ときどき日記 2008/12

2008年12月31日 水曜日

『今日の5の2』最終13話.「ユビキリ」

 主人公らが幼い頃交わした淡い思い出を軸に、三十分一つの話で通す、最終話。
 「結婚する」と「おねしょをナイショに」という、気恥ずかしいのは同じでもベクトルが全く違う二つの約束を取り違えてしまうコメディーの構成は、笑う程ではなかったけれど心地良いもので、このアニメの最後を締めるのに相応しいエピソードだったと思う。
 もうちょっとエッチな部分があると、更に らしかったかなあ。
でもまあ、そうすると ほのぼのした雰囲気にまで影響を与えてしまうので、これが正解か。

 携帯電話やゲーム機など、現代の子供らしい遊びや小道具が ほとんど登場せず、『ちびまる子ちゃん』は言い過ぎでも『ドラえもん』ぐらいにはノスタルジックな作品だった。
 子供達それぞれの個性が馴染み、とても楽しく見られるようになってきた所だから、終わってしまうのは寂しい。
 特に不思議少女・カズミの言動や行動には、毎回 魅了されっぱなしだった。
どういう家庭環境で育つと、こんな子が出来上がるんだろう?

 そういえば、家や家族の描写と縁がない作品でもあったなあ。
子供時代には大きな影響を及ぼす存在であったはずの親が登場しない事で、リアルと言うよりファンタジー寄り、「今生きている子供達の物語」ではなく「子供時代の楽しかった思い出を、場面をセレクトして回想してる」ような雰囲気になっている。
 そうする事で、世界の捉え方を変にリアルにしない分、えっちな描写も いやらしくはなく、女性視聴者でも受け入れやすいモノに出来ていたと思う。
 まだ原作が残っているなら、『みなみけ』と交代で途切れず同枠放送を続ける形式にしてくれると、嬉しい。



『機動戦士ガンダム00 2nd season』13.「メメントモリ攻略戦」

 メメントモリを破壊したかったら、旧デュナメスでも地表から大気圏外への狙撃が可能だったので、もうチョイ出力を上げて破壊力のある弾頭を積み(可能かは知らないけど)、地球上から狙い撃てば良いのでは?と思ったけど…
 メチャメチャ頑丈なんだなあ、メメントモリ。
「ミサイルを二、三発当てれば取りあえず機能異常を起こすだろうから」というの前提で考えていたけど、そんなの蚊に刺されたぐらいにも感じなさそう。
 モビルスーツの長距離狙撃ぐらいでは何の効き目もなく、うかうかしているウチに逆に攻撃を受けて自機体を破壊されかねない。

 では、どういう作戦で破壊するのか、と思えば、力任せ・勢い勝負の強引なモノ。
 こうなると、「なるほどその手があったか!」という感心は無いため、演出でいかに盛り上げるかが命。
 展開したシールドが次々に破壊されていく中、猛スピードでオービタルリング上を突き進むトレミー。
その軌道が唯一、敵の自由な攻撃を妨げるものだから、だろうけど、「限定されたライン上を敵中枢に向けて飛行」というシーンを見ると反射的に『スター・ウォーズ episode.4』クライマックスを連想してしまうのは年寄りのサガ。
 何段階かに分けて襲ってくる危機と、それを乗り越える過程が上手く構成できており、ただ面白く見ていれば良い娯楽話だった。


2008年12月30日 火曜日

 冬コミケ、終了。
 徹夜で作ったコピー誌は、お陰様で開場後すぐに完売させて頂きました。
 せっかく行ってやったのに もう無かったぞ、という方、申し訳ありません。
人力で製本するコピー誌は、どうしても発行部数に限界がありまして…そう沢山 用意する事が出来ません。
 夏は、もっとマトモな形で本を出せればと…こんなこと毎度言ってますが。

 徹夜明けでボーッとしていたため、対応が変だったかも知れません、ごめんなさい。
でも普段から大体あんなモンです。
 眠さと空腹のため、割と早い目に会場を後にしてしまいました。
午後遅くにスペースを訪れて下さった方、すみません。

 あれもこれも反省しつつ、取りあえず、寝ます。
 皆様、お疲れ様でした。


2008年12月28日 日曜日

『かんなぎ』最終13話.「仁、デレる」

 重苦しい話が続いていたが、「何でこんなにも重苦しい事になっているのか」が よく分からず。
せいぜいでナギの正体について仁が問い詰めたとかそのぐらいのイベントしか起きていないのに…こんな大事になる程の出来事だったのか?と疑問を持ってきたが…
 ああ、「自分探し」という事なのか。
自分は一体ナニモノで、ドコから来てドコへ行くのか、人間の根源的な不安。
超越者である「神様」が、こんな所に引っ掛かるとは思わなかった。

 物語の仕掛けとしても、超越者はあくまで超然としてあり、相対する「たかが人間」が不安にかられたり迷ったりする、というのが普通。
 まあ、ナギの中には二つの人格があり、「超越者」と「普通の女の子」が同居しているため、後者は迷い始めても仕方ないのか。
 この「普通の女の子」人格は何故生まれたのか、それが不思議。
いや、ストーリー上の設定ではなく、作品を作る上での作者の都合として。
普通の男の子と恋愛を成り立たせるには、博愛の精神を持つ「神」では なかなか難しく、普通の女の子としての側面を持たせる必要があったのかな。

 実際の所、仁はナギを「神様」と認める事が出来ていないと思う。
高飛車で拗ねやすく、泣き虫で素直で可愛い、一緒に暮らして楽しい一人の少女として認めただけで。
 「歌の才能があると信じる」とかいう程度には、彼女の中の神という「才能」を信じて上げられたのかも知れないが。

 まだまだ続くドタバタコメディーを予感させる、ガチャガチャしたエンディングが楽しい。
自分が期待していたのは、こういうモノで。
 原作が止まってしまったけれど、人気からすれば、第二期も期待できるだろう。


2008年12月27日 土曜日

『とらドラ!』13.「大橋高校文化祭(後編)」

 大河と父親の関わり、周囲で起きていた竜児と実乃梨の感情的対立、それら全ての解決編。
 キャラクター個々の感情面を、表面に見えるだけではなく、ずっと深い所まで描いており、それを受けた相手の反応もまた通り一遍ではなく複雑なもので、読み取れれば読み取れるほど味わい深く、面白く見られるだろう。

 前々回、大河に父親の誠意を認めるよう詰め寄る竜児が、自分のその気持ちは「大河を思ってのもの」ではなく「自身の亡き父親に向けたもの」ではなかったか、と気付き、これまで見せた事の無かったような表情をしてしまう。
 元々父親を認めたい気持ちは心の底にあったのだろうが、その激しい痛みを伴う竜児の表情に、自分の抵抗が彼の心の奥底に沈めた「傷」に触ってしまう、気付かせてしまうのだと感じ取った大河は、「もうそんなツラするんじゃない」と、「竜児のため」父親を受け入れる事に決める。
 そうして、ようやく修復した大河と父親の仲を否定的に捉える実乃梨を、竜児は容れる事が出来ない。
都合の悪い事に目をつぶってでも、彼女の父親は正しく、誠実で、価値のある存在で「なければならない」。

 何があったかは分からないけど、約束をスッパリと破り一緒に暮らす計画も反故にする大河父は、スチャラカが過ぎて逆にちょっと面白くなってしまうキャラ。
趣味や興味、「一番大事なもの」が次々変わっていく、一貫しない軽やかな人間性の持ち主なんだろうな。
 友達としてなら付き合ってみても楽しそうに思うが、父親として、しかも孤独に過ごしてきた大河の気持ちを受け止めるべき父親としては、最悪。
 一途な恋愛感情を持ち続けている(ちょっと揺らいでいるが)大河・竜児らからすると、認められないし認めてはならない存在だろう。

 恐ろしい形相で走り出す竜児、アタシの屍を乗り越えていけ!とばかりに援護攻撃を行う実乃梨、一緒でなければ意味がないと手を差しだした竜児と共にゴールを切る二人、それを見つめる大河。
どうしようもない親がもたらした、どうしようもない苦しさを(実乃梨が見せた意外にダークな部分の印象と合わせて)吹っ切るに十分なアクション劇。
楽しく、爽快で、ホロリと来る。
 文化祭の終りを告げる炎の中で、様々な想いが昇華されていき、「青春だなあ」という心地良い感想を持って見終えられてしまう、良いエピソードだった。



『ヒャッコ』12.「一姫二太郎三虎子」「虎子故に迷う鬼心」最終13話.「四人虎を成す」

 原作に対する自分のイメージは、「危うい所のあるコメディー」。
危うい、というのは作劇技術とか演出力を指すものでは勿論なく、キャラクターやドラマがいつか思いも寄らない方向へと転がりだしてしまいそうなドキドキがある、というか…うーん、上手く説明できないけど。
これは、作者の独特な感性に寄っているのだと思う。
 それがアニメでは、「安定したほのぼの学園コメディー」になっており、危うさなどドコにも無い、癒し系ですらある雰囲気を醸し出していた。

 などと偉そうに言いながら、虎子の家庭の事情を全て明かすエピソードまでは、原作を読んでいない。
だから、原作ではどういう扱いが成されているのか分からないが…
 アニメのテイストからすると、こうして「不思議な考え方をし、不可解な行動を取る」虎子の性格が構成された要因を全て明かし、スッキリと分かりやすくして終わる やり方は、実に妥当。
 個人的に、虎子がビンタを食らって真面目に泣きながら駆け出す姿、なんてのを見たくはなかったけど。
 第一話に到る前段階を描き、シリーズを輪にして終わる最終回も、アニメの流れとしては納得できる。

 作画に酷い乱れが見られる話数が多く、アニメとして高品質だったとは言い難い。
 良く出来た作品であった、とも言えないけれど…
大きく原作の良さ・キャラクターのお陰があり、嫌いになれない、ほわほわ〜としたアニメだった。


2008年12月26日 金曜日

『喰霊-零-』最終12話.「祈焦 -いのりのこがれ-」

 この作品は、とにかくショッキングなスタートを切り、一話、二話の時点では次回どういう話になるのか予断を許さず、見る者を驚かせ続けていた。
シリーズを始めるに当たり、「ツカミ」は、アニメ史上でも まれなぐらい強力だったと言える。
 自分も、どういう作品構成になっているのか興味を持って見続け、一度過去に戻って一話に到るまでを語っていく形になると分かってからは、「どのようにして あの凄まじい第一話に繋げるのか」に期待をしてきた。
 が…黄泉が大ケガを負ってダークサイドに堕ち、殺生石に取り憑かれ感情のままに虐殺を始めるようになって以降、当然こうなるだろう、という道筋が見えてしまい、事実その通りに展開していった事で、物語に対する興味は低下気味。

 黄泉が、「悪役」を大変に楽しく演じているように見え、堕ちていく自分に対する抵抗の描き方も弱かった事で、彼女を可哀想だと思う気持ちは、自分には小さかった。
なので、「悲劇」としての求心力も弱く(黄泉が発する悪の魅力は強烈だったが)。
 彼女と戦う事が出来ず苦悩する神楽はじめチームの面々にも、感情移入度は薄い。

 シリーズを通してバトルには迫力があり、アクションも凝っており(刀身から飛び出す薬莢で意表を突くとか)、最後まで崩れない作画は高品質。
 正気と狂気の境目で愛憎が激突するクライマックスと、余りにもキレイに少女二人の運命が閉じていく様子には、文句を言いつつ見ていた自分でさえ、涙目。
 決して出来の悪い作品ではない。

 一話、二話を見終えた所で自分の中の勝手な期待値が限界を超えて上昇してしまい、「シリーズ冒頭を越える超弩級展開」が見られるモノと思い込んだ事が作品との齟齬で、破綻なくキレイに終わった物語にさえ不満を感じてしまった。
 余分な肩の力を抜いて、少女二人が辿る悲劇の運命を素直に注視していけば、正しく作品内容を受け取れるのだろうと思う。


2008年12月25日 木曜日

 映画『バイオハザード ディジェネレーション』を見る。
 カプコンによる、大ヒット・ホラーゲームシリーズの、これはハリウッド実写版ではなく日本製フルCG映画版。
 『ホワイトアウト』『日本沈没』等で特撮監督を務めた神谷誠の、長編監督デビュー作。
脚本は、『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-』シリーズ構成の…と言うべきか、映画『CASSHERN』脚本家の一人と言うべきか、菅正太郎。

 物語は、シリーズの流れの中にあり、ゲームを全く未プレイで この映画を見ても、細部はよく分からないだろう。
「ゾンビやらモンスターが出て、それと主人公達がタフに戦う」というのが映画の、そしてゲームでも毎度のストーリーなので、全てを理解しようとしなければ「何が何だかさっぱり分からない」事は無かろうが。
 CGによるキャラクター造形は、最初 少し違和感があったけれど、すぐ気にならなくなってくる。
それより、ゲーム中のムービー部分を見ているような気分になる事が多く、「どの辺りからコントロールをコチラに移譲してくれるんだろうか、今ゾンビに囲まれているから、取りあえず手近な奴を撃って有利なポジションに移動しなければ…」とか ぼんやり考えている「ゲーム脳(誤用)」ぶりに我ながらビックリ。

 作品冒頭、空港での対ゾンビ戦が、一番楽しかった。
それは、ゲームでも、どんなモンスターよりゾンビが好きな自分の嗜好に寄っているのだと思うけど。
 ただ…時間を経るごとに薄れていく緊張感や、割と いい加減なプランで何となく上手く行ってしまう救出行動など、余り感心できる内容ではなく。
「自分が」主人公となって遊んでいるゲームなら、「自分が」緊張しつつ行動するし、「自分を立てるため」作戦に穴が空いているのも容認できるのだが。

 イベント的な映画だろうと思っていたため、空港での事件が早めに片付き、普通の映画のようにキャラクターを彫り込みストーリーを語り出すのに驚く。
 これが…うーん、ゲーム『バイオハザード』的な物語を求めていた客層には、期待に対し必要十分だったと思う。
しかし、映画みたいな体裁を取るなら きちんと映画にしてくれ、と考えつつ見ると、事件の行方もドラマの構成もキャラが背負う事情も、薄味で物足りず。
 映画なら、ゲームとはまるで違う作り方が出来るはずなので、形式に縛られない『バイオハザード』を見せて欲しかった所。
「ゲームファンを満足させる内容」に特化させた事で、狙い通りゲームファンからは評価が高い映画になった訳だから、こう言われても制作者は「意図して切り捨てた方向を求められましても…」だろうが。

 アクションは迫力があり、施設内の非人道的な仕掛けは、らしくて楽しい。
文句を言いつつ、「ゲームシリーズのファンとしての自分」は結構 喜んで見ており、フクザツ。
 含みを残すエンディングは、次作ゲームに続くのだろうか。
ああ、『5』を遊ぶため、PLAYSTATION 3かXbox 360、どちらかを買わなくては。



『屍姫 赫』12.「夜明け」

 景世死亡、そして兄に代わりマキナと契約を結ぶ事になるオーリ。
 ようやっと、傍観者的な視点から、主人公が主体的にバトルへと関わる事になった。
ここから本当の物語が始まる…と言っても良いぐらいじゃなかろうか。

 しかし、これが可能なのなら、やっぱりミナイも助けてやって欲しかったなあ。
それはストーリー上の矛盾だとか不備だとか言いたいのではなく、「彼女が可哀想だ」という意味で。
 続いてマキナとも契約し、まとめて二人にパワーを吸われ、しかも自分を巡る少女達の感情的対立に神経をすり減らして、ヘロヘロになっていくオーリ…というのは、萌え・ハーレム作品として結構楽しげかと。
 契約僧と屍姫の関係は、そんな陽気で気楽なモノじゃねーよ!という事だろうし、そういう方面の欲求は『セキレイ』ででも満たされてくれ、か。

 景世を「屍兄貴」として使う事は出来なかったんだろうか。
通常、使える屍は女性に限る、って設定があったんだっけ?
 まあ、それじゃ絵として余りにも色気に欠けてしまうが。
…女性視聴者向けには、「屍美少年・美青年」を使役する男達の活躍を描く、別バージョンが有り得て良いのかも。


2008年12月24日 水曜日

 映画『地球が静止する日』を見る。
 1951年のSF映画『地球の静止する日』を、キアヌ・リーブス主演でリメイクしたもの。
共演のジェニファー・コネリーは、年齢を経てもやはり美しい。
 オリジナルは、タイトルと大まかな粗筋を知っている程度で、未見。
 地球へと降下してきた謎の巨大球体。
その中から現れた男を巡り、地球の運命を賭けた物語が始まる。

 古典のリメイクだから当然なのだろうが、とても懐かしいタイプの映画。
「人類は危険な存在ではないか」
「我々に生き残る資格があるのか」
といったテーマを扱う。

 エイリアン(?)と関わる地球人女性、彼女が抱える家庭内の問題、「力」しか信じない無理解な政府の面々、人類を見舞う絶対の危機を切り抜ける最後の切り札は果たして…
筋立ても出てくるキャラクターも、古典的。
 とはいえ現代の映画らしくCGは派手で、破壊を行うシーンの迫力など、なかなか。
 キアヌが発揮する不思議な力…特にヘリから照射されるレーザーサイトの光(かな?)を掌で「押し返して」ヘリの計器に異常を生じさせる無茶苦茶なアイディアには、笑ってしまった。

 が、逃走劇で米政府が見せる無能さ・間抜けさは最近の映画とすると驚くべきレベルにあり、人間同士の関わりは概ね地味で、キャラクターの煮詰め方が弱いためか展開に説得力が乏しく、ために映画のラストにもモヤモヤが残ってしまう。
 ヒロインとエイリアンの恋愛感情、なんてモノは全く描いていないし、「追い詰められたら変わるかも知れないから」だけでは人間を信じる理由には弱い。
…それで納得できるなら、そもそも手前らの勝手な理屈で人類絶滅なんて目論むなよ、どんだけ雑なリサーチしてるんだ、と思えて。
 ヒロイン家庭での、義息子との関わりは、もっと物語に活かせた所かと。
父親の代わりとしてキアヌを慕い始める息子と、向けられる愛情に戸惑うキアヌ。
人間は、恐れ・嫌い・殺したいとまで思っていた相手とでも、いつか仲良くする・愛する事さえ出来る、そういう可能性を秘めた種族である…という辺りを、子供が示す「未来への希望」に込めて、彫り込むべきだったのでは。
 先住老エイリアンの人類に対する複雑な感情、老学者とエイリアンの知的に高度な会話なんかは楽しく、味わい深かったんだけど。

 圧倒的な力を持つエイリアン対人類の激戦を描くバトルエンターテイメント、もしくは そういう部分を切り捨てて、人類の絶望的な種族的問題とパンドラの箱の最後に残ったほどの「希望」を しっかり描くドラマ、どちらかに特化した方が見易く、面白くなったと思う。
 実際には酷く中途半端な出来に終わっているが、まあ、古典のB級SFをテレ東昼間の映画枠で見る気分で鑑賞するなら、そんなに悪くない、それなりの映画。


2008年12月23日 火曜日

『機動戦士ガンダム00 2nd season』12.「宇宙で待ってる」

 ああ、やっぱりルイスに誤解されてしまったのか、沙慈。
要領よく現状を説明すれば良かったのに。
「いやいや、コレはホラ、ボクが宇宙で働いてたら冤罪で逮捕されちゃって強制労働所で死ぬような苦役を受けていた所を たまたまソレスタルビーイングの襲撃があり お隣の部屋に住んでいた刹那がそのメンバーだと知り助けられてそのままズルズル船に乗り続け……」
 うーん、事情が入り組んでいるから一瞬で語るのはムリかあ。
しかも、こんな場所で再会するなんて想像もせず動転しており、ちゃんと説明しておこうとか考えられる冷静さは皆無だったろうし。

 誤解から来る復讐鬼と化してしまうのか、ルイス。
「誤解」とは言っても、刹那らと行動を共にしている・いくらか協力もしている限り、ソレスタルビーイングを仇と狙うルイスにとって沙慈も倒さなければならない「敵」には違いなく、和解するのは なかなか難しそう。
 幸いな(?)事に、アロウズの非道は絶頂期のソレスタルビーイング以上だから、自分の組織に疑問を持つようになれば、理解してもらえる確率も跳ね上がる…だろうか。

 二つの組織に関わり、闇のフィクサー然としていた留美の顔が張られる。
 資金提供を受けてるんじゃなかったっけリボンズ、いかにも根に持ちそうな相手に こんなコトをして、大丈夫?
いや、生まれてこの方こんなヒドい扱いを受けた事が無かろう留美としては、意外とリボンズを好きになっちゃうのかも(^ ^)。

 超高速移動により生じる残像を利用した分身の術、かと思えば、「量子化」したというダブルオーガンダム。
こんな設定を扱いきれるのかなあ…今回ぐらいの使い方なら、要するに分身の術と変わりは無いけれど。
 宇宙にも砲門を向けられる、恐ろしい破壊力を備えた衛星兵器。
迂闊に近寄ったらやられるので、出来るだけ広範囲から一斉に大量のミサイルを発射し、何発か命中させる事で一時的にでも発射不可能な状態に追い込んでから一気に、という攻略法ぐらいしか。
『銀河英雄伝説』ヤン・ウェンリー風には、補給・人員交代用の定期船に乗り込み、衛星兵器内部から施設を襲撃・占拠する作戦か。
量子化ガンダムであれば、接近はさして難しくない?

 同型タイプが複数居る、イノベイター。
双子だ、という事になっているけど、ロックオン兄弟も実はイノベイターだったり。
 両親の存在は、単に育ての親かも知れないし、行動を動機付けるべく作られた架空記憶かも。
 イオリア・シュヘンベルグの計画は、かなり複雑怪奇なモノだったようなので、生み出したイノベイターを画一に配置していない・全く異なる役割を担わせている可能性が。
 まあ、「みんなイノベイターでした」では逆につまらないから、そんな事は無いだろうけど。



『かんなぎ』12.「ほんとうにエフェメラル」

 ざんげの凄まじい強さに、ビックリ。
腕の筋肉を捻り上げて股間に一蹴り喰らわせ、背負い投げ。
足を踏んでおいて腹に肘打ち、顔面にパンチ。
相手の拳の中指だけを押さえ込んでそのまま体をぐるり回転させ地面に叩き付ける。
 単純に打撃のみで倒す訳でなく、特に三人目の「中指への集中攻撃」が珍しくて、現実的に格闘技でこういう攻撃法があるのかどうかは知らないけど、面白い。
 ベースとなっている女の子が、達人だった?
ナギは別に強いと見えない所から、産土神固有のパワーだとは思えず。
いや、姉妹でも個性の差はあろうし、母体となる神樹が無事かどうかで引き出せる力の量も変わってくるのかな。

 「今まで騙してた すまん」というショッキングな置き手紙を読んだ仁が、CM明けに やる事は、まずトイレ。
それから台所で水を一杯飲んで、ゴミ箱に突っ込まれたナギの制服を目にする。
 このアニメのテイストなら(各話で相当の差はあるが)、ナギをつかまえて手紙の内容を聞き質すべく闇雲に駆け出して良いはずなのに、意表を突かれる抑えた日常的動作が展開され、そのリアクション故に「ナギ失踪」がズシリと重くなる。
 巧いんだけど…この「重さ」は、『かんなぎ』という作品に期待されている内容なんだろうか、とは思う。
 「カラオケで馬鹿騒ぎ」辺りが好みだったため、戸惑ってしまう。

 好意を感じている相手が本当はナニモノであり、どういう過去を持つのか、という事など関係なく、今ここに在る魅力を素直に喜び、信じて、好きでいれば良いんじゃないの?といったテーマを描くなら、妙にこう、この作品を巡る現実とオーバーラップする部分があると思えたり。
 上手くココから、キレイな終わり方に繋げられるんだろうか。


2008年12月22日 月曜日

『あかね色に染まる坂』最終12話.「あかね色に染まる坂」

 どういう事態になって終わるのかと思えば、順当に、というか、驚いた事にと言うべきか、実の妹エンド。
 正当なヒロインとなるはずの優姫が、兄妹の間に恋愛感情を結ぶ事について、「そんな事ぐらい」扱いしていたので、こうなるのは必然だったのかな。
 それでも、主人公のオヤジが妹について「何か」重要な事項を伝えようとしており、内容は結局分からなかったモノの、「実は血の繋がらない妹」という真相だと想像すれば、特に変わった事のない、割合フツーの終わり方だと理解も出来ようか。
主人公両親は異常な・常識的には有り得ない状況に身を置いており、そこからすると「妹」の設定をSFとかファンタジー寄りにして、結ばれて問題のない関係にしてしまう事も可能。

 いや、個人的には兄妹で恋愛関係を構築しても特に問題とは思わないんだけど。
禁忌から自由になってしまったからか、恐ろしく積極的になり、兄に性的関係を迫る(としか思えない)妹、というのも個人的には楽しいが、一般的視聴者からは どうだったのかなあ、と。

 結局 選ばれない優姫、可哀想。
ライバルである湊が、「主人公の実妹である」という以外、争奪戦におけるマイナス要素を設定されていない万能・完璧キャラであったから、仕方ないのだが。
それでも諦めきれず既に敗れた戦場へと帰ってきてしまうのは、未練か、これまでより強く・前向きになったという事なのか。
 色々と不明な所が残る終わり方ではあったが、「常識を越えて互いの気持ちを確かめ合う兄妹の物語」としてキレイにまとまっていると思え、後味は悪くない。
 作画に冴えない部分が多かったのは残念だけど、気負わず楽に見ていられる作品だった。



 ぼちぼちと復帰。ううう、疲れた。


2008年12月16日 火曜日

『機動戦士ガンダム00 2nd season』11.「ダブルオーの声」

 全開になった00のパワーは、周囲の期待も予想も遙かに超える物だった。
 そこへ襲撃を掛けてくるアロウズ。
充分に練られたマネキンの作戦と、新型機も投入しての戦力差で、ソレスタルビーイング壊滅の危機。
 更に、整備担当おやっさんの死(死んでない)、駆り出されてオーライザーで刹那の元へと飛来する沙慈、といったお膳立てもあり、新モード登場には万全の舞台設定。

 反応速度が上がる、兵器の出力も上昇…ぐらいでは、パワーアップの見せ方として物足りないかなあ、と思っていれば、「分かり合う」空間が現出したのにビックリ。
こういった効果を予感させる伏線はあったが、「一時的に周囲の人間をニュータイプ状態にする」とは思わず。
 まだ互いを認識しての再会は後になりそう、と思われた沙慈とルイスを、ここで会わせてしまうのにも驚く。
 あそこでは、「表層意識が伝わっている」のかな。
もっと心の深い所まで分かり合えたなら、互いが今居る状況を理解できたろうに(それはオリジナルのニュータイプでも難しかったか)。

 今回戦死した、奥さんをカタロンのテロで殺された大尉。
彼の心の声や痛みが伝わってきたなら、「彼を殺す」戦いの継続は出来たんだろうか。
…刹那なら、やるかな。
 この効果は、今後の戦いにおいて有利な特異性になる?
どうも、やりづらくしかならないような。
調整不足による一時的な現象、という事で、いずれ発現しなくなるとか。
 もっと広く・深く人同士の心が繋がり合うようになれば、ソレスタルビーイングの方法論とはまるで違う形で戦いが終わり、リボンズらの目的に合致する未来が開けるのかも。
いや、より根深く解決不可能な、人と人の間にある問題が、ハッキリ見えてきてしまうだけなのかな。



 いえ起きてました、寝てません寝てません(寝言)。


2008年12月10日 水曜日

『仮面ライダーキバ』43.「結婚行進曲・別れの時」
 ファンガイアにまでした嶋を、アッサリ殺したのに驚く。
人間ではなくなってしまったが故の葛藤、だからこそ分かるファンガイアの心理、そういう嶋との間でグッと深い所まで繰り広げられるはずの太牙との愛憎劇、等々…まだ全然描き足りていないのに。
 特に、「ファンガイアとは何なのか」について、嶋は最も真相に近付くキャラになれたはず。
 今回の主題が深央の悲劇にあるのは分かるけど、それにしてもドラマとして未消化すぎでは。
 過去編では、当然ながらまだ生きており、そちらで太牙との関係性は補完されるのかな。


 などと書いている内に、悲惨な年末進行スケジュール入りです。
 来週末、20日ぐらいまで、更新はなかなか難しくなるかと。
 明るい年始を迎えられるよう、頑張りますー。


2008年12月9日 火曜日

 地上波で放送された映画『ゴーストシップ』を見る。
 製作にジョエル・シルバー、ロバート・ゼメキスと豪華なメンツが揃う。
監督は『13ゴースト』(未見)のスティーヴ・ベック。

 血まみれB級ホラーを期待していたので、肩透かし。
死んだ乗客の幻が見えてくるシーンのイメージなど、どちらかというと、『シャイニング』的な恐怖を狙ったモノなのか。
 心理面を追い詰めて行くにはシナリオの詰めが甘過ぎ、ショッキング・シーンは演出が弱くて全く怖くない。
 後半で、「事故」と思われた幽霊船誕生の真相が「人為的」な物であり、更に…と明かされていくのは、ちょっと面白かった。
予想・期待と全然違う方向に転がっていったので。

 船から解放されていく場面のCGイメージは、キレイ。
 ラストは…ホラー映画、お約束の一パターン。
地上には、もっと効率的に営業成績を上げられる方法・場所がありそうに思うんだけど、「彼」は「船舶専門」という事なのか。
 何と言えば良いか、珍品映画。
どういう内容を期待して見たかで、評価は大きく変わってきそう。


2008年12月7日 日曜日

『あかね色に染まる坂』10.「あかね色のコンフュージョン」

 主人公争奪戦における、ヒロイン優姫の最大のライバルは、やはりというか主人公の妹・湊という事に。
 ウィキペディアで見る限り、湊は義理の妹では「ない」らしい。
 妹相手の恋愛物かぁ…
いや、自分の漫画では平気で、というより好んで使う設定だけど、テレビアニメではアリなのかどうか。
 兄妹間の恋愛をメインテーマに据えた『恋風』なんて前例もあり、どうだこうだ騒ぐ必要はないのだろうが。

 ツンデレの時期を過ぎ、デレデレになってきた優姫が可愛く思えてきた所なので、この強力なライバルの出現(覚醒?)は、可哀想。
 華恋も哀れだけど、彼女の場合は主人公を好きになる理由からして弱く、他の男性を選んで構わないだろう。
 料理が得意で気が利いて可愛らしくスタイルも良く、何より主人公視点として「妹」より「一人の女性」と認識されている湊。
「血が繋がった妹である」という点が主人公争奪戦においてマイナスかプラスかは、フィクションである以上、まだ分からない。
 普通に考えると、優姫の勝率はゼロ。
実家がお金持ちだというのと、胸が無いのをステイタスと見る人には そこが優位点、ぐらい。

 取りあえず優姫と結婚してリッチになり、「兄を自分一人だけの物にしたい」欲望は弱そうな湊も一緒に暮らす、というのがベストの選択じゃないかと思うが、本当にこんなラストを迎えようモノなら非難ゴウゴウだろうな。
 説得力ある結末になる事を希望。



『鉄のラインバレル』10.「OVER DRIVE」

 ファクター達には家族が居ないとか、JUDAの保護の元でこれまで生きてきた、というような事情が語られた。
『エヴァンゲリオン』以降、どうも裏を想像し、ダークな気分になってしまうんだけど…
 必要な因子を持つ子供達を確保するため、親は処分したんじゃないか。
JUDA以外のドコへも行きようが無くしておいて、ファクターになる事をやんわりと(?)強要したのでは、等々。
 もしか、そういった非人道的な要因を人工的に作られて、ファクターに育てられたとして、それを知っても少年少女達はまだ戦う気力を維持できるのかなあ。

 確か、このアニメの感想はしばらく書いていなかったと思うので…
 これ、「異次元からの侵略」物なのね。
最近では ちょっと珍しい、古式ゆかしい形式?
それでも「異次元の軍団が攻めてきた」という昔からのパターンではなく、「異次元人は一人だけ、他の敵は、彼に賛同する地球人」とする、「悪の異次元帝国を叩き潰せ」では済まない設定にしてあるのが、今日的。
 しかし、こちらの世界にやってくる人数が やたらに少ないのは、気になる。
加藤機関の上層部ぐらいは、異次元人で占めていて構わないはず。
 向こうの世界の状況や、そこでの加藤久嵩の地位、侵略の本当の目的まで、まだ分からない事が多いなあ。


2008年12月6日 土曜日

『CLANNAD AFTER STORY』10.「始まりの季節」

 ああ、本当に朋也が卒業した後の二人を描くんだ。
 何というか、こういった「萌え」系統の作品は、モラトリアムな状況があってこそ成り立つものだ、という思い込みがあり、実際その多くは「学生時代」に繰り広げられる物語…ではないかと思う。
 余り厳しい現実に晒されると、儚く消えてしまうのが「萌え」ではないかと思え、親であったり学校という強固なシステムで守られている間だけ成り立つ「夢の時間」だから。

 何しろフィクションなので、社会に出た設定にしても、状況を都合良く構築する事によっては問題なく気持ち良い「萌え」を創造できるだろうが…
この作品は、ちょっと不器用なまでに「現実」を主人公にぶつけ、しかも容易には乗り越えさせない。
 『SHUFFLE!』でも、主人公が独立してアパートを借りる様子を描いていたけれど、独立の意志を感じさせてシリーズを閉じる辺りまでが限界かと。
 朋也は、生活のため かなり厳しい仕事に就き、その疲れで、大事な、全てを賭けても守りたいと思っていたはずである渚の話さえ、最後まで聞く事が出来ない。
とてもハードで、リアル。
 このまま彼の疲労が蓄積されていくと、渚に向かい、「そんな下らない話はどうでもイイよ、渚は学校行ってるだけだから気楽でいいけど、俺は仕事で疲れてるんだよ!」とかいう、決して言ってはイケナイ言葉を口にしてしまいそう。

 未だモラトリアムな(もう、さして楽しい場所ではあるまいが)学校に居続ける渚は、現実にぶつかって苦難の道を歩み始める朋也を、理解して上げる事が出来るのだろうか。
 「恋のライバルが現れた」とかいうドラマティックな展開より、ずっとハラハラするなあ。
それは、見ている自分が既にいい歳だ、という事とも関係しているのかな。
 高校・大学生でこの作品を見ている人は、どういう風に感じているのだろう。
学校に残っている渚の方に、多く感情移入する…でも物語は苦労している朋也を中心に動いているから…

 ちゃんと好きな女の子を一人だけ選び、彼女もそれを受け容れてくれ、周囲からも祝福されて、「そして二人は幸せになりました」の「その先」を描いているようで、(青年漫画等で例が無くはないが)展開を読めず、引き付けられっぱなし。


2008年12月5日 金曜日

 映画『D-WARS ディー・ウォーズ』を見る。
 監督は『怪獣大決戦ヤンガリー』のシム・ヒョンレ。
 『ロズウェル』のジェイソン・ベアが主演して、アメリカ映画に見えるけれど、実は韓国映画。
 『ヤンガリー』が、思いつきを全部一本の映画に突っ込んで、脈絡が無くセンスもない退屈な、しかし映像的には一部面白い作品になっていたため、大体そんなモノかと予想しつつ鑑賞。
 むう、概ねその通り。

 また思い付いた事をストーリーに無理して押し込んでおり、大した事のない内容なのに説明台詞は結構多いという、宜しくない事態になっている。
 CMで、現代の街中に中世風甲冑の騎士達が忽然と現れて戦うようなシーンがあり、どういう流れでここに持っていくのだろうか、と楽しみに見てみれば、本当に「現代の街中に中世風甲冑の騎士達が忽然と現れて戦う」としか言いようのないシーンだったのにビックリ。
 主人公カップルにまるでキャラクターが無く、それならそれで『クローバーフィールド』みたいに突き放した構成にする手もあったかと思うが、恋愛要素を混ぜクライマックスを強引に盛り上げようとかして、勿論そんなモノに乗れないコチラとしては、困ってしまうばかり。

 まあ、この映画に「何故?」とか「どうして?」「何のために?」「途中で放り出したアレはあの後どうなったの?」といった疑問など持っても無駄。
 ストーリーに まるっきり期待できない事は、映画を見始めて5分ぐらいでもうイヤと言うほど分かる。
そもそも『ヤンガリー』の監督による新作、という時点で分からなきゃイケナイか。
 やたら主人公に協力的な黒人の相棒、悪いのと良いのがコンビを組んでいるFBI、怪獣の実在を訴えて病院に入れられる間抜けなデブ…ハリウッド映画でよくあるパターンなんだけど、消化して自分のモノとして撮っているとは思えず、パロディーにもなり得ずに、「素人が憧れのハリウッド映画のマネをして演出している」としか。
 それでも、『ヤンガリー』の驚くべき安っぽさに比べれば、まだしも頑張っている方かな。

 『スター・ウォーズ』『ロード・オブ・ザ・リング』や米版『Godzilla』の影響を感じさせつつも、ファンタジー集団と現用兵器軍隊がビル街でぶつかり合う後半の山場は、単純に楽しい。
CGとしても一番力が入っていると思え、ここを撮りたいからこの映画自体があったのかと感じるほど。
…というか、ここが無ければ「心底 時間の無駄」以外のナニモノでもない映画だけど。
 モンスター達が無敵ではなく、軍による攻撃がそれなりに通じるのは好み。
 この下りだけを映像化したいのなら、ストーリーも…「宇宙人がモンスターを引き連れて地球侵略にやってきた」とか、それぐらいで良かったのでは。
ああ、『ヤンガリー』に似てしまうのか(笑)。

 ツッコミ所が満載過ぎて飽和状態になってしまう、ダメな映画。
 ビル街で展開されるモンスター対 軍隊の攻防戦だけで元を取れる人でない限り、劇場での鑑賞はお勧めできない。
 レンタル屋に並んだら、気の合う仲間と酒でも飲みながら大笑いしつつ見ると、楽しいかな。



『ミチコとハッチン』07.「雨におちるモノトーン」

 感想を書くのが難しいアニメ。
 内容が難解だ、というならまだしも噛み付きようがあるけれど、そういう訳ではなく、話自体はむしろ分かりやすいぐらい。
 今回ミチコが、行きずりの男に惚れ、その邪魔だからとハナをバッシンバッシン顔など張りつつ買い物に出し、見るからにロクデナシそうな男に惹かれていく余り、ハナが命の危険に晒されていた事に関心すら向けず、買い物が出来ていない事を咎める。
…ちょっと見ると、ハナが最初養われていたクズ一家と さして対応が変わらず、「酷い」と思ってしまう。

 ミチコのハナへの愛情は分かるし、そういう気持ちがあっても嫁持ちの男に惹かれる弱さ・ダメさ・女らしさも理解でき、また相手(保護者)の酷い対応に正面から怒りをぶつける事が出来るハナは以前より幸せなのかとも思い、命を賭しても「勝つ」事でハナはこれから生きて行かざるを得ない厳しい世界へ対応する「成長」を遂げたのだ、とも思う。
 ハナは、ふらふらするミチコの行動やその問題を鋭く感じ取りながら、無自覚にそれを喚き立てたりせず、最終的にミチコを見捨てて出ていく(自分が離れる事での覚醒を促したかった?)。
今回は、「どちらが保護者か分からない」精神状態の有り様。
 単に「力」という点でも、失うものを持たない強味か、命を賭けて戦えるハナの方が「強い」のかも。

 大人の女、として振る舞うロクデナシ男の妻が、印象的。
腹の底に暗くて重いモノを抱えて交わす、彼女とミチコの会話には、ゾワッとさせられた。
 誠が無く、最後まで良い部分を感じさせてくれない男の造形も、上手い。

 …と、評価すべき所は多くあると思うんだけど、このアニメが好きなのかというと、どちらかと言えば「好きじゃない」。
 好きじゃなくても、文句を言うのが楽しい作品なら見続けて不思議ないが、これはそういうタイプでもなく。
 良く出来ているけれど、好きじゃなく、ちょっと見ているのがシンドイ内容ながら、引かれる気持ちはあり見るのを止められない。
不思議なアニメだなあ。


2008年12月4日 木曜日

『ONE OUTS−ワンナウツ−』09.「決着」

 さすがに野球裏ワザも尽きただろうと思っていれば、ああ、まだ試合放棄させる手があったか。
 これだけの、イヤでも記憶に残る無茶な試合内容だったのだし、投手の成績への記述についても、注釈付きにするとか何とか、対策の取りようはあるような…
自チームの契約更新時利用データだけならともかく、公式記録として残ってしまうのがマズいのか。
 どうせ放棄試合になるなら、マリナーズ全員で憎たらしい東亜をボコ殴りにし、総員退場を喰らって負ければ…いや、それじゃ試合成績が残るな。

 凄く特殊な試合形式になってしまった事だし、オーナーであれば、何だかんだと難癖を付けて正規の報酬は払いたがらないだろう。
 その他、相変わらず「そんなに上手くは行かないだろ」という部分が多くあるんだけど…
とにかく、この裏ワザ アイディア連発には、ただ感心するしかない。
 「東亜という恐ろしく頭の切れる男が…つまり苦悶しつつアイディアを捻り出す作者が、次はどんな無茶な方法で勝利を収めるのか」への興味で、次回を楽しみに待てる。
 面白いなあ。


2008年12月2日 火曜日

『とある魔術の禁書目録』09.「吸血殺し」

 うーん、この作品で主人公と直接向き合って戦う敵は、「実はインデックスの事を思っている」奴ばかり?
 アウレオルスの逆ギレぶりが凄くて、何だか笑う。
 「インデックスの書物情報を元に、世界征服を狙う」とかいう、物語の設定から安易に想像できる理由ではないけれど、ステイルやアウレオルスの「狂」が付くような極端な行動を見ていると、インデックスの存在は世界にとって危険なのだと納得できてしまう。
対応策としては、彼女自身ではなく、彼女に関わった人間の方を、定期的に記憶消去すべきだろう。

 言葉を現実にする超攻撃能力を有するアウレオルス。
 「感電」で真正面から電流をぶつけたり、「圧殺」で自動車を天井から降らせてみたりと、どうにも非効率的な攻撃だなあと思っていたが、彼のイマジネーションがここまでしか無かった、という事なのか。
 …しかし、具体化した、目に見える形の攻撃しかイメージできない訳ではなく、ステイルを空中に浮かせて皮膚をはぎ取ったり(言葉通り「弾けた」訳ではなかったが)出来るのだから、主人公に対しても、右肩の関節外したり肩から引き千切ったりすれば良かったような。
 割とヘタレな敵だったようなので、咄嗟に適切な言葉やイメージを浮かべる事が出来ず、ヘタすると「血が苦手」ぐらい弱い男だったかも知れないのかな。

 主人公が記憶喪失となった、直後のエピソードだったけれど、その特異な設定が生きているとは思えず。
記憶が無くても全く問題なく行動できている、というのがまた、設定の意味に疑問符を付けさせる。
 大きな意味を持ってくるのは、まだこれからか。


2008年12月1日 月曜日

『今日の5の2』09.「タイフウ」「ファッション」「ウトウト」「メシアガレ」

 二本目。
 あー、あるなあ、外出の支度をしていたヨメから「これ、どう?」とか聞かれる事。
そう言われても、いつもと何が違うのか…髪型か、メイクか、シャツか、コートか、バッグか、全然分からない事が度々。
 男の子達、話を逸らして(本気で勘違いして)窮地を逃れられたのは、ラッキー。
リアルでは、こんなもんじゃ勘弁してもらえない、というか真面目に答えなさいよ!と余計に怒られたりするんだけど。

 三本目。
 ちょっとピントのズレた低血圧少女・カズミが可愛い。
他の子達からアクビがうつらないのは、ゴーイングマイウェイな性格故かと思えば、酷く遅れて反応が出ているだけ。
 カズミの人騒がせな寝言と、リョータを誘惑するような行動(そんな意図はあるまいが)にヤキモチを焼き、思い切り額をぶつけてくるチカも、女の子っぽくてイイ。
リョータに「目を覚ませ」と言いたかった?


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