ときどき日記 2010/12


2010年12月31日 金曜日

 一年前の今日、午前3時過ぎ、娘が生まれた。
つまり本日が一歳の誕生日、という事で。
 ああ、もうそんなに経つのか、と思うし、まだそんなモノだっけ?もっとずっと昔から居たような気がするなあ、とも思う。

 誕生日が大晦日な事については、「元旦と並んで、一度言えば まあ忘れられないだろう日」だからメリットはあるけど、特に子供の頃だと、学校が休みだから「おめでとう」を言ってもらいにくいし、誕生会に呼んでも来てくれない可能性があるデメリットも。
 ケーキ食べてすぐ解散の誕生会なら、来られない事もないか。
「お友達の誕生日だから」って、親から強制された大掃除をサボる言い訳にもなるし(自分基準)。
 もっと大きくなってからは、他の誰が来なくても、カレシさえ祝ってくれればそれで良かろう。
大晦日で慌ただしいからと言って祝いに来ない男なら、それは娘の事を大して好きじゃないからで、その機会に別れちゃえ。

 親は無くとも子は育つ。
こんな半人前…どころか、二人合わせても ようやく半人前に足るかどうかのダメ親なのに、どうにか子供は育つもんだ。
 大きな病気をせず、健康優良に居てくれるのが有り難い。
 置いてあったサイフから札を抜いて床にまいたり、PCの電源スイッチを長押しして強制終了してしまったり、部屋のトイレシートにしてあった犬の○○○を掴んで そこいらに投げつけたりと、悪さはパワーアップするばかりで、ヨメは悲鳴を上げ続けているけれど、まあまあ、些細な問題。

 このまま行けば、もしかして来年は二歳になっちゃうかも知れないよ、凄いなあ。



 コミケ三日目。
 ウチはスペースを取っておりませんし、なかなか出掛ける余裕もなく、お休みです。
 参加される方は、とにかく寒いので体調に気を付けて、無理しませんよう。


2010年12月29日 水曜日

『Panty & Stocking with Garterbelt』最終13話.「ビッチガールズ」「ビッチガールズ2ビッチ」

 やりたい放題のこのアニメも、最終回。
 基本、一話(十五分)完結が原則なのに、前回からストーリーを引いてきて、今回三十分まるまる一つの話…いや、シリーズすらまたごうとしている形式。

 デイモン姉妹の上位にいる強敵・コルセットの恐るべき計画、ストッキングが天界に帰り片翼をもがれる天使勢、ダメ少年だったブリーフの意外な素顔、これまでの「悪行」を無かったことにするかのようなパンティーの膜再生、愛により結ばれるパンティーとブリーフ……
シリアス寄りの展開が連続し、もう一押しで真面目な感動まで演出できそうだった。
 が、最後まで制作姿勢をブレさせる事なく、茶化して引っ繰り返して「今までの話は何だったんだ〜」な馬鹿話へと転調。
 天使側の最終兵器が、パンティー・ストッキング・ガーターベルトを身に纏った巨大女性の実写下半身だ、という悪ふざけが何とも。
意味を取るなら、天界とは自分達が生きる現実人間界のことであり、エロ・グロ・ナンセンスな行動を取る天使達を罰せず容認しているのは、最後まで視聴し続けた自分達「神」なのか。

 いかにも第二期に続く、といったクリフハンガーな終わり方をしているが、まあシャレなんだろう。
 もしかして大儲けのコンテンツに化けた場合には制作決定!も有り得るけど、「売る」って事はあんまり考えていないアニメのような。
 視聴者のご機嫌を損ねないようパターンから外れない「萌え」中心の作品を作っている…ような印象さえある現状のアニメ界で、こんな無茶苦茶なモノを作るアホな(誉め言葉も兼ねて)制作者が居るのは、いっそ清々しかった。


2010年12月26日 日曜日

 衛星で放送された映画『マイマイ新子と千年の魔法』を見る。
 事前に良い評価を聞いていたので、大いに期待しての鑑賞。

 丁寧な作画と美しい美術、懐かしい昭和の風景を再現する緻密さと子供達の気持ちを確かに伝えてくる高品質な演出。
画面の素晴らしさには、言うこと無い。
 が…
 お話らしいお話が無く、懐かしく心地良い気分を描き出す演出のみ目立ってしまい、内容に入り込めない。
 挟み込まれる千年前少女の生活がまた、上手く物語に乗らず、バラけた印象ばかりを強調してしまう。

 残念ながら、自分には合わないタイプの映画…かと思っていたところ…
 穏やかさを一気に突き破る事件に、度肝を抜かれる。
まさかこうなるとは!
 新子の「明日の約束の仇討ちじゃ!」というセリフにガッと心を掴まれ、そういうシーンじゃないと思うんだけど、何だろう、ちょっと泣きそうに。

 子供達にはどうすることも出来ない現実の壁を描くのかと思えば、いや実際そうではありつつ、全く取り合わない恐ろしい大人ではなく、もしかして選択次第では運命を変えられたかも知れない「人間」相手の話としており、逆にズシリと胸に堪えてしまう。
 ホンの僅かなことで人生は変わる。
千年前も今(昭和30年代)も、人は些細なことで喜んだり悲しんだり分かり合ったり断絶を感じたりする。
でも、ある限りの勇気を振り絞って一歩踏み出さなければ、決して迎えられない明日、その連続が千年の時間でもある。
 うーん、上手く言葉に出来ない。

 見終わって振り返ると、バラけて思えた保険女医のエピソードも、子供達が作った小さなダムで飼っていた金魚の名前と経過も、貴伊子の母も、アレもコレも、独自のラインとして流れつつ他の要素と混ざり合って大きな意味を持つよう設計されていたんだなあ。
 「こういうテーマを描いた、こういう作品」と一言で語ってしまうのが憚られる、複雑な、でも何も分かり辛くはない、凄い映画。
 もう一回、最初から、伏線や隠喩など逃さないよう見返してみたい。
結構、印象が変わりそう。



『えむえむっ!』最終12話.「クリスマスの願いごと」

 主人公がドMだ、という設定は、他にない強烈な特性であり面白味でもあったけど、無理があると感じられる場面も多々あり、上手く使いこなせていたのかは最後まで難しいところ。

 記憶喪失によりドMが一時的に治る話は、以前の催眠術話と印象が非常に似通ってしまい、うーん。
 二つの話で、メインヒロイン二人が主人公に寄せる気持ちの変化を感じ取らせたかったのだろうが、美緒もデレな姿を かなり前から見せており、差が分かり辛い。
主人公の位置を一般的萌えものより変則的にしてしまったため、視聴者に心地良さを感じてもらえるヒロイン達との距離が限定され、バリエーションを付けるのが難しいのかな。

 典型的ツンデレキャラ、とはいえその魅力を全開で発揮してくれる美緒は魅力的。
 トラウマの開示と解消(?)以降はちょっと弱くなってしまったが、嵐子も可愛いことに違いなく。
 女装美少女・辰吉と主人公の関係は、もっと力を入れて彫り込んでも面白かったような。
ただ、異常な主人公に対し、異常なヒロイン?を余り強力に絡めると、相殺されて逆に楽しさが薄れる恐れもあるか。
 バカ全開、肉親の情を遙かに超えて都条例に引っ掛かりそうな願望を丸出しにしている主人公の母姉が、一番好み。
彼女らが記憶を失い(催眠術にかけられ)ごく普通の一家になってしまう話も、見てみたかった…主人公は、安心する・物足りなく思ってしまう、どっちだろ。
本編中で近親妊娠騒ぎまでされては、同人誌で出来ることなんて もう無い?


2010年12月25日 土曜日

 朝起きたら枕元に、靴下には入りきらない大きさだけど、小さな可愛い女の子が居たよ。
去年のクリスマスには居なかった。
 サンタさんありがとうありがとう。
今更だけど、一生分プレゼントもらった気分。
 ワシが もろーたんじゃー!ウチの娘だー!誰にもやるもんかー!嫁にも行かせるもんかー!と叫んでいたら、ヨメが「いや嫁には行かせてやりなさいよ」と突っ込む。
 ちぇっ、と思いつつ ちゅーしようとしたが、「いやっ」という感じに両手で顔を押し退けられて、いきなりブルーな気分。

 まだ親と一緒にケーキもチキンも食べられない(鶏は離乳食に混ぜれば少しだけ)のが、残念。
 プレゼント上げようったって、「欲しいもの」の概念すら あるまいし。
 クリスマスを親とだけ過ごしてくれるのは、あとどのぐらいの期間なんだろうな。
確かにまあ、あんまり長い年月 親子水入らずばかりで過ごすのも心配と言えば心配か。


2010年12月24日 金曜日

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』最終12話.「俺の妹の人生相談がこれで終わるわけがない GOODEND」

 前回、妹が突然にデレ化したなあ、と思っていれば、その理由付けが明かされたけれどもコレまた唐突な海外留学話。
こんな伏線、あったっけ?
 例え桐乃が口止めしようと、荷造りもあろうし親が心配するような様子もあろうし、いくら鈍くても、まるっきり気が付かなかった、なんて事あるのか兄ちゃん。
 まあ、何となく小説書いたら大ヒットとか、アニメ化になったけどその後は状況・心境の変化について特別フォロー無しとか、この作品は周到な描写より急激な展開に重きを置いているようだから、今更。

 それにしても、留学取り止めの急転直下ぶりには唖然。
もう一段階の「デレ」があって、それから…のオチだろうに。
 と思いつつ、桐乃による暴行から後を見直してみると、ああ、「ベッドで目覚める京介」「ゴミ箱に詰め込まれた血が付いたティッシュ」に、殊更分かり辛く容易にイベントを想像させない「意味」を込めてある、という事なのかな。
翌日の兄貴の様子から、同意の上でなく彼が気絶中の出来事?
 いや、桐乃は恐ろしくワガママ勝手な女の子に設定されているため、やはり「急に(兄絡みで)行きたくない気分になった」だけかも知れないけど。

 全体に、良く出来たストーリーであったり作品だったかというと、疑問。
しかし、良くあるパターンに乗らず、メインヒロインである桐乃にも理解しやすい魅力を付加していない…黒猫の描写とか見ると「できない」訳ではないので、やはり「していない」…のに、先を気にさせる不思議な力がある、変なアニメだった。
 オタク擁護、みたいな部分もあったが、逆に、10話「俺の妹がこんなにコスプレなわけがない」での、イベント会場で見せる桐乃の醜態、夢の完璧コスプレ美少女が持つ猛毒、邪険に扱われるオタク憧れアイテム等々、とてもじゃないが好意的に描いているとは思えないところもあり。
ついでに…これは、桐乃のため自身が持つ抵抗を乗り越えて何かしたいと思う あやせの話だったと思うんだけど、結局彼女は友達を上手く騙して(結果的には騙してない?)欲しいモノを手に入れただけで、何の犠牲も払ってない、という歪みっぷりが凄かったなあ。

 萌え作品としてごくマトモな、センターの性格をしている麻奈実、それから電波とマイナスにまで落ち込む地道な日常生活のギャップが凄まじかった黒猫が、良い感じ。
 桐乃も、好感を持てたかはともかく、強烈であり断固とした性格をしていて、面白味があった。
 何というか、口当たりが良く美味しいけど主食には成り得ない、駄菓子みたいなアニメ。
 お金を払ってまで「TRUE END」を追うかは、見た人の感想次第、という事で。


2010年12月23日 木曜日

 娘、指先がよく動くようになってきて、色々な新しいこと…主に悪さ…をする。
 例えば、PCの蓋を体重かけ開け閉めして壊したり、床掃除用のコロコロを犬にかけて毛をむしろうとしたり、リビングに倒れ寝ている親の頭蓋骨を絵本のカドで粉砕しようとしたり、そりゃもう暴れ放題。

 中で、不思議だったのが…
 犬が水を飲むための、こんな感じの器具
ペットボトルに水の飲み口を付け、大きなボルト状のモノを、犬ケージを挟むようにネジ込んで取り付けてある。
 娘は、コレが何だか珍しいらしく、近寄ってはグイグイ引っ張ったり。

 ある時、ふと見ると、この犬水飲み器が床に転がっていた。
娘が力任せにムリヤリ引っ張って外しちゃったんだな、と思ったが、ボルト状のモノはそのまま付いている。
 コレを取ってからでなくては、ケージの細い隙間を通り抜けるのは不可能。
 一度ボルトを取って、本体を床に置いてから元通りネジ込んだものか。
壊す・分解するのは得意でも、元に戻した試しがないんだけど…

 それはまだしも、別の時、水飲み器をガチャガチャやっていた娘が静かになったので見ると、また本体が床に置かれていた。
 これが…前と違うのは、飲み口を外し、ペットボトル部分のみ置かれていたこと。
 写真で見て分かる通り、ペットボトルは逆さにしてケージに取り付けてある。
飲み口器具からネジって取る事自体は別に難しくないが、まだ一杯に水が入っているペットボトルを、床にまるで水をこぼした跡無しに外すのは、大人でも難しい、というかどうやれば良いのか分からない。
一度ぐるりと回してペットボトルに上を向かせ、ネジり取って、また飲み口器具を元通りの方向に戻せば出来るか…それがゼロ歳児に可能かどうかは置いて。

 犬水飲み器にのみ特殊な能力を発揮する、「犬水飲み器エスパー」なのかも!
……役に立たなそうだなあ、その力。


2010年12月12日 日曜日

『えむえむっ!』10.「サディスティック嵐子嬢」

 主人公…であろう男の子が、ドMの変態でありながら まっとうなイイ男でもある、という矛盾した非常に扱い辛い設定を、上手く使いこなしてこの作品ならではの面白さを醸し出している話と、やっぱり持て余している話があるような。

 8話「BでLな変愛模様」は、太郎の内面にグイグイと踏み込んでいく内容で、興味深かった。
 催眠術によってMの性癖を封じ込めるや、他方に歪みが生じてくる、という。
 ロリ少女とか、妙に可愛い親友男子とか、更に可愛い?自身の女装姿とか、変な方向へ彼を導く要素は回りにゴロゴロと転がっている。
 しかし、一番簡単そうであり危険な「母・姉との近親関係」には目覚めないのね。
美女二人から常に迫られている訳で、少しは関心を向けても良さそうな……徹底して忌避する態度から、彼の異常性はココをスタートにしているんじゃないかという疑惑すら。

 Mというリビドーの噴出口をふさいだため、溢れ出てきた性傾向は、もしかすると他者を傷つけるかも知れないものであり、太郎はそれらの発現を恐れる余り「自分を傷つけてもらう事こそ快感」な性質へと心の歪みを一本化し、他の危険な?嗜好を押さえつけているのでは。
 どーにもならない変態でありながら、その中にこういう「苦難の道」を選んだ心根の好さ・優しさが見えるので、太郎は女の子達から好かれるのかも知れないな。


2010年12月8日 水曜日

 電子レンジがプチンというような音をたてて、ご臨終。
十年以上も酷使してきたからなあ…結構ガタが来ていたこともあり、通販で買い換えを決める。
 しかし、到着までに時間を要し、特に〆切の最中は食料関係を電子レンジに依存する割合が多いため、現状、まるで使えなくなってしまうと困る困る。
 買って冷蔵庫に突っ込んであるコンビニ弁当なんか、どうしたものだか。
冬なのでさすがに冷たいまま食べる気にはなれず、フライパンで火を通すとか、ご飯は炊飯器に入れておくとか考えるが、どれも多少なりと時間が掛かってしまうので悲惨な仕事の最中は歓迎できなくて、つい「そうだ、娘の哺乳瓶を簡易煮沸消毒する容器にバラして入れ、電子レンジに突っ込めば手間なく暖まるぞ」とか思い始めていることに気が付き、だからレンジは使えないんだって!と自分で呆れてしまう。
 この便利な機械が使えない日常、というのを想定していなかったからなあ、オタオタするばかり。

 娘、つかまり立ちが かなり上手くなり、立ち上がってはこれまで手が届かなかった高いところにあるアレコレを引っ張って落としまくるので、部屋がムチャクチャ。
 仕事中、机の下から小さな手が にゅ〜〜と伸びてきては、リモコンやミリペンやマウスを掴んでまた下へと消えていく。
 それも更に進化を遂げており、前まで下ろしてきたモノはただポイと床に投げ出していたけれど、最近はしばらく じ〜〜っと見て、考えるような顔をしてから、決然と横に置いたゴミ箱に突っ込む場合が。
判断基準は分からないけれど、「それは勘弁して」という物品をゴミ箱に、比較的どうでもいいものは床に放り出してある確率が高い。
 これを「悪魔の、もとい天使の事業仕分け」と命名。
 賢い……んだかどうなんだか。
親を困らせる才能があるのは、確か。


2010年12月4日 土曜日

 そんなヒマなど無いのに映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』を見てしまう。
 詳しく内容には触れてないつもりだけど、未見の方は御注意。


 う、う〜ん、良いところと悪いところ相半ば。
 誉められるところは結構多くあるんだけど、大きなところが愕然とダメだったりするので、評価が難しい。
しかも、その悪いところにしたって「ヤマトって元々そういう欠陥のある作品だ」とも思え、更に難しい。

 キムタクは、「古代」と感じさせてくれるシーンがほとんど無い、といっても新たに「キムタク古代像を作り上げている」という訳でもなく、まあこの人 主演のドラマは大抵そうなんだけど、最初から最後までほぼ「キムタク」が画面に映っているとしか思えない。
だからこの映画は、「ヤマトに乗っているキムタクの物語」。
「『SMAP×SMAP』のコントには見えなかった(見えるシーンが少なかった)」ので、良かったか。
 黒木メイサの森雪は、主演女優をよく知らないせいもあり、新しい森雪として無しでもない。
アニメ版 森雪とは全くと言っていいぐらい被らない設定・性格付けのため、見終わっても「森雪が出ていた」印象は薄く、喧嘩っ早い凄腕パイロットぶりは『ギャラクティカ』女性スターバックと混同してしまいそう。

 この二人の愛のドラマが、申し訳ないんだけど、ウザい。
最初は反感を持っていた男女が次第に好意を強め、やがて…というのはキムタクドラマの基本パターンでは。
だから、(彼のドラマをそんなに見てる訳でもないけど)「もうコレ見飽きた」などと思ってしまう。
 二人の愛で泣かせようとするのは、前提となる感情の積み重ねが余り上手く描けていないことと、「そんな事やってる場合か!」により、無理。
といっても、劇場では女性の すすり泣く声が聞こえてきたりしたので、ヒネていない、和製ムリヤリ泣かせ映画でもホロリと来てしまう素直な観客には、効果アリなのかな。

 柳葉敏郎・真田は素晴らしい!
特に声、時折 青野武本人だとしか思えない事があるぐらい似せている。
 出演シーンが少ないのは残念…古代との絡みも僅かしかなく、ためにラスト近くの決めゼリフは初見観客にとり「??」と思われそう。

 ストーリー。
 イスカンダルから届いたメッセージカプセルの下りをちょっと変えて、「なるほど!それなら希望が持てる」と感じさせるのは上手い!
遙かな旅に出る動機付けに、オリジナルより強い「不安」を混ぜてくるのも、面白い。
 ガミラスが、超兵器による奇想天外な攻撃を掛けて「こない」のは良し悪し。
アイディアや画面の面白さが減っている反面、戦争としてのリアリティーは増していると思えるので。
 波動砲の扱いが軽いのは残念。
何故ここで波動砲なのか、の理由付けが弱いのは、思い入れの弱さか。

 とにかく上映時間が短すぎ、説明不足や物語の省略、キャラクター彫り込みの薄さが目立つ。
これで14万8千光年旅をしたと言われても、まず観客は実感が持てないだろう。
 それはテレビアニメ再編集映画版『ヤマト』だって、独立した一本の作品として見たら同じ事…でもあり、難しさは分かるんだけど。
 前・後編に分けての公開か、せめて三時間あればもっと……

 大好きな あのシーンが無い、設定変更も…どうだろう、物語をヒネったため沖田艦長のセリフが妙な意味になってしまった、ただでさえ時間が足りないのに こんなモノ入れなくても、などと原作ファンとして文句を言えば果てが無く。
 しかし、ここは面白い、巧くまとめた、ドキドキさせた、(CG、セットなど)日本映画にしては安っぽくなくホントに頑張った、と誉めたくなる部分も、またあり。
 劇場で見て、損をしたとは思わない。
好きか嫌いかで言えば、好きと言える。
 オリジナル一作目や『さらば』には及ばないが、『YAMATO2520』『大YAMATO零号』なんかよりは、ずっと正しく『ヤマト』。
 ヤマトが地球を飛び立つところまで、BDで買っても良いと思ってた…んだけど。
 ソフト化されたら、また見てみたい。
その際、繰り返し見たいところと、早送りで飛ばしてしまうところが出来そうだなあ。


2010年12月3日 金曜日

『侵略!イカ娘』09.「ピンポンダッシュしなイカ?」「メイクしなイカ?」「秘密兵器じゃなイカ?」

 一本目、ピンポンダッシュのイタズラをしようとした事から始まる、急に出来たお友達と恐怖の物語。
 勘違いから恐れまくってジタバタするイカ娘が可笑しい。
しかし、最後には何よりも友達を優先し、「命を賭けて」彼女を助け身を投げ出すイカ娘のバカさと健気さが素晴らしく、うっかりホロリ。

 イカ娘は、特殊な身体能力以外、物質的にも人間(イカ)関係的にも何一つ持っておらず、そのためこの作品は「彼女が何かを得ていく」物語になっている。
 彼女は、家族や利害関係の絡んだ関係者なら大勢居るけれど、ただ一緒に居て楽しい友達、というのは初めて出来た…事になるのかな。
常識も雑念も無い(侵略の意図は時々思い出す)が故、ストレートに感情・友情を表すイカ娘が可愛い。

 前回、最後のエピソード「ささなイカ?」で、傘に思い入れてしまう様子も良かった。
たかが傘を持っての大はしゃぎを「バカだな〜」と思って見ながら、こちらまでいつの間にか「イカ娘が大切にしているから」という理由で傘に気持ちを入れており、だから破損して悲しむ彼女の姿は悲しく、もう使えないだろう それを大事に持って帰る純粋さは嬉しく、エンディングでボロボロになった傘をさすイカ娘にホロリと来てしまう。
 感情を揺さぶるのが上手いアニメ。
そうしなければ「笑い」を生み出せないんだけど、方向をちょっとだけ変える(真っ直ぐにする?)だけで、「泣き」にも繋げられる。


ときどき日記・目次へ

10/11の日記を読む