ときどき日記 2010/07


2010年7月29日 木曜日

 映画『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』を見る。
 酷く悪い評判を聞いてから見たもので、心構えが出来ていたものかどうか、割合に面白かった。
 評価軸をどの辺に置くか、それによっては大きく点数が違ってくるだろう映画。
 「映画」である事を望み、ならではの感動や充実感を求めると、厳しい。

 この作品を通じて、制作者が言いたいことは、もう何も無いのだと思う。
お金を掛けて、大きなスクリーンで見せるからこそ出来ることも、『1』でほぼやり尽くしてしまい、それでもどうにか「映画」の体裁を繕おうとした『2』は、見るも無惨な、ドコを面白いと思って欲しいのかさえ不明確な作品になってしまった。
 『パイレーツ・オブ・カリビアン』も そうだったなあ。
まだ二作目まではアクションのアイディアやキャラの勢いで もったけれど、三作目の苦しみようは半端でなく。
 いや、作数を重ねてなお面白い・やりたい事の尽きない映画シリーズの方が珍しいか。

 『踊る3』は、普通の映画というより「上映をファンイベントだけに限定したフィルム」に思えるぐらい、ずっと見てきたファンに対するサービスが強力。
 大きなストーリーやテーマを犠牲にして、小ネタを一杯詰め込んだ印象。
いや、語りたいストーリーもテーマも無いのだ、という事実に素直になり、「せめてファンだけでも楽しんで欲しい」方向に絞り込んで作ったものか。
 フォローが足りず、小ネタに分かり辛い物があったのは残念。
事件の下りを更に削ってでも、回想シーン入れたり説明すべきだったのでは…そうすればこの映画の見方がより明確になるし。

 特にキャラクターのファンが多いだろうこの作品で、新キャラを結構な数、しかもそこそこのウエイトで出してしまったのは、失敗。
 和久ノートだけ宅急便で署に送りつけられれば、甥は要らなかっただろう。
中国研修生や気力に欠ける新人警官など、時代の変化を演出するため出しても良いけど、もっと背景であるべき。
 犯人の計画が、計算より、偶然や湾岸署のアホさ加減によって成り立っているのは宜しくない。
小ネタを活かすためにもストレートで分かり易い事件にしておいた方が…映画一作目メインの事件「副総監誘拐」辺りが理想的だったなあ。

 時を経ても元気で頑張っている青島や すみれ、スリーアミーゴスの姿を見て、それだけでほとんど満足できる人向けの映画。
 しかし、青島達もイイ歳になっており、ラブコメ的な関係を続けるのはかなり厳しい。
 次作があるなら、青島と すみれ、結婚式までの七日間を描くとかして、関係に区切りを付けてあげてはどうか。
それは、シリーズの終了を意味するだろうが。


2010年7月27日 火曜日

『MM9』03.

 つまらない、とは言わないが、凄く面白かったり心をガッチリ掴まれるまでは行かず。
 気象庁特異生物対策部は、怪獣に関する情報を収集したり進路予想や対策を立てる事が主な仕事なのだと思っていたが、前回は(事情があったとはいえ)怪生物の捕獲・退治を試みる。
自分達の業務から外れた事には関わらない、とした方が、「お役所仕事」の面白味を出せそうな。
『踊る大捜査線』でも、署の区分ギリギリで発生した事件について受け持ちたがらない様子が見られ、リアルに感じたもの。
 ロクな装備も持たず、怪生物に自分達だけで挑むのは、プロの所業と思えない…『エイリアン2』パロディーはちょっと笑ったけど。

 キャラクター達が、怪獣を、「恐ろしい脅威」「イベント的に面白い存在」「仕事だから取り扱っているだけ」どう捉えているのか、分かり辛い。
 今回、女性職員が見学の学生達相手に熱い演説?を行ったところを見ると、人々を守りたい意識は強いのかも知れないが、普段の勤務態度からはそれほどと思えず。
 怪獣を出してドッカンドッカンした戦いを見せれば、それだけで番組はもつけれど、テーマ故か予算の都合かそう「しない」のであれば、キャラをもっと強烈に、それだけで次回見たくなるぐらい面白く描かないと、物足りないばかり。


2010年7月24日 土曜日

『ストライクウィッチーズ2』03.「一緒にできること」

 キャラクターが勢揃いしたところで、激戦の開幕となる、あるいは ほのぼの〜とした日常話を展開すると予想していたが…
 なるほど、再訓練。
前話で問題のない戦闘力を発揮したような気もするけど、こういう過程を描けば彼女達の強さに説得力が生まれることになり、結構。
 また、数が多い少女達を一斉横並びで見せるのを避け、主要?三名のみ、まず集中的に描いて初見の(もしくは前シーズンを見ていても記憶がオボロになってる自分のような)視聴者に印象づける、上手い構成。

 ホウキを用いた訓練は、ストライカーユニットの歴史を仄かに連想させて楽しい。
 前シーズンでもこういう話があって良かったかなあ。
ホウキでの空中戦闘に限界を感じたところでストライカーユニットの登場、という風に段階を追わせて、少女達を強くしていけば。
 柄の部分との接触面に痛みを訴える少女達が、リアルで、ちょっとエッチ。
『魔法使いTai』でも、痛いって描写があったような。
擦り痕にお湯が沁みる、というペリーヌのセリフから、妄想を逞しく広げた同人誌が作られそう。
 ここで、擦れないようサポーターなりを着用したいと少女らに言い出させれば、老婆の叱責に乗せて「なぜこの世界で少女達はパンツ全開なのか」理屈を作品内で語れたんじゃなかろうか。
まあ、そういうのも無粋かな。

 もうちょっとハードな訓練であって良かった気が。
少女らが泣き声を上げる内容にすればするほど、特訓の成果たる戦闘のカタルシスが際立つ…坂本でさえ泣いてたそうなんだから。
 これで文句を言うのは気の毒だけど、作画にちょっと緩み。
 老教官のキャラクターはなかなか良く、「守る戦い」への持って行きようも周到で(守った成果の孫達来訪まで見られるのが嬉しい)、出来の良いお話だった。


2010年7月23日 金曜日

 娘が「ママ」と言うようになってきた。
 大抵は機嫌が悪い時で、泣きながら叫び、その原因はほとんどが空腹であるため、「ママー」なのか「マンマー」なのかは定かじゃないけど。
 ウチで食事を「マンマ」と言い表すことはほぼ無く、「ご飯」「おかゆ」等と言っているから、食べ物=マンマ、というのは結びつき辛いと思うが。
 「マ」というのは発声しやすい音らしく、「マ〜ァ〜」と言っただけで「今ママって言った?(抱っこする)」「マンマで、ご飯が欲しいんじゃないの?(ミルクを出す)」などとリアクションを親達が取るため、効果アリと判断して次第に多用するのか。

 しかし、「パパ」は言いそうな兆候すらないなあ。
無理矢理 娘唇に指を当て、閉じたり開けたりして「パ」と言わせようとするが、全くダメ。
 これもアレか、「パ…パパなんて言ってあげないんだからねっ!」というツンデレな感じなのだろうか。
どうせなら後に付け足し「だって…『パパ』とは結婚できないってママが教えてくれたんだもん」とか言ってくれると、萌え。

 実際には、「幸せそうねえ、一日中そんな事ばっかり考えてんの?」とヨメが後ろから氷のような目で見つつ言うだけだが。


2010年7月20日 火曜日

『セキレイ〜Pure Engagement〜』03.「風ノ答エ」

 風花の羽化について、原作と全く同じにすることはもう難しく、どう処理するのかと思えば…
 敵の復讐戦という形で、元イメージとかなり似たシチュエイションを作り出し、原作と遜色ない、いや彼女の羽化を「色々な事件が起きた中での一つ」として語った原作より丁寧にアニメ化してある。
 懲罰部隊・灰翅の自傷ギャグも楽しく、なかなか良い出来だったなあ。
 流れからして上手く入れられなかった原作のセリフや描写については、まだこの後フォローがあるんだろう。
 続く皆人のセキレイ誕生エピソードにも、期待。


2010年7月19日 月曜日

 「お父さん」と「パパ」。
父親の呼び方には、大きく分けてこの二つがあると思う。
 どちらで呼ばれたいかというと、自分が親をその系統で呼んでいたように「お父さん」。
 でも、ヨメは「ママ」と呼ばれたいらしく。

 娘がこの世に出てくる際、最も苦労したのはヨメなので、その辺りの決定権は主にヨメが持つ。
 両親を「お父さん」「ママ」と呼ばせる手もあるけれど…ヒドく難しい訳じゃないが憶えづらかろうし、無用な混乱を与えてもナニだから、合わせて「パパ」に妥協。
 えー、この和風バリバリのオッサンが「パパ」って、と思いつつ、「パパだよー」とか繰り返し言っていると慣れるもので、段々と平気に。

 今後の希望としては、反抗期を外した所ででも是非、「パパ大好き」と言ってもらいたい。
ハイビジョンカメラで録画して、仕事やら人生が辛い時エンドレスで再生するから。
 あるいは、「パ…パパなんか好きでも何でもないんだからねっ!」も可。
ただコレは ちょっと間違えると「パパなんか好きでも何でもない」という、事実を淡々と語っている言葉になりかねないので注意。

 しかし、「パパ大好き」と言ってくれる娘に育てるのもそりゃ難しいが、父親に対してツンデレな娘、というのはもう、どう育てればそんな風になるのかサッパリ見当が付かないなあ。
 まず、格好良くて優しくて尊敬できて力強い、好かれるに値する父親になるのが先か。
 いや、そりゃ無理だー。



『HEROMAN』16.「デシジョン」

 逃亡編、終了。
 しかし…うーん、逃亡中も緊張感に欠けていたけれど、事態解決もちょっと簡単に過ぎる気が。

 ヒューズは、最初から分かり易く「善い人」然として登場しており、途中もそれに反するような行動は見せず、そのまま和解と解決にまで到る。
 政府の「顔」となるキャラなのだから、『MONSTER』ルンゲ警部、あるいは『プリズンブレイク』マホーン捜査官(登場時)のごとく、あくまでジョーイ達を追い詰めることに執念を燃やす、知性的で恐ろしげな相手に設定し、段々と態度を軟化させた方がドラマチックだったような。

 ヒーローマンへの誤解が解消される直接のイベントは、ドクターミナミのアホみたいな暴走。
 そういうキャラだ、といえばそうなんだけど、余りにも考えが無く馬鹿すぎ。
米政府に公然と反抗し、後はどうするつもりだったのか…彼が、というか製作スタッフはどう考えてたんだろ。
巨大企業を背景に持つようだから上手く根回しする(これまで出来てないが)、「あのヒーローマンをも倒した」戦闘力を有する事実をもって米政府に有利なポジションを確保し交渉する、ぐらいかな。
 もう少し賢く立ち回ってくれないと、ジョーイ達が危機的状況から復帰するカタルシスも弱い。

 ヒーローマンの後ろにそびえるダムを一切意に介せず猛攻撃を続けるドクターミナミ、下流の人々のため体を張ってダムを庇うヒーローマン。
これが誤解を解く直接的なポイントになったものと思われるが…
 ヒーローマンはどのぐらいの脅威に考えられていたんだろ?
例えば、自爆する気満々で街中を核爆弾背負って走り回るテロリスト相手なら、追跡者が人混みの中で発砲して巻き添え被弾する人を出したって、理解を得られないこともない…かも。
 報道したマスコミ二人組の主観、だからなあ。
 一般人がそれに乗せられるならともかく、大統領までノリノリになってるのはコドモ過ぎ。

 この作品はあくまでジュブナイル、あんまりハードだったりダークな展開には「しない」意図があるのか。
なかなか報われない『スパイダーマン』みたいにされても、特に年少の視聴者はシンドイばかりだし。
 ヒューズがすぐジョーイらに接触し、事情を聞いてヒーローマンを米政府公認の存在にすれば、逃亡編は要らず一話で済んでいた内容のような。
今後の展開で、ここ数話が生きる構成になっていれば良いんだけど。
 ドクターミナミ、とりあえず高い科学力・戦闘力を持っているのは確かな訳で、再び地球への脅威が現れた時には登場しそう。


2010年7月18日 日曜日

『ストライクウィッチーズ2』02.「伝説の魔女達」

 一話目も上手かったけど、二話目は更に上手い作り。
 新たな敵の襲来、全滅の危機に瀕する艦隊という第一期冒頭部に重なる状況設定、飛び立つ芳佳の高揚と戦えない坂本のフラストレーション、善戦するが危ない芳佳を救うべく飛び出す坂本…
 坂本が、上着を脱ぎ去るや純白のスクール水着(?)を顕わにする恥ずかしさと、ただ構えた日本刀に捲土重来・乾坤一擲を賭けて急降下し敵光線をも切り裂いて進み一斬撃で敵を破砕する、脱力とテンション急上昇のバランスが素晴らしい。
「これが『ストライクウィッチーズ』だ」を体現するようなシーン。

 敵撃破をもって、二話目として十分すぎるぐらいの盛り上がりだったため、駆けつけるウィッチ二人は単に出迎えで終わるのかと思えば大間違い。
 もう一盛り上がり。
 危機的状況に次々馳せ参じるウィッチーズ、顔見せに終わらず僅かに個性と戦闘特性を示して「そういえばこんな子が居たなあ」と思い出させる…初見の視聴者にも ざっと紹介する…作りが堅実。
 続編第一話の燃えるパターンとして、お手本ともなる巧さ。
 これで二期最終回でも、面白かった!と思えるぐらいのカタルシス。

 術式を練り込んだ日本刀があれだけの力を発揮するなら、同様の作り方で銃弾・砲弾を製造すれば、一般兵が使ってもネウロイに対抗できるのでは?
 使用する少女らの魔力を術式に流し込んで初めて効果が出るため、それだけじゃダメなのかな。


2010年7月17日 土曜日

『アマガミSS』03.「ヤキモチ」

 なるほど、この作品の主人公少年が「変態」だとか表現されるのを見た事あり、しかしまあこれまでは常識の範疇に十分収まる行動しか見せていなかったので、???と思っていたけれど…
 今回で納得。

 女の子から、唇以外ドコでも自由にキスして良い、と言われて、高校生がなかなか「ヒザの裏」ってチョイスしないんじゃなかろうか。
額か頬か首筋か、エロ方面でもストレートに太腿とかヘソとか言いそう。
 それも「チュッ」で終わらず、延々と唇を押し付け続け、先輩に喘ぎ声を上げさせる執念。
 凄い!しかし勢いに乗って更なるご無体を、とは考えない辺り、確かに「変態という名の紳士」って感じだ。
 衆目の中で行うイメージプレイも、壮絶。
提案する主人公も異常だけど、ノリノリで応える先輩も負けず劣らずアブノーマル。
 「性格」は知らないが、「性嗜好」は一致していると思え、新たなパートナーを見つけるのも難しかろう事から、もう付き合っちゃえばいいじゃん、と思わせられる。

 アニメ見ながら、こんな変な汗かいたの珍しい。
半裸や全裸、エロゼリフとか馬鹿シチュエイションなど、結構恥ずかしい画面を見て慣れてたつもりだけど、そういう作品じゃないと思い油断した所へ濃いめの異常性を見せられると、意外なほど破壊力があるなあ。
 攻略キャラ一人目からこんな事して、この後はどうなってしまうんだろ。
まだまだ小手調べで異常性は増していくのか、シリーズのツカミとして変なキャラ・変な状況を見せただけで、この後は到ってノーマルになるのか。
 勿論、前者を期待したい。


2010年7月16日 金曜日

 娘が寝返りをうてるようになってきた。
 これまで、頭や体を横に傾ける、ぐらいまでは出来ていたが、それ以上にはなかなか達せず。
同じ姿勢で寝ていても、泣いて親を呼べばすぐ抱っこされ、体勢を変えられるため、自ら寝返りする必要を感じていないのかと思っていた。
 ゴロンと転がるや、勢いが付いてうつ伏せにまでなる事もあるが、そこからもう一回仰向けになる方法はまだ修得していないため、腕を体下に巻き込んで顔を床にベッタリ付けた いかにも苦しそうな姿勢で、ギャーギャー泣いて親を呼ぶ。
 仕方なく近づいて仰向けに戻してやっても、ちょっと目を離すとまたうつ伏せになって泣いている。
可笑しいやら困るやら。
 うつ伏せになると、手足をもぞもぞと動かしている事から、もう少し修練を積めばハイハイが出来るようになるんだろうな。
そうなると、部屋全体の危険物(倒れやすい物とか口に入るぐらいの雑貨)を片付けねばならず、大変だけど。

 あと、不満があると唇を鳴らして「ブー」と言うようになった。
 親へのブーイングか?
 ヨメは「ブブセラ」と表現。
あー確かに響きが似てる、しかしワールドカップも終わったのに今頃。
 機嫌が悪いと、口に入れたばかりの離乳食を「ブブブブブー」とばかりブブセラ音と共に飛ばすため、周辺に被害が広がってしまう。


2010年7月14日 水曜日

 NHKBSで映画『スター・ウォーズ』が一挙放送される事を盛り上げるべく作られた特番、『THIS IS "MY STAR WARS"』を見る。
有名人が、このシリーズで自分の好きなポイントを語る、というもの。
 鴻上尚史の、「ミレニアム・ファルコンによる奇襲を受け、タイ・ファイターのコクピットで、見えるはずないのに斜め上を見上げるダース・ベイダー」という指摘に、笑う。
確かにそうだ。
でも、言われる通りこの嘘でカットが上手く繋がっており、編集の妙と言うべきか。
 山口晃による、「反重力が普遍化している世界なのに、宇宙船出入り口は油圧ジャッキで開閉してる」も、ああなるほど。
まあ色々な技術が混在しているから。

 それぞれ拘りのある人達の語りは楽しかったが、歌舞伎の市川ナントカいう人、あの人には何でインタビュー撮ったの?
「ジャバがカエルみたいなの食べた所だけ憶えてる」ぐらいの記憶しかなく、別段『スター・ウォーズ』を好きですらないだろ。
 この番組への出演は、この人にとっても得な事などありえず、出演者をチョイスする際もう少し考えて欲しかったなあ。



 J・P・ホーガン死去。
 『星を継ぐもの』のインパクトは、今でも忘れられない。
あの頃はSFはじめ小説をアホみたいに読んでいた、そういえばここ数年、マトモに読み通した小説なんて何冊あるだろう?と、ふと感慨。
 お疲れ様でした、ありがとうございました、安らかに。


2010年7月13日 火曜日

『戦国BASARA弐』01.「乱世再び!裂界武帝・豊臣秀吉降臨!」

 パワーで押し切る痛快デタラメ戦国アニメ、第二期。
 今期は、秀吉が最強の敵になるのかな。
何となく小さいイメージがある秀吉を巨人に描いてしまう、相変わらず史実に囚われない自由さが愉快。
 側に付いている謎の美形は、てっきり三成だとばかり思っていれば、竹中半兵衛なのね。

 第一期を経たせいなのか、武将同士が戦っている最中、互いにニヤリと笑みを交わすシーンが多く、「武道のライバル」然としていて、殺すか殺されるかの戦国時代気分は薄いけど、それは前シーズンからそうか。
 秀吉を倒すため、確執(あったっけ?)を乗り越え、また有名武将達が連合を組むことになるのだろう。

 作画は良好。
 馬鹿馬鹿しさも相変わらず好調。
 頭をカラッポにして眺めていきたい。


2010年7月12日 月曜日

『MM9』01.

 山本弘原作による小説を実写映像化した、特撮作品。
 原作者は、と学会による『トンデモ本の世界』シリーズが有名。
その辺りは既読なんだけど、小説作品は未読。
 映像化シリーズは、総監督を樋口真嗣が務め、脚本を伊藤和典が手掛ける、『ガメラ』が想起される布陣。

 怪獣が災害として存在している世界、その対策(退治ではない)を気象庁が受け持っている、そこで働く人々を中心に据えたコメディー。
 気の短い人は前半で視聴を止めてしまうかも知れないなあ、というぐらい緩い導入。
そこまでだと、多少は前知識が無い限り、どういう系統の作品が始まったのかも分からないだろう。
 キャラが馴染んでくればまた別だろうが…コメディーとしてもそんなに楽しくない出来なのは、残念。

 後半、怪獣の存在が現れてくると、ようやく面白くなってくる。
 砂浜に付けられた怪獣の痕跡は、町の破壊などを伴わず地味である分、妙にリアルで良い出来。
 さあ、ここから怪獣への対策が立てられ街を守るため主人公達の活躍が始まるのか…と思えば、そういう事はなく、怪獣の卵盗難事件の捜査、というコレまた地味〜な展開。
 一応はカーアクション?があり、事件の解決があって、それはそれで楽しく見られはしたけれど、やっぱり「怪獣を扱う物語」としてはツカミが弱いような。
似て感じられる『パトレイバー』でも、第一話はレイバー犯罪に対し活躍する警視庁レイバー、という分かり易い図式を見せていた訳で。

 面白くなっていくことを期待して、視聴継続。


2010年7月11日 日曜日

 衛星で映画『GOEMON』を見る。
 『CASSHERN』の紀里谷和明監督。

 小判を盗み出して屋根の上から播き、五右衛門が「絶景絶景〜」と言う辺りまでは、元気が良くて楽しげで、別に悪くないんじゃないかと思ったけど……
映画が進めば進むほど、「特に何も描きたくない映画」だというのが明らかになってきて、集中力を欠いてしまう。
 ご立派なテーマなんて無くても、五右衛門がやたらに強いところをカタルシスに据えたエンターテイメント、で構わないのだが。
それも実現できていないのが困りもの。

 殺気に満ちた無数の兵士達を踏んづけつつ、ヒョイヒョイと一跳び数十メートル移動できる超絶の体力を持っている五右衛門なのに、あるカットでは突然、市民にジャマされてまるで歩けなくなってしまう、この「悪い・不快な」御都合主義。
しかも、ジャマされて辿り着けなかった結果、悲惨な事態を生じさせ、クライマックスの大殺戮(また生じたスーパー・パワーで数十メートルを飛び越しつつ)に繋げて行くものだから、まるっきり感情移入できない。
 こんな露骨に作者の都合を見せちゃイケナイなあ。

 キャラクター達が全員、作者の思惑だけで動かされており、生きた人間という気がしない。
秀吉も三成も、別段オリジナル設定にして構わないけれど、史実…せめて大河ドラマの一本でも見て、その魅力を僅かでも見習ってはどうか。
 「そういうこと」を描いている・描けている映画ではないのに、ラストで五右衛門がテーマ然とした事を語り出すのにも困惑。

 安っぽい所は多いにせよ、CGを多用したアクションなんか割合楽しげに演出できていたと思う。
 嘘戦国時代の風景は美しく、服装デザインも華麗。
 『CASSHERN』と同じような感想になってしまうが、画面の作り方は上手い監督さんなのに…
優秀なプロデューサーや脚本家が付いて、無制限な自由を許さないよう後ろから羽交い締めにした上で撮らせると、良いモノが出来るかも知れない。
恐らく、それじゃ映画を作る気力が湧いてこないタイプの監督じゃないかと思うけど。
 余り期待せず見始めたので、失望も特には無く、残念ながら想定内の、貴重な時間を費やしてまでは見る価値のない映画。



『屍鬼』01.「第遺血話」

 原作小説は未読、原作漫画は単行本一巻を買ったままになっており、アニメ視聴後に読んだ。
 比べると、アニメでは削られているところ──それは必要そうだったりホラーな雰囲気を増していたりもしたのだけれど──が結構多い。
ただ、アニメだけを見ていた時点では特に不足を感じなかったから、それはそれでまとまった第一話だったのだろう。
 ヒロイン…かと思われた恵の視点を強調し、他の情報を大幅に制限した内容、かな。

 田舎を舞台にしており、猟奇的な事件が起きる、という所から、『ひぐらしのなく頃に』を連想。
原作小説の刊行から言えば、この『屍鬼』の方が先になるようだが。
 作画はキレイであり、原作では執念を感じさせる描き込みだった腐乱死体が出て来ても、余り不気味じゃない。
深夜枠とはいえフジテレビだし、限界か。

 妙な事件が起こりつつも淡々とした第一話だけど、まあそれは漫画からして、そう。
 面白くなっていくことを期待して、視聴継続。


2010年7月10日 土曜日

『ストライクウィッチーズ2』01.「再び空へ」

 パンツ美少女空戦アニメ、第二期の開幕。
 一期から少々の間が空いたため、ちょっと冷静になった目で見てみると、ホントに「美少女達が日常生活から無闇にパンツを晒し、生足に空戦ユニットを履きこんで自由に飛び回り、生きた戦闘機として敵と交戦する」という内容で、無茶苦茶というか何じゃこりゃーというか。
 MS少女とか『びんちょうタン』といった、無機物にまで、主に「少女」という生命と肉体を付与する考え方、それを良しと受け入れる読者・視聴者の許容量が可能としたものか。
擬人化と言うより、擬機化、だけど。
 動物女性化、ぐらいまでならともかく、ここまで飛んだ発想…ビジュアル?は海外に無かろうなあ。
 八百万の神やら付喪神という考え方がベースにある民族ならでは、だろうか。
いや、日本でだって、ごくフツーの人にこのアニメを見せたら、ポカーンとしてしまうとは思うが。

 一期で物語には終わりの兆候が見え始めていたが、人類との橋渡しになりそうな人型ネウロイが自軍勢からの?攻撃を受けて消滅する、という、希望を打ち消すショッキングなシーンから幕は上がる。
 芳佳の卒業式で日常をチラッと見せ、謎の手紙を切っ掛けに、友人達の危機を知りつつ、しかし坂本により再度軍事に関係することを厳しく禁じられる芳佳、として「戦う・飛び立つ」事への希求を物語に発生させ、少女が戦闘機になって参戦する無茶さ加減を「開放」とさえ感じさせ、抵抗を薄くする作り方が上手い。
自分達が作っているモノをよく分かっていて、よく考えてある。
 国外での戦況は不明確にしておく方が次回への期待は高まると思うけど、割合呑気そうなルッキーニ達の姿を見せてしまう緩さが、この作品らしいかな。

 一期が好きだった人には少なくとも同程度に楽しめそうな、「何コレ?気持ち悪い。こういうの見て喜んでるからオタクは…」とか思っていた人は今期も見る必要がない内容。
 大変だろうと思うけど…前期は作画面でも感動させてくれたため、そういう部分にも期待。
 最後まで視聴したい。


2010年7月8日 木曜日

『オオカミさんと七人の仲間たち』01.「おおかみさんと御伽銀行の仲間たち」

 原作未読。
 『狼と香辛料』からの連想か、もうちょっとファンタジー寄りの内容を想像していたが、現実の(現実にごく近い?)世界を舞台にした、学園揉め事解決グループの活躍を描く作品、なのね。

 とにかく作画が美しく、女の子達が可愛く描けていることには感心してしまう。
 『とある科学の…』の作画ラインで、しかもナレーションが黒子・新井里美の特徴ある声な事で、パロディー…じゃないんだけど変に混乱させられたり。
 カボチャの馬車?から投げ出された女の子が、空中で体勢を整え、慣性を殺せないまま指先と足先で地面に触れつつ縦に回転して「憧れの先輩」に迫り、その顔面へと会心の(痛恨の)キックを叩き込む、この部分の作画の凄さには、声が漏れる。
いやもう、ここだけで第一話見て良かった、と思えるぐらい。
しかし、片足だけならまだしも、時間差で顔を両足蹴りするのは悪意アリとしか思えない。
 このシーンを強く印象づける事で、残していく靴により「シンデレラ」に繋げられる事になるので、作画の頑張りは無駄でなく。

 童話から引っ張ってきたキャラクターの名前が、各人の基本的人格や能力の元になっている。
 今回、『シンデレラ』の「王子様」から名前を頂いた先輩男子が、部活動と引っ掛けて『テニスの王子様』に繋がり、ラストで「後輩少女を育てる」事に生き甲斐を見出した様子から『エースをねらえ!』にコジ付けられているのだろうか。
駄洒落的な連想が広げられており、楽しい。

 ナレーションにキャラが突っ込む(睨む)のはアニメのオリジナルかと思い、原作をちょっと立ち読みしてみれば、元々キャラが地の文を認識している作品なのね。
 多用されすぎるナレーションは気になるけれど…アクのある黒子の声が好きだったこともあり、個人的には問題なし。
 紹介されたメインのキャラクター達は個性的に描けており、銀行の他の仲間達もこれぐらい魅力を持たせられるなら、フォーマットとしてはかなり良い物に出来そう。
後は、そこに乗せる童話と絡めた事件のバリエーションと面白さ次第、か。

 視聴継続。



『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』01.「Spring of the DEAD」

 原作は、単行本で既読。
 映画やゲームでよくある海外を舞台にしたものではなく、日本、しかも身近な学校にゾンビが発生したらどうなるだろう?というのは、ゾンビ物が好きな人間なら大抵思うことだし、自分も「漫画にするならどうするか」考えたことがある。
 この原作は、圧倒的な画力…今風に「萌え」系…でもって、ゾンビが発生した世界を説得力を持って描き出す。
 ジャンルへの愛情が深く、お約束のパターンは外さず、それに自分なりのドラマを足すことで、独自の雰囲気を生み出している。
 女性キャラを多目にすることにより、どのゾンビ物でも見たことがない「最悪の状況になった世界なのに、主人公周辺は居心地の良い環境」という矛盾した描写を確立。

 すぐ肢体を顕わにする巨乳女性陣、表情や欠落部分など思い切ってリアルに気持ち悪く描かれたゾンビ、バットで殴る・棒で突き刺す、刃物で切り落とす・銃器(やたら拘った)で吹き飛ばす・車両で挽き潰す…ありとあらゆる暴行を加えられる「もう人間じゃないから問題ない」ゾンビの群れ……
エロ・グロ・バイオレンス、という人間の根源に訴える直接的描写が満載。
 原作通り忠実にアニメ化していくと、ゾンビに関わらない部分でも「良識ある人々」を怒らせそうな所が…

 ゾンビ物は、失われる平穏な日常に、どれだけのバリエーションと、意味と、価値を持たせられるかが非常に重要。
この原作は、そこいらとても上手い。
 物事をよく知っていて──よく知っていることを「世界」にして描いている、という事でもあろうが──広がりを感じさせるテクニックも、巧妙。
 これは人気出るだろうなあ、と思っていたけれど、何しろ「エロ・グロ・バイオレンス」が強烈で、しかも作品にとって必要不可欠な要素となっているため、なかなかアニメ化は難しいと考えていた。

 アニメ。
 ああ、頑張っている。
エロもグロもバイオレンスも、テレビで出来る限界ギリギリまでやってるんじゃなかろうか。
 作画も原作の雰囲気をよく再現しているし、取りあえず原作ファンからも不満が出ないだろう第一話。
 屋上に立て籠もる理由と方法を論理的に説明する永、というシーンが少なくなっているため、「頼り甲斐のある賢い永」「彼が失われる事による内側からの不安」は薄くなってしまったが、まあ全てを詰め込むのは無理だし。

 原作を読んでいるから、アニメの感想を書くかどうかは分からないけれど、大きくクオリティーが落ちるようなことがない限り、最後まで見続けたい。


2010年7月7日 水曜日

『ぬらりひょんの孫』01.「魑魅魍魎の主となれ」

 原作は連載で既読。
 ぬらりひょんを、妖怪の中でも他者を統率する力を持つ者、とするようになったのは、やっぱり『ゲゲゲの鬼太郎』からなのかな?
本来の容姿も特殊能力も、大将に相応しいとはあんまり思えないんだけど。
まあ、小豆洗いや一反木綿、輪入道なんかがトップに立つよりは、まだしもか。
 「ぬらりひょんは妖怪の中でエライ」を下敷きに、上下関係をヤクザ組織のように捉え、(変身前は)普通の男の子である主人公が組の跡継ぎとして成長する様子を描くのが、原作。
…途中から、所謂「ジャンプ」パターンに入り、修行とパワーアップによるバトルを中心に据えているけれど。

 アニメ。
 んん?原作の冒頭エピソードが飛ばされているような。
 そのため、リクオの特殊な家庭環境が分かり難くなり、この作品独特の妖怪の捉え方もよく分からない。
「四年前」とセリフでは言うけれど具体的な事件は見せられず、隠れて警護していた描写を略しておいて「実は変身して側に居ました」とする告白シーンの意味不明ぶりに目が点になってしまう。
 一話でリクオが変身しない事もあり、原作未読者には魅力が非常に伝わりづらくなってるんじゃなかろうか。

 アニメにする際、原作を変える事は必ずしも否定しないが、それは徹底して考え抜いた末、原作の良さをより引き出す形でなければ認められない。
 「ジャンプ」掲載作品は、恐ろしく厳しい…このスタッフではまあ使ってもらえないぐらい厳しい…編集者のチェックを受け、読者アンケートの洗礼を受けて生き残っている訳で、チョッと思いつきで変えて良い場所など、本来は無いはず。
 シーン毎の演出も作画も別に悪くないが、こういう事をやってしまうスタッフには、期待できないな。
 視聴終了。



『デジモンクロスウォーズ』01.「タイキ、異世界へ行く!」

 『デジタルモンスター』アニメ化作品として、6作目。
 『デジモンアドベンチャー』から03年の『フロンティア』までは毎年新作が作られていたのに、ちょっと間が空いてしまった。
…と思ったけど、06年には『セイバーズ』が放送されたんだっけ。
これは確か最初の数話しか見てないはずで、印象に薄い。

 現実世界でのキャラの立ち位置を ざっと紹介したら、細かな理屈は置いといて、取りあえず異世界へと主人公達を飛ばし、バトルを展開する、子供向け作品としては見易く、想定されている「面白さ」が分かり易い第一話。
 愕然とするような事態が次々起きているのに、恐ろしく順応力が高い主人公。
だから話は早いけど、「段取り」も感じられ、異世界で異常に巻き込まれる不安や、何か凄いことが始まりそうなドキドキは薄い。
でも、年少の視聴者としては、そんなモノより早くデジモンバトルを見せろ!と思っていようから、この構成で正しいだろう。

 三話目ぐらいまでは見るけど、『デジモン』に期待する物は過去のシリーズで大体見せて貰った気がしており、余程の独自性がなければそこまでに。



『生徒会役員共』01.「桜の木の下で」「毎回続くのこの感じ!?」「とりあえず脱いでみようか」

 原作は、単行本一巻だけ既読。
 アニメを見てから読み返してみて、余りにもそのまんま映像化されていることに、驚く。
ネタの並び方まで、ほぼ変えてないんじゃなかろうか。
 予告でも、「次回は原作コミックス一巻、何ページから何ページまでだ」と言ってしまうぐらい忠実に…原作重視と言うべきかなあ、アニメ化されている。

 元女子校であることを強調する、朝の通学風景なんかは、良い補足。
 校舎内をカメラが走り回る作画のパワフルさには「へー」と声を漏らしたけど、ギャグの間になっている訳でも無し、本当に「作画力が余っているのでやってみました」だけの意味しかなく、ちょっと残念。

 絵がキレイであり女の子は可愛く描けていて、声も悪くないと思え、その分、原作の良いところも宜しくないところもストレートに出たアニメ。
原作ファンとしては、安心して見られる出来じゃなかろうか。
 美少女が連発するシモネタを楽しく感じられるかどうか、それが全て。
 他のアニメとの兼ね合いで負担にならない限り、気軽に見ていきたい。


2010年7月6日 火曜日

『世紀末オカルト学院』01.「マヤの予言」

 「アニメノチカラ」第三弾作品。
 『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』『閃光のナイトレイド』と、傑作かどうかは分からないが、昨今珍しく原作に頼らない、オリジナル企画でクセのあるアニメを作り続けている枠。

 OPから、凛とした顔立ちのヒロインに引き付けられたが…『精霊の守り人』の麻生我等先生デザインなのか。
本業の漫画でお忙しいだろうに、よくこんな時間を取れたもの。
 特に脇キャラの口元処理に見覚えがあるように思えば、アニメ用のキャラクターデザインと第一話作画監督は、『かみちゅ!』の千葉崇洋。

 こんなレベルを最後までキープできるのか不安になるぐらい、頑張った作画が見られた。
 ヒロインの色っぽい体のラインが嬉しい。
 「怪異」を表現する動きも凄い。
憑依少女が見せる、人間では有り得ないアクションは、恐ろしいながらもどこか馬鹿馬鹿しくて笑ってしまう、という意味で、この作品の方向性を見事体現できていたと思う。

 ストーリー・ラインだけを取り出せば、「割合良くあるホラー・バトル物」だけど、そのアリガチ部分を理解した上で逆手に取り、「ギャグ」へと繋げる手腕に感心。
 オカルトを否定しながらも深い知識を持ち、父親を愛しながら(実体が魔物とはいえ)暴行を加え首をはねるのに躊躇わない、相反する内面を持つヒロインが面白い。
けど、ここから上手く描かないと「分裂した人格」にも取られかねない……そういう所まで含めて笑いで包み込むやり方もアリ?

 あんまりシリアスな方向へ踏み込まないことを希望。
『マトリックス』電脳世界からの脱出方法に似たアバンのエピソードを見ると、いずれは、という考えがありそうに思うけれども。
 お笑いホラーである事が、この作品の独自性。
そこはブレないと、いいなあ。


2010年7月5日 月曜日

『みつどもえ』01.「丸井家!良い子悪い子 恐ろしい子 !!」

 原作未読。
 無闇に元気いっぱいのオープニングと、引っ張ると伸びそうなぐらい柔らかく描かれた女の子達に、グッと掴まれる。
 内容は、ドタバタギャグ。
可愛いキャラに似ず、ダークであったり全力のシモネタを展開したり。
 ハムスターに「チクビ」と名付けてしまった事から始まる馬鹿ネタを、グイグイと、しつこくしつこく突っ込んでくる臆面のないパワフルさに負け、笑ってしまう。
ハムスターに「ねっとり触る」って表現ないだろー。

 女王様体質サディスト、馬鹿力全開、やる気のない無口謎少女と、個性的な三姉妹が楽しい。
 ある男の子を、アコガレの目(?)で見ている三人組少女とか、まだ説明…消化されてないギャグのネタなんだろうな。
 笑いのヒット率が高い事を期待しつつ、視聴継続。



『セキレイ〜Pure Engagement〜』01.「静ナル予兆」

 ハーレム・バトルロイヤルアニメ、第二期。
 原作は所々既読。
 前シーズンの記憶が少々朧なせいもあり、確かには分からないが、原作から結構並べ替えた構成になってるんじゃなかろうか。
冒頭で繰り広げられる防衛戦は、イキナリ見せられても、いつ・誰が・何のために戦っているのか全然分からないと思うけど、それは原作と同じ所で説明される?
某キャラが皆人のセキレイになる下りは、独立したエピソードを構えるのかな。

 作画は前シーズンに引き続き高水準で、この作品一番のセールスポイントである多数の女性キャラが魅力的に描けている。
シャツに入れるシワの「理屈」まで原作に沿っているのに、感心。
 風呂のシーンで、女性キャラの胸を隠さず晒しているのに驚く。
最近ではもうこういうの、珍しいからなあ。
「見たければソフトを買え」という態度でないのは気持ち良い…まあ、どうでも良いと言えばホントにどうでもイイ事だけど。

 今期も最後まで視聴継続の予定。



『救命医ハンク セレブ診療ファイル』01.「運命のパーティー」

 WOWOWで放送開始された、米ドラマ。
 本国で非常に視聴率が良かった、という事で、タイトルからして余り期待できないかなあ、と思いつつの鑑賞。

 いや、面白い。
 庶民にとっては雲の上の存在でありムカツク奴らでもある大金持ち連中を、「それなりの問題を抱えた人々」であり「ある部分では庶民以下の困った人種」に描き、主人公ハンクが彼ら彼女らに染まらず、どちらかというと距離を置いて付き合うのが上手い。
 ハンクに助けられたセレブ女性が、彼の元を訪れた際、かけてもらった彼のジャケットを返しに来た…というのも目的であったろうに、ベッドへ腰掛ける段になって「そのまま座っちゃ汚い」って事なのか、脱いだそのジャケットをごく自然に腰の下へと敷き込んでグシャグシャにしてしまう、この無神経さが実にセレブっぽくて楽しい。

 車の事故を起こした事を父親に黙っていて欲しいという少年との会話。
ハンク「お父さんがあのフェラーリを見ればすぐバレるぞ」
少年「十日は向こうにいるから、時間はあるよ」
ハンク「五十万ドルはする特別な車で、組み立ては手作業だよ。十日で修理できるのか?」
少年「直すんじゃなく買い換える」
ハンク「世界で七十台しかない」
少年「ああ、でも一台買えばいいから」
 この生まれと育ちの落差を感じさせる会話が、凄くイイ。
 少年に対し、ハンクが兄か父親のような立ち位置に付くと、今後に繋げられそう。

 クビになった病院を絡めてクライマックスを設け、ナニガシかオチを付ければ、映画にもなりそうな内容。
 出てくる女性が美人ばっかりで、見目麗しい。
 なるほど、こういう面白さもアリか…米ドラマの作り手は上手いなあ。



 書き忘れてましたが、ウチのサークルは夏コミケ、お休みとなります。
 普段でも新刊は危ういのに、娘の世話があっては恐らく絶望的なスケジュールになると予想しまして…予想より悲惨な現状ですが…申込みをしませんでした。
 すみません、あしからずご了承ください。

 冬は何とか出たいと。
……もし場所がもらえたら、ですけど。


2010年7月4日 日曜日

『祝福のカンパネラ』01.「流星群の夜」

 原作ゲーム未プレイ。
 『アマガミ』と比べ、登場ヒロイン達が(主人公母まで含め)最初から攻略完了間近の様相を呈しており、後は告白イベントだけで簡単にエンディングへと辿り着けそう。
 ふわふわとした、願望充足型に気持ち良い日常から、後半では一転して何か大きな事件が起きるのかと思えば、謎気味のヒロインが一人増えただけ。

 女の子達を紹介する以外には、特に内容が無い第一話。
その分、少女達は可愛く描けているんじゃないかと思う。
 好かれるための努力を、まるっきり必要としていない様子の主人公から、ドラマの予感はしてこない。
その代わり、甘く甘く、気持ちいいばかりの作品となることを約束する導入、に出来ていたと思う。
 こういう雰囲気を好かない人間には全く向かない、抵抗無く受け取れる人間なら最後まで心地良く見られる作品、なのだろう。

 これは見逃せない!と思わせる何物も特にないが、見るのをイヤにさせられる事もなく、当座見続けて良い出来かな。



『アマガミSS』01.「アコガレ」

 原作ゲーム未プレイ。
 見たことあるキャラクターデザインだと思えば、『トゥルー・ラブストーリー』の一本を手掛けた、『キミキス』の高山箕犀か。
 細かいところまで拘った作画で、主人公の後ろの席で髪の毛を気にしている少女とか、先輩が座る際スカートの裾を織り込む仕草とか、飛ばしても構わないような所にまで気を遣っており、目を捕らえられる。

 内容は、今後登場する多数のヒロインを横並び(先輩をメインにはしてあるが)で一斉に紹介してみました、というもの。
 刀を差して登校していたり、調子外れの天才少女、といったような特異さは勿論、自分を「ボク」と呼ぶスポーツ少女やメガネのドジっ子図書委員ぐらいのアリガチ性格付けもなく、全員揃って薄いと言えば薄い、リアリティーがあると言えばその通りなキャラクター造形。

 主人公にいくらかの関心を持ちながら、まだ「好意」まで発展するには到らず、デートに誘っても「ゴメンね、日曜日はちょっと…」と断られそうな立ち位置のヒロイン達が、実に「開始したばかりの恋愛シミュレーションゲームの攻略対象が取る態度」っぽくて、楽しい。
 放課後、ヒロイン達が校内のアチコチで色々なことをしており、ドコへ行って誰に話しかけるか、によってその子への攻略ルートが開けてきそう、と思わせるのもまたゲームっぽい。
 兄に対して独占欲の強そうな妹も、なかなか可愛いと思うんだけど、彼女へのルートは存在するんだろうか。
通常ヒロインだけで数が多く、一人あたり二、三話を費やしてもかなりの話数になりそうなため、特にアニメじゃ、そこまで行く余裕はないかな。

 クリスマスにふられた心の傷を抱えている、という以外、妙な色が付いておらず、女性陣から好意を寄せられやすい容姿と性格をしている、視聴者が感情移入しやすい主人公。
 引いてしまったけど、先輩キャラの攻略は比較的容易な予感。
 強いセールスポイントは無いけれど、マイナスになるような部分も無く、見続けて良い出来かと。


2010年7月3日 土曜日

『荒川アンダー ザ ブリッジ』最終13話.「ラストサムライ」ほか

 最終回に到って新キャラ(でもないのか)を紹介するとは!
相変わらずというか何というか、人を喰った内容が、結構。

 河原に作られた自称・遊園地はヒドいモノで、ただお笑いに終わるのかと思えば、最後の最後でちょっとイイ話に落とすのが上手い。
 弱い人間には抗うことも出来ないほど強力で理不尽で悪意にさえ溢れている環境下であっても、そこに楽しい事はあり、嬉しい驚きもあり、愛おしい者も在るのだというのをテーマに描いてきた作品…じゃないかと思うが、最後にそれを強調する形になり、収まりが宜しい。

 毎回、実写による予告編が印象的だったなあ。
河童の着ぐるみが河原で遊んでいた子供達を追いかけ回すバージョンに、度肝を抜かれた。
当然ながら仕込みによるモノなんだろうけど、あの異様さは凄い。
 ここで終わり、って手もあると思うが、もうちょっと見たくもあり…などと要望を言う必要も無く、第二期が決まっているそうで、黙って放送を待ちたい。


2010年7月2日 金曜日

『伝説の勇者の伝説』01.「昼寝王国の野望」

 原作未読。
 ファンタジーはちょっと食傷気味だな、と思いながら見始め、OPで和風・時代劇調に団子を食べる女性の動きに引かれるモノを感じ、しかし内容は……

 この作品に限らないけど、「第一話は捨てている」あるいは「原作既読者にはコレで分かる、未読者は二話以降面白くなってくるから文句を言わず見続けるべし」というような制作姿勢を取るアニメ、多いなあ。
 もっと緩やかなテンポで始めたり、初回に登場させるキャラや状況を絞り込んだり、分かり易いよう構成を変えたり(このアニメが原作準拠の始まり方かは知らないが)して、構わないはず。
 第一話で大切なのは、無闇に詰め込むことより、削りながらも作品の魅力をしっかり伝えること。
ここがこれから面白くなっていくんだ、というポイントを伝え、先行きに期待を持ってもらうこと。

 勇者の遺物を求めて他国へ潜入した男女。
ここだけに注目しても、侵入した遺跡内で母国からの追跡者により(?)発動した水流の仕掛けによって追跡者リーダーと共に男が流され、何とか助かったところでリーダー女が二人の拘束を宣言するが無視、男とリーダー女の関係もよく分からないウチ、原因不明で発動した勇者の巨大遺物により遺跡は壊滅、追い回される二人だが いつの間にか女が拾っていたペンダントが謎の光を発するや謎の光線直撃により巨大遺物は消滅…かと思えば無傷で再度巨大遺物が追いかけてきて…と非常にゴチャゴチャして、どこをポイントとして理解し、何を面白いと思えば良いのか、分かり辛い。
 追跡者グループの存在が途中から忘れられているし、謎の遺物・謎のペンダントと都合良く二つも出して超常的に事態を解決するのはナニだけど、「解決しませんでした」では出来事の意味すら分からない。

 ましてや王宮のアレコレや過去の経緯など、情報として目の前を流れては行っても「理解」するには程遠い。
せめて二人組の遺跡冒険だけに、第一話は絞るべきだったろう。
 アニメの制作者自身が、原作の面白さを理解できていないのでは?
 次回から、時系列に沿って物語が進みそう…なので、一応見てみるけれど、うーん、早期に視聴終了しそうな予感。



『WORKING!!』最終13話.「デートと言う名の"決戦"、小鳥遊と伊波のそれから…」

 デートを通じ、「危険物」「教育対象」みたいに捉えてきた まひるが、特別な存在になって来ていると自覚する小鳥遊。
 視聴者にとっても、まひるは登場時、やたら男を殴るばっかりでギャグキャラとしてはともかく「女の子」的な魅力の薄いキャラだったけれど、そうなるに到った事情説明を見せられ、その困った性質を除けば普通の…男性との接触経験が少ない(無い)分 普通より純粋培養で純情可憐・可愛らしい女の子だと知ることで、彼女へ好意を抱いていく、小鳥遊と同じような感情変化を辿って来たため、感情移入がし易い。

 可愛い物好き、という小鳥遊の特質は、ちょっと異常な方向に走ることもあるけれど、今回のように女装して、子犬に駆け寄る所からすると分かる、「強すぎる母性本能(保護対象を求める気持ち)」なのね。
 まひるも女装した小鳥遊には触れるようで…
 だったら、女装で抵抗を軽くしておいて、無理矢理にでも子供(男の子)作っちゃえば良いんじゃなかろうか。
 性別は聞かずに十月十日過ごせば、お腹の中で男の子を育て上げたという意味で、まひるには強制的に自信が付けられるだろうし、産後の子育て段階になると「男の子イヤ」なんて呑気な事言う余裕など一瞬も無い。
小鳥遊はいくら愛情を与えても残らず吸収し「もっと」を要求する、恐らくは自身にとって史上最強に「可愛いもの」が得られる訳で、万々歳。
 小鳥遊なら、別に子供が男児であっても、可愛ければ愛情を注げよう。
両親から考えて子供も美形に決まっており、何なら女の子の格好をさせて見た目から圧倒的に可愛くして育てても……はっ、悲劇は繰り返す?

 この期に及んで初めて紹介が成された普通の人・松本も含め、登場キャラは皆 個性に溢れていて、それぞれの絡みを見ているだけで楽しかった。
小鳥遊家の姉妹をもっと見たかったなあ…本当、ファミレスを除いてこれだけでも一本の作品が立ち上げられそう。
 安易に「ハーレム」とせず、それどころか恋愛感情が成り立ちそうなのは小鳥遊・まひるだけ、という意外な厳しさ(?)も、気持ち良い。
 大笑いするギャグではなかったが、心地良くヘラヘラ笑いながら見られる作品。
 小鳥遊と まひるの関係はここで終わっておく方が綺麗な気はしつつ、原作は続いているのだし、第二期があると嬉しいかな。


2010年7月1日 木曜日

『迷い猫オーバーラン!』最終13話.「迷い猫、まとまった」

 DVDオマケの音声データみたいな内容。
 一話ごとのバラエティーに価値がある作品だったので、ちゃんと総集編にまとめ全体を一本のストーリーに見せる(ロボット物とかまとめようが無いけど)より、こうして「色々あった」思い出を振り返る方が良い…のかな。
 メタな視点から「何じゃこのアニメ」と突っ込んだり、声優さんとしてのコメントを聞かせてくれても良かったかも知れない。
そういうのこそ、DVDオマケにして付けるべきか。



『Angel Beats!』最終13話.「Graduation」

 最終回だったので、遅れて感想。
 結構な人数を揃えており、それぞれにある程度はキャラクターを付けてあった戦線の仲間達を、「邪魔」とばかり一掃してしまう思い切りが凄い、というか酷い。
 まあ、全員の現世での思い残しを一々聞いて、何だか満足させて消す、という、これまで何度も繰り返してきたパターンをメンバー全員分、次から次へ見せられても困ると言えば困るんだけど、こんな片付け方するなら、戦線総数を最初からもっと減して構わなかったんじゃなかろうか。

 卒業式で終わらせるのは手堅い作り。
戦線メンバー、せめてこのシーンまでは残してやって良かったような。
 スッキリ消えて終わり…にすれば良いようなモノなのに、「要するに主人公が好きな女と二人きりになりたくて、他の奴等は邪魔だから消えてもらった?」と感じさせる展開にする意味がよく分からない。
 唐突に音無との繋がりを語り出す かなでに面食らう。
「感動」に結びつけたい意図なのか…無理とか矛盾を感じさせるばかりでとても不可能だと思うんだけど。
 一人になった世界で、後から来る者達を導く役割を孤独に果たし続ける音無、という終わり方かと思えば、やっぱり「かなでと二人になりたい」だけだったようで、サッサと転生し(心臓移植話からして、死・生までに時間のズレが生じている可能性もあり、実は相当経過しているのかも知れないが)かなでを追いかけ回す勝手さに、笑ってしまう。

 この作品は、第一話で見て思った通り、誰かが見た夢の話をずっと聞かされるような内容であり、「視聴者が理解できたかできなかったか、面白いと思ったか思わなかったか」について、制作者は少なくとも第一義に考えていないと感じられる。
 見終わっても不明な部分が多々あるけど、制作者自身も明確な設定を持って作品に臨んだかどうか分からず。
 テーマ…「やってみたい事」や「映像にしてみたい気分」は持っており、それが、しっかりした設定やストーリーの制約に縛られない分、逆に面白く表現できている部分もあった。
理屈を抜いたため、見る側の感性とシンクロする箇所を持つが故の楽しさ、というか。

 死後の世界とか、そこでは死んでも死なないとか、天使とか神とかNPCとか、不可思議な設定を持ち込みながら、自分には「(馬鹿な)学生時代」の雰囲気・気分は非常にリアルに表せていると思え、そこは面白かった。
 端からは意味が分からない理屈で自分達の愚考に筋を通した気になっていたり、仲間以外の生徒や教師を「所詮NPC」と見下す傲慢さに溢れていたり、誰かを不倶戴天の敵に感じていたが話してみたら自分達とちっとも変わらない仲良くさえ出来る相手だったり、永遠だと思っていた友人との時間がある瞬間に断ち切られることに呆然としたり、学校を世界だと感じ何かと戦っているつもりで負けを認めない限り負ける事など無いと裏付けのない自信に溢れていた「時代」「時間」の気分を、とても懐かしく思い出せた。
 「神」に甘やかしてもらっているこのモラトリアムを抜けたら、世界はそんなに優しくないよ、とも思いつつ。

 だから、特に「これで何となく感動的に終わった気にならない?」と問われているような、アリモノ素材を寄せ集めた形の最終回に、ガッカリ。
 もっとやりたい放題やって、やりっ放しで終わってくれた方が、これよりは楽しかったかなあ。
 意外と ありふれたつまらない形に落ち着くのが「卒業」、と言われればそうかも知れないけど。

 「良く出来たアニメ」とは言えず、絶賛は出来ないが、嫌いになれない作品。
 自己犠牲の悪ふざけを繰り返しながら目的地へ突き進む、天使を陥れるため戦線の仲間をイスごと天井に打ち上げる、「思い残す事が無くなったら消える」設定をギャグにする、なんて所が特に好きだった。


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