ときどき日記 2011/04


2011年4月29日 金曜日

 第一シーズンを見終えた米ドラマシリーズ。

『FRINGE(フリンジ)』
 J・J・エイブラムスが手掛けるSFドラマ。
 シリーズを通した敵…というか陰謀というか…は存在するけど、基本的に『Xファイル』風、一話完結形式。
 多くの事件について、捜査をしていると、ヒロインがチームに引き込んだマッドサイエンティストお父ちゃんが「ああ、そういえばアレ私が昔作ったモノだ」とか唐突に言い出し、目が点になる。
こんな話の作り方アリか…
 まあ、このお父ちゃんの壮絶に立ったキャラクターが作品の魅力の90%ぐらいを占めるとさえ言えるから、いいんだけど。
 マッドサイエンティスト、といっても大抵の作品ではもうチョイまともなものだが、お父ちゃんは本当にイカレてて、会話が通じるようで通じなかったり、無茶苦茶な行動を取ったり、善悪の基準が見当たらなかったり、正にマッド。
 オヤジを見ているのが楽しく、ヒロインの隠された過去やらストーリー上の仕掛けなんかは割合どうでもいい気分。

『ウォーキング・デッド』
 「ショーシャンクの空に」のフランク・ダラボン監督がプロデュースから(一部)監督も務める、珍しいゾンビ物のテレビシリーズ。
 最近の流行りである全速力走行ゾンビではなく、由緒正しいモタモタ歩きを採用してあるのが嬉しい。
猛スピードで追いかけてくるタイプも、それはそれで緊張感があり悪くないんだけど、ワビサビ、趣と癒しがあるのは やはりヨタヨタ歩きの方。
 お金が掛かっていて、ゾンビのメイク等も安っぽくなく、画面には見応えアリ。
 ただ…ロメロ一連の作品や『バイオハザード』『28日後...』『ショーン・オブ・ザ・デッド(ゾンビ群突破のアイディアが…)』その他多くの同ジャンル映画から要素を抜き出して構成したソツの無いストーリー、と思え、新しさや、シリーズとして時間が掛けられるからこそ見えてくる何か、という部分の魅力はまだ弱い。
切り口としては『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』の方が、優れてるなあ。
 第一シーズンは全6話しかなく、色々と気になる引きを残しているから、この作品独自の面白さが表れるのはこの後かも。
 長期シリーズになったとして、「ゾンビ化ウィルスを生み出した組織と主人公らの戦い」とか「知性を持ったゾンビ出現により地上の覇権を賭けた最終戦争になる」なんてテコ入れが始まると「ゾンビ物」から外れる可能性があり、かといってゾンビ対人間だけじゃバリエーションが限られ、人間ドラマもそんなには深くないので、今後の展開はなかなか難しかろう。
 刑務所が舞台になるという第二シーズンを、取りあえず楽しみに待ちたい。


2011年4月28日 木曜日

『Aチャンネル』03.「同級生」

 原作未読。
 キャラや雰囲気の印象は、『けいおん!』か『ひだまりスケッチ』といった所。
ユー子の外見や弄られキャラとしての特性など、澪を彷彿とさせるし。
 でもまあ、当然ながら作品としての中身は違う。

 『けいおん!』でも梓が居たけれど、この作品では、より、学年の差、僅か一年程度のことではあるけれど学生時代は越えがたい壁ともなる上級生と下級生の関係を、(ここまでは)メインで描いている。
 大好きな幼なじみで ごく親しくしていたが、一年遅れて高校へと進学してみれば、るんに同級生の友達が出来ていたことで、トオルの感じてしまう距離。
 天然で幼くもあるため、そういう微妙な気持ちに気付かない るん。
 「下級生として」トオルを可愛く思い、仲良くするユー子とナギ。
 るんとの距離を自分からは遠ざけまいと(単に苦手なタイプだったから?)、同級生の友達を作るのに消極的なトオル。
 誰にでも覚えがあろう、身近で些細な出来事。
 自分も、高校時代、学年が上がって仲の良かった友人らと一人クラスが別になり、長い休み時間には別校舎にある彼らの教室まで遠征していた記憶があるもので、凄く良く分かり、懐かしい。

 女の子達はみんな可愛いけれど、やっぱりトオルに注がれる制作者の愛情を感じてしまう。
 未熟で暴力的なところがあり、裏腹にしっかりした優等生的な側面も持ち、るんに対して姉のように世話を焼き、でも妹のように甘える。
複雑なキャラだが、それぞれの要素が魅力を主張し、全体として「凄く可愛い」少女に見せるバランスが素晴らしい。
 こんな妹か娘が居たなら、ベタベタに可愛がるな、いや、面白がって遊んでしまうか。

 仄かに色っぽさ(エロではない)の絡むネタがあるのは、『けいおん!』『ひだまり…』との差異。
さすが『咲-Saki-』の監督作品、と言うべきか。
 構えず気楽に女の子達のドタバタを楽しめば良いアニメ。
 視聴継続。


2011年4月27日 水曜日

『Dororonえん魔くん メ〜ラめら』03.「大きいことはイイコトか?」

 原作は、相当に古いもの…連載は三十八年ぐらい前なのか…だけど、単行本でかなあ、既読。
…といっても、一番最初のモノのみ。
 Wikipediaで見ると、他にも展開されてるのね。
成長した姿で『バイオレンスジャック』に出ていたのとか、知らなかったな。

 今回のアニメ版は、過剰なまでに「昭和」を意識した内容になっている。
 設定年代やキャラの服装、セリフ回しも。
「そうは問屋が卸さない」なんて言い方、恐ろしく久しぶりに聞いた。
若い視聴者は、「ハア?」と思うんじゃなかろうか。
 やたら当時のCMコピー文句(「ダッダーン、ボヨヨンボヨヨン」なんてのもある所から、昭和であれば年代は問うてない?)が口にされる他、ギャグの作り方まで昭和風に古い。
だから、懐かしくはあっても笑うところまで行かず…オジサンにとっちゃ癒し系ギャグか。
若い衆には逆に新鮮に映る、のであれば良いが。

 しかし、この三話目のギャグ暴走は可笑しかった。
馬鹿エロを延々見せたまま、戦いもナシでエンディングになだれ込むとは。
 「おい、エンディングまだ早いぞ!」タイプのギャグも映画等では無くもないけど、アニメじゃ珍しい。
『ああっ女神さまっ 小っちゃいって事は便利だねっ』で あったような記憶。
 どうせならあのまま本当に終わって、次回はナニゴトもなかった格好で新しい話を始める手もあったろうが、そこまで暴走が行き過ぎると「昭和」から外れる?

 ハンマーで戦いの決着を付けるスタイルは、米たにヨシトモ監督『ガオガイガー』からのセルフパロディか。
 今風と違う、永井 豪体型での お色気シーンも懐かしく目に嬉しく、色々な意味で年寄りには嬉しい仕上がり。
 視聴継続。


2011年4月25日 月曜日

『魔法少女まどか☆マギカ』最終12話.「わたしの、最高の友達」

 面白かった。
非常に良く考えられていて、作り込まれた作品。
 いくらか投げっぱなしになるだろうと思っていたけど、ほとんどの謎や不明点について絵とセリフでしっかり答を示していく、最近ではなかなか見ない誠実な終わり方。

 ほむらの側から見せることにより、世界は全く違った様相を呈し、不可解だった彼女の行動が持つ意味を浮き上がらせる10話は、凄い。
 時間に関わる能力は便利すぎ、よっぽどのバランス感覚と厳しい目をもって描かない限り作品を緩ませてしまいがち。
そこを、「次第に戦い方をマスターして強くなっていく ほむら(限界はある)」「しかしどうしても助けられない まどか」「ほむらにとって最も辛い まどかの死を何度も見なければならない呪いにも似た力」と見せていき、もう ほむらの心が壊れかけていると描くのが巧い、というか悲しすぎ。

 どれが本編のラストシーンであっても納得できなくはないレベルで作られた、バッドエンドのバリエーションとアイディアにも感心。
これは耐えられないなあ…
 能力的なものではなく心の問題として、耐久限界が来ているとする作りに、なるほど。

 ほむらの、時間停止を用いて、ではあるけれど、「暴力団事務所などから武器を盗み出して使う」魔法少女としてあるまじきにもあるまじき過ぎる即物的な戦い方に、ちょっと笑うやら納得するやら。
 彼女の力が、まどかを、繰り返される時間の中で特別な存在へと変えてしまう、この考え方も素晴らしい。

 まどかの願いは、全てを無かった事にしてゼロからやり直すか、キュゥべえ達の種族が関わってこない時間軸に移動する、死んだ魔法少女を全員生き返らせる、といったモノになると予想していたけど…
 どれにしても良い結果が待っているとは限らない(特に、人類史からキュゥべえは除外できない)としてあり、難しい。
 魔法少女達が抱いた願いはそのままに、絶望に変わる最期だけ回避する、抑制の効いた、しかし恐ろしい程の まどか自身による犠牲を伴う選択。
 悲しく切なく、でも希望を残す、「作り手の人間性が表れた」とさえ言える終わり方。
 凄い、これは凄い。

 新たに魔法少女達の敵として出現した魔獣って、まどかが作り出したもの?
魔法少女らの死に際して彼女が吸い出した絶望が、単独で形を取った存在、とか。
 倒して残るのだろう黒いカケラは、感情を伴った転落ではないから前世界で収拾していたもの程ではないけれど、エントロピーに関わらないエネルギーではあろう。
 吸い取った穢れと共に切り離した、恐ろしいほどの力を持つ まどかの一部が具現化したもの、とも考えられる?
 キュゥべえ種族の地球来訪目的はキープし、魔法少女の願いを否定せず、ベスト…かは分からないけどベターな解決法として素晴らしい。
 外的な敵である魔獣の存在により、魔法少女とキュゥべえの関係が、一般的魔法少女とマスコット使い魔に似た形へと変化するのが何とも。

 感想はまとまり無くモヤモヤと。
 それでもまとめると、原作を持たないオリジナルアニメとしてはこれ以上望むべくもなく良く出来た、圧倒的に良く考えられており、哀しいけれど後味良く、見終わってもう一度 第一話から見返したくなる、面白い作品だった。


2011年4月24日 日曜日

 WOWOWで放送された映画『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』を見ていたら…ええと、これは大して意味のある設定でなく、ネタバレとも言えないと思うから書いてしまうけど、気になる人は読まないでね。

 クライマックス、戦いの舞台がスリーマイル島の原発だったので、微妙な気分。
バトルアクションだから、当然のようにドッカーンと破壊されてしまうし。
 東日本大震災の前に作られた映画であり、細かい意味なんか無い娯楽作、と分かっていても「ただの背景」としては見られずフクザツ(当然ながら、それで映画の評価を下げることは有り得ないが)。
 当分、地上波放送は難しそう。
 本編中の設定では、本物の原発じゃなく組織の偽装基地だった可能性があり、壊したって汚染が起きないのかも知れないな。

 ああ、映画は、アクションは頑張っていると思うけど内容が「ウルヴァリン誕生秘話」であって、彼のファン以外なら見ても見なくても、というモノであり、血縁者との確執・かつて所属していたスーパーチームに追われる恐ろしさ等々 面白そうな要素は揃えつつ、どれも描き込み不足で淡々としており物足りない。
オヤジはアレで終わりなんかー、とか。
 最強なハズの敵が余り強そうに見えないのも、難点。
 でもまあ、さすがにお金が掛かっており、退屈することはなくスッキリ見終えられる(続編へと引く要素満載だけど)、これぞ娯楽作、ではあろうか。


2011年4月23日 土曜日

 昨日は一日、異常が出たヨメのVAIOを直そうとして潰れてしまう。
「ati2dvagが正常に動作しなくなりました」と言われ、再起動を繰り返す症状。
 ボードの接続を確認したり、ドライバを入れ直してみたり、でも無駄。
 試行錯誤の末、結局、その面倒なシロモノを消してしまえば取りあえず動く、という事が分かり、解決…?
 疲れた……PCの異常は、詳しくない人間にとってなかなか手に負えないなあ。


2011年4月21日 木曜日

『変ゼミ』02.「食と嗜好から見る快楽様相に関する考察」

 原作未読。
 アニメが始まってから、雑誌連載のモノを読んでみたけど、「カニバリズム」とかをテーマにした話で うわーうわー。

 萌えとかエロをアニメに求める現状への、アンチテーゼというか嫌がらせのような作品。
 キャラは可愛いのに、カルピス原液を更に十分の一程度まで濃縮したような、素では飲み込み辛い濃すぎる内容にしているため、これで興奮できるかは、ネタと、視聴者の嗜好が合致しているかどうかに寄る。
ズレがあった場合、「笑えない」ぐらいなら穏やかな反応で、作品自体を拒絶する可能性さえあるだろう。
 ギャグだから、細かいこと言わない、違和感やら異物感も楽しさの内、と考えられない視聴者には、向かないかも知れない。

 現在のアニメ業界を、ぬるいとか腐っていると考える制作者は、このアニメに関わるべきじゃなかろうか。
「お前らが見たがっている(会社が作れと言ってる)作品傾向を突き詰めるとこんなトコまで行っちゃうんだよ!」という意味で。
 そんな気持ちが通じるかどうかは分からないけど。
 この作品が目指す「面白さ」の設定は明確であり、そこへの到達度も高いため、認められない視聴者にも「つまらない・出来が悪い」訳ではなく「自分に合わない」内容なのは理解できるだろう。

 このアニメを見て「うわー」「勘弁してー」と感じるのは、マトモな証拠。
自分も、面白がりながら、少々引いてしまう部分がアリ(職業柄、それが誉められた事かは知らず)。
 心を揺さぶり、常識を危うくさせる、アブナい作品。
 視聴継続。


2011年4月19日 火曜日

『よんでますよ、アザゼルさん。』02.「魔界のプリンス」

 原作未読。
 芥辺とアザゼル、ベルゼブブらのキャラクターが強烈・極悪で面白い。
彼らだけでストーリーもギャグも十分もってしまうが、アクが強すぎ、薄い客層を遠ざけてしまう可能性がある。
 そこに、ごくごくフツーの女の子である佐隈りん子を入れ、常識的視点から世界を描くことで悪辣さを良い加減の濃度に押さえ、見易くしているのが上手い。

 キャラを活かしたドタバタのギャグだけで構わない内容だけど、意外と真面目にゲストの人間性を暴いていくドラマになっており、感心。
大学ゼミの教授なんて許せないほどの悪人じゃなし、ここまでせんでも…とは思うが、まー悪魔と関わって そうそう幸せになれるはずもなく、仕様のない事か。
 監督・水島努らしいブラックな笑いが横溢しており、お子様にはお勧めできない深夜アニメらしい作品で、楽しい。
 十五分、という短さも、ギチギチに濃い味付けからすれば丁度良いのかも。
 視聴継続。


2011年4月18日 月曜日

 出崎 統が亡くなる。
 ニュースを聞いた時、ちょっと、悲鳴に近い声を出してしまった。

 氏の手掛けたアニメで、好きなものを上げると…
『エースをねらえ!(テレビ・劇場版・OVA)』『ガンバの冒険』『家なき子』『宝島』『ベルサイユのばら』『あしたのジョー2』『おにいさまへ…』『白鯨伝説』『コブラ SPACE ADVENTURE』『ゴルゴ13』『ブラック・ジャック』…
果てが無く。
 『ルパン三世』のスペシャルや、ごく最近の作品には首を傾げるモノがあるけれど、「ほとんど好き」と言って良いぐらい。

 『宝島』のワクワクする面白さとシルバーの「漢」としての格好良さ、『ガンバ』の文字通り大冒険模様とノロイのゾッとする恐ろしさ(山小屋で一人過ごす男のエピソードも忘れがたい)、『家なき子』ビタリスの重い人生訓とレミの瞳、『あしたのジョー2』で見入らされたジョーの生き様、どれも、見た当時大きく影響され、今の自分を形作るに必要不可欠な作品。
 『コブラ』劇場版や『ゴルゴ13』『ブラック・ジャック』『白鯨伝説』なんかは、「傑作!」と言って良いかどうか分からない内容ではあるけれど、何故か何度も見返してしまう、魂が引かれる作品だった。

 とにかく突然で、頭が上手く回らない状態だけれど…
 67歳……まだまだアニメ史に残る、そうでなくても自分の心にはガツンと食い込んでくれる、凄いアニメをガンガン作れる年齢だったと思え、この逝去は残念というか、虚脱感。
 表面的に見える演出的特徴の模倣やパロディーならともかく、きちんと後継する人間の居ない…出来ない独特のスタイルを持ち、高いクオリティーの作品を送り続けた、アニメ界の巨人。

 ありがとうございました。
本当にありがとうございました。
 心より、ご冥福をお祈りいたします。



 余震…地震?が頻発しすぎて、落ち着かない。
その度、娘やら犬を抱えて脱出口であるドア付近まで避難しなくてはならないから。
 ヒマな時だったらまだしも、〆切の最中にこれだと、ようやく調子が上がってきたところで気持ちを散らされてしまうため、再度集中するまでに時間ロスが……

 いや、こんなのは恐ろしく甘えた話で、被災された方達は泣き言いうどころじゃなくて生きた心地がしないんだろうと思うが。
 早く落ち着かないかなあ。


2011年4月10日 日曜日

『そふてにっ』01.「あされんっ」

 原作未読。
 テニス部を舞台にした『けいおん!』かと思ったけど、ギャグについて「笑わせよう」という意図が強いのと、何よりエロ系統サービス要素が大きく違う。

 ギャグについては、笑える・笑えないの差は視聴する個人の感性に寄るところが大きいので単純に成功・失敗を言えないが、個人的には「エラく派手に滑ってるなあ」としか。
 ボケを詰め込みすぎているため、上手くツッコミきれず、全体としてピントが外れた内容に思えてしまう。
「ツッコミ所、そこ?」といった違和感まで含めてギャグにしたいのかも知れないが、ゆるい雰囲気で笑わせるには難易度高すぎ。
 数人の可愛い女の子が登場しているので、エッチな要素はセールスとして強力そう。
 作画は悪くなく、目に楽しい。
 笑い、あるいは心地良い雰囲気で勝負できる段階になれば、それにプラスしてお色気、という合わせ技が生きてくるかな。

 第一話は、まだ色々な売りがバラバラに入っているだけに思え、キャラに馴染みがない事もあって楽しめる所まで行けず。
 女の子達のキャラが確立し、この作品ならではのギャグも決まってくれば、良くなるだろう。
 負担になる内容ではなさそうだし、出来る限り視聴継続。


2011年4月9日 土曜日

 テレビ朝日が見られる方は、深夜0時半からの『フラッシュフォワード』を見てみては。
 一話、二話…三話ぐらいまでは、もの凄い面白さだと思う。
お金も掛かってるし。
 その後、謎の提示や興味を引っ張っていこうとするエピソードの連続で頑張っている、とは思いつつ、「まさかこんなコトじゃないよね?」と恐れられていた大体その通りでガッカリの真相とか、ヨメさんが別の男とくっつくのかどうかといった「どーでもいい」所にやたら時間を取られ、テンションはグイグイ下降気味になってしまう。
シーズン1で打ち切りになるのもやむを得ず、と思うぐらい。

 「全人類がホンの僅かな時間だけ、断片的に半年先の未来を見てしまう」というアイディアから、なるほど そういう世界ではこんな事も起こり得るか、と感心させてくれる広げ方の巧さがシリーズ中にチラチラあるので、惜しく思いつつ。
 まあ、最初だけオススメ。



『ファイアボール チャーミング』01.「ブートストラップ連続体」

 とにかく、新シリーズ開幕が嬉しい。
ドロッセルとゲデヒトニスの軽快であり見事に噛み合ったり調子外れだったりする会話が、大好きだったもので。
 年代を見ると、前シリーズより更に古い時代を描くことになるのかな?
一話毎にもの凄く時代が飛んだりするので、どうなるかはまだ分からないけど。

 二人とも、外装が変わったかな。
ドロッセル、足の辺りのボリュームが増していて、可愛いフォルムにはなったけど優雅さに欠けるような…いえ失礼致しました、お嬢様。
 新しい始まりだからと特に構えることなく、いつも通りの雰囲気。
 人間?が登場したので、前シーズンのように時代がポーンと飛びはしない、この近辺の時間を連続して描くことになるのかな。
この人間との関わりによっては、あの衝撃的であり絶望的ですらあったラストに残された希望、「良い知らせ」に繋げることも出来る…?
 当然ながら今期も最後まで視聴。



『TIGER & BUNNY(タイガー&バニー)』01.「All's well that ends well.(終わりよければすべてよし)」

 いかにも格闘ゲーム原作アニメに見えるけど、オリジナル企画。
人気によっては、ここからゲームを立ち上げるコトもあるだろうが。
 街を守るため、複数のヒーローが、チームとしてではなく存在して戦う、という設定がアメコミ調。
『ウォッチメン』か…アニメ『バットマン: ブレイブ & ボールド』が丁度こんな感じだなあ。
 通常のヒーロー像から一段階進め、「スポンサーが付くことによって経済的バックアップが受けられ、活躍できている」設定にしているのは目新しい。
『ロボコップ』とか…うーん、『バットマン』や『アイアンマン』は自身がトップの立場だからちょっと違うな。

 架空の世界で活躍する架空のヒーローに、実在企業のロゴが入っている、このビジュアルはガツンと来る。
体に「SoftBank」「ペプシネックス」「牛角」などと書いてあるのは、スポーツ選手、F1とかのイメージ?
 再放送や時間をおいてのソフト化の際はどうするのか、と思ったけど、CG的に?合成してあるだけでキャラの体にホントに描いてある訳じゃないのかな、必要に応じて消したり他企業に描き換えたり出来るんだろう。

 スポンサー企業と良好な関係になくてはヒーローが存在し得ない世界、そこで反骨的?精神を貫こうとする、ヨメ子持ちでイイ歳のオジサンヒーローが主人公。
 所属を移されたり子供に人気がなかったり、不器用で可哀想な造形がなかなか上手くて、感情移入気味。
 外圧に負けず元々のコスチュームを通して欲しかったけど…まあ今後の展開により戻ったりするケースもアリだろうか。
 タイトルから、古いオジサンと新人類の若者ヒーローがバディーを組む、次回以降が本当の始まりと思われる。
 視聴継続。


2011年4月8日 金曜日

 「久方の 光のどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ」
って、ほぼ満開になろうかという街の桜を見ながら、ふと。
 キレイだけど どこか哀しい歌で、今年の桜を表すにこれ以上のものは無いよう、思えます。


2011年4月7日 木曜日

『戦国乙女〜桃色パラドックス〜』01.「転送乙女」

 パチンコを原作(イメージ元)とするアニメ。
 タイムスリップ戦国物、だけれども、有名武将が美女化しているなど普通ではなく、異世界ファンタジー物の範疇に入ろうか。
いや、まあ「萌え」で括っても良かろうが。

 開幕を、一話目中盤ぐらいのシーンから始めた意図は何だろ?
一応はアクションが見せられるけど視聴者の心を掴むほどド派手な物でなく、OPやタイトルを見れば大体の内容予測は出来るため「誤解して早々に視聴を切られないための措置」だとも考えられず。
無駄だなあ。
 タイムスリップの原因に人間が関わっている事で、現代への帰還はそう難しくなさそう。
 異世界の戦国時代っぽいし、歴史改変について真面目に悩む事もないだろう。

 異常事態をまるで把握できないヒロイン、というのが徹底されていて、それはそれで愉快。
 このヒロインと、巨乳信長、メガネっ子光秀、配下の者が誰も居なさそうな閑散とした城、という陣容を見る限り、戦のテイストもこんな感じでスチャラカなんだろうから、現代・戦国でアレコレ優れていたり劣っていたりするギャップや、そこから来る意外な発想を生かした戦法で勝利を収める様子とか、そんな面白さは期待薄かなあ。
 勿論「殺す・殺される」なんて重い展開など有り得ないだろう。
 だから、気楽に見られそう、とも言える。

 嫌味のない お馬鹿ヒロインは嫌いじゃないし、何となく見ていれば見続けられそうだけど…最後まで視聴継続できるかは他のアニメとの兼ね合いによる。
 取りあえず三話ぐらいまではチェックしよう。


2011年4月6日 水曜日

『花咲くいろは』01.「十六歳、春、まだつぼみ」

 原作未読…と思ったら、アニメオリジナル企画。
 「私、ママの子じゃないの」という唐突な告白?から始まる、日常アニメかと思わせる冒頭。
 作画は高品質であり、キャラの動きも細かく捉えられていて、引き込まれる。

 缶スープの縁にへばりついたコーンはどうやって剥がすか。
大量の水を入れる、あるいは別の容器に移し替えコーンだけ箸で拾う。
 他愛もない会話だけど、「停滞して動かないよう思える日常を一気に変える方法」を表しているのかな。
実際、この後ヒロインは別の容器…全く別の場所への移行を余儀なくされる訳で。

 家を出てキツい祖母の所で一人暮らすようになるヒロイン、そこで生まれる親交と齟齬、無口で一生懸命な…これまで自分と無縁だった人間との出会い、挫けず頑張ることで道を開いていく物語。
 どうも、NHKで放送中の連続テレビ小説『てっぱん』を思い出す内容。
冒頭、ヒロインが語るウソの「出生の秘密」も、ちょっと似ているし。
 夜逃げして行ってしまう事で、簡単に親が片付くのは「萌え」作品調。
萌え作品では、常識的な親なんて主人公らの側に付けておくと邪魔なばかりだから(この作品の母親はなかなか非常識みたいだけど)。

 逆境(バイト料は払うつもりらしいし、結構人の好い婆ちゃんに思える)に放り込まれ、頑張るけれど好意が裏目に出てしまい、なかなか報われないヒロイン。
ここから よじ登っていく、きちんとしたドラマになる…のかな。
 ドッと出てきた脇のキャラに、個性とその裏付けになりそうな経歴を設定してあるよう見え、これらを紐解き、誤解の後の理解へと進める事で、当分お話が作れそう。
 視聴継続。



『DOG DAYS』01.「勇者誕生!」

 異世界物で…というか、戦いを描く作品全般で難しいのは、「殺す」行為をきちんと捉える事。
 『北斗の拳』ザコ敵のように極悪非道のクズに描き、殺されて当然の相手にするのが簡単。
死人は出ているのだろうが、殺した事をハッキリと見せず、主人公に葛藤を生じさせない世界観にするのも手。
 命を奪う行為に悩ませて成長の糧とするド正面の描き方もあるけれど、昨今、制作側が若いせいなのか年齢と関係なくか、説得力を持たせ切れないケースが多々。
 「誰も殺さない」覚悟を貫き通すパターンは、余程よく考えて世界の成り立ちからその都合に合わせた構成(主人公が超絶のスーパーマンであったり、不殺そのものが作品テーマとなるよう)にしない限り、作品を壊すぐらいの無理が生じたり、見る側にストレスを感じさせてしまったりする。
 異世界ファンタジー物、しかも主人公が「勇者」として召還されるような物語は、戦いと無縁な場合が少なく、自分と直接は関係ない世界の事情に乗って敵(と呼ばれる相手)と戦い、殺す事をどう正当化していくか、なかなか難しかったところ。

 で、このアニメ。
 戦いを、懐かしい『風雲!たけし城』のアトラクション様に捉え、死なない・殺さない・ルールに基づく健全な楽しい戦争(?)に設定してあり、余りの事にポカーンとさせられつつ、しかし「こんな手もあったか!」と感心。
 我々の住む世界とは違う世界なのだから、どういう約束事があっても不思議じゃない…それを当然とする世界観さえ提示できるなら。
 こうすれば、人の良さそうな可愛い主人公少年であっても、自慢の体術を十全に発揮する場として、「楽しそうだから参戦する」行動に何の無理もなく。

 今後は、困難なルール下でのゲームが次々提示され主人公が勝ち抜いていくのか、より強大な敵が現れ真面目なバトルに移行するのか、アトラクション戦争は何となく続けつつ敵味方の美少女を集めたハーレム展開に主軸を置くのか。
 気楽に見られる作品だと、嬉しい。
 視聴継続。


2011年4月1日 金曜日

『フラクタル - FRACTALE -』最終11話.「楽園」

 これだけなら、それはそれなりに、意味不明箇所も強引さもありつつ感動的に「見える」パターンを乱用しているため終わった気にさせる最終回なんだけど、シリーズを通した積み重ねも説明も心情表現も恐ろしいぐらい不足しているため、とても素直には受け取れない。
 クレインがフリュネを抱きしめ、マイナス面を並べた末に言う「好きだ」というセリフ、ここに説得力を持たせるべく、盤石の布陣で臨まなければならなかったろうに…
視聴者が入り込めないぐらい、強烈な制作者の自己完結ぶりが伝わってくるだけで、他には何も。

 「汚された(という程のことかなあ…)」ヒロインを愛せるか、というのがテーマ?
データに過ぎない非実在の少女は純粋無垢なまま在り続けるが、生身の少女は知らぬ間に穢れている事があり、矛盾に満ちた理解不能の生き物だけれど、だからこそ時に驚くべき成長を見せてくれる、とか。
 監督の前作である『かんなぎ』の原作に投げつけられた酷い言葉、それへの答え(問い掛け)、だったり。
 まあ、さすがにこんな、Twitterで二つ三つ呟けばそれで済むぐらいの事柄をテーマに据えることは無いか。

 何を描こうとした作品であろうとも、「ストーリーが薄っぺらい」「キャラに魅力がない」まとめて言うと「面白くない」内容であっては、何も伝えられないし、受け取ってもらえない。
 題材自体は、取り立てて良くはないが悪くもなかったのだから、ポイントを絞り、どこを面白いと思って欲しい作品なのか、そのためには何を削って何を補強すべきか、もっと煮詰めないと。
 山本 寛監督だったから最後まで見続けたけれど、どこかで化けるのでは?という期待は空振りに終わり、視聴後感は第一話を見終えた時と余り変わらない。
残念。


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