ときどき日記 04/02(前)

2004年2月15日 日曜日

『仮面ライダー剣』04.

 パズルのピースを飲み込んでしまったという先輩ライダー。
これは、何?冗談なの?真面目に飲んじゃったの?
 本気でやったんだとすると、精神的なテンパり方はシャレで済まないレベルに達していると思うが、同級生姉ちゃん、微笑んでる場合じゃないのでは?
 いや、その姉ちゃんも、それなら、と、パズルをぐしゃぐしゃに崩す事でその行為に応えるキテレツな性格をしているようだから、仕方ないかな。

 後輩ライダー「それってメッチャ格好良くないか?正義のために戦って、人類と地球のために戦って、滅びていくヒーロー!」
 ルポライター兄ちゃん「バカな事言うなよ、そんな事ないって」
 この辺りまでは まあともかく。その言葉を聞いた後の、
 後輩ライダー「心配…してくれてんのか?」「嬉しいなー!こんなオレでも、心配してくれるヤツが居る」
 …という、イキナリな感情の変化はどうした事か。唐突すぎて、付いていけない。
「ここで友情が生まれる」といった、構成上必要なのであろう場面を消化しただけ。
 うーん……巧くないなあ。

 研究員お姉ちゃんの、前半での「結局アンタ戦いたくないだけなんでしょ!怖じ気づいたのよ、そうなんでしょ?」から、後半の「行かないで!」「君が犠牲になる事はない」という心情への変化が急激すぎ。
 途中に、彼女のお父ちゃんが悪い事やったんじゃないかという、引け目を感じるきっかけのイベントが組まれているとはいえ。

 主人公へのルポライターと研究員姉ちゃんの気持ち、それと対比して、アンデッドを倒すために後輩ライダーを「道具として」利用する喫茶店ライダーを描く。
この辺りが今回のストーリーでの重要点だったと思うが、とにかく何もかも突然すぎて、あらすじを読まされている気分にしか なれない。

 アッサリ、所長と再会できてしまう お姉ちゃん。
 焦らしてドラマを引いていこうという意図が、この作品については全く無いみたいだなあ。
前倒し前倒しで、期待も不安も、客の生理より先行してストーリーが勝手に進んでいく。
 しかし、研究員姉ちゃん、所長を発見したんだから、取りあえず病院に連れて行くとか何とか、先輩ライダーだって彼に死なれては困るみたいだから、現実的に助けるための提案をしても良かったような。
 うかうかしてるウチに所長は燃えちゃったけど、どうするのかね。



『ふたりはプリキュア』03.「イケてる実習生に気をつけろ!」

 こういうパターンのアニメに必要な定石を地道に積み上げていて、悪くないし破綻もしていないが…
 いい歳したオタクの視聴者としては、緊張感のない、割と良くあるパターンの変身ヒロイン物を見せられているだけなので、画面への没入度が低い。

 ヒロイン二人のキャラクターが、どちらもオリジナリティーや極端さに欠けていて、「普通」なのも どうか。
『セーラームーン』『東京ミュウミュウ』などでは、ヒロインを「おバカさん」な女の子に描いて個性にしていたが、そういう事もなく。
 感情移入の対象にすべくプレーンなキャラにするなら、もっと変身して戦う事に抵抗を感じてくれた方が良かったかなあ。いや、子供達には、そんな所でウジウジしているキャラなど、好かれないか?
 悪い兄ちゃんが変身した教育実習生に、すっかり熱を上げてしまって、名前の方で自分を呼んで欲しいとかねだる タワケた担任の先生の方が、主人公二人よりも余程 面白い。

 オタク向けではなく、小学校低学年の、『セーラームーン』などを経ていない女の子達を視聴対象に考えているのだろうから、なるべく分かり易く、極端な描写も避けているんだろう。
 それはそれで正しい作り方かとは思うけど、、オタク的には見続ける価値に疑問符が付いてしまう。
 設定消化を終わって、各話バラエティーに入ってからが勝負かな。



 『特捜戦隊デカレンジャー』01.「ファイヤボール・ニューカマー」は非常に楽しい出来で、どっかで見たような展開やら画面を連発しながら(ガン・アクションは、ジョン・ウーか『リベリオン』のガン=カタ?)図々しく いけしゃあしゃあと キャラを描き お話を進めていくスタッフのしたたかさに感心したり笑ったり。
 でももう、細かく書いている時間がない〜、仕事に戻らないと。


2004年2月13日 金曜日

『R.O.D -THE TV-』13.「続・紙々の黄昏」14.「紙葉の森」
 …が もうとにかく面白かったので、ダラダラと感想文を書きたいんだけど、必死でやらないと(やっても?)お仕事が締め切りに間に合わない時期に突入してしまった。
 だから、もっと早くから計画的に仕事を進めてさえいれば、土壇場に来てもバタバタしないで済むってこんな簡単な事が、小学校の夏休みの宿題以降 何十年と同じ失敗を繰り返しても ま〜だ身に染みてないんだね この子は!

 という訳で、マトモな更新は来週に入ってからになりそうです。


2004年2月11日 水曜日

『仮面ライダー剣』03.

 不思議な事ばっかり。
その不思議さは、意図的に作られた「謎」というよりも、設定的な不備ではないかという気も。

 所長の脳波とコンタクトを取っていたら(これも どういう事なのか分かり辛いが)立体映像が浮かび上がるのは何故?
深いコンタクトを取ろうとするとキーコードのプロテクトを外さなければならない、っていうのも どういう事なんだか。
 『攻殻機動隊』並に人間が電脳化された時代なら分からなくはないけど、そうでもないんだろうし。
 先輩ライダーが、所長の脳内をスキャンしているコンピューター、それを迂闊にもオンライン化していて、そこと偶然 繋がったという事?

 ようやくアクセス出来た所長が、「助けてくれ」などの常識的なリアクションを一切示さず、イキナリ基本設定の説明を始めたのにコケる。どーゆー人なの?ありえない反応だと思うけどな。
 所長の説明に分かり易い(?)フォローを入れてくれたルポライターお兄ちゃんを、まず所在を尋ねなかった自分たちの失敗を棚に上げ、余計な口出しをしたから大事な事が聞けなかったと吊し上げる居候二人。
…君ら、自分が彼にどれだけ理不尽な世話になっているか、分かってるのかなあ?
家賃も払わず(金は無いみたいだから)ステーキまで食わせてもらって、使っている機材の電気代だって彼持ちだろ。何の文句言える立場なんだよ図々しい(笑)。

 先輩ライダー。
研究者(医者?)である、同級生だったらしい女性に真情を吐露。
 …しばらくは、後輩ライダーを遙かに超える実力を見せつけ、その行動も内心も謎に包んだままで、彼への興味をメインに進めていくつもりかと思ったんだけど。
こんなに分かり易くしては、余り関心が持てないなあ。
 おまけに、弱いし(笑)。

 先輩ライダーに対し、所長の所在やら先輩の行動の真意やら問い質すべき事が山程あっただろうに、ライダーシステムを使い続けるとお前もいつか体悪くするよー、と言われた途端、妙な幻を見ながら 嘘だそんなことー!と絶叫!何もかも頭から吹き飛んでしまう愉快な後輩ライダー。
 お前は本当は所長の行方とか どーでもいいと思ぅとるんちゃうか?
それなら金にもならないライダー変身はやめて、コンビニでバイトでもしとけ。体も悪くならないで済む。
 あ、いや、もしかして所長を捜し当てたら、溜まっている未払いの給料を請求するつもりなのかな。

 ただでさえ不明点が多い物語なのに、主演俳優達の滑舌の悪さ、セリフの聞き取りづらさが客の負担に拍車を掛けてしまう。
 うーん、変な意味での面白さは出てきたけど、キャラクターにも物語自体にも まだ余り魅力がないなあ。



 大変ありがたい事に、まんが王倶楽部 様の1月18日〜1月31日期 調べでの成人向け単行本売り上げで、ぼくの「EDEN」が一位に。

 いやあ嬉しい嬉しい。良いお店ですよ まんが王倶楽部(調子良すぎ)。
 まだお求めでない方は、この機会に(どの機会?)是非。
このページ上部のリンクにあります お店も、宜しければご利用下さい。

 関係ないけど、書籍をコマーシャルする時に「全国有名書店にて お買い求め下さい」というフレーズがよく使われますな。
 「じゃあ テメエの本を扱ってない書店は有名じゃないのか?失礼な言い方だ!」と思っておりましたが、よく考えれば、自社の本を扱ってくれない書店のご機嫌を損ねようが何だろうが、どーでもイイ、と。
 「俺様基準の『有名書店』にランク入りしたければ、ウチの本を取り扱ってネ」という切ない願い( ^_^ )が込められていた訳です。
 なーるほど。変に納得。


2004年2月10日 火曜日

『妄想代理人』02.「金の靴」

 ああ、オープニングはただ色々な所でキャラクターが笑っているだけなのかと思っていたが、よく見れば、様々な死に方…ある者については自殺の仕方(?)を描いてるのかも。
 第一話のヒロインはビルの屋上で脱いだ靴を両手に持ち、今まさに飛び降りんとしている。
 第二話に出てきたガキ共は…洪水?台風?による災害死?
 水中の女性は入水自殺。
 かなりな高空から落ちている男性も飛び降り?パラシュート付けずにスカイダイビングしたとか?
 焼け落ちた廃墟で笑う男は、焼身?遠景にあるビルまでヨレている所を見ると、震災クラスの災害に巻き込まれたのかも。
 一面のゴミ袋の中に立つ女性二人。コレが分かり辛くて…ヨメは、ゴミ袋に突っ込まれたバラバラ死体、と言ってたけど。
 崩れ落ちた廃屋は、台風?地震?そういうモノの被害かな。
 道路に立ちつくすのは覚悟の交通事故?
 でっかいキノコ雲が上がっている風景も、戦争・原発事故などへの巻き込まれ?これが「自殺」だったら、大変なスケールだが。
 結婚式場のように きらびやかなテーブルの上に立つ老婆。コレもかなり解釈が難しい。「結婚は人生の墓場」?
 雪山の頂上は、遭難死だろうな。
 月面のジジイだけは、他とは違って地球を見下ろす超越した存在だと表しているのかも知れないが、これも死に方なら宇宙スケールの事故?地球上に爆発のような衝撃波紋が起きているので、人類最期の日かも。

 内容。
 このアニメは、事件を中心にしてキャラクター持ち回りで主役に据えていくオムニバス形式なんだな。
今回の主人公は、こまっしゃくれたガキ。
 キラリと白い歯を光らせる学校のアイドルが、少年バットではないかという疑惑をかけられた事から、一転、イジメの対象になる どん底まで転落してしまう。
それでも、生徒会長になる夢に向け、ライバルのデブ少年を逆恨みして奇蹟の一発逆転に賭け続ける、そのバイタリティーは、凄い。
なんでそんなにテンパってるんだろうガキなんだからもっと無自覚に無責任に生きればいいのに、可哀想だなあ、とも思うけど。
 語られる転落のドラマは、コミカルな所がありつつもシビアであり、非常に見応えがあった。

 結局、彼が誰によって陥(おとしい)れられていたのかは不明のまま。
「ハッキリとした実体を持たない不安やプレッシャー」に限界ギリギリまで追いつめられ、境界線を越えた瞬間、少年バットが「救いに」やって来るのかな。
 前回の三流雑誌記者は相当なストレスを抱えているのが分かったけど、今回の太め少年は…?イジメられっ子から生徒会長候補への急激な変化が内心 辛かった?それともやっぱり、白い歯少年を陥れていたのは彼で、それが心理的負担に?

 表現し辛い変なアニメだけど、面白い。
 前回・今回のパターンを毎回続けていく事になるのかどうか。
しばらくはそれでキャラクター全員の紹介をして、それが終わってから本格的にストーリーを動かし始めるとか?
 まだまだ、読めないなあ。



『カレイドスター』44.「笑顔の すごい 発進!」

 自分が夢見るカレイドステージを目指し、苦闘し続けた そらに、前回・今回と希望の光が見えてきた。
 ここしばらくのシンドイ「タメ」が活きているので、気持ちが解放されていく展開を、素直に心地良く受け取る事が出来る。
 そら自身ではなく、彼女に反発を感じ続けてきたメイの目を通して、ステージが進んでいくべき方向を表す 持って行きようなど、とにかく、巧い。

 シナリオも良いのだろうけれども、驚くべき頻度でコンテを切り続けている佐藤 順一監督の情熱と実力が、このアニメを支えているんだろうな。
この方はやっぱり、すごい。



『超重神グラヴィオン・ツヴァイ』05.「夢見る孤島」

 遊園地へと調査にお出かけの話。
 グラン・ナイツ達が遊ぶ前半部は、やたらと揺れる巨乳描写も含めて楽しげに描けていたが…

 後半、その遊園地に居た人間と思われた者達が全員ゼラバイアだった、という所。
えーと、敵はこんなに人間そっくりに化けられて、人間のような行動様式を取れるんだっけ?
まずそこに いくらかの驚きを演出してもいいような…それがラストにも繋がってくるのだし。
 せっかく遊園地なのだから、メリーゴーランドの回転速度が異様に上がるとか、ジェットコースターが脱線するとかの仕掛けによる殺害計画や、凄まじい殺人ワザを見せる可愛いマスコットキャラクター着ぐるみとの緊張感があるような無いような死闘など、シチュエイションを活かしたジワジワと来る危機の盛り上げが欲しかった所。

 とは言っても、今回の最重要事項はリイルの秘密が明らかになる事、か。
 前シーズンから いかにも いわくありげに登場していたので、正直、そんなに意外ではない。
「ゼラバイア」の実体についてこれまで余り情報を示していないので、今から後付けで どうとでも出来てしまうし。
 これにどれほど説得力のある設定が付加できるのか、そこを踏まえて どんなドラマを見せてくれるのか、注目。


2004年2月9日 月曜日

『プラネテス』17.「それゆえの彼」

 目的のためなら手段を選ばず、自分自身の人生を含めて人に被害が出る事も厭わない、マッドな宇宙船開発責任者・ロックスミスが登場。
…まあ確かに、巨大な夢を現実にしていく時には、何らかの代償が伴う物ではある。
 ハチマキより長く生きてきた分、あるいは「優秀」な分、現実をシビアにシニカルに捉える親父・ゴローは、彼を認め、その宇宙船に乗る事を決意する。
家庭を犠牲にして宇宙に賭けてきた親父は、ロックスミスの中に自分と同じ物を感じたのだろうか。

 アニメのオリジナルで出しているキャラクター達が皆、正しく物語を補完し、加速し、意味を深める役割を担わされている見事さ。
 夢の被害者となった(?)ニンジャ達、地上の厳しい現実をハキムと共に(かな?)背負うクレア、木星往還船での役割をハチマキと代わる事になるのだろうか 死に行く定めのギガルト。
世界の膨らませ方が、巧いねえ。

 エンジンの爆発に巻き込まれた…と思われるニンジャ達。
でも、その辺の事情は余りクローズアップされなかったな。
何とか助かったのか、彼らの損失は次回以降に意味を持ってくるのか。
 関係ないけど、「凄いエネルギーの爆発が起こった中心部では、時空間に裂け目が出来る」というようなネタが、オールドタイプのSFでは割とあったような。
その理屈(笑)で行くと、ニンジャ達も どこか他の時代・空間に飛ばされただけかも知れない。
 過去の日本に出現して、彼らが、割とショッパイ忍術を駆使する真田十勇士になったとか どうか。


2004年2月8日 日曜日

 映画『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』を、先行上映で見る。
 言わずと知れた大ヒット映画の完結編。
 前2作が面白かった人間にとっては、まず失望させられる事のない、膨らみすぎている観客の期待に対し、最大限 応え得た映画だと思う。

 以下は内容に触れてしまうので、別ページで。



 そういえば誕生日。
今日で何歳になったかは、あんまり考えたくない気分だけど(笑)(泣)。
 人生の残り時間が もう果てしなくはないのだ、と実感できる年齢。
その間に何を成すか、だなあ。


2004年2月7日 土曜日

『あたしンち』82.「みかん、前世は何っ」「耳がザツ」

 みかん母が聞き間違い、言い間違いをする、という後半の話で。
娘に対し、「お母さんはね、みかんがかわいいから叱ってるんじゃないのよ。みかんが憎いから叱ってるの」と言った母の言葉は、「かわいい」「憎い」の位置を間違えてるんじゃないか、って話をしていた。

 あー、見てて思い出したけど、20代半ばの頃、友人が出版社持ち込み用に書いた小説を、感想を聞かせてくれと言うので読んで、アレがダメだコレもダメだ全部ダメだと言いたい放題 言った後、多少なりと凹んだらしい彼に向かい、「オレはね、お前のためを思って言ってるんじゃないただオレが楽しいから言ってるんだ」と本音を述べてしまい、そりゃもう つかみ合いの(以下略)

 そんな彼も、今では文章を書いて生計を立てている。
 きっと あの時のオレの一言が彼の心に火を付けた、そのお陰だな、と勝手に思っているが、彼の意見は違うだろうし、迂闊にこんな事 言おうモノなら ふざけるなこの野郎と又つかみ合いの(以下略)



『BURN-UP SCRAMBLE』04.「撃走!!大東京七万km!!」

 超法規的権限を与えられた特殊能力を持つスーパー婦警チームの挑む事件が、ショボいモノばっかりなのが不思議だったけど、どうもワザとなんだなあ。
今回なんて、単なる「空き巣狙い」相手に出動だもんね。

 スタンダードと言えば聞こえがイイけど…「古い」とも言える作りで、特にコミカルな描写、ラッキーカラーが黄色だと聞いたヒロインが全身黄色ずくめの服装で出掛けるが、アンラッキーな事ばかり起こる、なんていう辺り、もう懐かしいと言うしか。
教科書通りのお話作りなら、「ラッキーカラーが、土壇場での逆転の鍵になる」という お約束まで押さえて欲しかった。
 「触れられたくない過去(かなり しょーもない)を抱えたヒロイン」というのを繰り返しギャグに使っているのが、時折 妙にツボに入って笑ってしまう。

 ヒロインの読んでいる雑誌名が「女性A(エース)」で、その裏側にある広告は「ポックリ製薬」の…何の薬だか知らないけど天使のマークが描かれた嫌なシロモノであり、コピー文句は「ポックリいくぜ」。
 アニメ全体がこういう、まあ「しょーもない」カラーで統一されていて、それはそれで、変な好感が持ててしまったり( ^_^ )。

 空き巣狙いと深夜の街で追いかけっこを行うのはイイけど、ヒロインが犯人である男の装備を段々と取り去って全裸にしていく…って、見せられるのが男の裸じゃあ、サービスとして機能してないよ(笑)。
せめて お互いに脱がしあう、ぐらいにしてくれれば良かったのに。
 「嬉しくもないモノを無理矢理 見せる」という事で、視聴者への嫌がらせのギャグを狙ったモノ?


2004年2月6日 金曜日

『プラネテス』16.「イグニッション」

 明日がもう今週分の放送日だというのに、今更 先週分の感想。
 とうに見ていたんだけど、なかなか感想を書くのが難しくて。
いや、ストーリーなんかは全然難しくないのだが、作られ方をちょっとでも分析してみたい、とか考えると途端に難しい。

 今回の話で、これまで放送されて来た内容については、ハチマキの回想(幻影?)に登場する過去のイメージが全て意味を持ってくる事により、「とりあえず」「何となく」「ライブ感覚で」という作られ方とは正反対、驚くほど考えた上で構成されている事が分かった。
 いやー、「分かった」とか簡単に書くけど、信じられない高レベルの技術。
 適当な理屈を付け「コレはこういう事なんだよね」とか言おうかと思い3回ぐらい見返したけど、無理無理、「スゲー」しか言葉が出ない。
 だからまあ その辺は、「連邦のモビルスーツは化け物か!」という事で(分かり辛い)。

 地上に降りて、結婚して穏やかに生きて、時々 宇宙を見上げては「あの病気さえ なければ今頃オレは…」と呟く人生も悪くないと思うけどな。
「宇宙はお前を愛してはくれないが、許してはくれる」それだけで上等。
 …それはオレの本性が負け犬だからか(笑)。

 「夢」を取り戻せたハチマキは、幸せだったのかな?
 以前のようにギラギラとし、周りの人間を傷つけてでも先へ進んでいこうとする抜き身の「夢」から、もっと安らかに仲間と(剣呑な「自分」とも)共に歩んでいく「夢」へと変質を遂げたのだろうから、幸せ・不幸せはまだ分からないか。
 また、それを第三者が計って良いモノかどうかって問題もアリ。


2004年2月5日 木曜日

『マリア様がみてる』05.「戦う乙女達」

 むー、大波乱が待っているのかと思えば、見た目通り、由乃と令は心の底から惹かれ合う らぶらぶカップルだったって訳ね。
 悪くはなかったが、誤解とか葛藤とか すれ違いとかを用い、もっと焦らして盛り上げる事も出来たと思う…そうする事は目的に無かったのかな。
 おねー様方が見せた反応通り「余計な介入は不要」の事件(とも言えない?)に、祐巳が絡んでフラフラしていた、という話?

 強敵との剣道試合と、手術の様子を、重ね合いながら見せてくれると好みだったな。
でもまあ、「病気の少年を手術に向かわせる勇気を、試合での予告ホームランで支える」みたいな熱血の内容とは違うから、そういうのもナニか。

 お姉様の一人が、ずっと浮かない顔をして腫れた頬を押さえたりしていたのは、親知らずを抜いたため。
 誰かに殴られた訳ではなく、「歯が痛い」というのを表している事は、上手く描けた絵だった物で すぐ分かってしまったが。
ここは、「赤く腫れた頬を痛そうに押さえて」と文章で書けば(余計な事を書かなければ)済む小説と、目で見える情報を描くよう求められるアニメとの違いかな。
アニメの方が、このネタに関しては不利だったかと。
 しかし、ここでのエピソードは結局の所、意味があったんだろうか?これから意味を持つ?

 予告での祥子の、「馬鹿なこと言ってると、あなたをぐつぐつ煮込んでよ、祐巳」というセリフに笑う。
やっぱり、予告の祥子が好きだなあ( ^_^ )。



『まぶらほ』15.「のぼっちゃった……」

 原作があるのだから確かな判断は出来ないけど、シナリオライターの小山 高生って上手いなあ、と、このアニメを見ていると感じさせられる。
 相手は超が付く程のベテランであり、今更そう言う事からして失礼ではあろうけど。
でもまあ、何年やっててもムニャムニャな物しか書けない人間、いくらでも居るからね(ああっそんな目でこっちを見ないで)。

 今回はまた、武士道一直線娘・凜のエピソード。
 実家が豆腐屋だったとは意外。てっきり道場だと思っていた。
所属が剣道部ではなくて生物部だったり、武闘少女の割にはメガネっ子(笑)だったりと、不思議な変化球設定を付けられたキャラだなあ。
「良くいるタイプ」からの差別化を狙った?

 凜と兄妹のように育った青年が登場。
 構成の巧さによってギリギリ描けていない事はないのだが、やはり登場から最期までを一話だけで済ませるには、無理が。
ちょっと前から、何となく存在だけでも匂わせておけば、存在感が よりしっかり出せたと思うな。その辺はシリーズ構成の責任になるか。
 駆け足による弊害は どうしても出てしまっているけれど…
ラストの凜による「ありがとう、お兄ちゃん」というセリフ、ここに賭けたシナリオだった訳だよね。
断片っぽくなっていた現在と過去の出来事が、この一言でキレイに繋がる。
ここから逆算して書かれたシナリオなのか、とさえ思える程。

 凜は、今回と、以前の初恋の話で、結構 描き込まれているなあ。
 ちょっと薄目だった夕菜も、素直にヤキモチを焼いて主人公への折檻行動(古いけど「電撃だっちゃ〜!」みたいな)を示す事によって、割とイイ感じに。
 あとは玖里子か。
タカビー系キャラの外壁が崩れる瞬間は一番 美味しい所なので、外さないで上手くやって欲しい。



『R.O.D -THE TV-』12.「紙々の黄昏」

 腹に堪える緊迫感のある展開で、血圧が上がってしまう。

 リーの裏切りは…
最初からこのために潜入して信用を得ていたようだから、「裏切り」ではなくて、「当初の目的(受けた指令)通り」ではあるんだろうな。
ねねねにも、三姉妹にも、視聴者にも、今の所どっちだって同じ事ではあろうが。
 わざわざ三姉妹の目の前で、しかも彼女達を始末する事なく馬鹿正直に高額の報酬まで渡して引き上げた態度からは、「助けに来ても構わない」、もしかすると「(自分には出来ないが)助けてやってくれ」というメッセージまで読み取れる。
 任務中は控えていたタバコを久しぶりに吸い、「こんなに不味かったかな」と呟くのに、本心が現れているんだろうな。

 ねねねを助けに行くのは、自殺行為。
読仙社の非人道的な実体は既に承知している訳で、そこへの潜入は、大変な危険を伴う事くらい分かるはず。
 「アニタを守る」事を第一に考えるミシェール、マギーとしては、余り歓迎できないプランだったろう。
 それでも決行する決心をしたのは、姉妹の縁を切るとまで言うアニタの気持ちに応えるためと、もう「四姉妹」の一人になっているとも言える ねねねを大事に思う、自分たちの気持ちに正直であろうとする思いの表れ。
 三姉妹会議ぃ〜(久しぶり)で、アニタより先に救出行動の決定に賛成票を投じる姉2人が、涙腺に来るねえ。

 ねねねに行われる「インストール」とは何で、どうするためのもの?
かなりキツイみたいだけど…汗と涙と鼻水と吐瀉物にまみれた彼女の顔は余りにも可哀想、だけども ちょっと色っぽかったり(阿呆)。
 「人類の9割は自我を持たないから大丈夫」とか言っていたが、ねねねにしているのと同じ事を、いずれ全人類にも施すつもりなんだろうか?

 読仙社って、表向きは何の会社だっけ?
ロビーには一般人が多く居たように見える。
 潜入後のアクションは、「紙使い」としての能力を縦横に駆使して構築されており、かけられたアイディアの量・演出・作画共にテレビアニメの水準を超えていて、スゲエの一言。
才能あるスタッフが、熱意を込めて作り上げた作品を見ていられる幸せ、ただそれを有り難く享受させて頂くのみ。

 そして、最強の紙使いとの戦い。
紙使い同士が正面からぶつかるのは、初めてか。
 ドキドキしながら来週を待とう。


2004年2月4日 水曜日

 油断している内に『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』の上映が、とうに終わっていた事に気が付く。
しまったぁぁぁぁ!

 …気を取り直して、映画『ファインディング・ニモ』の日本語吹き替え版を見る。
 監督は…とか個別に言うより、「ピクサー社ブランド」と表現すれば済んでしまう感じ。

 米では驚異的なヒットを成し遂げ、日本でも結構当たっていると思う。
 見て、うん、確かに面白い。
親子の愛情があり、別離の哀しみがあり、お馴染みのアイディアのかかったアクションがあり、笑いがあり友情があり感動がある、徹底したエンターテイメント作品。

 ただ…うーん、何というか、期待される「ブランド」の中に行儀良く収まってしまった感もあり、『トイ・ストーリー』での「いつか捨てられるかも知れない厳しい現実をも無視しない、ギリギリの感動」といったエンターテイメントの境界線一杯から投げかけられるテーマ、というようなモノは、無い。
 全体に、甘い、もしくは正しく子供向けに「優しい」作りになっており、人間以外の生物と出逢う際の緊張感が薄いのも、個人的にはちょっと物足りない(冒頭の厳しさが浮いているような)。
 ニモとマーリン、互いに個別で苦労するエピソードはあるが、親子揃ってからの「最大の危機」となるはずのものが弱いのも、満足感を薄くしている要因。
 …もしかするとオレが、ドリーのような「おバカさん系キャラ」とのバディ・ムービーを余り好きじゃない事こそ、入り込めなかった一番の原因かも知れないけど。

 とはいっても、ニモが水槽からの脱出を目論んで起こすアクションのアイディア、『未来少年コナン』第一話を思わせるサメとの大迫力チェイス、気のいいウミガメの楽しさ、単なる悪役にしてしまうのかと思えば必ずしもそうではない人間のチビ娘の扱い、そして何より全編に渡る海の圧倒的な美しさで、見た時間分以上の充実感を与えてくれているのは確か。
 これ以上何を望む、と言われると、それは全くそうなんだけど…
 高いレベルで仕事が出来る制作者には、より高く、前作を遙かに乗り越える完成度の作品を見せて欲しい、という欲がつい出てしまい、それを僅かでも下回ると「もっと頑張れただろう!」と無茶な贅沢を言いたくなってしまう。
 人間(オレだけ?)、勝手なモノで。


2004年2月3日 火曜日

 なんだか、バンダイが「たまごっち」の新型を発売するそうで。
 液晶画面でのキャラクター表示が以前のモノとほとんど変わらないし、一番のウリが赤外線通信で2世を作れる、ってだけじゃあ…
ブーム後期には、子供が作れる たまごっちも出てなかったっけ?

 今はまだ、「たまごっち」という名前そのものが、「過ぎ去りし栄光」「時代遅れ」「持っていると恥ずかしい」といったマイナスイメージと共にあると思うのに、それを吹き飛ばす強力な新機能も無しに出しちゃうのね。
膨大な予算と手間暇を掛けて、再度ブームにすべく仕掛ければ…あるいは そこそこ上手く行くかも知れないけど、その努力に見合うほどの成績が上げられるかどうかは…
 もう、その発展型である『ポストペット』『どこでもいっしょ』さえ落ち着いた状況なのに。
 そもそもヒットなど期待してないのかな?
安く作って、売れたら儲け、くらいの考え?

 最初にアイディアを出し、大成功によって褒め称えられ、ブームの終焉による大量の不良在庫について責任を問われた、生みの親であるバンダイの お姉ちゃんは、今どんな気持ちだろうか?
って、まだ社内にいて今回の仕掛けも そのお姉ちゃんだったら驚きだけど(笑)。

 ハード無しで、携帯電話のアプリケーションとして発表すれば良かったのでは?
それでも、大した人気にはならないだろうが。

 それにしても、原えりすん氏の見る目は確かだなあ。
予想した途端に来ましたよ、リバイバル。
 …氏が想像したよりもバンダイは性急だった(まだ12年経ってないのに)、という所はあるが。



『妄想代理人』01.「少年バット参上!!」

 監督は『パーフェクトブルー』『千年女優』『東京ゴッドファーザーズ(未見)』など、高いクオリティーの作品を作り続けている今敏。
 そのこだわりが、13話からなるテレビシリーズで どこまで維持していけるのかが、意地が悪いようだけど最大の見物。
 第一話の画面の出来としては、演出・レイアウトから作画まで、劇場映画クラス。
見事、視聴者の期待に応えたと言えるだろう。

 お話は…
 冒頭の携帯電話を用いた(嘘を含む)コミュニケーション、勝手にデザインの仕上がりを約束してしまうカマっぽい上司、深夜にゴミ袋をあさる老婆、ヒロインの証言に露骨な苛立ちの表情で応える警察のオッサン…実に不快で、不安なイメージ。
 不快さで言えば、最たるモノは、人身事故を起こしてしまったらしく被害者から怒られ続けている噂系雑誌記者のオッサンだろう。
ダラダラ汗をかき続け、嫌ぁ〜な方法でパフェを食べる(笑)。
熱意と愛情( ^_^ )を込めて、「嫌われるように」描いてある。

 バットを持った少年に襲われたヒロイン。
 彼女の証言の言葉が、人々の口を経て都市伝説のようになり、少年のイメージが勝手に彫り込まれていく。
 ヒロインが主催する(?)HP掲示板への書き込みが、最初は純粋に彼女の心配をする内容ばかりだったが、次第にウソツキ扱い、犯人扱いまでし、心を引き裂くモノが増えていく。
…事件で名前が知れ渡る事により、主催者に対し僅かの好意も持たない人間までもが訪れるようになり、オモシロ半分の捨て書き込みが成されるようになったんだろうな。
なんかこの、不快さと不安さの象徴を顔のないネットの人々に求める やり方が、実に今日的でリアル。
 そういった、彼女の、そして視聴者のストレスもが相当に溜まってきた所で、ヒロインのデザインによる縫いぐるみが突然に動き出し、人語で慰め始める。
それは、彼女の見た(驚いてなかったから日常的に見ている)幻か、それとも物語的な仕掛けに起因するモノか。
 絵空事になってしまいそうなシーンを、雨音と、頭の重さに縫いぐるみが よろけてしまうリアリズムが現実につなぎ止め、ゾッとさせてくれる。

 そして、再度 現れる「少年バット」。
 最初はヒロインを襲いながら、今度はまるで彼女の窮地を救うべく来たようにも見える。
 「ただいま」という言葉の意味は?
 …『パーフェクトブルー』的なトリックだと考えると凄く分かり易いんだけど、物語構造には凝る監督だから、もう一ヒネリあるんだろうな。
 集団的無意識が生み出した不安の象徴たる少年が、大きなストレスに見舞われている人間を襲っている(抑圧から解放している?)とか?…アリガチだ。

 狂気を秘めた雰囲気には強く引き付けられるが、ちょっとまだ どういう方向で面白くなっていくのか読み切れない第一話。
 監督の映画作品も、最初は「?」と思わせ、次第に「ああ、そういう事か」と分からせて、全体を見終われば確かにその導入部に意味があったと納得できる構成を取っているので、これも、まだ「よく分からない」という感想で良いんだろう。
 当然、視聴継続。



 友人からの薦めにより、漫画単行本『ゾンビ屋れい子』(ぶんか社/三家本礼・著)を読む。

 以前より、面白いから読んでと言われていたが、タイトルからして大体こんなモノかなあと想像していた内容は、余り興味を引かれるようなモノではなく、今まで敬遠していた。
 書店で単行本を見かけたので、3巻までまとめて購入。
読んでみて…翌日、一気に最新刊10巻まで購入。
 いや〜、コレはホントに面白い。

 死んだ人間を「ゾンビ」として蘇らせる能力を持った女子高生(?)れい子。
ここでの「ゾンビ」とは、映画などでの見境無く人を襲う存在ではなく、生前の記憶を持ち、不幸な死に方をした者はその復讐を遂げようとさえする、文字通りの動く死体。
 その力を使って、死者が絡む事件を解決していくのが1巻目の基本スタイル。

 「1巻目の」と書いたのは、2巻目からは全く違った内容へと変貌していくから。
「ホラー漫画」としては、大間違いの方向へ全力疾走での進化を始めてしまうのだ。
サッパリ怖くなくなるもんね。
 そして勿論、この作品が愕然と面白くなるのは、間違った進化の始まる2巻目以降。
 それがどういうモノかというと…「某漫画とよく似た( ^_^ )面白さ」という事で端的に表せると思うが、その漫画が何なのかは、知らないで読んだ方が ひっくり返る楽しさを味わえるだろうから言わない。
 とりあえず3巻まで読んで貰えれば、ハマるか、呆れるか出来ると思う。
 巻が進むに連れて、「絵」はガンガン上手くなっている。
ストーリーとして、6巻から7巻前半が、今のところ一番面白いかな。

 しっかし、ホラー漫画とはいえ、残酷描写が容赦ないのには驚かされる。
人の肉体を破壊する事に対する執念が、特に、凄い。
 その矛先は「子供」にも容赦なく向けられ……
エロ漫画誌で同じシーンを掲載したら、一発で廃刊の憂き目を見そうだなあ(笑)。
 個人的にはそういうのは今のところ、別に やりたい事じゃないんだけど、規制が緩い場所は、ギリギリの表現までも用いる事で何事かを描き出したい作者にとって、貴重だと思う。

 無謀にも実写ビデオ化されるようで。
本当に面白い部分を映像化できるとは思えなく、気の抜けたモノにならなければ良いが。


2004年2月2日 月曜日

『ふたりはプリキュア』01.「私たちが変身!?ありえない!」

 分かり易くヒロイン2人のキャラを立て、物語の基本構造を過不足無く紹介するお話を、確かな演出と作画で見せてくれた。
 ただ…うーん、この第一話を見る限りでは「良くある変身ヒロイン物」としか思えず、面白くなっていきそうな特別な要素は見あたらない。
 『ナージャ』も、最初は余り面白いと思わず見ていたので、キャラの魅力が滲み出、物語の仕掛けが効力を表してくるまで、とにかく見続ける事だろうか。



『光と水のダフネ』03.「ネレイスほど素敵な商売はない?」

 先輩2人の内、メガネ女性の方に焦点を当ててキャラを彫り込んだ話。
 知的で大人しげなイメージに似合わず、元ヤンキーっぽい下町の乱暴者だった、という事で、ギャップによるキャラ立てを目論んだものと思われるが…
まだ、このお姉ちゃんに対して ほとんど何の情報も与えられておらず、だから「意外さ」など感じようがない。
 起きた事件も興味を引くような内容ではなく、主人公達の組織を「何でも屋」と位置づけた事による先行きに不安を感じてしまう。

 騒ぐほど悪い出来ではないけど…
 これも、しばらく感想は書かないで様子見かな。



 昨夜、コンビニに立ち寄っての帰り道、道ばたにて、携帯電話で話しているサラリーマン風のお兄ちゃん…というよりオジサンを見る。
 大きな声で話しているので嫌でも内容が聞こえてきたんだけど、それが、
「違うよ、違うよ違うよ。…違うよ?違うよ!違うよ違うよ !!違うよ違うよ違うよ違うよ」
というもので、無意識にカウントしていると、所々ニュアンスを変えて疑問系を挟んでみたりしながら実に11回も「違うよ」と言っており、何がそんなに違うのかと尋ねたくなってしまう。

 歩いてその人の横を通り過ぎようとすると、話す内容が変わった。
今度は、
「マジで?マジでマジで?……マジで?マジでマジでマジでマジで?マジでマジでマジで?」
と、「マジで」の羅列。しかもまた11回きっちり。
 何がそんなに「マジで?」なのかも尋ねたかった所だけど、多分オレの人生には何の関わりも無い事だろうからそのまま通り過ぎて帰る。

 ふと、山村暮鳥の「風景」を思い出してみたり。
 「いちめんのなのはな」という言葉を連ねる詩を、あの男性なら情感を込めて上手く音読できるのかも知れない。
 …ンな事ァないかも知れない(笑)。


2004年2月1日 日曜日

 録画してあった映画『愛しのローズマリー』を見る。
 監督は『メリーに首ったけ』のファレリー兄弟で、主演女優がグウィネス・パルトロー。

 少年の頃、尊敬していた父親が死の間際に錯乱して残した歪んだ遺言が心に刻まれてしまい、女性を外見の美しさだけでしか見られなくなってしまった男。
成人した彼は、たまたま出逢ったカウンセラーにより目を開かされて、逆に内面の美醜でしか相手を見られなくなってしまう。
 一目惚れした、スタイル抜群で美しい完璧な女性。
しかし彼女は、他者の目からすると、体重過多のみっともない顔形にしか見えなかったが…

 予告などからして、もっと ふざけた内容を想像していた。
太った女性を笑い、彼女に美を見出す者を異常者扱いする事で、刹那的な面白さを提供してくる作品なのだろうと。
 大違い。
随分と真剣に、深く、色々な事を考えた末に、「覚悟」を持って作られた映画だった。

 こういう題材は難しい。
サジ加減を ちょっと間違えただけで見るに耐えない作品になり、女性からは総スカンを食らい、どこかの団体から抗議を受ける可能性すら生じる。
 オレは、この方向で何かの作品を作れる自信が無い。
リスクが余りにも大きすぎるから(それはそれで差別になり得るかとも思うけど、現実は散文的なもので)。
 そこに果敢に斬り込んだというだけで評価に値するが、それだけでなく、「美」と「醜」、「理想」と「現実」、「見る人により、同じ世界でも様相が一変する」という「夢」であり「真理」までも描いており、受け止めきれない程のメッセージと、シビアな世界の有り様と、それでもなお存在し得る希望を与えてくれた。

 いや、とは言っても基本は時折ギャグにまで到るコメディーなんだけどね。
アチコチ、ヒデぇネタも含めて、笑わされてしまった。
 そのオブラートにくるむ事で、劇薬にさえ変わりかねない この作品のテーマは、ようやく見る人の喉を通り抜け、心に届く事が出来るのだと思う。

 主人公は、カウンセラーに会う前から既に、人の外見に惑わされない本質を持っていたんだろうな。
レネ・カービー扮する下半身が不自由な男(この人の力強さには、打たれる)と、全く避けたり嫌がったりせずに付き合える彼の心は、元々真っ直ぐだったのだ。
 入院中の子供達を見舞うエピソードが実に良くて、辛い現実を逃げずに見せ、それを主人公の心が乗り越えていく過程をしっかりと描いており、ちょっと泣けてしまった。

 けしてハンサムではない主人公の友人が語る、「美人は、『俺達に対しては』優しくもユーモラスでもないぞ」というような言葉は、胸に刺さるぐらい真理(;´д⊂)。

 ディズニーアニメ版『美女と野獣』は好きな映画だし、野暮な文句を言うタイプの物語ではないのだが、それでも、最後に野獣が美しい王子に戻ってしまう展開には僅かな疑問符が付いてしまう。
結局『美女と美男』になって終わるのか、と。
 その辺り、ハッピーエンドを望まれる物語として、この映画はどう決着を付けるのかと興味深く見て…
 まあ、それは見ていない人のために伏せる事とする。
 個人的には満足のいくラストだったな。
全然 別の部分…2人の明日からの生活について、「それでイイの?」と疑問に思ってしまったけど(笑)。
2人一緒なら、どんな苦労も平気なんだろう。きっと。
いや、それでも彼女の食事量からすると問題が………( ^_^ )

 ゴチャゴチャ考えずとも楽しく見られるし、考えようとすれば どこまでも深く思索する事が出来る。
 見て損のない、見て良かったと思える映画。



『仮面ライダー剣』02.

 イケメンお兄ちゃん達の見分けが、一話目よりは付くようになってきた。
それは、先輩ライダーが今回 出なかったので一人分「楽になって」いるから。
セリフの内容や「喫茶店の地下にいるから あの人」とかいう設定に依って見分けている部分が、まだ大きいけど。

 ストーリー。
 先輩ライダーが裏切ったというのは、誤解なんじゃないの?
誤解の内容には、「所長が悪い奴だから罰した」のと、「錯乱した所長を危険な所内から連れ出すために仕方なく当て身を喰らわした」という可能性があるな。
 後輩ライダーは、いつから研究所で働いていた?
余りにも内部事情を知らなさすぎ。
彼はまあ、ムニャムニャだから仕方ないとしても( ^_^ )、所員であったお姉ちゃんも同程度の知識しかない?トボケてるだけなのかな?

 ライダー、というのが世間的にどれほど認知されている存在なのか、まだ分からない(喫茶店の娘が余り驚いていなかった様子を見ると、有名?)。
 速やかに撤去されたという研究所の仕事内容も、どれぐらい秘密だったんだろう。
後輩ライダーも所員の姉ちゃんも野放し、という事は、さほど神経質に隠そうとはしていなかった?
 この辺は、ルポライター兄ちゃんの視点を使えば いくらでも描ける所だと思うが。

 イキナリ ライター兄ちゃんの家に厄介になっている お姉ちゃん。
…この人も、給料をもらってなかったもんで家賃未払いになり、アパートを追い出されたの(笑)?
 撤去される研究資材を どうやって運んだか大量に持ち込んで。
 んー、後々のストーリーの都合で、同居させる事や機械類が必要な事は分かるんだけど…サ店の爺さんが凝った仕掛けの秘密部屋を構えている『アバレンジャー』レベルのリアリティーだなあ(決して『アバレ』を下に見ている訳ではない)。
 この辺も、一話目で研究所を壊滅させてしまう性急さのツケが回ってきているような。
何話か正規の仕事として働くライダーを見せておけば、その内にルポライター兄ちゃんと親しくなっていく様子が描けたろうし、自分の仕事に疑問を感じ始めたお姉ちゃんが機材やデータを少しずつ持ち出していく過程も見せられたろう。
 その「仕事」としてライダーをやっていた部分がほとんど見られず、しかも研究所壊滅によって資格も報酬もなくなったというのに、「それがライダーの仕事じゃないの?」と言われても困る。
 義務も見返りも無く行う行為は「仕事」じゃないな。
「ボランティア」?

 戦いぶりは、まあ普通だろうか。
まだカードバトルの楽しさは見えてこないけど。
 ライバル・ライダーのデザインは格好イイね。

 色々書いたけど、酷い混乱ぶりだった第一話より内容が整理されて、何か伝わってくるようになったのは確か。
 物語に加速が付いてくれば、面白くなってくる…かな?
 シナリオライターの力量が分からないので、もしかしたらこのままのテンションで推移してしまうのではないか、という気の早い不安もあるんだけど。



『十兵衛ちゃん2 〜シベリア柳生の逆襲〜』04.「ずっと帰らぬ父だった」

 うーん…この作品、ギャグは面白いしシリアスな剣劇にも迫力があり、双方共に見所と言えるんだけど…
その二つの繋がりが良くないなあ。
 両方の世界を結びつける役割であるはずの自由が、変身アイテムである眼帯を付ける事を、過剰なまでに嫌がっているのが原因。
 「嫌々ながら変身する」というパターンですらない、本気で迷惑らしく、眼帯を他人に渡してしまおうとするぐらい。
日常ギャグが、シリアス剣劇をドラマ中から追い出そうとしている訳だ。
 制作者は周辺の事情を整え、自由が十兵衛になって颯爽と活躍する事に理由付けをしようとしているのだが、肝心の本人の意志があくまで「嫌」だという所から動かないので、どうしようもない。

 だから、内容が分解しているように見えるんだけど、これは意図的なモノなのかな。
コミカルな日常部分からすると、変身をもっと軽く扱う事は いくらでも出来るはずで、拒絶する姿勢を長々と見せ続けるのは この後それがテーマ・物語的に大きな意味を持ってくるから、と考えないと少々シンドイ。
 前作も こうだっけ?


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