ときどき日記 2015/06-12

2015年11月30日 月曜日
『ワンパンマン』09.「不屈の正義」

 なんだこのアニメは!
面白い以外、何にも無いじゃないか!
面白けりゃ許されると思ってるのか!
面白くすることしか考えてないだろ!
 いやあ、面白い。

 「バカみたいに強いヒーロー」だけなら、スーパーマンなんかその典型な訳だし、そう珍しくはない。
しかし、「パンチ一発でどんな強敵も瞬殺」となると、物語を成り立たせるのは非常に困難。
 主人公が敵と戦い、負け、修行を積んで強くなり(「覚醒」とかに頼りこの過程省略も多いけど)勝利を収め、より強い敵に挑むのがバトル物の王道。
 最初から最強なんじゃ挫折も葛藤も有り得ず、面白く物語を構成するのは至難の業。
理解されないサイタマの不遇と、それを気にしない超然ぶり、発揮する圧倒的実力、傲岸不遜で毎度登場「最強の敵」、サイタマを見下したり示される力の差に切歯扼腕するヒーロー達の成長ドラマ、そういったものを上手く積み重ね、周到にストーリーを作っていくしかない。
 非常に高いレベルの作画パワーにも寄っているが、これで「面白い!」と感じさせてしまうのだから、もう凄いとしか言い様が。

 今回は、無免ライダーの熱い正義魂が感動的だった。
戦闘力は絶望的でも、精神力だけはサイタマより余程上なような。
 もうちょっとランクを上げてやって欲しい気はしつつ、それに見合う敵と常時戦わされていたらすぐ死ぬんだろう、と思うと上げない方が良いのか。
 それでも、各上ヒーロー達がバタバタ倒される中、恐ろしく強い深海王の攻撃を受けて致命傷を負わない「打たれ強さ」は、立派にヒーローの資格を示してる?
 あと、サイタマが、他ヒーロー達の頑張りを気遣うのに驚いた。
強くあり、その自分の強さを当然と受け止めている人間は、他者の弱さに配慮など出来ず、率直に「弱いね」という感想しか抱かないものなので。
これは、無免ライダーにも負けないヒーローの資格を示したもの、だろうか。

2015年11月21日 土曜日
 衛星で放送された映画『キョンシー』を見る。
 一時期流行った『霊幻道士』のリメイクというかリブートというか。
ホラー・アクション・コメディーだったオリジナルを、恐ろしく大真面目な内容にした物。
 かつての映画シリーズに出演していた俳優さん達が大勢出ている、らしい(覚えてない)。

 キョンシーというと、顔にお札を貼り付け、手を前に突き出してピョンピョン跳ねるモンスター……ゾンビ?だったけど、この映画ではそういうお馴染みのコミカルな姿は全然見られない。
死んだ男性を無理に蘇らせたところ、驚異的パワーを持つバケモノになってしまった、というだけで。
 ここがオリジナル作品のファンだった人達には最も残念な部分かなあ。
『キャプテン・アメリカ』なんかも、実写であの笑われそうなコスチュームにどうやって説得力を持たせて見せるか、そこを一生懸命考えていた訳で、もし「デ ザイン全部変えちゃおう、米軍の戦闘服をちょっとヒーロー寄りにした程度がリアルじゃない?」なんて事してたなら、不評を喰らって当然。

 怨念を残して死んだ双子女霊のビジュアルとか、不気味でなかなか良い。
 凄い霊力を持ちながら仕事がなくて引退状態、食堂で霊退治に用いた餅米を炒める親父になってしまっている霊幻道士、なんて設定も面白く。
 脚本が散漫で何を見せたいのかハッキリしないのが、一番の問題。
プロデュースに『呪怨』の清水崇が入ってる割に、怖くないのも残念(ご本人の映画も最近のは全然怖くないけど)。
 「は?」としか言い様のない、意図の分からないラストにはガッカリ。
 死を控え闇に傾く道士、夫を蘇らせるため手段を選ばないババア、行き場を無くした母子との家族ごっこ、一階が食堂になってる?複合マンション……面白くなりそうな要素は取りそろえているのに。

2015年11月07日 土曜日
『こども刑事めめたん』01.「鳥取砂丘」

 テレビ番組表で見かけて、ふと録画してみた五分アニメ。
鳥取県の県おこしを狙った……願った?内容。
 原作漫画があるのね、未読。
しかし、キャラクターだけ借りて、「その鳥取県を舞台にした番外編」みたいな扱いなのかな。

 総監督が、元GAINAXの……じゃなくて現在でも所属しているらしい赤井 孝美。
Wikipediaで見て、GAINAX取締役だったんだ、とか、そんな騒動があって辞任してたのか、というのを今更知る。
 『アオイホノオ』の登場キャラクターとしてのみならず(のみならず、って)、『DAICON III』オープニングアニメ、『プリンセスメーカー』『ぷちぷり*ユーシィ』等のお仕事でお馴染み。
 異常に力が入っている、鳥取県米子市のご当地特撮フィルム『ネギマン』も手がけた。
その流れから?このアニメも鳥取PRに特化。
 名所など紹介しつつ、「砂丘じゃなくてお灸」「砂丘だけにサンドイッチに砂(SAND)が入ってる」みたいな脱力ギャグを入れてある。
 アニメとしての見所がオープニングの爆発ぐらいしかないのは残念だけど、全体に良いも悪いもなく、企画意図に沿って必要十分な内容。

2015年11月06日 金曜日
『劇場霊からの招待状』05.「因果」

 映画を盛り上げるため作られたオムニバスのテレビホラー・シリーズ。
『クロユリ団地』の公開時にも同様のモノが放送されており、ネタによっては映画本編よりずっと面白かったり。
 『劇場霊からの…』でも、LINEをイメージさせるスマホの関係性で霊と繋がってしまう3話「偶像」とか、馬鹿ホラーネタの4話「腐敗」なんか結構楽しく見られた。

 で、この5話。
女子高生であるヒロインは、町で、「盗撮犯」とされて取り押さえられる中年男性をスマホで何気なく撮影し、友人達のみとの交流に使っているSNSにそれを投稿してしまう。
しかしその映像は、彼女の予想を遙かに超えて拡散し、無数の人々から「勇気を持って悪を告発した『神』」である彼女への賞賛と、悪質な犯人への怒りが寄せられる。
やがて検証サイトが作られ、犯人の名前・勤務先・住居・家族構成まで全て「正義のため」晒されてゆく。
こんなつもりではなかった、自分の投稿なんかいつも仲良しの友達数人ぐらいしか見ない、彼女たちに笑って欲しかっただけなのに……恐怖を覚えるヒロインだが、ついに、全てを失い追い詰められた犯人は自殺。
その後、実は中年男に掛けられた嫌疑は全くの間違いだったことが明らかに。
検証サイトへの書き込みは一転、「無罪の男を自殺に追い込んだ非道な」ヒロインへの怒りで満ち、「騙された」「コイツのせいじゃん」「命まで奪ってさあ、 どうやって責任取るつもりなの?」として「正義のため」彼女の名前や学校、顔写真から電話番号まで、全てがネット上に拡散されていく。

 もう、見ていて怖くて怖くて、ガクガク震えてしまう。
 この後、中年男の霊とか出てくるんだけど、そんなのもう、どーでもいい!
生きた人間の悪意……いや集合「善意」?に比べれば、霊なんかサッパリ怖くない。
 バイトしている飲食店の厨房で不衛生なことをしている写真を撮って投稿する若い衆が、一時期話題になったけど、こういう軽い気持ちでやったんだろうな。
 中・高校生に、インターネットの怖さを伝えてもなかなか実感を持って受け取られないと思う。
その際、このエピソードを見せれば分かり易く……トラウマとかになるんじゃないかな。

2015年11月01日 日曜日
『終物語』05.「そだちロスト 其の貮」

 老倉 育の口から、真実が語られた。
 大体はこれまでに推理・推測された通りで、やっぱり阿良々木への態度は無理な逆恨みだなあ、と思うんだけど……
 何だかもう、可哀想で可哀想で。
逆恨みと知りつつそうすることでしか自分を保てないギリギリの内面と、「どうして私は幸せになれないの?」という余りにも悲しい問いかけに、ポロポロ泣いてしまう。
ウチに引き取ってご飯食べさせてやりたい……それが一般的「幸せ」かは知らないが。

 しかし、もし自分が阿良々木の位置に居たとして、とてもじゃないけど彼女に掛けられる言葉はない。
よく言えたなあ阿良々木、エライなあ。
 幼少時から続く、彼女との数奇な因縁が彼の心を駆り立てたものか、「まあそういう奴だから」か。
 その言葉が老倉を救えたのかどうか、それはもうちょっと時間を経ないと分からない。
より良い対応は「お前の気持ちが楽になるまでボクがずっと、一生でも側に居てやる」ということじゃないかと思うんだけど、現状の老倉からは余計な反発を招くセリフかも知れず、また阿良々木が迂闊にこんなの言うと死者が出る恐れもあり。

 ここからは、老倉母を探す流れになる?
鍵がどうとか言っていたのが、文字通りキーになるのかな。
 足を使った失踪人の捜索なんてフツーのことする物語とは思えないので、母親はまだ家の中に居る(生死どちらかで)が、「母親」と認識されない状態にある、とか。

2015年10月31日 土曜日
『ヘヴィーオブジェクト』05.「親指トムは油田を走る ジブラルタル通行阻止戦 II」

 海上をゆく三連オブジェクトとの戦い。
 シャークアンカーという重心移動装置?の一本に網が引っ掛かって作動不良を起こし、それだけで航行が制限されていたことから、残った装置にも網を広げて引っかけ、自壊させた。
 「シャークアンカー」なんてものが現実には無いため(そんなこといったらヘヴィーオブジェクトそのものから無い)よく分からないけど、簡単に網なんか引っ掛からない対策がされてるんじゃないのかな。
滅多に起こり得ない事故として網が掛かった、というなら、クウェンサーの思いつき作戦が一発で上手くいくのは不思議。
 オブジェクト本体は恐ろしく丈夫なんだろうから、魚雷でも備えておけば、自機体に命中させて網だけ破壊できるのに。

 姫様の砲撃で敵オブジェクトの挙動をコントロールし、針に糸を通すような厳しいタイミングで網作戦を実行、といった演出的工夫があればもっと盛り上がったろうか。
相当な高速航行しているはずのオブジェクトに軽く追いつき、猛烈な水流の中で失敗なく作業し、巨大爆発・津波に巻き込まれても平気、という無敵超人ぶりばかりが主人公に強調されては、緊張感が生まれなくて当然。
 前回、せっかく敵オブジェクト上に乗り込んだのだから、甲板?に居る警備員を倒して認証装置を奪い、内部へと潜入して破壊工作すれば良かったのに……それじゃ最初のオブジェクトへの対策と変わらないか。

 ブツブツ言いつつ、二話で一オブジェクトを倒す、ペースを上げた語り口により、飽きず見られた。
 「こんなのどうやって壊すんだよ」「そうだ、オレならこうするね」「何だよそんな手ありかー!」などと突っ込みつつ鑑賞するのが、このアニメを効率良く楽しむ方法かも。

2015年10月28日 水曜日
『アニサン』「姉ログ 01.私の弟はヘンタイである」

 「少年サンデー」連載を楽しみに読んでいる漫画『姉ログ』をアニメ化したもの。
『今際の国のアリス』と同じく、単行本に付いたDVDアニメを放送。
 作画は、「凄くよく動く」というものではないにせよ、キャラなどしっかり描かれていて、制作状況を考えれば必要十分。
 靄子の声、最初は少し違うと感じたけれど、すぐにこちらを慣らしてくれる巧さがあって結構。

 内容、もう原作そのまま。
短いページ数、一発ネタで終わる原作をそのまま……ということで、繋がりの弱いアニメと感じられるのは善し悪し。
構成を強化して、三十分弱を有効に使えるよう編成すべきだったような、でも四コマのアニメ化なんかこれよりずっと細切れのものがあるな。
 妄想シーンの暴走にもっとパワーがあると笑えたろうか。
全体に、行儀良くまとまっている感じ。

 妙なフレーズが耳に残るエンディング、素敵。
 千厩 雪乃が好きなので動き喋る所を見たいけど、声優が確定していないことから今回のアニメには登場しないものと。
 テレビシリーズ12話ぐらい連続で、見たいなあ。

2015年10月24日 土曜日
『ルパン三世(2015)』04.「我が手に拳銃を」

 ここまで、それぞれ面白い所があり、全然つまらないダメな話というのがないのは嬉しい。
 2話「偽りのファンタジスタ」は、イタリアの国情に合わせてかサッカー話になっており、最も乗り辛い内容だったが、それでも「チェス敗戦時の言葉を聞い て相手をルパンの変装と見破る(ルパンがわざと見破らせた?)MI-6・ニクス」「ルパンが起こした騒動に乗じ、目的を果たすニクス……これもルパンが自己都合のためMI-6に潰すチャンスを与えたのか、とも」など小技が上手く、ダラけた話になっていない。

 3話「生存率0,2%」
 「組んでいる・利用し合っている」ぐらいの立ち位置かと思われたルパンとニクスの関係……そうでもないことが明らかに。
 ニクスの特殊能力エコーロケーションは、ちょっと無理がありつつ面白い。
ファーストシリーズ「魔術師と呼ばれた男」パイカルのような、ルパンが勝てないほどの強さと、その強さに理由が設定されている男。
耳が良かろうとも拳銃弾をかわすのは不可能じゃないかと思うけど、続く4話で次元の、同様(それ以上?「ガン=カタ」風)アクションを見ていると、「この世界では能力が高ければ可能」ということらしい。
 ニクス撃退の方法は、彼の任務への忠実さを利用したもの。
てっきり、閉鎖空間でルパンが飛び回って攻撃を避けている間に、服から音を反射するような粒子(あるのかは知らないが)を蒔き散らして聴覚を狂わせ、反撃に移る……という流れかと。
 今回シリーズでは銭形も無能には描かれていないけれど影が薄く、再登場しそうなニクスにポジションを奪われそう。

 4話
 ファーストシリーズで良かったのは、時代からか、無国籍・無秩序な世界描写が許された所。
イタリアを舞台とする今シリーズではその雰囲気が復活しており、「病院で拳銃を抜いても大した騒ぎにならない・警察など来ない」「町全体をマフィアが牛 耳っている」とする漫画的描き方に、あんまり違和感がない……いや勿論ホントのイタリアはこんなじゃないんだろうけど、日本のどこかでこれをやったら「リ アリティー皆無」と非難されるだろう。
 町のため懸命に働く女医と絡めながら、恋愛沙汰まで行かず次元の凄さをメインに据え、ラストで女医が「女」を見せるに留める抑制ぶり、結構。
 次元はスペシャル『炎の記憶〜TOKYO CRISIS〜』でも歯痛に悩まされていて、今回も痛み止めで乗り切って根本治療を行っていない。
ちゃんと歯医者に通って治した方が良いと思うよ〜。
 ところで……若返ったルパンキャストの中、オリジナルのまま頑張っていた小林清志だけど、さすがに声が出なくなっている。
大好きな声優さんなので継続を望む気持ちはありつつ、このシリーズで出演は最後、かも。

2015年10月22日 木曜日
 衛星で韓国映画を連続放送しており、見る。

『テロ,ライブ』
 どことなく古舘伊知郎を思わせる男性俳優(ハ・ジョンウ)がラジオ局DJに扮し、爆弾テロの進行と共に、彼の番組に電話を掛けてきた犯人とのやり取りでスクープを狙う。
 大規模なテロを題材としながら、カメラはラジオ局のスタジオからほとんど離れない、予算を抑えめにした(爆発のシーンは説得力を持って映像化されている)この構成が面白い。
 ストーリーに謎を孕ませ、緊張感を持たせるのに成功しており、主人公の姿勢がヒトゴトから当事者へと変わっていく辺りの描き方も上手い。
 余りに都合が良すぎる所、説明もせず済ませている所、重要そうな人物がスッと退場してもう出てこない所など、不満点も多々あるけど……そこは進行スピードでカバー。
 ラストで、エンターテインメントから社会派?に落ちたのが不満、だけども、見終わってまずまずの拾いもの。

『監視者たち』
 完全な記憶能力を持つヒロインが、犯罪者と戦わず監視だけする任務の班に編入され、そのメンバーと共に恐るべき事件に挑む。
岡田准一主演のドラマ『SP』を、ちょっと思わせる内容。
 ヒロインや、リーダー含む班メンバーの描き方、チームワーク、犯人の強烈さ、全部見事。
 「当然こうなるんだろうな」という予想を裏切ったり応えたり、見終わってみれば全体にさして意外なストーリーではないんだけど、先を気にさせる作りが上手い。
 ヒロインの特殊能力はもっと活かせたろうか……しかし、あんまり便利に使うのも問題だし、良い加減かも。
特に班長が凄く魅力あるキャラだと思うので、シリーズ化に向いているような。

『サスペクト 哀しき容疑者』
 北朝鮮の凄腕工作員が脱北者となり、暮らす韓国で事件に巻き込まれてしまい、能力を活かして逃げつつ真相を探る必要に駆られる。
 バタバタ人が死ぬ、過酷すぎる北朝鮮の養成プログラムを突破した工作員、からの脱北者、という設定が上手く、超絶の技量を発揮しても説得力がある。
アメリカなら『ジェイソン・ボーン』シリーズみたいなキャラ背景が無しでもないんだけど、日本で「国家・自衛隊が非情にも作り上げた殺人マシーン」という人物なんて、どうしても嘘っぽく、漫画やアニメならまだしもシリアスな実写映像には向かない。
 迫力あるアクションが見物。
『ボーン』そのまんまだなあ、という所もあるけど、日本では実現が難しいぐらい頑張った出来。
 主人公のキャラクターと、猟犬のように彼を追い詰める捜査側の男、どちらも強く魅力があって結構。
 何気なく聞いていたセリフを伏線として回収するラストには、うっかりホロリ。
 社会批判的色合いも僅かにはあるが、基本的にエンターテインメントで、気持ち良く見終えられる。

 三本とも、凄い傑作だとかいう訳ではなく、水準以上、見て損ないぐらいの作品だと思う。
これぐらいなら日本映画だって……と思うけど、実際は見て損した、悪くは時間の無駄レベルの映画も多々あるのが実情。
 どう考えてもバカな設定の『殺人漫画』でさえホラー・サスペンスとして成立させてしまう韓国映画のパワーというか、どうすればこの作品が面白くなるのか一生懸命考える真面目さが、最近の日本映画(全部見てる訳じゃないので自分の好きなジャンルに限る)に不足している所。
 いや、韓国映画も駄作は一杯あるのかな。

2015年10月19日 月曜日
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』03.「散華」

 会社一軍、イヤな大人達の始末。
基地から追い出すのか、無理にも命令服従を誓わせて使い続けるのか……まさか殺す訳にもいくまいし、と思っていた。
 ホントに殺すとは!しかも主人公・三日月が。
『ガンダム』サーガでは、徹底した戦闘キャラの『ガンダムW』ヒイロや、『ガンダム00』刹那でも、「本編中」「生身の人間を」「相手が殺意と凶器を持ち向かってくる、とかいったやむを得ない事情無しで」殺すことはなかったような。
 後ろ手に縛ったままの相手を、生かしておけば禍根を残すのが確実とはいえ、ためらいもなく撃ち殺す三日月の行動は、余りにも衝撃的。

 後半では、大人らしい大人・クランクをMS戦で倒し、重傷の彼を求められるまま(求められたから?)射殺。
「戦いは終わった、もうアンタを殺す理由が無い」なんて言って助け、前半のクズ一軍始末のショックを和らげ、人間らしさを見せるのではないか、と考えていた甘い予想は大外れ。
 今の三日月は、オルガの言葉を絶対……に近く受け入れ行動している様子があり、そういう彼が自分の意思を取り戻していくストーリーになる、のかな?
 とはいっても三日月、無感情だという訳ではないし、考えも持っているようで。
回想に出てくる三日月・オルガの少年期、あれから現在までどんな地獄があったのか、知りたいなあ。

 反抗する者は撃ち殺す断固とした姿勢を見せた後、大人しく基地を去る者には退職金も与える、激情に寄らず理性的な対応が凄い。
 「鉄華団」というネーミングがまた、『グレンラガン』的。
全体に『グレンラガン』を連想させる所がある、と言われるのは制作者側も予想しているだろうから、この名前はワザとなのか。
 方向として、いずれ地球へ行くことは示されたが、まだまだ先は読めない。

2015年10月18日 日曜日
『ヘヴィーオブジェクト』03.「ガリバーを縛る雑兵たち アラスカ極寒環境雪上戦III」

 アラスカ編決着。
 恐ろしく強固なオブジェクトに対し、生身でロクな装備を持たない主人公達がどう戦うのか、その興味で見続けてきたけど……攻略法は少々拍子抜け。
 歩いてすぐの場所にある敵基地、警備は手薄も手薄(一話で不思議に思った、主人公陣営基地に人影がない描写は、これとバランスを取るため?)、換えパーツには簡単に仕掛けができ、しかも自爆関係の設定が唐突に語られるなど、かなり無理。
特に、これだけ無防備な基地なら、出撃の隙に空爆でもして破壊すれば、いずれオブジェクトを稼働不可能に出来るのでは?
補給か休憩のためコックピットを離れた操縦者を狙撃でもするなら、更に経済的。

 オブジェクト打倒の戦いには、もっとアイディアや構成の周到さが欲しかったところ。
これなら、「強力なライトの明滅で操縦者を催眠術に掛ける」「オブジェクト搭載の酸素ボンベに毒を仕込む」「通信を妨害し、敵陣営指導者を人質に取ったフリして(変装した偽者を見せて)戦闘停止を迫る」なんて安易なのでも良いような。
 基本設定を紹介する都合もある最初のエピソードだから、こういう内容?
『アルドノア・ゼロ』では、むしろ初戦の攻略法が最も面白いぐらいだったけれど。

 アニメは、三話で一エピソードを描くのか。
 次の戦いには「おお!」があることを期待して。

2015年10月13日 火曜日
『VALKYRIE DRIVE -MERMAID-』01.「私、散らされます」

 メディアミックス企画。
巨乳描写のみならずとにかく上手いアニメーター・金子ひらくと、ゲーム『閃乱カグラ』の高木謙一郎が中核のプロジェクト、らしい。
 アニメのシリーズ構成は黒田洋介と、期待できそうな布陣。

 内容は、エロとバカで唐突さを乗り越える上手い作り。
 戦う前、相棒の女性を武器化するには、エロいことをする必要がある訳ね。
エロとバトルという、男性が好む両方が楽しめる大変にバカな設定で結構。
 謎の無人島に集められた女達が生き残りを賭けて戦う『BTOOOM!』みたいなサバイバル話になるのかと思えば、お城…女学園が登場。
異能者が集う学園(『ソウルイーター』風?)でのストーリーが、しばらくは続くのか。

 エロ描写に気合いが入っているのは分かるんだけど、第一話にしては作画にゆるい所があり、残念。
金子ひらく=圧倒的作画、というイメージが強いため。
 地上波では局部に修正光がバンバン入って「全部見せちゃう」サービスを堪能できないので、それなら着衣エロの方が嬉しかったかも。
お金を払って、ソフト化されたものを見てね、ということか。
 ストーリーと作画がこれから盛り上がっていくのかどうか、様子見。

2015年10月12日 月曜日
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』02.「バルバトス」

 前回の放送を見直して……ガンダム・バルバトスから周囲に伸びている多数の太いケーブル、「うちの動力炉以外にもエイハブ・リアクターの反応がある」と いうセリフの後で現れる敵MS、地上へのバルバトス出現直前に基地内の明かりが消える、という情報提示から、バルバトスは戦闘用でなく「発電機」みたいな 扱いをされていたことが分かる。
 とか書こうとしたけれど、今回の放送でこの辺りを丁寧に描いてあり、今更。
 それにしても、これだけ強力なMSを緊急時の出撃も難しい状態で置いてあるなんて。
原子力潜水艦を一隻、完全な状態で保有するより、その炉心が生み出すエネルギーで多くの車両や人員を擁する基地を運用した方が効率的、という感じ?

 ギャラルホルン側モビルワーカーの群れに入り込み、狙撃の盾として使うミカの冷徹さがいっそ気持ちイイ。
どうせなら、モビルワーカーを投げつけ、敵MSが助けようと対応している間に攻撃するぐらいヒキョーだと格好良かったろうか。
 推進剤切れするMS、久々に見たような。
 ギャラルホルンのクランク、少年兵に動揺……現代でも戦力に余裕のない側が子供を徴用するのは、悲劇ではありつつ珍しくないのに。
「MSパイロット」である少年兵と相対するのは始めて、ということかな。
人道的・武人的な、良い人なんだろうけど、酷い状況で生きる少年達にとって、その対応は救いになるのか単に付け入る隙か。

 一軍のロクデナシ達、まだ生きてたのか。
そちらは全滅させれば良かったのに!といっても機体戦力は貴重だから残したい?
 社長の行方不明(死亡?)による会社の先行き悪化を冷静に予測するオルガ。
クーデターというか悪辣な上司を処分する計画が始まりそう。
しかしその後は……?
 いやあ、面白い。
「ガンダム」らしい空気は弱いんだけど、しっかり作られているし、先行きが気になる。

2015年10月11日 日曜日
『すべてがFになる THE PERFECT INSIDER』01.「白い面会」

 原作小説のシリーズは、三冊目ぐらいまで既読。
特にこの『すべてが……』のインパクトが大きくて、危うく「有り得ない、馬鹿馬鹿しい」に陥る寸前の賭みたいなアイディアを、理数系的理屈と雰囲気で面白く恐ろしく読ませてしまう凄みに圧倒された覚え。
 実写ドラマも少し見たけれど、配役が自分のイメージと合わず、駆け足な作りだったこともあり、うーん。

 アニメ。
 キャラのイメージは個人的に実写版より違う。
特に萌絵、武井咲じゃないと思ったのに、アニメ版を見た後では、上品さとか悪くなかったと。
丁寧な演技の演出もあり、ずっと見ていれば慣れそうだけれど……「ノイタミナ」枠とはいえもうちょっと華があっても。
 ストーリー。
飛ばし気味だった実写版に比べ、細かく拾われている。
しかしそのために進行が遅く、一話終わっても事件らしい事件は起きず、何の知識も無く見た場合、作品ジャンルさえ分からない恐れが。
 割合簡単に見る人を引きつけられる「キャラ萌え」とは真逆のデザインを選んでしたのだし、『物語』シリーズのように映像的ハッタリで刺激を与えるとか驚異的作画レベルで魅せるとか、何らかの、次回を見せる工夫は必要だったろうに。
 視聴継続意欲、弱め。

2015年10月10日 土曜日
『不思議なソメラちゃん』01.「始まってるよ!これが野乃本魔法拳!!」

 原作四コマ未読。
 自分が見逃した第一期アニメがあって、これは二期なのかと思うぐらい、唐突で意味不明な第一話。
開幕すぐにヒロイン?が正体不明の動物に殺されてしまうのだから。
五分枠だしギャグだし、物語なんて入らないとは思うけど、しかし飛ばしてるなあ。
 死んだのはまあ置いといて、ヒロインが新生物?を誕生させ変な絵描き歌でスパッと終わり。
 余りの凄さに、短い中で何度か笑わされてしまった。
 五分枠だから、うっかり見忘れそう……でも気になる、なるべく追いかけたい。


『俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件』01.「ようこそ庶民」

 原作ライトノベル未読。
第一話というか導入部をそのまんま短くまとめたようなタイトルだなあ、流行か。
 世間知らずの超お嬢様学校に、ごくフツーの男生徒が一人だけ転入してくる、という基本設定は、視聴者側の「夢」にも直結するし良いと思う。
 ただ、そのお嬢様加減が不可思議。
今時、スマホも鉄道カードも知らないで居られるものか……幼稚園ぐらいから学園内で暮らして外界を一切知らない?
そこまでのお嬢様なのに、卒業後は電車に乗る?移動は運転手付き自家用車で済むような。
ネトゲ廃人になるようなネットの知識もあるまいし、そもそも親がネットに繋がる機械を与えなければ良いのに。
 何というかチグハグ、大金持ちを余り真面目に考えたことがない感じ。
伊集院ラジオの「貧しいイメージの金持ち」コーナーで読まれた「図工の時間、絵の具バケツにボルヴィックを入れる」なんてネタを思い出したり。

 これは「良く出来た設定や物語に感心する」タイプの作品ではなく、「ツッコミ所の多さを楽しむアニメ」。
もっと大真面目にバカな内容であれば、ツッコミのし甲斐もあるんだけど。


『対魔導学園35試験小隊』01.「出撃!雑魚小隊!」

 原作ライトノベル未読。
 ストーリー的には分かり易くライトノベルパターン。
 群れる気のない美少女の転入から、彼女が参戦して最初のミッションまでを第一話にするのが普通だと思うが、これを前半で消化。
後半では、もう転入生の態度が硬い理由を自ら語り始める。
 各イベントが段取りっぽく感じられてしまうから、そんなに先を急がなくても……だけど、時間を掛けて描けばそれだけ面白くなるかは分からず、展開の早さで勝負しようという考えならそれもアリか。

 作画の雰囲気は好み。
 イキナリのバニーガール姿、狙撃方向の間違い、なんていうギャグがちょっと可笑しかった。
両方のネタを担当したバニーさん・うさぎは、ストレートな感情の爆発加減含み、なかなか可愛いと思う。
 しかし、全体としてはお約束通り。
視聴本数が少なければ、しばらく見てみたい所だけど……

2015年10月09日 金曜日
『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』01.「骨愛ずる姫君」

 原作小説未読。
 冒頭、路面に放置された猫の死骸が……なんてのは、大昔「みんなから恐れられている不良生徒が実は優しい心を持っていた、そのギャップの魅力」を演出す る時、イヤになるほど使われたエピソードで、初対面の美少女がてっきりタイトルの「櫻子」だと思い、この切っ掛けで主人公への好意が生じたならありふれ過 ぎていてツカミのパワーに欠けるなあ、なんてぼんやり考えていた。
 が、美少女は全然別人、「櫻子」は主人公より年上の骨格標本職人。
安易な予想からは意外だったけど、そうなると、ゴチャゴチャしやすい第一話なのだし、主人公が櫻子の家を訪ねるシーンからアニメを始めて良かったような気もする。

 タイトルから予想すべきだったか、推理モノなのね。
 見つけた頭蓋骨に対し披露する櫻子の推理で、米ドラマ『BONES』を連想したが、その後の心中死体から情報を読み取るのはホームズ的観察眼のワザ。
 心中に偽装した殺人は、犯人が捕まる所まで行かないため、探偵物と考えると中途半端。
「推理能力」「骨・死体への偏愛」「しかし可愛い所や主人公への気遣いも」といった描き方により、櫻子の魅力を彫り込もうとする第一話なら、悪くない。
 作画は良好。
推理する時、櫻子周辺にバーッと現れ歩き出す生物の骨が何だか可笑しい。
 しばらく様子見。


『Dance with Devils』01.「倒錯と禁断のカドリール」

 アニメオリジナル作品。
 今期二本目のミュージカルアニメ?
しかも女性向けで……宝塚とか、女性はミュージカルを好む(受け入れやすい)からなのか、企画として間に合うかは知らないけど『アナと雪の女王』にあやかろうとしたのか。

 家庭的なヒロインの登場とか、導入は男性も入りやすくしてあると思うんだけど、その彼女が登校途中にミュージカルを始め、呼び出された生徒会室で美形男子達が歌いだす辺りで、若干お話に入れなくなってしまう。
 ヒロイン家庭に異常事態が起こる所では引き込まれたけれど、一話の終わりは酷くアッサリしていて「えっ終わったの?」。
 ちょっと気にはなりつつ、またミュージカルが入るんだろう、というのと、基本的に女性向け作品だという事で、視聴継続の意欲は弱め。


『アニサン劇場 今際の国のアリス』01.「くらぶのさん」

 シリーズ全十二話構成で、四つの漫画原作を、それぞれ三話アニメ化して放送する枠。
変わった放送形式だなあと思ったけど、これは原作漫画単行本に付属したOVAをテレビ放送する、ってことなのね。
 『今際の国のアリス』は、「週刊少年サンデー」掲載分だけ既読。
緊迫感ある「げぇむ」とその突破方法のアイディア、緩くないキャラクター同士の関係が面白く、優れた漫画作品。

 アニメ。
 原作の一話目に当たるのか、理不尽さ不可解さも含め、分かり易い作り。
深い信頼で結ばれているっぽい有栖ら男子の関係が、ちょっと説明不足かなあ唐突に感じられる。
 肝心の「げぇむ」……まだ易しい内容で、アニメでは緊張感が弱いためか「火矢が飛んでくるタイミングも分かっているのに、問題回答者以外もウロウロして いる間抜けさ」「建物の下にさえ隠れていればほぼ助かりそう(最後の大量火矢からは逃げられない?)」なんてツッコミが浮かんでしまう。
 とはいえ、演出・作画とも水準に達しており、手抜きは感じず。
 三週後に放送される『姉ログ』原作の大ファンだから、そこまでは見てみたい。

2015年10月08日 木曜日
『落第騎士の英雄譚』01.「落第騎士 I」

 原作ライトノベル未読。
 感想としては、『学戦都市アスタリスク』とほぼ同じ。
ライトノベルアニメパターンに忠実な作り。
 その物語形式自体は、第一話なので大量に入れなければならない説明や、新キャラの顔見せと分かり易い魅力付加、主人公の価値付けを片付けるテンプレート として優れており、多用されるのも分かるんだけど、少しぐらいはヒネったりオリジナリティーを発揮しても良いんじゃなかろうか。
 『機動戦士ガンダム』でも、「ホワイトベースに転入してくる主人公」「初陣にして驚異的な戦闘能力」は使われている。
さすがに「ラッキーなお色気シーン」は無いにせよ(後にはミライとキッカの入浴を見るが)……萌え作品のお約束になっている「だらしない主人公を叱りに来る幼馴染み」はアリ。
 パターンを、容易にそうと思わせない工夫さえあれば……

 そういう所をウルサく気にしないなら、演出・作画とも丁寧に成されており、悪くない仕上がり。
バトルにもパワーが乗っており、迫力を感じられる。
 オタクジジイに向けて作っておらず、対象とする層には必要十分な出来だと思う。


『スタミュ』01.「第一幕」

 アニメオリジナル作品。
 学園の成績優秀男子生徒達が登場し、出迎える生徒間に緊張感が走……るかと思われた刹那、優秀者が揃って歌い踊り始める所で大笑い。
これは、ちゃんと意図して「笑わせよう、その笑いでインパクトを与えよう」とする計算に基づいた演出で、それが見事達成されていると思う。
第一話だからか、踊りの動きも頑張っていた。
 しかし、十分に分かる通り、女性向けのアニメ。
 ちょっと気にはなりつつ、視聴本数を制限しなければならない現状で継続は難しい。


『ワンパンマン』01.「最強の男」

 原作漫画は、作画の村田雄介が好きなのに、タイトルだけ知りつつ未読。
 安易に『アンパンマン』のパロディーかと思ってしまったり。
そうしたら……アニメ冒頭に出てくる、黒ずくめで特徴的な姿をしたワルモノの声が中尾隆聖だったりして、コケるやら笑うやら。
作中ではワクチンマンだし、すぐ退場してしまうんだけど。
 最初に登場した目の死んだヒーローと、就職活動に苦しむお兄ちゃんが同一人物とは、そう語られるまで分からなかった(カニ男から「目が死んでる」と言われてたか)。
外見変わりすぎ!

 とにかく画面作りに気合いが入っていて、圧倒される。
カニ男の中身を引きずり出す気持ち悪さとカタルシス。
間違えて兄を潰して(余りにも悲惨なギャグで笑う)からの、暴走パワフル巨人。
「地底人」との乱戦に次ぐ乱戦……高速道路がワンパンマンらを乗せて分断され沈む動画は目を疑うレベル。
 凄い!としか言いようがない。
 一話目でここまでやってしまって、この後どうするのか心配になる。

 時間を遡って修業時代を描くのか、より強い敵やヒーローとの関係性がテーマになるのか。
「拳をふるい一発当てたら戦いは終わり」という変わった主人公なので(敵がレーダー反応した途端に波動砲撃つ『ヤマト』、いきなり最終光線ワザやファイナルアタックを放つ『ウルトラマン』『ライダー』みたいな)、そこまでの組み立てが主眼?
 これは、次回が楽しみ。

2015年10月07日 水曜日
『進撃!巨人中学校』01.「入学!巨人中学校」

 『進撃の巨人』スピンオフである原作漫画は未読。
元作品の人気は凄いなあ、パロディー的なスピンオフがアニメになるなんて(『涼宮ハルヒ』『北斗の拳』『NARUTO』等にもあるか)。
 恐ろしいまでの緊迫感でオリジナルはシリアスなドラマを維持しているが、「全裸の気持ち悪い巨人が嬉しげに人を食べに来る」基本設定はブラックな笑いと紙一重で、ギャグ化するに向いた題材とも思える。

 アニメ第一話は、パロディーネタを詰め込みつつも、笑う所まで行けず。
 つまらない訳ではないが……完全にファン向けのスピンオフかな、いやそれこそ正しい有り様か。
 三十分枠後半のバラエティーコーナーは個人的にキツくて、視聴意欲を削がれる。
見なけりゃ済むことだけど。
画面は前半のアニメを流し、声優さんとかスタッフのオーディオコメンタリーを聞かせる形式の方が嬉しい。


『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜』01.「東京の魔女」

 アニメオリジナル企画。
 魔法少女も正義・悪の宇宙人もオーバーテクノロジーなメカを持つ特殊機関も登場する世界を、混ぜた時系列の中、ギャグとシリアスで描く、なかなかにカオスな第一話。
 方向を指示する矢印(道路標識を変換したモノだから実体はある)を掴んでブン投げ、敵に刺してしまうシーンに笑う。
しかし、ギャグとシリアスが混在することにより、余り笑えないギャグと真面目かふざけてるのか分からないシリアスが出現してしまい、相殺効果を生じた部分もあるような。

 作画は良好だし、ポンポン進んでいくテンポの良さで「よく分からん世界だなあ」というのがハッキリ分かるようになっている。
 どうなっていく作品なのか、しばらく見続けたい気持ちはありつつ……同監督・脚本のコンビによる『鋼の錬金術師』『大江戸ロケット』を途中で挫折しており、不安も。


『コメット・ルシファー』01.「大地と少年」

 アニメオリジナル企画。
 タイトルだけじゃ内容が分からないけれど、中身を見てもよく分からない。
極秘裏に侵攻してくる巨大ロボット、結婚を嫌がるお嬢様と逃走するドタバタコメディー、鉱石が関わる謎の少女出現のファンタジー、少女を守る巨大メカが現 れてロボットバトル……一話は詰め込んだ内容になりがち、とはいえ、何を見せたい、ドコが一番面白くなる作品なのか、ハッキリしないのは困る。
 炭鉱町、暗い地下坑道、落ちてきた少女を受け止める少年と、似ているというより『ラピュタ』を意識してやったと思われるシーンが。
それならいっそ、お嬢様キャラを削って(登場後回しにして)、焦点を謎の少女に絞った方がスッキリしたような。

 高所から落下した主人公らが無傷な理由は?
主人公らに車で幅寄せをしてくるお坊ちゃんは、強引だとかいうより殺す気だとしか思えない。
 3DCGのロボットバトルは、挙動に重量とスピード感が乗っていて見応えあり。
作画も悪くないんだけど、うーん。
 もうちょっと見てから。

2015年10月06日 火曜日
『おそ松さん』01.「ふっかつ おそ松くん」

 原作漫画既読……全部かは分からないが。
 『天才バカボン』『レッツラゴン』なんかと並んで赤塚漫画でも好きな作品だけれど、今時アニメにして、受ける内容に出来るかどうか不安に思っていた。
と、いう危惧を、自らそのままストーリーに入れ込んでくる楽屋オチ加減が、実に赤塚調。

 そんなに話数を見ていないのにそれでも分かる、アニメ『銀魂』スタッフの作品。
他の人気作品から平気でパクったりしつつ、暴走していく無茶なギャグの作り方が、そのまんま。
 しかし、冒頭の白黒アニメで、オリジナルを知らない若い視聴者にざっと基本ギャグ等の紹介をしておき、後半の「化けの皮がはがれて地が出てきた」笑いに繋げるなど、周到・丁寧な作りでもある。
 六つ子を全員美形にする……というのは、なるほど。
ホントに作ってみたら、そこそこ人気を取れるかも知れないなあ。

 今期のダークホース、いや本命?
 作画レベルも高く、後はこのテンションをどこまで維持できるか。
と思わせて、次回はノリを全然変えてくるかも知れないし、油断できない。


『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』01.「鉄と血と」

 『とある科学の超電磁砲』『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』、ロボットアニメなら『アイドルマスター XENOGLOSSIA』を手がけた長井 龍雪が監督。
 シリーズ構成に同じく『あの日見た〜』、他『LUPIN the Third -峰不二子という女-』『フラクタル』と、名作から問題作まで多数書いている岡田 麿里。

 「ガンダム」シリーズでも、そうそう見た事のない殺伐とした少年達の仕事場から物語はスタート。
 高圧的で能力にも疑問のある上司?が出てくる所など、『ボトムズ』クメン編かと。
 疑似兄弟関係の主人公、兄貴の方はリーダーシップに優れる……で思い出すのは『グレンラガン』。
兄貴は死ぬ予感しかしない。
 ゲリラ…独立運動家?に理解のあるお嬢様、いずれ主人公らの軍勢に加わりそうな所も含み『アルドノア・ゼロ』。
 コッソリ脱出を計る上の人間達を逆にオトリとして使う策士ぶり、『銀河英雄伝説』エル・ファシルっぽい。
 色々と他作品を連想してしまう第一話だったけど、物語としては過度なぐらいハードであり、てっきりレギュラーになるのだろうと思われた顔立ちの良い少年達が次々呆気なく殺されてしまうなど、先読みを許さない。

 危機を乗り切るのはそりゃあガンダムな訳だが、何でこれだけの機体がここに?社長らは何故持って逃げなかった?など、疑問を残して引き。
 勢力が入り乱れ、登場人物も多く、一度見ただけでは把握しきれない情報量。
後で再度見直さないと。
それでも軸は主人公ら側にしっかり置いてあり、「訳が分からない」なんてことにはならず、絶体絶命の面白さまで感じさせてくれるから大したモノ。
 ここからどういう物語になって行くのか、期待を込めて見続けたい。
独立運動……『ダグラム』とか?

2015年10月05日 月曜日
『うたわれるもの 偽りの仮面』01.「タタリ」

 原作ゲーム未プレイ。
アニメの前シリーズは既視聴。
 前作と世界観を同じくしているらしく、劇中でハクオロのことが語られ、そこから今作主人公を名付けるシーンも。

 主人公・ハク、前作と同じく記憶を喪失している設定で、藤原啓治の声からもスペックの高さを予想してしまったが、実はまあ普通。
体力的には平均的(少々非力?)男性程度……クオンの方がパワーキャラだと思うので。
壊れた水車を直す智力は備えており、頭脳系か。
 能力より、気力の不足が気になる所。
声からして何だか、ダラけた時の『クレヨンしんちゃん』とーちゃんを連想してしまう、風呂で男性器を振り回しペチペチ音を立てる下ネタっぷりも(笑)。

 面倒見の良いクオンが可愛い。
 ハク、才能を活かすには軍師的な役割を果たしていくのか……差し迫った危機がある世界じゃなさそうだし、どうなるストーリーなのか、次回に期待。


『仮面ライダーゴースト』01.「開眼!俺!」

 平成ライダーシリーズ17作目。
 「ゴースト」というタイトルから、「学校の怪談」的な少々のホラー、あるいは『妖怪ウォッチ』を予想したけど、まあどちらかといえば後者。
主人公の死まで描きつつも、年少視聴者が嫌がる怖い要素は排除してあり、ごくライトに見られる。
 ただ、眼魔が暴れた際、子供含む客が大勢乗ったままの観覧車を投げつけて爆散させており、結構な死者が…とハッキリ感じさせたのは珍しい描き方。

 主人公は、お寺のお坊ちゃんなのね、こういう和風アプローチ、新鮮。
 ライダーの設定。
都市伝説風怪談で、怪異に対し「お寺の住職が詳しい知識を持っており、祓える(何かしら有効な対抗策を講じられる)」というのは、お約束。
この対霊能力を、変身という形で目に見えやすくし、キックあるいはアイテムの攻撃により対象を退治「祓っている」ということなのか。
『ジョジョ』のスタンドは「超能力を具象化・生物化して分かり易くしたもの」、ゴーストの変身はそれと同様?
 お札や法具など、昔の対魔物道具に寄らず、霊には霊の力を持って対抗する考え方が今日的。
『妖怪ウォッチ』『ポケモン』……いや、アイテムを多数売りたいスポンサーの都合。

 ジュノンボーイとかいう主人公のお兄ちゃんは、まだ演技がたどたどしい。
一生懸命やってはいるみたいだから、成長に期待すべきか。
 設定とアイテム紹介に終始した第一話で、正直、心を掴まれたとは言い難いが、それもここからの伸びに期待。


『終物語』01.「おうぎフォーミュラ 其ノ壹・其ノ貳」

 原作未読。
 西尾維新による「物語」シリーズの、ええと何本目になるのかアニメ。
録画したまま、まだあんまり見ていない「物語」アニメのシリーズもあるので……付いていけるのか不安なまま視聴。

 他レギュラーキャラ同様キツい個性を持つ忍野扇との会話を通し、テストで行われた(と言われる)不正を追求するお話だったため、ここから初めて見ても理解できる内容。
 実に面白くて、推理としても、アンフェアに思える情報提示(犯人に対し当然成されるべき説明の欠如など)が真相に直結する構成になっており、後になってみると全てに……そりゃ多少強引ながらも辻褄が合っていて、感心。
 相変わらず、一カ所に留まり延々話をするため、それで画面をもたせる演出力が問われる作品。
これまた、手を変え品を変え飽きさせず見せてくれ、大したモノ。
作画・CG等、それを支える技術も高いレベルで結構。

 扇は、魅力的と言うより怖いイメージ。
 次回への引きがなければ、単発スペシャルとして完結してしまいそうなストーリーだった。
教室には何が待つのか……多分、また長い会話が待ってるんだと思うけど、楽しみに見続けよう。

2015年10月04日 日曜日
『テレビアニメ いとしのムーコ』01.「おはなつやつやムーコはこまつさんが大好き」

 原作漫画未読、フジテレビ版のアニメはDVDまで追いかけて既視聴。
 家に犬が居るせいもあり犬作品に弱い上、ムーコのお馬鹿さ加減がツボにはまり、吉田仁美による間の抜けた声のイメージも素晴らしくて、好き。

 今作。
 登場キャラクターがセル画風処理された3DCGに変化。
フジ版・手描きの味が凄く良かったので残念な気持ちもありつつ、余り動かなかったフジに比べ3Dならでは自由な動きやアングルの取り方が可能になっており、善し悪し。
CGのクオリティーをもうちょっと上げられると、より広い層に受け入れられたかも。
 フジのアナウンサーが担当していたキャラクターは、声優さんに差し替え。
特に違和感なく……まあ、ムーコさえ変わっていなければ、他はあんまり気にならず。
 気楽に見続けたい。


『学戦都市アスタリスク』01.「華焔の魔女」

 原作ライトノベル未読。
 こういうジャンルのテンプレートに忠実な、過度なぐらい分かり易い第一話。
考えてみれば『エヴァンゲリオン』も、「何らかの戦いのため生徒が集められた特殊な学園に転校してくる主人公」「無防備な姿をさらすヒロインとの運命的出 会い」「バトルにおいて主人公は周囲が驚くほどの力を発揮する」というライトノベル的テンプレートに忠実な物語作りなのね(「うっかりヒロインの胸を掴む 主人公」まで遅れてやっている)。
しかし、定番を少し外し、演出を工夫することで、新鮮な・先が気になる第一話を作り上げることに成功していた。

 『アスタリスク』、自称腹黒を説明すべく際どい所まで見せるサービスが嬉しいクローディアとか、気のよさそうな友達とか、周囲のキャラクターは悪くない。
 作画も頑張っていると思え、メインの視聴ターゲットであろう「このお約束がまだ新鮮に映る人」と、ヒロインらの魅力に視聴価値を見いだせる人なら、継続して見て良いんじゃなかろうか。


『かみさまみならい ヒミツのここたま』01.「誕生!小さな神様」
 一世代ぐらい古いキャラクターデザイン……アニメのセンス。
などということを全く気にしない五歳女児は、喜んで見返したりしているから、ターゲットにはアピールしているのだろう。
 視聴対象から外れすぎているオタクジジイになど見てもらわなくて結構、というより見られちゃ迷惑かと。

『K RETURN OF KINGS』01.「Knave」
 前置きを飛ばして始まるストーリー、かと思えば、三年の休止期間を置いて始まった第二期シリーズなのね。
 作画は良好でバトルにも迫力があるけれど、何故か第一期を最初だけしか見ていない模様で、ここから付いていくのはちょっと厳しそう。

2015年10月03日 土曜日
『ヘヴィーオブジェクト』01.「ガリバーを縛る雑兵たち アラスカ極寒環境雪上戦1」

 原作ライトノベル未読。
 ダダダーッと続く説明にはめげそうになったが、世界観や設定は興味深い。
 巨大兵器・オブジェクトは核攻撃でも破壊不可能、戦い合えるのはオブジェクト同士のみ、だから他兵力の存在は無意味であり、命も惜しまず突っ込む歩兵なんてものは必要ない。
戦いの有り様を変えてしまう超兵器……だけれど、『アルドノア・ゼロ』のような不可思議技術で成り立っている訳ではないのね。
 なら、数を揃えた方が有利。
主人公らの基地に一機しかなかった様子なのは、辺境だから?

 やたら人員が少ない基地、ちょっと異様。
言われていたようにオブジェクトの他の兵力は必要ないのだろうし、自動化が進み整備も少人数で出来るなら、「運の悪い巻き添え」になり死ぬ危険性のある人間は少ない方が良いのか。
 3DCGで描かれるオブジェクトは、無機質・無表情さを強調して効果的。
 自軍のオブジェクトが破壊された絶望的状況を、どういうアイディアで切り抜けるのか、次回からが本当の見物。
整備ミスから女性パイロットの胸をベルトでギチギチに締め上げた、あの辺りが逆転に関わる……いや単にサービス?


『ULTRA SUPER ANIME TIME』
 三十分に三本のミニアニメを詰め込む枠放送、2ndSEASON。
 全体としてのオープニングがあり、二本目までは短いながら独自のOP・EDまであるという曲の押し込み具合が可笑しい。

『ハッカドール THE あにめ〜しょん』01.「パーソナルエンタメAI!ハッカドール!」
 タイトル、二十日(ネズミ)か薄荷を表していると思ったが、「捗る」ってことなのねネットでよく使われる言葉の。
 お間抜けな特殊美少女達が失敗しつつお仕事を頑張る、見やすく分かり易い、悪く言うとよくある内容。
 ポンポンとテンポ良く進んでいくため、気がついたら一話終わっている感じ。
 大笑いするネタが仕込んである訳ではなく、女の子達の可愛さに大きな価値を見いだせるかどうかが視聴継続の分かれ目。

『ミス・モノクローム -The Animation- 3』01.「DISKJOCKEY」
 息の長いアニメ、第三期。
 これまでちょっとだけ、基本設定を知っている程度しか見た事がない自分でも、この第一話をフツーに理解できてしまう敷居の低さ・分かり易さが美点。
 DJへの過度な期待、それにしてはテキトーな「運命の出会い」に、うっかり笑ってしまう。

『影鰐-KAGEWANI-』01.「駑馬」
 見始めてすぐ分かる、『闇芝居』スタッフの新作。
 一応は萌え・可愛らしさで売っていると思えるこの枠内アニメに、恐ろしく異質な物を放り込んできたなあ!
萌える要素なんかほぼ無いぞ……申し訳程度でもキレイな女性が登場するだけ気を遣ってる?
 短い中、モンスター・ホラーとして見られる内容にしてあるのはさすが。
しかし、どうせなら『闇芝居』新作の方が嬉しかったなあ。
 教授は、『妖怪ハンター』稗田礼二郎イメージか。

2015年10月02日 金曜日
『ヤングブラック・ジャック』01.「医者はどこだ!」

 手塚治虫による大本の原作は既読、『ヤング』の方は未読。
 この漫画原作のストーリーは田畑 由秋。
『コミックマスターJ』なんて、そのままブラック・ジャックのパロディーだったような。
 元が魅力的な作品だけに、第三者によるリメイク作品がいくつか描かれ、アニメも何種か作られている。
それぞれに原作への解釈は異なっており、重くシリアスな部分を拡大した出崎統版OVAが好きなこともあって、「こんなのブラック・ジャックじゃない!」とか気難しいことは言わないつもりでの鑑賞。

 しかし本編を見てみると、いやあ、「ブラック・ジャック」としか言いようがない。
リスペクトは強すぎるぐらいで、手塚版にあってもおかしくないストーリー。
それは良くも悪くも、であり、「新味がない」という難癖に繋げることも出来よう。
 手足をくっつける「だけ」なんてネタとしては簡単すぎる、けれども最初の手術でありそこから医学的奇跡を起こしては、やり過ぎか。
体がバラバラになる瀕死の状態から救われた、ブラック・ジャックの基本設定をおさらいする意図の内容。
 手術後に彼の手が震えるシーンは、何だか新鮮。

 面白くなるかどうか、これからのお話次第。
 取りあえず視聴継続。


『ランス・アンド・マスクス』01.「本物の騎士(ヒーロー)なのだ」

 原作ライトノベル未読。
 アバンタイトルでもうキツい。
キャラクターデザインや雰囲気もだけど、工夫なく説明ゼリフを連発する構成が辛すぎる。
 深夜に放送する内容なのかなあ……夕方か日曜早朝の方が向いてるような。
 とにかく、自分のようなオタクジジイが見るアニメでは無いと思え、中CMまでもたず撤収。


『ルパン三世(2015)』01.「ルパン三世の結婚」

 何か副題を付けた方が良かったんじゃないかなあ、「PartW」がイヤなら「Italian」とか「サンマリノ」とか。
いずれ「青ルパン」「友永ルパン」といった愛称が付くだろうが。
 ルパンはテレビスペシャル等でよく初代シリーズに近づけようとする姿勢が見られるけど、これもそういう一本。
オマージュなシーンといい、どちらかといえば『カリオストロ』かな……その作画を支えた友永 和秀が総監督、ということでは、正しい血統と言える?
 友永監督は、作画の他、ルパンだと『くたばれ!ノストラダムス』のコンテを手がけた。
アクションや作画に面白い所はあったけれど、全体的に印象薄い劇場版だったような。
調べると、スペシャル『血の刻印』のコンテも……こちらは全然覚えてない。
 シリーズ構成が、久々に渋いルパンを見られて嬉しかった『次元大介の墓標』高橋 悠也だというのは期待ポイント。

 新作。
 作画は初代・カリ城に近づけつつ、力の抜けた雰囲気はPart2的。
「優秀そうな警官が実は悪党」「王冠に隠された財宝への地図」「ルパンを裏切るが自分も騙されていた不二子、人質にされるレベッカ」なんて要素を入れて間延びさせれば、二時間スペシャルになりそう。
 ルパンの結婚、という部分にツカミ以外の意味があんまり無いなあ、と思えば、予告状差出人の名前「ルパン」に掛かってくる所は上手い。

 しかしまあ、第一話は新キャラ顔見せとレギュラー立ち位置の確認でご機嫌伺い、という感じ。
画面の作りや動きは良く、シリアスもギャグも乗せられそうな下地だと思うので、後は脚本と「どんなルパンを見せたいのか」次第。
 面白いエピソードが多いことを期待したい。

2015年10月01日 木曜日
『Charlotte』最終13話.「これからの記録」

 何というか、変わったアニメだった。
 能力を持つ生徒を集めた学園を舞台とするコメディー基調のお話、だと思っていたので、歩未が遂げる非業の死、そこから始まるシンドイばかりの荒れた有宇エピソードに戸惑う。
 心の痛みを友利により乗り越え、成長する有宇の物語になるかという予想も裏切り、タイムリープ能力で死を「なかったことに」。
何でもアリか!なんだけど、各種の便利な能力者が登場した時点でこの作品は既に何でもアリ。
 能力者を狙う勢力との戦いで発生する死。
また無しにできるはず、と思ったけれど、こちらはムリなことにされてしまう。

 そこから、悲劇の元凶を断ちたい……は、まあ分かるにせよ、世界中を回って一人ずつから能力を回収してくる、というのが無茶というか物語として面倒くさい。
良い方向に力を使っていた人からも強制的に力を没収するエピソードをわざわざ入れたのは、独善すら感じさせてしまって、うーん。
 じゃあどうすれば最も良い結果になったのかを考えさせる内容でもなく、見終わって、何を伝えたかったのか戸惑ってしまう。

 意外な展開があり、次にどうなるか容易に予想させない面白さがあって、最後まで見続けられた。
構成を見直したり中盤から増えた(居ただけのが多い)キャラクターを整理すれば、もっと評価を上げられたろうか。
 色々あったけど、結局は有宇と友利の恋を描こうとした作品……なのかな。


『それが声優!』最終13話.「査定」

 双葉にはまずまず仕事が来ているし、ユニットでライブを行い、そこそこの成功を収めつつも、「事務所と本契約になる」所まで行けない声優界の厳しさ。
 劇中で言われていたように、飼い殺すようなマネをせず、長く続けて行けそうにない人に対してはスッパリ引導を渡す、というのも優しさとは思える。
 しかし……漫画界で、ヒットを飛ばせてない作家は三十歳ぐらいまでに引退・転職を勧める、というシステムがあった場合、そこで諦められるか「うるせー大きなお世話だオレは大器晩成型なんだよ!」と言い訳してしがみつくかは難しい所。
いや、自分にも現実にやんわりとそういう話をされたような気がするけど聞こえないフリをしたまま現在に至る。
 首の皮一枚で繋がり事務所には残れた双葉だが、また厳しく審査される一年の始まり……事務所への残存より、仕事の有無、自身のモチベーション維持の方が問題か。

 それでも、このアニメはポジティブな内容であり、「そんなに大きな知名度のない声優三人がユニットを組んでライブをほぼ満席にする」なんていう「夢」を描いている訳で、本当の声優さん達はもっと大変なはず。
「夢」に属する仕事に就こうとする時、大変で無いものなんて無いか。
 ライブのシーンは、特に最後の一曲に力が入っており、なかなかの見応え。
……足をケガしてのライブ、なんてベタな内容を、「ステージを成功させるのが命」の役者やアイドルでなく、声優という特殊な存在を描く作品に入れる意味があったかどうかは分からないけど。
 ドラマ、として、第一話で双葉にわざわざイヤなことを言ってきた男とは恋愛的な絡ませ方をするのかと思っていたが、まるでそういうことはなく、別に要らなかったような。

 声優マネージャーの人生に触れたり、ゲスト大御所声優が登場したり、毎回エンディングに変化を加えてあるなど、見続けて楽しい作品だった。
 まだ続けられる終わり方だけど、それは今期の人気次第か。

2015年09月29日 火曜日
『干物妹!うまるちゃん』最終12話.「うまるとみんな」

 癒やし系ほのぼのダメ妹アニメ、最終回。
 うまるがとにかく可愛い……外面の良い整えた姿じゃなく、家の中でグダグダした所が可愛くて、癒やされる。
 他のレギュラー少女も、たまに出てしまう秋田弁と大食いが印象的な菜々、おバカさんさが愛しいシルフィン、切絵……は兄との関係がまだ少し彫り込み不足ではあったが、それぞれに魅力的。
 少女四人、全員に兄が居る設定なのかな、まだ菜々の方は明らかにされていないが。
いずれ、兄達側のドラマ(コメディー)も展開される?

 本編終了後のCMミニコーナーにも過度なほどの気合いが。
 楽しみに見ていたため、終了は寂しい。
ソフトのセールス成績等が良ければ第二期もあるかな。

2015年09月28日 月曜日
『監獄学園』最終12話.「グッドモーニング プリズン!」

 原作単行本(未読)のシリアスタッチな表紙やタイトルの雰囲気から、真面目なストーリーだと誤解していたこの作品。
しかし、ここまで大馬鹿(褒め言葉)で、下ネタ連発のお下品内容(大好き)とは、アニメシリーズ開幕時にもまだ予測できていなかった。
 特に裏生徒会副会長に関する馬鹿ギャグの暴走が壮絶。
鬼のように厳しくありながら、裏生徒会会長には不必要なまでに強い忠誠心を示し、「エロ漫画のキャラか!」と思うほど大量の体液を垂れ流しつつ、誇り高く、囚人の最後の願いを叶えるためなら虫取りに全力を尽くす誠意も見せる。
作中、最も魅力的な……少なくとも強烈なキャラなのは確かだろう。
制作者も、描いているウチにどんどん楽しくなっていったと思われるノリノリ加減。

 書記・花も、男性に関する知識が乏しく、変な方向へと暴発する思考が面白かった。
シリーズクライマックスで見せた、清志との息詰まるバカ攻防とか、実に素晴らしい。
 比べると裏生徒会長の影は最も薄かったような……しかし、彼女含む裏生徒会三人組がこの作品を支える中核だったのは間違いない。
 おバカさんな内容、といってもバカな作品では勿論なく、考えられた脱獄計画、何度も破綻しかけながら最後には目的を達成するカタルシス、男達の熱い友情(薄い部分も)など、骨格はかなりしっかりしている。

 投獄される裏生徒会三人。
酷薄そうな表の生徒会長。
解放された男子生徒達は何を思うのか。
 第二期アニメ化があるなら、また面白くなりそうだなあ。


『WORKING!!!』最終13話.「まひるの決闘」

 ぽぷらが可愛かったなあ、最後まで恋愛沙汰に発展する相手が居なかったのは、残念なような良かったような。
強烈だった暴力女のイメージが拭いきれないまひるより、ぽぷらの方が魅力的だと思う……いや胸の差だけじゃなくて。
 杏子に対する依存が大きかった八千代は、そこから独立する際に問題が発生しそうに思ったけど、さほどでもなく。
 相馬、山田は、熱烈な恋に落ちるような関係でないにせよ、何となく互いを思いやる疑似兄妹ぶりは進展しそう。
 
 今期は、エンディングの「男性陣手拍子」「女性陣足ショットのみでのステップ」が抜群のリズム感で、「もうちょっと見たい」フラストレーションを起こさせる短さも上手く、印象的だった。
 原作未読だから分からないけど、特にアニメのシリーズとしてはこれで終わり、なのかな?
山田の家庭事情を始め、各員の恋愛や抱えた葛藤にも一応の決着を付けた。
 そうはいっても山田は店に残っており、男女間に波乱を起こすのはまだまだ可能で、更に言えばドラマの進展や恋愛の成就に対する関心より「コミカルな日常」の楽しさが、このアニメを見続けさせる要因になっていたと思えるため、必要があれば続けられはするのか。
 原作漫画で、キャラクターを入れ替えたスピンオフ的なシリーズが描かれているらしい、アニメ次期はそちらを題材にする形?

2015年09月27日 日曜日
『がっこうぐらし!』最終12話.「そつぎょう」

 日常系ほのぼの萌え萌えゾンビ物……とか勝手なジャンル分けしていたけれど、その危ういバランスを最後まで取り続け、ゾンビホラーに固まりそうなシリーズクライマックスの危機状況を、ふわっとした「下校放送」で乗り切るアイディアには感心。
 死後も生前の行動を繰り返してしまう、とするゾンビ物は多い。
変わり果てた姿になっても学校にやってくる・残り続けるのが染みついた日常行動なら、下校を促す放送により学校を離れてしまうのもまた、反復学習的行動。
 ゾンビというバケモノは、「恐ろしさ」と共に「悲しさ」を備えるのが特徴。
ヨロヨロと下校し、再び登校しようとする生徒の姿は、不気味さがあり可笑しくて悲しい、なかなかに良質なゾンビ描写と感じられ、嬉しい。

 学校内に症状を抑える特効薬が備蓄されていたのは、ちょっと便利すぎるかなあ。
懸命に生徒達を守ろうとした慈先生のイメージを拡大したものが学校になっている、というような意図は分かるにせよ。
 こういうものを予め用意しておけるぐらいなら、日本中では相当な人数が生き残っているはず。
むしろ、これほど規模の大きいバイオハザード発生が不思議。
まあ、とても正気とは思えないこんな事態への対処マニュアルなんて、平常時であれば「何コレ?」であって、真面目に読むほどの価値無しと判断するのが当然か。

 卒業、という形で学校を去るのがキレイ。
送辞・答辞内容の上手さには、ホロリ。
 これからは、また別の避難所学校のお話になる?
大学へ進学、あるいは企業社屋に移って就職とか。
 現実を認識してしまった由紀……だと、ストーリーのテイストがかなり違う物になりそう。
 原作は続いているようだし、第二期のアニメ化も期待したい。

2015年09月22日 火曜日
『のんのんびより りぴーと』最終12話.「一年がたった」

 第二期の最終回。
 このアニメらしくそんなに特別なことは起こらない終わり方……だけども、毎回の日常描写が実を結び、穏やかで楽しくて満たされた、しかし過疎の村でありいずれ上級生達は卒業し学校が寂しくなっていくことも感じられ、しみじみしてしまう一年の経過。
 縁側での超長回しに、演出と、支える作画への自信が感じられて楽しい。
これがラストカットの、何も起こらない「間」にも繋がり、時間の流れをより強調する形になっているのが上手い。

 普通に良い子のため印象が弱かった蛍。
家に帰った時の驚くべき甘えっ子ぶり披露で、一気に萌えキャラ化。
こういう娘が居たらそりゃあ嬉しいだろうなあ、全国のオヤジ世代視聴者のハート鷲掴みじゃなかろうか。
 背が低いのを気にする小鞠、おバカさん加減が愛しい夏海も、ウチの娘として頂けるものなら頂きたい(頂けません)。
 前回、れんげが使った謎の拳法・そすんすに大笑い。
北斗神拳並みの猛烈アクションだったけど、破壊力は特にない模様。
この飛んだ発想と絵の巧さがあれば、将来も安泰。

 可笑しい可愛いと、ただ喜んで見ていれば良い作品。
加えて、あちこちにチラチラと人生の真実とか死生観まで混ぜてあるよう感じられるのが、深み。
 とにかく好きなアニメだったため、最後はちょっと泣きそうに。
 原作の連載は続いており、アニメも人気があると思われるので、第三期がいずれ作られるだろうが。

2015年09月21日 月曜日
『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』最終12話.「下ネタよ永遠に」

 社会問題的な部分への批判は凄く抑えめにし(ほぼ無い)、下ネタ・馬鹿ネタを徹底したのが、いっそ心地よい。
 相対する敵として、最後まで在り続けると思われたアンナの変貌!
ストーカーというか厄介なターミネーターというか、「美人だから大抵のことは許される」範疇を遙かに超える異常性。
 作り手も彼女を描くのが段々楽しくなってきたのか悪ノリ暴走しており、キャラが面白くなりすぎて、当初は強烈だった綾女の影を薄くしてしまう騒ぎ。

 放送禁止用語を連発する綾女のセリフや、マークで隠された部分の絵は、ソフト化の際はオープンになる?(一部除き、なってるらしい)
いや、テンポ良く「隠す」のがギャグとして機能しており、全部見せれば・聞かせれば良いとばかりは言えないか。
 気楽に見られる、全力で作られた馬鹿アニメ。
面白かった。


『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』最終12話.「伊丹なら」

 最後まで、自衛隊スゲー、日本ツエーだけで押し通してしまったような感じがあり、ちょっと残念。
じゃあ自衛隊がコテンパンにやられる展開なら良かったかというとそうでもなく、遙かに進んだ技術で相手を圧倒する「架空戦記」っぽい楽しさは確かにあった。
 物理的常識が通用しない異世界の魔法攻撃に苦戦するとか、自衛隊員が攫われて人質になる、鹵獲された兵器が異世界人により使われるなど、あと少し苦労して緊張感を醸し出しても良かったような。

 アメリカ・ロシア・中国他、異世界での権益を狙う大国からの介入や妨害も期待したが……「温泉宿を襲撃する特殊部隊」「ロゥリィによりアッサリ撃退される」という分かり易い図式で終了。
 日本国内の反応も、異世界からの侵攻により多数の死傷者を出した国民感情を背景に複雑な物があるだろうと予想したけど、「自衛隊を嫌い与党の揚げ足取り を狙うバカ野党」「格好良い総理大臣や『太郎閣下』」「素晴らしく理性的な国民」といった、紋切り型だったり楽な描き方に終始。
 昨今の世界情勢に照らし、ドラゴンに襲われ圧政に苦しむ異世界民衆が大挙して日本への移民・難民認定を求めてきたら、政府はどういう対応を示すのか、とか考えてしまう。
まあ、この作品世界でそういう事態は起こり得ないだろうが。

 気軽に読める作品を意図したと思われる原作・アニメに対し、最初から描いていないことを勝手に期待して勝手に不満がられても、制作者は困るかな。
 キャラの魅力、文明間ギャップがもたらすコミカルさ、圧勝チート戦の気軽さなど、最後まで見続けさせる力を持つ作品だった。
 第二部ドラゴン退治は自衛隊が勝つんでしょう、としか言いようがないけど、それでも再開を楽しみに待ちたい。

2015年09月16日 水曜日
 映画『ジュラシック・ワールド』を見る。
大ヒットシリーズの四作目。
 監督のコリン・トレヴォロウは、これが初の大作だけど、大ヒットしたため『スター・ウォーズ』の九作目も手がける出世ぶり。
 記録的な興行収益を叩き出した本作、どんな出来かと期待不安半々で見たが…

 ああ、悪くない。
こういったパニックアクション物のパターンを忠実に踏んだ作りで、斬新さはないが、安心して見ていられる。
映像的な驚きと満足感のあった『1』ほどではないにせよ、破綻気味だった『2』よりずっと良く、手堅い『3』に近い印象。
 有能な主人公、無理解な上層部、恐ろしい恐竜たち、(抑え気味ながら)ショッキングなシーン、必要な要素は不足なく入っている。
 CGの仕上がりも上々で、見応えあり。

 シリーズ初となる「既にオープンしたパークが舞台」という設定を、十分に活かせたとは言えないのが残念。
来園した客がパニックになるのはほとんどワンシーンのみだし、パークを指揮すべき女性は途中から責任を放り出し、巨大な損失にうろたえ醜態をさらすはずの経営会社オーナーはすぐ死んで退場。
カタストロフの恐怖と楽しさが薄い。
 このオーナー、「パークの目的は金じゃなくて人間の無力を思い知らせることだ」なんて、何事か哲学を持つようなことを言いながら、試作恐竜の射殺には金銭的理由で反対。
見かけ倒しの厚みがないキャラ。
 恐竜製造の遺伝子学者も、オーナーにさえ食って掛かる気骨を見せつつ、実は金が目当ての裏切り者。
 どう見ても制御できてないラプトルを、やたら実戦投入したがるインジェン社の馬鹿オジサンも同じく、「物語の都合で喋っている」ようにしか見えず。

 インドミナス・レックスの脱獄過程、余りに間抜け。
何よりまず、所在位置マーカーを確認するものだろう。
 「離婚しかけている兄弟の両親」というエピソードが、最終的にどうなったか放置されている。
危機を前に家族が一つになり乗り越える……という描き方にすると『3』そのものだから?それなら離婚設定なんか無くて良いような。
 さっき危うく囓られかけたラプトルと、バイクでチームのように併走して戦いに向かうオーウェンの頭が不思議(格好良いシーンではあるけど)。
 ラプトルは友達、でもなく、所詮は恐竜、でもない描き方が中途半端で消化不良。
これはしかし、「そこが良いんだよ」と捉える向きもあろうか。

 ストーリーに不満はありつつ、「ジュラシック・パーク・シリーズって全部こうじゃない」「映画『トランスフォーマー』シリーズの四作目まで見てきてお話に突っ込む奴いるか?」と言われればその通り。
 頭を空っぽにすればするほど楽しめる、エンターテイメント。
 文句言いつつ、入場料分の価値があるのは確か。

2015年09月15日 火曜日
 衛星で放送された映画『ザ・ベイ』を見る。
 疑似ドキュメンタリー…モキュメンタリーというんだっけ、形式のパンデミック、寄生虫大繁殖映画。
 前置きのダルいドラマがほとんど無く、イキナリ多数の人が苦しみだし、死ぬので、テンポは良い。
ただ、疑似ドキュメンタリーだから仕方ないとはいえ、物語として盛り上がらず、淡々と人が死に、途中から面倒になったように「町全滅」まで事態が飛んでしまうため、面白味は薄い。
 ホラー映画っぽい描写、特にゾンビ物を思わせるカットがあり、ジャンルを間違えて作っているような違和感。
 これだけの事件がそれで収まるのか?と拍子抜けするラスト。
原因不明で生き残るヒロインにも、???

 悪趣味・グロな表現が多々。
こういう映画が好きなら、まあまあ楽しめる内容。
 驚くのは、監督が『ナチュラル』『グッドモーニング, ベトナム』『レインマン』のバリー・レヴィンソンだということ。
あの監督がこういうのを撮るとは……
でもまあ、『スフィア』なんて変な映画もあったか。

2015年09月14日 月曜日
 映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』を見る。
 「特撮監督としての」腕は素晴らしい樋口 真嗣監督、映画評論家として面白いことを言う町山 智浩が脚本(共著で、もう一人は『ガッチャマン』『MONSTERZ モンスターズ』と駄作の多い渡辺 雄介だけど)。

 うーん、良くない。
ドラマ部分に日本映画のグダグダ・ダサダサな描写が横溢、集中力を途切れさせるほど。
 不発弾の上に立ってガンガン蹴りつけ破天荒を気取るエレン、爆弾脇に描かれた絵の僅かな水色から海を連想する不自然さ、城壁に向かう流れ……もうこれら最初から全部手際が悪い。
早く巨人が出てくれ!と祈るばかり。
 巨人登場からの迫力・緊張感はなかなかだけど。
大きさ、恐ろしさがとても良く表現できていて。

 しかし、襲撃一段落後、ドラマに戻るとまたガックリ。
 人類の命運が掛かった作戦中、子供の泣き声がする、なんて理由でフラフラ無断行動し、巨人の子供に見つかって大騒ぎになり部隊を全滅の危機にさらす愚行。
「助けを求める仲間」さえ置き去りにしても任務遂行せねばならない局面だろうに、どういう教育が成されていたのか(訓練の描写もないし、どの程度の練度なのかサッパリ分からない)。
 性行為に及ぼうとする隊員らが、やっぱりというか突然巨人に襲われて殺される下りは、ホラー映画へのダメなオマージュみたいで笑ってしまう。
それにしても、見張りの一人すら置いてなかったのか……こんな「ビックリシーン」を入れたいばかりに、ヒラ隊員のみならず隊長や歴戦の勇者っぽいシキシマまでバカに描くのは、どんなもんだろ。

 立体起動装置を用いた実戦。
隊員達の基本戦闘能力が不明なため、動転して実力が出せていないのか元々こんなモノなのか、巨人の足を切ってるヤツは何なのか、「原作読んでれば大体分かりますよね」といった甘えた作りしか無く、誰が頑張っても死んでも他人事としか感じられない。
 作戦の要である爆薬搭載車を、チョイチョイ顔を出していた謎キャラが強奪する、ここから大きくストーリーが展開するかと思えば、ダンナを殺された女が狂乱して謎キャラを運転席から蹴り出して自爆。
えええええ印象、弱!
この「どうでもいい扱い」の謎キャラは何者か、物語上どういう役割を担わせたいのか、一周回って気になるけど、普通に言ってこれはヒドい。

 巨人に関する特撮以外、まるで見る所のない映画。
ダルいドラマ部分は大きくカットし(話は繋がらなくなるだろうが、繋がったからどうだって内容でもない)、特撮中心に編集すれば、前後編合わせても一時間チョイで済むんじゃなかろうか。
 さすがに、後編は、劇場では見ないかな。

2015年07月17日 金曜日
『がっこうぐらし!』02.「おもいで」

 第一話最後でこの世界の真相を見せたことにより、もう遠慮無く残酷な現実が、オープニングからも示される。
「ほのぼの日常部活系」→「僅かな油断が死(それより残酷な変化)に繋がる世界で、ほのぼのした日常の幻覚を見続ける少女と、彼女を守って上げたいと思う他部員達のサバイバル・ストーリー」に。
 現状を認識できていない由紀は確かに危険だけど、無理に目覚めさせては心を押しつぶすことにも繋がりかねず、また、明るく元気で居てくれる彼女の存在は他の少女達にとって「失われた日常」の残滓であり、救いなのかも知れない。

 大人が居ないのは辛い所。
 教師・めぐねぇが本当に残っていれば……彼女自身が精神的に耐えられたかどうかは不明だが。
死して(?)なお、生徒達・由紀を守る彼女の姿が胸に痛い。
 由紀の想像的存在にしては、通常の認識外の言動やリアクションがあり、霊……超常的キャラなのかと思えるフシも。

 ゾンビがどの程度の期間、行動可能なのかは、作品による。
夏が近いようだから、普通なら腐敗が進み、古いモノから動けなくなるはず。
しかし、何しろ常識を越える状態への変化で、「未知の病原菌により人体が全く異質の構造に作り替えられ腐敗しない」という解釈も成り立つからなあ。
 大体(主に映像技術的な問題によるが)腐って行動不能になったゾンビを登場させる作品の方が、珍しいぐらい。
 防腐剤入り食品を常食していると死亡しても腐敗しにくい、とかいう都市伝説も。
 少女達の受難が終わるのはいつの日か……

2015年07月15日 水曜日
『実は私は』02.「秘密を守ろう!」

 吸血鬼である葉子に対し、生真面目で硬い渚が人間視点で「吸血鬼なんて存在は許せない」「そんな子より私の方が……」といったポジションを取るものだとばかり。
 頭から小さい渚が出てくる驚愕の展開で、画面に向かい「えええ」とか声を出してしまう。
『メン・イン・ブラック』宇宙人のような、機械仕掛けの体を頭部で操縦している存在だった訳ね。
 こうなると、渚の体に触れたり水着姿など疲労されてもそれは単に機械、本当の彼女は頭部のごく小さい操縦者、ということで、ちょっと扱いが難しくなってくるような。
それは萌え・恋愛方向へ展開しようとする場合の話、ギャグ・コメディー作品としてはそこもネタに出来るのかな。

 金槌で殴って朝陽の記憶を失わせようとする渚が可笑しい。
これだけ高度な科学技術を持ちながら、エラく原始的。
 吸血鬼・宇宙人と来たので、これから登場する女の子達も異常な設定を持つのだろうか。
未来人、超能力者、異次元人等々……『涼宮ハルヒ』になってしまいそう。

2015年07月14日 火曜日
『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』02.「二つの軍勢」

 二話目も楽しい。
 数で押そうと攻め寄せる異世界軍……長距離攻撃用の武装を持たずこれほど単純に攻めてくる敵も珍しかろうが……に対して、マニュアル通り「楽」な対応で壊走状態に追い込む自衛隊。
夜襲はまだ考えた跡があるけど、自衛隊には照明弾があるし、暗視装置など使われたら一方的に異世界側が不利になるばかり。
 焦土作戦、『戦国自衛隊』的に現代と断絶された自衛隊にはいくらか効果があるかも知れないが、定期的に補給が可能では無意味。
衛生状態も分からない水をそのまま飲むほど馬鹿じゃあるまいし……井戸に桶を投げ込んだのはちょっと驚いたけど、飲む目的じゃないんだろう。

 怪獣物・宇宙侵略物他、架空の敵に対しては大体負ける「噛ませ犬」役を担わされることの多い自衛隊が、きっちり有能で強い所を見せてくれて気持ち良い。
この楽しさは、二次大戦中を舞台にした架空戦記物で、自衛隊・日本が現代技術を縦横に用い、戦力が遙かに劣り未来視点を持たない連合軍相手に勝っていく「そりゃ勝てるでしょ」のチート戦、アレに近いのかな。
 自衛隊を、いずれは滅ぼせる敵と侮り、自国内反乱勢力の粛正に使おうとする帝国国王の謀略など、可哀想になるぐらい。

 異世界の民間人と交流を持とうとする自衛隊。
……言語はどうなってるんだっけ?と思い見直したら、異世界語で立ち入り禁止の看板を出してるのね、東京侵攻の際、捕虜にした異世界人から習得したのか。
 異世界軍が自衛隊に対抗しようと思うなら、現実界の他の場所にゲートを繋ぎ、資源や権益と交換で他国、ロシア・中国・アメリカなんかから武器や人含む戦力の供与を受けることかなあ。


『干物妹!うまるちゃん』01.「うまるとお兄ちゃん」

 原作漫画未読。
印象的な単行本表紙絵は覚えがある。
 「干物」というから素直に「水分が不足すると乾いて干物状になってしまう妹」「ミイラ少女が水を得て復活、妹と自称して主人公部屋に居座る」なんて内容かと。
そうかー「干物女」って、恋愛放棄してるような女性のことを表してるんだっけ。

 とにかく妹・埋が可愛い。
お話らしいお話など無い第一話だけど、埋の魅力だけで視聴者の心を掴んでしまうのは、大した物。
 完璧美少女らしい外面より、ダメダメな自宅内の姿こそがキュート。
一緒にゲームやって、いいだけポテイト食べさせてやりたい(社会復帰不可能になる)。
 こんな生活で、テストの点数が良いのもだけど、スポーツ能力に優れているのは不思議。

 妹の姿を、「兄に迷惑ばかり掛けるワガママ娘」と取るか、「世界中で兄にだけ安心して本当の自分を見せる甘えっ子」と取るかで評価が変わりそう。
 癒やし系アニメ、ぼちぼち見ていきたい。


『GOD EATER』01.「空木レンカ」

 原作ゲームは、確か買ってあったように思うけれど、その前にと始めた『モンスターハンター』でチュートリアルの焼き肉さえ上手く焼けない反射神経の悪さに挫けてしまい、そのまま未プレイで積んである。
 アニメ。
 人類を襲う脅威があり、対抗できるのは特殊な武器を使える選ばれた者達だけ、その新人である主人公、突発的危機に対処すべく命令を無視して出動、才能の片鱗を見せて事態は収束……
破綻が無く見やすい、悪く言うと新味には欠けた第一話。

 キャラクターの彩色は独特で、目を引く。
一枚絵のイラストが動いているように見えるほど。
髪や服装の塗りむらのようなモノが動作に合わせて形を変えるのは、どうやってるんだろ?
 この画面効果だけでも、しばらく見られそう。
早い内に「この作品ならでは」の魅力が出てくると良いなあ。

2015年07月13日 月曜日
『VENUS PROJECT -CLIMAX-』01.「開幕、クライマックス!」

 ゲーム・漫画とのメディアミックス企画らしい。
 地元商店街から愛されており「食べてよ」と売り物の食料など投げてもらえるヒロイン、出身施設の子供たちの期待を受けて、歌ロボットバトルに臨む……病室で将棋をしているコーチといい、実によくあるパターンのストーリーを、パターンで流した演出により披露。
 重要な引きであろう「いよいよ始まるヒロインたちのバトル」への期待が、全然盛り上がらない。
どうせパターンなら、資金不足で子供たちの施設が閉鎖されようとしており、ヒロインは絶対に優勝して賞金を手に入れなければならない、とかすれば良いのに。

 崩れている訳ではないけど、まあ普通の作画。
 これを「先行放送」として流す(五週間後にまた放送される)のは、バラエティーと取り混ぜて全13回の放送枠を、とにかく埋めなければならないから?

2015年07月12日 日曜日
『監獄学園』01.「ノゾキ大作戦」

 水島 努監督なんだ、『SHIROBAKO』で見たように、一本シリーズが終わったらすぐ次、という感じなのかな。
 原作漫画未読。
単行本の表紙は見た事があって、シリアスそうな絵柄から、『男組』軍艦島刑務所みたいな所を舞台にハードな物語が展開するモノかと予断。

 全然違う、おバカさんな内容。
女尊男卑的な考えを持つ学校……生徒会ではあるものの、虐待される原因を自ら作ってしまった男子生徒達がダメすぎて、可笑しいやら呆れるやら。
 美人生徒からSM風に虐待されるのを「悦び」とも受け取る歪んだ性癖、無敵だなあ。
もっと趣味を先鋭化させれば、空手で殴る蹴るされるのまで快感に出来るんじゃなかろうか。
 気楽に、ヘラヘラと見て行けそう。


『がっこうぐらし!』01.「はじまり」

 原作漫画は……掲載誌で読んだのだったか一話目の内容のみ何となく知っていつつ、未読。
 もう居ないだろうけど、一話目未視聴の方はここから読まれないようお勧めしておきます。

 ほのぼの女子だけクラブ活動、日常癒やし系コメディーアニメ。
だと思うだろう、普通、疑う理由もなく。
 そこをトラウマになるレベルで裏切る、ゾワッとするほど恐ろしい一話のオチ。
 言ってしまえば、『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』と同様の状況に陥っている(と思われる)世界。
 呑気に見える日常は、現実を認識しない(出来ない)由紀の幻想と、それを壊さないよう合わせて上げている他部員……生存者?によって、ギリギリのバランスで成り立っている。
 見返せば、チラチラ伏線となる悲惨な現状の描写が。

 凄く面白かった!けれど、ここからどうするんだろう?
『学園黙示録……』のように、血みどろの殺し合いを見せる作品じゃなかろうし。
 「勘違い系コメディー」然として、幸せそうな由紀の「日常」と、絶望的世界を知らせまいと懸命な部員達のリアクションによるギャップで見せるのか。
 実は、他部員達こそが異常になって幻を(いつか卒業して優しくない世間に出なければならないことへの恐怖から)見ており、由紀は彼女らを現実に戻すべく治療している……とか。
 長期もたせられるアイディアの作品かどうか、興味津々。

2015年07月11日 土曜日
『空戦魔導士候補生の教官』01.「E601小隊」

 原作ライトノベル未読。
 今期、これだけ多数のアニメが始まりながら、意外と無かった「テンプレートに忠実な作品」。
パンを咥えてきた少女と主人公、曲がり角で鉢合わせ、しかも偶然?胸に触ってしまう。
パンツ一枚の姿を女生徒に目撃される、間違えて女子トイレに入りまた別の子と出会う……心和むお約束通りの流れ。
 「今時まだこんなことやってますよ〜」とギャグにしている訳でなく、パターンを新たな気持ちで丁寧に描いている訳でもない。

 タイトルからも空戦が売りの作品になると思われるのに、冒頭の戦いは画面にまるで力が入ってなく、残念。
それより、女性陣の顔やボディーラインに注力した方が視聴者に喜ばれる、って事ならその通りかも知れないけど。
 ブツブツとウルサイことを言う年寄りにではなく、素直なお客様に向けて作られた、要求に対して過不足のないアニメ、だろう。


『オーバーロード』01.「終わりと始まり End and beginning」

 原作ライトノベル未読。
 完全没入型ネットワークゲームを題材にした作品……ちょっと食傷気味。
そこに異常事態が起こり、日常に帰れなくなった(?)ことからゲーム世界での生死を賭けた冒険が始まる、という筋立てもほぼ見慣れたモノ。

 違うのは、主人公が魔王側に居ること、そして、直後にネットワーク提供サービスの終了が迫っていること。
 一時は隆盛を極めたのだろうゲーム世界に、ログインしている人間はほぼ居ず。
プログラムで動くだけのNPCのみ、主人公の周りに付き従う。
最後の時を惜しむ仲間さえ集まらない寂しさが何とも言えない。
 この「寂しさ」への感情移入が(感情移入できた人だけが)、作品へのシンクロ率をグッと押し上げ、特別なモノにする。

 主人公は、ある程度の年齢であり、ゲームプレイヤーとしてもベテランであるため、異常事態にも慌てることなく、ゲーム中の役割を全うできている。
 そのため、配下のNPCは問題なく忠誠を尽くしており、一話の最後まででは「主人公に危機が迫っている」雰囲気は、余りない。
ゲーム世界から逃げ出すログアウトを、主人公自身が望んでないみたいだし。
 異様な姿の魔王となり、異形の者達に囲まれていながら、不思議と癒やし系物語。
 導入部で侮っていたよりも、ずっと面白いアニメ。
ここからどういうストーリーになっていくのか興味あり。


『六花の勇者』01.「地上最強の男」

 原作ライトノベル未読。
 闘技場での主人公の戦いぶりが、筋肉や超常パワーに寄らず、頭脳を使った若干ズルいぐらいのものであったことに感心、一気に掴まれる。
 しかし、実戦であればどんな手を用いてもとにかく勝てば良いのは確かだが、ここでは、堂々とした名誉ある戦いぶりをこそ求められていると分かっていたはずだろうに。
その辺は、イマイチ賢くないというか、「卑怯な手など使っていない」ように見せる所まで戦術を考えられていれば完璧だった。
 それでも運命神からは認められたのだから、アピール成功で目的を果たしたのか。

 丁寧な設定の説明があって分かり易かった第一話。
前二世代の六人の勇者達を肩書き・名前で紹介するなど、この時点ではまだ興味が薄い項目だし覚えられるはずないし、時間の無駄と思える部分あり。
牢獄で割と長い日数過ごしたらしい描写も、主人公が衰弱する訳でなく何かに目覚めて強くなる訳でもなく、切り詰めて良いような。
 六人居るのだろう勇者の一人、二人目から相当にクセが強く、他四人はどんなだか興味が湧く。
 演出・作画共に丁寧で見応え十分、先行きに期待。

2015年07月10日 金曜日
『ビキニ・ウォリアーズ』01.「ビキニアーマーはビキニアーマーであってビキニではない」

 フィギュアを中心としたメディアミックス作品、だそうな。
 録画したモノを見たため、てっきり三十分アニメだと思い、アッサリ終わるのに驚く。
 タイトル通りビキニというかファンタジー世界のエッチな衣装ネタに特化した内容。
五分弱の放送時間に丁度良く、見やすい。
 作画が命……ここを崩すならもう存在理由が無い……だろうから、一話目を凄く頑張っているのは素晴らしい。
 見続けても良いと思いつつ、チェックを忘れてしまいそう。


『モンスター娘のいる日常』01.「ラミアのいる日常」

 原作漫画は、気になっていつつも未読。
「スライムのいる日常」などのネット上で発表された単ページ・エッチ漫画は、凄く好きだった。
 アニメ。
 言ってしまえば「とてもよくあるサービス一杯の萌え作品」なんだけど、とにかく「ヒロインの下半身が蛇」という一点を最大限活かすことで、こんなにも印象の違う物になるとは。
肝心の部分が蛇では、最終段階にまで至る可能性がなく、それも安心とか可笑しさに繋がるものか(上記のネット漫画じゃ蛇娘とも普通にやってるが)。

 半人半獣娘を絵にする際、フツーは頭にネコ耳が付いてるとかしっぽがチョイとあるとかいう軽いコスプレレベルに留め、客の「人外のモノを相手にしている 抵抗」を出来るだけ無くす方向に努力するのに、その辺遠慮ナシなのは、作者が「人外」部分にこそ魅力を感じているからだろう。
のるかそるかのバクチ、だったと思うが、アニメ化までされる人気でお見事。
 一話目は作画も良く、掴みのサービスも有効。
 気軽に見て行けそう。


『それが声優!』01.「アフレコ」

 原作漫画未読。
何も知らず見たため、『ハヤテのごとく!』の畑 健二郎が原作作画を行っていることに驚いた。
いつの間にこんな仕事を?『ハヤテ』以前?という疑問は、Wikipediaを読んで解決、なるほど。
 声優業界物コメディー。
声の部分だけに特化した『SHIROBAKO』とも言える……のかな。

 野沢雅子が本人役で出演しているのにビックリ。
アニメ内で描かれていたように、とても優しい人だという噂。
声優さんで、仕事に厳しいため甘い顔をしない人は居ても、ただイヤな人というのは聞かないが。
 声優は、長く続けることがホントに難しい仕事。
努力を続け、十分な実力を身につけ、ヒットした作品での役があったとしてさえ、現役で居続けるのは困難。
 だから、そのお仕事には敬意を持って臨むべきだと思うし、話題だけのためにアイドルやお笑いに声優のマネゴトをさせるなんてのはもう最悪の……いや余計な話。
もしかしてこのアニメ本編で、こういう話題が出るかも知れないけど。

 エンディングの歌詞や喋り部分は、毎回変わるのかな。
 その辺も楽しみに、見続けよう。


『のんのんびより りぴーと』01.「一年生になった」

 原作漫画未読。
 リピート、というから、傑作選みたいな再放送かと思った(この放送開始前にそういう特番もやってたし)。
 とても好きなアニメだったので、第二期は嬉しい。

 れんげの入学式前後が描かれる。
 相変わらずほのぼの・ふわっとした雰囲気ではあるけど、せっかく背負ったれんげのランドセルをほとんど見せる人が居ない、人影が無く使われていない教室ばかりの校舎、高校進学のため故郷を離れる ひかげ……ちょっと寂しい。
いずれ、この学校に通う子供は誰も居なくなってしまうんだろうな。
 とはいってもコミカルな演出は冴えており、「伝説の剣」や「れんげ『殿』」「携帯!」の下りに笑ってしまった。

 生徒四人だけだったら、みんなバスだったり先生は車だったりで遠くの学校まで通学せずとも、誰かの家で授業(といってもほぼ自習)すれば済むような。
そうなると学校が閉鎖されてしまうし、上の大人達は許すのかどうかも問題だし、生活にメリハリがなくなり緩んでしまう恐れもあるか……一番緩むのが子供たちより教師・一穂だという恐れ。
 今期もれんげは可笑しく・可愛らしく、一家に一人欲しい人材。
 ほのぼのと見ていきたい。

2015年07月09日 木曜日
『実は私は』01.「告白しよう!」

 原作漫画未読。
「チャンピオン」連載、と言われると、実にそれらしいキャラ絵に見えてくるから不思議。
 男性向けアニメ、しかもロボット物や格闘物でなく「萌え」寄りの作品だと思うのに、オープニング・エンディング共に男性ボーカルなのが珍しい。
……CD等の売り上げはどうかと思うんだけど、如何なる戦略が立てられているんだろう。

 タイトルから学園ラブコメだと油断してた、ファンタジーというかヴァンパイア物なのね。
 ヒロインは、素直な可愛らしい性格で、主人公のみと共有するちょっと可哀想な秘密を持っている。
視聴者に好意を持たせるに十分な、上手い設定付けと語り口。
 次回への引きもキチンとしたもの。
 ただ、少々おとなしめかな……三話目ぐらいまでは見ての判断で。


『ミリオンドール』01.「在宅ヲタ VS 現場ヲタ」

 原作漫画未読。
 今期も大量に新番組が始まっている現状で、こういう作品もあって当然だろう、と思われる、厳しい作画のアニメ。
他のアイドルアニメでもお馴染み、ステージの模様を3DCGで表現したシーンでさえ、モデリングや動きのクオリティーが低く、ううーん。
 アイドルオタクと、彼女・彼らが応援するローカルアイドルの二本柱で進んでいく作品かな。
 一話では、画面的寂しさもあって、どこをどのように楽しんでいける内容になるのか、よく分からなかった。
 これは、ここまでに。


『赤髪の白雪姫』01.「出会い…色づく運命」

 原作漫画未読。
 よく知られた童話の白雪姫と随分違う導入で、タイトルとは無関係?と思ったが、「鏡よ鏡(情報屋をそう呼んだ)…」とか毒リンゴなんかが、一応それらしい。
 これから、白雪の出自を「実は某国王女で継母から逃げ一般人として暮らしていた」としたり、登場した第二王子の城でイジメられる展開も有り得るか。
 第二王子・ゼン……お付きの者が七人居れば分かり易かったけど、二人、しかも城外で普通に暮らしている様子があり、身分を明かして悪党を懲らしめる所など『水戸黄門』っぽい。

 妙なアクのない作画、行動力があり賢い白雪、少女漫画的にいかにも好かれそうなゼンの性格付けなど、とても見やすい、好感の持てる内容。
 意表を突くストーリーにはならないと思われるが、安定した、見て損のないアニメになることを感じられる第一話。


『ワカコ酒』01.「鮭の塩焼き」

 原作漫画未読。
 料理勝負をしたり、一人前の料理人を目指すといったストーリー性の強い方向ではなく、ただ「料理を美味しそうに見せる」ことが主眼の漫画やアニメ、実写作品も増え、一ジャンルを成すぐらいになってきたけど、その一本か。
 本編三分程度?なので、込み入った話は出来ず、このぐらいスッキリ見られて「なんとなく鮭の塩焼き食べたくなったなあ」ぐらいの気持ちにさせる内容が丁度。
 覚えていたら見る、くらいの姿勢で。

2015年07月08日 水曜日
『キュートランスフォーマー さらなる人気者への道』01.「新しいファン層獲得への道」

 これも、まさか二期があるとは思わなかった。
元はスマホアプリの広告を目的とした、三分ぐらいのアニメだったし。
 アドリブを混ぜて声優さんが言いたい放題言い、広告対象をDisるような発言も相次ぐ無茶苦茶さが受けたモノか。
実際自分も、非常に楽しく見ていたし。
 今期も最初から飛ばしている。
「誰も、こんな五分のミニ枠の販促アニメがボチボチ評判になるなんて思っていなかった」「予算は七掛けになっちゃったみたいですけどね」「あんなクソゲーのことはもう忘れてくれ」……結構笑ってしまった。
 公式サイトで一話目は全部見られる。

 三十分の枠としては、大半を占める3DCGアニメ『トランスフォーマー アドベンチャー』がメイン。
 CS放送でこの一話目は既視聴だったが、頼りになるバンブルビーと、カタブツ女性兵士ストロングアームのバディー物として掴みは悪くなく、場所を移転して次回への引きもなかなか。
 こちらも褒めて良い出来だとは思いつつ、オマケの方に目が向いてしまう。


『GANGSTA.』01.「NAUGHTY BOYS」

 原作漫画未読。
 荒れた街でハードボイルドに暮らす男二人の物語……かな。
街の男達がロクデナシなのは良いとして、ヒロイン?の初登場が、男に殴られ鼻血まみれの姿だったりするのは、ちょっと抵抗アリ。
 『ブラック・ラグーン』も、硬派な世界観に最初は馴染めなかったので、見ていくウチに面白くなっていく可能性はある。
 しかし、うーん、今のところ引きつけられる所がなく、視聴継続の意欲は弱め。


『ドラゴンボール超』01.「平和の報酬 1億ゼニーは誰の手に!?」

 『GT』以外は、漫画・アニメ共に見ている(『復活の「F」』はソフト待ち)。
 大好きな作品、だから、鳥山明が原案を出した新シリーズだという所に期待。
 てっきり映画『神と神』を経ての話かと思っていたため、ちょっと混乱……ブウとの戦いが終わった時点から始まるのね。
 安定して高い作画。
まだ戦い前の緩んだ雰囲気だけど、さすがに原作者が関わっているだけあって、キャラの行動・言動に違和感はない。
 『神と神』の呑気な空気に似てる。
あれも好きだったから、こちらも楽しめそう。


『ガッチャマン クラウズ インサイト』01.「contact point」

 約二年ぶりに始まった、第二期。
『クラウズ』が、ベルク・カッツェの処遇とか若干の分からない点を残しつつも、続編を作るつもりがあるような終わり方ではなかったため、もう一期続けることに驚く。

 内容。
「全然別世界のガッチャマンの話」ではなく、普通に続編。
レギュラー陣がその後どうなっていたか示され、今期からの新キャラクターを紹介される。
 はじめの体内?にカッツェは吸収・合体されたままで、まだ大きく悪巧みをするでもなく(この状態じゃ悪意を吹き込むぐらいしか出来なかろうが)。
 大本のシリーズで敵キャラだったゲルサドラが登場。
人畜無害そうな子供に描かれており、こちらのシリーズでは敵にならない?いや、強制成長させられ(カッツェと融合したり)悪に回る展開はアリか。

 『クラウズ』と同じく、「極悪な敵を力で倒し平和を取り戻す」ような正しいヒーロー・ヒロインアニメにはならないんだろう。
 どう展開していくのか、前期と同じく楽しみ。


『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』01.「公序良俗は誰が為に」

 原作ライトノベル未読。
 なんだこのタイトルは?下ネタというかエロ描写全開サービスでBlu-rayとかの売り上げを伸ばそうって系統のアニメ?と侮っていたら大間違い。
 面白い、新番組で一番笑ってしまった。
下ネタギャグを通り越し、パンツ被って全裸に布一枚纏い、ただただ放送禁止用語を大声で叫ぶ女性キャラ……反則過ぎ。

 エロを害悪視して遠ざけようという良識的人々が夢を叶えてしまった、デストピアが舞台。
こんなにも無菌状態で育ててしまうと、具体的な子供の作り方が分からなくなり、少子化が進んで日本人全滅の恐れとか出てこないだろうか。
 表現や思想・嗜好を弾圧しようとする体制側に対し、真面目に立ち向かっていく『図書館戦争』みたいにする手もあったろうが、とにかく弾けている生徒会副会長の登場で、バカ方向へと一気に針が振り切れた感じ。
 サービスでエロな絵もチョイチョイ見せつつ、しかしクライマックスの動画が「ハエの交尾」、そこに副会長のイヤらしい声を入れるという、視聴者への嫌がらせ(笑)まで仕掛けてくるのが実に可笑しい。
 これはもう、見続けざるを得ない!

2015年07月07日 火曜日
『WORKING!!!』01.「ワグナリア戦線異状なし」

 原作漫画未読。
 第二期が2011年末までの放送だから、ええと二年半ほどの期間をおいて始まったアニメ第三期。
間に『サーバント×サービス』が放送されていたせいか、そんなに久しぶりだという気がしない。
 内容は、安定して高い作画も、ほわっとした空気も、相変わらずとしか言いようのないファンが期待した通りのモノで、嬉しい。
 ぼーっとした謎の女性が登場したけど、アレは本当に音尾の奥さんだったのかどうか。
厳重な密室から忽然と消える、超絶のさすらいぶりを発揮しており、可笑しい。

 ぽぷらの可愛さに癒やされる。
 二期までと同じく、最後まで見続けたい。


『Charlotte』01.「我他人を思う」

 アニメオリジナル企画。
 どことなく『Angel Beats!』の雰囲気……と思ったら、原作・脚本・音楽が同じ人、麻枝准。
 視認した相手の体を乗っ取る能力を持った、主人公。
便利にしすぎないよう五秒という制限時間を設け、その間、自身の体は糸が切れたようになってしまう制約を付けてある。
でなきゃ、その力を、他者のために使おうとか使用自体をためらうとか、自制的なことを「全然考えない」困った主人公が何をするか分からないし。

 まずエロ方面で悪用しようとする主人公が、身近。
 成績を上げる目論みも、なるほど。
体を支配できるだけで、対象の脳内……知識などを我が物と出来る訳ではないため、答案を見て必死で記憶→自分に戻って書き写す、というあんまり格好良くない方法しか採れないのが可笑しい。
 しかし、100点を常に取れる人間が存在してくれないと、賢い他生徒達に何種かの解答があった場合、どれが正解なのかジャッジするため、ある程度まで自分も勉強が出来ないといけないような(多数決で決める手もあるか)。
 また、授業中、先生から質問されたり板書を求められるケースには対応できず、ボロが出てしまう。
ここを誤魔化すには、相当機転が利かなきゃダメだろう。

 付き合って有利な彼女を得るため、無関係なドライバーに交通事故さえ起こさせる非道さ。
でも、チラッと運転手の無事を確認してホッとする小悪党ぶりも見せる。
 『コードギアス』のように、能力を活かしてのし上がっていくストーリーになるか、と思えば、悪事と能力の露見、同様能力者の存在、彼らの管理下にある学校への転校と、怒濤の展開。
 ここからどう転がっていくのか、楽しみ。

2015年07月06日 月曜日
『Classroom☆Crisis』01.「遅れてきた転校生」

 アニメオリジナル企画。
 バイク乗りの無口少女がヒロイン……かと思ったけど、天才?開発者で担任の青年が登場し、彼が苦労しつつ曲者クラスをまとめていく物語にも思える。
最後に顔を見せた転入生で上司の少年を中心にすることも出来るだろうが、こっちはない……?

 ストーリーにしても、突然「給料トラブルで人質事件」って、何故そんな事が起きるのか余程のブラック企業なのか(それにしては曲者クラスへの優遇ぶりが不明)、よく分からない。
 転入生となる少年を救うため、とはいえ、クラスが大きな危険を冒し犠牲を払って身代金を届けに行かなければならない動機も不明確。
 どう考えても無理な時間制限で身代金を届けさせようとする犯人グループも、金が第一目的にしては愚か(人質少年が会社やクラスを試そうとやったこと、かも知れないが)。

 何とか宇宙アクションを盛り上げようとしていたけど、お話に乗れていないので、他人事。
 そういう観点からすると、人質少年から発せられた費用の無駄遣いを責める言葉の方が納得できる。
……しかしコレも、「一応は助けてもらった形のお前が言うな(助けが必要ないなら早くそう言え)」となり、どっちもどっちで魅力に欠けてるなあ、としか。
 タイトルから、クラス崩壊・リストラの危機を乗り越えていく内容になるのかな。
 三話目までは見ての判断で。


『GATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』01.「自衛隊、異世界へ行く」

 原作小説未読。
 タイトルから、自衛隊の一部隊が異常現象により異世界へと転移して生き残るべく戦う、『戦国自衛隊』みたいな内容を想像。
 冒頭、コミケ?へと向かう主人公青年の姿から、『アウトブレイク・カンパニー』のようなオタク的交流も予想。
 実際は、異世界のファンタジー的軍勢による武力的な、民間人殺戮さえ伴う容赦のない侵略で、意外。
いや、普通はこちらを思い浮かべるべきだったのかも知れないが。

 「異世界の人間兵士を殺して返り血を浴びる主人公」「民間人避難のため皇居の開放を要求」「魔法等の非科学的装備を持たない異世界軍に対し、素晴らしく有効な自衛隊戦力」辺りが、アニメでは割と見慣れないイメージ。
 主人公をオタクにする……のは、これから意味を持つのか(ファンタジー知識が豊富なことで有効な作戦の立案が可能とか)。
 が、第一話では、ここを省いても、異常事態に対する現実のリアクションをもっと見たかったなあ。
特に人間型相手の発砲をためらう警官・自衛官、指示を決断すべき上官・政治家の混乱まだ「平和的解決」を目指してしまう誤り、一度事態が収拾してからの自衛隊侵攻を巡る政治的対立や家族を殺された遺族の思い、等々。
 米や中国は、侵攻への惜しまぬ協力……自軍を参戦させてでも、地上最後のフロンティア・異世界の権益を主張しそう。

 異世界には強面軍団だけでなく、美少女も存在する模様。
余りライトノベル的アプローチをしない方が目新しいと思うんだけど、そこは料理次第か。
 現実での戦いと変わらず、異世界でも自衛隊が圧倒的に強い場合、戦記としては盛り上がりに欠けてしまう。
自領地でのみ使用可能な魔法や、ゲートを通れなかった巨大生物戦力なんかが登場したり?
 これは面白い、視聴継続。

2015年07月05日 日曜日
『ULTRA SUPER ANIME TIME』01.

 三十分に三本のアニメを詰め込んだ企画枠。
「ミス・モノクローム -The Animation- 2」
 堀江由衣キャラクター原案アニメ……そういえば以前(二年ほど前)放送されていたような、その時も確か一、二話ぐらいしか見ていない。
 調子っぱずれのギャグとか、ちょっと可笑しい所はあるんだけど、全話逃さず見たいほどでもなく。
「うーさーのその日暮らし 夢幻編」
 Web上の作品を原作とするアニメ、らしい。
もう三期目なんだ、こちらは、これまで全く気がつかなかった。
監督が水島精二なのに驚く。
 パロディーとかチョイチョイ入れながら、うーん、ノリが掴めない。

「わかば*ガール」
 原作四コマ漫画未読。
 悪く言えば「よくある内容のコメディー」だけど、短時間で見せるには向いていて、説明ゼリフ皆無でも設定に不明点など無い。
ほわっとした女の子達の可愛さを楽しんでいれば良いアニメ。
 癒やし系として悪くなく、『きんいろモザイク』辺りの後継作品として見続けられるかも、とは思いつつ、三十分枠の他二本はここまでにしたい都合があり、視聴の継続は考慮中。


『うしおととら』01.「うしおとらとであうの縁」

 原作漫画は連載当時読み、紙面から吹き付けてくるような熱気に圧倒された覚え。
OVAはあったものの、テレビアニメ化されていなかったのが不思議なぐらい面白い原作。

 アニメ。
 とらの声、OVAから大塚周夫のイメージが強かったので、またそのご逝去を悼みつつ。
 滅多な人には代わりが務まらないと思うけど、誰?と、声を聞いてもしばらく分からなかった。
えええ小山力也なの?あの人、こんな声も出せるんだ。
最初はどうしても違和感あったが、視聴者にすぐ馴染ませてしまう声のパワー、さすが。
 うしおはまだ、違う……と感じてしまう、しかし演技力には問題ないようだし見続ければ慣れるだろう。

 物語は、原作に忠実。
ちょっと古いタイプの(失礼)ギャグまで、そのまま再現してある。
 うしおととらの出会いから最初の戦いまで、結構強引な展開なんだけど、笑いと熱血のパワーでとにかく見せきってしまう。
毎回のバトル・うしお、とらの隠された真実・シリーズクライマックスに至るまで、冷静に考えると様々無理あるのに、作品パワーを一切落とさずに突っ走り、最後まで読者を放さず引きずっていった。
この血管がブチ切れるようなテンションの高さは、他の漫画を読んでもそうそう体感できるモノではない。
 アニメでどこまで再現できるのか、見物。
 ところで、「アニメ化されてオモチャ屋が提供なら、獣の槍は漫画通りの無骨なものでなく、絶対ギミック満載の玩具展開しやすいデザインに変えられる」というの、原作連載当時、ネタとして言われたモノだけど、深夜アニメなせいか、そのまんまだったなあ。


『城下町のダンデライオン』01.「櫻田さんちの9人きょうだい」

 原作四コマ未読。
 大家族・多数兄妹物ならそんなに珍しくないが、そこに「王国」「王位継承権争い」なんてものを導入したのは工夫。
しかも、舞台はファンタジー世界でなく、ごく普通の日常風景だというギャップ。
 どのように王国が築かれ、特殊な能力に目覚めていったのか、それは次回以降説明されるのだろうか……いや、そんなのどうでも良いか。
シリアスなバトル物になりそうな兆しすらないし。

 コミカルな空気が心地良く、キャラは可愛い。
 多くを期待せず、ふわっとした空気に浸るべき癒し系アニメ。
 余裕があれば見続けたい所だけど……

2015年07月04日 土曜日
『青春×機関銃』01.「死なない殺し合いを始めようか」

 原作漫画未読。
 男装女子とホストの取り合わせが『桜蘭高校ホスト部』、サバイバルゲーム・テーマは『ステラ女学院高等科C3部』『さばげぶっ!』を思い起こさせる。
 分かり易い第一話だし、演出も作画も悪くない。
身体能力に優れた蛍、ホストで鍛えた動体視力(笑)を駆使する正宗と、キャラも明確だし。

 ただ、少々小粒かなあ、という印象はある。
ギャグのテンポや落とし方が弱く、笑わせようという意図のみ感じ取ってしまったり。
 本当の面白さが表れてくるのは次回以降……かも知れないが、視聴継続意欲は弱め。


『乱歩奇譚 Game of Laplace』01.「人間椅子(前編)」

 江戸川乱歩没後50年を記念したアニメ…らしい。
 乱歩作品は、子供向けにした明智小五郎シリーズをかなり読んだ、ぐらい。
肝心な時にいつも居ない名探偵と、すぐ捕まっちゃう小林少年にドキドキした覚え。

 アニメ。
 明智や小林の設定を大幅に変え、現代の学園物としてリファイン。
日本探偵物の基礎となった作品をそのまま映像化すると、古い・今更という感想を免れることは出来ないだろうから、この変更、妥当。
 猟奇な殺人事件を扱いつつ、特異な演出で作品全体を包み込むことにより、無用な血なまぐささから無縁に。
この辺は、監督・岸誠二の個性かなあ(一話目の演出は別の人だけど)。

 小林少年の過剰な色っぽさが楽しい。
若干ホモっぽい香りは、原作の持ち味でもある。
 きちんと推理物として成り立たせるつもりかどうか、次回明らかになる…かな。
 これは視聴継続。

2015年07月03日 金曜日
『アクエリオンロゴス』01.「叫べ!創声合体」

 全く前知識なく見始めたため、1時間スペシャルの最初で、サッパリ話が分からない…『EVOL』を見ていないせいだろう、これまでのシリーズのストー リーがしっかり頭にあることを前提としているっぽいから、この先十何話も見続けるのは無理だなあ、などと早とちりしてしまった(ちゃんと見てればタイトル も違うし分かったはずだけど)。
OVAを特別に放送してたのね。
 『ロゴス』本編。
あー、こちらは、ここから見始めても問題ない第一話。

 キャラ絵が特徴的で、好き嫌い別れそう。
 物語は……「アクエリオン」って何でもアリが特徴のアニメだと思っているため、メイドカフェ?が秘密基地とか、阿佐ヶ谷駅前からメカが発進するとか、主人公が当然のようにメカに搭乗して勝利を収める、なんてことは普通。
 しかしさすがに、第一話で主人公が「敵メカ・操縦者の動きを乗っ取り、敵メカと合体して戦う」とは思わず、驚く。
最初は、「味方の」意思を無視して合体し勝利を収めるが、味方からの反発を喰らい波乱の予感、ぐらいが無難。
スッ飛んでるなあ……ここから、これより飛んだアイディアを入れられるのかどうか。
 言葉、漢字を敵の侵攻方法に使わせているのが面白い。
アクエリオンにも漢字を使って逆襲させるのは結構だけど、画面としては結局お馴染み無限パンチなので、ここからのパワーアップに期待。

 『EVOL』未見、という所に不安を感じつつ、見られる限り視聴継続したい。


『ケイオスドラゴン 赤竜戦役』01.「一殺多生」

 Wikipediaによれば、ウェブサイトに連載された、TRPGリプレイの手法をとった創作物が原作(原点)……らしい。
 冒頭で今後登場するのだろうキャラをワーッと顔見せされても、初見視聴者に覚えられるはずなく、原作ファンへのサービスなのかな。
 セリフによる世界状況の説明もどうかと思うけど、さして複雑な状況でもないから、負担と言うほどでなく。

 第一話は、「少女の命を主人公自ら奪うことにより、使用が可能になるドラゴンの力」……これをどれだけドラマティックに、ショッキングに描けるかが最も大事だろう。
しかし、少女の影が薄いため、制作者が狙ったであろう程にはショックがない。
他勢力や謎キャラの存在なんか二話以降に回してでも、失われる少女の重さを感じさせないと。
 それで得られる力は、もっと圧倒的であるべき。
演出のパワーが足りないせいか、全体に緊張感がないし、カタルシスも弱い。

 これから、ドラゴンの力を使う度に誰かの犠牲が必要になる?
 構成に興味はあるけど、継続視聴の意欲は低め。


『響け!ユーフォニアム』最終13話.「さよならコンクール」

 京アニ作品、しかも学校の部活動で音楽をテーマにしている。
そこから視聴者が単純に予想・期待するのは『けいおん!』のような、ほのぼの・お気楽なものだったと思う。
しかし実際は、真逆と言っても良い内容。
 部活内容は体育会系のように厳しく、そのため遊んでいるような余裕無く、部員個人個人が良い面も悪い面も持ち、(仲良しは居るけど)何も言わず解り合えるような幸せな関係じゃない。
 顧問・滝の厳しさ、冷たさは特筆すべきレベル……内面は次第に明らかになっていったが。

 こうであったから、上達する喜びがあり、相手を許容し理解していく嬉しさがあり、勝利の感動を描けた。
 涙腺に来るほど上手く盛り上げられたシーン、シリーズでいくつもある。
 キツい所のある物語をシンドく感じてしまうジジイだからか、大好きな作品か、というと微妙なんだけど、全てにおいて渾身の力で作り上げられた、出来の良いアニメなのは間違いない。
 まだ続く物語は、第二シーズンあるいは劇場版で?

2015年07月01日 水曜日
 衛星で放送された映画『偉大なる、しゅららぼん』を見る。
 予告等でこの変わったタイトルのみ知り、ちょっと興味を引かれていた、それぐらいの前知識。

 うーん、中二病?
 まるっきりライトノベルな内容、それにしてはキャラも物語も地味で、物足りない。
 取り扱いが難しい淡十郎なんか面白くなりそうな性格付けだが、短時間では描ききれないのか、よく居る高飛車キャラぐらいにしか。
 恋愛が余り絡まないのは「ライトノベルとして」異質、しかしそれに替わる楽しさが提示できている訳でもなく、どうせなら清子をデレさせるぐらいのあざとさがあれば良かったのに。

 事件の真相「あー、なるほど」と「いやいやいや」。
都合良い物語の締め方にも「いやいやいやいや」。
ラストは軽〜く、特に後を引くもの無く。
 つまらなくて怒り出すとかそんな酷さじゃないけれど、深夜アニメで見慣れたストーリーを薄ーくしたような映画。

2015年06月30日 火曜日
『プラスティック・メモリーズ』最終13話.「いつかまた巡り会えますように」

 最終回、ちょいホロリときてしまった。
 アイラは可愛らしく良い子に描けていたし、一生懸命なツカサとの関係も細かく、周囲を固めるレギュラー陣の盛り上げもあって、十分泣けるストーリーに出来ていたと思う。
 強引に都合に合わせた設定(メモリー移し替え不可能、ギフティアとの恋愛推奨と言うより強制さえしているような社内システム)や、個別事件エピソードの薄さ、終盤の物語停滞、それら全て、「泣かせる」ことを作品の第一目的としているため。
 目的は達成。
 しかし、それ以外のあれこれに「でも……」が付いてしまい、見終わった感想はフクザツ。

 一時期(今も?)流行った、とにかく誰かが死ぬことでお涙頂戴を狙う作品、と変わらなく思えるのが残念。
ギフティアが肉体的にも感情的にも人間そのもので、差異がなさ過ぎるため、いっそ機能時限設定をやめ、人間の難病物にしても内容はほぼそのままで行けそう。
 アンドロイド・ジャンルって、「人間に憧れながらも決して人間になれない」所が最重要ポイントなのに。

 ラストは、メモリーがクリアされ再配置されたアイラとツカサが再会した……ようにも感じられるけど、それじゃツカサの割り切りぶりが非情にも感じられるから、また別のギフティア、ということになるか。
 見続けてきたことを後悔するような低いレベルのアニメではない、かといって傑作!見て良かった!とも言えない、どうにも中途半端。

2015年06月29日 月曜日
『放課後のプレアデス』最終12話.「渚にて」

 ずっと前、『ミンキーモモ(82)』『クリィミーマミ』なんかの魔法少女物が続けて作られていた頃、自分もそういった作品を妄想していたことがあって、 それは、「魔法はありつつ、しかしそれを中心にした物語ではなくて、ごく当たり前の生活・青春があり、もう一歩だけ届かない何かをあるいは心の有り様を、 少しだけ変えるために魔法が使われる作品」という……
いや、まるで具体性のないフワフワした話。
 もちろん、こんなもの作品化できるはずなく、そんなの考えていたことがあったのさえ忘れていた。
 『プレアデス』の、特にシリーズ中で描かれた各キャラクターが抱える、小さな小さな、問題とさえ言えるか分からない悩み、それを、魔法の力でスッキリ解 決、なんて安易にはせず、しかし穏やかに絡まりを解いていくストーリーを見て、「ああ、やりたかったのはこういう物語の形だったんだ」と思った……こんな に上手い形で作り上げるのはどうやっても不可能だったろうけど、理想型として。

 これら、小さな葛藤の繊細な取り扱いが凄く良かったため、メインのエンジンパーツ探しと、みなと・謎な敵対少年の正体に迫る流れにはそんなに興味を持っ ていなかったんだけど、なかなかにシビアな少年の実情が示され、パーツ探しのため集められ出会えた少女たちが、その終了と共にそれぞれの時間流へと帰って いくラストはSFでありつつ感動的で、素晴らしかった。
 みなとについても、言えば何でもアリの作品なんだから、都合良く万全の状態にして上げることは簡単だったろう。
そうはせず、しかしバッドエンドでもなく、「これから大変なことが沢山待っている、でも、きっと彼女と彼なら乗り越えていけるはず」と感じさせてくれる、希望のある終わり方。
 誠実な作り方で、嬉しくなってしまう。

 GAINAXでSF、ということからも、宇宙の広がり、時間の流れ(ウラシマ効果)、天文現象など、『トップをねらえ!』を彷彿とさせる部分があり、懐かしい。
 作画は最後まで水準以上をキープできて、結構。
 これは、続編のない終わり方だろうな。
すばる以外の少女達のエピソード、もっと見てみたかったけど。
 このラストを知った上で、いずれ最初から見直してみたい。

2015年06月28日 日曜日
『終わりのセラフ』最終12話.「みんなツミビト」

 人類が激減し、残された子供たちが悲惨な境遇に追いやられる圧倒的なシリーズ開幕のツカミから、突然緊張感の途切れた学園生活と退魔バトルへ……この落差に驚き、付いていけないかも、とさえ思った覚え。
 仲間達との出会い・対立・和解、特殊能力を生かした吸血鬼達との戦いなんかは、基本に忠実ながら手堅い作り。
シリーズの最後で主人公に起きる異変以外は、そんなに変わったことをやっていない。
 なのに、毎回、三十分見入らせるだけの丁寧さとパワーがあり、感心。
実際、「えっ、もう今週終わりなの?」と思ったこと、何度もある。
 キャラの魅力、それぞれが抱える目的意識と葛藤、戦いの緊張感、そういったものを、いちいちおろそかにせず、しっかり描いていたが故だろうか。

 シリーズとしても「えっもう終わり?」で、決着らしい決着は付かず、それは原作を読むか第二期が作られた時…という事かと思えば、二期は既に決定している、というか途中に休止を挟んで続くシリーズ形式。
 人類と吸血鬼の戦いは、見た目ほど単純でなく陰謀を孕んでいるようで、先が楽しみ。
企む者達が第三勢力としてより大きい脅威になれば、人間とロリ吸血鬼女王様が手を組むような事態も?

2015年06月27日 土曜日

 単行本新刊「密ノ月」、本日発売です。
 ここしばらく、ひたすら収録原稿を直しておりました。
 どうぞよろしくお願い致します。
Amazon/DMM


『ハロー!!きんいろモザイク』最終12話.「なによりとびきり好きだから」

 今期もストレス皆無で、のほほんと見終えられた。
 アリスの里帰り、「忍の所へ帰りたい」ばかりじゃちょっと寂しいな…と思っていたが、しっかり「でもママと居られるのは嬉しいし、また別れるのは寂しい」気持ちを描いてあり、嬉しい。
 新キャラの教師・久世橋は可愛らしく、対比して烏丸のふわっとした個性を彫り込む役割を果たしており、上手い。
 三期の制作も期待したいなあ。

2015年06月15日 月曜日
『トリアージX』最終10話.「湯加減いかが?」

 あれ、もう終わり?
通常の一クールに足りない話数なのは、放送編成の都合か、発売されるDVDにのみ収録されるエピソードが多いという事か。
 途中、見逃した話もあるため、あんまり細かく語れないけど…
 現代版『必殺!』『ワイルド7』といった内容を貫き、徹底した「エロ・グロ・バイオレンス」で、深夜アニメらしく、見やすいエンターテイメントだった。
 悪党には、同情に値する理がほぼ皆無な上、笑ってしまうぐらい過剰な憎々しさが演出されており、酷い殺され方をされる事でカタルシスを生み出す。
 胸の大きなお姉ちゃんが敵も味方も大挙して存在し、戦ったりイヤらしい事をされたりして嬉しい。
一部危うい所もあったけど……頑張った作画が、色っぽい見所を支えていた。

 重い所もありつつ、何事かテーマを訴えるのではなく、気楽に見させるべく描かれている作品。
 続編を熱望……とまで言わないが、第二期があったら、また見てしまいそう。

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15/01-05の日記を読む