ときどき日記 2009/11

2009年11月30日 月曜日

『キディ・ガーランド』07.「憧れの2人」

 ヒロイン二人(三人?)が、最初からミッションに参加(同行)する、まっとうな話。
 ただ、敵も味方も必死さ・真剣さが感じられず、良く言えば「余裕がある」、悪く言えば「緊張感が無く弛緩した」内容。
 先輩女性二人組は、最初からアスクールらを育てる目的だったのだろうが、敵キャラからも殺意が余り感じられず、ヒロインの能力を引き出すのに協力してやりたいのかと。

 幾重にもなった隔壁を突破する方法が、「テレポートで向こう側に回り込めば簡単に開けられた」というのは、拍子抜け。
瞬間移動能力があるのは敵も知っているはずなのに、これで良しと、どうして考えられたのか。
必殺の意図はなかった、としか。
 脱出にあたり、時間制限があったのでは…?
パワーで闇雲に突き破っていくよりは短時間で済んだのかも知れないが、演出の緩やかさも相まって、随分ノンビリした脱出行程だなあ、と感じてしまう。

 危機一髪状況から、ク・フィーユ達が逃れた方法について、ちょっと分かり辛かったのも難点。
未来予知と若本クリーチャーの変身能力で…という事だろうが。
 何より、もう「お約束」と化している感のある「ディアのキスでパワーアップ」を、アスクールはともかく、同道していたク・フィーユが使わないのは、不思議。
危機また危機でそんな余裕がなかった…のかも知れないけれど、緩やかな演出が画面的説得力を弱くする。

 全体に、呑気さを感じさせたい話だったのかな。
 次回は もうちょっとシリアス寄りになる?


2009年11月29日 日曜日

『TO』01.「楕円軌道(前編)」

 星野 之宣による漫画『2001夜物語』を原作として、『ピンポン』『APPLESEED』の曽利 文彦が監督するCG・OVAシリーズを、テレビ放送。
 原作は、今更言うまでもない傑作で、とても好きな作品。
 昔、今はもう無い新宿まんがの森で先生の原画展が開かれ、そうとは知らず買い物に行って運良く展示を目にする機会を得た。
確か、『2001夜…』の原稿もあったと思う。
長いことこの商売をやりながら、他の先生方の生原稿を目にした回数は本当に少ないが、その中でも星野先生の原画は、印刷しては伝わらない迫力と繊細さ、より良い物を描こうとする苦心と力強い確信に満ちており、自分などとは桁が違う作家としてのレベルの高さに呆然としてしまったことを、よく憶えている。

 原作は以前にOVA化もされているようだが、見たのかどうかすら記憶にない。
 曽利監督作品は、『APPLESEED』が新しいビジュアル提示も含めて面白かったけれど、『ベクシル』は途中で集中力が切れる出来。
なので、この『TO』に期待して良いのかどうか、不安に思いつつ鑑賞。

 うーん、ドコが酷く悪いという事もないが、「映像化して良かった!」と思える所も特に無く、普通。
 キャラ絵が星野 之宣っぽくないのはともかく、独立した作品と見ても生気に溢れているとは思えず、魅力を感じない。
メカ描写も、この前編ではさして目立たず、感心するところまで行かない。
 有料を前提に作られたCGアニメとしては「売り」に欠けており、なかなか厳しいような…
 後編のアクションが良く出来ているなら、また評価は違うが。
 取りあえず、テレビ放送で見られて良かった。


2009年11月28日 土曜日

 地上波で放送された映画『トミカヒーロー レスキューフォース 爆裂MOVIE マッハトレインをレスキューせよ!』を見る。
 元になっているテレビシリーズは、最初の数話で視聴を終えていたため、内容が分かるかなあ…と思ったけれど、そんな難しい部分などドコにもなく。

 テレビでもそうだったが、この劇場版では特撮部分を非常に頑張ってあり、見応えのあるシーンが続出。
巨大ステーションの片隅に何気なく架空の列車が止まっている ふとすれば見過ごしそうなぐらい地味な見せ方、実景とキレイに色合いを合わせた合成の自然さ、CGを用いることで初めて可能になるアクションのスピード感・ダイナミックさ・迫力、等々に感心。
 全体の技術やセンスは、『戦隊』『ライダー』の映画より上ではなかろうか。

 それと反比例するように、内容は全く無い。
 言い訳のように入れてある「ダンサーを志す女の子」エピソードの取って付け方には、笑ってしまうぐらい。
彼女を藤岡弘、の娘(孫?)に設定するとか、物語への絡めようはもっと考えられたかと。
 大きな山が無いまま次第に危機感を薄くしていく列車内状況、「暴走列車を止めなければ終着駅に激突して周辺被害が!」を主題としていたはずなのに、ラスト付近で列車その物が変形して空を飛びビームで町を破壊し始めるスッ飛び方には、爆笑。

 ただ、『戦隊』よりも更に小さな子供を視聴対象に設定していると思え、うっかりすると入れてしまいがちなドラマを意図して排除しようという姿勢は、潔いとも。
 レスキュー・バトルを連続させることで画面的な見せ場を多く作り、飽きさせない…子供の気を散らさせない映画に出来ている。

 藤岡弘、演じる謎の男が無意味なぐらい格好良く、痺れる。
凄く久しぶりだし最後かも知れない「変身シーン」だけで、この作品を見る価値があるぐらい。
もっと活躍して欲しかったけど、そうすると存在感が強烈になりすぎ、主人公達の存在理由を浸食してしてしまう恐れがあるか。
 ゲスト(カメオ?)出演の『リュウケンドー』キャラ達も嬉しい。
 パァッとした、お祭りを思わせる お子様向け映画として、十分に楽しい内容。



 前の診察で、胎児の頭が驚くぐらい大きくて異常、更に母体にも中毒症の症状が現れており、その病院では分娩を扱えず、地域の大きな医療機関へと転院してもらう可能性がある…と言われ、ヨメと二人、割と深刻に不安を感じてしまう。

 が、同一病院内でも先生を替えた昨日の診察では、頭の大きさは普通、中毒症の恐れもまず無い、と真逆のお話。
 ネットで調べても書いてあったが…
エコー検査では誤差が生じやすく、胎児についてイレギュラーな値が出てしまう事は珍しくないらしい。
母胎についても、その時の体調や、直前食べた物によって、測定値に開きがある、と。

 これら、今回診察を受けた医者(爺ちゃん)は説明してくれた事だけど、前の医者(若い)は不安だけ煽って全くフォロー無し。
 診察を受ける側は、医者の言葉に対し、「大袈裟な、そんなに騒ぐ必要ないって(笑)」という反応など取りようが無く、また望まれてもいないと思う。
だから、医者からしたら大した意味を込めていない…かも知れない一言で、どうしたら良いのか分からないぐらい不安になってしまう。

 中毒症については、それを機会に一層 気を付けて日常生活を送ることで損は無いけれど、胎児の頭の大きさについては対処の仕様が無く。
 一日に何十人と診察して大変ではあろうが、「医は仁術」、ホンのちょっと言葉を足すか足さないかだけでもコチラの状態を大きく良くも悪くも出来る、という事を忘れないで頂けると有り難いなあ。
 いや、愚痴。


2009年11月25日 水曜日

 衛星で放送された映画『ゴーストライダー』を見る。
 『デアデビル』のマーク・スティーブン・ジョンソン監督。
ニコラス・ケイジ主演。

 マーベル・コミックが原作らしいが、未読、この映画で初めて存在自体を知る。
 原作がこうだから…という事かも知れないけど、ゴーストライダーとして力を使い始めるまでの前置きが、長い。
 全体を見終えてから振り返れば、悪魔と契約を交わすに到る父親の事情なんか、余り意味を持っておらず(意味がないのに契約してしまった悲劇を描いているのだとしても)、ごく短く切り詰めて良い。
 恋人と一度別れて再会するのも、コミカルに処理されていて大した葛藤がないため、不要かと。
昔の経緯を略し、「ゴーストライダーになってから、初めて会った女性に一目惚れした」でも、物語はさほど変わらない。

 主人公がスタントマンである、という設定も、上手く使えているとは思えず。
ゴーストライダーに変身してから、ビルの壁面を走ったりと確かに凄いアクションを見せるけど、それが「ゴーストライダーのパワーがあれば誰でも出来ること」なのか「元がスタントマンだからこそ可能」なのかも分からないし。
 凄いスタントを成し遂げる有名なスター、という主人公の設定が、現実との接点を弱くしているような。
その時点で既にヒーローであり、しかも行動や時間が常識に縛られないことで、変身後の不自由さや悲劇性も感じられず。
 衆人環視の拘置所で変身して暴れ、脱走した主人公に、その後 何のペナルティーも課さないとか、真面目にドラマを語ろうという気は無かったのかな。
それならなお、余計な設定説明は省略に省略を重ね、無責任ヒーロー物として見せるべき。

 周りのモノを やたら爆発させて暴走する迷惑なゴーストライダーのビジュアルは、馬鹿馬鹿しくて結構。
 ただ、敵が弱すぎるせいかバトルにカタルシスが無く、変な燃えるガイコツが無闇に暴力を振るっているだけの映画、にも見えてしまう。
いや…暴力があるならまだしも、『星雲仮面マシンマン』カタルシスウェーブのように、悪党に悪行を思い知らせて苦しめる必殺ワザが地味で地味で。

 画面としては面白い所があるため、ドラマ部分を飛ばして ながら見するなら、まあまあだろうか。


2009年11月22日 日曜日

『ささめきこと』07.「少年少女」

 美少年、というよりほとんど美少女になっている朱宮に対し、相当に屈折した感情を抱く妹が登場。
 妹は、「兄」へ愛情を持っているのか、この作品世界に準じ「姉」が好きなのか、あるいは、そのどちらの立場も取りうる美しい肉親の存在を面白がる気持ちが一番強いのか。
 残念ながら、兄に似ず妹は美少女でなく(可愛さを讃えられない所からすると、作品世界の美的基準でも)、幾重にも倒錯した兄妹愛が成就するには到らず。
朱宮の考え方は、余りにも まっとうな「兄」のそれであるため、妹がどれだけ可愛かろうと道を踏み外すような事はないのだろうが。

 純夏を襲うカメラ小僧達三人組の、ジェットストリームアタック。
三人組をパロディーとして料理する際の、スタンダードなネタ。
 カメラのフラッシュがオリジナルを彷彿とさせる所と、ちょっとヒネった「俺を踏み台にしてぇ〜」というセリフに、うっかり笑ってしまう。

 自分の身を投げ出し、カメラ小僧達の関心を一身に引き受けて純夏を庇う朱宮は、男らしいのかそうでもないのか。
純夏だから許されたけど、ヘタすると女の子のプライドをズタズタに引き裂きかねない愚挙、とも考えられる。
 美人(美少女)が、実は男だったとする真相は、それをモノともしない『お熱いのがお好き』でのやり取りが「ギャグ」として印象的だけれど、今日的にはオタク層(の一部?)からフツーに受け入れられてしまうネタ。
むしろ、男の子なのに女の子よりずっと可愛い、というのが優位点として更に強く萌えさせるポイントだったり。


2009年11月21日 土曜日

『キディ・ガーランド』06.「局長室の疑惑」「SAY YOU!」

 ここまで堂々と、力一杯のエロネタを見せられるとは思わなかった。
 前半、「実は手品の練習でした」というのは、「エロネタかと見せて実は…」というパターンのオチであり、本当に そういった行為を展開した後で取って付けられても。
オチでビックリさせ・脱力させるのが狙い、ではなく、馬鹿エロ描写でドキドキ・笑わせるのが狙いの構成だから、体裁を整えるオチなんか どうでもいいんだろうが。

 焦りまくったアスクールとク・フィーユのリアクションは可笑しく、ちょっと笑ってしまう。
 手品だとか言い出すのは無理があるばかりで(さすがに騙されないでしょ、「七歳」らしいク・フィーユはともかく…アスクールも同い年?)、醒めてさえしまうため、局長には見つからないまま、最後までドタバタで終わらせた方が良かったような。
 外見に似ず、局長を支配しているかのごとき行動を見せるゾマ。
この関係は、裏側にまだ何か大きな伏線を隠しているのか…それともエロネタのためだけに用意されたものか(前シーズンから?)。

 後半は…女性視聴者へのアピールを狙った?声優ネタ、ホモネタ。
 ホスト声優達が演じる脚本内容が前半の出来事とシンクロしているように見え、意味を持ってくるのかと思ったが、そうでもないのかな。
 同様の内容でも、舞台をメイド喫茶に設定し、ゲストキャラが全員美少女であれば もうちょっと楽しめたかも知れないけれど、うーん、「これは自分に向けて作られていない」としか。

 このシリーズは全何話?
本筋には関係ないと思え、キャラの内面を彫り込んだ訳でもない こんな小ネタで一話潰して構わないほど、余裕があるのか。


2009年11月19日 木曜日

 じきにフジで放送されるが、そういえば かなり昔に見て感想を書いてなかったなあ、と思い出し、映画『サマータイムマシン・ブルース』
 演劇が原作みたいだけど、見たのは本広 克行監督による映画版。

 SF研究会の部員達が主人公となり、その部室が主な舞台。
それで題材がタイムマシン、という事で、なるほど!それならSF的素養が登場人物のベースにあるはずだから、「タイムマシンとは何か」とか「タイムパラドックスが──」といった基本的すぎて耳にタコができる説明など省略可能だなあ、ストーリーがテンポアップさせられそう、目の付け所がイイ……と感心したけれど……

 コレがもう、SF的知識とか思考とかいう問題以前に、部員は愕然とするようなアホばっかり。
 いや、まあ確かに各人が濃いSFオタクで「俺タイムトラベル理論」を勝手に喋り始めるような連中だった場合、観客もSF好きなら良いけれど、普通の人は付いて行けず引いてしまう恐れがあり、匙加減は必要だが。
 それにしたって、SFといっても『ドラえもん』ぐらいしか(これも立派なSF)読んだこと無さそうなヤツしか居らず…もう少し賢いキャラを出しても良かったんじゃなかろうか。
状況を整理する役割分担がボケているため、物語の進展が遅く客をイラつかせる可能性が。
とはいっても、伏線を仕込むため必要な遅さ(丁寧さ)ではあるし、そのどうしようも無さを「笑い」に繋げようとしている意図は分かるんだけど。

 中盤を過ぎ、後半からの加速と暴走ぶりは、見事。
 伏線を回収していく面白さは本広監督ならでは、だなあ。
 「夏のある暑い日、バカが集まって部室で大騒ぎしている様子」は妙に懐かしく、色々なことを思い出してしまう。
 楽しい、馬鹿馬鹿しい、下らない、良くできた映画。


2009年11月18日 水曜日

 衛星で放送された『機動戦士ガンダム MS IGLOO』全6話を連続で見る。
 地味、とか、CGが特に最初ぎこちない、と聞いていたため、レンタルとかでは見ていなかったものだが……いやあ、意外なほど面白い。
 『ガンダム』には色んな切り口があるけれど、戦争物、松本 零士の『戦場まんがシリーズ』なんかを思わせるシリーズとして、非常に真面目に作ってあり、敗れていくジオンの側から描いているせいもあって、ズシリと来る悲劇の物語。

 悲運の機体・ヅダと、寄せ集めパーツで作られ急造パイロットに操られながら戦果を上げたオッゴのエピソードが、特に印象的。
 すっかりと、ヅダを活躍させたい、ジオンを勝たせてやりたい気分になり、PSP版『ギレンの野望』に手を出す騒ぎ。
 辛い話が連なる中、ラストで一筋の光を残してくれるのが嬉しい。
戦争は終わっても、ジオン…サイド3が無くなる訳でなく、連邦の厳しい統治下で、戦後の復興という大変な戦いがここから始まるのだろう。

 一年戦争を舞台にして、まだこれだけの作品が作れたことに、感心。
 『ガンダム』は、懐深いなあ。


2009年11月17日 火曜日

『キディ・ガーランド』05.「GOTTの亡霊」

 仕事中だったので、流し見…にしようと思っていれば、作画に引き付けられて、三十分仕事にならず。
こういう回は暇な時に放送してくれないものか、などと勝手な事を言いつつ、落ち着いてから再見して、堪能。
 ああ、最近では『みなみけ おかえり』のエンディング作画で唇の表現が素晴らしく良かった、細田 直人によるコンテ・演出・作監なのね。
道理で。

 怯える余り、動作が全体的に「変」になっているク・フィーユの作画が凄く良い。
床が抜けてコケる様子、高所からアチコチぶつけながら(普通 首の骨を折るかと)落ちる所の、体重を感じさせる「痛そうさ加減」に感心。
 液状アスクールが、骨格を無視した奇怪な立ち上がり方をするのも、楽しい。
 後半のアクションは、高レベルの見せ場が連続しており、一々取り上げていられない程。
ディアの応援踊り(?)が細かく好み。

 ストーリーには「?」な部分もあったけれど、後に引いていく伏線の可能性があるので、まあ。
 ジェネティック・ビーストの勝手な持ち帰りを黙認する局長。
…カメラを持たせた一般職員でも送り込めば、施設の異常原因はすぐ特定できたはずで、わざわざアスクールらを行かせたのは、別に狙いがあるという事なのか。
 強制的にパワーを底上げするディアを同行させたり、さして本気を出してないと思える襲撃者の存在など、二人の成長を促しているような素振りも。

 旧キャラの亡霊が「七歳」と言っているのは、ク・フィーユが自身を七歳だと言うのに関係しているのかと思えば、「十七歳〜」「おいお〜い」という井上喜久子ギャグ?
 うーん、元ネタを知らない人にはギャグだという事さえ理解できたか怪しく…今回の内容は普通にしっかり出来ていたのだし、不要な部分だったかと。



『そらのおとしもの』07.「ナミギワGO!GO!GO!」

 新キャラクター・ニンフ登場。
 大抵の作品では、読者・視聴者にインパクトを与え、強烈な印象を残すべく、渾身のイベントを組むものだけど…
「朝起きたら何気なく居間に座っている」驚くべき逆インパクトに、ビックリ。
登場自体は前回のラストで果たしていたんだっけ?
 ニンフは、「イカロスを殺す」といった敵対的立場ではなく、「お姉さまラブ、たぶらかした智樹を許さない」とする百合属性でもない。
僅かにイカロスに対しての機能的優位性を主張したりはするが…来訪の目的はまだ明らかにされず、何となく居続ける事に。
まあ、何のためにやって来たか分からないのはイカロスも同じだし。

 ニンフは、ツンデレ、というか見下しデレ系統のキャラなのかな。
当初は智樹を虫扱いしながら、触れ合いを通して いくらか心を開く、堅実なパターン。
 智樹の美点を強調する内容になっていた事で、見易い内容。
彼は、「エロ興味ばかり、その対象の一人として そはらを見ている」のではなく、「そはらを中心に置くエロ野郎」…にも思える。
ニンフに関心を示さない所からすると、ロリ属性は無さそう。

 黙々と海底を歩くのが、お約束みたいになっているイカロスが可笑しい。
 彼女の抱えているスイカは、ずっと同じモノだったのか。
そりゃ普通、傷むよなあ……「ふしぎなちから」でまだ食べられる状態をキープする手もあったろうが、ダメになる可能性すら考えなかったようなので仕方ない。
 「腐る」「眠る」という概念を持たないイカロス。
時間経過を理解できない、って事?
単に記憶の障害から来る常識の欠如かな。


2009年11月12日 木曜日

 ひたすら仕事中。
ううう眠い。
 月曜日ぐらいには復帰したいです。

 来月は、「SIGMA」「BEAST」ともにお休みを頂く事になりました。
過保護…心配性…いや怠慢だなあ、と我ながら思いつつ。


2009年11月9日 月曜日

 衛星で放送された映画『ソウ5』を見る。
 監督のデヴィッド・ハックルは、『2』から美術監督を担当していた人?
うーん、まあドコ出身であろうとも、面白い映画を撮れるなら文句ないが……

 元祖に代わる二代目(三代目?)ジグゾウに全く魅力が無い。
役者さんの顔も行動も、シナリオ上の仕掛けも。
 どんでん返しが無い、ってのは、どうなんだろ。
「ああっそうだったのか」「やられた」は無く、「うん、まあそうなるよね」という驚きも面白味もないダラダラとした流れのみでエンディングまで行ってしまう。
 無理でも何でも、このシリーズらしく少しはヒネった展開が見たかったなあ。

 残酷シーンの趣味の悪ささえ薄味。
 これでシリーズを終わらせる気など皆無、謎や伏線を次作へ先送りっぱなし。
それもそのはず、この監督が、一作空けて『7』『8』も手掛ける事が決まってるのね。
 『1』の衝撃的面白さに引っ張られ、ここまで見てきたけれど、さすがに限界か。



『獣の奏者エリン』43.「獣ノ医術師」

 過去にあった恐ろしい事件が語られ、希望が生まれたかと思えば理解ある真王が崩御、腹の底に覚悟を据えている様子のエリンから、シリアスな展開を予想してはいたが…
 愛情を込めて接し、心が通じ合ったと感じられていたリランは、凶暴化して王獣使い達を襲ってしまう。
血だらけになって地面に転がる男達の、ビジュアル的な衝撃が(ぼかしてはあるけど)凄い。

 体でリランを制止しようとするエリン、しかし止める事は出来ず、自身も襲われて気を失った彼女は、目覚めた時、自分の指三本が食い千切られている現実を目にする。
 うわー、うわー、うわー。
こんなのアリなのか。
 音無し笛を使ってしまったエリンとリランの間に、かつてのような暖かい関係は成立し得ず、失った様々なものの大きさがズシリと腹に堪える。

 ちょっと、『風の谷のナウシカ』へのアンチテーゼに感じられたり。
 長い時間を費やさなければ獣と分かり合う事など出来ないし、ようやく結んだ関係さえも「本能」の前には脆い。
暴走を遮ろうと身を投げ出した末の運命が、「死」「生」両極端であればフィクション的にサッパリして、受け入れやすくもあるけれど、築き上げた信頼と共に指を永遠に失う、という成り行きは余りに重く、シビア。
 所詮 人ならぬ獣とは、心を開いて金色の野に降り立たせてもらう関係など築けず、押さえつけて命令に従わせる以外、無いのか…

 重い、重いなあ。
子供は、どう思って この作品を見てるんだろ。
 シリーズも終盤、幸せな終わり方を望みたいが……


2009年11月8日 日曜日

『キディ・ガーランド』04.「子守特務」

 妙なパロディーや笑いの入らない、まっとうな子守り話で、見易い。
前話の感想で書いた、「家出少女の世話」とはちょっと違うけれど、ほぼそういう路線で、やはり懐かしいスタイルを通すシリーズにしたいのかな。
 幼女、一話限りのゲストだと思っていたため、居座ったのは意外。
他者の能力を伸ばす(相手にエネルギーを充填する)力がある…?
いずれもっと重要な役割を担うようになるのか。

 敵能力者とアスクールらの、真面目なバトルが見られた。
 敵は逆恨みで来たみたいだけど…パターンながら、話を整理して「幼女の特殊能力が目的」とした方がスッキリしたような。
 本部のすぐ裏で戦っているのだから、新人としては襲撃を受けた瞬間に救援を呼ぶべき、自分達だけで大丈夫と思ったとしても報告だけはしておけば良いのに(結局最後はそれで水入りだし)。
まあ、そこが二人ともまだ半人前な所か。
 パワーアップしたアスクールはともかく、ク・フィーユはどうやって敵の攻撃を回避し続けられたのか。
彼女は逃げる能力に優れている、戦った双方とも攻撃に特化した力ではない、等 理屈は付かなくもないけど、「そもそも本気の襲撃ではない」ように見え(本当にそうかも知れないが)、緊張感に欠けてしまう。

 今回は、ヒロイン二人の着替えシーンが色っぽく、「ああそうなってるんだ」と納得もあって、なかなか。
 七歳の幼女と、同い年だというク・フィーユ。
成長した姿で生み出されたクローンか人工生命で本当に生後七年、あるいは七年より以前の記憶を持たない事をそう表現したのかな。
 この作品が『キディ・グレイド』の七年後を舞台にしていれば更に考察できそうだけど、設定としては五十年後らしい。
今シリーズ冒頭で描かれた、何らかの大きな作戦からは どれだけ経ってるんだったか。


2009年11月7日 土曜日

『とある科学の超電磁砲』06.「こういうことにはみんな積極的なんですよ」

 ジャッジメントの仕事を、成り行きから手伝う事になってしまう美琴。
 黒子は、こういう地味な人助けや街の美化なんて、やってたのかなあ?
向いているとも思えないけど。
 力と心を制御できるようになる上級生でなければ任せられない仕事だから…かな。

 街を襲っている危険について、固法は全く聞かされていないのか。
直接捜査したり戦いに参加する事が無くとも、全員で情報を共有した方が良いような。
 異常犯罪が頻発する街において、これぐらいじゃ珍しい事件とは言えず、無数にある報告書・注意事項の一つとして見過ごされた?

 ジャッジメントの理性面を代表するような、「委員長」っぽい固法がステキ。
 慣れない仕事に振り回されつつ、次第に馴染んでいく美琴も、いつもながら人の善さを感じさせてくれて嬉しい。
 幼女の失せ物を取り戻すシーンに、能力を使う犯人とのバトルを絡めれば、次回を待たず一話で済んでいた内容では。
この事件は、もっと大きく膨らむネタになっていくのか。



『にゃんこい!』06.「ミルク&ビター&シュガー&スパイス」

 「〜〜ふじこ〜」とかいう、ネット上で、興奮したり慌てる余り意味不明になっている単語について、実際読み上げられるのを初めて聞いたなあ。
 正確(?)な表記は「くぁwせdrftgyふじこlp」で、文字化けなんだとばかり思っていたけど、こういう由来があったのか。

 乱暴者の朱莉に対し、主人公へと気持ちを寄せる琴音はマトモな女の子…ではなく、不幸萌えで電波系なストーカー少女だった。
可愛い外見との落差が凄まじく、強烈。
 ただ…
せっかく面白いキャラなのだから、30分この二人だけをメインに据えてもらいたかったかなあ。
後半になると、もう中心から外れてしまうのが、物足りない。
 双子である事の意外性と性格の差異、主人公との関係性について、アチコチ膨らませれば、前半の内容だけで一話ぐらい十分にもたせられたような。
 薄ーく引き延ばして退屈にするぐらいなら、詰め込みすぎの方が、そりゃあ まだしも嬉しいんだけど。


2009年11月6日 金曜日

『ささめきこと』05.「friends」

 テンポの良い馬鹿ネタが連続して、大笑い。
 「爆発する料理」って、久しぶりに見たような。
心象イメージというかギャグのための描写(辛いものを食べて口から火を噴くように大袈裟にした)なのだろうと思ったけれど、窓から立ち上る黒煙が遠くから見えていたり、酷い状態になった部屋の内装が ずっとそのままだったり、で、現実の事なのか。
消防署が来て大騒ぎになりそう。

 村雨家の家政婦さん・野江が、見事に性格破綻していて楽しい。
 合成写真まで作って純夏と疑似母娘だったように装うのは、強い愛情故か、純夏を からかうと面白いからか、「そう思い込む事で救われる」辛い過去を秘めているのか(コレは無さそう)。
女同士の行き過ぎた愛が遍在する、この作品ならではの「正しい」愛情表現、とも考えられる。
 美人で、異常に母性愛が強く、ちょっと壊れている性格付けは、大変に好み。
この設定だけで、一本ネタが出来るなあ。

 料理が得意で、部屋をメチャクチャにされても全く怒らず、いつも にこやか、という事で、今回の汐は実にマトモな女の子の面を見せる。
…逃げ出そうとする純夏に対し、容赦なく鍋をぶつけ、悪鬼の表情で詰め寄る所は、あんまりマトモと言えないが。
 純夏は、部屋を汚した事に責任を感じて逃げたのかと思ったけど……それもあろうが、汐に捕まった後のリアクション、「アタシ、お嫁になんか行かないもん!」と合わせて考えると、料理が出来るようになって女の子寄りになる事で、「汐と結ばれる自分」の理想から遠ざかってしまうのが嫌だったのだろうか。
 そこを乗り越えて、野江から料理を教わろうとする純夏は、一歩女の子に近づいたのか、「好きな女の子に得意料理を振る舞いたいデキる男の心理」なのか。


2009年11月5日 木曜日

 部屋の大掃除中。
 長年、無秩序に溜め込んできたアレコレが大量すぎ、まとめても捨ててもまるで片付かないどころか逆に散らかっていくような現状に、グッタリ。
 しかし、嘆いていても仕方なく、ぼちぼちと作業継続。
 来月にはコウノトリが飛来する予定なのに、こんなんで大丈夫かー。

 という訳で、冬コミケはスペースを取りませんでした。
予定日からコミケまで間が無く、新刊を出すどころか、有明まで出掛ける事さえ難しいと思ったため、今回は申込みもしておりません。
 かなり長いこと、休みなく参加させて頂いていたため、「行かない」のは相当に心残りなのですが……
今回ばかりは。
 諸事情、ご理解頂ければ幸いです。


2009年11月3日 火曜日

『とある科学の超電磁砲』05.「とある二人の新人研修」

 作画は高いレベルをキープしており、女の子達が可愛く、アクションにも気合いを入れている事で、目に楽しい。
 今回は美琴の出番がほとんど無く、まだ幼い黒子と初春(一応は美琴も)の出会いを描く、エピソードゼロ。
細く、頼りない少女二人の体がキレイに描かれていて、このままの年齢設定で『キルミン』…いや、超能力設定からは『絶対可憐チルドレン』少女期のようなシリーズにしてもいいな、とか思ってしまう。

 幼少期、自分のミスで先輩や初春を危険に晒す大失態を演じてしまった黒子だが、現在でも余り変わっておらず、独断専行でミスして初春を危険に晒した上、美琴のヘルプを得られなかったため犯人に逃げられてしまう。
なんだ、年齢と共に成長、どころか退化してるんじゃない?
 まあ、黒子は「そういうキャラ」で、莫迦な所が可愛いのであり、冷静・的確な判断がいつも出来るようになったからって魅力が増す訳でもないのかな。

 黒子の視点で語られるから間違えてしまうが、今回は「初春の成長を描く」話だったのかも。
 まるで何も出来ず人質にさえ取られてしまった幼少期に比べれば、黒子に警戒を呼びかけ(無視されたけど)、犯人を逃した後も諦めず情報収集分析にあたり、居所を突き止める成果を上げた現在は、いくらか成長が感じられる。
 黒子が足踏みをしていた間に、初春が追いつき、横に並んできた、というような状況だろうか。
 いや…「結局 黒子達ではまるで敵わない美琴の凄さを、僅かな登場場面で描いた話」でもある?



 衛星で放送された映画『ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発』を見る。
 『いかレスラー』『かにゴールキーパー』『日本以外全部沈没』(全て未見)など、脱力バカ映画を量産する河崎 実監督作品。
 監督の作品で割とマトモに見たのは、二十年ぐらい前、『地球防衛少女イコちゃん』と『地球防衛少女イコちゃん2 ルンナの秘密』を一本に収録したビデオぐらいかなあ。
増田未亜が可愛かったのと、ダルい内容だった事以外、何も憶えていないけど。

 オリジナル『宇宙大怪獣ギララ』も、頑張っている部分はありつつ特撮の歴史に埋没してしまったマイナー映画なので、大した期待をせず鑑賞。
その「期待」をも乗り越えていく、ダルさと しょーもなさと低予算ぶりに、ああやっぱり。
 監督と波長が合う観客なら、凄く楽しめる…かも知れないけど、自分には「外したギャグが多すぎるバラエティー番組のコント」ぐらいにしか思えず。

 せめて特撮部分をもうちょっと頑張ってくれれば。
旧作フィルムの再利用ばかりじゃなく。
 いっそ安っぽさを逆手にとって、超絶ダメダメ特撮で笑わせる手もあったかと思うが、そこまで酷くなく、着ぐるみの出来やアクションの一部は それなりに見えてしまう所が中途半端。

 パクリとインスパイアの間ギリギリを行ったり来たりする音楽は、楽しい。
タケ魔人の歌とか、妙に耳に残ってしまう。
 加藤夏希は可愛いなあ、と思いつつ、内容はほとんど飛ばし見で、最後の戦いさえ飛ばし飛ばし見て、視聴終了。
 この内容で98分は長過ぎ、切り詰めるべきだろうが、この間延びしたダルダルさ加減も好きな人には心地良いのだろうから、まあ。


2009年11月2日 月曜日

『そらのおとしもの』04.「愛と三角地帯(トライアングル)ふたたび」

 まさかの飛行パンツ・リターンズ。
 半分意志を持っているような、高速で飛行するパンツ、という設定と絵面が面白かったので、すぐにただの布きれに戻ってしまったのは残念。
ネタを発展させ、変な方向に転がす事も可能だったかと……まあ、「ただの布きれ」に戻った方が、普通の人には価値があるのかな。

 主人公のダメさとクズっぷりが凄い!
普通、もうちょっと真面目だったり、事態への戸惑いがあったり、女性陣から好意を寄せられるに値する良い部分を見せるものだけど。
 パンツに はしゃぐのはまだしも、家中に飾り付ける異常行動とかパンツロボといった暴走は怖いぐらい。
 そはらが「ステキな思い出」然として語る誕生日話にしても、第三者視点からは「勝手に人の部屋に侵入してケーキを食い散らかした挙げ句、どうでもイイものをくれた」だけとしか。
まあ、本人がそれで良いと思っているなら、良いんだろうが。

 この作品を「萌えコメディー」と捉えるのが間違いで、「ドタバタのギャグ」として見るべきなんだろうな。
 主人公の性格にドコか救いを残したり、言い訳のように好かれるべきエピソードをコジ付ける世の「萌え」作品に対するアンチテーゼ、相当ブラックなネタのようにも思える。



 レンタルで映画『REC/レック』を見る。
 スペイン製のホラー映画。
なので、監督も出演者も見知らぬ人ばかり。
 米ですぐリメイク版が作られ、現在日本でスペイン版の続編が公開中、という好調ぶりが気になり、鑑賞。

 『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や『クローバーフィールド』のように、ドキュメンタリー・タッチを用い、登場人物の一人が持つ(という設定の)安定しないカメラで全編を撮影。
 この手法は、緊張感を生みやすい事、比較的低予算で撮れる事、多少の矛盾や変な所があっても「現実ってそんなものだよね」と大目に見てもらいやすい事などに優れている。
視聴者が画面酔いを起こしやすいのが最大の難点か。
『REC』については、あまり画面がブレないせいか幸いにも酔わずに済んだけれど。

 冒頭の消防署取材の様子から、異常事態が起こるアパートに着いてまでも、ホラーとして物語が動き始めるまでには結構な間がある。
少々ダレたりもするが、それが現実の取材フィルムっぽさを増しているので良し悪し。

 ホラーな事態が起こってからは、いやあ、結構怖い。
数回「うひゃあ」とか言って、イスから腰が浮いてしまうぐらい。
 大体はゾンビ物のパターンで構成されているんだけど、演出手法を変え、相当に狭い限定空間を活かす物語を構築し、速いテンポでイベントを組んでいく事により、これまであった多くの作品群と違う印象を与えるのに成功。
こういうやり方もあったんだなあ、と感心。

 投げっぱなしで終わるんだろうと思っていたため、一応は物語を閉じてある事に驚く。
それでもまだ不明点は色々残るけど、それらは『2』で解消されてる…のかな?
 発病までの時間が加速度的に早くなる所とか、可笑しい部分もあるが、特に終盤の嫌さ加減は物凄く、「うわー」と思わせられるエンディング(そういえば同様手法の映画でハッピーエンドって見ないような)まで含め、久々に面白いホラーを見た気分。
 続編を見たく思いつつ、しかし上映館の少なさにより、ソフト化待ちかなあ。


2009年11月1日 日曜日

 地上波で放送された映画『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』を見る。
 オリジナルとの比較は置いて、ライトな戦国ファンタジーとしては、こんなものかなあ。
美男美女の軽い恋愛を絡め、今時の若い衆にアピールする内容…それを狙った企画ではあったろうか。
 アイドル映画のノリなので、緊張感は薄く、危機に陥っても「どうせ助かるんでしょ」と思え、その通り助かってしまうためハラハラドキドキはほぼ無し。

  阿部寛が なかなか良かった。
 敵の侍大将をダース・ベイダーに似せてあったり、シチュエイションを一部『スター・ウォーズ』風にしてあるのは、オリジナルが『スター・ウォーズ』に影響を与えたと言われているからか……これで誰が喜ぶのかは知らないけど。
 大爆発のエフェクトや画面の作り方には良い所があり、樋口 真嗣監督、総合的「監督」という立場で無い方が十全に力を活かせるのでは、と、毎度の事ながら思う。


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