ときどき日記 2017/10-12

2017年11月28日 火曜日
『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-/-勇者の章-』勇者の章01.「華やかな日々」

 「鷲尾須美の章」が過去、そこから前作アニメである「結城友奈」を経て、「勇者の章」に続くのね。
 肉体的機能が欠損していく満開後のデメリットを知っているので、「鷲尾須美の章」クライマックスはキツかった。
ヒロイン二人は裂帛の気合いで戦いへと臨もうとしているのに、その結果を知っている視聴者は盛り上がるどころか「やめて〜それ以上満開するな〜!」と思っている、不思議な状況。
 

2017年11月25日 土曜日
『いつだって僕らの恋は10センチだった。』01.「春、初恋、桜色。」

 この時期に放送開始って、かなり変則的な。
全6話みたいだから、他アニメが一クールの半ばを迎えている時点で始めれば、終わるタイミングは揃えられるのか。
 「HoneyWorksによる「告白予行練習」「初恋の絵本」「ヤキモチの答え」を中心とした楽曲シリーズ・プロジェクト」であり「HoneyWorksはニコニコ動画にてVOCALOIDを使ったオリジナル曲を発表しているユニット」らしい(Wikipedia)。
映画『ずっと前から好きでした。〜告白実行委員会〜』『好きになるその瞬間を。〜告白実行委員会〜』に続く映像化作品、両作未見。

 ごくスタンダードな青春物。
メインとなる男女に特異な設定を付けることなく、映研・美術部といったお馴染みの部活を中心にする物語は分かり易い。
友人関係にも問題などなく、ほとんどストレスを感じず見ていられる。
 作画は整っており、ヒロイン・その周りの少女達も可愛い。
 描かれるキャラ達と同じ高校生辺りを対象年齢としているのだろう、素直な作りは決して悪くないけれど、ヒネた視聴者にとって物足りないのも確か。
対象の絞り込みとしては、ジジイに喜んで見られるようじゃ失敗と言っても良いのかな。

2017年11月21日 火曜日
『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』07.「歴史のある国」

 今シリーズでは初めて、キノの師匠が登場する話。
相棒…同行者?男性を拘束された師匠が、国家警察相手に大暴れする。
 本気になると恐ろしい厄介な師匠に手を出すな、ぐらいの内容で、もう一つピンと来なかったけど……
 ああ、権力と人数を笠に着る小悪党では、何も背負わず向かってくる格の違う「大悪党」に勝てない、ということなのね。
 師匠は面倒に対処しただけで、後の人達のために国を正そうとかは考えていないと思う。
キノが「迷惑な国」において示した行動と同じく、降りかかる火の粉を払っただけ、だろう。
 ただそれだけのことにも、人は意味を求めてしまう。
彼女は「正義」であり、自らの身を危険にさらしてまで国を正しい姿に導いたのだ、と
当時「悪」側に身を置いていた男が、老人となり、それを他人事のように語っていて可笑しい。
 優しく受け取れば「人は切っ掛けさえあれば正道に戻れる」ということにも思えるけれど、「正しさなんてその時々で変わる、人は誰でも自分がその正しい方に居たと考えたい」とも。

 師匠達が立てこもったのは時計塔。
その通り、時を味方に付けて、悪徳警察の態度変化を待った。
大きな時の流れまで見据えていたとしたなら、自分達の評価がいずれ変化することまで分かって……?
 しかし師匠。
警察にバズーカや大砲、戦車などがあれば、砲撃で塔ごと葬られていた恐れもあるような。
相手の戦力を正確に把握しての行動かな、あるいは飛来する砲弾も狙撃できるぐらい超絶の腕前を備えているとか。

2017年11月17日 金曜日
『クジラの子らは砂上に歌う』06.「明日、人を殺してしまうかもしれない」

 帝国による、泥クジラ住民への無差別虐殺は、サミの余りに呆気ない最期を含み、なかなかトラウマ物の悲惨さ。
アニメでは『エヴァンゲリオン』劇場版での、戦略自衛隊によるネルフ突入・職員殺戮シーンを思い出す(関係ないけど、ネルフは一応公的組織なのだし、あれはゲンドウを解任するか遠距離出 張を命じ、その間の代理司令をゼーレか国連が任命、ネルフ上層部メンバーも多少の時間を掛けて降格したり転勤させ、忠実な部下に乗っ取らせれば何も皆殺しにしな くて済んだような)。
 そこから、泥クジラ決死の逆襲、あるいは全力逃亡が始まるかと思えば、彼らの出自に絡む理由により首脳部老人達は集団自決を決定。
それに異を唱える者は、容赦なく排除。
 驚くダークな展開。
このまま希望無く進行するのか、と思えば……

 意外、首脳部は一枚岩でなく、スオウを中心とした新体制が発足、使い物になるかはともかく再侵攻に対する反撃訓練も始まる。
呑気な……と思えるお祭り騒ぎ?まで行われ、しかしそれは悲惨な死に方をした仲間達を送る儀式であり、皆の心に一区切りがつく。
 こう来るとは思わなかった。
「泥クジラ内部での殺し合い」「自決に賛成な者、あくまで戦い抜こう(逃げよう)とする者の二派に別れ、主人公らは、大勢の命と共に沈む泥クジラを後にする」といった暗い流れが続くものだとばかり。
 可愛らしいスオウの怒り、感情が表れ始めるリコス、頼れるオウニ、戦力としては確かだろうが人間的信用が不確定なシュアンと、キャラクターの個性が彫り込まれ、楽しい。
 戦闘訓練を受けているのだろう帝国兵に対し、おままごと程度に戦い方を覚えたばかりの主人公勢。
普通なら相手にもならないはずで、もう、敵船内突入組に賭けるしか。

2017年11月13日 月曜日
『干物妹!うまるちゃんR』06.「うまると夢」

 既に高慢でも、うまるライバル気取りポジションでもなくなっているシルフィン。
そうなると、果てしなく純粋で素直で世間知らずの可愛いだけキャラになってしまい、ちょっと弱いんじゃなかろうか。
弱いからどうなの、というと、もう凄く好き。
 エンディングのプラプラダンスなど、胸がキュンとする感じ。
 今回、母親も無駄に若く(声からして17歳ぐらいか)可愛いのが明らかになり、そういう点でもポイント高い。

 今期は、うまるについてもダメダメな面が余りクローズアップされず、普通に良く出来た女の子に見えがちなのが不満と言えば不満。
メインの少女四人組が仲良くなって、微妙な緊張や距離感も失われているし。
 結果としてストレス無く、癒やし効果の高いアニメになっており、それはそれで問題ないとも思えるが。

2017年11月12日 日曜日
『宝石の国』06.「初陣」

 フォス、巨大ウェントリコススに取り込まれた際、てっきり「新たな特性を敵から逆に取り込んでパワーアップ復活、宝石側主力になる」ものかと。
割と迷惑なだけで終わっており、驚く。
 ウェントリコススに騙され、月人に連れ去られそうになった折は、「月人本拠でその秘密へと迫り、地上に帰還した時には強化されていて…」とか思ったけど、両足を失っただけで月までも行かず。
 どうにも、危機迫る状況設定で、全く戦えない少女がヒロインになっていると、「いつか必ず強くなるはず」という「少年ジャンプ」的思考から抜け出せなくて。
 そういう作品じゃないんだな、とようやく思い始めた最近、フォスはアドミラビリス族から提供された貝殻?を失った足の代わりに生成し、驚くべきスピードを会得。
おお!やっぱりこうなるんだ!ここから彼女の『ワンピース』サンジばり足技アクションが炸裂するんだな!などという安易な予想はまた外れ、月人襲撃を前に何も出来ずタダ呆然としているだけ。
 毎度、意表を突かれるというか、バトルが重要な要素となる作品でありながら、しかし強敵登場に伴い果てなく戦力を上げていくヒロインの大活躍ストーリーにするつもりは無いんだな、と今頃思い知る。

 宝石人。
不思議な誕生理由を持ち、遙かな長寿であり性別がないどころか人間的な「命」「死」とさえ縁がなく、種族全体の社会システムもまだ不明確。
 キレイな外見をしながら、理解が難しい生物。
 それでも、さして違和感なく見られるのは、「そういう存在」としての描き方にブレがないから。
壊れたフォスを前に皆が嘆き悲しむとか、人間ならば当然そうするだろう、という常識的方向に流れてしまったら、世界観との間にズレが生じたと思うが、見たところそういうシーンは一切無く、徹底している。
 キャラクター・バトル・物語、全てに作者独自の感性が強く感じられ、面白い。

2017年11月11日 土曜日
 衛星で放送された映画『キャビン・フィーバー リブート』を見る。
 『ホステル』のイーライ・ロスが監督した2003年映画(未見)を、自身の製作総指揮でリメイクした作品。
 タイトルの通り山奥のキャビンが舞台となり、そこに遊びに来た若い男女グループが病原菌の感染とか地元の野郎共によって酷い目に遭う、グロホラーバカ映画。

 メインになる男女五人が、とにかく考え無しで人らしい心に欠けており、とてもじゃないが感情移入は無理。
銃の試し撃ちでうっかり他人を撃っちゃう、助けを求めるその相手を気味悪がって閉め出し、病原菌にやられた女友達をアッサリ離れに隔離放置、皆を見捨てて自分だけ助かろうとする勝手な行動続々、いや酷いヒドイ。
 なので、彼ら彼女らが死んでも「まあ因果応報」としか。
 死に様……手足だけ残して野犬に喰われちゃうのは、悲劇というかギャグっぽい。
 病原菌の進行に苦しみ、「殺して楽にして」という女性に応え、男が、弾の出なくなった銃に換えてシャベルで首を落とそうとするのも何だけど、一撃では致 命傷を与えられず、早くトドメをと求める女性に「もうこれ以上キミを直接苦しませることは出来ない!」とばかり、彼女に油を掛けて火を付け、上がる絶叫を 後にして立ち去る男の限界を超えたヒドさには、ちょっと笑ってしまう。
 意味ありげだけど実は考えてなさそうなラスト。
今後のパンデミックを示唆する、オリジナルがそうだったらしい終わり方で良かったような。
 キワモノ好き暇人だけが見る映画。

2017年11月10日 金曜日
『魔法使いの嫁』05.「Love conquers all.」

 異様な姿をしながらも穏やかなエリアス、人身売買は……そう見せて智世自らが望んだものであり結果として良い形に落ち着き、敵対するような者達もそうとは限らず、このまま平和な内容でシリーズを最後まで進めるのでは、と油断していた。
 猫惨殺、液状化して飛び散る妻、男の喉笛を食い破る猫。
なかなかショッキングなシーンの連続。
 悲劇を起こした元凶のカルタフィルスは、しかし、他者を苦しめて楽しんでいるというより、人間的な感情が理解できていないようにも見える。
それは、もしかしてエリアスにも通じる、人外のモノとしての特質?

 どう考えても悲劇で終わるしかなさそうな今回の事件を、悲しくも満たされる最後に導いたストーリーラインに感心、というかちょっと泣けた。
病弱で恐らくは余命長くなかったろう奥さんを深く愛する限り、元々単純なハッピーエンドは有り得ず、その中では比較的救いのある終わり方だったろう。
 そうさせたのは智世の力。
「運命」に流されようとせず、往生際悪くもがき続ける人間だったから出来たことで、奥さんを愛する余り騙され間違った方向へ走ってしまったダンナさんの人らしさと、あるいは同等のものだったかも知れない。

2017年11月06日 月曜日
『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』05.「嘘つき達の国」

 クーデターにおいて国王一家を殺害した「救国の英雄」でありながら、そうとは知らず国王の娘を愛し、自ら殺してしまったことで精神に障害を来し、二度と会えるはずのないその女性を「旅に出た」と思い込んで、ひたすら帰りを待ち続けている男。
彼を追い詰めるまいと、話を合わせて優しく見守る国の人々。
雇われ、献身的に彼を世話する女性。
 国の関係者全てがウソをついており、それぞれが真相の全貌を知らないが故に、不思議な均衡を保っている。
 この作品らしい、見終わって深く考え込まされる内容で、大変に面白かった。

 結局、異常になったかに見せた英雄の男だけが、全体を把握していたのかな。
ラストで、キノに対し何事か話しに行く男を残し、妙に晴れ晴れと帰って行く王女もまた、男のウソを知っていて、知らないフリで通していたのかも知れないが(男と違い、キノにさえ本当のことを話さない、女性らしい一枚上の嘘つきだったとか)。
 国王は、王女やスパイの情報を通し、クーデター計画を知っていた。
ならば防ぐことも出来たろうに、そうしなかった……それは、「もう面倒だから死んだことにして隣の国へ逃げ、持ち出した国家資産により家族でノンビリ暮ら したい」という平和思考からかもしれないし、「この機会に不満分子を残らずあぶり出し、いずれまとめて粛正、その後、国に戻って更に強固な政治体制を築 く」のが目的なのかも。
 後者だとすると、国民やクーデター仲間を救うには国王一家の生存を知らせねばならず、するとスパイの友人や王女の命まで危険にさらすことになる。
 どちらを選択するか、決断できかねるだろう男としては、「自分は異常者なので何も知らず何も分からず、何も判断しない」というウソの演技を続けるしかない。

 ウソばかりの中で、「いつまでも王女の帰りを待ち続ける男」「彼のため危険を冒して戻り、ただ側に居る王女」ここには確かに真実の愛情が存在しており、それだけで二人は幸せなのだろう。
 何十年も対外的に結婚生活を維持しながら、しかし互いの気持ちは離れて冷え切っている夫婦と彼らでは、どちらが幸福で、どちらがよりウソツキなのかな。


『いぬやしき』04.「鮫島」

 極悪異常ヤクザを相手取り、壱郎の怒りが爆発する。
 被害男性に警察へ駆け込まれたり、マスコミに露見したら大騒ぎとなり、今や「恐れるモノなんぞあるかい!」とばかり突っ走っても居られまい暴力団としては、相手にヤミの借金があるとか因縁が付いている訳でもない一般人を無茶な暴行の対象には、なかなかしないような。
損得で考えるに「余計なことはするな」って感じで。
 ご意見無用・やりたい放題の非道集団として描くなら、目を潰すぐらいで済まさず、殺した方が後腐れなさそう。
壱郎に殺人をさせるのも、まあ、ナニだけど。
 極悪組織で、失明し暴力人間としては役立たずになったかつての幹部のため、誰とも分からない相手を探し出して復讐する部下が居るとは思えず(その前に、勢力争いで弱体化した組ごと無くなりそう)、これで十分なのか。

 もう一人の改造兵器人間・獅子神 皓の方が、ヤクザより恐ろしい。
一家皆殺しの際、父親と入浴中の幼い男の子はどうするのか……と思ったら、「息子を庇おうと覆い被さった姿勢のまま殺された、父親の体重で湯に沈められ、溺れ死ぬ」という、獅子神に一撃で殺されるよりもっとコワイ片付け方するのに、感心しつつゾワッと。
よく考えたなあ、こんな事。
 そういう心の無さと、引きこもりの友達を救いたいという気持ちを一人の人間に同居させる造形が、凄い。
 奥先生の作品は、心が冷えるような醜さ・汚さ・冷たさと、理想論過ぎるぐらいの美しさ・優しさ・温かさを同時に描くのが、特徴的。
そして、絶対……でもないけれど、後者に優位性を持たせがちなのは、作者の人間性ってものなんだろうな。

2017年11月05日 日曜日
 衛星で放送された映画『ミッドナイト・スペシャル』を見る。
 SFの秀作、という売り文句に期待していたが、うーん、ネタバレ……『E.T.』というか『未知との遭遇』『スターマン』『ウィッチマウンテン』『ノウイング』等々、余りにもありふれた「約束の地点まで辿り着け」パターン。
さして特異な部分も無く、よくあるヤツね、としか言い様がない。
 唯一の女性キャラとしてキルスティン・ダンストが出演。
当時33歳ぐらい?のはずだけど、何だか50歳ぐらいに見えて、老けたなあと感慨。
 アダム・ドライバーとかサム・シェパード(遺作?)も、大した役柄ではないが姿を見せており、ちょっと嬉しい。

2017年11月03日 金曜日
『Infini-T Force』06.「INFINI-T FORCE」

 敵キャラ、ベル・リン。
CGとしてのモデルも美しく作れているけれど、それより、モーションアクターが取る体の動きや、ちょっとした指先の仕草などで凄く色っぽさを出しているのに感心。
こんなに、ドキッとさせられるほど艶めかしいCGキャラには、覚えがないぐらい。
 ただ無用にそう作った訳でなく、優秀な遺伝子による生殖という彼女の目的とも合致しているし。
 ラジャ・カーン。
父親により異形の姿に改造された、というキャシャーンと通じる設定を持ち、互いに彫り込むのに有用なキャラだったと思うのに、まだ登場はするのだろうが、メイン話、終わり?
ちょっと急ぎすぎた扱いで、彼の世界や父親の存在、姿を変えられるに到る経緯や葛藤など非常に弱く感じられ、惜しい。

 都市を襲う隕石にヒーロー達全員で立ち向かった際、強力な攻撃方法を持つ他の面々はともかく、ガッチャマン・健だけはゴッドフェニックスもないことから無力……と思えば、竜巻ファイターで破片の軌道を海へと変えてみせる。
ああ!そういえばこんなワザもあったんだっけ!単身での使用は例外的だろうが。
いや、この作品での『ガッチャマン』世界にメンバーが五人居るのかどうか不明、もしかして彼一人で戦っているのかも。
 健が用いる武具の補給、どうなってるのかなあ?
 彼の攻撃力はここまでが限界、と思ったけど、『F』までアリだとするなら、Gフェンサーで巨大な敵をバッサバッサ切り捨てる無双発揮も可能か。

 ペガス内でのテックセッター・シーン。
オリジナルより遙かに痛そうで、こんなにまでして変身せにゃならんもんかと。
 キャシャーンの、体の輪郭内で白い光?がクルクル回っての変身とか、もっと凝った表現が今ならいくらでも可能だろうに、そうしない忠実さがちょっと嬉しい。
超破壊光線なんて設定、忘れてたなあ。
 誰しも予想した通り、敵の黒幕はヒロイン父。
何のために?は、まだ分からないけれど……『エヴァ』ゲンドウのようにヨメさんを蘇らせたいとか。

2017年10月29日 日曜日
『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-/-勇者の章-』04.「たましい」

 先週は、のんびりした小ネタ集のような話だった。
 武士道に生きるとか古式ゆかしい生き方を貫くヒロインはさして珍しくないが、鷲尾 須美のように、軍国主義……護国思想?近代戦争時の価値観を持つ少女キャラって、希有なような。
そうなっておかしくない、そうあるべき?『艦これ』にさえ居ないタイプじゃなかろうか(艦娘達がこんなこと言い出しちゃキツいけども)。
 須美、その考え方を自他に四六時中強いる、というほど徹底している訳でなく、フツーの女子である面も多い中途半端さが、可笑しい。

 今週も冒頭の方は楽しい遠足の様子が描かれ、このアニメはどちらかと言うと日常の方に重きを置いて、ハードな展開などせず終わっていくのかな……と油断していたところに、突然の衝撃。
 こうくるとは!
苦戦しながらも3人で力を合わせてどうにか撃退に成功した、という風になると思っていたのに、突き放されたようなラスト。
 敵が噴き出す無数の針・槍のようなもので全身を切り裂かれ貫かれ、力を入れるたび傷跡から血が噴き出し、体中を真っ赤に染めながら戦い抜く、銀の壮絶なバトル。
 アドレナリン噴出中なのだろう、とはいえ、片腕を失いつつの戦いは想像を絶する痛みのはず。
それでも戦い抜き、勝利……相打ちか、を納めた銀は、凄い。
 自分だったら、倒れたままの二人に対し、四肢を失ったり出血多量で行動不能になるほどのダメージを受けたわけでもないくせに、休んでんじゃねーよコラ!と恨み言のひとつも言いたくなるところ。
恐らく銀はそんなことなどチラとも考えず、戦っていたのだろうが。
 見る側にまで痛みが伝わるような渾身の演出と作画で、圧倒された。

 まだ死亡には至っていなかった、という可能性はあるのかな?
仮に命は取り留めたとしても、全身へ残るダメージ、片腕を失ったことから、戦線への復帰は相当に難しくあろうが。
『どろろ』百鬼丸のように、片腕に刀を仕込めば……そこまで非道な風に大人が描かれる作品じゃないけど。
 幼い弟に愛情を注ぎ、お嫁さんになりたいという銀のあまりにも平凡すぎる夢が、こうなると切ない。
 残った須美・園子の二人だけで戦いを継続するのは厳しすぎると思え、また新たな選出者を参戦させるのか、それともやはり何らかの形で銀の復活があり得るのか。
 友人の命が失われたことを経て、心神の喪失を恐れない・構っていられない気持ちから、あの恐ろしい代償が伴うパワーアップ・フォームへ到る?

2017年10月22日 日曜日
『キノの旅 -the Beautiful World-the Animated Series』03.「迷惑な国」

 毎度、色々なことを考えさせてくれるシリーズで、嬉しい。
 今回は、価値観……正義?への揺さぶり、といった内容。
 恐ろしく進んだ科学力を有しながら、全く傲慢な様子を見せず、正体不明の旅人・キノにも親切な巨大移動国家。
国内に歪みは見当たらず、子供たちも大事に育てている。
 この行く手を阻む(自国を守るための)壁を築いた国家に接近したことから、事変が始まる。
 壁国家が備える軍事力では移動国に全く歯が立たず。
しかし、同程度の文明しか持たない相手に対するには、十分すぎるぐらいの戦力を保持している。
「ためらわず砲撃を加える」選択から、平和的解決優先では有り得ない、軍事国家なのだろう。
その攻撃が相手にはまるで通用しなかった、ということをもって、可哀想だと考えるのは正しいのかどうか……

 容赦なく壁を崩し、避難を拒む壁国家の老女家や畑を踏みつぶして進む移動国家は、非道に見える。
 どこを撃とうと効果は変わらないと思うのに、子供たちの絵を標的にする壁国家はイジワル(分かり易いので目標ポイントにしただけだろうが)。
 反撃・殲滅できる戦力がありながら、無用な死人を出すまいとこらえる移動国家は、まあ人道的……かな。
 大きな被害を出した壁国家はやっぱり可哀想、と思わせて、「壁でふさいだ自国内を通る人間からひどく高額な通行料を取り立てている」という情報からは、悪辣な国家の側面を窺わせる。
 どちらが良くて、どちらが悪かったのか、判断が非常に難しい、というか、端からは判断出来ない事案。

 キノも酷いなあ、ミサイル攻撃が移動国家に通用しないのを知った上で、(子供たちの絵が可哀想とはいえ)壁国家の誘導機を狙撃して壊すなんて。
移動国家への世話になった恩義(あんまりそういうこと気にしないキャラだけど)と、法外な通行料を取ろうとする壁国家への仕返し……なのか。
 もしかして、この後「戦力不足のため国土が蹂躙された。国を守るためもっともっと軍備増強が必要だ」と考え、国民への増税と共に通行料も更にアップしかねない壁国家に対し、「銃一丁でも戦況は変えられる」と示したかったのかな。
実際、キノが壁国家に味方していた場合、壁を壊した移動国レーザーが途切れた瞬間にそのレンズを狙撃し攻撃力を奪う、といった反撃も可能だったろうから。
 キノが、そんなことを教えて上げるほど親切かどうかは、まあ分からないけれど。

2017年10月21日 土曜日
『少女終末旅行』03.「遭遇」「都市」「街灯」

 特に大きな事は起きないが、ヒロイン達が旅をしながら、少しずつ世界の輪郭を伝えてくれる。
 こんなにも人間が少なくなってしまったのは、やはり戦争を原因としている?
核や細菌など、一気に多くを殺す兵器が用いられたのか(動植物は絶滅済みのようだし)。
 多層構造になっている都市は、「現在」とは断絶するぐらい古い文明によって築かれたらしい。
その太古文明が滅んだ際に人類のほとんどが死滅しており、数億、数千万、数万人……ぐらいしか、もう世界に人間は居ないのかも。

 地図を作り続ける男が登場し、驚く。
てっきり、この作品には少女二人だけしか登場しない、あるいは出てきても同じく少女だろうと思い込んでいたので。
 男は、さ迷い続ける少女達と違い、地図作りの「仕事・使命」を持っている。
それはチトの書く日記と同程度の意味しか持たないものかも知れないが、ある程度は他者に見せることを前提とし、利用価値もある、という所が、まあ「男」らしいというか何というか。
 食料や車両を狙って男がチトらに牙をむく……なんて、イヤな展開を迎えず安心。
 割とすぐ警戒心を解くチトに対し、銃を構え続けるユーリは対照的。
ユーリ、人を撃ったことがあるのかも。
食料を一人で食べ、大事な日記を燃やしてしまうのは、(無意識に?)チトが信用できる・自分を殺そうとしない人間であることを確認し続けているのかも知れないなあ。

2017年10月17日 火曜日
『いぬやしき』01.「犬屋敷壱郎」

 原作漫画未読。
 タイトルと、爺ちゃんが表紙の単行本から、どんな内容なのかな?とは思っていた。
 不遇な人生を送る老人……といっても58歳、が、死の運命を前に、これまでを振り返り、夢をやり遂げるのに急ぎ、家族との絆を結び直す、重い大人向けド ラマ(劇中で歌われたように『生きる』)、なんて内容を奥先生が素直に描くとは思えず見ていると、やっぱり宇宙人とか人体改造とかSF展開。
 体力もない老人が無敵の存在になる、という意味では、大友克洋『老人Z』を思い出す。

 ホームレス狩りをする少年の群れは、ちょっと古いイメージ?でもまあ、ヤンキーに襲われるよりリアルか。
 反撃手段、レーザーで殺害するモノとばかり。
割と回りくどい手……主人公にこういう知識があったかどうかは疑問なんだけど、宇宙人兵器にはこんな攻撃方法も入っていた?
 アニメとは関係なく、イジメられている生徒は、こうやれば戦える、というか相打ちぐらいには出来ると考えたこと、あるなあ。
イジメ現場を第三者に(あるいは設置しておいたスマホなどで)撮影してもらい、犯人の名前や住所、電話番号から親の勤め先まで添えてネットにアップロードする。
これで犯人はネット上から一生消せない、重い十字架を背負い、進学・就職・結婚などの際にも恐ろしく不利。
ネット上の「正義」には、公の少年法のような容赦など一切なく、「遊びでイジメてた」代償としては、とても割に合わないだろう。
 ここから逃げ出すには、名前を変え、遠くへ転校して過去を捨て、やり直すしかない。
しかし、慣れぬ転校先では自身がイジメのターゲットになる恐れもあり……まあとにかく、こんな目に遭わないようにするのが賢い(マトモな)人間の選択。

 話を戻して。
 主人公と一緒に居た若者も、同様に改造された?
何か事情を知ってるみたいだけど、狙いがあってあの場所に居合わせたのか。
普通なら、世界征服・人類抹消などの凶悪な目的を持っており、主人公は彼と敵対することになるのだろうが、奥先生の漫画だからなあ、そんな、自分でも考えられるような内容になるかどうか。
 3DCGを使用した画面はクオリティーが高く、違和感ない。
原作漫画もCGを多用しているため、親和性は高いのかな。
 期待して見続けたい。

2017年10月16日 月曜日
『ROBOMASTERS THE ANIMATED SERIES』01.

 WOWOWで放送が始まった、日中合作のアニメシリーズ。
中国側製作は、お馴染みハオライナーズではなく、DJIというドローンの会社らしい。
 だからか、手作りの小型ロボット競技を扱う作品なのに、第一話ではドローンに大きくスポットが当てられている。
 ドローン描写にはリアリティーがあり、直接ロボットバトルに参戦したりはしないし、何でも出来るスーパーメカにも描いていない。
サポートに徹するのが、上手いなあ。

 ロボット競技部の部長が強烈な、イヤな男で、物語を取り回す役割として便利。
 的確なドローン操作と行動指示で競技に対する能力を感じさせる主人公、バランスを取るマトモなヒロイン、と、キャラクター配置は無難。
 日本人スタッフがほとんどを占めるせいなのか、作画は整っているし、意外と良く出来ている。
『アトム ザ・ビギニング』もこんな感じで始める手があったんじゃないかな、登場するドローンや車両ロボからアトム開発に到るには相当な年月が必要っぽいけども。
 題材から、先が凄く楽しみだって程じゃないが、しばらく様子見して良いかな、ぐらいには思わせる第一話……全六話らしい。


『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』01.「やっ、そんなに広げないで下さい…」

 原作漫画未読。
 タイトルの「しょびっち」って何だろう?全然分からなくて考えてしまった。
原作では『僕の彼女がマジメ過ぎる処女ビッチな件』……「処女」って付けるのに問題があったのかなあ。
 内容は、エロ馬鹿ネタ満載のギャグアニメ。
 エロネタを上手く表現するのに必要不可欠なのは、作画レベルの高さ。
これが崩れていると、「単に下品」となり最悪「汚い」にまで印象を落としてしまう。
このアニメは、うーん、正直なところ合格とは言い難い。
 詰め込まれたギャグは、ネタによって笑えたりもするのにな。
 賢くて、一生懸命な良い子で、どアホウなヒロインが可愛い。
 絵さえ良ければ見続けられた作品だと思え、残念。
機会があれば原作を読みたい。


『EVIL OR LIVE』01.「絶望のふちに立って」

 原作は漫画らしい、中国・ハオライナーズのアニメ。
ハオライナーズは、『CHEATING CRAFT』『TO BE HERO』『セントールの悩み』など割合良い出来のモノ(『TO BE HERO』以外はほぼ日本スタッフ制作だけど)と、一話以降は見なくて良いかなと思わせる大半の作品で成り立っている。
 今作は……
 必要性もなく冒頭から実写映像を持ってくるのは、どうだろう。
後に続く作画が崩れているせいもあり、スケジュールが一杯一杯なので何とかして楽をしたかった、としか。
 主人公の放り込まれるネット依存症を矯正する施設は、「暴力的な少年院」ぐらいの扱いで、面白味ゼロ。
 さっきまで自殺しようとしていた主人公が、出会った男を、どう考えても無理な流れで女と勘違いし、胸を触ったり殴られたり全然笑えない古いギャグを展開するのに疲労感。
昔の日本製ダメアニメもこんな感じではあったかな。
真面目なストーリーだろうし、痛々しい笑いなんか入れなければ良いのに。
 魅力を感じる部分が皆無で、ハオライナーズ通常営業だなあ、と思いつつ、視聴終了。

2017年10月15日 日曜日
『Wake Up, Girls!新章』01.「私たち、Wake Up Girls!でーす!」

 前テレビシリーズから三年半ほどの期間を経て、第二期(クレジットが「Wake Up, Girls!3製作委員会」になっていることからは第三期?)開幕。
 全然知らなかったけど、この間には二本の劇場版があったのね。
冒頭に入った、一度アイドル界の頂点へと上り詰め、次の年I-1clubに敗れた、という唐突な語りは、これら劇場版の内容なのかな。
 キャラ絵の雰囲気が結構変わったような。
 マネージャー、こんな性格だっけ?もっと使えなかった覚え。
未見の劇場版二作で成長を遂げたのか。
彼も社長も、しっかり業務を遂行していて良いと言えば良いんだろうが、引っかかりがなく「普通・印象に残らなくなった」とも。

 監督の交代が大きいのかなあ、山本寛から板垣伸に。
いや、内紛のドタバタにはあんまり興味がないんだけど。
せっかく『てーきゅう』監督に代わったのだから、速いテンポでの笑いや動きの面白さに期待したい。
 作画的には、驚くぐらいの崩れや必要な動きも実現できなかった前期の轍は踏まず、安心して見られる。
 歌唱シーン、3DCGを用い、アイドルアニメとして問題のない水準。
 メンバーが忘れたシュシュを取りに走り、収録に遅刻しそうになる今回のクライマックスイベント。
結局遅れないし、後に禍根を残すほどのことではなく、逆にそれが良い方に働くなんて都合良い話にもならず、「今回を盛り上げるため」以外の意味が無くて拍子抜け。
 良くも悪くも、普通のアイドルアニメになっちゃったなあ、という感じ。


『ネト充のススメ』01.「リアルは♀、ネットは♂」

 原作はcomicoの漫画らしい、未読。
 タイトルから余り期待せず、転生モノの異世界がネットゲームに置き換えられたアリガチな内容を予想。
 ああ、『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』路線。
ネット内でのアバター関係が、現実の人間関係としてごく近い範囲で成り立っている所なんて、まさに。
 主人公は、ゲーム内じゃ性別転換したアバターを操作している女性で、元は社会人、現在は引きこもってニート生活を送っている。
彼女は、アバター女性キャラが示してくれた暖かさ、彼女と冒険した楽しさに感極まって泣き出すなど、とても可愛らしい内面。

 アバターなんかどれだけでも可愛く・美しく作れる訳で、そこにはあんまり価値がないような。
ドラマ『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』には、凄い美形の男女が登場するけど、その外見を理由には好意、ましてや恋愛関係なんて生まれない。
見かけの美しさではなく内面の良さこそが問われる、『攻殻機動隊』みたく義体が一般化した(抜群のプロポーションを持つ美人の体を誰でも使用できる、自分だってなれる)社会だと人間関係はこうなるんだろうな、というような。
そうなったら、自分のような容姿ダメダメな人間にもチャンスが訪れる公平な世の中になるのだ!いや「見た目で判断しやがって」と思っていたのに実はきちんと内面で判断されていた、という、楽な誤解を打ち砕かれ絶望的真実を突きつけられる救いの余地が無い社会か?
 ラブラブな、主人公と女性キャラ(中身は男と思われる)関係を指して、「ネト充」。
ゲーム内・現実問わず、外見も整っているようだけどそれより「内面がイイ奴ら」っぽい二人なので、嫌味がなく、好意的に見ていられる。
 ほわっとした、癒やし系ストーリー。
ヒロインに重ねて、疲れたOLさんが見るにも向いてるんじゃなかろうか、ノイタミナ枠で大丈夫かも。
 肩の力を抜きつつ視聴継続。


『おにゃんこポン』01.「カワイイって最高だニャ」

 アニメオリジナル企画。
 3DCGによる女の子や不思議キャラ達はそれなりに可愛いが、うーん、なんのこっちゃ、な内容。
5分枠だし、構えて何かを描こうという企画ではないのか、とは思うけど、それにしても……
 女の子達の会話が『てさぐれ!部活もの』ぐらいに面白かったり、追い詰められたアドリブまみれだと良かったろうか。
 陽気な歌とかダンスは悪くない、でも毎週見続けるアニメではないなあ。

2017年10月14日 土曜日
『ディアホライゾン(被)』02.「禁じ手」

 スマートフォンゲームが先行するメディアミックス企画。
 うっかり、もう二話目。
しかし、それで良かったというか……前代未聞の「二話目にして総集編」という恐怖ネタが行われていたので。
5分枠とはいえ、やりたい放題だなあ。
 「一度はエンディングに入ったが、総集編だけでは時間が余るということでエンディング中断」「残り時間をインスタグラムに上げられた何ということもない実写画像と意味のない語りで埋める」、ある意味『おそ松さん』で見せられるものより掟破りなギャグを展開。
それでも、大爆笑!に繋がらないのが難しいところで。
 気合いの抜けた作画と3DCGで構成された画面。
おいおい!と突っ込ませるネタを、おいおい!としか思えない画面で展開しても、破壊力に欠ける。
大真面目に、渾身の作画でやってくれないと。
 いや、「ネタ」じゃなくて、ホントに制作状況が最悪なのかも?
 一話も見逃したくない!って程ではないけど、時々はネタをチェックしたい気持ちになる、破天荒アニメ。


『つうかあ』01.「Exhibition」

 アニメオリジナル企画。
 サイドカーでのレース……好きな人もそれは大勢居ようけど、題材としては狭いところを狙ってきたなあ。
しかし、なるほど、性格的にぶつかり合う少女二人が一台のサイドカーに乗り込み、心を一つにすることでレースへの勝利を目指していく、まあアニメ向きというか、自チーム内・敵対チームのキャラクター描写やレーシングバトルの描き方によっては面白く出来そう。

 本編。
 まずはレースを見せたい、ヒロインらの設定も紹介しておきたい、と考えるのは当然だけど、レースの最中に紛らわしく回想が挟まれるため、混乱するというかその度にテンションを落とされてしまったり。
 きちんと調べてあるのだろうし、作画にも支えられてはいるが、レースでの「サイドカーだからこそ」使える走行技法について、もうちょっと分かり易く示されると良かったかなあ。
チームのメカニックを今回は「出すだけ」に留めたり、スタートから情報過多にならないよう気を遣ってあるみたいだから、二話以降、小出しに描かれる?
 つまらなくはないけれど、引き込まれたかというと微妙。
 もう少し見てからの判断で。


『Code:Realize 〜創世の姫君〜』01.「ロンドン・スチーム」

 原作は「オトメイトより2014年11月27日に発売されたPlayStation Vita用女性向け恋愛アドベンチャーゲーム(Wikipedia)」、ということであり、いかにも女性向けなキャラクターデザインからも、一話で視聴終 了は当然だろうな、と予断しつつの鑑賞。
 意外や意外、悲劇のヒロインへの感情移入を誘い、ルパンやフランケンシュタインなど既存の架空キャラを、美形な外見・気持ちの良い性格付けで登場させる、悪くない導入。
 在り物キャラについては余りコダワリが感じられず、「名前とちょっとした設定」だけ使っている、と捉えていた方が良いかな。
 ヒロインにきちんと魅力……というか、放っておけない理由を付けてあるのが、男性視聴者にも見やすい理由。
助けて上げたい、彼女が救われる瞬間を見たい、と思わせられれば、第一話のツカミとして大成功。
 作画は端正で問題ない。
 もうちょっと様子見。

2017年10月13日 金曜日
『血界戦線 & BEYOND』01.「ライツ、カメラ、アクション!」

 原作漫画は、単行本一巻だけ既読。
 前期アニメを最初の方だけしか見ておらず、そんな状態で第二期を見ても「意味が分からない」で終わるに決まっており、無駄だろうな……と思いつつの鑑賞。
 いや、意外と見られる、というか面白い。
 知らないキャラが増えており、想像で補うような所もあるが、今回は分かり辛い話じゃなく、勢いで見られてしまう。
個人的には前期より見やすくなったような……監督交代が関係?
 絵的な不満などなく、しばらく視聴継続してみようかな、という気分に。


『干物妹!うまるちゃんR』01.「干物妹の帰還」

 原作漫画は、ちょっとだけ読んだ程度でほぼ未読。
 前シリーズは全話、楽しく視聴済み。
七歳の娘が前期を凄く気に入っていて、録画データを次々見ている……ギャグとして笑ってる分にはイイけど、「ゴロンゴロンしてコーラ飲んでポテイト食べつつテレビ見たりゲームする」ようになったら困るなあ、外面のパーフェクトうまるを目指してもらいたい。
 一話目は、ちょっと良い話集?
特に、シルフィンの性格良さが光る。
 完全完璧な外面うまるだけど、意外にも自分から話しかけて仲良くなる、ということには不慣れ。
放って置いても他者が寄ってくる環境にずっと居ては、そうなってしまうのかな。
何となく少女達四人は全員仲良しみたいな気がしていた……学校から一緒に帰ることさえ今回が初めてなのか。
 可愛く楽しくテンポ良く、画面作りは前期に引き続き好調。
 気軽に最後まで見続けよう。


『クジラの子らは砂上に歌う』01.「私たちの大事な世界の全てだった」

 原作漫画未読……漫画なんだ、てっきり小説かと。
 開幕してすぐ分かる、作画含む画面レベルの高さ。
巨大な船を島、いや泥クジラとして暮らす人々の特異な暮らしを、ぼんやりしたファンタジーでなくリアルな手触りで描き出して見せた。
そりゃあ不明点はまだ大量にある第一話だけども、目に見える範囲以外にも世界は広がっているのだろう、と感じさせてくれるのが凄い。
 ジブリ作品、『ナウシカ』なんかを思わせる雰囲気(泥クジラは「星まで行ってた船」っぽい)。
 目に見せる超能力表現も、上手いなあ。

 物語は、ボーイミーツガール。
サイミアを使いこなせない「語り部」たる少年が、剣呑だが無感情な少女と出会い、始まるストーリー。
 穏やかで平和、しかし抑圧的な泥クジラ世界に不満を抱く、体内送り罰を受けていた少年達が話を転がしていくのか。
 良質なファンタジーが始まる予感。
視聴継続。

2017年10月12日 木曜日
『妹さえいればいい。』01.「料理上手の弟と全裸の美少女と気の合う友達さえいればいい。」

 原作ライトノベル未読。
 一話目冒頭の数秒目でもう全裸に斜光処理が入るという、日本アニメ界の長い歴史でも最速の偉業?じゃなかろうか。
 朝、ベッドで眠る主人公を美少女が起こしに来て……といった萌えアニメ伝統の導入でありながら、そこから妹ディープキス、妹風呂の残り湯で洗顔、妹ブラ で顔拭き、「妹の卵とミルク」で朝食、「全裸妹が並行世界の自分から奪取した脱ぎ立てパンツ」を噛みしめて飲み込む、「妹バカ」を考え抜いてもなかなか行 き着けない極地を見せるのに、驚くやら呆れるやら心底感心するやら。
凄いなあ。
 さすがにこのままのキャラで物語は進められず、劇中劇(劇中小説)として、そこまで馬鹿キャラを作り上げられたライトノベル作者が主人公。

 現実での展開は、まあ『エロマンガ先生』。
ラノベ作者を描く作品、増えたなあ。
漫画家を中心に据え、実録的に・ファンタジーとして描く漫画は多くあり、その流れがラノベにも来た感じか。
いや、小説の方が、作者や作者が関わる周辺のことを題材として扱うことは多かった・昔からあった・そのために誕生した表現ジャンルだ、とも言えるのかな。
 たまたま読んだライトノベルから人生を変えられるほどの衝撃を与えられる、ということ、そりゃ現実にも有り得る話ではあろうけど、よく見かける気がするのは、そういう願望が作者側にある?
 一話目としてはかなり弱い作画で、残念。
 今回ラスト、バカ導入部からは想像できない真面目な終わり方をした。
ここからどういう流れに持って行くのかな。
 興味を持って、しばらく視聴継続。


『アニメガタリズ』01.「ミノア、アニメルーキー!」

 元々は「2015年から2016年までTOHOシネマズ新宿でアニメ映画の幕間に上映されていた短編アニメーション」であり、テレビシリーズは「短編アニメーションの1年前から物語が始まっている(両Wikipedia)」らしい。
この劇場には行ったことないんで、当然、前身となるシリーズは見たことないなあ。
 金髪お嬢様がアニメについて熱く語り出す所は、身に覚えがあるというか、今もこうしてやっているというか(笑)。
お嬢様はアニメにポジティブな意見を持っており、上から目線で分かったような否定的見解ばかり語る最悪の嫌われ者オタクでないのは結構……ううう胸がイタタタタ。

 崩れている訳ではないけれど、一話としては微妙な作画。
特にヒロインうろ覚えアニメの画面、「絵的なクオリティーはそう高くない上、古い処理が施されていて時代遅れ感がある作品」のように、ワザと描いていると思われる。
しかし……本編作画とそんなに差が無かったりして、ちょっと意図は伝わり辛い。
 エンディングの3DCGダンス、意外とアイドルアニメ並みに出来が良く、ビックリ。
本編をこのキャラでCGアニメとして展開しても、別に悪くないぐらい。
「遊びで作ってみた」レベルではないから、歌唱やダンスを本編中にも入れようとする計画があるのか。
 男の子が主人公ではないため、ダメなオタクだけどそのままで何故か美少女達にモテモテ、という視聴者の願望充足ラインは難しい。
 「美少女ばかり集まる部活物のアニオタバリエーション」ではない、部室の謎扉や不思議ベレー帽、喋る猫など、フツーでない設定に戸惑ったが、SFかファンタジーになるの?
部員全員で異世界に移動し、アニメを作るか、オタ知識で無双してみるとか。
 もうちょっと見ての判断で。


『魔法使いの嫁』01.「April showers bring May flowers.」

 原作漫画未読。
 『マイ・フェア・レディ』『プリティ・ウーマン』系、身分の違う男女が出会い、下層に居る者が酷い目に遭わされるか……と思えば非常に丁重に扱われ、やがて双方に恋愛感情が生まれる、といったストーリー。
 人身売買的な(実は本人の意思を尊重して売られているようだが)会場から始まる不安感は、なかなか。
 しかし、ヒロインを買っていく魔法使いにケレン味というか不気味さが足りず、「いいヤツなんだろうな」と初見から思わせてしまっては、物語に引き込む力がちょっと弱くなってしまうような。
今回ラスト、ヒロインを助けに現れる魔法使いの勇姿と「奥さんにする」宣言から、ギャップというか「おお!」という嬉しさを感じ取れないのは、この辺が原因じゃないのかなあ。
 最近じゃ、カタルシスの前提となるストレスに視聴者が耐えられないようだから、このぐらいで十分なのか。

 お話は堅実に出来ていて、悪くない。
 作画も、必要十分。
 この一話でストーリーとして、ある程度まとまっている部分があり、「早く次回が見たい!」ということでもないけれど、見続けて損は無いと思わせてくれる、真面目に作られた第一話。

2017年10月11日 水曜日
『ブレンド・S』01.「はじめてのドS」

 原作四コマ未読。
 女の子達をとても可愛く描いた上品な作画で、目に楽しい。
崩したキャラ絵は、『妖狐×僕SS(原作者の逝去を惜しむ)』をちょっと思い出す感じ。
 内容としては、『WORKING!!』『ご注文はうさぎですか?』辺りに連なる、非アルコール飲食店舗バイト物語。
 ヒロインが、ツンデレというかドSキャラを「演じて」接客する所が、作品的独自性。

 苺香は、目つきの悪さ(そうでもなく描かれていることが多いような)から、相手に誤解されやすい設定。
それを活かすべく、職場となる喫茶店が、ウェイトレスそれぞれに異なる属性を付けてあるという、現実にはちょっと考えにくい環境。
ウェイトレス指名制でもなければ、好みのタイプと違う女性が担当に付くと地獄なような。
働いているのが全員美少女・美女であることを前提として、どういう接客をされるのか分からない、って闇鍋感覚まで楽しめるお客様だけを対象にしているのか。
 演出はテンポ良く、笑うまでいかないけども頬が緩むところはあり、問題の無いスタート。
 足枷ともなってしまいそうな喫茶店設定をドコまで引っ張って、活かしていけるか、腕の見せ所。
 気楽に視聴継続。


『アイドルマスター SideM』01.「理由あって、アイドル!」

 一話の前に放送されたスペシャル『THE IDOLM@STER Prologue SideM -Episode of Jupiter-』って、これの前日譚だったのね。
アイドルマスターなのに何で男の話やっとんじゃ、と思って最初を見ただけで録画を消してしまった。
 『THE IDOLM@STER』シリーズといえば、美少女アイドルがドッと出てくる、主に男性向けの作品、という頭しかなかった。
 画面的クオリティーは、既存作品と同様に高そう。
 しかし……新作アニメが多すぎる現状、男性アイドルをメインに据える作品は見ないことにしており、ちょっと気になりながらもここまで。


『ラブライブ!サンシャイン!!(第二期)』01.「ネクストステップ」

 約一年ぶりに始まった、これまたタイトルの変わらない第二期。
 オリジナルはストーリーラインが分かる程度。
『サンシャイン!!』前期はだいたい見たと思う。
 スクールアイドルを目指す少女チームの、前向き元気なアニメ。
それは今期も変わらず、逆境を乗り越えていこうとする少女達の強さと友情が描かれる第一話だった。
 しかし……まだ廃校の危機を引っ張るんだ。
「LoveLive!制覇を目指す」で良いと思う、無理な抑圧はカタルシスに繋がりにくいような。
廃校イベントを乗り越えてこその『ラブライブ!』、というのは制作者・ファン共通のコンセンサス?

 安定して良い作画。
 個性が強いキャラクター達の絡みは、相変わらず楽しい。
 ファンの期待を裏切らない第二期、だと思う。
一期で十分満足していることもあり、見られるところまで見る、ぐらいの気持ちで。

2017年10月10日 火曜日
『宝石の国』01.「フォスフォフィライト」

 原作漫画は、面白いという評判を聞きつつも未読。
 独特で、かなり分かり辛いと言っても良い世界観やキャラの設定を持つ作品。
それを「ワケわからん」だけの感想で済ませないのは、制作者側が原作を読み込み、確信と言っていいほど理解しているから、だと思う。
 宝石で出来ているキャラクターについて、戦い方や壊れ方、壊れた者を見る他者の態度など、まだ納得するまではいかないが、キャラ全員が共通する認識やルールに基づいて行動しているのだろうことは、伝わってくる。

 ほぼ女の子ばかりの世界……かと思えば、性別が存在しない種族?
ということはまあ、好きなように受け取ってれば良いのか。
 アニメ調処理した3DCGの画面は、なかなかにクオリティーが高く、抵抗無しに見られる。
侵攻してくる敵や、銀色の液で対抗する戦い方など、ガツンとインパクトのあるビジュアル。
 敵とのバトルが中心となる作品、なのかな。
戦いには不向きだと言われたヒロイン、第一話では戦闘才能を示すことなく終わってしまったが、いずれ能力が開花する?
 どうなるか気になり、視聴継続。


『タイムボカン 逆襲の三悪人』01.「天才発明家エジソンと日本のビックリドッキリな関係とは!?」

 タイトルから『夜ノヤッターマン』みたいな三悪スピンオフ物かと思えば、今年春まで放送されていた『24』の二期。
 前作を最初しか見ていないため、どういう終わり方をしたのか分からないけど、一度カッチリ締めたり、クリフハンガーで続いたとは考えられない、ごくフツーの話。
基本設定の確認さえない……別にそんなの知らなくても鑑賞に差し障りない作品ではあるが。
 ちょっとお勉強になるよう、作中に歴史上の事実とか豆知識っぽいモノを入れてあるのね。
昔のシリーズだと、史実を元にしたパロディーとして作ってあったような。
視聴者の知的水準を信用できなくなってきてる?いや単純に保護者側の受けを狙ってか。
 絵としても内容も、ごく普通の今風タイムボカン。
 前期を見ていない以上、今期も同様に。


『GLAMOROUS HEROES』01.「堕ちた剣豪」

 中国資本アニメ、しかしお馴染みハオライナーズではない……らしい。
 ゲームが原作、なのかな?
 作画が微妙なのはともかく、冒頭から「新人漫画家の持ち込み原稿」然とした分かり辛い(凝っている訳ではなく単に語り口が拙い)内容。
 声優さんに発声すら怪しい人が多いのは何故?
自分は声の演技についてそんなにウルサくないつもりだけど、それでもハッキリ分かる不慣れさ。
その辺に気を取られ、セリフが余計入ってこない。
 10分枠、しかし半分ぐらいは声優さんによる実写コーナー……さすがに付き合えず、視聴終了。

2017年10月09日 月曜日
『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-/-勇者の章-』01.「わしおすみ」

 前作から三年の期間をおいて始まった、第二期。
「『結城友奈は勇者である』は本作品の2年後の物語に当たる(Wikipedia)」ということで、前史らしい。
前作本編中で、主人公達以前にも勇者が居た、ということは語られていたが、今作ヒロイン達のことだった…?
 もうアチコチ記憶が怪しく、「四国が舞台となっており、それ以外の世界は壊滅状態にある」「四国を救い、ヒロインに戦う力を与えているのは神樹と呼ばれ る大木」「攻めてくる敵を神樹到達前に撃破しないと、平穏を保っている彼女たちの世界も崩壊する」「ヒロインらは、戦い続けることで(より強いモード変身 時のみ?)身体機能を失っていく」こんな感じのことを、見ながら何とか思い出していた。
 まだ記憶がハッキリしない、二期では語られていない設定が色々あるはずだけど、それは順次提示されるのかな。

 球形状を保った水で顔を覆われ、窒息しかけた銀が、水を飲み干すことで窮地を脱する、この意外なアイディアに驚く。
結構な量の水だったろうに、しかも息継ぎナシで全部飲むのは凄い!
「水の回りをフィールドで固め、そもそも空気の行き来がない状態にしてある」って訳ではなくて、助かったね。
 作画のレベルはなかなかに高く、不慣れながら与えられた超絶パワーで何とか戦い抜く緊張感も、しっかり演出されていた。
 全く嫌味の無いヒロインズが可愛い。
第一期少女達もそうだったけど、性格的に円満な子を選ぶ決まりでもあるのか。
まあ、チームワークを大きく乱す女子が居ては戦いに支障を来すだろうし、今回ラストで言われていたように、神の代理人となるのは無垢な少女達であるべきだろう。
 今期も、最後まで面白く見せてくれることを期待。


『王様ゲーム The Animation』01.「再壊」

 漫画や実写作品の存在は知っていたが、原作は小説だったのね、どれにも触れたことがない。
 多くのキャラクターに理不尽な命令が下され、互いに殺したり協力し合ったりしつつ、最後まで生き残ることを目指す、『バトル・ロワイアル』『神さまの言うとおり』『GANTZ』も?……といったものに連なる作品。

 恐怖のゲームを生き残ったのだろう主人公が、転校先の学校で、またもゲーム開幕を告げられる。
第一話として分かり易く、一気に参加人数を減してしまう思い切りの良さ(死んだのは「その他大勢」だけど)も含め、しっかり出来ている。
 ただ……主人公が隣の席に座るやアダ名で呼ぼうとし、その後も「好意的で嬉しい」を越え「つきまとってきてウザい」にまで届きそうなヒロインの行動理由は、「彼に一目惚れしたから」と明かされるなど、ポカーンとするような人間描写が。
 個室での首つりはまだしもだけど、超常現象・常人を越える力で殺されたと多人数の前でハッキリさせるのは、キャラ間に疑心暗鬼を生じさせる上で、まだ早いような。
主人公達による意表を突く手段で、主催者に逆襲する、というのも難しそうに思うし。
 人気を博している作品なのだから、それだけの魅力・面白さはあるのだろう。
 作画が第一話としては冴えず、肉体が破壊される無残な死に方に説得力が薄かったのは、残念。
 もうしばらく視聴継続。


『牙狼〈GARO〉 -VANISHING LINE-』01.「SWORD」

 特撮を中心に、アニメやパチンコで展開される『牙狼』プロジェクトの、最新作。
 これまでのシリーズは、ファーストシーズンなど全部見たものもあるが、基本的に所々をつまみ食いしている程度。
 魔戒騎士が鎧武装してホラーと戦う、基本設定は今作も同じ様子。
 主人公は、分厚い筋肉を備えたゴツいオジサン(まだ若い?)。
優柔不断系が好まれる中、女に慣れており無骨ながら優しい中身を持つ、夢枕 獏作品のような漢の造形が嬉しい。

 第一話だから、というのもあろうが、画面作りに気合いが入っていて引き込まれる。
 華麗に済まさず、主人公の筋肉量に応じた暴力的バトルが展開し、クライマックスは画面の動きが早すぎて何をしているか若干分かり辛いものの、とにかく迫力に押されてしまう。
 監督としては第一作らしい、韓国人の?朴性厚、凄いなあ。
 まだ始まったばかりのストーリー、細かいコトなど次回以降だけど、ツカミは強力。
 クオリティーの維持を願って、視聴継続。


『Dies irae』00.「黎明」

 原作ゲーム未プレイ。
 舞台は、二次大戦敗戦間近のドイツ、現実に即しない架空の、ではあるが。
ということ以外、よく分からない。
 最初から、意味ありげでありつつも易しく語る気を見せない結果「こじらせた中二病」としか受け取れないセリフの応酬。
しかも設定詳細どころか登場に到る背景、現状の目的もハッキリしないキャラが未整理なまま多数登場し、早々に理解しようという気力が途切れてしまう。
 あらかじめ原作ゲームを遊んでおく、公式サイトなどで登場キャラを予習する、本編放送後は知識のあるサイト等での解説で復習、こういった積極的お勉強が必要な作品なのかな。

 勿体ぶったセリフだけでもたせるには、画面の外連味が足りない。
 作画は、悪くないけどそれだけで圧倒できる程でもなく。
 「0話」ということなので、本当のストーリーが始まるのは次回から?
今回はキャラの顔見せだけが目的なのか……視聴者が皆、次週まで顔や名前を覚えていてくれるかは疑問ながら。
 本編が始まったら圧倒的に面白くなりそう!という期待は持てず、基本的に視聴終了。

2017年10月08日 日曜日
『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』01.「人を殺すことができる国」

 原作ライトノベル未読。
 WOWOWで放送されたアニメ版は既視聴……2003年だったのか、もう14年ぐらい前のことだなあ。
毎回もの凄くクセの強い、エンターテインメントというより哲学的な話が続き、見終わっていつも考え込んでしまった覚え。
「レールの上の三人の男」なんて、生きる価値を揺さぶられるような恐ろしい内容だったし。

 今作。
 キャラの雰囲気が結構変わったような、原作挿絵にはこちらの方が近いのか。
 人を殺すことができる国。
劇中で言われたように、殺伐とした西部劇みたいな所かと思った。
しかし、本当に自由に人を殺せて、殺人に抵抗がない・楽しんで殺せる人間ばかり集まっていたとしたら、人口は減り続け、新規の移住希望者も増えず、すぐ国としての形を保てなくなりそう。
 「無礼講」ったって、何をしてもOKってコトじゃないような感じ?
自由な社会は、際限なく自由に生きようとする人間では構成できず、全員に自らを律する理性が必要不可欠だとか。
 殺人を犯そうとした男を始末する際、国民全てが凶器の扱いに長けている上、殺人に抵抗のない人達であると示された。
ラストでその国を目指していた男のように、殺し続けてきた人生を悔いたり、強く衝動を抑えられる人間が集まる国だったのかな。
「人を『殺してきた』ことが許される国」だとか。

 また、色々と考え込ませてくれる内容で嬉しい。
 テーマを何とか正しく受け取ろうとしたり、短絡的にアホみたいな誤解しながら、最後まで見続けたい。


『少女終末旅行』01.「星空」「戦争」

 原作漫画未読。
 女の子二人が移動用車両に乗り込み、入り組んだ地下通路や文明崩壊後?の戦場跡を、寒いしハラペコのままウロウロさ迷う、変わったアニメ。
 生き残った敵兵や、『がっこうぐらし!』のようなゾンビに遭遇・襲撃される訳ではなく、せっかく凄腕らしい射撃のスキルも無益。
 軍人(ではないのかな、耐寒用にそんな服着てるだけ?)として、何か重大な使命を帯びているでもない様子、とにかく空いたお腹を満たし、生き延びることが目的っぽい。
 かといって、美少女同士のラブラブ百合百合、「世界は滅んだけど二人の邪魔をする者も居なくなったから幸せ」な日常、でもなく。
ヒロイン達、まあ可愛いけど、「美少女」という範疇に入るかは微妙(意図して微妙な風に描かれている)。
 という訳で、強烈な面白さや、ここを楽しんで欲しいという主張とは無縁な作品。

 じゃあつまらないのかというと、凄く楽しかった。
特に、ただ地下通路を進み続ける話、好み。
二、三話このまま、ちょっとずつ情報を集めつつ、暗い中、出口を求めるストーリーを続けてくれても良かったぐらい。
 てっきり、ほのぼの終末話だと思っていたため、残ったレーションを独占すべく銃口をもう一人の少女に向ける展開に、意表を突かれる。
本気だったのか冗談か……「えへへ〜ウソ」で済ますには、銃を構えた側が食料を一人だけで食べてしまっており、食えなかった側が本気で何度も彼女を殴りつける、という殺伐とした顛末を迎える。
まあ、殴られても笑顔だし、血が出るどころか顔が腫れ上がるでさえない、明るめの処理が成されてはいるが。
 劇中で問いかけられた「かつての世界も食糧が不足していたのに、なぜ武器ばかり作って戦争をしたの?」に対する、答えのイベントなのか。
勝手をする者に腹は立つけど、殺し殺されて得があるはずもなく、酷くしない程度にシバいて終わりにするのが妥当な決着、って感じ?
 ヒロイン二人の旅と、ここから何を描いて何を読み取らせてくれるのかに興味があり、視聴を継続したい。


『ドリフェス!R』01.「本当のアイドル!!!!!」

 「バンダイナムコグループとアミューズがプロデュースする2.5次元アイドル応援プロジェクト(Wikipedia)」の第二期。
 美少年・美青年アイドルキャラが大勢登場する女性向けアニメは今期、何本目?
冒頭部で、他作品と混乱し、既に一度見たような気分になってしまう。
 アニメとしては「普通」ぐらいの出来と思え、こういう作品群、ちゃんと商売になっているのかなあと余計な心配。
 視聴対象外。


『大正メビウスライン ちっちゃいさん』01.「運命の上京」

 成人向けボーイズラブゲームが原作らしい、未プレイ。
 5分枠……とはいえ、上京してきた不思議能力者少年がイキナリSD頭身に固定される、それだけで一話が終わってしまう潔さに驚く。
この短い中、OPとEDを詰め込んだことで、余計ストーリーらしいものが入らなくなったのか。
 完全に原作ゲームのファン向けのアニメかな、視聴終了。

2017年10月07日 土曜日
『DYNAMIC CHORD (ダイナミックコード)』01.「Spring rain」

 乙女ゲームを原作としているらしい、未プレイ。
 最初から説明もなくキャラを出してくるので、てっきりこれも第二期か何かかと……違うのね。
雨の日に幌も付けずオープンカーで無言のまま出ていく男を、仲間達がマンションのベランダから声も掛けず見送る、という、全然面白味の無いシーンからスタートさせる度胸が凄い。
揺れるワイパーにメトロノームが被る、ハア?な演出も凄絶。
 キレイ所男子を登場させたから女性視聴者はこれでも喜ぶでしょ?といった甘い見識が窺えて、いっそ清々しいぐらい。

 第一話にして気合いの入ってない作画。
美少年アイドル物としては、絵に不安定さがあると致命的なような。
 前半だけ見て、ギブアップ。


『十二大戦』01.「猪も七代目には豚になる」

 シンプルなタイトルに、中国アニメかと思った。
西尾維新原作なのね、未読。
 流血の激しい作品、最初からまー殺す殺す。
大戦スタート前から会場に頭部を切り落とされた死体が転がっており、説明無しでも殺し合いゲームであることが分かる。
 酷薄そうな亥女は、殺人訓練に抵抗を示した気弱な若い女性の姉とか母親なのかと……悪堕ちした本人だったのか。
家の都合で歪められた悲しい人生のようだけど、妹を追い詰めて自殺させており、感情移入の対象としてはどうだろう、と思えば、アッサリ死亡して退場、いや使役される動死体としてはまだ居続ける?
 主人公は彼女じゃなかった、ってことなのか、死亡寸前・死後状態からも復帰する超絶能力を見せるのか。

 スタート時、参加者は毒の結晶を飲み込むルール。
一人飲まない男が居たけど、ペナルティーとかないのかな?
それなら、ヘタすると制限時間前に効果が出る恐れもある訳で、飲まない方が有利なような。
胃で溶け出す毒の、外側にある薬効成分がないと、会場に噴出するガスで体が麻痺してしまうとか、何かしら仕掛けがあるのか。
 申女性が提案しようとした、誰も死ななくて済む方法とは、どういうモノだったんだろ。
 西尾維新作品……先読みを許さない。
 キュッと締まった作画、迫力と緊張感のあるアクションで、画面的見応えは十分。
 これは、最後まで見ちゃいそうだなあ。


『Just Because!』01.「On your marks!」

 アニメオリジナル企画。
 見ていてしばらく、登場した男女キャラクターの見分けが付かず、混乱。
転校生(出戻り)男子高生を主人公としているのだろうから、その視点で、もっと分かり易く、ドラマティックな内容にも出来たんじゃなかろうか。
 淡々としていて、しかしリアルだという訳でもなく、無用に思えるシーンが多くて一話だというのに集中力途切れ。
 過激な事件を起こして、それで視聴者を引き込むアニメには「したくない」意図で作っているのだろう。
なら、キャラの魅力であったり、見続けたくなるような雰囲気でも代わりに用意しないと。
 どこが酷く悪い、というのでもないけれど、内容が印象に残らず、心を掴まれない第一話。

2017年10月06日 金曜日
『URAHARA』01.「ドーナツクライシス」

 「アメリカ合衆国のアニメ配信サービス「クランチロール」にて連載中の小説『PARK: HARAJUKU Crisis Team!』を原作としている(Wikipedia)」そうな。
 その辺が理由になっているのかどうか、始終、ピンと来ない内容。
 原宿の店舗で働く少女三人が、エイリアンの侵略?に対し、アブダクトされていたという少女から渡されたパワーで変身し、立ち向かう。
こういうジャンルとしては別に変わったところも無いが、キャラの行動や言動、無駄とも思えるシーンの多さ、「こう来たら、次はこうなる」という予想(期待)と違うリアクション・話の流れに、違和感を覚えっぱなし。
そこが波長の合う人には「強烈な魅力」ともなろうし、そうでなければ「サッパリ面白くない」感想となりそう。

 一昔前の、サービスシーンをある程度入れれば他は何を描いても良かった頃の成人漫画で、ファンタジーとかSFを扱ったモノはこんな感じだった。
調子っぱずれ、シュールさを「個性」とするような。
 それらは大体、短編だったから良かったが、これでシリーズか……正直、一話の途中で集中力が途切れがち。
 上まつげに独自性のあるキャラクターデザインな女の子達は、頑張った作画で可愛く描けている。
 これから、敵宇宙人とのバトルに入るのかな。
緊張感とは無縁の作風なので、明るく楽しくポップで「変」な顛末を迎えるのだろう。
 視聴継続の意欲は弱め。


『このはな綺譚』01.「さくやこのはな」

 原作漫画未読。
 温泉宿にやってきたヒロインが、先輩達に揉まれ、初めての仕事や風習に戸惑いながら、訪れる異形の客(神様?)相手に頑張っていく、分かり易く言うとTVシリーズ版『千と千尋』。
宿で働いているのが全員美少女であり、労働のキツさよりは少女達のふれあいにウェイトを置いているところが違い、というかセールスポイント。
 薬売り?神様の客室を訪れた際、柚が正しい・望まれる対応を取れる所なんてなかなか楽しく、こういう路線の深化にも期待したいところ。

 作画はまずまず、ヒロインズが可愛く描けているので必要十分。
 キャラ個別の魅力を彫り込みつつ、相互のほのぼの関係を描く作品になるものと。
 もうちょっと様子見。


『TSUKIPRO THE ANIMATION』01.「桜花爛漫」

 架空の芸能事務所と、そこに所属するタレント達を描く、メディアミックス企画……らしい。
 作画は並。
 最初からドドッと美少年・美青年キャラが出てきて、しかもインサートされる名前テロップと突然の決めポーズ絵で紹介をされるのに、面食らう。
去年放送された『ツキウタ。』と繋がっている世界らしいから、もうキャラはみんなお馴染みさんなのか。
 キレイ所男子を楽しめる人、もしくは声優さんのファンに向けた作品。
 これも「間違って見ちゃいました」感。

2017年10月05日 木曜日
『あめこん!!』01.

 「声優ボイス電子マンガ作品」(Wikipedia)が原作らしい、未読。
 『雨色ココア』って作品の第四期なのね。
5分枠、実質2分弱のアニメだから、ということもあろうが、キャラを一杯出して設定も特に説明せず、ここで引きつけようという工夫もまるで無い、初見視聴者に不親切な構成は、そういう理由でか。
 三期までのシリーズ、見た事はあっても一話で視聴終了していると思われ、内容について記憶がない。
 作画は並。
 既にファンである視聴者、あるいは(キャラが男ばかりなところから)女性視聴者に向いた作品と思われ、「すみません、間違って見ちゃいました」という気分。


『Infini-T Force』01.「ISOLATED FLOWER」

 タツノコのヒーローキャラクター達が世界を越えて集結する、日本アニメ版『アベンジャーズ』『ジャスティス・リーグ』。
最近だと、元々の作品は存在していないけれど『Re:CREATORS』が、そういう体裁だった。
 3DCGによる制作、ゴテゴテしたリファイン・キャラデザイン、既存作品を混ぜる構成の難しさから、ちょっと不安視していた今作。
 ああ、意外と悪くない。

 CGに気合いが入っており、手描き作品でも見られなかったレベルのアクションが表現されていて、嬉しい。
 小型飛行機搭乗時より、ガッチャマンスーツのみで放り出された後の方が高機動性を発揮してしまう、ガッチャマン・健が可笑しい。
単身でスーパーパワーを持つテッカマン・キャシャーン・ポリマー(人間形態ではパワー増幅してない?)と比べ、常人を遙かに超える、とはいえ「鍛え抜いた肉体」に留まるのだろう健は、『ジャスティス・リーグ』でのバットマン的役割か。
外見的には、テッカマン・南 城二の方が賢そうだけども。
 自分の出身県・高知で、『ガッチャマン』『テッカマン』『ポリマー』が放送されておらず、かろうじて見られたのは『キャシャーン』のみ。
後に都心での再放送やレンタル、衛星放送などで知識的に補完はされたものの、子供心に擦り込まれていないので、思い入れが薄い。
だから「こんなもん○○じゃねえ!」という抵抗感がこの作品に無いのは、幸いか不幸か。
 死に近づくことを何とも思わない風なヒロインは、独特だけれど、まだ魅力的とは言えず。
 彼女がこうなってしまった経緯、デカい鉛筆、ヒーロー集結の理由、正体不明の敵……謎がバラバラとあって、タツノコっぽい。
 失速せず駆け抜けられるのかどうか、期待と不安で見続けたい。
 この企画が成功したら、『ゴーダム』『ゴーディアン』『ゴールドライタン』『モスピーダ』辺りを混ぜて、ロボットForceを結成する手も?


『怪獣娘(かいじゅうがーるず) 〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜』01.「私たち!怪獣娘!?」

 ウルトラシリーズに登場する怪獣を美少女化し、デフォルメキャラによる最小限の動きで表現する、Flash?5分アニメ。
 Wikipediaで見ると、これは2016年にWeb配信されたもので、既に完結した第一期を今回地上波放送する……のかな。
 ウルトラセブンが使役したカプセル怪獣、アギラ、ミクラス、ウィンダムの魂を受け継いだ三人の少女達をヒロインとする。
 特にシリーズのファンを「おお!」と唸らせるような設定やパロディは無く。
多くを期待せず、少女達による怪獣としての成長?とか、ゆる〜〜い会話を楽しむべき作品だろう。
 余裕があれば見る、ぐらい。

2017年10月04日 水曜日
『お酒は夫婦になってから』01.「梅スプレッド」

 原作漫画未読。
 同作者、以前の作品『オニデレ』は最後まで読んでおり、画的には不慣れなところがあるものの、ヒロイン・サヤのギャップある可愛さや、個性がキツいレギュラー陣、暴走するギャグでありながらキレイにまとめ上げるストーリーテリングの上手さなど、凄く感心した覚え。
こちらを、30分か15分枠ぐらいでアニメ化したものも見たいなあ。

 5分アニメ。
『ワカコ酒』なんかと同様、ちょっと美味しい料理を食べたり、お酒を飲んで幸せになってしまう場面を主題とするタイプ。
 二面性を持つヒロインの設定は、作者の個性か、相変わらず。
 この設定、作品傾向だと、得意の悪ノリが余り見られなさそうで残念。
 負担にならない短編、ぼちぼち見続けよう。


『戦刻ナイトブラッド』01.「神牙スプレマシー」

 原作はスマートフォン用ゲームらしい、未プレイ。
フルのタイトルはそうでもないけど、『戦ブラ』という略称はCMなんかで聞き覚えがある。
 実在した武将を多数登場させながら、史実とか人物設定は「なんとなく」ぐらいにしか取り入れず、全員美形にして展開する女性向けアニメ。
 秀吉をヤンチャな美少年、黒田官兵衛を有能執事みたいに描くのはまだしも、竹中半兵衛が幼い風に設定されてるのは何故……いや、そんなこと言ってもなあ。
 武将達はそれぞれ、ネクタイ締めたりオシャレ眼鏡かけたりキテレツな扮装しているというのに、フツーに現代服のヒロインについて「見慣れない格好してる」と表するのが可笑しい。

 そんなに動かないが、一枚絵として美少年を楽しめる程度には整っていると思え、嗜好の合う女性視聴者にとって問題無いだろう作画。
 何となく眺めていられそうな内容だけど、野郎向けとして作られたアニメではなく、視聴対象外。


『ブラッククローバー』01.「アスタとユノ」

 原作漫画は雑誌連載で既読。
 同作者の前作『HUNGRY JOKER』は、抜群に上手い絵(「ふわりと浮いている」表現や爆発などエフェクトが特に素晴らしい)と、魅力的キャラクター、考えられた設定による物語が相まって、とても面白い漫画だった。
早期終了が惜しまれる。
 二度目の連作作品である『ブラッククローバー』。
ファンタジー世界、全ての人間が何らかの魔力を備える中、魔力ゼロの主人公が魔法帝を目指し頑張って行く。
特殊な力を持たないことが珍しい設定は『ヒーローアカデミア』だし、目的は「魔法帝にオレはなる!」、悪くはないけど引きつけられる特別さに欠けるなあ……と失礼な考えを持っていた。
 物語が進み、キャラクターが出揃い始めるにつれ、加速度的に面白くなっていく内容。
パターンを越えて強くしつこく襲撃してくる敵、それに対し、魔力がないことを「最大の戦力」として、想定の遙か上をゆく「絶対に折れない心」で立ち向かい、勝利し、仲間達と絆を結んでいくアスタの描き方が実に気持ち良く、好きにならず居られない。
 多数登場するキャラの描き分けや魅力付加も巧み。
暴牛団長ヤミなんかスピンオフが出来そう。
 前作と同様、相当に練り込まれた設定がベースにあるのだろう、今後現れると思われるそれらも楽しみに、読み続けている。

 アニメ。
 作画は良く、声優さんの選定も妥当。
一話でバトルまで持って行って欲しかったけど、その代わり世界観は分かり易く伝えられており、出だし良好。
 漫画で満足しているため、アニメの視聴意欲はそれほどでもないが、余裕があれば見続けて損の無いクオリティー。

2017年10月03日 火曜日
『UQ HOLDER!〜魔法先生ネギま!2〜』01.「美女と少年」

 原作漫画、『ネギま!』の方はかなり読んでいるんだけど、こちらはいずれまとめて読もうと思いつつ未読。
 週刊誌連載の間、『UQ HOLDER!』だけだったよね?
『ネギま!』と繋がっているという話は聞いていたが、タイトルにまでそれを入れてるんだ。
 何しろ、前作漫画も完結に到るまでは読んでいないため、どう接続している話なのかは不明。
最初、にやけた男性学校教師を成長したネギか?と思っていたぐらい。

 エヴァンジェリン、懐かしい。
幻のようにネギも姿を見せて軌道エレベーターの上へと主人公を誘い、物語の先を期待させる。
 『ネギま!』ではこんな雰囲気あったっけ?と思うぐらい、イヤなキャラクター、シリアスで残酷な戦闘描写あり。
全く同じような内容にするなら、『2』を作る意味は無いんだろうけど。
エヴァンジェリンと、彼女から力を与えられた主人公を中心にしている限り、「死」に近づく物語になるのは当然か。
 主人公と友人の野郎ばかりで、『聖闘士星矢』なバトル成長物語にする手もあろうが、萌え美少女を多数出さないなら『ネギま!』のDNAはまるっきり残らない。
 整った作画で、血まみれのバトルには迫力があった。
 ぼちぼち見続けたい。


『おそ松さん(第二期)』01.「ふっかつ!おそ松さん」

 第二期……だけど、タイトルはそのまま?
『2』『続』『!!』『Z』『ハートマーク』を付ける、『おそ松さーん』とか伸ばしてみる、ライトノベル風に『〜ニートな俺たちがやる気を出してみたら世界がエライことになった件〜』と長々させるような、一期との違いを表す部分は無し。
 ソフト化の際、分かり辛くならないかなあ。
ああ、一期の第一話は欠番となっているため、「このアニメで一話目が収録されているソフトといえば第二期」という識別法があるのか。
 もう前期で、やれることは暴走・シュール・いい話・問題作まで含めて全部やってしまったと思え、例えば再開第一話のストーリーを考えてくれと言われても自分なら泣いて逃げ出す難しさ。
 が、ああそうか、「想定の範囲を超えて凄い人気が出た」というのをネタにする手があったのね。
久々の登場で見せるのは、思い上がって心身ともに腐敗した恐ろしく醜悪な姿……このアニメらしい。

 「ちゃんとしてる」キーワードから、普通なら段階を追って脱線させそうなモノだけど、二人目でもう全身改造した戦闘用サイボーグになっている取り返しのつかなさが凄い。
 『君の名は。』風?男女入れ替わり、キャラ作画を結構昔のセンスに戻しているのは、『転校生』の方が元ネタだというのか、「こんなの古いよ」という嫌味か。
 CGはともかく、実写化映像はもっとクオリティー低くしてあると可笑しかったかな。
いや、無理なマスク付けてるだけの仮装って悲しむべき出来の悪さを表してる?
現実の実写化作品がギャグを越えるヒドイものだったりするため、これぐらいじゃ弱かったり。
 巨大ロボット戦闘に到る暴走は、割合アリガチ。
しかし……この作品で合体ロボが登場するの、意外と初めて?
作画やテーマソングの「ちゃんとしてる」具合は楽しい。

 前期の「好き勝手やれるアニメ」から、「好き勝手やらなければならない」苦難の道へ。
 スタッフは七転八倒だろうな。
その死闘っぷりも含め、楽しみに見続けたい。
 「上からのお達しにより監督が降板させられることになりました」で、交代により大混乱ネタとか、間に合えばやりそう。

2017年10月02日 月曜日
『プリンセス・プリンシパル』最終12話.「case24 Fall of the Wall」

 物語や人間関係としては一区切りを付けており、クライマックスにふさわしいストーリーだったけれど、面白味という意味ではこれまでの話数と変わらないか若干テンションが落ちて感じられ、ちょっと残念。
決して悪い内容ではないが……うーん、良く出来すぎている通常の内容と比べれば、という贅沢な文句。
 最終二話だけ脚本家が違うのは、影響しているのかどうか。

 小さくて可愛い女の子達が、まるで似合わない過酷な任務に挑む、どうしても絵空事というかバカバカしいぐらいの筋になりそうな所を、ポイントを押さえて浮つかせず、ハードなスパイ物の雰囲気さえ醸し出していた。
 アンジェの持っていた重力制御ボールも、油断すると「便利すぎるチート装置」になりそうだが、アイディアを乗せて描く事で実に巧く活用。
 細い手足・軽い体の少女達が、屈強な大人と体術でぶつかって圧倒するシーンに説得力を持たせるため、跳びはねたり回転した遠心力で一撃の重さを増す演出を加えており、細かいこだわりに感心。
クオリティーの高い作画があって初めて可能なことだなあ。
 何ら戦闘力を持たず、喉に「問題」すら抱えるベアトリスが、任務の際、それらを逆手に取り有用な人材へと変わってみせるのも、面白い。
 途中のエピソードで登場した借金取り。
広川太一郎?没年からしてこのアニメにセリフを入れられたとは思えず、未使用のセリフに合わせてキャラを作った?とかゴタゴタ考えてしまったけど、「もりいくすお」というイラストレーターの方の芸なのね、凄く上手いのに驚いた、そして懐かしく嬉しかった。

 ラストシーン、プリンセスの片足がない(ように見える)のは撃たれた方の足を切断したのか、単に考えすぎ(片足を曲げているだけ等)か。
 もっと活かすと思われた学園生活が余り本筋に絡まなかったのは、勿体ない。
 サブタイトルの「case」ナンバーに抜けが多々あり、そこを埋める第二部の企画も有り得る……?

2017年10月01日 日曜日
『信長の忍び〜伊勢・金ヶ崎篇〜』最終52話.「そして姉川へ」

 52、という話数を見て今更、そうか、二期まで合わせると一年間に渡って放送されていたのか、と気付く。
 放送が5分なので、30分アニメの6分の1と考えれば、通常作品の二ヶ月分、9話程度の実質時間。
しかし、一話当たりの僅かな時間にストーリーとキャラの彫り込みとギャグに歴史小ネタまで詰め込んであり、シリーズを見終わった充実感は、とても9話なんてモノじゃない。

 織田信長を、容赦なく恐ろしいアリガチな魔神のイメージ「ではない」側面から捉え、人間として可笑しく魅力的に演出していく視点が素晴らしい。
 少々間が抜けて可愛く思わせながら、諜報・戦闘能力に優れ、躊躇わず敵を殺す千鳥もまた、引きつけられるキャラクター造形だった。
 原作漫画は継続中……ということは、まだ信長の死に到ってないということか。
千鳥は、本能寺で信長と共に討ち死にするのか、生きて逃げ延びるよう命じられるのか、他の用向きで(秀吉に同行しているとか)その場に居ないのか、気になる。
 漫画完結後にでも最後までアニメ化して欲しいなあ、とは思うけど、同時に、どうしても辛いモノにならざるを得ないだろうラストは見たくない気もして、複雑。

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