2016年12月31日 土曜日 |
『6HP/シックスハートプリンセス』 現代美術家、ポップアーティスト、映画監督である(Wikipedia)村上 隆が企画・原案・監督を務めるアニメ。 放送枠から、一時間のスペシャルアニメなんだと思っていたけれど、全15話に渡るシリーズの構想なのね。 今回はその第一話が、「未完成版(監督ら談)」として放送された。 宜しくない完成度で放送されてしまうテレビアニメを見ると、ネタとして「最後に実写で監督が出てこのテイタラクを視聴者にお詫びせえ!」とか思うけれど、それをホントにやってしまうの、初めてだなあ。 番組後半は、アニメのメイキング・オブ……というか、村上 隆に振り回されるスタッフの苦労が語られる。 「アーティスト」なんていう人間をアニメーション制作のトップに据えるとどんな酷いコトになるか、想像以上の惨事で、「悪役」がしっかり設定されている分、『ガーリッシュナンバー』より余程面白かった。 芸術家が不満足な自作品を世に出さず叩き割る、認められる水準に達していないと思われる弟子を罵倒し打擲し破門する、なんてのは、現実にもあることだろう。 「リーダーシップ」「妥協」「商業性への配慮」なんてのは、本来、芸術家に求められる資質じゃない。 そんな人間に集団の命運を託した(いや、村上 隆の作ったスタジオか)のが間違というか、それならこうなるのも当然。 今回放送されたバージョンの内容。 冒頭五分間ぐらい、難しい言い回しを使った面白くもない伝承的なものを延々見せられ、飽きたというか苦痛・苦行だった。 最初に長〜いナレーション入れるのは客を逃がすための最善手。 始まった本編、学園生活の描き方は、ちょっとドジだが元気なヒロインが購買のパン買い損ねて落ち込んだり友達と騒いだり、「プリキュア」第一話そのものといった感じ。 それはともかく、ごく普通の学校から出てみると、ドコとも知れない異世界の風景が広がっており、驚く。 ファンタジーやSFだという訳ではないけど……変身少女が「日常」に現れる、ってのがこういう作品の基本フォーマットじゃなかろうか。 「ドラゴンやエルフの居る世界に魔法少女が」「テラフォーミングされた金星で活躍するスーパーヒロイン」だと、特別さを演出するのが難しくなってしまう、だから見慣れた風景に近いほど作りやすいはず。 寺?神社?の境内を歩くシーン、カットの繋がりが悪く、ドコをどう移動したのか分かり辛い。 「建物がなくなっている」と言うが、元はそこに何かあったとしっかり描いてないので、セリフだけ異状を訴えられても。 変身シーンはヌードを含んでおり、純粋女児向け「プリキュア」というより「なのは」風。 大きく見せ場になるのだろうバトルが始まる前で一話終わっているため、まだ何とも言えないが…… ここまでのところに、「次回以降も見続けたい!」と思わせてくれる何物もない。 この部分を見て欲しい、これからここが面白くなっていく作品なんだ、という気持ちがどこからも伝わって来ず、「プリキュアみたいなアニメを何となく作ってみたかったんだな」程度にしか受け取れない。 『E.T.』『のび太の恐竜』のパクリでしょ?と思って見たが、かなり違う仕上がりになっていた監督の実写映画『めめめのくらげ』みたいには出来なかったものか(これも決して傑作などではないが)。 監督の不確定なビジョンに振り回されるスタッフは、可哀想。 でもまあ、残っている人々は監督の才能を信じているようだから、端からどうこう言う筋合いじゃないんだろう。 シリーズの残る14話を完成させられるかどうか、といったアオリ?をして番組は終わったが、実写部分の面白さでもう十分満足、『シックスハートプリンセス』という「アニメ制作ドキュメンタリー」はこれをもって完結したと思える。 |
2016年12月30日 金曜日 |
『亜人』最終26話.「僕も約束しますよ、佐藤さん」 この作品は、何といっても佐藤の強烈なキャラクター、これに尽きる。 人間達や亜人を犠牲にすることは勿論、自分自身が被害に遭う(自傷行為に走る)ことすら意に介さない、それどころか楽しんでる風ですらある恐ろしい狂いっぷり。 頭が切れて、自身が相当な戦闘力を有するというのに、負傷や死までも気にする必要のない体を持ち、常人には視認すら不可能な「幽霊」戦力も駆使する、オーバースペック過ぎなズルさ。 物語の都合による多少の加護さえあれば、「幽霊」ナシ、負傷部瞬間再生・死による体内状況リセットといった便利すぎる力を『デッドプール』ぐらいで抑えても、十分戦い抜けそう。 いや、そういった能力があることを前提に、人類側は考え抜いた対策を打ってきており、「さすがにこれじゃ佐藤も負ける?」から「まだ佐藤にそんな手 が!」へと繋げていく知恵比べがとにかく面白く、こんなアイディアを絞り出す方は大変だろうな、と思いながら、見入ってしまってるんだけど。 悪……いや狂?に特化した佐藤と戦う相手は、ちょっとおバカさんだが純粋で人に好かれる中野に設定するのが、普通。 まあ、それだと少々単純な図式に終わってしまうけど。 悪人とは言い切れないが善人でもない、非道な面を持ちつつ優しさもなくはない永井の複雑さが、作品をグッと深くする。 自分が亜人だったとして、人間達から人権も何も認められないヒドい扱いを受け、長く絶望に晒された後、まだ人と敵対せず居ようと思えるかどうか、自信ない。 佐藤が亜人全体のことを本当に考えるリーダーであれば、手段は過激に過ぎても、それ以外、自分が自分として存在できる方法がないと思い、協力し続けるかも知れない。 中野のお人好し加減は、生来の善良さに寄るのか……しかし、これは極端に振れると佐藤に寄ってしまう恐れもある。 佐藤と、容易に解り合えそうでありながら強く道を別にする、永井の立ち位置は凄いなあ。 圧倒的な面白さで最後まで引きずっていかれたアニメ。 CGの違和感も、気にならなくなっていくぐらい。 原作漫画はまだ続いているようだし、佐藤も自由を手にしており、第三期が考えられそう。 対亜人用に再生を阻害する武器などが開発される、亜人とは別の進化?を遂げた新種の敵対、亜人が生まれるに至った理由…ここまで変わらなければ種として残れないほどの天敵が襲来する、何とでも出来るなあ。 あんまりSF方向に進みすぎると、現在の面白味は薄れてしまうか。 |
2016年12月29日 木曜日 |
『装神少女まとい』最終12話.「普通がいちばん」 クライマックスとなる異次元での戦いが若干駆け足であり、物足りない。 危機に次ぐ危機・友情の成立(確認)・フォームチェンジパワーアップと、求められるものは全て入っているんだけど……ダイジェスト感があるというか。 誰も非業の死を遂げたりしない、そういう意表は突かずに終わる王道展開。 少し入り組んではいたが、母親を助け出し家族が再生するラストまで、「服が消えるので困っちゃう」なんていう大きなお友達向けの要素さえ除けば、『プリキュア』として構成することも出来たストーリーだろう。 それは決して悪い意味でなく。 長年の不在をどう思うかってのはあるにせよ、若いままの嫁さんが帰ってきた伸吾はラッキー。 劇中で言われていた通り、まといの弟妹がポコポコ出来そうな勢い。 ゆまのパワフルなキャラクター性は好みだったな。 狐狸の神通力を身に宿し、戦いに参加できるようになったけれど、彼女の本当の力は、心の強さと明るさと優しさ。 戦闘力なしでも、チームに必要な人材だったと思える。 総集編でも見せられたが、彼女をメインに据える(描き変える)オープニングの特別バージョンは可笑しかった。 最後まで気持ち良く見られる、しっかり作られたアニメ。 もし続編があるなら、まといと母のダブル変身が見られる? いや、生まれたばかりの妹までも少女姿に変身して……いくらでも続けられるし、もちろんこれで終わっても良いし。 |
2016年12月27日 火曜日 |
『うどんの国の金色毛鞠』最終12話.「かけうどん」 タイトルからも、てっきり早期に製麺所を再開し、うどんの素材集め、調理の仕方、接客、店舗運営など次々立ちはだかる壁を乗り越え、親が営んでいたような愛されるうどん屋を目指していくものかと。 最後まで開店しない……その努力すらしないとは、意外。 この物語はグルメ物・美味しい物食べて幸せ物なんかじゃなく、宗太と周りの人々が穏やかな故郷で他者と繋がりながら、ゆっくりと満たされていく、その過程を描くのがテーマだったのか。 とにかくポコが可愛くて、もうそれだけで毎回の視聴意欲を喚起させられた。 男性主人公に付けるなら「女の子」にするもんじゃないかと思うんだけど、相手がタヌキなもので、親子関係留まりならともかく好意が行きすぎてしまった場合、アブノーマルな空気になってしまうからかなあ。 ポコのため、都会での生活を犠牲にしてしまう宗太の気持ち、ジジイ視聴者としてはよく分かる。 犠牲……というか、郷里には郷里だけの美点が多々ある訳で、生き方としてそちらを選んだ、ということか。 正体がバレては困るポコを、ごく当たり前のように他者に会わせたり公の場所に連れ出すなど、迂闊というだけで済まない宗太。 ただ、関わりを避けて隠遁生活するようでは「暖かい故郷に受け入れられる宗太」という部分が描き辛くなってしまう。 正体露見により(恩返し?が済んだから?)一緒に暮らせなくなってしまうポコ、って辛い展開もどうだろう。 早めに周囲へタヌキだと明かしてしまい、でも受け入れてくれる、ぐらいのゆるさが丁度良い作品だったような。 クライマックスは原作にない流れだったようだけど、続編が作り辛くなっちゃったな……まあ、ここから周囲の反応のゆるさへと繋げる手はあるのか。 田舎は、他家の異常について実に五月蠅く、温かく見守ってくれるとか現実にはどうだろう、と思わないでもないけど。 予想した「うどんが食べたくなるアニメ」ではなかったが、観光地の紹介などで香川県のイメージアップには貢献できたろう作品。 |
2016年12月26日 月曜日 |
『Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-』最終12話.「オカルティック・ナイン」 想像を絶するような展開が連続して、容易に先を読ませず、最後までどうなっていく物語なのか興味を失わずに見続けることができた。 実は主人公が死んでいる……なんていうのは昨今、そんなに珍しいことでもないけれど、メイン登場キャラのほとんどが死んでいて、生者と死者の区別すら危うくなる、ここまでのはさすがに例を思いつかない。 しかも、主人公達自身が死んでいることに気がつく衝撃の展開をラストに持ってこず、かなり早い内に終わらせ、「何故こうなった」「これからどうする」で引っ張っていくのも、驚き。 真相の究明あたりになると、登場キャラに賢いタイプが多いというか物わかり良すぎるため、相当なスピードで説明が進んでしまい、設定としてはある程度理解できるんだけど「腑に落ちたか」と言われると疑問。 稜歌やカフェのマスターが実は……とか、伏線はあったにせよ、結構な無理矢理感。 それでも、悠太と父の再会シーンには、ジジイ視聴者としてホロリと来てしまったり。 プッツリ終わってしまうエピローグ、凄い物足りなさと、妙な爽やかさがある。 大きすぎる稜歌の胸を、ギリギリのバランスで……いや遙かに超えてたか……描き続けた作画に感心。 落とさず保ち続けた高い作画クオリティーも、凄い。 面白かった。 |
2016年12月25日 日曜日 |
『ガーリッシュナンバー』最終12話.「烏丸千歳と……」 シリーズ開始当初、こうなるのかなと思っていた予想とは相当に違う内容。 裏切りは結構だけれど、良い方向にではなく。 調子の良さと無神経な度胸で声優界をスチャラカと渡っていく(そのように描かれていた)千歳に、仕事への葛藤や仲間たちから置いていかれることの不安など 真面目な反応が期待されていた訳ではないと思う。 こういう追い込み方をしてはいけなかったんじゃないかなあ……「ツンツン少女のデレ」「高飛車キャラが見せる本音の弱気」みたいなギャップの魅力演出でもなし。 一話前のラストでそこそこ立ち直れたと思ったのに、また今回冒頭ではウジウジしており、話の繋がりが、??? 真面目にストーリーを構成するなら、「声優として」ぶつかった壁を乗り越えようともがき一歩成長する千歳、という辺りを落とし処にすべきだろうが、それを「遅刻しそうになった現場に走って行く」姿で表現してしまって良いのかどうか。 頑張って(自業自得の)困難を乗り越えてまで来てくれたからエライね、なんてのは、中・高校生の、しかも気楽なクラブ活動レベルの評価点。 彼女の到着を、悪態をつきつつも好意に溢れた態度で待ち続ける仲間・友人達、なんて、ここまで「そうなるに至るしっかりした構成」が不足しているせいもあり、ただ居心地悪いだけ。 現在、どうしてダメなアニメばかりが作られているのか、という問題提起が開幕時になされたため、その辺を内側から赤裸々に描いてくれるんじゃないかと期待したけれど、そういう視点は途中から、仲間達と千歳の(薄い)ドラマに押され、無くなってしまった。 いや、引いて見れば、「テキトーな声優もなんとなく許される」「酷いアニメだってスタッフは頑張っている」「原作者はグダグダアニメ化で結果オッケー」 「どんな商品でもそれなりに売れるしファンは付く」「誰が悪いとか反省しろとかそういう話じゃなく、みんな友達だし、明日に向かってゴー」といった、内容 として語られたこと全部が「だからダメアニメが次々作られるんだよ!」の原因なんです、ということを描いているのか? 『SHIROBAKO』には遠く、『それが声優!』ほど真面目に声優を描くでもない、描こうとするものへの絞り込みも覚悟も足りなかったんじゃないかと思われる、残念なアニメ。 |
2016年12月24日 土曜日 |
『ユーリ!!! on ICE』最終12話.「超超超がんばらんば!!! グランプリファイナルFS」 ノーマルの作画レベルを維持、どころか、週一回の放送スケジュールを守ることさえ怪しいものがあった今期放送アニメ中、異次元の高レベル作画を続けてきたこのアニメ、見事なる完走で放送終了。 フィギュアスケートを、手描きの作画だけで表現するのは、とてつもなく難しいことだと思う。 常に両足が滑り続けているため、踏ん張るということができず、そのため「固定された足を土台として全身の動きに説得力を持たせる」通常の表現ができない。 アニメーターにとっては、なかなか悪夢のように困難な作画ではなかったろうか。 放送開始当初も書いたけれど、スケートシーンは普通なら、3DCGで作り上げたキャラクターをモーションキャプチャーで動かすところ(あるいはイメージ止め絵で誤魔化す)。 ただ、現実を正確に写し取ったところで、フィギュアのシーンがアニメーションとして説得力のあるものになったかどうかは疑問。 毎回毎回、命を削ってこんな難しい動きを描いたアニメーターの執念が、このアニメを1ランクも2ランクも上の手触りに変えている。 いや、しかし実際、こんなのテレビベースのアニメーションでやっていいことじゃないよ!と、比べられる他アニメの製作者たちは悲鳴をあげているんじゃあなかろうか。 ストーリー的には、おそらくこうなっていくんだろうな、というパターンをかなりはずしてきている。 主人公・勇利は、視聴者が辛くなるほどスケートについて落ち込んだりしないし、ヴィクトルとの信頼関係に深刻な亀裂が入ることもない。 「修行」で勇利はパワーアップせず、恐ろしく嫌なライバルなど出てこないし、周囲から妨害や重度のプレッシャーを掛けられることもなく、恋愛など私的な家庭事情が競技に致命傷を与えることもなかった。 スケート大会で勝ち抜いていく作品なのにこれは相当マイナスだと思われる……が、実際は全編とても面白く見られた。 勝つか負けるか優勝かそれ以外か、という所をテーマとせず、フィギュアスケートを、背負う人生や内面が発露し表現される「演技」として、その中で周囲の人間との関係性や、現状から本人が遂げる成長を描く方に重きを置いているから、だろうな。 特に、勇利とヴィクトルの「愛」が凄い。 コーチ・選手としての師弟愛というより、『エースをねらえ!』ひろみとコーチの「恋愛」に近いか。 メインヒロインが登場しないアニメだったけど、ヴィクトルが、いや勇利が、いやいや双方ヒロインとして感じられるアニメ。 「二人ともエースをねらうぞ」ラストだし。 ライバル達の人間模様は興味深く、勇利郷里の人々は揃って好感が持てる。 勇利母より年上ながら美人のミナコなんか、自分の漫画ならヒロインでもいい(いや、しかし五十歳なのか…)。 逞しい西郡家の三つ子、もっと見たかったな。 正直、興味がなかったフィギュアスケートの見方をまるっきり変えられてしまう、企画意図通りの効果も発現。 面白かった、いやここはやっぱり、凄かった!と言いたい。 好評のようだから、この後……の企画が有り得るかも。 またこのクオリティーを確保するのは地獄だろうな、と思いつつ、無責任に実現を期待。 『魔法少女なんてもういいですから。』最終12話.「魔法少女になってよかった事」 このアニメには珍しく、三話連続話、しかも「危機」で引いていく今シーズン最終エピソード。 水死霊(妖怪類?)の凶行原因を解明したり退治するような、所謂魔法少女らしい展開はなく、危険を乗り越えた後はすぐ日常に戻ってお終いという、やっぱりこの作品らしい締め方。 ゆずかを偏愛する、ちやなんて、霊への怒りを爆発させて当然だと思うのに、暴行を加える相手は相変わらず、ゆずかにセクハラを働くミトンのみ。 霊はまだ女性だけど、ミトンは「愛するゆずかに近づく(自分から彼女を奪っていく恐れのある)オス」だという所が、制裁対象となる主要因なのかな。 ミトン、性的不埒を働いているようで本人には自覚が薄く、これで他設定はそのまま、イイ感じな男の子の姿さえあれば、ハーレム系作品の主人公でもおかしくない。 魔法少女、というと勉強が苦手なイメージがあるけれど、ゆずかは成績優秀。 家事をしっかりこなし、ドジでもない。 その辺を意外にというか物足りなく思うミトン・真冬が可笑しい。 魔法少女は名の通り「超常能力である魔法を使える」アドバンテージを有し、代償として……他キャラとバランスを取るべく優秀でない学業成績・迂闊な行動性などマイナス設定を付加されてしまう。 あくまで変身を嫌がり続け、魔法の使役にも消極的なゆずかであれば、勉強が出来ようと物語に影響ないのか。 今期もシーズンを通して安定した作画で、女の子達が可愛く描けていた。 最終話の一部、「ゆずかの無事に気が抜け、へたり込むちや」なんかとても好みの作画で、目に嬉しい。 毎回、見るのが楽しみな、癒やされる内容のアニメだった。 第三期も期待したいところ。 |
2016年12月22日 木曜日 |
『CHEATING CRAFT』『TO BE HERO』最終12話.「祭りの後 線香HANABI」「パパ そばにいて!」 『CHEATHING CRAFT』 三石 琴乃声先生が酔っ払って結婚できない悲しみに荒れ狂う話が、楽しかった。 その回のラストと、最終回にも出てきた若い男女は、他作品とのコラボなのかな?正直、真剣に見ていたとは言い難い鑑賞姿勢だったため、本編シリーズの重要キャラであっても分からないが。 「恐ろしく厳しい試験をカンニング行為で乗り切る」主題から、逸脱したり沿ったり。 最後は、接近してくる月が地球に激突する前に皆で試験を越えねばならない、漫画『幻魔大戦』シチュエイションに、ちょっと笑う。 切り抜け方は軽く、三石先生の豹変・日常への帰り方も?? 何か大変なことが起こったらしい次シーズンへの引きで、ブツっとお終い。 主人公達は目的も果たせておらず、第二期があるのかな? 『TO BE HERO』 お下品さを含む馬鹿ギャグアニメで、まあドタバタスチャラカと終わるんだろう、と侮っていたら…… 家庭を顧みずどうしようもなかった昔の主人公、傷つきやすく弱かった娘、家を出てしまう妻、妙な外見と特性のザコ敵達、超絶に強い最終ボス、それに多元宇宙が加わり、「全て必然であった」と思わせる最後のとりまとめ方に、驚きと感動。 こういうタイプの物語、としては、かなり出来の良い方じゃなかろうか。 ジジイ視聴者なので、娘のため命懸けでヒーローであろうとする父親と、生きて共に居て欲しいと父に願う娘のクライマックスに、ホロリ。 超絶の作画……ということではなかったが、迫力のある画面で圧倒してくれるバトル描写も心地いい。 キレイに終わったよう見せつつ、やっぱりドタバタしてしまうエピローグ。 最後の最後に画面下から顔を出したのはワタナベシンイチだと思うけど、ホントはクレジットされている「日本語版監修」じゃなく、このアニメ全体の監督だった……?いや、でも、うーん、違うか。 途中で視聴挫折ばかりしてきた中国系アニメの中、これは初めて、面白い作品。 |
2016年12月19日 月曜日 |
『終末のイゼッタ』最終12話.「イゼッタ」 作品開始当初の魔女無双っぷりに、魔力行使条件で影が差し、魔石の盗難、本家・白き魔女ゾフィーの登場で、一気に劣勢に。 無敵っぷりも楽しかったんだけど……大量の戦死者を伴う軍事侵攻、イゼッタの秘密を守るため友軍をも手に掛ける非情さなどから、そういうテイストで最後まで進めることは、シリーズの破綻なくしては困難。 ゾフィーの救われなさがキツイ。 「裏切られたとばかり思っていたが、実は……」みたいな救済パターン、無いのね。 憎むべき対象はとうに亡くなっており、その国を滅ぼしたところで何が得られる訳でもなかろうに、あくまで復讐へと突き進むのは、不完全なクローン体だったからか、彼女の自我を目覚めさせたイゼッタの血液中に僅かでも「利用される事への恐怖」があったからなのか。 イゼッタとゾフィーの極大魔力元気玉対決。 レイラインを枯渇させ、今後魔女が誕生・活動することへの各国からの憂いを断つという、ストーリー的にとても有り難い決着。 破れたゾフィーは、復讐を果たせず無念の極みだったのか。 しかし、その最期の表情は笑みにすら思え、イゼッタと「信じる友愛と信じ切れない怨念」へと一つの血を分け合った身として、明るく暖かい面に負けることは、魂を救ってくれる待ち望んでいた結末だったのかも知れない。 どれだけか分からないイゼッタの余命中、魔力と共に吸収されたゾフィーの思いが、穏やかな湖畔の別荘で死に向かいながら、ゆっくり癒やされていく結末だった……と思いたい。 少年兵を無情にも撃ち殺したジークハルト・ミュラーは酷かったけれど、その報い(自責の念?)を一身に受ける最期は、因果応報と言うには余りにも可哀想。 敗戦色濃い中、戦闘機で出撃し、もう帰って来なかったのだろうバスラーの姿も印象的。 これまた悲惨な死を迎えるものと思い込んでいたベルクマンが、機密らしきものを売り渡してちゃっかり他国で生き延びているのが可笑しい。 レイライン復活を待っての魔女クローン計画再起動、とかで、更なる戦火の種を作るのかな。 オリジナルストーリーのアニメとして、キレイに収まった最後だと思う。 作画のクオリティーを高く保てたのも好印象。 面白かった(来週、まだ特別編?があるみたいだけども)。 |
2016年11月18日 金曜日 |
『ブレイブウィッチーズ』06.「幸運を」 弱い魔法力の代わりに、強靱な体を持つひかり。 生まれつき魔法力に恵まれて、とか、次第に超絶才能が目覚めるような話にせず、足りないパワーを一点に集中するなど効果的運用することで乗り越えていこうとする、割と見ないパターンが楽しい。 腕の先端に魔法力を集め、塔を登っていく、『ジョジョ』第二部波紋修行のような特訓。 腕を壁にくっつけることは可能でも、片腕懸垂のように体を持ち上げることは難しいと思え、そこで体力バカもとい強い筋力を誇るひかりの特異な設定が生きてくる。 他のウィッチーズも、大型火器を抱えて飛び回ったりしている訳で、それなり以上の体力は備えてるのかな……しかしまあ、ひかり程じゃないんだろう。 極寒の中、廃棄された戦車内で暖を取り、それが逆転への伏線になっていく前話も好み。 弱点を持つ少女達が、互いに補いつつ勝利する、気持ちの良い話。 ただ、今回の話もそうだけど、ちょっと真面目すぎるというか隊の少女達がほとんど「一生懸命頑張る良い子」であって、キャラの差別化が弱く、印象に残り辛いのは残念。 作画面も、もう一歩……と感じられるところがあり、制作状況の厳しさは突然のOVA挿入からも明かなんだけど、頑張って欲しいところ。 |
2016年11月08日 火曜日 |
『終末のイゼッタ』06.「穏やかな日々に・・・」 少々昔を感じさせる兵器群に対し、魔法を駆使する魔女が軽やかに勝利していく痛快な物語……という単純なモノではないだろうと思っていたけれど…… その他の兵士C、ぐらいな扱いのヨナスに待ち受ける過酷な運命。 戦力的に劣るエイルシュタット公国にとってイゼッタだけが頼みの綱、偶然その秘密を知ってしまった彼に、敵国から友好国まで接近して何とか情報を聞き出そうと画策するのは止めようがない。 だから、いっそ……ということなのか。 でもまだ「実は頭の脇を撃っており『今までの君は死んだ、これからは私直属の部下として、命を惜しまず働いてもらおう』」という手も? 超絶過ぎるイゼッタの能力に限定条件を付けたのは結構。 坑道を爆破し、「スーパー魔法パワー」を過度に演出してみせるのも、見事な戦略。 本来、その能力は一切公開せず、敵軍に「不可解な存在の原理不明な攻撃により我が軍は敗退した」と捉えさせた方が戦々恐々、脅威だと思うんだけど。 通常戦力には圧倒的な差があるため、イゼッタを核兵器並みの抑止力として、エイルシュタットに手を出したら最後、恐ろしい報復を受ける、と印象づけなければならないのか。 また、当初の悲惨な敗退により萎縮している自軍兵士や国民の気持ちを鼓舞すべく、「我らは無敵の白き魔女と共にあり」と喧伝するのが不可欠。 しかし、物語開始時、イゼッタはゲルマニア帝国に囚われていた訳で、所詮は人間であり弱点もある、というのは知られていることでは? 今後、再度の捕獲、あるいは殺害する計画が立てられるんだろう。 セクハラしまくるエルヴィラが楽しい。 単なるバカキャラでなく、ジークの部屋から出てきた男を目にし、その後の不穏な成り行きを感じ取るなど、なかなか切れ者。 ジークは、ベルクマンと対決する線上にいるのかな。 宮殿での穏やかな日々、ケーキ屋でのイベントなど楽しげな描写が続き、この後に控えると思われる、厳しい戦いを余計に意識させる。 作画が崩れないのも嬉しく、面白い。 |
2016年11月07日 月曜日 |
『ろんぐらいだぁす!』04.「秘密のアルバイト」 うぅーん……作画的に少々厳しい内容。 一週放送を休んでもここまでなのか。 ほのぼのしたストーリーは悪くなく、チャイナ姿やメイド服での羞恥プレイ(笑)などキャラの意外性を見せつつのサービス回だったと思うのに、これは残念。 メイド服をさしたる思い入れなく描いており、赤面するリアクションにも可愛らしさが足りないため、意図として伝えたかったのだろうドキドキや可笑しさに届かず。 崩れが限度を超えているところなど、替わって描きたくなるぐらい。 来週は持ち直して欲しい……と思えば、総集編?五話目で? しかし、ある意味、目が離せないアニメになったとは言えるのか。 |
2016年11月06日 日曜日 |
『ガーリッシュナンバー』05.「ちょけった千歳とぼこぼこ評価」 ちょっとぼやけた印象で、何を最も描きたいのかハッキリしない。 千歳がヒロインなのだろうから、彼女の声優としての有り様がやはり中核なのだろう。 しかし…劇中アニメ開始当初の酷い演技、ファンと直接ふれあうイベントで見せたそっけない対応、格上であり付き合いの難しさを含むと思われる先輩・百花や 万葉との関係など、大きい出来事になりそうな伏線は引かれていたと思うのだが、今のところ全て「なんとなく」通り過ぎてしまう。 特に衝突や挫折すること無く、ふわふわっと声優業を続けているため、「千歳の驚異的バイタリティーによって困難をものともせず乗り越えていってる」のか「生ぬるい環境だからこんな考え方でいられる」のか、分からなくなってしまいそう。 酷いアニメに主演してしまったが、ほぼ無名の新人だった立場からすれば結果的にプラス、という風に考えられる逞しさとか、面白いと思うんだけど。 原作ライトノベル作家、アニメへの不満からどこかで爆発するのでは……という予想も外れ、それなりに受け入れつつ静かに記憶喪失? 拙いアニメの制作現場。 それでも監督は私生活をなげうつほど(そうでなければ出来上がらない環境下で)一生懸命。 スチャラカなプロデューサーを除き、関わる人間は大抵、真面目に、大人な態度でアニメに臨んでいる。 こうなると、対立点が明らかでないというか、別に誰が悪いという話でもなく駄作が生まれてしまうということになって、いや現実にはそういうモノなのかも知れないが、お話としてどうも盛り上がらない。 「売れないアニメが作られるのは、プロデューサーが無責任だからです」という結論で良いのだろうか? |
2016年11月02日 水曜日 |
『LEGO スター・ウォーズ/フリーメーカーの冒険』08.「試練のとき」 LEGOの「スター・ウォーズ」作品は、『ヨーダ・クロニクル』『ニュー・ヨーダ・クロニクル』『ドロイド・テイルズ』等いくつもある。 3DCGを用いてはいるが、キャラクターや背景がデフォルメされたLEGO状になっており、リアルさから遠い表現になっているため、出来が憂慮され鑑賞を敬遠してしまいがちだけれども、実際見てみると面白い。 タトゥイーンで、ルークがアナキン・ポッドレーサーに、ダース・ベイダーがルークの売り飛ばしたランドスピーダーに乗って出会い、互いに「それはオレの車だー!」と叫ぶとか。 また、宇宙でダース・ベイダーに追われたルークが、小惑星帯でスペース・スラッグを用いた逆転を計画する(しかし、巨大生物はベイダーに餌付けされていた)とか。 ベイダーがジャー・ジャー・ビンクスの居る惑星に墜落し、誤魔化そうとするも「アニー!」と呼びかけられ、ジャー・ジャーの子供たちによりヘルメットに落書きされてしまうなど。 元の作品への愛情や敬意やパロディー精神が感じられ、楽しい。 この『フリーメーカー』。 これまでのように元シリーズの有名キャラを主役に据えず、宇宙ステーションでスクラップ・修理業を営むフリーメーカー三兄弟が中心となる。 といっても、お馴染みのキャラがゲスト的に毎回登場しており、ナブー・ファイターを見て過去を思い出し子供のようになるダース・ベイダー、まだ若く「おてんば姫」なアクションを見せるレイア(『フォースの覚醒』での 老境を知った後だと余計に感慨深い)、三兄弟の世話係でいつも酷い目に遭う元バトルドロイドのラジャーがジェダイを忌み嫌っているなど、シリーズのファンを喜ば せる要素満載。 ブラック企業経営者のごとく、矢継ぎ早な要求で業務を進行させようとする銀河皇帝も可笑しい。 兄弟のまだ幼い末弟ローワンにはフォースの萌芽があり、皇帝が探し求めるカイバー・セイバーの行方を感知する能力を持っている。 彼らに味方するのは、ジェダイの美しき女性(だと思う、LEGO顔なんで分からないが)ナアレ。 ……実は、シス側。 「まだ未熟なフォース能力者に、マスターが付いて修行させる」のは、サーガの基本的ストーリー。 しかし、どちらに進むとも決めていない幼少の能力者が、正体を隠したままのシス・マスターにより修行を積まされる構成は、初めて。 騙されてダークサイドに染まっていくのか、頑張ってライトサイドに踏みとどまるのか、あるいは親しい交流によりナアレまでも光の方向へ引き戻したり? 関係の行方にドキドキだったけど、意外というか何というか、サッパリキッパリした展開。 負担無く見られてそれは良いが、興味深い題材を、ちょっと勿体ないような。 シリアスに推移する『クローン・ウォーズ』『反乱者たち』は面白かったけど、LEGOシリーズの完成度だって高い。 米テレビシリーズ、才能のある制作者が集まってるなあ。 ついでに、『クローン・ウォーズ』シーズン6-11話「声」 ヨーダがクワイ=ガン・ジンの声に導かれて(最初は幻聴だと思うヨーダ、ジェダイの姿が死後も見えるようになったのはごく最近らしい)訪れたダゴバで、例の洞窟へと入り、恐ろしい幻……ジェダイが全滅する未来を見る。 しかし、ヨーダはこのビジョンを知覚しきれず、何らの手も打てないまま、現実のジェダイ壊滅へと至ってしまう。 『帝国の逆襲』でルークが同洞窟で見た、ダース・ベイダーの幻影と、切り伏せたそのマスクから覗く自身の顔は、やがて対決した父親・ベイダーを殺し、同時に皇帝の目論み通り「ルークとしての死を迎える」未来の予見だったのね。 マスター・ヨーダさえ防ぐことが出来なかった「確定した未来」のはずなのに、怒りや憎しみを乗り越え、運命をまるで変えてしまったことこそ、ルークが備えるフォースの唯一無二な特異性。 こういう本編への補完が、テレビシリーズは実に巧い。 |
2016年10月31日 月曜日 |
『仮面ライダーエグゼイド』05.「全員集結、激突Crash!」 発表されたデザインを見て、その子供っぽさオモチャっぽさに、これはすぐ見なくなりそうだなあ、と思っていたライダー。 まだ、面白い!とまで言えないけど、事前の悪い予想からすると、かなり頑張った内容。 ドジな主人公医が、ゲームに関わることだと人格豹変してしまうのは、ゲーム繋がりだと『遊戯王』っぽい。 クールな天才外科医は『振り返れば奴がいる』織田裕二イメージだろうか。 髪が白黒二色の無免許医はもう露骨に『ブラックジャック』。 監察医は……ちょっと分からないな、傍若無人な振る舞いとかは米ドラマ『BONES』のヒロインか、陽気にした『Dr.HOUSE』っぽくも。 『鎧武』や『龍騎』を思い出させる個性の強いキャラの衝突が、面白味を感じられる要因。 変身中に体力ゲージがゼロになると「ゲームオーバー」、死亡してしまうため、それを避けるべく、ベルト装着者が自らの判断で変身を解く、というのが新しい。 強い衝撃を受けると強制的に変身が解除される、これまでのシリーズでの描き方が不満だったこともあり(ただ、今回は強制解除シーンが見られた)。 子供を救うより、自分の安全を優先するブレイブの選択が渋い。 目の前の命を諦められない永夢は熱い主人公らしくて結構だけど、ブレイブ・鏡が下したのは、自らの命も数に入れてのトリアージ。 いくらでも替えが効く立場ではなく、今、無理をして死んでは、これから出てくる患者を救うことが不可能になる……そこまで考えての決断であれば、単純に非道と責められるものではないだろう。 永夢の変身アイテムを取り上げる花家 大我。 こんなに早く変身不可能になる主人公は例が無いような。 ここからどうやって失地回復を図るのか、と思えば、監察医がどさくさに紛れてヒョイと抜き取って永夢に返してしまい、また永夢も大我もそれにこだわらないテキトーさで、ちょっと可笑しい。 いや、雑な話の作りなんだけど、何だか笑ってしまった。 バトルの激化、ライダー同士の連携や裏切り、明らかになっていく真相、そういったもので話を引っ張ることは可能だと思うが、「ドクターライダー」という設定へのコダワリはどこまで保てるんだろう。 それぞれダンスユニットに属する設定が、余り意味を持たなかった『鎧武』みたいになる? どういう形ででも、ここから更に面白くなることを期待して、視聴継続。 |
2016年10月27日 木曜日 |
『第502統合戦闘航空団ブレイブウィッチーズ/ストライクウィッチーズ Operation Victory Arrow』01.「サン・トロンの雷鳴」 『ブレイブウィッチーズ』四話目を録画したはずだったのに、見てみると『ストライクウィッチーズ』OVA一話目が録画されていた。 な、何を言っているのかわからねーと思うが……あれ?つい先日も同じ事を書いたような。 OVA放送で一話分凌ぐ。 先々週流したばかりの第一話をまた見せてしまうテイタラクよりは余程気が利いているけれど、アニメ界の時間・人材・資金?不足は深刻みたい。 「相当なアニメ好きでも全てを見続けるのは困難を極める」ほどの新番組が放送中。 もう少し減らしたら、とは思うが、それで不足している部分が満たされるようになるかというと、疑問…… OVAの内容そのものは、番外編エピソードをキレイに描ききってカタルシスがあり、作画の良さも伴って、十分な見応え。 来週、万が一またOVAの放送になったとして、それ自体は楽しく見られるだろうし、OVA未見の視聴者としては歓迎ですらあるが、本編シリーズの制作体勢は凄く心配になりそう。 『CHEATING CRAFT/TO BE HERO』04.「アテンションプリーズ!CAと空に遊べ♡/8種類の異なる悲鳴」 「CHEATING CRAFT」 舞台は、一応学校ということになってるんじゃなかったっけ。 毎度、テストばっかりやっていて、授業風景を見たことないなあ。 最終的に残った生徒を「国家特級学士試験」合格者とすべく、延々テストを繰り返し、生徒数を減らし続けるためにある学校で、何かを教えることはないんだっけ? カンニング防止はともかく、恐ろしい低温環境下でテストを行うとか、ただ嫌がらせのような。 それでも優秀な成績を取れる者しか合格できないのか!現実の中国支配者階級なら(いや日本人でも)ほぼ全員不合格では。 「何だこの試験会場は!」「そんな不正方法があるかぁ!」といったツッコミを入れるキャラクターがおらず、妙なことが起きていてもそのまま話を進めるため、ボケが若干不親切。 メリハリを付けるべく、常識を弁えた(自身は面白味の無い)キャラを配置した方が良かったような。 「TO BE HERO」 すっ飛んだ馬鹿ギャグを連発しており、楽しい。 前回の、時間かけた割に大して変形しないトランスフォーマーネタとか、ちょっと笑ってしまう。 「暗黒(暗殺)教室」というタイトルを挙げた際、「どこぞの国では公開禁止」と言っていたが、本当に中国では見られないのね。 要人暗殺、といった不穏な内容じゃないんだけど、恩師に銃口を向ける時点で儒教思想と相容れない?(娘が父親をゲンコツでボコボコにしてるのに) 秩序の乱れを最も恐れているだろう中国共産党としては、「暗殺」なんて概念自体、存在してもらっちゃ困るのかな。 しかしこのギャグ、中国ではどのようなセリフになってるんだろう……体制批判的なことは言えないと思われ、まるで違う文言に? もうちょっとザコ敵や四天王的幹部で時間を稼ぐと思ったが、当座のボスだろう王子とバトルし、早くもグダグダに。 まだ、彼を一家で最弱の恥さらし呼ばわりする第一王子や父王を投入できるか。 手刀で心臓を貫かれても、「別に」何のダメージもリアクションも無い主人公の無敵さがバカバカしい。 恐るべきルール無用加減。 |
2016年10月25日 火曜日 |
『ガーリッシュナンバー』03.「邪道な千歳と王道展開」 声優としての演技に悩む千歳。 それはまあ良いとして、ダメダメな時点での演技が「声優未体験者の棒読み」。 今時、多少芸達者なアイドルでも、もうちょっとそれらしい声を出す。 この娘は全然ダメです、を過剰に分かりやすくしたものだろうが、これまでモブ程度の役しかやってないにせよ曲がりなりにも声優を務めてきた訳で、こんなにヘタって有り得るのかなあ。 音楽をテーマとするアニメなんかでは、駄目出しをされるバージョンでも、素人の耳からは「いや、こんなもんじゃないの、ドコが悪かったの?」と思えるレベルだったりすること、よくある。 今作がアニメを見慣れていない視聴者に向けた作品だとは思えず、もっとレベルの高いポイントからのNGで良かったような。 ヒロインは声優学校も行ってない設定……なのか。 声優という仕事どころか、アニメ自体にもそんなに興味無いみたいだし、アニメ好きのアイドルよりずっとスキル低い? そういう彼女が壁にぶつかったり乗り越えたり、というイベントを上手く設定できていないのが、違和感の原因なのかな。 アニメのスタッフと原作者・出版社の意見対立が、辛い。 ずっと昔、アダルトなOVAを作ってもらった際、「スケジュールの遅れは作画とか完成品クオリティーの低下に直結するので、何か言いたいことがあっても我慢して、とにかく進めさせて下さい」と最初に釘を刺されたのを思い出す。 キャラクターデザインが原作イメージと違うことについては、早めにチェックさえ出来ていれば、不可能という程に難しくないような。 ラノベイラストレーターさんの超絶絵をそのまま動かすのは困難なため簡略化したりアニメ向きに変えてしまった、なら、その修正はなかなか出来ないだろうが。 「大して売れてもいないラノベ原作者の意見なんか適当に聞き流しとけ」という態度で臨まれる現場を、自虐気味にネタにしているモノか。 いや、全責任はスチャラカなプロデューサーにある? |
2016年10月23日 日曜日 |
『ろんぐらいだぁす!』01(再).「小さな奇跡」 三話目を録画したはずだったのに、見てみると一話目が録画されていた。 な、何を言っているのかわからねーと思うが、ホントに何が起きたのか分からなかった。 ドラマや、局が力を入れているアニメの場合には、視聴者が「うっかり一話目を見逃したからもう全部見なくていいや」という気分になってしまわないよう、本来の放送時間以外で再放送を行うことがある、それを録画してしまったのかと。 アニメ公式サイトに「放送、落としました」って書いてあるのね(コメントでも情報もらってた)。 しかし、三話目でもう?早すぎやしないだろうか。 ……『レガリア』も四話で休止にはなっていたが。 昔なら、絵がガチャガチャでも止め演出だらけでも、とにかく放送したもの。 今だと、ヒドい画面で公開してはソフトの売り上げが見込めず、商売にならないため、いっそ不義理を働いてもクオリティーを上げたい、ってことがあるのか。 これからは、余りにも早い時点で放送に支障が出ることを「ろんぐらいだぁす」る、と言うようになるかも(ならない)。 原作の漫画家さん、凄くフクザツな気持ちだろうなあ、視聴者から文句言われたってどうしようもなかろうし。 |
2016年10月20日 木曜日 |
『装神少女まとい』03.「神様は知らんぷり」 変身が解けるたび、全裸になってしまうまとい。 年頃の女の子としては、姿が(成長・美人に)変わって激しい戦いをすることより、衆目に裸身を晒す方がイヤだろう。 アニメ『デビルマン』なんかでも服は派手に破れてたが、人間に戻る時、どうしてたんだろ。 最近の「仮面ライダー」は、服の外側に強化スーツを纏っているイメージだから大丈夫そう。 「ウルトラマン」だと、人間の体がモーフィングのように変化・巨大化しているというより、別次元にいたウルトラマンとクルリ入れ替わっているような雰囲気(人間の体を借りていない『セブン』は別)。 このアニメは、深夜枠男性向け「プリキュア」。 プリキュアは「不思議な力で姿形と衣装を変化」させており、元に戻る時は「同じ力で元通りの服を復元している」のだろう。 まといも、同様に服を戻せるんじゃないかなあ……でも、格好良く戦った代償として羞恥プレイを強要される所こそ、深夜枠男性向け作品としての「核」か。 まとい家庭、父親との関係や母親の現状など、少しずつ描かれていて分かり易い。 装神少女同士の殺し合いゲーム開催!といった強烈・アリガチなツカミがないため、導入としてはちょっと弱いんだけど、周辺状況を堅実に固め、戦う理由は無いのに変身を嫌がる理由は山盛りのまといがどう変わっていくのか、興味を持ち、気楽に見られるようになっている。 |
2016年10月18日 火曜日 |
『魔法少女育成計画』03.「バージョンアップのお知らせ!」 死ぬのかぁ〜脱落者は死ぬのか。 ほのぼの魔法少女路線を行くのでなければ、まあ死か、あるいは『結城友奈は勇者である』みたいに肉体欠損で酷い目に遭わせるんだろうとは思ったけれど。 魔法少女になって欲しい、という雇用超常者からの要請を受けたばかりに、過酷な処遇を受ける物語、流行だなあ。 それにしてもこの作品では「変身できることの喜び」が余りない(描かれていない)のに、死ぬことだけは決まっており、ちょっと乗り切れない。 ヒロイン・小雪は、他者を助けることが出来て、嬉しいのかな。 しかし助けられた側の感謝を描いていないため、一方的というか、「自分を必要とする人のため魔法少女でいる」よりも「人を助ける私でいたいから魔法少女でいたい」のでは、と感じてしまう。 他の少女達(男が混じってるし二十歳を超える者も居て「少女」ばかりとはいえないか)など、人助けに興味が薄そうだったり、本当に「魔法少女であるための魔法少女」。 まあ、古い概念の魔法少女と捉えるから不可解なので、男児向けに「仮面ライダー」とでも置き換えると、人助けなどしなくても、自分だけのため邪魔者を排除しようとしても「仮面ライダー」の今日的定義から外れる訳じゃない。 あの白黒マスコットキャラを締め上げて殺す、あるいはゲームを中止させるってのは無理なのかな。 あれは無敵(魔法少女達の力は一切通じない)キャラ、もしくは換えがいくらでも居る、殺そうとした時点で少女の方が死んでしまう、殺した瞬間ゲームオーバーとなり魔法少女全員が抹消・抹殺される……何らかの安全策は採られてるだろう。 仲間の一人が死んだ、死をかけた理不尽なバトルロワイヤルを強いられることに対し、少女らのリアクションが弱い。 元々魔法少女のゲームで遊んでいた彼女たちだから、何らかのメディアでそういう作品に触れていたと思われ、それが『まどか☆マギカ』『結城友奈』みたいな 内容であれば、こういう運命もやむなしと受け入れる素養があった?逆に、そういう素養のある人間を選んで魔法少女にしているのかも。 『まどか』で、雇用超常者の目的はエネルギー集めだった。 このアニメでは、何? 世界・宇宙・全次元規模の放送企画で視聴率を稼ぐ、誰が勝ち残るか賭けの対象にしている、競争でキャンディー集めを加速させ殺すことで超常者が楽に人類のパワーを回収できる、魔法少女に憎しみを抱く元のゲーム制作者が企んだ復讐…… 有り体に、今のところ「ストーリーの都合」だけども。 |
2016年10月16日 日曜日 |
『ガーリッシュ ナンバー』02.「天狗な千歳と声なき悲鳴」 千歳は、純真無垢で思わず応援したくなる!と言うには、すぐ思い上がるし腹黒さも持っている。 「アニメのヒロインとして」であって、現実の女性と考えるなら、こんなものだろうが。 しかし悪役とまで言えず、声優としてそれなりの実力を持ち、本番に強い度胸を備えており、憎しみを覚える対象ではない。 だから、彼女が酷い目に遭って転落していく様子を楽しめるかと言えばそうでもなく、どういうポジションで見ていれば良いのか……「千歳という女性」をただ眺めているのが正しい? そういう複雑な彼女と比べると、同列の女性声優二人はアニメキャラとしてスタンダード。 かと思わせて、関西弁をアイデンティティとする京は「エセ」っぽい喋りであり、天然小心の八重にも意外な内面が? 恐ろしく軽いプロデューサーが作品の悪役かと。 バカというかノリで生きてきただけの人間、なので悪気はなく「自分が儲かるため手段を選ばない」ほどの計画性も皆無。 一番、上に立っちゃいけないタイプのような…… このアニメは、第一話のセリフであった「なんで売れそうにないアニメ作るんだろうね?」への解答を描いてくことになるのかな。 今回、劇中で上映されたイベント用新作アニメ動画。 プロデューサーのいい加減な態度、部下の対応から、てっきり「作画崩壊、こりゃダメだ」な内容になっているものと予想。 実際の上映内容は……キャラ絵としては可愛い・格好いいとばかり言えないアニメーターの個性が強く現在では好評を得られるか微妙な線になっている、でもよ く動きアクションの出来は良い(個人的には好み)、一方、プロモーションとすると止め絵があったりイカニモ狙った入浴シーンがあったりで不評を博する危険 性あり。 観客の反応も、叫んで立ち上がるものだったため、絶賛・激怒どちらか、ヒロインたちのセリフを聞くまで分からなかった。 ここは、もうちょっと分かり易く作って良かったんじゃないかなあ。 上映画面そのものは半分もあれば十分、あとは観客の表情でも見せて、その代わりに作画的には「現在のアニメファンの多くから『絶賛』される形」に仕上げる。 メタ的に言うと、「このプロモーション画面なら大好評で当然」と考える制作者の考え方が、「売れそうにないアニメ作る」方向にズレている、と……いやそこまで含めてこのアニメの企画意図なのか?難しい。 |
2016年10月15日 土曜日 |
『舟を編む』01.「茫洋」 原作小説未読、松田 龍平主演の実写映画は見た。 「辞書を編纂する物語」という内容紹介に、面白くなるイメージが全然湧かなかったが、テレビで放送された際に見て、キャラの良さと構成の確かさ、恐ろしく地味な題材から旨味を引き出す手腕に感心した覚え。 辞書は普通に使いながら、出版各社による違いとか気にしたことがない。 誰か……文部科学省とか国文学界のエライ人達が辞書に載せるべき項目と記載内容を決め、出版社はそれを写し取って、まあ多少の記述を加えるなどして刊行するだけじゃないかと、ぼんやり思っていた。 ゼロから作るのね。 いやまあ、今作るなら既刊辞書を参考に出来るから全くのゼロって訳じゃないが、それにしたって途方もない、気が遠くなるような話。 実写映画版が、時間内できっちりドラマを展開する面白いモノだったので、今更アニメにしても…… などと思って見たけれど、うん、しっかり作られていて好感触。 伊達男な西岡に対し、パッとしない馬締、という図式を、背広を着こなしている・着慣れていない様子で描き分けてみるなど、作画クオリティの高さはちょっと驚くくらい。 紹介を待たず馬締を探す老編集者の視界、彼にとって日常思考のほとんどを占める文字が浮かび上がり、興味の無い(通じ合う何も感じられない)人間達は風 景に沈み込む中、馬締だけが特別に・自分が属する世界の者に見える、第一話のクライマックス「運命の出会い」に相応しい演出も見事。 馬締はもうちょっと鈍い顔をしていて良いような……ノイタミナ枠でOL層とか掴むにはブサイクじゃ困るのか、まあ映画の松田 龍平も無駄に男前だったし。 このレベルを維持できるようなら、ずっと見続けられそう。 |
2016年10月14日 金曜日 |
『戦国鳥獣戯画〜甲〜』01.「見せたいもの」 原作「鳥獣戯画」既視……といっても、もちろん実物を見た事はないが。 声優として、歌舞伎の中村橋之助や『仮面ライダーディケイド』のクウガ役・村井良大、ナレーションに林原めぐみと、無駄に豪華な布陣。 アニメーションとしては、鳥獣戯画タッチの動物キャラを戦国武将に見立てて動かし、俳優キャストらしくボソボソ喋らせながら、戦国武将ネタを展開するモノ。 作画は……タッチを活かした線画のみながら、元のイメージは良く再現できてるんじゃなかろうか。 ヒドい信長、イジメられる秀吉、淡々としてる家康の取り合わせに、ちょっと笑ってしまう。 5分アニメなので忘れてしまいそうだけど、見られる限り見たい。 『ろんぐらいだぁす!』01.「小さな奇跡」 原作漫画未読。 自転車をテーマとする作品、か。 とはいっても、『弱虫ペダル』みたいにレース優勝を目指して突き進む熱血モノにはならない……と思う。 登場キャラは女の子ばかりだし、自転車もスピード重視タイプではなかろうし。 現実に、自転車を趣味とする人、周りにも多い。 比較的始めやすい運動であり、日常的に行え、自分のペースで出来るし適度に厳しい、という辺りが好まれる要因かな。 「頑張り過ぎてしまい(一時的に)体を壊すケース」も多いんだけど。 アニメ。 自転車を「可愛い」「この子」といった感情で見るセンス、男性には余り見られないような。 男の場合、車やバイクを「女性」あるいは「相棒」と捉えていたり。 楽しいサイクリング話のみで終わるかと思えば、ハンガーノック(初耳の用語)という辛い事態に見舞われ、そこからの回復法が描かれて、興味深かった。 十分な作画、3DCGはちょっと違和感あったりするけどこれも不足な出来ではない。 ぼちぼち見ていこう。 |
2016年10月13日 木曜日 |
『はがねオーケストラ』01.「やっちゃった♪」 ゲームアプリのリリースと同時に放送開始となった5分アニメ、らしい。 冒頭ナレーションから、自分で「そんなスマホゲームを宣伝するためだけのアニメである」と語ってしまう開き直りっぷりに、笑う。 中身のギャグ自体は吹き出したりするまでいかないが、楽しげな雰囲気はある。 キャラの主線色を様々に変えたりする処理、今風。 ゲームあってのアニメ。 アニメ単体で楽しめるかは不明。 『うどんの国の金色毛鞠』01.「ぶっかけうどん」 原作漫画未読。 書店で単行本表紙だけ見て、ファンタジー・うどんランドのお話だと思ってた。 うどん国・香川県が舞台なのね。 強いなあ、うどんって名物、これだけで県のイメージを形作っている。 「そば県」「寿司県」では、ここまで浸透するワードにならなかったろう。 あと香川と言えば、瀬戸大橋とか栗林公園、『二十四の瞳』小豆島……大橋はともかく、他は今じゃ知名度がちょっと弱いか。 それでも、人口は99万人と、自分の生国・高知の76万よりずっと多い。 高知で観光に繋がる漫画を考えるべきじゃないかなあ、タイムスリップして現代にやってきた坂本龍馬がカツオのたたきを作るのどうだろ(安易)。 アニメ。 失意の主人公が幼い子供と出会うところは、ちょっと『ばらかもん』を思い出してしまう。 その子供のため、料理(うどん)を作り出すのだろう筋は『甘々と稲妻』。 タヌキの子供だというファンタジー要素は取って、「うどん好きな近所の子供」「亡き妻が残していった一人娘」というリアル寄りの設定でも良かった……いやそれじゃホントに挙げた二作だ。 感想として、うどんが美味しそうだった!なんて言いたくなるかと思ったが、第一話では(少しは出るものの)その魅力を描き出すに至らず。 地味目ながらアニメの作りは確かそう、ぼちぼち視聴継続。 『Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-』01.「たくさんの人」 原作ライトノベル未読。 この原作者・志倉千代丸という人は、『CHAOS;HEAD』『STEINS;GATE』『ROBOTICS;NOTES』他の原案、多数の楽曲提供を行い、ドワンゴの取締役……多才すぎる! 集団を代表する名前かと思うぐらい。 アニメ。 とにかく胸のデカいお姉ちゃんの描写が強烈で、ストーリーとか霞んでしまいそう。 動画で描かれた巨乳キャラはこれまでも多々存在していたけど、歴史に残る大きさで、しっかり質量感を演出してくるためインパクト凄い。 アニメ本編に「乳袋」というセリフが登場したのも、これが初? そこまでウソの描き方はしていないものの、美しく見える方向へと現実は曲げてあったと思うな。 他キャラがドッと顔見せしており、個性付けは強めながら、全員を覚えられたかどうか自信ない。 バラバラな立場の彼ら彼女らが、今回ラストで起きた大事件を巡り絡んでいく、その過程が次回から描かれ、またゆっくりキャラを記憶に擦り込んでくれるんだろう。 作画レベルはとても高い。 演出にも、ハッとさせる所がある。 これは今期注目の一本、面白くなっていくことを期待しつつ、視聴継続。 |
2016年10月12日 水曜日 |
『3月のライオン』01.「桐山 零/河沿いの町で」 アニメ化・映画化もされて大ヒットした『ハチミツとクローバー』の羽海野チカによる漫画原作、単行本で既読。 ずっしりとした重さと、それに負けず可笑しさ楽しさに満ちた人生、そして将棋を描いていく漫画。 終わり方はどうなるのか、「こういう終わり方だろう」という読者の予想と違う形を選ぶことがあり、その辺も含めて目が離せない。 アニメ。 アクの強い演出が売りの新房 昭之監督なので、不安と期待半々。 ファンが多い原作、あんまり突飛なことをやってしまうと非難囂々になりはしないかというのが、不安。 しかし、読むだけで十分満足できてしまうレベルの原作漫画、そのままアニメにするなら見る価値を余り感じず、原作の意図を深化する目的での「そうきたか!」演出をしてくれる方が個人的には嬉しいなあ、と期待。 実際のアニメは……忠実に原作通り。 地に足の付いた、人間目線の演出が成されており、弾けているのは三姉妹関係ぐらい。 それでも見せてしまうクオリティの高さはさすが。 声が付いた三姉妹とネコの可愛さには、癒やされる。 見られるところまで見続けよう。 『クラシカロイド』01.「ベトとモツと音羽館」 アニメオリジナル企画。 『銀魂』『おそ松さん』の藤田 陽一監督。 『棺姫のチャイカ』原作の榊一郎と、『プリパラ』『Lostorage incited WIXOSS』構成の土屋 理敬がシリーズ構成。 ということで、期待度の高かった作品。 んん?よく分からない。 クラシカロイドとは何か、といった設定についてはまだ分からせなくて良いと思うけど、どこを面白いと感じて欲しくて作った第一話なのか、そこがぼんやりしている。 普通には、クライマックスで展開される圧倒的音楽の迫力と、世界すら変容させてしまうその無茶苦茶なパワー、という所かと。 しかし、嫌がらせ自体を目的とする地上げ屋でもない解体業者が、中に人間の残る建物を壊し始めてしまう無茶さが描かれており、デタラメ加減で音楽は作中の「現実」と互角ぐらい。 建機が合体してロボットになり踊り出す所が凄いのか……勇者シリーズを思い出したな。 他作品のパロディに頼らないのは良かったけれど、まだよく知らない変な人達が変な行動してるのをギャグとされても、ちょっと笑えない。 基本ドタバタの中に、お婆ちゃんの思い出を、イイ話風に入れてあるのも違和感。 いや、全体のテンションさえもっと高ければ、渾然一体となった感動に結びついた可能性はあるが。 年少者に向け、『タイムトラベル少女』みたいに偉人を分かり易く見せる学習アニメとか、そういう路線ではなさそう。 『おそ松さん』のノリを望む視聴者にも、思ったのと違ったんじゃなかろうか。 うーん、スタッフへの期待からもう少し見るけど、そうでなければ視聴を終えてしまいそうな第一話。 |
2016年10月11日 火曜日 |
『亜人』14.「なんかめんどくさくなってきた」 半年の休止期間を経て始まった第二クール。 第一クールは、とても面白く見た。 死んで、生き返ることでしか、その人が亜人かどうかの見分けが出来ないという設定。 そうするとキリストなんかは人類最初期の亜人なのかな。 「神」からの救済・福音として亜人が作られたとすると、世間からの反応、追い込まれた亜人の行動など、皮肉。 いや、まだ「米軍が作り上げた生物兵器にDNA適合して感染した人間が亜人になった」とかいう、神秘性など皆無な真相を語られる可能性はあるが。 佐藤のキャラクターが強烈。 悪役なのだろうが、もの凄い行動力とカリスマ性を持ち、彼が消えると作品パワーはガクンと落ちてしまうだろう。 主人公・永井。 普通、こういう物語で主人公は、小市民的善人で、悪いことをするのに大きな抵抗を感じるモノ。 実際には、悪人とばかりは言い切れないが、計算高く、躊躇無く(ちょっと楽しそうにさえ)他者を犠牲にしてみせ、良い人間と表現するのは難しい。 だから、キレイ事だけじゃやっていけない最悪の境遇下で図太く生き残れたとも言えるし、次に何をやるのか分からない。 人類側の戸崎なんかも、「自身の正義を信じて行動していた、亜人に加えられる非道を知って立場を変える」キャラにしそうなのに、全て知りつつ、亜人がどう扱われようと構わないヒデー性格。 婚約者の病気など可哀想な事情はあるようだけど、それだけじゃ埋め合わせられない程。 パターンで処理しない、突き抜けた・やり過ぎたキャラ達が面白い。 人類が、異物である亜人をそう簡単に受け入れるとは思えず、この物語はどういう決着を迎えるのか。 「そうは言っても、あなたもアナタも実は亜人かも知れないんですよ」という事実が世間に広く深く知られれば、差別的に扱うべきではないと考える人も多く出るかな。 佐藤の考える、武力闘争の末に彼が日本を統治する、そういう極端な未来が亜人にとっては一番良い? しかし、相当な恐怖政治でなきゃダメだし、他国が彼を承認するとは思えず、多難。 「新たに生まれてくる子供たち全員が亜人」あるいは「亜人でなければ戦えない、人類の天敵が出現する」ということなら、対立どころじゃなくなるかも。 第二クール。 格好良く戦いを決意して海に飛び込んだ永井・中野コンビだけど、具体的な対抗方法を考えておらず、途方に暮れているのが可笑しい。 戸崎を巻き込む(その下に付く?)作戦は、上手くいくのか。 今期も楽しみに見続けたい。 『Lostorage incited WIXOSS』01.「記憶/裏と表」 テレビシリーズ二期、劇場版も制作された『WIXOSS』シリーズの、キャラクターを一新した新作。 スタッフも音楽など除いてほぼ入れ替わっており、特に構成・岡田麿里から子供(女児)向けシリーズを多く手がける土屋理敬への変更が、雰囲気の大きな違いに繋がるのではないかと…… 一話を見て、うーん、あんまり変わらない。 「ゲームに勝ったら願いが叶うよ」というウソ?でプレーヤーを焚き付けた前シリーズと違い、「ゲームに負けたり逃げ続けたら記憶が全部消えちゃうよ、勝ったらそのまま」などと、取っ掛かりからメリット皆無・イヤなだけの概要を正直に語ってしまうのが新しいところか。 しかし、カードゲームの販促も期待されるアニメだろうに、偶然手に取ってしまったばかりに酷い目に遭うストーリーはプラスなのかどうか。 こうして新規シリーズさえ作られるところを見ると、意外に売れてるのかな……アニメ内容と現実を混同するような年少者をターゲットにしてないから? バトル、余裕を見せる敵プレーヤーの本音が、「オレはあと一回刺されただけで死ぬぞぉー」という『ギャグマンガ日和』並みのモノだったのに、爆笑。 陰々滅々とした本編との差別化で、バトルと「アホみたいな本音」披露に毎回弾けたギャグを仕込んでくれると、楽しそう。 基本的に『WIXOSS』シリーズはもう堪能した気持ちがあり、視聴継続意欲は低めながら、もう少しだけ見て。 『ドリフターズ』01.「FIGHT SONG」 原作漫画未読。 『HELLSING』の平野 耕太作品。 ドリフターズなんてタイトルにしたら、検索しても「8時だョ!」の人達しか出てこないぞ、と思ったが、Googleではアニメ公式が最初、漫画の Wikipediaが二番目に出てくる……考えてみりゃ長く集団で行動することが無いし「全員集合」も不可能になった今時、コントグループの方を調べよ うって人の方が少ないのは当たり前か。 歴史上の英雄達が入り乱れて戦う、というコンセプトだけは聞き知っていた。 主人公が島津豊久……名高い島津家の人間だということは分かるが、それ以上の知識が無い、世間的にも信長や那須与一に比べると知名度低めの人物だと思う。 調べてみると、なるほど関ヶ原での戦いぶり・死に様が強烈な。 劇中で串刺しになり持ち上げられるシーンがあったけど、実際そういう話も残ってるのね。 アニメは、ガシガシしたキャラ線や、真面目にしてたかと思えば急にアホみたいにふざける所まで、原作者の雰囲気を再現。 一話目まででは「死んだら(死んでない?)ビックリした」しか分からず、事情や目的が明らかになるのは今後だろう。 期待を込め、視聴継続。 『ドリフェス!』01.「絆を奏でるニューフェイス!」 メディアミックス企画。 主役の声が拙いのは、これが声優初体験だからか。 キレイ所の男の子がドッと出てくるアイドル物。 作画・演出・3DCGまで含み、妥当な出来だと思う。 視聴範囲外。 |
2016年10月10日 月曜日 |
『ガーリッシュナンバー』01.「やさぐれ千歳と腐った業界」 メディアミックス企画。 架空アニメのイベント、声優の舞台挨拶から始まる。 ヒロインが緊張からミスするのかと思えば妥当にこなし、主演女性声優同士が不仲からステージで衝突しそうだったけどそうでもなく。 柴崎のギスギスとしたコダワリ、トイレで陰口をたたく苑生(女学生か!)、どちらもネガティブに描かれ、そんな彼女たちと違った声優を目指すヒロイン・千歳の物語…… いや、彼女も相当にゲス、というかダメダメで、単純に好感が持てるってキャラに描いてない。 業界の、辛いながら明るい局面を描いた『それが声優!』と変えて、ダークサイドな内幕を晒そうという企画か。 「サッと読める漫画ならともかく、ラノベ原作は面倒で読みたくない」「気持ち悪い原作者とは正直関わりたくない、イラストのお陰で売れただけのクセに(このアニメ原作者がラノベ作家でなかったら怒られそう)」……シビアというか黒い描写山盛り。 「なんで売れそうにないアニメ作るんだろうね?」とか、視聴者に向けて言われても。 陰口イジメ側キャラかと思われた苑生だが、話してみれば気さくな良い子風。 テキトーな感じで主演声優に決められた千歳は、調子に乗りまくり。 うーん、何を描こうとするアニメなのか、面白くなりそうかさえも、まだちょっと分からない。 サクセスストーリーに向いた、応援したい性格のヒロインじゃないし。 しばらく様子見。 『私がモテてどうすんだ』01.「できるかな?リアル乙女ゲー」 原作漫画未読。 「別冊フレンド」連載なのか……数十年見てない本だけど、ごく当たり前の少女漫画を載せる雑誌だと思ってた、今じゃこういう女子主人公設定も「図書委員で、王子様が登場するような本が大好き」ってのと変わらない扱いなのかな。 重量級時期のヒロインも、悪くないような。 腐女子である他は、穏やかでナニゴトにも怒らず、付き合うのに面倒くさい所が無さそうで。 痩せるのは、「メガネを取る(このヒロインも取ってた)」「いつものダメダメな服をやめてオシャレする(これも)」なんかと並び、フィクションで美人に変身する大きな要因。 現実は、太ったブサイクから痩せたブサイクになるだけじゃないかって気がしないでもないけど、コメディー・ギャグにそんな無粋なツッコミしても。 数日の断食で痩せたなら、数日のいつも通りな食生活でリバウンドしそう。 太らない努力が物語の柱になる……いや、あくまでドタバタラブコメ中心だろうな。 ヒロインがスリムな美少女になって、あからさまに態度を変える美形男子達のロクデナシっぷりが可笑しい。 元々彼女に優しかった先輩以外は、付き合う対象として失格だなあ。 しかし、彼女自身も「見目麗しい男の子同士のBL妄想に萌える」人間であり、ブサイク男子を内面で評価してた訳でもないんだろうから、お互い様。 第一話は、落差があって面白かった。 ここから、「美少年ハーレムでモテまくる腐女子」だけのストーリーになると、個人的には興味が薄くなってしまいそう……とりあえずしばらく見て。 『ALL OUT!!』01.「今年の1年はウケるな」 原作漫画未読。 初のラグビーアニメ……だそうだけど、『アイシールド21』は?と思ってしまうほどラグビーを知らない(アメフトと混同してる)。 それぐらい無知な視聴者でも大丈夫なよう、ルールなど何も知らない主人公で始めてくれる配慮は有り難い。 ハッキリと外見や性格付けに差を付けているキャラクター達で、一度に多数出てきてもさして混乱しない作りの巧さ。 しかし、ヒロインになるような女性キャラが、まだ登場していない? いや、気弱で背が高く恋愛小説にハマっている男の子がヒロイン、ってことなのかな。 鬱屈を抱える「ヒロイン」の気持ちを、主人公が乱暴に救ってしまうクライマックスまで、堅実な第一話。 もうちょっと見て、判断。 |
2016年10月09日 日曜日 |
『競女!!!!!!!!』01.「瀬戸内競女養成学校!!!!」 原作漫画は、「サンデー」連載で既読。 連載開始の頃は、尻相撲?ドンケツゲーム(胸もアリ)?架空の競技にしたっていくら何でも面白味がない。 これからどう展開しようとしてるのか見えてこず。 お色気路線でいくには、画力的に少々の物足りなさが。 すぐ打ち切りになっちゃうんだろうな、と、非常に見る目のない、失礼なことを考えていた。 ああ「こんなアホな競技」という印象を極め、バカさ加減を尻上がり(原作チックな表現)にエスカレートさせていくのか! 乳・尻にネタを絞り込み、笑わせる熱いネタ路線を突き進む、良い意味で恥も外聞もないパワフルさに毎度感心しつつ、読み続けている。 まだまだ連載が続くなら、日本最強のチームを組んで世界大会に挑み、地球の命運を賭けエイリアンとも戦いそう。 アニメ。 原作の弱点である作画面を、アニメーター絵によってカバー。 もう京都アニメーションでやってほしいぐらいなんだけど……このネタじゃ、やる訳ないか。 話を知っているため、初見ほど「そんなワザが、そんな勝ち方があるかぁぁ!」のインパクトを感じられず、残念。 ぼちぼち見ていきたい。 『フリップフラッパーズ』01.「ピュアインプット」 アニメオリジナル企画。 ああ、懐かしい気分にさせる内容。 何が懐かしいかというと……劇画時代が過ぎ現在に繋がるアニメ絵で成人向け漫画が描かれ始めた黎明期、「商業的サービスを数ページ入れてさえくれれば、他 は何を描いても構わない」と依頼されることがあり、その頃、こういう「イメージだけあってストーリーはほとんどない」あるいは「読者にナニゴトか伝えよう という気持ちが薄い」ファンタジー系作品をよく見かけた。 そういった描き手のほとんどは現在、表から姿を消しており、元気でやってるかなあ、いやアニメと関係ない話。 浮かない顔で模擬試験を受けているセーラー少女、研究所?から空飛ぶボードで派手に脱走するナゾ少女。 二人の出会いが一話の大きな山となるはず、だろうが、その驚きもそこそこに「雪が甘い」異世界へと舞台を移してしまい、ちょっとぼやけた印象。 『タイムボカン』じゃないけど、早くパターンに落とし込みたい気持ち先行。 万能お供機械の内部に引くほどリアルな脳(ジェイムスン教授か)、王蟲のような巨大雪怪獣の暴走・海への投身、必死でメガネを拾おうとするアクション、セーラー少女の変身……意味はよく分からないけどインパクトのあるシーンが。 前述の成人向け漫画でいうと、このぐらい絵が上手くてパワーがあり女の子が可愛ければ、少々意味不明でも許されがちだったな。 次々に異世界を巡り、何だったか捜し物をするシリーズっぽい。 作画のクオリティと、作り手のイマジネーションがどれぐらいもつか、その辺が成否の分かれ目。 『ユーリ!!! on ICE』01.「なんのピロシキ!! 涙のグランプリファイナル」 『モテキ』の漫画家・久保ミツロウと、『LUPIN the Third -峰不二子という女-』の山本沙代監督が原案(久保氏はネームの形?)を手がける、オリジナルアニメ。 男子フィギュアスケートかあ……あんまり興味を引かれる題材でもないなあ、などと侮っていたが、見事なフィギュアの演技を見せてくれるオープニングでもう掴まれる。 実写からのトレスで描く手法による?しかし一級のアニメーターはこれを手描きのみで表現するから。 フィギュアをアニメ化、という企画は考えられても、映像表現がとにかく難しい(制限の多いテレビベースでは特に)。 止め絵と音楽で何とか誤魔化す、あるいは今ならモーションキャプチャーを用い3DCG……そのぐらいしか。 真っ正面から手描きで挑むこのアニメの無謀さに驚き、時間を掛けて準備できる一話だからでもあろうが魂消るレベルで実現する、作画パワーに圧倒されてしまう。 失意で田舎に帰ってきた主人公を見せながら、必要以上にネガティブにも暗くもならず、コミカルにすら感じさせる構成が素晴らしい。 主人公を囲む人間達が皆パワフルでいいなあ。 熟女先生と、スケート場で働く人妻ヒロイン?の力強さに救われる(どちらも主人公の恋愛対象にするには障害が多い)。 これはもしかして、凄く面白いアニメ作品になっていくのかな、という手触り。 期待しつつ視聴継続。 『ブレイブウィッチーズ』01.「佐世保の魔法少女?」 「ウィッチ」と付くタイトルのアニメは他にもあり……『ウィッチクラフトワークス』『ふらいんぐうぃっち』など……てっきり全く新しい作品だと思った。 『ストライクウィッチーズ』と同一世界・別の部隊を描くスピンオフ。 日本人ヒロインが中心になる話だし、その顔も芳佳と似て感じられるため、見始めはリメイクかリ・イマジネーションではないかと。 強く美しい姉に憧れるニューヒロイン・雁淵ひかりが、仲間達と出会い、一人前になるまでを描くシリーズ、だろう。 軍人や軍隊生活が描かれながら、個人意思の無視や悲惨な作戦従事での被害など、辛さや反戦的思想について注意深く触れないようにしているシリーズ。 このあたりを描き始めると、大変面倒くさいことになるし、「少女達の友情と勇気とパンツ(パンツじゃないもん)」というテーマがぼやけてしまうから。 戦闘機翼を素足にはいて飛び回る美少女パンツ(パンツじゃ以下略)部隊が最前線で戦うアニメに、そんな要素を期待する人も居まいし。 戦艦のCGはちょっと荒いけど、作画良好、お風呂で胸の傷を見せる姉のサービスショットに何だかドキッ。 まだ未熟ながら、ウィッチになる正しい資質を備えるヒロインの成長を、楽しみに見ていきたい。 |
2016年10月08日 土曜日 |
『響け!ユーフォニアム2』01.「まなつのファンファーレ」 一期の好評を受け、劇場版を経て、一時間スペシャルで始まった第二期。 相変わらず、京アニらしい繊細な演出と作画が成されており、見応えあり。 ほのぼのもしつつ、結構シンドイ描写やキャラ間の関係を描くのが、この作品の特徴。 部に戻りたいという女生徒らの気持ち、それに対する先輩の対応、見ているヒロインたちの心の動き……端的な描写で実に巧く描き出しているが、なかなかに重い。 あらゆる物事をライトに扱うことの多い現在のアニメ界で、逃げてないというか、あえて厳しさを正面に据える(しかも中二病的世界でなく現実に即した)作風は珍しく、その辺も好評への一因となっているのかな。 吹奏楽部は、そういったハードな練習を越えてきたことで関西大会への出場を勝ち取っており、音楽スポ根ものといった風情も。 魔球が登場したり天才プレーヤーが存在しない『キャプテン』に近い印象。 今期も最後まで見ていきたい。 『あにトレ!XX 〜ひとつ屋根の下で〜』01.「いざゆけ新××!レッツお掃除&サイドベンド」 これも第一期放送をチェックし損ね、存在すら知らなかった5分アニメ二期。 タイトル通り、複数の美少女達と一つ屋根の下、暮らすことになるが、主人公男性は画面に登場せず、「視聴者自身が主人公」というテイでカメラが目の役割を果たしているイメージ。 その割には少女達の目線が必ずしもコチラを向いてなかったり、少々不統一だけど、まあ細かいことか。 ヒロインらは、なかなか可愛く描けていると思う。 扇情的に肢体を晒すのも主目的だろうから、もうちょっと肉感的なラインに描いてくれる方が個人的には好みだったかな。 「実際に視聴者が番組内の動作を実行するとキャラクタの解説通りの鍛錬にもなるエクササイズトレーナー番組(Wikipedia)」らしい。 その辺、割合丁寧にやってるけど……しないでしょ?画面に合わせてのエクササイズ。 鑑賞する、というより「眺める」の方がピッタリする感じのアニメ。 『ナンバカ』01.「ナンバーのついたバカたち!」 原作漫画未読。 脱獄ドタバタギャグ。 『プリズンブレイク』『監獄学園』などを期待してはいけない、緻密さ皆無・ノリ優先の脱出ゲーム。 失敗して捕まっても、「生真面目な風紀委員から注意される」ぐらいの罰しかなく。 主人公達は脱獄を目指すが、途中で自身気がつくように、監獄内の生活は非常に快適であり、外の世界には住むところすらないらしいので、逃げ出そうとする彼らの行動に全く感情移入できない。 やっぱり学園生活の延長で、「特に深い意味は無いが服装違反を繰り返す」「週番の目をかいくぐって校則で禁止されている昼休みの校外買い食いに挑む」というのと同じぐらいの行動動機なのか。 当然ながら?主人公チームは男ばかり。 看守も男、その可愛い外見の妹も実は男、一人だけ女性が居る他は男子校の雰囲気。 脱獄にかける切迫した思いや、緊張感ある難関突破ミッション、計画が失敗した場合の恐ろしいリスク、どれとも無縁。 「バカで可愛い男の子達がワーワー大騒ぎしていて、こっちまで楽しくなっちゃう」という視聴者向け。 『魔法少女なんてもういいですから。 セカンドシーズン』01.「魔法少女になってメリットはあったの?」 原作漫画は、Web連載をちょっと読んだだけ。 第一期の、可愛らしくもちょっとヒネたストーリーを楽しんで見ていたため、二期開幕は嬉しい。 ゆずかは相変わらず魔法少女を嫌がっており、ちやは彼女をヒイキし倒し、ミトンが酷い目に遭う、お馴染みの風景。 原作では、僅かにシリアスな部分が見えてたような。 しかし、その辺の追求はそこそこに、ふわっとした雰囲気をキープしつつ進めて欲しい。 5分で終わるスッキリ感も良いけれど、10分15分、もうちょっと時間的余裕が欲しい気も。 楽しみに、最後まで視聴しよう。 |
2016年10月07日 金曜日 |
『奇異太郎少年の妖怪絵日記』01.「妖怪大戦争」 原作漫画未読。 5分アニメにしては頑張り過ぎぐらいな妖怪バトルが描かれており、感心。 オチは壮絶に他愛ないものだけど、だからこそ渾身の合戦シーンと落差を感じることが出来る。 座敷童子の少女が可愛い。 口の下にチョンと紅を打つ唇の描き方、センスいいなあ。 妖怪日常系ほのぼのストーリー、って感じになるのか。 力を抜いて、見られる限り見続けたい。 『美少女遊戯ユニット クレーンゲールGalaxy』01.「襲来!ダークチェリー」/『ナゾトキネ』01.「解いてから考える!」 30分枠で、前20分、後10分の放送。 制作会社も違うし、一緒くたにして良いものかどうか分からないけど、まあこの際。 『美少女遊戯ユニット クレーンゲールGalaxy』 「Galaxy」が付いて、第二期の放送だったのか、一期をチェックし損ねていたため初めて見た。 flashアニメ?ギリギリの動きで構成されている。 歌とか良い感じで、アニメーションさえしっかりしていれば、ゆる〜いアイドルSFコメディとして普通に見られたろう内容。 ネットを通したクレーンゲームのPRを目的としてるのかな。 『ナゾトキネ』 一枚絵はしっかり、可愛く描けているが、やっぱりあんまり動かないアニメ。 タイトルからも、謎解きを核にして進みそう。 その謎解き、出題画像が分かり辛く、見返してまで解いて嬉しいナゾではないような。 「コーヒーカップに入れろ」は、劇中に出てきた不自然なマス目のあるカップ(タンブラー?)に文字を入れれば解けるのかなあ、録画して見返さないとお手上げっぽい。 オタク、かつ物怖じしない剛胆なヒロインはちょっと面白いんだけど。 脱出ゲームとか、そういうものが好きな人向け。 『CHEATHING CRAFT』01.「運命の国家特級学士試験!」『TO BE HERO』01.「英雄ヒーロー初日」 30分枠に、アニメ二本立て。 どちらも日中合作らしい。 『CHEATHING CRAFT』 衝撃作『School Days』や『刀語』『ヨルムンガンド』の元永 慶太郎監督作品。 「大陸、この地上で最も繁栄した国家(どう見ても中国)」「富も名声も、ここには全てがあった。そしてその全てを手にする機会は、平等に与えられている 場所でもあった」というナレーションが恐ろしい皮肉に感じられる、壮絶な学力至上主義、難関突破のためにはいかなる不正も自己正当化、ライバルを蹴落とし 協力し合う友人さえ利用し尽くして捨てる、非道な弱肉強食の世界。 何となく見ていれば「中国の素晴らしさ」を謳っているし、笑いの中に混ぜてあり、誤魔化されるのかな……それでも、中国で放送できる内容かどうか。 もう一歩、共産党とか社会状況に踏み込んだら、確実にアウトだろう。 大きな格差が付いてしまったオッサン二人の人生(年月を経ての逆転劇?)を描くストーリーなのか、地味だなあ。 って、さすがにそんな訳はなく、彼らは設定説明のためだけに存在し、本当の主人公は一話目ラストに出てきた二人かと。 そんなバカな!系ギャグ。 笑うほどではなかったが、HAOLINERSブランドで初めて、ちょっと面白いと思った。 『TO BE HERO』 ワタナベシンイチの名前があったので、監督とばかり……ハイパーアフロクリエイター(日本語版監修)だけなのね。 しかし、ナベシン監督作品を思わせるハイテンポのナンセンスギャグ連発アニメ。 中国スタッフが多いようだけど、コンテも画面処理も作画も、日本製アニメと遜色ない出来。 まだ笑わせるまでは行かず、でも日本ギャグアニメでこれ以下のセンスのもの、山ほどある。 一話目の馬鹿パワーをどこまで維持できるのか、見物。 HAOLINERSブランド、意外と侮れない。 『ステラのまほう』01.「スタート地点」 原作四コマ未読。 タイトルから、素直に魔法少女物かと……違った。 普通の学園癒やし系コメディーに見える導入だけど、部活ベースでのゲーム制作がテーマ? 丁度前期で終わった『NEW GAME!』の前日譚と言われても納得しそう、キャラの雰囲気は全く違うけれど。 『少女たちは荒野を目指す』『冴えない彼女の育てかた』など、学園でゲームを作ろうとするネタ自体はそう珍しくない。 恋愛要素がなく、『NEW GAME!』的に女性だけの集団で、ふわっとしているのがこの作品の特徴……? 珠輝の「可愛げがない」絵を見てガックリする先輩達が可笑しい。 確かに、このゴツイ絵を使えるゲームは限られそう。 しかしすぐに部活で作られたゲームから模写を始める柔軟さ、偉いなあ見習いたい。 これは、ゲーム作りの厳しい現実など見せない、癒やし系かな。 気楽に視聴継続。 |
2016年10月06日 木曜日 |
『装神少女まとい』01.「私、神懸かってます」 アニメオリジナル企画。 軍隊が不可思議な敵と戦う様子から、『GATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』みたいな話かと。 魔法騎士的な少女の乱入、武器がなにやら音声を発するのは『リリカルなのは』っぽい。 てっきりこのまま異世界だか外国を舞台に物語が展開するものと思えば、神社・巫女さんと純和風な雰囲気に。 そのままアバンのシリアスさなど皆無の日常系コメディーワールドへと突入し、なかなか揺さぶってくれる。 怪異が出現して緊迫する状況下、偶然に?魔法少女へと変身、自らも把握できぬ超能力により敵を撃破するまで、各部に相当な配慮を加えれば(変身が解けると全裸なんてのはナシに)『プリキュア』としても成り立ちそうな第一話。 パワーのあるドタバタやバトル、キャラのリアクションなど、トリガー作品の雰囲気。 謎があり伏線があり、平凡な未来を奪われたヒロインは可哀想で(笑)、先行きを気にさせる。 視聴継続。 『信長の忍び』01.「信長様に会いに行こう」 原作四コマ未読。 5分枠アニメなのでストーリーなんて入る訳なく、ほわっとキャラを見せて終わりだと……侮っていれば、意外なぐらいしっかり物語。 基本ギャグだし、大きな省略を交えながら、忍びの基本設定、雇用されるに至る経緯、信長との初顔合わせと、イメージに似ず細やかな(専横残虐ってだけの 人ではない史実も)信長に忍び少女が忠義を尽くすに足る理由付けがポンポンと語られ、内容としては15分並み、もしかして手際の悪いアニメなら30分かけ てもここまで語れない恐れさえ。 この辺、原作四コマのテンポと、短い枠に圧縮して見せるのが得意な監督・大地丙太郎の手腕、だろうか。 しかしせめて10分、15分は見たい気がしつつ、面白い!視聴継続。 『侍霊演武:将星乱』01. 中国の漫画が原作らしい、未読。 studioぴえろ制作・スタッフは日本人だけど、これも中国資本ってことなのかな? 原作が面白いので日本の会社が権利を買い付けたか、中国へのセールスを考えて知名度のある(…かどうかは知らない)この作品を選んだのか。 唐突に始まって訳が分からない冒頭、三国志時代ベースとはいえ長々したナレーションで設定紹介を終わらせようとするなど、視聴者を掴むには荒い導入。 舞台が学校に戻ると、要するにカードを用いた召喚バトル……『ジョジョ』スタンドか『Fate』サーヴァントみたいな存在を戦わせるストーリーになり、そりゃもう分かり易くなるんだけど。 作画は悪くないし、画面にかけてあるエフェクトも独特の空気感があって面白い。 15分枠のアニメなので、せめて30分、次回放送分まで見て評価して欲しいと、制作者は思っているかも。 『灼熱の卓球娘』01.「…ドキドキするっ!」 原作漫画未読。 冒頭、爽やか……ではない、かなりダークな卓球の勝敗模様が描かれ、可愛げな絵柄と裏腹にそういう雰囲気のアニメかと。 が、その後はふわっとほのぼの系。 卓球の力はありながらも気が弱い少女こよりを迎え、部の日常が描かれていくのか、とも思ったけど…… 卓球で評価されることによって自分を保っていた感のある、あがりが、こよりの実力披露により存在意義の危機に直面、やっぱりダークな内容に? 圧倒される、とまでは言えないけれど、頑張った試合シーン。 ギャグ含むキャラのやり取りは、テンポが良くて楽しい。 汗で少女達の体に張り付く服、胸や太腿の描写など、ちょっと色っぽい描写サービスもなかなか。 あとは、チラチラと見える暗黒部分がどれぐらいのレベルまで行くのか、だなあ。 キツくなりすぎるとシンドイような。 取りあえず視聴継続。 |
2016年10月05日 水曜日 |
『TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-』01.「D坂蜃気楼」 『乱歩奇譚』といい、江戸川乱歩作品の、というかほとんどその名前だけを借りたアニメ化が続くなあ、と思えば、氏の著作権が年月の経過によりフリーになっている……なりつつある?状態と関係あるのか。 内容は「よくあるアニメ調」にリニューアルされており、原作と同じ名前・名称が使われているぐらいで、ほぼ別物。 明智小五郎、二十面相などの名前を全部変えてしまえば、元が「少年探偵団」だと気付く人はまず居ないだろう。 開幕から、複数のキャラクターが、それぞれの事件を追いかけており、しかもそれに関係ない謎の少年が絡むことで、無用に分かり辛い。 理解不能ということではなくとも、何の・どこに面白味を感じれば良いのかスッキリしない第一話では、視聴者が付いて来づらいような。 聞こえよがしに「死にたい死にたい」と繰り返すのがウザい謎少年、犬が死んだ瞬間は特に反応無く家族に届けようとして泣き出す花崎、花崎が助けた男はそんな場合じゃなかろうに(お話の都合で)謎少年をヒドく罵り始める、等、良く出来たストーリーというには違和感が多い。 バラバラに見えた事件は、この後、一つの真相に集約を始める……のかも知れないけど、そこに興味を持たせるには仕掛けが弱い。 妙な装備を持ち超人的な体力を誇る(のだろう)花崎なんか、描きようによっては彼だけでツカミとして機能したろうに。 ちょっと厳しい船出。 格好いい・可愛い男性キャラに萌えてもらえれば良い作品なのか。 『魔法少女育成計画』01.「夢と魔法の世界へようこそ!」 オリジナル企画かと思えば、ライトノベルが原作。 「このライトノベルがすごい!文庫」ってレーベル名、ありなの?しかもこの原作は「『このライトノベルがすごい!』大賞」を受賞してないみたいだしヤヤコシイ。 ほわっとしたゆるめの内容で、『魔法少女なんてもういいですから。』を、ちょっと思わせる。 回想に登場する、魔法少女好きな男の子、普通なら『エスパー魔美』高畑のようにヒロインを頭脳・感情面で支える働きをするものだけど、もしかして彼まで 女性化あるいは魔法男の娘として登場したり……という予想が当たり(この正体を明かすのはもうちょっと後でも良いような)。 年頃の男子としては魔法が使えて云々より、自分の体が女性化している、ということの方がよっぽどショッキングであり興味深そう。 いや、例えば「彼には美人でグラマー、いつも半裸で家中を歩き回る姉が数人居て、女体には執着がないというか嫌悪すらしており、ファンタジーな存在である『魔法少女』のみに憧れを抱いている」ということなら、納得できるか。 街中の小さな事件・困りごとを地味に解決し、僅かずつ世の中を良くしていきたい、ってノンビリした内容もイイなあ、と思ったが…… 一話ラスト、突然の魔法少女バトルロイヤルの開幕が告げられる。 殺し合い?それとも単に魔法能力を奪って常人に戻すだけ? 『まどか☆マギカ』以降、「魔法少女」に過度なぐらいハードなイメージを乗っけるのが流行のような(『セーラームーン』『プリキュア』なんて対魔バトル物は前からあったけど)。 バトルのルール、負けた場合のリスク、勝ち残って魔法少女で居続けられることのメリット、「戦うのはイヤだから魔法少女やめたい」と言い出す参加者への処遇など、これから細かく語られていくんだろう。 高い作画レベルにより描き出された少女達の可愛さを楽しみつつ、どう展開する物語なのか、興味を持って見続けたい。 『学園ハンサム』01.「薔薇門高校へようこそ」 PCの同人ゲーム(スマホアプリも)が原作なのか、未プレイ。 5分枠アニメ。 女性視聴者向けに、キレイ所男子のショートコントでも見せるんだろう、と思うタイトルだけど、アゴが長くて尖った妙なキャラが出てくるのに驚く、というかワザと……なんだろう作画クオリティーの低さはもう「ギャグ」として成り立つレベル。 数分間で描いたようなパースの狂った学校校舎とか、「ああ、昔は自分でもこんな背景描いて平気で原稿料を頂いてたなあ」と申し訳ない気持ちで一杯になり、笑ってしまう。 劇中ネタとして展開されるギャグ自体は笑うほどじゃないんだけど、「エラいアニメが始まったぞ」というインパクトは今期随一。 ちょっと見続けたい気持ちはありつつ、5分枠は忘れがち。 『アイドルメモリーズ』01.「栄光のティアラ」 冒頭の「あれ?アイドル物じゃなくSFファンタジー?」と思わせるツカミから、斬新さはないが妥当なストーリーを展開。 作画レベルが高く少女達は皆可愛く描けており、歌唱3DCGの出来も良い。 シャワーシーンなど男性向けサービスを除けば、深夜枠でなく早朝・夕方に放送し年少の視聴者に見せても悪くない内容。 ……と油断していたところ、アニメ画面に突然入ってくる声優女性達の実写映像で、何が起きたのか分からず混乱。 30分枠ではあるけれど、アニメはその半分以下、以降は声優さんが生身で登場するトークバラエティーに変わる構成なのね。 それにしても、「アニメをエンディングまで流し、それから実写に」といった分かり易い切り替えがなく、ホントに突然実写に変わってしまうので、凄い違和感。 「中国ゲーム会社のHappy Elementsによる日本で制作したアニメである。実体は日本名義の中国アニメと言える(Wikipedia)」らしい。 制作スタッフがほぼ全員日本人であるせいか、「中国」を感じることはまず無いだろう。 本国でこのアニメを放送する時はどういう形式なのかな……10分程度のアニメパートだけをショート枠放送・日本の3話分をまとめ30分アニメ枠で放送・そのまま日本声優を見せるあるいは中国版声優で撮り直したバラエティーと一緒にする、どれか? アニメ部分だけなら見続けて良い出来だと思う。 しかし、とにかくこの変則放送がネック。 声優バラエティーにあんまり興味が無いからなあ……だったらそこは見なきゃイイってのはそりゃそうなんだけど、面倒くさくて丸ごと見なくなってしまいそう。 |
2016年10月04日 火曜日 |
『3ねんDぐみガラスの仮面』01.「さぁ 送信タイミングを熱くするのです」 原作漫画は、何巻までだったか、刊行が滞り始めた辺りまで既読。 これで四回目……OVAも入れれば五回目のアニメ化、ということになるのかな。 といっても放送時間は5分のみ、前アニメの『ガラスの仮面ですが』と同じ馬鹿ネタ路線か、いや前作は確か見た事ないけど。 原作が、シリアスかつパワフルなストーリー、確立した濃いキャラクターで出来ており、それ自体「笑ってしまうほど強烈」な内容であるため、パロディーにしやすい。 アニメは、そりゃあバカバカしくはありつつ、『ガラスの仮面』の雰囲気をまるで壊すネタでもない、絶妙なライン狙い。 3DCGの出来も悪くなく、気楽に見るには向きそう。 『刀剣乱舞-花丸-』01.「睦月 ちょーしにのんな」 『艦隊これくしょん』と同じ会社が作ったネットゲーム、刀を美形男子にしたものらしい、というところまでの知識で鑑賞。 悪党による歴史の改編を防ぐべく、チームを組み合わせて任務に臨む、「キレイ所『タイムボカン』」といった内容。 ミッションを遂行できるかどうかより、美少年同士の関係と、主(刀の元の持ち主であり、ゲームプレイヤー?)への忠義に萌える作品かな。 「刀」がご飯食べてたりするのに違和感あるけど、戦艦や鉄砲が女の子なのにはさして文句を言わなかったので、これも受け入れるしか。 切り結ぶアクションには気合いが入っている。 しかし、イキナリ大勢の美少年を出されても、誰が誰だかよく分からない。 『艦これ』アニメのように、新人刀が入所してくるところから始めた方が良かったような。 といっても、『艦これ』では「設定のあやふやさ」に触れないためかなり不自然な入所模様となっており、それならいっそ「細かいことを気にする人は見てくれなくて良いです、キレイ男子を楽しめる人だけお付き合い下さい」という割り切りもアリか。 原作ゲームの大ファンで関連商品も集めまくっている「いいお客さん」なヨメが喜んで見ていたから、対象へのアピールは大成功なんだろう。 『マジきゅんっ!ルネッサンス』01.「きらきら花咲くルネッサンス」 アニメオリジナル企画。 作画はなかなかのレベルだが、完全女性向けアニメなので、視聴範囲を超える。 女子にモテモテの美形お兄ちゃんが気取ったセリフを言い出す辺り、パロディーだった『おそ松さん』第一話の「六つ子が美形スターになっている学園」ネタをそのままなぞっているようで可笑しくなってしまい、その後はもう真面目に見られない。 『モンスターハンター ストーリーズ RIDE ON』01.「絆の力」 大本の原作ゲーム『モンスターハンター』は、PSPで出ていたものを、ちょっとだけ遊んだことがある。 といってもチュートリアルの、それも途中まで……「何度やっても肉が上手く焼けなくて挫折した」という情けない有様。 アニメ。 監督が本郷みつるなのか。 『クレヨンしんちゃん』、いや『テンカイナイト』の正当派子供向け路線でアニメ化する?と思ったけど大体正解。 主人公とナビルーのコミカルなやり取りを軸にしつつ、冒険の中で、不足ない程度に世界観や周辺状況が示され、運命の相手となるのだろうモンスターとの出会いが描かれる。 手描きとCGの馴染ませ方が上手く、余り違和感ない。 作画レベルは高め。 まだ端緒に過ぎない第一話で、面白くなるのはこれから!なのだろう。 しかし『テンカイナイト』にも面白味は感じつつ、数話で視聴を終えてしまった経緯があり、ヒネた大人が喜ぶような(子供向け作品としては間違った)所でもない限りは…… |
2016年10月03日 月曜日 |
『タイガーマスクW』01.「二頭の虎」 オリジナルのアニメシリーズからは47年ぶりの新作。 生死が懸かるほど厳しいプロレスや野球などスポーツの描き方にリアリティー・没入感を持てなくなっている昨今、どのようなテイストで再アニメ化するのか、と思いつつの鑑賞。 抑えた描写を徹底してリアル風にする方向は選ばず、大げさ・やり過ぎ・ともすれば「馬鹿馬鹿しい」へと突き抜ける路線を選択。 逆さづりにされたまま巨大なクマを一撃で仕留める主人公、それを「クマもう飽きた」ぐらいで当たり前に受け入れる周囲の人間達。 黒タイガーの、足の引っ張り合い含む崖登りも非現実的ではあるけど、クマ殺しに比べればチョイ地味かなあ。 キャラクターデザインには古さを感じるが、これは意図的な物かな。 旧作とは違う形に荒らした線のタッチ、楽しい。 プロレスシーンの迫力は、まずまず。 しかし、リアルなプロレスとは違うし、超人バトルとして派手な架空のワザが乱れ飛ぶこともなく、これからどう面白味を演出していくのか、まだ不明確。 タイガーマスクの正体を劇中で秘匿しておきたいなら、付いて来て暴れた女の子の顔出しが拙いんじゃないか……この辺はトボケるのか、そこも織り込んだストーリーになっていくのか。 しっかり作ってはあるけれど、「今更」感を拭い去るほどではなく、もうちょっと様子見。 『WWW.WORKING!!』01.「アルバイトは人生を変えてくれる」 アニメ『WORKING!!』中で流れるCMに登場していたキャラクター達の漫画を、アニメ化したものか、未読。 本編漫画と三期まで作られたアニメの好評を受けて描かれたのが、このスピンオフ原作漫画なのだろうと、全然疑いもせず……逆に、Webで発表されたこちらの発展形?として「ヤングガンガン」連載・アニメにもなった『WORKING!!』が描かれた、ということらしい。 しかしこのアニメ『WWW.WORKING!!』は、アニメ『WORKING!!』があってこそ作られたものだろうから、色々ヤヤコシイ。 ファミレス(別店舗)ワグナリアを舞台としながら、前アニメのキャラが出てこないもので、何だか「すみません店を間違えました」気分。 ヒイキだったぽぷらが登場しないだけで、こんなに寂しいとは! 山田のおバカさんさ加減、ほわっとした八千代も懐かしく思い出される。 ……同系列店だからって別店舗の店員を期待されちゃ困るか。 『サーバント×サービス』の区役所でも、ぽぷらを働かせろ!と言われるようなモノで。 大げさなリアクションを取らず、淡々とギャグを展開し処理していく演出法は、元アニメ同様。 まだ見知らず、違和感のあるキャラクター達も、見続けていれば馴染むんだろう。 気楽にボチボチと視聴継続。 『終末のイゼッタ』01.「たたかいのはじまり。」 アニメオリジナル企画。 冒頭、列車内での逃亡劇は、アニメらしい無茶なことを極力抑えてあり、実写スパイ映画のような手触り。 『ジョーカー・ゲーム』に近い? 重い肉体を持ち、撃たれたら死ぬ人間の物語。 謎の荷物を運ぶ少佐はちょっと『ラピュタ』のようで、カプセルで眠る女性との出会いは『ボトムズ』を思い出す。 姫様の捨て身な交渉、忠実な護衛の呆気ない最期、圧倒的戦力差のある開戦、姫を捉えた軍人の非情さ……ずっとリアル寄りな描写が心がけられている。 しかし開いたカプセルから少女が登場して一転、彼女は大型機銃に魔女ホウキのごとくまたがり、自在に空を飛んでファンタジー世界観へ突入。 ここで雰囲気をガラッと変えるためにそれまでの地味なタメがあり、その変調が上手く効果を上げているので、飛翔のスピード感と相まって気持ち良い。 魔女っ子(強化改造人間?)VS軍隊の戦いを描く作品なのか……な。 作画クオリティーも高く、先を楽しみに、視聴継続。 |
2016年10月02日 日曜日 |
『ViVid Strike!』01.「フーカ・レヴェントン」 アニメオリジナル企画。 まるで『DOG DAYS』『なのは』みたいなキャラクターデザインだなあ、と思うほどに無知な状態で鑑賞。 「『魔法少女リリカルなのはシリーズ』の第4期にあたる『魔法少女リリカルなのはViVid』から1年後を描いた作品(Wikipedia)」なのね。 「なのは」をごく真面目に見ていたのは『A's』まで、その後はいい加減な視聴態度であり、『ViVid』になるとほぼ見ていない。 この作品は、シリーズからのスピンオフというか、「なのは」を知らない人でも理解できる内容……なのかな。 ええと、格闘技物? 目の大きな可愛い少女達が、本気のドツキ合いをするのに凄い違和感、もちろん第一話はこの違和感による驚きを与えるのが狙いなんだろうけど。 ストーリーには少々の強引さを感じつつ、スパーリングの迫力はなかなかのもので、引き込まれる。 ヒロインをボッコボコのサンドバッグ代わりに使ってしまう非道さが、可笑しい。 これは、美少女版『はじめの一歩』みたいになっていく作品だろうか。 最後まで見続けられるぐらい面白くなると良いなあ、取りあえず三話目ぐらいまで様子見。 『Bloodivores(ブラッディヴォーレス)』01.「嗜血種」 中国のWebコミックを原作とする、中国製アニメ。 といっても、スタッフには日本人が多く加わっている様子。 『霊剣山』『一人之下』は早々に脱落しており、不安を抱えての視聴。 冒頭のカーチェイス。 猛スピードで行われているはずなのに、とにかく全てモタモタして、それを実感できない。 背景引きの速度や、CGのエフェクトなど、今はいくらでもお手本があるのだからもうちょっと考えても。 動作は遅いのに何がどうなったのか分からない所があるのは、カットの割り方など演出の不手際。 派手なアクションでまず視聴者を引きつけようという狙いは良いけど、これでは逆に見切りを付けられてしまいかねない。 せっかく中国製なんだし、無国籍な舞台にせず、「中国で犯罪を犯したら警察はこういう対応をする」「警察が手に負えない場合、どうなる」「異常な社会状況に対し、中国ではこう(人道的に・非人道的に)対処する」という、ならではのストーリーが見たかったな。 それとも、これで中国設定なんだろうか。 全体に、間延びした、ポイントを抑えない演出が目立ち、作画も、それだけで見続けられる程は冴えず。 『タイムボカン24』01.「クレオパトラはクレ夫とパトラという漫才コンビだった!」 『ヤッターマン』はリメイクアニメや『夜ノヤッターマン』に加え、実写化までされているけど、そういえば『タイムボカン』が再映像化されるのは初めてか。 こういう長期シリーズ作品の場合、連作が始まるぐらい好評を得た一作目が最も支持されるものなのに。 あ、いや、『さらば宇宙戦艦ヤマト』とか『ウルトラセブン』、『ルパン第二シリーズ』、『Zガンダム』も人気があるな。 しかし『ヤッターマン』正統リメイクアニメは成功したのかどうか(ほぼ見てないので分からないが)……今時『タイムボカン』へのチャレンジにどういう勝算を見いだした?と思えば、クリエイティブ・プロデューサーにレベルファイブ・日野晃博の名前。 これがあっての再アニメ化だろう。 音楽が山本正之ではなく、主題歌も印象に残らないジャニーズのモノで、三悪の声優さんまで替わっている(仕方ない)ことにより、ジジイ層への「懐かしさ」アピールは弱い。 キャラの名前や立場はテロップで、基本設定をナレーションや説明ゼリフで済ませ、とにかく「歴史的事件に介入し、三悪の時間犯罪をメカ戦で防ぐ」基本パターンへと急いで落とし込もうとする第一話。 この回ぐらい、主人公と少女の出会い、時空管理局の成り立ちや理念、三悪のキャラ紹介・犯罪行為とそれが歴史にもたらす障害、主人公初出動の不安・高揚感なんかを、ギャグは交えつつしっかり描いて良かったような。 クレオパトラの夫婦漫才は最初のネタにふさわしい? 初見の視聴者を引きつける役割を果たせたかどうか…… 『妖怪ウォッチ』でも、一話目は急ぎすぎて面白く感じられなかったため、パターンが落ち着いて、それを外れ始めた辺りから狙った面白さが出てくるのかも知れない。 メインターゲットだろう小学生達に受けてさえいれば、問題ないけれど。 |
2016年10月01日 土曜日 |
『クロムクロ』最終26話.「侍は振り返らず」 「俺たちの、私たちの戦いはこれからだ!」エンドに、もしかして半年の休止期間をおき、後半26話が放送されるのでは、と思ったけど、終わりっぽい。 とはいっても、既に最初から引いてきた様々な要素にはきっちり決着が付いており、これ以上やるのは「必然」というより「延ばすことも出来る」感じになりかねないな。 最終決戦、恐ろしい数の敵が降下し、多勢に無勢、研究所側勢力は制圧され、仲間は死んだり耳から入れられた小型メカ(イヤだなあ)で洗脳されたりの絶望的状況。 ここからの逆転は死闘に次ぐ死闘、洗脳メカの操作電波に侵入して所員を解放する、同時に敵母艦へのハッキング(アリガチ)とか何とか、ギリギリのせめぎ合いがあるものかと……意外に苦労少なく。 いや、クロムクロらによる戦いは迫力と切迫感があったし、不満だとか肩すかしだと文句言うつもりじゃないんだけど、とにかく、もっと辛い展開になると思ったので意外(洗脳所員の廃人化はシビアだったが)。 シリーズ通し、「パターンだとこうなる」への裏切りが多いストーリーだった。 最初から行方不明の由希奈父。 雪姫がムエッタとして敵側で登場、しかも敵将は顔が見えないマスク着用、もう誰しも「敵に洗脳された父親と悲劇の対決」を予想したと思うが、違う。 その正体であったゼルの星の人間。 仮面を取るとゼル側宇宙人、ということでは、「これまで語られたゼルの話は全部ウソ、実は彼らこそエフィドルグで、失策で追放された?母星に帰るため由希奈達を利用しただけ」とかいう真相が語られるのかと。 地球人側、それを疑いもしなかったなあ……侵略された惑星の人間が尖兵として使われることは既知であり、そんなに頭が悪くないのか。 由希奈もまた雪姫から作られたクローン、というのを考えたけどハズレ。 これら、意表を突くつもりで皆が多用するためありふれてしまったパターンを、あえて外しているため、逆に意外で気持ち良かった。 ちょっと語り口を間違えただけで「訳が分からない」にもなりかねないストーリー・設定だったと思うけど、細かく気を配って非常に上手く処理してあり、ほぼ混乱なく見られた。 ともすると、「別に難しい話じゃないでしょ」と思わされてしまうぐらい。 戦国時代からきたギャップを持つ剣之介、雪姫でなくエフィドルグでもなく自分という存在への疑問しかなかろうムエッタ……描き方が難しいキャラ達。 必要なところを描き、略できるところはかなり大きく略することで、理解を視聴者に委ねつつ、物語中では不自然なく存在させられていた。 記憶は偽造されたものでも一部はゼル星の現実をベースに作られており全く架空ではない、ということを喜ぶムエッタなんて、とても余人に理解できる境地ではない……だけど「何か分かる」気持ちにさせるのが巧さ。 クラスメート・茅原は、脇役ながら変わった男。 事態を全て他人事のように捉えていて、他者の生死は勿論、自分の命でさえも特に大事には考えていない。 ネットの動画を眺めるように現実に相対しているのか……カメラさえ構えていればどんな危地にも向かえるレポーター気質?でもスキャンダル狙いならまだしも報道としては「生命、わからない、生命とは何か」みたいな考え方してちゃ勤まらないような。 他者を研究対象としか見ない父親に似たのかなあ。 その父親・ハウゼン。 劇中随一のイヤな男だったけど、息子にはベタベタ(元妻にも未だベタ惚れ)、悪人と言うには良いところも併せ持つ、複雑な人間。 自衛隊員でありながらソフィーの執事をしているセバスチャンも、複雑。 「同一機体に乗り込むパイロット同士であり、相手は年端もいかない少女なのだから、可能なら身辺警護もせよ」ぐらいの自衛隊上部命令から、個人的好みで執事を気取ったモノか。 地球人は、物語中で被害者だけれど、剣之介・雪姫らにとっては加害者にもなりかけた。 地球の安全が当座確保でき、他惑星の危機には(また地球に攻め込まれる切っ掛けにもなりかねず)関与しない姿勢は正しいのかどうか、しかし、エフィドルグ対抗勢力へ加勢するため宇宙へ出ようとする程には無関心でない。 由希奈と剣之介、地球人とムエッタ・ゼル、キャラクター達はそれぞれの立ち位置を持ち、安易に妥協せず、それでも分かり合い関係を結ぶことは出来る……かも知れない(最後まで洗脳が解けないヨルバの姿も示される)。 結局、エフィドルグの実体は描かれなかった。 洗脳したり複製した侵略先星人を使う悪辣さ、効率的行動は『謎の円盤UFO』を思い出す。 もしかしたら、エフィドルグの始祖生命体は絶滅していて、「全宇宙を支配したい」意思だけが機械に残り、任務を遂行しているのかも。 エンディングから先は、対エフィドルグ惑星規模戦争が始まっていくのかな。 とても勝てるとは思えないが、『トップをねらえ』的に、追い詰められた人類の凶悪作戦で勝利を収める……あるいは「エフィドルグ(の一部)とも共存する余地はあった」ラスト? 宇宙母艦内での歩き方によって、重力制御区画へゆっくり移っていくことを感じさせるカットなど、丁寧な演出が印象に残る作品だった。 そのうち、最初から全部見直してみたい。 ロボットアニメ、久々の快作。 面白かった! 『ももくり』最終26話.「ふたりのキモチ」 今週は特番的な声優さんのコメンタリー付き再放送で、本放送は先週で終わっていたみたい。 癒やし系ストーカーアニメとして、とても面白い作品。 お互いを思い合う気持ちが、基本的考え方の違いにより噛み合わないところとか、実に楽しかった。 その齟齬が次第に解消され、しっかり幸せになっていく過程が描かれ、それは嬉しく思いつつも、恋心が問題なく通じ合ってしまうと「単なる馬鹿カップル話」にもなりかねず、難しい。 心也が無理して格好付けていることを、(ストーキングして得た情報により)正しく理解して評価してくれる雪は、ある種「理想的な恋人」。 普通は、付き合っていようが、相手のことにそこまで興味を持ったり細かく記憶したりしないと思われ。 気持ちが満たされている時のストーカーは、最高の恋人足り得る。 関係が悲劇を迎えた際、雪はどうなるか……今はまだ、彼の気持ちが自分だけのものでなくとも構わない、そういう状態であることに戸惑いさえ感じているようだけど。 二人とも、相手が自分に感じている「価値」に無自覚な様子なので、特に雪の場合、そこを小出しにしていくことによっては相当な恋愛期間の延命が図れようか。 最終的に、心也からDNA情報をもらって雪体内で複製体を作ることにより、オリジナルから距離を取られても耐えられるようになるかも……薄い同人誌ネタというか見ている人は結構誰でも考えることじゃないかと思うが。 この二人の関係が最悪になる、なんてことは「サザエさん一家が崩壊する」ぐらい、作品として起こり得ない・制作者が起こす気も無い話だろう。 作画は安定しており、最後まで気持ち良く、チョイチョイ笑ったりしながら見られた。 |
2016年09月30日 金曜日 |
『ベルセルク』最終12話.「すがるもの、もがくもの」 えっ、もう終わり? 物語としてはあんまり進んでないような……それは原作を追いかけている人達も思っていることか。 放送開始当初はちょっと気になったCGのレベルだけど、演出が上手いのか、見ているウチに気にならなくなった。 話が進まない分、アクションは細かく、迫力を持って描けており、その点では満足。 異端審問官・モズグスの異常さが、なかなか。 彼の下りまで原作を読んでいたけれど、アニメでは、小山力也の理知的で説得力のある声が相まって、パワーアップした恐ろしさ。 グリフィス登場で期待を煽りながらの終幕は残念、第二部は……ああ、来年春から放送に決まってるのね。 楽しみに待ちたい。 |
2016年09月29日 木曜日 |
『台風のノルダ』 今更、テレビ放送されたものを視聴。 作画はキレイで頑張っていたと思うけれど、それ以上、特に得るものが無い。 主人公であろう男の子が抱える葛藤は弱く、ノルダはその事情も内面も描き方が薄くヒロインとして不足。 SF的に大変な事態が起きていたんだろうと思いつつ、イメージだけで詳細は不明、しかもラストで事件が根本的に解決したのかどうかも分からない。 近づく台風、学校内に閉じ込められることによる不安や高揚感……だけでも感じられれば良かったが、それにはSF要素が邪魔。 何を描きたいのか、「ここだけでも面白いと思って欲しい」という絞り込みが出来ていないアニメ。 26分の短編では、絶対必要だったのに。 メインキャラの声に、声優初挑戦?の役者を登用したのは、何故だろう。 こう言っては何だけどジブリ作品のように「画面に十分な説得力があるので過剰な演技は必要ない」、と言えるまでの映像クオリティーではなく、その名前で興業に影響を与えるほど客を呼べる役者さんだとも思えない。 演技に問題のあるテイクでもそのまま通して使ったのでは?と感じられるカットがあったり、制作者の「妥協」がにじんでいて、残念。 |
2016年09月28日 水曜日 |
『モブサイコ100』最終12話.「モブと霊幻 〜巨大ツチノコ現るの巻〜」 原作漫画を、試し読みできる書店で単行本の最初だけ読んで、正直あんまり面白いと思えず。 モブが超能力・霊能力で事件を解決しつつ、しかし霊幻に搾取されるだけのストーリーが、どう面白くなるのか、強敵凶悪超能力者が出現しモブとバトルを繰り広げる内容になるってパターン?それにしたって……などとすっかり侮ってアニメ鑑賞。 モブにコンプレックスを抱く弟の存在、キャラの強い超能力者組織、彼らとの戦いは『ワンパンマン』的に「主人公が本気を出したら最後」という仕掛けがあり、次第に内容へと引き込まれていった。 さすがに上手いなあ。 でも、この作品で一番驚いたのは、物語の足を引っ張るだけのウザいキャラだと思っていた霊幻が、空気を一転させるキーマンとして機能するところ。 これは予想だにしなかった。 生命の危機にさえ瀕し、絶対に戦わなければならない場面で、彼から「逃げてもいい」という言葉が出てくるとは。 状況を理解してない馬鹿セリフに思わせながら、勢いや物語の流れに呑まれず真理を突く、凄い一言。 敵超能力者の必死な攻撃や訴えを子供扱いで一蹴する辺り、相手を見下して掛かるいつもの霊幻そのままなのに、あの狂った戦場では、唯一常識的な人間の意見に感じられた。 彼で感動すら生み出してしまう構成の妙技、ただただ驚くばかり。 エピローグ、「常識的世界ではやっぱり非常識な霊幻」にイメージを戻すのが可笑しい。 アニメはとにかく作画水準が高く、原作の巧いとは言い切れないキャラ絵を、そのままで、しかし見事に動かしてあった。 当座のボス敵らしき人物も登場して、まだこれから、という所での終幕は残念。 二期での続きを待ちたい。 その際は、意外と存在感のあった肉体改造部にならい、電波部の面々が役に立ったりする……かな? モブVSワンパンマンで、最強を競ってみるのも面白そう。 |
2016年09月27日 火曜日 |
『あまんちゅ!』最終12話.「蒼い世界のコト」 てこにとって、初めてのダイビング体験日。 うっかりミスから生命の危機に陥る、なんて事件が起きる作品ではなく、足ひれを落としたが他のダイバーに見つけてもらった、という所まで(好青年っぽいダイバーだったし、運命的な再会から後々恋愛的な流れに…なる訳ないか)。 しかし、初ダイビングへの期待と不安が混ざりあう高揚感をとても丁寧に演出してあり、潜る楽しさドキドキと並び、てこ・ぴかりの心がより近づいていく嬉しさを我が事のように感じさせてくれた。 全体に、作画レベルが高く、可愛い・キレイなキャラクター達を眺めているだけでも癒やされるアニメだった。 9話「消せない思い出のコト」での、携帯のメモリー一杯になった写真データをカードに移すことは抵抗あるが、プレゼントされた(これ自体が大きな思い出 となる)デジタルフォトスタンドで見るのはイヤじゃない、という、驚くぐらいに繊細な、分からない人間にはもうまるっきり理解できないだろう心の有り様を 描き出す物語に、ビックリ。 これだけの内容で、深い感動さえ生み出してしまう語りの技術、いや感性は、凄い! 怒濤のドラマなどなくとも、淡々とした日常から幸せを紡ぎ出すことは出来る。 来週はもう続きが見られないことを寂しく思いつつ、第二期開幕を待ちたい。 『甘々と稲妻』最終12話.「あいじょーたっぷりお好み焼き」 教師と女子高生の関係とか、亡き妻と生徒母の重ね合いとか、もうちょっとドラマな内容になるかと予想していたが、癒やし系・食べ物美味しい系ジャンルを貫いて終わった。 小鳥母は学校制服の似合う(笑)美人であり、登場が早ければ何らか関係が進むこともあったのか……いや、公平はそういうことにマメそうじゃない雰囲気。 つむぎが懐いているし、まだしも小鳥の方が家族に加える対象となりそう、しかしこの辺も一話目からほぼ進展していない。 熱を出して倒れた父親のため、つむぎが勇気を振り絞って小鳥の店へと向かうエピソード。 客観的には大したことのない事件だけど、個人的感情移入の激しさから手に汗握り、ようやく小鳥に迎え入れられると安堵の余り落涙する騒ぎ。 父娘の関係は、(つむぎが良い子過ぎる所はあるが)細やかに描けていたと思う。 肝心の料理。 作画的には「まずまず」といったレベルに留まり、画面の説得力でこちらの味覚を刺激するところまで行かず。 その代わり、つむぎのため・彼女を喜ばせるべく頑張った公平や小鳥のため、「これが美味しい料理であって欲しい」と視聴者に期待させる物語の構成は良く出来ており、埋め合わせるに十分。 登場する料理を食べたくなってしまったこと、多々。 ところで「甘々と稲妻」ってタイトル、どういう意味だったのかな? 作者は答えていないようなので勝手に想像する。 甘々はつむぎの甘えっぷりと、彼女に甘々なお父さんを表すのか。 稲妻が……稲(大事な食べ物を実らせる、形作る)妻(亡き奥さん、更には現在そういうポジションに居る女性)といった意味……いや分からないな。 負担無く見られる、楽しい作品だった。 |
2016年09月26日 月曜日 |
『NEW GAME!』最終12話.「ひとつ夢が叶いました!」 ゲーム業界の内幕を抉る……というより、部活ノリで女性達(「少女達」って印象さえ)の関係を明るく楽しく描いたアニメ。 ヒドい挫折など無く、イヤな上司や同僚も居ない上、頑張ったことを正しく認めてくれる理想的職場で、何というか悪い意味でない「ファンタジー」。 年若い視聴者には就職への希望や夢を、社会人には癒やしを与えてくれる内容。 実はキャラ全員、結構厳しく働いているんだけど、そう見せない、泊まり込みさえワクワクの部活合宿に思わせる作風。 安定して高い作画で、女性達がみんな可愛く描けていたのはポイント高い。 ヒロインの友人・ねねのデバッグアルバイト話が印象的。 「ダメダメに見えるけれど、周囲に認められるだけの才能があり努力もしている」という、普通なら主人公にさえなれそうな資質を備えて。 上司・うみことの関係も楽しく、また何らかの形で会社に関わってくるのだろうか。 チラチラと色気のある描写がなされており、ソフト売り上げも見込めそうに思うので、第二期って話もアリかな。 『Re:ゼロから始める異世界生活』最終25話.「ただそれだけの物語」 怠惰・ペテルギウスは、アニメ史上でも希に見るぐらい強烈なキャラクターだった。 言動も行動も全部異常ながら、狂った価値観では一貫しており、恐ろしく強く、しかもしぶとく死なない。 イヤ〜な奴だけど、退場を勿体なく思ってしまうぐらいの存在感。 他の魔女教司教も、こんな凄い・ウザいキャラに出来てるんだろうか。 白鯨討伐戦、決着が付いたと思わせて……の絶望感は凄かったな。 最後のイベントになる爆薬騒ぎ、もうちょっとこう、危機感を煽る内容であって欲しかった気が。 魔法などによる遠隔通話さえ出来れば、エミリアでもパックでも、そう難しくなく対応できた事態に思えて。 いや、それが出来なかったから必死で走ったんだろうけど。 時間巻き戻し・失敗知識を踏まえてのやり直しという反則技な便利能力を設定しながら、「嫌になるぐらいシンドイ」思いを視聴者にさせてしまう、厳しすぎる状況や敵を設けたのが勝因。 怠惰関係の、何度も絶望に突き落とされる辛さといったら、ちょっと例を見ないほど。 そのため、勝利・ストーリー進行によるセーブポイントの更新にカタルシスがあり、事態の打開法は必ずしも意表を突いたアイディアを感じさせるばかりではないのだけれど、気にならないよう見る者を上手く物語に乗せていた。 登場からしばらく、エミリアは問題なく魅力あるヒロインだったと思うが、レムの参戦・偏重と言えるほどの描き込みにより、サブキャラ並の立ち位置に。 制作者、レムを愛しすぎてないかなあ、感情の動きや健気さなどこんなにも描き込まれたら、そりゃ好かれて当然、描き方がまだ薄い(しばらくロクに姿さえ見せないし)エミリアが色あせてしまうのも必然。 キャラに魅力を付加するのはもちろん良いことなんだけど、度を超してしまうと、メインヒロインが邪魔者にも感じられ、そんなヒロインを追いかける主人公の説得力低下にもつながりかねない。 いや、自分もレムが好きだし、これだけ愛らしいキャラを生み出せただけで作品の存在価値はあったとさえ言える訳で、難しい所なんだけど。 今後エミリアに焦点が当たった際、レム並の彫り込みをしてくれれば、好感度逆転もあり得るかな。 頑張った作画、面白く出来ているアクション、個性的登場人物で、最後まで楽しく見せてくれたアニメ。 死亡フラグが立ちまくっていた老執事が生き残ってくれて、嬉しい。 王位争奪戦に決着がついてないし、主人公にどうしてこんな能力を持たせたのか魔女の狙いも不明確、「能力値の凄さ」を謳いながら活躍の弱いパックや超戦士ラインハルトにも不満が残り、それら全て、第二期への期待に変えたい。 |
2016年09月18日 日曜日 |
『ヘボット!』01.「ヘボッとうまれて屁・ボーン!」 アニメオリジナル企画。 タイトルから「ヘボいロボット」ぐらいのギャグアニメかと予想したが、冒頭からもう下ネタ・下品ネタ連発。 それで笑わせてくれさえすれば良いんだけど、制作者の暴走を感じるばかりで意味がよく分からず(冒頭はまあ意図的なものにしても)、引き気味の視聴。 日曜早朝という時間帯から、こういうネタが好きな子供向けの作品なのかと思うが、オヤジギャグ的な「昭和」演出も見受けられるし、うーん。 下ネタに混ぜてエロネタを強化し、深夜枠で放送するなら、物好きオタク層は食いついたかも。 玩具展開前提のアニメだろうに親御さんが呆れそうな内容で、大丈夫なのかな…… |
2016年09月09日 金曜日 |
衛星で放送された映画『テケテケ』『テケテケ2』を見る。 『ノロイ』が面白く、『ある優しき殺人者の記録』の馬鹿パワフルさも楽しくは見たけれど異常者の行動動機を肯定するような内容に複雑な鑑賞後感を残し、未見ながら評判の良い『貞子vs伽椰子』を手がけた、白石 晃士監督作品。 テケテケって、映画『学校の怪談』に登場したサルみたいなオモシロ姿しか印象になかったが、「上半身だけ・腕の力のみで追いかけてくる人間型妖怪…幽霊」という設定なのね。 この造形が作品の見所になるはず、でも、何しろ低予算映画なので、安っぽいというか何だかよく分からない。 駆け寄ってきて、ターゲット女性をスパッと真っ二つにする芸風しかないせいか、怖さの演出も弱い。 最初の映画、主演が大島優子だということに驚く。 こんなホラーに出てたんだなあ、いやその前に『伝染歌』なんて秋元康原作の駄作ホラー(耐えきれず途中までしか見てない)に出演してたか。 少女達が襲われる理由付けは弱く、かといって理不尽な目に遭う恐怖を目指している訳でもない、中途半端なストーリー。 『2』の方で描かれた、陰湿な学校イジメの方がよっぽどコワイ。 テケテケの設定を物語の必要に応じてフラフラ変えてしまう適当さに、笑う。 見るのがイヤになるようなダルさや不快感はないので、なんとなく流して見るには向くだろうか。 |
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