2016年08月01日 月曜日 |
『Re:ゼロから始める異世界生活』18.「ゼロから」 ここ数回、悲惨な失敗から無残な死へと至る鬱展開の連続で、内容に引きずり込む力は強く、どうなるのか・今度こそ成功するのか目が離せなくはあったものの、ちょっとシンドかったのも確か。 ようやく希望が見えてきた……のかな? ちょっと並ぶ者が居ないぐらい強力なヒロイン・レムの、赦しと励ましにより。 いやホントに、ここでレムが「もう知りません勝手にしたら?」などと(ごく普通の女性のように)言って見捨てた場合、スバルの心は再起不可能なぐらいズタズタになってしまったろう。 この作品について、世界観よりも時間巻き戻しよりも、「レムの無制限とも思えるスバルへの許容」、これこそファンタジーではないかと。 こんな娘、居ねえよ!居て欲しいけど! 全身の骨を折られながらも這いずってスバルの元にやってくる、怖いまでの愛の表現は、なかなか見た事のない凄さ。 「何度でもやり直せる能力」は便利すぎて、物語から緊張感を全く失わせてしまう恐れがあったけれど、「何度やり直しても壊滅的にダメ」という絶望感を繰り返し味わわせる構成にも繋げられたんだなあ。 視聴者も疲れるが、作者はもっとシンドイ内容だと思え、ここまで徹底して行った根性に脱帽。 しかも、死亡に至る原因・パターンを毎回変える工夫があるし。 スバルのゲス化(騎士団に対する侮蔑とか)がちょっと唐突な気はしつつ、まあ、あんまり人格者じゃ見ているコチラとの差が開きすぎて感情移入できなくなるかな。 ここからのグッドエンディング・ルートは難しそう。 地道には、剣や魔法の修行をお時間いっぱい続けて自殺、の連続で、敵に勝てるまで経験値を上げる。 次期国王候補勢力それぞれから、親切にも教えてもらった攻略情報を元にして交渉し、エミリア救出軍を組織する。 各勢力の最も大事なものを盗みだし、エミリア領へと逃亡することで追ってこさせ、敵にぶつける作戦も……後でスバルが殺されそうだけど。 逆に、敵軍団を誘い出し、白鯨の出現エリアへ誘導するとか。 自分達も全滅する恐れがあるな。 心さえ折れなければ、やり方を変えず全く同じ行動を繰り返し、敵の攻撃を受けて記憶、レムを通じ?一つずつ反撃していき、致命傷を喰らった時点で死に戻り最初から、という『サイケまたしても』方式が有効。 メンタルの驚異的強さが必要……スバルには難しそうだ。 作中ではどういう方法を採るのか、楽しみ。 |
2016年07月30日 土曜日 |
映画『シン・ゴジラ』を見る。 総監督・庵野 秀明、監督・樋口 真嗣による、久々…12年ぶりの新作ゴジラ。 うーん…だった『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』、これは遠慮なく駄作の『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』と、両氏の前作に疑問符が付いており、つまらなかったら文句言ってやろうと思っての鑑賞。 面白い。 これまでの「ゴジラ」とは大きく違っているため、評価の基準によっては厳しくなってしまうこともあろうが、子供だましでなく大人向けに、手を抜かず全力で、最後までしっかり作られている映画。 『エヴァンゲリオン』ヤシマ作戦の下りから、シンジ、レイ、エヴァまで抜いたような内容。 『巨神兵東京に現わる』ともイメージは重なるが、ストーリーの大筋はDAICON版『帰ってきたウルトラマン』によく似ている。 アリガチな恋愛や家族のドラマをほぼ完全にカットしてあるのが、大きな特徴。 既存のパターンで処理するなら、主人公・矢口に恋人など設定し、保育園や介護施設なんかで働く彼女の目線から「大学時代、夢を持っていたあなたが、出世し て変わってしまった」みたいなことを言わせ仲違いさせた後、ゴジラ襲撃で危機に陥った彼女を主人公が体を張って救う……とかいった分かり易い・古〜いお話 が入っただろう。 関係ないが、ハリウッド2014版『GODZILLA』は、家族関係に時間を費やしながら、こんなドラマさえ描けてないのが不満。 「現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)」というのがコピー文句だけど、ゴジラと戦ってるのは「会議」かと思うぐらい会議シーンだらけ。 誕生の経緯から行動・無敵さ加減まで無茶苦茶に勝手な「虚構」ゴジラに対し、個人プレーで事態を解決せずあくまで集団が意見や知恵を出し合いつつもどかしく前進していく「現実」民主主義日本の戦いか。 しかし、こんなに優秀な政治家・官僚ばかりなら日本は安心。 総理大臣もダメダメに見えつつ苦悩は理解できるし、重い決断をしている。 そして、自衛隊大活躍。 架空の便利な対ゴジラ兵器がないため、在り物を総動員し、知恵と勇気と有能さで立ち向かっていく姿、格好いい! あんまりスポットは当たらなかったけれど警察も消防も頑張っており、危機に際してそれぞれの立場でベストを尽くす、日本の底力を見せてくれるようで嬉しい。 米では、9.11以降、ビル崩壊の恐怖をスペクタクルシーンに用いることが多いけど、『シン・ゴジラ』は3.11以降を感じさせる。 初代ゴジラが「戦争」を表しているなら、今回は「人智を越えた災害」かな。 原発事故への対処を思わせるところもあったし。 現在を生きる者にとり、戦争はもう(幸いに)身近でもリアルでもない。 が、3.11以降(いや阪神大震災?もっと前から?)、大災害の恐怖と誰も他人事ではない損害の大きさ、復興の困難は、卑近な現実として感じられる。 被災する人間各個への目線が不足している、災害報道を見ているようなこの映画で、しっかり恐ろしさを実感できるのは日本人の共通認識となったこの経験のため、だろう。 この映画の特異な形式から来る問題、庵野総監督の個性がもたらすアク、都合の良さ、色々と言いたくなるマイナス面はありつつ、でも今日、作られる「ゴジラ」として、十分すぎる出来。 気になる人は是非、映画館で見て欲しい。 で、次回作妄想。 庵野 秀明は外れるのだろうから、樋口 真嗣だけで監督を?それはちょっと不安な…… 今回のフォーマットを踏襲して、個人のドラマに寄らない人間集団VSゴジラを描くなら、「野党の反対による作戦停滞」「無能な政治家・官僚による失策」 なんか入ってくるかも知れないが、余程上手く料理しないと「こんなの無い方が良い、ウザい、庵野がそういう要素を入れず作った理由、分かった」と言われそ う。 そうでなく怪獣対決に移るなら、中国が収集したゴジラ細胞を培養・遺伝子操作して作った亜種怪獣チャイナ・ゴジラ、それと呼応するように日本海へ入るシン・ゴジラ、両者が尖閣諸島で激突「代理戦争、勝った怪獣の国の島になる」話とか。 あるいは韓国が作ったコリア・ゴジラと竹島で(以下略)不謹慎でしたすみませんでした。 |
2016年07月17日 日曜日 |
『バッテリー』01.「出会いの日」 原作小説はもう二十年ぐらい前に刊行され始めたものなのか、未読。 望月 智充監督作品……最近の監督作は最後まで見続けられた物がなく、ちょっと不安。 アニメ。 とにかくゆっくりしたテンポで、少年達の日常とその変化、出会いを描いた。 「圧倒的天才ぶりを発揮する投手と対立する野球部員」とか「廃部寸前の野球部がその存続をかけ急造ナインで試合に臨む」といった強い・アリガチなツカミはなく、スローなスタート。 それでも、クセのある主人公ピッチャーと、負けず強硬なキャッチャーの会話など面白く、この二人がどうなっていくのか興味をそそられる。 色々ありそうな主人公周辺の事情は、次回以降、順次描かれるんだろう。 しっかりとした作画が、作品の空気をキープ。 久々に最後まで見られる望月監督アニメになる……のかな、期待と不安で視聴継続。 |
2016年07月15日 金曜日 |
『ダンガンロンパ3-The End of 希望ヶ峰学園-(絶望編)』01.「ただいま希望ヶ峰学園」 一週間に二本、それぞれ時の設定が違うストーリーを放送する、超変則的放送形態アニメの「絶望編」。 「未来編」冒頭のイメージで、ざあっと見せられた部分をしっかりアニメ化する、ということなのかな。 まだ閉鎖空間に囚われないし、殺人も起こらず。 いずれはそのお馴染みフォーマットに入るのか、また全然違うパターンを確立するのか。 作画は良好。 この世にもまれな放送形式を、どう活かしていくのか、楽しみに見続けたい。 |
2016年07月14日 木曜日 |
『モブサイコ100』01.「自称霊能力者・霊幻新隆 〜とモブ〜」 原作漫画は、裏サンデーで連載中。 『ワンパンマン』原作者の漫画、ということに興味を持ち、以前に二話目まで読んだ。 合わないというか面白さを上手く受け取れず、それっきり。 これをアニメ化か、と思いつつ見たが…… おお、面白い。 霊との掛け合いやバトル、圧倒的パワーで敵をアッサリねじ伏せる『ワンパンマン』風決着のカタルシスなど、原作より上手く演出できている。 作画レベルが不必要なまでに高く、微妙…な原作寄りのキャラクターデザインを、画力の高い人間がそのまま描きつつ説得力を持たせて動かす、この気持ち良さ。 贅沢だなあ。 ストーリーとして、まだグイグイ引き込まれる、ということではないが、『ワンパンマン』原作者だし今後生きてくる何かしらの仕掛けはしてあるんだろう。 当座、作画の良さを目当てに見続けたい。 『ダンガンロンパ3-The End of 希望ヶ峰学園-(未来編)』01.「Third time's the charm」 原作ゲーム未プレイ。 アニメの前作は見たけど……あれ?『2』なんて放送されてたっけ?と思いWikipediaなど見ると「ゲーム第1作から続いた「希望ヶ峰学園」を舞台 とした物語の完結編として『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』のその後を描く完全オリジナルストーリー」だということ。 アニメの後、ゲーム1本分の内容を挟んだ後の物語なのか。 そりゃあ、今回アニメの置いてきぼり感が凄い訳だ。 てっきり、自分の脳が弱って前アニメの内容をオボロにしか覚えていないからかと(それもありそう)。 未来機関の支部長らが集結、苗木誠を呼びつけて……という辺りまで、「支部長らは現施設に待機・監視していて、彼をまたどこかへ連行し、閉鎖空間で極限状態へと追い込む」ものと。 この支部長らと共に閉じ込められ、彼ら彼女らが殺人のターゲットにされるとは迂闊にも思わず、驚く。 モノクマが登場、ゲーム開幕を告げる所からは前作でお馴染みのパターンに乗るため、知識不足も余り関係なくなり、安心。 声が変わってしまったモノクマは諸事合わせて寂しいけれど、TARAKOも悪くなく、聞き慣れそう。 また、無茶な殺人と謎解き、犯人捜しを楽しめば良いのかな。 ……って、今夜半から同タイトル「絶望編」が放送開始? 「二つのシリーズを同時期に、同時進行させる」毎週放送のテレビアニメとしては前代未聞の企画なのね。 そちらも見てから感想書けば良かったかな。 |
2016年07月13日 水曜日 |
『斉木楠雄のΨ難』01.「超能力者のΨ難(前編)(後編)」「最低Ψ悪!?燃堂力」他 原作漫画は連載で既読。 超能力者物では、現状、多くが能力者バトルへと展開する。 そうでなく、能力を持つが故、面倒に巻き込まれる『エスパー魔美』のパターンをギャグ方向へと大きく進めたのが、この漫画。 超能力があったらなあ……というのは力を持たない者の考え方。 生まれつきあらゆる超能力を持ち、それが基本的に制御できずパワー発動したままになっている、その状態がもたらす面倒さをクローズアップし、笑いに繋げている。 こんなに楽しくなさそうなスーパー・エスパーは見た事ない。 アニメ。 ああ、これ毎朝5分枠で放送してるのか、深夜ではそれを5本まとめて30分枠に。 崩れはないが普通の作画、動きは少なめで物足りない、と思ったけど、原作イメージに忠実とも言える? 『ワンパンマン』みたいに動きまくられても、原作とは別物になってしまいそうだから……いやそれはそれで笑いになるかも。 監督・桜井 弘明の手腕はさすが。 このクセのある原作を、これ以上の物にするのは酷く難しいだろう。 声のイメージも違和感なく、気軽に視聴継続。 『あまんちゅ!』01.「少女と海のコト」 『ARIA』の天野こずえが原作、単行本一巻だけ既読。 アニメ総監督として、『ARIA』佐藤 順一が引き続き。 単行本一巻発売でも、もう七年近く前になるのか。 忘れかけていたため、アニメを見てから該当部分を読み直す。 大きな違いは、光が家を出るシーン、そして担任女教師(読み返してしばらく双葉かと勘違い)と光の熾烈な通学バトルが略されているところ。 前者は、双葉の視点から「不思議少女・光」を描くためだろう。 後者は動きで見たい、凄く面白い追いかけっこなんだけど、何しろ時間を費やしてしまうため、一話時点では省いてしまうのも納得。 無理に詰め込めないこともないが……『ARIA』が帰ってきた!ようなゆったりした空気を壊してまで入れる必要はなく、次回以降に回しても。 高い頭身でのギャグ顔が可愛い。 ヒロインたちの、腰の張り、お尻のラインを制服着衣の上から(ミニでなく昨今見ない長い丈のスカート…人魚をイメージ?…なのに)感じさせてくれる、高いレベルの作画。 醸し出す空気の良さが命の作品、キャラの崩れは致命的なので、頑張って欲しいところ。 一話は、佐藤 順一コンテだけあって、とても爽やかな気持ちの良い仕上がり。 癒やされる内容を期待しつつ、視聴継続。 『アンジュ・ヴィエルジュ』01.「はじまりの可能性」 トレーディングカードゲーム原作。 冒頭の少女オンリー戦闘から、長い長いナレーションによる設定一気読みに「作り手側の都合」だけで繋げられ、もう挫けそう。 こんなの、長すぎの詠唱呪文聞かせてるようなロスタイムなのに。 続く、物語の必然はなくとも円盤セールス上の必然性は大いにあるお風呂シーンこそ、本筋か。 ここでも長い説明セリフ、一人で風呂を出る少女だが、行く先は展望フロアの風呂。 CMを挟んでまた別のお風呂登場、そしてお風呂、お風呂…… 第一話の入浴シーンとして、アニメ史上最長ではなかったろうか。 とにかく少女達のヌードで売りたい強い意志が、しっかり感じ取れた。 そこに価値を見いだしてくれる人のみを視聴対象に。 |
2016年07月12日 火曜日 |
『クオリディア・コード』01.「残存世界のグロリア」 ライトノベル作家三人が、世界観を共有しつつ書き下ろすシリーズが原作……ということなのかな。 キャラクターがドッと出てきたのは、それぞれ違う原作の主人公キャラをアニメで集めたため? 内容。 空飛ぶ女子二人に支えられた足場に乗って、カナリアが登場。 すぐに足場から海に落ちてしまうけれど、これが何故落ちたのか、よく分からない。 「勝手に手・足を滑らせた」「風が吹いてバランスを崩した」「両脇の女子二人がワザと落とした(関係は悪くなさそうだが)」何とも判断が付かず、「落ちてシャワーを浴びる流れになっているから落とした」都合しか感じさせない、演出力の不足。 それは、海辺にポツンとあるシャワールーム(学校の施設?)、ぶっきらぼうなことを言いながら「正しい気持ちの伝え方」なんていうストレートな本を読ん でいる分裂気味な壱弥、見せ場であろうバトルでただ標的のように浮いているだけの敵、何をどうドジったのか分からないアクアライン破壊、なんかからも感じ る。 なのに「上空で意味ありげに消える鳥」とか見せられても…… 第一話から、作画がパッとしないのも残念。 ボケたカナリアは可愛いと思うんだけど、それ以外に引きつける要素が弱い。 『一人之下 the outcast』01.「張家の秘密?」 中国のWeb漫画が原作…らしい、もちろん未読。 ということは中国製アニメか、と思えば「実制作は日本のパンダニウムと韓国のNAMU Animationの共同制作(Wikipedia)」。 うーん、全体に無難。 お話は一話目として興味を引けないでもない内容、演出は変なギャグとかセンス古いけど酷い訳じゃないし、作画の鈍さは残念だがこれも見られないほどじゃない。 今回、最大の見せ場になるはず……だろうと思う、張楚嵐の能力が覚醒し危機を脱するシーン。 馮宝宝らが遠くから雷だけ見て終わってしまうため、拍子抜け。 次回以降、しっかり描くつもりだろうけど、ツカミの冒頭エピソードが弱いのはどうだろ。 ヒロインの強さ、非情さは面白い。 でも、それだけだなあ……ホントに焦点をヒロインの魅力に絞り、そこ以外を厳しく削ぎ落とした方が、次回への引きになったかも。 『霊剣山(一話しか見てない)』に比べれば、ずっと良くなっている。 今後の更なる進化に期待しつつ、これはここまで。 『ウルトラマンオーブ』01.「夕陽の風来坊」 かなり頑張っていた『ウルトラマンX』に続く、シリーズ最新作。 監督は続けて田口清隆、シリーズ構成の中野貴雄と小林雄次も継続。 オーブに変身するクレナイガイは、『セブン』モロボシ・ダン、『メビウス』ヒビノ・ミライのように、人類と一体化するのではなくウルトラマンそのものが人間に変化した形態で、地球上に滞在する。 そのため、人間の姿で長時間保冷車の低温に晒されて平気、高空から落下しても無傷、といった超人ぶりを発揮。 物語は、彼の視点というより、怪奇現象サイトSSPリーダー・夢野 ナオミの目を通して描かれるので、ガイはまさしく「謎の風来坊」。 ガイが、地球防衛チーム・ビートルに所属しないのは、大きな特徴。 『ネクサス』『ギンガ(防衛組織自体が存在しない)』など、例が無くはないが。 いや、ガイはいずれ、ビートルにスカウトされたり自身の都合によりチーム入りを志す可能性もあるか。 ただ、一話時点ではビートル隊員は一人しか出ていないし、本部のセットも登場せず。 予算を喰ってしまうこの辺、具体的存在として描かず、SSPで済ませてしまう手もアリかな。 CGを駆使した画面作り、『X』と同様、見応えがある。 技術に溺れず、風に巻き上げられた高高度から落下するガイとナオミを、上半身アップのみ・ナオミの絶叫で表現してしまう思い切りとか、なかなか。 歴代ウルトラマンの力を読み込む際、「ウルトラマン『さん』、ティガ『さん』」と「さん」付け呼びするのが、丁寧で可笑しいやら違和感やら。 最後発ヒーローだし、先輩方のお力をお借りしますという気持ちから、呼び捨てはためらわれたものか。 しかし、『仮面ライダーディケイド』なんて、呼び捨てどころか先輩を武器に変えたり変形させ足蹴にして飛んだりしてたぞ……まあアレは「態度の悪いヒーロー」として設定されてるんだけど。 十分な面白さで、視聴継続。 |
2016年07月11日 月曜日 |
『タイムトラベル少女〜マリ・ワカと8人の科学者たち〜』01.「賢者なるギルバート」 Wikipediaによると、「科学史の大家・板倉聖宣が編纂した『発明発見物語全集〜磁石と電気の発明発見物語』を原典としたアニメ作品」らしい。 しかし……「タイムトラベル少女」って、どんなタイトルだよ?と思いつつ視聴。 何故NHKで夕方に放送しないのか疑問に思うほど、まっとうな少年少女向けアニメ。 心停止に陥った際のAEDの使い方、16世紀イギリスの常識やウィリアム・ギルバートの紹介など、学習を目的とした内容としても、まずまず。 いや正直、ウィリアム・ギルバートって初めて知った。 この後に登場が予定されているエジソンは勿論、フランクリン、ボルタ、ファラデーらと比べても知名度は低めのような……自分が無知なだけか。 勉強になります。 萌えだのパンチラだの商売要素は控えめにして、子供の「ためになる」アニメにすると良いのでは。 円盤売り上げはともかく、ホントにNHKが放送権買い付けてくれるかも知れないし。 今風な作画も目に心地よく、気楽に視聴継続。 『ベルセルク』01.「竜殺しの大剣」 原作漫画は、ええと何巻目だったか……途中まで既読。 圧倒的な画力、鮮烈なキャラクター、気圧されるほど迫力のある戦闘描写、引き込まれる物語により、日本漫画史上でも特別な存在となっている。 一度テレビアニメ化されていて、それはもう20年近く昔になるのか。 2012年から劇場アニメも公開。 一本目だけ見て、時間の都合か略されたところが気になりつつ、CG画面のクオリティーには感心。 今作。 ガッツ初登場のモデリングには、コケそうになってしまう。 うーん、「テレビ放送のCGとしてはこんなものだろう」「あの『ベルセルク』をこんな画面で映像化するのか!」「手描きではこのレベルも保証できないってことじゃない?」などと脳内会話。 しかし『山賊の娘ローニャ』も『亜人』も見てきた訳で、しばらく見ているうち、これはこういう物だと慣れてしまう。 多くは望まず、もうすっかり記憶から薄くなっている(単行本もドコに仕舞ったんだか)原作初期を確認するには、十分。 ぼちぼち継続視聴したい。 『91Days』01.「殺人の夜」 てっきり原作小説なりを元にしているものと思ったが、アニメオリジナル企画。 ホラーでもミステリーでも能力バトルでもなく、禁酒法時代を舞台とするマフィア物。 『ゴッドファーザー』……『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』のような手触り。 硬派なドラマ。 一話目には、母親以外の女性キャラさえ出なかったのでは。 殺しまくる話になるかと思ったが、成長後はそうでもなく。 レンチで殴打・体に火を付けるといった暴行で死んでなければ、だけど。 浮ついたところがなく、ロウソクの火を消す…といった幼少期の出来事を伏線に使うなど、しっかり作られたストーリー。 ただ、前期『ジョーカー・ゲーム』のように、この地味な内容が円盤セールスに繋がるのか?という視聴者としては余計な心配もアリ。 視聴継続。 『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』01.「嵐の邂逅」 原作ライトノベル未読。 『十二国記』『精霊の守り人』のようなファンタジー作品かと最初思ったが、『三国志』というか『銀英伝』『アルスラーン戦記』を目指す作品かも。 ちょっとクセのあるキャラクターデザイン。 若者達が出会い、非常事態の中で皇女を守り、敵陣突破を目指そうという第一話。 嵐に遭うスペクタクルを余りよく描いていないため、ただでさえ会話中心の一話目が、セットで演技をする舞台劇のような印象に。 よく喋る主人公もあって危機感は薄く、視聴者が「今は大変な事態なんだ」と想像で補わないと、状況に実感がない。 ラストでようやく本当の危機。 ここをどう乗り越えるのか、作品の力量が問われる。 キャラの集結・嵐の姫落下は段取り以上のものではなく、いっそボート漂着後から話を始め、回想でこれまでを描きつつ、敵兵誰何の危機突破までを一話にまとめた方が良かったろうか。 いや、この後、例えば主人公が捕まり、そこで敵情を偵察し、逃亡してその情報を元に敵中突破作戦を立てる……といった長い流れになるなら、一話だけで一段落にするのは難しいが。 様子見、三話目ぐらいまでにはこの作品ならではの面白さを発揮して欲しい。 |
2016年07月10日 日曜日 |
『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』01.「雨傘の義理」 脚本・虚淵玄、音楽・澤野弘之による人形劇。 日本・台湾共同制作。 人形劇のテレビシリーズというと『サンダーバード』や日本の『三国志』なんかを連想してしまうが、これは「霹靂布袋戲」という台湾の人形劇表現らしい。 ……これまでと違う! 人形劇が苦手にしていた歩きや手・足の表現を上手くこなし、対人バトルアクションさえCGを交えつつ高いレベルで実現。 「動きが速すぎて目がついていかない(早回しにしても)」なんて感想を、人形劇に対して抱くとは思わなかった。 ストーリー。 見せ場のバトルを中心に構成しているため、一話ではホンの端緒に終わってしまったが、キャラの個性や関係、因縁の始まりをしっかり描いてあり、理解が容易。 ガサツ・ぶっきらぼうに見せながら実はお人好しの殤不患、孔明のような策士で人心を上手く操る凜雪鴉、この対照的な二人が面白い。 意外な展開が待っているとかそういうドラマなのかどうか、お約束通り進める日本時代劇のような筋立てなんじゃないかと思いつつ、ベタも巧みに作ればエンターテインメント。 美形人形にはファンが付きそうだな。 期待を込めて、視聴継続。 『美男高校地球防衛部LOVE!LOVE!』01.「愛、ふたたび!」 ああ、これ第二部なのか、恐らく第一部も一話しか見ていないためタイトルを忘れてた。 冒頭から男子銭湯で、男ヌード・尻のサービスカット満載! 来る場所を間違えました!という感じ。 しかし、『魔装学園H×H』とか、女性視聴者からはこんな感じに見えてるんだろうな。 『この美術部には問題がある』01.「問題がある人たち」「さよなら内巻くん」 原作漫画未読。 美術部で、ズレた男の子と彼に思いを寄せる女の子が巻き起こす、すれ違いのコメディー。 高品質な作画が嬉しい。 演出もテンポ良い……と思うんだけど、二次元ヨメ願望をこじらせている男の子に対し、女の子が突っ込む、というパターンの繰り返しなので、笑うところまではいかない。 真面目さと恋心が空回りするヒロイン・みずきのリアクションを楽しむアニメ。 表情変化からパンツまで、彼女の作画には力が入っている。 もうちょっと様子見。 『はんだくん』01.「半田くんと女の友情」 原作漫画未読。 とても面白かったアニメ『ばらかもん』スピンオフだそうで、期待を込めて視聴。 『ばらかもん』とは原作の方向性が違うのだろうし、監督・制作会社まで変わっているため、同じ内容を望むのは筋違い。 ……という問題ではなく、余りにも、余りにも。 メタネタ・楽屋オチから始まる冒頭部、何とか楽しもうとしたけれど、ワザと下手に描いた絵によるアニメが始まる辺りで限界。 ほとんどのアニメについて、一話目は全部見ることにしている自分が途中挫折してしまった。 作画も今ひとつ冴えず、厳しいスタート。 |
2016年07月09日 土曜日 |
『レガリア The Three Sacred Stars』01.「姉妹 / SISTER」 アニメオリジナル企画。 珍しいロボット物。 義理の姉妹の基本的関係と、乱暴な敵の存在、巨大ロボットアクション物であることまでは分かった。 その他は、ほとんど分からない。 気合いが入った、昨今珍しい手描きの巨大メカによるバトル、それが作品最大の魅力なのでまずそこを見て欲しい、ということなら、それは伝わってきたけれど。 ずっと見続けられるかどうか、この時点では判断できず。 次回以降の展開とキャラへの魅力付加、不明点に対する説明が適時なされるかどうか、その辺次第。 面白くなるといいなあ。 『魔装学園H×H』01.「戦略防衛学園-ATARAXIA-」 原作ライトノベル未読。 今期エロ枠。 寸止めと言うにはかなり行きすぎた、本番さながらのエロシーンが売り、だろう。 作画は、レベルの低いエロアニメよりずっとマシだけど、賞賛するところまで行かず、残念。 もっとクオリティー高ければ、それだけでBlu-rayなどの販売数を伸ばすことが出来たろうに。 力の入れ方はそこに限定されていて、他シーンの気合い抜け加減が凄い。 主人公が千鳥ヶ淵 愛音と出会うシーン、海辺の桟橋?に立つ彼女を見つけるのだが、「ロングのショットを入れてないため両者の位置関係が分からない」「『自殺と間違えて主人 公が愛音に抱きつく』『風にスカートを捲られた愛音のぱんつを見てしまいドタバタ』みたいなお約束もなく、何のためにそこに立たせたのか分からない」とい うテキトーさ。 まあ、全体として「特殊能力学園に転入してきた主人公が偶然ヒロインと出会いラッキーなエッチシチュエーションがあって嫌われる」テンプレートには沿っている訳で、細かいことは問題にしなくて良いのかな。 そんなのゴチャゴチャ言う人間など、視聴対象に入れてないだろうし。 制作者の見せたいモノを見たい視聴者にとって、価値のある作品。 『魔法少女?なりあ がーるず』01.「それは不思議な出会いなり?」 石ダテコー太郎による3DCGアニメ、10分枠。 同監督では、『キュートランスフォーマー』がとても面白かったし、衛星で『てさぐれ!部活もの』三部作を連続鑑賞し、結構笑ったことから、期待したんだけど…… むうう、グダグダ、いやgdgd? 最初からアドリブ全開。 タイトル通り「魔法少女あるある」や「ありがちパターン(パティーン)へのツッコミ」があるものかと。 フリートークの節々に僅かずつ魔法少女シナリオ進行を入れるのが今回の構成なのか。 残念ながら、一話時点では余り面白味が感じられず、「石ダテコー太郎作品の安易なマネをしたアニメ」みたいになっている。 細かく動かすのは良いけど、ガニ股で揺れ続ける女の子は、どうなんだろ。 大して動かなかった『てさぐれ』の方がキャラは可愛かったような。 Wikipediaで見ると、「ニコニコ生放送で『なりあ☆がーるずの生でアニメをつくるさま』(略称は『アニさま』)としてメイキングを生放送し、それを編集し地上波で放送される作品が『魔法少女?なりあ☆がーるず』となる」ということ。 ニコニコを見なきゃ本当の面白さは分からない、とか? しかし、そちらの放送時間が40分ぐらいあるらしく、グッと掴まれた訳でないテレビ版を補完する目的で、それだけの時間コストを払えるかというと…… 『OZMAFIA!!』01.「ようこそオズ学園へ」 原作ゲーム未プレイ。 5分アニメ、しかも女性視聴者向け美少年揃えタイプの。 短時間なんだから、もっとネタを絞り込んだ方が。 30分アニメの最初をちょっとだけ見せました、みたいな作り方じゃ、何も描けないし、見る人の心も掴めないような。 可愛い男の子達がバタバタしていれば幸せ、という層には受けるのかな。 『ツキウタ。THE ANIMATION』01.「握手会にかける!」 Wikipediaによれば、キャラクターCDシリーズが原作らしい。 そういう形態もあるんだなあ。 美少年アイドルが揃って歌ったり踊ったりちょっとイイ話を見せるアニメ。 今期、女性視聴者向けキレイ所男子取りそろえ物がとても多いような。 同アイドル路線の『B-PROJECT〜鼓動*アンビシャス〜』もあったし。 野郎より女性の方が素直に商品にお金を払ってくれる……らしいので、そちらをターゲットにしたいのか。 視聴終了。 |
2016年07月08日 金曜日 |
『仮面ライダーアマゾンズ』01.「AMAZONZ」 1974年に放送された『仮面ライダーアマゾン』をリメイク……リブート?設定の一部のみ流用しほぼ内容を一新した、特撮ドラマ。 Amazonビデオで、二話目まで視聴。 そちらを見てからだと、一話目は元46分あったものが20数分にカットされていることから、テレビ放送のみしか見てない人には分かり辛い所があったのではないかと。 既に全長版を見た身としては、テンポが良くなっており、再確認する視聴には逆に有り難いぐらいだったけども。 子供に優しくない不気味な世界観や、アイテムまみれ・フォームチェンジを連発しない(よね?)ライダーが、久々に帰ってきた。 雰囲気としては『アギト』が近いのだろうか。 ギルスがアギトを引っ張るような形になっているし、人間部隊にG3のようなスーパー装備はないが。 実験体を四千も作る・保持しておける研究所って、どんなだろう? もう国家規模、刑務所ぐらいじゃないと。 イメージとしては『バイオハザード』アンブレラとか、なのかな。 予算的厳しさは伺わせつつ、しかし安っぽくない、大人の鑑賞に堪えうる画面。 アマゾン変身の衝撃波により人間やザコ敵程度なら吹き飛び、炎が広がる、このイメージは素晴らしい。 ヒーロー物のお約束でストーリーを処理「しない」事が求められる発表形態・想定視聴対象だと思われ、どう展開していくか、楽しみ。 『SERVAMP -サーヴァンプ-』01.「真昼とクロ」 原作漫画未読。 タイトル通り吸血鬼が出てくるバトル物。 主人公の「シンプルに」、クロの「めんどくせえ」といった、口癖を設定して性格を端的に表現し、印象づけようという戦略は結構。 しかし、ストーリーがとにかくアリガチ。 よくある流れを、「よくあるからこのぐらいで分かるでしょ」といったラフな演出とそこそこの作画で見せているため、見終わって残るモノが少ない。 敵の吸血鬼に噛まれ、死んだか同族化するかも、と思われるぐらい出血した友人のことを、バトルが始まったらすっかり忘れてしまう主人公・アニメ制作者の「シンプル」さには驚く。 とはいえ、それなりの楽しさはあると思えるので、美少年?同士が衝突しながらも実は仲良く事件を解決していく、この物語パターンが大好きな人には向くアニメかな。 『スカーレッドライダーゼクス』01.「RYUKYU Calling」 PS2他で展開されたゲームが原作、未プレイ。 アニメ、最初から視聴者に不親切というか、作り手のやりたいことだけポンと放り出しているように思える。 既存作品のパターンから推測し、今何をやっているのか、どういうことが語られているのか、分からなくはない……に留まり、興味を持って面白く見るのが困難。 整った作画もあり、素材としては悪くないんじゃないかと思われるのに、どうしてこういう、その素材をブツ切りにして鍋に放り込んだっきり煮込みもしていないような調理をしてしまったのか。 まあ、良くも悪くもインパクトがあったのは確かだけど。 『NEW GAME!』01.「なんだかホントに入社した気分です!」 原作四コマ漫画未読……四コマなのか。 新入社員であるヒロインの目を通して、ゲーム会社とその社員達を描く。 といっても『SHIROBAKO』みたいにシビアな雰囲気とは遠く、あくまでふわふわ緩やかな仕事模様と、美人女性ばかりの萌え社員達だけど。 笑う程のギャグはなく、ゲーム会社ならではの「あるあるネタ」みたいなのも薄いと思える、癒やし系アニメ。 女の子を可愛く描く事に最大限注力した作画は、見事、成果を上げている。 作画が崩れてしまったら、視聴の継続も厳しくなってしまいそう。 ヒロインと、会話が苦手な人見知り女性以外、まだ見分けが付かなかったり。 彼女らの個性を彫り込み魅力を増していくのが当座の(最終的?)目的。 取りあえず様子見。 |
2016年07月07日 木曜日 |
『チア男子!!』01.「幕が上がる」 もうタイトルを見ただけで内容が分かる、女性視聴者向けにキレイ所男子をズラリと揃えた萌え萌えバカ部活物。 下手したら男子全員ミニスカート姿でのチアリーディングも有り得るぐらいの勢い。 ……とか侮っていたのが申し訳ないぐらい、しっかり真面目に作られたドラマ。 原作は小説なのね、てっきり漫画だと。 映画しか見てないけど、ちょっと変わった視点で高校生活を描いた『桐島、部活やめるってよ』と同じ原作者作品らしい。 主人公の設定を大学生にしたのが、珍しい。 多少の無理があろうと、アニメなら高校生にしたがるモノ。 大学生は、学校と生徒の関わりが自由に過ぎるため、制約からドラマを生み出すのがチョイ難しいので。 鬱屈を抱え、柔道をやめた主人公とその友人。 チアリーディングを志し、新たにヘンな新参部員を得ることで、物語のカラーが陽気になって行く、この変化が面白い。 他校チア部の活動模様は迫力あり……実写を元に作画した? 地味ながら、きちんと作られた良作、しばらく視聴継続。 『タブー・タトゥー』01.「呪紋」 原作漫画未読。 漫画なのか、てっきりライトノベルだと。 男と米軍少女が戦う冒頭から、男を投げ飛ばす主人公のシーンへと、僅かに場面移動イメージを挟みつつ同じ夜で描かれるため、無用に分かり辛い。 米軍少女の下り、ここには要らないでしょう。 それを入れてしまったせいか、「主人公がチンピラに絡まれている見知らぬ男性を助ける」物語開幕の重要なイベントが大きく省略されており、紋章を渡される所に、物語の都合以外の説得力や必然性がサッパリ感じられない。 無駄、とも思えるギャグをチョイチョイ挟むのが演出的特徴。 真面目に描くべき流れにもギャグを入れてしまうので、どう受け取れば良いのか戸惑う……「あんまり真面目に見るなよ」ってことか。 アクションはよく動いており、打撃を受けた時のリアクションなど、重みが乗っていて上手い。 全体にクオリティーの高い作画で、女の子が可愛く描けている。 物語としては「ライトノベルのパターン」。 強く引きつけられたり先を楽しみにさせる要素は少ないが……作画の迫力、ここだけを楽しみに、もうちょっと様子見。 『D.Gray-man HALLOW』01.「14番目」 原作漫画は「週刊少年ジャンプ」連載分まで既読。 前シーズンのアニメ放送開始から10年、「週刊少年ジャンプ」連載終了からでも7年が経過しているのか、月日の経つのは早いもんで。 老化した頭にこの年月は辛く、これまでの話をオボロにしか思い出せない。 アニメとしても、ブランクをものともしない、じゃなくて、設定やストーリーを忘れてしまったり新規参入する視聴者に優しくしようって気持ちが全然感じられない! 必要最低限以下の粗筋は語られたけど、これだけじゃあ…… 作画は頑張っていると思う。 すっかり入れ替わっているらしい声優さんにも、特に違和感ない。 この作品を今でも特別愛している人には、嬉しいアニメ新規シーズンなのだろう。 |
2016年07月06日 水曜日 |
『甘々と稲妻』01.「制服とどなべごはん」 原作漫画未読。 これもタイトルから内容は窺い知れない、今期の「美味しいご飯(深夜飯テロ)」枠。 ただ美味しい物を美味しそうに食べるだけでなく、幼い子供の可愛さをプラスしてあるのが大きな特徴。 子供・つむぎの声、最初は『ばらかもん』なる、かと……陽菜(遠藤璃菜)だったのね。 現10歳らしいので、無理して作らずとも子供の声が出せている。 この子が可愛くて可愛くて、一気に心を掴まれる。 ああああ何か美味しいご飯食べさせて上げたい!実在のウチの6歳お嬢様はマクドナルド・ハッピーセットが一番好きだというぐらいのグルメっぷりだけど。 料理が出来ない公平に対し、ヒロイン・小鳥は得意、かと思えば、彼女もダメダメ。 苦労して炊いたご飯、しかしさすがに白米だけじゃ5歳児は喜ばないような……ふりかけとか欲しがると思う。 二人が、幼い娘のため、料理を頑張って行く物語になるのかな。 とにかく、つむぎを眺めているだけでも楽しいアニメ、視聴継続。 『パズドラクロス』01.「ドロップ・インパクト」 原作ゲーム未プレイ……このアニメは、スマホじゃなくて3DSゲームが元になってるのか。 世界観は、現在・過去・未来の技術が入り交じる街で、モンスターと何気なく共存する『ポケモン』風。 いや『ファイナルファンタジー』の方が近いのかな。 語るべき事が多い第一話、だろうに、「ご厚意に甘えて他人様の庭を通り抜けさせてもらう」「身長程度の段差を飛び降りず、わざわざ遠回りして階段で降りる」といった、さして意味があるとは思えないシーンに時間を費やしている。 主人公が通りすがりに出会う、木の上から降りられなくなっている猫型生物を心配する少年少女。 生物を助けてお礼を言われる主人公だが、実はその生物、少年少女のペットではなく、何故か主人公母のカフェでコーヒー飲みながら「攫われたのかも」と泣いている幼馴染み?少女のペット。 無用に流れが悪い……「心配する少年少女」を削り主人公だけで発見して助けるか、いっそ「幼馴染み少女が木の下でペットを助けられず困っている」ようにすれば、ずっと短く済む。 詰めた時間で、拾った卵の顛末とかもうちょっと見せれば良いのに。 亀垣一監督はアクションについて作画・演出力共に優れているけれど、地味なシーンになると途端「興味がない」様子を見せてしまう。 ゲームを知ってる人には問題ないのかな? 無知な身としては、用語や概念に馴染めないところがあり、サッパリ分からないということは無いにしても入り辛い。 頑張った作画、特に怪獣映画のような巨大モンスターと対巨獣兵器の戦いは迫力があった。 今期の視聴本数が少ないなら、アクション作画を楽しみに見続けるのもアリだけど…… 『orange』LETTER01. 原作漫画未読。 これも英単語タイトルからじゃ内容は想像も付かない。 26歳だという男女が集まり学生時代を回顧するような冒頭に、ごく普通の青春物かと。 しかし、高校時代のヒロインへ、その頃を回顧・後悔していた10年後の彼女自身が書いた手紙が届き、記述内容が「予言」然として現実になり始める辺りで、ようやくこれが人生リセット物だと気付く。 ここから、未来を知る……正しいと思われる選択肢を手紙により唯一知っているヒロインの、戸惑いや優位が描かれ、俄然面白くなってくる。 それにしても10年後の彼女、もうちょっと丁寧に事情を説明した方が良いような。 転校してきたばかりの男子を誘ってグループで遊ぶのが「間違った選択」とだけしか書いておらず、何故そうしてはいけないのか、結果どうなるのか、全然分からないのでは信じられなくって当然。 高校生ヒロインも、そんな分厚くなさそうな不思議手紙、取りあえず全部読まないかなあ? あんまり先のことまで知られてちゃ作劇上困る、という都合は分かるけど、それなら「今日はここまで読んで、この後は明日になるまで絶対読まないで」という注意書きを手紙に入れるとか、毎日少しずつの手紙が届くとか、工夫しても。 この作品は「ちょっと変わった青春物」であって、「SF」は味付け程度、そこをテーマにするつもりはないんだろう。 いや意外と、致命的失敗を再度のやり直し(手紙の書き直し?)によって回避しようとする『Re:ゼロから始める異世界生活』展開や、未来から時間改変を妨害しようとする勢力(手紙)が送り込まれてくる『ターミネーター』パターンも有り得る? しばらく様子見。 |
2016年07月05日 火曜日 |
『DAYS』01.「それだけで僕はどこまでも走れる気がするんだ」 原作漫画未読。 タイトルからじゃ内容の想像は不可能な、サッカー部活ジャンル。 初心者主人公がそのスポーツの楽しさに目覚め、何らかの才能を活かしつつ頑張って行く、スタンダードな物語。 この作品での才能は「努力・根性」かな……今時珍しい?『キャプテン』みたいな純粋スポ根もの。 主人公の頑張りは、凄いを通り越してコワイほど。 体に無理が掛かりすぎる練習、スポーツ医学的に余り宜しくないことになってなかったっけ?だけども、漫画的には「頑張れば頑張るほど強くなっていく」方が分かり易くて結構。 全然ダメ、にしか見えない主人公を、欠員の出来た試合で優しく扱ってくれるのはまだしも、部活動で(もっと練習したいという熱意からであっても)付き合うとか、人が良いなあ周囲。 外見からは人格に難のある男かと思えた風間、実はサッカーに熱く、イイ奴。 スポーツ物の面白さが溢れる作品になる、のだろう。 舞台となっているのは聖蹟桜ヶ丘?それなら昔、住んでいたところ。 『耳をすませば』でさえ既知の風景とはちょっと違っていたのに、もう「ここ知ってる!」があるかどうか疑問ではあるけれど、それも少し楽しみにしつつ。 見られる限り、見続けたい。 『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』Prologue00.「災厄の時代」 『テイルズ〜』シリーズは数多くのゲームを擁し、メディアミックスに展開されている。 最後まで遊んだゲームって二本ぐらいかなあ、表題ゲームは未プレイ。 アニメ。 3DCGを駆使した画面は大変に高品質で、人気ゲームの映像化に相応しく気合いが入っている。 まだよく分からない部分は多々あれど、しっかりした「世界」を感じさせてくれるお話と演出が出来ているため、全くのファンタジー物語であっても、そんなに混乱しない。 レギュラーになるのだろう登場キャラを覚えなきゃ……と思っていると、イベントによる全滅で負担ゼロに(全員死んだとは限らないが)。 カタストロフの最中に現れた超常キャラ二人は、立ち位置を含め全く説明がないことから、「ヘンなのが居た」ぐらいの認識で良いのだろう。 正しく強い王女様が、何をすることも出来ず仲間を次々失い、心をポッキポキに折られる様子が描かれた第一話。 それだけで救いも無く終わってしまうため、二話への引きはちょっと弱い。 「この現象は何なんだ?」「ヘンな連中は誰?」など、ストーリーを先に導く要素はあるけれど、それより絶望しているだろうヒロインの気持ちが強く残り、次回を呑気に「楽しみ」とは言わせない。 これこそ初回一時間スペシャルで、もうちょっと見せた方が良かったんじゃなかろうか。 しばらく視聴継続。 『不機嫌なモノノケ庵』01.「厄始(ヤクシ)」 原作漫画未読。 妖怪が出てくる、という以外にハッキリした共通点はないはずだけど、『夏目友人帳』を連想してしまうのが不思議。 物語としては、『境界のRINNE』の法外な報酬を求めるバージョンだと考えた方が近いのかな。 ごくまっとうな出来の第一話。 分かり辛い所は無く、不可解に描くポイントを絞り「不可解である」事がしっかり分かるように描写してある。 酷い目に遭いながらも妖異を無情には切り捨てられない、お人好しの主人公による、ちょっと悲しく良い話。 ドライな(そればかりではないが)能力者少年との対比・掛け合いも楽しく、まず問題のない出来。 お行儀良すぎ、この作品ならではの尖ったところを入れて欲しかった……というのは贅沢な話なんだろうけど、セールスポイントに欠けるとも言える。 |
2016年07月04日 月曜日 |
『初恋モンスター』01.「で…俺、小学生だけど、どうする?」 原作漫画未読…「サンデー」の『初恋ゾンビ』がもうアニメ化されたのかと。 女性向け美少年ハーレム物かあ、と思わせる冒頭部。 なら視聴対象外だな、と見せて…… 年齢ギャップ物。 それも「小学生なのに大人っぽい彼と、高校生なのに子供っぽい私の恋」ではなく、「ガタイはデカいのに頭の中身は下ネタ大好きバカでクソガキの小学生と、上手く状況に突っ込めないぽややん高校生少女のドタバタギャグ」。 美少年…美青年?達が、気取ったセリフで女の子を口説きかねない外見に、似合わぬ下品なセリフとかアホな遊びを見せる所で、ちょっと笑ってしまう。 ヒキョーで「くだらねー」だけど、こういうのもアリ。 しかし、初見のインパクト頼り、出オチネタのような。 もう少し視聴する予定だが、初回のインパクトを越える……キープすることは出来るのかなあ。 『B-PROJECT〜鼓動*アンビシャス〜』01.「BOYS MEET GIRL」 アニメオリジナル企画。 総合プロデュースが西川貴教らしい。 多人数美少年アイドルグループが登場する冒頭から、女性向け作品。 どうもアニメでキレイな少年達がアイドルしてるのを見ると、『おそ松さん』一話目を思い出してしまう……こちらがアリガチパターンをパロディーにしてるんだけど。 基本、視聴対象外にしているジャンルのため、出来云々に関係なく、ここまで。 『Rewrite』01.「世界か、自分か」 『Kanon』『AIR』『CLANNAD』と名作を送り出してきたKeyのゲームが原作、未プレイ。 初回一時間スペシャルで始める辺り、期待度は高いのだろう。 『ReLIFE』とタイトルが似ており、ちょっと混乱。 内容…… ポエムのようなナレーションで開幕。 母親は高貴ぶった言葉遣いしているのに娘は小銭の音が大好き、暗い夜の公園を歩くのは平気な主人公が気のせいとしか思えないはずの視線に過剰な怯え。 ゆるキャラのような不思議生物を根拠無く「イノシシ」と主人公が断じるのは、意味がある?単にギャグ? 夢に出た少女が夜な夜な寝込みを襲いに来る怪異ですっかり参り、不思議ちゃんヒロインと探す、正体不明の魔女、そのうち妖精?と出会いヘンな怪物に襲われ…… 別に話が分からない訳ではないけれど、整理されていない情報を雑然と、しかもメリハリなく投げ出されているようで、興味を持って見続けるのが難しい。 女の子達の可愛さは作品のキモだと思うのに、作画がピシッとせず残念。 初回一時間放送はアニメ制作会社にとって相当な負担だったんじゃなかろうか、それともこれで通常営業? うーん、これまで同社ゲームをアニメ化したものは面白かったから、信頼で見続けたい……けど…… |
2016年07月03日 日曜日 |
『ラブライブ!サンシャイン !!』01.「輝きたい !!」 テレビシリーズ二期、映画一本が作られた人気作『ラブライブ!』の、キャラや舞台を総取っ替えした新作。 熱狂的ファンを生み出したオリジナルのシリーズから、キャラクターを一新するのはなかなかの冒険。 自分が大好きだった○○ちゃんが出てないこんなアニメを『ラブライブ!』とは認めねえ!って、反応を示される恐れもアリ。 でもまあ、実在のアイドルグループAKBでも、元々のメンバーはほぼ卒業、今や違うグループと言えるぐらい変わってしまっている訳で、やむを得ない……と納得してくれれば良いけど。 前二作のテレビシリーズもそうだったが、演出・作画共に手抜き無く、女の子達は可愛く描き出せている。 新たな舞台・海沿いの町の雰囲気を、単に背景美術だけでなく、網元の娘だという生徒会長、ヒロインたちの渡船通学(ロマンだなあ憧れ、ホントに毎日やったら面倒なんだろうけど)、桟橋で海に落ちるドタバタなど、ストーリーに活かそうという工夫がある。 物語の基本ラインは、「スクールアイドルを目指し、新たな出会いを通してメンバーを集めていく」オリジナルとほぼ同様。 めげない元気ヒロインを始め、個性の強そうなキャラが取りあえず顔見せをする、堅実なスタート。 新曲のノリも良く、「『ラブライブ!』に期待するものはもう全部見せてもらった」とか気難しいことさえ言わなければ、見続けるだけの価値を持つアニメだと思う。 『ReLIFE』01.「海崎新太(27)無職」 原作漫画未読。 これまたcomicoで連載中。 既に全13話分、アニメ化が完了しているらしく、テレビでは順次放送するがアプリを用いては(有料で?)すぐ全話の視聴も可能、という変わった形態。 アニメとしてのクオリティは、まずまず無難ぐらい。 お金取りたい気持ちがあるなら、もうちょっと頑張って欲しいところ。 内容、人生リセット物。 27歳が高校生に……では、ちょっと年齢ギャップを足りなく思ってしまうけど、それは自分がジジイだからか。 主人公、訳の分からない話にうかうかと乗りすぎ。 酒飲んだ状態だったとはいえ、口先だけの生活保障や就職斡旋に引かれて正体不明の薬を飲むなど。 大学院卒の設定なのに、そりゃ就活も失敗するわー。 ストーリー展開を急ぎたい都合があったんだろうけど、「27歳」の実年齢がますます無意味なものに感じられてしまう。 第一話では、急に高校生になってしまった主人公から感じ取れるはずの特別な不安も楽しさも薄く、先行きに引きつける力は弱め。 年長者のメリットをあんまり持っていない(過去に戻った訳じゃないため未来既知のメリットも無い)彼が、学生に戻って何をするのか、アニメ化するほど面白い何がこれから現れてくるのか、そこには興味あり。 もうちょっと見てみようかな。 『ももくり』01.「告白…ももくんと栗原さん」 原作漫画未読。 漫画公開サイトcomicoで連載されてるのか。 それが、同サイトで2015年冬季からアニメ化……そんなこともあるんだ! 有料配信もあったらしい、とはいえ、第一話には手抜きの見られない安定した品質のアニメで、気合いの入りようが窺える。 内容は「幸せなストーカー物語」といった感じ。 可愛らしい外見に似合わぬ異常行動を見せる雪が、可笑しい。 互いに愛情が通じている限り、ストーカーは最高の恋人になり得るのかも知れない。 関係が壊れた時は最凶に恐ろしい存在となろうが……漫画なのでそういう変貌は見せないんだろう、多分。 コミカルなラブラブと認識落差っぷりに、チョイチョイ笑わされてしまう。 見続けようかと思うが、既にアニメとしては完結しており、どうこう感想を書くのも今更かな。 |
2016年07月02日 土曜日 |
『甲鉄城のカバネリ』最終12話.「甲鉄城」 最終的に、酷く子供っぽい犯行動機の悪党が登場し、大きなバトルの末にストーリーは終結、というアニメらしいフォーマットを取ってしまった。 確かに優れた能力は持っているようだが、指導者としては酷薄に過ぎて忠誠心を集め辛そうな美馬が、どうしてこんなにも慕われているのか、疑問。 まあ、そういうフィクションのキャラは多く、現実にさえそういう人物は存在しているが。 対比して、姫様・菖蒲の優位を際立たせる狙い? しかし、列車の人々の命が掛かっていたとはいえ、金剛郭に入ろうとする美馬らに手を貸したことで将軍始め大勢の人間が死んだというのに、ほとんど何も感じ ていない様子から、人としてはどうなんだろ……カバネ襲撃で死人が出ることは日常となっているこの世界、悲劇を前に全滅すら招きかねない無用な動揺なく 「次にどうするか」考えられるのは、リーダーとして正しい資質か。 ゾンビ物亜種として、このジャンル好きな自分としても、かなり満足のいく内容だった。 これでしかも、原作は無くアニメオリジナル企画なのだから、驚き。 カバネの脅威は消えていないし、世界(日本?)はほとんど壊滅状態、「カバネリ度パワーアップ薬・治療薬」なんてスーパー便利な物が登場するなど?な所はありつつ、十分な出来。 美馬への盲目的隷従で少々輝きを失ってしまったけれど、無名は印象深いスーパーヒロインだったと思う。 ラスト近く、生駒を思い切りよく甲鉄城へと投げつける快活さ(ヒドさ)で、再び魅力全快。 後半でグッと格好良くなった実直サムライ・来栖。 身分の差を超えて姫様とくっつくことになるのか、あくまで主従関係を守るのか。 Part2や、場所・時間・キャラを変えて(例えば「本場」アメリカを舞台に)スピンオフ的な物はまだ作れそう、だけど、この設定で語りたいことは語り尽くしたのだろうという気もする。 『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』最終12話.「ネトゲの嫁は女の子なんですよ!」 最後は攻城戦リベンジ。 城を占拠してから一定時間防衛できたら攻略完了、というのは、ネットゲームだとそういうルールになっているんだろう。 オフラインのゲームしか遊ばないもので、アニメ内容に不明点こそ無かったものの、ちょっと実感には薄い。 ネトゲは昔、遊んだ際「説明をロクに読まずログインしてしまったため、急に色々話しかけられ、返答が出来なくて大汗」「練習場でひたすらカカシを叩いてい る人に話しかけたが全く返答なく、どうもキー押しっぱなしでレベル上げ作業中、プレイヤーは画面の前にいない状態だった模様」という辺りで、ダメだ自分に は向いてないオフラインの『ドラクエ』『FF』やってる方が遙かに疎外感ない、と思ってしまい、それっきり。 作品内で、ゲームはあくまでもゲーム。 なりすましに騙され傷つく亜子、という危機があっても、画面を離れて現実に顔を合わせて話せば誤解はすぐ解けてしまう。 「人格まるごとログインしてしまい現実に帰れない」パターンが多い中では、逆に新鮮。 登場するゲームキャラクターの「中の人」は誰なのか、という意外性も面白いところ。 メインキャラだけでなく、黒の魔術師や猫姫親衛隊、イヤな最強傭兵ギルドも、実は身近な人なのかも知れない。 ヒロイン・亜子は、ゲームと現実の境目が曖昧で、容姿に優れながらも中身はダメダメな女の子。 彼女について、ルシアンのみならず、登場レギュラー全員が個性を尊重しつつ優しく対応しているのが、とても心地よかった。 『中二病』六花への周辺態度と同じく、そんなお人好しばかり居るか?とは思うけれど、それが作品内最大のファンタジー要素。 亜子のため苦労をいとわず、常に誠実であろうとするルシアンは好感の持てる男子。 「モテモテになりすぎ、周りの女の子を傷つけないためやむを得ず亜子への誠実度が下がってしまう」この手の作品にアリガチなパターンがほぼ無く済んだのは、原作者の配慮、というか、作者の人間性なんだろう。 亜子、可愛かったなあ。 しかし他キャラを削り、先生=猫姫とルシアンのギャップ恋愛関係だけに絞っても、一本の作品になりそう。 ツンデレ・茜だって、亜子さえいなければヒロインポジションでおかしくない。 キャラの魅力が強いのは、結構。 気軽に見られる、楽しいアニメだった。 |
2016年06月30日 木曜日 |
『ふらいんぐうぃっち』最終12話.「魔女のローブと日々は十人十色」 ほのぼの魔女っ子アニメ、終了。 『魔女の宅急便』との類似を最初は感じてしまった。 宅配の仕事をせず高校生としての立場に甘んじながら穏やかに日々を過ごすキキの物語、と捉えられなくもないが、どちらかというと『ARIA』や『のんのんびより』の雰囲気。 普通、「魔法がトラブルを引き起こす、あるいは魔法で事件を解決する」「超常的怪異に魔法を使い立ち向かう」といった話になりそうなもの。 そういう要素が皆無、とまで言わないけど、ごく薄い。 あくまで主題はふわふわっとした日常、そこに内包されて魔法がある感じ。 原作はまだ連載中ということもあろうが、終わりっぽくない最終回。 一つ前の、空飛ぶクジラ話の方なら、まとめようによってはラストらしいエピソードに出来たかも。 でも「果てなく続いていく日常」を感じさせてこそ、この作品の最後に相応しいのか。 魔女として優れた能力を持ちながら、驕らず他者を貶めず、迷惑を掛ける訳でなく困った時のお助けキャラでもない茜。 よくこんなポジションでキャラを描けるもんだ……しかも結構魅力的なのが凄い。 見続けることに全く負担の無い、癒やし系アニメ。 先が気になる、って内容ではないけれど、しばらくしたら、もう顔なじみのような気分になっているキャラ達に会いたくなりそう。 『ハイスクール・フリート』最終12話.「ラストバトルでピンチ!」 第一話のタイトルや冒頭のイメージに、ゆるーい美少女萌え軍艦コメディーを予想。 タイトルが変わり、緊張感ある少女達の戦いを期待してみると、これがそうでもなく、ゆるい。 呑気な内容だと思えば、海戦に臨み特に艦長・岬は乗員の負傷や死亡まで恐れるような反応を見せる(その割に乗員を置き去りで単身出て行ったりしてたけど)。 方針がハッキリしていないような。 「演習に出発する心づもりしか持たない少女達。殺し殺される覚悟など持つはずなく、相手を傷つけず、自分達も無事帰りたいという気持ち」「本人も艦長としての自覚に薄い岬、少しずつ変わっていく彼女の成長物語」を描きたいんだろう、とは理解しつつも。 味方艦船が突如敵対していた理由は、ハムスター風生物。 これもちょっとピンと来ないというか……全ては偶発的な事故(あるいは不手際)に寄るものであり、首謀者や陰謀など存在しなかった訳ね。 「赤道祭で馬鹿騒ぎ」なんて、本来はキャラの旨味が凝縮されて最も楽しめるぐらいのイベントだろうと思うが、作品内容に上手く乗れなくなっていたため か、こんなことしてる場合なのかなあ?と(関係ないけど『ヤマト2199』の赤道祭も、苦しむ地球に対比して艦内パーティーの食料捨ててるような描写した り、違和感あった)。 パラシュートで敵前大回頭するなど、海戦には一定のアイディアが掛かっており、制作者の努力が窺える。 そんなに上手くばっかりいくかなあ?はありつつ、「美少女のみ乗り込んでいる戦艦」にラッキーがあるのは当然か。 こういう作品だ、というのが大体分かった現在、もう一度最初から見直せば、また印象は変わるかも知れないな。 |
2016年06月29日 水曜日 |
『キズナイーバー』最終12話.「世界中に、キズナシステムが広がって」 TRIGGER・岡田麿里アニメ、完結。 開幕しばらくはドコに向かっていくストーリーなのかよく分からず、混沌としているよう感じていたが、終わってみれば特にヒネくれた所も無く「強制的に付 けられた痛み共有システムから始まる、普通なら交わることもなかったろう互いにかなり面倒な個性を持つ男女が、深く繋がっていく物語」。 キズナシステムって、作られた経緯から出資試験運用、まだ存続している現状まで、かなり無理のある設定だと思うけど、謎の伏せ方と実験対象者のリアクション、悲劇から感情を乗せて感動へともっていくドラマ展開で、この大きなウソを「アリ」にしてしまう巧さ。 岡田麿里構成作品の美点が現れてる感じ。 痛みのみならず心の声までも共有してしまうキズナシステム。 つまり強化人間……戦闘に特化しない、ニュータイプ本来の発生理由だろう「人間同士のより深い理解を可能とする能力」を人工的に搭載し、人類を新しい段階に導こうとするものか。 「青春ドラマ」として「そんなもの無くても友達になればいい」という終わり方で、それはキレイだけれども、大昔からそういう人間関係は存在して、しかし世界はこういう有様。 穏やかに生きる小市民なんかはともかく、世界のリーダー達はこのシステム埋め込まれてみたらどうかなあ、自分の行動言動がどれだけ世の中に痛みを与えているものか実感すべく……すぐ廃人になりそう。 異常マゾの日染 芳春が、仲間内で一番大人だったように思う。 キズナイーバーの中から一人だけ友達になるなら、彼だろう。 他の男女と交流するのはウザ大変そうだー、と言いつつキャラとしてはハッキリしていて全員面白く、投げつけられた試練に対する反応を見ているだけでも楽しかった。 もうちょっと彼らに付き合いたい……と視聴者に思わせられれば作品として成功。 |
2016年06月28日 火曜日 |
『ジョーカー・ゲーム』最終12話.「XX ダブル・クロス」 最後まで、硬派な大人のドラマ。 『007』『映画ミッション・インポッシブル』なんかはアクション主体なので論外としても、スパイ物にしたって、多少は派手なシーンがあったりするものだけど、これは徹底して地味。 心理戦を主体に、計略とその裏の掻き方、事件の真相究明等で面白く見せてしまう頭脳派な内容で、見応えあった。 ストーリーは原作によるとして、抑えた上品な演出と手を抜かない作画が目に心地よい作品。 しかし萌えとかバトルといった分かり易い売りがない、こういうアニメは商売になっているのかどうか、ちょっと心配。 『迷家‐マヨイガ‐』最終12話.「ナナキは心の鏡」 かなり最初の方で、もうこの作品は「多人数キャラクターが犯人により次々消されていく『そして誰もいなくなった』サスペンス」「連続する怪奇現象でキャ ラが悲惨な最期を遂げていくホラー」ではなく、「意表を突く展開、予想も付かなかった謎の解明」「持ち寄った心の傷が相互の関係により癒やされたりより深 くなったりする人間ドラマ」でもないだろう、というのは分かっていたこと。 それでも「何か」あるだろうと、乗っている水島努監督に期待して見続けたけれど、一部のホラーイメージを除き、構成・岡田麿里作品に見られる難点を強く感じてしまうばかりの内容で、残念。 |
2016年06月27日 月曜日 |
『あんハピ』最終12話.「幸せな林間学校」 基本的にほのぼのした内容なんだけど、単なる癒やし系ではなく、主要キャラが不運を背負っていること(しかし彼女ら自身はめげずにポジティブ)、学校から与えられる非日常的なミッションの数々が、作品を特徴付けていた。 ヒロインらのような不幸生徒を集め、矯正しようとする天之御船学園の目的は、まだ本編中でハッキリと語られてない、ような。 花小泉の母親も同じ学校・不幸クラス出身らしいので、酷いことしようって訳じゃないんだろうが。 いや、「蠱毒」のように不幸を凝縮した生徒を一人だけ作り出し、存在を抹消することで人類全体の幸運率を上げるのが恐ろしい目的かも……逆に、人類が抱える不幸の総量が決まっているなら、過剰に不幸を集める個人が居てくれれば他の人間は負担が軽くなるのかな。 花小泉・雲雀丘らのグループは、お互いを思い合い、フォローすることで不幸を緩和し、普通人以上の行動すら可能とする。 これは学園が狙った効果なのか、あくまで個人の運気改善による不幸脱出を目指してきたのに「こんな方法があったとは!」なのか。 チームでのみ運気が良くなるなら、進学等により各員バラバラになってしまうと、元の木阿弥。 一生一緒に居られる結婚相手みたいな人と組にならない限り……花小泉の母親が現在不幸から抜けているなら、ダンナさんはそういう存在かも。 学園も、男女混合チームを作った方が効果的なような。 看板男性に恋する雲雀丘を振り向かせるにはどうすれば良いか悩む男子生徒なんて、面白いエピソードになりそう、だけども「メインキャラは女の子ばかり」っていうのが見やすくさせている大きな要因なので、難しい所。 ヒロインみんな良い子ばかりで、好きになれる、可愛いアニメだった。 エンディング、大きく腕を振って後ろから近づいてきた響が、前をゆく花小泉ら三人の間を抜ける時、腕がぶつからないよう気を遣う細かい動きがツボ。 最も大きな不運を抱え、動物に嫌われながら、助けた動物をその不運に巻き込まないよう行動できる花小泉の強さなんて、ちょっと感動的。 これも第二期を期待したい。 |
2016年06月26日 日曜日 |
『宇宙パトロールルル子』最終13話.「私、宇宙の……」 TRIGGERらしい、今石洋之らしい、勢い先行、細かいことなどさておいた感じのアニメだった。 ルル子が巨大な敵の上を駆け回り攻撃するクライマックス、『フリクリ』で同じシーンを見たような……しかし、作画的な盛り上がりは凄く、楽しかった。 ついでに同じくTRIGGERの『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』。 かなり初期のエピソードから、ながら見しかしてこなかったため、最終回一話手前の「ニンジャスレイヤー 傑作選」が本当の総集編として作ったものなのか「そんな話なかっただろ!」と突っ込ませるためのギャグなのか、迷ってしまう。 いや、さすがに後者だということは分かったけど。 キャラを棒立ちポーズのまま喋らせたりアクションまでさせるなど、極限の省力アニメかと思わせておいて、しっかり描かれているカットには気合いが入りまくっている、この落差が面白い作品。 手間かけて作ったウソ総集編のように、「手を抜いているんだか真面目にやっているんだか分からないアニメにする」のが、この作品のテーマだったのかな。 『くまみこ』最終12話.「決断」 コメディー…ギャグ?アニメ、終わり。 まちが積み上げてきた都会への憧れとトラウマが大きく顕在化。 観客の前で見事な舞を披露することにより、その恐怖を乗り越え、都会生活への一歩を踏み出した、かと思わせて、自らの妄想が原因で症状はより酷くなってしまう、コミカルなんだか余りにも可哀想なんだかのエンディング。 ナツとじゃれあう、まちは幸せそう。 傍目にはアンハッピーエンドに思えてしまうけど、まあ、都会に行きさえすれば心が満たされるとは限らず、これはこれで良い締め方なのかな。 アニメ終盤、原作漫画とは違う内容になっていたとか。 まちが村から出ることを怖がり、ナツと一緒に居ることは、この作品をこのまま続けるための条件。 離れていこうとするまちへの、父親のような思いを絶叫するナツとシンクロしてしまう自分にとって、巣立ちを遠ざけるラストも「それはそれで」。 この手の作品ではスポイルされがちな、「親」の役割をナツに演じさせたのが、最大の特徴。 ジジイ視聴者としては、ナツの気持ち、よく分かる。 ナツはかなり良いお父さんじゃなかろうか……娘を手放したくない気持ちは強すぎるけど。 イトコである良夫なんかより、遙かに正しい保護者。 まちが可愛く、ナツも可愛い、癒やし系アニメだった。 終わりに流れる四コマ、ほのぼの・ぼんやりしていて好きだったなあ。 アニメ第二期を期待。 |
2016年06月05日 日曜日 |
『ジョーカー・ゲーム』09.「ダブル・ジョーカー(後編)」 騙し騙され、計画があり思わぬ相手方の行動があって、しかし最後はD機関の勝利…ポイントゲットで終わる、下手すればゴチャゴチャしそうな内容を、整理して毎回の争点・勝利条件を明確にし、分かり易く見せてくれる。 厳しくアイディアの質を問われるタイプの作品なので、原作の完成度が高いんだろうな。 日本スパイ達が余りにも男前揃いで垢抜けしているため、時代の雰囲気を感じさせる部分が少ないのは弱点……でも、ここをリアルにしたところで女性視聴者を離れさせてしまうだけか。 前後編で登場した風機関は、冷酷非情ながらそれなりの実力を持ち、普通ならライバル組織として十分。 戦況から、若い男達が大勢旅館に(定期的に?)集まっているのは不自然、というのは言われてみればその通りだけど、「スパイの行動としてもこれぐらいなら良しとしている」作品は少なくないと思え、駄目出しをされてしまう世界観のシビアさに、ちょっと驚き。 せっかく作った内通者を作戦行動完遂前に殺そうとするのは迂闊。 そこから計画が大きく崩れてしまったのだし(実はD機関の恐ろしい周到さが根本原因にせよ)。 指摘のように風機関は、スパイに憧れて恰好よさげな体裁を取りたがり、「ごっこ」遊びに興じていただけなのか。 しかしD機関が実在してさえいれば(モデル?の中野学校はあるが)、日本は大戦で負けることなどなかったように思ってしまう。 真珠湾に空母が居ないこと、軍の暗号が解読されていることを知らせ、原爆の開発計画奪取や妨害まで、何でも出来そう。 さすがに日米開戦後は、日本人の海外での行動は困難を極めるだろうし、また、こうした有効な戦力を巧く使いこなせない上層部の有り様が敗戦の大きな要因でもあったろうか…… いや『007』じゃあるまいし、スーパースパイの活躍で世界が変わることなどまあ無い、それは作中でも描かれている通り。 |
2016年06月02日 木曜日 |
衛星で放送された映画『リアル鬼ごっこ(2015年)』を見る。 園子温監督版。 監督の作品では、テレビシリーズ『みんな!エスパーだよ!』が恐るべき下品さと下らなさで好き。 映画は『地獄でなぜ悪い』を見て、つまらなくはないけど、そう言われても困る内容だなあ、と思ったぐらい。 『リアル鬼ごっこ』は、話題になっていた頃、原作小説を読み、確かに日本語は酷いけど内容としては悪くもなく良くもなく、これがヒットを飛ばしたのは読者みんな何を求めて読んだのか考えたのを思い出す。 これ以前に五本ある映画シリーズ、最初の一作だけテレビで見た。 もうあんまり覚えてないけど、テレビでなんとなく眺めるのに向く出来だったような。 この映画。 とにかくヒドい前評判を聞いていて、どれほどレベルの低い内容なのか、期待と不安で見た。 ……あー、いや、そこまで悪くない。 ストーリーらしいストーリーがなく、死体ドサドサのグロと意味ないパンチラが不愉快で、ラストも盛り上がらず訳分からん、という辺りが不満なのかな。 山荘を訪れた人間達がCG効果なども無く次々消えるだけの『ロッジ LODGE』や、ヨハネの黙示録に書いてあったことが起こりましたよーってそんなこと言われても困っちゃう『リメイニング』『レフト・ビハインド(ニコラ ス・ケイジを出しながらやる気の無さが酷い)』なんか見てきた(物好きな)身としては、別に。 映画のテーマとしては「物語性の否定」なんじゃなかろうか。 単に訳の分からない話にしてあるだけだろう、ってコトでなく、バス旅行の車内・突然通う学校・結婚式・陸上競技、それぞれに全然違う「基本設定」が付け られてあり、キャラクター配置があって、「これはまあ、こういう物語として見続けられないことはない」ぐらいまで描かれたところで、ブツンと断絶。 その契機となるカマイタチ的人間切断とか銃乱射教師にしても、「超自然現象」「妖怪の仕業」「幻覚」「既に起きた集団死亡事故に巻き込まれたヒロインが 死の直前に理由を探している」等々、何とでも発生する理由らしき物は付けられるはずだけど、故意にだろう、付けず放りっぱなしなのも、物語性否定を感じさ せる。 ヒロインに向けられる「お前がいるからみんな死ぬ」という言葉。 ホラーやサスペンスは大体、主人公を殺すための物語な訳で、最終目標が無くなればこの映画のような便宜上用意されただけの物語が解体してしまうのは、当然。 斎藤工の下り、分断された物語に一応の筋を通す方便としてアリガチながら機能しすぎていて、逆に違和感。 これも崩壊しちゃうから、否定されている物語の一環なんだろうけど、無い方がテーマは伝わりやすかったろうか。 事件は終わり(無かったことになり)、平和な日常に戻るエピローグへ。 ここで突然自殺するヒロインの行動は確かに、「思いつかないこと(物語として有り得ないこと)をしろ」に沿っている。 終わったと見せて過ぎ去っていなかった脅威により主人公が殺されてエンド、というパターンは珍しくないけれど、自殺は…… こうして不合理な脅威との「鬼ごっこ」を強制的に不合理に終わらせてしまったヒロイン。 分断された物語に唯一共通して設定されていた「ヒロインを殺す」という目的さえ喪失、もはや映画は映画としてのテイも成さなくなり、ただ真っ白な世界に居るヒロインが、自らの意思で(便宜上付けられた設定や脅威に寄らず)物語を形作るため、走り出していく。 面白いかどうかは見る人しだいとして、何だかこんな感じのことを描いた映画だったんじゃなかろうか。 |
2016年05月30日 月曜日 |
『ビッグオーダー』07.「オーダー!守れ、信念!」 前々回、突然エイジと妹・瀬奈の肉体関係が描かれ、驚く。 エロアニメって程の描写ではないけれど、はっきりそう分かってしまう演出。 当人同士は、それについて葛藤も動揺も事後の感慨も無く、何度となく繰り返してきた行為なのだろうと思わせる……あんまり当たり前のようにしているもの で、「今のは、邪な自分の気持ちが見せた幻だったのではないか」「見ているアニメと、妄想した同人誌のネタを混同してしまったのでは」などと考えるぐらい。 今回見せた、妹の恐ろしげなしたたかさから、エイジは彼女により操られている、黒幕は妹、という可能性も。 オヤジ・源内さえも、その哀れな傀儡に過ぎないのかも知れない、ううコワイ。 しかし、兄妹の肉体関係まで描いた後で、壱与のドキドキっぷりとか見せられても微妙。 本妻から男を奪い取る手段は「妊娠!」ということなのか。 支配による強制的伴侶、妊娠(想像の)させた相手に、最後までいっている義妹……ハーレムアニメとして壮絶に特異。 エイジが死ぬべき理由は、ほとんど名目だけにしか思えない世界崩壊の責任などではなく、この女性関係のドロドロさ加減じゃなかろうか。 |
2016年05月21日 土曜日 |
『迷家-マヨイガ-』07.「鬼のいぬ間に悪だくみ」 このアニメは、「迷い家」という実際の伝承を元ネタにしてたのか。 そうすると、あんまり悲惨な終わり方にはならない……いや元ネタの流れに沿うとは限らないが。 「バス乗員の連続殺人」や「深刻な愛憎事件」が思ったほど起きていない停滞気味の物語を、一気に進展させる超常的な怪物が出現した!と思えば、それは各キャラのトラウマが見せた幻。 うううーん、「トラウマ幻覚」なんて物をアリにしてしまうと、もう何があっても驚きも恐ろしさも無いというか。 実はツアー参加者達、心の傷に耐えきれずもう全員死んでいて(自殺を試みて意識不明状態かも)、無念な魂が一時納鳴村に保留されており、死後の(復活と死を分ける?)審判を受けている状態……というんじゃ、アリガチに過ぎるか。 精神が弱っている母のため、死んだ双子の「時宗」として生活することを強要される光宗が、痛々しい。 呼称だけならともかく、母親からそう呼ばれる度に、自分が少なくとも兄弟よりは愛されていないと思い知らされ続けちゃ、かなわないだろうな。 父親も、これは無理矢理にでもやめさせる案件じゃないのかなあ、事なかれ主義がヒドすぎ。 まだ話数あるし、このトラウマにも「実は…」という真相が隠されている? そういう凝り方をしてくれるアニメなのか、どうもハッキリしないんだけど。 |
2016年05月17日 火曜日 |
『Re:ゼロから始める異世界生活』07.「ナツキ・スバルのリスタート」 襲撃者の正体は、レム。 スバルからは魔女の匂いがする? それを自分達姉妹やエミリアに対する脅威だと思い込んで、の行動らしい。 スバルを異世界に召喚し、死んでもセーブポイントからやり直せる力を与えたのが誰か、ハッキリしなかったけれど、「魔女」という存在が示された。 どうも魔女って、あんまり良い存在じゃないっぽい(秘密を喋ろうとしたスバルに与える恐怖とか)が、スバルのやり直しパワーは今のところ良い方向に物事を進ませているような。 魔女にも良い奴と悪い奴が居る?それとも、既にスバルはエミリアの信頼を得、レム達ともこれから殺し合わない未来を作り、全員と深く関わっていくのだろうから、そこで「魔女の真の狙い」が発動するという可能性も? テキトーな物語なら、スバルはそろそろ死ぬことに悪慣れしそうなもの。 体に損傷を負った時など、「このまま欠損を抱えて物語を進めるより、一度セーブポイントに戻って完全な状態にした方が後々有利」とかうっかり考えそうだけど、過度(?)なぐらい死ぬことを恐れるのが、ストーリーに枷をかけ、面白くしている。 やり直し数の限界が分からず突然のゲームオーバーもあり得る、毎回死ぬ度に死ぬほど痛い、築き上げた良い関係をまた再構築しなければならない(分岐により前の「良い方向」には進めないことも)等々、「死んじゃえばチャラ」と気楽にばかり構えられないのか。 ところでスバル、鍛えた体育会系という感じじゃ無いのにそこそこ体術を使えるのは、スタートだと思い込んでいるセーブポイント以前にもやり直しが起こっており、そこで体の動かし方を学んだ、という可能性も。 体に刻み込んだ反射、以外の記憶が消えているとすると、『トータル・リコール』のごとく、「現在のお人好しスバルは作られた疑似人格、本当のスバルは魔女の仲間となって悪辣な謀略に荷担している、それを読み取られないよう記憶を封印した」とか。 無慈悲にスバルを殺したレムは、ヒドい。 でも、手を握ってくれてたり、笑顔を見せる姉妹を嫌いになれない。 ツンデレの魅力を凝縮したようなベアトリスは、素直に可愛い。 彼女ら全員を助け良い形で終わらせるには、まだ事件全体の情報が不足しているような。 「とにかくコイツを倒せばクリア」みたいな分かり易いイベントでもなさそうだし。 次回、無事解決に持ち込めるのか……面白いなあ。 |
2016年05月16日 月曜日 |
衛星で放送された映画『呪怨 -ザ・ファイナル-』を見る。 白い老女・黒い少女を除き、シリーズは全て既視聴。 最初の方のビデオ版、劇場版は非常に怖くて面白く、清水 崇監督作品のウチはまだ優れたイメージがあったけれど、その後は、それなりに儲かるから作り続けられているシリーズ。 「ファイナル」と言いつつ、何が終わっている訳でもない今作。 お母ちゃんと白塗り息子の本拠地であった家が取り壊されてしまった、ここをして一種決着としている? しかし、既にロケ地として元の印象強い家とは別の家屋が使われていたし、壊されたことでストーリーとして「呪いの連鎖は終わった」というポーズすら一瞬も取っておらず、意味が薄い。 ホラー小ネタ集、という基本構成のこのシリーズ。 すっかりネタ切れを起こしてしまっており、お母ちゃん階段降りなんかは「必殺技」「歌舞伎の見栄」という理解で許しても、既にやった怖がらせネタをそのまんま工夫がないどころか雑な演出で見せられるのは悲しいばかり。 頭を天井に突っ込まれる乱暴過ぎな殺され方とか、量産型俊雄ニャーに、ちょっと笑った。 重病で残る命が短い少女は、「殺される」ことへの恐怖がないためか俊雄を怖がらない、というイメージは良かったかな。 あと、ドアの狭いポスト穴から部屋に侵入してくる、「貞子はスマホとかの画面から出てくる時はインチ数に合わせて小さくなるの?」というツッコミに答えるようなシーンも。 で、次は『貞子VS伽椰子』。 手がけた中田 秀夫・清水 崇のどちらかに監督させてくれれば……でも正直、両監督とも近作は…… 小林 靖子や虚淵玄に脚本書かせてみるとか、榎戸 洋司も面白そう、全員断りそうな上、この辺に依頼しようって思い切りは制作側に無かろうけど。 |
2016年05月15日 日曜日 |
『甲鉄城のカバネリ』05.「逃げられぬ闇」 正しいゾンビ・ジャンルのパターンに忠実で、嬉しい。 ゾンビ「映画」なら、もう重要キャラクターがバタバタ死んでるかな、無名とか逞生なんか危なげ。 ゾンビ「テレビシリーズ」なので、まだ致命的な損失はなく。 来栖がかなり危ない所まで追い詰められたと思うけど、人間のまま。 列車で少し走ったら目的地に到着し、そこを砦としてのストーリーに移行するものと……こんなに列車旅が長いとは。 『甲鉄城の』とタイトルに付いているんだから当たり前か。 閉塞感と疾走感が同時に出せる、上手い舞台設定。 恐ろしく強く、何か事情を抱えながら、時折子供っぽい顔を見せ弱点もある、無名は作中最も魅力的なキャラクター。 優等生な主人公や姫様なんかより、ずっと印象が強い。 『キック・アス』ヒット・ガールみたいな存在かな……彼女が居なかったらこのアニメの面白味はかなり減少してしまっただろう。 分かり辛い所や納得できない展開もなく、危機また危機の作りが巧くて、毎回楽しみ。 列車の最終目的地は、国の首都みたいな所なんだっけ? 辿り着いたから終わります、という訳にもいくまいし、そこにカバネ出現の根源的理由があるのか。 |
2016年05月14日 土曜日 |
『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』06.「告白したら成功確定だと思った?」 ネットゲームでパーティーを組むメンバーが、実は自分以外、同じ高校に通う美少女。 以前にネカマのふりをしてルシアンをふった美人女教師、ゲームに新参入した可愛い同級生も加わり、「嫁」を自称するアコのヤキモチに悩まされつつ、主人公はモテモテの楽園で楽しい日々を送る。 ……というのが、萌えハーレム作品の黄金パターン。 この作品でちょっと違うのは、ルシアンの気持ちが真っ直ぐアコに向けられている所。 アコは非常に手の掛かるキャラクター。 放置したり浮気すると、怒る・拗ねるなんていう可愛い反応だけでなく、日常を拒否し、人間としてダメになりかねない危ういバランスの上にある。 そんな彼女に、迷惑そうでもなく向き合い、真っ当に交際しようとさえする姿勢が、ルシアンのキャラクターとしての魅力であり、周囲の女性から好意を寄せられる理由。 なので、周辺ヒロインらは一歩おいてルシアンに対しており、「主人公争奪戦」状態になっていない。 倫理的というか、真面目な作品構成。 引きこもってしまったアコへの対応が、「笑いで誤魔化す」「愛で都合良く収まる」といった簡単なモノでなく、言えばスッキリしない・そんなことで良いのかと思わせる現実寄りの内容にする、この誠実な考え方が、この作品の特色かなあ。 |
2016年05月13日 金曜日 |
『クレヨンしんちゃん』895.「ぶりぶりざえもんの冒険 閃光編」 劇場版を欠けながらも見つつ、テレビシリーズの方はしばらくぶりの鑑賞。 なぐられうさぎのホラーエピソードや、謎のしんこが登場する話など、異色物はチョイチョイ見ているけれど。 今回、ぶりぶりざえもんが声優を変えて復活する、というので、期待と不安が混ざりつつ。 自分は塩沢 兼人原理主義と言っても良いぐらいあの声が好きだから、他の声優……ちょっと考えられなかった。 しかし、新任の神谷 浩史は、実に巧くトーンや演技をオリジナルに似せてくれ、何気なく聞いた人なら声が変わっていることにも気付かない可能性があるぐらい。 お話や演出が「過去イメージの再確認」に留まり、笑える所までいかなかったのは残念。 ぶりぶりざえもんが新しく喋るのは、ええと、Wikipediaによると16年ぶりなのか。 『電撃!ブタのヒヅメ大作戦』に泣いた身として、また新たな活躍に期待したい所。 『あんハピ』06.「5月30日 みんなで遠足」 虚弱体質、方向音痴、動物のメスにばかり好かれる……辺りはまあ、不幸キャラとしてそんなに特異ではないけれど、「工事中の看板に描かれた男性に恋をしている」というのは珍しすぎる。 実在男性の写真を使用した物ではない、どころかデフォルメされた漫画的キャラだと思われる(アニメの絵柄から判断は難しいが)看板絵に、恋なんか出来るものなのか。 でも、漫画やアニメのキャラクターを好きになってしまうことは珍しくないし、一枚絵に心を奪われることもある、更に言えば小説に登場する文字情報だけの人物に恋をすることだってある訳で、そんなに異常とは言えないか。 看板絵は余り男前でなく、しかも頭を下げ続ける「格好良い」と思われないポーズを取っているのに好きになってしまう、「好意を持つ男性の方向性」こそが雲雀の特異性かも。 しかし、森に放置されてた看板なら持って帰っても構わないようなもの。 自室に置いとけば良いのに。 とはいえ、それで気持ちが通じ合う訳はなく、一つ屋根の下に居て恋愛感情が一切進展しない、というのは、距離を取ってたまに会うより不幸だ、って考え方もアリなのか。 ヒロインらの通う学校は、最終的に不幸の矯正を目的としている? 方向音痴の響に、蓮を組み合わせて行動させることで、道に迷わなくさせるように(この二人は幼い頃からのペアだけど)。 雲雀が抱える不幸の本質が「看板への報われない恋」ではなく「異質な恋心を知られることへの過剰な恐怖」だとすると、他者を笑えないぐらいの不運を持っ ているが故か雲雀の気持ちを素直に認めてくれる仲間と居ることで、癒やされ、不幸を感じることなく生活できるようになるのかも。 今回ラスト、五人が手を繋ぐことで個別のトラブルに遭遇しないようにする解決法は、実に有効。 「五人の不運ベクトルが上手く噛み合って、逆に幸運さえもたらす」ぐらいにすると物語としてはキレイだけど、キャラ設定はそれに備えたものになってるのかな。 |
2016年05月11日 水曜日 |
『くまみこ』06.「先駆者の村」 今回のミッションは、Village Vanguard行き。 昔は何度か行って、珍しい本とかオモチャなんか買ったことがあるけど、確かにカテゴライズの難しい変な店。 しかし怖がるような店ではなく、まちの都会コンプレックスが最悪の形で出てしまったものか。 Village Vanguardは実名オッケーなのね。 ユニクロも大丈夫だったのに、しまむらだけ名前を変えなきゃいけなかったのは何故? しまむら、「全体にヤンキーっぽい」とか「縫製の荒い物も混じってる」なんてマイナスイメージに繋がりそうなことは一切言わず、逆に「行ってみようかな」と思わせる、番組スポンサーについても構わないぐらいの褒め方だったと思うが。 包丁を落としたナツ、当然足にザックリ刺さるものと見せて、サッと足を引き避けるシーンに爆笑。 凄い反射神経だな。 知識が豊富だし精神的にも年長を感じさせるナツ、料理は不得意なのか、意外。 クマの手では料理器具が扱えない上、どうしても抜け毛が混じることで不評だったりして、「この分野には手を出さない方が良い」という判断? 「ナツは、村から出られない(出たくない)まちの心を正当化するため生み出した幻・もう一つの人格、他者からも見えている様子からするとスタンド的存在」という説。 まちを手元から放したがらないことからは、「まち誕生と共に生まれた、父親の『父性』具象化」という可能性も。 ……そういえば、まちの両親、どうなってるんだっけ? |
2016年05月09日 月曜日 |
『ハイスクール・フリート』05.「武蔵でピンチ!」 シリーズ開始当初に予想した「巨大な陰謀に巻き込まれ、友軍に追われる身となり危機また危機の晴風」というストーリー、ではなくなってしまった。 いや、謎のハムスターが「巨大な陰謀」の一環だという可能性はまだ残ってるけど、それにしても計画的な匂いは余りしない。 最初に掛けられた嫌疑を晴らすのは大変だろうな、と思ったが、特にヒロインらの働きには寄らず、勝手に晴れて拍子抜け。 この辺は、シリーズを貫く核部分ではなく、『ガールズ&パンツァー』で戦車戦を繰り広げる方便となっている「戦車道」「戦車競技大会」といった設定と同等か。 なら「人体には安全な大砲弾や魚雷を使用しています」ぐらい開き直れば良かったのに。 戦艦による戦い、そういったものへの知識が非常に薄いせいか、晴風に対する主人公補正を強く感じてしまう。 戦車と比べ、分かり易い作戦や意表を突く行動が戦艦では取り辛いのだろうけど。 『バトルシップ』ぐらいの盛り上げは欲しい所。 晴風乗員に緊張感がない……故意に呑気な様子を多く描写しているのも、違和感。 別段、泣き叫び精神を病むようなイヤな艦内を見たい訳じゃないが、クラブ活動の延長だった『ガルパン』に比べ、笑い事じゃないはずの晴風があんなにもノンビリしていると、「気楽に見られて良い」反面「物語に引き込む力が弱くなる」感じ。 萌えを中心に、肩肘張らず見るべきアニメかな。 |
2016年05月07日 土曜日 |
『ぼのぼの』05.「夢ってへんだなぁ」 原作漫画は単行本で途中まで既読、アニメは前テレビシリーズ・映画二本とも見ている。 前テレビシリーズは、イメージにぴったりの配役(アライグマくんの藤原啓治が素晴らしい)と、特に池端隆史コンテ回…「カゼひきシマリスくん」「やさしいアライグマくん」などに見られた恐るべきギャグのキレが印象的。 今アニメ。 声の配役が一新され、不安ではあったけれど、妥当なキャスティング。 演出的に、ギャグアニメとしては弱い、が、これは朝方の短時間放送にふさわしく、原作の哲学的な要素を凝縮する「今日の一言」的な内容に特化させてるのね。 三話「木に登ってみたいなぁ」での「一途でなく、折々別のことばかりやってる人生、それも悪くない」というテーマなど、うーんと考えさせられてしまう。 今回は、ぼのぼのの疑問「夢ってどうしてヘンなんだろう?」を巡るお話で、見ながら自分は「眠っている間は普段掛けている常識のタガが外れてしまうから」という面白味の無い答えを考えていたが、スナドリネコさんは「みんな、元々ヘンなのさ」と言う。 でも、これは要するに自分の答えとほぼ同じ事を意味していると思え、また、うーん。 同枠前アニメの『鉄人28号ガオ!』より、『ことわざハウス』なんかに近い感じ。 |
2016年05月03日 火曜日 |
『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』04.「べイン・オブ・サーペント」「アポカリプス・インサイド・テインティッド・ソイル」 どうかしているニンジャアニメ。 ストーリーはいくらか進んでる……のかな?キテレツな演出とか馬鹿セリフにばかり気を取られ、今、何を、何のためにやっていて、それはどこに繋がるのか、あんまり頭に入ってこないけど。 まあ、「ニンジャスレイヤーが悪い奴らと戦っています」だけ分かってればいいのか。 そのすっ飛んだ絵作りも、第一話のインパクトを越えるものが無くて残念。 真面目なセリフと馬鹿セリフ、ちゃんとした画面とド手抜き画面を繰り返す演出、これがもう単なるローテーションになっており、落差の刺激に欠けてしまう。 もう完結しているアニメだし、そういう反応も予想した上で自覚的に作っている「問題作」なんだろうけど。 敵の強さ・狂いっぷりがエスカレートする、ニンジャスレイヤー自身が異常暴走する、バトルの迫力または脱力で押しまくる……どれもちょっと弱くて物足りない。 |
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