ときどき日記 2012/05



2012年05月29日 火曜日

『這いよれ!ニャル子さん』08.「ニャル子のドキドキハイスクール」

 前回のコンテが桜井 弘明なのに驚く。
 さすがに間の取り方が上手く、笑わされたところもあるけど…全体的には『ニャル子』の一本としか言いようが無く思え、それは桜井 弘明が作品カラーに良く合わせたものか、このアニメがイレギュラーをも飲み込む力を持っているのか。

 そのラスト、ニャル子による大真面目な告白からの流れで、作品は「馬鹿ギャグ」路線から「馬鹿ラブコメギャグ」へと変わってきたような。
相変わらずニャル子が主人公のドコにそんなに惹かれたモノかよく分からないし、迫り方は不純極まりないけれど、それでも「ラブ」を基調にしていると思える。
 個人的にはニャル子に「可愛いけれど底知れぬ恐ろしさ・異質さを持ち、好意に応えることには不安を感じる存在」であって欲しかったかな。
余りにも普通(ギャグアニメとしては普通)にパワフルで積極的な女の子然としており、『イカ娘』ほどにも人との差異を感じられないため、独自の魅力が弱い。
 まあ、作品としての独特さ・面白さと、キャラクターの人気・商品の売り上げが正比例するとは限らず、ちょっと生温くすることで「成功」に近付けられるなら、それはそれで正しいと思うけど。

 息子とラブラブな関係になりたがる主人公母が可愛い。
ゲームのラスト、告白に駆けてくる相手は、お母さんの方がオチとして良かったかも。
それじゃラブコメ路線から外れすぎてしまうのか。



2012年05月28日 月曜日

 PCとOSの移行に伴い、ずいぶん古いバージョンのホームページ・ビルダーが使えなくなってしまったため、フリーソフトにて更新中。
 こちらで確認する限り特に問題ないよう思いますが、酷く見辛いなど支障があるようでしたら教えて下さい。



『機動戦士ガンダムAGE』33.「大地に吠える」

 前回、連邦「ジャブロー」に爆弾が仕掛けられた、そこから想像される大体その通りのお話。
意味なく乗せている小さい子達が爆弾を発見し、大活躍するような展開はなかったけれど。
 シャナルアの死からキオが子供っぽく怒りに燃えるのは分かるが、八つ当たりのような問い掛けにゼハートがわざわざ答えるとは思わなかった。
「更に怒らせるようなことを言い、逆上させて操作ミスを起こさせる」周到さがある訳で無し、新しいガンダムパイロットの素性(プラス、アセムの現状)を聞き出すこともせず、無駄だなあ。
まあ、ゼハートはずっと眠り続けていたので、頭の中はまだ十代並みなのか。
 そういうキオを止めるため、セリックがシャナルアを思い出させるのも驚き。
いや…何を言っても裏切り者だからね、どんなことを言ってたのか怪しいもんだし、冷静にさせる切っ掛けとして有効かどうかは疑問に思うが。

 ダメ女艦長ナトーラ。
次第に自覚と才覚が芽生えてくるのは当然の成り行きだけど、フリットが的確な指示を出している最中なので、物語的必然性が弱い。
老齢のフリットが発作を起こし必要に迫られて…とかいうお膳立てを整えるものじゃないかなあ。
 彼女が、寝ないで艦内の把握に努めていたことを、何故か知っているフリットが可笑しいというか不気味。

 連邦、AGEシステム改良の計画があったのね。
ガンダム頼りの戦況続きなのにそれを却下するのはアホだけど
…この作品において、一貫して連邦は愚鈍で無能な人間の集まりとして描かれているため、違和感はなく。
 ただ、ヴェイガンも同じぐらい能なしだし、主人公達も余り変わらず、賢い人が少なすぎるのが問題。
 間抜けすぎるように思えたヴェイガンの作戦、実はイゼルカントの遠大な計画が背後にあった?
失敗続きのゼハートをクビにしない選択といい、地球を追い込みはするけど敗戦までさせるつもりはなくて、やる気のない連邦に覚醒を促し、やがて来る宇宙からの本当の脅威に備えさせるのが狙い、というんじゃアリガチなパターンか。

 都合良く爆弾を見つけ出すXラウンダー能力?に、ちょっと呆れ。
こんなに便利だと、次回以降、危機に陥った際「何故その力を使わないのか?」視聴者が不満に感じてしまいそう。
 せっかくスパイとして死んだシャナルアというキャラが居るんだから、彼女の遺言として爆弾の位置情報が提示されているなどして、イベントに絡ませれば良いのに。
それを素直に信じるキオと、「使い捨てのスパイにそんな重要情報を漏らす訳がない、逆側を探れ」とするフリット、実際はフリットが正しく、道具以上の存在 価値を認められていなかったシャナルアへの思いで、ヴェイガンへの怒りを新たにするキオ、といった流れに繋げられたような。

 次回は宇宙海賊が登場?
頂いた番外編の情報から、アセムとの再会が待っているのか。
 もしそうなら、ここまで彼を「登場させなかった」理由が納得できる再会であって欲しい。



2012年5月27日 日曜日

『夏色キセキ』08.「ゆううつフォートリップス」

 青春を描きつつ、ちょっと不思議なことが関わるアニメかと最初は思っていたけれど、これ、特殊コスチュームに着替えないし使命もリスクも伴わないライトな「魔法少女物」なのね。
 中身が入れ替わる、二人に増える、などの魔法的イベントアイディアと転がし方が実に面白く、しかも「青春」に斬り込む方法としてきちんと有効に機能しているのが素晴らしい。

 ギャグとしても楽しく、御石様が願いを叶えたことにより毎度起こされる突拍子もない状況が愉快。
何だコリャ?と思った一話目の飛行シーンは、正しく「突然の物語的飛躍に驚いたり吹き出したり」という反応を狙ってのモノだったのね。
 監督の仕事に引っ掛けてか『ガンダム00』らしきポスターを少女が拒否する所、笑ってしまった。
自虐的ネタとも思えるけど、特にアニメファンではない普通の女の子がロボットアニメのポスターなんか欲しがるか、と考えるとリアルでもある。
アニメファンが、韓流男性(女性でも)スターのポスター差し出されたって困るだけだろうし。

 ここ2回は、故意になのか御石様パワーを使わない話。
 前回、街祭りイベントでヒロイン四人組が歌と踊りを披露し、優勝することで夢の「アイドル」に近づいたかと思ったが、今回は関係ない内容。
いや、「アイドルになるまでの軌跡」ではなく「アイドルを夢見た少女達が過ごす一夏の軌跡」を描く作品っぽいので、そういう意味では無駄な話は一本もない。
 転校していく紗季を見送って終わるアニメかと考えていたので、彼女の引っ越し先までフォローする親切さに驚く。
彼女が行けない修学旅行をシミュレーションする意味もあり、楽しげな道中の様子がまた嬉しい。

 友達に対し、自分のキャラクターから、遊んで欲しいというメールを出せない紗季が可愛い。
 おバカさんで行動力に溢れすぎておりトラブルメーカーだが憎めない優香も良いなあ。
 ボーッとしているようで全員と自分をよく見て把握しており、意外と四人組の要になっている凛子は愛しい。
 夏海も元気で嫌える訳などないが、他三人に比べると余りにセンターな作りのキャラで、まだ少しだけ弱いような。
 島で出会った、ぶっきらぼうな少年は、紗季の転校を「楽しみなものにする」ための要員なのか、「やっぱり一人だけでも引っ越しをやめ街に残る」決断の原因になるのか。
…後者はあんまり考えられないが。
 もう終盤戦?
キレイな終わり方を期待したい。



2012年5月22日 火曜日

『機動戦士ガンダムAGE』32.「裏切り者」

 前回。
いきなりガンダム搭乗者として現れ、その立場を維持するキオの親の七光りぶりに反発、他の現場叩き上げパイロット達とは違う、と批判するウットビット。
全く順当な意見で、この怒り…厳しい気持ちを理解に変えていく過程を描けば、ディーヴァにキオが受け入れられるプロセスとして十分かと期待したが…
 うーん、浅い。
 キオと共に間近で戦場に直面するウットビット、というシチュエイションから『エヴァンゲリオン』「鳴らない、電話」を連想させるのに、苦戦ぶりも死の恐怖も描き足らず、ウットビットの気持ちの変化を理解させるには物足りない。
 そもそもが、さして深刻な反発ではなく、単純な性格でもあった、ということか。

 このあたりの薄さは今回も同様。
 裏切り者は誰なのか…?もう少し引けた所だと思うが、すぐシャナルアだと判明。
「決め手がないから嘘の重要情報を与えて様子を見るフリットら」とか「シャナルアさんはそんな人じゃない!と一人庇うキオ」なんてのがあっても良いような。
 イキナリ逃亡を図るシャナルア、早い!早すぎる!
 彼女の事情と苦悩が余り伝わらないのも難点。
医療の手が緩めばすぐ死に繋がる妹との通話、逡巡するシャナルアに「妹が死ぬぞ」と迫るヴェイガン、パターンながらこういう所があると事態を立体的に把握できるんだけど、写真を見るばかりで、彼女の主観的にも、カメラを引いた客観的にも、苦しい立場の伝え方が弱い。

 逃げ出した後も、恐らくはもう死ぬしかないのだろう妹(既に生涯心配ないぐらい報酬を得ている?)よりも、行くあてのない我が身を嘆いているようで、ちょっと。
 せめて、艦内から、軍の重要作戦情報を盗み出し逃亡、それと引き替えに妹の治療費数十年分を要求。
しかしデータ引き渡しの現場に追跡してきたガンダム・キオが現れ…ぐらいの展開があると、ドラマとして盛り上がったかなあ。
 シャナルアの「肉親を失いたくない」気持ちと、キオの「行方不明の父親への思い」を(フリットの「息子への気持ち」も?)重ねられると、より深そう。

 前回、砂漠の砂をも焼き尽くすガンダム新武装の威力は壮絶で、なかなか楽しげだった。
 今回は登場もしない一人欠けた「黒い三連星」、顔見せだけの「仮面ランバ・ラル?」に、半壊モビルスーツに仕掛けた爆弾で何事か計画する露骨にジャブロー潜入時の「シャア」っぽくなったゼハート。
初代のキャラ配置で理解できるのは、分かり易くて良いと言えば良いか。
 アセム編で亡くなったウルフは惜しいキャラ…だと思ったけど、キオ編で登場したセリックがほぼ同様のキャラクターなので問題なし。
問題なさ過ぎ。
頼れるアニキが欲しいのかも知れないが、ハッキリ差異を演出してこそウルフ、セリック、両方のキャラが活きるような。
当初、セリックを「優秀だが恐ろしくイヤな奴」に描くとか。
 無能艦長、何となく居るだけになってしまい、戦いの足を引っ張るでも成長を見せるでもないのは残念。
女同士として、今回のシャナルア事件への対応で、何か核のようなモノを示せたかと思うのに。



2012年5月17日 木曜日

『LUPIN the Third -峰不二子という女-』07.「音楽と革命」

 キューバのゲバラをモデルにしていると思われるキャラクターがゲスト。
 このアニメの時代設定は、ファーストテレビシリーズ(71年)より昔…になるのかな。
原作連載は67年から。
 キューバ危機は62年なので、まだ若い不二子を描くなら、時代は合うのか。

 冷戦時期に起きた一触即発の事態をエピソードの背景に、実際は起きなかった最悪の展開をフィクションとして迎え、『ルパン』中、一番何でもアリな、「嘘」を体現するキャラクターである五ヱ門が、いつも通り一閃することで馬鹿馬鹿しくもスッキリ解決するお話。
 …というのが主題じゃないかと思う。
 うーん、それにしては時系列を弄ったりして、無用に視聴者を混乱させるのが分からない(冒頭の不二子拷問はゲバラと出会った切っ掛け?)。
 風圧を無視して飛行機の上に直立する五ヱ門は、「嘘」を強調するためワザとしたことか、演出・作画の抜けか。
これだけならともかく、落下する二人が事も無げに助かってしまう流れは、痛快さより都合を感じさせてしまい、宜しくないような。

 ゲバラはなかなか魅力的に描けているけど、彼と対面させることで不二子が魅力を増した訳でなく、セカンドシリーズぐらい物語容量に余裕があるなら良いが、もうあと数話しかない…と思われる…このシリーズに入れるべき内容だったかは不明。
 いや、人間の大きさを感じさせるゲバラに惹かれつつも、ビーチで彼の夢を思い、立ち去る彼女は雰囲気悪くないんだけど。
 あのラストは、お宝が「アタシのポケットには大きすぎるわ」ということでもあったのかな。
米ソ(をもじった国)の描き方とか不二子拷問とか、『VSクローン』も思わせたが。
 不二子(少なくともこのアニメの不二子)は、お宝ではなく、「自分をそのまま受け容れてくれる相手」を求めているんじゃなかろうか…こう言うと薄っぺらいけども。
ここまで、基本的にはそういうことを主題に据えているよう思える。


2012年5月8日 火曜日

『機動戦士ガンダムAGE』30.「戦場になる街」

 ゼハートの猛攻に押されるキオ。
 加齢により衰えが出ているのでなければ、今回だけでもフリットが操縦を変わって良さそうなもの。
アセム編では、堪え性もなく自身で出撃していたというのに。
キオを…と同時にガンダムの耐久性を信じており、孫に実戦を体験させるのが重要だと考えてか。

 元部下からの信頼が厚いフリット。
ディーヴァの出撃の要請も、本来は無理筋なはずが、通ってしまう。
 何か考えがあっての要請なのだろう、と思ったようだが、AGEシステムを動かしてパワーアップパーツを出せ、という毎度のパターンしか無く。
 AGEシステム、長い間起動してなかったのだろうか。
現実に有り得ないぐらい凄い強敵を想定した模擬戦、あるいはプログラム上のシミュレーションでも組んで読み取らせ、最強の武器を作っておけば良かったような。
一応は軍が押収した形…じゃないのかなあ、なのに何にも使ってなかったの?
 作品の中核を成している存在ではあるけど、今更ながら「AGEシステムに突っ込んでも仕方ない」と考えるしかないのか。

 ディーヴァの新人艦長、これだけ自信が無く、まるで能力も発揮できない艦長キャラは珍しい。
ヴェイガンが攻め込んできてたら、撃沈されていて不思議ないレベル。
 能力の片鱗でも見えれば…と思ったけど、今回は全く良いところ無し。
いくら何でもこのまま、ってことはあるまいから、今後の伸びしろに期待すべきか。
 未熟なキオと、比較しても遙かに未熟な艦長、二人を同じ艦に乗せる意味は、これから出てくるんだろう…多分。

 逃げまどう民間人を、狙って殺すヴェイガン。
地表の地球側モビルスーツを狙って外したもの、とも考えられるけど、一応はゼハートが上に居るというのに無駄に残忍なことをする意味は?
 ゼハートも、大きな敗戦と、コールドスリープの間に性格が変わったのか。
 対して新兵器を発射するキオ・ガンダム。
連射は効かないと思われる武装だし、効率的な攻撃を考えたのかも知れないが、敵戦艦の艦橋を狙うのは(それで乗員が死ぬところまで描いてるし)どうだろ。
 民間人虐殺と戦闘中の戦闘員殺傷では意味が異なり、「ヴェイガンは悪魔」しかし「ガンダムもヴェイガン側から見れば悪魔」という戦いへの考え方を表したものなら構わないが。
 そういえばキオ、未来を読んで?護衛モビルスーツから離れ新兵器を撃つのは良いけど、一石二鳥を狙ったゼハートは撃破できないし、敵戦艦の艦橋なら元の位置でも狙えたんじゃないかと思え、??

 引退に伴い、軍からの扱いが軽くなってしまったフリットが可笑しい。
 退役したフリット、老朽艦ディーヴァ、ド素人艦長、扱いづらそうなブリッジクルー、今更の(と考えられているのだろう)ガンダム、少年パイロット…
軍から侮られる要素が満載。
 「軍本隊の邪魔をせず後ろに居ろ」ぐらいに冷遇されながら、実力を示し、次第に登り詰めていくストーリーになるとカタルシスがあるかな。


2012年5月6日 日曜日

 WOWOWで放送された映画『スカイライン-征服-』を見る。
 予告やショウビズでの紹介から、ずっと見たかったもの。
 何故か近所のレンタル屋には入荷せず…と思えばTSUTAYA限定レンタルなのね。
こういうの止めてくれないものか、近くにTSUTAYAが無い人だって居るんだから。
 ほぼ悪い評判しか聞かない映画で、内容の酷さは覚悟の上、「突然エイリアンの侵略が始まる」というシチュエーション自体が好きだからCGイメージに面白い物があれば良い、ぐらいの気持ちでの視聴。

 いや、別に悪くない。
 感情移入できるキャラクターは居ないし、舞台は豪華マンションからほとんど動かないし、色々なことの説明を投げてるし、傑作だとはとても言えないけど、このジャンルとしては標準的なぐらいのダメさ加減。
 CGには気合いが入っており、画面として面白いところが多々。
『クローバーフィールド』『宇宙戦争』他から頂いたようなイメージが散見されたのは、まあ仕方ない。

 以下はネタバレ。


 エイリアン、強奪した人間の脳は、兵器群の頭脳か制御機能として使っていた?
『キカイダー』のハカイダーを連想してしまう。
 人間を誘導する時に用いた青い光で脳を完全に洗脳し、兵器に取り付けて便利に使ったものか。
 青い光に晒されながら何度も自分を取り戻すことで、光照射を受けてもある程度自分を保てるようになった…のだろう主人公。
その設定を急に暴走させ、異形のヒーローが誕生するラストは凄すぎて、笑う。
ちょっと『デビルマン』いや『魔王ダンテ』かなあ、移植対象がアモンやダンテほどの特別な力を持っていれば良いけど。

 人間からもエイリアンからも追われる存在の主人公が、愛する彼女を護りつつ、孤独な戦いを始める、ここから面白くなりそうだと思ったのにEND。
コレは残念、まあ既に『2』撮影中という話もあり、この後どう展開させるのか、少しだけ期待。
 主人公、人間形態に戻れると話が広がりそう。
 主人公の脳活動を計測し、心を保てる機構を分析して「赤い光」を作りだし、兵器群に照射、人間の心を取り戻させ(我に返ったら絶望で死にそうだけど)、「デビルマン軍団」を作り上げエイリアン母船に立ち向かうとか。
 エイリアン本体は、この映画に全然登場してない訳ね。
隠れて全てを操ってるのか、強化しすぎた兵器により自分達自身も滅ぼされ・組み込まれて戦闘に使われているのか。
 エイリアン兵器は完全な破壊が難しい、母船など壊れてもすぐ再生する、ほぼ不死身に描かれており、あれ自体がエイリアンだ、ということなのかも。

 次作もCGのクオリティーを維持し、バカ展開に力を入れてくれるなら、劇場で見てもイイなあ。
 ただ…この監督、キャラクターに何の思い入れもなくポンポン殺すし、バトルの見せ方も余り上手くないので、実際のところ続編にどのぐらい期待できるかは不明。


2012年5月5日 土曜日

『超ロボット生命体 トランスフォーマー プライム』05.「爆裂変形!スペースブリッジ攻防戦」

 オートボット達はそれぞれ役割を心得ており、機能的に動いているけれど、今のところ人間の子供達がお荷物にしか思えないのは残念。
スーパーハッカーの如くデジタル関係に恐ろしく強いメガネくんのみ、役に立ってない訳ではないが。
 オートボット達は強力であり(量産機やゾンビみたいな相手なら何十機と戦っても負けない)、賢いので、子供が彼らに貢献できる分野は、そう無い。
 人と交わることでロボット生命体の限界を超え、「心」を持つようになる…というのが美しいパターンだけど、既にみんな人間っぽいしなあ。

 スペースブリッジを通し、母星から甦らせた大量の兵力を呼び込もうとするメガトロン。
二度と母星に帰れなくなるリスクを冒しても、地球を護ろうとするオプティマスらの悲壮な決意が嬉しい。
 子供達も、電波望遠鏡施設で、結果として余り役に立たなかったとはいえ頑張りを見せ、サウンドウェーブの襲撃を受けるなど、実写劇場版の人間達より余程意味のある活躍をしている。
 ここ数話のストーリーをまとめてスケールアップし、次回劇場版の骨格にすれば良いんじゃなかろうか。

 ついでに、映画『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』をレンタルで見る。
 「イベント映画、花火大会を見るようなもの」。
 ドッカンドッカン爆発する派手なシーンが続き、アクションを連続させ高いテンションを維持している。
ただ…全編同じ調子なので、所々では眠くなってしまったが。
 この映画だけでなく、三部作全体を通し、葛藤がないなあ。
コネで会社に入れてもらい、その恩人と彼女の関係、恩人の正体を次第に知っていくサム。
人間から重要な情報を隠されており、しかも追放の憂き目を見るオートボット達。
追放を決定し、そのため人類社会が危機に陥り、結局は全滅したと思われたオートボット達に助けてもらう米政府関係者。
裏切るセンチネル・プライム、彼を上官として敬愛していた(と思われる)オプティマス…
 彼ら、ほとんど悩まない。
悩んでばかりのSF超大作も困るけど、葛藤がほぼ見られないのはちょっと。
 しかし、躊躇わずセンチネル・プライムを断罪するオプティマスには、笑ってしまった。
その前に、ついでみたいな片付け方されるメガトロンにも。
 バンブルビーが、高速で走行しながらトランスフォーム、サムを一時車外に投げ出し、また変形して受け入れるアクションはアイディアの勝利。
 三部作終わったので、次回作があるなら恐らくは仕切り直し、キャスト・スタッフを入れ替えての新作になると思う。
また違う見せ方を期待したい。


2012年5月4日 金曜日

『LUPIN the Third -峰不二子という女-』05.「血濡れた三角」

 今回は、ルパンと次元がまだ組んでない、というところだけ除けば、実に安心して見られる『ルパン』お馴染みのパターンに乗っ取った話。
 不二子はお宝を欲しがり、彼女のためルパンは困難な盗みに挑み、次元はルパンに苦言を呈し、財宝を守る仕掛けにドタバタしながらも入手に成功、しかし最後には…
うん、これは安心だ。

 ルパンと次元の馴れ合ってない関係を活かし、殺意を顕わにしたぶつかり合いと、相手の利用法を考えるしたたかさが見て取れ、楽しい。
 特殊仕様のマグナム弾をルパンが用意してあったのは、次元参戦を予想してた?
次元に仕事を依頼した質屋のバーサンがルパンの変装か。
 弾丸を中途半端に五発しか用意してないのは、ラスト危機的状況で最後の一発を渡すなど伏線に使う気かと思ったけどそうでもなく。
でも、それを皮肉る次元との会話はイイ感じだったな。

 「厄介なモノ以外は盗まねえ、それがルパン家の血筋さ」ルパンのセリフが格好いい。
 前回、銭形にやられ、オスカーには罵詈雑言投げつけられた不二子。
五ヱ門のエピソードでちょっと見えた以外、不二子にはほとんど良いところが無く、「美人」「スタイル抜群」という美点を覆い隠して余りあるぐらい「厄介」な女に描かれている。
 そういう彼女に盗むだけの価値を認め、命を賭ける(それ自体を楽しんでもいるだろうけど)ルパンは純粋だとさえ言え、その時だけは、審判を通っても不思議ない。
 いや、多数の仕掛けがあるピラミッド、盗掘に来た人間が審判を受けるのに「罪」を自覚しない訳がなく、罠により殺されるのを恐れて怖じ気づくのが普通、躊躇いなく天秤に「心臓」を乗せられるルパンの度胸が桁外れで、実は特に罠のない仕掛けを突破できただけか。
 色々考えてしまい怖がって、長い時間「心臓」を握っていると、手の汗が染み込んで重量が増す。
何も心配せずすぐ天秤に置ける罪のない人間だけが仕掛けを越えられる、とか。
 まあ、結局は何をしても砂に落ちる罠に掛かるよう、なってたみたいだけど。

 光で色を変えるアレキサンドライトを伏線に使うのが、上手い。
 不二子も、手に入れてしまえば色を変え、求めていた価値が失われるお宝なのかも知れないな。


2012年5月3日 木曜日

 アニメ『ぼのぼの』。
 MXテレビで再放送中のこれを、娘が何故だか気に入ってしまい、録画したものを何度も見せてくれとせがみ、時折こちらに向かってシマリスの得意ゼリフを真似、「いじめる?いじめる?」と聞いてくる。
勿論「いじめないよぉ〜」と応えるが、『ぼのぼの』を皆が覚えている訳じゃなし、保育園で先生とか相手に「いじめる?」とか聞き始めたら、「もしかして家庭で虐待?」などと疑われるのではないかと要らない不安。

 しかし『ぼのぼの』、各話で出来に相当なバラつきがあるなあ。
 正直なところ、大抵は余り面白くない。
ワタナベシンイチ演出回でも、題材が向いてないのか、う〜〜ん、という内容。
 その中で、飛び抜けて笑えるのが池端 隆史演出回。
「カゼひきシマリスくん」の破壊力は凄い!
娘もこの話が一番気に入ってるし。

 池端 隆史は最近何をしてるのか…と思えば、『パパのいうことを聞きなさい!』の中で異色なぐらいカッチリ出来ている9話「ちょっとマイウェイ」を担当してたのね、気が付かなかった。
 『ミルキィホームズ』でも助監督とかコンテを。
見れば良かったなあ。


2012年5月2日 水曜日

『ヨルムンガンド』04.「ムジカ・エクス・マキーナ phase.2」

 「オーケストラ」師匠とチナツの話、後編。
 凄腕で凶暴で厄介な師匠と、うら若き乙女の外見に似ず凶悪で厄介なチナツは、良い取り合わせ。
 しかし、女子高生にも見える彼女は、何があって殺し屋と行動を共にし、これだけの腕を身に付けるに到ったのか…
今回冒頭で、出会い?は語られたが、あんな状況から彼に付いて行くとはなかなか思えず。
復讐を誓いつつ、現状ではとても敵わないので弟子入りして殺しの技術を習得、隙があれば撃ってやろうと目論んでいたけれど、次第に情が移り…という辺りが妥当なラインだろうか。
 ココからの誘いも受け、また隙を狙えば良かったような。
意外と感情に流されやすい・親しくすると殺せなくなってしまう自分の性格を知っていたので、それを嫌い、怒りがあるウチに報復したかったのかな。

 無敵に思えた師匠。
長距離狙撃でバッサリ退場。
 二人一組の面倒な人達、という扱いで、時々画面に出しても楽しかったか、とは思うが、まあ憎悪に燃えるチナツが一人でココを付け狙うのもまた良し…えっ、彼女も退場?
 ココのチームに、「有能だが油断すると寝首を掻かれそうな女」が入るのも面白そうだったのに。
 最後、彼女はココから何を聞いたのか。
「殺されると分かっていて武器を売る理由」…「私は不死身だから死なない」ぐらいじゃ恐ろしくはなく、「飼っている部下が大勢居る、私が死ぬのは彼らが皆死んだ後だし、減っただけ補充するから問題ない」なら酷いけどバケモノって程じゃない。
 マイクを抑えていたことから、割とフレンドリーに何でも喋るイメージのある彼女でも、部下に聞かせられない何事かがあるのか。

 ガツンとキャラを立てるのが上手い作品なので、その個性のぶつかり合い…殺し合いも面白く見られる。
 自分の仲間を殺した女性殺し屋にかつて復讐しながら、「オレがやられた時には、やり返さなくていい」と言うレームが凄くイイ。
 ゲストキャラも楽しいんだけど、ぼちぼちチーム各員の内面に触れて欲しい気持ち。



『氷菓』02.「名誉ある古典部の活動」

 二話目も作画は絶好調。
 お目々キラキラ、何にでも好奇心を持って知りたがる えるが可愛い。
 奉太郎に悪意があるかのように冷たく、里志ラブな摩耶花もキュート。
どうせなら奉太郎を巡って、えると彼女で三角関係を形成した方がラブコメ要素は強化できるけど、そういうことで視聴者を引き付ける作品じゃないのかな。

 『名探偵コナン』などでよく揶揄される、「主人公の行く先々で都合良く人が殺される」という、構成上やむを得ない無理。
日常的推理物というジャンルになるだろう…今のところ…この作品では、そういう方面の無理が少ない。
盗難など、多少なりと犯罪に関わる事件すら起きてないし。
 定期的に同じ本が、それぞれ違う人物により図書館から借りられていき、同日に返却される不思議。
 対象人物は同学年の二クラスに集中しているので、合同授業?までは思ったけど、そこから先は分からなかった。
 本の中に手紙を挟んで定期的なやり取りをしている…しかしそれなら借りる必要はない。
メール全盛の時代に古風すぎ、現実的でもなく。
 「借りていく」のではなく、「その時間だけ図書館に本があってはマズい事情」を設定してあるとか。

 色々考えたが、真相は──ああ、なるほど、分かってしまえば「なぁんだ馬鹿馬鹿しい」と思われる真相こそ推理の本道。
 何でもない日常的出来事なのに、ある程度情報を伏せて見る角度を変えれば、立派な「謎」になる。
 今回、古典部の文集バックナンバーを探すことが、ストーリーの軸になっていた。
司書?の先生に書庫を確認させて欲しいと申し出るが、「無い」と即答される。
 …図書室を管理しているとはいえ、部誌があるかないか完璧に把握できているものなのか。
 古典部はちょっと特殊な部活みたいで、先生もその名を聞いて意味ありげな表情をしていたことから、何らかの事情が介在している?
 ちょっと色っぽい(肉感的な脚の表現が凄い)エンディングとか、絵だけで見続けられるぐらいだけど、内容もしっかり出来てるなあ。
大きな推理になるのか、えるの話が楽しみ。


2012年5月1日 火曜日

『AKB0048』01.「消せない夢」

 アニメオリジナル企画。
モチーフになっているアイドルグループ・AKB48は、好き。
 アニメ用に起こされたメンバーのキャラクターは、似ていたりそうでもなかったり。
前田 敦子とか、可愛く描きながら元のイメージに近く仕上げていて上手い。

 宇宙が舞台、「芸能禁止」状態にある惑星に、AKB0048が会いに来た。
そのライブに立ち会えたことを切っ掛けとして、惑星の禁止条項と少女達の運命が変わり始める。
 SF的なライブ演出から、曲に乗せての戦闘行為(死者は出してないのかな)まで見せるのは、河森 正治の十八番。
さすがのリズム感、見る者を否応なく音楽に巻き込んでしまう。
 大人数が一斉に踊るところは3DCGのキャラを使ってある。
『プリキュア』のエンディングなど思い出しつつ。
 こういう、ほとんど手描きアニメそのままに見えるよう人間キャラを3D化する、というやり方は、海外のアニメでは珍しいような。
大抵は影とか質感をリアルにすることにコダワってしまうため、手描きに見えない。
日本ならではのCGの進化方法かも。

 割と薄汚れたイメージのある惑星、芸能禁止という息苦しい舞台設定はアイドル物として意外だったけど、アイドルの存在や、そうなっていくことを「開放」とするには、この方が良いのか。
 少女達の家庭環境や性格付けを短い時間でポンポンと見せていくのが巧み。
 声の演技も上手く、問題なし。
 今後を楽しみに出来そうな第一話。


ときどき日記・目次へ

12/04の日記を読む