ときどき日記 2012/01〜03


2012年3月30日 金曜日

『機動戦士ガンダムAGE』24.「Xラウンダー」

 アセム編に入ってから、色々と上手く噛み合いだしたようで、面白い部分が出て来た。
 特に、アスノ家二世代の確執。
 フリットは、ユリン及び母親を殺されたことを恨みに思い、ヴェイガンに対し激しい憎しみを抱く。
対話や和平が成り立つとは恐らく思っていない。
それでも、「ヴェイガン殲滅のためならどんな犠牲も払う」という所まで狂信的にならず、被害者は少なく…といった戦い方を考えられるのは、年月による熟成か、立場がもたらす責任感か。
 アセムは、ゼハートとの学園生活で友情を育んでおり、ヴェイガンを理解できない・憎むべき相手とは思っていない。
父への反発、その父が敵を憎悪する理由に、母ではない少女の死が関わり、結果として愛に満たされない母の存在が生み出されており、理解したくない気持ちも?(これは知らないんだっけ)

 親子の過ごした時間や、それがもたらす考え方の違いが、真逆とも言えるヴェイガンへの対応に現れている。
 誰一人犠牲を出したくない、というアセムの子供っぽい反応も、実戦経験不足とやはり父親への反発がもたらしたもので、この確執は面白くなりそうだなあ…と思っていたが…

 えええ、アセム豹変?
 ゼハートと戦って負けたから?ロマリーが自分より彼を選ぶようなそぶり(と思い込んだ)を見せたから?
ちょっと変化が急すぎて、付いていけない。
 うーん…こういう形に変える理由がよく分からないなあ。
良い子過ぎるアセムの幼くて未熟な側面を描くプロセス?
ここから、大きく回ってまたゼハート・ヴェイガンとの友情が成り立つようになるのか。
 ゼハートの心が異様に広いため、まだ復縁の道はありそうだけど、普通なら完全に断絶、憎しみ合う仲になって不思議無い。

 ヴェイガンとの戦いで、敵一対味方複数、というフォーメーションを指示するフリットは、何となく有能。
それだけ圧倒的な戦力差があったから、取れた戦法だけど。
戦艦等の全力砲撃で戦闘空間を分断し、細かく分けた一つに地球側全戦力を投入、効率的に敵を壊滅させていく、とか。
 自分ならではの戦い方を見つけろ、というような事を言われ、試行錯誤するアセム。
しかし…新しい戦闘パーツで優位に立っては、楽すぎるような。

 三世代目、アセムの子供編。
 ヴェイガン女性との間に子供が出来れば一番良いと思うんだけど、まだそういう候補は居ないか。
 じゃあ、乗船の大破により宇宙を漂流していたロマリーをゼハートが救助、数日を彼の船室で過ごした後開放されアセムの元へ、死んだと思っていたロマリーの帰還にアセムの感情が爆発し…
で、どちらの子の可能性もある三世代目が生まれるのは如何でしょう?(一応は子供向けアニメ)


2012年3月28日 水曜日

『ブラック★ロックシューター』最終08話.「世界を超えて」

 「痛くしてゴメンね…私も痛くなるから!一緒に痛くなろうよ!」というマトのセリフが、作品テーマだったのかな。
 バーチャルに仮託せず、生身の自分として相手に向き合うと、喧嘩した時は勿論、語ったり遊んだりしているだけで容易に傷を付けてしまう。
 初めて出来た友達のマトは、「自分だけの友達」であって欲しいヨミ。
それが叶えられないと距離を置く彼女に対し、普通に皆と仲良くできる性格のため正しく理解できず、事もあろうにユウを伴い家を訪問しようとするマト。
別に誰も悪くないし、傷つけようという気持ちなど介在しない、でもヨミは「痛い」思いをしてしまう。
 普通のアニメなら、さしたる事件にも繋がらないため飛ばされがちな、恐ろしく繊細な心理表現。
 この積み重ねがあるから、「一緒に痛くなろう」という言葉が見る者に伝わってくる。

 ちょっと古い制作者世代だと、バーチャル=悪、とする紋切り型の描き方になりそうだが、「仮想世界のストレングスが生身のユウになっていた」とし、彼女とヒロインが友情を育む事で、バーチャルキャラクターでも決して隔絶した、理解し合えない存在ではない、と描くところが新世代。
 自己犠牲の精神まで持ち(仮想世界キャラは全員「犠牲」?)、マトとユウを深く思うストレングスは、今作の真のヒロイン…お姫様だったのかも知れないなあ。
ラストでの復活は、彼女にとって救いなのか、遙かな痛みの道を再び歩き出すだけなのか。
 仮想世界との人格交代が容易になったなら、マトが現実で悪いヤツらに絡まれ危ない時にはブラック★ロックシューターと入れ替わり、叩きのめしてもらう、という便利な使い方も可能?

 特にシリーズ後半部、話数が8話しかない弊害が出たものか、駆け足で終わっており、「ユウとストレングスの入れ替わり」なんて大きな真相さえサッと流されてしまったようで衝撃が十分には受け取れず、残念。
 仮想世界と現実の関わりも、あと少し時間を掛ければ、理屈でなく感覚で理解させるのが上手かったこの作品なりのやり方で、「何となく分かった」という所まで視聴者を引き摺って行けたかも知れないのに。
 ブラック★ロックシューターを描く作品なので仕方ないけれど、現実の、女の子同士のデリケートな関係性に大きな魅力を見出していたので、そこをもっと充実させて欲しかったなあ。
 とはいえ、見せられた範囲でも十分面白く興味深く、仮想世界バトルには大変な迫力があって、見応えのある作品だった。


2012年3月27日 火曜日

『モーレツ宇宙海賊』12.「永遠(とわ)よりの帰還」

 話数を費やして探した黄金の幽霊船。
別に謎の存在でも何でもなく、これまでにも幾度となく人が乗り込んで、船内の金銭に換えられる物は既に母星の経済危機を救うべく持ち出されている。
 ううう〜ん…脱力な設定なんだけど、「宇宙海賊は茶番の海賊ショーを見せる事を主な仕事とする、何でも屋的な存在」というのと同じく、パターン通りの期待に応えず、肩透かしの真実を見せるのがこの作品のテーマなのか。

 それは対立構図の解消となる、二勢力睨み合いの場面も同様。
何が起きたのか分からなかったが、要は「子供のケンカに大人は付き合わない」って事?
 確かに、姉妹の確執がこじれるようだと、最悪の場合内戦状態になる恐れもあり、意見がぶつかる原因となっていた幽霊船…移民船について、二人が考えなかった「第三の選択」を相談もなく実行してしまうことで、もう争っても仕方ない状態へと追い込んでしまうのは有効…なのかも知れない。
 でも、やっぱり双方物分かりが良すぎる。
特にセレニティ王家側、海賊とアッサリ手を組んで姫に手を掛けさせるなど、有り得ない事のような。
いや、有り得るのか、この世界では。

 意外な展開は良いが、ここで驚くキャラクターは二人の姫だけなのだから、「彼女達の視点」をもっと意識してストーリーを描くべき。
通常通り茉莉香視点で進めておいて、実は姫にも視聴者にもナイショにしてましたが裏では色々やってました、という事の結果をサプライズとして示されても、素直に驚けないし、喜べない。
 茉莉香に、含んだような表情や行動、「?」と思わせる所(後に「ああ、伏線だったのか!」と分かる)があったっけ?
この辺が薄いと爽快感に欠け、アンフェアな印象を残してしまう。
 何となくは分かるけど、移民船内のシステムを秘密にする理由、セレニティ王国の政情など、姉妹が対立する原因となるものについて…次回以降、説明してくれるのかな。

 未熟な茉莉香が、船長として次第にクルー達に認められ、困難に遭う度成長する物語かと思っていたけれど、現状「判断も行動も的確、周りからも認められている」存在なので、それは期待しない方が良さそう。
いつもの「お楽しみ海賊ショー」ではない、実戦場に初めて飛び込んだのだから、判断を間違え、上手く行動が取れなくなって良かったような…いやまあ、今回も結局は「お楽しみ宝探し・お姫様ビックリショー」だった訳だけど。
 主人公の成長や、誤解から和解へと移り変わるウチに築かれる人間関係の嬉しさをスポイルしてしまうと、純粋に「ストーリーの面白さ」が期待される事となり、それはほぼやり尽くされた感のある宇宙物ではとても難しいと思うんだけどな。


2012年3月26日 月曜日

『オズマ』02.「潜航限界」

 一話目も余り良くなかったが、今回の作画は酷い。
 既に「松本 零士絵に雰囲気が似ているかどうか」なんて話ではなく、「今日のアニメとして許せるかどうか」。
時折、落書きみたいなキャラ絵が入り、画面を見続けるのが辛いレベル。

 お話としても…『眼下の敵』とか『U・ボート』をやりたかったのかな?しかし女艦長はそれほどの考えもなく行動していて、ただただ(居場所はほぼバレてるのに)隠れ続けるばかり。
 結局は敵側が気を利かせ戦力を引いてくれることで助かったのだから、それなら、マヤに直接銃口を突きつけて「下がらないとコイツを殺すぞ」芝居で済んだような。
それは松本世界的に、主人公側の選択肢には無い?
 部下を潜砂艦の追跡に付けてあるのかなあ…イキナリ現場から本部までノコノコと戻って報告しているハーロックもどきにも驚いた。

 ツッコミ甲斐はある作品だけど、暇が無く、視聴はここまでに。


2012年3月25日 日曜日

『妖狐×僕SS』11.「陽炎」

 舞台とキャラクターの設定から、いずれバトル物になると考えていたこの作品。
とにかく驚くぐらい、まったりノンビリした癒し系アニメ。
 感想を一言で表すと、「凜々蝶が可愛い」というコレに尽きる。
もちろん御狐神との相乗効果ではあるけれど、作品構成自体から「彼女を可愛く見せる」そのために作られているようで。
 高慢の裏側に控え目すぎるほどの優しさを隠し(隠しきれないが)、複雑なようで分かり易く、扱いきれない自らの対人対応に毎度落ち込んで反省して、でもまた同じ行動を取ってしまう彼女は、撫でてやりたくなるぐらいに愛しくさせられる造形。
 高品質な作画がそれを盛り立てる。
凜々蝶が四つん這いになった際のお尻のライン…まだ余り肉は付いていないが柔らかさを感じさせ明確に少年とは違う形を取らせており、その巧さにタメイキ。
こんな絵が描ければなあ。

 前回、珍しく作品のダークな側面が見られ、「イヤな展開を迎えてしまうのか」と身構えていたが、今回、長い御狐神の成長記録から明けてみれば、拍子抜けするほどの蜻蛉の良い奴ぶりで、丸く収まってしまう。
 普通だと不満を言いたくなる所だけど、何しろ「凜々蝶が可愛い」作品なので、彼女が必要以上に悲しまずに済んだのは喜ぶべき。

 のほほ〜んとして見える御狐神に、あんな過去があったのは意外。
 これまで彼を支配する立場にあった女性に対し、態度だけでなく、肉体でもご奉仕していた?
といっても相手は美人だからなあ、さして辛そうでない、どころか羨まし…いやいや。
 酷い辛苦を味わってきたのに、凛々蝶にだけはあんな、偏愛行き過ぎみたいな対応が出来るものか。
だからこそ、彼女の中に「救い」を求めているのかな。
蜻蛉により凛々蝶が自らの「救い」にならなくなってしまうか、という疑惑が生まれた時、黒い顔が現れてきてたし。

 ぼーっとしているが無敵のカルタも、可愛い。
実体は余り可愛くないけど…そのギャップも魅力か。
 男前なのに、それをまるで活かさず、実体はとても情けない連勝も楽しい。
 メゾンの住人に、「イヤな奴」を一人も設定してないのが癒し系。
 このまま、シンドイ気持ちにさせるドラマティック展開ナシで、楽しく進んでくれるとイイなあ。



2012年3月20日 火曜日

『オズマ』01.「砂のクジラ」

 松本 零士先生が、『999』から『1000年女王』『わが青春の…』など次々に自作がアニメ化されていた80年代に、映画作品用として書き下ろしていた脚本を元とし、制作されたテレビシリーズ。
 見て…ああ、なるほど、80年代の香り濃厚。
あの頃、『999』以外は正直「う〜〜ん…」という内容のモノが多かった松本映画化作品の一本としてなら、作られていても不思議ない中身。
しかし、現在、企画として掘り起こしてきてまでアニメ化する意味は、よく分からない。

 演出はボケていて「このシーンで何を言いたいのか」ハッキリせず、作画もシャンとしない。
 高橋 良輔が総監督、という点に期待してたんだけど、それらしく上手いところは少なくともこの第一話には見受けられず。
 WOWOW開局20周年記念作品、らしいのだから、せめて作画面だけでも充実させて欲しかった。

 主人公の乗る船に女性乗員が多い所は、松本作品には珍しく、今風。
 「仮面を付けたハーロック」的な風貌を持ちながら、砂煙の中で三十分に二度も対象を見失う敵司令官は、不必要なまでに無能さを感じさせ、緊張感が薄れる。
砂に飲まれて少女は死んだ、と判断したのだろうが、「少女の重要性」「司令官の執念」を示すべく、形だけでも降りて捜索すべきじゃなかろうか。
 目の前に銃口を突きつけられてからボチボチ潜砂を始める(エンジン起動から?)艦、という呑気な描き方が、また緊張感を削ぐ。
 次回への引きが弱い一話の終わり方も、視聴意欲を減退させてしまう。
 第二話以降の視聴は、時間があれば…という所で。


2012年3月19日 月曜日

 CSで放送された映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』を見る。
 迫力ある映像、スピーディーな展開で大変に楽しく見られた前映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』とは違う監督なのか。
しかし、乗っている感のある円谷作品だけあって、今作も面白い。

 前映画からそうだけど、視点が「人間(人類社会)」ではなく、「ウルトラマン」に置かれている。
人間体が登場するのはウルトラマンゼロだけ。
 特異な舞台設定で、下手をすると他人事になり感情移入を阻害してしまいそうだけど、分かり易い危機の提示と、考える暇も与えない怒濤の展開により、見る者を一気に画面内へと引き込む。
 ゼロが「視点」を持ったまま、異宇宙の異惑星へと赴き、その星の人間と融合するため、オリジナルテレビシリーズで何度も示された「地球人類の立場から超越存在ウルトラマンの来訪を見る」のではなく、「使命を持って星を訪れたウルトラマンが自らの都合との擦り合わせにより傷ついた人間の体を借りる」という逆方向からの切り口で、作品世界を見られるのが面白い。

 ウルトラマンが存在する宇宙「ではない」から出来る、円谷アナザーヒーロー達との夢の共演。
 ファイアーマン、ミラーマン、ジャンボーグA…大好きだったヒーロー達がリニューアルされた姿を見せてくれ、テンション上がる。
 全員ちょっと名前が変えられており、BGMも主題歌と「似てるけど違う」曲になっているのは、円谷だけで済まない権利関係故?
まあ、ジャンボーグAなんかオリジナル「セスナが変身」のままでは使い辛く、ファイアーマンもミラーマンもキャラを立たせるためか性格付けは大きく変えられているため、むしろ同じ名前は使わない方が良いのかも。
 宇宙を割って登場するグレンファイヤー、頭脳派の戦いを見せるミラーナイト、「叫べナオ!ジャンファイト!」に鳥肌が立ったジャンボット、みんな良いキャラクターだからこれ一本で終わらせるのは惜しい。
本当にゼロを中心とする新警備隊を結成し、ケンカして和解して友情を深めつつ戦う新作が見たいなあ。

 この短時間によく詰め込んだ!とは思うけど、やっぱりアチコチ消化不良気味。
もう三十分あれば色々膨らませて、より盛り上がる内容に出来たかと思うが…細かいことを振り落とす、このスピード感は無くなってしまうので良し悪し。
 旧ウルトラお父さん世代も、子供達も楽しめる、面白い、好きな映画。


2012年3月3日 土曜日

『男子高校生の日常』08.「男子高校生とモトハルの姉」ほか

 原作未読。
 作画的には「美しい」とか「高レベル」というものでなく、イキナリ掴まれるような内容でもないが…
 良い意味で馬鹿馬鹿しく、下らなく、しょーもなくて、第一話で数回笑ってしまい、以来ずっと見ている。

 『日常』もそうだけど、上に「男子高校生の」が付いたこの作品も、全然「日常」じゃないよね。
まあ、客観的に見ても超常的だったりする『日常』よりは、コチラの方が、自分が男子高校生だった頃の自意識過剰ぶりや愚かさを思い出し、拡大理解するに、有り得なくもないと思える部分はあるか。
 河原の土手で、ライトノベル的な会話を男子・女子高校生が繰り広げるネタが好き。
「風がこの町に悪いものを運んできた」なんて、ラノベや少年漫画に毒された脳からイカニモ出て来そうなアホらしさで、笑う。

 今回の、隣の家と向かい合ったベランダを通し会話する男女。
その一昔前漫画的シチュエイションが羨ましい余り、5メートルの距離を飛んで隣家少女のベランダにしがみつく、バカ男子の行動力と頭の悪さが素晴らしい。
 それだけ積極的な事が出来るなら、普段から隣の少女と会話を心懸け仲良くしておけば、DVDぐらい普通に貸してくれたんじゃなかろうか。
 「モテたい」とかそういう欲望を正しい方向に昇華させることが出来ず、暴走気味で最悪の選択肢を選んでしまうのもまた、バカ男子高校生らしいと言えばらしいか。

 ネタは良し悪し…個人的好みに合う・合わないの差が大きく、ピンと来ないモノは「?」という感想しか抱けなかったりする。
 長く愛されたり人々の記憶に残る作品かというとそれは分からないけど、だから気楽に見られるアニメ。


2012年2月29日 水曜日

『モーレツ宇宙海賊』08.「姫と海賊」

 ミーサの無謀運転に茉莉香と姫様がグッタリするシーン。
ドライブそのものは見せず、到着後のリアクションからどれほど酷い行程だったか想像させる演出。
姫様の海賊船潜入や学校への編入方法も省略するのだから、テンポアップのためにも細々描かない方が良いんだろうな。
 …と思えば、回想でわざわざ走りを見せてくれ、しかもその内容がさして凄いものと思えない事で、拍子抜け。
 アニメなんだし、描くのなら、派手に無茶苦茶な走行をさせた方が良かったのでは。
 普通の女の子とお姫様にとっては、あれぐらいでも大変なショックだと見せたかった?
でもそれが面白いのかどうか…

 茉莉香の学校に姫様を入れたからには、王室育ちと一般生徒のギャップや互いの利点・欠点、誤解と理解で面白く見せる手だろうと思うが、実際にはごく薄い。
学校にはヨット部の面々も居るはずで、「その他大勢」扱いのキャラを立たせるにも、絡ませるチャンスだったのでは。
せめて部長・副部長ぐらいは…
 宿泊先、ホームステイ扱いで茉莉香の家に滞在させて良かったような。
お姫様がそれは不自然?いや不自然を言い出すと……
キャラとしては薄い茉莉香母を強化する切っ掛けにも出来たはず。
 宇宙で起きている事件を解決した後、あるいはその途中でまた学園に帰ってきて、この辺は改めて描かれる事になるのだろうか。

 学校で茉莉香を敵視する意地悪な女生徒、海賊船で「俺はまだお前を船長と認めた訳じゃない」と反発する昔からの乗員、新人船長に厳しい要求を突きつけてくる政府関係者、「名高いお父様をこそ頼ってきたのです、申し訳ありませんが、貴女を信用して良いのかどうか現状では判断できかねます」という態度の姫様…
ストーリーをスルスルと滑らかに「進ませない」、油断すると逆行さえさせようと抵抗するキャラが、一人ぐらいは居て良いような。
 登場キャラはみんな物分かりが良くて、さして危険な事もなく、作り手の予定した通り順調に(かなりゆっくりと)進行する物語には、見る者を引き込む力が弱い。
 では『けいおん』のように心地良く続いていく日常の魅力で見せているかというとそうでもなく、中途半端だなあ。


2012年2月27日 月曜日

『ブラックロックシューター』04.「いつか夢見た世界が閉じる」

 一話目を見た時、派手に、ではなく地味に身近に「嫌」な話なのが辛くて、異世界?アクションパートは面白いと思いながらも視聴脱落しそうになった。
 それは、この「嫌」な関係を、大きな変化無く長く続けるものだという思い込みによるものだったが、意外、二話目でもう大きくストーリーが動き、三話目の時点でヨミとカガリの関係ベースとなる過去の傷痕はひとまず修復、改善に向かう。
 まだよくは分からないけど、異世界アクションにより、現実世界の人の心に変化が起きるのか。
映画『エンジェルウォーズ』での妄想シーンみたいに?

 カガリは学校で新たに友達まで出来、マトもユウと共に平穏な日常を過ごす。
 …という波乱を感じさせない所から、ヨミの心中に湧き起こる黒雲。
ようやくできた友達・マトには、ずっと前から大親友であるユウが居た。
どうという事もない話のようだけど、特に思春期は「私が一番」ではない事で距離を感じてしまい、自分が拒否されているようにさえ思う。
とても微妙な心理描写。
 カガリが明るくなり、友達が出来たのも、普通なら目出度い事だけれど、「自分が居なければ困る」はずの相手が離れていく事で喪失感を味わい、自分への価値付けさえ揺らいでしまう。
 繊細な描き方だなあ。

 男生徒から酷い形で拒絶された部長・アラタだが、相当ダークな方向に行きそうな予想を裏切って普段通り。
…かと思えば、起きたトラウマ級の事件を忘れている?
 カガリも、環境・心境の変化によりヨミを不要に感じ始めたのかと思っていたが、ヨミとの間に長年存在した事情や精神的やり取りを忘れた?
 「異常事態」が起きてるのかあ。
「忘れる」って事さえ無ければ、日常でも起こりえない状態では無いと思え、そっちの方に徹底して心理的に追い詰めた方が興味深かったような(嫌な話は辛いとか言っといて)。

 CGで描かれるアクションは、時折手描きかと思ってしまうぐらい普通にアニメっぽく、今石洋之が手掛けているからなのか重さを感じさせ、生理的に気持ち良いタイミングが取れており、アングルの良さ等もあって、見応えあり。
 全8話…だと、もう半分終わったのか。
 現実と夢の関係とか「謎」関係にはさほどでもないんだけど、キャラクターとドラマの行く末には興味がある。
最後まで見たい。


2012年2月19日 日曜日

 映画『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバンTHE MOVIE』を見る。
 三十年ほど前、テレビ放送されていた宇宙刑事シリーズが好きで、その中でも『ギャバン』は、新しい作品にしようとするスタッフの情熱と、主人公の魅力に溢れており、音声とアクションにより「蒸着」コードを軌道上の母艦に発信するとコンバットスーツが電送され体の周りで実体化し「ギャバン」になる、このイメージの素晴らしさにワクワクさせられたもの。
 主人公・一乗寺 烈を演じた大葉健二は、現在俳優業をほぼ休業しており、たまにゲスト的な出演をするものの、長時間、それも「ギャバン」としての出演はもう無いものと思われていた。

 で、この映画。
 三十年昔から『ギャバン』のファンだった、当時子供でも既にイイ歳したオジサンになってしまったキミ達・ボク達へと向けた、ご褒美のような作品。
 夜景をバックに、スモークの中から、全身を煌めかせてコンバットスーツのギャバンが最初に現れたところで、もう涙腺が緩みそう。
 強い、格好いいギャバンが嬉しい。
 年月を経ても変わらずアクションに切れがあり、渋みを増してより「ヒーロー」となった一乗寺 烈・大葉 健二が嬉し過ぎる。

 『ゴーカイジャー』としても筋が通った内容で、懐かしいキャラ(シリーズを越えた敵キャラも)が次々姿を見せる、お祭り騒ぎ。
千葉 繁声のエルダーに、大笑い、まだ生きてたんだコイツー。
 魔空空間に建造された魔空監獄、というイメージが素晴らしく、その最上階に向け下から攻略していく分かり易い構成も結構。
ギャバンブートレグの強さ、魔空監獄獄長アシュラーダの厄介さは、劇場版の敵キャラとして十分。
 劇中、高所より落下・頭で接地する無茶なスタントがありビックリ、死ぬ死ぬ死ぬ。
手を抜かない、入れすぎるぐらい力を入れた作りに感動。

 上映時間が一時間強と短く、せめてあと三十分長ければ…二時間確保できたらもっと見せたいモノがあった、という無念さを感じつつ、詰め込めるだけ詰め込んだ贅沢な内容は満足度が高い。
 最後の最後までサービス精神に溢れる、楽しい、嬉しい映画。

 以下、もの凄く内容に触れるので未見の方はご注意。


 ギャバンとマーベラスの関係、僅かな時間で示される割にはなかなか良いんだけど…
もうちょっと深いと、より良くなったかなあ。
 幼少期の事件の後、ギャバンはマーベラスを引き取り、一緒に暮らすようになる。
強く・厳しく・優しいギャバンの背中にマーベラスは「父親」を感じるが、「才能を見出し、やがて正義を守るべく宇宙警察へ進んでくれることを言外に望むギャバン」と「ルール・組織に縛られる宇宙警察では望む生き方が出来ないと考えるマーベラス」の距離は次第に広がり、数年後、マーベラスは黙って家を出、海賊になった…とか。
 そうすると二人の絆を深化でき、愛情と、それだけでは埋められない生き方の違い、しかし肩を並べて戦うことは出来るのだ、という希望が描けたような。

 『ギャバン』は、父・ボイサーを探すギャバンの「父と子の物語」でもあったから、ギャバン・マーベラスでもう一度「父と子」を描くって、悪くないように思うんだけど。
 ついでに、魔空監獄獄長アシュラーダは宇宙犯罪組織マクー首領ドン・ホラーの血を引いている…という設定をもう直接的に「息子」としてしまえば、「父と子」の有り様をギャバン組と対比する構成にも出来たかと。
 ただ、そうするなら、ちょっと直すで終わらず、シナリオ全体を変えてしまわなければならないし、『ゴーカイジャー』テレビシリーズとの兼ね合いもある。
 ついでに言えば、「海賊」って事で『ワンピース』ルフィの家庭事情(祖父が海軍中将)と似てしまう弊害も。
 だから、コレは「こうした方が良い」じゃなくて「オレ妄想」に留め、ラスト、ギャバンを見送るマーベラスに「オヤジ…」という呟きを勝手に入れることで、一緒に見たヨメにポカーンとされる涙を流しておきたい。


2012年2月16日 木曜日

『モーレツ宇宙海賊』06.「茉莉香、初仕事する」

 前話。
 不審船に対する戦法を練る茉莉香。
とはいっても、電子戦がメインとなっており、都合良く部内にスーパーハッカーが存在したことで、彼女は特に何をした訳でもなく。
 「敵をダミーのプログラム船に侵入させ油断させる」というのはアイディアだと思うけど、急に持ち出さず、基本の発想ぐらい茉莉香に出させてはどうか。
船長になる決意をするエピソードなんだし、向いた才能のカケラぐらい見せないと。

 ハッキングされた電子装備を全て切ることで、反撃してくる敵船。
この世界ではとても考えられない行動…なんだろう。
その前提があんまり上手く描けていないので、茉莉香達が恐ろしく間抜けに見えてしまうが(女子校生だし、間抜けで良いのか)。
 これがド外れた行動なのであれば、敵じゃなくて茉莉香の頭から出た方が面白かったかなあ。
 反撃の方法は、なるほど。
しかし、相手からギブアップを引き出すでもなく、結局は海賊船だの公的機関に助けてもらう訳で、カタルシスとしてはもう一つ。
 あと、敵ってナニモノだったの?
いずれ明らかになる、でも構わないが、茉莉香含め誰も疑問に思っていない様子は、見ている方が疑問を感じてしまう。

 今回。
 戦いを経て、海賊になる決意をした茉莉香…母親を初めて?名前でなくお母さんと呼ぶのもそうだけど、気持ちが分かり辛い。
 まあ見る限り、この世界での海賊って遊園地アトラクションショー的なことをやってみせるだけの愉快な人達みたいだから、悲壮な決意をする必要など無いのか。
 茉莉香はその実情を知らなかったような…大体、海賊とは何をするのか具体的に把握せず「なる」と言ってしまうのは迂闊というか考えがないというか。
 「女子校生だから」、まあそうなんだけど、それを魅力と捉えられるかというと、まだ難しい。

 てっきり部活の仲間達と女子海賊団を結成する(少なくとも、海賊船の中核を彼女らが担う)よう思っていたが、他の部員は今回登場せず。
緩やか〜に進めてきたアニメなのに、別れとか描かないのね。
 海賊団のメンバーも、初登場のキャラが居るのだから、紹介して欲しかったところ。
いきなり馴染んでる(少なくとも居所がないなどとは感じていない)茉莉香に、違和感。

 ベタベタなヤラセの海賊行為は、結構楽しかった。
決闘の後「海賊らしく」ルール無用の武器を持ち出す茉莉香も楽しいが、ホンモノっぽい傷痕を晒して倒れる男は、どうなんだろ。
アトラクションだとみんな分かってるから、もっと派手でキレイな仕掛けを見せた方が良いような。
観客は若干引いてた様子。
 海賊が奪ったアクセサリー類は保険会社から補償して貰えるのか。
損するのは保険会社だけ…いや、滅多にない海賊損失に備えて船会社が保険に入ってくれるから、逆に儲かってる?
 設定や、その転がし方は面白いと思うんだけど、そこにキャラクターやドラマの魅力を乗せるのが上手くいってない印象。


2012年2月7日 火曜日

 WOWOWで放送された映画『パラノーマル・アクティビティ』『パラノーマル・アクティビティ2』『パラノーマル・アクティビティ 第2章 TOKYO NIGHT』を見る。

 一作目。
 低予算とスケジュールの無さ、アマチュア技術を全て逆手に取ったアイディアが見事。
 ホラー映画は、比較的安い予算・無名の出演者で撮れる。
それにしても、ここまで…

 一軒の家の中で始まり、終わるのは、撮影が容易だから。
「怪奇現象が続くと分かっているなら引っ越せば、せめて一時的にでもホテルとかに退避すれば良いのに」というのは誰しも見て思う事だけど、制作上の都合で出来ないのを、観察対象である主人公達の愚かさ、観客のフラストレーション〜恐怖にまで繋げてしまう。
 霊的能力を持つ人間を呼んで対策を練る…この場合、合理的な行動で、『ポルターガイスト』教授や霊能バアサンの再来を期待するけれど、こういう事態に詳しい人の存在を匂わせながら「結局最後まで姿を見せませんでした」とする意外性に大笑い。
これまたキャスティング予算の制約と、ストーリーをスッキリさせるため。

 何か凄いことが起きそうだけど、実際には何も起きない。
特殊効果やCGを使う予算も技術も無いのだろうから、仕方ないこと。
 しかし、観客を「何も起きなくて普通」の監視カメラ映像を覗いている気分にさせることで、ショボイとも言える超常現象表現を「リアル」と感じさせる。
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』だなあ。
『クローバーフィールド/HAKAISHA』『REC/レック』『THE 4TH KIND フォース・カインド』辺りは、とにかく手間暇が掛かっているので、手法は同じでも違うジャンルの作品みたい。

 イヤ〜な気分にさせるオチも、一発作品としては楽しい。
 全体として、別に怖くはないけど頑張ったホラー・アイディアを楽しむ作品。
そこに意味を見出せないと、「こんな安っぽい映画に金払う価値があるかぁ!時間損した!」と言ってしまうかも。

 二作目・米版。
 予算も時間も技術も使えるようになったが、ワザと「制約」を感じさせて撮っているのが分かり、うーん。
どうせなら、家の外へと一時退避を実行するが逃げても無駄だった、という所まで見せてくれれば良いのに。
 基本的に一作目と同じ内容。
事態の原因について言及されるけど、まあそう言われても、としか。

 毎夜これだけ異常事態が撮影されているのに、日中は くつろいだ様子を見せる家族こそ超常的。
 ラスト、『24』ジャック・バウアーばりの鍛え上げられた殺人技を見せる悪霊?に爆笑。
相手に絶望を感じる暇さえ与えない、気が付いたら死んでいる、考えようによっては優しい殺し方。
 飼い主の異常事態に頑張る犬が可愛い。
最後の方、出てこないんだけど、犬はどうなったのか、人間達の運命より気掛かり。

 『第2章 TOKYO NIGHT』
 本編とは関わりのない話かと思えば、続いてるのね。
ちょっと『呪怨』風に、異常事態が感染していく感じ。
 ジャパニーズ・ホラーの撮り方なので、本国二作品と雰囲気が大分違うけど、構成は同じ。
 『リング』なら『呪怨』なら、もっと映像に恐怖を高める仕掛けを施していくだろうな、と思いつつ、オリジナルのドキュメンタリー手法を踏襲しているため、大した事は起こらない。
「ガラスが割れる」「物体が燃える」ぐらいで「おお!サービスしてる、日本人は生真面目だなあ」という気分になるのは、このシリーズでは何も起こらないのが当たり前になっているから。

 霊能少女と悪霊祓いジイサンが楽しい。
二人ともインチキっぽいのに、本物って扱いなんだ。
次回作は、霊能力があるフリをして金目当てなだけのキャラを出し、酷い目に遭わせるのも良いか。
 「引っ越せよ!」というシリーズへのツッコミに対し、「他の場所でも同じ現象が起きる(場ではなく人に憑いている)」という回答が示される。
 お約束のオチから一捻り。
カメラが家の外に出るし…憑いた人の体の自由が効かない、ってのは目新しい。
クララかよ!とアリガチなネタ。
 最後、驚かすのに悪霊頑張り過ぎ。
仕掛けをし、相手が愕然とするまで隠れて待っていたのかと思うと、妙に可笑しい。
 お姉ちゃんが美人なので、それだけでも楽しく見られた。
足を使えないキレイな姉の世話をしつつ二人きりで生活…むうう一本ネタが出来そう、怪奇現象とかどーでもいい!いや、怯える姉を元気づけようとして、というのだと動機付けが容易か。

 米版は二作目にしてマンネリ気味。
三作目の公開も終わってるのか、まあ衛星ででも放送されたら見よう。
 日本版は、この形式から発展させる事でもうちょっと展開できそうだけど、頑張って怖がらせようと努力すればするほど、オリジナル一作目からは離れ、日本でゼロから企画を立てるのと変わらなくなるだろうな。
ドキュメンタリータッチのホラーなら、『ノロイ(『パラノーマル…』よりずっとイヤなオチ)』とか既にある訳だし。


2012年2月6日 月曜日

『機動戦士ガンダムAGE』17.「友情と恋とモビルスーツ」

 第1部・フリット編最終回辺り。
 ああ、ユリンをファーストのララアにしたかったのか、というのがようやく分かる。
 出自や経歴がハッキリしてない…と思ったけど、ララアもそこいらはあんまり語られてないんだっけ。
 ただ、ララアはキャラクターとして強烈であり存在感があったのに対し、ユリンは都合に応じて出されているだけの影が薄い少女に思え、フリットとの関わりも、制作者が期待しただろう程にはこちらに伝わってこない。
 死に至る場面は唐突で、「とにかくララアの最期を自分なりにやってみたい」意図ばかりが強く感じられる。

 白兵戦に向いているとは思えないブリッジ・クルー(こういう場面のためにマフィアっぽい奴らが居たのでは?)を率いて要塞に潜入するグルーデック。
やっぱりというか、名も知らぬクルーがポンポン殺されるんだけど、艦長は勿論、他のクルーも僅かにも心を動かされた様子が無く。
 得もないのに駆けつけるスーパーメカニックのオヤジ、自分達も子供を使っておきながらフリットを見て「子供が?」と驚く敵司令官…

 謎だったUEの正体は、見捨てられた火星移住者達。
 しかし…武装等を見ると潤沢な資源やエネルギーを持っていると思え、テクノロジーは何故か連邦全体のレベルを遙かに超越しているし、帰りたいならずっと以前より地球圏への往来は自由自在。
そんなに怨みを募らせるほど酷い環境下にいたとは感じられない。
 要塞司令室には、まるで機械のようにされたオペレーターが多数おり、同胞をこんな風に扱う人達に非人道的な行為を咎められても。
 なんだかUEクイーン?の思惑に沿って全てが動いているらしいから、合理的な行動とは限らないのかな。

 第2部・アセム編
 相変わらず疑問点は多いけど、学園ガンダム的な視点で描かれることにより、細かいことは大分スルーできる。
 作品内経過時間を挟むことで視聴者の気持ちを一度リセットさせるのに成功。
 「連邦は役立たず」「UEも結構なアホ」「フリットは幼児性を残したダメオヤジ」「その他のキャラクターはほとんどの場合何も考えていない」という基本設定が浸透したため、あんまり真面目に追求しても仕方ないというか。

 親の因果で強引に巨大ロボットパイロットにされてしまう主人公、憧れのヒロイン、謎の転校生(もう少し正体を伏せていても)、部活動を仲良く続けるうち敵味方の垣根を越えていく少年達…パターンだけど見易く、分かり易い。
 「ガンダム」というより、一昔前のスーパーロボット物フォーマットかな。
 上手く使えていないどころか、作品世界への没入に有害でさえあったAGEシステムが出しゃばらないのも良い。
 まだキャラとしては薄いけれど、アセムは妙な色づけがされていない分だけ、理解が難しくない。
悩んだり、使命や復讐に燃えるのは後でも構わない訳で。

 ファーストガンダムをもっと研究して活かせば、フリット編もそうそう変なことにはならなかったはずなんだけど、実際は一度に出した設定を消化しきれずキャラクターの感情も上手く追えなくて、ガチャガチャの内容になってしまっていた。
 このぐらい単純な所から始めた方が良かったのかも。
 第一部があんまりな出来だったため、今がマシに見えている所は、ある。
来週が楽しみだ、と思わせるほどドラマも引きも強くないし、本当「よくあるパターン」に乗せているストーリーなので、破綻気味の不安定な展開を喜んでいた視聴者には逆に見捨てられかねない。

 次回、もう卒業式なのか。
全員進学するなら状況は変わらないけど、さすがにそうもいかないんだろう。
 そろそろ独自の波乱・展開が見えてくる?
 そこで破綻しなければ良いが。


2012年2月4日 土曜日

『モーレツ宇宙海賊』04.「決戦は深夜」

 笹本 祐一の小説は結構読んでいるつもりだけど、この原作は未読。
 佐藤 竜雄監督作品、という事で期待して視聴。

 「モーレツ(原作はミニスカ)」というタイトルから予想する内容からは、かけ離れている。
とにかく地味で、展開が遅い。
 ヒロインは宇宙海賊の娘であり、船長への就任を要請されているのだから、それらしい豪快な才能を示すのかと思えばそうでもなく。
 電子戦に無謀にも対抗しようとする辺りは凄い…のかなあ?
それにしても、チアキに全部投げっぱなしで、本人は「奇想天外な戦法を示す」訳でもなく。

 「宇宙海賊」という言葉から想像する内容とのギャップを楽しんで欲しい作品なのか。
宇宙で海賊をやるには、とにかく突っ込んで後は白兵戦だ!なんて適当なことではすぐ死んでしまうため、周到な計画立案、緻密な作戦実行能力が求められる、というならそれは分かる。
 ただ、それを面白く描けているかというと、疑問。

 何でも知ってる部長とか、事情を抱え個別の能力に秀でている(のだろう)ヨット部の面々とか、もうちょっとストーリーに乗れていれば楽しい所かも知れないが、そうでない現状は、都合が良いなあとしか。
 宇宙服を着た際、髪の毛は直せないからきちんと仕舞っておけ、というハードな?セリフをわざわざ入れ、少女達が納得する描写も加えながら、(そうでないと見分けが付かないとはいえ)顔に髪の毛がかかりっぱなしで宇宙に出してしまうチグハグさには首を捻る。
リアルだろうとアニメとして実現できないセリフ・設定は削る、あるいは女子校生なんだし「髪の毛仕舞っちゃったら可愛くないもん!」と無視させて良いような。

 戦闘の緊張感はごく薄いため、女子校生達の呑気な日常やキャラクターで面白く見せる手だろうが、ここいらも、詰め込んだ細かな描写(一度艦内の電源を落として再起動したり…しかし余り意味を感じない)により阻害され薄められ、魅力を受け取り辛い。
 4話まで来てこの進行、良いのかなあ。
全何話?
 彼女は宇宙海賊になった!までで一クール分使い果たしてしまいそう。


2012年1月20日 金曜日

『パパのいうことを聞きなさい!』02.「家へおいでよ」

 原作未読。
 パパと、血が繋がらない娘達、という設定で漫画を考えたことがあって、このタイトルを聞いた時、あー先にやられた!と思ったけど、実際見てみれば予想とはかなり違った内容。

 ロリ少女ばっかりなのね。
高校生ぐらいの娘も揃えて良いような気がするけど。
そういう役割は大学の先輩女性が担うのか(こちらは「ママ」?)。
 女の子達は、一番主人公と年齢の近い子が「半裸の姿を見られ、最初は抵抗を示す」王道展開。
積極的な次女、まるで子供の三女(三歳だから当たり前)と、悪くない取り揃え方。
 もう少し人数が居ても良かろうけど…まあ、十二人も娘が出来て、それぞれ「パパ」「お父さん」「父上」「パパちゃん」「ととさま」「ダディ」「師父」と違った呼び名をする、なんて訳にもいくまいし。
自分が考えてたのはそんな感じのバカ話。
そもそもこの作品では、誰も主人公を「パパ」とは呼ばないのか。

 主人公と姉の関係を先に示すのは、三姉妹を引き取る動機として必要だから、だろうけど、大学の先輩・莱香は登場からして後回しにして良いような。
 実は彼女も「娘」の一人…とかいう真相が明らかになるならともかく、二話までのストーリーに彼女はほとんど必要じゃないからなあ。
三姉妹との同居に到る過程を手早く説明するのが序盤最重要ポイントのハズだから、回想シーンで初登場とか、せめてもう少しウエイトを軽く、「大学にはこういう先輩も居ます」と紹介する程度に留めれば良いのに。

 「萌え」「ハーレム」作品で、処理が面倒なのは「親」の存在。
海外出張に夫婦共に出掛ける、というのはパターンながら手堅い処理。
 あとは「出張が予期せず長引いて…」「娘達も大丈夫だと言ってるし、もうしばらくお願い」とでもして、ストーリーの都合に応じ不在状態を続ける、あるいは赴任地に娘達も呼び寄せようとして日本での疑似親子関係を危機に陥れる、で済む。
 殺すのは予想外。
行方不明、音信不通で構わないはず。
 物語のテイストから考えて、実は生きていた、ってのも十分有り得る話だけど、死別をこんなにハッキリ匂わせて、ストーリーのテンションを落としてしまうのは、得策だったろうか。
主人公が侠気(父親気?)を見せて全員引き取ると言い出す、このシーンのためにそうしてしまったようにも。

 これはまあ、この先の話だけど…
3人も女の子を引き取って、生活できるの?
 ウチなんか娘一人だけど、酷く不自由させないよう面倒を見ていけるかどうか不安な状況なのに。
 フィクションなんだから、死んだ両親が結構な遺産を残してくれていた、事故の補償・会社からの見舞金が膨大な金額、大学の先輩等が主人公に恐ろしく効率の良い働き先を紹介してくれる、娘達がメイド喫茶でバイトなどしてガンガン稼いでくれる、主人公を投資の天才に・娘達を奇跡的強運の持ち主にして宝くじ連続当選、お金持ちだが生活不適応能力者の次女母が転がり込んでくる…最終兵器としては「慎ましく何とかやってます」だけで細かいことは何も描かない、という手もあるが。

 気楽なバカ萌え話に留めておいた方が良かったと個人的には思うけれど、シビアな現実をどう捌くか、それによりこの作品独自の魅力が現れてくる…のかなあ?
 そういう意味で、先が気になる。


2012年1月17日 火曜日

『戦姫絶唱シンフォギア』02.「雑音と不協和音と」

 原作未読…と思えば、アニメオリジナル企画なのか。
いかにもライトノベル風ストーリーなんだけど。

 一話目は、余り感心しなかった。
 時間がポンポン飛ぶし、ライブ会場で、何をしていたのか一人逃げ遅れる響、続けざまの攻撃に押されていたはずの奏なのに倒れた響に関わる間はノイズが待ってくれている(本当に、ボーッと立ってる)、奏の死を賭けた攻撃を叫び止めようとしながら駆け寄ってこようとはしない翼…僅かにフォローを入れれば大幅に不自然さを軽減できるところだと思うのに、そのまま見せており、あんまり上手くないなあ、と。

 このまま進むなら個人的に視聴継続は厳しかったけれど、二話目はずっと良くなっている。
 無理は(こういう内容なので全体に無理なのは置いて)見る限り少なく、一話での「胸から派手に血を噴いて倒れる響」というインパクトのみを狙ったシーンと思えたものが実は伏線だと分かり、パートナーの死を引き摺っている翼の心情も分かり易い。
 ヒロインらが所属する組織、あんなに陽気だとは意外。
奏を失った戦いの原因となったノイズ来襲は、よく分からないけど組織が進めていた計画を原因としているのでは?
 歌と共に戦うなんて『マクロス』そのままじゃない?としか思えなかったが、これは「歌いながら生身で戦う」というのが大きな独自ポイントなのね。
息切れとかしないのかなあ。
 突然、響が歌い出すところはストーリーの都合かと笑ったけど、体に残るギアの破片により歌が浮かんでくる、とする設定の上手さに、なるほど。

 もう少しライトな世界観に留めれば、『プリキュア』の一本として企画できそうな内容。
敵ノイズのザコなんて、緊張感を削ぐような形状なのだし(攻撃方法は悲惨だけど)。
 シリーズを通して見ることで「何か」現れてくる作品なのかどうかは分からないが、取りあえず、見続けて楽しそうな出来。


2012年1月8日 日曜日

『キルミーベイベー』01.「いぬをしのびてさくらさく」

 原作は、単行本で一巻目を読んだと思う。
 殺し屋少女をヒロインに据えた四コマ、という発想が面白く、感心したが、実の所その友人少女が巻き起こすボケこそネタの中心だったような。

 アニメ。
 ううう〜〜ん、四コマを三十分のアニメに再編成する際の練り込みが弱く、ゆる〜いネタがブツ切りで多数入っているだけに思えて、冒頭十分過ぎではもう「長いな」と感じてしまう。
 十分アニメならこれでも大丈夫、十五分でも何とかもつ、しかし三十分となると、この構成じゃ視聴者を辛くしてしまいそう。
 気を散らさず見てもらうには…ギャグのネタ自体を変えるのは困難だろうから、どうにか居心地の良い空気、あるいは無理矢理にでも強い可愛さ・萌えを押し込んで、それを魅力として見せる以外に無いかも。

 作画は可愛くできている。
ただ、『日常』のように作画の暴走で強引に笑わせてしまう程のパワーは無く、「過不足無い」レベルに留まる。
 時間がある時、ぼんやり眺めるには良いかも知れないけれど、録画してまでチェックしたいとは…


2012年1月7日 土曜日

 WOWOWで放送された『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』を見る。
 監督・水島精二、脚本・黒田洋介など、スタッフが再集結して作られたもの。
 テレビシリーズを見終えてから結構な時間が経っており、内容に入れるか…?と危惧したけれど、さして難しいところは無く。

 これまでの『ガンダム』サーガは、ニュータイプやコーディネーターなど次世代の、ではあっても「人間同士」の物語だった。
当然、この『00』も、テレビシリーズは、そう。
 全くのエイリアンと戦うストーリー、というのは初めてかな。
 同化侵略なら、『スター・トレック』ボーグのメンタリティーに近い?
形状や特性など外部情報はともかく、知識や感情の動きなど、内面情報を同化吸収して利用しよう、とは考えてなかった(余りにも異質で不可能だった?)みたいだけど。
 無数に存在し、自らの被害を考慮せず襲いかかり、一切の交渉も譲歩も…通常のコミュニケーション自体が有り得ず、相手の攻撃方法を学習して進化する。
 長い『ガンダム』サーガの中で、最強・最悪の敵かも。
 ああ、でもデータの形で存在し、肉体を単に消費材と考えるティエリアは、彼らに近いのか。

 この異星体ELSとのバトルは、だから熾烈を極め、劇場版の頑張った作画と相まって、非常に見応えのあるものになっている。
…「敵の損失」が分からないため、ほぼ一方的に地球人側の損害が示される事となり、テレビシリーズで印象的だったキャラクター達が次々倒れていく消耗戦の様相を呈していたが。
 亡くなったキャラについては、無駄死にとせず、抱いた心の傷や理想への希求が昇華する形を取っており、ただ悲惨ではないのが救われる。
 死亡フラグをビシビシ立てながら、今回ものうのうと生き残る「不死身」の男が可笑しい。
彼が死んでいたら、この映画の後味はかなり変わったモノになっていただろうな。

 刹那によるファースト・コンタクトは…
 うーん、よく分からない。
「よく分からないモノとのファースト・コンタクト」なのだから、そういう見せ方以外に無く、「実は人と何も変わらず愛を求める生き物だった」とするよりずっと良いとは感じつつ。
 今回は異星体の形を取っているので見失ってしまいそうだが、『ガンダム』は「とても分かり合えるはずがない者同士が分かり合う、少なくともその可能性を示す」物語だったと思う(『ヤマト』も『マクロス』も、そうだと言えばそうなんだけど)。
そういう意味では、恐ろしく距離のある相手を設定してあるだけで、テーマとしてはそんなに異質じゃないのかな。

 色々と描きたいモノがあったのだろう、しかし時間に厳しい限りがある劇場版の制約故か、物足りない終わり方に思えるのは残念。
 『スター・トレック』ボーグもそうなのだが、「遠くに思えた相手は、いざ近づいてみると単純・純朴」という形に落とし込まれる事が多く、ELSより人間の方が、分かり合う距離は遙かに離れているんじゃ?などと感じてしまう。
 まあ、ELSは恐らく、最初から侵略や地球人の根絶を計っていたのではなく、近づこう・繋がろうとしていたと思え、ならばコミュニケーションが一度成り立った以上、再度敵対する理由など無いか。

 刹那とマリナの関係については、誤解の生じようがないほどカッチリした結末を示したが、フェルトが刹那に寄せていた気持ちはどうなったのかなあ?
 その他、ソレスタルビーイングの仲間達もどうなったのか。
 全部描ける訳がないのは当然だけど、マリナとだけ未来を見せてくれるから、つい気になってしまう。
 スピンオフならともかく、正当な続編の有り得ない、絶対の完結。
いや、ELSの同化変形能力を取り込んだ超新型ガンダムで宇宙壊滅を目論む異次元人と戦う、とか何とか、続けられないことはないが、蛇足の極みだなあ。


2012年1月4日 水曜日

『機動戦士ガンダムSEED(HDリマスター版)』01.「偽りの平和」

 2002年放送開始、という事はもう十年前のアニメになるのか。
ついこの間、って気がするのに。
 不満点が多く悪口ばっかり言っていたような印象のある、この作品。
 本放送以降、長く見返すこともなく、熟成期間?を置いて見てみると…

 なんだ、面白いじゃないか。
『SEED DESTINY』までも見終えた状態だから、かも知れないが、ドッと顔見せするキャラクター達も「ああ懐かしいなあ」と問題なく見分けられるし。
 当時の自分の感想を読み返すと、「ファーストを一生懸命なぞっているだけじゃ越えられないよ」という事で文句を言っている。
ファースト第一話の構成は見事で、比べると…という所はあるけれども、キラの日常生活を長目に見せ、彼の特性と破壊される平穏な日々をしっかり示す作りは、悪くない。
 モビルスーツ戦は弱いけど、襲撃を受けたコロニーの悲惨さ(キラが避難しようとしたシェルターは「もうドアしかない」と言われてしまう!)、少々残酷気味の見せ方をされる対人戦闘の迫力で、十分満足できる。
 仲間・部下を殺されており、決して相容れない・互いに殺意以外抱けないアスランとマリュー…そんな状況下、最悪の形で再会する親友同士、という、ここから長く続く葛藤を象徴する構図も、分かり易い。
 ガンダム起動を次回に送り、期待感を煽るのも良いんじゃなかろうか。

 うん、別に取り立てて文句を言う所は無い。
期待感が過剰すぎた、欠点を探すぐらいの見方になっていた、って感じだったのかな。
 新作『AGE』が問題点過多であり、比較すると…という視点もあり。
『SEED』は、非常に厳しく見ても、「キラとアスランの葛藤・友情を中心に据え、その魅力で見せていきたい」作り手の気持ちはハッキリ伝わってきたのだし。
『AGE』は、未だ何を見せたいのかさえ…いや、まあ『AGE』は置いといて。
 画質は良くなってるのかなあ?横長画面にはなってるが、元を覚えていないため、個人的にHDリマスターの恩恵はさほどでも。
 最終回まで付き合うぞ!程の意気込みじゃないんだけど、時間がある限りまたボチボチ見ていきたいと思う。


2012年1月3日 火曜日

『機動戦士ガンダムAGE』12.「反逆者たちの船出」

 第一話から見て…うーん、「子供が考えたガンダム」という印象。
 ドコもココも恐ろしく詰めが甘い。
カッチリ出来ているから良い、とばかりは言えないけれど、それにしてもこんなに隙間だらけ、相互矛盾の多い内容では、ツッコミたい気分が先に立ってストーリーに没入できない。

 戦局を決定づける最大戦力・ガンダムを、子供に乗らせ続けているのは何故?
現在は、疑似ニュータイプっぽい能力が現れてきているからまだしも、出航当時とかエースパイロットのお兄ちゃん・ウルフに搭乗員を変えていた方が有効だったはず。
 よくある話だけど、「指紋・DNAチェックなど、主人公以外が乗っては操縦システムが機能しない」とでも設定しておけば良かったのに。

 敵に対し破壊力のあるガンダムのドッズライフル、僅かな時間で生産が完了するコレを量産しないのはどうして?
連邦の一般モビルスーツでもこの銃を使える事が示されており、なのに作らない(ガンダムが使わない間でさえ貸して上げない)理由が分からない。
 武装もガンダム本体と同じく主人公認証と連動しているため他のモビルスーツでは使えない、あるいは使用可能だけれども一発撃っただけで腕や肩の関節が火を噴くほど反動が激しく使用リスクが高すぎる、という風に見せれば。

 これらは、「ガンダムは主人公メカであり他のザコメカとはレベルが違い無闇に強いのが当たり前なんだよ!そういうものなの!」という子供の理屈で成り立っていると考えれば、納得できなくもないのだが、突然知らない工房のオジサンが作って、くれた、エースパイロット専用のガンダムと同程度かそれ以上の機能を持つスーパーモビルスーツ・Gエグゼスの登場で、そんな理屈さえ崩れてしまう。
????よっぽど上手く状況や設定を整えない限り、こんなの出しちゃダメでしょう。
 米ドラマ『ナイトライダー』で、膨大な金額を投入し世界のトップ頭脳を結集して作り上げたはずのスーパーカー・ナイト2000を、街のメカニック兄ちゃんがチョイと改造して遙かにパワーアップさせてしまうガッカリ展開を思い出した。

 こんな簡単に?出来る対UEモビルスーツの開発を、これまで全然出来なかった連邦の科学者って、どれだけ無能なの?
 Gエグゼスをもう一機発注する、せめて武器だけでも複数作らせる、戦艦の武装を改造してもらう(子供のアイディアで実行されるみたいだけど)、といった発想はどうして出てこないのか?
 職人のオジサンに修理(改修?)させようと、極秘機体であろうモビルスーツを預けるUEが謎すぎる。
しかも、何かに反応してなのか急に暴れ出しオジサンに迷惑を掛けるだけに終わる、この辺も疑問符だらけ。
 オジサンはUEのモビルスーツを知らなかったみたいだけど、この世界で、謎の襲撃者により多数の死者が出ている情報はどれぐらい公になり、どこからが隠蔽されている?

 マフィアみたいなドンと部下による「感動的な」犬死に特攻。
 艦長の説得力皆無な演説に、「燃えるパターンとして」最後まで付いていく事を決めるクルー達。
 …荒すぎる。
これはさすがに、子供もだませないレベルじゃなかろうか。

 文句ばっかりだけど、今回は、子供っぽくはありつつ一応の頭脳戦が見られ、楽しかった。
「やるな!」というより「このぐらい予想して行動しとけよ」だけれど、まあここまでの内容に比べれば凄く頑張っている。
 いいタイミングでUEが襲撃してきて対立していた二勢力が手を取り合う、というお馴染みの展開が残念。
UEって、『ガンダム00』ソレスタルビーイングみたく、脅威である自分達の存在によって人類全体の協調・和平を推進するのが目的なのか?と思ってしまうぐらい親切だなあ。
 主人公側量産型でもUEが破壊できてたみたいだけど、ようやくガンダムの武器を貸して上げた?MS職人オジサンの改装が終わったのか。
ここらは一言だけでもセリフでフォローが欲しい所。

 現主人公・フリット編は、UEの拠点攻撃をクライマックスとして終わる…のかな?
 「子供向けガンダム」を目指すなら、それはそれで構わない。
それだからこそ出来る子供っぽいパワーに溢れた面白さ、を演出してくれるなら。
 ここから、この作品で何を見せたいのか、しっかりと表してくれる内容にすべく踏ん張りと頑張りを…正直、あんまり出来ないんだけど…期待しておく。


2012年1月2日 月曜日

 あけましておめでとうございます。
 旧年中は大変お世話になりました。
今年も様々にお世話になったりご迷惑をお掛けすることと思いますが、宜しければお付き合い頂けますと嬉しいです。

 31日、コミケに参加してきました。
 久々の参加、しかも新刊無しなので、誰も来ないんじゃないかと危惧しておりましたが、意外なぐらい沢山の方にお越し頂き、しかも委託同人誌(寄稿はアリ)を「久しぶりに飛龍さん見たから、記念に」「また次回、期待してます」といった有り難いお言葉と共にお求め頂き、何というか「もっと頑張ろう」という気持ちを充填して貰えた気分です。
 調子を崩して長くコミケ参加できなかった、勿論今回も無理だろうと諦めていた友達と、久しぶりに会えたのも非常に嬉しかったところ。
思わず抱き合っちゃいましたよー、会場で、こっちはオッサンなのに。
「抱き合って喜ぶ」なんてホントにしたのは初めてじゃないかなあ。

 ウチの夏コミケへの参加は、申込書は購入してきましたが、まだ確定しておりません。
というか、落とされる可能性も高いし。
 でも、頑張ってみようかなあ、って気持ちは強くしております。


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11/05〜12の日記を読む