ときどき日記 2009/04
2009年4月30日 木曜日

『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』05.「ルーキーたち」

 テレビシリーズだから出来る、主役級ジェダイ達をほとんど登場させず、クローン兵だけで構成する お話。
 無茶な事するなあ、と思いつつ、同じ顔をしていながら個性のあるクローン兵部隊の構成や、ドロイド兵との知恵を使った(そんな高度なものじゃないけど、『スター・ウォーズ』らしい)騙し合い、仲間の勇気ある行動の末に、兵士として成長を遂げる新人達、といったしっかりした内容で、見応えあり。

 この時点まで、クローン兵達には、自意識とか、才能や人格を認めた上でのジェダイに対する敬意が感じられるんだけど、『Episode3』で見せた突然の裏切りは、事前のプログラムに基づいて個別の意識を消去し命令への絶対服従だけ残したものか、そもそも「命令だからジェダイの下に付いていた」だけで命令が変わればジェダイを攻撃する事について何の抵抗もないのか。
 まあ、このために作られた存在だとはいえ、意識のあるクローン兵を戦場に送り込み戦死させる事を普通に捉えるジェダイも、「正しい」態度とは言い難く、逆襲を受けて無理ない気にはなってしまうが。

 いやあ、面白い、このシリーズ。
 超兵器を備えた巨大戦艦を破壊しようとする話など、『Episode4』を今風に作り直したような楽しさだったし。
戦艦内部の交通と物資輸送のため、列車が行き交っている様子には、『トップをねらえ!』を思い出してしまう。
 出し惜しみなく、念動力的なフォースを使ってくれるのも、嬉しい。
対ジェダイ用にバリヤーを張ってくるドロイドに対し、フォースでバリヤーごと弾いて敵軍団を跳ね飛ばすボウリングのボールに使ってしまう、猛烈に強いオビ=ワンの戦いぶりなど、拍手モノ。



『戦場のヴァルキュリア』04.「束の間の休日」

 戦いにおいて要になるべきキャラクターであろうウェルキンが、ぼんやりしたイメージのままなのは大きなマイナス。
 「ぼんやりしているように見える男」なのは意図通りだろうから良いんだけど、作戦立案や行動指示に際して鋭い所が見られず、かといって無能ながら驚くべき人間的魅力で隊をまとめていく、といった特性を持つ訳でもない。
「適当な計画で戦っているのに何故か勝ち続けてしまう強運の持ち主」設定なのかな。
 頑丈で強力な攻撃力を持つ戦車で突っ込んでいけば どうにかなる、ばかりでは辛い。
どうせ架空世界の話なのだから、地下に廃坑を設定し砲撃で敵部隊ごと陥没させる計画を立てるとか、定期的に訪れる強風や大潮についての知識を利用して奇襲を掛けるとか、「ウソ」を使い、ウェルキンが策士であるかのように見せれば良いのに。

 彼が物足りないと、その絡みで大きくキャラを立てようとしているヒロイン・アリシアまで、影が薄い存在に思えてしまう。
 ウェルキンと、彼の親友に挟まれて、三角関係を構築し、そちら方向のドラマで見せようとしているのかな。



 ようやく一段落。
 でもまたすぐ、単行本進行と、〆切変動により恐ろしく前倒しになった次の仕事が…


2009年4月24日 金曜日

 連続する〆切に、ずっとドタバタ。
 実際の仕事量は そう多くないのに、スケジュールがズレ込み、キツく感じてしまうのは、もうジジイだからだろうなー。
 月末までこの調子みたいです。

 あ、新装重版単行本「MAMAMA」が発売になっております。
 収録作品は前版と同じですので、ご注意を。
CD付きバージョンをお求めでない方は、その分 廉価なコチラを、是非よろしくお願い致します。


2009年4月13日 月曜日

 『真マジンガー衝撃!Z編』02.「始動!マジンガー!」
 拍子抜けするぐらい真っ当な作り。
 兜十蔵が、エラく親しみやすい変人ジジイになっているけれど、永井豪作品には こういう「凄い奴だが時折アホ」な人格を持ったキャラクターは多く、らしいとも言える。
警護レーザーの実験で鳥を焼いてみたり、「こんなこともあろうかと」自分だけ脱出して警察官の命を全く意に介さなかったりと、見えてくるマッドな本性が楽しい。
 甲児に祖父への「偏愛」を植え付けたのは、上手い。
ボスとの対立を始め、DR.ヘルと戦い始める動機付けとして、不自然なく使えそう。
 フツーに、これを第一話として放送してくれれば良かったのに。


 …という訳で、お仕事スケジュール入り。
 カラー原稿が多く あったりするので、月末まで割と途切れなく悲惨な状況が続きそうです。
 隙があったら更新したいと思いつつ、それでは。


2009年4月12日 日曜日

『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』01.「待ち伏せ」02.「マレボランス襲来」

 3DCGアニメ作品。
映画公開されたものから、順次放送してくれるのが嬉しいよNHK。
 本編の『2』と『3』の間を埋める…というか膨らませたシリーズ。
 自由に、どんな話でも作れる、とはいかない、制約の厳しい制作体制になる事が予想され、そんなんで大丈夫なのか…と思うけれど、同条件下、手描きアニメで作られた『スター・ウォーズ クローン大戦』は非常に面白い作品だったので、期待を込めての視聴。

 映画公開版から、良い出来。
 本編には登場しない、アナキンのパダワンである少女・アソーカを新たに設定したのが、効果的。
未熟ではないがジェダイとして完成されてもいないアナキンの微妙な有り様を、まるで未完成な…かつてのアナキンを思わせる彼女が浮き上がらせてくれる。
 …といっても本編には居ないのだから、このアニメシリーズの最後では、死ぬか、そこまで行かずとも何らかの形で片付けざるをえまいけど。

 「ジャバ・ザ・ハットの息子が誘拐された」とする筋の作りも、楽しい。
『1』で、ジャバの嫁さんらしい姿が見られ、「結婚してたんだ」と驚いたものだけど、息子が居た事で更にビックリ。
 ジャバの承認を得る事により、ある領域の通行が安全になる、として、結構な大物なのだと感じさせてくれるのも、嬉しい。
宮殿の様子とか、アニメオリジナルの設定を作り、すっかり描き変えて良かったのに…ボディーガードも大した数居ないし、どうもビジュアル的には小物ヤクザっぽく思えて。
 まだ若い(?)ジャバの、本当の恐ろしさ、というようなモノも見たかったかな。

 ジェダイが、とにかく強く描かれているのが素晴らしい。
本編では、特に計画もなく集団で突っ込んでいって危なく全滅しそうになる お間抜けぶりだったり、ヨーダでさえ「やたら元気に跳ね回る」以外はマスター・クラスの実力を見せてくれないから。
 シリーズ一話で、ザコドロイド集団や戦車相手ならヨーダ一人で十分殲滅できたり、崩れ落ちてくる無数の岩塊をフォースで支えて弾き飛ばしたり(本編より遙かに力が強い)、「さすが」。
 それより、クローン兵にまでも「道」を説く、その態度こそ「見たかったヨーダ」なのかも知れないが。

 キャラクターを絞り、シチュエイションを限定し、その話での目的を明確にして、一話ずつ しっかり作ってある。
 クローン兵士が、それぞれある程度の個性を持っているのは、意外。
総じて有能であり、素直で従順。
 いかにも怪しげなクローン兵を主力として使い、やっぱり裏切られて総崩れになる本編のジェダイを間抜けに思っていたけれど、こういう姿をずっと見せられていたなら、信用して仕方ないかな。

 基本的に良い奴であり、アソーカとの関わりを通して成長し、年若いジェダイへの気持ちを深めていくのだろうアナキン。
 このままだと、本編に上手く繋がるのかどうか。
いや、もう繋がらなくて良いから、アナザー・ストーリーとしてでも、完成された素晴らしいジェダイ・アナキンの姿を見せてくれる事を望んでしまう。
 この流れの果てに、ダークサイドに堕ちダース・ベイダーになってしまうアナキンの悲劇を、このスタッフで新たに語り直してくれても良いな。
 まあ、ルーカスが許す訳ないけど。

 現在のレベルをキープして、価値あるシリーズになってくれるよう、期待。


2009年4月11日 土曜日

『クイーンズブレイド』01.「気炎〜流浪の戦士」

 原作ゲームブックは、カトレアを始め何人かの本を所有。
といっても、参考に絵を眺めるだけなので、ゲームとして遊んだ事はない。

 取りあえず分かり辛い所もなく、美女達がよってたかって裸身を晒しながら戦い合う、作品の基本構造を これでもかと描く第一話だった。
 地上波放送の限界なのだろう、霞やボカシで露出した胸など局部を徹底して隠してあり、ちょっと画面が見辛い。
この先もずっとコレが続くのか…いっそ脱がないで、鎧や衣服を着けたまま、えっちに見えるよう演出的工夫を加えてくれる方が見易くて嬉しいんだけど…それじゃ作品の基本理念・成立理由に反する恐れも?
視聴者にフラストレーションを感じさせて、全開放になるのだろうDVD・ブルーレイ等への購買意欲に繋げる目論見もあろうし。

 イキナリ弱いレイナが、この作品のヒロインか。
何かしら特別らしい鎧を身につけたら無敵化するのかと思えば、そうでもなく。
彼女の武人的成長を描くのが主軸?
 ウサミミ流体女を倒した方法は、鎧で乳先の液体噴出口をふさぎ、圧迫して体内に逆流させた事で爆発させた…という事なのだろうか。
レイナによる咄嗟の勇気や判断力を描く、大事なシーンだったと思うので、彼女が全く無傷だったのは何故かも含み、もうちょっと親切に描いて良かったような。

 本当のところ、ストーリーや設定などの細かい事は、制作陣・視聴者共に気にする必要がなく、女性キャラをキレイに・サービス満点で描けていれば それで良い、キッパリ割り切った(割り切って見るべき)作品だと思う。
 それにしては…と言うと失礼だけど…マトモな第一話だった。
 視聴継続。
「カトレア」登場回は、金子ひらく作監で是非。


2009年4月10日 金曜日

『東のエデン』01.「王子様を拾ったよ」

 『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』『精霊の守り人』の神山 健治監督が、原作と脚本も手掛ける、新作。
 キャラクター原案は『ハチミツとクローバー』原作者の羽海野チカ。
 今期、最注目作か、と期待を込めての視聴。

 最初は、ちょっと分かり辛い。
 ホワイトハウスを世界の中心と考え、その中に何やら投げ込む女の子。
 全裸に拳銃を振り上げて登場する、記憶を無くした男。
 結果的に助けられる形となった、とはいえ、そんな男にコート等を無分別にも上げてしまい、そのポケットにパスポートやサイフが入っていたと後になって騒ぎ出す女の子…

 何だコリャ何がしたいんだ、特にコートの件について、登場人物を「アホ」に描く事が滅多に(意図しない限り)無い監督の作品にしては、若い娘だからといっても迂闊すぎるなあ、と思いつつ見ていれば、通りすがりのオジサンからズボンを貰う男、というシーンからすると、「他者の分別を一時的に奪い、過剰な好意を寄せられる『才能』を持っている」って事なのかな。
 ホワイトハウスに向ける女の子の気持ちは、第一話中で語られ、男の事情はまだ多く謎に包まれているにしても、反応や決断の早さから相当な頭の良さと、彼を陥れた「計画」の周到さ・厄介さを伺わせる。
 疑問から、その解消へとスムーズに繋げ、興味を繋ぎ止めていく作り方は、さすが。

 作画は、羽海野チカのラインを色濃く残しており、特に崩れた女の子の顔が可愛い。
描き込まれた背景美術の美しさも、ポイント。
 しばらくは、ライトな『ボーン・アイデンティティー』といった雰囲気で物語を進めていくのか、と油断していれば、ラストで愕然とさせられる。
この作品の企画が立った頃には予想も計算もできなかったと思うが、某国の発射強行とタイミングが合っており、不思議な気分。
 日本を揺るがす大事件と、二人は、どう関係していくのだろう。
 先は全然読めず、興味津々で、視聴継続。



『リストランテ・パラディーゾ』01.「ニコレッタ」02.「指輪」

 原作未読。
 メイド喫茶はもう普通の風景として街にあり、執事喫茶もボチボチある(のだろう)現在、なるほど、美爺ばっかり集めたリストランテ、っていう手もあるか。
 現実に存在したとして、こんなに上手くキレイなジイちゃんばっかり働かせるのは困難だろうけど、そこはフィクション、最上級のジジイばかりが就労するお店に設定。
 未来を見据えれば冷静な判断があるべきではないかと思いつつ、「今」にのみ生きる女性達にとっては、恋愛、ひいては結婚の相手として考えてしまいそうな お年寄り集団。

 漫画(アニメ)であっても、主人公を女性にし、相手が「高齢の男性」だから何とか成り立つ物語。
 青年が主人公で、熟女…老眼鏡が必要なお歳の ご婦人方相手に、ドラマとして恋愛関係が成立するかというと……
キャラクターとして、女優・岩下志麻とか竹下景子、松坂慶子辺りをイメージ…ああ、割合 不可能でもないなあ(笑)。
 男性側の嗜好で「熟女萌え」は あるのだから、女性に「老紳士萌え」があっても不思議無い。
 様々な性格付けを施した美形老人達に囲まれ、ヒロインがハーレム状態に陥っていくのか。
…雰囲気としては、『桜蘭高校ホスト部』のメンバーが老齢に達したような感じだけど。

 年若い少年少女では、抱えるドラマがある程度 制限されてしまう。
この作品のキャラぐらい高齢に達していれば、人生のウチで、おおよそどんな経験があっても不自然ではない。
 「大人向け作品」としては、この設定は優れているのかも。
…激情のままに老紳士を押し倒して服を脱がそうとする ご無体なヒロインを見ていると、「大人向け」なのかどうかは分からなくなってくるけど。
 視聴継続。



『シャングリ・ラ』01.「少女帰還」

 原作未読。
 ヒロインの足…靴だけが画面に映った瞬間、キャラクターデザインは村田 蓮爾先生だと分かる。
凄く特徴的な、古さと新しさが融合した服装の造形センスをしてるから。

 「お勤めを終え、出所する」所をヒロイン登場のファーストシーンにする、インパクト重視の構成がなかなか。
 続き、迎えに来た男と美女と太めの女性…かと思わせて、実は声からして全員 男?という「驚き」の見せ方。
 地球温暖化により?水没が進み、緑に覆われた東京(これは、『AIKa』や『ヨコハマ買い出し紀行』で見た風景だけど)。
 お姫様っぽい幼女と、その前を進んでくる車を邪魔者としてゴミのように排除する その世話役。
 炭素排出量についてインチキな取引を、どこかの国のトップに持ちかける少女。
 ……等々、「おっ」と思わせて視聴者の心を掴む、一風変わった設定やビジュアルが満載。
第一話として、高得点の出来。

 炭素排出量取引少女のセリフが、面白い。
基本的世界観を提示する、言えば説明ゼリフに近い物なんだけど、こういう形だと受け入れやすいなあ。
 アニメでのキャラの顔立ちは、村田 蓮爾先生のラインとは かなり変えてあって、残念。
『青の6号』『LAST EXILE』では、もっと忠実に描けていたと思うのに。
いや、これはこれで悪くないが。
 ヒロインの武器をブーメランにしたのも、そういえば最近見ないアイテムだなあ、と思わせて楽しい。
 今後の展開に期待しつつ、視聴継続。


2009年4月9日 木曜日

『蒼天航路』01.「少年 曹操」

 原作は、途中まで既読。
読んでいると疲れるぐらい、怒濤のパワーと迫力に溢れた作品。

 アニメ。
 うーん、この第一話で打倒 李烈のエピソードまで詰め込もうとしたためか、略されてしまった所が多々。
それらは「不要な部分」ではなく、曹操の人物像を掘り下げ、怪力の持ち主キョチョ(名前は表示し辛い文字)との仲を固め、戦いに勝つ理由を納得してもらうのに必要な箇所なので、とても残念。
 そこにこそ、原作の面白さがある…ようにも思うのに。
 奇襲を掛けさせるシーンでは、まず巨岩を落とす描写を入れる事で、アニメの方が分かりやすくなっていたけれど。

 作画は別に悪くないが、アニメでは仕方がないと思いつつも、画面から吹き付けてくるような迫力と作者が込めた気力、を感じ取るのは さすがに無理で、冷静に物語だけを追っていって面白くなる作品なのかどうかは不明。
 もう少し見続けるけれど、アニメならではの優れた部分が見えてこない限り、「いずれ原作をちゃんと完結まで読む」事にして視聴を終えてしまいそう。



『タユタマ -kiss on my deity-』01.「太転依(たゆたい)」

 原作ゲーム未プレイ。
 冒頭の様子から、時代劇なのかと思えば、封印が行われた様子をざっと伝えただけで、舞台は現代なのね。
 いくらか真面目な退魔バトル物になるのかと思いつつ見ていたが、これもハズレ(?)、主人公に異様に懐く幼女の登場で、一気に雰囲気はライトな方向へ。

 色々と疑問やら戸惑いが発生しそうな事態が起きているのに、「膝に幼女を乗せて、名前を付けて上げ、『お嫁さんになりたい』とか主人公が言われキスされる」という、まあ お約束のイベントにより全て吹き飛んでしまう。
いや、実際は飛んでないんだけど、この「嬉しい」シチュエイションの前に、「細かい事なんかどーでもイイや」と感じられる人だけを、視聴対象に想定して作られているアニメなのだろう。
 普段は幼女、戦う時だけ少女に変身する、という設定にすれば、各種需要にキャラ一人で応えられて お得な気がする……もう幼くはならないのかな。

 演出・作画とも、悪くないが、まずまず普通という所。
 見続けても負担にはならない作品かと思いつつ、強く視聴意欲を喚起してくれる何事も、第一話では起こらず。
もう少し先まで見ての判断で。



『アスラクライン』01.「機巧魔神」

 原作未読。
 病院のベッドで機械に繋がれて横たわる男の子、心の声「どこだ、ここ」、事故のイメージ、「そうか、乗ってた飛行機が…ぼく死ぬのかな?」、病院廊下を歩き去る人影、「平気、怖がらないで」と病室の宙に浮かぶ霊体?の女の子、「三年後」のテロップ、引っ越しをしている男の子…
僅かなアバンで、これだけギュウギュウのイメージを見せられても…
 勿論、これから飛行機事故の詳細とか女の子の事情については説明があるのだろうが、ここで、こんな風に「理解してもらう事」を期待しない見せ方から始めて、視聴者の関心を掴む効果があるかどうかは疑問。
 事故の発生、あるいは不思議な少女の登場、どちらかに絞り しっかり見せるか、いっそナシにした方が良かったような。
 多くの視聴者は別にこんなところ気にせず見過ごすんだろうけど、制作者まで「気にしない」のは困る。

 内容は、まだ説明がないので色々分からないが、ライトノベルのパターンで、だいたい見当を付けて見られる。
 しかし、霊体少女を何となく出しっぱなしにしたまま、謎のトランクを謎の女が持って現れ、その夜 謎の侵入者少女の奇襲を受ける主人公…と、先を急ぎすぎているキライがあり、一つ一つは軽い扱い。
ライトノベルらしい、とは言えるか。
 ロクに説明もなくトランクを押し付けていった女が、科学部部室で会った際には入部したらトランクの事を教えると言い、襲撃の最中には開けろと言う。
…これは、一時に終わらせた方が良くないかなあ。
トランクを持ち込んだ折、主人公に試みさせるが開かない、「やっぱりね」などと独りごちつつ、私の部に入ったら それについて詳しく教えて上げる、と言って去る、ぐらいで。
女の対応を分散する事により、その気持ち(狙い)が分かり辛くなってしまった。

 魔法・超能力バトル物になるのかと思っていれば、意外にロボット物?
 どういう物語になっていくのか、興味はありつつ、第一話の出来からして「数多いライトノベルのアニメ化作品」の中で、まずまず平均点を獲得、ぐらいに留まりそうな予感も。


2009年4月8日 水曜日

『戦場のヴァルキュリア』01.「戦火の出会い」

 原作ゲーム未プレイ。
 融通が利かないヒロインのキャラを立たせ、出会った(捕まえた)青年との関係を変化させつつ描き、攻め込んできた敵軍に追われて終わる…延々と続くナレーションで世界の概略を説明したり、戦況を細かく理解させるのは置いて、まず「見ていれば分かる」事から作品を始め、視聴者を巻き込んでしまおうという作り方は、正しい。

 ヒロイン、もうちょっと人の話を聞いても良さそうな気はするけど、今にも戦火に巻き込まれそうな状況下で、理性的な反応を期待する方がムチャか。
 初めての実戦(だろう)で、初めての殺人(何人か死んでいるかと)なのだから、リアクションが欲しかった。
それは、戦況が落ち着き、自分を振り返れるようになってからの話かな。
 屋敷に立て籠もり、守るヒロイン達はともかく、攻める敵軍が素人っぽいのは残念。
敵軍も、出会った部隊は、ヒロインらと同じく軍事のプロではなかった?

 「萌え」で押し切ろうとする作品では無さそうだし、魔法の力で戦いの趨勢が決まるファンタジー戦争でも無いだろう。
その上ロボットも出てこないなら、割合 珍しいタイプと言えそう。
『コンバット』っぽくなる?
 今はまだ無力に近いヒロイン達が、戦場で どう戦い抜き、成長を遂げていくのか、興味を持って見続けたい。



『こんにちは アン 〜Before Green Gables』01.「赤毛のアン」

 モンゴメリの原作『赤毛のアン』は既読。
 高畑監督によるアニメーション・シリーズも、何度か見ている。
丁度MXテレビで再放送が始まったから、また見直そうかと。
 原作小説もアニメも無印『アン』が好きなので、別人による原作小説から、別スタッフにより作られた新作は、どんなものかと危惧していた。
 ダメな場合は勿論、そう悪くないぐらいでも、「高畑監督版を見直した方が遙かに得る物がある」とか何とか言って、視聴は終えさせて貰おうかと。

 しかし、意外、面白かった。
 アンが引き取られている気詰まりな家庭の様子…特にロクデナシの父ちゃんはともかく、起きてしまった嫌な事件について、アンの想像癖と有無を言わせぬマシンガン・トークで危機を脱出する下りが、爽快。
 「上手いウソをついて誤魔化した」という描き方だったら、迷わず視聴を切っていただろうな。
アンは決して嘘つきではない、大事な所がきちんと押さえられているようで、好印象。

 作画と、背景美術の美しさが目を引く。
 この水準を保てるストーリーなら、最後まで見続けられそう。
毎回こんなカタルシスは演出できまいし、『赤毛のアン』本編に繋げるためには、アンの「大親友」を出したり凄く幸せな状況に到らせるのは無理なんだけど、その厳しい制約の中で、長いシリーズを どこまで面白く出来るのか…まだ不安はありつつ。
 アンがマシュウと出会う直前ぐらいをシリーズのラストカットにしてくれたら、泣きそうだなあ。



『咲 -Saki-』01.「出会い」

 原作未読。
 萌え×麻雀物か…色々考えるなあ。
 第一話なんだし、麻雀について もう少し分かりやすく説明が成されるかと思ったが、ある程度知っている事を前提とした作り。
麻雀については、TVゲームぐらいしかやってなく、役とか点数計算などまるで知らないため、この第一話でもキャラクターのリアクションから状況を推し量るしかない。
 取りあえず、恐るべき技量を持ったヒロインが学園の麻雀部に加わった、という事だけ理解すれば良いんだろう。

 作り方は「萌え」方向が強く、「麻雀」について福本 伸行作品のようなギリギリ精神を追い詰める駆け引きは、少なくともこの第一話では、無い。
 最後、ヒロインが勝利を収める要因を、「強運」と言い切ってしまう力強さが可笑しい。
それがアリなら、もうこの後は何でもアリかと。

 女の子達の作画は、可愛く色っぽく目に楽しい。
これだけでも、十分見続けられるレベル。
 主にそういう方向を目当てとして、視聴継続。


2009年4月7日 火曜日

『夏のあらし!』01.「プレイバックPart2」

 原作未読。
 主人公…になるのかな?少年がロクでもない奴で、感情移入できないのが辛い。
内気で大人しい性格にする必要はなく、正義の味方に描く事も不要だけど、行いに少しは「分かる分かる」が無いと、見ていて厳しい。

 時間を超える能力を備えた姉妹が中心になり、ドタバタが繰り広げられていく作品なのか。
 「同一時間、同一場所に、同じ人間は存在できない」というのは、SFタイムトラベルお約束の一パターン。
過去の自分に近づくと未来から来た方の姿が薄くなるのは『バック・トゥー・ザ・フューチャー』的描写(未来が変わってしまう可能性から、自分の存在が不確かになってしまう、とか)として、かち合ったら消えてしまうとする条件がハード。
それを使ったコミカルな描写は、テンポが良くてなかなか楽しかった。

 意図して、ちょっと古い感じのキャラクター・デザインにしてあるんだろうな。
 どこか抜けている姉妹が可愛い。
 背景で、現実には有り得ない光と影の使い方をしているのが面白い。
 気負わず、視聴継続。



『GUIN SAGA - グイン・サーガ』01.「豹頭の仮面」

 原作は、40巻ぐらいまでだっけな…既読。
 和製ヒロイック・ファンタジーが まだそう多くなかった79年、「全100巻」を宣言し、大河小説として刊行が始まった。
 不穏で異様な世界、鮮烈な魅力に溢れたキャラクター、心を掴まれる展開の面白さに、加藤直之(19巻まで)の素晴らしい挿絵が更なるイメージを喚起してくれ、熱中して読んだ事を憶えている。

 不思議な事だけど、大河作品は、巻数を重ねるごとに物語の進み方が遅くなる傾向にある。
光の速度に近づくほど時間の流れが遅くなるように…いや全然違うな。
 このシリーズも、昔なら一巻で済んだ内容を、二巻、三巻と伸ばし、「キャラクターの瞳の描写」だけで二ページ以上費やすようになったので、以前ほど本を読まなくなった事もあり、途中挫折。
 100巻を超えても完結させていない様子からして、作者、200巻とかそれ以上になろうとも終わらせる気はないな。
ファンにとっては、物語が続いていく間こそ嬉しいはずだから、勿論それはそれで良いが。

 アニメ。
 うーん、まあ普通。
一般ファンタジー・アニメの水準に照らし、決して低い出来ではないけれど、飛び抜けて高い訳でもない。
 奇襲を受け壊滅するパロの悲劇、姉弟二人きりで危険な森の中に放り出される双子の不安、グインの異容…どれも表し方として「普通」であり、「凄い」と感心までは出来ず。

 格好良く出て来たのに一発でやられ、無様に高所から落下するアルド・ナリス。
「超絶の戦闘力」を表したいのだろうが、敵兵を一撃で直立不動の姿勢のまま頭まで地面にめり込ませ、殴り飛ばした相手の鉄兜と樹木の摩擦で炎を起こすグイン(『北斗の拳』風)。
 ここいらは、狙って笑わせようとしているのかどうか。
 逆にグインの強さが伝わらないような…もうちょっと重厚な、真面目な演出がイメージだったなあ。

 アニメや映画により、「ファンタジー」というジャンルが かなり高いレベルでビジュアル化されている現在、このクオリティーで原作未読の視聴者を引き付けられるだろうか。
 ファンだった身としては、フクザツ。
 取りあえず もう少し見て。



『花咲ける青少年』01.「イノセントガール」

 原作未読。
 アメリカから転校してきたちょっと変わった女の子と友達になった、フツーの日本人少女がヒロインになるのかと思えば、学園のチョイ悪い連中をブッ飛ばすのもそこそこに帰国少女…ヒロインは彼女だった…は父親に連れ去られ夫探ししゲームをせよと告げられる。
 忙しい第一話。
 作画が微妙で惜しい。
アップ時の顔はキレイに描けているけど。
顔は大人なのに体だけ小さく描いて「少女です」という、まあ少女漫画にアリガチな絵を忠実に再現した作画が、異様。

 迫力に欠けるアクションや、美少年達を次々登場させる「夢」方向に強引なストーリーなど、正に少女漫画。
 つまらない訳じゃなく、先の展開は気になるけれど…取りあえず三話目ぐらいまで見ての判断で。


2009年4月6日 月曜日

『極上!!めちゃモテ委員長』01.「噂のめちゃモテ委員長ですわっ」

 原作未読。
 3DCGをアニメ調に処理している。
 この技術も進歩したもので、時折 手描きの絵と変わらなく思えてしまう。
ただ…やはり3Dモデルだなあ、と感じる不自然なカットもあるので、キャラクターに命を吹き込むためには声のフォローが欠かせないのに、未熟な声優さん達を大勢使っているのが残念。

 お話は、年少の視聴者向けに、とても分かりやすくしてある。
美少年がヒネた理由について、ヒロインが聞くと、その少年のお友達がペラペラと事細かに説明してくれる簡単さに、笑ってしまう。
 「モテる」という事を勘違いしているような不思議な感性があり、そこは面白い。
 とはいえ、どう考えても想定視聴対象ではないオッサンには当然ながら、特に引き付けられる部分は無く、ここまで。



『ドラゴンボール改』01.「闘いの幕開け!!帰ってきたぞ孫悟空」

 画像をデジタルリマスターし、内容も前放送版から編集して、帰ってきた『ドラゴンボール』。
 原作でも一番盛り上がったと思える『Z』の部分から、始める事になるのか。
特に原作でのフリーザ戦の下りは、「次回が待ちきれない、何とかジャンプを通常の発売日前に購入して読めないものか」と考えるぐらい熱中していた覚えが。

 デジタルリマスター、といっても元々の画像が劣化しており、線がぼやけていたりして、現在の作品として見ると ちょっと辛い。
 この編集再放送版でも、そこいらの新作アニメより遙かに商売になるのだろうから、作画を やり直しても損は無いような。
逆に言えば、このままで十分商品になるので、余計な予算を掛ける必要はない、という事にもなるか。

 原作単行本を何度となく読み返し、アニメの再放送も見て、先の話など分かりきっているというのに、この第一話で「波乱の予感」にワクワクしてしまうのは、もう遺伝子にドラゴンボールの情報が書き込まれているから。
 間延びしたアニメオリジナルの部分が切られるそうで、確かに引き延ばし過ぎと感じられる部分はあり、テンポアップは嬉しい事だけど、厳しすぎる修行から逃げ出した悟飯をピッコロが連れ戻す…母親達の平和な暮らしを守るため悟飯自ら修行に帰る事を決心する…所は、後に繋がる二人の絆を感じさせて好きなので、残してくれると嬉しいかなあ。
 無理してまで、ではないけれど、見られる限り視聴継続。



『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』01.「鋼の錬金術師」

 原作は、ヨメが大ファンなので単行本を揃えてあり、所々を摘み読み。
 前アニメ版も、劇場版を含め見ている。
オリジナル展開にして原作とは相容れないぐらい離れた作品になってしまった前アニメ版の続きを作るのは、難しすぎる…と思え、どういう内容にするのかと見れば……
 ゼロから立て直す、前アニメ版とは関わりなく原作から新たに作り出されたアニメ、という扱いなのか。

 簡単に説明はあるけれど、ある程度 作品についての前知識があるものとしての第一話で、新規客層にはちょっと分かり辛かったろう。
原作既読、あるいは「関わりない」はずの前アニメ版を見ている事が前提の作り方。
 レギュラーキャラの顔見せがあり、派手なバトルもあり、今後 更に激化する戦いを匂わせて、興味を引く意味では間違っていない構成。
 演出・作画とも高レベル。
ヨメ評価では、「前作より原作に沿ったキャラ絵になっている」という事。

 兄弟が姿を変える発端となった事件へと戻る次回が、本当の第一話となるのか。
 今作も、見続けて損のない作品になっていくのは、間違いないんだろう。



『クロスゲーム』01.「四つ葉のクローバー」

 原作は、連載で読んでいる。
 大ヒットした『タッチ』に継ぐぐらい当たっている、あだち充先生の高校野球漫画。
 あだち先生の作品は、さりげないタイトルに色んな意味を込めてあって、『タッチ』では、主人公である上杉達也を朝倉南が呼ぶ際の「タッちゃん」を略したものであり、夢を果たせず命を落とす弟から そのバトンを兄が受け取る「タッチ交代」でもあり、傷ついた互い(周辺多くのキャラクター含み)の心に時間を掛けて触れていく「タッチ」でもあろう。
 『クロスゲーム』は、単純に野球の事であり、四姉妹を四つ葉のクローバーに例え、その葉が生み出す十字のクロスであり、若葉と光の実らなかった淡い初恋と、現在進行形の光・青葉の交錯する気持ちを表すクロス…最近 成長した若葉と重なる女の子が登場した事で更に交錯具合が強くなった。

 先生は、『タッチ』以降、「サンデー」誌上で何本かの連載を持っているが、『H2』以外、野球物を描いていない。
 空前、と言っていいぐらいのヒットを記録した『タッチ』からのプレッシャー、あるいは「野球については かなり描いたので、別のジャンルに挑戦したい」気持ちから、避けていたモノと邪推。
 それが、この『クロスゲーム』では、「幼馴染みの恋愛関係」「三角関係の一端を担うキャラクターの死」といった、『タッチ』の重要な要素が再度使われている。
 邪推も極まれりだけど、あだち先生には相当な葛藤があったんじゃなかろうか。
 その作品がこうしてヒットしている…というのも、嬉しさ誇らしさは勿論ありつつ、複雑な気持ちではないかと。
その辺も、「クロスゲーム」の意味に含まれるのかも知れないなあ。

 アニメ。
 しっかり出来ていて、演出の方向性も原作の基本姿勢に沿っていると感じられる。
 それだけに、大きく原作を改編する事は有り得ず、既読のストーリーである分…
 日曜日は鑑賞作品が多いため、余裕があれば見る、という事で。


2009年4月5日 日曜日

『メタルファイト ベイブレード』01.「舞い降りた天馬(ペガシス)!」

 玩具販促を第一義とするアニメ。
ベーゴマ…ベイブレードは子供の遊びとして、割合 息が長いなあ。
 腕前が まだまだの幼げな男の子と、超絶ブレーダー少年、どちらを主人公として進んでいくのだろうか。
男の子の視点から、ブレーダー少年のバトルを見守っていく形で、両者が互いに影響を与え合いつつベイブレード道を突き進む?

 有り得ない・大袈裟なベイブレード・バトルの見せ方が楽しい、悪くない内容だけれど、「ジャンルを突き抜ける何か」を感じられる第一話ではなく、元々視聴対象に入っていないだろうオッサンとしては素直に ここまで。



『ジュエルペット』01.「キラキラ☆宝石が降ってきた」

 サンリオのものらしいファンシーなキャラや、少女達のデザインから、つい『マイメロディ』路線を期待してしまうが…
酷くいい加減な魔法国の面々、テキトーなルビーなど、楽しい所もあるけれど、第一話は まあまあ普通の少女向けアニメ、という印象。
 回が進むに従ってスタッフが乗り始め、面白くなっていく可能性はある。
 しかし、今期そこまでの余裕はなく、時折様子をうかがう程度の視聴態度に留めたい。



『真マジンガー衝撃!Z編』01.「大団円」

 良くも悪くも、今川監督らしい第一話。
視聴者の突き放しっぷりが凄い。
 マジンガー軍団の登場や、DR.ヘルを裏切り警察側に付いている?ガミアの頼もしさなんかは嬉しいんだけど、「最終回の一話か二話前を冒頭で放送している」形式だとしても、この話の中だけでも筋が繋がっておらず、唐突なゲストの出演やオレ設定の多さに戸惑ってしまう。

 最初、DR.ヘルとの決戦を第一話で終わらせ、更なる強敵であるミケーネとの戦いに、グレートが登場せず、マジンガーZで挑んでいくオリジナルシリーズになるのか、と思ってしまった。
 兜甲児が、企画で終わってしまったゴッド・マジンガーに乗り換えて暗黒大将軍と戦う、とか。
 何が何だか分からないぐらい混乱した状況から始め、第一話に戻り、改めて「どういう経緯でこうなったのか」を語っていくのかな。
 ヒットしているゲーム・シリーズ「スーパーロボット大戦」ではレギュラーキャラクターだし、「マジンガーZについて何も知らない、聞いた事もない」というのは、子供でも少ない層なのかも知れないが…時系列に沿い、第一話からフツーに始めても良かったんじゃなかろうか。
ハッタリの効いた今川演出があれば、それで視聴者の心を掴めないとは思えないし。

 とはいえ、永井豪ファンとして、ポカーンとしつつも楽しんで見てしまったのは事実。
 長々と話し続けたり、見えない何かをやたら大仰に驚き畏れたり、もったい付けてばかりでストーリーが進まずコアとなる実態が明かされてみると拍子抜けだったり、というのも今川作品の特色。
その辺は出来るだけ抑えて、永井豪の持つパワーと勢いと「狂」を全開にした、楽しい作品にしてくれると嬉しい。



『SOUL EATER - ソウルイーター -』最終51話.「合言葉は勇気!」

 ラストバトルに相応しく、マカら三組の総力戦、心の中で危機に陥ったソウルの復活、武器としての才能に目覚め凄まじい戦闘能力を開放するマカ…と、考えられる限りの逆転要素は全て詰め込み、阿修羅に挑んだが、ことごとく敗北。
 そして、最後の最後に彼女を動かしたものは……
いや、サブタイトル通り。

 作中で何度も口にされていた「魂の共鳴」は、戦う時に最大のパワーを引き出すだけの技術ではなく、ブラック☆スターやキッド、クロナら大勢の仲間達から影響を受け、また影響を与える事で、培われてきた挫けない心…勇気を産み出す源でもあったのだろうか。
 一人突出して戦うしかないズバ抜けた戦闘力を持つ死神様ではなく、仲間達と共に戦わなければ強敵には勝てず、各々が精一杯絞り出す勇気を目にしながら、「私も負けない」心を持ち続けていたマカだからこそ、掴めた勝利。
 しかし…厄介な内面を持つ阿修羅には、この「勇気」が上手く合致して勝てたけれど、同じやり方で他の強敵に勝てるとは限らず、まだまだ修行中の身、学校で学ぶ事も多そう。
それは、これから伸びていく可能性もまた多く持っている、という事か。

 一年間の長丁場、休止期間も取らなかったのにテンションを落とすことなく、作画も高いレベルをずっと維持して続けられたのは、驚異的。
 シリアスな連続話も面白かったけれど、時折挟まれる息抜きのようなギャグ話が好きだったなあ。
「エクスカリバー」という格好イイ名前に、とんでもないアホなイメージを付加してしまったキャラクターは、忘れがたい。
 マカら主役級ばかりでなく、脇のキャラも皆 個性的であり魅力的だった。
ブラック☆スターもキッドもクロナも、それぞれを主人公として1シリーズを立ち上げられそう。

 毎週、楽しみに見ていた作品なので、終わってしまうのは寂しい。
 原作が継続中みたいだから、いずれ続編を、という企画も出るかな。


2009年4月4日 土曜日

『スラップアップパーティー -アラド戦記-』01.「遭遇!鬼の剣士と愛のガンナー」

 オンラインゲームらしい原作は未プレイ。
 第一話としては妥当と言える内容だと思うし、酷く悪い部分もないけれど、とにかく、何というか、古い。
アリガチなファンタジーストーリーを始め、キャラクターの関係、絵の崩し方や、ギャグ、アクションの演出に到るまで、「古いなあ」とばかり感じられて、内容に のめり込めない。
 物語はこのままでも、演出と作画を換えるだけで、もしかして「次回も必ず見なければ!」と思わせる作品へと化けたかも知れないが……

 ファミコン、というより昔のPCゲーム調の画面で形作るエンディングは、音楽も相まって気持ち良い。
 アホほどアニメを見てきた年寄りオタクではなく、ファンタジーに触れた経験の少ない若い層を対象に作っている…んだろう、きっと。
 この曜日は、同時間帯で録画に困るぐらいアニメやら海外ドラマを放送しているため、様子見をする余裕もなく、ここまでに。



『戦国BASARA』01.「蒼紅 宿命の邂逅!」

 原作ゲームは、Wii版のみ遊んだ事がある。
 無茶苦茶だけども、豪快で笑えて、なかなか面白かった。

 アニメ。
 原作のテイストを再現するなら、こういう形がベストなんだろうなあ。
有名武将は超絶の戦闘能力を持ち、一人で敵一軍団を壊滅させる…どころか武将同士がぶつかり合った衝撃波だけで雑兵を吹き飛ばし大波を起こす…ので、戦略やら戦術の意味は余り無く、雑兵も「やられキャラ」以上の存在理由はない。
 この「馬鹿馬鹿しさ」の突き抜けぶりが徹底していて、武田信玄と真田幸村が互いの名を呼びながら致命的なパワーと「親愛の情」を込めた拳で殴り合うシーンなど、大笑いしてしまう。
 やたら有名武将が顔を合わせる狭い戦場も、暴走族的なノリで突っ走る騎馬軍団も、話の早さと可笑しさを加速して、結構。

 一応は史実に沿って展開するんだろうか。
そうなら、敵有名武将の首を取っての完全決着、なんて事態は滅多に起こらず、やり合っても勝負は付かない繰り返しになりそうだけど。
いや、「番長物」…「ヤンキー物」の変形パターンとしては、それで問題ないのかな。
 視聴継続。
テンションが落ちてきたら厳しい内容だと思うので、演出や作画には頑張って欲しい所。



『バスカッシュ!』01.「アイ・アム・レジェンド」

 無国籍な街、縦横に明かりのラインが引かれた巨大な月が夜空を覆う下で、ロボットを用いたバスケットボールが行われる…
ビジュアルは鮮烈であり、高品質な作画と相まって強く目を引く。
 第一話だけだと、日曜日の朝方に相応しい「少年向け熱血変則バスケ物」にも見えるが、馬鹿エロ描写は深夜枠っぽい。

 主人公の境遇と性格付けを まず示し、彼とロボット・少女の出会いを続け、その才能が爆発する大乱闘のクライマックスで締める、破綻のない基本的な構成。
 「一年間服役していた主人公」にはビックリしたけど。
才能を認めたバスケ連盟の横ヤリにより、超法規的に釈放されるモノかと…

 破綻のない、良く出来た、次回を楽しみに思える内容だった…と思うけれど、どうもノリ切れず。
狙いとか計算が、やたら目に着いてしまうから、だろうか。
それは、受ける事をきちんと考えているという事で、誉められるべきもののはずだけど。
 現場で見たら すぐつまらないと分かるロボットバスケが大人気だったり、その選手達はまるで鈍い操縦しかできないのに主人公を捕まえる警官達は超絶の操縦能力を見せたり(選手はルールで厳しく縛られている?)、心を閉ざした妹は主人公の服役期間中どうしてたのか、なんていう疑問の答えは、次回以降描かれていくんだろう。

 視聴は、最終回まで継続すると思う。
 第一話でノリ切れなかった自分をも巻き込み、熱く燃え上がらせてくれる、あるいはバカバカしくて笑わせてくれる、価値ある作品になる事を期待したい。


2009年4月3日 金曜日

『けいおん!』01.「廃部!」

 原作未読。
 京都アニメーション作品。
らしい、高いクオリティーの第一話。
 女の子達の、可愛く、ちょっとプヨプヨと肉感的に感じられる作画が目に心地良く、無駄に良く動く事で細かな笑いも拾っていく。
 高品質な作りから、つい、音楽への才能欠如に悩んだり、誤解からケンカしたり、しかし音楽を通じて より深く少女達が友情を深め合ったり、という物語が展開されていく…ような気になってしまうけど、原作が四コマみたいだから、そこまでドラマ性は持たせないのかな。
 罪のない、気楽に見られるコメディーとして、『スケッチブック』『ひだまりスケッチ』辺りの路線を期待すべきか。

 負担を感じず見続けられそう。
 一期に一本は、こういう作品があって良いよね。



『PandoraHearts』01.「罪なき平穏」

 原作未読。
 主人公の性格や置かれている立場、周囲の人間達との関係と、前途に待ち受ける暗雲の予感を、手際よく見せていく第一話。
 事件の予兆は色々あるのだが、現実にはまだ大きなイベントが無く、少々間延びしているようにも感じられるのは残念。
 ギュウギュウ詰め込んだら「分かり辛い、視聴者無視」で、ゆったり描いたら「間延びしていて退屈」と言われる…制作者は大変だし、視聴者(自分)は勝手なもんだなあ。

 『Gファンタジー』っぽい、女性客を意識した作品。
これまで、この系統のアニメとは どうも合わず、途中脱落する事が多かったような。
 この作品も、別に悪くない、面白くなるかも、と思いつつ、視聴に熱が入らないのを自覚してしまう。

 三話ぐらいまでは見ようと思うが、余程の事がなければ そこまでに……



『Phantom〜Requiem for the Phantom〜』01.「覚醒」

 原作ゲーム未プレイ。

 冒頭、止めた車へとノコノコ近づいてきた警備員を、少年が何気なく撃ち殺し、そうすると豪邸の門が何故か自動で開いていく、この辺りまで見た所で既に嫌な予感が。
 警備員達も、まさかこんな少年が危険な存在だとは予測せず、油断していた、という事なんだろうと思うが、そこは「異様な事態が起きている」のを強調するためにも、会話で説明した方が良かったような。
門が自動で開く事については、絵としてお洒落にしたかっただけに見えるが、相棒が既に邸内へと潜入していたようなので、内部から開けたのか…?

 キャラクターデザインや、画面の雰囲気から、クレジットを見なくても分かる真下 耕一監督作品。
『NOIR』『MADLAX』等と通じる内容。

 第一話のキモは、自分が何者でここはドコなのか、何もかも分からない状況下で正体不明の相手に殺されかかる主人公が味わう恐怖と理不尽、その果てに押し付けられる過酷な運命、という所だろう。
 これが…
 本編を、部屋で目覚める主人公から始める、それは良い。
 しかし彼の気持ちの動きもロクに追わないまま、部屋から脱出する段になるともう「監視者」の冷静な視点に移ってしまうため、「一体今、何が起きているのか」という不安感が無くなってしまう。
 更に、仮面の少女へと指令が伝えられると、視点が彼女にまで分散してしまい、視聴者は「突然 何者かに襲われる少年」と「命令を果たすため彼を襲わなければならない少女」の どちらをメインで見れば良いのか、分からない…という程ではないにせよ、作品に入り辛くなってしまう。

 主人公に感情移入して貰うべく、黒幕・少女側の事情は、せめて第一話のラストまで明かさない方が良かったんじゃなかろうか。
 視点を誰にも固定せず、「神の視点」で見せても、緊張感溢れる演出や迫力あるアクションで繋いでくれれば何とかなるが、どうもその辺りは、「慣れ」で流しているようにしか思えず。
特に、主人公の逆襲・勝利に、面白味も意外性も無いのは致命的。

 原作ゲームは とても評判の良い作品だったから、もう少し続けて見るけど……


2009年4月2日 木曜日

『ドルアーガの塔 〜the Sword of URUK〜』最終12話.「つないだ手は」

 怒濤のラストバトル。
 バトルそのものは、第一期のラスボスであった対ドルアーガ戦の方が、戦う理由のスッキリ加減とか、構成上の外連味が感じられて好きだったけど、こちらは王と兄の二連戦で「悲劇」としての骨格を強調し、シリーズクライマックスに相応しい形に なっていた。
 …といっても、レギュラーキャラは ほぼ死なないし、当の王や兄でさえ…というエピローグを見せる事で、悲壮さの無い、サッパリした、ちょっと馬鹿馬鹿しいぐらいの視聴後感に繋げてくれた。
王とか、やった事を考えれば もっと厳しく罪を償うエンディングでも良いような気はするけど、基本的にはOPに見られる軽さ・コミカルさが この作品の持ち味だと思うので、良いかな。

 ジルを巡る、カーヤとファティナの三角関係は、カーヤに軍配。
 ただ、第二期ではカーヤの(特にジルへ寄せる気持ちの)魅力が薄く、ファティナを必要以上と思えるほど魅力的に描いてしまったので、この結末には少々不満が残る。
かといって、カーヤを捨ててファティナとくっついていれば満足だったのかというと、第一期の有り様やカーヤが黙って背負っていた重荷を思えば、それでも気持ち良い幕切れだとは言い難い。
 最後まで来て、慌てたようにファティナとウトゥをペアにしようとするのは、不自然。
 三角関係は、それを構成するキャラを彫り込めば彫り込むほど面白くなるけど、キレイな決着が至難になっていく。
本来は ここまでするつもりはなかったのだろうファティナの、思わぬ成長ぶりが もたらした、収穫と弊害。

 ただの間抜けな追跡者に終わるかと思われたウラーゴンも、マイト・ザ・フールとの関わりでガンガンと人間味を増し、憎めないキャラになっていった。
 この作品は、どのキャラも大事に描かれており、それぞれについて「出来る事なら格好良い所、愛すべき所を視聴者に見せたい」と思いつつ作られていると感じられる。
 第一期で命を落としたアーメイも、印象的に何度か姿を見せるし。
彼女が登場した使者の館のエピソードで、果たす役割を「死出の旅への道連れにしようとする」とかは勿論、「積極的な旅の妨害」ですらもなく描いて見せたのが、キャラを大事にする視点からは嬉しい。

 分かり辛い所のない、楽しいファンタジーで、最後まで飽きずに見られた。
 ドラマは完結していると思うので、第三期は無いだろうな。



『毎日かあさん』01.

 原作はとても好きな作品で、単行本の形で読んでいる。
 西原理恵子先生独自のキツい毒と、家族や世界を見る優しい目が、非常に高いレベルで合わさった、傑作。
 「あんなバカな事をしている子はどこのバカかと思えば大抵ウチのバカ」というネタが好きで。

 アニメ版は…うーん、アリガチな事だけど、ポンポンとテンポ良く進む原作に、アニメならではの「間」を加えてしまうと別物になるなあ。
「毒」が薄まって、ぬるいばかりの印象になるのも感心しない。
 本当に面白く作ろうとするなら、原作を「ネタの一部」と考え、全く新しい作品にするぐらいの気持ちがないと、厳しいだろう。
監督は、『クレヨンしんちゃん』の本郷みつるなんだけど……
 などとゴタゴタ言うようなオタクに向けたアニメではなく、ご家族、特に主婦層に見て欲しい作品なのだろうから、視聴対象に入っていないと思われる自分は、原作を読み続ける事にして順当にここまで。



『続 夏目友人帳』最終13話.「人と妖」

 最終回を盛り上げるべく、対妖の大バトルが展開される…というような事がある訳もなく、この作品らしい事件と穏やかな解決で、最後まで心地良く見せてくれた。
 夏目とニャンコ先生の関係が、第一シーズンより随分とこなれており、嬉しくて笑えて胸に染みて、作品の中核を成すに相応しい。
特に何も起こらなくても、この二人の やり取りだけで30分ぐらい余裕で もちそう。

 大抵は優しく切なく可愛らしい妖の造形が、この作品もう一つの魅力。
 「妖」に描いているけれど、それはつまり「人間」の事で、偏見を持たず恐れずに近づいてみれば分かり合えないケースは そうそう無い、と語っている。
とはいえ、たまに極悪なのも混じっているので、絶対的な力を持つ「用心棒」の存在がなければ無闇な接触は危険、とも描いてある訳だけど。

 商業上の都合が付けば、第三期も有り得るだろうか。
 せっかく「ノリ」が感じられるようになって来ているのだから、もう一期、見てみたい。


2009年4月1日 水曜日

『ゲゲゲの鬼太郎』最終100話.「さらば父よ!脅威の天狗王」

 んん?これで終わりなの?
 四十七士の設定とか、ぬらりひょんやバックベアードとの戦いとか(どのみち「殺す」といった形では着かないにしても)、どうにも未消化。
 二年も続いたシリーズで、アニメ・実写映画化され、同時期に『墓場鬼太郎』も放送されるなど、好評ではあったろうと思うんだけど。
実際、中身もきちんと作られており、毎週 安定して面白かった上、時折飛び抜けたエピソードまであった。
 後番組は、特に急ぐ必要を感じない『ドラゴンボール』デジタルリマスター再放送だから、枠の都合は そう強くなかろうに。
 不思議。

 最終話、良い話ではあったけど、これで終わりという気分には全くならない。
 スタッフも、無念だったんじゃなかろうか。
 うーん…まあ、『鬼太郎』自体は定期的にアニメ作品として復活しているので、いずれ新作が放送されるだろうとは思うけど、同じスタッフで、この続きとして作られるかどうかは疑問。
 残念だなあ。



『ゴルゴ13』最終50話.「天使と悪魔の腕=v

 ふと気が付けば、一年間もやっていたのか。
最近のアニメにしては、ロングラン。
 もちろん、原作の驚異的な息の長さとは比べるべくもないが。

 最終話は、ゴルゴの非情さと義理堅さが よく出ていて面白かった。
 世話になったのに、結局は殺してしまうのか……と思えば、ゴルゴなりに筋を通してあった、という事で、不思議と爽やかな後味すら残す お話。
 この作品は、「死人が出る」のを基本フォーマットにしてあるが、他は相当にバリエーションがあり、余りに理不尽な悲劇から、コミカルなエピソード(ゆすりと勘違いしてゴルゴを狙う夫婦の話とか)まで、意外なほど自由な内容。
パワードスーツと戦ってみせたのには、驚くというか笑ってしまったけど。
 ターゲット以外にも、ルールを守らない相手にアンハッピーな最後を届ける、という意味では、時折ゴルゴが喪黒 福造みたいに思える事も。

 毎回の作画にクセのあるシリーズだった。
下手な人あり、絵画のような格調高い絵を描く人もあり。
 原作で結構好きな、何本かある「ゴルゴの正体に迫っていく話」も やって欲しかったなあ。
ただ、捜査陣が主人公となり、大人ゴルゴは ほとんど出てこないパターンが多いので、アニメには向かないのかも。
 原作のストックは まだまだまだあり(一部しかアニメにしていない、と言うべきか)、人気次第では続編も可能だろう。


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