ときどき日記 2009/10
2009年10月31日 土曜日

『キディ・ガーランド』03.「最悪の相性?」

 今回は『カードキャプターさくら』。
ちょっと古いネタなのは、物語設定からも「今更なアニメのファンだ」、という事で丁度良いのか。
 しかし、オープニングとかステッキとか、こんなに頑張って似せる必要はあったのかなあ。
特に内容から何かを引っ張ってきている訳で無し、オリジナル魔女っ子アニメを設定して構わないようなもの。
上手くすれば、それ自体も人気を取れる可能性が僅かながらアリ…そういう欲は無いのか。
 「オリジナルを越えるほど力が入っている」作画ではなく、やたら萌え度合いが上がっていたりエロ方面のサービスが含まれるような差異もないため、見せられても反応は「普通だなあ」「誰かスタッフが『さくら』ファンだったのか」ぐらいに留まる。
 前回と同じく、巨大掲示板等にて騒いで貰いたい狙い?

 本編の内容は、「子供っぽい」というキーワードで全編をまとめている感じ。
いつも子供っぽいアスクール、意外にも子供っぽいアニメのファンだったク・フィーユ、二人の子供っぽい意地の張り合い。
 仲直りに到るクライマックスにも、番組内アニメのエピソードを絡めてあると、より まとまりが良かったかと。
アニメのヒロインならこうする、何話目で彼女はこういう行動を見せていた、等。

 タイムリミットを設けて担当男性を捜すハラハラ。
 「まだ10分ある」中途半端なシチュエイション設定は、緊張感を削いでしまう。
 命を賭けて局に辿り着いた男性に対し、すべきことは、救急隊員を呼んで彼が運ばれるのをぼんやり見送る事ではなく、(ク・フィーユだけでも)担当者捜索の開始じゃないの?
数分あれば見つかると思った、こんな苦労するとは予想もしなかった、という事だろうが、必死さが感じられず、そのためヒロイン二人を応援したい気持ちにならなくて、ハラハラが弱い。

 直接本人を捜さず、各課の上司か、何でも把握していそうな局長に問い合わせて担当者を聞き出せば良いのでは?
館内放送を行い、事情を話して自ら名乗り出てもらっても。
 まあ、それじゃサッパリ盛り上がらないんだけど。

 結局、男のように見える女でした、という事で、なかなかに懐かしいオチ。
パロディーの元ネタといい、ちょっと懐かしい内容で見せる事を魅力に設定してあるのかな。
 今後は、家出少女の世話をしたり、アスクールの田舎の婆ちゃんが上京(?)してきて「トップエージェントとしてバリバリ活躍している」ウソを本当に思わせるため仲間と協力して一芝居打ったりすると、とても古典的。
 前作『グレイド』が、ヒロインの外見さえ変更するパターン破りで構成されていたため、今作は逆にトラディショナルなスタイルで通そうとしている?



『聖剣の刀鍛冶』04.「誓約-Promise-」

 何しろ作画が良いので、多少の疑問や不満は気にならない。
今回の炎表現など素晴らしい上手さであり、ただ感心。
 セシリー始め、女性キャラの可愛さも目に嬉しい。

 セシリーが騎士として目覚め始め、その心正しさ(弱さ?)故にアリアの間に信頼・友情が結ばれていく。
 配下の騎士を、死ぬとほぼ分かっている戦いに追いやり、自分は生き延びる歴戦の勇士・隊長に比べ、化物となり死人を出している相手であっても殺す事に躊躇いを憶えるセシリーだから、アリアは過酷な運命を背負う自分の所有者として認められた、という事か。
 魔剣の恐ろしさ、近くにあるだけで周囲に死者を出しかねない危険さ、それらを知り、自分には全てを守るだけの力がまだない事も自覚しながら、なおアリアの友であろうとするセシリー…を感じさせるには、描写がライト過ぎ。
この辺は、意識して「余り深刻化させない」事を選んでいる作品なのだろうとは思うが。

 アリアが手に入ってしまった以上、「刀鍛冶」としてのルークは、もうセシリーにとって必要ではないような。
それでもやっぱり、ルーク製の剣を欲しがるのだろうか。
 ルークは、その場で剣を打てる便利さと、剣士としての恐るべき戦闘力で、存在意義を見せていく事になる?


2009年10月26日 月曜日

 ちょっと前だけど、米の気球騒動自作自演夫婦。
 動機はよく分からないながら、どうせやるのなら、もうちょっと美談風に仕上げれば良いのに。
「勝手に作った気球で大騒ぎしてみれば単なるカン違い」というだけじゃ、大したバリューがないと思えて。
 例えば…というのは書くとマズいのかな、「愛と感動の実話」風に仕立て上げる事件シナリオなんか、いくらでも思い付けそうなもの。
 元々困った夫婦として有名だったみたいなので、このぐらいのストーリーに主演した方がリアリティーあり?
アホな自作自演がバレる所まで含め全くの計画通り、怒られ罰せられそうな現状が嬉しくてしょうがない、というなら、ナニも言うことはないけど。

 悲惨なスケジュールで仕事中。
 金曜日には復帰したいと。


2009年10月24日 土曜日

『キディ・ガーランド』02.「甘い、罠」

 かぼちゃプリンを頂くため、本部建物に侵入するアスクールとク・フィーユ。
 どうでもいい目的に向かうべく、アホな侵入者用警備装置に翻弄されてしまう二人のギャグ話を展開する、というのが制作者意図になるだろうか。
 それはそれでも、罠のアイディアが面白かったり、笑いのテンポが良かった場合、問題無かったかも知れないけれど…

 「やらないか」人形と腕相撲、渋い声の声優さんに声が変わる、滑る嫌デブ丸太の上を渡る、大量の嫌男(『ラピュタ』のムスカ?)ロボによる追跡……
うーん、余り見かけないアイディアだとは思うけど、警備システムだという気がしないし(本当の装置は止めてあり、しかも彼女達を確認した上で遊ばれていた理由はあるが)、大手掲示板あたりで受けることを狙いすぎたネタに感じられ、ちょっと引いてしまう。
 「やらないか」って、そんなメジャーな元ネタなのかなあ。
本体を知らないと、嫌さも面白さも感じ取り辛い罠になっていたような。
 ムスカ?に関しては自分もよく分からない、今頃使うべき理由があるのか…どこかで現在でも「妙な大人気」を博しているキャラだというならイイけど。

 侵入側・警備側の動機の軽さが、行動とギャグのギャップを皆無にしてしまい、笑いを薄くする。
 「アスクールの目的を知らず、命を懸けてもやり遂げなければならない事と思い込んで悲壮な覚悟で協力・侵入するク・フィーユ」、あるいは「侵入者の正体を視認できず、『本部の危機』だと信じて必死の撃退に臨む警備側」、どちらかがあれば、笑いを乗せる物語の屋台骨に出来たかと。

 最後、缶で転んでしまいアウトになるアスクールも、そこまで必殺のシリアスな障害を突破してきていれば、「こんな単純な物に引っ掛かるのか!」というギャップの笑いに出来たかも。
物語の発端となった、かぼちゃプリンの上を無情にも転がっていった缶と同じ形のモノで、「この缶がいつも止めを刺し、台無しにする」繰り返しギャグにしたい意図?
 いや、そもそも単なる悪ふざけみたいな内容で一話費やす事自体が目的の話だったかも知れないので、ナニだけど。
シリーズ冒頭、ツカミの第二話でやるには まだちょっと早いかな。

 ク・フィーユの性格と能力を描く話としては、まずまず。
 作画が良いから、入浴・デブ人形上でのク・フィーユの動き・アスクールが転ぶ際のダイナミックさなど、画面は目に楽しい。
エンディングから次回予告に到るまで、画面下に「まだまだ諦めず頑張る二人」を見せ続ける、作画状況が良くないと実現出来なかろうネタも凄い。
 手を抜いているのではなく、肩に力が入りすぎてボール球を放っているような印象。
上手く噛み合えば、凄く面白い作品になると思うんだけど……



『にゃんこい!』04.「美しい人」

 さすがに「全てを上手く猫に結びつけて語る」ストーリーではなくなったが、新女子二人も「猫から感謝される人間」として、一応絡めてはある。
 猫に関して普通に接することが出来る他二人の少女と違い、猫が大好きで優しくしているつもりなのに相手からは恐れられてしまう楓は、作品中で唯一猫を苦手とする主人公と共に異色の存在であり、それ故メインヒロインたり得るのかな。

 ツンデレ…というかヤンキーデレ?の加奈子が可愛い。
時代後れも甚だしい山姥メイクを落としたら、素顔は美人だし、主人公を一途に想う真っ直ぐな子でした、という落差の作り方が上手いなあ。
 男かと思ったら…の先輩も、「実家がヤクザ」として、どちらか片方だけでは割とアリガチな設定を二つくっつける事で、違いと落差を演出してある。
 見たままなのは、主人公と千鶴ぐらい?
いや主人公は、他のキャラから見れば、いつも猫が近くにいて よっぽど好きなんだろうと思われているかも知れないが、実はアレルギー、というギャップがあるのか。

 パワフルな作画を活かしたギャグのヒット率が高く、楽しい。
 これで取りあえずヒロインは出揃い、次回から本題に入ることになる?
キャラクターが織りなす元気なドタバタこそ本題、かも知れないが。


2009年10月23日 金曜日

『ささめきこと』03.「ファーストキス」

 もうちょっと重い話になるのかと身構えていれば、基本的に明るく楽しいコメディーで通してあって、拍子抜けしつつも見易くて嬉しい。
 百合、という関係について厳しい目線を向ける作品でなく、これなら、メガネっ子・純夏は別段「男の子」であっても同じような話に出来るんじゃないか…と思わないでもないが、これを障害に設定してあるから進まない・歯がゆい・コミカルな関係が維持できているのだし、ヤヤコシイ三角関係も構成できているので、つまらない言い掛かり。

 「可愛い女の子」を求める汐は、自身が可愛い・庇護されるべき、ぼんやりうっかりした女の子である自覚を持っているのだろうか?
持っているなら、頼りになる・格好イイ女の子をこそ、求めそうなもの。
 自分を間違ったイメージで把握している、あるいは「あるべき自分」に近づくため、自分より可愛い庇護対象を必要としているのかな。
 そう難しく考えず、「可愛い縫いぐるみや動物を求める少女心理」ぐらいに捉えるべきか。
 可愛い女の子が好きなのではなく、強く格好イイ男の子が苦手、だと考えると、強く格好イイ純夏を恋愛の相手として見られるはずもないが。

 ウルトラお面越しのキスは、大真面目にやっているだけに馬鹿馬鹿しくて、切ない、作品の全イメージを代表するような良いシーンだった。
 作画に所々危うい所があったのは残念。
楽しく可愛い雰囲気を醸し出す作画が大事な作品なので、頑張って欲しい。


2009年10月22日 木曜日

『そらのおとしもの』03.「エンジェロイド初体験(0シレイ)」

 主人公と、幼馴染み少女・そはら、イカロスの関係を固め、少しばかり彫り込む、順当な内容。
 バカでスケベで良い所なく思える主人公に対し、好意を抱く そはらの内的理由が描かれた。
強力な幼馴染み補正というか、何というか。
 イカロスに芽生える感情らしきもの、は、視聴者の好みにストライクだろう。

 これ単体で見れば、別に悪い内容でもないが、前回の飛行パンツ衝撃が凄すぎたため、ちょっと物足りなく感じてしまう。
 「パンツを脱がす」だけなら珍しくないけれど、群れを成す渡りパンツや、戦闘機を追い越していくジェット(ロケット?)パンツのスピード感など、恐ろしく悪ノリした、この手の馬鹿エロネタを随分長い事見てきた自分にさえ、ガツンと来る画面に仕上げていたからなあ。
 アレはもっと後で使った方が良いネタだったのでは?
序盤のツカミとしては強力すぎるほど強力だけど、今後そこそこの事をやったぐらいじゃ「飛行パンツに比べると落ちる」と言われてしまいそう。
 シリーズを通して何度か見せる繰り返しギャグとして機能させるのか、使い捨ててしまっても まだまだ強烈なネタが控えているから構わないのか。

 オジサン世代の心を揺さぶる、懐メロのEDが楽しい。
若い者に分かるのかな……でもまあ、有名な曲をチョイスしてあるから聞き覚えぐらいはあろうか。
 「見た(聞いた)事もない新しい作品を作ろうとするものではない」「温故知新」という、制作者の意思表示?


2009年10月21日 水曜日

『新・三銃士』08.「満月の森」

 月〜金曜まで毎日放送されているため、もう8話目。
 久々のNHK本格人形劇。
『三国志』とか『プリンプリン物語』『新八犬伝』なんかを楽しみに見ていたのを、思い出す。
 放送の間が空いた事による技術的衰退を心配したけれど、人形の演技・演出・セットの作り込みなど、逆にレベルが上がって感じられる。

 制作予算の潤沢さからか、かなり大きなセットを組んであったりして、驚かされる事が度々。
 現在では、最初から簡素なCGで作った方が安く上げられる…のかも知れないが、セットに差し込む夕日の明るさや、完全には統制できない人形の動きによる味、「確かにそこにある物を撮している」事から生じる空気感など、人形劇ならではの優位性が感じられる画面になっており、イイなあ、と思わせてくれる。
 本来、表情のない人形の顔から、喜び・悲しみ・困惑など、確かな感情が伝わる演出になっているのも素晴らしい。

 物語は、基本的には真面目にやりつつ、三谷 幸喜の脚色に寄るのか「変なギャグ」がチョイチョイ挟まれており、笑う。
第一話で父親が死ぬ所なんて、笑わせちゃイケナイ所だろうに( ^_^ )。
 腕が立ち、油断のない三銃士は格好良い。
 まだまだ未熟なダルタニアンの成長も楽しみ。

 最後まで見続けるつもり。


2009年10月20日 火曜日

『あにゃまる探偵 キルミンずぅ』03.「ノラネコに恋されて!?」

 三話まで来て、変身システムは誰が(カメになっている祖父?)何のために作り何故放置しておいたのか、系統だった説明はない。
 その代わり、元気な少女達の個性と、目先を変えてのコミカルなアクションで、一話ずつを丁寧に見せている。
 キルミンに関する基本設定が気になって、物語に集中できなくなるような作りではなく、極端に言えば最後まで明かされなかったとしても、「不思議な変身システム」と「それにより巻き起こされ、解決される事件」がしっかり描かれてさえいれば、子供達はさして不満を感じないだろう。

 冒頭に長いナレーションを入れ、ヤヤコシイ設定について「はい、説明終わりましたよ」扱いしようとする作品が多い中、すっきりサッパリして見やすい構成。
 放送は、一年間予定されているのか。
だったらなおの事、この緩やかな語り口は有効。

 「子供向け作品」に特化を考えているなら、OP・EDのタイ語歌詞が、ちょっと不思議。
画面に歌詞も対訳も表示されず、これじゃ子供はもちろん大人でも一緒に歌えないかと。
 子供はどうせマトモに歌詞を憶えず「ウニャウニャウニャー」と勝手な言葉で歌うのだし、明るく愉快な曲調には興味を持ってもらえるだろうから、特に問題ではない?

 キルミン変身が解けたら裸になっている、という設定は必要だったかなあ?
「裸の少女姿に戻り慌てて服を着る」シーンを省略する事で面倒さを回避しているけれど、それなら、変身解除後は服を着用した姿に戻る設定にして良かったような。
 『セーラームーン』も『プリキュア』も、こんな設定ないぞ。
お間抜けで不便なヒーロー(ヒロイン)という意味では『アメリカン・ヒーロー』に近くしているのかな、取扱説明書もないし。


2009年10月19日 月曜日

『涼宮ハルヒの憂鬱』最終28話.「サムデイ イン ザ レイン」

 今更ながら。
 最終回は、本来なら要らない描写を多めに入れて、「取り立てて何事も起こらない退屈な日常」を「意図して退屈に」描く旧作エピソード。
 高校・大学時代のウダウダ〜とした部活の雰囲気がとても良く再現できていて、懐かしい気分。
学校に対し、「帰ってくる場所」だという感覚が持てるのは、嬉しい事だよね、と、そこから遙か遠くなってしまった年寄りは思う。

 競争心からか、所有欲か、本人同士は決して認めまいが恋の萌芽(だいぶ進んでる?)でもあるのか、キョンに掛けるカーディガンを通したハルヒのリアクションが可愛い。
 27話で、自信を分けて欲しいというキョンに対し顔を近付けてきたハルヒが、「体がポカポカしてくるとか、発汗作用が促進されるとか、そんなのをアンタも感じたでしょ?」と言う。
「アンタ『も』」ってのがミソかなあ。
ハルヒも、キョンが近づくと そういう状態にある訳ね。

 キョンは、本来ハルヒが好意を抱く対象となる男ではなかろうし、ハルヒもキョンが好みに感じる女の子ではない。
しかし、二人が表層意識で求めているものの裏側、ずっと深い所では惹かれ合っている事が感じられる、この辺がライトノベルや萌え物の常道的在り方より複雑な所で、この作品の面白さ。
 ハルヒ個人の心の中が作品宇宙とイコールで結びつけられるからこそ描写可能な、「大規模であり ごく小さい、迷惑な恋の話」。
 今期、物語の進展通りに話数が並び直され、間を埋めるエピソードも作られた事で、二人の関係は ぐっと分かりやすくなったと思う。

 ああ、何だか人気があるらしい原作のお話は、映画になるのか。
 「エンドレスエイト」を二回ぐらいで終わらせていれば、テレビで十分収まったかも知れないのに…
でもまあ、劇場ならではの超絶クオリティーで映像化される可能性もあり、この事自体の良し悪しはまだ判断保留。
 「エンドレス…」も、放送が終わって振り返れば、熱狂と狂乱と希望と失望と賞賛と怒号と、色々な感情を呼び起こしてくれ、普通の事ではさして心を動かされなくなったオタクの友人達と久しぶりに「アニメの話」をさせてくれる、なかなかに得難い事件ではあった。
 話の内容がそうだから、というだけではなく、何だか「夏」っぽい。
愚かで未整理で未熟な…作り手側だけでなく、見ている自分の中にも そういう部分を感じてしまう意味では、特に「思い出される(余り思い出したくない)学生時代の夏」っぽいかな。

 劇場版の出来に期待。
 「『ハルヒ』はやっぱり最高だ!」と感じさせてくれる完成度なら、嬉しい。


2009年10月18日 日曜日

『空中ブランコ』01.「空中ブランコ」

 原作未読。
 『化猫』『モノノ怪』で、鮮烈な映像を見せてくれた監督・中村 健治の新作。

 とにかく、映像表現に大きな期待が掛かっている作品だったと思う。
それに応えるべく、今回もキテレツな画面が連続。
 『モノノ怪』などは、「テレビアニメ」という範疇から出ることなく新しい・奇異な事をやって見せてくれたが、今作では、加工した実写映像を多く用い、手描き・実写で交互に同一キャラクターを表現してみせるなど、また違った手法に挑戦している。

 ただ…それが良い効果を上げているかというと、個人的には疑問。
 実写と混合した画面作りなら、『マインドゲーム』等、既に高い技術で実現している作品があり、特に新しいとは思わず。
 「違和感」を表現したいのかも知れないが、実写・アニメのキャラクターには、結構な間隙を感じてしまう。
 何より、『モノノ怪』では、過度に演出された画面を使って「分かりやすい話」を語っていたのに、今回はメインの話自体も少々分かり辛く、面白さを受け取り辛い。
 話が分かり難いと、挟まれるギャグも笑って良いのかどうか躊躇われ、画面を充分に楽しむ所まで行けず…総合的に「余り宜しくない」と判断されてしまう恐れが。

 まだ第一話であり「これから」なのだし、そうは言っても画面表現に惹かれる部分があるため、視聴は継続。
 うーん、面白くなると良いなあ。


2009年10月17日 土曜日

『キディ・ガーランド』01.「ラッキーアイテム」

 2002年の作品『キディ・グレイド』の続編。
 前作、そして『うた∽かた』『機神大戦ギガンティック・フォーミュラ』に続く、監督・後藤圭二、脚本・きむらひでふみコンビの新作。
キャラクターデザイン・門之園恵美など、他のスタッフも多く重なっているようだが。
 前作は全話見たけれど、ヒロイン二人が違う体に移り変わるという思い切ったイベントを組んでいた事以外、ぼんやり。
ラストは、ええと、「そして更に彼女達の活躍は続く」といった終わり方だっけ。

 今期第一話で、前作ヒロイン二人が、かつてこんな事件があったという扱いでチラリと姿を見せる。
この事件の真相はいずれ語られ、前ヒロイン達も本格的に再登場するんだろう。
 記憶と体を失ったエクレールとリュミエールが、今作のヒロイン二人になっている…のかと思ったんだけど、性格がちょっと違うし、そういうサービス?は視聴者が喜ばないか。

 一話では、世界観の説明より、シリーズへの期待感を煽るより、まずヒロインの一人・アスクールのキャラ立てを優先。
 それはそれで間違っていないと思うけれど、残念なのはそのキャラクター性が「ドジで天然、しかしイザという時は凄い力を発揮する」というアリガチなもので、目新しさはまだしも、固有の魅力に欠ける。
 ブルマを脱ぐか脱がないかに関する下りは、もっと刈り込めたはず。
間抜け過ぎるテロリスト、無駄に長く飛ぶドラゴン、そのボディーにしがみついて見せるアスクールのアクションが冴えない……
全体に間延びしてしまっている印象。
 シリーズ構成の都合なのか、「アスクールって実は凄い」をまだ余り強調せず、ドジで天然なままに留めてあるため、一エピソードとしてのカタルシスも弱い。

 上手く対比し、ドラゴン上でのアクションに的確な指示を出していく形にでもすれば、相棒少女のキャラも多少立てられたかと。
ヒロインの固有魅力の薄さだって、二人の掛け合いによっては埋められた…可能性もあるのに。

 仕込み櫛をニードル・ガンに使ってみたり、テロリストの鎧だけが合体して巨大ドラゴンになるなど、小道具の設定は変わらず面白い。
 一部不安定だったが、作画は良く、女の子達を可愛く描き出している。
 特にシリーズ後半、良くない…いや「個人的好みに合わない」展開を迎える事が多い後藤・きむら作品。
先行きに不安を感じつつも、視聴継続。


2009年10月16日 金曜日

『FAIRY TAIL』01.「妖精の尻尾(ようせいのしっぽ)」

 原作未読。
 …ただ、連載開始当初、色々な意味で話題になった事は知っている。
長期連載になり、アニメ化もされるという事は、相当な人気があるんだろう。
 アニメ化にあたり、制作現場では『○○○○○』という単語は禁句だったんじゃなかろうか。
「『FAIRY TAIL』?どんな漫画だっけそれ?」
という質問にも、他の作品を用いた説明は一切禁止で、
「少年マガジン連載、魔法とアクションと冒険の物語」
と答えなければならない、とか。
 平成『ガメラ』の劇中だと、「カメ」を絶滅種という設定にして、似てるとか何とか言わないで済むようにしていたんだよね、いや関係ない話。

 内容は悪くなく、魔法ギルドに憧れを抱く少女の視点を通し、世界観や、男の子が大食いで乗り物に弱く戦う時は異様な力を発揮する、といった基本設定を分かりやすく語っている。
 アクションにも力が入っているし、少年漫画的ツカミとしては上々の出来。
 負担を感じない限り、しばらく見続けてみようかな。


2009年10月15日 木曜日

『たまごっち!』01.「ワクワク!たまストリートで大レース」「ドキドキ!ラブリンは誰にほほえむ?」

 一世を風靡した携帯ゲーム「たまごっち」を、アニメにした作品。
 同ゲームを題材に、かつて何度かテレビアニメや映画が作られているけれど、ちゃんと見た憶えはない。

 意外と面白かった『キョロちゃん』、子供に分かるのかどうか心配になるヒネたエピソードが散見された『星のカービィ』など、いかにも子供向けの体裁を取りながら内容に侮れない物を含む作品があった事で、この『たまごっち!』も一話を見てみたが……
 冒頭数分しか見ていないけど、「普通に子供向けアニメ」といった出来で、変な方向へ暴走していく可能性は低そう。
 安心して、視聴はここまでに。


2009年10月12日 月曜日

『青い文学シリーズ 人間失格』01.「鎌倉心中」

 原作となった太宰治の小説は、既読。
……随分昔の事なので、細かい事は余り憶えていないが。
 硬くて読み辛く取っつきにくいイメージがある…と思う名作文学。
その表紙を人気漫画家に描いて貰う事で、ドカンと売り上げが伸びた、という話は聞いた事がある。
 そういう流れに乗ってなのか、表紙イメージを拡大してのアニメ化企画。

 それはまあ良いとして、全12話だというシリーズの中に、6作品も詰め込む構成はどうだろ。
 『蜘蛛の糸』『地獄変』あたりは短く済ませられるかも知れないが。
せっかくだから、『人間失格』『こころ』『桜の森の満開の下』は、時間を取って しっかり描いて欲しいなあ。
 特に『桜の森の…』は、狂気が重なり合って誰が「正常」なのか分からなくなっていくのがゾワゾワするほど恐ろしく、咲き乱れる桜のイメージは凄まじくも美しい名作なんで、大事に作って欲しい所。

 『人間失格』は…
 アニメになってしまうと、何だか『絶望先生』が連想されてばかりで、いつ「絶望した!」と言い始めるか不安だった。
『絶望先生』の方が、こういった文学作品や作家のイメージをパロディーにして形作られているので、仕方ないけれども。
 昏い雰囲気や、心中に到ろうとする心理が、文学っぽく描けていて悪くないかと。
小畑 健らしさが出ているかは疑問ながら、作画も高水準。
 萌えも爽快感もハラハラドキドキもない こういうアニメで、今日どのぐらい商売になるのか、興味あるなあ。

 視聴継続。



『こばと。』01.「…願う少女。」

 原作は、単行本一巻だけ既読。
 久々の?CLAMP漫画原作テレビアニメ。
といっても、『XXXHOLiC』から(これが一つ前のテレビアニメだったと思う)そんなに時を置いた訳ではないし、キャラクターデザインでは『魍魎の匣』も放送されているんだけど。
一時期、CLAMP物が溢れていた印象があるため。

 第一話は、コミカルな演出が楽しく、作画も可愛く描けており、問題のない仕上がり。
 漫画では表現の難しい「歌」を感動的に見せるのが、なかなか。
歌自体も、圧倒的な歌唱力、というより、一生懸命歌っている事が感じられて心地良い。
 小鳩とは・いおりょぎとは何者なのか、最終目的は何なのか、分からないと思うけれど、取りあえず「他者のために頑張る、ちょっと常識の欠けた天然系少女の活躍を楽しむ」姿勢で。
「もの凄く怖いガンツ先生に常時採点されているロボコン(ロビーナ?)」と捉えてもオッケー。

 一巻目以降の話を知らないため、先の展開が気になる。
 感想を書くタイプのアニメになるかどうかは分からないが、視聴は継続。


2009年10月11日 日曜日

『DARKER THAN BLACK 流星の双子』01.「黒猫は星の夢を見ない…」

 前作は全話視聴済み。
 「ヤングガンガン」で連載中の、前作後を描いた漫画版とは全然違う話(更にその後の時代か)。
 ほのぼの学園物の雰囲気も、一転して緊迫感溢れる展開を迎える後半も面白く、相変わらず隙のないクオリティーの高さ。
今期トップクラスの注目作になって、当然だろう。

 しかし…良く出来ている事は何の抵抗もなく認められるが、大好きな作品かというと、うーん。
 星空が本物ではないとか、能力を使うのに代償が必要とか、この辺りの設定が不思議と しっくり来ないせいか。
真面目にシビアに作られている通常ドラマパートとの齟齬を感じて…いや、違うなあ。
 大体、それらは前提条件となる超常設定なので引っ掛かりを感じられても困る、だろうし、これより遥かに不自然な部分を持つ作品でも普通に楽しめているクセに、と自分で思うんだけど…
 合理的理由ではなく、「相性」とかそういった話なのかな。

 黒猫・マオが好きだったので、再登場を期待(一話に出てたのは違う…よね?)。
多少の物語的救済措置があれば、復活させられない事はない退場の仕方だったはず。
 ただ、このスタッフは、そういう所がホントにシビアだからなあ。
 「何でも出来る設定」を持つ作品だという自覚からか、過剰な便利さ、都合の良さに対し、ストイックなまでに警戒的。

 最後まで見続けるつもり。


2009年10月10日 土曜日

『ご姉弟物語』01.「下町の双子天使だよ」「おねいのニオイ!!」

 原作未読。
 何の情報も知らず、アニメを見て、初めてこれが安達 哲先生の漫画を原作としている事を知る。
安達先生といえば、『さくらの唄』『お天気お姉さん』といった、正気と狂気の境目にあるようなゾワゾワと来る凄い作品を描かれた事で有名。
 だから、期待して見始め…ようとしたけれど……

 面白い面白くない以前の話として、自分には合わないアニメ。
原作は好きなのに、一話限りで視聴を終了してしまった『うちの3姉妹』『毎日かあさん』と同系統の匂い。
 いずれ毒が出て来たり、スタッフのノリによってドカンと化ける可能性はある、と思いつつ、この第一話は体が受け付けず、半分も見ない内に脱落。
 良くなってきたよ!という評判でも耳にしたら、また改めて見る事にして、とりあえず視聴終了。



『ファイト一発!充電ちゃん!! 』01.「ぷらぐ・いん!」

 原作未読。
 AT-Xで放送が完了している作品を、MXで放送開始。
 タイトルを見ても内容がよく分からなかったけど…ああ、ごくごく乱暴に言ってしまえば「充電プラグの萌えキャラ化」という事なのか。
代償を求めず、人間にパワーを注ぎ込もうとする行動からは、「天使」とかそういった存在も連想される。
 ヒロインが属する組織の有り様、任務サンプルの提示、人間側が抱える事情と、彼女の介入により危機一髪から好転するドラマを不足無く描いており、第一話として堅実な出来。
 目新しさには欠けてしまうが、作画は悪くないし、色気方向のサービスもあるので、掴める視聴者は掴めただろう。

 原作者・ぢたま某先生が、えっち漫画方面で活躍されていた頃、得意技としていた「尿」描写が何度も出てくるのに、驚く。
 ヒロインが一話目で、絶望的な恐怖を表すとか そういった意味は特に無く失禁してしまう一般向けアニメも、珍しい、というか史上初じゃなかろうか。
 絵だし、汚く描かれている訳ではないが……見る人を選んでしまうだろうな。

 負担にならない限り見続けようかと思うけれど、感想を書くタイプの作品にはならない予感。



『ささめきこと』01.「ささめきこと」

 原作未読。
 『青い花』が終わったばかりだというのに、また百合物?
人気があるジャンルなんだなあ。

 『青い花』と違うのは、もっとコミカルな味付けが成されている事、か。
主に心理面のシリアスさは、この作品でも結構な深度まで掘り下げられそうだけど。
 片思いに次ぐ片思いのストーリー構成が、上手い。
みんな、立ち止まって振り返れば すぐシアワセになれそうな気が…それじゃドラマにならないし、妥協するのは「恋」と言わないのか。
 出ているキャラクターをバランス良く捌いており、それぞれの物語を一度 閉じてみせる事で、「読み切り作品」として完結している。
これで終わりだとしても、特に文句ないぐらい。
その巧さ故、「引き」は弱くなってしまったかな…贅沢な言い掛かりだが。

 演出も作画も高いレベルで、女の子達それぞれの美点・欠点を、生き生きと魅力的に描き出している。
 重い展開が続くとシンドくなってしまいそうだから、息抜きを多めに入れてくれると見易くて、嬉しい。
 視聴継続。


2009年10月9日 金曜日

『11eyes イレブンアイズ』01.「赤い夜」

 原作ゲーム未プレイ。
 主人公と、同じ施設出身のヒロインは、如何なる切っ掛けに寄るのか、現実世界から不気味な異世界へと引きずり込まれかかる…というのが第一話のストーリー。
 展開をゆっくりにした事で、分かり辛い部分は無く、主人公らの基本性格とか置かれている状況は理解できた。

 ただ…いや、難しい所なんだけど、割と よくあるパターンの話を緩めのテンポで、しかもアクション等の大きなイベント無く見せられると、「視聴継続したい!」という気力に若干 欠けてしまう。
 こう視聴者に言われるのが怖くて、飽きさせないよう一話に無理矢理 話を詰め込み頑張り過ぎる事で訳分からなくしたり、かなり物語が進んだ見せ場の回を最初に見せて客の心を掴もうとする余り逆に離れさせてしまっている、残念なアニメは多い、それに比べれば正統派、見る側に優しい作りだとは思うが。

 演出も作画も、悪くはないが「普通」というレベル。
 日常描写で掴むのはなかなか難しいから、突然 異世界に飛ばされる理不尽、そこで奇怪な者達に襲撃を受ける恐怖、ここいらを渾身の力で描き出し、見せ場とするべきだろう。
 頑張って、物語の流れとは無関係にヒロインのパンツなど晒し、サービスしようとしている努力は分かるんだけど。

 本当の物語は次回から始まる、と思うので、とりあえず三話ぐらいまでは見続けよう。



『天体戦士サンレッド』27.「出撃!ウェザースリー/来襲!? フロシャイム参謀/ほか」

 原作未読。
 第一期は全話視聴済み。
 第二期の放送が始まった。

 『気象戦隊ウェザースリー』のオープニングが、往年の戦隊シリーズ、特に『サンバルカン』を思わせて、懐かしく格好イイ。
飛行メカコックピットからの視点で、合体フォーメーションを取る機体を見せるシーンなど、嬉しくなってしまう。
 『サンレッド』本編の新作OPも、格好イイ部分があってイカス。
 まあ…中身は いつもの通りなんだけど。

 脱力グダグダのヒーローパロディーである、この作品。
一話二話見たぐらいだと、アリガチだし強烈な笑いがある訳でもないし、微妙…と思うんだけど、続けて見ていると その空気が段々 心地良くなってくるから不思議。
 ヴァンプ将軍の忍耐力・面倒見の良さが、好きだなあ。
こんなに家庭的な悪の組織があったら、加入させて欲しいぐらい。
でも、情けなく見えるのは強すぎるレッドとの対比であり、怪人それぞれ実は結構な戦闘力を備えているみたいだから、入れないか。

 最後まで見続けるつもりだけど、前期と同じく「力を抜いてヘラヘラと見る」のが正しい鑑賞態度の作品であるため、感想は書かない可能性が高い。



『そらのおとしもの』01.「ユウシャ世界に起つ!」

 原作未読。
 突然、さして優れた部分を持つ訳でもない主人公少年の所へ絶世の美少女が押しかけ同居してくる、お馴染みの物語。
 冒頭から、よく分からないモノローグとマッドなお兄ちゃん(コイツが主人公かと)の説明ゼリフで幕を開ける、少々不親切な入り方ではあるが、それ自体も笑いに繋げてしまうようなパワーがあり、CM明けからの「お隣の幼馴染み少女と過ごす朝」の風景が過剰に分かりやすいせいもあって、特に問題無し。

 後半の展開が、『ドラえもん』どくさいスイッチに似ているのは、ワザと?
「冴えない少年の元へ、異界からやってきた不思議な同居人が、便利なアイテムを次々と繰り出しながら夢を(悪夢も)叶えてくれる」という構成は、『ドラえもん』そのままだから。
 同居人を、性的な要素を一切含まないドラえもんから、やたら胸が大きく自分自身さえ好きにして良いという翼持ち美少女に替えている、大きな差異はあるが。

 主人公は、不可思議な現状に特別 戸惑いも感じず己の願望を吐露し、主にエロい事…全裸で走り回って喜ぶあたり「ガキっぽい事」なのか?を実現してもらうなどして、割合と清潔な人格を持つ事が多い こういうパターン作品の主人公としては珍しいぐらいストレートにイカロスへの性的興味を示す。
 オタ気味視聴者は、願望を全開にする(さすがに最後まで行こうとはしないにせよ)主人公への感情移入を好まない傾向にある…気がするんだけど、コミカルさとイキオイで、「のび太が度々やらかすバカ暴走」のように嫌な気分にさせず見せる事に成功している。

 綾波、というよりは長門に近い(主人公の指示に従い、何でも出来る能力を持つ)ヒロイン・イカロスの魅力が大きい。
第一話では、まだキャラクター性をそう深くした訳ではないんだけど、「願望充足」をそのまんま絵にしたような設定だなあ。
 変態の新大陸発見部部長(?)、冷静に妙な事を口走る生徒会長など、脇の登場人物も面白い。
 木村 貴宏作監による、高品質な作画が目に嬉しく、シリーズのツカミとしては十分な出来だったかと。

 視聴継続。


2009年10月8日 木曜日

『秘密結社 鷹の爪 カウントダウン』01.「キセキ」

 第一期テレビアニメ放送から三年が経過して、まさかの復活…とかいう話でもなく、間に劇場版が二作も公開されているし(三作目も公開予定)、人気があるらしい割には相変わらず低い制作費で作られているのだろうし、第二期が放送される事に別段 不思議はない。
 内容も、これまで通り。
 レギュラーキャラクターの立ち絵にしたって、前期のモノに多少手を加えたぐらいで使い回しており、これは新パターンを描き下ろして良いんじゃないかなあ、と思わないでもないけど、これが味なんだと言われればその通りでもあり。

 『古墳ギャルのコフィー キャンパスライフ』で、ヒロインの声優さんが変わってしまった事や、番組の提供をサントリーに蹴られてしまった(という話になっている)事を開き直ってギャグにしており、笑う。
同じ絵を使い回す所ばかりでなく、こういうセンスも、『ダイバスター』と似てるなあ。
低予算を逆手にとって、何でもネタにしてやれ、という開き直りパワー。
 強烈なキャラクターによる、無茶苦茶な内容をまた毎週楽しめるのは、嬉しい。
 最後まで見続けよう。



『クイーンズブレイド 玉座を継ぐ者』01.「参集!クイーンズブレイド」

 原作ゲームブックは、数冊所有。
ゲームをやった事はおろか、中に書かれてある文章を全部真面目に読んだ事も無く、ほぼ「画集」として楽しませて頂いている、間違った(?)読者だが。
 第一期は全話視聴済み。

 いよいよ本格的に始まるクイーンズブレイド、という訳で、既出に加え新規の女性キャラクター達も集結してくる。
 これから、正規の勝ち抜き戦と、裏で蠢く陰謀を取り混ぜ、盛り上げていく事になるのだろう。
 作画は良好、女性陣が美しく描けている。
ヒイキのカトレアも、第一話から顔を見せてくれ、ドワーフ少女?相手に母性本能の旺盛さを発揮しており、楽しい。

 アニメもまたゲームブックと同じように、誰が優勝するのか、とか、クイーンズブレイドにまつわる諸事全貌は明らかにされるのか、といった正当な部分への興味は少々薄く、今週の作画はどれぐらい美しいのか、女性キャラが魅力的に描かれているか等々、画面クオリティーに一番注目している。
 スタッフの頑張りに期待。
金子ひらくのアニメ参戦があると、最高。
 視聴継続。



『真・恋姫†無双』01.「馬超、悶々とするのこと」

 原作ゲーム未プレイ。
 『三国志』を元ネタとして、有名なキャラクター達が ほぼ全員美少女となり、アクションやコメディーや百合を見せる。
 前作は、酷く つまらないと思った訳ではないが、こういうタイプの「三国志物」「美少女物」に飽きていた時期だったせいか、途中までしか見ていない。

 初見の視聴者には厳しい内容。
 まあ、お話は別に気にする必要なく、個性が強いのですぐ憶えられるだろう美少女達の、活躍を見て一緒に喜ぶのが目的のアニメだから、特に問題はないのか。
 画面のクオリティーは前作並み、女の子達は可愛く描けていると思う。

 『三国志』『西遊記』と、『水滸伝』も、アレンジして漫画やアニメにするのが好きだなあ、日本。
 四大奇書、最後の『金瓶梅』から作られたと思われる作品が見当たらないのは、さすがに使い辛いのかな。
いや、『ラブひな』とかハーレム物は、ここから派生したものである…とか言い掛かりを付ける事も出来ようか。

 順当に、視聴はここまで。


2009年10月7日 水曜日

『聖剣の刀鍛冶』01.「騎士-Knight-」

 原作未読。
 アクション演出を支える作画が とにかく良くて、それだけでも画面を見続けられるレベル。
 ヒロインも悪くないけれど、ルークの助手を務める少女・リサが素晴らしく可愛く描けており、これは人気が出そうだなあ。

 物語としては、刀を折ってしまった駆け出し騎士の少女が、偏屈な刀鍛冶と出会い、拒否されつつもイベントの進行に伴い刀を作ってもらえるのか…という所まで。
 そんなに難しい内容ではないけれど、昨今、これだけの話を きちんと語れず無用に分かり辛くしてしまうアニメが多い中では、しっかり作っていると感じられる。
 前半・後半にバランス良くアクションを配置し、視聴者の関心を掴む手堅い構成も結構。

 刀鍛冶であるはずの少年(青年?)が、セシリーなどより遥かに優れた剣技を使うのは、不思議。
誰かに使って貰うのではなく、自分で使うのなら、鍛冶屋でなく剣士になれば良いのに。
この辺の違和感については、そう感じてもらうのが狙いで、次回以降、納得のいく説明が成されるんだろう。
 「鍛冶」といっても、火に入れ鎚でトンテンカンテンやる汗臭いものではなくて、美少年に相応しく、華麗に魔法で錬成するのかな。
武器に耐久限界が設定されているRPGだと、重宝しそうなキャラクター。

 視聴継続。



『君に届け』01.「プロローグ」

 原作未読。
 何の情報も知らない状態で見始め、少女漫画原作なのかー、とか、ちょっと苦手気味の絵柄、だけどもクオリティーが高いのは さすがProduction I.Gかな、などと思いつつ見ていたが…

 そんなに凝った設定ではないし、ドラマ自体も、「冴えないヒロインが、クラスでも人気者の男の子に好意を抱き、その男の子も実は彼女に…」といった、古典的と言える、珍しくはないパターン。
 しかし、古典となり、ありふれるのは、それが有効な形式だから。
 一生懸命だけれど不器用で、クラスでは外見の陰気さから恐れられており、素直な可愛い内面をしていながら他者に理解してもらえないヒロイン・爽子(劇中でエピソードを絡めて名前が紹介される事により、憶えやすい)が、どうなっていくのか、気になって気になって、内容にグイグイと引っ張り込まれてしまう。

 どんな優れたアイディアを詰め込んだ作品でも、キャラクターに魅力がなければ、見続けてもらう事は難しい。
 逆に、キャラクターに感情移入してさえもらえれば、「思い切って話しかけたらクラスの女の子達と仲良くなれました」「肝試しでオバケ役をやってみました」といった、小さな、事件とも言えない出来事でも、興味や応援、喜びをもって見てもらえる。
 爽子は、「ガンバレ」と思ってもらえるだけ、内面のあるキャラに描けていると思う。
第一話では、30分かけて「彼女の事を分かって下さい」とだけ語っているのだから。

 爽やかで、恐ろしくイイ奴な男の子・翔太。
今回は、爽子のキャラを立たせるための対になる存在、として、一面だけしか描かれていないが、回を重ねていくウチには他の面も見えてくる…のかな?
 見た目ワルそうな女の子二人を始め、クラスメート達が基本的には歪みのない心根を持っており、気持ちいい。

 このまま ほのぼのした内容で進められるかどうかは、作品のテーマやベースとなる作者の考え方しだい。
キツいドロドロのストーリーはシンドいもので、第一話のテイストを守り続けてもらえると嬉しいなあ。
 期待を込め、視聴継続。



『乃木坂春香の秘密ぴゅあれっつあ』01.「一緒に、いきたいです……」

 原作未読。
 第一期は、途中まで視聴。
 知らないキャラが増えているけど、元々そんなに難しい設定を持つ作品ではなく、どういう立ち位置なのかは推測できるので問題ない。

 温泉話から新規開始し、ファンサービスに努めて視聴意欲を新たにしてもらおうという姿勢は、「お色気」が大きな柱であろう この作品として正しい。
 演出も作画も、絶賛する程ではないが、視聴を続けさせるには十分なレベル。
 ストーリーは、相変わらず気楽に見られて罪のないラブコメ。
 特に必要も無いのにイベントのチケットを二枚も取っている友人、とか、都合が良すぎる部分はあるけど、そもそも「美少女で大金持ちお嬢様であり学園のアイドルが抱えるたった一つのウィークポイントは、アニメオタクにとって『夢』みたいなものだった」という基本設定から心地良い都合を全開で語っている作品なので、その程度の事を気にする人はもう見ていないだろう。

 時間があれば…ぐらいの視聴姿勢で。


2009年10月6日 火曜日

『アスラクライン2』14.「消滅の世界と記憶の残骸」

 原作未読。
 『2』だけども、前期は どういう内容のアニメだっけ?というのがタイトルだけでは思い出せず。
内容を見て、ようやく思い当たる。
 ああ、一話目冒頭から、故意に分かり辛くするような演出を用いていた、霊体?の女の子が取り憑いた男の子を主人公とする作品か。
 二話目ぐらいまでは見たんだっけな……

 『2』といっても、話数が通しになっている事から、第二期よりは、休止を挟んで再開したシリーズ、と理解するのが正しいんだろう。
そのため、初見の視聴者への配慮はほとんど無し。
 前期の第一話から、原作既読者のみを対象としているように思えたので、一貫した制作姿勢と言えようか。

 せっかくプール掃除のエピソードを設けたのだし、女の子達を水着姿にでもすれば良いような。
 悪いとは言えないけれど、ピシッとしない作画と演出も残念。
 中CM前までで視聴終了。



『あにゃまる探偵 キルミンずぅ』01.「キルミン・フォーゼ、しちゃった!?」

 アリガチ少女向けアニメなら継続視聴しなくても良いか…と思っていたけれど、原案に河森 正治が入り、監督が『スクラップド・プリンセス』の増井 壮一だという事で、ちょっと期待しての鑑賞。

 リコとリムの双子が、まるでデザインを違えているのに違和感。
一応は少女に向けた作品なのだから、「そっくり同じ」にまで何もかも揃える必要はないにせよ、髪型・色まで変えてしまうと…見た目で双子と分かりやすい特徴を付けた方が良いかと。
 ただ、外見から、活発な子と大人しい子、という性格付けは すぐ伝わってくるけれど。

 不思議アイテムが登場し、イカニモな変身シーンが描かれた事で、「セーラームーン?」とか「子供が大人に変身成長する?」と思わせて、お間抜けな縫いぐるみ姿に変わってしまい戸惑う少女二人のリアクションで笑いを取る所は、上手い。
 さすがにこのコスチュームのまま、妖魔の類と真面目なバトルは繰り広げられまい。
いや、縫いぐるみから猫・ウサギへの変身を見せており、もう一段階、バトルフォームへのチェンジも無いとは言い切れないが。
 第一話の雰囲気や、「探偵」というタイトルからは、ほのぼの少女向けコメディーが予想される。

 手を抜かずしっかり作ってあって、変身後は普通の人間以上の身体能力を発揮できる事を始め、基本的な能力設定が、猫との追いかけっこを通じて自然に伝わってくる。
 大きなお友達向けの目配せは最低限に抑え、子供が楽しめる良質な作品として、ついでに大人の鑑賞にも耐えられる内容を目指してくれると、嬉しい。
 視聴継続。



『テガミバチ』01.「テガミとテガミバチ」

 原作は、ヨメがファンで単行本を揃えているため、所々を既読。
この第一話に当たる部分は読んでいないが。
 原作絵を上手く再現した作画で、雰囲気は良く出ていると思う。
 物語の進め方も丁寧にしており、酷く分かり辛い所はなく、登場キャラクターを少なく抑えたのも見易い。

 ただ…
 派手なバトルで見せる作品ではないのだろうが、余りにも地味な内容のため見せ場に欠けていて、視聴者の心を掴むには ちょっと弱い導入。
 ドラマとしても、ほんの少ししか語られておらず、先行きへの期待感を強く抱かせるには足りない。
しっかり仕事をしてあるスタッフへの信頼感が、次回を見させる主動機となろうか。

 しばらく見てみるが…
アニメとしての面白さが早めに表れてこないと、いずれ原作を最初から読む事にすれば済む、という判断になる恐れも。


2009年10月5日 月曜日

『ミラクル☆トレイン〜大江戸線へようこそ〜』01.「ラビリンス42.3」

 あらゆる物事を擬人化して「萌え」にする昨今の流行りから、そう意外ではないけれど、なるほど、駅を美青年にしてきたかー。
 国をキャラにする作品があり、列車の擬人化も さして珍しくはないため、それ自体はツッコミの対象にならず。
ただ…第一話で語られた内容はボケの連続で、ドコから突っ込めば良いものか。

 女の子が当座困る原因を作ったのが、お悩み解決超自然列車の存在その物だというボケは、考えてもなかなか出てこない凄さ(良く言えば、『ドラえもん』さいなん報知器の話みたい)。
 選んで乗せる乗客が「困っている」事は分かっても、「どういう原因で困っているか」は分からない、ってのも凄いなあ。
 駅の名前を冠した擬人化駅キャラが、駅の中を走り回っている絵のシュールさ。
 駅関連の小ネタとか要らない知識は持っているのに、駅内部に特別詳しい訳でなく、「駅員に尋ねる(普通の人には見えてない?)」「監視カメラをチェックする」といった現実的対処もしない不思議。
 女の子は、更に深い悩みを抱えている事が明らかになったけれど、(自分達のせいではぐれた)犬が見つかったから良かったね、で一件落着にしてしまう無責任さに、脱力しつつちょっと笑ってしまう。

 制作者は、変な話を作って故意に笑ってもらおうとしているのか、「こんな企画どーせえっちゅーんじゃ!」という戸惑いが混乱となり そのまま画面に出ているのか、どっちだろ。
 とにかく、もうちょっと しっかり作ってあれば普通に「どうという事の無いアニメ」で終わってしまいそうな所を、まるっきり外してしまう事により、逆に面白味が感じられるような内容へと化学変化させている。
 うーん…基本的に女性視聴者向けの美青年萌え作品であり、男キャラの見分けが付かないし、駅と引っ掛けた個性も弱すぎて、通常であれば一話目で視聴を終了するけれど、この「変」さがホンモノなのかどうかという野次馬な興味により、あと少し見続けてみようかな。



『夏のあらし!〜春夏冬中〜』01.「夏休み」

 原作未読。
 前アニメのシリーズ後半を見ておらず、レギュラーキャラクターが増えているのに戸惑う。
 しかし、初見の視聴者にも「分からないではない」ぐらいには基本設定が説明され、話を無理に語らず(いつもそう?)、女性キャラ達が海へ行くにあたってのリアクションなどで生きてきた時代と個性を彫り込んであり、過度に説明的にならぬよう理解して貰うための努力は伺える。

 女の子達の可愛さと色っぽさ、そして馬鹿ギャグ、この辺りが作品の魅力かと。
それを強く感じ取れる第一話なのは、結構。
 前期と同じく、無理せず見られる時は見る、というぐらいの鑑賞姿勢で。



『犬夜叉-完結編-』01.「奈落の心臓」

 原作は連載で既読。
 以前アニメ化された物は、シリーズの途中までしか見ていない。

 劇場版も作られているし、再度アニメ化されるという事は人気があったんだろうに、深夜枠への移動は不思議。
前アニメに比べても、別段お茶の間視聴に耐えられないような部分は無く、単にテレビ局がゴールデンタイムにアニメを放送しなくなったからなのか。
 原作か前アニメを見ていないと、分かり難い導入部。
でもまあ、相当にメジャーな作品だと思うので、それでも構わないのだろう。

 演出も作画も、前作並み。
原作ファンの怒りを買う程 低くなく、無関心な視聴者を引き込める程には高くない。
 「アニメでもきちんと完結させて欲しい」ファンに向けて作られている作品。
なので、大きく原作から変えた物語になるとは思えず、順当に視聴終了。
 楽しげに描かれている『境界のRINNE』連載を読んでいれば、高橋留美子先生成分の補充には十分すぎる。


2009年10月4日 日曜日

『夢色パティシエール』01.「あたし、パティシエールになる!」

 原作未読。
 先週、『ヤッターマン』最終回の新番組予告で見た瞬間から書く事は ほぼ決まっていて、「イイ歳のオッサンに向けて作られた作品ではないと思うので視聴終了」。
その予測を大きく裏切る内容ではなかったが…

 少女向けの、こういう作品として、悪くないスタート。
 ヒロインが置かれている状況や、動機となる お菓子に関わる記憶を紹介し、彼女は美青年パティシエとの出会いを通じて自身の気持ちや才能に気付き、遙かなる夢への第一歩を踏み出す。
分かりやすく、手堅く、過不足ない第一話。
 この作品ならではの特徴に欠ける、というのが不満か、と思えば…

 お菓子の精霊が出てくるの?
夢を実現すべく一途に頑張る少女、ばかりではなく、『しゅごキャラ』とかそういった要素も加味してあるのかな。
 その辺りに多少興味はあるが、日曜日は見る作品も多いため、予定通りに。



『とある科学の超電磁砲』01.「電撃使い(エレクトロマスター)」

 原作未読。
 『とある魔術の禁書目録』からのスピンオフ作品。
 アニメ化された本伝は、つまらなかったからではなく、放送途中、こちらのミスにより数回の録画失敗があったため、挫けて視聴を脱落してしまった。
なので、美琴が両作に登場しており、今作ではヒロインになっている事までは分かっても、本伝で彼女が どのようなドラマを繰り広げていたのか、途中までしか分からず。

 特殊な世界や舞台設定について、ざっと説明が加えられており、初見の視聴者でも最低限の事は理解できたと思う。
 この第一話で物語を急がず、レギュラーになるのであろうキャラクター達の紹介と、ヒロインの能力でカタルシスを演出するに留め、欲を掻かない事で視聴者が入りやすい作り。
 その代わり、シリーズを通しての構成や目的は分かり辛くなってしまったが、それは次回以降でも構わず。

 よく動くアクション作画が、楽しい。
超能力よりも、体術の方に力が入っていたような。
 女の子達も可愛く、これからを楽しみに思える導入。
 視聴継続。



『生徒会の一存』01.「駄弁る生徒会」

 原作未読。
 冒頭から楽屋ネタ。
メインの登場キャラクター達が、アニメ化に際しての傾向と対策を話し合っている所から幕を開ける。
 こういうネタは、客の側を楽屋に引き込み、「分かる分かる」「またやってるよ」といった共犯者気分にさせるのが肝要。
ハア?何してんの?と思わせたら、もうアウト。
 舞台設定もキャラクターの個性も分からないウチに、原作小説へのツッコミとかキャラを更に増やす算段とか話されても、原作未読者 故の壁を感じるばかりで入り込めない。

 アバンでやらず、第一話本編を先に見せてから、次回予告前にでも仕込めば良かったんじゃなかろうか楽屋ネタ。
 まあ、アニメで初めて作品に触れる視聴者を「そういう無知な人達はほっといてぇ(笑)」扱いする事で、原作既読者への目配せと共犯関係がより強力になる…かも知れない、それが狙いなのか。

 本編自体も、アリガチ、あるいは「アリガチな作品のパロディー」という所で、特に何を語っているという事でもなく、楽屋ネタ部分との差異は感じられず。
 語りたい何かに付随してのパロディー、ではなく、それ自体が目的化してしまうと、一つ一つのネタに対する完成度の要求度合いが高くなってしまい、毎度それに応えるのは困難を極めると思う。
せめて、何事か立派なテーマがある「フリ」だけでもしておけば良かったかなあ…今後 出してくる可能性も?
 何も無い作品をアニメ化するに当たっては、どうしてこんなに頑張っちゃったんだ?と驚き呆れさせるようなクオリティーを見せる事で、感心から笑いへと繋げる手もあろうが、これはそこまででなく。

 などとゴチャゴチャ考えるのは最悪で、「バカだなー」と笑いながら頭カラッポにして見るのが、正しい鑑賞態度。
 まだ若い視聴者にとってはともかく、長年の間、こういうネタに数多く触れてきた年寄りアニオタとしては、視聴継続の意欲は弱目。


2009年10月3日 土曜日

『真マジンガー衝撃!Z編』最終26話.「決着!ロケットパンチ百連発!」

 いやあ、面白かった!
 とにかくテンションを上げて上げて更に上げて もう一段階上げて極限まで上げる、話の整合性とか勢いに任せて広げきった風呂敷のたたみ方とか、そういった細けぇ事は気にせず全力で暴走し、「無理が祟って血圧を上げすぎバタッと倒れる人」さながら、ブッツリ事切れるように終わる、もう「今川節全開!」としか言い様がない渾身のクライマックスは、全否定か全肯定、どちらかの選択を見る者に強いる。
…付いていけない、もアリか。

 ナレーションで自らネタにしていたが、突然でてくる科学要塞研究所の無茶苦茶さに大笑い。
 光子力の平和利用を説きながら、科学要塞研究所…は兜十蔵の置き土産としても、大量生産したマジンガー軍団にロケットパンチを仕込み(これも三博士の計画?)、娘の危機には科学を兵器として使用するのに躊躇わない、見事なマッドサイエンティストぶりを見せてくれた弓教授が可笑しい。
まあ、素手で機械獣をバタバタ薙ぎ倒す戦闘力を発揮しなかっただけ、マトモか。
 最初は余計者と思った くろがね屋五人衆だが、異様な強さと永井豪作品らしい「狂」を感じさせるキャラクターぶりで、次第に思い入れが出来ていたらしく、全滅イベントでは寂しさを、何気ない復活では嬉しさを味あわせてくれた。
 安国寺、ガミアと、本来は そう多く登場する訳ではないキャラに大活躍させ、面白く見せてくれたのも楽しい。

 今作の主人公は、兜甲児…じゃなく、あしゅら男爵ではなかろうか。
と思うぐらい彼?彼女?は出張っており、敵だったのが味方になったかと思わせて やっぱり敵だった…のはピグマンが化けた姿で心の底からDr.ヘルの部下…なのは偽装で本当は……もう何度陣営を替えたのか分からないぐらい。
 恩義と復讐、使命と葛藤、恐ろしく複雑な内面を抱えたキャラクターに描かれており、「そういえば元々ミケーネ人夫婦の設定だっけ」という所に きちんと意味を与え、ゴーゴン大公との間に縁を結んでみせるヒネり方も見事。
 この作品は、数奇な運命と困難を越え、あしゅら男爵がその使命を全うするまでの過程を描いている、とさえ言えるかも。

 兜甲児・弓さやかの正統派主役・綺麗どころが影薄いのに比べ、アクの強いオジサンオバサンへの思い入れ…偏愛が著しいのは、今川作品の特徴。
 しかし、キャラに負けずマジンガーZが大活躍を見せてくれ、ロボット物としてのカタルシスが(珍しく)強かった事は、喜ばしい。

 煽るだけ煽って投げ出すように終わるラストシーンだけど、タイトルに「Z編」と付けている事から、この先は「グレート編(ミケーネ編?)」に入ってしまうから、と思えば納得できなくはない。
順当には、これも「今川節」と理解すべきか。
 作画の崩れがあったり、ドコへ行きたいのか分からなくなるような部分もあったが、永井豪ファンとしても、今川監督ファンとしても納得のいく、頑張った作品だったと思う。
 「グレート編」も見たいけど、どうかなあ。
テレビシリーズは無理かも知れないが、劇場版として『マジンガーZ対暗黒大将軍』にあたる内容だけでも。



『戦う司書 The Book of Bantorra』01.「爆弾と本と沈み行く船」

 原作未読。
 未読者を置いてきぼりにする、不親切な導入。
ドッと出されるキャラクター陣と、説明が足りない独自設定に戸惑う。
…まあそれは、後半で最低限の事が分かるぐらいには解説されるが。

 作画はそこそこ悪くないと思うけれど、ガックリ来たのが船のCG。
今時これはない…大雑把なCGを長く映しており、第一話全体の絵のレベルを低く思わせてしまう。
 また、「人間爆弾」というショッキングな兵器を登場させながら、演出としても、それを受けるキャラのリアクションとしても、淡々と進め、見る側が頭の中で相当に咀嚼しないと「今、恐ろしい事が起きた」と感じ取れないのは、マイナス。
 洗脳済みの人間を「肉」と呼ぶネーミングセンスも、一話を見終えた段階では、感心せず。

 司書、というタイトルから、『R.O.D』みたいに紙や書籍に関係する特殊能力を使うキャラが出るのかと思えば、正義側(だろう)各員の攻撃能力は、見たところ普通。
 この世界では、「本」という物が現実世界とはまるで違う概念で存在しているため、「司書」もまた、紙(「本」は紙製ではない)を扱うような常識的能力を持ち得ないのか。
 バトルのビジュアルに驚きや納得があると、ツカミはかなり強くなったと思うので、残念。

 第二話以降、世界観を より明かし、キャラクターが立ってくる事で面白くなる…のかも知れないが、今のところ特に惹かれる所はなく。
 次回は見てみようけれど、大きく内容が改善されていなければ、そこまでになりそう。



『にゃんこい!』01.「ブサイクな猫と呪われし高校生」

 原作未読。
 猫と意志を通じ合えるようになるとか、猫助けをしないと自分が猫になってしまうとか、相当に強引な導入部だと思いつつ、しかし「主人公は猫を飼う家に居ながら猫アレルギー」「ヒロインは犬数匹を飼う家なのに猫好き」等、とにかく「猫」から一切離れず全体をまとめ上げるセンスと拘りに感心。

 依頼猫の話からイメージした憎むべき犯人像と、全く悪意がないヒロインの行動が瞬間に重なり、ひっくり返る、このアイディアも素晴らしい。
一話目だし、「猫虐待の変なオジサンをヒロインの前で退治して目出度し目出度し」ぐらいの方が、作る側として遥かに楽だったはず。
 余計なキャラを排除し、物語をキュッと絞り込む…全てを「猫」に繋げるのと同様、弛緩させずキレイにまとめ上げるのが巧い原作者さんなのかな。

 テンポの良い演出と、元気いっぱいな作画が爽快。
 アクのある猫キャラクター達も面白い。
 今後、作品に どういうキャラを加え、どれだけバラエティー豊かな猫依頼を持ち込むか、が勝負。
その辺は かなり期待できそう…と思える第一話。
 視聴継続。


2009年10月2日 金曜日

『けんぷファー』01.「Schicksal〜選ばれし者〜」

 原作未読。
 男の子が無理矢理な理由で女の子に変身し、意味もよく分からず戦う事になり、拳銃をパンパン撃ってくる女の子に襲撃されるが、電柱が折れて危機一髪なその子を助けた事でフラグを立てたっぽい…
 というような冒頭は、ライトな物語として別に悪いものではないけれど、アニメの作り手が この作品について、何が魅力であり、どこを強調・省略し、どう演出して見せれば面白くなるのか、余り考えていないとしか感じ取れない上滑りした内容で、入り込めない。
 視聴者の理解や共感を置き去りに、とにかく先を急ごうとする作りも、感心せず。

 そんな細かい事をゴタゴタ言わず、「雰囲気は楽しい」「女の子が可愛い」「何も考えずスッキリ見られる」といった部分に大きな価値を見出してくれる視聴者を対象に、作られる作品なのだと思う。
 自分は選ばれていない視聴者だろうから、ここまでとしたい。



 衛星で放送された映画『宇宙大怪獣ギララ』を見る。
 67年公開…だから、42年ぐらい前の作品。
 怪獣ブームに乗って、松竹が作った特撮映画。
 テレビで放送された際なのか、見た覚えはある。
といっても幼少期に一度きりで、特異なデザインの宇宙船AAB ガンマと、印象に残るギララの造形ぐらいしか脳内に残っていないが。

 ああ、こういう話だったのか。
 ギララの登場までに半分以上の時間を消費しており、そこまでして描いたドラマパートは、「宇宙探検」という所なのだろうが、時代を感じさせるダラダラした呑気なもので、それはそういうモノとして見られなくはないけれど うっかりすると眠くなってしまう。
 宇宙船に穴が空いても、燃料が尽きても、考え無く地球に持ち帰ってしまった物質から怪獣が出現して大きな被害を出しても、特にどうという事なく淡々と進むストーリーが、逆に凄い。

 今日、余り語られない映画になってしまったのは、とにかくギララに怪獣としての魅力がないから、かなあ。
 背景設定、特性、攻撃手段、弱点…外見以外の全てが平凡。
特撮は、安っぽい合成がありつつ、ミニチュアセットなど結構頑張ってると思うんだけど、主役怪獣の華の無さで全部台無し。
 特に大きなイレギュラーもなく、当初の計画通りフツーに倒されるギララの拍子抜け加減は、三周半ぐらい回って回って「意表を突かれた」と言って良く、面白かったとさえ言えるかも知れない。

 口から引力光線を吐いて街をボコボコに破壊するとか、手足を引っ込め炎を噴き出して飛ぶとか、繭を作って変態するとか「ギララ」と鳴くからギララだよ等と子供が思いつきで名付けるとか、何か一カ所でも大きな特徴があれば……
 いや、こんな昔の映画に今更「こうすれば良かった」なんて言っても、とは思いつつ、惜しいなあ、あと一押し。



『咲-Saki-』最終25話.「全国」

 最終回は、この作品最大の魅力である美少女達の饗宴にスポットを当て、温泉話に。
「バスタオルを巻いたまま風呂に入る」というテレ東お馴染みの無粋な規制に則らず、全裸だが湯気で隠れている、としたのは、嬉しい、まで行かないけど、見栄えがマシ。
 人気キャラクター総登場の楽しい雰囲気が醸し出され、咲と和の淡い恋(?)も無事次の段階へ入ったようで、ほのぼの。

 何度か書いたと思うけど、作品化する際にはダークなイメージにした方が簡単だと思える麻雀を、ここまで明るく楽しく可愛らしく作って見せた発想の転換は、素晴らしいの一語に尽きる。
 全体を通して作画が崩れず、「ギリギリ」を上手く見せる演出により、色っぽさが強く感じられる作品だった。
 麻雀が余り詳しく分からない自分のような人間でも面白く見られるよう、ストーリー・キャラクター・ハッとさせる演出等に気が配られており、レベル高い。

 最後の最後は、「これからこんな戦いが待っています」というイメージなのか。
 もう大体、麻雀に適したキャラのバリエーションは出尽くした…と思うんだけど、まだある?
いや、「存在感が余りにも薄くてステルス状態になってしまう少女」なんて、ギャグ漫画以外ではフツー使わない設定まで上手く使いこなしていたし、何が飛び出してくるかは分からない。
 咲と姉の戦いも興味はあるけど、更に既出少女達の魅力が彫り込まれる事と、すっ飛んだ新キャラ設定が一番楽しみだから、是非 第二期も放送して欲しい所。
原作を追い越してしまったようなので、エピソードが溜まるまでは難しいのかな。
アニメ独自の展開でも、クオリティーが下がらない限りは構わない、とも思うけれど。


2009年10月1日 木曜日

『戦場のヴァルキュリア』最終26話.「決戦」

 負傷しながらも、「ここは俺に任せてお前は先に行け!」とばかりウェルキンを護る楯となって死んだファルディオが、その後 回想もなく名前に言及してさえもらえない酷さに、笑ってしまう。
最大の戦死者だと思うのに…どういうキャラだと、制作者には認識されていたんだろう?
 セルベリアさえ使い捨てにして、マクシミリアンの求めた力が、あのショボい武装なのか。
携帯型なので戦艦の装備より威力が落ちるのは仕方ないとしても、多少は演出で盛り上げ、「彼の野望を叶えるのに十分な力」と感じさせて欲しかった。
 対アリシア戦で、特に良い所なく やられてしまう情けなさは、もう何とも言えない。

 戦争…とまで大きく構えず、戦い、小競り合いを描くについても、足りなかったのは「描こうとする意図」か「能力」か。
強敵や難攻不落の基地を出しつつ、作戦やキャラクターの意外な行動がもたらす戦況変化による勝利、まで思い至っておらず、「バンザイ突撃」で(御都合主義的に)どうにかしてばかりいた印象。
 ではキャラクター達が織りなす人間ドラマに見所があったのかというと、うーん……
メインの三角関係を構築するのに不可欠だったファルディオが、ご乱心によって勝手に抜け落ち、最後には存在していた事さえ忘れられてしまうような、制作者の思い入れの弱さ、魅力を引き出してやりたいという情熱温度の低さだけが目に付く。

 戦車・エーデルワイスが、終盤、まるで登場しなくなるのは不思議。
破損したんだっけ?軍に取り上げられた?イサラが居ないので運用できなくなったのか。
 「戦況を都合の良い方向へ動かすための便利な道具」として使っていたので、更に便利なアリシア能力が開花して以降は、必要ナシと判断したのか、などと邪推さえ。

 面白くなりそうな要素は多々ありつつ(それは原作ゲームに寄っているのかも)、煮詰め方が圧倒的に不足しており、残念ながら最後まで見応えに欠ける、ツッコミ所過多の作品だった。


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