ときどき日記 05/07

2005年7月31日 日曜日

『ゾイド ジェネシス』17.「怒り」

 うぅ〜〜ん、こう来たか。
 前回の内容から、明暗二方向の展開が誰でも考えられたと思うけど、そうか、こういう手もあったんだ。

 どう考えても怪しい情報を真に受け、ノコノコ出掛けて行くのは どんなモンか。
まあ、ルージもガラガも感覚に基づいて行動する方で、策略家という訳ではないから、仕方ないかな。
 強大なディガルドを相手に、補給物資を強奪し続けていれば いずれ対策を取られ、死の危険に見舞われるのは当然で、ルージは緊張感に欠ける無敵団を止めるべきではなかったか、と思ったけど…
団員は皆、それぞれディガルドに対し悲惨な過去を抱え込んでいるのだろうから、ただ無謀だから止めろと言っても聞くはず無いのか。

 余りにも呆気なく命を落としていく5人が切ない。
弱い身ながら、誇りをかけて せめて一太刀…と果敢に挑み掛かる姿は胸を熱くする。
 自分で作り上げた団を失い、仲間達と離ればなれになり、今また自分を慕ってもくれた子供達を喪う事で、遂に最終兵器を使うガラガ。
それは敵味方関係なく、側に居る者を皆殺しにするまで止められないバーサーク・モード。
 同じように怒りを感じていただろうに、体を張ってデッドリーコングを止めるルージの、意外な冷静さに驚く。
「ガラガに、ディガルドのような無為な暴力を振るわせたくない」気持ちの表れか。
 「導いてくれる人が必要だ」と言うルージに向けられたガラガの視線は、この後の展開に繋がっていきそうだなあ。

 で、オチ。
内容が内容なので、許せる人・許せない人が出て来て当然。
個人的には、「ホッとした」ので、許容。
 この作品でこれまで提示されて来た世界観からすると、そぐわない存在である無敵団を登場させて、その有り様から必然とも言える最期を迎えさせ、そしてまた、反則技っぽい復活を見せる。
いいように製作者に振り回される自分が、楽しかったり( ^_^ )。
 ただ、このパターンは「番外編」とも言える無敵団エピソードだから許せるもので、これ以上使うと作品の緊張感を大きく損なう恐れアリ。
注意が必要。
 思えば、真正面から戦いに臨まず、セコい手で切り抜けてきた無敵団は、修練により、あるいは弱い者特有の本能で、「危なくなったら誰にも見破られない程 見事に死んだフリをして切り抜ける」スキルを身に付けていたのかも。
本気で自分たちを「無敵」と捉えていたように、「ズルい演技をしてしまった」事は自覚しておらず、ルージ達をも騙す形になったとは夢にも思っていなかったりして。



『交響詩篇 エウレカセブン』16.「オポジット・ビュー」

 以前、レントンとドミニクが好きな女の子のために共同戦線を張る話で、ようやく視聴者と作り手の感覚の違いを埋められたかと喜んだが、また少し乖離気味。

 何しろヒロインのエウレカが、前回 突然不機嫌になり、それをまだ引いていて…
元々「凄く魅力的」と言える程のキャラではなかったが、理由不明でコミュニケーション不全に陥ってしまうと、もうお手上げ。
 『エヴァ』の綾波は、まず遠い存在として描かれ、次第にカラが剥がれて分かり合えるようになっていく悦びを、キャラクターの魅力として演出してあったのだが。
 エウレカは、まだ ほとんど内面が分からず、親しみを感じ辛いままだった所へもって来て、この断絶。
「エウレカどうしたんだろう?早く彼女の笑顔が見たいな」と考えられるぐらい入り込めていた人はともかく、それ以外の視聴者にとっては、何かもう面倒臭いからどうでもイイやと思われかねない。

 レントンを「ムカツク馬鹿ガキ」に描いた意図は?
今回、エウレカに驚くぐらい無神経な言葉を投げかけた後、食糧が不足しているらしい(前回は健康食ブームを起こせる余裕があったような…)ゲッコー号の仲間を放って置いて、自分だけ腹一杯ピザなど食べまくった挙げ句、不法侵入のどう見ても怪しい住宅内で就寝。
 エウレカへの暴言は、何とか彼女に感情の波を起こしたかったから…なのかな?
 前回、叔父さんにたれ込まれ、軍にエウレカ達を捕まえられてエライ目に遭ったというのに、まるでその教訓が生きていない無警戒ぶりは、どう考えれば良いモノか。
住宅侵入以前から、幻想世界に入っていた?
 …しかし、ドミニクとの共同戦線話で見せた意外な程の冷静さ、判断力、熱血男の子っぽさとは、別人。
キャラクターには幅があっても良いんだけど、こんなにマイナス方向に振って見せられると、醒める。

 不可思議なイマジネーションも、ついこの前見せられたばかりであり、しかもビジュアルや背景の意味に新しいモノがある訳でも無さそうで、ダレてしまう。
 コーラリアンを通り抜けた者達は互いの心の奥底で繋がってしまった、という事を言いたい?


2005年7月30日 土曜日

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』41.「リフレイン」

 製作状況が逼迫しているのかも知れないが、物語としては、あと10話を切っているのに総集編なんて入れてる場合じゃないのでは?

 こうして短くまとめられると、余計にキラ・アスラン達の意見に同意し辛い。
 次週、カガリの戦いへの橋渡しにするには、男共は放っておいて彼女の内面だけにスポットを当てた30分にした方が良かったかも。

 そういえば今期シリーズの冒頭で、ザフトを訪れたカガリは、新型モビルスーツの開発について「強すぎる力は、また争いを呼ぶ」と批判していたんだっけ。
 …それにしては、自身のために父親が残しておいてくれた「強力すぎるモビルスーツ」に対し、特に疑問を感じる事なく乗り込んで、話し合いより争いを優先するように戦いの場に出ていったなあ。
キラのため開発された新型機にも否定的見解を述べないと、自分たちの事だけ棚に上げすぎていると非難されて仕方ない。
 結局、「争いが無くならぬから、力が必要なのです」という、議長の言葉に沿う行動を取っているような。
 やっぱり今回30分かけて彼女の内面の変遷を描き、何とか その行動に説得力を持たせてくれれば、次回の内容にスッと入りやすくなったと思うが。



 映画『さよならみどりちゃん』紹介文の修正が、終わった様子。
 今更言っておくと、内容の紹介をゾンビ映画の『ランド・オブ・ザ・デッド』と入れ替えてしまう、ミスをしていた訳。

 しかしゾンビ映画。
『死霊のはらわた』『バタリアン』『ゾンゲリア』などの路線に沿った まっとうなタイトルを付けるより、いっそこの間違えた『さよならみどりちゃん』の方が、静かにコワイ感じが伝わって来るのでは。
 ヒロイン・みどりちゃんまでゾンビになってしまうのか、取り囲まれて殺されるだけか、あるいは意外と、最後に一人だけ生き残る彼女に向けて死にゆく仲間達の視点から告げる言葉「さよなら」をタイトルにしているのか。
 色々想像させて、怖いと思うな。



 CSで放送していたので、ついうっかり映画『チャイルド・プレイ/チャッキーの花嫁』を見てしまう。
 シリーズ4作目。
 監督は、『フレディ VS ジェイソン』のロニー・ユー

 お馴染みの人形・チャッキーを手に入れた人間時代の恋人が、自分自身も人形になってしまい、最悪の殺人鬼ペアで どたばたのロード・ムービー(?)を展開する。
 …という筋から分かるように、元々はホラー映画だったはずが、ここに到り、完全にお笑い映画と化してしまっている。
まあ、『13金』も『エルム街』も、回数を重ねるウチにホラー色は薄れ、変な殺人鬼が出てくる悪趣味ギャグ風味を強くしていたから、仕方ないのかな。

 人形同士のムニャムニャシーンで、「ゴムを付けて」という女ドールに、「何言ってんだベイビー、俺は全身ゴム製だぜ」と答えるチャッキーの馬鹿馬鹿しさに、大笑い。
 小さい人形対人形のバトルシーンは、『スター・ウォーズ』ヨーダが見せる剣劇を先取りしていたかのようで(嘘)、異様な迫力がありながらも やっぱり大笑い。
 怖いシーンなど皆無。
どいつもコイツもロクデナシの登場人物が繰り広げる悪趣味なギャグの連続に、呆れたり、笑ったり、また呆れたり。

 お時間いっぱい割合に楽しませてもらったけど、人生で二度見る映画じゃなく、ましてや他人様にお勧めなど出来るはずもない( ^_^ )。


2005年7月29日 金曜日

『苺ましまろ』03.「家庭訪問」

 くわー、可愛い。
このアニメに関しては、コレばっかり書いてるような気がするけど、実際最初に出てくる感想が こうなんだから仕方ない、可愛い。

 意味無くネコ耳になり、語尾に「にゃ」を付けようと無駄な努力をする茉莉が可笑しい。
 もうちょっとネコ耳に関するネタを転がしたり、薄くでも えっち方面にまで走ってみたりすれば、これだけで しばらくもたせられるし笑いも強力になったと思うが、「笑いを取る」よりも「可愛さを堪能してもらう」事を最優先に作られているようで、割に淡泊な上、意味を持たせない扱い。
 それでも、キャラクターに感じさせられる親しみ度合いが強いため、チョイとしたネタでも笑いを生み出す事は出来ており、そのヒット率も、なまじのギャグアニメよりか高いぐらい。

 空前絶後の和み・癒しアニメ。
 余りにも心地良いため、「こんなに頭を緩ませて画面を眺めてばかりで良いのだろうか」と妙な不安が湧いてくる(笑)。



『極上生徒会』17.「嘘をつきとおせ!」

 先日、友人と、「最近見ない物語のパターンってどんなのがある?」という無駄話をしていて、そこで「田舎の母親を安心させようと、手紙で自分がどれだけ出世したか嘘を並べていた所、母親が上京してくる事になり、焦って周りに助けを求め、みんなで嘘を本当に見せるための芝居をする事になる」という話が出て…
それは確かに最近見ない、今だと、かえって新鮮な気持ちで見られるんじゃないか、などと言っていたが、今回の『極上』は まさしくその通りの内容。

 ドタバタが散漫になっていたので、もうちょっと突き詰めて欲しかった気はするけど、嫌味な所も無く、見終わった気分は悪くない。
 カタコトの英語しか喋らないシンディと、外人キャラの旨味である「ドコで教えてもらったのか、まるで間違った日本語を使う」アビリティーを全開で行使する そのママが楽しく、ほぼパターン通りに進む物語を面白くしてくれる。

 ちょっとシリアス気味のエピソードが時折入る この作品だけど、基本的に「コメディー」の舞台としてのリアリティーで世界が設定されていると思うので、それらも話の内容自体としては悪くないと思いつつ、違和感を感じてしまう。
 やっぱり、このぐらい馬鹿馬鹿しい話の方が しっくり来るなあ。


2005年7月28日 木曜日

『タイドライン・ブルー』03.「ドゥーラビィーラ」

 第一話を見て、先行きに大きな期待を持った今作だが…二話、三話と、特別悪い訳ではないものの、まあ ごく普通のアニメ、という仕上がり。

 二話など、「危機迫る島からの脱出」が前半のメインだったのだから、そこにもっとアイディアを注ぎ込んで欲しかった所。
 行く手を炎に遮られる・崖が崩れ道が途切れる・避難民の群れに巻き込まれてイスラと一時離ればなれになる…とか。
斜面を滑り降りてきた空母の先端が今まさに突っ込もうとしている小屋に、ティーンが残したバッチ?を回収するため決死の覚悟で突っ込むとか、何とでもイベントは組めたろう。
 ただ時間稼ぎのように、あっちに行ってコッチに行って、という過程だけを見せられても、飽きてしまう。

 艦長グールドとキールの初対面シーンも、「どんな恐ろしい相手かと思えば、手製の料理を勧めてくる気のいいオッサンだった」という事で、意外性を出そうとした意図はよく分かるんだけど…艦長の印象を薄くする効果しかなかったような。
 キール自身は、島を危機に追い込んだのが この艦長によるミサイル攻撃である、という事を知ってるんだっけ?
「そんな危険な艦長だと知らず、親しみを感じてしまうキールに、視聴者がハラハラする」シーンだ、という訳でもなかったみたいだし…

 今回も、キールとイスラを何となく受け容れてしまっている潜水艦、キールに所持品を巻き上げられる乗員達、など…子供(主人公)をシンドい状況に追い込んでないので見易くはあるが、受容のドラマが無く、「民間人を巻き添えにするのも承知した上でミサイル攻撃を行った」船の乗員にしては緊張感も目的意識も感じられないので、拍子抜け。
 船がそういう状態にある事で、軍人然として一切余計な事を喋らないティーンの立ち位置も、おかしく感じられてしまう。

 子供を産んだ、という大イベントを含めてキャラクターを描いていくつもりなのだと思われたイスラは、今のところ、出産したという以外 何の特異性もない。
 今回、ドゥーラビィーラに臨んでの潜水艦アクションを、余り面白く演出できなかったのが残念。
面白いつまらない以前に、よく分からない、ってのが正直な所で。
 そうなると やっぱり、主人公であるキールのキャラをまず立てる事だろう。
人殺しの船に乗っている事を嫌がり一刻も早く逃げ出そうとする、あるいは、医者が乗っている事もありイスラの体調が回復するまでは乗船し続けたいと、「何でもやるから船に残してくれ」という必死な態度を見せる。
どちら方向にでも、アクティブに動く事で個性を見せられると思うが。



『奥さまは魔法少女』04.「夕立は危険よ、ということ」

 これまでは、街(秩序)の守護者・嬉子 対 破壊者・クルージェ、という図式で見せてきた。
 しかし今回、面白半分な行動ばかりのクルージェに、巽とデートをする約束のため「街に遊園地を作りたい」という、視聴者の心情的にも「それぐらいは良いんじゃない」と思える魔法を使わせ、対して嬉子が、これまでと同じように ただ無条件でそれを強制的に破壊し元に戻す事で、良い側・悪い側を一時的に入れ替えてみせる。
 パターンそのものは変えず、二人を囲む条件や心理状態を変える事で全く違う様相を見せ、キャラクターを揺り動かして個人の存在を鮮やかに浮き上がらせる、実に巧い作り。
 不自由な価値観(街の現状維持、旦那との切れない関係)を体現する嬉子と、新しく より良い(楽しい)世界を目指すクルージェの対立。
 クルージェが人間的に成長してくれるなら、世代交代があっても良さそうな…

 嬉子は、旦那さん(元・旦那?)に、先の方はドコまでも許しても、キスだけは拒み続けていた訳ね。
 うーん、どうなんだろ、他がオッケーで障害がそれだけなら、納得して夫婦関係を継続できない事も無いような気はするんだけど。
それはまあ、個人の考え方次第か。
 嫁さんが理由らしい理由も説明してくれないんじゃ、旦那の方にストレス溜まるかな。
 「信教上、キスが禁じられています」「キスだけはするなと母の遺言で」とか何とか、涙ながらに訴えれば納得を得られたのかも。
……どんな宗教信じてんだよ?という、余計な家庭争議は生み出しそうだけど。

 巽は嬉子が魔法少女だって知ってるんだっけ?
コンセントさえ入ってない掃除機が、勝手に動いて自分に絡んできた事を、どう捉えてるんだろ?
 ぼんやりしてるから、気付いてない?


2005年7月27日 水曜日

『かみちゅ!』04.「地球の危機」

 ゆりえ、いつの間にそんなに有名な、日本政府御用達のような神様になったんだ?
依頼そのものは妙な使い魔トリオが取ってきたのだとしても、ゆりえの力を確認もせず「神様」だというだけで交渉を任せるものなのか、宇宙人ばかりでなく「神様」だって研究対象として価値があるものではないか。
 総理が神様協会に相談した所、ゆりえが斡旋されて来、不安ではあったが これまで完璧に依頼に応えてくれた協会を信用して…とか。
 彼女を実験材料にしないのは、怒らせるとコワイ協会のせいかも知れないし、八百万の神への敬意がある日本ならではの対応かも。
これまで何度か神様になった人間を解剖(!)してみたけど、どう調べても普通の人間でしかなく、力の解明が全く出来ないため、諦めたのだったり。

 どうせアメリカに渡すなら、ゆりえを宇宙人と接触させる意味は特に無いような。
 ふわふわとし過ぎていて、あと少し締めた方が全体に面白くなったのでは…と思ってしまう。
 余りにも無責任な総理の態度、教科書で習ったばかりのような ゆりえ棒読みの専守防衛の言葉に行動をためらう自衛隊、など、キュッと締まった、現実とも接するような面白い所も多々あったのだけれど。

 ゆりえは、風使いの神様なのかと思ったが、お札に書いた文句を現実にする力も持っているらしい。
神様はみんな お札能力を持っている?
 三枚に限定された お札を使い、窮地を切り抜けていく、昔話「三枚のお札」そのままの形式を用いたアイディアが面白い。

 理詰めで組み立てた、というよりは行き当たりばったり勢いで押し切るコメディーなので、好みに合う・合わないで評価が大きく違ってくるだろう。
 個人的には、引っ掛かる所もあるけど、面白い事は間違いない。
 それで…宇宙にまでスケールを広げて馬鹿話をやってしまった、この後は、何を見せてくれるんだろう?



『わがまま☆フェアリーミルモでポン! ちゃあみんぐ』「おもろいマンガの描き方!!」

 ずいぶんと長い間 見ていなかったが、サブタイトルに引かれて(笑)、久々の鑑賞。
 …見ていないウチに、知らないキャラクターや妖精が一杯増えている。
浦島太郎気分。

 同級生・はるかに、自分の描いた漫画を読んで、感想を聞かせて欲しいと言われる楓。
 エライ!中学生ぐらいで、自分の作品に客観的評価を求める姿勢が正しいし、ミルモにキツい事を言われても逆ギレせず、内容を良くしていくために どうすれば良いかの意見を求める、その態度が強い向上心を感じさせ、素晴らしい。
 いや、プロになってさえ、自作に関する読者の意見に耳を傾けようとしなかったり、頂いた一言に怒って 相手に当たってしまう人、珍しくないので……自分も含み

 フィクションであり、それが展開上必要だ、というのは分かるんだけど、アレだけ絵が描ける、しかも まだ中学生の漫画を見て、将来を完全否定するような言葉で返す編集者は、まず居ないと思うよ。
編集にはピンからキリまであって どうしようもないのも居ようし、またその虫の居所によっては、「絶対言わない」と言い切れないけど(^_^;)。
 絵は練習すれば上手くなる、コマの割り方や演出は細かく教えられる。
知識の薄さも、中学生なら今後の勉強で何とでもなるだろう。
 その年代で問われるとしたら、「ガッツがあるかどうか」というような精神論方面の素養。
これが無いと、他の力がどれだけ身に付こうとも、仕事としての漫画を続けられない作家になってしまうので……具体的に誰ということなく(汗)。

 それを試すための編集者の言葉だったんだろうか?
悪く言われても、また持ち込んでくるかどうかで根性を試した、とか。
 ナイーブな作家達に接し慣れている編集なら、最初から そういう言葉をかける事が、特に今日、どれだけ危険か分かるはずだし、余所の編集部に持ち込まれたら そこまでだし…
なかなか、それもリアルには考え辛い。

 先にも書いたけど、はるかが「自分の夢を否定された」辛さから逃げようと、気持ちを結木への「思い込みの恋」に切り替える事で、彼の争奪戦に新たに参入して事態は更に ややこしく…という展開のため、必要だったから一度挫折させたのは、分かる。
 争奪戦からの離脱は、「ただ逃避理由として結木を利用していただけだと気が付いた彼女が、もう一度 本来の夢に挑み始める事で、自然と離れていく」か、もっとライトに、「楓 争奪戦を演じる男の子2人のどちらか(スポーツ少年の方かなあ)とくっ付く事で結木を諦める」か、どちらかになるのでは。



 WOWOWで放送された映画『ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密』を見る。
 『テルマ&ルイーズ』の脚本を手掛けたカーリー・クーリーの、初監督作品。
米でベストセラーになった本を原作にしているとか。
 サンドラ・ブロック主演。

 編集さんに勧められて見る事になった映画。
「母親と娘の長きに渡る確執」「老いた母親世代の友情」とか、内容を聞く限り、余り好みに合いそうでなく気が進まなかったのだが…
 見てみると、いやコレは面白い。
一応は、娘役であるサンドラ・ブロックが主役の位置にいるのだろうが、実際メインで描かれるのは その母親。

 「ヤァヤァ・シスターズ」って何かと思えば、母達が少女の頃に交わした、神聖で、(元になったモノはあるんだろうけど)アホっぽい儀式によって結ばれた、4人組の事。
儀式は、『赤毛のアン』でアンとダイアナが結んだ、生涯の友情の誓い、みたいなもの。
 この娘達が、良家の子女っぽいのに若い頃はダメダメで、歳を取った今でもダメダメ。
言いたいこと言うし やりたい事やるし、「年甲斐とか無いなあ」と思いつつ、見ていて実に爽快。

 サンドラ・ブロック母が抱える、娘にずっと隠してきた過去。
それが明かされていく事で、母娘の感情のすれ違いは、次第に解けていく。
 うーん、その事情は、大仰なドラマを見慣れた目には「そんな大した過去じゃないじゃん」だけど、それだけにリアルであり、人によっては身に詰まされる話だろう。

 この映画を楽しくしてくれるのは、お母ちゃん四人の熱い友情。
 『スタンド・バイ・ミー』に似ているような気はするけど、アレは「あの頃のような友達は、もう二度と出来ない」で、成長し、別れ別れになり、自分の家族を背負って生きていく男達の思い出話だった。
 コチラは、「あの頃の友達とは、かなり年取った今も友達です」って訳で、夫が居ようが子供が居ようが、友達が困っている、と聞けば投げ打って駆けつけてしまう。
 ぬけぬけとして、馬鹿馬鹿しくて、気持ち良い。

 そういえば自分の親子関係は恵まれていたか、不幸だったか、振り返る機会を持たせてくれるという意味でも、人生で一度ぐらいは見ておいて良い映画。


2005年7月26日 火曜日

『創聖のアクエリオン』17.「食べたくて合体」

 ダイエットを始めた女性陣が、基地に危機を呼び込んでしまう。
 強すぎるアクエリオンを相手にするのに、兵糧攻めは、有効な戦法だろう。
…最初から、食べ物よりかパイロットの体その物を襲わせた方が効率的だったような気はするけど。

 逆転方法は、アクエリオンを食べた敵を食物連鎖に取り込んで植物の中に吸収させ、それに実を結ばせる事で…ええと、連鎖を四次元的に( ^_^ )飛ばして機体やパイロット達のスーツに戻していった、という事?
アクエリオンが循環システムの頂点に立った、とか。
 分かったような分からんような。
 物語としてはブン投げた終わり方だったけど、見る者を無理矢理 引き摺るようなパワーは感じられたので、良し。

 ただ、こういう「越えてしまった」話は、ココを限度にしてくれると嬉しいなあ。
行き過ぎると、見ている者が乗れない、思想やら宗教じみた所まで到達してしまいそうで。
 河森監督は、『アルジュナ』で、強い電波を発するエコロジー説教やり過ぎアニメを作ってしまった「前科」があるから、不安。
 『アクエリオン』では、適度に薄められた「狂気」を、常識を打ち破って突き進むための「独特な形状をした衝角」に見せていたので、面白く感じる事が出来ていたのだが…さて……



 いつもは間抜けな迷惑メールを晒してるけど、今回は真面目に犯罪なメール。

> Subject: UFJ Bank Alert
>
> UFJ銀行ご利用のお客様へ
>
> UFJ銀行のご利用ありがとうございます。
> このお知らせは、UFJ銀行をご利用のお客様に発送しております。
>
> この度、UFJ銀行のセキュリティーの向上に伴いまして、
> オンライン上でのご本人確認が必要となります。
>
> この手続きを怠ると今後のオンライン上での操作に支障をきたす恐れがありますので、一刻も素早いお手続きをお願いします。
>
> http://www.ufjbank.co.jp/ib/login/index.htm
>
> また、今回のアップデートには多数のお客様からのアクセスが予想されサーバーに負荷がかかるため、下記のミラーサイトを用意しております。上記のリンクが一時期不可能になっている場合は、
> 下記をご利用ください。
>
> http://www.ufjbank.co.jp/ib/login/index.htm
>
> http://www.ufjbank.co.jp/ib/login/index.htm
>
> お客様のご協力とご理解をお願いいたします。
>
> UFJ銀行


 マスコミでも取り上げられているので引っ掛かる人は居ないと思うが、一応。
気をつけましょうね。
 上記アドレスは確かにUFJ銀行のもの。
しかし、メール本文では、押して飛ぶ場所が詐欺ページに設定されている。
 こういうロクでもない犯罪を目論む輩は、とっとと捕まえて頂きたい。
いや、いつも晒している馬鹿メールだって被害者を出す恐れがあり、実は笑っている場合では無い、悪辣なモノなんだけど。


2005年7月25日 月曜日

『ゾイド ジェネシス』16.「出会い」

 むーーん…
シビアな世界観を持ち、しかも主人公ゾイドが無敵の大活躍!を見せる訳でもないストーリーを連続しては、特に年少の視聴者を逃してしまう恐れがあり、息抜きのエピソードを設ける意味はあるかも知れないが…
 先週、あんなにもシリアスな展開を迎えて、すぐ次にコレでは、さすがにコケてしまう。

 このアニメが、「お間抜けなディガルドを主人公達が毎回懲らしめる話」なら、「無敵団」などと名乗る子供達が輸送隊を襲って、呑気に暮らしていても構わないと思うけど、「戦いはそんなに甘くない」事を真面目に描いてきたシリーズだからなあ。
 実は子供達はまだ一度も戦果を上げておらず、脳内だけで盛り上がる「無敵団」だった。
あるいは輸送物資の盗み方が、兵士達が休憩するポイントでコッソリ物陰からちょっと見 分からない程度に抜き取っていく、というモノであれば、ギリギリ納得できるか。
 いっそ、「子供達は自称通り、一般兵士など相手にならない程の戦闘能力を備えたエキスパート揃いだった」としてしまうのも手。
強い理由は、「ディガルドに造られ、施設から脱走してきた強化人間」でも、「天才戦略家の元で戦いを学んだエリートの子供達」でも良い。
どちらにしても、この後のドラマに活かせたろう。

 同じような場所で、しかもあんなに目立つ方法で物資を強奪していては、対策を取られて当たり前。
相手がディガルドである以上、子供でも容赦なく殺される恐れアリ。
 その非道さを目の当たりにしてきたルージなら、そのぐらいは分かるはず。
今回は無事に済んだから良いけど、彼女らの無茶な行動は止めるべきじゃなかったか?
前回、自分の力を過信しての行動が悲劇を生み出してしまう事を、身に染みて知らされたばかりだし。

 次回、団の子供達の運命がどうなるかを見てから、今回のエピソードの意味を判断するべきかな。
 子供に死傷者を出し、ルージが怒りを燃え上がらせ…という展開?
それだと、前回、前々回の時点で もっと怒りを感じていても良かったんじゃないか、って事になりそうだけど。



『ウルトラマンマックス』04.「無限の侵略者」

 初めての宇宙人登場話。
 「なんか迷惑な怪獣が出て来たので殺す」という作りの話が続き、珍しい生物なのだし、今日的には もうちょっと対策の立てようがあるんじゃないか、と思ってしまっていたが、明確に侵略の意思を表明する宇宙人相手だと、防衛攻撃に納得しやすい。

 宇宙人に個性があると良かったかな。
侵略目的にしても、実にステレオタイプでアリガチな事しか言ってないし。
 例えば…超高速移動が出来る・異次元(?)にモノを引き込める、という設定から、「地球の貴重な美術品を盗みまくる宇宙コレクター」にするとか。
最終的に、人間を何種類かコレクションして地球を去ろうとした所で正体が露見し、倒される。
 「欲しいモノを奪って、何が悪い」というようなメンタリティーを持たせると、主人公達との対話で子供向けのテーマも打ち出せたろう。

 片輪走行し、空まで飛ぶ無茶を見せるDASHの車。
スタジアムに偽装する宇宙船(そんなアホな、バレるって)。
高速移動する宇宙人との戦い。
 ビジュアル的には なかなか頑張った作りだと思う。
 あと一押し、大人の鑑賞に耐えうる作劇の丁寧さ(難しい話にしろ、という訳ではなく)が見られれば…



『ぺとぺとさん』03.「ミントもしくはラベンダー」

 ありゃ?
清美がキスしちゃった事に対しては、あんまりリアクション無いんだなあ。
 思春期なんだし、真吾と、互いに意識する(嫌だなあ、であっても)ような関係になりそうなモノ。
 ぺと子との お泊まりもそうだったけど、「妖怪との接触」は、普通の人間同士のそれとは全く違う、というのが一般的コンセンサスになっているのかな。

 彼女が あかなめだ、っていうのは本編で説明されたんだっけ?
しかし、真吾以外の男子の口に何が付いていようが、特に反応しなかった所を見ると、やっぱり好みがある訳ね。
 真吾は、妖怪に好かれる体質なのかも。

 ぺと子の赤貧生活が切ない。
ウチ来れば ご飯ぐらい食べさしてやるのに( ^_^ )。
 空腹を抑えるべく、体色を半透明にして省力運転する、ってのが分かったような分からん様な。
日常的に、透明なままで居た方が楽なんだろうか?

 何というか、独特の世界観であり、その世界のルールを伝え切ってくれてない感じがするので納得いかなかったり違和感を感じたりもするが、それら全て強烈な「可愛さ」で包み込んでいるため、居心地良く見せられてしまう。
 騙されているような気は しつつも、最後まで騙してくれるなら それも また良し、とも思う。


2005年7月24日 日曜日

『仮面ライダー響鬼』25.「走る紺碧」

 あれ?もしかして もうシリーズの半ばまで来た?
ここいら辺で大きな転換点となる事件が…起きそうにないなあ。
 毎回 面白いし、驚く展開も多く、キャラクターが魅力十分なせいもあって、このまま穏やかに終わっていったとしても個人的には不満無いけれども。
 「鬼の誰かが死ぬ・再起不能になる」「鬼同士の関係が悪化する・裏切り者が出る」「明日夢を取り巻く環境に、悪い方向への変化が起きる」
…そういう事態が発生する事でドラマティックになって欲しいかというと、そうでもなかったりして、微妙。

 などというウダウダした考えを吹き飛ばすように、今回は夏を迎える野郎共に向けた、水着満載のサービス話。
 うわー、スタイル良いなあ香須実。
お腹に ひとつまみの贅肉も無いぞ。
 この番組の女性陣は美人揃いなので、こういうサービスは目に嬉しい限り。
 あきらだけ店に残ってしまったのが残念( ^_^ )。

 謎の青年・努は、これからどう物語に関わってくるのだろう?
ひとみが、鈍感な明日夢から努の方へと関心を移していく事になる…のかと思ったけど、そうでもなさそうだし。
 会話から、挫折した元・鬼の弟子?
現在は、童子を生み出している不思議な男の一人だとか…?



『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』40.「黄金の意志」

 奸臣の計略により城を追われた お姫様が、自分たちの国の危機に、援軍を率いて堂々の帰還。
この期に及んでも愚策を繰り返す奸臣に辟易していた臣下達は歓喜で迎え、逆賊を取り押さえ、姫の指揮の下、再び戦う気力を奮い起こすのだった。
 …というような事をやりたい話だったのは、よく分かる。
画面の勢い…音楽に乗せた金色モビルスーツの戦い、間抜けな姿を見せるユウナ、遂に訪れるシンとカガリの直接対決…なんかで、割と盛り上がって見られたが……

 とにかく色々、甘い。
 カガリは、国に対しての指導力は持ったまま、ただ「結婚が嫌だったから」オーブに帰らなかった訳だ。
もっと、ユウナ親子の計略で政治力を奪われていたのかと思ったけど、今回、カガリ本人だと認められただけで巨大な権力を握っていたはずのユウナさえ、無条件で拘束させる力を持っていた所を見ると、違うようで。
 単に、心が弱かっただけ。
 まあ、まだ あんな歳(十代?)で国を背負って正しい決断を下せ、と言っても、無理は無理だろうが。
嫌になって逃げたくもなろう。
 父親が(後継者にするつもりなら)もっと早く帝王学を叩き込んでおかなかった事、カガリの側に頼れる賢明な大人が居なかった事、彼女自身も悩むばかりで成長しなかった事…などが、あの国の不幸。

 国の危機を呼んだのも、どちらかというとオーブが悪い。
逃げ込んできた戦犯のトップを庇い、引き渡し要求に見え透いた嘘の答えで返しては、勢いづく戦勝国に攻撃の口実を与える結果になって当然。
 それにしても、イキナリ攻撃は乱暴だけど。
でもまあアメリカなら…米本土に核ミサイルを撃ち込もうとしたテロリストのボスが居たとして、どこかの小国に逃げ込んだ彼を国の指導者が渡さないと言い張ったら、平気で「正義」の名の下に空爆ぐらいしそうか。

 ザフトの接近に何の対策も取っていなかったのは、無策すぎだぞオーブ軍。
オーブって、きちんとした防衛システムを持つ国家じゃなかったっけ?
随分と腑抜けたなあ。
 そういえば、カガリパパ・ウズミも、「全宇宙の平和を求める立派な政治家」って訳じゃなく、「他の国同士が何してようと どうでもイイけど、とにかく俺んちには手を出すなよ、出したら酷いぞ」という国是を頑なに守った人。
それなのに、連合がオーブの施設を無理矢理奪って余所の戦いに使おうとしたから、自爆して何もかもパーにしてまで協力を拒んだ、かなり極端なオジサン。

 その父の生き方に倣うなら、今回カガリが取った、とにかく侵攻してくるザフトを攻撃する行動も理解できる。
 『風の谷のナウシカ』王蟲みたいなモノで、「どんな理由があろうと、同族を傷つける相手は容赦しない」のがルール。
 しかし…カガリ専用機アリとはいえ かなり不利な状況の戦いであり、自国民を守るためには、応戦よりまず停戦交渉だと思うが。
『銀英伝』ラインハルトのように、デュランダル議長が「停戦を求めるなら、血を流して私の目の前まで辿り着き、対等に交渉するだけの価値を自分たちは持っていると証明して見せよ」という考えの人なら別だけど。

 カガリの行動を、アークエンジェルの誰も止めようとしないのが問題。
「とにかくオーブだけを守りたい、そのためならザフト兵士は殺しても良い」というのは、彼らが求める道から外れる考えでは?

 父の血が染み込んだオーブの地を守りたいカガリ。
 そういう考え方が戦いを連鎖させていくのだ、というキラに、「ではお前は、アークエンジェルが襲われ、仲間達が今 殺されようとする時にも、目指す理想のための犠牲と割り切って ただ眺めていられるのか?」と応えるカガリ。
 それがアークエンジェルの友たちと決定的に道を違える決断だと知りつつ、カガリは戦場へと向かう。
 アスランもまた、自分が戦って守れる限界を知り、正誤は問わず とにかく一歩を踏み出したカガリを支え続けるべく、船を離れて行く。
 手を貸す事も出来ず、それをただ見守るアークエンジェル。
 ……というような展開なら、悲劇と未来を感じさせ、キャラクターの整理も出来たような。

 でも、アークエンジェルはオーブに世話になりっ放しだし、これまでも完全に あの国の肩を持って敵対する側を攻撃してきたんだから、今更か。
 「決して公平ではないアークエンジェル」…ええと、彼らは これから どうしようとしてたんだっけ?


2005年7月23日 土曜日

『ルパン三世−天使のタクティクス〜夢のカケラは殺しの香り〜』

 冒頭の、対ルパンシミュレーションが行われる城の情景や、軍基地で斜面を駆け下りる所など『カリオストロの城』。
UFOパーツを最初に置いてあった施設の様子は『vsクローン』のクライマックス舞台を思い起こさせる。荒野のアジト、米軍の関与、不二子の参入でバラバラになるファミリー…といった所も。
 それら、シリーズの中でも傑作と呼ばれる作品に似せてみせる事で、「これからそれを越えるスゲエ作品を見せてやるぜ!」というスタッフの意思表示をして見せた…のかと期待したんだけど……

 うーん、これは、何を面白いと思って見て欲しいスペシャルだったのだろうか?
『クローン』なら強大な力を持つマモーとの激戦を、『カリ城』なら何よりもクラリスの可憐さを見せたいのだろう、と理解できたが…
 この作品には、かなり多くの要素が詰め込まれている。
特殊能力を持つ女殺し屋達、謎のUFOパーツ、銭形と新人女性捜査官の関係、ブラッディエンジェルス首領の正体…

 2時間の長丁場をもたせるため、出来るだけ盛り沢山にしようとした努力は、分かる。
特に、ルパン達を狙う女殺し屋を複数設定し、因縁を設け、一対一で決着を付ける見せ場を連続して盛り上げようとした、意図は分かるんだけど…
 数が多すぎてキャラを立てられず、「銃を持った戦闘員A」「妖刀を持った戦闘員B」になっているのが残念。
 次元と敵対した銃器の使い手など、「相手の武器を瞬間にスリ取る器用さを持つマジシャン」という設定があったはずなのに、すぐ「とにかくマシンガンを撃ちたいだけのバカ」に なってしまい、ガッカリ。
 妖刀剣士、毒使い、男装の麗人も、彫り込みや立て方によっては面白くできたキャラクターだろうが、実際には「印象の弱いキャラばかりなので、数を揃えてカバーしようとした」ように見え、何人もいる事がかえってマイナス要因に。

 「イベントが少ないスカスカの内容」と、「やりたい事を詰め込みすぎてまるで消化不良な内容」とは、見ている人を退屈させるという意味で、同じような印象を残す。
 意味不明なUFOパーツの正体、ちょっと言ってみたかっただけのアメリカ批判…思い付いた事を取りあえず入れてみても、面白くはならない。

 新人捜査官が敵のボス、という「どんでん返し」は、何のために入れたのだろう?
あの組織のボスは誰か、などという興味を、視聴者は全く持っていなかったと思うが。
 銭形に付く事に、何の意味があった?
ICPO・銭形しか知り得ない事件の重要情報や物品を先回りして(部下に させて)奪い取り…というようなメリットでも描写されていれば良かったが。
 また、別に特殊能力も持っていなさそうな彼女が何故 組織のリーダー?
 何のために重要アイテム・ラベンダーの香水を普段から持ち歩いていた?
伏線のため、としか考えられず。
 ……とにかく、「意表を突く展開」に したいがための、無理に無理を重ねたネタ。
それにしては誰でも読める正体だからなあ…いっそ、「銭形を父と慕うドジな新人捜査官のまま、事件を終え、一つ成長して彼の元を巣立つ」流れにした方が逆に「意外」だし、爽やかだったろう。

 毒使いの女が、UFOパーツ(人造の超合金だったけど)を狙うのは金のためじゃないと言い、彼氏との楽しかった過去を回想していたので…
 軍基地内にクローン培養したようなマンモスや恐竜がカプセルに入れられて、多数あった事も考え合わせ…
 UFOパーツには、「死んだ者を蘇らせる」超常の力がある。
アマゾネス軍団は全員、愛する者を喪った深い心の傷を抱える女ばかりで構成。
だから、どんな汚い事でもするし、自らの命も省みない。
愛する者を蘇らせるために……
 という話に出来るな、と思ったんだけど。
そんなヤヤコシイ内容じゃなかったか(笑)。

 前にも書いたと思うけど、『ルパン三世』は難しい作品。
大抵のパターンはやり尽くされている、それにしては長年培われた求められるイメージがあるため、すっ飛んだ冒険は出来ない(例えば、次元も五ヱ門も出ない話、ルパンが子育てに苦労する話など、スペシャルとしては まずOKが出ないだろう)。
 盗みにも、敵キャラの設定にも、銭形との知恵比べにも、アイディアが掛かる。
だから面白い内容にするには、時間と、予算と、優秀で情熱を持ったスタッフと、彼らに自由裁量を許す製作状況が必要。
 テレビスペシャルでは、そんな好条件を満たすのは難しいだろう。
 そういう意味では、まあ例年通りの、特に失望する理由もない作品だったと言える。

 軍基地内でのアクション、酷い馬鹿ではなく、裏切られてもまた新人に目を掛け育てようとする「お父さん」銭形など、拾いモノの良い所もあった。
 その辺を収穫に、嫌だと言っても来年もスペシャルを作るんだろうから、次はもっと面白い内容を見せてくれるよう期待しておく。


2005年7月22日 金曜日

『SHUFFLE!』03.「憶えてますか?」

 夏休みを目前に控えた期末試験イベント。
 テスト勉強に苦しむんだけど…苦しむのは主人公の男子ではない。
彼は、普通に勉強が出来るようなので。

 …主人公に苦労をさせたがらないアニメだなあ。
 女の子達は個々に主人公が好きであり、互いにライバル意識を持ったりしない。
 異界の王である父親二人は、よく分からない人間の男に娘が夢中になっている事を妨げない、どころか応援している様子。
 割とキモであろう、主人公が異界少女に好かれるに到った理由さえ…それだけで?と驚いてしまうぐらいに、誰でも出来る簡単な事。
あれを理由にするには、「少女達が抱えていた孤独(その原因)」を彫り込み、主人公から示された僅かな優しさの記憶さえ彼女達にとっては宝物であった…というのを納得させないと。

 「居心地の良い妄想を提供する」のが「萌え」作品の主軸だけど、それは「面倒な要素を全部取り去ってしまう事」とイコールではない。
後者は容易に、「作る側が楽をしているだけ」状態に陥ってしまう。
 居心地を良くしようと し過ぎるのも、どうなんだろ。
主人公は美形でスポーツ万能、大金持ちの御曹司、美少女ばかりの学園で全校生徒から崇拝に近い愛情を向けられている。争うようにデートを申し込んでくる彼女達をソデにする事も出来ない主人公が、仕方なくチョイと付き合ってやると、少女達は その優しさに毎回涙を流して感謝するのだった。
……こんな話、見ている側はかえって居心地が悪くないか?

 主人公が苦労するのは、ヒロイン三人の親衛隊に殺意を持って追い回される時ぐらい。
 『うる星やつら』ラムの親衛隊も あたるに憎しみを現していたが、せめてもラムの目の届かない所を選んで虐待していたぞ。
目の前で あたるに危害を加えようとすると、(事前に彼が余程の悪さをしていない限り)ラムに止められるから。
 実はこのアニメのヒロイン三人は、にこにこした笑顔の裏側に、ハッキリしない主人公へのドス黒い怒りの感情を渦巻かせており、さすがに自身では手を下さないモノの、酷い目に遭わされるのが当たり前だと思っている?

 前回登場の少女・プリムラも、今回は「何となく居ただけ」で存在感無し。
…それなら焦って出す必要はなかったんじゃないか?
 原作の人気キャラクターだから、とにかく早く画面に出しておきたかった?



『苺ましまろ』02.「アナ」

 うううううううむ、可愛い。
この可愛さは凶器、しかも飛び道具、という感じだ(意味不明)。
 とにかく可愛く描写するために、キャラクターを突き詰めて突き詰め過ぎて、最終的には突き抜けてしまい、ギャグになってしまった、という様子で、笑いに嫌味がないのも良い。
…男子生徒を意味なく廊下に立たせ続ける先生とか、そういう浮いた所もあったが。

 初登場だった自爆系外国人・アナが、転校初日を上手く乗り切ろうとして考えれば考える程、何もかも悪い方向に向かってしまう所など、シチュエイション・キャラのリアクション・事態のエスカレートのさせ方、全てが非常にキレイに決まっていて、感心させられっぱなし。
今回は、神戸 守によるコンテの巧さに寄る所が大きかっただろうか。

 作画も高品質で、女の子達の柔らかさが伝わってくる。
 「こんなアニメ、萌えだけで内容もテーマも無いし、下らない」と切って捨てる事を許さない、有無を言わさぬ出来の良さ。
 このスタッフなら、題材によっては もっとずっと凄い物が作れたろうに…と思いつつ、ヘラヘラ笑って「萌え」を楽しむ贅沢も、また良し。



 あああ、スコッティが亡くなってしまった
マッコイに続いて、『スター・トレック』オリジナルシリーズから、二人目。
 ドクターも機関主任も居なくては、エンタープライズが航行できないよ(;´д⊂)。

 『新スター・トレック』での、修理時間は予めサバを読んで多目に伝えておくのがコツ、というズルいセリフが印象に残る。
 あのエピソードで、シャトルをもらって宇宙に飛び立っていったラストシーンが、作品内で姿を見られた最後か(『スタトレ』世界の時間では。実際の出演は映画『ジェネレーションズ』が最後)。
今も、スコッティは、宇宙のドコかで伝説のエンジニアとしての凄腕を発揮しているんだろう。

 ご冥福をお祈りします。


2005年7月21日 木曜日

『フルメタル・パニック! The Second Raid』02.「水面下の情景」

 このアニメ、「15歳以下の方の視聴には御注意」表示が出るんだけど、なるほど それらしく、マッドな敵指揮官が相手の頭を撃ち抜くようなザンコク描写がある。
別に、ここは直接的表現を避けても、内容に大きく関わる所ではないと思うが。
 戦場を舞台とする作品だし、今後、物語の必要上 妥協無く描きたいシーンが出て来た時のため…なのかな。

 今回は、冒頭で女性キャラ二人の無駄に えっちな絡みがあったから、ソレも制限に引っ掛かる所?
これも無くても…と個人的には思うけど、商品として売って行くには大事な所だろうか。
 ココで一気に視聴者を引き付けて、戦場で恐ろしい戦闘能力を見せ、しかし全く感情を有しないようなリアクションも示す事で、二人のキャラが上手く立てられているから、勿論 意味はあるんだけど。

 かなめを狙う学園ストーカーに、炸裂する宗介の「やりすぎ」な対応。
やっぱり、ここがこの作品の一番の魅力だと思う。
 一瞬の判断が生死を分けるため敵に容赦するような余裕など無い戦場と、さほど大きな事件は起こらない学園生活とで、全く対応が変わらない宗介の不器用さが楽しい。
 彼が、かなめを逆恨みしてストーカーになった同じ学校の生徒に銃口を突きつけ、「射殺するぞ」と言う爆笑モノのシーン、もしかしてココこそが今回の中で、時節柄 最も過敏に反応される所なのかも知れない。



『ぺとぺとさん』02.「特定種族」

 ぬりかべの女の子にピッタリくっ付いて、涼を取る女子達。
あー、確かに室内の土壁とか、ひんやりしてたよね。
 『かみちゅ』も そうだったけど、設定を小出しにして視聴者に段階的理解を求めるより、「こういう世界なんだから仕方ない、慣れてくれ」とばかりに、異質な者達が溢れる状況全体をドンと見せていく作り。
 『オバケのQ太郎』や『どろろんえん魔くん』なんかは、あくまで現実と地続きの世界の裏側(片隅)に、オバケ・妖怪といった異形の者が入り込んでいる状況だったと思うが、最近は世界その物を、人ならざるキャラクターを受け容れやすいように異界化してしまう作品が多いような。
見る側に、そういう作品を理解するための素養が、当たり前のように備わってきたから、だろうか。
 あ、いや、『ゲゲゲの鬼太郎』なんかは、古くから世界を異界化させてたな。
『ポケモン』も『キン肉マン』も、現実とまるで違う世界で普通に展開されていた作品だし。
 別段、今に始まった話じゃないか。

 ぬりかべ姉妹が可愛い。
言葉を発せず、額に浮かび上がる文字だけで会話する馬鹿馬鹿しさが、何とも。
 妹の方は、まだ幼く、額が狭いため、短い受け答えしか表示できない…というのがリアリティー……というか、やっぱり馬鹿馬鹿しい( ^_^ )。

 ぺと子には姉達が居たらしいが、彼女のような柔らかく重い体を持てず、「薄い体になって消えよった」とか。
死んだ訳ではなく、妖怪になってどこかで活動しているのだろう…という事だけど…
 ニコニコしながら、人の理解を絶した事 言うなあ、ぺと子。
 ぺと子が消えないため、そして絶滅寸前の種族保持のため、早く子供を産めと言われているらしい。
 あー、うー、何というか、外見が可愛いからいいけど、その皮の下には人の想像を絶するモノが詰まっているような気がするなあ。
 この子の種族保持に協力するには、思春期特有、怒濤の やりたい盛りパワーが必要ではないだろうか( ^_^ )。

 本当に、YUG先生の超絶に可愛らしい絵で、成り立っている作品。
 コレが、キャラクターデザイン水木しげる先生や日野 日出志先生だったら、同じストーリーでも どれほど気色悪い(失礼)内容に化けていただろう。
 …って、その二人の先生の絵で展開したら、どんな萌え作品も、腹の底まで冷え込むような でろでろホラーに変わってしまうけど(笑)。
日野 日出志キャラが、朝、ベッドの脇に立って主人公に、「早く起きて、もう、寝ぼすけお兄ちゃん(はぁと)」と起こしてくれる萌えアニメ……うわああぁぁぁ!


2005年7月20日 水曜日

『苺ましまろ』01.「バースディ」

 原作は未読。
 もうとにかく、ビックリするぐらい何も無い話。
「萌え」しか無い、と評されるアニメは これまでにもあったけど、その中で飛び抜けて、徹底的して「萌え」以外を削ぎ落としたような内容。
 『かみちゅ』も『ぺとぺとさん』も、これに比べればイベント目白押しと言って良いぐらい。

 「萌え」で「ほのぼの癒し系」な作品が乱立すると、お互い食い合って、不利じゃなかろうか。
それとも、最近のアニメ者は継続的に癒される事を求めているのか…う〜ん。
 ヒネくれたアニメファンが、優しい目で見ていなかった…というか実際ほとんど見ていなかったろう『サザエさん』的な位置を占める作品を、自分たちも許容できるジャンルの中に見出そうと(作り手は、送りだそうと)試行錯誤しているのだろうか。
それは、ジャンルとして、対象視聴者層全体としての、成熟かも知れないし、衰退の萌芽かも知れない。
 この作品なんか、そのままのフォーマットで『サザエさん』に なって行けそう。

 内容が無いのはスタッフも当然 認識しており、その上で視聴者を飽きさせないよう様々に工夫が。
画面をダレさせないため細かくカットを割り、隙があったらコミカルな描写を詰め込み、キャラクターを明確に、個性的に、愛情を持って描いてある。
 少しでも手を抜けば、容易に「下らないアニメ」へと転落してしまいそうな題材を、情熱と才能で「楽しい ほのぼのアニメ」として見せきった、製作側のパワーは実に大したもの。
 この演出と作画のレベルが維持できるなら、十分に見続ける価値がある。
……難しいとは思うけど。



『ガン×ソード』03.「勇者は再び」

 『カウボーイ・ビバップ』を思わせる西部劇に、どうして巨大ロボットを出す必要があるのかと…思っていたけど、逆で、巨大ロボット物に西部劇の風味を絡めた作品、というのが正しいみたい。
 今回なんか全編で『コンバトラーV』か『ボルテスV』あるいは戦隊シリーズ五体合体ロボに、オマージュを捧げた作品。

 かつて街を救うため合体ロボットに乗り込み、戦った勇者達も、年月を経て老い、その活躍を知らない若い者達からは耄碌した嘘つきジジイ扱いされていた。
だが、再び街を襲う危機を前にして、彼らは老骨に鞭打ちコックピットに乗り込んで発進、遂に巨大ロボット・エル・ドラドを蘇らせる…
 コレで熱くならなきゃロボット好きじゃない!というズルい( ^_^ )舞台設定。
 巨大ロボにも犯罪者にも事欠かない世界のようなのに、そんな長い間 街が襲われなかったのは何故かとか、大した国力(街力?)も無さそうな街を守護するために あんなに大層な合体ロボを(しかも発進システム込みで)どうして作ったのか、という疑問はあるけど、まーそういう事を言うのは野暮だろうな。

 合体のシークエンスが存外に良く出来ているのは、ジャンルへの、無駄とも思える程の愛情ゆえか。
その愛が、見る者の胸を熱くしてくれる。
 合体ロボのお約束、「搭乗者が一人欠けても本来の力を発揮できない」。
今は亡き紅一点の不在が、僅かのパワー不足となって、エル・ドラドを窮地に追い込む。
 てっきり、意を決して孫娘が乗り込むか、ヴァンが替わりに…という展開予想をしていたんだけど、最後のメカをブン投げて力任せに合体させてしまうのは、意外。
 部外者を加えての合体ではなく、誰も座らせない最後のシートに一瞬、亡き女性パイロットの姿を見せる事で、実は彼女も「ずっとみんなと一緒に居た」と感じさせてくれ、感動を生み出す作りが、実に上手い!

 全開になったパワーで敵を撃破していくシーン辺りでは、つい涙腺が緩んでしまう。
 文句ない面白さだったけど、一つだけ。
居眠りし続けていたジイサンにも、見せ場が欲しかった所。
若い頃のバトルを夢で見て、あるいは徹底した訓練による条件反射で、迫る危機に対して自分の操縦パートを活かした回避運動を取り、皆を救うが、起きた時には覚えていない…とか。

 いやあ、大満足。
まだ三話目だけど、この一話が存在しただけで、『ガン×ソード』というシリーズを見た価値は十分にあった!と言えるぐらい。
 この後にも面白い話は控えている…と期待して良い?



『創聖のアクエリオン』16.「黒い鏡」

 巨大ヴァンパイアモードのリーナが可愛い。
3Dモデルじゃない敵と戦うのは、初めて?
 慣れというのは恐ろしいモノで、何だか手描きの敵キャラの方に違和感を感じてしまった。

 その正体不明さから、仲間の不審を買ってしまうリーナ。
 彼女にまず手を差し伸べたのがアポロだった…という展開はオッケーだけど、彼女を見分ける方法が「匂い」だというのは、どうだろ( ^_^ )。
もっと内面に根ざした見分け方の方が良かったような。
 いや、彼にとって嗅覚は第六感にも勝る最重要器官であり、「匂いで分かる」は普通の人間の「目を見れば分かる」というのと同じぐらいの意味なのかも。

 パイロット候補生達の恐れが巨大リーナを生み出したのなら、候補生がそれを倒すべきだろうが、彼女を最も恐れていたのは彼女自身、という事なので、自分を受け容れてくれる仲間の力を借りて、自らの恐怖を打ち破っていく構成で辻褄が合う。
 勢いで押していくストーリーに見えるのに、実は、意外なほど繊細な組み立て方をされてるなあ。
 まあ、ロボット戦での勝利は、島本 和彦先生作品に近く「そんな無茶な」が多いけど(笑)。
「心に棚を作れ!」というような強引すぎるセリフで、何故だか目が開いて勝ってしまうみたいに。
 それを、「笑い」と、ややもすれば「感動」にまで昇華するパワーが作品にあるのは、大したモノ。


2005年7月19日 火曜日

『奥さまは魔法少女』02.「シチューはOKよ、ということ」03.「大人ってコドモ、ということ」

 二話目は、目覚まし時計を使っての えっちなシチュエイション、割と直接的な「事後」の布団周り描写、平和〜な気持ちで歩き続ける巽の後ろで死闘を繰り広げる嬉子とクルージェ…という対比、等々、大畑清隆コンテらしい凝った作りになっており、見応えがあった。

 主人公が編集部で働く事になり、着かされた担当作家が嬉子の前の(今も?)夫である、というのは、ドラマ的に展開が色々考えられて面白いけど、世界が狭すぎ…とも思ってしまう。
管理者の魔法少女によって成り立っている地域らしいから、実際、自由が許される空間は限定されており、狭いのかも。
 友人として子持ち主婦を出し、つい人妻だという事を忘れそうになる少女っぽい嬉子の設定を再認識させるのが、上手い。
 友人達は、嬉子の秘密を知ってるだけ?それとも彼女らも魔法使い?
だとすると、三話目ではクルージェの他にブルガも現れたし、この街だけで何人 魔法少女が居るんだろ?

 今のところ、特に難しい所は無く、すっきり見易いコメディー作品になっている。
魔法界との関係、管理者を必要とする当該地域の設定、旦那との本当の別居理由…など、シリアスに持って行こうとすれば行けそうな取っ掛かりがあるので、まだ どうなるか分からないけど。
 錦織 監督作品は、つい身構えてしまうなあ(笑)。



 WOWOWで放送されたテレビスペシャル『バトルスターギャラクティカ サイロンの攻撃』を見る。
 79年にテレビシリーズを再編集した劇場版が公開され、後にシリーズその物もテレビ放映された旧作の、リメイク。

 旧シリーズは、もう断片的にしか覚えていない。
 ギャラクティカやバイパーのデザインが好きだった事とか、その戦闘シーンにやたらバンクが目立った事、壮大なドラマを予感させる設定だった割に、実際に見せられたストーリーはセコくて、集中して見るにはキツい物だった事。
 だから、良い評判は聞いていたが、この新作にも さほどの期待はせずに見たのだが…

 おお、こりゃ面白い!
 「スペース・オペラ」というよりは、「宇宙を舞台にした戦争」として、ストーリーから画面効果まで、徹底して組み直した作品になっている。
 CGによる宇宙戦闘シーンに、ハンディカメラで撮っているような不規則さを付けてあるのがアイディア。
絵空事なのに本物のフィルムっぽくなり、『プライベート・ライアン』のごとく、戦場のリアリティーを出す事に成功している。

 全体に、『ヤマト』を彷彿とさせる内容。
 主役艦であるギャラクティカが、時代遅れの老朽艦扱いされている。
しかし、その古さこそが、優位性を生み出していく。
 艦長に憎しみすら抱く、「親子関係」を構築する主要キャラの存在。
 ワープを控え、未帰還の搭載機をギリギリまで待つシチュエイション(ワープで消えた機体の位置をミサイルが素通りして行く絵など、そのまま)。
 『ヤマト』が、地球の存亡を賭けて、未知の星であるイスカンダルを目指す物語なら、これはオリジナルからだけど『ギャラクティカ』は、種の生き残りを賭けて、伝説の惑星である地球を目指す物語。

 艦長が見せる、戦場での冷徹さが凄い。
「生き残るためには甘い事など言っていられない」戦況の厳しさが、ビシビシ伝わってくる。
 地上へと降下して、数名の避難民をすくい上げていく宇宙艇の…コパイが見せる最後の決断には、驚かされる。
 「人類の裏切り者」が辿る数奇な運命、その葛藤と なおも発揮する卑劣さ、そして彼だけに科せられた孤独な戦いも、面白い。
 宇宙だから出来る戦いのアイディア。
エンジンに被弾した小型機を母艦に帰投させるために採った方法は…という下りなんて、笑って、納得する楽しさ。

 意表を突くような展開も混ざり、飽きさせない。
 このレベルを ずっと維持できるなら、『スター・トレック』とは またまるで違う、SFシリーズの傑作になりそう。
 続きもWOWOWで放送してくれるとイイなあ。


2005年7月18日 月曜日

『ゾイド ジェネシス』15.「離散」

 ハードな話は、更に続く。
 這々の体で逃げ出したルージ達一行。
現実的な対処法を講じようとする仲間達に対し、ルージは、今 逃げ出してきたばかりの村を救おうと主張し始める。
 普通のロボット物なら、このルージの言葉は絶対的な「正義」であり、賞賛され、すぐさま実行に移される筋合いのもの。
しかし、シビアな現実の認識を持っている この作品中では、余りにも無謀な、子供っぽい考え方に過ぎない。

 まあ、全員、ルージの言葉が正しい事は分かってるんだろうけど。
強大なディガルドを前に、個人がいかに無力かという事もまた、身に染みて分かっているはずで。
 安易な救出作戦を拒否する街の老人の言葉が、シビアで、辛い。
 ディガルドを「ストーリーの都合に応じて、無制限の戦力を誇示する勢力」とせずに、今回の追撃戦のため戦力を かき集めた事により、他の部隊の運営に支障を出してしまう、あくまで有限な戦力の存在として描いたのも、リアルであり誠実。

 こんなにも主人公が無力感を味わうロボット・アニメは、珍しいような。
ルージの勝手な行動により(ガラガの無責任さが原因?)、仲間達は急襲を受け、離散してしまうし。
 この「甘くなさ加減」が、いい歳の視聴者には非常に納得でき、面白いんだけど、子供にはどうなんだろう?
 ボチボチ、光が見えてきて欲しい所……
仲間が再結集する辺りを、そのポイントとして考えて良いのかな?



『魔法戦隊マジレンジャー』21.「魔法特急で行こう〜ゴー・ゴー・ゴルディーロ〜」

 これまでも面白かったが、魔法の先生・マジシャインが登場して、グッと吸引力が強くなったように感じる。
 先生と言うより「王子様」っぽいキャラクターで、及川光博がイメージにピッタリだと思うけど、演じるこのお兄ちゃんもなかなか、容姿が王子様していて結構。

 今回の、魔法特訓。
落ちこぼれ気味の長男が立ち直る形で修行が成されるのであろう事までは読めたけど、あんな時代に飛ばすとは!
マンモスまで出すとは!悪ノリだなあ( ^_^ )。
 文明も魔法も無い場所で見せる、妹を助けるための なりふり構わない必死な行動が、もう一度 兄妹の信頼をつなぎ止めていく…この構成が実に気持ち良い。

 ただ、長男は「野生児として目覚めた」ような描かれ方であり、これで魔法力がアップ出来たのかどうかは疑問…と思えば、得た新たな能力は、「筋肉モリモリのマッチョに変身し馬鹿力に任せて敵を攻撃する」というモノ。
ああ、実に辻褄が合っている。
 子供向けだからと、手を抜いたり いい加減に済ませない、誠実な作りに感心。



『SHUFFLE!』02.「会いたくて」

 幼なじみに加え、神界と魔界から 嫁さん候補の美少女を迎えた主人公。
 …詰め込みすぎだなあ、と前回思ったが、やっぱりキレイには捌けなかったようで。
少女三人とも、「とにかく主人公が好きらしい」という以外にキャラクターが立てられていない。
 幼なじみは「歳月の積み重ね」と理解するとしても、超常少女は どうして主人公に固執する?という疑問への回答は、「幼い頃、迷子になった自分と遊んでくれた人だからだ」と、実にアッサリ明かされた。
もうちょっと思わせぶりに、伏線など引きつつ じらすモノじゃないかなあ?
 あっけなさ過ぎて、「事務的に設定を紹介された」ようにしか感じられず。

 三人が、互いに まるでぶつかり合わないのも、不満。
出し抜いて強引にカノジョの座を奪い取ろうとする者、魅力をアピールする事で気を引こうとする者、他者のアプローチを見るたびに気絶する者(笑)、といった、性格別の対応を見せるべきでは。
 全員が立場に配慮し合っているようで、「大金持ちのハーレムに囲われた妻達」を見ているような、居心地の悪さを感じてしまう。

 彼女達は、好意を持っているはずの主人公に対してさえ、関心が薄い。
 自分たちの狂信的な親衛隊が、主人公をボコろうと追い回すのだが、それを見ても特に感情を動かされる事なく。
目に見える場所での暴力からだけは守ろうとしたけど、その後は放置。
 こういう主人公モテモテ系の作品では、奪い合われる対象・主人公が、女の子達に対し、時に非常に無関心であり無神経な事がある。
その復讐として、「主人公の苦境に無関心な少女達」が描かれている…とか?( ^_^ )

 女の子達に魅力が出てこないと、このパターンのアニメはキツい。
こういう状況下で、更に今回、もう一人女の子をレギュラーに加えた意味は?
 うーん……作画はキレイだし、キャラクターデザインも好みなんだけど…


2005年7月17日 日曜日

『フルメタル・パニック! The Second Raid』01.「終わる日々」

 悲惨な戦場から始まった、第三期シリーズ。
 「三度目のアニメ化だもの、みんな、この作品の設定やらキャラクターぐらい もう知ってるでしょ?」
という油断が出ても不思議無い所だが、視聴者が ここまでのストーリーを、知らない・覚えていない事を前提として、驚異的な戦闘能力を持つ宗介、その仲間、ミスリルの設定紹介、そして特異な点である宗介の通う学校紹介まで、手際よく見せてくれた。
 単に前シリーズまでの おさらい、には終わらず、敵軍隊の最新装備と数によって危機に陥る宗介、というドラマとしての盛り上がりを きちんと設定していて見応えがあり、極悪な軍が倒されて行く所にはカタルシスすら。
 サービス精神が旺盛で、実に嬉しい。

 敵兵士を、躊躇うことなく「殺して」いる宗介の透徹ぶりが、気持ち良い。
不殺も、考え方としては悪くないけど、戦場はそんなに甘くない訳で。
 戦いで人が死ぬのは当たり前。
主人公と同じく、アニメスタッフも そう捉えているのだろう。



『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』39.「天空のキラ」

 宇宙へ行ったまま、特に動きが見えなかったラクス達。
今回の様子からするに、新機体の開発と、議長を告発する証拠固めでもしていたのだろうか。

 ストライクフリーダム。
製作していたのであろう「ファクトリー」、というのは、そういう独立勢力があるのか、ラクスが抱える開発部門、というだけなのか。
 ガンダムの開発には、国家的予算と技術力を要求するのでは?
そこら辺の人々でも新型が作れてしまうように思われると、価値が落ちてしまいそう。
 逆に開き直って、たった一機、一人のパイロットでも戦局を塗り替えられる世界観に合わせ、「アークエンジェルの思想に賛同して、あるいは単にキラに自機の性能を120%引き出して欲しくて」メカの天才…『ヤマト』真田や『ハーロック』トチローのような人物が参加していた、という事でも良かったかな。
 彼が、他の人間が開発したディスティニーガンダムを見て、その凄さに感心するなり、「設計思想が下品だ」と切って捨てるなりすると、この作品にまた新しい視点を提供できたかも。

 ルージュを打ち上げるため、断崖絶壁の中腹が開いて発進口が現れたのには笑ってしまう。
『ガンダム』というより『電童』っぽいなあ( ^_^ )。
 天才パイロット・キラでも、ルージュでは割と簡単にやられてしまったのが不思議。
いや、ここがタメなのは分かるけど。
 新型機発進と、驚異的な戦闘能力の発揮ぶりは、楽しくて良かった。
 複数機ロックオンによる同時攻撃など、既に何度も見た戦法でなく、何か新しい機能を見せて欲しかった気はするけど。
ロックオンの見せ方にしても、これまで通りのモニターの横に拡張画面が表れ、通常限界数を越えて対象を追加し、「オイオイいつまでロックオンしてるんだよ?」と思わせる数に照準を合わせる事で、バージョンアップした性能をアピールするとか( ^_^ )。

 次回は、ようやくカガリが自ら戦う意志を見せる?
 引かずに思いをぶつける事で、シンとようやく理解し合う、って展開もアリだろうけど…そうしたい意志がスタッフにあるのかどうか。


 余談。
 ここ3、4回ほど このアニメを見逃している友人と話していて、アスランがザフトから脱走した、と言うと、それは想定の範囲内だったらしいが、その際 連れて逃げたのがメイリンである、というのには、「なんでー?」と声を上げて驚いていた。

 そう…これは普通、あり得ないこと。
 ルナマリアを連れて行ったなら、分かる。
彼女はアスランに興味を持っていたし。
 偽ラクスでも分かる。
オリジナル・ラクスとの対面や、議長の焦りなど、ドラマ展開で活かせるから。
 腹に一発 当て身を喰らわせて気絶させたシンを連れて逃げるのでも、意外な所でグラディス艦長を連れ出すのでも、無茶だけど分からなくはない。

 それが、相手はメイリン。
うーん…あり得ない。
 彼女は、ザフトに狂信的忠誠を誓っていた訳でも、逆にその正義に疑問を持っていた訳でもないため、陣営を移しても、思想の混乱や変化といった方面での面白味は出し辛い。
今回、カガリは、メイリンがアスランを好きなんだ、と言っていたけど、そんな伏線は無かったと思うので、対アスランの三角関係を築いて存在意義を主張させるには、弱い。
 ザフトに残った姉・ルナマリアとの確執…ぐらいかなあ、活かせるとしたら。
しかしこれも、メイリンが前線に出て戦うキャラクターではないため、絵として面白するのは難しいような。

 何故、彼女なのか。
 スタッフが考えてないから、というのは簡単だけど、考えてなくて何となくストーリーを作ったら、連れて逃げるのはルナマリアになったと思う。
あるいは、誰も連れずアスラン一人で脱走させれば、何の面倒も無かった訳で。

 実際には、彼女の脱走・死亡(と思われている)を契機としてシンとルナマリアを接近させているので、意味が無くはないけど…
 ここで、「妹を殺したシンに対する憎しみ」をルナマリアに持たせて「いない」所がまた、後々の展開を難しくする。
憎しみがあったなら、妹の生存を知ることで それが解ける瞬間を、ドラマとして活かすことも出来るだろうが。

「アスラン追撃戦に巻き込んで、ルナマリアの妹を殺してしまったシン」
「オーブ防衛戦に巻き込んで、シンの妹を死なせてしまったカガリ」
 …だいぶ違うけど、無理に こう並べて対比すると、意味を持たせられなくもない?
でもこれも、シンがそういう認識に達していないからなあ……

 分からない…普通の作劇理論からは出てこない展開。
 前作で、物語のキーマンになっていたフレイを一時退場させたのも、相当 意外であり、どう活かすつもりなのかと思ったが……こちらには ほとんど意味を持たせられていなかった。
 今回も同じ失敗をしようとしている?
それとも、意表を突くようなドラマを見せてくれるのか。
あるいは、既に彼女は「死んだ」扱いであり、まるで活躍させる予定が無いキャラクターに、こういう形で一瞬でも注目を浴びさせてやろう という、親心だったのかな?
 実にスリリングで目が離せない。


2005年7月14日 木曜日

 書きたい感想は色々あっても、スケジュールが詰まって参りましたので、思うに任せず。
 このロートルに、まだお仕事を下さる皆様に感謝しつつ、死線(大袈裟)をさ迷いに行って参ります。

 そういえば、「ロートル」って英語か何かだろうと思ってましたが、中国語なんですね。
表記は「老頭児」。
いや、全然関係ない話。
 復帰は日曜日…を目指しておりますが、流動的です。


2005年7月13日 水曜日

『D・C・S・S〜ダ・カーポ セカンドシーズン』02.「読めない地図」

 ゲーム未プレイで、アニメだけを見ている視聴者に対しては、前作に出ていたキャラが居らず、見知らぬキャラが当然のような顔で居座っている事で、不親切だと思う。
 しかし この第二話は、突然に主人公の家を訪れてきた少女・アイシアの持つ地図を巡り、一日 島を歩き回せる事で、少女自身は勿論、他のキャラクター達の性格も少しずつ彫り込んで、見分けを付けさせようという、細かな気遣いのある内容になっていた。
…不親切なのか親切なのか。

 アイシアは なかなか可愛く描けていて、結構。
 主人公が丁度 困っている時、食料を持って現れてくれる、救世主のような ことりも好感触。
主人公の気持ちも彼女に傾きつつあるように思うんだけど……不在となった妹は どうなるんだろ?



『あかほり外道アワー・らぶげ 絶対正義ラブフェロモン vs それゆけ!外道乙女隊』02.「ビンボー給料日前バイト大作戦!」「今日も勝手だラブフェロモン!」

 早くも両作品のキャラクターが顔を合わせ、同じ事件を体験してしまった。
もう少し進んでからのイベントだと思ったんだけど、出し惜しみ無し?
 ラブフェロモンの方は、主人公二人の性格が類型的であり、絡み方もパターンで流していて やっぱり感心しないが、外道乙女隊は割と面白いなあ。

 土木作業・調理場の皿洗いと、顔立ちの良さをまるで活かせない仕事ばかりしている長女、幼い次女、妙に発育の良い四女…と、ちょっとだけヒネってキャラを印象づける努力が成されている。
 姉妹の ひたすら貧乏な生活の中、幼女体系を活かしてモデルの仕事をこなし、車で送迎される次女。
…長女にばかり苦労させてないで、家にもっと金を入れてやれよ。
 貧乏なのは、馬鹿みたいに大食いだという長女の責任もあるだろうから、一人でバイトを掛け持たねばならないのは自業自得か。

 メインキャラが5人いる事で、絡ませ方のバリエーションが色々 考えられると思う。
 立派な「悪」になるとか、そういう非日常は放っといて、赤貧にあえぐ姉妹の日常を、ライトに、人情味をたっぷり込めて描いて行くと、より面白くなりそう。


2005年7月12日 火曜日

『仮面ライダー響鬼』23.「鍛える夏」

 面白い。
面白すぎて、「好き好き」みたいな事しか書けないモノで、つい見るだけに終わりがち。

 トドロキに太鼓の叩き方を教えるヒビキ。
 その教え方の厳しさ、時折見える苛立ちのようなモノが、意外。
戦いに臨んでも ほとんど感情を乱す事のないヒビキが、教える立場になると、こんなにも変わってしまうとは。
 確かに、太鼓はトドロキにとって全く未知の楽器であり、しかも本人が教わる必要性を感じていない事で、反抗的な態度を取ってはいたのだろうが。
 ……トドロキよりも、もっと全然使い物にならないだろう明日夢が もしか弟子になった時、「師匠」として要領よく教えていく事は出来るのだろうか?
一生懸命に頑張る姿勢さえあれば、出来ない事 自体は叱ったりしないかな。

 ヒビキとザンキは、余り年齢が違わないだろう。
 過酷な「鬼」の仕事。
いつ体を痛め、ザンキのように引退する事になっても不思議ない。
 イブキもザンキも弟子を持ち、共に行動して、絶頂期にある自分の仕事ぶりを日常的に見せる事で、体得した優れた戦闘技術を伝承している(トドロキの戦い方も、基本はザンキのものだろう)。
ヒビキにだけ弟子がおらず、下手をすると太鼓叩きの技能が途切れてしまう……という事に対する焦りもあったのかなあ?
 やっぱり鬼になれって、明日夢( ^_^ )。

 店内の部屋で、バイトの衣装に着替える明日夢。
 その前を平気で横切る香須実と、その度に少女のように体を隠してしゃがみ込む明日夢。
意識し過ぎる思春期の少年心理。
対して、彼を まるで「男」だとは思わず、子供として扱う香須実の お姉さんっぷりが楽しい。
 彼女達は鬼のサポートとして、ヒビキらが変身を解いた瞬間の全裸を たまに見ていたかも知れないから、明日夢の着替えなんて、余計どうって事ないのかも。

 トドロキとヒビキ、明日夢とブラバン部部長。
見ていて、最初は特に関わりのないエピソードかと思っていたが、「不本意でも やるしかない事がある」「心ならずも やらせなければならない事がある」という関係性で、見事に繋がるのに驚いた。
 うーん、上手い。



『あかほり外道アワーらぶげ 絶対正義ラブフェロモン vs それゆけ!外道乙女隊』01.「天下御免だラブフェロモン!」「アメアメフレフレ大作戦!」

 あかほりさとる原作・シリーズ構成による各15分のアニメを二本、30分に詰め込んだ形式。
 そういえば最近 余り名前を見かけなかったような…『らいむいろ戦奇譚』ぐらい?

『ラブフェロモン』
 売れない漫才師コンビが、いざとなると変身ヒロイン・ラブフェロモンになって悪と戦う…という内容。
どうにもアリガチであり、ガチャガチャ騒ぐだけのキャラクターには余り興味を引かれない。
 「寒い内容」として故意につまらなく演出されているヒロインらの漫才と、本編内容のコミカルシーンが、ほとんど同じレベルで笑えないのは、困ったモノ。

『それゆけ! 外道乙女隊』
 悪の戦闘員だった亡き父の後を継いで、立派な悪になろうと決意する五人姉妹。
壺から現れたミニ悪魔の助けを借り、人々に迷惑を掛けようとするのだが…
 巨乳お姉さんから つるぺたちびっ子まで、全ての趣味に応える姉妹の配置が あざとい( ^_^ )。
 こちらも、そう目新しい内容ではなく、ギャグにしても弱いが、テンポが緩やかな事で それを「癒し系」として逆に売りへと変える事が出来れば、魅力に感じてもらえるかも知れない。
 エンディングの崩し絵で見られるぐらい、姉妹のキャラクターが強烈に立ってくるとイイなあ。

 てっきり この二作は、正義側・ラブフェロモンと、悪側・外道乙女隊、という風に、一つの世界で戦い合う二つのチームを それぞれ描いていくのだと思ったんだけど、どうも別々の作品っぽい(エンディングであるように、世界が交差する事はあるとしても)。
 取りあえず、見られる限りは見続けようかな。


2005年7月11日 月曜日

『おくさまは女子高生』03.「学園祭でいらっしゃいませ」04.「子供ができちゃいました…!」

 原作は、単行本で既読。初回放送は見逃してしまった。
 こばやしひよこ先生の原作漫画は、とにかく可愛く、肉感的で えっちな絵を描かれる事によって成り立っている。
 週間ペースのアニメで、どこまで再現できるのか…と思ったが、う〜ん、まあまあかな。
怪しい所もあるけど、嘆く程の崩れはない。

 ただ…
 この作品の魅力は、ほのぼの ちょっとハラハラのストーリーにもあるけど、ギリギリ寸止めする(……)煩悩全開シーンを、前述した こばやし先生の作画で描き出す部分に寄る所が とても大きい。
カラー原稿になると、一コマずつでも「絵」として高いレベルで成立するよう描かれている原作絵を、アニメでそのまま動かして見せるのは、やはり無理。
 そうなると、「動く事」と「声」に どの程度の価値を認められるかが、このアニメを見続けるべきと思うか そうでないかの分水嶺になってくるだろう。

 自分としては、物語の先行きを知っている事と、演出の切れ味悪さが気になる事もあり、ここまでに。



『ぱにぽにだっしゅ!』02.「紅は園生に映えても隠れなし 」

 うう〜〜ん…
ボケたらボケっ放しで上手くオチていない所とか、ルール無用でとにかく変なネタを重ねて出してくる所など、実によく原作の世界を引き写せていると思うけど…
だからといってそれが「笑い」に結びつく訳では、必ずしも、ない、というのが何とも…
 『あずまんが大王』のようにストーリー主導で笑いを混ぜていく形式ではなく、笑い(ネタ)が先行している不条理ギャグ作品なので、上手く視聴者を笑わせられないと、30分 何を見せられたのか分からない、という状態にさせてしまうだろう。

 友人宅で、友人は「何が面白いのコレ?」らしいが、ヨメさんと娘さんは大変気に入って、録画した物を見直したりもしているという。
 ガチャガチャ色々な事をやっている所とか、カラフルな色遣いなんかが、女性にアピールするのだろうか。
…うちのヨメには余り好評でないけども。



『ゾイド ジェネシス』14.「脱出」

 強制労働施設での、厳しい暮らし。
 肉体労働中に、体調不良で倒れ、兵士に連れ去られた男性は、あの後どうなったんだろう?(蹴られて即死でもないだろうし)
医務室へ?まさか…不要だと判断され、処刑され……
 それだとルージが、自分の村のジェネレーターを修理してくれる技師を見つけるため、男性を見捨てた…という事になってしまうような。
見捨てた、っても、その場で計画もなく暴れたところで男性を助けられる保証は無く、ルージや仲間の命を危険に晒してしまうだけ、ではあるんだけど。
 それで萎えそうになった労働者達の気持ちを鼓舞し、生き残っている人々の食事を確保しようとするのが、少年に出来る精一杯か。

 かなりハードなアニメ。
 街の奪還を賭けて戦いを挑んだ守備隊だったが、ディガルドの前に成果を上げられないばかりか、巻き添えに街を焼き尽くして全滅。
 ルージが探し求めていた技師は、居場所を突き止めた時には もう(ディガルドへの協力を拒み、拷問されて?)死んでいる。
 世界の捉え方が、実にシビア。
子供向け作品としては、容赦が無さすぎるぐらい。

 街はこの後どうなるのだろうか?
多くの死傷者を出し、施設として使えなくなった事でディガルドに廃棄され、不本意な形で「自由」を取り戻す?
 面白いんだけど、重いなあ……


2005年7月10日 日曜日

 迷惑メール。

> Subject: Re:そういえば
>
> Q1.最近楽しいことが無い。
>    @はい Aいいえ
>
> Q2.自分に自信が無い。
>    @はい Aいいえ
>
> Q3.日ごろの生活に満足していない。
>    @はい Aいいえ 
>
> Q4.平凡な毎日に、退屈してる。
>    @はい Aいいえ
>
> Q5.出会いを求めたパーティーに参加したことがありますか。
>    @はい Aいいえ
>
> Q6.出会い系サイトを利用したことがありますか。
>    @はい Aいいえ
>
> Q7.騙された事がある。
>    @はい Aいいえ
>
> 以上の中に「@はい」が1つでも見つかった方は下記へお進み下さい。
>
> 突然のメールに驚いたかと思いますが、
> VenusNetwork【ヴィーナス・ネットワーク】代表富田ゆかりと申します。
> 新たな未来をサポートするクラブを設立しております。


 ……ええと、以下ダラダラありがちな迷惑メール文が続くから、略。
 この、「はい・いいえ」という単純な二択の連続から文章を書き始めるやり方は、なかなか上手いと思う。
あー楽しい事はどうだろうな、自分への自信は怪しいな、とか思いつつ見てしまうから。
 そうやって乗せられてしまった人を上手くワナにかけようというのだろう、文末では、

> それでは、
> アンケートの意味も込めまして、気軽な気持ちで下記の質問にお答え下さい。
>
> Q1.貴方のお住まいもしくは、会いたい都道府県をお教え下さい。


 と問うていて、流れで つい自分の住所を送ってしまいそうになる……
なるかぁ、そんなもん!(笑)



『交響詩篇 エウレカセブン』13.「ザ・ビギニング」

 おおお、面白い!
ここの所ずっと違和感を感じつつ見続けてきた本作だけど、今回は一話まるごと、ワクワクするぐらいオモシロかった。

 エウレカを、アネモネを…自分の好きな女の子を助けたい!という思いから、共に行動する事になるレントンとドミニク。
 ゲッコー号に乗り込んでから、何をしたいのかずっとハッキリしなかったレントンに、強烈な、視聴者も感情移入しやすい目的を設定したのが勝因。
コレだよね、コレコレ。
 彼がこだわっているのは、既にリフでも整備士になる事でもなく、「エウレカ」個人なのだから、もっと早く、彼女に関係する試練や障害を設定し、乗り越えさせて成長を促すドラマにするべきだったろう。
 好きな子を地べたに置き去りにして出発するのは どうかと思わないでもないけど、まあそこは勢い( ^_^ )。

 ドミニクに同行を認めさせるべく、バイクをバラして脅迫するレントン。
整備士を目指す設定が、初めて…に近いぐらい生きたシーンではないだろうか。
 こんなに機転が利く少年だったか?いつの間にそんな作業を……とは思うけど、これは視聴者が楽しくなるシーンなので、問題ない。
 今後は、この素早さ、手癖の悪さを彼の「特性」として、活用すべき。

 意外な有能さを見せて驚かせてくれたレントンに対し、ドミニクは、「意外な(?)ダメダメさ」で母性本能にアピール( ^_^ )。
 地図の見方も、東西南北という概念すら知らない…って、アネモネの所までは小型機で飛んできたはずだけど、よく辿り着けたなあ。
まあ現実でも、方向音痴だろうが地図の見方を知らなかろうが、音声ガイドが付いたカーナビの指示通りに走れば目的地に着けるから、軍の便利な機械に幼い頃から慣れすぎている、という事か。

 道行き、様々なイベントを経て、単純で率直なレントンに好意を抱いていくドミニク。
コレだ、コレだよ!このエピソードがもっと早く、5、6話ぐらいで提示されていれば、軍が、「軍」という文字だけの存在でなく、「ドミニクが所属している所」という認識で見られたのに!
 ドミニクを…軍人を非難する街の人々が描かれた事で、この世界での軍の位置もグッと分かり易くなった。

 「何だか分からないけどストーリーの都合で」ではなく、「大事なエウレカを、夢に現れたアネモネを、そして共に苦労したドミニクを救いたいという気持ちから」ニルヴァーシュを発動させるレントンには、カタルシスがある。
 再び それぞれの属する陣営に帰った二人が、これからどう関わっていくのか、楽しみ。
 この作劇テンションが落ちませんように!
ようやく波に乗ってきたのだと信じたい。



『ぺとぺとさん』01.「おはよーさーん」

 フィギュア付き雑誌「週刊わたしのおにいちゃん」でもお馴染み、問答無用で視床下部を焼き切るぐらい可愛い絵を描く絵師・YUG先生が(原作小説の段階から)キャラクターデザインをされたアニメ。
 先生の絵は実に微妙なラインで出来上がっているので、多くのアニメーターに描けるような線に直してしまうアニメ、それも週間ペースでは、どこまで再現できるのか……と思ったけど、意外に違和感ない。
さすがに「先生の絵がそのまま動いている」とは言えないが、かなり頑張った作画になっている。

 内容は…
凄くほのぼのした学園物。
 いや、妖怪(特定種族)と人間が共存している特殊な世界であり、体が他者とくっついてしまう種族の女の子が転校生として現れ、クラスには他にも様々な能力を持つ子供が居そう……という設定からは、不気味な内容でも、ドタバタギャグでも、バトル物(!)でも作れそうだけど、そういう全てを「日常」で強力に包み込み、まろやかな舌触りに変えている。

 クラスの男の子と くっ付いてしまったヒロイン。
「寝れば離れる」という事で、ヒロインの家に一緒に帰り、着替えに悪戦苦闘したりトイレで騒いだり……
 本当に穏やかで、癒される ほのぼの。
 余り大きな事件を起こさず、日常を細やかに描き、ゆったりと進む癒し系アニメになってくれると嬉しい。


2005年7月9日 土曜日

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』38.「新しき旗」

 ルナマリアは、かなり人気のあるキャラだと聞いた事があったような…
そういう子を、「ただの馬鹿」に描いて魅力を失わせてしまう意図が、理解できないんだけど。
 アスランと妹の逃避を、「ロゴスが狂わせた」からと決めつけた事。
いくら何でも、そりゃ無いだろう。
事情を全く知らないならともかく、ルナマリアは、以前アスラン・キラ会談の様子を盗聴し、いくらか真実に近づいていたはずなのに。
 誰か・何かを闇雲に逆恨みする事だけが生きていく原動力、という意味では、シンと お似合いのカップルになった訳だけど。

 そういう彼女に対し、メイリンを救う選択肢がありながら故意に殺した、非道な事実を伏せたまま(もう忘れた?)、ぬけぬけとキスをしてしまうシン。
あーもう、こんな馬鹿カップル、どーでもいいなあ。
 このスタッフは、視聴者に感情移入してもらうための「葛藤」をドラマに取り入れるのが、致命的なぐらい下手。
 いっそ議長に絶対服従する偏向しまくったレイの方が潔いぐらいだが、彼もまた魅力ある存在とは言えず、その愉快なトリオが大活躍する今回の様子は、本来なら いくらかカタルシスを生み出すものであるはずなのに、心底どーでもいい。

 追いつめられたロゴスの老人達が呟く、
「我らを討ったとて、ただ奴等が取って代わるだけじゃが」
「正義の味方や、神のような人間など居るはずがないという事を、我々は知っていますがね」
というセリフの方が、冷静であり納得できるもので、ついロゴスを応援したくなってしまう。

 数を揃えたデストロイを見て、「このビグザムが量産された暁には…」と窮状で口にし、散っていったドズル・ザビの無念を思い出す。
 中将、あなたの夢がココで現実に!( ^_^ )
 その破壊力は圧倒的で、戦局を塗り替えるぐらい。
しかし、シン含む、ルール違反の馬鹿戦力を発揮する三人組の前では、ザコ敵並みの扱い。
ううう〜ん、強さのインフレが激しいなあ。

 戦力には絶対の自信を持っていたようなのに、デストロイ5機が破れると総崩れになってしまうロゴス側が情けない。
デストロイを揃えるだけで、軍事費 使い果たしちゃった?
 せめてニーベルングを、地上戦力向けに発射できるよう改造しておけば良かったのに。
 ソレもコレもデタラメに強い三人組を計算に入れていなかった失敗による。
まあ、普通 考えんわな、こんなムチャな攻撃力(五機のデストロイで戦線をもたせよう、という考えが成り立つ世界では、あり得る攻撃力?)。
 アムロの比じゃない。
彼ら三人だけで、ジャブロー攻略も星一号作戦も完遂できるのでは?

 シン、もう「視聴者に許してもらえる限界点」を突破してしまったように思うが、これからどう扱われるのだろう?
歪み切った愚者として徹底したまま死なせてやるのが、優しさかも知れないんだけれど。



『機動新撰組 萌えよ剣 TV』02.

 放送されているのは知っていたけど、番組欄ではタイトルに「TV」の文字が無いため、OVAとして作られたモノを流しているのかと思っていた。
 OVAバージョンはCSで見て、一話目で挫けた覚えがあるので、見なくても良いや、と。

 で、テレビ版の内容は…
うーん、別に悪くないけど、誉めたくなる程 良くもなく。
 『らんま』と同時期に作られたアニメ、と言われても信じてしまうぐらいに…良く言えば安定して分かり易いが、悪く言えば古い。
OVAの印象と変わらないな。
 特に先が気になるストーリーでもなく、演出・作画とも「普通」という所なので、ここまでに。



『ウルトラマンマックス』02.「怪獣を飼う女」

 第二話なんだから、ウルトラマンと合体し、DASHに入隊したばかりの主人公の戸惑いや意外な才能、他の隊員から示される不信と その解消、辺りが描かれるモノでは。
いきなり、二十話目ぐらいのダレた展開になってるんだけど。
 特に、主人公の魅力をまるでアピールせず「何となく居る」状態にしたのは、子供向け作品としても(だからこそ)致命的。

 このシリーズは、「とにかく派手に怪獣を暴れさせ、退治する事」だけを目標にしていく訳ね。
 それはそれでアリだろうけど、せめてエレキングを飼う女に多少のキャラクター付けをするとか、逆に割り切って女の設定を「極悪侵略宇宙人」にした方が見易かったかも。
 「エレキングと女」という、元になった『セブン』のエピソードから抜き出したような関係ながら、ずっと簡略化した、ドラマは勿論、センスもワンダーも 皆無な内容になっている。

 気持ち良い程、いい歳の視聴者を切り捨てたシリーズ。
30分に延びた『ウルトラファイト』だと思って見る事だろうか。
 見続けるつもりではあるが、何か凄いエピソードでも無い限り、もう感想は書かないと思う。



『プレイボール』01.「伝説のキャプテン」

 今時コレはないだろうというキャラクターデザイン、「萌え」が無い、それどころか女性キャラそのものが主人公の母親ぐらいしか出てない事、続編としては余りにも時間が経ちすぎており前作を記憶している視聴者が多いかどうか疑問、野球物かと思えばサッカーを始めてしまう不徹底さ……
文句は、そりゃあ言えるけど。

 原作漫画は読んでおらず前作もアニメを見ただけで、しかも再放送では見た覚えがないから、20年ぶり?ぐらいで目にする続編だと思うのだが、イキナリ前作通りのOPを歌えてしまう自分に驚き、主人公・谷口の姿も「久しぶり、相変わらず頑張ってるねえ」とばかりにスイッと胸に入り、馴染んでくる。
 前作は自分にとり、そんなに強烈だったのか。

 ダサくて垢抜けない作風は相変わらず。
 キャラクターを見つめる目の確かさと優しさ、「努力をする事の価値」「継続こそ力」と熱く語りかけてくれるドラマ運びも、変わっていない。
 谷口が高校に入り、始めたサッカーで、見る見る頭角を現し、冷たい目で見ていた部員達に認められていく所は、現代的に「親から受け継いだ遺伝子に導かれ」「体内に眠る不思議パワーが助けてくれ」といったライトな理由付けと、正反対。
限界に挑み、ひたすら練習し、練習し、練習し、練習する事で ようやく成し得た物。
 流行らないよねえ、今更こういうの。
でも、座して思いがけない才能が開花したり、ゴロゴロしながら美少女幼なじみが世話しに来てくれるのを待っていたりしても、現実は そう都合良く行かない。

 挫けずに努力を続けていれば、きっと「君は何かが出来る」と訴える、正しく、胸を打つ作品。
 これこそ、地上波夕方6時台で放送し、少年達に見せるべきではないか。


2005年7月8日 金曜日

『SHUFFLE!』01.「神にも悪魔にもなれる男」

 こういう作品の冒頭部を、「朝、男の子を起こしに部屋までやってくる美少女」で始める事が多いのは何故なんだろう?
 「夢と現実の狭間にある話が、これから始まるのだ」という宣言かも知れないけど、恐らくは そんなに大層な理由でなく( ^_^ )。
 視聴対象とされる中・高・大学生ぐらいにとって、身近に感じられる「苦痛」は「まだ眠いのに起きて、つまらない学校へと行かなければならない」事で、しかも大抵の場合 実の母親の怒鳴り声か、無味乾燥な目覚まし時計の音に叩き起こされる事により、居心地の良い夢の・布団の中から引きずり出される苦痛は、より重大なモノになる。
 せめて美少女が愛情を込めて起こしてくれたら……という切ない(?)願望に応えたモノ。
 確かに、「鬼瓦のような顔をしたオヤジが、エプロン姿で主人公を起こしに来る」のがファーストシーンだったら、その先を見続ける気力は挫けそうになるかも(笑)。

 で、このアニメ。
 起こしてくれた少女は、親を事故で亡くした主人公が居候する家の娘で、「無理しないで良いよ」と言っても彼のため朝から張り切った料理を作ってくれ、しかもそれを生き甲斐だと言い、通学途中には彼女の親衛隊が現れる程の美少女順位にある。
 願望充足モノとして容赦が無い徹底ぶりに、感心。
 更に、学校では主人公にチョッカイをかける美人先輩やら同級生やらが待機。
 もうコレだけで お腹一杯だけれど、まだまだ、実はこの先にメインディッシュが控えている。

 転校生として、神族と魔族王の娘達が、イキナリ主人公の お嫁さん目指し登場してくるのだ。
 そこまで…そこまでしなくても。
細かい事を全部すっ飛ばす徹底したサービスぶり。驚く。

 ただ、登場する少女達が皆揃って性格の良い「可愛い」タイプなので、メリハリに欠けているように感じられたのは残念。
こう、似たような印象のキャラが並ぶと、一番心に残るのが「年増の女教師」になってしまう恐れさえ。
 次回以降、それぞれの性格の違いは描かれていくのだろうが、初登場での魅力の提示も大事に考えて欲しかった所(買い物させたり歌を歌わせたり、多少は工夫が あるけれども)。

 神界と魔界が現実と繋がった、超絶の世界で起きている特殊事態は、「三つの世界の子供達が共に学ぶ学校が出来ました」という、これだけ。
あとは現実の風景と変わらない。
そうかあ、そういう ぬけぬけとした開き直り方もあったかあ!
 「萌え」作品においては、二大世界王の息女である、という設定など、大財閥の娘と日本最大ヤクザの娘、とするより軽く扱って良い訳だ。
 目からウロコ、参考になる。

 作画には気合いが入っており、キレイ。
 視聴継続。
難しい事など考えず、お約束満載な展開を楽しみたい。



『電車男』01.

 フジテレビでドラマシリーズになった『電車男』、第一話。

 オープニングがGONZOによるアニメーションで、音楽(ELO)からアクション構成から まるっきり『DAICON4 オープニングアニメ』なのに驚く。
GAINAXが作ってれば、もっと凄かったのにな。
 『DAICON4』とは何か、ってのはこちらを参照
 しかし、この作品の発表は22年ぐらい前の話なので、見て懐かしがるのは かなり古参のオタクだけ?
庵野秀明ら、ビッグネームが大挙して参加している作品だから、もうオタの基礎教養、と言って良いのだろうか?

 『踊る大捜査線』劇中の『セーラームーン』を凄く劣化させたアニメキャラに比べると、OKAMA先生のデザイン、GONZOによるアニメーション、という事で、実際、キャラクター商品となって展開されても おかしくないぐらいのクオリティーに出来上がっている。
 まあ、オタクがメインのキャラクターになっているのに、ココに手を抜いたんじゃ、叩かれそうだからね。
 ELOのテーマは、「私はもう一つの時間からメッセージを持ってきた」というような内容なので、別々の世界に生きる男女と、その間を繋いだ2ちゃんねるの「メッセージ」を象徴するのに向いている…のかな。

 秋葉原の様子、オタク同士の会話など、痛い感じでリアル。
 手元でガンプラをガチャガチャやりながら、「ロケットパンチで〜」と言っているシーンとか、ちょっとした所に不満を持ってしまったけども、そんな事 言うのは重いオタ野郎だけだから放っといて構わないや(笑)。
「ビームサーベル」では、「ロケットパンチ」に比べ知名度が劣る、パッと聞いて何のことだか分かり辛い、というマイナスがあるし。

 ドラマ内容。
えーと……
 原作は、短い文章ベースのコミュニケーション形式で、色々な物を削ぎ落としたからこそ成り立った「ファンタジー」なのに、ドラマは長く持たせるため日常を継ぎ足し継ぎ足ししたため、変な所にリアリティーが出、しかし肝心な所が余りにも嘘っぽくなってしまった。
 コレはもう別物だなあ…
でもまあ、OLさんとかが何となくテレビを眺めて、「劣っている・欠けている」風に描かれたオタクの姿を「可愛い・ピュアだ」という言葉で表す事により優越感に換え、楽しむドラマとしては、別に悪くないんじゃ無かろうか。
 このドラマを見て、オタクの方が救いを感じる事は…まず無いと思うけど。


2005年7月7日 木曜日

『あまえないでよっ!!』01.「覚醒(い)かせないでよっ!!」

 原作未読。
 ははあ、寺を舞台に、少女尼さんを各種タイプずらりと取り揃えた「萌え」物か。
色々考えるなあ( ^_^ )。
 寺だけに、憑き物落としを見せ場にしていくのかな。

 最初っから女の子が沢山出て来すぎていて、よく見分けが付かない。
個別にキャラクターが描かれるに従って、それぞれ魅力が出てくるんだろうとは思うけど…
ちょっと、負担。
 最初は主人公と女の子二人ぐらいまでにして、段々と人数を増やしていく方が親切だろう。

 煩悩をパワーに変える主人公は、『ゴーストスイーパー美神』横島のよう。
 憑き物に お祓いをしていくシーン含み、演出・作画で見せるには、アクションも日常も、えっちなサービスシーンさえ、「別に悪くはないけど ごく普通」というレベル止まりなため、弱い。
 もう少し見続けようかと思うが、何か弾けた展開でも無い限り、そこまでに。



『タイドライン・ブルー』01.「浮上する亡霊」

 いかにもテレコムっぽい、いまいちパッとしないキャラクターデザインと、テレビベースで潜水艦バトル?というピンと来なさで、余り期待していなかった本作だが…おお、こりゃあ面白い。
 「山の上に取り残された巨大空母」というハッタリの効いた絵だけで、一気に画面への没入度が上がってしまう。
しかも そこが、環境が激変した世界での国連会場のようになっている事、正体不明な潜水艦が攻撃目標としている事、麓の街に住む人々にとって非常事態には逃げ込むべき(ヘリなどで脱出できる唯一の)場所とされている事、など、色々な設定を重ねて見せ、単に絵としてだけでなく、「確かにその世界に存在する物体」であると感じさせてくれた。

 第一話だから、ではあろうが、キャラ達は非常に良く動いて魅力をアピール。
 屋根の上での追っかけっこは……監督・飯田馬之介の、というよりテレコムの芸風。
それなりに楽しんだけど、大男がバーサンの横に正座して落ちるオチといい、少々「古い」印象なので、無くても良かったかと思わないでもない。

 少女・イスラの出産。
 確かに、ヒロインが第一話で出産するのは、テレビアニメーション史上初だろうな。
 それだけでは単に奇をてらい過ぎだろうが…その周りでオタオタする主人公、冷徹なようでいて自分の身を危険に晒しても分娩を助けるティーン(何故 慣れてる?)、と、大きなイベントを前にした態度の違いでキャラを彫り込めているのと、「戦禍の元での生と死」というシリーズを通してのテーマ(だろう物)を分かり易く提示できている事で、意味あるイベントにしている。
 痛みの切迫したイスラが、主人公の腕を両手でギリギリと引き絞って見せる事により、出産など身近でない野郎共( ^_^ )にも、体感的に「痛さ」と「大変さ」を分からせてしまうのが工夫。
はー、こんな手があったか。

 国連風の、国と国とが意見のやり取りをする場。
拒否権が どうこう、とモメる所が特に、現在の日本の…世界の状況を想起させる。
 大地の90%が海に飲み込まれた世界、というのは潜水艦アクションを成り立たせるための舞台設定なのだろうが、どうも絵柄のせいか『未来少年コナン』を連想してしまうなあ。
自分たちの領土を「我が国」ではなく「我が島」と呼称しているのが、世界の窮状を物語っていて、上手い。
 平和に暮らす街を最初に見せられたので、襲撃者である潜水艦が「悪」に見えるけど、もしかしてこの後 主人公と少女母子は、この艦に乗り込む事になるのだろうか。

 炎に包まれる島の運命、謎の襲撃艦の正体、捕らわれたティーンはどうなる、イスラの父親は誰?…先行きに注目させる仕掛けが巧く作用している。
 今のところ、今期、放送が開始されたアニメの最注目作。
アニメ史に残るような傑作になってくれる事を期待!



『涼風』01.「期待」

 テレビ東京での放送にしては、銭湯での全裸シーンを、かなりな所まで描いているのに驚く。
 …ただ、作画は余り良いと言えず。平手打ちする場面の動きの悪さには、コケてしまう程。
これで脱いで見せられたって、実の所そんなに嬉しくは……
 演出も冴えない。
アニメを見ていて、そこいらが引っ掛かる事は余り無い自分でさえ、カット割りや画面レイアウトが拙いと、ハッキリ分かるぐらい。

 賑やかなキャラクター配置は、これから何とでも遊べそうだし、ストーリーが どう展開していくのか興味あるけど…
 アニメで見続ける意味を感じられず、機会があれば原作を読む事にして、視聴はここまで。


2005年7月6日 水曜日

『かみちゅ!』02.「神様お願い」

 神様になってしまった、という すっ飛んだ状況に置かれた主人公・ゆりえと、周囲の「日常」との かなり広い隙間を、少しずつ埋めていく話になっていくのかと思ったが…
「日常」の方を、我々が住む世界の常識とは違う、万物に神様が宿っていて当然、少女が神様になるのも「女子中学生の神様は珍しい」という程度にしか思わない、『千と千尋』湯屋の周りに広がっているような世界にして、一気に違和感を無くしてしまった。
 そういう特殊な世界の状況を、そこが ごく「普通」であると認識して生きる人々の暮らしを通し、説得力を持って描き出せているのは、凄い。

 ただ…神様達の考え方や行動が余りにも人間っぽく、『じゃりン子チエ』の小鉄達ネコの描かれ方と変わらないのは、善し悪し。
少しは異質さを感じさせてくれても良いような…『千と千尋』でも、もうちょっと人との違いを感じられたモノだが。

 探し出した神社の神様は、レギュラー扱いになっていくのかな?
音楽の才能が無いと突っ込んでいた犬の神様と、ペアで出してくれると嬉しい。
 ゆりえが書いたお札で、普通の人間にも神様達が見えるようになる……というシーンなど、疑問符が一杯付く所なのだが、「字が下手(だから?有効時間が短い)」「それがあっても『見える』だけで、神様オンリーの領域に入れる訳ではない」といった妙なリアリティーを付加して、何となく見る者に受け入れさせてしまう、この辺の小技は実に巧い。


2005年7月5日 火曜日

『ガン×ソード』01.「タキシードは風に舞う」

 『カウボーイ・ビバップ』スパイク似の主人公、『トライガン』の世界観。
銃が支配する世界で、変形刀を振り回して駆け抜けていくヒーローを描くのかと思えば、最終決着には巨大ロボットが出現。
剣がモチーフのような主役ロボは、長谷川裕一先生の『ダイ・ソード』かな。
 色々な物を混ぜこぜにしてあり、良好な作画で見せた第一話だけど…
ツカミとしては、ちょっと弱いような。

 やる気のない主人公は まあ良いとして、彼が事件に積極的に関わっていこうとする契機が不明。
 悪党ザコをやっつけてしまった成り行き、街の危機を知って、ラッキーにこだわるボスに殺されかけたから、少女が街を離れられない事情を聞いて、少女から出された雇用条件「お嫁さんになって上げる」に心動かされ…
どれでもドラマ的には、他者に関わらない主義を曲げる切っ掛けになるだろうが、どれだかハッキリしないばかりに、危機一髪の状況で現れて事態を解決して行くカタルシスを上手く作り出せていない。
 主人公の着ているのがタキシード(そうは見えないけど)らしいから、やっぱり少女の「お嫁さん宣言」を重要視するのが筋では。

 誰も殺さず、体の一部を斬りつけさえしないのは、何か不殺の誓いでも立てているのか主人公。
…そういうのは、もう、お腹一杯なんだけど……これまた『トライガン』だし。

 最後に控えるロボット・バトルは無駄な気が。
銃を使う敵 対 剣を振るう主人公、この図式がそのまま巨大化しただけなので、生身のまま決着するのと印象が大して変わらないから。
 せめて、もう少し話が進んでから出す形でも良かったろうに。
最初の登場が こんなにも魅力を感じられない扱いなのは、マイナス。

 監督が『プラネテス』の谷口 悟朗なので、これから、キャラクターや世界観が馴染んで来るに従って、面白くなってくれる事を期待。
 視聴継続。



『奥さまは魔法少女』01.「kissはダメよ、ということ」

 監督・錦織 博、キャラクターデザイン・長谷川眞也という、問題作『忘却の旋律』を彷彿とさせる取り合わせによる新作。
 内容は…魔法少女物、というより、ヒロインが男の子(メガネの美少年)よりも年上で、声が井上喜久子である事から、『おねがい☆ティーチャー』を思い出してしまう。
野郎向けにサービス過剰である所も、一緒。

 「出戻り」と言われる元魔法「少女」で現・人妻(離婚済み?)のヒロインと、その祖母が経営する下宿に、ケガにより部活の夢を断たれた少年が越してくる事から、ストーリーは始まる。
あー、なるほど、こんな手もあったか!
 ワンダーランド、と呼ばれる、ヒロインの祖母が作ったらしい下宿付近一帯の地域を管理すべく、ナマイキで後先考えない後継者の魔法少女が やって来ているのが、割とパターン気味の内容へのアクセントになっている。
 ワンダーランドが どう特別な地域であるのか、その設定がこれから重要ポイントになっていくのかも。

 第一話は、長谷川眞也が作監しているだけあって高品質な作画で、ひたすら えっちなイメージを連続して見せてくれた。
男性視聴者へのツカミは、オッケーだろう。
 今回ラストで、出逢ったばかりの男の子とヒロインが何となく流れのままキスしようとしてしまうのは、やり過ぎというか、誰かの妄想をそのまま見せられているようで居心地が悪かったり( ^_^ )。

 視聴継続。
 気楽に見られるエロ馬鹿アニメになるのか、それをカムフラージュにして また問題作を作るつもりなのか、そこいらも含み、先行きが楽しみ。



32年ぶり再浮上!草なぎで映画「日本沈没」来夏公開

 アレ?こんな話、前にも出てなかった?
 で、うぅ〜〜ん、見たいような見たくないような。
 映画『日本沈没』が面白かったのは、スペクタクル物でもパニック物でもあったけど、それ以上に「母なる国土を失い、世界の孤児になる日本人」という、目を覚まさせられるような概念の提示が優れていたからだと思う。
 主演の藤岡弘より、総理役だった丹波哲郎の方が強く印象に残っていたり。

 今、この状況下の日本を沈ませる、という事で、徹底したシミュレーションが成されるなら、価値のある物になるかな。
 中国は、韓国は、北朝鮮は その時 日本に対し、どんな態度を取るのか、とか。
オリジナルでは、中国が素晴らしく大人な態度で接してくれたんだけど。
 しかし…極端な話この辺の国が「ざまあ見ろ、死ね日本人」と返事してきた、とは、いくらフィクション上 必要な展開だったとしても、問題にされそうだから描けないだろう。

 監督が樋口 真嗣、という所に期待。
 地震によるビル倒壊や、列車の脱線など、現実の事件を想起させるような絵作りは出来るんだろうか?
会社が、「世間の声」と どれだけ戦う(延々説明する)覚悟を持っているか、に寄るな。



 映画『宇宙戦争』を見る。
 スティーブン・スピルバーグ監督。
トム・クルーズ、ダコタ・ファニング主演。
 内容に触れてしまうので、未見の方は御注意。

 ウェルズの『宇宙戦争』をリメイクした映画なら既に『インデペンデンス・デイ』がある訳で、それと差別化するのに どういう方向で行くのか、と思えば…
 さすがスピルバーグ、アトラクション・ムービーとしては文句の付けようがないぐらいの傑作に、仕上げてくれた。

 しかし、よく分からない宇宙人だなあ。
 歩行戦車・トライポッドだけは先に地中に埋めておき、乗員が後から飛来して乗り込む意味は?
…といっても、「人類誕生以前からトライポッドは埋まっていた」「雷と共に宇宙人が降下した」という劇中の説明は、「大阪では三機倒したらしい」「ヨーロッパは無傷、もしくは全滅」というのと同じく噂に過ぎない訳で、どこまで本当なのか分からないが。
 これが事実だとすると、
・人類がまだ誕生していない時点で、何に備えてトライポッドを埋めてあったのか
・侵略開始時に一緒に持ってきてはいけなかったのか
・雷と共に地下に降り、乗り込んだ、という事は、かなり小型化した姿でやってきた?トライポッド内で大型化?
・確かに小さくなって乗り込んだ方が効率的だろうけど、「いつか、何かに備えて」トライポッドを何十・何百機も地中に埋めておいた非効率性とは矛盾しないか

 …不思議。
 宇宙人はトライポッドを700兆機ぐらい持っていて、アチコチの星に埋めてあったのかなあ?
火星とか冥王星にも、各1万機ずつ埋めてあったのに、これは生物が育ってなかったんで無駄になっちゃったけど それぐらいまあイイや、と思ってるとか?
 考えると、宇宙人が雲を裂いて地球に飛来する絵は、どうやっても『インデペンデンス…』になってしまうから、避けたのかな?(それだって元ネタはスピルバーグの『未知との遭遇』だろうが)

 宇宙人の考えや世界の全体的な動きなど全然分からないのは、映画の視点を、トム・クルーズ演じるダメオヤジにずっと固定し続けているから。
 理由も分からず攻撃され、逃げまどい、そこに元ヨメが居るという理由だけでボストンを目指し、道中 宇宙人による、あるいは同じ人類による脅威に晒され、ひたすら怯えて駆け回る…
 一度も「大統領」やら「軍の司令官」など「神の視点」に近い、俯瞰が出来る(作劇上 便利な)人の目線を借りない事で、情報もナシに地面を這い回るトム・クルーズの姿が、実に身近でリアルに感じられる。
…トム・クルーズなんて「こんなキレイな顔の港湾労働者、おらんやろ」と思わせる役者でなく、ショボいオジサンを主役に据えれば もっとリアルだったかなあ。
興収に悪影響が出ちゃうだろうが。

 トライポッドの巨大感、恐怖感の演出は、抜群に上手い。
 怪獣モノを撮るとイイんじゃないかスピルバーグ…と思ったが、既に『ジュラシック・パーク』があるな。
 そういえばコレ、演出手法も映画としての作り方も、『ジュラシック…』に大変よく似ている。
ドラマでなく、圧倒される特殊効果こそが「主」であり、その合間合間を繋ぐように物語が語られている所など。
 古民家地下でのドキドキシーンの構成は、ラプトルとの隠れんぼにそっくり。

 あと、完全ネタバレ感想は別項で。

 後で考えると不思議だったり不満だったりする所があるけど、見ている間は とにかく画面の迫力に圧倒され、見終わるとグッタリ疲れている。
「見せ物」としては十分すぎる価値があり、見て損無し。
 トライポッドに追い回される恐怖感と楽しさは、劇場でなければ半分の半分も味わえないだろう。
 是非 映画館で。


2005年7月4日 月曜日

『D.C.S.S.〜ダ・カーポセカンドシーズン』01.「あれから2年…」

 前作終了から結構時間が経っているので、ここまでの内容を思い出すのに努力が必要。
 メインヒロインだった二人が、共にこの第一話では姿を見せない事で、余計に混乱してしまう。
 知らない女の子も増えているような気がするなあ。

 内容は…女の子達が可愛く、入浴シーンのサービスもあって、「萌え」アニメとして悪くはない。
 ただ、ヒロインだった二人以外の子にも きちんと魅力を付加できている事で、ドラマの大きな鍵になるのだろう「ヒロインの不在」が余り気にならなくなっているのは、成功なのかどうなのか。

 お話は、まだ取っ掛かりの段階だから、どうこう言えず。
第一話を見た印象だけで言えば、続編を作る意味に疑問符が付いてしまうが……キャラのファンによる根強い支持がある、って事?
 内容に引き込んでくれるような大きな仕掛けを期待して、視聴継続。



『まほらば 〜Heartful days〜』最終話.「まほらば」

 これも感想を書いていなかった。
 ずっと示し続けられてきた、主人公の「絵本作り」の才能が、このアニメらしく酷くシリアスにはならない危機状況に対し、唯一有効に作用してヒロインを救う、という事で、綺麗に整った、シリーズのファンからは不満の出ようがない終わり方。

 全体に。
 とにかく まったり、癒し系のまま最後まで進んでいった作品。
登場キャラクター達はみんな可愛く、嫌味な所が無く、好感を持って見られる。
 お話も、盛り上げるために その雰囲気を崩す事は無く、毎回 見終わると、穏やかな、優しい気持ちにさせてくれた。
 刺激や、メリハリのあるドラマティックさを期待する人には向かなかったろうが、それは最初から そういう方向を目指して作られていないので、仕方ない。

 作画レベルは最後まで高い水準を維持。
 日常的な事件(多重人格や大富豪実家との確執など、普通なら非日常になりそうなイベントも何故か印象は「日常」)を、飽きさせずに見せ続けてくれた脚本・演出も、良い仕事をしていたと思う。
 終わってしまうのを寂しく感じる、愛すべき作品だった。



『ぱにぽにだっしゅ』01.「寒に帷子 土用に布子」

 原作が好きで、単行本を読んでるけど…これをアニメにするとは……
 この漫画の面白さって、「全体的に言えば面白いかどうか微妙」という所にこそ、あると思う。
ギャグのヒット率など、一本のアタリに対して、六本ぐらい(もっと?)のハズレって割合。
 だから、微妙なキャラクター達が織りなす、世界の微妙な雰囲気を楽しむ作品。
 キャラ造形や間の取り方は、他のどの作品とも違う、壮絶な独特さ。

 そのアニメ化、としては、なかなか上手くできている。
 脈絡無く現れる変なキャラクター、テンポのズレたギャグ、3Dで処理され どうでもよさが全開の その他キャラ、黒板の変な落書き…いかにも、らしい。
 笑えたかというと、30分見て「ははは」が三回ぐらい、という調子だったけど、そこがまた上手く原作っぽさを再現できていると言えない事もなく。

 作画は無駄に高品質。
ベッキーが実に可愛く、ダメダメに描けている。
声優さんの声もイメージと違わない。
 視聴継続。
これから、この作品ならではの味が出てくるとイイなあ。


2005年7月3日 日曜日

『交響詩篇エウレカセブン』12.「アクペリエンス・1」

 母艦同士が全力で対艦攻撃を行うシーンは、緊張感もあってなかなかの見応え。
軍の方の艦長が、冷静で合理的な考え方をしているので、戦いも自然と面白くなる。

 えらく長く見せられた、重なり合った三人の内面世界?が持つ意味は?
 土塊のように見えたレントンの元クラスメート達は、彼にとって学校がその程度の意味しか持たないモノだった、という事?
 延々ノックしても全て「入ってます」と返事されるトイレのドアは、上手く現状に受け入れてもらえていない彼の不安な気持ちで、どれも女性の声である事は、特にエウレカとの距離、かな?
 ……とか何とか解釈すべきなのかどうか。
冷蔵庫のアネモネなんか、本来レントンは彼女の存在すら知らないはずなので、巻き込まれた三人それぞれの内面空間が交錯しているとしか考えようが無く、それなら全てをレントンの心の働きとして理解しようとするのは無駄。
 そもそも、こういう現象を生み出した(のだろう)コーラリアンが何なのか、全然説明されていないのだし。

 それでも、ジョーズのようにレントンを追い掛けてくるアネモネ、といった絵は面白く、今回は気持ちを逸らすことなく見られた。
…本筋は何も進んでない気がするけど。



『シュガシュガルーン』01.「チョコとハートの流れ星」

 魔法のペンダントやらスティックやらもらって、魔法界の使命を受け、人間界に赴く…ごくごくノーマルな「魔女っ子物」フォーマットで作られた第一話。
なので破綻は無い。
 キャラクターの個性を明確にし、基本設定を明かし、舞台を紹介する、その手際はまずまず。
 ただ…様々なバリエーションが作られてきた このジャンルの作品としては、ごく普通というほか無く、大きく引き込まれる事も無い。

 とりあえず3話ぐらいまでは視聴。
その辺りで独自の魅力を感じ取れなければ、そこまでに。



ウルトラマンマックス』01.「ウルトラマン誕生!」

 ヒネった所が無い、実にストレートな「ウルトラマン第一話」。
 考えすぎてしまった部分のある『ネクサス』への反省から、こうなったんだろうが…極端。
 現代調に少しはアレンジし、大筋 王道で、という選択は無かったのか。

 主人公がマックスに選ばれるシーンは…
原典である『ウルトラマン』も、衝突してハヤタを殺しちゃったから合体した、というものなので、コレで別に外している訳ではないが、もっと具体的に主人公が誰かを庇って命を失おうとした瞬間…の方が良かったような。
あれでマックスの目に止まるなら、別に他のDASH隊員 誰でも良かった、という事にならないか?
 怪獣の出現が唐突で、二体 同時出現した事について「自然の摂理」とするシナリオは無茶苦茶 強引だけど、まあそこいらはシリーズの伝統と言えなくもない。

 DASH基地の合成がキレイ。
必殺技で、怪獣を連続撃破するパワフルさは、なかなか楽しい。
 しかし、実際 急遽作られた作品なんだろうから仕方ないが、隊員服にも、セットにも、特撮にも「急場しのぎ」っぽさが感じられてしまう。

 初回の内容からすると、シリーズをずっと見てきたオタオヤジが喜べる内容(懐かしい俳優の出演はともかく)になるかどうかは分からない…
 でもまあ、子供達が楽しく見られる『ウルトラマン』になっていけば、良いんじゃないだろうか。


2005年7月2日 土曜日

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』37.「雷鳴の闇」

 やっぱり正しく見えるぞ議長。
 一軍のリーダーとして不要な物を切り捨て、邪魔者は排除するのが、当たり前。
ロゴスを倒そうという大義も、反論を許さないぐらいに「正義」。

 この作品は、こうした「一般社会的に見れば全く間違っていない、大人の理屈」に対し、理論ではなく、未熟で、しかし純粋な「感性」に基づいて反抗していく、若者達の戦いを描く内容になるのかな。
 現在も日本で行われている官僚主導の凄まじい浪費。
それについては当然ながら「この野郎」と思う訳だけど、恐らくは、そうした官僚と一対一で話をした場合、アッという間に丸め込まれ、「なるほど…確かに、そう言われてみれば ほとんど車が走らない道路も必要」「誰も使わない公共施設を作る事にだって大きな意味があるなあ」と思わせられてしまうだろう。
対談を終えて一人になれば、「アレ?何を納得してるんだ、違うだろ」と気が付くが、また話をすると言い負かされそう。

 「大人」は、自分のどんな行動にも、正義「っぽい」裏打ちをするのが上手いから。
立ち向かおうとしても、人生経験の少ない若者では、まるで相手にならない。
 本来は、知識を集め、考慮を重ね、確固たる持論を持って「大人」に対していくのが正しいやり方だろうが、「そんなまどろっこしい事やってられるか!」と思う若者が実力行使に出てしまう気持ちも、分からない事はない。
 現実に、テロだの何だの剣呑な手段に訴えるのは宜しくないけど。
 フィクションであるアニメ作品で、そういう若さの暴走を見せるのは、アリだろう。
 …このアニメが、本当にそれを描こうとしているのかどうかはともかく。

 しかし…ストーリー的にデュランダルを「悪」に落とし込むため、「ロゴスの次はオーブ」と来たか…
 別に、オーブを攻める意味など無いのでは?
現状、あの国の実権を握っている親子は日和見主義だから、連合・ロゴスが倒された後は、政権の存続さえ約束してやればザフトに思い切り尻尾を振るだろう。
アークエンジェルに協力したような反抗的勢力は、国家内部で処分させれば済む事。
 そういう悪徳を許さず、議長に逆らう者は全て粛正した、その後の世界で平和を実現したい、って事?
 んー…議長が「馬鹿」になっていくのは寂しいんだけど…どうなるのか。



 映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』を見る。
 若干内容に触れてしまっているので、未見の方は御注意。

 どう言ったモノか…
 取りあえず、見たかった物は あらかた見せてもらった。
ビジュアル方面へのこだわりは、シリーズ中でも群を抜いている。
 巨大宇宙船同士が激しい戦いを繰り広げる所など、どれほど頑張っても一度見ただけでは、情報量が多すぎて全てを把握する事は不可能。
 この、映画史上に残る程の華麗さ、豪華さ、徹底した作り込みは、大きなスクリーンで見てこそ意味がある。
テレビ画面では、意図された半分も受け取れないだろう。

 しかしストーリー的には、「見たかった物は見た」という以上でも、以下でもない。
 『Episode1』当時から、遅くとも『2』を見終わった時点で、この『3』のストーリーは(大筋)誰にでも、かなり正確に予想できたはず。
 だから、映像的な興奮以外、キャラクターの運命についてハラハラしながら見るような事は、最後まで出来なかった。

 ダークサイドに堕ちるアナキンへとルーカスが向ける視点は非常に冷静な物で、主人公が味わったろう哀しみや苦しみ、あるいは「失ってゆく悦び」というような物も、ほとんど感じられない。
「歴史上の事実」として、ドラマで本能寺へ向かう信長を見るように、堕ちていく様が ただ映し出されるだけ。

 もっと…違った堕ち方でも良かったのでは?
 パドメだけでなく、多くの人々(ジェダイ含み)を救うため、どうしても限界を上回る力が必要になり、それはダークサイドからでなければ とても不可能で…
とか何とか、「オビ=ワンさえ知らなかった、穢れを受けても人々を救おうとする、正義の騎士であり悲劇のアナキン」を描くとか。
 いや、その場その場の判断でドンドン間違った方向へ進んでいく主人公、ってのもリアルではあるんだけど。
ドラマチックじゃ、ないなあ。

 いかにも怪しげなクローン兵士達を平然と使い続けているジェダイには、呆れる。
彼らの存在には もっと疑念を持つべきだろうに。
 クローンだから、共和国市民よりは遙かに死地に送り込みやすい、というような割り切りようにも、疑問を感じる。
 ジェダイが「正義の使徒」ではなく、共和国に雇われている特殊傭兵集団なのだ、と考えれば、お家が大事、他は二の次で良いんだろうけど。
 アナキンへの対応のまずさにせよ、どうも、考えていたより共和国騎士は、「小さい」人達だったようで。

 カートゥーン・ネットワークのアニメ版『スター・ウォーズ クローン大戦』を見ていないと分かり辛い所がある…特にグリーバス将軍なんて映画だけだと、イキナリ出て来て誰コレ?だろう。
将軍、アニメでは恐ろしいぐらい強かったのに、映画では逃げ回るばっかりのヘタレになっており、物足りない。彼の凄みまで描いていたら3時間を超えるかも知れないが。
 アナキンとオビ=ワンの決着も…うーん…
あれより酷い状況から、ダース・モールに対しオビ=ワンは勝利を収めたってのに、アナキン弱っ!フォースで吹き飛ばしてから飛べば良かったのでは?
 まあ、ジャバもボバ・フェットも銀河皇帝でさえ、最期は もの凄く呆気なくアホみたいなやられ方をしており、それが『スター・ウォーズ』の伝統、とも言えるのかな。

 ルーカスの監督手腕は、今回が最も冴えている。
『Episode4』の上品さも捨てがたいけれど、緊張感、スピード感などは『Episode3』の方が上。
 『1』は、コリャだめだと嘆きたくなるほど酷かったのに、『2』では面白いシーンをいくつも作る事が出来るようになり、今作では更に…のルーカス。
「史上最大の金額を投資した監督リハビリ」は見事成功した、って事か。
 今なら、余波でまだ面白い映画を撮れそうに思うので、あと何本か、『スター・ウォーズ』に限らず監督をしてはどうだろ。
非常に不本意な結果に終わった、『ハワード・ザ・ダック』の続編かリメイクとか(笑)。

 エピローグ、沈む二つの太陽を見て、「やっとここまで来た」という想いを強くする。
それは、第一作『Episode4』を見た時から27年、「『スター・ウォーズ』に魂を引かれた者」として生きてきた事に、ピリオドを打てた感慨。
 「シリーズ完結までは死ねない」と、昔は本気で思っていた。
何とか、生きて、終わりが見られたなあ。
 この後、ルーカスが思い直して「やっぱり7〜9も作ります」と言い始めたら、それは最後まで見られるかどうか自信無いけど(ルーカスの命の方が先に危ないか)。


2005年7月1日 金曜日

『フタコイ オルタナティブ』最終話.「3人でいたい」

 これは…難しいなあ。
 簡単に見るなら、「巨大イカにキック一発で事態解決?商店街存続の危機とかライバル御曹司の存在などなど、様々なモノが『敵を倒す』事で解決してしまうのは、どうか」と思う。
 しかし…とにかく色々と製作者の思い入れやら意図やらノイズやら入っているので、そこまで含めて解釈しようとすると、何かしら言いたい事を言いきった、という意味では見事に完結した作品だ、とも思える。

 主人公が戦った相手は、「現実」であったはず。
 間の抜けたヤクザが仕切る街、どんな攻撃も通用しないイカ怪人の猛攻、国境を越えて複葉機で少女を助けに向かった城では、量産型イカ怪人と巨大イカが主人公を待ちかまえている。
こういう「お祭り」のような世界観では、実は少女を縛る遺言やら双子同士の葛藤なんて、「そんな事言ってる場合じゃないだろう!」程度の意味しか持たない。
 その状況でなお、小さな悩みを「現実」として視聴者に捉えてもらうには、キャラクターの、製作者の、そこに向かう姿勢があくまでシビアな必要がある。
 コイツらを倒せば何とかなる、というような明快さも爽快さも無いモノが、「現実」。
 立ち向かうなら、派手な「イカ怪人的世界」から主人公が降り、定職に就いて暮らしを安定させ、双子の居場所と将来を継続的に確保して上げる事。
戦う相手は「現実」。
それは、キック一発で勝負が決まるような生易しい戦いではない。

 沙羅が帰ってきて また三人で暮らせる事になりました、マトモに行くと主人公が敵うはずのない御曹司は自ら身を引いてくれました、商店街は何とか存続できそうです。
どうも…モラトリアムな決着としか思えず。
 いや、そうした終わり方に留める事で後味を良くする、エンターテイメントな作り方は勿論 理解できるが、その場合 主人公が戦う対象は、「強大な敵(イカ集団)に太刀打ちできない、パワーや度胸でオヤジに劣っている自分」ぐらいで良かったはず。

 でも、そうして小綺麗に閉じていない所が、勢いを生み出してもいる。
 「二人じゃなくて三人で暮らすんだ!」というのも、いい歳で世の中をナナメに見ているオッサンからは「いずれ破綻する刹那的な暴走」だが、ムチャをするのが若い衆の特権であり、「やる前から諦めてちゃ何も出来ない」という考え方だって間違ってはいない。
 見る者の年齢やら考え方により、評価が大きく変わってくる作品かも。
それは決して、悪い事ではないだろう。

 最後まで崩れず、高いレベルを維持した作画は驚異的。
 脚本・演出共、「何となく流して作っている」「とりあえずこんなモンでイイだろう」という作品が多い現状で、精一杯 何かを描こうとしている気持ちは伝わる仕事だった。
 何も考えずに見れば、問題なく、割と楽しかったアニメ、と評価できたはず。
 でも、描こうとしたナニモノかがある、と受け取り、仮定したそれが達成できたかどうか、という観点から見ると、厳しくなってしまう。

 取りあえず、スタッフの皆様はお疲れ様でした。
 次回作は、スッキリ見られるエンターテイメント……でなくて構わないけど、「オタオヤジ方向に焦点を絞った、問題作」を作ってくれると、個人的に、語りやすくて嬉しいかな( ^_^ )。



『ピーチガール』最終話.「ラスト・ハリケーン!」

 そういえば最後まで見たのに感想を書いていなかったので、今更ながら。
 うん、面白かった。
 二人の男の間でフラフラしているヒロインの心情を、アッチとくっつく、コッチとくっつく、そのシチュエイション毎に説得力を持って描き出せているのが凄い。
この辺は女性原作者の感性があってこそ、出来るワザだろう。
 ……それでも後半はさすがに無理を生じていたけれども。
 心変わりが頻繁すぎ、この最終回を見た後も、ヒロインが どちらと結ばれるのか分からず。
次回があれば、またコロリと態度を変えそうで。

 『宇宙家族ロビンソン』ドクター・スミスに似て、最悪のキャラクター造形が実に楽しい さえが、シリーズをグッと面白くしてくれた。
 もし彼女抜きだったら、ヒロインの移り気さは もっと悪い印象になって残っていたかも知れない。


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