさの魔物を、スパスパッと切り刻んでしまう剣の切れ味も、気持ちいい。
 剣術の先生を殺そうとした女なのに、強い抵抗や疑念を抱くことなく、一緒に自城への旅をする事になってしまう主人公の心情表現は弱いと思うけど、「お坊ちゃん育ち故の脳天気さや無神経さを持っている」事が描かれているので、納得できなくはない。

 物語が本当に動き出すのは、次回以降か。
 作画は良好だし、女の子達は可愛く描けている。
 しばらく視聴継続。
キャラの魅力が強く出て来はじめると、面白くなりそうかな。


2008年10月3日 金曜日

『CLANNAD クラナド〜AFTER STORY〜』01.「夏の終わりのサヨナラ」

 よもやの『CLANNAD』、第二期。
前のアニメでメインのストーリーは完結していると思うんだけど、脇のキャラにも魅力があり、もっと彼女達の物語を見ていたい気持ちにはなっていたので、続編の制作は喜ばしい。

 恋愛物のフォーマットはひとまず置いて、番外編的な草野球の模様から始まる新シリーズ。
 それぞれ、らしい活躍を見せてくれるのでキャラのファンには楽しいけど、ここから見始める視聴者は、ドッと出てくる女性陣の見分けさえ付かないはず。
まあ、一見さんは視聴対象に入れていない、前シリーズを見ている事を前提として語られる作品なのだろうから、構わないが。

 風子姉のダンナさんが、大馬鹿野郎として印象的に登場。
今期は、かなり重要な位置を占めるキャラになる…のかな?
 サブタイトルの「サヨナラ」で、何か別れの話かと誤解させるのが、上手い。
 主要ヒロインキャラで、風子の姿だけが見られなかったけど、また出てくるんだろうか。

 相変わらず作画は良好で、背景も美しく、女の子達は可愛い。
 余り重くならず、楽しく見続けられるシリーズになってくれると、嬉しい。



『夜桜四重奏』01.「サクラサク」

 原作未読。
 冒頭の長いナレーションに、めげる。
第一話を見終わって、それが「どうしても最初に説明しておかなければならない事項」ではなかったと思え、単に犯罪妖怪と戦う不思議能力持ちの少年少女物語、としてシリーズを始め、必要に応じて少しずつ設定を語っていく方式で構わないはず。
 現世と妖怪世界を繋ぐ通路がある場所に、故郷へ帰る事を望まない妖怪が住み着いている、という理屈がよく分からない。
帰りたくないなら、そんな所に寄り付かなければ良いだけでは?
人口に占める妖怪の割合が多いため同族としては住みやすい街だから、とかそういう理由なのかな。

 ある程度キャラクターなどの基本設定を知っている事を前提とした第一話のようで、入り込みづらい。
 こういうパターンなら最初のエピソードとして、「メインキャラとなる四人が ある目的のため集められる様子を見せる」か「とにかく全員の能力と性格付けを印象的に示す」のが第一目的のはず。
 メガネっ子が釘を出したり銃器を体の回りに浮かべるのは、物質引き寄せ能力(アポーツ)なのかと思えば、「言霊使い」なのね。
セリフでの説明がなければ、まず分からなくないだろうか。
これをこそ、絵として納得がいくよう見せるのが、第一話の主目的なはずなのに。

 強力な悪妖怪と戦う四人組を描くシリーズ、なのかな。
 キャラクター達の個性にも、アクションの描き方にも、特に引き付けられる部分は無く。
 「こんなヒメはイヤだ」コーナーなんて、もっとキャラを馴染ませてから やってくれないと笑えない、というか制作者の自己満足を感じたり原作未読者故の「仲間はずれ」気分に。
 取りあえず次回ぐらいまでは見てみようが、そこまでで視聴終了してしまいそう。



『とらドラ!』01.「虎と竜」

 原作未読。
 声優さんの名前は、時代が新しくなるほど知っている率が下がる。
そんな自分でも知っているのが、釘宮 理恵。
 小さくて可愛いけど生意気、というキャラを演じる事が やたら多い方。
 この新作アニメでも、ヒロイン…なのだろうチビで高飛車なキャラを担当。
「またか」とかそういう段階をとうに過ぎて、「やっぱり」「それでこそ」「そうでない方が不思議」。
 男の子の事を「犬」と呼んでみたり、イメージのパロディー的な雰囲気もアリ。
偶然、なのだろうか。

 凶暴そうな顔をしているが穏やかで家庭的ですらある男の子と、お人形さんのように可愛い容姿をしていながら生活不適応能力者で乱暴な女の子。
対照的な二人の出会いが、第一話で描かれた。
 普通は、「実は互いに惹かれ合っていた」とするか、せめて「特に好きな人が居ないニュートラルな状態での出会い」にするものだけど、「二人とも他に好きな人が居る」設定にした事で、ラブラブになる(ならない?)までの距離が相当 遠くなった感じ。
障害が多いほど恋愛物は面白い、かな。

 作画は良好で、掃除用具入れからコロリと転がって出てくる大河が妙に可愛く、心を掴まれる。
 ボロアパートと高級マンションが隣接して建ち、窓を開けるとすぐ目の前に互いの部屋、というのは、昔々のラブコメで流行った「ベランダ伝いにお互いの部屋に行けるほど近い距離にある二軒の家に住む幼馴染み男女」パターンの変形か。
 好きな女の子とドライブする予定なんて無いのに、それ用のMDを何本も編集して用意する馬鹿さ加減が、いかにも思春期のモテない男の子らしく、笑った後、ちょっとイタタタ。

 視聴継続。


2008年10月2日 木曜日

『ヒャッコ』01.「1コメ 虎子相まみえる」

 原作は、単行本二巻目ぐらい…まで既読。
原作者の漫画では、『夕日ロマンス』も読んでいる。
 独特のタッチを持つ上手い絵で、ええと何と言うんだろうか、単に「萌え」ではないし、「ギャグ」とばかりも言えず、「癒し」と言えなくもないけど割とシビアに「重いドラマ」を描いている部分もあり、一言でどういう内容だとは言い難い作品を描く方。
 計算で描ける漫画ではないと思うので、この先生の感性が…というか、この先生自身が面白いんだろうな。

 アニメの第一話は、原作とほぼ同じ内容。
 ただ、「校内で迷子になった女の子達が出会う」というアイディアを元に、テンポ良くスラッと読み終えられた原作で30分もたせるため、色々な所を膨らませ、展開スピードを遅めにしている。
 原作では ざっと顔見せをしただけに終わった女の子達の個性が、一話目から少々彫り込めた事は、良かったと思う。
歩巳が他のクラスメイト達に必ずしも上手く溶け込めておらず、虎子達を受け入れる素養があった事とか。
雀が大食いキャラである片鱗を見せており、虎子の妙にパワフルな所と いい加減さが強調され、彼女にビシビシとツッコミを入れる龍姫のポジションも明確になっている。
 悪かったのは…とにかくテンポが悪くなっていて、せいぜいで15分しかもたないエピソードを引き延ばしたためにギャグのヒット率も下がり、この作品の面白さが良く伝わらない結果になったのではと、不安。

 作画は、原作の雰囲気を上手く伝えていて良好。
 一話ごとに良くなっていく事を祈りつつ、視聴継続。



『夏目友人帳』最終13話.「秋の夜宴」

 妖怪も、のんびり ほのぼのしているモノばかりでなく、主人公は結構 剣呑な目に遭ったりするんだけど、基本的には良い話の癒し系作品、最終回。
 原作には無いエピソードで(掲示板でご指摘を頂きました。原作にあるエピソードにオリジナル要素を混ぜたもの、だそうです)、これまで登場した妖怪らが次々顔を見せ、大きな事件は起きずに終わる、いかにもこの作品らしい締めくくり。
7話に出て来た子狐妖怪がエラく可愛かったため、再登場は嬉しい所。

 難しいテーマなど無く、ただぼんやり眺め、人情話にはホロリとしていれば良い、気楽なアニメだった。
 主人公とニャンコ先生の掛け合いが楽しく、心地良い田舎の風景・ゆったりした人の好い義父母など、ほっとさせてくれる要素も嬉しい。
 気負い込んで「続編を是非!」という作品ではないけれど、原作のエピソードはまだあるはずだし、第二期があるなら、また見ていきたい。


2008年10月1日 水曜日

『RD 潜脳調査室』最終26話.「リアルドライブ」

 物語を締めるべく設けられた、クライマックスの大事件、無事解決。
 どうもこの事件がよく分からなくて…いや、誰が何をしてどうなったとかいう事は分からないでもないんだけど、個人的に余り面白いタイプの事件だとは思えず、興味が薄いまま。
 シリーズの途中で描かれた、各話完結の事件の方が、ずっと面白い物を含んでいたような。
 伏線を片付け、物語をキレイに着地させるには、あんまりヒネったり難しいテーマを入れすぎると「余計に何だか分からない」事になってしまいかねず、それを避けるには、このぐらいの展開が妥当なのだろうか。

 「海の力」により、失われた年月を取り返すように若返った(と思われる)波留。
これで、ミナモとの「恋」を阻むモノは、何も無くなった。
 ミナモは元々、外見ではなく、彼が心の内に持つ若さであり格好良さに、惹かれていたんだろうな。
「風」といった、生物ですらない相手の気持ち(?)さえ読める、不思議な力を持つミナモならではの「恋」。
 この作品は、とても恋愛が成り立つとは思えない、時間の壁に隔てられた二人が、その恋を成就させるまでを描いている。
 波留は一人で立って歩けるようになり、ミナモは、彼と対等であり続けられるよう、自分の未来への道をしっかりと踏み出す。
甘えたり依存したりしない、ちょっと不器用だとも言える二人の関係が気持ち良く、この先も上手く行くと良いなあ。

 「ギャップ」という意味では、ソウタと評議会書記長、そしてホロンの関係もそうだし、途中エピソードの犬ラブ男等も同様に言え、この作品はそれらをまとめてテーマに据えているのか、と思えなくもない。

 ラスト、久島が言っていたのは要するに「ネット(メタル)より海の方が広大だわ」という事か。
 士郎正宗作品(どこまで関わっているか知らないけど)としては珍しく、テクノロジーより自然、という内容。
いや、母なる海までをテクノロジーに組み込む思想の有り様だったのかな。

 やたら肉感的な女の子達のボディーラインが楽しく、工夫された各話完結エピソードに多く見るべきものがある、目の離せないシリーズだった。


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