ときどき日記 2010/02

2010年2月24日 水曜日

 娘の顔が誰かに似ている、と思えば、若乃花だった。
 首を伸ばすと、故・金丸信にも似ている。
 眉を寄せて しかめっ面した所は、「またクリスマスに運の悪い場所へ来ちまったぜ」とか言ってる時のブルース・ウィリスって感じ。
 ……似ている対象に可愛い子、どころか女の子さえ出てこないのは問題なような気も……

 市販の紙オムツは、おしっこを吸収するとラインの色が変わって外に知らせるようになっている。
でも、娘にはいつも大きめのベビー服を着せてあるため、そのままではオムツ自体が見えない。
 だから、ベビー服をまくり上げたりボタンを外してラインを確認するんだけど、その際、パンツ…じゃなくオムツをチラッと見る事から、我が家ではコレを「オムチラ」と呼称。
 ったって、別段オリジナリティーのある呼び方ではなく、一般的なのか。

 それでオムツを交換する場合、自分あるいはヨメが勝手に娘にアフレコして、
「いや〜んエロヲヤヂ」
「やめてよぉーいやらしいコト(オムツ交換)やめてよぉー、このチェクハラヲヤヂ」
「たちゅけてー!たちゅけてアグネーチュ!」
とか言っている。

 アフレコ・ロングバージョンでは、この後 窓ガラスを突き破って室内に転がり込んできたアグ○スが、
「日本ユニ○フのアグ○ス ネ!動かナイで!エロ漫画家なノニ実の娘のオムツを換えるナンテ、神をも恐れぬ所業ネ!」
「いや誰か代わってくれるモノなら心から代わって欲しいんだけど、無理だから仕方ないでしょ」
「黙りなサイ!アグ○ス権限によりフリーズ無しで射殺するネ!」
パンパーン!ぐわー!
「良カタ、また一つ害毒が消毒できたネ」
ヨメ「あの…この後、娘と私はどうすれば……」
「ソレ私の管轄違うネ、じゃ!」
と言い残して出て行く事になっている(このドラマはフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません)。


2010年2月21日 日曜日

『キディ・ガーランド』19.「パートナー」

 ク・フィーユが、攫われた上に洗脳(記憶捏造)され、アスクールらと敵対。
シリアスで重い展開になりそうだけど…割合、軽い。
 アスクールに関する記憶はまだ ぼんやり残っており、二人の間で繰り広げられるバトルもユーモラスな色合いが強く、悲劇性はさほどでもない。
 なので、シリーズを引っ張っていく仕掛けとしては ちょっと弱いんだけど、シンドイ話を見るストレスに耐えられなくなってしまった年寄りとしては、気楽でありがたくもある。
 作品全体として お遊びを多めに入れてあるし、何があろうと大して悩まない(悩まなすぎる部分も…)アスクールをヒロインに据えていることで、過度にイヤ要素を増やさず、楽に見られるアニメとしたい意図があるのだろう。

 その代わり…かどうか、シリアス部分が弱くなっていて、簡単に解体?されてしまうGTOとか、エラく強大な権力を振るうようになっているGソサエティ、腐敗著しくGソサエティ側能力者達を追い込む非道さばかり目立つ連合(これはガクトエルの計略?)など、特に大きな組織の動きに説明や説得力が足りず、分からなくはないが「なるほど」とは思い辛い。
 ク・フィーユが陣営移動したのに伴い、内面が描かれるようになったGソサエティ側能力者のキャラクターには面白味が感じられ、設定やドラマよりキャラの魅力を優先に考えていると思われるこの作品としては、「乗ってきた」と言って良い状態だろうけども。

 アスクールの元気・前向き・無垢な所が、終局で大きく意味を持ってくる構成…だと思う。
 ただ現状、彼女は葛藤が弱い分キャラとして薄く、上手く周囲から彼女の価値を盛り立ててあげる内容にも成り得ていない(アスクールをク・フィーユの立場に居させるべきじゃなかったかなあ…)ため、ここから厚みを加えていく努力が必要かと。



 単行本「ママの子宮にいらっしゃい」が増刷だそうです。
 出版不況の昨今、増刷はそうそう無いことで、作家寿命が一年ぐらい延ばせたのではないかとヨメ共々大喜び。
これにより、飛龍 乱は「原稿は遅いし遊んでばっかりだしボケてきてるし単行本は売れないし、ゴミクズみたいな作家」という編集部の認識から、「原稿は遅いし遊んでばっかりだしボケてきてるし、ゴミクズみたいな作家」へとステップアップできたのではないでしょうか。
 それもこれも、娘誕生の御祝儀として過分の御厚意で単行本をご購入頂きました皆様のお陰。
 ありがとうございます。

 まだお求めでない方は、増刷でまた書店等に余るほど出回るかと思われますから、宜しければ是非是非。


2010年2月20日 土曜日

『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』07.「蝉時雨・精霊流シ」

 このアニメでは、戦争や軍隊といった設定はあくまで背景であり、ほのぼのゆったりとした日常に加えられるアクセントに過ぎないのだろう…という予想を裏切る、悲惨な戦場思い出話。
 隊の中でも特に のほほんとしているフィリシアを、ここまでヘビーなキャラに描くとは。
落差が凄い。

 フィリシアがかつて体験した、和気藹々の軍隊生活と、容赦なく襲い来る「死」の洗礼。
それは、彼女が上に立つようになり、皆を守り・命令する立場となった現状をも、やがて飲み込んでいくのだろうか。
 ホントに「それは無い、そんな内容には成り得ない」と思ってたんだけど、今回の内容が既にその甘い予想を大きく裏切っているため、この先 何をするのか油断できないなあ。

 前回、二つの視点を入れ替えながら、ある一日の出来事が次第に全て明確になっていく、凝った構成が非常に面白かった。
「ああ、これが原因で、だからこうなったのか」という驚きが次々にあり、しかも無理がない構成。
 脚本書くのは大変だったろうなあ。
 フィリシアが指揮した極悪取引作戦に裏があったりとか、一つの視点内だけでも意表を突く努力がされていて、とにかく楽しい内容。
 誰かの行動が、意図せず誰かの運命を変えていく…ヒロインらが所属する隊の未来を象徴する話、だったのかな。


2010年2月19日 金曜日

『はなまる幼稚園』06.「はなまるなプール」「はなまるな作戦」「はなまるなお兄ちゃん」「はなまるなお泊まり」

 教師・土田の妹・さつきが登場。
 これがツンデレで兄デレで料理が得意で可愛い、妄想妹コンプレックス者の視床下部にブッスリ突き刺さる造形の良さ。
兄のワイシャツを着て喜ぶ所なんて、若干やり過ぎぐらい。
 同人誌の題材にされそう、とも思うけど、余りに「そのまんま」なので逆にオリジナルを見ることで満たされてしまい、それ以上を求められない可能性も。
 ダメダメに見える兄が、園児達と上手くコミュニケーションを取っていることを知る下り…特に小梅の窮状に気が付いてやれる細やかさは、幼稚園勤務に向いた才能を示していて、妹と一緒に視聴者も感心。

 何種類もあるウチ、今回見せられた さつきエンディングは、やたら動き回りキャラの表情も良くて、素晴らしい。
 どことなく『鉄腕バーディー』を思い起こさせるなあ、と思えば、りょーちもが担当してるのね。


2010年2月16日 火曜日

 家庭内に、どめすちっく・ばいおれんすの嵐が吹き荒れている。
 成長に伴い体力が付いてきた娘からの、謂われのない暴力がヒドい。

 例えば、ギャン泣きしている時、こちらの手の薄皮一枚だけを掌で力一杯掴む。
地味だけど、コレが痛い。
 よくバトル物で、「お前は攻撃を『面』で考えているからダメなんだ、『点』に集中せよ」といったアドバイスが成されると思うけど、娘の小さい指…しかもその先にある極小で薄い爪、ココに全力を集中し、コチラの薄皮をつまんで捻り上げると、さほどではないはずの娘のパワーであっても、大の大人に悲鳴を上げさせるぐらい痛くできる。
達人、達人の戦いぶり。

 それから娘、起きている間は、寝ころびながらも常に足をバタバタさせていて、歩く準備段階なのか筋肉を発達させている。
 その筋力を生かし…親が仕事中、泣く娘を抱っこし、左手側に頭を抱え込んで絵を描いていると、微妙なラインの線を描いている時に限って足でこちらの右肘アタリを蹴飛ばしてきて、引いていた線をワヤにしてしまう。
仕方ないので修正してまた線を引き直していると、前と同じぐらいのタイミングで肘を蹴飛ばしてきて線をワヤに。
半泣きで線を引き直しているとまたも同じぐらいのタイミングで肘キック。
 デジタル作業だから修正は容易、とはいえ、賽の河原で石を積んでいる気分に。

 ばいおれんすの中でも一番ダメージの大きい攻撃が、「メガネを掴んで取り、投げ捨てる」というもの。
そうされてはコチラも、メガネキャラのお約束として床に這いつくばり、「メ…メガネメガネ」と呟きながら手でアチコチを探り回らなければならない。
 ヨメからは笑われるし、意外に堪えるんで、何とかやめて頂きたい。


2010年2月15日 月曜日

『ハートキャッチプリキュア!』02.「私って史上最弱のプリキュアですか??」

 初変身後、意図せず空高くにジャンプしてしまったり、走る速度が速すぎ慣性が付いて止まれなくなるなど、突然の出力上昇で体をコントロールできないのは、面白かった。
 プリキュアになることのメリットと不慣れ故の扱いづらさを伝え、「これなら(変身さえ出来ればテレビを見ている普通の女の子でも)戦えそう」と感じさせ、内容に引き込む役割を果たしていたと思う。

 ちょっと不満だったのは、デザトリアンを倒す方法がパワー頼みであり、前回ちょっと見せられた、原材料である えりかが持つコンプレックスへの理解や解消に向けての努力、といった側面が無かったこと。
 まあ、そこを本気で彫り込むとシリーズ開始当初から前・後編では終わらなくなりそうだし、これからペアを組む相手の心の傷を二話目でもう解消してしまっては、逆にマズいのか。
 パターンの確立は、まだ後で?

 つぼみの婆ちゃんが、先代(もっと前の世代?)プリキュアだという、この設定自体は楽しそうだけど、こんなに急いで出さなくても良かったような。
 そんなに長く引く必要はないが、せめて相方プリキュア誕生以降にして良さそう。
単身戦う つぼみの戸惑いや不安、そこから、仲間が増える喜びはあったはずで、大先輩・婆ちゃんの存在は圧倒的に頼れすぎる。
 プリキュアを特別扱いしたくなかった?
町内美人コンテストで優勝を目指すヒロインに、その婆ちゃんが「私も若い頃は優勝したものよ」と語りかける、ぐらいのウエイトに思えたり。
 プリキュア婆ちゃんが居たからこそ作れた話をこれから見せてくれる…のだろうから、それを楽しみに。


2010年2月13日 土曜日

『ルパン三世 the Last Job』

 ルパンのテレビスペシャルらしい、無闇にドンパチを繰り返すばかりで緊張感が無く、キャラクターにもお宝にも魅力は皆無な、徒労感の残る内容。
 アクションがやたら増量されていた事をもって「見所」と考えるべきか。
冒頭の盗みが絡んだカーアクションは頑張っていた…方だろう。
説明が不足していて、ルパンが どういう計画に基づき、どう銭形達を出し抜いたのかが分かりづらいけど。

 視聴者への説明は、全体に不足気味。
 ルパンは結局、何をしたかったのか。
お宝を目にしたかった?銭形の復讐?不二子が言っていたように「スリル」が第一の目標だった?
 「銭形は本当に死んだのでは」と思ってくれる純真な視聴者はそうそう居ないだろうし、制作者もそれを分かってやっているのだろうが…本編中での扱いが軽く、不在により逆に存在感を増すような上手い構成など勿論取れていないため、このイベントそのものの意味を取りづらい。
これが今回のルパンを動機付けているとしたなら、もう少し丁寧に(「何の影響もないように振る舞う」演出をするのは非常に難しいはず)扱わないと。
 ルパンに割り当てられた中ボスっぽい敵・鳥男は、恐ろしく拍子抜けの最期を迎えており、いつの間に退場したのか分からなくなりそう。
まあ、ボスキャラの最期さえ印象には薄かったけれど。

 ストーリーがブツ切れになっていて流れが悪く、何となく見ていると「このシーンは何を描いているのか・何故必要なのか」見失ってしまう。
 作品全体としても、「このスペシャルで何をしたいのか」の絞り込みが出来ていないと感じられる。
 もう、『ルパン三世』という題材を通して(恐らくは上層部の締め付けが非常に厳しい中)何かを描き出そうという情熱・愛情を持った制作者は、居ないのかも知れないが。

 今回、最も目立ったのは、ヒロインではなく忍犬。
全編に渡り活躍し、便利に使われすぎている気もしつつ、印象に残ったのは間違いない。
 ところで、何が「the Last Job」だったんだろ?
一応、「銭形死す」に引っ掛けてあるのか……
まだそれなりに商売になるウチはテレビスペシャルを終わらせまいし、現状声優さん達の出演がこれで最後になるとか?


2010年2月11日 木曜日

『刀語』02.「斬刀・鈍」

 二人目の敵キャラは、居合い抜きの達人。
異様な力を持つ「刀」を、使う者と使わない者で敵味方を分ける作品にしては、第一話から「別に刀に拘らない敵」を出してしまう、大いにヒネくれた作品だったけれど、二話目はマトモ、というか妥当。
 逆さまに言葉を発する、恐ろしくキャラの立った敵がアタマの方で切られてそれっきりなのは、ヒネくれポイントかと思うが。

 居合い抜きの達人、テリトリーである自室から外に出ようとせず。
なら、部屋周りに火を付けるとか、外から柱を蹴り折って天井を落とすとか、いくらでも搦め手のヒキョーな勝利(敵を不利に追い込む作戦)が有り得たような。
 まあ、七花がそういう勝ち方に意味を見出していなかったようだから仕方ないが、そのぐらいの策を提示できない とがめは奇策士として有能なのかどうか(出血多量死を待つアイディアには笑ったけど)。

 メタなネタとして、強烈なセリフを用い、キャラクターを印象づける方法が語られる。
 分かり易かったし、物語内容にも上手く絡んでいて さすが、だったが、どうせなら「本来さして珍しくないアイディアを転がして特別にする発想法」とか「一筋縄でいかないキャラの描写法」など、原作者の凄い部分にもっと斬り込んで・教えて欲しかったなあ。
 この作品は別に小説家・漫画家入門ではないので、無茶を言っちゃイケナイか。


2010年2月10日 水曜日

『はなまる幼稚園』05.「はなまるな探偵団」「はなまるな初恋」

 前半は、土田の後を尾行しながら、集中力が持続せず すぐ他の物に興味を移行させてしまう、幼児らしい子供達の行動が可笑しかった。
これが普通で、柊の理性度合いの方こそ異常というか、精神的成熟度が高すぎるんだろうな。
 「執着しない」コトの功罪。
杏は、そこいらの女の子であれば怒り出しそうな土田の行動に、エラく度量の広いところを見せ、許容する。
まだその行動の意味を完全には理解できない幼さ故、でもあろうが…この気持ちを保って成長してくれれば、なかなかイイ女になるんじゃなかろうか。

 後半。
 小梅の、まだ初恋とも言えない好意の芽生えと、精一杯の勇気を振り絞った告白…とまで言えない お礼の言葉に、「よく頑張った」と思いつつホロリ。
 好意を向ける相手が、外見だけでなく中身もカッコイイ男の子で、嬉しい。
父親が外交官らしく、そうなれば家柄良く経済的にも潤沢で子供への高い教育が望めようし、将来に期待が持てる所からも、ウチの娘のカレシに欲しいぐらい。
…気が早い上、逆に向こうの親から「娘の親(自分)の職業」を理由に付き合いを断られそうだが。


2010年2月9日 火曜日

 娘、相変わらず日中の泣き方は凄いけども、夜は割合と長時間、泣かずにスヤスヤ寝てくれるようになった。
起きて泣き出しても、ちょっと多目にミルクを飲ませると、またグッスリ。
 「一ヶ月過ぎると楽になる」という話は聞いていたが、ああこういう事か。
 昼夜の区別が付くようになってきたのと、長く寝ていられるだけ体力が備わったから、かな。

 一昨日、出産前からヨメ実家に預けっぱなし(申し訳ない)になっていた駄犬が帰宅。
 そもそも臆病で人見知りの激しい犬だけど、特に苦手なのは散歩中に出会う子供。
わあっと叫びながら走り寄ってきたり、撫でると言うより「殴る」みたいな触り方をする子が居たため、恐怖がまず先に立ち、子供とは距離を取りたがる。
 そんな犬が、しばらくぶりで自分の家に帰ってみれば、見慣れない幼児が居て、本来 自分のスペースだった場所を大きく占拠し、大音量で泣きわめき、自分の世話係だった大人共はそちらにばかり構う…激変した家庭内事情にどういった反応を見せるのか、不安だった。

 予想パターンとしては、
1.娘への怒りや反感を顕わにして唸ったり吠えたりする。
2.自分の方へ飼い主の関心や愛情を向けさせようと、幼児がえりしたり物を噛んだりし始める。
3.泣き声に怯えて距離を置き、娘との接触を避ける。

 この辺りかなあ、と思っていたが、意外、「大興奮し、ベビーベッドに飛び乗るぐらいの勢いで伸び上がり、娘の体を舐めようとする」だった。
 泣き始めた娘の大声など平気、バタつかせる足で鼻を蹴られてもひるまず、その足先を舐めようと必死。
 ミルクの匂いがするからか…しかし哺乳瓶や吐いたミルクを拭き取ったガーゼには興味を示さず。
 これまで一番好きだったはずのヨメに抱き上げられ、ベッドから離されると、「邪魔するな」とばかり唸り声まで上げる始末。

 新しく加わった弱々しげな家族に対し、年長者、保護者…「犬兄ちゃん」としての自覚が芽生えたものか。
 ヨメ父は恐ろしく犬に好かれる体質(もちろん本人も犬好き)で、ウチの駄犬など義父の姿を見ただけで嬉ションを漏らす騒ぎだが、そのDNAが娘の中に発現したって可能性も。
 まあ、仲良くしてくれるなら有り難い。


2010年2月7日 日曜日

『ハートキャッチプリキュア!』01.「私、変わります!変わって見せます!!」

 息の長い「プリキュア」ブランドの、最新作。
 しかし、これまでとはキャラクターの雰囲気を大きく変えており、『おジャ魔女どれみ』路線に近くなっている。
シリーズ構成も、『どれみ』の栗山緑が担当。

 メガネの、内気な女の子・つぼみがヒロインらしい、というのがまず意外。
予告で自己言及していたように、お隣の女の子として登場する活発でお節介でマイペースな えりかの方を、普通なら主人公にするはず。
それは、このシリーズの大元である『セーラームーン』から変わらぬ伝統。
 さすがに普段、メガネは外してしまうのかな…これを「自分を変えたい・変わりたい」気持ちの外見的表れとし、チェンジへの希求が行き過ぎてプリキュアにまで変身してしまう、という意味では、第一話として流れが自然な、実に上手い構成。

 変わりたいと思いながらも内に籠もる自分をそう簡単に変えられない つぼみは、明るく元気で良い子でさえある えりかの急接近に馴染めず、拒否反応まで出てしまう。
微妙な心理描写が巧くできており、「もうちょっとで仲良くなれそうな二人なのに」と思う気持ちが先行きへの期待感に繋がる。
 この作品でのザコ敵は、人の心から抜き出したネガティブな思いの具現化、という事になるのかな。
ドラマ部分からの流れでその戦いに上手く持って行けるなら、『プリキュア』でありながら『どれみ』のテイストを残して展開させるのも不可能では無い。
今回は、えりかの秘めたコンプレックスを つぼみに伝える役割を果たしていた。

 つぼみの変身までで第一話は終了。
バトルは次回へ。
 「プリキュア史上最弱」らしいその戦いぶりに、逆に期待してしまう。


2010年2月6日 土曜日

 地上波で放送された映画『崖の上のポニョ』を、劇場鑑賞以来で見直す。
 作画はやっぱり凄いなあ。
 あと、イメージの奔流と、それを画面にする動きの素晴らしさがあって、とにかく…理屈は通じないのに飽きさせないよう作っているのが凄い。

 この映画で、公開当時よく言われたことは、「分からない」だったと思う。
実際、自分も劇場で見終わってそう感じた。
 でも、こうして見れば…
要するに「ハッピーエンドで終わる『人魚姫』」であり、「子供らしくワガママでパワフルな(童話とは真反対の)人魚姫と、宗介の、幼いにも幼すぎる恋」を描いた物語。

 分からないのは、細かい部分の合理的説明とか、各シーンの演出意図。
大きく言えば、「なんでこの映画を作ったの?何を伝えたいの?」が分からない。
 それらは、映画を見る上では結構高度な疑問であり、そこいらの映画であれば「別に分からなくても良い」所ではないかと。

 子供に向けて作るという前提の、童話のような内容だから、もっとスッキリさせてくれれば良いのに、子供を対象にしていない…難しく解釈する事を強いるような場面があって、それが単純に面白がることを困難にしてしまう。
子供ばかりでなく大人にも大ヒット「しなければならない」ジブリブランドの使命故か、要らないものを削り落とすことが出来なくなった宮崎監督の年齢か。
 『未来少年コナン』から『トトロ』ぐらいの監督であれば、「船の墓場で危機に陥った父親を、ポニョの力を借りて助けに向かう宗介」とかそういった分かり易いクライマックスを設けたんじゃなかろうか。


2010年2月5日 金曜日

『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』05.「山踏ミ・世界ノ果テ」

 重き荷を背負いて遠き道を行く、この作品にしては珍しく軍隊らしいイベントが行われた。
 荷物を、見るからに重そうに描く作画と演出が楽しい。
限界を超える重荷を背負って立ち上がるには、ああやるのか…結局「根性」とかそういう話にはなってしまうが。
 足ガクガクのフラフラで、歩き出す前から救助要請のラッパを鳴らそうとしてしまうカナタに、大笑い。

 結局、途中で荷物から解放されてしまうのが、ちょっと拍子抜け。
フィリシアは、教練ではなく あくまで楽しいイベントだと言っていたから、これでも良かったのだろうが。
 まあ、弱音を吐きつつも仲間と励まし合い、恐るべき困難に立ち向かって、逆境に打ち勝ち心身ともに強くなり、立派な軍人に近づく…のは、この作品の有り様として正しくないけども。

 シリーズ開始当初は、「軍隊」という設定をもっと重視するのかと思ったが、ヒロイン達のキャラクターを生かすための背景、他作品との差別化を図るための色づけ、といった意味合いの方が強いのかな。
 このヒロインらに、敵兵士であっても「殺す」事が出来るとは思えず、殺した事実を支えきれる物語骨格でもないのだろう。
『戦場のヴァルキュリア』のように、戦争の陰惨な側面を全部スッとぼけてしまう作り方もあろうが、そんな事をしてもキャラの魅力は減少するばかりだし。


2010年2月4日 木曜日

『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド』04.「インタビュー ウィズ ヴァンパイア」

 超常のアクションとか、少女ヴァンパイア女王との恋愛要素とか、普通なら率先して描きそうな所を置いて、まず設定固め、「この世界に於いてヴァンパイアとはどういう存在なのか」を語っていくのが新鮮。
 人間が生み出した巨大な社会システムの中では、滅びていくか闇に紛れてひっそり生きていく他ないと思われるヴァンパイアだが、逆にその「社会システム」…金や権力を武器として使いこなす事により、堂々と正体を明らかにしようと、誰もその存在を抹消する事が出来なくなる、という持って行き方が面白い。
 楽しんで考えた設定なんだろうな。
 「?」な所が無くはないけど、『ハヤテのごとく』ナギがヴァンパイアになった、ぐらいで捉えていれば問題なく。

 自爆テロヴァンパイアの正体を暴く決め手となる遮光ジェルの香りを、前半、ミナの側で確認させている伏線の引き方に、感心。
 ヴァンパイアの体内から爆弾を取り出すため、杭を打ち込んで短時間に体を崩してしまう機転も、面白い。
 不思議な城の構造、牙を抜いたヴァンパイアの一族など、チラッと見せただけの設定は、今後どう使っていくのだろう。


2010年2月3日 水曜日

『はなまる幼稚園』04.「はなまるなデート」「はなまるなお手伝い」

 癒し系〜。
 幼稚園内想像デートも楽しかったが、全身で精一杯の流れ星を演じてみせる小梅の可愛さに、ほのぼの。
 後半エピソードで見られた、菜々子先生の性格良さも、素晴らしい。
先生って、毎日毎日園児を相手にしている訳で、ちょっとした事ぐらいでカリカリしては務まらないのだろう、とは思うけど、ここまでポエ〜としていて穏やかで優しい先生は なかなか実在しまいなあ。

 園児とは思えない知識や理性を持ちながら、やはり幼いところがある柊も可愛い。
単に「体は子供、頭は大人」にせず、ヒネくれさせもしないバランスが嬉しい。

 園児達、ちょっと小さく描かれすぎてないかなあ。
アレじゃせいぜいで二歳か三歳ぐらいにしか。
 それは…前にも書いたけど、現実の幼稚園児に合わせると、描きようによっては(この作品にとって)余計な「色気」が出てしまう恐れがあり、実状より幼く・小動物っぽくデザインしたんだろう。



 しかし娘、夜泣き…より「絶叫!」に近い大音量で、連続一時間以上も泣いていられるのが凄い。
叫び声を出す事に関しては、大人より体力が上かも知れない。
 なだめるべく抱っこして延々揺らし続けていると、テレビの音が聞こえなくて何も見られないし、手がふさがってキーボードは叩けないし、仕事にも甚大な影響が。
 ああ、子育てって大変だあ。
子供を無事育て上げた お父さんお母さんは、それだけで他の何がナニだろうと、もう偉い。
 あと、自分の両親も同等あるいはそれ以上の苦労をして自分を育ててくれたのかと思うと、有り難いやら、その成果がこんなダメ人間で申し訳ないやら。


2010年2月1日 月曜日

 カートゥーンネットワークで放送中の、『バットマン:ブレイブ&ボールド』が面白い。
 バットマンのアニメシリーズは、地上波でも放送された『バットマン』を始め、多人数ヒーロー・チームの一人として登場する『ジャスティス・リーグ』、設定を新たにした『ザ・バットマン』、未来世界で新世代のバットマンを主人公に据えた(ブルースは引退してバックアップに回っている)『バットマン・ザ・フューチャー』等、多数制作されているが、これもその一本。
 「DCコミックで展開されている一連のシリーズ『The Brave and the Bold』を基にしている」(Wikipedia)という事らしい。
アニメオリジナルの企画じゃなかったんだ。

 今作では、バットマンが単体で活躍せず、毎回 他のヒーローと二人、あるいはもっと多くの人数でチームを組み、敵と戦う。
 ただ、そのヒーロー達は日本では無名な者が多く、グリーンアロー、ブルービートル、アクアマン、レッドトルネード等々、登場するキャラクターのほとんどはこのアニメで初めて存在を知った。
 アメコミのヒーローは、無駄に数が多いからなあ。
いや、日本のヒーローだって、ウルトラ・ライダー・戦隊だけで相当な人数居るし、ヒューマン・グリーンマン・アイゼンボーグ辺りまで入れると膨大な数になるのか。
アニメや漫画まで、となると、数え切れない。

 このアニメで、バットマンはほとんど「バットマン」として登場し、正体であるブルース・ウェインが姿を見せることはない(少ない?)。
 悪党が登場して企みを明かし、相棒ヒーローと協力あるいは反目しながら、戦いを繰り広げるのが基本パターン。
無駄なシーンが無く、テンポ良く物語は進み、三十分番組とは思えないぐらい内容が詰め込まれている。

 ストーリーもバラエティーに富んでいて、過去に召還されてシャーロック・ホームズと出会い(バットマンの服装からアレコレ素性を推理するホームズが可笑しい)、成長したロビンとの複雑な関係を見せ、ヒーローが全員悪党になっている異世界で悪バットマンと入れ替わり意外な正義の味方と共闘し、こちらの世界で やりたい放題やっていた悪バットマン率いる悪党チームを倒すため空前絶後・唖然愕然のチームを組んでみせる。
 「珍しく落ち込んでいるアクアマン」とか「『子供』を作ったレッドトルネード」といった、基本的には「知らないヒーロー主体の話」でも、十分面白く見せてしまうシリーズ構成と各話での語り口の上手さが素晴らしい。
 『バットマン』という素材を用いて、まだこんなに色々な物語を展開できる発想の豊かさと、ヒーローにかける愛情の深さには感動すら。

 ソフト化は希望薄に思え、カートゥーンネットワークでないと見られないのが難点。
地上波でも放送してくれれば良いのに…不景気のせいか新作アニメの本数も減っていることだし。
 傑作の多い『ジャスティス・リーグ』、結構好きな『バットマン・ザ・フューチャー』なんかも、是非。


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